[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1の全体構成について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2は、パチンコ機の斜視図である。図3は、パチンコ機の背面図であり、図4は、パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。なお、扉枠3と本体枠4とから構成されるものを前面枠という。
外枠2は、図4に示すように、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左部10及び外枠右部20と、外枠左部10及び外枠右部20の上端同士を連結している外枠上部30と、外枠左部10及び外枠右部20の下端同士を連結している外枠下部40と、外枠上部30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ部50と、外枠左部10の右側面下部と外枠下部40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ部50と外枠下ヒンジ部60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖する遊技窓201と、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿130及び下皿140と、上皿130に貯留されている遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル111と、を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾している。扉枠3は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とにより、本体枠4の前面を開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、前方へ開放された箱状に形成されている。本体枠4は、遊技盤5を前方から脱着可能に保持する遊技盤取付部301と、正面視左側の上端に設けられている本体枠上ヒンジ部310と、左側の下端に設けられている本体枠下ヒンジ部320と、遊技盤取付部301の下方で右側に設けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置330と、上皿130や下皿140へ遊技球Bを払出すための払出装置350と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット360と、を備えている。
本体枠4は、本体枠上ヒンジ部310及び本体枠下ヒンジ部320が、外枠上ヒンジ部50及び外枠下ヒンジ部60により外枠2に対して開閉可能に取付けられると共に、図示しない扉枠上ヒンジ部及び扉枠下ヒンジ部を介して扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けている。
遊技盤5は、本体枠4の遊技盤取付部301に着脱可能に取付けられる。遊技盤5は、図示は省略するが、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口、第一始動口、ゲート部、第二始動口、及び大入賞口と、演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、を備えている。
[2.外枠]
パチンコ機1の外枠について、主に図4等を参照して詳細に説明する。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左部10及び外枠右部20と、外枠左部10及び外枠右部20の上端同士を連結している外枠上部30と、外枠左部10及び外枠右部20の下端同士を連結している外枠下部40と、外枠上部30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ部50と、外枠左部10の右側面下部と外枠下部40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部60と、を備えている。
外枠2は、外枠上ヒンジ部50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ部50と外枠下ヒンジ部60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[3.扉枠]
パチンコ機1における扉枠3について、主に図5乃至図10を参照して詳細に説明する。図5は、パチンコ機における扉枠の正面図である。図6は扉枠の左側面図であり、図7は扉枠の右側面図である。図8は扉枠を右前から見た斜視図であり、図9は扉枠を左前から見た斜視図である。図10は、扉枠を上下方向中央で切断して上から見た断面図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖している遊技窓201と、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿130と、上皿130内の遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル111と、を備えている。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備えている。この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもある。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキであり、導電性を有しているため、電磁波ノイズが侵入する場合がある。
そこで、本実施形態では、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、後述する扉枠3の扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されている(各種装飾部には、図示しない配線を介して金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されているものもあれば、導電性部材が直接金属製の扉枠補強ユニットに取り付けられて電気的に接続されているものもある)。これにより、各種装飾部へ侵入した電磁波ノイズを金属製の扉枠補強ユニットへ伝えることで各種装飾部に備える各種装飾基板の基板グランドへの侵入を防止することができるようになっている。
なお、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものへ侵入した電磁波ノイズは、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットへ伝わると、後述する扉枠金属アース線を介して枠アース基板559へ伝わり、そして枠アース基板559から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、パチンコ機1から除去される。つまり、本実施形態では、金属製の扉枠補強ユニットが扉枠側のフレームグランドとなっている。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の図示しない扉枠ベースユニットと、下端から全高の約1/4の高さまでの部位であって扉枠ベースユニットの前面に設けられている扉枠下部ユニット100と、扉枠下部ユニット100の上側であって扉枠ベースユニットの前面に設けられている扉枠上部ユニット200と、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310及び本体枠下ヒンジ部320に回転可能、且つ、脱着可能に支持される扉枠上ヒンジ部及び扉枠下ヒンジ部(図示は省略)と、を備えている。
扉枠ベースユニットは、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している遊技窓201を有した図示しない扉枠ベースと、扉枠ベースの後側の下部における背面視右端付近に取付けられている図示しない扉枠主中継基板と、扉枠主中継基板の背面視左方に取付けられている図示しない扉枠副中継基板と、扉枠副中継基板の背面視左方に取付けられている図示しないハンドル後中継基板と、扉枠主中継基板と扉枠副中継基板の一部とを後側から被覆する図示しない扉枠中継基板カバーと、ハンドル後中継基板を後側から被覆する図示しないハンドル後中継基板カバーと、図示しない配線ケーブルを被覆する図示しないケーブルカバーと、を備えている。
また、扉枠ベースユニットは、扉枠ベースの後側に取付けられている図示しない金属製の枠状の扉枠補強ユニットと、扉枠補強ユニットに取付けられている図示しない金属製の扉枠上ヒンジ組立体及び扉枠下ヒンジ部材と、扉枠補強ユニットに取付けられている金属製の開閉用のシリンダ錠127と、を備えている。
扉枠補強ユニットは、扉枠ベースの後側に取付けられることで、扉枠ベースを補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体及び扉枠下ヒンジ部材は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠127は、本体枠4の施錠ユニット360と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
扉枠補強ユニットは、扉枠ベースを補強して剛性を付与することができる機能に加えて扉枠金属アースとしても機能し、図示しない扉枠金属アース線を介して、枠アース基板559と電気的に接続されている。枠アース基板559は、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
扉枠3の扉枠下部ユニット100は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むために遊技者が操作可能なハンドル111と、前方へ膨出している膨出部120と、膨出部120の上面に設けられており遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿130と、上皿130の下方に設けられており遊技球Bを貯留するための下皿140と、膨出部の上面に設けられており遊技者に所定の演出を提示するための扉枠演出装置150と、膨出部120の上面に設けられており上皿130内の遊技球Bを下皿へ放出する上皿球抜ボタン124と、膨出部120の上面に設けられている球貸ボタン125及び返却ボタン126と、球貸ボタン125及び返却ボタン126の後方に設けられている扉枠サブ表示部185と、膨出部120の前面に設けられている下部前面スピーカ191と、を備えている。
扉枠3の扉枠上部ユニット200は、遊技盤5の遊技領域5a内を前方から視認可能としている内周が逆U字形の遊技窓201と、遊技窓201を閉鎖している透明な閉鎖ガラス205と、遊技窓201の内周に沿って設けられている扉枠上部内装飾ユニット210と、扉枠上部内装飾ユニット210の外側に設けられている扉枠上部外装飾ユニット220と、扉枠上部内装飾ユニット210、及び扉枠上部外装飾ユニット220を覆っている扉枠上部外縁装飾ユニット230と、扉枠上部外縁装飾ユニット230の上部前面に設けられている上部スピーカユニット240と、を備えている。
また、扉枠3は、上皿130に貯留されている遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置330へ送るための球送給ユニット(図示は省略)を備えている。球送給ユニットは、払出制御基板633の発射制御部372により制御される球送給ソレノイド105(図18を参照)を備えている。
[3-1.扉枠下部ユニット]
次に、扉枠3の扉枠下部ユニット100について、主に図5乃至図13等を参照して詳細に説明する。図11は、扉枠下部ユニットを左右方向中央で切断して右から見た断面図である。図12(a)は扉枠演出装置の第一可動部を上昇端へ移動させた状態を示す斜視図であり、(b)は(a)の状態から演出操作部を上昇端へ移動させた状態を示す斜視図である。図13(a)は下部前面スピーカユニット付近の拡大正面図であり、(b)は(a)において下部前面スピーカグリル、グリル装飾枠、及び格子装飾部を取外した状態で示す拡大正面図である。
扉枠3の扉枠下部ユニット100は、本体枠4に保持された遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖している遊技窓201によりも下方に配置されている。扉枠下部ユニット100は、正面視において右下隅に設けられており遊技領域5a内に遊技球Bを打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット110と、ハンドルユニット110の上方及び左方において本体枠4の前面を閉鎖する面に対して前方へ膨出している膨出部120と、を備えている。
また、扉枠下部ユニット100は、膨出部120の上面で装置配置部123を囲むように設けられており遊技球Bを貯留するための上皿130と、上皿130の下方で左右方向中央より左側に設けられており遊技球Bを貯留するための下皿140と、膨出部120の上面における装置配置部123に設けられており遊技者に所定の演出を提示可能な扉枠演出装置150と、正面視において右上隅設けられている扉枠サブ表示部185と、膨出部120の前面に設けられている下部前面スピーカユニット190と、を備えている。
[3-1a.ハンドルユニット]
扉枠下部ユニット100のハンドルユニット110は、遊技者が掴んで回転操作することのできるハンドル111と、ハンドル111の前側に設けられているハンドルカバー112と、ハンドル111を回動可能に支持しているハンドルベース113と、を備えている。また、ハンドルユニット110は、ハンドルベース113内に設けられており、ハンドル111の回動角度を検知するハンドル回転検知センサ114(図18を参照)と、遊技者がハンドル111に触れていることを検知するハンドルタッチセンサ115と、ハンドル111を反時計回りの方向へ付勢しているハンドル復帰バネ(図示は省略)と、遊技者が押圧可能な単発ボタン116と、を備えている。
ハンドルユニット110は、ハンドル111の回転軸が、前方へ向かうに従って右方へ移動するように傾斜している。これにより、遊技者がハンドルユニット110のハンドル111が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。また、ハンドルユニット110は、ハンドルベース113が、ハンドル111の回転軸の延びている方向へ伸縮可能に構成されていると共に、所望の伸縮位置で保持することができる。これにより、ハンドル111の前後方向の位置を調整することができるため、遊技者の操作し易い位置でハンドル111を操作することができる。
ハンドル111は、所定角度範囲内でのみ回動可能にハンドルベース113に支持されている。ハンドル111は、周方向へ離隔し外周面から突出している複数(ここでは四つ)の突起を有している。ハンドルカバー112は、透光性を有しており、後方に配置されている複数のフルカラーLEDにより、様々な色で発光装飾することができる。
ハンドルユニット110のハンドル回転検知センサ114は、ハンドル111の回転角度に応じて内部抵抗が変化する可変抵抗器とされている。ハンドル111の回転操作により変化するハンドル回転検知センサ114の内部抵抗に応じて、後述する球発射装置330における発射ソレノイド331の駆動力が変化し、ハンドル111の回転角度に応じた強さで遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことができる。
ハンドルユニット110のハンドルタッチセンサは、ハンドル111等の静電気容量を検知するものである。遊技者がハンドル111等に接触すると、ハンドル111等の静電気容量が変化することから、ハンドルタッチセンサによりハンドル111等の静電気容量を検知することで、遊技者がハンドル111に触れているか否かを検知する。本実施形態では、ハンドルタッチセンサ115が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル111を回動させると、ハンドル回転検知センサ114の検知が受付けられ、ハンドル111の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド331の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。
つまり、遊技者がハンドル111に触れずに、何らかの方法でハンドル111を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ115が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド331は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル111を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
ハンドルユニット110の単発ボタン116は、遊技者がハンドル111を回転操作中に、を押圧すると、払出制御基板633の発射制御部372によって発射ソレノイド331の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル111の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができる。そして、単発ボタン116の押圧操作を解除することで、単発ボタン116を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
[3-1b.膨出部]
扉枠3の膨出部120は、正面視の形状が、上下に延びている軸の短いT字状に形成されていると共に、平面視の形状が、後端側が扉枠3の左右方向の全幅の長さで前方へ向かうに従って幅が狭くなるような等脚台形状に形成されている(図10等を参照)。膨出部120は、左右方向の全幅の半分の長さよりも若干長く前方へ膨出している。膨出部120の上面は、水平面に対して、前方へ向かうに従って下方へ位置するように、僅かに傾斜している。
膨出部120は、左右方向において、扉枠3の全幅を三等分した中央部が、扉枠3の下端から上面までの全高に亘って前方へ膨出しており、残りの部位(左右両側の部位)が、扉枠3の下端から上面までの全高に対して上から約1/3の部位までが前方へ膨出している。これにより、膨出部120の正面視の形状が、T字状となっている。膨出部120は、前面中央の下部に四角く開口しているスピーカ取付口120aを有している。このスピーカ取付口120aに下部前面スピーカユニット190が取付けられる。
また、膨出部120は、正面視T字状における上下に延びている部位(スピーカ取付口120aが開口している部位)の左右両側面に、上下に延びている放音スリット120bと放熱スリット120cとが設けられている。放音スリット120bは、後述する下部前面スピーカ191からの音を外部へ放出させるためのものである。また、放熱スリット120cは、後述する扉枠演出装置150内の第一昇降駆動モータ175bや第二昇降駆動モータ182、下部前面スピーカ191等からの熱を外部へ放出させるためのものである。
膨出部120は、前面における上端縁に設けられている膨出部上装飾部121と、前面における下端縁に設けられている膨出部下装飾部122と、上面において左右方向中央部で後端側から前方へ突出するように設けられている装置配置部123と、上面に設けられており上皿130内の遊技球Bを下皿140へ放出する上皿球抜ボタン124と、上皿球抜ボタン124の後方に設けられている球貸ボタン125及び返却ボタン126と、を備えている。
膨出部上装飾部121及び膨出部下装飾部122は、透光性を有した乳白色で、半円柱状に形成されている。膨出部上装飾部121は、膨出部120の前面における上端縁に沿って延びており、述する上皿130の前側の上縁を装飾するように設けられている。膨出部上装飾部121は、内部に複数のLED121aを有している(図16を参照)。複数のLED121aは、膨出部上装飾部121の延びている方向へ一列に並べられている。これら複数のLED121aは、フルカラーLEDである。
膨出部上装飾部121は、左右方向へ離隔している二つの後端同士の間隔が、後述する扉枠上部ユニット200の扉枠上部内装飾ユニット210における左右方向へ離隔している上部内装飾部212の下端同士の間隔と一致している。この膨出部上装飾部121は、扉枠3に組立てた状態で、上部内装飾部212と一致するように形成されており、上部内装飾部212とで一つの連続した装飾を形成している。この膨出部上装飾部121は、上部内装飾部212とで、遊技窓201の周りを発光装飾する第一周光領域LA1を構成している。
また、膨出部上装飾部121は、上皿130の前周壁134の上端よりも上側を装飾していると共に、上皿130の前側の壁(前周壁134)を嵩上げしている。この膨出部上装飾部121は、LED121aからの光の一部が、上皿130内(貯留領域131内)へ照射されるように構成されており、貯留領域131内に貯留されている遊技球Bに光を照射して発光装飾させることができる。
膨出部下装飾部122は、膨出部120の前面における下端縁に沿うように延びている。膨出部下装飾部122は、内部に複数のLED122aを有している(図16を参照)。複数のLED122aは、膨出部下装飾部122の延びている方向へ一列に並べられている。これら複数のLED122aは、フルカラーLEDである。
装置配置部123は、平面視の形状が、左右に長い長方形と、その長方形の前辺を底辺とした等脚台形とを組み合わせたような形状に形成されている。装置配置部123は、後端側の左右方向の幅が、扉枠3の全幅の約1/2の長さである。装置配置部123は、膨出部120の上面において上方が開放されており、上方から膨出部120の内部へ延びた容器状に形成されている。
上皿球抜ボタン124は、上皿130よりも右側で膨出部120の上面の右隅に設けられている。上皿球抜ボタン124は、下方へ押圧することにより、上皿130に貯留されている遊技球Bを、送出口136から下皿140へ放出することができる。この上皿球抜ボタン124は、押圧している間だけ、上皿130内の遊技球Bを下皿140へ放出させ、押圧を解除すると、上方へ移動して元の状態に復帰すると共に、下皿140への放出を停止する。
上皿球抜ボタン124は、外形が正方形に形成されている。上皿球抜ボタン124は、下方に配置されたLEDにより発光する発光装飾部124aを有している。発光装飾部124aは、上皿球抜ボタン124の外周を囲むように配置されている。発光装飾部124aを発光させることで、上皿球抜ボタン124を発光装飾させることができる。
球貸ボタン125は、膨出部120の上面における上皿球抜ボタン124の後方に配置されている。球貸ボタン125は、外形が円形に形成されている。返却ボタン126は、膨出部120の上面における球貸ボタン125の右方に配置されている。返却ボタン126は、外形が正三角形に形成されている。
球貸ボタン125は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、押すことにより、所定数の遊技球Bを、上皿130内へ供給して、遊技球Bを遊技者に貸出すものである。返却ボタン126は、押すことにより、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却するものである。なお、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量は、扉枠サブ表示部185に表示される。
[3-1c.上皿]
扉枠3の上皿130は、膨出部120の上面において下方へ窪んでおり、遊技球Bが貯留される貯留領域131を有している。貯留領域131は、装置配置部123の前方側のフロント領域131a(図15において一点鎖線で囲まれている部位)と、フロント領域131aにより互いに繋がれ装置配置部123の左右両外側のサイド領域131b(図15において二点鎖線で囲まれている部位)と、から構成されている。
フロント領域131aは、前後方向の幅が略一定で、左右方向へ延びている。左側のサイド領域131bは、後端側から前方のフロント領域131a側へ向かうに従って左右方向の幅が狭くなるように前後方向へ延びている。右側のサイド領域131bは、前端側のフロント領域131a側から途中まで後方へ向かうに従って左右方向の幅が広くなるように延びた後に、後端側へ向かって幅が狭くなるように、前後方向へ延びている。上皿130(貯留領域131)は、装置配置部123の前方側と左右両外側とを囲むように形成されている。
上皿130は、底面を形成している底壁132と、底壁132の後端から上方へ立上っている後周壁133と、底壁132の前端から上方へ立上っている前周壁134と、左側のサイド領域131bの後端において前方へ向かって開口している供給口135と、右側のサイド領域131bの後端において前方へ向かって開口している送出口136と、送出口136の近傍に設けられており送出口136へ向かって遊技球Bを整列させる整列部137と、を備えている。
上皿130の底壁132は、供給口135側から送出口136へ向かって低くなるように傾斜している。前周壁134及び後周壁133は、略垂直に立上っている。底壁132、後周壁133、及び前周壁134の表面は、鏡面状に形成されている。上皿130は、底壁132、後周壁133、及び前周壁134によって貯留領域131を形成している。上皿130の深さ(底壁132から後周壁133及び前周壁134の上端までの高さ)は、最も浅い部位(供給口135付近)でも、遊技球Bの直径より深く形成されている。
供給口135は、本体枠4の払出装置350から払出された遊技球Bを、貯留領域131内へ供給するためのものである。送出口136は、貯留領域131内に貯留された遊技球Bを貯留領域131から球発射装置330や下皿140へ送出するためのものである。整列部137は、平面視において長方形と等脚台形とを組み合わせた装置配置部123における長方形と等脚台形との境界付近で、底壁132が送出口136へ向かって低くなるように下方へ折れ曲がっている。
また、上皿130は、貯留領域131内へ向かって光を照射可能な複数のLED138aを有した貯留発光装飾部138を、備えている。貯留発光装飾部138の複数のLED138aは、後周壁133に設けられており、底壁132から遊技球Bの外径の半分よりも上方で、後周壁133の上端と略平行となる高さに設けられている。これらLED138aは、フルカラーLEDである。貯留発光装飾部138のLED138aを発光させることで、貯留領域131内や、貯留領域131内に貯留されている遊技球Bを発光装飾させることができる。
上皿130は、前周壁134の上端に膨出部120の膨出部上装飾部121が設けられており、膨出部上装飾部121により貯留領域131の前端側が嵩上げされて、より多くの遊技球Bを貯留させることができる。また、上皿130は、膨出部上装飾部121のLED121aからの光の一部が、貯留領域131内へ照射されるようになっており、膨出部上装飾部121からの光によっても貯留領域131内の遊技球Bが発光装飾される。
上皿130は、扉枠演出装置150が配置される装置配置部123の前方側のフロント領域131aと、左右両外側のサイド領域131bとを有しており、フロント領域131aにより扉枠演出装置150よりも前方側に遊技球Bを貯留させることができるため、上皿130内に貯留されている遊技球Bを遊技者から見え易くすることができる。また、上皿130において、フロント領域131aにより繋がれる二つのサイド領域131bは、前後に延びたような領域となるため、フロント領域131aに加えて、サイド領域131bに貯留されている遊技球Bも、遊技者側から視認し易くすることができる。
従って、上皿130内の遊技球Bが見え易くなることで、遊技者に対して遊技球Bの貯留量に対する意識を喚起させることができることから、遊技の進行により上皿130内の遊技球Bを消費して貯留量が少なくなっても、遊技者に対して貯留量の低下を認識させ易くして、上皿130内へ遊技球Bを補充させることができるため、遊技者が気付かないうちに遊技球Bが上皿130から無くなることを回避させて、突然の遊技の中断を阻止することができ、遊技の中断による遊技者の落胆を防止して、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上皿130では、フロント領域131a内や二つのサイド領域131b内の遊技球Bを遊技者側から見え易くすることができるため、遊技者が視線を、遊技領域5aから下方の扉枠演出装置150へ落とすだけで、フロント領域131a内に遊技球Bが有るか無いかを即座に認識させることができ、上皿130内における遊技球Bの有無を、遊技者が注意深く確認する必要はなく、遊技者を遊技に専念させ易くすることが可能となり、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上皿130では、供給口135から貯留領域131内へ供給された遊技球Bが、フロント領域131aを通って送出口136から貯留領域131外へ送出されるため、遊技を行うことで上皿130内の遊技球Bを消費すると、遊技球Bが目の前(フロント領域131a)を流れることとなり、遊技者に対して遊技球Bの消費速度や消費量等を認識させ易くすることができ、上述した作用効果を奏し易いものとすることができる。
また、上皿130では、貯留領域131内へ光を照射する貯留発光装飾部138を設けており、貯留発光装飾部138(LED138a)からの光が遊技球Bにより上方へ反射されるため、貯留発光装飾部138からの光により上皿130に貯留されている遊技球Bをキラキラと輝かせて発光装飾させることができ、遊技者に対して遊技球Bの発光装飾を楽しませることができると共に、遊技者の関心を上皿130に貯留されている遊技球Bに強く引付けさせることができ、上皿130における遊技球Bの貯留量を確認させて上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上皿130では、底壁132、後周壁133、及び前周壁134等の内面を、鏡面状に形成していることから、上皿130内に貯留されている遊技球Bが、上皿130の周壁にうつるため、遊技者に対して周壁の向こうにも遊技球Bが貯留されているように錯覚させることができ、上皿130に多くの遊技球Bが貯留されているように見せることができる。
更に、上皿130では、送出口136の近傍に整列部137を設けて遊技球Bを整列させるようにしているため、送出口136の近傍において遊技球Bの詰りを防止することができ、上皿130に貯留されている遊技球Bを、送出口136からスムーズに球発射装置330や下皿140へ送出させることができる。従って、遊技球Bが詰まることによる遊技の中断を回避させることができ、遊技者に遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上皿130では、右側のサイド領域131bに配置されている送出口136を、前方から視認可能としているため、これまでのパチンコ機では見ることができなかった送出口136から遊技球Bが送出される様子を見ることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[3-1d.下皿]
下皿140は、上皿130の下方で、膨出部120における前方へ膨出している中央部分よりも左側に設けられており、上方へ開放された浅い皿状に形成されている。下皿140と上皿130(膨出部120における左側の部位の下面)との間には、遊技者の手を挿入できる間隔があけられている。下皿140は、前面が、平面視において膨出部120の前面と略同じ形状に形成されている。
下皿140は、底壁の最も低くなっている部位に形成されており、開閉可能な下皿球抜孔141(図9を参照)と、下皿球抜孔141を開閉させて下皿140内の遊技球Bを下方へ排出するための下皿球抜ボタン142と、下皿140が遊技球Bで一杯になっていることを検知する満タン検知センサ143(図18を参照)と、を有している。
下皿140は、上皿球抜ボタン124の操作により上皿130内の遊技球Bが供給される。また、下皿140は、上皿130内において遊技球Bが一杯になった状態で、払出装置350から払出された遊技球Bが供給される。なお、下皿140内が遊技球Bで一杯になると、下皿140の満タンを満タン検知センサ143が検知し、下皿140の満タンが検知されると、払出装置350による遊技球Bの払出しが一時的に停止される。その後、下皿140内の満タンが解消される(満タン検知センサ143が非検知となる)と、払出しの一時停止が解除される。
下皿球抜ボタン142は、下皿140の前面に設けられており、外形が四角形に形成されている。下皿球抜ボタン142を、後方へ押圧すると、下皿球抜孔141が開くと共に、下皿球抜ボタン142が押圧されたままの状態で保持される。この状態で下皿球抜ボタン142を更に後方へ押圧すると、下皿球抜孔141が閉じると共に、下皿球抜ボタン142が前方へ移動して元の状態に復帰する。
下皿球抜ボタン142は、図示しないLEDにより発光する発光装飾部142aを有している。発光装飾部142aは、下皿球抜ボタン142の左右両側及び上側を囲むように配置されている。発光装飾部142aを発光させることで、下皿球抜ボタン142を発光装飾させることができる。例えば、多くの遊技球Bが払出される「大当り」遊技の時に、発光装飾部142aにより下皿球抜ボタン142を発光装飾させることで、遊技者の関心を下皿140に向けさせることができ、下皿球抜ボタン142を操作させて下皿140内の遊技球Bを下方のドル箱等に排出させることができ、下皿140が満タンとなって遊技球Bの払出しが一時停止されることを回避させることができる。
[3-1e.扉枠演出装置の全体構成]
扉枠演出装置150は、膨出部120の上面に設けられている装置配置部123に配置されている。扉枠演出装置150は、上方へ開放されている装置配置部123を閉鎖している透明な装置カバー151と、装置カバー151を通して前方から視認可能に設けられている扉枠演出表示装置152と、扉枠演出表示装置152の前方に設けられている下部スピーカユニット153と、下部スピーカユニット153の前方で上面が装置カバー151よりも上方へ昇降可能に設けられている第一可動部155と、第一可動部155に昇降可能に設けられており遊技者が押圧操作可能な演出操作部160と、第一可動部155を昇降させる第一昇降機構170と、演出操作部160を昇降させる第二昇降機構180と、を備えている。
[3-1e-1.装置カバー]
装置カバー151は、平面視の形状が、装置配置部123と同じ、左右に長い四角形と、その四角形の前辺を底辺とした等脚台形と、を組み合わせた形状に形成されている。装置カバー151は、等脚台形の部位において等脚台形状に大きく開口した開口部151aと、四角形の部位において前後方向の中央付近で後端側が上方となるように屈曲して傾斜している傾斜面部151bと、四角形の部位の前端付近において六角形状に貫通している複数のグリル孔151cと、を有している。装置カバー151は、前端側が低くなるように全体が傾斜している。装置カバー151の開口部151aには、第一可動部155が挿通される。
装置カバー151は、傾斜面部151bの上端が、扉枠上部ユニット200の扉枠上部カバー232の下端と一致している。また、装置カバー151は、傾斜面部151bよりも前側が、前方へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、装置カバー151の上面に遊技球Bが載っても、前方へ転動して上皿130内へ放出させることができる。
[3-1e-2.扉枠演出表示装置]
扉枠演出表示装置152は、演出画像を表示する表示画面が、左右に長い四角形に形成されており、左右方向の長さが、扉枠3の全幅の1/2よりも若干短い。扉枠演出表示装置152は、上辺に対して下辺が前方に位置するように、傾斜させた状態で設けられている。つまり、扉枠演出表示装置152は、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭部付近に向けられている。扉枠演出表示装置152は、上辺が扉枠下部ユニット100の上端付近の高さに位置しており、下辺が上皿130におけるフロント領域131aの底面よりも下方の高さに位置している。また、扉枠演出表示装置152は、上辺が扉枠下部ユニット100(装置カバー151)の後端付近に位置しており、下辺が装置カバー151における傾斜面部151bの前端付近に位置している。扉枠演出表示装置152は、画面比率が16:9の液晶表示装置である。
[3-1e-3.下部スピーカユニット]
下部スピーカユニット153は、左右に離隔して配置されている一対の下部スピーカ153aと、一対の下部スピーカ153aを取付けている下部スピーカベース153bと、下部スピーカベース153bに取付けられており下部スピーカ153aの外周や下部スピーカ153a同士の間を装飾する下部スピーカ装飾部153cと、を有している。一対の下部スピーカ153aは、高音域のサウンドを出力するツイータである。
下部スピーカベース153bは、前辺に対して後辺が上方に位置するように傾斜している前面と、前面の後辺から前面に対して垂直に下方へ延びている後面とを有し、下方へ開放された左右に長い容器状に形成されている。また、下部スピーカベース153bは、前面に円形の取付孔が左右に離隔して形成されている。下部スピーカベース153bの前面は、水平からの傾斜角度が、扉枠演出表示装置152の水平からの傾斜角度よりも小さい角度で傾斜している(図11等を参照)。
下部スピーカ装飾部153cは、下部スピーカベース153bの前面に取付けられており、下部スピーカ153aの外周に配置されている円環状の部位と、一対の下部スピーカ153a同士の間に配置されている複数の円弧状の部位と、で構成されている。下部スピーカ装飾部153cは、透光性を有しており、図示しない、下部スピーカ装飾基板に実装されているLEDを発光させることで、発光装飾することができる。
下部スピーカユニット153は、一対の下部スピーカ153aが、下部スピーカベース153bの取付孔から前方へ臨むように、下部スピーカベース153bの内部に取付けられている。これにより、一対の下部スピーカ153aが、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭部付近に向けられている。下部スピーカユニット153は、上端が扉枠演出表示装置152の上下方向中央よりも若干低い高さに位置しており、下端が扉枠演出表示装置152の下端よりも若干低い高さに位置している。
また、下部スピーカユニット153は、前端が装置カバー151の開口部151aの後端から前方寄り(演出操作部160から若干後方)に位置しており、後端が装置カバー151の傾斜面部151bの前端付近に位置している。下部スピーカユニット153は、透明な装置カバー151を通して視認することができる。また、一対の下部スピーカ153aから出力されたサウンドは、装置カバー151のグリル孔151c及び第一可動部本体156のグリル孔156bを通して、外部(パチンコ機1外)へ良好に放射させることができる。
また、下部スピーカユニット153は、図示しない、下部スピーカ装飾基板のLEDにより下部スピーカ装飾部153cを発光装飾させることで、下部スピーカ153aと下部スピーカ153aのスピーカグリル(装置カバー151及び第一可動部本体156の上壁)との間を発光装飾させることができ、これまでのパチンコ機では見られなかったスピーカ内部の発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3-1e-4.第一可動部]
第一可動部155は、後方及び下方が開放された容器状で透明な第一可動部本体156と、第一可動部本体156の下側に取付けられている第一可動部ベース157と、第一可動部本体156の上面に取付けられている第一可動部カバー158と、第一可動部本体156の側面内側に取付けられている第一可動部装飾基板159と、を備えている(図11及び図12を参照)。第一可動部155は、装置カバー151の開口部151aに配置されている。第一可動部155は、第一昇降機構170により昇降可能に支持されていると共に、第一昇降機構170によって昇降させられる。
第一可動部本体156は、平面視の形状が、装置カバー151の開口部151aの形状と相似し、左右に長い四角形と、四角形の前辺を底辺とした等脚台形とを組み合わせたように形状に形成されている。第一可動部本体156は、四角形と等脚台形とを組み合わせたような形状の上壁と、上壁における後辺を除いた側辺から下方へ延びている側壁と、で後方及び下方が開放された容器状に形成されている。第一可動部本体156の上壁(上面)は、前側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向中央が高くなるように湾曲している。
第一可動部本体156は、上壁における前端付近で左右に長い四角形状に貫通している開口部156aと、上壁の開口部156aを除いた部位において六角形状で貫通している複数のグリル孔156bと、側壁において周方向へ列設されており四角形状で貫通している複数の貫通孔156cと、を有している。開口部156aは、第一可動部カバー158の開口枠部158aの下端が挿入される。貫通孔156cは、第一可動部装飾基板159に実装されているLED159aが外側へ臨む大きさに形成されている。
第一可動部ベース157は、左右に長い平板状に形成されている。第一可動部ベース157は、前後方向の幅が、第一可動部本体156の開口部156aにおける前後方向の幅よりも短く形成されている。第一可動部ベース157は、前端が第一可動部本体156の開口部156aの前端と前後方向が略同じ位置となるように、第一可動部本体156に取付けられている。第一可動部ベース157は、水平な状態で第一可動部本体156に取付けられている。この第一可動部ベース157は、下面に、第一昇降機構170の一対の昇降スライダ172が取付けられと共に、上面に、第二昇降機構180の第二昇降ベース181が取付けられる。
第一可動部カバー158は、外形が、第一可動部本体156の上壁と同じ形状で、同じ大きさに形成されている。第一可動部カバー158は、第一可動部本体156の開口部156aと対応している横長四角形の開口枠部158aと、左右に延びており前後方向へ離隔している複数のルーバー部158bと、を有している。第一可動部カバー158は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が設けられている。第一可動部カバー158の開口枠部158aは、下端が、ルーバー部158bの下端よりも下方へ突出しており、第一可動部本体156の開口部156a内に挿入される。開口枠部158aの枠内には、演出操作部160が挿入される。
第一可動部カバー158のルーバー部158bは、左右方向の両端部を除いた部位が一定の幅で延びており、左右方向の両端部が前方へ斜めに広がるような三角形状に形成されている。複数(ここでは五つ)のルーバー部158bは、前後方向へ遊技球Bの外径よりも若干大きい間隔をあけて設けられている。これにより、ルーバー部158b同士の間に、遊技球Bを貯留させることができる。因みに、前から一つ目のルーバー部158b同士の間には遊技球Bを一つ、二つ目のルーバー部158b同士の間には遊技球Bを二つ、三つ目のルーバー部158b同士の間には遊技球Bを三つ、夫々貯留することができる(図15を参照)。
第一可動部装飾基板159は、前面に複数のLED159aが実装されている。複数のLED159aは、第一可動部本体156の貫通孔156cと対応した位置に配置されている。第一可動部装飾基板159は、第一可動部本体156の側壁の内側に取付けられることで、実装されている複数のLED159aが、側壁の貫通孔156cから外側へ臨む。第一可動部装飾基板159のLED159aは、フルカラーLEDである。
この第一可動部装飾基板159は、第一可動部155を下降させた状態(通常の状態)でLED159aを発光させると、上皿130の後周壁133と第一可動部本体156の側壁との間を通して、上皿130の後周壁133の上部を発光装飾させることができ。また、第一可動部装飾基板159は、第一可動部155を上昇させた状態でLED159aを発光させると、第一可動部本体156の側壁を発光装飾させることができると共に、貯留領域131内や前方(遊技者側)へ光を照射させることができる。
[3-1e-5.演出操作部]
演出操作部160は、第一可動部155に対して昇降可能に設けられており、遊技者が押圧操作可能とされた、所謂、プッシュボタンである。演出操作部160は、第二昇降機構180により昇降可能に支持されていると共に、第二昇降機構180により昇降させられる(図11及び図12を参照)。
演出操作部160は、上面に「PUSH」の文字が形成された透光性を有する押圧操作部161と、押圧操作部161の下方に配置されており上面に複数のLEDが実装されている操作部装飾基板162と、上面に押圧操作部161及び操作部装飾基板162が取付けられている操作部可動ベース163と、操作部可動ベース163を昇降可能に支持しており下面が第二昇降機構180(第二昇降ベース181)を介して第一可動部155に取付けられている操作部ベース164と、操作部可動ベース163を上方へ付勢している操作部バネと、操作部バネの付勢力に抗した下方へ移動した押圧操作部161を検知する押圧検知センサ165(図18を参照)と、を備えている。
押圧操作部161は、左右に長い四角形で、上面に「PUSH」の文字がレリーフ状に形成されている。押圧操作部161は、外周形状が、第一可動部カバー158における開口枠部158aの枠内よりも若干小さく形成されている。
操作部装飾基板162の上面に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDである。操作部装飾基板162は、上方へ光を照射する第一LEDと、操作部装飾基板162の上面に沿った外方へ光を照射する第二LEDと、が上面に実装されている。操作部装飾基板162は、第一LEDを発光させることで、押圧操作部161(「PUSH」の文字)を発光装飾させることができる。また、第二LEDを発光させることで、操作部可動ベース163の周壁を発光装飾させることができると共に、演出操作部160が下降端の状態では、第一可動部カバー158の開口枠部158aを発光装飾させることができる。
操作部可動ベース163は、下方が開放された左右に長い箱状に形成されている。操作部可動ベース163は、押圧操作部161の外周よりも若干小さく形成されている。操作部可動ベース163の上面に、操作部装飾基板162を挟むように、押圧操作部161が取付けられている。操作部可動ベース163は、内部に下方から操作部ベース164が挿入される。
操作部ベース164は、操作部可動ベース163の内部に挿入可能な大きさで上方が開放された左右に長い箱状の部位と、箱状の部位から操作部可動ベース163の外周と同じ位置まで外方へ突出しているフランジ状の部位とで構成されている。操作部ベース164は、操作部可動ベース163を、所定の範囲内で昇降可能に支持している。この操作部ベース164の下面には、第二昇降機構180が取付けられる。
操作バネは、上端が操作部可動ベース163の上壁の下面に当接していると共に、下端が操作部ベース164の下壁の上面に当接している。押圧検知センサ165は、操作部ベース164の内部に取付けられており、操作部可動ベース163の図示しない検知片を検知することで、操作部可動ベース163を介して押圧操作部161の押圧操作を検知する。
[3-1e-6.第一昇降機構]
第一昇降機構170は、図11に示すように、膨出部120の内部に取付けられており、第一可動部155を昇降させるためのものである。第一昇降機構170は、膨出部120の内部に左右に離隔して取付けられ上下に延びている一対の昇降レール171と、一対の昇降レール171により夫々が上下方向へ案内される一対の昇降スライダ172と、一対の昇降スライダ172同士を連結している連結部173と、一端が昇降スライダ172に回転可能に取付けられており、他端が膨出部120に回転可能に取付けられている棹状の一対の昇降アーム174と、一対の昇降アーム174を夫々回転させる第一昇降駆動機構175と、昇降スライダ172(第一可動部155)の昇降位置を検知する第一昇降検知センサ176と、を備えている。
一対の昇降レール171は、演出操作部160(押圧操作部161)の左右方向の長さよりも長い間隔で、左右に離隔している。一対の昇降レール171は、垂直に延びるように膨出部120の内部に取付けられている。一対の昇降スライダ172は、夫々の上端が第一可動部155の第一可動部ベース157の下面に取付けられており、夫々の下端が連結部173に取付けられている。
一対の昇降アーム174は、対応する昇降スライダ172に対して、夫々の前端側が、左右方向へ延びた軸周り回転可能に取付けられていると共に昇降アーム174の長手方向へスライド可能に取付けられている。また、一対の昇降アーム174は、後端側が、膨出部120に対して、左右方向へ延びた軸周りに回転可能に取付けられている。一対の昇降アーム174は、長手方向の中央に対して前端寄りの位置に、長手方向へ延びているスリット174aを夫々有している。
第一昇降駆動機構175は、一対の昇降アーム174に対して、夫々設けられている。つまり、第一昇降駆動機構175は、一対設けられている。第一昇降機構170は、第一昇降駆動機構175により、一対の昇降アーム174の前端側が夫々上方へ移動する方向に、一対の昇降アーム174を夫々回転させることで、一対の昇降アーム174の先端が夫々取付けられている一対の昇降スライダ172を介して第一可動部155(演出操作部160)を昇降させることができる。
第一昇降駆動機構175について詳述すると、第一昇降駆動機構175は、昇降アーム174のスリット174a内にスライド可能に挿入されると共に、左右方向の延びた軸周りに対して公転する第一昇降ピン175aと、第一昇降ピン175aを公転させる第一昇降駆動モータ175bと、を有している。更に詳述すると、第一昇降駆動機構175は、膨出部120の内部に取付けられており前後方向及び上下方向に延びている平板状の駆動ベース175cと、駆動ベース175cに左右方向へ延びた軸周りに対して回転可能に取付けられていると共に、回転軸に対して偏芯した位置に第一昇降ピン175aが取付けられている平歯車状の昇降ギア175dと、昇降ギア175dと噛合し第一昇降駆動モータ175bの回転軸に取付けられている駆動ギア175eと、を有している。
本実施形態では、駆動ベース175cには、二つの第一昇降駆動モータ175bが取付けられており、夫々の第一昇降駆動モータ175bの回転軸に取付けられている駆動ギア175eが、昇降ギア175dに対して夫々噛合している。つまり、一つの昇降ギア175dを、二つの第一昇降駆動モータ175bにより回転させるようにしている。
この第一昇降駆動機構175は、二つの第一昇降駆動モータ175bの夫々の回転軸に取付けられている駆動ギア175eを同じ方向へ回転させると、夫々の駆動ギア175eが噛合している昇降ギア175dが回転すると共に、昇降ギア175dの軸芯を中心として第一昇降ピン175aが公転する。この第一昇降ピン175aが公転することで、第一昇降ピン175aが、昇降アーム174のスリット174a内を摺動すると共に、スリット174aの内部を上下方向へ押圧し、昇降アーム174が後端側を中心として回転(回動)することとなる。これにより、昇降アーム174の前端側が上下方向へ移動するため、昇降アーム174の前端側が取付けられている昇降スライダ172を介して第一可動部155を昇降させることができる。
第一昇降検知センサ176は、一対の昇降スライダ172が下方への移動端(下降端)に位置している時に、検知状態となる。つまり、第一昇降検知センサ176は、昇降スライダ172を介して、第一可動部155が下降端に位置していることを検知するものである。
[3-1e-7.第二昇降機構]
第二昇降機構180は、第一可動部155における第一可動部ベース157の上面に取付けられると共に、演出操作部160の操作部ベース164を昇降可能に支持している第二昇降ベース181と、第二昇降ベース181に取付けられている第二昇降駆動モータ182と、第二昇降駆動モータ182の回転軸に取付けられており回転軸に対して偏芯した位置で公転する第二昇降ピン183と、第二昇降ピン183が摺動可能に挿入される前後方向へ延びたスリット184aを有し上部が操作部ベース164に取付けられる昇降伝達片184と、第二昇降ベース181(演出操作部160)の昇降を検知する第二昇降検知センサ180aと、を備えている。
第二昇降機構180の第二昇降ベース181は、操作部ベース164を、押圧操作部161の上面に対して垂直な方向(上方へ向かうに従って前方へ位置するような傾斜した軸線の延びている方向)へ昇降可能に支持している。
第二昇降機構180は、第二昇降駆動モータ182により第二昇降ピン183を公転させると、第二昇降ピン183が昇降伝達片184のスリット184a内を摺動すると共に、スリット184aの内面を上下方向へ押圧し、昇降伝達片184が上下方向へ移動する。この昇降伝達片184には、演出操作部160の操作部ベース164が取付けられているため、昇降伝達片184を介して演出操作部160を昇降させることができる。
第二昇降機構180は、昇降伝達片184(演出操作部160)を下降端へ位置させている状態では、前後方向へ延びているスリット184aの後端付近に第二昇降ピン183が位置している。つまり、第二昇降ピン183が下死点に位置している。この状態から昇降伝達片184を上昇させる場合は、第二昇降駆動モータ182により第二昇降ピン183を、前方への移動ベクトルを有するように公転させる。これにより、第二昇降ピン183がスリット184a内を前方へ向かって摺動すると共に、第二昇降ピン183がスリット184aの内面を上方へ押圧して、昇降伝達片184が上方へ移動することとなる。
第二昇降ピン183が更に公転することで、第二昇降ピン183の中心と公転中心とを結んだ線がスリット184aの中心軸線を過ぎると、第二昇降ピン183が、スリット184aの内面を上方へ押圧しつつ、スリット184a内を後方へ向かって摺動する。そして、第二昇降ピン183が、スリット184aの後端付近に到達すると、第二昇降駆動モータ182の駆動が停止して、第二昇降ピン183の公転が停止する。この状態では、第二昇降ピン183が上死点に位置しており、昇降伝達片184が上昇端に位置している。
昇降伝達片184(演出操作部160)を上昇端に位置させた状態で、演出操作部160を押圧操作すること等により、昇降伝達片184を下方へ移動させようとする力が作用した場合、第二昇降ピン183が上死点に位置しているため、第二昇降ピン183に前後方向の力が作用することはない。従って、第二昇降ピン183が公転することはないため、昇降伝達片184が下方へ移動することはない。
また、昇降伝達片184を上昇端に位置させた状態で、演出操作部160が押圧操作されると、演出操作部160の前方に位置している遊技者が操作することから、演出操作部160に対して、下方への移動ベクトルに加えて、後方への移動ベクトルが作用することとなる。これに対して、上昇端の状態では、第二昇降ピン183がスリット184aの後端に位置していため、スリット184aを介して第二昇降ピン183に後方への移動ベクトルが作用しても、第二昇降ピン183がスリット184aの後方端に当接して、第二昇降ピン183の公転が阻止され、昇降伝達片184が下方へ移動することはなく、演出操作部160を上昇端の位置に維持させることができる。
第二昇降検知センサ180aは、第二昇降ベース181が下方への移動端(下降端)に位置している時に、検知状態となる。つまり、第二昇降検知センサ180aは、第二昇降ベース181を介して、演出操作部160が下降端に位置していることを検知するものである。
[3-1f.扉枠サブ表示部]
扉枠サブ表示部185は、扉枠演出装置150における扉枠演出表示装置152の右方で、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125及び返却ボタン126の後方に配置されている。扉枠サブ表示部185は、左右に並んだ三つの7セグメントLEDによって構成されている。扉枠サブ表示部185は、上端側に対して下端側が前方に位置するように、傾斜した状態で設けられている。扉枠サブ表示部185は、下端が、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125及び返却ボタン126が突出している膨出部120の上面と同じ高さに配置されている。
扉枠サブ表示部185は、三つの四角い7セグメントLEDの外周を発光装飾させる枠状のサブ表示部装飾枠186と、三つの7セグメントLED及びサブ表示部装飾枠186を覆い扉枠演出装置150における装置カバー151の傾斜面部151bと同じ角度で傾斜している透明なサブ表示部カバー187と、を備えている。
[3-1g.下部前面スピーカユニット]
下部前面スピーカユニット190は、図11及び図13に示すように、膨出部120のスピーカ取付口120aの後方に取付けられる下部前面スピーカ191と、複数のグリル孔が貫通しておりスピーカ取付口120aを閉鎖する下部前面スピーカグリル192と、下部前面スピーカグリル192の前方に配置されており膨出部120の前面に取付けられている横格子状のグリル装飾枠193と、グリル装飾枠193における各格子部の後側に夫々配置されている棒状の格子装飾部194と、各格子装飾部194の両端に設けられており格子装飾部194を発光装飾させる格子装飾LED195と、を備えている。
下部前面スピーカ191は、低音域のサウンドを出力するウーファーである。下部前面スピーカグリル192は、膨出部120の内側に取付けられている。下部前面スピーカグリル192は、パンチングメタルである。
グリル装飾枠193は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が設けられている。グリル装飾枠193は、膨出部120のスピーカ取付口120aの内周に沿った四角形の枠部と、枠部の上下に延びている二辺同士を結び上下に離隔して配置されている複数の格子部と、から構成されている。グリル装飾枠193の左右に延びている格子部は、左右方向の両端部を除いた部位(一般部位)が一定の幅で延びており、左右方向の両端部が端部へ向かって下方へ斜めに広がった後に一定の幅で延びた台形状に形成されている。
格子装飾部194は、透光性を有しており、左右に長い円柱状に形成されている。格子装飾部194は、左右方向の両端がグリル装飾枠193における格子部の台形状の部位の後側に位置し、残りの部位が格子部の一般部位よりも下方に位置している。これにより、格子装飾部194は、両端を除いた部位を、前方から視認することができる。複数の格子装飾部194は、下部前面スピーカグリル192の前方に設けられている。格子装飾LED195は、フルカラーLEDである。
下部前面スピーカユニット190は、下部前面スピーカ191により、出力するサウンドのうち低音域(低周波数)のサウンドを出力することができる。この下部前面スピーカユニット190は、前方へ膨出している膨出部120の前面から前方へ臨んでいることから、本パチンコ機1の前面に着座している遊技者に対して、音圧を付与させることができる。また、下部前面スピーカユニット190は、複数の格子装飾LED195を適宜発光させることで、格子装飾部194を発光装飾させることができると共に、格子装飾部194を介してグリル装飾枠193内(下部前面スピーカグリル192の前面側)を発光装飾させることができる。
[3-1h.シリンダ錠]
次に、扉枠ベースユニットのシリンダ錠127について簡単に説明する。シリンダ錠127は、図示しない金属製の扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームに取付けられ、施錠ユニット360と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠127は、前後に延びた図示しない金属製の円柱状のシリンダ本体と、シリンダ本体の前端面に形成されている金属製の鍵穴128と、シリンダ本体の後側に取付けられており鍵穴128に挿入され正規の金属製の鍵を回転させると一緒に回転する図示しない金属製の回転伝達部材と、を備えている。
シリンダ錠127のシリンダ本体は、扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材は、扉枠3が本体枠4に対して閉鎖されると、本体枠4における金属製の施錠ユニット360の図示しない金属製の伝達シリンダが後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダの一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材(鍵穴128に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダに伝達させて回転させることができる。扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態において扉枠3におけるシリンダ錠127の回転伝達部材と本体枠4における施錠ユニット360の伝達シリンダとが接触している場合には、シリンダ錠127と施錠ユニット360とが電気的に接続された状態となる。
なお、シリンダ錠127は、外枠2に対して本体枠4を開放する場合、本体枠3に対して扉枠3を開放する場合には、遊技ホールの店員等の係員が正規の金属製の鍵をシリンダ錠127の鍵穴128に挿入して所定方向(時計方向又は反時計方向のうち、それぞれ対応する方向)へ回転する。遊技ホールの店員等の係員は、正規の金属製の鍵をシリンダ錠127の鍵穴128に挿入した際に、自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを、正規の金属製の鍵を介して、シリンダ錠127へ伝わることとなる。そこで、本実施形態では、シリンダ錠127の近傍周辺には、電磁波ノイズの侵入を防止するために、各種基板(例えば、電源供給ラインや基板グランドラインを有する基板)が配置されていない。
[3-2.扉枠上部ユニット]
続いて、扉枠3の扉枠上部ユニット200について、主に図5乃至図10、及び図14を参照して詳細に説明する。図14(a)は扉枠の上部の拡大正面図であり、(b)は(a)においてグリル装飾枠、及び格子装飾部を取外した状態で示す拡大正面図である。扉枠3の扉枠上部ユニット200は、扉枠3を本体枠4に対して閉じた時に本体枠4に保持されている遊技盤5の遊技領域5a内を前方から視認可能としている遊技窓201と、正面視において外周が上下に長い四角形で遊技窓201となる内周が下方へ開放された逆U字形に形成されている扉枠上部ユニットベース202と、扉枠上部ユニットベース202に設けられており扉枠上部ユニットベース202の逆U字形の内周(遊技窓201)を閉鎖している透明な閉鎖ガラス205と、を備えている。
また、扉枠上部ユニット200は、扉枠上部ユニットベース202の前面において遊技窓201の逆U字形の内周に沿って帯状に設けられている扉枠上部内装飾ユニット210と、扉枠上部ユニットベース202の前面で扉枠上部内装飾ユニット210の外側に設けられている扉枠上部外装飾ユニット220と、扉枠上部内装飾ユニット210、及び扉枠上部外装飾ユニット220を覆っている扉枠上部外縁装飾ユニット230と、扉枠上部ユニットベース202の上部前面に設けられている上部スピーカユニット240と、を備えている。
[3-2a.扉枠上部ユニットベース]
扉枠上部ユニットベース202は、扉枠上部ユニット200の後面を形成している(図10を参照)。扉枠上部ユニットベース202は、平板状で、下方に開放された門型に形成されている。扉枠上部ユニットベース202は、正面視において外周が上下に長い四角形に形成されており、内周が下方へ開放された逆U字形に形成されている。扉枠上部ユニットベース202の内周の大きさは、後方に配置される遊技盤5の遊技領域5aよりも大きく形成されている。
[3-2b.閉鎖ガラス]
閉鎖ガラス205は、扉枠上部ユニットベース202の内周内(遊技窓201)を閉鎖するように、扉枠上部ユニットベース202の後端に、脱着可能に設けられている(図10を参照)。この閉鎖ガラス205は、扉枠3を本体枠4対して閉じた時に、本体枠4に保持されている遊技盤5の遊技領域5a内から遊技球Bが前方へ脱落しないように、遊技領域5aの前側を閉鎖するためのものである。閉鎖ガラス205は、透明な強化ガラスである。
[3-2c.扉枠上部内装飾ユニット]
扉枠上部内装飾ユニット210は、一定の幅で扉枠上部ユニットベース202の内周に沿って延びていると共に前方へ突出している壁状の上部内ベース211と、上部内ベース211に沿って延びていると共に上部内ベース211の前端に設けられている半円柱状の上部内装飾部212と、上部内装飾部212の後方に設けられており前面に複数のLED213aが実装されている上部内装飾基板213と、を備えている。
上部内ベース211は、正面視の形状が逆U字形に形成されている。上部内ベース211の前端は、逆U字形における直線状に延びている一対の部分が、上下方向へ垂直に延びており、逆U字形における半円弧状に延びている部位が、上方へ向かうに従って前方へ突出するように湾曲している。この上部内ベース211は、不透光性に形成されている。上部内ベース211の下端における左右方向の間隔は、扉枠下部ユニット100の膨出部120における膨出部上装飾部121の左右に離隔している後端同士の間隔と一致している。
上部内装飾部212は、透光性を有した乳白色で、半円柱状に形成されている。上部内装飾基板213は、上部内ベース211に取付けられており、前面に実装されている複数のLED213aが、上部内装飾部212に沿うように列設されている。上部内装飾基板213の複数のLED213aは、フルカラーLEDである。上部内装飾基板213の複数のLED213aを適宜発光させることで、上部内装飾部212を発光装飾させることができる。
扉枠上部内装飾ユニット210は、扉枠3に組立てた状態で、上部内装飾部212の下端が、膨出部120の膨出部上装飾部121の後端と一致するように形成されており、上部内装飾部212と膨出部上装飾部121とが一つの連続した装飾を形成する。
この扉枠上部内装飾ユニット210の上部内装飾部212は、膨出部上装飾部121とで、遊技窓201の周りを発光装飾する第一周光領域LA1(図16において一点鎖線で囲まれている部位)を構成している。また、上部内装飾部212は、乳白色に形成されていることから、複数のLED213aからの光を低減させて外方へ放射させることができるため、上部内装飾部212により囲まれている遊技窓201内が眩しさで見え難くなることを防止することができ、遊技窓201を通して前方から遊技領域5aを良好な状態で視認させることができる。
[3-2d.扉枠上部外装飾ユニット]
扉枠上部外装飾ユニット220は、後端が扉枠上部ユニットベース202の前面に取付けられており、前方へ突出していると共に、上下方向へ間隔をあけて配置されている複数の突出ベース221と、突出ベース221の前端に設けられている上部外頂装飾部222と、突出ベース221同士の間に夫々配置されている上部外谷装飾部223と、上部外頂装飾部222の後方に夫々配置されている上部外頂LED224と、上部外谷装飾部223の後方に配置されている上部外谷LED225と、を備えている。
突出ベース221は、側面視の形状が二等辺三角形に形成されている。突出ベース221は、上部内ベース211の外周面から扉枠上部ユニットベース202の左右の側片付近まで左右方向へ延びており、上部内ベース211から外方へ延び出すように形成されている。突出ベース221は、前端が、上部内ベース211の接している部位の前端と略同じ位置まで前方へ突出している。
複数の上部外頂装飾部222は、左右方向へ延びた円柱状に形成されており、左右両端が半球状に形成されている。上部外頂装飾部222は、円柱の外径が、上部内装飾部212の外径の約1/3に形成されている。上部外頂装飾部222は、設けられている突出ベース221の左右方向の長さと対応した長さに夫々が形成されている。これら上部外頂装飾部222は、透光性を有している。
上部外谷装飾部223は、突出ベース221同士の間で扉枠上部ユニットベース202の前面と平行に延びている部位(垂直面部)と、当該部位の上辺や下辺から突出ベース221の下面や上面に沿って突出ベース221の前端付近まで斜めに延びている部位(斜面部)と、で構成されている。上部外谷装飾部223は、表面(前面)に鏡面状のメッキ層を有している。また、上部外谷装飾部223は、扉枠上部ユニットベース202の前面と平行に延びている部位に、後方に配置されている上部外谷LED225が前方へ臨むように、四角い開口部が形成されている。
上部外頂LED224は、フルカラーLEDである。上部外谷LED225は、高輝度のフルカラーLEDである。
扉枠上部外装飾ユニット220は、上部外頂LED224を適宜発光させることで、上部外頂装飾部222を発光装飾させることができる。また、扉枠上部外装飾ユニット220は、上部外谷LED225を適宜発光させることで、上部外谷装飾部223を発光装飾させることができると共に、上下方向に離隔している上部外頂装飾部222同士の間を明るく輝かせることができる。
扉枠上部外装飾ユニット220の上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223は、遊技窓201の周りで第一周光領域LA1の外側を発光装飾する第二周光領域LA2(図16において二点鎖線で囲まれている部位)を構成している。また、扉枠上部外装飾ユニット220の上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223は、前端が、扉枠上部内装飾ユニット210の上部内装飾部212の前端よりも後方に位置していることから、上部外頂LED224や上部外谷LED225から遊技窓201側へ照射された光が、上部内ベース211や上部内装飾部212によって遮られることとなり、上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223を発光装飾させても遊技窓201内が眩しさで見え難くなることを防止され、遊技窓201を通して前方から遊技領域5aを良好な状態で視認させることができる。
[3-2e.扉枠上部外縁装飾ユニット]
扉枠上部外縁装飾ユニット230は、扉枠上部ユニットベース202の外周辺縁(左右両辺、及び上辺)に沿って列設されている複数の上部外縁LED231と、扉枠上部ユニットベース202の外周辺縁に取付けられ扉枠上部内装飾ユニット210及び扉枠上部外装飾ユニット220を覆う扉枠上部カバー232と、扉枠上部カバー232の左右両側壁に設けられている不透明装飾部233と、を備えている。複数の上部外縁LED231は、フルカラーLEDである。
扉枠上部カバー232は、扉枠上部ユニットベース202の左右両端付近の部位から前方へ延出している一対の側壁と、一対の側壁の上辺同士を連結し扉枠上部ユニットベース202の上端付近の部位から前方へ延出している上壁と、一対の側壁の前辺及び上壁の前辺を連結している前壁と、から構成されており、後方及び下方が開放された箱状に形成されている。扉枠上部カバー232は、全体が透明に形成されている。
扉枠上部カバー232は、側壁の前端が、上部内装飾部212の前端よりも僅かに前方に位置するように、上部内装飾部212の前端形状に沿った形状に形成されている。詳しくは、扉枠上部カバー232の側壁の前端が、下端から遊技窓201における逆U字形の直線状に延びている部位の上端付近の高さまで垂直に延び、そこから扉枠上部ユニットベース202の状態と略同じ高さまで上方へ向かうに従って前方へ位置するように円弧状に湾曲して延びている。また、扉枠上部カバー232の左右の側壁の前端は、上方へ向かって円弧状に湾曲している部位が、上方へ向かうに従って互いに接近する方向へ湾曲している。
扉枠上部カバー232は、前壁の上部の左右両隅に、上部スピーカユニット240のグリル装飾枠243等が取付けられる一対のスピーカ取付口232aが、形成されている。
不透明装飾部233は、扉枠上部カバー232の左右の側壁の外側面に設けられている。不透明装飾部233は、扉枠上部外装飾ユニット220における突出ベース221と同じ高さの位置に、前後に延びたスリット233aが形成されている。不透明装飾部233のスリット233aを通して、扉枠上部カバー232の透明な側壁の一部が外方へ臨んでいる。
扉枠上部外縁装飾ユニット230は、扉枠上部カバー232により、扉枠上部内装飾ユニット210及び扉枠上部外装飾ユニット220を前方から視認可能に被覆している。また、扉枠上部外縁装飾ユニット230は、複数の上部外縁LED231を適宜発光させることで、扉枠上部ユニットベース202の外縁と、扉枠上部カバー232の前壁の外縁(側壁及び上壁の夫々の前端)とを発光装飾させることができる。
また、扉枠上部外縁装飾ユニット230は、左右両外側に不透明装飾部233を有しているため、扉枠上部外装飾ユニット220の上部外頂LED224や上部外谷LED225からの光が、本パチンコ機1と隣接して配置された他のパチンコ機の前方に着座している他の遊技者に照射されることを防止することができる。
扉枠上部外縁装飾ユニット230の複数の上部外縁LED231(扉枠上部カバー232の前端外縁)は、遊技窓201の周りで第二周光領域LA2の外側を発光装飾する第三周光領域LA3(図16において破線で囲まれている部位)を構成している。また、扉枠上部外縁装飾ユニット230の複数の上部外縁LED231は、扉枠上部ユニットベース202の前面、つまり、扉枠上部内装飾ユニット210の上部内装飾部212の前端よりも後方に配置されていることから、上部外縁LED231から遊技窓201側へ照射された光が、上部内ベース211や上部内装飾部212によって遮られることとなり、複数の上部外縁LED231を発光させても遊技窓201内が眩しさで見え難くなることを防止され、遊技窓201を通して前方から遊技領域5aを良好な状態で視認させることができる。
[3-2f.上部スピーカユニット]
上部スピーカユニット240は、扉枠上部ユニットベース202の前面上部における左右両隅付近に夫々取付けられる上部スピーカ241と、夫々の上部スピーカ241の前方で扉枠上部カバー232のスピーカ取付口232aを閉鎖する上部スピーカグリル(図示は省略)と、上部スピーカグリルの前方に配置され扉枠上部カバー232の前壁に取付けられる横格子状のグリル装飾枠243と、グリル装飾枠243における各格子部と略同じ間隔で上部スピーカグリルの後方に配置されている棒状の格子装飾部244と、各格子装飾部244の左右方向の外側端に設けられており格子装飾部を発光装飾させる格子装飾LED245と、(図14を参照)を備えている。
上部スピーカ241は、夫々が、扉枠上部ユニット200の左右方向中央で、やや下方へ向くように斜めに取付けられている。上部スピーカ241は、扉枠上部外装飾ユニット220における隣接している上部外頂装飾部222よりも後方に取付けられている。上部スピーカ241は、低音から高音までの全音域のサウンドを出力するフルレンジスピーカである。上部スピーカグリルは、扉枠上部カバー232の内側(前壁の後面)に取付けられている。上部スピーカグリルは、パンチングメタルである。
グリル装飾枠243は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が設けられている。グリル装飾枠243は、扉枠上部カバー232のスピーカ取付口232aの内周に沿った形状の枠部と、枠部の上下に延びている二辺同士を結び上下に離隔して配置されている複数の格子部と、から構成されている。グリル装飾枠243の左右に延びている格子部は、扉枠3の左右方向外側となる端部を除いた部位(一般部位)が一定の幅で延びており、左右方向の外側となる端部が端部へ向かって下方へ斜めに広がった後に一定の幅で延びた台形状に形成されている。
格子装飾部244は、透光性を有しており、左右に長い円柱状に形成されている。格子装飾部244は、上部スピーカグリルを通して前方から視認することができる。格子装飾LED245は、フルカラーLEDである。
上部スピーカユニット240は、本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭部に近く、遊技者に対して良質なステレオサウンドを出力することができる。また、上部スピーカユニット240は、複数の格子装飾LED245を適宜発光させることで、格子装飾部244を発光装飾させることができると共に、格子装飾部244を介してグリル装飾枠243内(上部スピーカグリルの後面側)を発光装飾させることができる。
また、上部スピーカユニット240は、正面視において、上部スピーカグリル(グリル装飾枠243)内に配置されている上部外頂装飾部222が、上部スピーカ241よりも前方に位置している。つまり、上部スピーカ241と上部スピーカグリルとの間に、発光装飾可能な格子装飾部244、上部外頂装飾部222が配置されている。これにより、当該上部外頂装飾部222や格子装飾部244を発光装飾させると、これまでのパチンコ機では見られなかった、スピーカグリルの内側が発光装飾される演出を遊技者に見せることができる。
[3-3.扉枠の全体構成]
続いて、扉枠3の全体構成について、図5乃至図16を参照して詳細に説明する。図15は、扉枠の上皿に遊技球が貯留されている状態を示す扉枠下部ユニットの平面図である。図16は、扉枠における周光領域を示す説明図である。扉枠3は、本体枠4の前面を閉鎖している状態で、遊技窓201を通して、本体枠4に保持されている遊技盤5の遊技領域5aを含む前面の殆どを前方から視認可能とすることができる。また、遊技窓201の閉鎖ガラス205により、遊技盤5(遊技領域5a)の前側を閉鎖することができる。
扉枠3は、図16等に示すように、膨出部上装飾部121と上部内装飾部212とが、環状に繋がっており、その環内に上皿130、扉枠演出装置150、及び遊技窓201等が配置されている。換言すると、上皿130、扉枠演出装置150、及び遊技窓201等が、膨出部上装飾部121と上部内装飾部212と(第一周光領域LA1)で、囲まれている。更に、上部内装飾部212の外側が、上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223(第二周光領域LA2)と、上部外縁LED231(第三周光領域LA3)とで囲まれている。つまり、遊技窓201が、第一周光領域LA1、第二周光領域LA2、及び第三周光領域LA3、の三つの周光領域により三重に囲まれている。
扉枠3は、上皿130の貯留領域131が、扉枠演出装置150の前側及び左右両側を囲むように形成されており、供給口135から供給された遊技球Bが、膨出部120の前端縁に沿うように流通して送出口136から外部(下皿140又は球発射装置330)へ送出される。
扉枠3は、通常の状態では、扉枠演出装置150の第一可動部155と演出操作部160が下方への移動端(下降端)に夫々位置している。この状態では、第一可動部155(第一可動部本体156)の上面が、装置カバー151の開口部151aを通して、装置カバー151の上面よりも僅かに上方に位置している。また、演出操作部160は、押圧操作部161が、第一可動部本体156の開口部156aを通して、第一可動部本体156の上面よりも僅かに上方に位置している。
扉枠3は、上皿130の前周壁134の上端に、全長に亘って膨出部上装飾部121が設けられている。この膨出部上装飾部121によって上皿130における遊技球Bを貯留する壁の上端が嵩上げされている。膨出部上装飾部121の前側(フロント領域131a側)の上端は、通常の状態の扉枠演出装置150(第一可動部155)の上面の前端よりも高くなっている。これにより、上皿130内が遊技球Bで一杯になった時に、遊技球Bが扉枠演出装置150側へ溢れることとなり、遊技者に対して上皿130が遊技球Bで満杯であることを認識させ易くすることができると共に、上皿130から遊技球Bが前方へこぼれてしまうことを抑制させることができる。
扉枠3は、膨出部120の上面における上皿130よりも右側の右隅において、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125、及び返却ボタン126が、集約されている。上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125、及び返却ボタン126が設けられている面は、上皿130よりも高く膨出部上装飾部121よりも低い位置に設けられていると共に、前方へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球抜ボタン124、球貸ボタン125、及び返却ボタン126が設けられている面上に遊技球Bが載った場合、当該面と膨出部上装飾部121とにより遊技球Bが上皿130側へ転動して、上皿130内に放出させることができる。
また、扉枠3は、上皿130を構成している底壁132、後周壁133、及び前周壁134の表面(つまり、上皿130の内面)が、鏡面状に形成されていることから、上皿130に貯留されている遊技球Bが、上皿130の内面にうつるため、写った遊技球Bが見えることで、上皿130に多くの遊技球Bが貯留されているように錯覚させることができると共に、上皿130の容積が大きいように見せることができる。
扉枠3は、上皿130において、供給口135から供給された遊技球Bが、まず、左側のサイド領域131b内で前方へ向かって転動した後に、フロント領域131aへ進入してフロント領域131a内を右方へ転動する。そして、フロント領域131aの右端から右側のサイド領域131bへ進入し、右側のサイド領域131b内で後方へ転動した後に、送出口136から外部へ送出されるような遊技球Bの流れを遊技者に見せることができる(図15を参照)。この際に、扉枠演出装置150よりも前側の遊技者に近いフロント領域131aを遊技球Bが流通するため、フロント領域131a内の遊技球Bを良好に視認することができ、上皿130内での遊技球Bの貯留量を容易に確認することができる。
また、扉枠3では、上皿130において遊技球Bが後方へ転動する右側のサイド領域131bの後端に送出口136を設けているため、遊技者側から送出口136を視認することができる。これにより、これまでのパチンコ機で見ることのできなかった、送出口136(上皿130)から遊技球Bが球発射装置330へ送られる様子を遊技者に見せることができる。
扉枠3は、透明な装置カバー151及び第一可動部本体156の上壁を通して、一対の下部スピーカ153aを視認することができると共に、下部スピーカ153aの後方に扉枠演出表示装置152を視認することができる。扉枠3は、扉枠演出表示装置152の上端が、扉枠下部ユニット100の上端、つまり、遊技窓201の下端に接近している。これにより、扉枠演出表示装置152と遊技盤5の演出表示装置1600とが接近した状態となるため、扉枠演出表示装置152と演出表示装置1600とで一つの画面を構成するような演出画像を表示させることができる。
扉枠3は、演出操作部160の後方に配置されている扉枠演出表示装置152において、下辺を演出操作部160の上部前端よりも下方へ位置させると共に、上辺を演出操作部160の上部前端よりも上方に位置させており、扉枠演出表示装置152の上部を演出操作部160よりも高くしている。これにより、扉枠演出表示装置152全体を演出操作部160よりも低くした場合と比較して、扉枠演出表示装置152を演出操作部160に接近させても遊技者側から扉枠演出表示装置152を見え易くすることができる。また、扉枠演出表示装置152にかかる前後方向の奥行を小さくすることができることから、膨出部120の前方への膨出量を抑制することができるため、膨出部120によって遊技者に圧迫感を与えてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して快適な状態で遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、演出操作部160の後方に表示画面の垂直投影範囲VP(図11において二つの一点鎖線の間の範囲)が演出操作部160の近傍となるように斜めに配置した扉枠演出表示装置152を、設けていることから、遊技者側から扉枠演出表示装置152を見ると、扉枠演出表示装置152の下側の外縁付近に演出操作部160が見えることとなるため、扉枠演出表示装置152に演出操作部160を装飾するような演出画像を表示させることで、演出画像により演出操作部160を装飾することができると共に、演出画像を変化させることで演出操作部160の装飾を様々に変化させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
更に、扉枠3は、演出操作部160の近傍に扉枠演出表示装置152の表示画面が見えるため、扉枠演出表示装置152に演出操作部160の画像を表示しなくても、演出操作部160へ向けた矢印や手等の画像を表示して、遊技者に対して演出操作部160の操作を促すことができるため、遊技者の視線を直ちに演出操作部160に向けさせることが可能となり、演出操作部160の操作タイミングを遅れ難くすることができ、遊技者に演出操作部160を操作する遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠3は、下部前面スピーカユニット190の下部前面スピーカグリル192と、上部スピーカユニット240の上部スピーカグリルとにより、通常の状態では、下部前面スピーカ191及び上部スピーカ241が前方(遊技者側)から見え難くなっている。
[3-4.扉枠の電磁波ノイズ対策]
次に、扉枠3のノイズ対策について簡単に説明する。扉枠3は、上述したように、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の図示しない扉枠ベースユニット等を備えている。この扉枠ベースユニットは、上述したように、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している遊技窓201を有した図示しない扉枠ベースの後側に取付けられている図示しない金属製の枠状の扉枠補強ユニット、この扉枠補強ユニットに取付けられている金属製の開閉用のシリンダ錠127等を備えている。扉枠補強ユニットは、上述したように、扉枠ベースを補強して剛性を付与することができる機能に加えて扉枠金属アースとしても機能し、図示しない扉枠金属アース線を介して本体枠4に備える枠アース基板559と電気的に接続されている。つまり、本実施形態では、金属製の扉枠補強ユニットが扉枠側のフレームグランドとなっている。枠アース基板559は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものであり、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
扉枠3に備える各種装飾部には、上述したように、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもある。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキであり、導電性を有している。各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、扉枠補強ユニットと図示しない配線又は図示しない金属製の導通板を介して扉枠補強ユニットと電気的に接続されている。このため、例えば、装飾メッキが施された装飾部に遊技者が触れると、遊技者に帯電した静電気が静電気放電して電磁波ノイズとして遊技者からこの装飾部を介して扉枠補強ユニットへ伝わり、扉枠補強ユニットから図示しない扉枠金属アース線、枠アース基板559、そして図示しない島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。
扉枠3が本体枠4に対して閉鎖された状態では、上述したように、扉枠3におけるシリンダ錠127の回転伝達部材と本体枠4における施錠ユニット360の伝達シリンダとが接触して電気的に接続された状態となるため、遊技ホールの店員等の係員が扉枠3を本体枠4に対して閉鎖した状態のまま、本体枠4を外枠2に対して開放する際に、例えば、遊技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者(設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる限られた者)が本体枠4における施錠ユニット360に触れると、遊技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者に帯電した静電気が静電気放電して電磁波ノイズとして遊技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者からこの施錠ユニット360を介して扉枠補強ユニットへ伝わり、扉枠補強ユニットから図示しない扉枠金属アース線、枠アース基板559、そして図示しない島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。
[3-5.扉枠の発光演出]
次に、扉枠3による発光演出について説明する。扉枠3は、上皿130、扉枠演出装置150、及び遊技窓201等を、乳白色で円柱状に形成されている膨出部上装飾部121と上部内装飾部212と(第一周光領域LA1)で囲んでいる。膨出部上装飾部121の複数のLED121aと、上部内装飾部212の複数のLED213aは、夫々が延びている方向へ一列に配置されている。これにより、複数のLED121a及びLED213aを適宜発光させることで、遊技窓201等の周りを発光装飾させることができる。この際に、複数のLED121a及びLED213aを、順番に発光させると、遊技窓201の周りを光が回るような発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3は、上部内装飾部212の外側に配置されている上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223(第二周光領域LA2)を備えているため、上部外頂LED224及び上部外谷LED225により上部外頂装飾部222及び上部外谷装飾部223を発光装飾させることで、第一周光領域LA1の外側を発光装飾させることができ、遊技窓201の外側を二重に発光装飾させる発光演出を遊技者に見せることができる。
上部外頂装飾部222は、上下方向へ間隔をあけて複数配置されていることから、上下方向の一方側から順次発光させることで、レベルメータのような発光演出を遊技者に見せることができる。例えば、チャンスの到来等の際に、遊技に対する期待値をレベルメータとして遊技者に見せたり、出力される音楽に合わせたサウンドメータとして遊技者に見せたりすることができる。
また、上部外谷装飾部223は、鏡面状に形成されていることから、上部外谷LED225を発光させることで、上部外頂装飾部222同士の間を上部内装飾部212よりも強く輝かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることが可能な発光演出を遊技者に見せることができる。
この扉枠3は、扉枠上部ユニットベース202の外縁列設された複数の上部外縁LED231を備えているため、これら上部外縁LED231を発光させることで、これまでのパチンコ機1では見ることのできなかった扉枠3の外縁(第三周光領域LA3)が発光する発光演出を遊技者に見せることができる。
そして、扉枠3では、遊技窓201の外側に、第一周光領域LA1、第二周光領域LA2、及び第三周光領域LA3、の三重の周光領域を有しているため、夫々の周光領域を適宜発光させることで、遊技窓201の周りを回るような発光演出、外側から遊技窓201へ向かうような発光演出、遊技窓201から外側へ向かうような発光演出、等の様々な発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3では、下部前面スピーカユニット190の格子装飾LED195や、上部スピーカユニット240の格子装飾LED245、を適宜発光させることで、グリル装飾枠193の格子部(格子装飾部194)や、グリル装飾枠243の格子部(格子装飾部244)、を発光装飾させることができ、下部前面スピーカユニット190のグリル装飾枠193や、上部スピーカユニット240のグリル装飾枠243を目立たせる発光演出を遊技者に見せることができる。
更に、扉枠3では、下部スピーカユニット153の下部スピーカ装飾部153c、上部スピーカユニット240の格子装飾部244、複数の上部外頂LED224及び上部外谷LED225における上部スピーカユニット240のグリル装飾枠243(上部スピーカグリル)の後方に位置している上部外頂LED224及び上部外谷LED225、を発光させることで、一対の下部スピーカ153aと第一可動部本体156の上壁との間、上部スピーカ241と上部スピーカグリルとの間、を発光装飾させることができ、スピーカとスピーカグリルとの間が発光装飾するこれまでのパチンコ機では見ることのできなかった発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3では、上皿130の後周壁133に貯留発光装飾部138の複数のLED138aを備えているため、複数のLED138aを発光させることで、上皿130や、上皿130内に貯留されている遊技球Bを発光装飾させることができる。例えば、上皿130内に遊技球Bが貯留されていない状態で、複数のLED138aを発光させること、上皿130の内面が鏡面状に形成されていることから、上皿130内の全体が眩しく発光装飾される発光演出を遊技者に見せることができ、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者に対して、本パチンコ機1の上皿130が眩しく輝くことで、本パチンコ機1への関心を強く引付けさせることができる。
この貯留発光装飾部138は、上皿130の底壁132から遊技球Bの外径の半分よりも上方に設けられているため、上皿130内に遊技球Bが貯留されている状態で複数のLED138aを発光させること、その光が、遊技球Bの上半分側に照射されて、上方側へ反射することとなり、上皿130の貯留されている遊技球Bがキラキラと輝く発光演出を遊技者に見せることができる。
なお、膨出部上装飾部121を発光装飾させると、その光の一部が上皿130内へも照射されるため、膨出部上装飾部121によっても上皿130内や上皿130に貯留されている遊技球Bが発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。
また、扉枠3では、上皿球抜ボタン124の周囲を囲んでいる発光装飾部124aと、下皿球抜ボタン142の周囲を囲んでいる発光装飾部142aと、を備えているため、上皿球抜ボタン124の発光装飾部124aや、下皿球抜ボタン142の発光装飾部142aを発光させることで、上皿球抜ボタン124や下皿球抜ボタン142を発光装飾させることができる。従って、「大当り」遊技中等、多くの遊技球Bが払出される時に、上皿球抜ボタン124や下皿球抜ボタン142を発光装飾させることで、上皿130や下皿140が遊技球Bで満タンになることを回避させるように、遊技者に対して上皿球抜ボタン124や下皿球抜ボタン142の操作を促す発光演出を見せることができる。
このように、本実施形態の扉枠3は、様々な発光演出を遊技者に見せることができ、それらを適宜組合せることで、より多彩に演出を遊技者に提示することができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
[3-6.扉枠演出装置の演出]
次に、扉枠3の扉枠演出装置150による演出について、主に図17等を参照して説明する。図17(a)は扉枠演出装置における扉枠演出表示装置と演出操作部との関係を模式的に示す説明図であり、(b)は扉枠演出表示装置の演出画像による演出操作部の装飾の一例を示す説明図であり、(c)は扉枠演出表示装置の演出画像と演出操作部の可動演出とによるコラボレーション演出の一例を示す説明図である。
扉枠演出装置150は、通常の状態では、第一可動部155と演出操作部160とが、夫々下方の移動端(下降端)に位置している。この状態では、第一可動部155(第一可動部本体156)の上面が、装置カバー151の開口部151aを通して、装置カバー151の上面よりも僅かに上方に位置している。また、演出操作部160は、押圧操作部161が、第一可動部本体156の開口部156aを通して、第一可動部本体156の上面よりも僅かに上方に位置している。この通常の状態でも、演出操作部160における押圧操作部161を押圧操作することができる。
通常の状態で、操作部装飾基板162の第一LEDを発光させると、押圧操作部161の上面が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。また、通常の状態で、操作部装飾基板162の第二LEDを発光させると、押圧操作部161の外側を囲んでいる第一可動部カバー158の開口枠部158aが発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。これらの発光演出により、遊技者の関心を押圧操作部161へ向けさせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を促して、押圧操作部161を操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができる。
また、通常の状態で、第一可動部装飾基板159の複数のLED159aを発光させると、第一可動部本体156の側壁を介して、上皿130の後周壁133と第一可動部本体156との間を発光装飾させることができる。つまり、上皿130の後周壁133の上端付近が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。
この通常の状態で、一対の下部スピーカ153aから所定のサウンドを出力させると、そのサウンドが、装置カバー151のグリル孔151cと第一可動部本体156のグリル孔156bとを通して遊技者側へ放射され、演出操作部160(押圧操作部161)の方向からサウンドが聞える音響演出を遊技者に聴かせることができる。これにより、下部スピーカ153aからのサウンドにより、遊技者の関心を押圧操作部161へ引付けさせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を促して、押圧操作部161を操作する遊技者参加型演出に参加させ易くすることができる。
また、扉枠演出装置150は、通常の状態では、装置カバー151を通して扉枠演出表示装置152を遊技者側から良好な状態で視認することができ、扉枠演出表示装置152に表示されている演出画像によって遊技者を楽しませることができる(図17(a)等を参照)。
扉枠演出装置150は、通常の状態で、第一昇降機構170の四つの第一昇降駆動モータ175bにより第一昇降ピン175aを公転させることで、一対の昇降アーム174及び昇降スライダ172を介して、演出操作部160と一緒に第一可動部155が上方への移動端(上昇端)へ移動する可動演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出操作部160と一緒に第一可動部155が上方へ飛び出してくるため、遊技者を驚かせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を強く促すことができると共に、第一可動部155が上昇することで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
この第一可動部155を上昇端へ移動させた状態では、図12(a)に示すように、第一可動部本体156の側壁が、遊技者側から視認可能となる。この状態で、第一可動部装飾基板159の複数のLED159aを発光させると、第一可動部本体156の側壁が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。従って、第一可動部本体156の側壁を発光装飾させながら第一可動部155を下降端から上昇端へ移動させると、第一可動部155が光の中から上昇してくるような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。
また、第一可動部155を上昇端へ移動させた状態で第一可動部装飾基板159の複数のLED159aを発光させると、その光の一部が上皿130に貯留されている遊技球Bに照射されるため、複数のLED159aによっても上皿130に貯留されている遊技球Bをキラキラ輝かせる発光演出を遊技者に見せることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、四つの第一昇降駆動モータ175bにより第一可動部155を昇降させることができるため、第一昇降駆動モータ175bを小刻みに正転・逆転を繰り返させることで、第一可動部155を振動させることができる。これにより、第一可動部155が振動している時に遊技者が第一可動部155や演出操作部160に触れると、その振動によって遊技者を驚かせることができる。また、演出操作部160(押圧操作部161)を押圧操作するタイミングで第一可動部155を振動させると、押圧操作の操作感を重くしたり軽くしたりして変化させることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、第一可動部155を下降端から上昇端側へ移動させると、第一可動部本体156の上壁に形成されている複数のグリル孔156bが上方へ移動するため、複数のグリル孔156bと一対の下部スピーカ153aとの間の空間の容積が増加することとなる。これにより、下部スピーカ153aとグリル孔156bとの間の容積が変化することで、当該部位の固有振動が変化し、下部スピーカ153aから出力されるサウンドの共振周波数が変化することとなるため、複数のグリル孔156bを通して遊技者側へ放射されるサウンドの音色が変化する音響演出を遊技者に聴かせることができる。
また、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは、第一可動部155を下降端から上昇端へ移動させると、第一可動部155の上部が、扉枠演出表示装置152の表示画面の下部を覆うように見える。これにより、第一可動部155を上昇端へ移動させると、扉枠演出表示装置152に表示されている演出画像の一部が第一可動部155により遮られるため、遊技者に対して第一可動部155の上昇に気付かせることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
この際に、扉枠演出表示装置152に、例えば、所定のキャラクタにより第一可動部155を持ち上げるような演出画像、第一可動部155の上昇により所定のキャラクタが持上げられるような演出画像、等を表示させることで、第一可動部155の可動演出と演出画像とによるコラボレーション演出を遊技者に見せることができ、遊技者をおおいに楽しませることができる。
また、扉枠演出装置150は、通常の状態で、第二昇降機構180の第二昇降駆動モータ182により第二昇降ピン183を公転させると、昇降伝達片184を介して演出操作部160が上方の移動端(上昇端)へ移動する可動演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出操作部160の押圧操作部161の上面が、第一可動部155の上面よりも大きく上方へ突出した状態となるため、遊技者の関心を押圧操作部161へ強く引付けさせることができ、遊技者に対して押圧操作部161の押圧操作を強く促すことができると共に、押圧操作部161が上昇することで、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
演出操作部160を上昇端へ移動させた状態では、図12(b)に示すように、押圧操作部161の下側の操作部可動ベース163の周壁が、外部に露出した状態となる。この状態で、操作部装飾基板162の第二LEDを発光させると、操作部可動ベース163の周壁が発光装飾する発光演出を遊技者に見せることができる。従って、演出操作部160の操作部可動ベース163の周壁を発光装飾させながら演出操作部160を下降端から上昇端へ移動させると、演出操作部160が光の中から上昇してくるような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができる。
また、第二昇降駆動モータ182により演出操作部160を昇降させることができるため、第二昇降駆動モータ182を小刻みに正転・逆転を繰り返させることで、演出操作部160を振動させることができる。これにより、演出操作部160が振動している時に遊技者が演出操作部160に触れると、その振動によって遊技者を驚かせることができる。また、演出操作部160(押圧操作部161)を押圧操作するタイミングで演出操作部160を振動させると、押圧操作の操作感を重くしたり軽くしたりして変化させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、本パチンコ機1の前方に着座している遊技者からは、演出操作部160を下降端から上昇端へ移動させると、演出操作部160の上部が、扉枠演出表示装置152の表示画面の下部を覆うように見える。これにより、演出操作部160を上昇端へ移動させると、扉枠演出表示装置152に表示されている演出画像の一部が演出操作部160により遮られるため、遊技者に対して演出操作部160の上昇に気付かせることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
この際に、扉枠演出表示装置152に、例えば、演出操作部160の周りを装飾するような演出画像(図17(b)を参照)、所定のキャラクタにより演出操作部160を持ち上げるような演出画像、演出操作部160の上昇により所定のキャラクタが持上げられるような演出画像(図17(c)を参照)、等を表示させることで、演出操作部160の可動演出と演出画像とによるコラボレーション演出を遊技者に見せることができ、遊技者をおおいに楽しませることができる。
この演出操作部160は、第一可動部155が下降端の状態で上昇端へ移動させることができると共に、第一可動部155が上昇端の状態で上昇させることもできる(図12(b)の状態)。例えば、第一可動部155を下降端から上昇端へ移動させた後に、演出操作部160を下降端から上昇端へ移動させることで、演出操作部160が二段階に上昇する可動演出を遊技者に見せることができる。これにより、演出操作部160が二段階で上昇するため、遊技者に対して演出操作部160を操作すると、「大当り」遊技が開始される(特別抽選結果が「大当り」)と強く思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができると共に、遊技者に演出操作部160を操作させて遊技者参加型演出を楽しませることができる。
このように、扉枠演出装置150は、上述したような、発光演出、可動演出、画像演出、遊技者参加型演出、音響演出、等の様々な演出を遊技者に提示することができるため、それらを適宜組合せることで、より多彩に演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができる。
[3-7.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技が行われる遊技領域5aの前方且つ下方に設けられている扉枠3の膨出部120の上面に、扉枠演出装置150が配置される装置配置部123の前方側のフロント領域131aと、左右両外側のサイド領域131bとにより、装置配置部123を囲む遊技球Bの貯留領域131を有した上皿130を設けているため、フロント領域131aにより扉枠演出装置150よりも前方側に遊技球Bが貯留されることとなり、上皿130内に貯留されている遊技球Bを遊技者から見え易くすることができる。また、フロント領域131aにより繋がれる二つのサイド領域131bは、前後に延びたような領域となるため、フロント領域131aに加えて、サイド領域131bに貯留されている遊技球Bも、遊技者側から視認し易くすることができる。
従って、上皿130内の遊技球Bが見え易くなることで、遊技者に対して遊技球Bの貯留量に対する意識を喚起させることができることから、遊技の進行により上皿130内の遊技球Bを消費して貯留量が少なくなっても、遊技者に対して貯留量の低下を認識させ易くして、上皿130内へ遊技球Bを補充させることができるため、遊技者が気付かないうちに遊技球Bが上皿130から無くなることを回避させて、突然の遊技の中断を阻止することができ、遊技の中断による遊技者の落胆を防止して、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上記のように、フロント領域131a内や二つのサイド領域131b内の遊技球Bを遊技者側から見え易くすることができるため、遊技者が視線を、遊技領域5aから下方の扉枠演出装置150へ落とすだけで、フロント領域131a内に遊技球Bが有るか無いかを即座に認識させることができ、上皿130内における遊技球Bの有無を、遊技者が注意深く確認する必要はなく、遊技者を遊技に専念させ易くすることが可能となり、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、フロント領域131aにより繋がれている二つのサイド領域131bの左側に供給口135を配置し、反対の右側に送出口136を配置していることから、フロント領域131aが、供給口135から送出口136までの途中に設けられることとなり、供給口135から貯留領域131内へ供給された遊技球Bが、フロント領域131aを通って送出口136から貯留領域131外へ送出されることとなるため、遊技を行うことで上皿130内の遊技球Bを消費すると、遊技球Bが目の前(フロント領域131a)を流れることとなり、遊技者に対して遊技球Bの消費速度や消費量等を認識させ易くすることができ、上述した作用効果を奏し易いものとすることができる。
更に、装置配置部123の左右両外側のサイド領域131bの左側に供給口135を配置し、右側に送出口136を配置していることから、供給口135と送出口136との左右方向の間を大きくすることができるため、蓋然的に、貯留領域131の左右方向も大きくなることから、上皿130における遊技球Bの貯留量をより多くすることができる。従って、上皿130に多くの遊技球Bを貯留させることができるため、遊技者に対して遊技球Bの貯留量を気にせずに遊技を行わせることができ、遊技者を遊技に専念させて遊技をより楽しませることができると共に、遊技者が視線を、遊技領域5aから下方の扉枠演出装置150へ落とすだけで、フロント領域131a内に遊技球Bが有るか無いかを即座に認識させることができ、上皿130内における遊技球Bの有無を、遊技者が注意深く確認する必要はなく、遊技者を遊技に専念させ易くすることが可能となり、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上皿130の底面(底壁132)から遊技球Bの外径の半分よりも上方に上皿130の貯留領域131内へ光を照射する貯留発光装飾部138を設けており、貯留領域131内に貯留されている遊技球Bの半分よりも上側の部位に、貯留発光装飾部138のLED138aからの光が照射されることとなるため、遊技球Bにより貯留発光装飾部138からの光を上方へ反射させることができる。従って、貯留発光装飾部138からの光により上皿130に貯留されている遊技球Bをキラキラと輝かせて発光装飾させることができ、遊技者に対して遊技球Bの発光装飾を楽しませることができると共に、遊技者の関心を上皿130に貯留されている遊技球Bに強く引付けさせることができ、上皿130における遊技球Bの貯留量を確認させて上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、上皿130の後周壁133に貯留発光装飾部138を設けるようにしているため、貯留発光装飾部138のLED138aを発光させることで、上皿130の前方を向いた後周壁133が発光するこれまでのパチンコ機では見られない発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を上皿130(貯留領域131)へ向けさせることができ、遊技者に遊技球Bの貯留量を確認させて、上述した作用効果を確実に奏するものとすることができる。この際に、上皿130の内面を鏡面状に形成しているため、貯留発光装飾部138からの光、或いは、遊技球Bにおいて反射した貯留発光装飾部138からの光が、上皿130の内面において反射することにより、貯留発光装飾部138による貯留領域131内のキラキラ感を更に増させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、送出口136の近傍に整列部137を設けて遊技球Bを整列させるようにしているため、送出口136の近傍において遊技球Bの詰りを防止することができ、上皿130に貯留されている遊技球Bを、送出口136からスムーズに球発射装置330や下皿140へ送出させることができる。従って、遊技球Bが詰まることによる遊技の中断を回避させることができ、遊技者に遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上皿130のサイド領域131bに配置されている送出口136を、前方から視認可能としているため、これまでのパチンコ機では見ることができなかった送出口136から遊技球Bが送出される様子を見ることができ、遊技者を驚かせることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
また、装置配置部123の前方側に、遊技球Bが貯留される貯留領域131におけるフロント領域131aが設けられているため、装置配置部123に設けられた扉枠演出装置150上に遊技球Bが載って前方へ向かって転動しても、フロント領域131a内へ落下することとなり、膨出部120から前方へ遊技球Bが落下することを防止することができる。
また、上皿130の底壁132、後周壁133、及び前周壁134等の内面を、鏡面状に形成していることから、上皿130内に貯留されている遊技球Bが、上皿130の周壁にうつるため、遊技者に対して周壁の向こうにも遊技球Bが貯留されているように錯覚させることができ、上皿130に多くの遊技球Bが貯留されているように見せることができる。
また、貯留領域131内へ光を照射する貯留発光装飾部138を備えているため、貯留発光装飾部138からの光、或いは、遊技球Bにおいて反射した貯留発光装飾部138からの光が、上皿130の内面において反射することにより、貯留発光装飾部138による貯留領域131内のキラキラ感を更に増させることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、膨出部120の装置配置部123に扉枠演出装置150が配置されるため、扉枠演出装置150による演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、上皿130における遊技球Bが貯留される貯留領域131として、装置配置部123(扉枠演出装置150)の前方のフロント領域131aと、装置配置部123の左右両側の二つのサイド領域131bとで構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、装置配置部123の前方のフロント領域と、装置配置部123の左方の一つのサイド領域、装置配置部123の後方のバック領域とで構成されたものとしても良い。或いは、装置配置部123の前方のフロント領域131aと、装置配置部123の左右両側の二つのサイド領域131bと、装置配置部123の後方のバック領域とで構成されたもの(装置配置部123が上皿130内に島状に設けられているもの)としても良い。なお、貯留領域131のバック領域は、遊技者側から遊技球Bが視認不能なトンネル状としても良い。また、貯留領域131のバック領域は、扉枠演出装置150における扉枠演出表示装置152と演出操作部160との間を通るようにしても良い。
また、上記の実施形態では、上皿130を、内面が鏡面状のものを示したが、これに限定するものではなく、上皿130の内面を、非鏡面状としても良い。
更に、上記の実施形態では、貯留発光装飾部138を上皿130の後周壁133に設けたものを示したが、これに限定するものではなく、貯留発光装飾部138を前周壁134に設けるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、扉枠演出装置150の第一可動部155において、第一可動部カバー158の複数のルーバー部158bにより第一可動部155の上面に、ある程度の数の遊技球Bを貯留させることができるものを示したが、これに限定するものではなく、扉枠演出装置150の上面を上皿130へ向かって低くなるように傾斜した状態とし、扉枠演出装置150の上面に載った遊技球Bを上皿130へ転動させて、扉枠演出装置150の上面に遊技球Bが貯留されない(載り続けない)ようにしても良い。
[4.本体枠]
パチンコ機1における本体枠4について、主に図4を参照して説明する。本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側(扉枠3の上皿130)へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。
[4-1.本体枠の全体構成]
本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット300と、本体枠ベースユニット300の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ部50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ部が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部310と、本体枠ベースユニット300の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ部320と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット300の正面視左側面に取付けられると共に本体枠ベースユニット300を補強している金属製の本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット300の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置330と、本体枠ベースユニット300の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット340と、払出ベースユニット340の後側に取付けられており遊技者側(上皿130や下皿140)へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット300の後面視下側面に取付けられると共にパチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、後述する本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆うと共に前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成される裏カバー640と、本体枠ベースユニット300の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する金属製の施錠ユニット360と、を備えている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、後述する本体枠ベース501の遊技盤取付部301に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット300の後述する本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
本体枠4の本体枠ベースユニット300は、正面視において上端から下方へ全高の約3/4の高さの範囲で後方へ窪んでおり、遊技盤5が前側から着脱可能に挿入される遊技盤取付部301を有している。球発射装置330は、本体枠ベースユニット300の前面における遊技盤取付部301よりも下方の位置に取付けられている。
また、本体枠4の本体枠ベースユニット300は、施錠ユニット360の伝達シリンダが挿通されるシリンダ挿通口の下方の位置に、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出するための扉枠開放スイッチ4aが取り付けられている。扉枠開放スイッチ4aは、本体枠4に対して扉枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠3の開放を検出することができるようになっている。扉枠開放スイッチ4aからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。また、本体枠4の本体枠ベースユニット300は、扉枠開放スイッチ4aが取り付けられた位置よりも下方の後面において、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bが取り付けられている。本体枠開放スイッチ4bは、外枠2に対して本体枠4が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠4の開放を検出することができるようになっている。本体枠開放スイッチ4bからの検出信号は、払出制御基板633を介して、主制御基板1310へ入力されている。
扉枠開放スイッチ4a及び本体枠開放スイッチ4bは、施錠ユニット360による開閉操作による電気的な信号が入力されたことに起因して、本体枠4に対して扉枠3の開放、外枠2に対する本体枠4の開放をそれぞれ検出するものではなく、施錠ユニット360による開閉操作と別個独立して、本体枠4に対して扉枠3の開放、外枠2に対する本体枠4の開放をそれぞれ検出している。また、扉枠開放スイッチ4a及び本体枠開放スイッチ4bは、シリンダ錠127の近傍周辺に配置されず、シリンダ錠127へ侵入した電磁波ノイズの影響を受けないように、施錠ユニット360の伝達シリンダが挿通されるシリンダ挿通口の下方の位置に扉枠開放スイッチ4aが配置され、扉枠開放スイッチ4aが取り付けられた位置よりも下方の後面において、扉枠開放スイッチ4aが取り付けられた位置よりも下方の後面において本体枠開放スイッチ4bが配置されている。このように、仮にシリンダ錠127に電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズの影響を、扉枠開放スイッチ4a及び本体枠開放スイッチ4bからの信号伝送ラインが受けないようになっている。
本体枠ベースユニット300は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501を備え、本体枠ベース501には、遊技盤5が前側から着脱可能に挿入されるこが形成されている。
払出ベースユニット340は、本体枠ベースユニット300の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の正面視左側に取付けられており上方へ開放された溝状に正面視左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、タンクレール553の上方に配置されて払出ベース551に取付けられる外部端子板558と、外部端子板558の前方(パチンコ機1の前方)と対応する払出ベース551に形成される図示しない基板収容部に収容される枠アース基板559と、を備えている。なお、外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されており、各種情報をホールコンピュータへ伝えることができるものである。枠アース基板559は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置350と、払出装置350を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット300の本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの正面視後右側に取付けられている払出制御ユニット620dと、電源ユニット620cの正面視後左側に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
ベースユニット620bは、本体枠ベース501の後面に取付けられる図示しない前ベースと、前ベースの後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる図示しない後ベースと、を備えている。
電源ユニット620cは、ベースユニット620bの図示しない後ベースの後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベースに取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の正面視後右側に着脱可能に取付けられる箱状の透明な払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633と、を備えている。払出制御基板ボックス632は、透明なカバー体と透明なベース体とから構成されている。なお、払出制御基板633は、払出制御基板ボックス632に収容されており、カシメケースとして構成されている。
また、払出制御基板633は、パチンコ機1の状態を表示する図示しないエラーLED表示器のほかに、複数の機能を兼ねる押圧操作部を有するRWMクリアボタン633z等を備えている。本実施形態では、RWMクリアボタン633zとしてリードタイプのものが採用されていおり、RWMクリアボタン633zの各リードが払出制御基板633の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされる。RWMクリアボタン633zの押圧操作部は、透明なカバー体に形成される開口部から露出されており、払出制御基板633が払出制御基板ボックス632に収容された状態でRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作することができるようになっている。
RWMクリアボタン633zは、払出制御基板633に備えるマイクロプロセッサである払出制御MPUに内蔵されているRAM、及び遊技内容(遊技の進行)を制御する主制御基板に備えるマイクロプロセッサである主制御MPUに内蔵されているRAMにそれぞれ記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチとしての機能と、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチとしての機能と、を兼ね備えている。つまり、本実施形態では、遊技仕様に関わる設定変更機能(設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能)は、遊技内容(遊技の進行)を制御する主制御基板と別体の基板である払出制御基板633に搭載されている。また、別体の基板は払出制御基板633で無くても良く、基板ケースに収納されていない基板、基板ケースに収納されている基板、カシメケースとして構成されている基板ケースに収納されている基板が考えられる。しかしながら設定変更機能(設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能)は遊技機として重要な機能なので、セキュリティーが高い方が望ましく、基板ケースに収納されていない基板よりも基板ケースに収納されている基板の方がセキュリティーが高く、さらにセキュリティーが高い基板はカシメケースとして構成されている基板ケースに収納されている基板である。払出制御基板633はカシメケースとして構成されている基板ケースに収納されている基板であるので、セキュリティーが高いといえる。また、遊技内容(遊技の進行)を制御する主制御基板1310は後述するように遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200に取り付けられており、一方、払出制御基板633は本体枠4に取り付けられていることもセュリティーの向上に寄与している。
インターフェイスユニット620eは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の正面視後左側取付けられている図示しない基板ベースと、基板ベースの後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベースに取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
インターフェイス基板635は、本体枠4側からの接続ケーブルの一方の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、遊技内容(遊技の進行)を制御する主制御基板、演出の進行等を制御する周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うようにインターフェイス基板635よりも正面視右方へ延出している。
裏カバー640は、本体枠ベースユニット300の本体枠ベース501の遊技盤取付部301に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の正面視後面右側端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、正面視における左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに開閉自在に軸支されて取付けられる。裏カバー640の左辺側であって上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aと対応する部分にロック用ネジ642が設けられている。裏カバー640の左辺が払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられ、ロック用ネジ642が裏カバー取付部601aに螺着されて裏カバー640が固定される。裏カバー640は、遊技盤5の後側を覆う閉じた状態から遊技盤5の後側を開放する開いた状態へ向かって約180度回転することができるようになっている。
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されており、本体枠4に組立てた状態で、その後面が払出ベース551の後面と略同一面上に位置するように形成されている。裏カバー640は、前後に貫通し上下に延びている複数の放熱用のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。なお、スリット641は、遊技盤5の後側に取付けられる後述する主制御基板ボックスと対応する領域に全く形成されていない。
ところで、球タンク552からタンクレール553へ流入する遊技球Bは、遊技球Bが互いに衝突したり、擦れ合ったり等の摩耗により遊技球Bから金属粉が剥がれて落下する。このため、遊技球Bが下流方向へ向かって転動するタンクレール553内に遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が付着する状態となると、遊技球Bの下流方向への流れが妨げられることにより、遊技球Bを下流側へ向かってスムーズに供給することが困難となって、払出ユニット560の払出装置350による遊技球Bの払出しが停止することとなる。
そこで、本実施形態では、タンクレール553の下側(パチンコ機1を正面から見るとタンクレール553の後面下側)に切り欠き部553aaを複数形成し、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉をタンクレール553から取り除くことができるように構成されている。これにより、例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が切り欠き部553aaを介してタンクレール553から外部へ自然に落下することで金属粉をタンクレール553から取り除くことができるし、タンクレール553内を転動する遊技球Bの振動によりタンクレール553内に付着している遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が切り欠き部553aaを介してタンクレール553から外部へ落下することで金属粉をタンクレール553内から取り除くことができるし、遊技ホールの店員等の係員により綿棒を切り欠き部553aaに挿入してタンクレール553内に付着している遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を取り除く作業を行うことですることで金属粉をタンクレール553内から取り除くことができる。
また、パチンコ機1は遊技ホールの島設備に背向かいで複数列設されると共に、パチンコ機1から排出された遊技球Bは球研磨装置で磨かれて球揚送装置で再びパチンコ機1の球タンク552へ供給されるため、遊技ホールの島設備内の温度は遊技ホールの室内温度と比べて極めて高い。このため、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640には、遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段から発せられる熱をパチンコ機1の外部へ放出するために、上述したように、前後に貫通し上下に延びている複数の放熱用のスリット641が形成されている。また、裏カバー640は、複数のスリット641が形成されているため、タンクレール553の切り欠き部553aaを介して落下した遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が遊技盤5の裏面側へ侵入することを完全に防止することが難しいものの、この金属粉が遊技盤5の裏面側へ侵入することを抑制することができる。
また、遊技ホールの島設備の内部は、パチンコ機1の外部端子板558の各種接続端子と電気的に接続するための複数種類の配線がその上部からつり下げられており、パチンコ機1の仕様に応じて、外部端子板558と電気的に接続される配線と、外部端子板558と電気的に接続されない配線と、がある。つまり、外部端子板558と電気的に接続されない配線は、未接続配線となり、遊技ホールの島設備の内部の上部からつり下げられた状態となる。パチンコ機1は遊技ホールの島設備に背向かいで複数列設されるため、この未接続配線が遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段に触れると、ショート(短絡)が発生して破損する(出火の原因となり得る)場合がある。裏カバー640は、複数のスリット641が形成されているものの、未接続配線の先端やその近傍では屈曲しているものも多く、未接続配線の先端がスリット641で引っ掛かってそれより遊技盤5の裏面側へ向かって侵入し難いため、ショート(短絡)を防止することができる。
なお、遊技盤5に備える各種基板のうち、裏カバー640に近傍する基板(後述するパネル中継基板1410等の中継基板を除く。)は、基板ボックスを構成する非導電性の樹脂により成型されるカバー体により覆われており、未接続配線の先端が仮にスリット641を介して遊技盤5の裏面側へ侵入してカバー体と接触したとしても、カバー体に覆われる基板に何ら影響が及ばない。後述するパネル中継基板1410等の中継基板は、一の基板と他の基板とを中継する基板であるため、各種コネクタの集合体であって、各種コネクタを電気的に接続するための配線パターンが裏カバー640と臨む面となる各種コネクタが実装される中継基板の表面(実装面)ではなく、裏カバー640と臨む面と反対側となる中継基板の裏面(ハンダ面)に形成されていると共に、中継基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)が各種コネクタのピン端子を挿通してハンダ付けすることができるランドを有するスルーホール(以下、単に「スルーホール」と記載する場合がある。)を除いて所定色(例えば、緑色、黄色、赤色、青色、黒色等)のレジストでベタ塗りされて配線パターンが所定色のレジストにより覆われて露出されていない。つまり、未接続配線の先端が仮にスリット641を介して遊技盤5の裏面側へ侵入して中継基板に接触したとしても、中継基板に何ら影響が及ばない。
このように、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640には、遊技盤5の後側を覆うことで遊技盤5の後側を保護することができる保護カバーとしての機能と、遊技盤5の後側を覆うことで遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段から発せられる熱を複数のスリット641を介してパチンコ機1の外部へ放出することができる放熱機能と、タンクレール553の切り欠き部553aaを介して落下した遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が遊技盤5の裏面側へ侵入することを抑制することができる金属粉侵入抑制機能と、遊技ホールの島設備の内部からつり下げられた未接続配線が遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段に触れることを防止することができる防護壁機能と、を有している。
施錠ユニット360は、本体枠ベース501に取付けられる図示しない金属製のユニットベースと、ユニットベースから前方へ突出しており扉枠3と係止可能な図示しない金属製の複数の扉枠用鉤と、ユニットベースから後方へ突出しており外枠2と係止可能な図示しない金属製の複数の外枠用鉤と、扉枠用鉤又は外枠用鉤を上下方向へ移動させる図示しない金属製の伝達シリンダと、扉枠用鉤を下方へ付勢していると共に外枠用鉤を上方へ付勢している図示しない金属製の錠バネと、外枠用鉤を下方へ移動させる図示しない金属製の外枠用開錠レバーと、を備えている。
本体枠ベースユニット300の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット300における本体枠ベース501の正面視左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、正面視右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
金属製の本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット300を補強して剛性を付与することができる機能に加えて本体枠金属アースとしても機能し、図示しない本体枠金属アース線を介して、上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。枠アース基板559は、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。なお、金属製の本体枠補強フレーム530が本体枠ベースユニット300を補強して剛性を付与することができる機能に加えて本体枠金属アースとしても機能しているという点についての説明を後述する。
[4-2.本体枠の電磁波ノイズ対策]
次に、本体枠4のノイズ対策について簡単に説明する。本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット300、本体枠ベースユニット300の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット340、払出ベースユニット340で受取った遊技球Bを遊技者側(上皿130や下皿140)へ払出すための払出ユニット560と、パチンコ機1の電源投入を行うことができる電源スイッチ630aを備える電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620等を備えている。
この本体枠ベースユニット300は、上述したように、金属の押出型材によって形成されると共に、本体枠ベース501の正面視左側面に取付けられる本体枠補強フレーム530等を備えている。本体枠補強フレーム530は、上述したように、本体枠ベースユニット300を補強して剛性を付与することができる機能に加えて本体枠金属アースとしても機能し、図示しない本体枠金属アース線を介して本体枠4に備える上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。つまり、本実施形態では、金属製の本体枠補強フレーム530が本体枠側のフレームグランドとなっている。また、球タンク552は、その底部全体に配置された図示しない金属製プレートが図示しない球タンクアース線を介して上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。また、基板ユニット620におけるインターフェイス基板635に設けられる図示しないアース接続端子は、図示しないインターフェースアース線を介して上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。また、基板ユニット620における電源基板630に設けられる図示しないアース接続端子は、図示しない電源アース線を介して上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。この枠アース基板559は、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
このように、本体枠4のノイズ対策として、本体枠補強フレーム530、球タンク552、基板ユニット620におけるインターフェイス基板635、基板ユニット620における電源基板630へ侵入したそれぞれ電磁波ノイズは、本体枠補強フレーム530、球タンク552、基板ユニット620におけるインターフェイス基板635、基板ユニット620における電源基板630から図示しない対応する各種アース線、枠アース基板559、そして図示しない島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。
[4-3.枠アース基板]
次に、枠アース基板559について簡単に説明する。枠アース基板559は、上述したように、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものであり、アース端子を複数備えている。第1アース端子(インターフェースアース端子)は、インターフェースアースとして、本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635に設けられるアース接続端子と図示しないインターフェースアース線を介して電気的に接続されるものであり、第2アース端子(島設備アース端子)は、島設備アースとして、遊技ホールの島設備におけるアース接続端子と図示しない島設備アース線を介して電気的に接続されるものであり、第3アース端子(球タンクアース端子)は、球タンクアースとして、球タンク552の底部全体に配置された図示しない金属製プレートに図示しない金属ネジにより図示しない球タンクアース線の一端が取付けられると共に、この球タンクアース線の他端が電気的に接続されるものであり、第4アース端子(本体枠金属アース端子)は、本体枠金属アースとして、本体枠4の本体枠ベースユニット300における金属製の本体枠補強フレーム530に図示しない金属ネジにより図示しない本体枠金属アース線の一端が取付けられると共に、この本体枠金属アース線の他端が電気的に接続されるものであり、第5アース端子(電源アース端子)は、電源アースとして、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630に設けられるアース接続端子と図示しない電源アース線を介して電気的に接続されるものであり、第6アース端子(扉枠金属アース)は、扉枠金属アースとして、扉枠3の図示しない扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットに図示しない金属ネジにより図示しない扉枠金属アース線の一端が取付けられると共に、この扉枠金属アース線の他端が電気的に接続されるものである。
枠アース基板559の回路は、球タンクアースとしての第3アース端子(球タンクアース端子)は、図示しない第1抵抗の一端と電気的に接続され、この第1抵抗の他端が電源アースとしての第5アース端子(電源アース端子)、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、及びインターフェースアースとしての第1アース端子(インターフェースアース端子)とそれぞれ電気的に接続され、本体枠金属アースとしての第4アース端子(本体枠金属アース端子)と扉枠金属アースとしての第6アース端子(扉枠金属アース)とは、図示しない第2抵抗の一端と電気的に接続されると共に、この第2抵抗の他端が電源アースとしての第5アース端子(電源アース端子)、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、及びインターフェースアースとしての第1アース端子(インターフェースアース端子)とそれぞれ電気的に接続されている。つまり、第1抵抗の他端と第2抵抗の他端とが電気的に接続されている。本実施形態では、第1抵抗、第2抵抗として、510オーム(Ω)、2ワット(W)を採用している。
インターフェースアースとしての第1アース端子(インターフェースアース端子)に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、球タンクアースとしての第3アース端子(球タンクアース端子)に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、本体枠金属アースとしての第4アース端子(本体枠金属アース端子)に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、電源アースとしての第5アース端子(電源アース端子)に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、扉枠金属アースとしての第6アース端子(扉枠金属アース)に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。
ところで、本体枠4における払出ベースユニット340には、球タンク552、及び払出ユニット560等が取付けられる。球タンク552は、遊技ホールの島設備からの遊技球Bが供給され、球タンク552から払出ユニット560に遊技球Bが供給される。遊技球Bは、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電気放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
そこで、本実施形態では、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置すると共に、静電気が溜まりやすい結果、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット300における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしての第3アース端子(球タンクアース端子)と、本体枠金属アースとしての第4アース端子(本体枠金属アース端子)と、をそれぞれ第1抵抗、第2抵抗を介して、電磁波ノイズを徐々に流して減衰させて高電圧の瞬時的な放電を抑制し、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導くことができるようになっている。換言すると、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズは、フレームグランドというフレームアースとして、球タンク552や金属製の本体枠補強フレーム530を介して、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導くことにより、球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ流して除去することができる。このように、本実施形態において金属製の本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット300を補強して剛性を付与することができる機能に加えて本体枠金属アースとしても機能している。
また、扉枠3に備える各種装飾部には、上述したように、表裏全面に装飾メッキが施されているものもある。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキであり、導電性を有している。この装飾メッキが施された装飾部は、扉枠3の図示しない扉枠ベースユニットにおける扉枠補強ユニットと図示しない配線又は図示しない金属製の導通板を介して扉枠補強ユニットと電気的に接続されている。このため、例えば、装飾メッキが施された装飾部に遊技者が触れると、遊技者に帯電した静電気が静電気放電して電磁波ノイズとして遊技者からこの装飾部を介して扉枠補強ユニットへ伝わる。また、遊技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者(設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる限られた者)が本体枠4における施錠ユニット360に触れると、上述したように、遊技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者に帯電した静電気が静電気放電して電磁波ノイズとして遊技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者からこの施錠ユニット360を介して扉枠補強ユニットへ伝わる。
そこで、本実施形態では、扉枠3の図示しない扉枠ベースユニットにおける扉枠補強ユニットに対して、枠アース基板559において、扉枠金属アースとしての第6アース端子(扉枠金属アース)を、第2抵抗を介して、電磁波ノイズを徐々に流して減衰させて高電圧の瞬時的な放電を抑制し、島設備アースとしての第2アース端子(島設備アース端子)から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導くことができるようになっている。換言すると、装飾メッキが施された装飾部、遊技者、技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者(設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる限られた者)からの電磁波ノイズは、フレームグランドというフレームアースとして、扉枠補強ユニットを介して、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導くことにより、装飾メッキが施された装飾部、遊技者、技ホールの店員等の係員や後述する金属製の設定キーを所持する者(設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる限られた者)からの電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ流して除去することができる。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図18乃至図27を参照して詳細に説明する。図18は、パチンコ機において遊技パネル等を不透明にした遊技盤の正面図である。図19は図18の遊技盤を右前から見た斜視図であり、図20は図18の遊技盤を左前から見た斜視図であり、図21は遊技盤を後ろから見た斜視図であり、図22は主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。図23は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図24は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図27は、遊技パネル等を透明にした状態の遊技盤の正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル111を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005が備えられている。従って、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル111の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図30等を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図64を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されている駆動基板ユニット1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。また、演出表示装置1600の後方で裏ユニット3000の後面に、駆動基板ユニット1700が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120(図28等を参照)と、を備えている。
駆動基板ユニット1700は、主制御基板1310と周辺制御基板1510との接続を中継しているパネル中継基板1710と、周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニットに備えられている装飾基板及び駆動モータを駆動させるパネル駆動基板1720と、パネル中継基板1710とパネル駆動基板1720とを収容している駆動基板ボックス1730と、を備えている。駆動基板ボックス1730は、背面視左辺側が裏ユニット3000における裏箱3010の後面にヒンジ回転可能に取付けられていると共に、背面視右辺側が演出表示装置1600の後面に着脱可能に取付けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002及び一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられておりゲート部2003を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101を備えている。アタッカユニット2400には、自身に備えられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている。また、センター役物2500は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506と、不正に作用する磁気を検知する磁気センサ2470と、を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000の始動口ユニット2100及びサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001を備えている(図64を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端に取付けられている裏第一演出ユニット3100と、裏第一演出ユニット3100の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第二演出ユニット3200と、裏第二演出ユニット3200の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第三演出ユニット3300と、裏第二演出ユニット3200の前面に取付けられており始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏左球排出ユニット3030と、アタッカユニット2400の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏右球排出ユニット3040と、を備えている。
[5-1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図28を参照して詳細に説明する。図28(a)は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、(b)は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、の夫々の部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の切欠部1122と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100のパネル板1110等を前方から視認することができる。
[5-2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図28等を参照して詳細に説明する。遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8~10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、図示は省略するが、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔と、上縁と下縁とにおいて夫々左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部と、を備えている。位置決孔は、パネルホルダ1120の突出ピン(図示は省略)が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部は、パネルホルダ1120の係合爪(図示は省略)や係合片(図示は省略)に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図28に示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側と右側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本例では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部(図示は省略)と、保持段部を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、図示は省略するが、保持段部から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔に夫々が挿入される複数の突出ピンと、保持段部よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部に対して弾性係合する三つの係合爪と、保持段部の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部と夫々係合する一対の係合片と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部を、係合片に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部を係合爪に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔に、パネルホルダ1120の突出ピンが挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
[5-3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図23及び図24等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、を全て受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5-4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図23乃至図24等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310と、遊技性能を設定することができる設定変更基板1311と、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容しており基板ホルダ1200に取付けられる非導電性を有する樹脂製の主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320が基板ホルダ1200の後面に取付けられた状態では、遊技盤5を後ろから見ると、左右方向に長い矩形状の主制御基板1310が主制御基板ボックス1320のカバー体の左辺、上辺、右辺、及び下辺により囲まれた領域のうち左辺から右辺へ向かって5分の4程度の領域を占有する大きさに形成されて配置されると共に、残りの5分の1程度の領域であって主制御基板ボックス1320のカバー体の上辺及び右辺が接続される角部分の領域に正方形状の設定変更基板1311が配置される。
外枠2は、上述したように、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とを同軸上で回転可能に支持して本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉することができるようになっているため、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とが配置される本体枠4の上下方向の正面視左辺側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる本体枠4の上下方向の正面視右辺側が本体枠4の開放側となる。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。
また、本体枠4の本体枠ベースユニット300の後側に開閉可能に取付けられる裏カバー640は、上述したように、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっている。また、裏カバー640は、上述したように、正面視における右辺が、本体枠ベース501の正面視後面右側端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、正面視における左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられるようになっているため、正面視右辺側が裏カバー640の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる正面視左辺側が裏カバー640の開放側となる。つまり、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、裏カバー640の軸支側(閉鎖側)に主制御基板1310が配置されているのに対して、裏カバー開放側に設定変更基板1311が配置されている。
本実施形態では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストと異なる色となる白色を採用し、設定基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
ここで、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される色と異なる色を採用している点について説明する。主制御基板1310と設定変更基板1311とは、ともに主制御基板ボックス1320に収容される基板である。遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、主制御基板1310が遊技の進行を制御する(遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する)防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度が非常に高い。このため、この基板が主制御基板1310であるという点を他の基板と区別して注意喚起する必要がない。これに対して、設定変更基板1311は、遊技性能を設定することができるというパチンコ機1において全く新しい機能を有する基板であるため、主制御基板ボックス1320に収容されるものの、防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度が極めて低い。このため、この基板が設定変更基板1311であるという点を他の基板と区別して注意喚起する必要がある。
そこで、本実施形態では、基板のレジストとして一般に利用されている緑色を主制御基板1310のレジストとして採用し、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される色と異なる白色を採用した。これにより、主制御基板ボックス1320に収容される基板のうち、主制御基板1310と比べて設定変更基板1311が目立つ存在となり、主制御基板1310に加えて設定変更基板1311も防犯上重要度が高い基板であるという点についての認知度を高めることに寄与することができる。
なお、上述した本実施形態では、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される緑色と異なる白色を採用したが、主制御基板1310と設定変更基板1311とを区別することができるものであれば、黄色、赤色、青色、及び透明等にしてもよい。
また、上述した本実施形態では、設定変更基板1311のレジストとして主制御基板1310のレジストとして採用される緑色と異なる白色を採用したが、設定変更基板1311のレジストに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)及び/又は裏面(ハンダ面)のほぼ全体を覆うように白色でシルク印刷として印刷してもよいし、黒色、青色、黄色、及び赤色のうちいずれかの色でシルク印刷として印刷してもよい。
次に、主制御基板1310と設定変更基板1311とを収容する主制御基板ボックス1320について説明する。主制御基板ボックス1320は、非導電性を有する樹脂製のカバー体と、非導電性を有する樹脂製のベース体と、から構成されている。カバー体とベース体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310及び設定変更基板1311を収容することができるようになっている。カバー体とベース体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310及び設定変更基板1311の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310及び設定変更基板1311への不正行為に対する抑止力が高められている。なお、カバー体には、主制御基板ボックス1320内の空気を外気へ放出することができる放熱用の通気孔が複数形成されている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、周辺制御基板1510、設定変更基板1311と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、第一始動口センサ2101、ゲートセンサ2506、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、一般入賞口センサ2401、一般入賞口センサ3001、磁気センサ2470、振動センサ3005、アウト口センサ3032、と接続されている。
主制御ユニット1300の設定変更基板1311は、パチンコ機1の設定値の切り替えと設定値の確認とを行うことができる設定キースイッチ1311aを備えている。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネス(電気配線)を介して、電気的に接続してもよい。設定キースイッチ1311aへの操作に伴う力をハーネス(電気配線)により吸収して(和らげて)設定変更基板1311から主制御基板1310へ伝わり難くすることができる)。このコネクタ接続(基板間接続)されることにより、設定キースイッチ1311aからの信号は、主制御基板1310と電気的に接続される。なお、基板間接続であるコネクタ接続には、フローティング機構を備えていない通常コネクタを用いる接続と、フローティング機構を備えている特殊コネクタを用いる接続と、がある。フローティング機構を備えていない通常コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットにプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合するものであり、ソケットがプラグと嵌合する際に、プラグを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ移動する量が全くない構造となっている。これに対して、フローティング機構を備えている特殊コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットをプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合するものであり、ソケットがプラグと嵌合する際に、ソケットを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる誤差(嵌合軸ズレ)を吸収することができる構造となっている。本実施形態では、基板間接続であるコネクタ接続として、フローティング機構を備えていない通常コネクタを採用しているが、フローティング機構を備えている特殊コネクタを採用してもよい。
設定変更基板1311は、その一辺の距離寸法が主制御基板ボックス1320のカバー体の横方向の距離寸法の約5分の1程度を有して正方形状に形成され、その上辺が主制御基板1310の上辺と同一の直線上に配置されているとともに、その下辺が主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置されている。
設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の右辺であって、設定変更基板1311のコネクタSMCNと対応する位置に配置されている。正方形状の設定変更基板1311の上下左右方向の各中心線が交わる中心点に設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置されている。主制御基板1310には、設定変更基板1311の左右方向の中心線上より上方であってコネクタMSCN寄りに単色(例えば、赤色)に発光することができる設定変更許可ランプ1310zが配置されている。主制御基板1310の中心線より上方であってコネクタMSCNの近傍に小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310gが配置され、主制御基板1310の中心線より下方であって中央から右辺へ向かって小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器が6つ一列に連なって構成されるベースモニタ1310hが配置されている。
本実施形態では、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダの前面に形成される差し込み口に設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっている。設定キーシリンダが初期位置にあるときにおいて、差し込み口に金属製の設定キーを差し込むことができるとともに、差し込み口から金属製の設定キーを抜き取ることができるようになっている。なお、本実施形態では、遊技盤5の後側を覆う裏カバー640がパチンコ機1から何らかの理由により外れた状態であって、差し込み口に設定キーが差し込まれた状態のまま、外枠2に対して本体枠4を閉鎖したとしても、遊技ホールの島設備に背向かいで列設される他のパチンコ機の部材(又は遊技ホールの島設備の部材)と設定キーとが互いに干渉せずに損傷しないように設定キースイッチ1311aの奥行き方向の距離寸法を採用している。
設定キーシリンダが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができる。このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。
[設定キースイッチ]
ここで、設定キースイッチ1311aについて図25を参照して説明する。図25は設定キースイッチの正面右斜めから見た斜視図(a)であり、設定キースイッチの正面左斜めから見た斜視図(b)であり、設定キースイッチの上面図である。
設定キースイッチ1311aは、樹脂製の外筒の内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される樹脂製の設定キーシリンダが収容されているタイプのもの(以下、「樹脂製タイプの設定キースイッチ1311a」と記載する場合がある。)と、金属製の筒状の外筒に対して、設定キーが挿入されて回動操作される金属製の設定キーシリンダが収容されているタイプのもの(以下、「金属製タイプの設定キースイッチ1311a」と記載する場合がある。)と、がある。樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと金属製タイプの設定キースイッチ1311aとの構造は同一であり、材質が一部異なっている。
[樹脂製タイプの設定キースイッチ]
樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aは、図25(a),(b)に示すように、非導電性の有する樹脂製の筒状の外筒1311aaと、外筒1311aaの内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される非導電性を有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abと、外筒1311aaと接続されると共に設定キーシリンダ1311abの回動操作により接点をON又はOFFする回路が形成される非導電性を有する樹脂製の直方体状のベース体1311acと、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆うように屈曲されてベース体1311acの後方に突出する一対の突出片1311ada,1311adaが両側面(同図中、前側面及び後側面)に形成される金属製のフレーム板1311adと、から構成されている。
外筒1311aaの前面は、設定キーシリンダ1311abの前面とほぼ同一平面状に配置されている。設定キーシリンダ1311abの前面には、金属製の設定キーを差し込むための差し込み口1311abaが設けられている。金属製の設定キーは、図25(c)に示すように、設定キーシリンダ1311abの回転位置が外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaにあるときにおいて(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(矩形状を有する差し込み口1311abaの長手方向が上下方向へ沿う位置)において)、差し込み口1311abaに差し込むことができると共に、差し込み口1311abaから抜き取ることができるようになっている。ベース体1311acは、フレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaと90度回転させた側面から黄銅製のリード端子が2本ずつ所定距離寸法だけ離間して両側面(同図中、右側面及び左側面)に形成されている。
同図中、左側面の上側リード端子であるCOM1端子と左側面の下側リード端子であるCOM2端子とは、共通端子であり、いずれか一方の端子、又は両端を用いることができる。右側面の上側リード端子であるA端子と右側面の下側リード端子であるB端子とは、設定キーシリンダ1311abの回転位置が外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaにあるときにおいて、ベース体1311acに形成される回路により、COM1端子及びCOM2端子とA端子とを電気的に接続して導通するとともに、COM1端子及びCOM2端子とB端子とを電気的に非接続して遮断する(これにより、設定キースイッチ1311aの設定キーOFFの信号が伝送される)一方、設定キーシリンダ1311abの回転位置が外筒1311aaに形成される抜き差し基準位置1311aaaから60度だけ回動操作されたときにおいて、ベース体1311acに形成される回路により、COM1端子及びCOM2端子とA端子とを電気的に非接続して遮断するとともに、COM1端子及びCOM2端子とB端子とを電気的に接続して導通する(これにより、設定キースイッチ1311aのONの信号が伝送される)。
金属製のフレーム板1311adからベース体1311acの後方に延出して突出する一対の突出片1311ada,1311adaは、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)でハンダ付けされることで設定キースイッチ1311aを設定変更基板1311に固定することができるようになっている。ベース体1311acのA端子、B端子、COM1端子、及びCOM2端子は、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)でハンダ付けされる。ベース体1311acの裏面側には、設定キースイッチ1311aが設定変更基板1311に実装される際に、抜き差し基準位置1311aaaが同図中に示すように上側を向くように設定キースイッチ1311aの配置向きを指定する図示しない円柱状の突出部が突出して形成されている。この円柱状の突出部により、製造元の作業者が設定キースイッチ1311aを設定変更基板1311の表面(実装面)1311xに実装する際に、例えば設定キースイッチ1311aの上下方向をひっくり返し(間違えて)ハンダ付けされないようにすることができる。
なお、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込む場合に、この金属製の設定キーを介して電磁波ノイズが侵入したとしても、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが、上述したように、外筒1311aa、設定キーシリンダ1311ab、及びベース体1311acがそれぞれ非導電性を有する樹脂製により成型されているため、A端子、B端子、COM1端子、及びCOM2端子への影響がない。
[金属製タイプの設定キースイッチ]
次に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aは、金属製の筒状の外筒1311aaと、外筒1311aaの内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される金属製の設定キーシリンダ1311abと、において、上述した樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと同一構成における材質が異なる点で樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと同一の構成である。また、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abが金属製により成型されていると共に、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっている。外筒1311aaは、非導電性を有する樹脂製のベース体1311acと接続されているものの、金属製のフレーム板1311adは、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆っている。つまり、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込む場合に、この金属製の設定キーを介して電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっているため、金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入するおそれがあるという問題がある。金属製タイプの設定キースイッチの電磁波ノイズについての詳細な説明を後述する。
[設定キースイッチと主制御基板ボックスのカバー体との関係]
ここで、設定キースイッチ1311aと主制御基板ボックス1320のカバー体1301との関係について図26を参照して説明する。図26は設定キースイッチと主制御基板ボックスのカバー体との関係を示す概略図である。
設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面には、上述したように、金属製の設定キーを差し込むための差し込み口1311abaが設けられている。設定変更基板1311が主制御基板ボックス1320に収容された状態において、設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)が主制御基板ボックスのカバー体1301から露出するように、主制御基板ボックス1320のカバー体1301には、図26に示すように、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abと対応する位置に、設定キーシリンダ1311abの外径より大きい直径(例えば、設定キーシリンダ1311abの外径より2mm大きい直径)を有する貫通穴1301zの内周に沿って設定変更基板1311へ向かって所定距離寸法を有するチューブ状のリブ部1301za(チューブ状のリブ部1301zaの厚みは、カバー体1301の厚みと同一の厚みを有している。)が形成されている。貫通穴1301zの内周とチューブ状のリブ部1301zaの内周とは段差なく同一の内周面となるように連通している。
貫通穴1301zは、設定キースイッチ1311aにアクセスする者の指や拳が当たる部分でもあるため、リブ1301zaにより貫通穴1301zの周囲の強度を高めることができるようになっている。これにより、人の力により貫通穴1301zの周囲を押し込んで貫通穴1301zの周囲を撓ませて貫通穴1301zと設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたり、貫通穴1301zの周囲を損傷させて貫通穴1301zの外径を大きくして貫通穴1301zと設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたりすることを防止することができるため、例えば、設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする者が故意に指や拳を貫通穴1301zの周囲を押し込んでも、貫通穴1301zと設定キーシリンダ1311abとのすき間に針金などの細長い不正工具を挿入することを防止することに寄与することができる。
なお、貫通穴1301zの直径は、設定キースイッチ1311aの直方体を有するベース体1311acの表面形状である矩形形状の内側に収まるようになっている。リブ部1301zaの端部と設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adの表面との距離寸法d(本実施形態では、約2mm)だけ離間しており、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adが設定キースイッチ1311aにアクセスする者から直接触れられないように構成されている。
これにより、カバー体1301の貫通穴1301z及びリブ部1310zaと設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abとの「すき間(本実施形態では、貫通穴1301zの直径が設定キーシリンダ1311abの外径より2mm大きく形成されているため、すき間が1mmとなる。)」に針金などの細長い不正工具を挿入しても、貫通穴1301zの直径は、設定キースイッチ1311aの直方体を有するベース体1311acの表面形状である矩形形状の内側に収まるように形成さているため、細長い不正工具の先端がベース体1311acの表面に当たって屈曲して設定変更基板1311へ向かって侵入することができないようになっている。つまり、設定変更基板1311及び主制御基板1310を改変することを防止するこができるようになっている。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abがそれぞれ非導電性を有する樹脂製により成型されているため、仮に静電気を帯びた者が設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)に指を近づけたり触れたりしても、静電放電による電磁波ノイズが設定キースイッチ1311aを介して設定変更基板1311へ侵入することを防止することができる。また、非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zの外周に沿って形成されるリブ部1301zaの端部と設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adの表面とが距離寸法d(本実施形態では、約2mm)だけ離間しているため、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に指を近づけたり触れたりしても、静電放電による電磁波ノイズが貫通穴1301z及びリブ部1301zaを介して設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに侵入することが困難となることにより設定キースイッチ1311aを介して設定変更基板1311へ侵入することを防止することができる。
なお、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abが金属製により成型されていると共に、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっている。外筒1311aaは、非導電性を有する樹脂製のベース体1311acと接続されているものの、金属製のフレーム板1311adは、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆っている。つまり、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に指を近づけたり触れたりすると、静電放電による電磁波ノイズが、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっているため、金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入するおそれがある。このため、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に指を近づけたり触れたりすると、静電放電による電磁波ノイズが金属製のフレーム板1311adに侵入して設定キースイッチ1311aを介して設定変更基板1311へ侵入するおそれがあるという問題がある。金属製タイプの設定キースイッチの電磁波ノイズについての詳細な説明を後述する。
また、作業者が遊技盤5を遊技ホールの島設備に設置されるパチンコ機1の本体枠4に装着する作業を行う場合には、まず、パチンコ機1の前面やその周囲に仮置きするため、この仮置きした遊技盤5を作業中にあやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって転倒させた場合に設定キースイッチ1311aが床と衝突して破損することを防止することができる。また、パチンコ機1の本体枠4から遊技基板5を取り外す作業を行う場合においても、取り外した遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きするため、この仮置きした遊技盤5を作業中にあやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって転倒させた場合に設定キースイッチ1311aが床と衝突して破損することを防止することができる。
設定表示器1310g、及びベースモニタ1310hは、カバー体1301とベース体1302とにより形成される内部空間に収容されて全く触れることができないものの、カバー体1301が、上述したように、透明に成型されているため、カバー体1301を通して、設定表示器1310gが表示する設定値と、ベースモニタ1310hが表示する球数と、を視認することができるようになっている。
なお、不正な改変を防止するために、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターンと、設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターンと、の引き回しとして、設定変更基板1311において相互に近づけないように(相互に離間して)形成されるとともに、設定変更基板1311のコネクタSMCNの端子(主制御基板1310のコネクタMSCNの端子)への接続も離間して形成され、主制御基板1310においても、設定キースイッチ1311aからの各種信号が伝送される配線パターン(つまり、設定キースイッチ1311aの設定キーONの信号が伝送される配線パターン、及び設定キースイッチ1311aのOFFの信号が伝送される配線パターン)の引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されているとともに、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号が伝送される配線パターンとの引き回しも相互に近づけないように(相互に離間して)形成されている。
[設定キースイッチを操作するまでの手順]
ここで、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aを操作するまでの手順を簡単に説明する。遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、上述したように、本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。また、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、上述したように、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっている。また、遊技盤5が本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、裏カバー640の軸支側(閉鎖側)に主制御基板1310が配置されているのに対して、裏カバー開放側に設定変更基板1311が配置されている。つまり、裏カバー640を開放する場合には、裏カバー640の裏カバー開放側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となっているため、外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放しなければ、裏カバー640の開放側が外枠2と干渉して裏カバー640が遊技盤5の後側を覆う状態を開放することができない構造となっている。換言すると、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aを操作しようと設定キースイッチ1311aにアクセスする者は、単に腕を挿入することができる程度のすき間だけ外枠2に対して本体枠4を開放して設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセスしようとしても、裏カバー640を開放することができない。つまり、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセスする者は、まず、裏カバー640が遊技盤5の後側を覆う状態を開放することができる空間を確保するために、外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放する必要がある。
このように、本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されているため、本体枠4の開放側に設定変更基板1311を配置する場合と比べると、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正にアクセスしようとする不正行為者がピアノ線や針金等の不正な工具を用いる場合には、外枠2と本体枠4との間であって本体枠4の開放側から仮に不正な工具を挿入して送り込んでも本体枠4の開放側から設定キースイッチ1311aまでに亘る経路が長くなることで不正な工具を深く送り込む必要がある。これにより、不正な工具を設定キースイッチ1311aへ送り込んでいる動作時間も長くなるため、このような不正行為を遊技ホールの店員等の係員が発見し易くすることができる。
また、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaが裏カバー640により覆われた状態となっている。これにより、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正にアクセスしようとする不正行為者がピアノ線や針金等の不正な工具を用いて外枠2と本体枠4との間であって本体枠4の開放側から仮に不正な工具を挿入して送り込んでも、不正な工具が設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに達する前に裏カバー640により阻止されるため、不正な工具が設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに挿入されることを防止することができる。
また、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abには金属製の設定キーを差し込むための差し込み口が設けられ、この設定キーシリンダの差し込み口が裏カバー640により覆われた状態となっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aにアクセスするためには裏カバー640を開放するという作業を行う必要がある。この裏カバー640を開放するためには外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放する作業を行う必要がある。このような複数の作業を伴うことで設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに対するアクセスの防犯性を高めることで不正な工具による不正行為に対する抑止力を高めることができる。
なお、裏カバー640は、上述したように、その正面視左辺が払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに開閉自在に軸支されて取付けられ、ロック用ネジ642が裏カバー取付部601aに螺着されて裏カバー640が固定されるようになっており、ロック用ネジ642も裏カバー640の開放側に配置されることにより本体枠4の開放側と反対側となる本体枠4の軸支側(閉鎖側)に配置されている。このため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正にアクセスしようとする不正行為者が不正な工具を外枠2と本体枠4との間であって本体枠4の開放側から挿入して送り込んでも本体枠4の開放側から裏カバー640のロック用ネジ642までに亘る経路が長くなることで不正な工具を深く送り込む必要がある。この点においても、不正な工具をロック用ネジ642へ送り込んでいる動作時間も長くなるため、このような不正行為を遊技ホールの店員等の係員が発見し易くすることができるし、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに対するアクセスの防犯性を高めることで不正な工具による不正行為に対する抑止力を高めることができる。
設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311は、主制御基板1310と共に、主制御基板ボックス1320に収容されて、この主制御基板ボックス1320が遊技盤5の基板ホルダ1200の後側に取付けられている。これに対して、RWMクリアボタン633zが配置される払出制御基板633は、払出制御基板ボックス632に収容されて、この払出制御基板ボックス632が本体枠4の基板ユニット620における電源基板カバー631の後側に取付けられている。このように、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるようにすることで設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zを離間させることができる。1つの基板に設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zを集約して配置する場合には、1つの基板に対してのみ不正な改変を行えばよく、防犯上好ましくない。そこで、本実施形態では、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるような構成を採用したことにより、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zに対する防犯性を高めている。
なお、主制御基板1310(主制御MPU1310a)は、遊技準備の制御と遊技の制御とを行う(遊技準備の制御に続いて、遊技の制御を行う)。遊技準備の制御は、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aからの信号に基づいて、設定値の変更可能状態とすることができる第1工程(後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS14の判定、ステップS16Aの処理)と、この第1工程に続いて、払出制御基板633のRWMクリアボタン633z(ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとして機能する。)からの信号に基づいて、設定値を選択して切り替えることができる第2工程(後述する設定変更処理におけるステップS216の判定、ステップS218の処理)と、から構成されている。遊技準備の制御に続いて、遊技の制御は、後述する主制御側電源投入時処理における主制御側メイン処理や後述する主制御側タイマ割込処理等から構成されている。
このような防犯性を高めることができるものの、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるような構成を採用したことにより、設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320に収容されているため、特に設定キースイッチ1311aがどこに配置されているのかを伝える必要がないのに対して、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、不慣れな場合もあるため、わかり難い場合がある。
そこで、本実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記が主制御基板ボックス1320に付されている。具体的には、主制御基板ボックス1320のカバー体には、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができるシールが貼られている。このシールは透明な矩形シートであり、この矩形シートには、例えば、赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」と印刷されている。これにより、RWMクリアボタン633z(設定切替ボタン)の配置場所を、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員に伝えることができるため、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、RWMクリアボタン633zの操作する際に、RWMクリアボタン633zを容易に見つけ出すことができることにより目が回らずに済む。したがって、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
なお、このシールは、主制御基板ボックス1320のカバー体に貼られても、主制御基板1310の視認性を妨げるものでもない。また、このシールの矩形シートに印刷される文字に代えて、矢印などの記号でもよい。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板ボックス1320のカバー体を成型するときに、凹状の文字又は凸状の文字を併せて成型するようにしてもよい(つまり、カバー体と文字とを一体成型してするようにしてもよい)。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)に文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」を白色でシルク印刷として印刷してもよいし、払出制御基板633の表面(実装面)に文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)」を白色でシルク印刷として印刷してもよい。なお、シルク印刷の色は、同一色でもよいし、異なる色でもよい。また、シルク印刷される文字に代えて、矢印などの記号でもよい。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、設定変更基板1311の表面(実装面)に文字部分をマスクして抜き文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」としてレジストにより形成してもよいし、払出制御基板633の表面(実装面)に文字部分をマスクして抜き文字(高さ:7mm)「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)」としてレジストにより形成してもよい。なお、レジストの色は同一色でもよいが、異なる色とした方が基板の区別ができて好ましい。また、抜き文字に代えて、矢印などの記号をマスクした抜き記号でもよい。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、主制御基板1310の表面(実装面)又は設定変更基板1311の表面(実装面)に同様のシール(このシールは透明な矩形シートであり、この矩形シートには、例えば、赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)は払出制御基板にあります」と印刷されている。)を貼ってもよいし、払出制御基板633の表面(実装面)に赤色の半透明な文字(高さ:7mm)で「RWMクリアボタン(設定切替ボタン)」という透明な矩形シートを貼ってもよい。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、RWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよいし、演出表示装置1600にアナウンス画像を表示するようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入された状態で、遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員が演出操作ユニット300の演出操作部301を操作して、演出表示装置1600に各種設定画面を表示して、RWMクリアボタン633z(設定切替ボタン)の配置場所についての項目を選択する。これにより、RWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを伝える「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。」というアナウンス音声が各種スピーカから流れるとともに、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えるアナウンス画像(写真で撮影したものでもよい。)が演出表示装置1600に表示される。遊技ホールの店長、遊技ホールの店員等の係員は、このようなアナウンス音声やアナウンス画像によりRWMクリアボタン633zの配置場所を把握した後に、パチンコ機1の電源を遮断して、設定値の変更をスムーズに行うことができる。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに代えて、設定値の設定変更を行う場合に、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入されて主制御MPU1310aが設定値を変更決定することができる設定変更処理を行うときに所定のコマンドを周辺制御基板1510へ送信することにより、周辺制御基板1510の制御によりRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを伝える「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。RWMクリアボタンを操作して設定値を変更してください。」というアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れる。主制御MPU1310aは、設定変更処理を完了すると、周辺制御基板1510へ所定のコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510は、アナウンス音声を停止して受信した所定のコマンドに基づいて各種処理を進行することとなる。このように構成しても、RWMクリアボタン633zの所在を容易に知ることができる。なお、このようなアナウンス音声に続けて、設定値を決定した後に設定キーの操作方法を伝えるアナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。また、アナウンス音声を流しているときに、演出表示装置1600に「設定中」という画像を表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、RWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記として主制御基板ボックス1320のカバー体にシールが貼られていたが、これに加えて、設定値の設定変更を行う場合に、設定切替ボタンの機能を兼ねるRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを、アナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。具体的には、例えば、パチンコ機1が電源投入されて主制御MPU1310aが設定値を変更決定することができる設定変更処理を行うときに所定のコマンドを周辺制御基板1510へ送信することにより、周辺制御基板1510の制御によりRWMクリアボタン633zがどこに配置されているのかを伝える「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。RWMクリアボタンを操作して設定値を変更してください。」というアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れる。これにより、主制御基板ボックス1320のカバー体に貼られたシールを探す必要がなくなる。なお、このようなアナウンス音声が各種スピーカから繰り返し流れるものの、アナウンス音声の内容を聞き漏らす場合も想定して、次回のアナウンス音声が流れる始めるまえに、主制御基板ボックス1320のカバー体に貼られたシールを目視することにより、RWMクリアボタン633zの配置場所を知ることができるようになっている。アナウンス音声には、「RWMクリアボタンは払出制御基板にあります。RWMクリアボタンは設定切替ボタンを兼ねています。RWMクリアボタンを操作して設定値を変更してください。」に加えて、RWMクリアボタンの所在を示すシールが貼られている場所を伝える内容も案内するようにしてもよい。主制御MPU1310aは、RWMクリアボタンが操作されると、周辺制御基板1510へ所定のコマンドを送信することにより、周辺制御基板1510は、アナウンス音声を停止する。設定値の設定変更を行う者は、その作業により設定値の設定変更に慣れてきて耳障りとなっている場合にも、その作業を開始してすぐにRWMクリアボタンを操作すると、これを契機として、アナウンス音声を速やかに停止することができるし、また、やむを得ず遊技ホールの営業開始した後にその作業を行う必要があった場合にも遊技者に迷惑が掛からないように、その作業を開始してすぐにRWMクリアボタンを操作すると、これを契機として、アナウンス音声を速やかに停止することができる。なお、このようなアナウンス音声に続けて、設定値を決定した後に設定キーの操作方法を伝えるアナウンス音声を各種スピーカから流すようにしてもよい。また、アナウンス音声を流しているときに、演出表示装置1600に「設定中」という画像を表示するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zをそれぞれ別々の基板に配置すると共に、基板が取付けられる対象も異なるようにすることで設定キースイッチ1311a、及びRWMクリアボタン633zを離間させていたが、防犯性を高めることができる場合には、1つの基板に、設定キースイッチ1311a、及び設定切替ボタン(この場合、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zから設定切替ボタンの機能が除去される。)を集約して配置することができる。例えば、設定変更基板1311は、その右辺及び左辺の上下方向の距離寸法が主制御基板1310の右辺及び左辺の上下方向の距離寸法とほぼ同一であり、その左右方向の距離寸法が主制御基板1310の左右方向の距離寸法と比べて短く、主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、設定変更基板1311の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線と、が合致する形状を有しいている。つまり、設定変更基板1311は、上下方向に長い矩形形状を有している。設定変更基板1311のコネクタSMCNは、設定変更基板1311の左辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されているとともに、主制御基板1310のコネクタMSCNは、主制御基板1310の右辺に沿って、その上下方向の距離寸法の中心となる位置が中心線上に配置されている。設定変更基板1311の中心線より下方であって、設定変更基板1311の下辺寄りに設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有する設定キースイッチ1311aが配置され、設定変更基板1311の中心線より上方であって設定変更基板1311の上辺寄りに押圧操作部を有する設定切替ボタンが配置される。つまり、設定変更基板1311という同一の基板における、下辺寄りに設定キースイッチ1311aが配置されるのに対して、上辺寄りに設定切替ボタンが配置されており、相互に離間されて配置されている。このように同一の基板において相互に離間されて設定キースイッチ1311aと設定切替ボタンとが別体に配置される場合には、1つの基板に集約しているものの、設定キースイッチ1311aと設定切替ボタンとを相互に近づけて別体に配置する場合と比べて、不正な改変を行え難くすることができるため、設定キースイッチ1311aと設定切替ボタンとを1つの基板に集約して別体に配置するものであっても防犯性を高めることができる場合がある。
[設定値の設定変更の手順、設定値の確認表示の手順]
次に、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a、払出制御基板633のRWMクリアボタン633z、及び主制御基板1310の設定表示器1310gについて簡単に説明する。ここで、まず設定値の設定変更を行う場合について簡単に説明し、現在の設定値の確認表示を行う場合について簡単に説明する。なお、設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。
設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつ、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているという「予め定めた設定値変更許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
設定値の設定変更を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示し、設定変更許可ランプ1310zを消灯した状態から点灯する状態へと切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作すると、RWMクリアボタン633zからの検出信号が払出制御基板633から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。設定値の設定変更を行う者がRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作するごとに、主制御MPU1310aは、RWMクリアボタン633zからの検出信号に基づいて、現状の設定値から値1ずつ増加し、最大値である設定値6に達すると、初期値である設定値1へ戻り、再び値1ずつ増加し、設定値を設定表示器1310gに表示する制御を行う。
設定値の設定変更を行う者は、設定値を決定する場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定変更して決定した設定値を主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの特定領域に格納し、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替え、設定変更許可ランプ1310zを点灯する状態から消灯する状態へ切り替える。
設定値の設定変更を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、設定値の設定変更の作業を完了する。
現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、かつ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないという「予め定めた設定値表示許可条件」が成立する必要がある。つまり、実際に現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込んで時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONし、続いてRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、まずパチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)を確認してから、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする。続いてRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなく、電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行う。これにより、設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。主制御MPU1310aは、その内蔵されているRAMの特定領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を設定表示器1310gに表示する。このとき、設定変更許可ランプ1310zを消灯した状態が維持され、また現在設定されている設定値の確認表示を行う者がRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しても、この押圧操作に対応して設定値が全く変更されないし、設定表示器1310gに表示された内容も変更されない。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、現在設定されている設定値の確認を完了すると、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作する。この設定キーOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力される。これにより、主制御MPU1310aは、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。
現在設定されている設定値の確認表示を行う者は、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行い、現在設定されている設定値の確認表示の作業を完了する。
なお、予め定めた設定値変更許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていることが必要であるのに対して、予め定めた設定値表示許可条件は、上述したように、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復された復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作され、かつ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないことが必要である。このように、予め定めた設定値変更許可条件と予め定めた設定値表示許可条件とは、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されているという点で共通する要件があり、予め定めた設定値変更許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていること」を要件とするのに対して、予め定めた設定値表示許可条件には「パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時に、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないこと」を要件とする点で相違する。
また、設定キースイッチとしては、リードタイプのものと、面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものと、の2つのタイプがある。本実施形態における設定キースイッチ1311aでは、基本的に、リードタイプのものを採用している。設定キースイッチ1311aは、差し込み口に設定キーが差し込まれたり、抜き取られたりする動作がある。このため、この動作に伴う力が設定キースイッチ1311aが設けられる基板に働くことによって、この基板がたわむこととなる。リードタイプのものでは、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より内側に配置されて基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされる。これに対して、SMDタイプのものでは、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より外側へ向かって突出して配置されて基板の表面(実装面)にハンダ付けされる。
これにより、リードタイプのものでは、仮に差し込み口から金属製の設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かると、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より内側に配置されて基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされているため、設定キースイッチのリードが外形へ向かって突出して配置されて基板の表面(実装面)にハンダ付けされるSMDタイプのものと比べると、設定キースイッチの各リードが基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされた部分にかかる負荷が大きくなり、この負荷が基板の裏面(ハンダ面)から表面(実装面)へ向かって強く働き基板自体が大きくたわむこととなる。これに対して、SMDタイプのものでは、仮に差し込み口から金属製の設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かっても、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より外側へ向かって突出して配置されて基板の表面(実装面)にハンダ付けされているため、設定キースイッチの各リードが設定キースイッチの外形より内側に配置されて基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされるリードタイプのものと比べると、設定キースイッチの各リードが基板の表面(実装面)にハンダ付けされた部分にかかる負荷が小さくなり、この負荷が基板の裏面(ハンダ面)から表面(実装面)へ向かって働いても基板自体がたわみ難い。
また、基板に外力が働くことで基板自体が大きくたわむ場合にはSMDタイプの電子部品がハンダ付けされたハンダ部がランドパターンの剥離負荷が大きく剥離する懸念があるため、設定キースイッチとしてリードタイプのものを使用する場合はSMDタイプの電子部品が実装されていない基板に実装することが望ましい。また、設定キースイッチの各リード部が基板の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされたハンダ部における配線パターンやランドパターンの剥離負荷がSMDタイプのものと比べて小さく、設定キースイッチのハンダ部の剥離に対して強くすることができるため、ハンダ部の強度を考えると、設定キースイッチとしてリードタイプのものを使用することが望ましい。
そこで、本実施形態では、基本的には、設定キースイッチ1311aとして、リードタイプのものを採用している。本実施形態では、設定変更基板1311にSMDタイプの電子部品が実装されずにリードタイプの電子部品が実装されているため、設定キースイッチ1311aとしてリードタイプのものを設定変更基板1311に実装して仮に差し込み口から金属製の設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かって基板自体が上述したように大きくたわむことが生じたとしても、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)にハンダ付けされたリードタイプの他の電子部品が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)から剥がれるおそれがない。なお、設定変更基板1311のコネクタSMCNは、上述したように、主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)されている(設定変更基板1311のコネクタSMCNと主制御基板1310のコネクタMSCNとのコネクタ間を、ハーネスを介して、電気的に接続してもよい)ため、設定キースイッチ1311aからの信号等は、主制御基板1310と電気的に接続される。
主制御基板ボックス1320のカバー体の左右方向に長い矩形状の主制御基板1310が主制御基板ボックス1320のカバー体の左辺、上辺、右辺、及び下辺により囲まれた領域のうち左辺から右辺へ向かって5分の4程度の領域を占有する大きさに形成されて配置されると共に、残りの5分の1程度の領域であって主制御基板ボックス1320のカバー体の上辺及び右辺が接続される角部分の領域に正方形状の設定変更基板1311が配置される。設定変更基板1311は、その一辺の距離寸法が主制御基板ボックス1320のカバー体の横方向の距離寸法の約5分の1程度を有して正方形状に形成されており、左右方向に長い矩形状の主制御基板1310と比べると、小さいものとなっている。本実施形態では、このように小さい形状を有する正方形状の設定変更基板1311にリードタイプの設定キースイッチ1311aが実装されており、仮に、設定キースイッチ1311aの差し込み口に金属製の設定キーを挿入して押し込んで基板自体がたわむ場合、又は設定キースイッチ1311aの差し込み口から金属製の設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かって基板自体がわたむ場合があっても、設定変更基板1311が小さい基板に形成されていることにより、たわみの大きさを、主制御基板1310と比べて小さく抑えることができるようになっている。これにより、主制御基板ボックス1320のカバー体やベース体であって設定変更基板1311と対応する位置に、設定変更基板1311の表面(実装面)や裏面(ハンダ面)と当接してたわみを防止することができるリブをそれぞれ設ける必要がなくなることで設定キースイッチ1311aが実装される位置周辺にネジ止め穴を設定変更基板1311に設けることができるし、透明な主制御基板ボックス1320に収容される設定変更基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)の視認性に寄与することができる。
このように、本実施形態では、設定キースイッチ1311aとしてリードタイプのものを採用して主制御基板1310と別体の設定変更基板1311に配置しているため、設定値の変更を行うことができる設定キーが設定キースイッチ1311aの差し込み口に抜き差しされるという動作(操作)に伴って設定変更基板1311にたわみが生じても主制御基板1310にたわみが生じることがない。したがって、リードタイプの設定キースイッチ1311aが操作されたことに伴って主制御基板1310にたわみが生じることを防止することができる。
これに対して、設定変更基板1311に代えて、設定キースイッチ1311aを、主制御基板1310、払出制御基板633、及び電源基板630等の基板のうちいずれかに配置する場合であって、これらの基板にSMDタイプの電子部品が実装されている場合には、設定キースイッチ1311aとしてリードタイプのものに代えて、SMDタイプのものを採用して基板の表面(実装面)に実装して仮に差し込み口から金属製の設定キーを抜き取るときに設定キーが差し込み口内において引っ掛かっても、基板自体が上述したようにたわみ難いため、基板の表面(実装面)にハンダ付けされるSMDタイプの他の電子部品が基板の表面(実装面)から剥がれるおそれがない。
ここで、設定値について簡単に説明すると、「設定値」とは、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されているものである。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブルには、各種判定値には所定の割合で割り振られている。なお、各種抽選判定で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定され、各種振り分け率で用いられる各種テーブルは、相互に少なくとも一部の値が異なるように設定されているものもあれば、一の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルと他の電気的駆動源の駆動を管理するブロックに対応するテーブルとの関係性に基づいて値が異なるように設定されているものもある。また、上述した設定値としては、設定値1から設定値6までに亘る範囲の6つの設定値(整数)としていたが、これと比べて少ない範囲のものでもあってもよいし、多い範囲のものであってもよい。例えば、設定値1~設定値4までに亘る範囲の4つの設定値(整数)としてもよいし、設定値1~設定値8までに亘る範囲の8つの設定値(整数)としてもよい。
設定表示器1310gは、上述したように、設定値の表示を行うほかに、主制御MPU1310aが復電時に自身に内蔵されているRAMの内容をチェックして異常があるか否かを判定して異常があると判定した場合、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していない場合には、自身に内蔵されているRAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPU1310aがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[ベースモニタ]
次に、ベースモニタ1310hについて簡単に説明すると、ベースモニタ1310hは、遊技領域5aに発射された遊技球のうち、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数が表示されるものである。遊技領域5aに発射された遊技球のうち、アウト口1008により回収された遊技球は、アウト口センサ3032で検出され、この検出信号がパネル中継基板1710を介して主制御MPU1310aへ入力される。
主制御MPU1310aは、アウト口1008により回収された遊技球の球数を計数し、計数結果(総数)を、その内蔵されているRAMの特定領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示するようになっている。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、設定キーシリンダ1311abが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダ1311abが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、及びOFFを伝える情報を、シリアル情報として、外部へシリアル出力することができるシリアル出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このシリアル出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このシリアル出力回路からシリアル出力されるシリアル情報が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、受信したシリアル情報から設定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝えるものであるかを判別することができる(シリアル回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「設定キーの変形例(1)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダ1311abが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダ1311abが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーON、及びOFFを伝える情報を、パルス信号として、外部へ出力することができるパルス出力回路を、設定キースイッチ1311aに設けてもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる。このパルス出力回路が設けられる設定キースイッチ1311aは、設定変更基板1311に備えていたが、これに代えて、主制御基板1310に備えていてもよいし、払出制御基板633に備えていてもよい。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、例えば、設定キーONを伝える情報である場合にはパルス幅が1msに設定され、OFFを伝える情報である場合にはパルス幅が5msに設定される。このパルス出力回路から出力されるパルス信号は、設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されると、主制御MPU1310aは、入力されたパルス信号から設定キーON、及びOFFのうち、いずれを伝える情報であるかを判別することができる(パルス出力回路を有する設定キースイッチ1311aの態様を「設定キーの変形例(2)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定キーシリンダ1311abが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができ、この設定キーONの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力され、また、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダ1311abが反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作されることにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、設定キーONの信号の電圧レベル、及びOFFの信号の電圧レベルを、設定変更基板1311から主制御基板1310までに亘る基板間において、中間電位(例えば、ゼロVから5Vまでのうち、2Vから3Vまでの電位)を用い、主制御基板1310においてコンパレータ回路を設けて、コンパレータ回路による比較結果が主制御MPU1310aへ入力されることで、主制御MPU1310aが設定キーONの信号のON/OFF、及びOFFの信号のON/OFFを判定してもよい。これにより、設定キースイッチ1311aからの信号に対してセキュリティーを向上することができる(中間電位を用いる設定キースイッチの態様を「設定キーの変形例(3)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置である初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとすることができ、このOFFの信号が設定変更基板1311から主制御基板1310の主制御MPU1310aへ入力されるようになっていたが、この設定キースイッチ1311aを主制御基板1310に備えるようにしてもよい(設定キースイッチの態様を「設定キーの変形例(4)」と記載する場合がある)。
また、上述した実施形態では、カバー体とベース体とから構成されている主制御基板ボックス1320の内部空間に主制御基板1310及び設定変更基板1311が収容されていたが、設定変更基板1311を別体の設定変更基板ボックスに収容して主制御基板ボックス1320の周囲又は隣接して配置してもよい。主制御基板ボックス1320は、カバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体とベース体とがカシメ部のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体をベース体から取り外すことができない。このような主制御基板ボックス1320の構造は、設定変更基板ボックスの構造においても、適用することができる。この場合、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部は、それぞれと対応する主制御基板ボックス1320のカバー体に形成される開口部を介して露出されているものの、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面、及び決定キーボタンの押圧操作部とそれぞれ対応する開口部とに形成される「すき間」から針金などを侵入して設定変更基板1311を改変することができないように、開口部に対して針金侵入防止部がカバー体に成型される構造となる。なお、設定変更基板ボックスの構造として、上述した主制御基板ボックス1320の構造と異なり、カバー体をベース体から開放又は閉鎖することができるように構成されている場合には、ベース体に対してカバー体の開放を検出することができる設定変更基板カバー体用開閉スイッチを設けてもよい。この場合、設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号を主制御基板1310へ直接入力されるように構成してもよいし、設定変更基板1311を介して主制御基板1310へ(間接)入力されるように構成してもよい。設定変更基板カバー体用開閉スイッチからの検出信号に基づいて、カバー体をベース体から開放されている場合を、上述した予め定めた設定値変更許可条件に含むことができる(設定変更基板ボックスの態様を「設定キーの変形例(5)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定キーの変形例(1)~(5)のうち、適宜選択して組み合わせた態様を採用してもよい(変形例の選択組み合わせの態様を「設定キーの変形例(6)」と記載する場合がある)。
また、上述した設定値では、大当りか否かを抽選判定するための確率や小当りか否かを抽選判定するための確率のほかに、確変時から通常時へ移行する際に抽選判定するための確率、遊技者にとって有利となる領域への振り分け率等を変更することができるものであり、遊技者にとって有利となる(つまり、遊技者が獲得することができる遊技球の球数を増やすことができる)確率(有利度合い)が予め設定されている。本実施形態では、設定値として、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6が予め用意されており、設定値1から設定値6へ向かって遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定されていた。ところで、本実施形態のパチンコ機1には、設定値1~設定値6までに亘って複数の設定値が存在するものの、他のパチンコ機には遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め設定される単一の設定値が存在するものもある。つまり、本実施形態のパチンコ機1のように遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め複数の設定値として存在して設定変更が必要な遊技仕様のものと、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様のものと、がある。ところが、このような遊技仕様に応じて主制御基板1310のハードウェア構成を設計変更するとともに、設定変更基板1311のハードウェア構成を設計変更又は不使用とすると、主制御基板1310及び設定変更基板1311が遊技仕様に依存されることとなるため、遊技仕様に応じてハードウェア構成が類似する又は異なる主制御基板1310及び設定変更基板1311を有することとなる。そこで、主制御基板1310及び設定変更基板1311を、遊技仕様に依存されない、つまりハードウェア構成の設計変更を伴わずに共通して使用することができるものが求められる。
例えば、遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)が予め単一の設定値のみが存在して設定変更が全く必要ない遊技仕様においては、設定値を遊技者にとって有利となる確率(有利度合い)として使用する必要が全くなくなるため、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6を、次のような内容として割り当てるソフトウェアによる設計変更により対応することができる。
例えば、主制御MPU1310aが自身に内蔵されているRAMの所定領域(RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)をクリアした後に実機確認動作パターンを複数設定することができる(RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる)設定値として使用することができる。この場合には、主制御MPU1310aが制御する対象となっている可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯に対して、設定値1として「全動作(可動体(役物)の動作、発光体の点灯)」を指定する実機確認動作パターン1が割り当てられ、設定値2として「可動体(役物)の動作」を指定する実機確認動作パターン2が割り当てられ、設定値3として「発光体の点灯」を指定する実機確認動作パターン3が割り当てられ、設定値4として「可動体(役物)の詳細動作(移動速度の可変、作動領域全体に亘る移動、他の構造体や他の可動体(役物)との干渉チェック、他の可動体(役物)との作動順番などの動作)」を指定する実機確認動作パターン4が割り当てられ、設定値5として「発光体1ポート単位(主制御MPU1310aの所定の出力ポート単位(つまり、1つの出力ポートごと)による発光体の点灯)の点灯」を指定する実機確認動作パターン5が割り当てられ、設定値6として「動作なし」を指定する実機確認動作パターン6が割り当てられる(RAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(1)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、RAMクリア後の実機確認動作を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより可動体(役物)の動作、ランプやLED等の発光体の点灯を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンド(図115には設定変更完了コマンドと記載)を受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた内容(実機確認動作パターン)で周辺制御基板1510が制御する対象となっている可動体(役物)の動作、発光体の点灯を行うことができる。このRAMクリア後の実機確認動作の変更設定の態様により、RAMクリア後におけるパチンコ機1の起動方法にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後からデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)となるまでの時間を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「10秒」を指定する時間設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「15秒」を指定する時間設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「20秒」を指定する時間設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「25秒」を指定する時間設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「30秒」を指定する時間設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「35秒」を指定する時間設定パターン6が割り当てられる(図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(2)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた時間(時間設定パターン)でデモンストレーションを開始することができる。この図柄の変動終了後から遊技者待ち状態となるでの時間の変更設定の態様により、図柄の変動終了後からデモンストレーションとなるまでの時間にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、図柄の変動終了後に行われるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)の内容を複数設定することができる設定値として使用することができる。この場合には、設定値1として「コミカル演出」を指定するデモ演出設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「コミカル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「シリアス演出」を指定するデモ演出設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「シリアル演出、可動体(役物)の動作演出」を指定するデモ演出設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「時代劇風演出」を指定するデモ演出設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「時代劇風演出、可動体(役物)」を指定するデモ演出設定パターン6が割り当てられる(デモ演出の内容の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(3)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデモ演出(デモ演出設定パターン)でデモンストレーションを行うことができる。このデモ演出の内容の変更設定の態様により、図柄の変動終了後に行われるデモ演出の内容にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。音量調整スイッチが回転操作されることでデフォルト音量から音量を大きくしたり、小さくしたりすることができる。この場合には、設定値1として「音量1」を指定する音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「音量2」を指定する音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「音量3」を指定する音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定する音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「音量5」を指定する音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「音量6」を指定する音量設定パターン6が割り当てられる(デフォルト音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(4)」と記載する場合がある)。なお、設定値1から設定値6へ向かって音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じた音量(音量設定パターン)でデフォルト音量が設定される。また、設定値1に割り当てられる「音量1」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を小さくする方向へ移動され(音量を大きくする方向と反対方向へ移動され)、音量最小側末端へ移動完了されて最小側音量に調整されたときには、消音となるようにしてもよいし、パチンコ機の前面で立ち止まると、音を認識することができる音量としてもよい。また、設定値6に割り当てられる「音量6」のデフォルト音量は、音量調整スイッチが音量を大きくする方向へ移動され(音量を小さくする方向と反対方向へ移動され)、音量最大側末端へ移動完了されて最大側音量に調整されたときには、最大音量としてもよいし、最大音量の所定割合(例えば、85%)の音量としてもよい。このデフォルト音量の変更設定の態様により、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチにより調整されるデフォルト音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるエラー報知音の音量を複数設定することができる設定値として使用することができる。各種エラー報知音は、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチの操作により調整することができないもの(つまり、依存されないもの)であり、最大音量とすることでエラー報知音が発するパチンコ機を遊技ホールの店員等の係員が気付きやすいものの、他のパチンコ機で遊技を行っている遊技者に対して、耳障りに感じる場合もある。そこで、各種エラー報知音の音量を調整することができるものも求められる。この場合には、設定値1として「エラー報知音量1」を指定するエラー報知音量設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知音量2」を指定するエラー報知音量設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知音量3」を指定するエラー報知音量設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「音量4」を指定するエラー報知音量設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知音量5」を指定するエラー報知音量設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知音量6(最大音量)」を指定するエラー報知音量設定パターン6が割り当てられる(エラー報知音の音量の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(5)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消音とならない音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機の前面で立ち止まると、そのエラー報知音を認識することができる音量)から設定値6(最大音量であって、エラー報知音を発するパチンコ機から数メートル離れてもそのエラー報知音を十分に認識することができる音量)へ向かってエラー報知音の音量が大きくなるように設定されている。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知音の音量(エラー報知音量設定パターン)でエラー報知音を発する制御を行う。このエラー報知音の音量の変更設定の態様により、エラー報知におけるエラー報知音の音量にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっている発光体に対して、デフォルト輝度から輝度を高くしたり、低くしたりすることができる。この場合には、設定値1として「輝度1」を指定するデフォルト輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「輝度2」を指定するデフォルト輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「輝度3」を指定するデフォルト輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「輝度4」を指定するデフォルト輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「輝度5」を指定するデフォルト輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「輝度6」を指定するデフォルト輝度設定パターン6が割り当てられる(デフォルト輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(6)」と記載する場合がある)。なお、主制御MPU1310aは、デフォルト輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたデフォルト輝度(デフォルト輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このデフォルト輝度の内容の変更設定の態様により、ランプやLED等の発光体のデフォルト輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、例えば、各種の不具合、ゴト、及びエラー等のエラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度を複数設定することができる設定値として使用することができる。主制御MPU1310aが制御する対象となっているランプに対して、設定値1として「エラー報知輝度1」を指定するエラー報知輝度設定パターン1が割り当てられ、設定値2として「エラー報知輝度2」を指定するエラー報知輝度設定パターン2が割り当てられ、設定値3として「エラー報知輝度3」を指定するエラー報知輝度設定パターン3が割り当てられ、設定値4として「エラー報知輝度4」を指定するエラー報知輝度設定パターン4が割り当てられ、設定値5として「エラー報知輝度5」を指定するエラー報知輝度設定パターン5が割り当てられ、設定値6として「エラー報知輝度6(最大輝度)」を指定するエラー報知輝度設定パターン6が割り当てられる(エラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(7)」と記載する場合がある)。なお、設定値1(消灯とならないものの、ランプの輝度が低く、パチンコ機の前面で立ち止まると、エラー報知を認識することができるランプの輝度)から設定値6(最大輝度)へ向かってランプの輝度が高くなるように設定されている。主制御MPU1310aは、エラー報知における発光体の輝度の変更設定を、後述する主制御側タイマ割り込み処理を繰り返し行うことにより発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行う。主制御MPU1310aからの設定変更コマンドを受信する周辺制御基板1510は、設定変更コマンドに含まれる設定値に応じたエラー報知輝度(エラー報知輝度設定パターン)に基づいて周辺制御基板1510が制御する対象となっている発光体の輝度を調整して発光体の点灯、点滅、階調点等を行うことができる。このエラー報知における発光体の輝度の変更設定の態様により、エラー報知におけるランプやLED等の発光体の輝度にバリエーションを持たせることができる。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(7)に割り当てられる各種設定値は、主制御MPU1310aが行う後述する設定値確認表示処理において予め定めた設定値表示許可条件が成立したときに設定表示器1310gに表示されるようになっているが、パチンコ機1の電源投入後から電源遮断時までに亘って常に設定表示器1310gに表示されるようにしてもよい(設定値表示の態様を「共通ハードウェア構成による変形例(8)」と記載する場合がある)。
また、上述した共通ハードウェア構成による変形例(1)~(8)のうち、いずれか1つを適宜選択して、上述した設定キーの変形例(6)に採用してもよい。
また、上述した実施形態では、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キーON操作されていることを前提として、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されているときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定変更処理を行って主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアし、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行するのに対して、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作されていないときには、主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理において設定値確認表示処理を行い、その後、割り込み許可設定などを行うことで遊技を進行する。この態様を採用することにより、主制御MPU1310aは、遊技の進行を開始すると、設定値確認表示処理が一度も行われない。つまり、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、設定されている現状の設定値を設定表示器1310gに表示することが一度もない。主制御MPU1310aは、後述する主制御側電源投入時処理の球数計数処理において遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を計数して後述する主制御側電源投入時処理のポート出力処理においてベースモニタ1310hに出力してアウト口1008により回収された遊技球の球数をベースモニタ1310hに表示する。そこで、設定表示器1310gが表示する設定されている現状の設定値を、上述したベースモニタ1310hに表示するようにしてもよい。これにより、主制御MPU1310aは、ベースモニタ1310hを用いて、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始するまでの期間において、設定されている現状の設定値を表示することができるとともに、復電してから割り込み許可設定などを行うことで遊技の進行を開始すると、アウト口1008により回収された遊技球の球数を表示することができるため、設定表示器1310gを設ける必要がなくなりコスト削減に寄与することができる。
[5-5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図18、図21、及び図22を参照して詳細に説明する。機能表示ユニット1400は、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略脛が、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
ここで、機能表示ユニット1400が遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられる場合におけるノイズ対策として、特に機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続して、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線(以下、単に「配線」と記載する場合がある。)について詳細に説明する。
機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた接続コネクタ1400aを介して電気的に接続される配線FCBLは、図21及び図22に示すように、遊技盤5の右上隅から裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて又はそのまま基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回される。
そして、その配線FCBLは、主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面であって主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されている。このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図131に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
機能表示ユニット1400の後方には、複数の装飾用LEDが実装されている装飾基板1131が配置されている。装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される接続ケーブルである配線UPCBLは、遊技パネル1100の後面上側へ屈曲されると、裏箱3010の前面の上辺で裏箱3010の後面へ向かって曲げられ、上述した配線FCBLと共に近接した状態(又は接触した状態)で、裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回される。そして、その配線UPCBLは、上述した配線FCBLの経路と別れて、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺において左辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400の後方に配置される装飾基板1131とパネル駆動基板1720とを電気的に接続する配線UPCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されている。このように配線UPCBLが引き回される領域は、上述した配線FCBLと同様に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図147に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
払出ユニット560は、上述したように、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
また、遊技球Bは、上述したように、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電気放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
また、主制御基板1310は、その詳細な説明を後述するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310a等を備えている。この主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路が内蔵されており(以下、「内蔵リセット回路」と記載する。)、このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、必ず主制御MPU1310aに内蔵されているRAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。つまり、内蔵リセット回路により強制リセットされると、再び主制御MPU1310aが起動する際にRAMクリアを実行することとなる。
また、本実施形態では、主制御MPU1310aのパッケージとしてZIP(Zigzag Inline Package)タイプのものが採用されており、主制御基板1310の実装面に主制御MPU1310aを実装すると、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板1310のハンダ付け面(実装面と反対側の面)から突出した状態となる。つまり、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する状態となる。
このように、球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすいため、静電気放電することにより電磁波ノイズが放出されると、払出ユニット560の前方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるし、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線UPCBLに侵入する場合がある。これにより、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線UPCBLへ侵入する場合もあるし、これとは反対に、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線FCBLへ侵入する場合もある。
例えば、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLが、仮に、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を、主制御基板ボックス1320の右辺側の所定位置から主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって直線上に引き回され(例えば、主制御基板ボックス1320の右辺であって、主制御基板ボックス1320の上辺から約4分の1の長さを有するところで、主制御基板ボックス1320の上辺、又は下辺と平行となるように主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ)、主制御基板1310の下辺中央から左辺寄りに配置された機能表示ユニット用コネクタMFCNの上方を通り過ぎた段階で主制御基板ボックス1320の下辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される場合には、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310の前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
なお、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内に代えて、基板ホルダ1200の後面に配線収容溝が形成されている場合には、配線FCBLは、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間ではなく、配線収容溝に沿って収容され、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される。この場合にも、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310の前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
そこで、本実施形態では、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNの実装位置と、主制御MPU1310aの実装位置と、の位置関係として、機能表示ユニット用コネクタMFCNを主制御基板1310の下辺中央から左辺寄りに配置しているとともに、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置している。つまり、本実施形態では、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していることによって、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する配置となっている。
これにより、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
また、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することにより、配線FCBLに電磁波ノイズが侵入しても、主制御MPU1310aに影響が及ばないように、主制御基板1310上において、又は機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間において、この配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aは、そのパッケージ右辺が主制御基板1310の右辺から少なくとも所定の距離寸法(以下、「第1配線離間距離寸法」と記載する。)だけ離間して配置されている。これは、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLが主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されるため、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第1配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止するためである。
また、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLは、上述したように、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内(又は、基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて)を引き回れずに、基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっているため、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って引き回される配線FCBLと、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンと、の距離寸法(以下、「第2配線離間距離寸法」と記載する。)を大きく確保することができる。この第2配線離間距離寸法は、第1配線離間距離寸法と比べて大きい距離寸法を有している。これにより、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第2配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを配線FCBLにより直接電気的に接続していたが、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成することもできる。この場合、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線FCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
[5-6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図21及び図22等を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510(図64を参照)と、周辺制御基板1510を収容している周辺制御基板ボックス1505と、を備えている。周辺制御基板1510は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための演出表示制御部1512と、を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、演出表示装置1600、等と接続されている。
[5-7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について、主に図23及び図24等を参照して説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上面から外方へ突出している二つの上固定片1601と、下面から外方へ突出している下固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601を挿入した上で、下固定片1602側を前方へ移動させて、下固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において右方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5-8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図29乃至図32等を参照して詳細に説明する。図29(a)は遊技盤における表ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は遊技盤における表ユニットを後ろから見た斜視図である。図30は、遊技パネルを不透明にすると共に遊技パネルの面と平行に表ユニットを切断して遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。図31は図30における右上隅の流通通路群の拡大正面図であり、図32は図30における右下隅のアタッカユニットの拡大正面図である。
表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の上下方向中央よりも下側に配置されており、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つ夫々配置されている。左側の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されており、右側の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の右端付近で、上下方向中央よりも下寄りに配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、右側の一般入賞口2001の上方で上下方向の略中央に配置されている。第二始動口2004は、右側の一般入賞口2001の下方で第一始動口2002よりも高い位置に配置されている。大入賞口2005は、第二始動口2004の左側で、第一始動口2002よりも若干低い高さに配置されている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002及び一つの一般入賞口2001を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており二つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられておりゲート部2003を有している枠状のセンター役物2500と、を備えている。
[5-8a.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002と、第一始動口2002の左下で遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している一つの一般入賞口2001と、を有している。始動口ユニット2100は、全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる(図27等を参照)。
始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ2101(図30等を参照)と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bをパネル板1110の後方に誘導した上で、下方(基板ホルダ1200上)へ排出する誘導路2102(図29を参照)と、を備えている。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けることで、一般入賞口2001がパネル板1110の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、第一始動口2002が後述するセンター役物2500のステージ2503の中央の直下に位置する。従って、ステージ2503の中央から下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
始動口ユニット2100は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2002が、後述するセンター役物2500におけるステージ2503の中央放出部2503aの直下に位置しており、ステージ2503の中央放出部2503aから放出された遊技球Bが第一始動口2002に極めて高い確率で受入れられるように構成されている。
[5-8b.サイドユニット]
表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している二つの一般入賞口2001と、二つの一般入賞口2001の左上で右端が低くなるように傾斜している第一棚部2201と、二つの一般入賞口2001の上部において右端が低くなるように傾斜している第二棚部2202と、を備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。
サイドユニット2200は、二つの一般入賞口2001が、第一始動口2002と始動口ユニット2100の一般入賞口2001との間の高さの位置に設けられている。二つの一般入賞口2001は、左右に並ぶように、互いに背向して設けられている。左側の一般入賞口2001は、左上方に向かって開口しており、右側の一般入賞口2001は、右方に向かって開口している。
サイドユニット2200は、遊技盤5に組立てた状態で、第一棚部2201の左端が、遊技領域5aの周縁付近に位置しており、センター役物2500の左側の領域を流下してきた遊技球Bを、右方へ誘導させることができる。この第一棚部2201は、上面の延長線が、第一始動口2002とステージ2503との間を通るように傾斜している。第二棚部2202は、上面の延長線が、始動口ユニット2100の一般入賞口2001の開口している部位を通るように傾斜している。
サイドユニット2200は、全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる(図27等を参照)。サイドユニット2200は、パネル板1110の前面に取付けることで、二つの一般入賞口2001、第一棚部2201、及び第二棚部2202が、パネル板1110の前面よりも前方へ突出した状態となる。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1110の後方に誘導し、裏ユニット3000の誘導路に受け渡すことができる。一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、裏ユニット3000に備えられている一般入賞口センサ3001に検知される(図64を参照)。
[5-8c.アタッカユニット]
表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、パネル板1110の前面に前方から取付けられている。アタッカユニット2400は、略全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる(図27等を参照)。このアタッカユニット2400は、四つの一般入賞口2001のうちの一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を備えている(図32等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視における外形形状が、左右方向の略中央から右側の上端が上方へ延びたL字状に形成されている。このアタッカユニット2400では、一般入賞口2001が右上隅において上方へ向かって常時開口しており、第二始動口2004が一般入賞口2001の左下で上方へ向かって開口可能としており、大入賞口2005が第二始動口2004の左下で上方へ向かって開口可能としている。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001が遊技球Bよりも若干大きい大きさで開口している。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技球よりも若干大きい大きさで上方へ向かって開口していると共に、大入賞口2005が左右方向へ遊技球の外径の約3倍~5倍の幅で上方へ向かって開口している。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている(図64等を参照)。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411をゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400は、図32等に示すように、右上に配置されている一般入賞口2001の左右両側に遊技球Bが下方へ流通可能なアタッカ左通路2421及びアタッカ右通路2422と、アタッカ左通路2421の直下から左方へ向かって低くなるように傾斜しており途中に第二始動口2004が開口している第二始動口誘導棚2423と、第二始動口誘導棚2423の下方で第二始動口誘導棚2423の左端から左方へ間隔をあけた位置から左方へ向かって低くなるように傾斜しており途中に大入賞口2005が開口している大入賞口誘導棚2424と、を備えている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口誘導棚2423の右端側でアタッカ右通路2422と連通している連通口2425と、第二始動口誘導棚2423の右端側から大入賞口2005よりも下方へ延びた後に左方へ向かって低くなるように大入賞口誘導棚2424の左端まで延びているアタッカ右下通路2426と、第二始動口誘導棚2423と大入賞口誘導棚2424との間から大入賞口2005よりも下方へ延びてアタッカ右下通路2426と連通している中間通路2427と、を備えている。
更に、アタッカユニット2400は、一般入賞口2001の下端から下方へ延びておりアタッカ左通路2421とアタッカ右通路2422とを仕切ると共に、下端と第二始動口誘導棚2423との間で連通口2425を形成する仕切部2428と、仕切部2428の下端から上方へ向かうに従って左方へ位置するように傾斜している傾斜部2429と、を備えている。
第二始動口誘導棚2423において開口している第二始動口2004を開閉可能としている第二始動口扉2411は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、左端側が前後に延びた軸周りに対して回転可能に設けられている。この第二始動口扉2411は、右端側を、水平に対して上方で、第二始動口2004の開口の右端よりも若干低い位置の状態とすることで、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを不能として、第二始動口2004を閉鎖することができる。第二始動口扉2411は、第二始動口2004を閉鎖している状態では、上流側(右方側)から第二始動口誘導棚2423を流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導することができる。
第二始動口扉2411は、第二始動口2004を閉鎖している状態から、左端側を中心として右端側が上方へ移動するように反時計回りの方向へ回動させた状態とすることで、第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能として、第二始動口2004を開放(開く)することができる。第二始動口扉2411は、右端側を上昇するように立上げて第二始動口2004を開状態にすると、第二始動口扉2411が、第二始動口誘導棚2423から立上った状態となり、第二始動口誘導棚2423上を転動している遊技球Bの進路を阻害して、当該遊技球Bを第二始動口2004へ受入れさせることができる。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412がOFF(非通電時)の時は第二始動口2004を閉鎖し、始動口ソレノイド2412がON(通電時)の時は第二始動口2004を開放させる。
大入賞口誘導棚2424において開口している大入賞口2005を開閉可能としている大入賞口扉2413は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している大入賞口2005を開閉可能としている。大入賞口扉2413は、前進することで大入賞口2005を閉鎖することができ、大入賞口2005を閉鎖している状態では、大入賞口誘導棚2424を上流側(右方側)から流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導することができる。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414の駆動によって後退することで大入賞口2005を開放して、センター役物2500の第二始動口誘導棚2423及び大入賞口誘導棚2424を流通してきた遊技球Bを、大入賞口2005に受入れさせることができる。この大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414がOFF(非通電時)の時は大入賞口2005を閉鎖し、アタッカソレノイド2414がON(通電時)の時は大入賞口2005を開放させる。
なお、アタッカユニット2400は、図示しないが、大入賞口2005の内部において、上方へ向かって開口可能な第一受入口2007が配置されていると共に、第一受入口2007の右側で上方へ向かって常時開口している第二受入口2008が配置されている。また、アタッカユニット2400は、第一受入口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一受入口センサ2404と、第二受入口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二受入口センサ2405と、第一受入口2007を開閉する(大入賞口2005に受入れられて内部を流通する遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振分ける)振分片2415と、振分片2415を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させる振分ソレノイド2416と、を備えている。振分片2415は、大入賞口2005の内部において、前後に延びていると共に、右端が低くなるように左右に延びている板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している第一受入口2007(V入賞口)を開閉可能としている。振分片2415は、前進することで第一受入口2007を閉鎖し、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを右方へ誘導して常時上方へ向かって開口している第二受入口2008へ受入れさせることができる。また、振分片2415は、振分ソレノイド2416の駆動によって、後退することで第一受入口2007を開放し、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、高い確率で第一受入口2007に受入れさせることができる。この振分片2415は、振分ソレノイド2416がOFF(非通電時)の時は第一受入口2007を閉鎖し、振分ソレノイド2416がON(通電時)の時は第一受入口2007を開放させる。換言すると、振分片2415は、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを、第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに受入れられるように振分けることができる。
このアタッカユニット2400は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、一般入賞口2001が、後述するセンター役物2500における流通通路群2520及びゲート部2003の下流側でゲート部2003の下方(直下よりもやや右寄り)に位置しており、第二始動口2004がセンター役物2500のステージ2503と始動口ユニット2100の第一始動口2002との間の高さに位置していると共に、大入賞口2005が始動口ユニット2100の第一始動口2002よりも下方に位置している。また、パネル板1110に取付けた状態では、センター役物2500の流通通路群2520の下端と、上端(一般入賞口2001)との間には、複数の障害釘Nが、存在している。
続いて、アタッカユニット2400における遊技球Bの流れについて説明する。遊技盤5に組立てた状態で、アタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004が、センター役物2500のステージ2503よりも上方に位置していることから、ステージ2503から遊技球Bが放出されてもアタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられることはない。従って、センター役物2500の右側(流通通路群2520)を流下した遊技球Bのみ、アタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられる可能がある。センター役物2500の流通通路群2520の下流には、アタッカ左通路2421、一般入賞口2001、及びアタッカ右通路2422が左から並んで開口しており、センター役物2500の右側を流下した遊技球Bは、それらの何れかに進入することとなる。
センター役物2500の流通通路群2520を通ってアタッカユニット2400の一般入賞口2001の上方に供給された遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられると、一般入賞口センサ2401により検知された後に、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられずに、一般入賞口2001の左側のアタッカ左通路2421に進入すると、第二始動口誘導棚2423上に落下し、第二始動口誘導棚2423の傾斜に従って、第二始動口2004側(左側)へ流通する。第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている状態では、第二始動口扉2411上を左方へ流通し、第二始動口誘導棚2423の左端から左方へ放出される。遊技球Bが第二始動口誘導棚2423を通る際に、第二始動口2004が開放されていれば、遊技球Bが第二始動口2004へ極めて高い確率で受入れられる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402により検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。センター役物2500の右側を流下した遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられなかった場合、第二始動口誘導棚2423を介して左方の大入賞口2005側へ放出される。
第二始動口誘導棚2423の左方には複数の障害釘Nが植設されているため、第二始動口誘導棚2423から左方へ放出された遊技球Bは、大入賞口2005側、又は中間通路2427側の何れかに流下することとなる。大入賞口2005側へ流下した際に、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている場合は、大入賞口扉2413により左方へ誘導され、大入賞口誘導棚2424の左端から左方へ放出される。大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開いている場合は、第二始動口誘導棚2423から大入賞口2005側へ流下した遊技球Bが、大入賞口2005に受入れられる。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403に検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
第二始動口誘導棚2423から中間通路2427へ進入した遊技球B、及び、大入賞口誘導棚2424から左方へ放出された遊技球Bは、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側で下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
一方、センター役物2500の流通通路群2520を通ってアタッカユニット2400の一般入賞口2001の上方に供給された遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられずに、一般入賞口2001の右側のアタッカ右通路2422に進入すると、右レール1005の段部1005aに当接して、左方へ跳ね返る。本実施形態では、第二始動口誘導棚2423の延長線が、右レール1005の段部1005aと一致するように、第二始動口誘導棚2423が設けられているため、アタッカ右通路2422に進入して右レール1005の段部1005aで跳ね返った遊技球Bが、高い確率で連通口2425を通って第二始動口誘導棚2423上へ落下(流通)することとなる。
アタッカ右通路2422に進入して右レール1005の段部1005aに当接した遊技球Bが、連通口2425よりも上方へ跳ね返った場合、連通口2425の上端側を形成している仕切部2428の下端に傾斜部2429が設けられているため、遊技球Bが傾斜部2429に当接することとなる。この傾斜部2429は、下端に対して上端が右方に位置するように傾斜しているため、傾斜部2429に当接した遊技球Bは、下方へのアタッカ右下通路2426側へ反射し、アタッカ右下通路2426に進入することとなる。また、右レール1005の段部1005aに当接した遊技球Bが、連通口2425よりも下方へ跳ね返った場合は、アタッカ右下通路2426に進入することとなる。
アタッカ右下通路2426に進入した遊技球Bは、第二始動口2004、及び、大入賞口2005に受入られる機会もなく、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004の上方にサブ機能表示部2450を、備えている。サブ機能表示部2450は、複数(ここでは六つ)のフルカラーLEDを有している。サブ機能表示部2450は、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器、第一特別図柄表示器、及び第二特別図柄表示器と連動しており、LEDの点灯・点滅、発光色等により、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものである。
更に、アタッカユニット2400は、磁気を検知する磁気センサ2470を備えている(図64を参照)。この磁気センサ2470は、磁石を用いた不正行為を検知するためのものである。
[5-8d.センター役物]
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。また、センター役物2500は、略全体が透明に形成されており、後側(裏ユニット3000)を視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状(W字状)に形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(中央放出部2503a)と、その左右両側の最も低くなっている部位(サイド放出部2503b)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(中央放出部2503a)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
センター役物2500は、上下方向の中央よりも下寄りで、右側の外周面よりも右方の位置に設けられているゲート部2003を備えている。ゲート部2003は、遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさで上下に貫通しており、遊技球の通過を検知するゲートセンサ2506が設けられている。ゲート部2003は、センター役物2500の枠状の外周面との間に、遊技球Bが一つのみ通過可能な間隔をあけて設けられている。
また、センター役物2500は、上側の外周面の一部を構成しており、左右方向の中央よりも左寄りの位置から右方へ向かって低くなるように傾斜している上右周壁部2510と、右上隅に設けられており遊技球Bが流通可能な複数の通路からなる流通通路群2520と、を備えている。流通通路群2520は、上右周壁部2510の右端付近からゲート部2003の上方まで上下に延びている。
流通通路群2520は、図30及び図31等に示すように、センター役物2500の枠外に設けられており、第一流通通路2521と、第一流通通路2521の左側に隣接して設けられている第二流通通路2522と、から構成されている。第一流通通路2521は、上端の入口側から下方へ遊技領域5aの周縁(右レール1005)に沿って円弧状に延びており、下端付近が左方へクランク状に屈曲して、出口が下方へ向かって開口している。第一流通通路2521の下端の出口は、ゲート部2003の直上に対してやや右寄りに位置している。
第二流通通路2522は、上端の入口が、第一流通通路2521の入口に対して左方へ間隔をあけて開口しており、上端付近で右方へクランク状に屈曲した上で、第一流通通路2521に隣接して下方へ円弧状に延び、下端付近において左方へクランク状に屈曲した後に右方へクランク状に屈曲して、出口が第一流通通路2521の出口と隣接して下方へ向かって開口している。これにより、第二流通通路2522は、第一流通通路2521よりも遊技球Bの流通速度を減衰させることができる。なお、第一流通通路2521及び第二流通通路2522には、夫々遊技球Bの流通方向へ間隔をあけて複数の突条2523が設けられており、遊技球Bが突条2523に当接することで、その流通速度を抑制させることができる。
このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、上右周壁部2510と前構成部材1000の外レール1001(遊技領域5aの周縁)との間に、流通通路群2520の上流側となり、遊技球Bが流通可能な上流空間部2511が形成される。また、遊技盤5に組立てた状態では、流通通路群2520の第一流通通路2521の上端の入口が衝止部1006の直下に位置していると共に、第一流通通路2521が右レール1005(遊技領域5aの周縁)に沿って延びている。更に、センター役物2500のゲート部2003と右レール1005(遊技領域5aの周縁)との間には、遊技球Bが通過可能な隙間が形成されている。
[5-8e.センター役物の流通通路群による遊技球の流れ]
次に、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の流通通路群2520による遊技球Bの流れについて、図30乃至図32等を参照して詳細に説明する。遊技盤5に組立てた状態では、センター役物2500の流通通路群2520とゲート部2003との間、及び、ゲート部2003とアタッカユニット2400の一般入賞口2001との間に、複数の障害釘Nが植設されている。流通通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、第一流通通路2521を流通した遊技球Bが、ゲート部2003の右側(ゲート部2003と右レール1005との間)を、高い確率で流通するように調整されている。また、流通通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、第二流通通路2522を流通した遊技球Bが、ゲート部2003を高い確率で通過するように調整されている。更に、流通通路群2520とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nは、第二流通通路2522を流通した遊技球Bが、ゲート部2003の次に高い確率でゲート部2003の左側を流通するように調節されている。
一方、ゲート部2003とアタッカユニット2400の一般入賞口2001との間に植設されている複数の障害釘Nは、ゲート部2003の右側を流通した遊技球Bが、高い確率でアタッカユニット2400のアタッカ右通路2422に進入するように調整されている。また、ゲート部2003とアタッカユニット2400の一般入賞口2001との間に植設されている複数の障害釘Nは、ゲート部2003又はゲート部2003の左側を流通した遊技球Bが、高い確率でアタッカユニット2400の一般入賞口2001の左側のアタッカ左通路2421に進入するように調整されており、アタッカ左通路2421の次に高い確率で一般入賞口2001に受入れられるように調整されている。
本実施形態の遊技盤5では、センター役物2500の上右周壁部2510の上方(上流空間部2511)に遊技球Bが進入する強さで遊技球Bを打込むと、流通通路群2520の第一流通通路2521又は第二流通通路2522の何れかを遊技球Bが流通する。具体的に詳述すると、遊技球Bを、遊技領域5aの周縁の一部を構成する外レール1001から内方へ突出している衝止部1006に当接する強さで打込む(所謂、右打ちする)と、衝止部1006に当接した遊技球Bが第一流通通路2521に進入する。この第一流通通路2521に進入した遊技球Bは、第一流通通路2521の下流端とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003の右側を通過する。そして、ゲート部2003の右側を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でアタッカ右通路2422に進入する。アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bは、第二始動口誘導棚2423又はアタッカ右下通路2426の何れかを流通することとなる。
上記のように、第一流通通路2521を流通した遊技球Bは、ゲート部2003をあまり通過しないため、遊技球Bのゲート部2003の通過により実施される普通抽選結果の抽選があまり行われず、第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果が抽選される可能性が低い。従って、第一流通通路2521を流通した遊技球Bが、アタッカ右通路2422を介して第二始動口誘導棚2423を流通しても、第二始動口2004が閉じていることが多く第二始動口2004にあまり受入れられないため、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで第二特別抽選結果の抽選や遊技球Bの払出し等の特典が付与される機会が少ない。従って、遊技球Bが第一流通通路2521を流通した場合、遊技者に付与される特典が相対的に少ないものとなる。
なお、上記では、右打ちした場合を説明したが、上右周壁部2510の右端付近で開口している第二流通通路2522の入口を飛び越えるような強さで打込まれた遊技球Bも、第一流通通路2521に進入することとなり、上記と同様の結果となる。
一方、上流空間部2511に打込まれた遊技球Bが第二流通通路2522に進入して、第二流通通路2522を流通すると、第二流通通路2522の下流端とゲート部2003との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003を通過して、普通抽選結果の抽選が行われる。ゲート部2003を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でアタッカ左通路2421に進入し、アタッカ左通路2421から第二始動口誘導棚2423を流通する。
この際に、ゲート部2003を遊技球Bが通過して普通抽選結果が抽選されていることから、抽選された普通抽選結果が「普通当り」であれば、第二始動口2004が所定のパターンで開状態となるため、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられる可能性がある。そして、遊技球Bが第二始動口2004に受入れられると、第二特別抽選結果の抽選が行われると共に所定数の遊技球Bが払出される等の特典が付与される。従って、遊技球Bが第二流通通路2522を流通した場合、遊技者に付与される特典が相対的に高い(多い)ものとなる。
このようなことから、遊技者は、第二流通通路2522の方が、特典が付与される可能性が高いため、上流空間部2511に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bが第二流通通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整することとなり、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
なお、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が、有利遊技状態を発生させる「大当り」等の場合、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となると共に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると多くの遊技球Bが払出されることとなる。このような有利遊技状態(「大当り遊技状態」)の時に、遊技者に対して遊技球Bの打込強さの調整が要求されると、遊技者によっては焦りや苛立ちを感じてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。しかしながら、本実施形態では、遊技球Bを右打ちして第一流通通路2521を流通させると、ゲート部2003の右側、及びアタッカ右通路2422を流通した後に、右レール1005の段部1005aで連通口2425へ向かって跳ね返り、連通口2425を通って第二始動口誘導棚2423に落下することにより、遊技球Bを大入賞口誘導棚2424側(大入賞口2005側)へ流通させることができるため、微妙な打込操作の調整をしなくても楽な打込操作で遊技球Bを大入賞口2005へ受入れさせることができ、有利遊技状態での遊技を遊技者に楽しませることができると共に、遊技状態に応じて遊技球Bの打込操作にメリハリを付けることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
[5-8f.センター役物の流通通路群の別の実施形態]
続いて、上記とは異なる実施形態のセンター役物2500の流通通路群2520について、主に図33乃至図35を参照して詳細に説明する。図33(a)は図31等とは異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図であり、(b)は(a)とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。図34(a)は図33とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図であり、(b)は更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。図35は、図33及び図34とは更に異なるセンター役物の流通通路群の実施形態を示す要部拡大図である。なお、図33及び図34では、上記と同様の構成部分については、同一の符号を付している。
図33(a)に示す実施形態は、図31と比較して、第二流通通路2522の上端の入口を、第一流通通路2521の入口に対して左方への離隔している距離を流したものである。この流通通路群2520によっても上記と同様の作用効果を奏することができる。
図33(b)に示す実施形態は、前構成部材1000における衝止部1006を、当接した遊技球Bが第二流通通路2522の入口側へ跳ね返り易くなるように、衝止部1006の角度を変更していると共に、上右周壁部2510における第一流通通路2521の入口と第二流通通路2522の入口との間の部位を、第二流通通路2522側(左側)が低くなるように傾斜させたものである。これにより、第二流通通路2522側へ遊技球Bが進入し易くなることから、第二流通通路2522に遊技球Bが進入する遊技球Bの打込強さの調整範囲が広くなるため、第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行い易いものとすることができる。
図34(a)に示す実施形態は、図31や図33の流通通路群2520では、第一流通通路2521や第二流通通路2522の夫々の入口を上方へ向けて開口させているのに対して、第一流通通路2521及び第二流通通路2522の上流側を、センター役物2500の上方の左右方向中央付近まで延び出させて、夫々の入口を上下に並んだ状態で左方へ向けて開口させるようにしたものである。
この実施形態では、外レール1001(遊技領域5aの周縁)の一部が第一流通通路2521の一部を構成していると共に、上右周壁部2510の一部が第二流通通路2522の一部を構成している。また、この実施形態では、上右周壁部2510と外レール1001(遊技領域5aの周縁)との間の上流空間部2511の左右方向の長さが、上右周壁部2510の左端から第一流通通路2521及び第二流通通路2522の夫々の入口までの長さとなり、図31や図33に示す上流空間部2511よりも狭くなっている。
この実施形態では、遊技球Bを第二流通通路2522の入口に進入させるためには、上右周壁部2510における第二流通通路2522の入口よりも左側の狭い部位に当接する打込強さか、左方へ向かって開口している第二流通通路2522の入口に直接進入する打込強さで、遊技球Bを打込む必要があるため、図31や図33の実施形態と比較して、遊技球Bの打込強さの調整範囲が狭くなる。また、第一流通通路2521の入口と第二流通通路2522の入口の左方の上流空間部2511に打込まれた遊技球Bが、第一流通通路2521と第二流通通路2522とを仕切っている壁部の左端(二つの入口の間の部位)に当接した場合、跳ね返った遊技球Bの左方への勢いや角度によっては上流空間部2511から逸脱する可能性がある。つまり、上流空間部2511へ進入する強さで遊技球Bを打込んでも、上流空間部2511から左方へ逸脱して第一流通通路2521及び第二流通通路2522の何れにも進入することなくセンター役物2500の左側を流通してしまう可能性がある。このようなことから、遊技球Bの打込操作に対する難易度が高くなるため、遊技者の遊技球Bの打込操作に対する意欲を高めさせることができ、遊技者に対して遊技媒体の打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
図34(b)に示す実施形態は、図34(a)の実施形態において、第一流通通路2521の途中に、第二流通通路2522と一方通行で連通している分岐部2524を設けたものである。分岐部2524は、第二流通通路2522における左右に延びている部位(上右周壁部2510)の右端から下方へ折れ曲がっている部位の直上に設けられている。この実施形態では、第一流通通路2521へ進入する強さで遊技球Bを打込んでも、その打込強さによっては(打込強さが弱いと)分岐部2524において遊技球Bが第二流通通路2522側へ分岐するため、第二流通通路2522に対する遊技球Bの流通の難易度を、図34(a)の実施形態よりも低くすることができる。
なお、第二流通通路2522に遊技球Bを進入させるためには、第一流通通路2521へ進入される遊技球Bの打込強さよりも弱く打込む必要があると共に、第一流通通路2521と連通している分岐部2524が、第二流通通路2522における下方へ折れ曲がっている部位の上方に設けられているため、第二流通通路2522に進入した遊技球Bが、下方へ折れ曲がっている部位で上方(分岐部2524側)へ跳ねることはなく、分岐部2524を通って第一流通通路2521側へ進入することはない。つまり、分岐部2524は、第一流通通路2521から第二流通通路2522へ一方通行で連通している。
また、この実施形態では、途中に分岐部2524を有している第一流通通路2521の入口に進入して第一流通通路2521を流通すると、分岐部2524の部位において、第一流通通路2521側又は第二流通通路2522側の何れかに分岐することとなるため、分岐部2524において遊技球Bが何れの側へ分岐するか否かにより遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、第一流通通路2521内での遊技球Bの流れを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、この実施形態では、遊技者が、第二流通通路2522を狙って遊技球Bを打込んだのにも関わらず、第一流通通路2521の入口に遊技球Bが進入してしまっても、第一流通通路2521の分岐部2524において、第二流通通路2522側へ分岐する可能性があるため、分岐部2524において第二流通通路2522側へ分岐するか否かで、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができると共に、分岐部2524において第二流通通路2522側へ分岐すると、遊技者の打込操作のミスがカバーされて所望の第二流通通路2522を遊技球Bが流通することとなり、遊技者に対して得した気分にさせることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
図35に示す実施形態は、第二流通通路2522に、センター役物2500の枠内を横断するバイパス部2525を有するようにしたものである。この実施形態では、第二流通通路2522の入口が、上右周壁部2510の左端よりも左方の位置で、上方へ向かって開口している。従って、上右周壁部2510の上方の上流空間部2511に打込まれた遊技球Bは全て第一流通通路2521を流通することとなる。この実施形態によれば、遊技球Bが第二流通通路2522の入口に進入してバイパス部2525を流通すると、その遊技球Bがセンター役物2500の枠内を横断することから、遊技者側から遊技球Bの流通を目立たせることができるため、遊技者に対して遊技球Bがバイパス部2525を流通すると、その後に何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技者にバイパス部2525を有した第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができ、遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5-9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図36乃至図39等を参照して説明する。図36は遊技盤の裏ユニットを前から見た斜視図であり、図37は遊技盤の裏ユニットを後ろから見た斜視図である。図38は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図39は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられており、後側に周辺制御ユニット1500、演出表示装置1600、及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000の始動口ユニット2100及びサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001を備えている(図64を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010の前端に取付けられている裏第一演出ユニット3100と、裏第一演出ユニット3100の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第二演出ユニット3200と、裏第二演出ユニット3200の後方で裏箱3010内に取付けられている裏第三演出ユニット3300と、裏第二演出ユニット3200の前面に取付けられており始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏左球排出ユニット3030と、アタッカユニット2400の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを受取って下方へ放出させる裏右球排出ユニット3040と、を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の上固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの下辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている(図38及び図39等を参照)。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が左右にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
更に、裏箱3010は、左右両側面における上下方向の中央付近で、前端から後方へ凹むように切欠かれている挿通口3011を有している。挿通口3011は、遊技盤5に組立てた状態で、後述する裏第一演出ユニット3100における導光板3110よりも後方の空間と、裏箱3010の外部とを連通するように構成されている。この挿通口3011は、遊技盤5を輸送する際に、裏箱3010の側面側から回転装飾体3210同士の間に詰め物を挿入することで、輸送等よる振動によって、裏第二演出ユニット3200の回転装飾体3210が動かないようにすることができる。或いは、裏第二演出ユニット3200の回転装飾体3210の動きに不具合が生じた際に、挿通口3011を通して指や工具等を挿入して、不具合を解消させることができる。
[5-9a.裏第一演出ユニット]
次に、裏ユニットにおける裏第一演出ユニット3100について、主に図40及び図41等を参照して詳細に説明する。図40(a)は裏ユニットの裏第一演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は裏ユニットの裏第一演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図41は、裏第一演出ユニットにおける導光板と装飾基板との関係を示す正面図である。裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100は、裏箱3010の前端で、前方へ開放されている開口を閉鎖するように取付けられている。
裏第一演出ユニット3100は、裏箱3010の前端開口を閉鎖する透明平板状の導光板3110と、導光板3110の上方に配置されており導光板3110の上面へ向かって光を照射する複数のLED3121が実装されている裏第一上装飾基板3120と、導光板3110の左方に配置されており導光板3110の左面へ向かって光を照射する複数のLED3131が実装されている裏第一左装飾基板3130と、裏第一左装飾基板3130の複数のLED3131と導光板3110の左面との間に設けられており、LED3131からの光を拡散させて導光板3110の左面に照射させる拡散レンズ3140と、を備えている。
また、裏第一演出ユニット3100は、導光板3110の前面上縁に取付けられている透明平板状の上部ベース3151と、上部ベース3151後側に取付けられて導光板3110を挟持していると共に裏第一上装飾基板3120が取付けられている透明な上部後カバー3152と、導光板3110の前面左縁に取付けられている透明平板状の左部ベース3153と、左部ベース3153の後側に取付けられて導光板3110を挟持していると共に裏第一左装飾基板3130及び拡散レンズ3140が取付けられている透明な左部後カバー3154と、導光板3110の前面右縁に取付けられている透明平板状の右部ベース3155と、右部ベース3155の後側に取付けられて導光板3110を挟持している透明な右部後カバー3156と、を備えている。
また、裏第一演出ユニット3100は、上部ベース3151の前面に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一上装飾体3161と、左部ベース3153の前面に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一左装飾体3162と、右部ベース3155の前面に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一右装飾体3163と、導光板3110の前面下縁の左右方向中央に取付けられており、レリーフ状の装飾が形成されている裏第一下装飾体3164と、裏第一下装飾体3164の後側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLED3171が実装されている裏第一下装飾基板3170と、を備えている。
裏第一演出ユニット3100の導光板3110は、正面視の形状が略四角形で、下縁における左右方向の中央に、半円弧状に上方へ切欠かれた切欠部3111を有している。この導光板3110は、図示は省略するが、上面から照射された光により発光する第一絵柄と、左面から照射された光により発光する第二絵柄と、を備えている。第一絵柄と第二絵柄とは、互いに異なる絵柄である。また、図示は省略するは、第一絵柄は、裏第一上装飾基板3120の複数のLED3121のうち、発光させたLED3121によって発光態様が異なるように形成されている。
裏第一上装飾基板3120及び裏第一左装飾基板3130は、夫々に実装されているLED3121及びLED3131が、フルカラーLEDである。また、裏第一左装飾基板3130は、上下方向へ三つに分割されている。この裏第一左装飾基板3130が三つに分割されていることで、拡散レンズ3140も対応するように上下方向へ三つに分割されている。裏第一上装飾基板3120のLED3121を発光させることで、導光板3110の第一絵柄を発光させることができ、裏第一左装飾基板3130のLED3131を発光させることで、導光板3110の第二絵柄を発光させることができる。
裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、及び、裏第一右装飾体3163は、金属光沢を有するメッキ層を備えている。裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、及び、裏第一右装飾体3163は、導光板3110の上辺、左辺、及び、右辺に沿うように、帯板状に形成されている。
裏第一下装飾体3164は、導光板3110の下縁中央の切欠部3111の円弧と同心円で上下方向へ円弧状に延びている一対の部位を有しており、上方及び下方が開放された略円環状に形成されている。裏第一下装飾体3164は、前面に複数の三つ巴の装飾が円弧状に列設されている。また、裏第一下装飾体3164は、夫々の三つ巴の装飾の部位を通るように放射状に延びている突起を有している。これら放射状に延びている突起は、三つ巴の装飾から外方へは長く、中心側へは短く延びている。この裏第一下装飾体3164は、透明な部材に、所定の色の金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を施したものである。裏第一下装飾体3164は、裏第一下装飾基板3170のLED3171を発光させていない状態では、金属光沢の蒸着層により、表側の装飾を遊技者側から良好な状態で視認することができる。
裏第一下装飾基板3170は、裏第一下装飾体3164における三つ巴の装飾の部位の後方となる位置にLED3171が実装されている。裏第一下装飾基板3170の複数のLED3171を発光させると、裏第一下装飾体3164の全体を発光装飾させることができると共に、三つ巴の装飾の部位をより明るく発光装飾させることができる。裏第一下装飾基板3170の複数のLED3171は、フルカラーLEDである。
裏第一演出ユニット3100は、遊技盤5に組立てた状態で、導光板3110が、透明なパネル板1110の後方で、センター役物2500のステージ2503の上方の略前面に及んで、第一絵柄や第二絵柄を発光表示させることができる。また、裏第一演出ユニット3100は、遊技盤5に組立てた状態で、図27等に示すように、裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、裏第一右装飾体3163が、夫々遊技領域5a内の、上縁、左縁、右縁、付近に位置している。
また、裏第一下装飾体3164は、アウト口1008の直上に位置しており、略円環状の裏第一下装飾体3164の中心が、第一始動口2002の位置と略一致している。この裏第一下装飾体3164は、裏第二演出ユニット3200の複数の回転装飾体3210のうち、最も下方となる特定位置に位置している回転装飾体3210の外側を装飾することができる。従って、裏第一下装飾体3164により、特定位置の回転装飾体3210に対して、スペシャル感(或いは、プレミアム感)を付与することができる。
[5-9b.裏第二演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200について、主に図42乃至図49等を参照して詳細に説明する。図42は裏ユニットの裏第二演出ユニットを前から見た斜視図であり、図43は裏ユニットの裏第二演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図44は裏第二演出ユニットを主に構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図45は裏第二演出ユニットを主に構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図46は裏第二演出ユニットにおける駆動の機構を示す正面図である。図47(a)~(d)は裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体の動きを示す説明図であり、図48(e)~(g)は図47から続く裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体の動きを示す説明図である。図49は、裏第二演出ユニットにおけるLEDの配置を示す正面図である。
裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200は、裏第一演出ユニット3100と裏第三演出ユニット3300との間で、裏箱3010内に取付けられている。裏第二演出ユニット3200は、所定の円周上に列設されており、自転しながら公転する円盤状の複数(ここでは12個)の回転装飾体3210を備えている。複数の回転装飾体3210は、後面の中央から後方へ円柱状に突出している軸部3210aを、夫々有している。複数の回転装飾体3210は、透光性を有している。複数の回転装飾体3210は、後述する裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229の前方に設けられている。
複数の回転装飾体3210は、複数(ここでは四個)の特別回転装飾体3211と、残り(ここでは8個)の普通回転装飾体3212と、で構成されている。特別回転装飾体3211は、一定数(ここでは二個)の普通回転装飾体3212を間にして周方向へ等間隔に配置されている。本実施形態において、特別回転装飾体3211は、三つ巴の装飾が施されている。特別回転装飾体3211は、巴の部位が赤色で、その他の部位が金属光沢を有した金色に形成されており、全体が透光性を有している。普通回転装飾体3212は、花弁の装飾が施されている。普通回転装飾体3212は、花弁の部位が金属光沢を有した桃色に形成されていると共に、その他の縁取りの部位が白色に形成されており、全体が透光性を有している。
裏第二演出ユニット3200は、外形が四角形で中央に多角形の貫通孔3220a、及び貫通孔3220aよりも大きい直径で円環状の固定ギア部3220b、を有しているユニットベース3220と、ユニットベース3220の前面に回転可能に取付けられ、ユニットベース3220の固定ギア部3220bよりも大きい同一円周上において周方向へ一定の間隔で前後に貫通しており回転装飾体3210の軸部3210aが回転可能に挿入される複数の軸孔3221a、複数の軸孔3221aよりも外側に設けられている円環状のリングギア部3221b、を有している円環状の駆動リング3221と、を備えている。
また、裏第二演出ユニット3200は、ユニットベース3220における右上隅の後面に取付けられており、回転軸がユニットベース3220を貫通して前方へ突出している裏第二駆動モータ3222と、裏第二駆動モータ3222の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3223と、駆動ギア3223と噛合していると共に、駆動リング3221のリングギア部3221bと噛合しており、ユニットベース3220に回転可能に取付けられている平歯車状の伝達ギア3224と、複数の回転装飾体3210の軸部3210aの後端に夫々固定されており、ユニットベース3220の固定ギア部3220bと噛合する回転体ギア3225と、を備えている。
また、裏第二演出ユニット3200は、駆動リング3221の前方に設けられていると共にユニットベース3220に取付けられており、外形が四角形で駆動リング3221の外径よりも若干小さい直径の貫通孔3226aを有している外側ベース3226と、外側ベース3226の貫通孔3226a内において駆動リング3221の前方に設けられていると共にユニットベース3220に取付けられており、外形が駆動リング3221の内径よりも若干大きい円形で中央に多角形の貫通孔3227aを有している内側ベース3227と、外側ベース3226の前面に取付けられており、外形が外側ベース3226の外形と略同じ四角形で外側ベース3226の貫通孔3226aよりも小さい直径の貫通孔3228aを有している裏第二外側装飾体3228と、裏第二外側装飾体3228の貫通孔3228a内において内側ベース3227の前面に取付けられており、外形が内側ベース3227の外径よりも大きい円形で中央に多角形の貫通孔3229aを有している裏第二内側装飾体3229と、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aに挿入されていると共にユニットベース3220に取付けられている環状の裏第二内周装飾体3230と、を備えている。
更に、裏第二演出ユニット3200は、自転しながら公転する回転装飾体3210が最も下方となる特定位置に位置していることを検知するための回転位置検知センサ3231と、自転しながら公転する特別回転装飾体3211が最も下方となる特定位置に位置していることを検知するための特別回転位置検知センサ3232と、を備えている。
また、裏第二演出ユニット3200は、外側ベース3226及び内側ベース3227と、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229との間で、外側ベース3226及び内側ベース3227に取付けられており、前面に複数のLED3241が実装されている裏第二装飾基板3240を備えている。裏第二装飾基板3240のLED3241を適宜発光させることで、回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229を発光装飾させることができる。
ユニットベース3220は、透明で平板状に形成されている。駆動リング3221は、複数の軸孔3221aが、複数の回転装飾体3210と同じ数だけ形成されている。ユニットベース3220の貫通孔3220aの内周形状は、中心側へ突出した台形の部位が、周方向へ一定の間隔で並んだ形状である。この台形に突出した部位は、回転装飾体3210と同じ数(ここでは12個)が設けられている。本実施形態では、12個の台形に突出した部位が、円周の上端の位置から時計回りの方向へ30度の角度ずつ設けられている。
駆動リング3221は、複数の軸孔3221aと対応する部位の内周から中心へ向かって突出している複数の検知片3221cを有している。また、駆動リング3221は、複数の検知片3221cにおいて、一定数(ここでは二つ)の検知片3221cを間にして周方向へ等間隔に配置されている検知片3221cから更に中心側へ延出している複数(ここでは四つ)の特別検知片3221dを有している。つまり、本実施形態の駆動リング3221は、回転装飾体3210と同じ数(12個)の検知片3221cを有していると共に、特別回転装飾体3211と同じ数(4個)の特別検知片3221dを有している。この駆動リング3221は、図示は省略するが、ユニットベース3220に設けられている複数のローラにより回転可能に支持されている。
外側ベース3226の外形は、ユニットベース3220の外形と同じ大きさに形成されている。外側ベース3226は、透明で平板状に形成されている。この外側ベース3226は、貫通孔3226aの中心を通る垂直線と水平線とを境にして、四つに分割されており、夫々がユニットベース3220に取付けられている。
内側ベース3227は、多角形の貫通孔3227aの内周形状が、ユニットベース3220の貫通孔3220aの内周形状と同じ形状で同じ大きさに形成されている。内側ベース3227は、透明で平板状に形成されている。この内側ベース3227は、中心を通る垂直線と水平線を、時計回りの方向へ約20度回転させた十字線を境にして、四つに分割されており、夫々がユニットベース3220に取付けられている。本実施形態では、四つに分割されている内側ベース3227の分割部位を、外側ベース3226の分割部位と異ならせているため、夫々の分割部位を同じとした場合と比較して、ユニットベース3220に外側ベース3226と内側ベース3227とを取付けた時の強度・剛性を向上させることができる。
裏第二外側装飾体3228は、外形が外側ベース3226の外形と同じ形状で同じ大きさに形成されている。裏第二外側装飾体3228は、貫通孔3228aの内径が、駆動リング3221における複数の軸孔3221aが列設されている同一円周よりも若干大きい径に形成されている。裏第二外側装飾体3228は、貫通孔3227aから外側へ一定の幅で円環状に設けられている赤色の環状装飾部3228bと、環状装飾部3228bの外側で四隅のうちの上側の二つの隅に設けられている隅装飾部3228cと、を有している。環状装飾部3228bは、図案化された植物の葉を一定のパターンで周方向に配列した装飾が施されている。隅装飾部3228cは、唐破風を模した装飾が施されている。裏第二外側装飾体3228は、表面にレリーフ状の装飾が形成されている。この裏第二外側装飾体3228は、金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を備えている。裏第二外側装飾体3228は、外側ベース3226と同様に四つに分割されている。
裏第二内側装飾体3229は、円形の外径が、駆動リング3221における複数の軸孔3221aが列設されている同一円周よりも若干小さい径に形成されている。裏第二内側装飾体3229は、貫通孔3229aの内周形状が内側ベース3227の貫通孔3227aの内周形状と略同じ形状で同じ大きさに形成されている。裏第二内側装飾体3229は、裏第二外側装飾体3228の環状装飾部3228bに対して組となるように、図案化された植物の葉を一定のパターンで周方向に配列した赤色の装飾が施されている。裏第二内側装飾体3229は、表面にレリーフ状の装飾が形成されている。この裏第二内側装飾体3229は、金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を備えている。裏第二内側装飾体3229は、内側ベース3227と同様に四つに分割されている。
裏第二内周装飾体3230は、前後方向が、ユニットベース3220の貫通孔3220aの周縁と、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aの周縁とを結ぶ長さに形成されており、ユニットベース3220と裏第二内側装飾体3229との間の内周側を閉鎖している。この裏第二内周装飾体3230は、金属光沢を有すると共に透光性を有している蒸着層を備えている。
回転位置検知センサ3231は、裏第二装飾基板3240の後面に取付けられている。この回転位置検知センサ3231は、駆動リング3221の複数の検知片3221cのうち、最も下方に位置している検知片3221cを検知するものである(図46を参照)。
特別回転位置検知センサ3232は、ユニットベース3220と内側ベース3227との間に取付けられており、駆動リング3221の特別検知片3221dを検知するためのものである。更に詳述すると、特別回転位置検知センサ3232は、ユニットベース3220の貫通孔3220aにおける複数の台形に突出している部位のうち、最も下端の部位から時計回りの方向へ一つ移動した(30度回転した)位置で突出している台形の部位に取付けられている(図46を参照)。
裏第二装飾基板3240は、前面に実装されている複数のLED3241が、フルカラーLEDである。裏第二装飾基板3240は、外形が四角形で、中央に多角形の貫通孔3240aが形成されている。また、裏第二装飾基板3240は、貫通孔3240aよりも外周側に円環状に貫通している挿通孔3240bが形成されている。この裏第二装飾基板3240は、挿通孔3240bよりも外側の部位が外側ベース3226に取付けられており、挿通孔3240bよりも内側の部位が内側ベース3227に取付けられている。裏第二装飾基板3240は、夫々四つに分割されている外側ベース3226及び内側ベース3227の夫々の分割体と対応するように、八つに分割されている。
続いて、裏第二演出ユニット3200における複数の回転装飾体3210の動きについて説明する。まず、裏第二演出ユニット3200は、複数の回転装飾体3210の夫々から後方へ突出している軸部3210aが、前方から、裏第二外側装飾体3228の内周と裏第二内側装飾体3229の外周との間、裏第二装飾基板3240の挿通孔3240b、及び、外側ベース3226の内周と内側ベース3227の外周との間、を通って、駆動リング3221の軸孔3221aに回転可能に挿入されていると共に、後端が軸孔3221aを貫通して駆動リング3221から後方へ突出している。そして、回転装飾体3210の軸部3210aの後端には、ユニットベース3220の固定ギア部3220bと噛合している回転体ギア3225が固定されている。
複数の回転装飾体3210のうち、4個の特別回転装飾体3211は、正面視において、駆動リング3221における特別検知片3221dと対応している軸孔3221aから、反時計回りの方向へ一つ移動した軸孔3221aに、特別回転装飾体3211の軸部3210aが挿通されている。残りの8個の普通回転装飾体3212は、特別回転装飾体3211の軸部3210aが挿入されていない残りの軸孔に、夫々の軸部3210aが挿入されている。
本実施形態の裏第二演出ユニット3200は、通常の状態では、図27及び図46等に示すように、12個の回転装飾体3210のうち4個の特別回転装飾体3211が、公転軌道の円周上における上下方向の両端と、左右方向の両端とに位置している。換言すると、4個の特別回転装飾体3211は、時計において、3時、6時、9時、及び、12時、の部位に位置しており、残りの8個の普通回転装飾体3212は、1時、2時、4時、5時、7時、8時、10時、11時、の部位に位置している。本実施形態では、6時の部位の位置を、回転装飾体3210の特定位置としている。
この通常の状態では、回転位置検知センサ3231が、駆動リング3221の検知片3221cを検知していると共に、特別回転位置検知センサ3232が、駆動リング3221の特別検知片3221dを検知している(図46を参照)。
裏第二演出ユニット3200は、遊技盤5に組立てた状態では、図27等に示すように、複数の回転装飾体3210が、遊技領域5aの周縁に沿って円形に並んでおり、左右両端側を除いて、全ての回転装飾体3210を前方から良好な状態で視認することができる。また、遊技盤5に組立てた状態では、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a(裏第二内周装飾体3230)を通して、後方に配置されている演出表示装置1600の表示画面を前方から良好な状態で視認することができる。
そして、通常の状態では、最も下端となった6時の部位の特定位置に位置している回転装飾体3210が、裏第一演出ユニット3100における略円環状の裏第一下装飾体3164の中央に位置しており、外側が裏第一下装飾体3164により装飾された状態となっている。また、特定位置の回転装飾体3210は、第一始動口2002の後方に位置しており、第一始動口2002の後方を装飾することができる。
この通常の状態で、裏第二駆動モータ3222により駆動ギア3223を時計回りの方向へ回転させると、駆動ギア3223と噛合している伝達ギア3224、伝達ギア3224と噛合しているリングギア部3221bを介して、駆動リング3221が時計回りの方向へ回転することとなる。この駆動リング3221が回転すると、駆動リング3221の軸孔3221aも周方向へ移動することとなり、軸孔3221aに挿入されている軸部3210aを介して回転装飾体3210も周方向へ移動することとなる。
この際に、回転装飾体3210の軸部3210aに固定されている回転体ギア3225が、ユニットベース3220の固定ギア部3220bに噛合しているため、軸部3210aの周方向への移動に伴って回転体ギア3225が、軸部3210aを中心として駆動リング3221の回転方向と同じ方向(ここでは時計回りの方向)へ回転することとなる。これにより、裏第二駆動モータ3222により駆動リング3221を時計回りの方向へ回転させると、複数の回転装飾体3210が、夫々時計回りの方向へ自転しながら、時計回りの方向へ公転することとなる。
本実施形態では、ユニットベース3220の固定ギア部3220bと、回転体ギア3225とのギア比が、駆動リング3221が30度回転すると、各回転装飾体3210が1回転自転するように構成されている。
上記のように、駆動リング3221が時計回りの方向へ回転することで、複数の回転装飾体3210が自転しながら公転し、特定位置に普通回転装飾体3212が位置している状態では、回転位置検知センサ3231が駆動リング3221の検知片3221cを検知していると共に、特別回転位置検知センサ3232が駆動リング3221の特別検知片3221dを検知していない(図47(a)を参照)。
そして、駆動リング3221が更に時計回りの方向へ回転して、特別回転装飾体3211が特定位置に接近すると、駆動リング3221の回転方向に対して特別回転装飾体3211の一つ前の普通回転装飾体3212の軸部3210aが挿入されている軸孔3221aと対応した特別検知片3221dが、特別回転位置検知センサ3232に接近することとなる(図47(b)~(d)及び図48(e),(f)を参照)。
駆動リング3221が更に時計回りの方向へ回転して、特別回転装飾体3211が特定位置に到達すると、当該特別回転装飾体3211の軸部3210aが挿入されている駆動リング3221の軸孔3221aと対応している検知片3221cが、回転位置検知センサ3231に検知されると共に、当該特別回転装飾体3211の回転方向の一つ前の普通回転装飾体3212の軸部3210aが挿入されている軸孔3221aと対応している検知片3221cから突出している特別検知片3221dが、特別回転位置検知センサ3232に検知される(図48(g)を参照)。つまり、特別回転位置検知センサ3232により特別検知片3221dが検知されることで、特別回転装飾体3211が特定位置に位置していることが検知される。
この裏第二演出ユニット3200は、裏第二駆動モータ3222を、上記とは逆方向へ回転駆動させることで、複数の回転装飾体3210を、上記とは反対に、反時計回りの方向へ自転しながら反時計回りの方向へ公転させることもできる。
続いて、裏第二演出ユニット3200における裏第二装飾基板3240の複数のLED3241による発光演出について、主に図49等を参照して説明する。裏第二装飾基板3240に実装されている複数のLED3241は、夫々が高輝度のフルカラーLEDである。これらLED3241は、前側に配置されている回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229の装飾色に関係なく、発光させた色を遊技者側へ照射させることができる。つまり、LED3241の発光色によって、回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229を、適宜の色で発光装飾させることができる。
裏第二装飾基板3240の複数のLED3241は、特定位置に回転装飾体3210が停止している状態(通常の状態)で、夫々の回転装飾体3210の後方となる部位に設けられている12個の回転装飾体LED群3250と、各回転装飾体LED群3250同士の間に夫々設けられている12個の中間LED群3255と、裏第二外側装飾体3228の隅装飾部3228cの後方との位置となる部位に設けられている左上隅LED群3256及び右上隅LED群3257と、サイドユニット2200の後方となり左下隅の部位に設けられている左下隅LED群3258と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200の夫々の一般入賞口2001の後方となる部位に設けられている入賞口LED群3259と、から構成されている。
12個の回転装飾体LED群3250は、最も下方の特定位置の後方となる部位を第一回転装飾体LED群3250aとして、時計回りの方向へ、第二回転装飾体LED群3250b、第三回転装飾体LED群3250c、第四回転装飾体LED群3250d、第五回転装飾体LED群3250e、第六回転装飾体LED群3250f、第七回転装飾体LED群3250g、第八回転装飾体LED群3250h、第九回転装飾体LED群3250i、第十回転装飾体LED群3250j、第十一回転装飾体LED群3250k、第十二回転装飾体LED群3250lまで設けられている。12個の回転装飾体LED群3250は、夫々に設けられているLED3241が、独立して発光可能とされている
12個の回転装飾体LED群3250は、夫々において、回転装飾体3210の公転中心から回転装飾体3210自転中心を通る放射線と、回転装飾体3210の公転中心を中心として回転装飾体3210の自転中心を通る円弧線と、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254の四つに分割されている。一つの回転装飾体LED群3250を構成している四つの第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254は、夫々に設けられているLED3241が、独立して発光可能とされている
回転装飾体LED群3250の第一LED群3251は、回転装飾体3210の自転中心よりも公転中心側(内側)で、回転装飾体3210の自転中心を通る放射線の反時計回りの公転方向側に位置している。第二LED群3252は、第一LED群3251に対して、回転装飾体3210の自転中心よりも公転中心側とは反対側(外側)に位置している。第三LED群3253は、第一LED群3251に対して、回転装飾体3210の自転中心を通る放射線の反対側(時計回りの方向の側)に位置している。第四LED群3254は、第三LED群3253に対して回転装飾体3210の自転中心よりも公転中心側とは反対側(外側)に位置している。
12個の中間LED群3255は、最も下方の特定位置に対して時計回りの方向に隣接している部位を、第一中間LED群3255aとして、時計回りの方向へ、第二中間LED群3255b、第三中間LED群3255c、第四中間LED群3255d、第五中間LED群3255e、第六中間LED群3255f、第七中間LED群3255g、第八中間LED群3255h、第九中間LED群3255i、第十中間LED群3255j、第十一中間LED群3255k、第十二中間LED群3255l、まで設けられている。
本実施形態の裏第二演出ユニット3200は、通常の状態において、裏第二装飾基板3240に実装されている複数のLED3241のうち、回転装飾体LED群3250のLED3241を発光させることで、複数の回転装飾体3210を発光装飾させることができる。つまり、円周上に並んだ12個の円形の発光装飾を遊技者に見せることができる。この際に、回転装飾体3210毎に異なる色で発光装飾させたり、普通回転装飾体3212に対して特別回転装飾体3211を異なる色で発光装飾させたりすることができる。
また、12個の回転装飾体LED群3250を、周方向へ順番に発光させることで、周方向へ光が回転する発光演出を遊技者に見せることができる。この際に、次の回転装飾体LED群3250を発光させる前に、その回転装飾体LED群3250との間に位置している中間LED群3255を発光させるようにしても良い。これにより、回転装飾体LED群3250同士の間の発光が、中間LED群3255の発光によって補われることとなり、よりスムーズに旋回する発光演出を遊技者に見せることができる。
また、夫々の回転装飾体LED群3250では、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254の四つに分割されているため、例えば、第一LED群3251及び第二LED群3252を発光させた後に、第三LED群3253及び第四LED群3254を発光させ、続いて、その第三LED群3253及び第四LED群3254に隣接している中間LED群3255を発光させるようにした場合、よりスムーズに旋回する発光演出や、小刻みに旋回する発光演出を、遊技者に見せることができる。そして、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させている時に、上記のような発光演出を、回転装飾体3210の公転速度に合わせて行うと、恰も回転装飾体3210自身にLEDが設けられているかの如く、回転装飾体3210が発光しながら公転しているような演出を遊技者に見せることができる。
更に、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、第四LED群3254、第一LED群3251、・・・、のような順番で発光させることで、一ヶ所の回転装飾体LED群3250において光が回転しているような発光演出を遊技者に見せることができる。これにより、回転装飾体3210を通常の状態で、停止させている時に、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、及び第四LED群3254を順番に発光させると、遊技者に対して、回転装飾体3210が公転していない状態で回転(自転)しているように錯覚させることができる。
また、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させた後に、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させると、中心から外側へ移動して広がるような発光演出を遊技者に見せることができる。或いは、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させた後に、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させると、外側から中心へ収束するような発光演出を遊技者に見せることができる。
また、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255との夫々のLED3241を同時に発光させると、円環状の発光装飾を遊技者に見せることができる。この際に、発光装飾の輝度を高くすることで、回転装飾体3210等の形状を遊技者に認識させ難くする(見え難くする)ことができる。これにより、例えば、輝度を高くすることで回転装飾体3210を見え難くして環状に発光させた状態で、回転装飾体3210を自転させながら公転させて特別回転装飾体3211の位置を変更し、その後、輝度を低くする、或いは、消灯することで、回転装飾体3210を見え易くすることで、回転装飾体3210がいつの間にか移動しているような演出を遊技者に見せることができる。
このように、本実施形態の裏第二演出ユニット3200によれば、複数の回転装飾体3210により様々な可動演出を行うことができると共に、裏第二装飾基板3240の複数のLED3241により様々な発光演出を行うことができる。また、それら可動演出と発光演出とを適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
[5-9c.裏第三演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏第三演出ユニット3300について、主に図50乃至図54等を参照して詳細に説明する。図50は裏ユニットの裏第三演出ユニットを前から見た斜視図であり、図51は裏ユニットの裏第三演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図52は裏第三演出ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図53は裏第三演出ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図54は、左横リング装飾体及び右横リング装飾体を出現位置へ移動させた状態で裏第三演出ユニットにおける駆動の機構と装飾基板を示す正面図である。裏ユニット3000の裏第三演出ユニット3300は、裏第二演出ユニット3200の後方で裏箱3010内に取付けられているものである。
裏ユニット3000の裏第三演出ユニット3300は、裏箱3010内に取付けられ、四角形で枠状のユニットベース3301と、ユニットベース3301の前面の上部に設けられている上部ユニット3310と、ユニットベース3301の前面の下部に設けられている下部ユニット3330と、ユニットベース3301の前面の左部に設けられている左部ユニット3350と、ユニットベース3301の前面の右部に設けられている右部ユニット3370と、を備えている。
裏第三演出ユニット3300の上部ユニット3310は、ユニットベース3301の上部における左右方向中央付近において開閉可能に取付けられている上縦リング装飾体3311と、上縦リング装飾体3311の後側に取付けられている上縦リング装飾基板3315と、ユニットベース3301の前面における右上隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三上駆動モータ3320と、裏第三上駆動モータ3320の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3321と、駆動ギア3321の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3322と、回転リンク部材3322の回転により左右方向へスライドして上縦リング装飾体3311を開閉させるスライドリンク部材3323と、を備えている。
また、上部ユニット3310は、上縦リング装飾体3311の開閉位置を検知する上検知センサ3324と、上縦リング装飾体3311の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3325と、駆動ギア3321を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3326と、上縦リング装飾体3311が閉鎖する方向へスライドリンク部材3323を付勢している上部用バネ3327と、を備えている。
上縦リング装飾体3311は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3312と、第一装飾体3312の基端側の右側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3313と、から構成されている。第一装飾体3312と第二装飾体3313は、一部を除いて、垂直線に対して左右対称に形成されている。第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3311aと、六つの直径の小さな小径装飾部3311bと、を有している。
第一装飾体3312は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3312aと、軸孔3312aを中心として第二装飾体3313側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3312bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3312cと、リンク片3312cを貫通しており軸孔3312aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3312dと、を有している。リンクスリット3312dは、内部に、後述するスライドリンク部材3323の伝達ピン3323bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3313は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3313aと、軸孔3313aを中心として第一装飾体3312側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3312bと噛合する第二ギア部3313bと、を有している。第二装飾体3313は、第一装飾体3312を回動させると、第一ギア部3312bと第二ギア部3313bとの噛合により、第一装飾体3312とは反対方向へ回動する。これにより、上縦リング装飾体3311は、第一装飾体3312と第二装飾体3313とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
上縦リング装飾基板3315は、第一装飾体3312及び第二装飾体3313の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3311aの後方となる第一LED3316と、小径装飾部3311bの後方となる第二LED3317と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3316がフルカラーLEDであり、第二LED3317が単色LEDである。
裏第三上駆動モータ3320は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3322は、裏第三上駆動モータ3320の左方における裏第三上駆動モータ3320の回転軸と同じ高さの位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3322は、駆動ギア3321と噛合する平歯車状の伝達ギア部3322aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3322bと、を備えている。回転リンク部材3322のクランクピン3322bは、後述するスライドリンク部材3323の伝達スリット3323a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3323は、基端側が裏第三上駆動モータ3320付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の左右方向中央(上縦リング装飾体3311の回動可能に支持されている部位)付近まで、左右方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して左右方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3323は、回転リンク部材3322の回転中心よりも上方に設けられている。スライドリンク部材3323は、基端側において上下に延びていると共に回転リンク部材3322のクランクピン3322bが摺動可能に挿入される伝達スリット3323aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3312のリンクスリット3312d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3323bと、基端側において上検知センサ3324により検知される検知片3323cと、を有している。
スライドリンク部材3323の伝達スリット3323aは、回転リンク部材3322の回転中心よりも右方に位置しており、下端が回転リンク部材3322の回転中心よりも下方に位置していると共に、先端側へ向かうように屈曲している。また、スライドリンク部材3323は、上部用バネ3327の一端側(左端側)が掛止される鉤部3323dを有している。スライドリンク部材3323は、鉤部3323dに掛止された上部用バネ3327により、常時、右方へ付勢されている。
上部ユニット3310は、通常の状態では、スライドリンク部材3323が右方への移動端に位置しており、第一装飾体3312と第二装飾体3313の互いの先端同士が最も離れて上縦リング装飾体3311が最も開いた待機位置の状態にしていている。上縦リング装飾体3311が待機位置の状態では、第一装飾体3312と第二装飾体3313とが、枠状のユニットベース3301における枠内の上縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3322のクランクピン3322bが、スライドリンク部材3323における伝達スリット3323aの下端の屈曲している部位に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3323の検知片3323cが、上検知センサ3324により検知されている。
この通常の状態では、上縦リング装飾体3311の第一装飾体3312及び第二装飾体3313における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線から遠ざかっているため、夫々にかかる重力によって夫々の先端側が互いに接近しようとする回転モーメントが作用しており、その回転モーメントにより、第一装飾体3312のリンクスリット3312d及びスライドリンク部材3323の伝達ピン3323bを介して、スライドリンク部材3323を左方へ移動させようとする力が作用している。このスライドリンク部材3323を左方へ移動させようとする力により、スライドリンク部材3323の伝達スリット3323a介してクランクピン3322bに左方へ移動させようとする力が作用することとなる。
そして、通常の状態では、クランクピン3322bが公転中心(回転リンク部材3322の回転中心)に対して下方に位置していることから、クランクピン3322bが下方且つ左方へ移動するように時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3322bが伝達スリット3323aの下端に位置しているため、クランクピン3322bがこれ以上、時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3322bが公転することはない。つまり、通常の状態では、上縦リング装飾体3311側からの力が作用しても、上縦リング装飾体3311が閉じる(出現位置側へ移動する)ことはなく、開いたままの待機位置の状態でロックされており、上縦リング装飾体3311側から裏第三上駆動モータ3320への負荷が遮断されている。
この通常の状態で、裏第三上駆動モータ3320により駆動ギア3321を介して回転リンク部材3322を反時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3322のクランクピン3322bが伝達スリット3323a内を上昇する方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3323が上部用バネ3327の付勢力に抗して左方へスライドする。このスライドリンク部材3323が左方へ移動すると、先端の伝達ピン3323bによりリンクスリット3312dを介して第一装飾体3312が、その先端側が下方へ移動するように軸孔3312aを中心として反時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3312bと噛合している第二ギア部3313bにより、第二装飾体3313が軸孔3313aを中心として時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3312の先端と第二装飾体3313の先端とが、互いに接近する(上縦リング装飾体3311が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3323が左方へスライドすることで、検知片3323cも左方へ一緒に移動するため、上検知センサ3324が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3322のクランクピン3322bが、反時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3322bが伝達スリット3323a内を上方へ摺動した後に下方へ摺動し、クランクピン3322bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3323aの下端付近(公転中心よりも下方)に位置すると、裏第三上駆動モータ3320の駆動が停止する。この状態では、上縦リング装飾体3311が閉じるように、第一装飾体3312と第二装飾体3313の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3312及び第二装飾体3313が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、上部用バネ3327の付勢力により、スライドリンク部材3323を右方へ移動させようする力が作用しているため、スライドリンク部材3323の伝達スリット3323a介してクランクピン3322bに右方へ移動させようとする力が作用している。この出現位置の状態では、クランクピン3322bが公転中心(回転リンク部材3322の回転中心)に対して下方に位置していることから、クランクピン3322bが下方且つ右方へ移動するように反時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3322bが伝達スリット3323aの下端に位置しているため、クランクピン3322bがこれ以上、反時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3322bが公転することはない。つまり、出現位置の状態では、上部用バネ3327等からの力が作用しても、上縦リング装飾体3311が開く(待機位置側へ移動する)ことはなく、閉じたままの出現位置の状態でロックされており、上縦リング装飾体3311側から裏第三上駆動モータ3320への負荷が遮断されている。
本実施形態では、第一装飾体3312及び第二装飾体3313は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。上縦リング装飾体3311を、待機位置から出現位置側へ移動させると、上縦リング装飾体3311(第一装飾体3312及び第二装飾体3313)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、上縦リング装飾体3311を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3323の検知片3323cが上検知センサ3324により検知されるまで、裏第三上駆動モータ3320を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、上部ユニット3310では、裏第三上駆動モータ3320により上縦リング装飾体3311を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三上駆動モータ3320を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3321を回転させており、上縦リング装飾体3311を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
裏第三演出ユニット3300の下部ユニット3330は、ユニットベース3301の下部における左右方向中央付近において開閉可能に取付けられている下縦リング装飾体3331と、下縦リング装飾体3331の後側に取付けられている下縦リング装飾基板3335と、ユニットベース3301の前面における左下隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三下駆動モータ3340と、裏第三下駆動モータ3340の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3341と、駆動ギア3341の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3342と、回転リンク部材3342の回転により左右方向へスライドして下縦リング装飾体3331を開閉させるスライドリンク部材3343と、を備えている。
また、下部ユニット3330は、下縦リング装飾体3331の開閉位置を検知する下検知センサ3344と、下縦リング装飾体3331の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3345と、駆動ギア3341を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3346と、下縦リング装飾体3331が閉鎖する方向へスライドリンク部材3343を付勢している下部用バネ3347と、を備えている。
下縦リング装飾体3331は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3332と、第一装飾体3332の基端側の左側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3333と、から構成されている。第一装飾体3332と第二装飾体3333は、一部を除いて、垂直線に対して左右対称に形成されている。第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3331aと、六つの直径の小さな小径装飾部3331bと、を有している。
第一装飾体3332は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3332aと、軸孔3332aを中心として第二装飾体3333側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3332bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3332cと、リンク片3332cを貫通しており軸孔3312aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3332dと、を有している。リンクスリット3332dは、内部に、後述するスライドリンク部材3343の伝達ピン3343bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3333は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3333aと、軸孔3333aを中心として第一装飾体3332側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3332bと噛合する第二ギア部3333bと、を有している。第二装飾体3333は、第一装飾体3332を回動させると、第一ギア部3332bと第二ギア部3333bとの噛合により、第一装飾体3332とは反対方向へ回動する。これにより、下縦リング装飾体3331は、第一装飾体3332と第二装飾体3333とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
下縦リング装飾基板3335は、第一装飾体3332及び第二装飾体3333の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3331aの後方となる第一LED3336と、小径装飾部3331bの後方となる第二LED3337と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3336がフルカラーLEDであり、第二LED3337が単色LEDである。
裏第三下駆動モータ3340は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3342は、裏第三下駆動モータ3340の右方における裏第三下駆動モータ3340の回転軸と同じ高さの位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3342は、駆動ギア3341と噛合する平歯車状の伝達ギア部3342aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3342bと、を備えている。回転リンク部材3342のクランクピン3342bは、後述するスライドリンク部材3343の伝達スリット3343a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3343は、基端側が裏第三下駆動モータ3340付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の左右方向中央(下縦リング装飾体3331の回動可能に支持されている部位)付近まで、左右方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して左右方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3343は、回転リンク部材3342の回転中心よりも下方に設けられている。スライドリンク部材3343は、基端側において上下に延びていると共に回転リンク部材3342のクランクピン3342bが摺動可能に挿入される伝達スリット3343aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3332のリンクスリット3332d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3343bと、基端側において下検知センサ3344により検知される検知片3343cと、を有している。
スライドリンク部材3343の伝達スリット3343aは、回転リンク部材3342の回転中心よりも左方に位置しており、上端が回転リンク部材3342の回転中心よりも上方に位置していると共に、先端側へ向かうように屈曲している。また、スライドリンク部材3343は、下部用バネ3347の一端側(左端側)が掛止される鉤部3343dを有している。スライドリンク部材3343は、鉤部3343dに掛止された下部用バネ3347により、常時、左方へ付勢されている。
下部ユニット3330は、通常の状態では、スライドリンク部材3343が左方への移動端に位置しており、第一装飾体3332と第二装飾体3333の互いの先端同士が最も離れて下縦リング装飾体3331が最も開いた待機位置の状態にしていている。下縦リング装飾体3331が待機位置の状態では、第一装飾体3332と第二装飾体3333とが、枠状のユニットベース3301における枠内の下縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3342のクランクピン3342bが、スライドリンク部材3343における伝達スリット3343aの上端の屈曲している部位に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3343の検知片3343cが、下検知センサ3344により検知されている。
この通常の状態では、下縦リング装飾体3331の第一装飾体3332及び第二装飾体3333における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線から遠ざかっているため、夫々にかかる重力によって夫々の先端側が互いに接近しようとする回転モーメントが作用しており、その回転モーメントにより、第一装飾体3332のリンクスリット3332d及びスライドリンク部材3343の伝達ピン3343bを介して、スライドリンク部材3343を右方へ移動させようとする力が作用している。このスライドリンク部材3343を右方へ移動させようとする力により、スライドリンク部材3343の伝達スリット3343a介してクランクピン3342bに右方へ移動させようとする力が作用することとなる。
そして、通常の状態では、クランクピン3342bが公転中心(回転リンク部材3342の回転中心)に対して上方に位置していることから、クランクピン3342bが上方且つ右方へ移動するように時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3342bが伝達スリット3343aの上端に位置しているため、クランクピン3342bがこれ以上、時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3342bが公転することはない。つまり、通常の状態では、下縦リング装飾体3331側からの力が作用しても、下縦リング装飾体3331が更に開くことはなく、待機位置のままの状態でロックされており、下縦リング装飾体3331側から裏第三下駆動モータ3340への負荷が遮断されている。
この通常の状態で、裏第三下駆動モータ3340により駆動ギア3341を介して回転リンク部材3342を反時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3342のクランクピン3342bが伝達スリット3343a内を下降する方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3343が下部用バネ3347の付勢力に抗して右方へスライドする。このスライドリンク部材3343が右方へ移動すると、先端の伝達ピン3343bによりリンクスリット3332dを介して第一装飾体3332が、その先端側が上方へ移動するように軸孔3332aを中心として反時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3332bと噛合している第二ギア部3333bにより、第二装飾体3333が軸孔3333aを中心として時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3332の先端と第二装飾体3333の先端とが、互いに接近する(下縦リング装飾体3331が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3343が右方へスライドすることで、検知片3343cも右方へ一緒に移動するため、下検知センサ3344が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3342のクランクピン3342bが、反時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3342bが伝達スリット3343a内を下方へ摺動した後に上方へ摺動し、クランクピン3342bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3343aの上端付近(公転中心よりも上方)に位置すると、裏第三下駆動モータ3340の駆動が停止する。この状態では、下縦リング装飾体3331が閉じるように、第一装飾体3332と第二装飾体3333の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3332及び第二装飾体3333が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、下部用バネ3347の付勢力により、スライドリンク部材3343を左方へ移動させようする力が作用しているため、スライドリンク部材3343の伝達スリット3343a介してクランクピン3342bに左方へ移動させようとする力が作用している。この出現位置の状態では、クランクピン3342bが公転中心(回転リンク部材3342の回転中心)に対して上方に位置していることから、クランクピン3342bが上方且つ左方へ移動するように反時計回りの方向へ公転しようとするが、クランクピン3342bが伝達スリット3343aの上端に位置しているため、クランクピン3342bがこれ以上、反時計回りの方向へ公転することができず、クランクピン3342bが公転することはない。つまり、出現位置の状態では、下部用バネ3347等からの力が作用しても、下縦リング装飾体3331が開く(待機位置側へ移動する)ことはなく、閉じたままの出現位置の状態でロックされており、下縦リング装飾体3331側から裏第三下駆動モータ3340への負荷が遮断されている。
本実施形態では、第一装飾体3332及び第二装飾体3333は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。下縦リング装飾体3331を、待機位置から出現位置側へ移動させると、下縦リング装飾体3331(第一装飾体3332及び第二装飾体3333)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、下縦リング装飾体3331を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3343の検知片3343cが下検知センサ3344により検知されるまで、裏第三下駆動モータ3340を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、下部ユニット3330では、裏第三下駆動モータ3340により下縦リング装飾体3331を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三下駆動モータ3340を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3341を回転させており、下縦リング装飾体3331を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
裏第三演出ユニット3300の左部ユニット3350は、ユニットベース3301の左部における上下方向中央付近において開閉可能に取付けられている左横リング装飾体3351と、左横リング装飾体3351の後側に取付けられている左横リング装飾基板3355と、ユニットベース3301の前面における左上隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三左駆動モータ3360と、裏第三左駆動モータ3360の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3361と、駆動ギア3361の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3362と、回転リンク部材3362の回転により上下方向へスライドして左横リング装飾体3351を開閉させるスライドリンク部材3363と、を備えている。
また、左部ユニット3350は、左横リング装飾体3351の開閉位置を検知する左検知センサ3364と、左横リング装飾体3351の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3365と、駆動ギア3361を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3366と、を備えている。
左横リング装飾体3351は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3352と、第一装飾体3352の基端側の上側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3353と、から構成されている。第一装飾体3352と第二装飾体3353は、一部を除いて、水平線に対して上下対称に形成されている。第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3351aと、六つの直径の小さな小径装飾部3351bと、を有している。
第一装飾体3352は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3352aと、軸孔3352aを中心として第二装飾体3353側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3352bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3352cと、リンク片3352cを貫通しており軸孔3352aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3352dと、を有している。リンクスリット3352dは、内部に、後述するスライドリンク部材3363の伝達ピン3363bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3353は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3353aと、軸孔3353aを中心として第一装飾体3352側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3352bと噛合する第二ギア部3353bと、を有している。第二装飾体3353は、第一装飾体3352を回動させると、第一ギア部3352bと第二ギア部3353bとの噛合により、第一装飾体3352とは反対方向へ回動する。これにより、左横リング装飾体3351は、第一装飾体3352と第二装飾体3353とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
左横リング装飾基板3355は、第一装飾体3352及び第二装飾体3353の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3351aの後方となる第一LED3356と、小径装飾部3351bの後方となる第二LED3357と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3356がフルカラーLEDであり、第二LED3357が単色LEDである。
裏第三左駆動モータ3360は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3362は、裏第三左駆動モータ3360の下方における裏第三左駆動モータ3360の回転軸を通る垂直線上の位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3362は、駆動ギア3361と噛合する平歯車状の伝達ギア部3362aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3362bと、を備えている。回転リンク部材3362のクランクピン3362bは、後述するスライドリンク部材3363の伝達スリット3363a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3363は、基端側が裏第三左駆動モータ3360付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の上下方向中央(左横リング装飾体3351の回動可能に支持されている部位)付近まで、上下方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して上下方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3363は、回転リンク部材3362の回転中心よりも左方に設けられている。スライドリンク部材3363は、基端側において左右に延びていると共に回転リンク部材3362のクランクピン3362bが摺動可能に挿入される伝達スリット3363aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3352のリンクスリット3352d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3363bと、基端側において左検知センサ3364により検知される検知片3363cと、を有している。
スライドリンク部材3363の伝達スリット3363aは、回転リンク部材3362の回転中心よりも下方に位置しており、右端が回転リンク部材3362の回転中心よりも右方に位置していると共に、先端側へ向かうように屈曲している。
左部ユニット3350は、通常の状態では、スライドリンク部材3363が上方への移動端に位置しており、第一装飾体3352と第二装飾体3353の互いの先端同士が最も離れて左横リング装飾体3351が最も開いた待機位置の状態にしていている。左横リング装飾体3351が待機位置の状態では、第一装飾体3352と第二装飾体3353とが、枠状のユニットベース3301における枠内の左縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3362のクランクピン3362bが、スライドリンク部材3363における伝達スリット3363aの右端に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3363の検知片3363cが、左検知センサ3364により検知されている。
この通常の状態では、左横リング装飾体3351の第一装飾体3352及び第二装飾体3353における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線に接近して重心が回動中心よりも右方に位置している。そのため、第一装飾体3352及び第二装飾体3353では、時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3352の第一ギア部3352bと第二装飾体3353の第二ギア部3353bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、待機位置の状態で維持される。これにより、左横リング装飾体3351側からは、リンクスリット3352d及び伝達ピン3363bを介して、スライドリンク部材3323を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、左横リング装飾体3351側から裏第三左駆動モータ3360へ負荷がかかることは殆どない。
この通常の状態で、裏第三左駆動モータ3360により駆動ギア3361を介して回転リンク部材3362を反時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3362のクランクピン3362bが伝達スリット3363a内を左方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3363が下方へスライドする。このスライドリンク部材3363が下方へ移動すると、先端の伝達ピン3363bによりリンクスリット3352dを介して第一装飾体3352が、その先端側が上方へ移動するように軸孔3352aを中心として反時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3352bと噛合している第二ギア部3353bにより、第二装飾体3353が軸孔3353aを中心として時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3352の先端と第二装飾体3353の先端とが、互いに接近する(左横リング装飾体3351が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3363が下方へスライドすることで、検知片3363cも下方へ一緒に移動するため、左検知センサ3364が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3362のクランクピン3362bが、反時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3362bが伝達スリット3363a内を左方へ摺動した後に右方へ摺動し、クランクピン3362bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3363aの右端付近(公転中心よりも右方)に位置すると、裏第三左駆動モータ3360の駆動が停止する。この状態では、左横リング装飾体3351が閉じるように、第一装飾体3352と第二装飾体3353の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3352及び第二装飾体3353が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、左横リング装飾体3351の第一装飾体3352及び第二装飾体3353が、夫々の回動中心から右方へ延びた状態となっているため、第一装飾体3352及び第二装飾体3353に対して、時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3352の第一ギア部3352bと第二装飾体3353の第二ギア部3353bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、出現位置の状態で維持される。これにより、左横リング装飾体3351側からは、リンクスリット3352d及び伝達ピン3363bを介して、スライドリンク部材3323を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、左横リング装飾体3351側から裏第三左駆動モータ3360へ負荷がかかることは殆どない。
本実施形態では、第一装飾体3352及び第二装飾体3353は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。左横リング装飾体3351を、待機位置から出現位置側へ移動させると、左横リング装飾体3351(第一装飾体3352及び第二装飾体3353)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、左横リング装飾体3351を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3363の検知片3363cが左検知センサ3364により検知されるまで、裏第三左駆動モータ3360を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、左部ユニット3350では、裏第三上駆動モータ3320により左横リング装飾体3351を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三左駆動モータ3360を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3361を回転させており、左横リング装飾体3351を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
裏第三演出ユニット3300の右部ユニット3370は、ユニットベース3301の右部における上下方向中央付近において開閉可能に取付けられている右横リング装飾体3371と、右横リング装飾体3371の後側に取付けられている右横リング装飾基板3375と、ユニットベース3301の前面における右下隅に取付けられており、回転軸がユニットベース3301の後方に突出している裏第三右駆動モータ3380と、裏第三右駆動モータ3380の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア3381と、駆動ギア3381の回転により回転しユニットベース3301に回転可能に取付けられている回転リンク部材3382と、回転リンク部材3382の回転により上下方向へスライドして右横リング装飾体3371を開閉させるスライドリンク部材3383と、を備えている。
また、右部ユニット3370は、右横リング装飾体3371の開閉位置を検知する右検知センサ3384と、右横リング装飾体3371の一部を前側から覆うようにユニットベース3301の前面に取付けられている前カバー3385と、駆動ギア3381を後方から覆うようにユニットベース3301の後面に取付けられているギアカバー3386と、を備えている。
右横リング装飾体3371は、基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第一装飾体3372と、第一装飾体3372の基端側の上側で基端側が前後に延びた軸周りに対して回動可能にユニットベース3301に取付けられている第二装飾体3373と、から構成されている。第一装飾体3372と第二装飾体3373は、一部を除いて、水平線に対して上下対称に形成されている。第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、基端側から直線状に短く延びた上で、その先端から直線状の部位の延長線が弦の腹の内側を向くように略半円状に基端側から遠ざかる方向へ延びた後に、更に弦の腹を同じ方向へ向けて約1/2半円弧状に基端側から遠ざかる方向へ延びた波状に形成されている。
第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、基端側から先端側まで略一定の幅で延びている。第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、延びている方向に沿って、三つの直径の大きな大径装飾部3371aと、六つの直径の小さな小径装飾部3371bと、を有している。
第一装飾体3372は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3372aと、軸孔3372aを中心として第二装飾体3373側を向くように円弧状に設けられている第一ギア部3372bと、基端側から先端側とは反対側へ突出しているリンク片3372cと、リンク片3372cを貫通しており軸孔3372aへ向かって延びている長孔状のリンクスリット3372dと、を有している。リンクスリット3372dは、内部に、後述するスライドリンク部材3383の伝達ピン3383bが、摺動可能に挿入される。
第二装飾体3373は、基端側においてユニットベース3301に回動可能に支持される軸孔3373aと、軸孔3373aを中心として第一装飾体3372側を向くように円弧状に設けられていると共に第一ギア部3372bと噛合する第二ギア部3373bと、を有している。第二装飾体3373は、第一装飾体3372を回動させると、第一ギア部3372bと第二ギア部3373bとの噛合により、第一装飾体3372とは反対方向へ回動する。これにより、右横リング装飾体3371は、第一装飾体3372と第二装飾体3373とが、基端側を中心として先端側が開閉するように可動する。
右横リング装飾基板3375は、第一装飾体3372及び第二装飾体3373の夫々の後面に取付けられており、大径装飾部3371aの後方となる第一LED3376と、小径装飾部3371bの後方となる第二LED3377と、が実装されている。本実施形態では、第一LED3376がフルカラーLEDであり、第二LED3377が単色LEDである。
裏第三右駆動モータ3380は、駆動トルクの高いモータを用いている。回転リンク部材3382は、裏第三右駆動モータ3380の上方における裏第三右駆動モータ3380の回転軸を通る垂直線上の位置において、ユニットベース3301に回転可能に取付けられている。回転リンク部材3382は、駆動ギア3381と噛合する平歯車状の伝達ギア部3382aと、偏芯した位置から前方へ円柱状に突出しているクランクピン3382bと、を備えている。回転リンク部材3382のクランクピン3382bは、後述するスライドリンク部材3383の伝達スリット3383a内に摺動可能に挿入される。
スライドリンク部材3383は、基端側が裏第三右駆動モータ3380付近に位置していると共に、先端側がユニットベース3301の上下方向中央(右横リング装飾体3371の回動可能に支持されている部位)付近まで、上下方向へ延びていると共に、ユニットベース3301に対して上下方向へスライド可能に取付けられている。スライドリンク部材3383は、回転リンク部材3382の回転中心よりも右方に設けられている。スライドリンク部材3383は、基端側において左右に延びていると共に回転リンク部材3382のクランクピン3382bが摺動可能に挿入される伝達スリット3383aと、先端側において前方へ円柱状に突出しており第一装飾体3372のリンクスリット3372d内に摺動可能に挿入される伝達ピン3383bと、基端側において右検知センサ3384により検知される検知片3383cと、を有している。
スライドリンク部材3383の伝達スリット3383aは、回転リンク部材3382の回転中心よりも上方に位置しており、左端が回転リンク部材3382の回転中心よりも左方に位置していると共に、先端側とは反対側へ向かうように屈曲している。
右部ユニット3370は、通常の状態では、スライドリンク部材3383が上方への移動端に位置しており、第一装飾体3372と第二装飾体3373の互いの先端同士が最も離れて右横リング装飾体3371が最も開いた待機位置の状態にしていている。右横リング装飾体3371が待機位置の状態では、第一装飾体3372と第二装飾体3373とが、枠状のユニットベース3301における枠内の右縁付近に夫々が位置している。また、通常の状態では、回転リンク部材3382のクランクピン3382bが、スライドリンク部材3383における伝達スリット3383aの左端に位置している。更に、通常の状態では、スライドリンク部材3383の検知片3383cが、右検知センサ3384により検知されている。
この通常の状態では、右横リング装飾体3371の第一装飾体3372及び第二装飾体3373における夫々の先端側が、夫々の回動中心を通る垂直線に接近して重心が回動中心よりも左方に位置している。そのため、第一装飾体3372及び第二装飾体3373では、反時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3372の第一ギア部3372bと第二装飾体3373の第二ギア部3373bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、待機位置の状態で維持される。これにより、右横リング装飾体3371側からは、リンクスリット3382d及び伝達ピン3383bを介して、スライドリンク部材3383を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、右横リング装飾体3371側から裏第三右駆動モータ3380へ負荷がかかることは殆どない。
この通常の状態で、裏第三右駆動モータ3380により駆動ギア3381を介して回転リンク部材3382を時計回りの方向へ回転させると、回転リンク部材3382のクランクピン3382bが伝達スリット3383a内を右方向へ摺動するように公転し、スライドリンク部材3383が下方へスライドする。このスライドリンク部材3383が下方へ移動すると、先端の伝達ピン3383bによりリンクスリット3372dを介して第一装飾体3372が、その先端側が上方へ移動するように軸孔3372aを中心として時計周りの方向へ回動すると共に、第一ギア部3372bと噛合している第二ギア部3373bにより、第二装飾体3373が軸孔3373aを中心として反時計回りの方向へ回動することとなる。つまり、第一装飾体3372の先端と第二装飾体3373の先端とが、互いに接近する(右横リング装飾体3371が閉じるように)ように夫々が回動する。
また、スライドリンク部材3383が下方へスライドすることで、検知片3383cも下方へ一緒に移動するため、右検知センサ3384が非検知の状態となる。
そして、回転リンク部材3382のクランクピン3382bが、時計回りの方向へ公転することで、クランクピン3382bが伝達スリット3383a内を右方へ摺動した後に左方へ摺動し、クランクピン3382bが通常の状態から180度以上公転して、伝達スリット3383aの左端付近(公転中心よりも左方)に位置すると、裏第三右駆動モータ3380の駆動が停止する。この状態では、右横リング装飾体3371が閉じるように、第一装飾体3372と第二装飾体3373の夫々の先端同士が接近した出現位置の状態となっている。この出現位置の状態は、待機位置の状態から、第一装飾体3372及び第二装飾体3373が夫々50度回動した状態である。
この出現位置の状態では、右横リング装飾体3371の第一装飾体3372及び第二装飾体3373が、夫々の回動中心から左方へ延びた状態となっているため、第一装飾体3372及び第二装飾体3373に対して、反時計回りの方向へ回動しようとする回転モーメントが夫々に作用することとなるが、第一装飾体3372の第一ギア部3372bと第二装飾体3373の第二ギア部3373bとが噛合していることから、夫々にかかる回転モーメントが相殺され、出現位置の状態で維持される。これにより、右横リング装飾体3371側からは、リンクスリット3372d及び伝達ピン3383bを介して、スライドリンク部材3383を上下方向へスライドさせようとする力が殆ど作用することはなく、右横リング装飾体3371側から裏第三右駆動モータ3380へ負荷がかかることは殆どない。
本実施形態では、第一装飾体3372及び第二装飾体3373は、夫々の先端同士が接するまで回動することはなく、通常の状態(待機位置)の状態から、夫々50度回動した位置(出現位置)で停止する。右横リング装飾体3371を、待機位置から出現位置側へ移動させると、右横リング装飾体3371(第一装飾体3372及び第二装飾体3373)が、枠状のユニットベース3301の枠内に位置した状態となる。なお、右横リング装飾体3371を、出現位置から待機位置へ移動させる場合は、スライドリンク部材3383の検知片3383cが右検知センサ3384により検知されるまで、裏第三右駆動モータ3380を上記とは逆方向に駆動させることで、待機位置の状態に復帰させることができる。
このように、右部ユニット3370では、裏第三右駆動モータ3380により右横リング装飾体3371を、開いた待機位置の状態と、閉じた出現位置の状態との間で開閉させることができる。
また、本実施形態では、裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動させることで、高トルクで駆動ギア3381を回転させており、右横リング装飾体3371を待機位置と出現位置との間で、650msと言う極めて短い時間で移動(開閉)させることができる。
本実施形態の裏第三演出ユニット3300は、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、同じ形状に形成されている。裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311と下縦リング装飾体3331とは、前後方向が同じ位置に設けられている。また、左横リング装飾体3351と右横リング装飾体3371とは、前後方向が同じ位置に設けられている。また、裏第三演出ユニット3300では、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371が、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331によりも後方に設けられている。
なお、本実施形態では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380として、2相のステッピングモータを用いている。
また、本実施形態では、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を装着した状態で、200pps(1パルスの幅は5ms)で駆動することになっており、さらに停止状態から、スローアップ処理なしで200ppsのパルスで励磁しても自起動可能である。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の待機位置から出現位置まで、130stepで移動を完了するので、[130step×5ms=650ms]となり、650msで出現させたり退避させたり(出現/退避)することが可能である。
続いて、裏第三演出ユニット3300における上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を用いた可動演出について説明する。裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371は、通常の状態では、夫々が待機位置の状態となっている。上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が待機位置の状態では、前方に配置されている裏第二演出ユニット3200の裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aよりも外側に位置しており、前方(遊技者側)から視認不能な状態となっている。
この通常の状態で、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三下駆動モータ3340を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331を待機位置から出現位置へ移動させると、正面視においてユニットベース3301の枠内の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となり、三つのリングが縦(上下)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる(図57を参照)。
また、通常の状態で、裏第三左駆動モータ3360及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を待機位置から出現位置へ移動させると、正面視においてユニットベース3301の枠内の中央で、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、三つのリングが横(左右)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる(図58を参照)。
更に、通常の状態で、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、夫々待機位置から出現位置へ移動させると、正面視においてユニットベース3301の枠内の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となると共に、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、五つのリングが縦横の十字に並んだ装飾を遊技者に見せることができる(図59を参照)。
また、裏第三演出ユニット3300では、通常の状態で、例えば、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び右横リング装飾体3371を、待機位置から出現位置への途中の位置まで移動させると、上縦リング装飾体3311(第一装飾体3312及び第二装飾体3313)の先端部分と、右横リング装飾体3371(第一装飾体3372及び第二装飾体3373)の先端部分とが、正面視において裏第二演出ユニット3200における裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aの内側に位置して、部分的に遊技者側から視認できる(図60を参照)。この状態では、上縦リング装飾体3311の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち上側の左右の隅に出現すると共に、右横リング装飾体3371の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち右側の上下の隅に出現するため、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229aの内周形状を変化させることができる。
このように、本実施形態の裏第三演出ユニット3300によれば、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を適宜の組合せで出現位置へ移動させることで、縦、横、或いは、十字、に並んだリングの装飾を出現させることができ、多彩な可動演出を遊技者に見せることができる。
また、上縦リング装飾基板3315の第一LED3316及び第二LED3317、下縦リング装飾基板3335の第一LED3336及び第二LED3337、左横リング装飾基板3355の第一LED3356及び第二LED3357、右横リング装飾基板3375の第一LED3376及び第二LED3377を、適宜発光させることで、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を発光装飾させることができるため、様々な発光演出を遊技者に見せることができる。
[5-10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な演出について、主に図55乃至図63等を参照して詳細に説明する。図55は、裏第二演出ユニットにおける複数の回転装飾体を通常の状態から時計回りの方向へ自転させながら15度公転させた状態で示す遊技盤の正面図である。図56は、裏第二演出ユニットにおける特別回転装飾体を特定位置に移動させた状態で遊技盤の下部を拡大して示す正面図である。図57は、裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体と下縦リング装飾体とを出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図58は、裏第三演出ユニットにおける左横リング装飾体と右横リング装飾体とを出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図59は、裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体、下縦リング装飾体、左横リング装飾体、及び右横リング装飾体を出現位置に移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図60は、裏第三演出ユニットにおける上縦リング装飾体と右横リング装飾体とを出現位置の途中まで移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
また、図61は、裏上第三演出ユニットにおいて不具合が発生した時における演出表示装置での演出画像の一例を示す遊技盤の正面図である。図62は、裏ユニットにおける発光演出中に実行される影演出の一例を示す遊技盤の正面図である。図63は、扉枠の遊技窓から遊技盤が臨んでいる状態で示すパチンコ機の正面図である。
遊技盤5は、遊技領域5aの後端を区画している遊技パネル1100のパネル板1110、始動口ユニット2100、サイドユニット、2200、アタッカユニット2400、及びセンター役物2500等が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図27等に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像、裏ユニット3000における裏第一演出ユニット3100の裏第一上装飾体3161、裏第一左装飾体3162、裏第一右装飾体3163、裏第一下装飾体3164、裏第二演出ユニット3200における複数の回転装飾体3210(特別回転装飾体3211及び普通回転装飾体3212)、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229、及び裏第二内周装飾体3230、等を良好に視認することができる。
通常の状態では、図27等の示すように、裏第二演出ユニット3200における複数の回転装飾体3210のうち4個の特別回転装飾体3211が、公転軌道の円周上における上下方向の両端と、左右方向の両端とに位置している。つまり、1個の特別回転装飾体3211が、公転軌道上における最も下方となる特定位置(時計における6時の部位)に位置している。この特定位置に位置している特別回転装飾体3211は、裏第一演出ユニット3100における略円環状の裏第一下装飾体3164の中央に位置しており、外側が裏第一下装飾体3164により装飾された状態となっている。また、特定位置の特別回転装飾体3211(回転装飾体3210)は、第一始動口2002の後方に位置しており、第一始動口2002の後方を装飾している(図56を参照)。
また、通常の状態では、裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、夫々待機位置の状態となっており、正面視において裏第二演出ユニット3200における裏第二内周装飾体3230よりも外側に位置していることで、前方が複数の回転装飾体3210、駆動リング3221、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229等で覆われて、遊技者側から視認不能な状態となっている。
この通常の状態では、裏第二演出ユニット3200における裏第二内周装飾体3230の内側を通して、後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像を、遊技者側(前方)から良好な状態で視認することができる。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300が、所定の可動演出を行う。
まず、裏第二演出ユニット3200を用いた演出について、主に図55及び図56等を参照して説明する。裏第二演出ユニット3200の複数の回転装飾体3210を用いた演出としては、例えば、図55に示すように、裏第二駆動モータ3222の駆動により駆動リング3221を時計回りの方向へ回転させると、複数(12個)の回転装飾体3210が時計回りの方向へ自転しながら、時計回りの方向へ公転する可動演出を行うことができる。これにより、複数の回転装飾体3210が、自転しながら裏第二内周装飾体3230の内側を通して見える演出画像の周りを公転(周回)するため、グルグル回る複数の回転装飾体3210により、遊技領域5aを賑やかな感じにすることができ、遊技者を楽しませることができる。
上記のように、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させている状態で、例えば、裏第一演出ユニット3100における裏第一下装飾基板3170のLED3171を発光させると、後方を回転装飾体3210が周回している略円環状の裏第一下装飾体3164が発光するため、遊技者の関心を裏第一下装飾体3164へ向けさせることができる。また、裏第一下装飾体3164が目立つことから、遊技者に対して裏第一下装飾体3164の円環内(特定位置)に、所望の回転装飾体3210(特別回転装飾体3211)が公転停止するか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
この際に、回転装飾体LED群3250のうち特定位置に対応している第一回転装飾体LED群3250aのみを点灯させた状態としても良い。これにより、裏第一下装飾体3164の円環内の後側を通る回転装飾体3210のみが良好に視認でき、その他の回転装飾体3210が視認し難くなるため、裏第一下装飾体3164の円環内を窓とした、ルーレット、或いは、スロット、のような演出を遊技者に見せることができ、特定位置に所望の回転装飾体3210が停止するか否かのドキドキ感をより高めることができる。
そして、裏第一下装飾体3164の円環内(特定位置)で所望の回転装飾体3210(特別回転装飾体3211)が停止すると、図56に示すように、その前方には始動口ユニット2100の第一始動口2002が設けられているため、遊技者に対して第一始動口2002に遊技球Bを受入れさせると、「大当り」が抽選される可能性が極めて高いのではないかと思わせることができ、遊技者に対して第一始動口2002を狙った遊技球Bの打込操作を促すことができると共に、遊技球Bの打込操作を楽しませることができる。
また、複数の回転装飾体3210を裏第二駆動モータ3222の駆動により自転させながら公転させる際に、各回転装飾体3210の移動位置に合わせて、裏第二装飾基板3240の複数のLED3241を適宜発光させるようにしても良い。例えば、一つの回転装飾体3210が特定位置に位置している時には、各回転装飾体LED群3250の第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、第四LED群3254を点灯させると共に、各中間LED群3255を消灯させる。続いて、回転装飾体3210が時計回りの方向へ約7度公転すると、回転装飾体LED群3250の第三LED群3253と第四LED群3254を点灯させたままで、第一LED群3251と第二LED群3252を消灯させると共に、中間LED群3255を点灯させる。更に、回転装飾体3210が初めの位置から15度公転すると、第三LED群3253と第四LED群3254も消灯させて回転装飾体LED群3250を消灯させると共に、中間LED群3255のみを点灯させたままとする。
続いて、回転装飾体3210が最初の位置から約22度公転すると、回転装飾体LED群3250の第一LED群3251と第二LED群3252を点灯させて第三LED群3253と第四LED群3254を消灯させたままとすると共に、中間LED群3255を点灯させたままとする。そして、回転装飾体3210が最初の位置から30度公転する(次の回転装飾体3210が特定位置に位置する)と、第三LED群3253と第四LED群3254を点灯させて回転装飾体LED群3250を点灯させると共に、中間LED群3255を消灯させる。これにより、前方に回転装飾体3210が位置しているLED3241を点灯させるようにしていると共に、前方に回転装飾体3210が位置していないLED3241を消灯させるようにしているため、恰も回転装飾体3210自身にLEDが設けられているかの如く、回転装飾体3210が発光しながら公転しているような演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏第二演出ユニット3200では、通常の状態で、全ての回転装飾体LED群3250及び中間LED群3255を、高輝度で発光させた上で、裏第二駆動モータ3222により複数の回転装飾体3210を自転&公転させ、通常の状態とは異なる状態で複数の回転装飾体3210の自転&公転を停止させて、回転装飾体LED群3250及び中間LED群3255を消灯又は減光させるようにしても良い。これにより、全ての回転装飾体LED群3250及び中間LED群3255が高輝度で発光することにより、遊技者から複数の回転装飾体3210を視認し難くすることができるため、その状態で回転装飾体3210の位置を変えることで、遊技者が知らないうちに回転装飾体3210が移動する演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができる。
また、裏第二演出ユニット3200では、裏第二装飾基板3240に実装されている複数のLED3241を適宜発光させることができるため、回転装飾体LED群3250を、第一回転装飾体LED群3250aから、第二回転装飾体LED群3250b、第三回転装飾体LED群3250c、第四回転装飾体LED群3250d、第五回転装飾体LED群3250e、第六回転装飾体LED群3250f、第七回転装飾体LED群3250g、第八回転装飾体LED群3250h、第九回転装飾体LED群3250i、第十回転装飾体LED群3250j、第十一回転装飾体LED群3250k、第十二回転装飾体LED群3250l、のように順番に発光(点灯)させることで、光が所定方向へ回転しているような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。この光の回転を停止させる際に、どの位置で光の回転が停止するか否かによって、遊技者の期待感を高めさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
なお、光りの回転を停止させる際に、光の回転速度を徐々に低下させると共に、回転装飾体LED群3250において、第一LED群3251と第二LED群3252、第三LED群3253と第四LED群3254、更には、中間LED群3255、と順番に点灯させて、回転方向へ小刻みに光が移動してゆっくり停止するようにしても良い。これにより、光が停止する位置が細かくなるため、遊技者に対して、どの位置で光の回転が停止するのかを予測し難くすることができ、遊技者をハラハラさせて楽しませることができる。
また、上記のように、光を回転(周回)させることができるため、周方向へ順番に点灯させたり、消灯させたりすることで、時計のように時間を計測する発光演出や、残り時間を示唆する発光演出等も行うことができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251、第二LED群3252、第三LED群3253、第四LED群3254、第一LED群3251、・・・、のような順番で発光させるようにしても良い。これにより、一ヶ所の回転装飾体LED群3250において光が回転しているような発光演出を遊技者に見せることができると共に、遊技者に対して、回転装飾体3210が公転していない状態で回転(自転)しているように錯覚させることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、夫々の回転装飾体LED群3250において、例えば、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させた後に、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させると、中心から外側へ移動して広がるような発光演出を遊技者に見せることができる。或いは、第二LED群3252及び第四LED群3254を発光させた後に、第一LED群3251及び第三LED群3253を発光させると、外側から中心へ収束するような発光演出を遊技者に見せることができる。
続いて、裏第三演出ユニット3300を用いた演出について、主に図57乃至図61を参照して説明する。まず、例えば、図57に示すように、通常の状態から、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三下駆動モータ3340を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331を待機位置から出現位置へ移動させる。これにより、正面視において裏第二内周装飾体3230の内側の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となり、三つのリングが縦(上下)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる。
また、裏第三演出ユニット3300を用いた演出として、図58に示すように、通常の状態から、裏第三左駆動モータ3360及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を待機位置から出現位置へ移動させる。これにより、正面視において裏第二内周装飾体3230の内側の中央で、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、三つのリングが横(左右)に並んだ装飾を遊技者に見せることができる。
本実施形態では、裏第三演出ユニット3300の左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を出現位置に移動させて、三つのリングが横に並んだ装飾を形成させた状態で、演出表示装置1600において三つのリングの夫々の中となる部位に、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を示唆するための、三つの図柄列の変動表示を行うことができる。これにより、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させていない状態で、三つの図柄列を変動表示された場合と比較して、三つの図柄列の上下が、出現位置の左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371により物理的に装飾されている状態となるため、遊技者に対して、変動表示されている図柄列が、「大当り」等の遊技者が有利となる図柄の組合せで停止表示される可能性が高いと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
更に、裏第三演出ユニット3300を用いた演出として、図59に示すように、通常の状態から、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、夫々待機位置から出現位置へ移動させる。これにより、裏第二内周装飾体3230の内側の中央で、上縦リング装飾体3311の先端と下縦リング装飾体3331の先端とが接近した状態となると共に、左横リング装飾体3351の先端と右横リング装飾体3371の先端とが接近した状態となり、五つのリングが縦横の十字に並んだ装飾を遊技者に見せることができる。
また、図59に示すように、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、全て待機位置から出現位置へ移動させると、演出表示装置1600の表示画面の前方に、五つのリングが十字に並んだ装飾が形成されるため、遊技者に対して、「大当り」等の遊技者が有利となる有利遊技状態が発生すると思わせることができ、「大当り」遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏第三演出ユニット3300では、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、適宜の順番や組合せ順に、待機位置から出現位置へ移動させるようにしても良い。例えば、上縦リング装飾体3311、右横リング装飾体3371、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、の順番に出現位置へ移動させたり、上縦リング装飾体3311及び下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351及び右横リング装飾体3371、の順番に出現位置へ移動させたりしても良い。これにより、多段階を経て、五つのリングが十字に並んだ状態となるため、夫々の段階において、次の段階に移行するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませることができる。
ところで、裏第三演出ユニット3300では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を、定電流駆動方式により高トルクで駆動させているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、一秒以下の極めて短い時間(ここでは、650ms)で、待機位置から出現位置まで、或いは、出現位置から待機位置まで、移動させることができる。これにより、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、一瞬で出現したり消えたりするため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませることができる。
更に、裏第三演出ユニット3300では、例えば、図60に示すように、通常の状態から、裏第三上駆動モータ3320及び裏第三右駆動モータ3380を駆動させて、上縦リング装飾体3311及び右横リング装飾体3371を、待機位置から出現位置への途中の位置まで移動させる。これにより、上縦リング装飾体3311(第一装飾体3312及び第二装飾体3313)の先端部分と、右横リング装飾体3371(第一装飾体3372及び第二装飾体3373)の先端部分とが、正面視において裏第二内周装飾体3230の内側に位置して、部分的に遊技者側から視認することができる。
詳述すると、図60の状態では、上縦リング装飾体3311の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち上側の左右の隅に出現していると共に、右横リング装飾体3371の二つの先端が、裏第二内側装飾体3229の貫通孔3229a内における四隅のうち右側の上下の隅に出現している。これにより、後方に演出表示装置1600の表示画面が臨んでいる裏第二内周装飾体3230の内側の形状が変化するため、遊技者に対して上縦リング装飾体3311及び右横リング装飾体3371の移動に気付かせ易くすることができ、遊技者に対して何か起きるのではないかと予感させて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
なお、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を待機位置から出現位置へ移動させる際に、まず、先端部分のみが視認できるように途中まで移動させ、次の段階として出現位置まで移動させるようにしても良い。これにより、完全に出現位置まで移動するか否かによって遊技者をドキドキさせることができ、遊技者を楽しませることができる。この出現位置の途中まで移動させる際に、待機位置との間で小刻みに往復移動させるようにしても良く、裏第二内周装飾体3230の内側の形状が小刻みに変化することで、遊技者に対してより気付かせ易くすることができる。
裏第三演出ユニット3300では、上縦リング装飾基板3315の第一LED3316及び第二LED3317、下縦リング装飾基板3335の第一LED3336及び第二LED3337、左横リング装飾基板3355の第一LED3356及び第二LED3357、右横リング装飾基板3375の第一LED3376及び第二LED3377を、適宜発光させること、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を適宜発光装飾させることができる。これにより、出現位置側へ移動した上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、様々な発光態様で発光装飾させることができ、遊技者を楽しませることができる。
ところで、本実施形態では、裏第三演出ユニット3300において、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させた時に、演出表示装置1600に表示される演出画像として、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の真後ろとなる部位に、それらと同じような装飾画像3390を表示させるようにしている(図61を参照)。
また、本実施形態では、何らかの原因により、裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の少なくとも一つが、出現位置へ移動することができなくなった場合、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を移動させる演出が実行されても、それらを待機位置のままとして出現位置側へ移動させないようにしていると共に、演出表示装置1600には装飾画像3390を表示させるようにしている(図61を参照)。これにより、裏第三演出ユニット3300において不具合が発生しても、装飾画像3390が見えることで、遊技者に対して不具合の発生を認識させ難くすることができるため、遊技者が不具合の発生を認識することで、遊技を中断させなければならなくなって不快感を覚えてしまうことを回避させることができ、遊技者に対して引き続き遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏ユニット3000を用いた演出としては、裏第二演出ユニット3200による演出と、裏第三演出ユニット3300による演出とを、適宜組合せた演出も行うことができる。これにより、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。また、より多段階の演出を遊技者に見せることが可能となるため、各段階において遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者の期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏ユニット3000を用いた演出として、例えば、裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300を用いて適宜の発光演出を実行している時に、特定のライン上に位置しているLEDを消灯させると共に、当該ラインを、所定方向の一方側から他方側へ遊技領域5aを横切るように短時間(一秒以下)で移動させる影演出を行うことができる(図62を参照)。これにより、特定のライン上のLEDを消灯させることで、遊技領域5a内にライン上に暗い部分(影部3050)が表れると共に、その影部3050が短時間で遊技領域5a内を横切るこことなるため、遊技者に対して「ハッ」とさせることができ、何かが起こるのではないかと予感させて遊技に集中させることができる。なお、影部3050は、上下方向の他に、左右方向や斜め方向へも移動させることができる。
また、上記の影演出は、回転装飾体3210、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371、等による可動演出の時や、演出表示装置1600に表示されている演出画像の切換わりの時、等の際に実行することもできる。これにより、影演出を区切りとして、次の可動演出や演出画像等に対して遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態の遊技盤5は、パチンコ機1に組立てた状態では、図63に示すように、扉枠3の扉窓101aを通して遊技領域5a内を遊技者側から視認することができる。そして、扉枠3では、扉窓101aの外周を、半チューブ状の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453により囲んでいる。また、扉枠3では、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101a(遊技領域5a)の外周全体を発光装飾させることができると共に、扉窓101aの外周に沿って光を移動させることができる。
そして、上述したように、本実施形態の遊技盤5では、様々な発光演出を行うことができるため、例えば、裏第二演出ユニット3200の第一LED群3251及び第三LED群3253、第二LED群3252及び第四LED群3254、扉枠3の各装飾基板のLED、の順番に発光させると、中心から外側へ移動して広がるような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を遊技領域5aの外側へ向けさせることができる。或いは、扉枠3の各装飾基板のLED、裏第二演出ユニット3200の第二LED群3252及び第四LED群3254、第一LED群3251及び第三LED群3253、の順番で発光させると、外側から中心へ収束するような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者の関心を遊技領域5aの中央に向けさせることができる。
また、裏第二演出ユニット3200において、上述したように、複数の回転装飾体LED群3250や中間LED群3255による周方向へ光が回転(旋回)する発光演出の際に、扉枠3側においても、扉窓101aの周方向へ光が回転する発光演出を実行するようにしても良い。これにより、遊技領域5aの中央を中心としてパチンコ機1の全体で光がグルグル回るような発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者を楽しませることができ、興趣の低下を抑制せることができる。
なお、本実施形態の遊技盤5では、上記したような可動演出と発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、可動演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[5-11.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、裏ユニット3000における裏第三演出ユニット3300の上部ユニット3310の上縦リング装飾体3311、下部ユニット3330の下縦リング装飾体3331、左部ユニット3350の左横リング装飾体3351、及び右部ユニット3370の右横リング装飾体3371を、遊技領域5aの中央部(ここでは、裏第二演出ユニット3200の裏第二内周装飾体3230の内周)よりも外側に回動させて退避位置の状態とすることで、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、裏第二演出ユニット3200の回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229、及び裏第二内周装飾体3230の後方に位置することとなり、回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228、裏第二内側装飾体3229、及び裏第二内周装飾体3230により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を遊技者側(前方)から視認不能とすることができ、遊技者に対して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の存在に気付かせ難くすることができると共に、遊技領域5aの中央に臨んでいる演出表示装置1600に表示されている演出画像を、遊技者側(前方)から良好に視認させることができ、遊技者に演出画像を楽しませることができる。
この通常の状態で、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が0.5秒~1.0秒の範囲内(本実施形態では650ms(0.65秒))で退避位置から出現位置まで回動(移動)するように、周辺制御基板1510により、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を、定電流駆動方式にて駆動して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を回動させると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が高いトルクで回動させられることとなり、トルクが高いことで停止していた上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に大きな回転モーメントが作用し、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を極めて速いスピードで出現位置へ回動させることができるため、遊技者が認識していなかった上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、遊技領域5aの中央部に、突然出現したような演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が突然瞬時に出現することで遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと強く思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、周辺制御基板1510によって裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動することにより高いトルクで上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を回動させると、退避位置から出現位置へ素早く回動(移動)した上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により演出表示装置1600に表示されている演出画像の一部が遮られることとなるため、遊技者に対して出現位置への上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動を即座に認識させることができ、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動により遊技者を大いに驚かせることができる。
更に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371における基端側と先端側との間の部位を、退避位置から出現位置へ回動する時における基端側と先端側とを結んだ直線の後側に位置するようにしていることから、基端側と先端側との間を非直線状に延びた形状(ここでは円弧形状)としているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置から出現位置へ回動(移動)させると、初めに上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の先端側が視認可能となる。この際に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371における前方から視認可能となっている部位(先端側)は、基端側と先端側との間が非直線形状であるため、裏第二内周装飾体3230から内側に突出している方向が、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の基端側の方向とは異なる方向となる。従って、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、出現位置側への途中で回動を停止させて先端側のみが視認可能となる演出を実行すると(図60を参照)、遊技者に対して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371とは異なる別の装飾体が出現しているように錯覚させることができるため、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、基端側を遊技領域5aの中央部(裏第二内周装飾体3230)よりも外側で回動可能に支持し、出現位置の時に先端側を遊技領域5aの中央部まで延出するような細長いフレーム状としていることから、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ回動させると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の先端側が遊技領域5aの中央部に位置するため、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を目立たせることができ、遊技者の関心を上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に強く引付けさせることができる。
また、周辺制御基板1510により裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動することによって、高いトルクにより上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置から出現位置まで回動させた時の時間を、0.5秒~1.0秒の範囲内としているため、必要以上にトルクの高い大型の駆動モータを用いる必要が無く、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380に必要なスペースの増加を抑制させることができ、相対的に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371や他の部材を配置するためのスペースを確保し易くすることができると共に、確保したスペースにより上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371等をより大きくすることができ、大型の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371等により遊技者をより楽しませられるパチンコ機1とすることができる。また、必要以上にトルクの高い大型の駆動モータを用いたり、高いトルクを出力させるための複雑な制御回路を用いたりする必要がないため、パチンコ機1にかかるコストの増加を抑制させることができる。
また、遊技領域5aの中央に演出画像を表示可能な演出表示装置1600を設けるようにしており、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置から出現位置、或いは、出現位置から退避位置、に回動(移動)させる際に、表示画面を一時的に暗くすることで、遊技者に対して上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動を見辛くすることができるため、その後に表示画面を明るくすることで、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が突然、中央部に出現したり中央部からいなくなったりするような演出を遊技者に見せることができ、遊技者を驚かせることができると共に、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動することにより、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を高いトルクで回動させていることから、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380や、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371等が早期に疲労することで不具合が発生し易くなる恐れがあるが、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出の実行により、演出表示装置1600に装飾画像3390を表示させるようにしているため、それらに不具合が発生して、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動(回動)することができなくても、装飾画像3390により、遊技者に対して恰も上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動したかのように錯覚させることができ、装飾画像3390により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371による演出と同じ演出を遊技者に見せて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、通常の状態では、周辺制御基板1510(周辺制御部1511及び演出表示制御部1512)により、裏ユニット3000における裏第三演出ユニット3300の上部ユニット3310の上縦リング装飾体3311、下部ユニット3330の下縦リング装飾体3331、左部ユニット3350の左横リング装飾体3351、及び右部ユニット3370の右横リング装飾体3371が、遊技者側から視認不能な退避位置に移動しているため、演出表示装置1600に表示されている演出画像を良好に視認することができ、遊技者に演出画像を楽しませることができる。そして、周辺制御基板1510により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出が実行されると、適宜の数の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が、退避位置から出現位置へ移動するタイミングで、演出表示装置1600において、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の後方となる部位に装飾画像3390が表示されると共に、フレーム状の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により区画される部位に特定演出画像(例えば、抽選された特別抽選結果を示唆するための複数の図柄列)が表示されるため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371により特定演出画像が明確に区画され、特定演出画像を目立たせることができ、特定演出画像による演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、何らかの理由により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371のうちの一つでも出現位置へ移動することができない不具合を上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384の何れかにより検知すると、周辺制御基板1510により全ての上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御のみを休止させるようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出が実行されると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が退避位置から移動せずに、演出表示装置1600に、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の後方となる部位に装飾画像3390が表示されると共に、出現位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371(装飾画像3390)により区画される部位に特定演出画像が表示されるため、遊技者に対して恰も上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動したかのように錯覚させることができ、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に類似した装飾画像3390により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371による演出と同じ演出を遊技者に見せることができる。従って、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に不具合が生じて出現位置へ移動することができなくても、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に類似した装飾画像3390を遊技者に見せることができ、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371による演出と同等の演出を装飾画像3390によって遊技者に見せることができると共に、装飾画像3390により特定演出画像を目立たせることができ、遊技者に特定演出画像による演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371のうち、一つでも出現位置へ移動することができない不具合が発生した場合、全ての上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させて、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させないようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ同時に移動させる演出を行った時に、出現位置へ移動した上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の何れかと不具合により出現位置へ移動しないことで視認可能となる装飾画像3390とが、混在して見える演出が行われることを回避させることができ、遊技者に違和感を与えてしまうことを防止して遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出を実行すると、演出表示装置1600に装飾画像3390を表示させるようにしており、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合の有無に関わらず、装飾画像3390を表示させるようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371に不具合が発生した時用の画像を別途設ける必要が無く、装飾画像3390を含む演出画像の表示にかかる負荷を軽減させることができる。
また、周辺制御基板1510において、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が移動しない不具合が検知されると、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させるようにしているため、不具合により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が中途半端な位置で停止する等して不完全な演出となることを回避させることができ、遊技者に対して不快感を与えてしまうことを防止することができると共に、移動制御のみを休止しており、演出表示装置1600には装飾画像3390が表示されるため、装飾画像3390により遊技者を楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
更に、不具合の検知により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させるようにしているため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を移動させるための裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380に過負荷が作用することはなく、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371や他の部材が破損してしまうことを防止することができ、不具合が拡大してしまうことを回避させることができる。
また、退避位置の状態では上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を視認不能としているため、何らかの理由により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動することができない不具合が生じていても、上述したように、演出表示装置1600に装飾画像3390が表示されるため、装飾画像3390による演出を楽しませることができると共に、退避位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が見えないことから上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が移動しない不具合が発生していることを遊技者に気付かせ難くすることができ、遊技者に不安感を与えてしまうことを防止して興趣の低下を抑制させることができる。
また、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を退避位置へ移動させた状態(通常の状態)では、遊技者側から上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を視認することができないことから、退避位置の状態では遊技者に上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の存在を気付かせ難くすることができるため、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させると、見えていなかった上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現することで遊技者を大いに驚かせることができ、遊技者を楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合を検知させるようにしており、退避位置の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384により検知させるようにしているため、周辺制御基板1510によって上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動制御させた際に、上検知センサ3324、下検知センサ3344、左検知センサ3364、及び右検知センサ3384が、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を検知したままであれば、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が移動していないこととなり、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合を検知することができ、上述した作用効果を奏する遊技機を具現化することができる。
なお、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371と類似した装飾画像3390は、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の大きさよりも、大きくても良いし、小さくても良い。装飾画像3390を上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371よりも大きくした場合は、演出表示装置1600に表示されている装飾画像3390により、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を更に装飾することができると言う利点がある。一方、装飾画像3390を上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371よりも小さくした場合は、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を出現位置へ移動させる演出を実行した時に、不具合の発生により上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371の移動制御を休止させない限り、遊技者に装飾画像3390を認識されないと言う利点がある。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、遊技盤5の裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200において、裏第二外側装飾体3228及び前後に貫通している貫通孔3329aを有している裏第二内側装飾体3229の前方において、通常の状態では、特別な装飾が施されている4個の特別回転装飾体3211と、特別回転装飾体3211とは異なる装飾が施されている残り6個の普通回転装飾体3212とで構成されている平板状で透光性を有する12個の回転装飾体3210が、貫通孔3229aの外周を装飾するように、前後に延びた軸線を中心とした公転円周上に並んでいると共に、貫通孔3229aから後方に設けられている演出表示装置1600の表示画面が臨んでいる。この状態で、裏第二駆動モータ3222により駆動リング3221を回転させると、各回転装飾体3210から後方に延びている軸部3210aが、駆動リング3221の軸孔3221aに挿入されていることから、軸部3210aと共に回転装飾体3210と軸部3210aの後端に設けられている回転体ギア3225とが、駆動リング3221の回転中心から軸孔3221aまでの距離を半径とした円周上(公転円周上)を移動(公転)する。この際に、軸部3210aの後端に設けられている回転体ギア3225は、ユニットベース3220における公転円よりも公転中心側に設けられている固定ギア部3220bと噛合していることから、回転体ギア3225が公転すると、回転体ギア3225が固定ギア部3220bを転動して回転体ギア3225の公転方向と同じ方向に回転することとなり、回転体ギア3225が軸部3210a及び回転装飾体3210と一緒に、軸部3210aの前後に延びた軸周りに回転(自転)することとなる。従って、裏第二駆動モータ3222により駆動リング3221を回転させることで、複数(12個)の回転装飾体3210が自転しながら同じ方向へ公転するため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、前後に延びた軸周りに自転しながら公転する複数の回転装飾体3210を平板状としていることから、回転装飾体3210の面を前方へ向けており、回転装飾体3210の全体が遊技者側から見え易くなっているため、これら回転装飾体3210が自転しながら公転すると、複数の回転装飾体3210がグルグルと回転する様子を遊技者に見せることができ、賑やかな感じの演出を遊技者に見せることができると共に、遊技者に強いインパクトを与えて大いに楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の回転装飾体3210、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229の後方で、回転装飾体3210の公転軌跡の範囲内に、公転円周上の停止位置(一つの回転装飾体3210が特定位置で公転停止する位置)で公転停止している複数の回転装飾体3210の後方となり公転方向に分割されている複数(12個)の回転装飾体LED群3250と、各回転装飾体LED群3250同士の間に位置している中間LED群3255と、で構成された裏第二装飾基板3240の複数のLED3241を備えていることから、複数の回転装飾体3210が停止位置の状態で、回転装飾体LED群3250のLED3241を発光させると、回転装飾体3210を発光装飾させることができ、複数の回転装飾体3210が停止位置同士の間の状態で、中間LED群3255のLED3241を発光させると、回転装飾体3210を発光装飾させることができる。従って、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させている時に、回転装飾体3210の公転に合わせて回転装飾体LED群3250のLED3241や中間LED群3255のLED3241を適宜発光させると、発光しているLED3241が、回転装飾体3210の公転と一緒に移動することとなるため、LED3241からの光が透光性を有した裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229と回転装飾体3210とを通して前方(遊技者側)へ照射されることで、恰も回転装飾体3210にLED3241が設けられているように回転装飾体3210を発光装飾させることができ、発光装飾されている複数の回転装飾体3210が自転しながら公転する演出を遊技者に見せることで、遊技者を大いに楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
この際に、回転装飾体LED群3250を構成している複数のLED3241を、回転装飾体3210の公転方向に第一LED群3251及び第二LED群3252と第三LED群3253及び第四LED群3254とに分割していることから、回転装飾体3210の公転に合わせてきめ細かく回転装飾体LED群3250のLED3241を発光させることができるようになるため、回転装飾体3210の後方に位置するLED3241のみを発光させ易くすることができ、自転しながら公転する回転装飾体3210にLED3241が設けられていると遊技者に対して強く錯覚させることができると共に、発光装飾された回転装飾体3210の動きをより楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
更に、回転装飾体3210の公転軌跡の範囲内に回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とで構成された複数のLED3241を備えていることから、複数のLED3241が円環状に配置されており、左上隅LED群3256、右上隅LED群3257、左下隅LED群3258、及び入賞口LED群3259に含まれるLED3241を除いた全てのLED3241を発光させると、円環状の発光演出を遊技者に見せることができる。また、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とが、回転装飾体3210の公転方向(周方向)へ交互に設けられていため、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255をと円周方向へ交互に順番に発光させると、光が円周上を回転する発光装飾を遊技者に見せることができる。更に、回転装飾体3210の公転軌跡の範囲内に複数のLED3241を備えていることから、複数のLED3241が所定の幅で円環状に配置されることとなるため、複数のLED3241を円環の内側から外側へ順番に発光させることで、光の輪が外側へ広がるような発光演出を遊技者に見せたり、複数のLED3241を円環の外側から内側へ順番に発光させることで、光の輪が内側へ収束するような発光演出を遊技者に見せたり、することができる。このように、様々な発光演出を遊技者に見せることができるため、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転装飾体3210の公転方向へ光が回転するような発光演出を行う際に、各回転装飾体LED群3250が回転装飾体3210の公転方向へ第一LED群3251及び第二LED群3252と第三LED群3253及び第四LED群3254と分割されていることから、公転方向への光の移動をより細かくすることが可能となるため、光がより滑らかに回転する発光演出を遊技者に見せることができる。また、回転装飾体3210の公転方向への光の移動が細かくなるため、周方向へ回転する光の回転速度をより遅くすることができ、多彩な発光演出により遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、上述したような複数のLED3241による発光演出と、回転装飾体3210を自転させながら公転させる可動演出とを適宜組合せることで、これまでのパチンコ機では見ることのできなかった演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数のLED3241を、複数の回転装飾体LED群3250と複数の中間LED群3255とに纏めているため、各回転装飾体LED群3250や中間LED群3255毎に制御して発光させるようにすることで、複数のLED3241を一つずつ制御して発光させるようにした場合と比較して、制御にかかる負荷を軽減させることができ、過負荷の発生により不具合が発生して遊技者の興趣を低下させてしまうことを回避させることができると共に、周辺制御基板1510等での制御回路をシンプルにすることができ、コストダウンをすることができる。
更に、回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とを、回転装飾体3210の公転方向(周方向)へ交互に設けているため、例えば、一定の時間間隔で回転装飾体LED群3250のみを周方向へ順番に発光させた場合と、同じ時間間隔で回転装飾体LED群3250と中間LED群3255とを周方向へ交互に発光させた場合とでは、周方向へ回転する光りの速度を異ならせることができ、発光演出の制御にかかる負荷を軽減させることができる共に、光が異なる速度で回転する発光演出を遊技者に楽しませることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の回転装飾体3210と複数のLED3241との間に透光性を有する裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229を設けていることから、裏第二外側装飾体3228及び裏第二内側装飾体3229により前方から裏第二装飾基板3240のLED3241が視認し難くなることから、遊技者に対して回転装飾体3210とは別に設けられているLED3241の存在に気付かせ難くすることができるため、回転装飾体3210にLED3241が設けられているように錯覚させ易くすることができ、自転しながら公転する回転装飾体3210の発光装飾によるインパクトをより高めることができると共に、回転装飾体3210による演出をより楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、複数の回転装飾体3210の中に、特別な装飾(三つ巴の装飾)が施されている特別回転装飾体3211を有するようにしているため、複数の回転装飾体3210を自転させながら公転させた時に、特別回転装飾体3211が、特定位置で公転停止するか否かによって、遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、遊技者に複数の回転装飾体3210による可動演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、一つの回転装飾体3210が停止位置を含む公転円周上の特定位置に位置していることを検知する回転位置検知センサ3231と、一つの特別回転装飾体3211が特定位置に位置していることを検知する特別回転位置検知センサ3232と、を備えていることから、複数の回転装飾体3210のうち、普通回転装飾体3212が特定位置に位置している時には、回転位置検知センサ3231のみが検知し、特別回転装飾体3211が特定位置に位置している時には、回転位置検知センサ3231と特別回転位置検知センサ3232とが検知することとなるため、回転位置検知センサ3231による検知と特別回転位置検知センサ3232による検知の組合せにより、特定位置に普通回転装飾体3212又は特別回転装飾体3211の何れが位置しているのかを検知することができる。従って、複数の回転装飾体3210の一つのを特定位置で公転停止させる際に、回転位置検知センサ3231と特別回転位置検知センサ3232とを用いることで、自転しながら公転している普通回転装飾体3212及び特別回転装飾体3211の何れかを、特定位置において公転停止させることができるため、特定位置において特別回転装飾体3211が公転停止するか否かという演出を遊技者に見せることが可能となり、遊技者をハラハラ・ドキドキさせて楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、特定位置に位置している普通回転装飾体3212及び特別回転装飾体3211を検知するための検知片3221cと、特定位置に位置している特別回転装飾体3211を検知するための特別検知片3221dとを、駆動リング3221に設けているため、回転装飾体3210に検知片や特別検知片を設けるようにした場合と比較して、検知片3221cや特別検知片3221dが自転することはないため、検知片3221cや特別検知片3221dの構成を簡単にものとすることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を具現化し易くすることができる。
また、一つの裏第二駆動モータ3222により複数の回転装飾体3210を、自転させながら公転させることができるため、回転装飾体3210の自転と公転とを別々の駆動モータで駆動させるようにした場合比較して、複数の回転装飾体3210にかかる駆動機構の構成を簡単なものとすることができ、当該駆動機構を小さくすることができると共に、複数の回転装飾体3210の可動演出にかかる制御の負荷を軽減させることができる。また、上述したように、複数の回転装飾体3210にかかる駆動機構を小さくすることができることから、相対的に複数の回転装飾体3210を配置するためのスペースを広くすることが可能となるため、回転装飾体3210をより大きくして遊技者側から目立たせることができ、複数の回転装飾体3210に遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
更に、軸部3210aをLED3241よりも後方へ突出させていることから、後端に設けられる回転体ギア3225がLED3241よりも後方となり、自ずと固定ギア部3220bや駆動リング3221もLED3241の後方となるため、回転体ギア3225、固定ギア部3220b、及び駆動リング3221等が、LED3241から前方へ照射される光を遮ることはなく、複数の回転装飾体3210を確実に発光装飾させることができる。
また、駆動リング3221を回転させる裏第二駆動モータ3222を、駆動リング3221の外側に設けており、固定ギア部3220bの内側(貫通孔3229aの内側)を広く取ることができるため、内側に臨む演出表示装置1600の表示画面をより見え易くすることができ、演出画像による演出効果をより発揮させ易くすることができる。
また、固定ギア部3220bの外側に駆動リング3221を設けると共に、駆動リング3221の外側に裏第二駆動モータ3222を設けていることから、駆動リング3221の前後方向の位置と略同じ位置に裏第二駆動モータ3222を設けることができるため、複数の回転装飾体3210にかかる駆動機構の厚さの増加を抑制させることができる。また、複数の回転装飾体3210を平板状としており、複数の回転装飾体3210にかかる前後方向の厚さを薄くすることができる。これらのことから、前後方向の厚さを薄くすることができるため、相対的に複数の回転装飾体3210を配置するためのスペースを広くすることで、回転装飾体3210の直径をより大きくして遊技者側から目立たせることができ、複数の回転装飾体3210に遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、複数の回転装飾体3210の前方や後方に他の部材を設けることが可能となり、設けた他の部材を用いて演出を行うようにすることで、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、左方側から周縁に沿って遊技領域5a内の上部に打込まれた遊技球Bが、遊技領域5aに設けられている特典付与部としてのゲート部2003を通過する又は特典付与部としてのアタッカユニット2400の一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005に受入れられると、所定の特典(例えば、遊技者が有利となる普通抽選結果や特別抽選結果の抽選、所定数の遊技球Bの払出し、等)が付与されるため、遊技者に対してゲート部2003等の特典付与部を狙った遊技球Bの打込操作をさせる遊技を行うことができる。
この遊技領域5a内には、枠状のセンター役物2500の上方の左右方向の右側の上右周壁部2510の上方に上流空間部2511が設けられていると共に、上流空間部2511の下流側に打込強さに応じて異なるルートで遊技球Bが流通しゲート部2003の上流側に設けられている流通通路群2520が設けられているため、流通通路群2520を構成している第一流通通路2521及び第二流通通路2522毎に、遊技球Bが下流側のゲート部2003を通過する確率が異なることとなる。従って、遊技者が、上流空間部2511に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bがゲート部2003を通過する確率の高い第二流通通路2522の入口に、遊技球Bが進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整しなければならず、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して所望の第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、上流空間部2511の右方側の端部付近に遊技領域5aの周縁から衝止部1006が内方へ突出していると共に、衝止部1006の近傍に第一流通通路2521の入口が設けられているため、衝止部1006に当接する強さ(例えば、遊技領域5aの周縁に沿って遊技球Bが流通(転動)する特定以上の打込強さ)で遊技球Bを打込むと、衝止部1006に当接した遊技球Bが、流通通路群2520のうち衝止部1006の近傍の第一流通通路2521の入口に高い確率で進入することとなる。従って、当該第一流通通路2521を狙う場合は、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込み、その他の第二流通通路2522を狙う場合、衝止部1006に当接しない強さで遊技球Bを打込めば良く、遊技球Bの打込操作にメリハリを付けることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
そして、衝止部1006の近傍に入口が設けられている第一流通通路2521を流通した遊技球Bが、下流側のゲート部2003を通過する確率を低くして、特典が付与される機会もなく遊技領域5a外へ排出されるようにしているため、遊技者に対して、当該第一流通通路2521の入口に遊技球Bが進入しないように、遊技球Bの打込強さを調整させて、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に対して残りの第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、遊技球Bが打込まれる方向に流通通路群2520を設けているため、遊技球Bの打込強さに応じて異なるルートで流通する流通通路群2520(第一流通通路2521及び第二流通通路2522)を、確実に具現化することができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1とすることができる。
また、流通通路群2520の上流側に上流空間部2511を設けているため、遊技者が所望の第一流通通路2521又は第二流通通路2522の入口に遊技球Bを進入させるためには、上流空間部2511に進入する打込強さで、なお且つ、所望の第一流通通路2521又は第二流通通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bを遊技領域5a内へ打込む必要があり、遊技球Bの打込操作の難易度を更に高めることができ、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、第一流通通路2521と第二流通通路2522とを隣接させていることから、それらの入口が隣接することとなるため、遊技球Bの打込強さの僅かな違いにより、遊技球Bが進入する流通通路の入口が異なり易くなるため、遊技者による遊技球Bの打込操作の難易度を高めることができ、遊技者に遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、第一流通通路2521と第二流通通路2522とを隣接させていることから、第一流通通路2521と第二流通通路2522とがある程度集約されることとなるため、遊技領域5a内やセンター役物2500の枠内を相対的に広くすることができ、遊技領域5a内での遊技や、センター役物2500の枠内での演出を遊技者に楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
なお、上記の実施形態では、流通通路群2520として、第一流通通路2521及び第二流通通路2522の二つの流通通路により構成されているものを示したが、これに限定するものではなく、三つの流通通路により構成されているものとしても良い。
また、上記の実施形態では、アタッカユニット2400のアタッカ右通路2422に進入した遊技球Bが、右レール1005の段部1005aへの当接により高い確率で第二始動口誘導棚2423上へ誘導されるものを示したが、これに限定するものではなく、アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bが、高い確率でアタッカ右下通路2426へ誘導されるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、裏ユニット3000の裏第二演出ユニット3200において、複数の回転装飾体3210が自転する方向と同じ方向へ公転するものを示したが、これに限定するものではなく、自転する方向と反対方向へ公転するものとしても良い。
更に、上記の実施形態では、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371が出現位置へ移動しない不具合の有無に関わらず、それらを用いた演出を実行させる際に、装飾画像3390を表示させるものを示したが、これに限定するものではなく、それらに不具合が発生していない状態では、装飾画像3390のない演出画像を表示、それらに不具合が発生した時のみ、装飾画像3390を表示させるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を定電流駆動方式にて駆動させるものを示したが、これに限定するものではなく、それらがステッピングモータであることから、2-2相励磁方式にて駆動させるようにしても良く、高いトルクを発生させることができる。
更に、上記の実施形態では、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380を、ステッピングモータとしたものを示したが、これに限定するものではなく、起動トルクの大きなDCモータとしても良い。
また、上記の実施形態では、上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371を回動させるものとして、裏第三上駆動モータ3320、裏第三下駆動モータ3340、裏第三左駆動モータ3360、及び裏第三右駆動モータ3380等の駆動モータを示したが、これに限定するものではなく、ソレノイドやロータリーソレノイド等としても良い。
[6.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図64を参照して説明する。図64は、パチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図示するように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御する。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部1511と、周辺制御部1511からのコマンドに基づいて扉枠演出表示装置152、扉枠サブ表示部185、及び演出表示装置1600での演出画像の表示を制御する演出表示制御部1512と、を備えている。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御する払出制御部633aと、ハンドル111の回転操作による遊技球Bの発射を制御する発射制御部633bと、を備えている。
[6-1.主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板1310は、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポートと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路と、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路と、設定値の表示やエラー表示を行うための設定表示器1310g、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数を表示するためのベースモニタ1310hと、を備えている。主制御MPU1310aは、その内蔵されたROMやRAMのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU1310aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPU1310aの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPU1310aを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPU1310aが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPU1310aの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU1310a)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0~最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(主制御MPU1310aと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路は、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路は、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ2101、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ2401や一般入賞口センサ3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、大入賞口センサ2403に検知された後に第一受入口2007に受入れられた遊技球Bを検知する第一受入口センサ2404、大入賞口センサ2403に検知された後に第二受入口2008に受入れられた遊技球Bを検知する第二受入口センサ2405、遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ2470、遊技領域5a内における不正な振動を検知する振動センサ3005、及び遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収される遊技球Bを検出するアウト口センサ3032、等からの検出信号が主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
また、設定変更基板1311に備える設定キー1311aからの検出信号は、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。また、払出制御基板633に備えるRWMクリアボタン633zからの信号も、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
なお、RWMクリアボタン633zは、払出制御基板633に備えるマイクロプロセッサである払出制御MPUに内蔵されているRAM、及び主制御基板1310に備える主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の所定領域にそれぞれ記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチとしての機能と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチとしての機能と、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能と、を兼ね備えている。このため、主制御基板1310に入力されるRWMクリアボタン633zからの信号には、RAMクリアスイッチとしてRAMクリアを伝える信号(RAMクリア信号)と、エラー解除スイッチとしてエラーを解除した旨を伝える信号(エラー解除信号)と、設定切替ボタンとして設定値の選択切替を伝える信号(設定値の選択切替信号)と、があるものの、主制御基板1310は、自身に関する重要な信号となるRAMクリア信号と設定値の設定変更信号との入力を監視する一方、自身に関しない払出制御基板633が受け持つ制御対象となっているエラー解除信号の入力を監視していない。
また、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号と本体枠開放スイッチ4bからの検出信号とは、払出制御基板633を介して(経由して、つまり、後述する、払出制御入力回路、そして払出制御出力回路を介すことなく、そのまま)、主制御基板1310へそれぞれ入力されると、主制御入力回路を介して、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子にそれぞれ入力されている。
なお、第一始動口センサ2101、及び第二始動口センサ2402からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ3001、一般入賞口センサ2401、大入賞口センサ2403、第一受入口センサ2404、第二受入口センサ2405、磁気センサ2470、振動センサ3005、及びアウト口センサ3032からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路を介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から主制御ソレノイド駆動回路に制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路から始動口ソレノイド2412、及びアタッカソレノイド2414、へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器、等へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したりする。また、主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子から駆動信号を出力することにより、設定変更許可ランプ1310zへ駆動信号を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子から遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から信号(停電クリア信号)を出力することにより、停電監視回路に対して信号(停電クリア信号)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力することにより、払出制御基板633に対して遊技球Bの発射を許可する旨を伝える発射許可信号を出力したりする。この発射を許可する旨を伝える発射許可信号の論理は、発射を許可するときには発射許可論理に設定される一方、発射を許可しないときには発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定される。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、パチンコ機1が電源投入されてから(復電してから)後述する主制御側タイマ割り込み処理における発射許可信号設定処理が開始されるまでに亘って、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されている。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2506、及び大入賞口センサ2403には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ2401、及び一般入賞口センサ3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ2101、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403にも、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。また、遊技領域5aに発射された遊技球Bは、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により多量に回収されるため、アウト口センサ3032による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、アウト口センサ3032に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ2401及び一般入賞口センサ3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ2401及び一般入賞口センサ3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。なお、一般入賞口2001に遊技球Bが頻繁に入球するしないに関係なく、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いてもよい。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板633に送信したり、この払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU1310aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポートを介して周辺制御基板1510の周辺制御部1511に送信したりする。なお、主制御MPU1310aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板633からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部1511に送信する。
主制御基板1310には、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「主制御側キャパシタ」と記載する。)を備えている。この主制御側キャパシタにより主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができる。主制御内蔵RAMの所定領域に記憶された各種情報は、電源投入時に払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)が主制御MPU1310aへ入力されると、主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)される。
また、主制御基板1310には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板630から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力する。この停電予告信号は、主制御I/Oポートを介して主制御MPU1310aに入力される他に、払出制御基板633等にも出力されている。
[6-2.払出制御基板]
遊技球Bの払出し等を制御する払出制御基板633は、払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うとともに、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器と、複数の機能を兼ねる押圧操作部を有するRWMクリアボタン633zと、を備えている。RWMクリアボタン633zは、払出制御基板633に備えるマイクロプロセッサである払出制御MPUに内蔵されているRAM、及び主制御基板1310に備えるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aに内蔵されているRAM(主制御内蔵RAM)の所定領域にそれぞれ記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチとしての機能と、エラーLED表示器に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチとしての機能と、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンとしての機能と、を兼ね備えている。
RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動する期間は、パチンコ機1が電源投入されてからRAMクリア判別期間(パチンコ機1が電源投入されてから主制御MPU1310aにより後述する主制御側電源投入時処理が開始されて同処理におけるステップS14の判定が行われるまでの期間)に限定されている。
RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する期間は、RAMクリア判別期間が経過してから設定切替有効期間(主制御MPU1310aにより、RAMクリア判別期間が経過してから後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理において、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに差し込まれた設定キーにより、設定キースイッチ1311aを決定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回転操作されたと判定されるまでの期間)に限定されている。
RWMクリアボタン633zがエラー解除スイッチとして作動する期間は、RAMクリア判別期間、そして設定切替有効期間が経過した時点から有効な期間となる。なお、RAMクリア判別期間、及び設定切替有効期間において、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号が払出制御部633a(後述する払出制御MPU)へ入力されても、無効化されている。
なお、RWMクリアボタン633zが設定切替ボタンとして作動する期間は、上述したように、RAMクリア判別期間が経過してから設定切替有効期間に限定されている。ところが、この設定切替有効期間では、主制御MPU1310aは、RAMクリア判別期間が経過してから後述する主制御側電源投入時処理におけるステップS37の設定変更処理において、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに差し込まれた設定キーにより、設定キーシリンダの回転位置を監視し続ける処理を行っているため、後述する主制御側タイマ割り込み処理の開始許可するための割り込み許可設定(主制御側電源投入時処理におけるステップS52)を行うことができず、後述する主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理を行うことができない状態となる。換言すると、設定切替有効期間は、不正行為検出不能期間となっている。
この設定切替有効期間、つまり不正行為検出不能期間では、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに不正行為者が何らかの不正な改変を行うおそれがある。
そこで、本実施形態では、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aを操作しようと設定キースイッチ1311aにアクセスする場合には、上述したように、まず、裏カバー640が遊技盤5の後側を覆う状態を開放することができる空間を確保するために、外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放しなければならない構造となっている。これにより、設定切替有効期間、つまり不正行為検出不能期間では、外枠2に対して本体枠4が大きく(約90度近く)開放された状態となるため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aに何らかの不正な改変を行おうとすると、その不正行為が遊技ホールにおいて極めて目立つ存在となるため、このような不正行為対策を講ずることができる。したがって、不正行為の防止に寄与することができる。
[6-2a.払出制御部]
払出制御基板633における払出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、詳細な図示は省略するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPUと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポートと、払出制御MPUが正常に動作しているか否かを監視するための外部WDT(外部ウォッチドックタイマ)と、払出装置350の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路と、払出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路と、を備えている。
払出御MPUには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「払出制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
払出制御部633aの払出制御MPUは、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポートを介してシリアル方式で受信したり、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号が払出制御I/Oポートを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ154からの検出信号が入力されたり、球切検知センサ574、払出検知センサ591、及び羽根回転検知センサ590からの検出信号が入力される。なお、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号は、主制御基板1310にも出力される。
球誘導ユニット570の球切検知センサ574、払出装置350の払出検知センサ591及び羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御入力回路を介して払出制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチ、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路を介して払出制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
また、ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号は、払出制御入力回路を介して払出制御MPUの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
払出制御MPUは、その所定の出力ポートの出力端子から払出モータ584を駆動するための駆動信号を出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器に表示するための信号を出力したり、パチンコ機1の状態を示すためのコマンドを主制御基板1310にシリアル方式で送信したり、実際に払出した遊技球Bの球数を外部端子板558に出力したりする。この外部端子板558は、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払出した遊技球Bの球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器(図示は省略)は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「-」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて払出装置350内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出装置350の払出通路580aと払出羽根589との間に遊技球Bがかみ込んで払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいてファールカバーユニット150内に貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、CRユニットに入力される。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポートで受信されて払出制御MPUに入力される。またCRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示される。
[6-2b.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット110の関係では、ハンドル111に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。遊技球Bの発射を許可する旨を伝える主制御基板1310からの発射許可信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル111の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力され。
発射タイミング制御回路は、ハンドルタッチセンサ192からの検出信号に基づいてハンドル111に手のひらや指が触れているという発射条件1が成立し、CR接続信号に基づいてCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されるという発射条件2が成立し、主制御基板1310からの発射許可信号に基づいて遊技球Bの発射が許可されているという発射条件3が成立しなければ、遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力しないため、例えば、発射ソレノイド駆動回路が発射ソレノイド542に駆動信号を出力せず遊技球Bを発射することができない。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル111の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、扉枠3の上皿130に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置330側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板633には、基板ユニット620の電源基板630から各種電圧が供給されている。この払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板633に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「払出制御側キャパシタ」と記載する。)を備えている。この払出制御側キャパシタにより払出制御MPUは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができる。払出制御内蔵RAMの所定領域に記憶された各種情報は、電源投入時にRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)が払出制御MPUへ入力されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)される。このRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)は、主制御基板1310にも出力される。
また、本実施形態では、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bを、払出制御基板633に備えたが、電源基板630に備えるように構成してもよい。この場合、主制御基板1310からの発射許可信号は、電源基板630に直接入力されるように構成してもよいし、払出制御基板633を介して電源基板630へ入力されてもよいし、図示しない中継基板を介して電源基板630へ入力されてもよい。
[6-3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、図64に示すように、主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部1511と、この周辺制御部1511からの制御データに基づいて、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の描画制御を行う演出表示制御部1512と、を備えている。
[6-3a.周辺制御部]
周辺制御基板1510における演出制御を行う周辺制御部1511は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPUと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROMと、高音質の演奏を行う音源ICと、この音源ICが参照する音楽、音声、及び効果音等の音情報が記憶されている音ROMと、を備えている。
周辺制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の駆動モータ或いは駆動ソレノイドに送信したり、扉枠3に設けられた第一昇降駆動モータ175b、第二昇降駆動モータ182等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したり、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を表示制御部用シリアルI/Oポートから演出表示制御部1512に送信したり、するほかに、音ROMから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源ICに出力したりする。
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000における裏第二演出ユニット3200の複数の回転装飾体3210、裏第三演出ユニット3300の上縦リング装飾体3311、下縦リング装飾体3331、左横リング装飾体3351、及び右横リング装飾体3371、等の回転位置や移動位置等を検知するための各種検知センサからの検知信号は、パネル駆動基板1720を介して周辺制御MPUに入力されている。
また、扉枠3に設けられた扉枠演出装置150における演出操作部160の押圧検知センサ165からの検知信号は、周辺制御MPUに入力されている。また周辺制御MPUは、演出表示制御部1512が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が演出表示制御部1512から入力されており、この動作信号に基づいて演出表示制御部1512の動作を監視している。
音源ICは、周辺制御MPUからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROMから音情報を抽出し、扉枠3に設けられた下部スピーカ153a、下部前面スピーカ191、及び上部スピーカ241等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが出力されるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510が収容された周辺制御基板ボックスから後方へ突出しているボリュームを回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。本実施形態では、扉枠3の下部スピーカ153a、下部前面スピーカ191、及び上部スピーカ241に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、或いは、4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができる。
なお、周辺制御部1511は、周辺制御MPUに内蔵された内蔵WDT(ウォッチドックタイマ)のほかに、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)も備えており、周辺制御MPUは、内蔵WDTと外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPUから演出表示制御部1512に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPUから遊技盤5のパネル駆動基板1720に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド等は、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
パネル駆動基板1720は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を、扉枠3に備えられた各装飾基板のLED(LED121a、LED122a、LED138a、LED153c、LED159a、格子装飾LED195、LED213a、上部外頂LED224、上部外谷LED225、上部外縁LED231、格子装飾LED245等)に出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基づいた点灯信号又は点滅信号を遊技盤5に備えられた各装飾基板のLEDに出力したりする。
また、パネル駆動基板1720は、受信した駆動コマンドに基づいた駆動信号を、扉枠3に備えられた第一昇降駆動モータ175b及び第二昇降駆動モータ182や、遊技盤5に備えられた各駆動モータ等に出力したりする。
[6-3b.演出表示制御部]
演出表示制御部1512は、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の描画制御を行うものである。演出表示制御部1512は、詳細な図示は省略するが、マイクロプロセッサとしての表示制御MPUと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する表示制御ROMと、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)と、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に表示される画面の各種データを記憶する画像ROMと、この画像ROMに記憶されている各種データが転送されてコピーされる画像RAMと、を備えている。
この表示制御MPUは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDPを制御して扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の描画制御を行っている。なお、表示制御MPUは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部1511に出力する。また表示制御MPUは、VDPから実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
表示制御ROMは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、画像ROMに記憶されている各種データを画像RAMの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画される画面データを、前もって、画像ROMから画像RAMの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
表示制御MPUは、周辺制御部1511からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。このように、表示制御MPUは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ表示制御ROMから抽出してVDPに出力する。
VDPは、表示制御MPUから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて画像RAMからスプライトデータを抽出して扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に出力する。またVDPは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600が、表示制御MPUからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を表示制御MPUに出力する。なお、VDPは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に出力する方式である。
画像ROMには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。画像ROMの容量が大きくなると、つまり、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画するスプライトの数が多くなると、画像ROMのアクセス速度が無視できなくなり、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速い画像RAMに、画像ROMに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、この画像RAMからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態で画像ROMに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に、纏まった単位として表示されるイメージである。例えば、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に、種々の人物(キャラクタ)を表示させる場合には、夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に複数人の人物を表示させる場合には、複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「スプライトキャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのスプライトキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のスプライトキャラクタを用いて表現することができる。このように、スプライトキャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動される。扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600は、演出表示制御部1512から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として扉枠演出表示装置152や演出表示装置1600の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[6-4.SMDタイプの電子部品の実装]
次に、製造中止電子部品対策について説明する。まず、パチンコ機1の諸事情により、電源基板、主制御基板、払出制御基板などの主基板として扱われる基板については、その表面側である実装面にリードタイプの電子部品を実装して、裏面側であるハンダ面でハンダ付けする必要がある。ところが、リードタイプの電子部品は、上述したように、パチンコ機、スロット、融合遊技機等の遊技機を製造するメーカにおいては、重要なものであるものの、他の一般電機メーカは、小型化可能な面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものを使用している。このため、リードタイプの電子部品の生産数が減少することで製造中止となる場合がある。そこで、SMDタイプの電子部品をリードタイプの電子部品として構成することができるリードタイプ化電子部品を主基板として扱われる基板の実装面に実装することができる。
ところが、このリードタイプ化電子部品として構成すると、リードタイプ化電子部品の外形(形状)は、リードタイプの電子部品の外形(形状)と比べて大きくなるとともに、その一部又は複数に突出部が形成されて歪な外形(形状)となる場合がる。このような外形(形状)を有するリードタイプ化電子部品が主基板として扱われる基板の実装面に実装されると、他の電子部品との位置関係で相互に基板における配置が困難となる場合があるため、SMDタイプの電子部品を上述したリードタイプ化電子部品として構成することが困難となるものがある。そこで、このようなリードタイプ化電子部品に加えて、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等のリードタイプの電子部品のうち、限定的に、SMDタイプの電子部品を主基板として扱われる基板の実装面に実装することが認められる場合がある。
ここでは、主制御基板1310に実装されるSMDタイプのシュミットトリガインバータについて、図65~図68を参照して説明する。図65はSMDタイプの電子部品が主制御基板の表面(実装面)に実装される領域の一部分を拡大した図(a)、この拡大した図を主制御基板の右側から見た図(b)であり、図66はリードタイプの電子部品を代替のSMDタイプの電子部品を所定領域に集約した基板の表面(実装面)の概略図(a)であり、リードタイプの電子部品を代替のSMDタイプの電子部品を集約して小型化した基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)を示す概略図(b)であり、図67は図65の拡大した図における主制御基板の裏面(ハンダ面)を示す図であり、図68は主制御ユニットの主制御基板ボックスの斜視図である。なお、図65及び図67には、図面の見やすさから、説明に必要な電子部品を除いて、他の各種電子部品を省略した。
主制御基板1310に実装されるSMDタイプのシュミットトリガインバータは、リードタイプのシュミットトリガインバータ(DIP(Dual Inline Package)タイプ)と同一の機能を有する代替のものであり、このリードタイプのシュミットトリガインバータが実装された領域であって主制御基板1310の表面(実装面)に配置されている。主制御基板1310に実装されるSMDタイプのシュミットトリガインバータは、上述した各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路を構成する主要回路の1つであり、何らかの不正な手段により主制御基板1310から欠落されると、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、各種センサのうち、遊技球の入球を伝えるものについては常に入球なしと判別し、不正は磁石の接近や不正な振動等の不正行為を伝えるものについては常に不正行為が行われていると判別するようになっている。なお、主制御基板1310には、リードタイプの電子部品として、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の複数種類の電子部品が複数実装されている。
本実施形態では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、図65(a),(b)に示すように、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30(以下、単に「シュミットトリガインバータMIC30」と記載する。)と、シュミットトリガインバータMIC30の近傍にシュミットトリガインバータMIC30自身が発生する雑音電圧を除去することができるリードタイプの高周波バイパスコンデンサMC30(以下、単に「コンデンサMC30」と記載する。)と、が実装されるようになっている。なお、図65(a)には、シュミットトリガインバータMIC30、及びコンデンサMC30を図面の見やすさから省略している。
シュミットトリガインバータMIC30は、6つのシュミットトリガインバータ回路が集積されて1つのSMDパッケージに収容されている。本実施形態では、シュミットトリガインバータMIC30のSMDパッケージとして14ピンを有するSOP(Small Outline Package)を採用している(以下、シュミットトリガインバータMIC30のSMDパッケージを「SOP14」と記載する場合がある)。シュミットトリガインバータMIC30は、SMDパッケージ本体の対向する2辺から7本のリードがリード間距離寸法(いわゆる「リードピッチ」、本実施形態では、1.27mm)を有して外部へ向かって屈曲して突出して形成され、各リードと対応する主制御基板1310の表面(実装面)1310xにのみに形成される矩形状のランドパターンに載置された後に、各リードと主制御基板1310の表面(実装面)1310xにのみに形成される矩形状のランドパターンとがそれぞれハンダ付けされる。各リードの幅寸法は、0.43mmであり、矩形状のランドパターンの幅寸法は、各リードの幅寸法より大きく、0.76mm(矩形状のランドパターンの長さ寸法は、1.27mm)である。なお、SMDパッケージ本体の大きさは、本実施形態では、幅寸法が5.3mm、長さ寸法が10.8mm、高さ寸法が1.5mmを有しており、SMDパッケージ本体の2辺から突出するリードの長さを含めると、シュミットトリガインバータMIC30の幅寸法が7.8mmを有する。
なお、主制御基板1310の表面(実装面)1310xにシュミットトリガインバータMIC30がハンダ付けされるものの、リードタイプの電子部品を主制御基板1310に実装するため、主制御基板1310の裏面をハンダ面とし「主制御基板1310の裏面(ハンダ面)」として記載する(以下、同じ)。
コンデンサMC30は、直方体形状を有する本体から突出する2本のリードがリード間距離寸法(いわゆる「リードピッチ」、本実施形態では、5mm)を有して外部へ向かって平行な直線状に突出して形成され、2本のリードと対応する主制御基板1310の表面(実装面)1310x及び裏面(ハンダ面)1310yを貫通して両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))にそれぞれ形成されるリング状のランドパターン(スルーホールともいう。つまりランドパターン(以下、単に「ランド」と記載する場合がある。)を有するスルーホール。以下、同じ。)のうち、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるリング状のランドパターンから裏面(ハンダ面)1310yに形成されるリング状のランドパターンへ向かって2本のリードが挿入された後に、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるリング状のランドパターンから突出する2本のリードと主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるリング状のランドパターンとがそれぞれハンダ付けされる。2本のリードの径は、0.5mmであり、リング状のランドパターンの内径は、2本のリードの径より大きく、0.7mmである(リング状のランドパターンの外径は、1.5mm)。なお、コンデンサMC3のようなリードタイプの電子部品のリードが挿通されるランドパターンをリードタイプ用のランドパターンと記載する場合がある。
なお、主制御基板1310の表面(実装面)1310xは、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタグランド(基板グランド)(「ベタアース」ともいわれる。)として形成されているとともに、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yも、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタグランド(基板グランド)(「ベタアース」ともいわれる。)として形成されている。主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるベタグランド(基板グランド)と、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタグランド(基板グランド)とは、主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に形成される複数のスルーホール(主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続されることにより、同一のグランド(GND)となっている。スルーホールの内径は、0.3mmである。なお、スルーホールには、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるベタグランド(基板グランド)と、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタグランド(基板グランド)と、を電気的に接続して同一のグランド(GND)とするもののほかに、各種配線パターンを主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に引き回すために用いられるランドパターンを有するものが複数ある。本実施形態では、ランドパターンの外径は0.6mmである。
主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。具体的には、領域MSLKMIC30は、シュミットトリガインバータMIC30の長手方向が図65(a)における左右方向となるように、シュミットトリガインバータMIC30の1番端子となるリードを左下側、7番端子(グランド(GND)端子)となるリードを右下側、8番端子となるリードを右上側、そして14番端子(電源端子)となるリードを左上側へそれぞれ配置する旨を指示するものとなっている。
シュミットトリガインバータMIC30の1番端子~6番端子、及び8番端子~13端子となる各リードと対応する矩形状のランドパターンは、それぞれ対応する制御信号を伝送する各配線パターンと電気的に接続され、シュミットトリガインバータMIC30の7番端子(グランド(GND)端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンは、主制御基板1310の表面(実装面)に形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続され、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンは、電源を供給する配線パターンと電気的に接続される。
シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面には、製造会社名(略称や記号も含む。例えば、「ABC」)及び品番(カタログに掲載される番号であり、例えば、「74XXYYZZ」)が刻印されていたり、又は所定の色(製造会社によって異なる)で印刷されていたりする。ところが、シュミットトリガインバータMIC30は、SOP14というSMDパッケージであり、小型であるため、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面積が小さい。
また、主制御基板1310は、その詳細な後述するが、遊技の進行を制御する重要な制御基板であるため、不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者から主制御基板1310を防止する必要があり、放熱用の通気孔が複数形成される透明なカバー体と透明なベース体とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されて封印されている。この放熱用の通気孔は、主制御基板ボックス1320内の空気を外気へ放出することができるものである。
そうすると、主制御基板1310の各種電子部品の品番(カタログに掲載される番号)を確認する場合には、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態において主制御基板1310の表面(実装面)側を透明なカバー体を通して目視する際に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)や品番(カタログに掲載される番号)が小さく視認し難い。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、図65(a)における領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
また、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。具体的には、領域MSLKMC30は、コンデンサMC30の2本のリードが図65(a)における上下方向となるように、一方のリードを、電源を供給する配線パターンと電気的に接続される上側のリング状のランドパターン、そして他方のリードを、この上側のリング状のランドパターンと対をなす下側のリング状のランドパターンへそれぞれ挿入する旨を指示するものとなっている。
上側のリング状のランドパターンが電気的に接続される配線パターンは、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンとも電気的に接続されている。また、下側のリング状のランドパターンは、主制御基板1310の表面(実装面)に形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続されている。
ここで、SMDタイプの電子部品を主基板として扱われる基板の表面(実装面)に実装する利点について簡単に説明する。SMDタイプの電子部品は、上述したように、リードタイプの電子部品と比べて小型化可能であるため、SMDタイプの電子部品が基板の表面(実装面)に実装される場合における電子部品実装密度は、リードタイプの電子部品が基板の表面(実装面)に実装される場合における電子部品実装密度と比べると、極めて抑制することができる。このため、リードタイプの電子部品が実装される基板の表面(実装面)の領域に対してこのリードタイプの電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品を実装する場合には、SMDタイプの電子部品が小型であることから、SMDタイプの電子部品が実装される基板の表面(実装面)の周囲領域を大きくすることができるとともに、リードタイプの電子部品からSMDタイプの電子部品に代替した部品間の領域も大きくすることができる(つまり、代替した部品間によって基板の表面(実装面)にすき間が多い電子部品の実装態様とすることができる)。これにより、基板の表面(実装面)に実装されるSMDタイプの電子部品を多方向から目視することができるため、SMDタイプの電子部品の不正改変、基板の表面(実装面)とSMDタイプの電子部品との実装状態(ハンダ付け状態)、SMDタイプの電子部品への各種配線パターンや各種ランドパターンの状態を確認することができる。したがって、SMDタイプの電子部品を使用することで不正改変の発見容易性に寄与することができる。
また、SMDタイプの電子部品が実装される基板の表面(実装面)の周囲領域を大きくすることができるとともに、リードタイプの電子部品からSMDタイプの電子部品に代替した部品間の領域も大きくすることができるため、これらの領域(基板の表面(実装面))に対して、SMDタイプの電子部品の品番(カタログに掲載される番号)を、SMDタイプの電子部品のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷することができるし、この品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷することもできる。したがって、SMDタイプの電子部品の認識容易性に寄与することができる。
なお、SMDタイプの電子部品が基板の表面(実装面)が実装されると、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)との距離寸法が極めて短いため(例えば、シュミットトリガインバータMIC30では、その本体裏面と主制御基板1310の表面(実装面)との距離寸法が0.1mm~0.2mmとなっている。)、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)とのすき間に何らかの不正な回路を形成するというゴト行為が行われても、このような不正な回路を発見し難いという問題がある。
そこで、本実施形態では、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)とのすき間に何らかの不正な回路が形成されることを防止する方法として次のような構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に、制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しない構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターン、及び電源を供給する配線パターンを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターン、及び電源を供給する配線パターンを全く配置しない構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域にスルーホールを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の右上と左上とにスルーホールMTHが配置されており、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)にスルーホールMTH(スルーホールの内径:0.3mm)を全く配置しない構成を採用した。このスルーホールMTHは、上述したように、主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続されることにより、同一のグランド(GND)とすることができるものである。なお、このスルーホールMTHのほかに、各種配線パターンを主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に引き回すために図示しないスルーホールMTH’も主制御基板1310に複数存在するものの、このようなスルーホールMTH’も、シュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)にスルーホールMTH’を全く配置しない構成を採用した。なお、図示しないスルーホールMTH’は、スルーホールの内径:0.3mm、ランドパターンの外径:0.6mmを有している。
SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと電気的に接続する配線パターンを、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に形成してSMDタイプの電子部品の外部へ引き出さない構成を採用した。具体的には、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の各リードへの各種配線パターンをシュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に全く配置せず、シュミットトリガインバータMIC30の上方や下方から配置する構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと他のリードとを電気的に接続する配線パターンを短くするために、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しない構成を採用した。具体的には、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の各リードへの各種配線パターンをシュミットトリガインバータMIC30の本体裏面と対応する主制御基板1310の表面(実装面)の領域(換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の本体の下部分を通過する領域)に全く配置せず、シュミットトリガインバータMIC30の上方や下方から配置する構成を採用した。
SMDタイプの電子部品の各リードを主制御基板1310の表面(実装面)に形成される矩形状のランドパターンにハンダ付けすることでランドパターンと電気的に接続される各配線パターンを介すことなく、制御信号を取り出すことができない構成を採用した。具体的には、図65(a)に示すように、シュミットトリガインバータMIC30の各リードを主制御基板1310の表面(実装面)に形成される矩形状のランドパターンにハンダ付けすることでランドパターンと電気的に接続される各配線パターンを介すことなく、制御信号を取り出すことができない構成を採用した。換言すると、シュミットトリガインバータMIC30の各リードと異なる部位から制御信号を取り出すことができない構成を採用した。
このような構成を採用したことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と基板の表面(実装面)とのすき間に、短絡する回路、断線する回路等の新たな回路を不正に形成することが困難とすることができる。また、SMDタイプの電子部品への各種配線パターンを目視することができるようになっているため、SMDタイプの電子部品に対して不正な回路を設けようとする不正行為者の意思を断念させることができる。したがって、SMDタイプの電子部品に対する不正行為を防止することができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)が実装されないように、SMDタイプの電子部品への制御信号と不正な他のICへの制御信号とをSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域において組み合わせて利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しないことにより、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)の種類として、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、制御信号の取り回しが容易となる配置し易いものを選択することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと電気的に接続する配線パターンを、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に形成してSMDタイプの電子部品の外部へ引き出さないことにより、この外部へ引き出される配線パターンを伝送する制御信号を、不正に利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の各リードを主制御基板1310の表面(実装面)に形成される矩形状のランドパターンにハンダ付けすることでランドパターンと電気的に接続される各配線パターンを介すことなく、制御信号を取り出すことでSMDタイプの電子部品の各リードと異なる部位から制御信号を取り出すことができないことにより、配線パターンを伝送する制御信号を、不正に利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の各リードのうち、一のリードと他のリードとを電気的に接続する配線パターンを短くするために、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に制御信号を伝送する各配線パターンを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の各リードと電気的に接続される各配線パターンをSMDタイプの電子部品の上方や下方から配置することで、リードの周辺に不正な回路を形成することができないようにすることができる。なお、SMDタイプの電子部品の各リードのうち、利用しないリード(「空き端子」ともいう。)に対しては、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターンと電気的に接続したり、又は電源を供給する配線パターンと電気的に接続したりする場合に、SMDタイプの電子部品の上方や下方から配置することで空き端子の周辺に不正な回路を形成することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域にスルーホールを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)が実装されないように、スルーホールを介して制御信号を取り出すことができないようにすることができ、スルーホールに不正な他のICを固定(ハンダ付け)できないようにすることができ、スルーホールを通し孔として基板の裏面(ハンダ面)から表面(実装面)への制御信号の取り出しとして利用することができないようにすることができる。
また、SMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)の領域に、グランド(GND)と電気的に接続する配線パターン、及び電源を供給する配線パターンを全く配置しないことにより、SMDタイプの電子部品の本体裏面と、このSMDタイプの電子部品の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)と、の間に、不正な他のIC(SMDタイプの電子部品)が実装されないように、不正な他のICに対する駆動源とならないようにすることができる。
[6-4a.SMDパッケージによる品番の視認性対策]
次に、SMDタイプの電子部品を主基板として扱われる基板の表面(実装面)に集約して実装する構成について説明する。SMDタイプの電子部品は、上述したように、小型化することができるため、集約して実装されることで基板自体の大きさも小型化することができる。ここでは、主基板として主制御基板1310について説明し、この主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で目視する際に、SMDパッケージによる品番の視認性対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2乃至第3実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)について説明する。なお、図66(a),(b)では、図65(a),(b)に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表すとともに、上述した、設定表示器1310g、及びベースモニタ1310h等を図面の見やすさから省略した。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、リードタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータが実装される主制御基板1310の表面(実装面)1310xの領域に対してこのリードタイプの電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、図66(a)に示すように、リードタイプの電子部品である主制御MPU1310a、及びリードタイプの各種コネクタを除いて、リードタイプの各種IC、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装されている。この主制御基板1310’の外形寸法(縦寸法、横寸法、及び厚み寸法)は、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310の外形寸法と同一である。
主制御基板1310’は、その上辺及びその下辺の中点をそれぞれ通る直線を中心線として、この中心線から左側における主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’の領域には各種電子部品及び各種コネクタを配置するための部品配置領域1310xa’として形成されるとともに、この中心線から右側における主制御基板1310’の表面(実装面)の領域には部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストのように表記される情報領域である部品リスト領域1310xb’として形成される。
具体的には、部品配置領域1310xa’には、リードタイプに含まれるZIP(Zigzag Inline Package)タイプの主制御MPU1310a、リードタイプの各種コネクタMCN1~MCN4(その他の図示しない複数のコネクタ)、抵抗MR0~MR4(その他の図示しない複数の抵抗)、コンデンサMC0~MC5,MC30(その他の図示しない複数のコンデンサ)、ダイオードD0(その他の図示しない複数のダイオード)、シュミットトリガインバータMIC30(その他の図示しない各種IC)が実装されている。部品配置領域1310xa’には、これらの各種電子部品及び各種コネクタを配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す図示しない領域がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、これらの各種電子部品及び各種コネクタの近傍には、それぞれ対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。また、各種コネクタは、リードタイプのものを使用しているが、これは、コネクタに配線を接続すると、この配線によるストレス(このストレスは、配線がコネクタに接続されるまでの配線経路における引き回しに伴って生ずる配線の反力がコネクタに働くことによるもの。)により基板から剥がれることを防止するためである。
部品リスト領域1310xb’には、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストがシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。部品番号及び品番の大きさは、部品配置領域1310xa’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている部品番号の大きさと比べて大きく(例えば、3倍~5倍程度大きく)シルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される。部品番号と品番(カタログに掲載される番号)との間に区切り記号「:」が設けられ、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とが連続したものとして識別されないようになっている。この区切り記号により、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを区別して識別することができる。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。また、このような部品の情報を記載することに加えて、遊技機の関する注意事項などを記載してもよい。例えば、「主制御基板は、セキュリティー上重要な基板であり、取り扱いには十分注意してください」等の注意喚起を目的とした記載を行ってもよい。
このように、主制御基板1310’の表面(実装面)の領域を、部品配置領域1310xa’と部品リスト領域1310xb’とに区分することができるため、主制御基板1310’の表面(実装面)に実装される各種電子部品及び各種コネクタを認識し易くすることができる。
なお、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に印刷さされるシルク印刷に代えて、後述する第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における箔抜き領域及び箔抜き文字を採用してもよいし、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における2度塗りのレジストを利用したレジスト抜き領域と2度塗りのレジストを利用した白色レジスト抜き文字とを採用してもよい。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第3実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、リードタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータが実装される主制御基板1310の表面(実装面)1310xの領域に対してこのリードタイプの電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第3実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、図66(b)に示すように、リードタイプの電子部品である主制御MPU1310a、及びリードタイプの各種コネクタを除いて、リードタイプの各種IC、抵抗、コンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品と同一の機能を有する代替のSMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装されている。SMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装することにより、主制御基板1310’の大きさを小型化することができる。この主制御基板1310’の外形寸法(縦寸法、横寸法、及び厚み寸法)は、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310の外形寸法のうち、横寸法のみ半分(縦寸法、及び厚み寸法は同一。)の長さとなっている。
主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’には、各種電子部品及び各種コネクタが配置されている。これらの各種電子部品及び各種コネクタの配置は、上述した第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310’に形成される部品配置領域1310xa’に配置されるものと同一の配置であり(つまり、これらの各種電子部品及び各種コネクタを配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す図示しない領域が同一の配置となってシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。)、これらの各種電子部品及び各種コネクタの近傍にそれぞれ対応する部品番号も同一の配置となってシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。また、各種コネクタは、リードタイプのものを使用しているが、これは、コネクタに配線を接続すると、この配線によるストレス(このストレスは、配線がコネクタに接続されるまでの配線経路における引き回しに伴って生ずる配線の反力がコネクタに働くことによるもの。)により基板から剥がれることを防止するためである。
主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、上述した第2実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310’に形成される情報領域である部品リスト領域1310xb’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストがシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。部品番号及び品番(カタログに掲載される番号)の大きさは、主制御基板1310’の表面(実装面)にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている部品番号の大きさと比べて大きく(例えば、3倍~5倍程度大きく)シルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される。部品番号と品番(カタログに掲載される番号)との間に区切り記号「:」が設けられ、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とが連続したものとして識別されないようになっている。この区切り記号により、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを区別して識別することができる。なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。また、このような部品の情報を記載することに加えて、遊技機の関する注意事項などを記載してもよい。例えば、「主制御基板は、セキュリティー上重要な基板であり、取り扱いには十分注意してください」等の注意喚起を目的とした記載を行ってもよい。
また、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、上述したZIPタイプの主制御MPU1310a(図中、部品番号「MIC1」として記載。)の各リード、及びリードタイプの電子部品であるコンデンサMC0~MC5,MC30、抵抗MR0~MR4の各リードが主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’から突出して主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’にハンダ付けされている部分(図中、中黒丸(●)として記載。)を有するが、この部分と重ならないように(避けるように)、部品番号及び品番(カタログに掲載される番号)が主制御基板1310’に形成される部品リスト領域1310xb’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
このように、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’を部品配置のための領域とするとともに、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’を部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストとして利用するための領域とすることにより、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’と主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’との役割を区分することができるため、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装される各種電子部品及び各種コネクタを認識し易くすることができる。
また、SMDタイプの電子部品を集約して主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’に実装することにより、主制御基板1310’の大きさを小型化することができるため、リードタイプの電子部品を実装する時に必要となるリング状のランドパターンの数を決めて低減することができる。これにより、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、リードタイプの電子部品の各種リードが突出してハンダ付けされた部分の数も少なくなることにより主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’をフラットな面として形成することができる。
また、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’から突出したリードタイプの電子部品の各種リードは、ハンダ付けされているため、蛍光灯などの光があたると反射して眩しく感じてハンダ付け部分を視認し難くなるという弊害が生ずる場合があるものの、上述したように、主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’には、リードタイプの電子部品の各種リードが突出してハンダ付けされた部分の数も少なくなることにより主制御基板1310’の裏面(ハンダ面)1310y’をフラットな面として形成することができるため、このフラットな面において蛍光灯などの光があたっても、シルク印刷された部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストが視認し難くなるという弊害が生じない。
なお、主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’及び裏面(ハンダ面)1310y’に印刷さされるシルク印刷に代えて、後述する第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における箔抜き領域及び箔抜き文字を採用してもよいし、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における2度塗りのレジストを利用したレジスト抜き領域と2度塗りのレジストを利用した白色レジスト抜き文字とを採用してもよい。
ところで、一般電機メーカでは、各層に各種配線パターンを形成することができる多層基板を使用している。しかし、遊技機に使用される主制御基板や払出制御基板は、セキュリティーを高めるために基板の表面(実装面)と裏面(ハンダ面)とに各種配線パターンを形成する2層基板(「両面基板」ともいう。)が採用され、リードタイプの電子部品又はSMDタイプの電子部品であるか否かを問わず、基板の表面(実装面)にのみ各種電子部品を実装する必要がある。例えば、セキュリティーを高めるために、主制御基板の表面(実装面)には、リードタイプに含まれるZIPタイプの主制御MPU1310aが実装される必要があるとともに、リードタイプの電子部品を実装して利益があるものに対しては、SMDタイプの電子部品を使用せず、このリードタイプの電子部品が実装される。
主制御基板や払出制御基板の表面(実装面)にSMDタイプの電子部品とリードタイプの電子部品とが同居して実装される場合には、主制御基板や払出制御基板の表面(実装面)にリードタイプの電子部品のみが実装される場合と比べると、主制御基板や払出制御基板の裏面(ハンダ面)から突出するリードタイプの電子部品の各リードの数が少なくなる。これにより、主制御基板や払出制御基板の裏面(ハンダ面)に各種配線パターンを形成する領域として使用する面積を増やすことができるとともに、他の機能に利用する領域として使用する面積も獲得することができる。
そこで、例えば、主制御基板の裏面(ハンダ面)における上述した面積が増えた領域に、量産機として生産される主制御基板には実装しないが、SMDタイプの各種ICやSMDタイプの各種コネクタを実装するための各種ランドパターンを形成したり、信号を取り出すパッドパターンを形成したりすることができる実装用ランドパターン等形成領域1310ya’(図66(b)を参照。)を設けることができる。量産機として生産される主制御基板では、実装用ランドパターン等形成領域1310ya’における各種ランドパターンやパッドパターンにSMDタイプの電子部品が実装されないため、実装用ランドパターン等形成領域1310ya’における各種ランドパターンやパッドパターンが未実装パターンとなり、実装用ランドパターン等形成領域1310ya’が空き領域となる。
このような未実装パターンが主制御基板の表面(実装面)に形成される場合には、未実装パターンが形成される領域により、主制御基板の表面(実装面)における各種電子部品及び各種コネクタの配置や各種配線パターンの引き回しが制限を受けることとなるのに対して、このような未実装パターンが主制御基板の裏面(ハンダ面)に形成される場合には、主制御基板の表面(実装面)における各種電子部品及び各種コネクタの配置や各種配線パターンの引き回しの制限を受けずに済み主制御基板の表面(実装面)の領域全体を有効的に利用することができる。
また、このような未実装パターンが主制御基板の裏面(ハンダ面)に形成されることにより、主制御基板の表面(実装面)から視認できず、未実装パターンの存在を隠すことができるため、セキュリティー上好ましい。
なお、このような未実装パターンのうち一部を都合により主制御基板の表面(実装面)に形成するようにしてもよい。例えば、コネクタ(SMDタイプのコネクタ)は、主制御基板の表面(実装面)に配置された方が配線との接続がし易い場合がある。
また、このような未実装パターンのうち一部を都合によりリードタイプの電子部品やリードタイプのコネクタとして形成するようにしてもよい。例えば、抜き差し回数が多いコネクタ等のようにハンダ付け強度が必要となる場合を挙がることができる。
次に、主制御基板1310が主制御基板ボックス1320に収容された状態で目視する際に、SMDパッケージである小型のシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面積が小さいことにより製造会社名(略称や記号も含む。)及び品番(カタログに掲載される番号)が小さくなって視認し難いというSMDパッケージによる品番の視認性対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第4乃至第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)について説明する。なお、図67(a)~(c)では、図65(a),(b)に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表した。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、図67(a)に示すように、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’がシルク印刷として白色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。この部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく印刷されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして印刷することができるからである。
また、第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pに代えて、この品番MSLKMIC30pが、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yであって領域MSLKMIC30’の近傍下方に情報領域を設けてこの情報領域内に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
品番MSLKMIC30pは、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pの大きさと同一であってもよいし、大きくてもよい。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、品番MSLKMIC30pの大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、品番MSLKMIC30pの大きさを大きくして印刷することができるからである。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
また、第4実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。この部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく印刷されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして印刷することができるからである。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
これに対して、第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、図67(b)に示すように、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が箔抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が箔抜き文字として形成されている。
箔抜き領域は、各種配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、及び各種ランドパターンを除いて、銅箔である配線パターンで鎖線を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される領域である。箔抜き領域として形成される領域MSLKMIC30’は、図67(b)における左側の一部に切り欠き部1310yMIC30がされている。これにより、領域MSLKMIC30’がカタカナのコ字状となり、切り欠き部1310yMIC30を介して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタグランド(基板グランド)と、コ字状の領域MSLKMIC30’の内側領域とが電気的に接続された状態とすることができる。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xにはシュミットトリガインバータMIC30が実装されているため、この実装される領域と対応するシュミットトリガインバータMIC30の裏面(ハンダ面)においてグランド(GND)の領域をできるだけ確保することでシュミットトリガインバータMIC30がノイズによる誤動作することを防止する(ノイズに対して強くする)ことができるからである。
箔抜き文字は、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字として形成されている。箔抜き文字として形成される部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく箔抜き文字として形成されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして箔抜き文字として形成することができるからである。
また、第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pに代えて、この品番MSLKMIC30pが、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yであって領域MSLKMIC30’の近傍下方に情報領域を設けてこの情報領域内に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように箔抜き文字として形成されている。箔抜き文字は、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字として形成されている。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
箔抜き文字として形成される品番MSLKMIC30pは、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pの大きさと同一であってもよいし、大きくてもよい。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では品番MSLKMIC30pの大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、品番MSLKMIC30pの大きさを大きくして箔抜き文字として形成することができるからである。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)が箔抜き文字として形成されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように箔抜き文字として形成されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
また、第5実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が箔抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号が箔抜き文字として形成されている。箔抜き領域は、各種配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、及び各種ランドパターンを除いて、銅箔である配線パターンで鎖線を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される領域である。箔抜き文字は、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字として形成されている。箔抜き文字として形成される部品番号は、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく箔抜き文字として形成されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして箔抜き文字として形成することができるからである。
なお、箔抜き領域、及び箔抜き文字をそれぞれ形成する配線パターンは、各種電子部品と電気的に絶縁されて形成されているとともに、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターン、及び主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に絶縁されて形成されている。
[第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成と第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成との対比]
第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されるとともに、この領域MSLKMIC30の近傍であって左下方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、領域MSLKMIC30の近傍であって右方に情報領域を設けてこの情報領域内にシュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pがシュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるようにシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、上述したように、シュミットトリガインバータMIC30の14番端子(電源端子)となるリードと対応する矩形状のランドパターンの近傍に配置されるように、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30がシルク印刷として白色の実線(又は、黒色の実線)で印刷されているとともに、この領域MSLKMC30の近傍であって右上方にコンデンサMC30と対応する部品番号がシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。
また、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310のレジストとして緑色を採用しており、主制御基板1310の表面(実装面)全体及び裏面(ハンダ面)全体が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
これに対して、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、図67(c)に示すように、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
また、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成において主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pに代えて、この品番MSLKMIC30pを、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yであって領域MSLKMIC30’の近傍下方に、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
また、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、さらに、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として鎖線で形成されるとともに、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
具体的には、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yが各種ランドパターンを除いて全体に白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMIC30と対応する位置に、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が鎖線状に白色レジスト抜き領域としてマスクされ、この領域MSLKMIC30’の近傍であって左上方にシュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字としてマスクされ、この領域MSLKMIC30’の近傍であって下方に情報領域を設けてこの情報領域内に、シュミットトリガインバータMIC30の品番MSLKMIC30pが白色レジスト抜き文字としてマスクされ、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される領域MSLKMC30と対応する位置に、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が鎖線状に白色レジスト抜き領域としてマスクされ、この領域MSLKMC30’の近傍であって左上方にコンデンサMC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字としてマスクされる。
このようにマスクされた状態で、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yの全体が各種ランドパターンを除いて白色のレジストがベタ塗りされることで白色のレジストにより覆われている。つまり、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、主制御基板1310の表面(実装面)全体は、緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされている。
これにより、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、シュミットトリガインバータMIC30を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域MSLKMIC30’が白色レジスト抜き領域として鎖線で形成され、シュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字として形成され、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される品番(カタログに掲載される番号)MSLKMIC30pが白色レジスト抜き文字として形成され、コンデンサMC30を配置する位置(コンデンサMC30に極性がないため向きの指定がない。)を示す領域MSLKMC30’が鎖線で形成され、コンデンサMC30と対応する部品番号が白色レジスト抜き文字として形成される。したがって、シュミットトリガインバータMIC30の品番(カタログに掲載される番号)を確実に視認することができる。
シュミットトリガインバータMIC30と対応する部品番号を白色レジスト抜き文字として形成する場合には、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きなものとして形成されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして白色レジスト抜き文字として形成することができるからである。
品番MSLKMIC30pを白色レジスト抜き文字として形成する場合には、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成における主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される品番MSLKMIC30pの大きさと同一であってもよいし、大きくてもよい。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、第1実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では品番MSLKMIC30pの大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、品番MSLKMIC30pの大きさを大きくして白色レジスト抜き文字として形成することができるからである。
なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)が白色レジスト抜き文字として形成されていてもよい。この場合、シュミットトリガインバータMIC30のパッケージ本体表面に刻印又は印刷される製造会社名(略称や記号も含む。)の大きさと比べて視認し易い大きさとなるように白色レジスト抜き文字として形成されていることが好ましい。これにより、シュミットトリガインバータMIC30の製造会社名(略称や記号も含む。)を確実に視認することができる。
コンデンサMC30と対応する部品番号を白色レジスト抜き文字として形成する場合には、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに印刷される大きさと比べて大きく印刷されている。これは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには各種電子部品が複数実装されているため、部品番号の大きさを小さくして対応する電子部品の近傍に配置して印刷する必要があるのに対して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yには電子部品が実装されないため、部品番号の大きさを大きくして白色レジスト抜き文字として形成することができるからである。
なお、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、主制御基板1310の表面(実装面)全体は、緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているが、主制御基板1310の表面(実装面)全体も白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているように構成してもよい。この場合、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域がシルク印刷として主制御基板1310の表面(実装面)に濃い緑色、黒色、灰色等の暗色の実線で印刷されるとともに、各種電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として主制御基板1310の表面(実装面)に濃い緑色、黒色、灰色等の暗色の文字として印刷される。このように構成することにより、他の基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされていることでこれらの他の基板に対して主制御基板1310を際立たせることができるという特徴を持たせることができる。また、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品のうち、SMDタイプの電子部品の品番(この品番に加えて製造会社名(略称や記号も含む。)も併記する場合)も、主制御基板1310の表面(実装面)にシルク印刷として印刷されるようにしてもよい。
なお、主制御基板1310の表面(実装面)全体を白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているように構成するほかに、主制御基板1310の表面(実装面)全体を、1度目(下地)と2度目とのレジストの色を異なる色とする2度塗りの異色のレジストを利用してシルク印刷として印刷されるように構成してもよい。1度目(下地)として主制御基板1310の表面(実装面)全体を、各種ランドパターンを除いて、白色でシルク印刷として印刷したのちに、続いて、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域と、各種電子部品と対応する部品番号と、をそれぞれマスクした状態で、2度目として主制御基板1310の表面(実装面)全体を、各種ランドパターンを除いて、黒色、青色、黄色、及び赤色のうちいずれかの色でシルク印刷として印刷してもよい。このように構成しても、他の基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)が緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされていることでこれらの他の基板に対して主制御基板1310を際立たせることができるという特徴を持たせることができる。また、各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域と、各種電子部品と対応する部品番号と、を視認することができる。
また、第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成では、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)全体が白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているのに対して、主制御基板1310の表面(実装面)全体は、緑色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているが、主制御基板1310の表面(実装面)全体も白色のレジストで各種ランドパターンを除いてベタ塗りされているように構成してもよい。この場合、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品の配置する位置(向きの指定も含む場合がある。)を示す領域を主制御基板1310の表面(実装面)に白色レジスト抜き領域として実線で形成するとともに、各種電子部品と対応する部品番号を主制御基板1310の表面(実装面)に白色レジスト抜き文字として形成する。また、主制御基板1310の表面(実装面)に実装される各種電子部品のうち、SMDタイプの電子部品の品番(この品番に加えて製造会社名(略称や記号も含む。))も、主制御基板1310の表面(実装面)に白色レジスト抜き文字として形成してもよい。
[6-4b.SMDタイプの電子部品の改変防止対策]
次に、SMDタイプの電子部品という小型化された電子部品が主制御基板1310の表面(実装面)に実装されることにより、不正な電子部品に交換して、不正な遊技球を獲得する不正行為を防止する点について説明する。
主制御基板1310の表面(実装面)に実装されるSMDタイプの電子部品であるシュミットトリガインバータMIC30は、上述したように、SMDパッケージ本体の大きさとして、幅寸法が5.3mm、長さ寸法が10.8mm、高さ寸法が1.5mmを有しており、SMDパッケージ本体の2辺から突出するリードの長さを含めると、シュミットトリガインバータMIC30の幅寸法が7.8mmを有する。
主制御基板1310は、遊技の進行を制御する重要な制御基板であるため、不正な改変を行って不正な遊技球を獲得する者から主制御基板1310を防止する必要があり、放熱用の通気孔が複数形成される透明なカバー体と透明なベース体とから構成される主制御基板ボックス1320に収容されて封印されている。主制御基板ボックス1320は、図68に示すように、カバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられている。このカシメ部1303は、封印機構であり、複数備えている。一つの封印機構を用いてカバー体1301とベース体1302とがカシメ部1303のワンウェイネジ等によりカシメられることで主制御基板ボックス1320を閉じることができ、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要がある。つまり、その封印機構を破壊しない限り、カバー体1301をベース体1302から取り外すことができない構造となっている。
ところが、主制御基板ボックス1320に細い針金等の何らかの不正な手段によって、主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30を剥がして、このSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30から不正な電子部品へ交換されると、このような不正な改変を行う者に不正な遊技球が獲得されるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図68に示すように、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30の大きさと比べて小さい内径(本実施形態では、2mm)を有する通気孔1301zを透明なカバー体1301に複数形成する構成を採用した。これにより、仮に、主制御基板ボックス1320に細い針金等の何らかの不正な手段によって、主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30が剥がされたとしても、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30を、通気孔1301zを介して、主制御基板ボックス1320から取り出すことができない。したがって、SMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30から不正な電子部品へ交換されることを防止することができる。
また、シュミットトリガインバータMIC30は、上述したように、各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路を構成する主要回路の1つであり、何らかの不正な手段により主制御基板1310から欠落されると、主制御MPU1310aは、各種センサのうち、遊技球の入球を伝えるものについては常に入球なしと判別し、不正は磁石の接近や不正な振動等の不正行為を伝えるものについては常に不正行為が行われていると判別するようになっている。これにより、主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30が剥がされることにより、シュミットトリガインバータMIC30が欠落すると、不正な改変を行う者に対して、入球なしの状状態が維持されることで不正な遊技球が獲得されることがないし、不正行為の報知が実行されることで不正な改変が行われた旨を遊技状(ホール)のホールコンピュータへ伝えるとともに遊技ホールの店員等の係員へも伝えることができる。また、主制御MPU1310aは、各種センサのうち、不正は磁石の接近や不正な振動等の不正行為を伝えるものについては常に不正行為が行われていると判別すると、上述したように、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して遊技球を遊技領域5aに向かって打ち出すことができないように制御するようになっているため、不正な改変が行われると、遊技を全く行うことができない状態となる。
なお、上述した実施形態では、SMDタイプの電子部品としてSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30を主制御基板1310の表面(実装面)に実装する点について説明したが、他のSMDタイプの電子部品として、例えば抵抗を主制御基板1310の表面(実装面)に実装する場合には、このSMDタイプの抵抗が主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれて通気孔1301zを介して主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出さないように、通気孔1301zの内径をSMDタイプの抵抗の大きさより小さくする必要がある。
このようなSMDタイプの抵抗は、小型であるため、主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちても、主制御基板1310の表面(実装面)に実装されているか否かを視認して判別することが難しい場合がある。また、主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちたSMDタイプの抵抗が通気孔1301zを介して主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出すと、主制御基板ボックス1320の内部下側にその剥がれ落ちたSMDタイプの抵抗の痕跡がなくなるため、主制御基板1310の表面(実装面)に実装されているか否かを視認して判別することがますます難しくなる。
そこで、SMDタイプの抵抗として、例えば、JIS規格1/8ワット2012タイプを採用した場合には、この2012タイプでは、長さ寸法が2.0mm、幅寸法が1.2mmとなる。このような小型のSMDタイプの抵抗では、主制御基板1310のたわみによって主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちるという不具合が発生した場合であっても、主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出さないように、通気孔1301zの内径を小型のSMDタイプの抵抗の長さ寸法及び幅寸法のうちいずれか小さい方の寸法(ここでは、幅寸法の1.2mm)と比べて小さいもの(ここでは、例えば、1.0mm)とする。
これにより、小型のSMDタイプの抵抗が主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちても、通気孔1301zを介して、主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出すことを確実に防止することができるため、この剥がれ落ちた小型のSMDタイプの抵抗を主制御基板ボックス1320の内部で視認する機会を得ることができるし、主制御基板ボックス1320を上下方向又は左右方向へ振れば、この剥がれ落ちが小型のSMDタイプの抵抗が主制御基板ボックス1320の内壁や主制御基板1310に衝突することで音が発生し、この音により、剥がれ落ちた小型のSMDタイプの抵抗を認識する機会を得ることができる。なお、この小型のSMDタイプの抵抗のほかに、リードタイプのコンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品に代えて、SMDタイプのコンデンサ、ダイオード、コイル、LED等の電子部品を採用した場合には、通気孔1301zの内径を、これらのうち最も小さい寸法と比べて小さいものとする。
このように、小型のSMDタイプの電子部品が主制御基板1310の表面(実装面)から剥がれ落ちても、通気孔1301zを介して、主制御基板ボックス1320の内部から外部へ飛び出すことを確実に防止することができる。したがって、主制御基板1310のたわみによって主制御基板1310の表面(実装面)からSMDタイプの電子部品が剥がれ落ちるという不具合を発見することができる蓋然性を高めることができる。
なお、上述した実施形態(第1~第6実施形態に係るSMDパッケージによる品番の視認性対策の構成を含む。)では、SMDタイプの電子部品を主制御基板1310の表面(実装面)に実装する点について説明したが、電源基板630、払出制御基板633などの主基板として扱われる基板についてもSMDタイプの電子部品を表面(実装面)に実装することができる。
[6-4c.試験用コネクタ]
パチンコ機1は、特定の試験機関において試験され、この特定の試験機関の認可を受けない限り遊技ホールに出荷することができない。主制御基板1310は、遊技に関する各種信号を取り出すための試験用コネクタ1310kが設けられている。この試験用コネクタ1310kは、SMDタイプの電子部品である。試験用コネクタ1310kは、ストレートSMDタイプのコネクタ(コネクタの各ピンが主制御基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に対して垂直方向に平行して配置されるタイプ。)であって、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるときには主制御基板1310の表面(実装面)に通常実装されるとともに、試験用コネクタ1310kと対向する透明なカバー体1301に試験用ハーネスを試験用コネクタ1310kへ取り付けるための試験用ハーネスカバー体側開口部1301kが形成されるのに対して、パチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産されるときには主制御基板1310に実装されず、かつ、透明なカバー体1301に試験用ハーネスカバー体側開口部1301kが形成されないようになっている。このため、量産機として生産される主制御基板1310は、試験用コネクタ1310kを実装する領域が主制御基板1310の表面(実装面)に空き領域として形成されることとなる。
そこで、本実施形態では、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるときには試験用コネクタ1310kを主制御基板1310の裏面(ハンダ面)における実装用ランドパターン等形成領域1310ya’(図66(b)を参照。)に実装するとともに、試験用コネクタ1310kと対向する透明なベース体1302に試験用ハーネスを試験用コネクタ1310kへ取り付けるための試験用ハーネスベース体側開口部1302kを形成する構成を採用した。これにより、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるとき場合、及びパチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産される場合でも、主制御基板1310の表面(実装面)に試験用コネクタ1310kを実装する領域が空き領域として形成されることがなくなることにより、主制御基板1310の表面(実装面)に他のSMDタイプの電子部品を実装することができる。したがって、主制御基板1310の表面(実装面)における各種電子部品の配置の自由度を高めることができる。
また、このように構成することにより、特定の試験機関でパチンコ機1の試験を開始する準備として、試験作業者は、まず遊技盤5の基板ホルダ1200から主制御基板ボックス1320を取り外したのちに、続いて、特定の試験機関に設置される試験装置と電気的に接続された試験用ハーネスを、透明なベース体1302に形成される試験用ハーネスベース体側開口部1302kを介して、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)における実装用ランドパターン等形成領域1310ya’に実装される試験用コネクタ1310kと電気的に接続する。続いて、試験作業者は、主制御基板ボックス1320を基板ホルダ1200に取り付ける。この状態では、試験用ハーネスが主制御基板ボックス1320の透明なベース体1302と基板ホルダ1200とにより挟持されて保持された(ホールドされた)状態とすることがきるため、試験用コネクタ1310kへ向かって試験用ハーネスが押し込む方向に負荷を加えることによりパチンコ機1に備える各種電気的駆動源により作動する可動体による振動により試験用コネクタ1310kと試験用ハーネスとの電気的な接続が不安定となることを防止することができるとともに、パチンコ機1の試験において遊技に関する重要な各種信号を取り出す試験用ハーネスがねじれて断線することを防止することもできる。
なお、本実施形態では、試験用コネクタ1310kとして、ストレートSMDタイプのコネクタ(コネクタの各ピンが主制御基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に対して垂直方向に平行して配置されるタイプ。)を採用したが、ライトアングルSMDタイプのコネクタ(コネクタの各ピンが主制御基板の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に対して平行して配置されるタイプ。)を主制御基板の裏面(ハンダ面)であって左辺、下辺、右辺、及び上辺のうちいずれかの近傍に実装するとともに、試験用コネクタ1310kと対向する透明なカバー体1301の側壁(透明なカバー体1301の左側壁、下側壁、右側壁、及び上側壁のうち試験用コネクタ1310kと対向する側壁)に試験用ハーネスを試験用コネクタ1310kへ取り付けるための試験用ハーネスカバー体側開口部1301kを形成する構成を採用してもよい。このように構成しても、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産されるとき場合、及びパチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産される場合でも、主制御基板1310の表面(実装面)に試験用コネクタ1310kを実装する領域が空き領域として形成されることがなくなることにより、主制御基板1310の表面(実装面)に他のSMDタイプの電子部品を実装することができる。したがって、主制御基板1310の表面(実装面)における各種電子部品の配置の自由度を高めることができる。また、特定の試験機関でパチンコ機1の試験を開始する準備として、試験作業者は、まず図24に示した遊技盤5の基板ホルダ1200から主制御基板ボックス1320を取り外すことなく、特定の試験機関に設置される試験装置と電気的に接続された試験用ハーネスを、透明なカバー体1301に形成される試験用ハーネスカバー体側開口部1301kを介して、主制御基板の裏面(ハンダ面)に実装される試験用コネクタ1310kと電気的に接続することができる。
因みに、従来より、遊技情報を特定の試験機関における試験装置に伝送するためのケーブルが接続される試射試験端子(試験用コネクタ)が遊技制御装置(遊技制御基板)に設けられる遊技機が提案されている(例えば、特開2013-128621号公報(段落[0054]、及び図6))。ところで、この文献に記載される遊技機では、特定の試験機関で試験される場合には遊技制御基板の表面に試験用コネクタが実装されるのに対して、遊技ホールで使用される場合には遊技制御基板の表面に試験用コネクタが実装されずに空き領域となるため、この空き領域により遊技制御基板の表面における各種電子部品の配置の自由度を高めることができないという問題があった。
また、従来より、表面実装タイプの電子部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014-144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、この文献に記載される遊技機における表面実装タイプの電子部品では、表面実装タイプの電子部品と対応する品番等の識別子が付されている場合があるものの、表面実装タイプの電子部品の大きさが小さくて識別子を視認し難いという問題があった。
また、従来より、表面実装タイプの電子部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014-144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、この文献に記載される遊技機における表面実装タイプの電子部品が遊技の進行を制御することができる遊技制御基板に実装される場合には、何らかの不正な手段により表面実装タイプの電子部品を遊技制御基板から剥がして不正な電子部品と交換して不正な遊技球が獲得されるというおそれがあった。
また、従来より、押圧操作部を操作して操作時のクリック感でスイッチがオン又はオフとなるのを体感することができるタクトスイッチ等を基板に設ける遊技機が提案されている(例えば、特開2017-023427号公報(段落[0071]、及び図21))。ところで、この文献に記載されるタクトスイッチ等の電子部品は、その各リートが基板に設けたスルーホールに基板の表面から裏面へ向かって挿入されて基板の裏面側でハンダ付けされるリードタイプの電子部品である。このようなリードタイプの電子部品が例えば遊技の進行を制御する遊技制御基板等の基板に実装されると、リードタイプの電子部品が操作されたことに伴って基板がたわむと、このたわみにより基板に実装された他の電子部品のハンダ付け部分が剥がれて電気的な不具合が発生するおそれがあった。
また、従来より、各種制御基板が遊技盤背面の所定位置に配設される遊技機が提案されている(例えば、特開2013-128621号公報(段落[0032]~段落[0034]、及び図3))。ところで、遊技の進行を制御する遊技制御基板は、遊技者に利益を付与するか否かを判定する重要な基板であるため、封印構造を有する基板ケースに収容され、不正改変等の不正行為の防止対策が求められている。
また、従来より、表面実装部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014-144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、この文献に記載される遊技機における表面実装部品が遊技の進行を制御することができる遊技制御基板に実装される場合には、表面実装部品が実装される遊技制御基板の表面の領域内に配線パターンを引き回すと、表面実装部品の裏面と遊技制御基板の表面との距離寸法が小さいため、この配線パターンに何らかの不正な手段により改変されても、視認困難となり、表面実装タイプの電子部品に対する不正行為を防止することができないという問題が生ずる。
また、従来より、遊技の制御を行う主制御基板がケースに収容された状態で裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特開2016-214975号公報(段落[0030]、段落[0031]、及び図2)。ところで、この文献に記載される遊技機のように、主制御基板は、遊技を制御する重要なものであるため防犯対策としてケースに収容されて封印された状態で裏側に配置されており、防犯上重要なものに対して防犯性を高めることが求められる。
[主制御基板表面実装化の検査機対応]
次に、主制御基板1310に実装されるSMDタイプの電子部品が実装化された場合における検査機での対応について図69を参照して説明する。図69は主制御基板の表面(実装面)を示す図(a)であり、主制御基板の裏面(ハンダ面)を主制御基板の表面(実装面)を通して見た場合を示す図(b)であり、(a)におけるW-W線の断面の概略図(c)である。なお、図69には、説明に用いる各種配線パターンや基板グランド(GND)(以下、「ベタグランド」と記載する場合がある。)を図面の見易さから省略すると共に、コンデンサ等の電子部品や箔抜きした各種領域も図面の見易さから省略した。
リードタイプの電子部品のみが実装されている主制御基板1310の電気検査(ファンクションテスタ(いわゆる、「FCT」)やインサーキットテスト(いわゆる、「ICT」))を行う場合には、主制御基板1310に実装される各電子部品のリードに対して検査機におけるジグのコンタクトプローブの先端部(以下、単に「コンタクトプローブ」と記載する。)を接触させる方法で行う。この電気検査では、コンタクトプローブと接触するランドパターンの外径としてコンタクトプローブ接触最小径(本実施形態では、1.5mm)以上が推奨されていると共に、各ランドパターン間(つまり、一のランドパターンの中心点と他のランドパターンの中心点との間)の最小寸法距離としてコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上が推奨されている。
なお、主制御基板1310の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に配線パターンを引き回すことができる通常のランドパターンを有するスルーホール(以下、「通常のスルーホール」と記載する場合がある。)は、通常のランドパターンの外径が、上述したように、0.6mmであり、コンタクトプローブ接触最小径(本実施形態では、1.5mm)に満たない。このため、通常のランドパターンもコンタクトプローブと接触することができる場合があるものの、電気的な接続性を考えると、電気検査において利用することができない。
ところが、主制御基板1310にリードタイプの電子部品に加えてSMDタイプの電子部品が実装されている場合には、SMDタイプの電子部品のリードがハンダ付けされるパッドの表面積が極めて小さいし、SMDタイプの電子部品のリード間距離寸法(リードピッチ)が極めて狭いため、コンタクトプローブをSMDタイプの電子部品のリードに接触させると、このリードと隣り合う他のリードとも接触することとなり、主制御基板1310にリードタイプの電子部品のみが実装されている場合に使用するコンタクトプローブを流用することができないという問題がある。
周辺制御基板1510にSMDタイプの電子部品を実装した場合には、SMDタイプの電子部品のリードと電気的に接続されたテストパッドを周辺制御基板1510の表面(実装面)又は周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)に設けることで、SMDタイプの電子部品のリード間距離寸法(リードピッチ)が極めて狭くても、テストパッドにコンタクトプローブを接触させることができる。
ところが、主制御基板1310は、周辺制御基板1510と異なり、遊技機ならではの規則や申し合わせ(遊技機の認定及び型式の検定等に関する規則)上、テストパッドを主制御基板1310の表面(実装面)及び主制御基板1310の裏面(ハンダ面)に設けることが禁止されている。
ここで、例えば、図69(a)に示すように、SMDタイプの電子部品であるロジックICSMD1(以下、「SMDタイプの電子部品SMD1」と記載する。)と、SMDタイプの電子部品であるロジックICSMD2(以下、「SMDタイプの電子部品SMD2」と記載する。)と、が主制御基板1310の表面(実装面)1310xに実装されて、2つのSMDタイプの電子部品SMD1,SMD2によりロジック回路が形成される場合について説明する。
2つのSMDタイプの電子部品SMD1,SMD2は、上述したシュミットトリガインバータMIC30と同一のSMDパッケージ(SOP14)であり、1番端子となるリードを左下側、7番端子(グランド(GND)端子)となるリードを右下側、8番端子となるリードを右上側、そして14番端子(電源端子)となるリードを左上側へそれぞれ配置されると共に、SMDパッケージ本体の対向する2辺から7本のリードがリード間距離寸法(いわゆる「リードピッチ」、本実施形態では、1.27mm)を有して外部へ向かって屈曲して突出して形成され、各リードと対応する主制御基板1310の表面(実装面)1310xにのみに形成される矩形状のランドパターンに載置された後に、各リードと主制御基板1310の表面(実装面)1310xにのみに形成される矩形状のランドパターンとがそれぞれハンダ付けされる。各リードの幅寸法は、0.43mmであり、矩形状のランドパターンの幅寸法は、各リードの幅寸法より大きく、0.76mm(矩形状のランドパターンの長さ寸法は、1.27mm)である。SMDパッケージ本体の大きさは、本実施形態では、幅寸法が5.3mm、長さ寸法が10.8mm、高さ寸法が1.5mmを有しており、SMDパッケージ本体の2辺から突出するリードの長さを含めると、2つのSMDタイプの電子部品SMD1,SMD2の幅寸法が7.8mmを有する。
SMDタイプの電子部品SMD1とSMDタイプの電子部品SMD2と、が主制御基板1310の表面(実装面)1310xに実装されて、2つのSMDタイプの電子部品SMD1,SMD2によりロジック回路が形成されると、SMDタイプの電子部品SMD1のリードとSMDタイプの電子部品SMD2のリードとが電気的に接続される配線パターンが主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面に形成されることとなる。この場合には、上述したように、SMDタイプの電子部品のリード間距離寸法(リードピッチ)が極めて狭いため、コンタクトプローブをSMDタイプの電子部品SMD1やSMDタイプの電子部品SMD2のリードに接触させると、このリードと隣り合う他のリードとも接触することとなり、リードタイプの電子部品のみで実装されている場合に使用するコンタクトプローブを流用することができない。
そこで、本実施形態では、図69(a),(b)に示すように、SMDタイプの電子部品SMD1のリードとSMDタイプの電子部品SMD2のリードとが電気的に接続される配線パターンには、部分的に一対となる検査機用ランドパターンを有するスルーホールを介して、主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面と主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面とにそれぞれ形成されるようになっている。
具体的には、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードと、を電気的に接続する配線パターンTR1は、配線パターンを主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面に直線状又は折れ線上に直接引き回す経路を形成するのではなく、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードと、が近傍に配置されているものの、SMDタイプの電子部品SMD2の12番端子となるリードと電気的に接続される配線パターンTRが障害物となっているため、通常の配線パターンの引き回しとして、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと電気的に接続される配線パターンTR1aと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が通常のランドパターンを有するスルーホールMTH’(通常のスルーホールMTH’)と電気的に接続される配線パターンTR1bと、が主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面にそれぞれ形成されていると共に、一端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと電気的に接続されると共に他端が通常のランドパターンを有するスルーホールMTH’ (通常のスルーホールMTH’)と電気的に接続される配線パターンTR1cが主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面に形成されている。このように、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードと、の端子間における検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atに対して上述したコンタクトプローブをそのまま利用することで電気検査を行うことができる。
また、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードと、を電気的に接続する配線パターンTR2は、配線パターンを主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面に直線状又は折れ線上に直接引き回す経路を形成するのではなく、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードと、が近傍に配置されているものの、他の電子部品や他の配線パターン等の障害物が存在しないにもかかわらず、わざわざ、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2atと電気的に接続される配線パターンTR2aと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2btと電気的に接続される配線パターンTR2bと、が主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面にそれぞれ形成されていると共に、一端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2atと電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2btと電気的に接続される配線パターンTR2cが主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面に形成されている。このように、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードと、の端子間における一対の検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2at,TR2btのうち、いずれか一方に対して上述したコンタクトプローブをそのまま利用することで電気検査を行うことができる。
また、SMDタイプの電子部品SMD1の10番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の9番端子となるリードと、を電気的に接続する配線パターンTR3は、SMDタイプの電子部品SMD1の10番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の9番端子となるリードと、が近傍に配置されていないため、配線パターンの引き回しにより主制御基板1310の表面(実装面)1310xと主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yとを跨いで電気的に接続する場合であって、SMDタイプの電子部品SMD1の8番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atと電気的に接続される配線パターンTR3aと、SMDタイプの電子部品SMD2の9番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3btと電気的に接続される配線パターンTR3bと、が主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面にそれぞれ形成されていると共に、一端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atと電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3btと電気的に接続される配線パターンTR3cが主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面に形成されている。このように、SMDタイプの電子部品SMD1の10番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の9番端子となるリードと、の端子間における一対の検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3at,TR3btのうち、いずれか一方に対して上述したコンタクトプローブをそのまま利用することで電気検査を行うことができる。
また、SMDタイプの電子部品SMD1の13番端子となるリードと図示しないリードタイプの電子部品のリードとを電気的に接続する配線パターンTR4には、リードタイプの電子部品のリードが挿通されるリードタイプ用のランドパターンを有するスルーホールに対して上述したコンタクトプローブをそのまま利用することができるため、SMDタイプの電子部品の13番端子となるリードがハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR4atと電気的に接続される配線パターンTR4aが主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面にそれぞれ形成されていると共に、一端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR4atと電気的に接続されると共に他端が図示しないリードタイプの電子部品のリードが挿通されるリードタイプ用のランドパターンを有するスルーホールと電気的に接続される配線パターンTR4bが主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面に形成されている。このように、SMDタイプの電子部品SMD1の13番端子となるリードと、図示しないリードタイプの電子部品のリードと、の端子間においては、リードタイプの電子部品のリードが挿通されるリードタイプ用のランドパターンを有するスルーホールに対して上述したコンタクトプローブをそのまま利用することで電気検査を行うことができると共に、この端子間における検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR4atに対して上述したコンタクトプローブをそのまま利用することで電気検査を行うこともできる。
検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1at,TR2at,TR2bt,TR3at,TR3bt,TR4atは、スルーホールの内径が主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成されるベタグランド(基板グランド)と主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるベタグランド(基板グランド)とを電気的に接続して同一のグランド(GND)とする複数のスルーホールMTHの内径(0.3mm)と同一の大きさであるのに対して、検査機用ランドパターンの外径は、上述した配線の引き回しで利用する通常のランドパターンの外径(本実施形態では、0.6mm)と比べて極めて大きく、かつ、上述したリードタイプの電子部品であるコンデンサMC30のリードが挿通されるリードタイプ用のランドパターンの外径(1.5mm)と同一であってコンタクトプローブ接触最小径(本実施形態では、1.5mm)となっている。これにより、検査機用ランドパターンの表面積とリードタイプの電子部品のリードが挿通されるランドパターンの表面積とを比べると、リードタイプの電子部品であるコンデンサMC30のリードが挿通されるランドパターンの内径が、上述したように、0.7mmであることから、検査機用ランドパターンの表面積の方がリードタイプの電子部品のリードが挿通されるランドパターンの表面積より大きくなっている。
本実施形態では、リードタイプの電子部品のリードが挿通されるランドパターンの外径と、検査機用ランドパターンの外径と、が同一の大きさとなっているため、主制御基板1310にリードタイプの電子部品に加えてSMDタイプの電子部品で実装されている場合であっても、主制御基板1310にリードタイプの電子部品のみが実装されている場合に使用するコンタクトプローブをそのまま流用することができる。
また、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1at,TR2at,TR3at,TR4atは、コンタクトプローブがそれぞれに接触した状態において、コンタクトプローブがSMDタイプの電子部品SMD1の各リードと電気的に接触しない位置にそれぞれリードの外側端部から少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されていると共に、通常のランドパターンを有するスルーホールMTH’ (通常のスルーホールMTH’)と検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2bt、そして検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2bt,TR3btは、コンタクトプローブがそれぞれ接触した状態において、コンタクトプローブがSMDタイプの電子部品SMD2の各リードの外側端部から少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されている。
また、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1at,TR2at,TR3at,TR4atのうち、スルーホールTR1at,TR2atは、右下がりの同一直線上に離間して配置されていることにより(つまり、スルーホールTR1at,TR2atは、左右方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されていると共に、上下方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されているため、ズラして配置されていることにより)、スルーホールTR1atに接触するコンタクトプローブとスルーホールTR2atに接触するコンタクトプローブとが相互に電気的に接触することを防止することができるようになっているし、スルーホールTR3at,TR4atは、右上がりの同一直線上に離間して配置されていることにより(つまり、スルーホールTR3at,TR4at、左右方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されていると共に、上下方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されているため、ズラして配置されていることにより)、スルーホールTR3atに接触するコンタクトプローブとスルーホールTR4atに接触するコンタクトプローブとが相互に電気的に接触することを防止することができるようになっている。
また、通常のランドパターンを有するスルーホールMTH’ (通常のスルーホールMTH’)、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2bt,TR3btは、右下がりの同一直線上に離間して配置されていることにより(つまり、スルーホールMTH’,TR2bt,TR3btは、上下方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上それぞれ離間して配置されていると共に、上下方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上それぞれ離間して配置されているため、ズラして配置されることにより)、スルーホールMTH’に接触するコンタクトプローブとスルーホールTR2btに接触するコンタクトプローブとスルーホールTR3btに接触するコンタクトプローブとが相互に電気的に接触することを防止することができるようになっている。なお、スルーホールMTH’とスルーホールTR2atとが近傍に配置されているものの、スルーホールMTH’とスルーホールTR2atとは、上下方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されていると共に、上下方向に少なくともコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置されている。
スルーホールは、例えば電子部品へ配線パターンを引き回す場合に、他の電子部品や他の配線パターン等の障害物を回避するために、配線パターンを引き回している銅箔面から他の銅箔面へ配線を引き回すために基板に設けられるものであり、障害物の回避用として利用されている。このスルーホールの大きさは、上述したように、本実施形態では、スルーホールの内径:0.3mm、ランドパターンの外径:0.6mmを有している。本実施形態においても、主制御基板1310等の各種基板に通常のスルーホール(つまり、障害物の回避用のスルーホール)が形成されている。
本実施形態では、例えば、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードと、には、配線パターンを引き回す場合に、SMDタイプの電子部品SMD2の12番端子となるリードと電気的に接続される配線パターンTRが障害物となっているため、上述したように、通常の配線パターンの引き回しとして、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードとを電気的に接続する配線パターンTR1は、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードと、が近傍に配置されているものの、SMDタイプの電子部品SMD1の1番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと電気的に接続される配線パターンTR1aと、SMDタイプの電子部品SMD2の13番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が通常のランドパターンを有するスルーホール(つまり、障害物の回避用のスルーホール)MTH’と電気的に接続される配線パターンTR1bと、が主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面にそれぞれ形成されていると共に、一端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと電気的に接続されると共に他端が通常のランドパターンを有するスルーホール(つまり、障害物の回避用のスルーホール)と電気的に接続される配線パターンTR1cが主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面に形成されている。
これに対して、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードと、には、配線パターンを引き回す場合に、他の電子部品や他の配線パターン等の障害物が存在しないにもかかわらず、上述したように、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードとを電気的に接続する配線パターンTR2は、配線パターンを主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面に直線状又は折れ線上に直接引き回す経路を形成するのではなく、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードと、が近傍に配置されているものの、わざわざ、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2atと電気的に接続される配線パターンTR2aと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードにハンダ付けされる矩形状のランドパターンと一端が電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2btと電気的に接続される配線パターンTR2bと、が主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面にそれぞれ形成されていると共に、一端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2atと電気的に接続されると共に他端が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2btと電気的に接続される配線パターンTR2cが主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面に形成されている。
つまり、本実施形態では、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2at,TR2btは、電子部品へ配線パターンを引き回す場合に、他の電子部品や他の配線パターン等の障害物を回避するために、配線パターンを引き回している銅箔面から他の銅箔面へ配線を引き回すために基板に設けられるという通常のスルーホール(つまり、障害物の回避用のスルーホール)と全く異なり、コンタクトプローブと電気的に接続されることができるように設けられている。
本実施形態では、通常のスルーホール(つまり、障害物の回避用のスルーホール)に対して、ハンダ付けされていてもよいし、レジストにより覆われて被覆されていてもよいし、ハンダ付けされずレジストにより全く覆われていない銅箔面が剥き出しされたものであってもよい。
ここで、コンタクトプローブが接触される検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1at,TR2at,TR2bt,TR3at,TR3bt,TR4atは、構造が同一であるため、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atについて説明する。
検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atは、図69(c)に示すように、主制御基板1310の基材1310oにスルーホールが形成されると共に、主制御基板1310の表面(実装面)1310xの銅箔面と、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yの銅箔面と、において銅箔を抜くことで外径TR3atD1を有する検査機用ランドパターンがそれぞれ形成される。本実施形態では、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成される検査機用ランドパターンの外径と主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成されるランドパターンの外径とが外径TR3atD1であり同一の大きさとなっている。
主制御基板1310の表面(実装面)1310xの銅箔面の上には、例えば、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atと配線パターンTR3aとの周辺が箔抜きされた領域が形成され、レジスト液が塗布されて表面(実装面)側レジスト層1310xrが形成されているものの、表面(実装面)側レジスト層1310xrのうち検査機用ランドパターンと対応する領域には、レジスト液が塗布されていない。また、主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yの銅箔面上には、例えば、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atと配線パターンTR3cとの周辺が箔抜きされた領域が形成され、レジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層1310yrが形成されているものの、裏面(ハンダ面)側レジスト層1310yrのうち検査機用ランドパターンと対応する領域には、レジスト液が塗布されていない。
コンタクトプローブPRBが接触される検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atの表面(つまり、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成される検査機用ランドパターンの表面及び主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成される検査機用ランドパターンの表面)には、ハンダ付けされている。
このように、SMDタイプの電子部品SMD1のリードとSMDタイプの電子部品SMD2のリードとが電気的に接続される配線パターンは、検査機用ランドパターンを有するスルーホールを介して、主制御基板1310の表面(実装面)1310x側の銅箔面と主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310y側の銅箔面とにそれぞれ形成されるようになっているため、検査機用ランドパターンを有するスルーホールをテストパットとして利用してコンタクトプローブPRBに接触させることでSMDタイプの電子部品SMD1のリードとSMDタイプの電子部品SMD2のリードとの電気的な接続間を用いて電気検査を行うことができる。
[変形例]
なお、上述した本実施形態では、例えばコンタクトプローブPRBが接触される検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atの表面(つまり、主制御基板1310の表面(実装面)1310xに形成される検査機用ランドパターンの表面及び主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yに形成される検査機用ランドパターンの表面)には、ハンダ付けされていたが、ハンダ付けせずに、銅箔を剥き出しにした状態としてもよい。
また、上述した本実施形態では、例えばコンタクトプローブPRBが接触される検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR3atは、主制御基板1310の表面(実装面)1310xと主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yとにそれぞれ検査機用ランドパターンが形成されていたが、主制御基板1310の表面(実装面)1310xと主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yとのうち、予めコンタクトプローブPRBが接触する一方の面が決められている場合には、主制御基板1310の表面(実装面)1310xと主制御基板1310の裏面(ハンダ面)1310yとの両面に形成せずに、この決められた一方の面に形成されていてもよい。
また、上述した実施形態におけるSMDタイプの電子部品のすべてリードに対して検査機用ランドパターンを有するスルーホールを設けてもよい。こうすれば、配線パターンの引き回しの自由度を広げることができるため、効率よく主制御基板1310のアートワークを行うことができる。このとき、検査機用ランドパターンを有するスルーホールが一対となっているかをチェックする必要がある。検査機用ランドパターンを有するスルーホールが一対となっていないものがある場合でも、電気検査において検査ができる場合には問題ない。
また、上述した実施形態では、SMDタイプの電子部品を主制御基板1310に実装する場合には、検査機用ランドパターンを有するスルーホールを主制御基板1310に設けていたが、主基板として扱われる主制御基板1310のほかに、複数のSMDタイプの電子部品を電源基板630の表面(実装面)や払出制御基板633の表面(実装面)に実装する場合には、検査機用ランドパターンを有するスルーホールを電源基板630や払出制御基板633に設けることで、検査機用ランドパターンを有するスルーホールをテストパットとして利用してコンタクトプローブに接触させることで複数のSMDタイプの電子部品のうち電気的に接続されるSMDタイプの電子部品のリード間の電気的な接続間を用いて電気検査を行うことができる。
また、上述した実施形態では、SMDタイプの電子部品SMD1の4番端子となるリードと、SMDタイプの電子部品SMD2の11番端子となるリードと、を電気的に接続する配線パターンTR2には、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2at,TR2btを用いていたが、一対の検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2at,TR2btのうち、一方を通常のランドパターンを有するスルーホール(通常のスルーホールMTH’(つまり、障害物の回避用のスルーホール))MTH’を利用してもよい。例えば、配線パターンの引き回しで検査機用ランドパターンをコンタクトプローブ接触防止距離(本実施形態では、2.5mm)以上離間して配置することが困難な場合には、検査機用ランドパターンに代えて通常のスルーホールにしても、他方の検査用スルーホールを利用して電気検査を行うことができるからである。例えば、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2btに代えて、通常のランドパターンを有するスルーホール(通常のスルーホールMTH’(つまり、障害物の回避用のスルーホール))MTH’を利用することができる。
また、上述した実施形態では、2つのSMDタイプの電子部品SMD1,SMD2としてシュミットトリガインバータMIC30と同一のSMDパッケージ(SOP14)を有するIC間における配線パターンの引き回しに検査機用ランドパターンを有するスルーホールを利用していたが、IC間に限らず、SMDタイプの電子部品の端子間の配線パターン(例えば、SMDタイプの電子部品である、ICと抵抗との端子間の配線パターン、ICとコンデンサとの端子間の配線パターン、抵抗と抵抗との端子間の配線パターン、コンデンサと抵抗との端子間の配線パターン、ICとダイオードとの端子間の配線パターン)の引き回しに検査機用ランドパターンを有するスルーホールを利用してもよい。
因みに、従来より、電子部品を基板に実装する遊技機が提案されている(例えば、特開2014-144218号公報(段落[0042]、及び図4))。ところで、遊技の進行を制御する基板には、電気検査する場合に利用するテストパッドを設けることが規則上できない。このため、遊技の進行を制御する遊技制御基板にリードピッチが狭い電子部品が実装される場合には、電気検査を行うことが難しいという問題があった。
[6-5.設定キースイッチを介して侵入する電磁波ノイズ対策]
次に、設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを介して侵入する電磁波ノイズ対策について図70を参照して詳細に説明する。設定キースイッチ1311aは、上述したように、樹脂製タイプのものと、金属製タイプのものと、があるため、まず樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aに対する電磁波ノイズ対策について説明し、金属製タイプの設定キースイッチ1311aに対する電磁波ノイズ対策について説明する。図70は設定キースイッチの金属製のフレーム板をグランド(GND)に接続する方法における設定変更基板1311の表面(実装面)を示す図(a)であり、設定キースイッチの金属製のフレーム板をグランド(GND)に接続する方法における設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)を示す図(b)であり、設定キースイッチの金属製のフレーム板をグランド(GND)から絶縁する方法における設定変更基板1311の表面(実装面)を示す図(c)であり、設定キースイッチの金属製のフレーム板をグランド(GND)から絶縁する方法における設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)を示す図(d)である。
[樹脂製タイプの設定キースイッチに対する電磁波ノイズ対策]
樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aは、上述したように、非導電性の有する樹脂製の筒状の外筒1311aaと、外筒1311aaの内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される非導電性を有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abと、外筒1311aaと接続されると共に設定キーシリンダ1311abの回動操作により接点をON又はOFFする回路が形成される非導電性を有する樹脂製の直方体状のベース体1311acと、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆うように屈曲されてベース体1311acの後方に突出する一対の突出片1311ada,1311adaが両側面(同図中、前側面及び後側面)に形成される金属製のフレーム板1311adと、から構成されている。外筒1311aaの前面は、設定キーシリンダ1311abの前面とほぼ同一平面状に配置されている。設定キーシリンダ1311abの前面には、金属製の設定キーを差し込むための差し込み口1311abaが設けられている。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abがそれぞれ非導電性を有する樹脂製により成型されているため、仮に静電気を帯びた者が設定キースイッチ1311aの前面(つまり、外筒1311aaの前面、及び設定キーシリンダ1311abの前面)に触れたとしても、静電放電による電磁波ノイズが設定キースイッチ1311aを介して設定変更基板1311へ侵入することを防止することができるようになっているし、非導電性を有する樹脂製の主制御基板ボックス1320のカバー体1301の貫通穴1301zの外周に沿って形成されるリブ部1301zaの端部と設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adの表面とが距離寸法d(本実施形態では、約2mm)だけ離間しているため、仮に静電気を帯びた者が非導電性を有する樹脂製のカバー体1301の貫通穴1301zやその周辺に触れたとしても、静電放電による電磁波ノイズが貫通穴1301z及びリブ部1301zaを介して設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに侵入することが困難となることにより設定キースイッチ1311aを介して設定変更基板1311へ侵入することを防止することができるようになっている。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、自身を介して設定変更基板1311へ侵入する電磁波ノイズを防止することができるようになっているため、さらに耐電磁波ノイズを強化する目的で、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続するように設定変更基板1311に固定する方法と、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法と、がある。
[樹脂製タイプ:金属製のフレーム板とグランドとを電気的に接続する方法]
樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続するように設定変更基板1311に固定する方法では、図70(a),(b)に示すように、設定変更基板1311の上下左右方向の各中心線が交わる中心点に設定キースイッチ1311aが配置されるように、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するランドを有するロングスルーホールSLH1,SLH2(以下、単に「ロングスルーホールSLH1,SLH2」と記載する場合がある。)が設定変更基板1311の上下方向の中心線上に形成されていると共に、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子をそれぞれ挿通することができる一対のランドを有するスルーホールSLTH1,SLTH2(以下、単に「スルーホールSLTH1,SLTH2」と記載する場合がある。)と、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの左側面に形成される2本のリード端子であるCOM1端子、COM2端子をそれぞれ挿通することができる一対のランドを有するスルーホールSLTH3,SLTH4(以下、単に「スルーホールSLTH3,SLTH4」と記載する場合がある。)と、が一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2と90度回転角度を有して設定変更基板1311の左右方向の中心線上にそれぞれ形成されている。また、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの裏面側に設けられる設定キースイッチ1311aの配置向きを指定する図示しない円柱状の突出部を挿通することができる貫通孔SSTDが設定変更基板1311の左右方向の中心線上であってスルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4とロングスルーホールSLH1,SLH2とに囲まれた領域内に形成されている。
また、設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311は、図22に示した主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)される設定変更基板1311のコネクタSMCNの各種ピン端子(第1ピン端子~第4ピン端子)を挿通することができるランドを有する4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4(以下、単に「スルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4」と記載する場合がある。)が形成されている。
これら4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、設定変更基板1311のコネクタSMCNの第1ピン端子が挿通される最も上側のスルーホールSSTH1は、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子のうちA端子を挿通することができるスルーホールSLTH1と電気的に接続されるように配線パターンSPTN1が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)で形成されている。
4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、スルーホールSSTH1の下方に配置されると共に設定変更基板1311のコネクタSMCNの第2ピン端子が挿通されるスルーホールSSTH2は、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの左側面に形成される2本のリード端子であるCOM1端子、COM2端子をそれぞれ挿通することができるスルーホールSLTH3,SLTH4と電気的にそれぞれ接続されるように配線パターンSPTN2が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)で形成されている。
4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、スルーホールSSTH2の下方に配置されると共に設定変更基板1311のコネクタSMCNの第3ピン端子が挿通されるスルーホールSSTH3は、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子のうちB端子を挿通することができるスルーホールSLTH3と電気的に接続されるように配線パターンSPTN3が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)で形成されている。
4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、スルーホールSSTH3の下方に配置されると共に設定変更基板1311のコネクタSMCNの第4ピン端子が挿通される最も下側のスルーホールSSTH4は、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続されている。
設定変更基板1311の表面(実装面)1311xには、銅プレーンにおいて、設定キースイッチ1311aに対するスルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4の周囲と、設定変更基板1311のコネクタSMCNに対するスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3の周囲と、において、銅箔を抜いて形成される箔抜きされた箔抜き領域がそれぞれ形成されている。こられの箔抜きされた領域により、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。なお、設定変更基板1311の表面(実装面)1311xには、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2については、ハンダ付けする際にハンダを溶かす熱がロングスルーホールSLH1,SLH2の外周から奪われないように、ロングスルーホールSLH1,SLH2のほぼ周囲における銅箔を抜くと共にサーマルパターン(十字形状のパターン)を各ロングホールの長手方向の両端に設けた領域がそれぞれ形成されている。このサーマルパターン(十字形状のパターン)によりロングスルーホールSLH1,SLH2がベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となっている。
設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yには、銅プレーンにおいて、設定キースイッチ1311aに対するスルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4の周囲と、設定変更基板1311のコネクタSMCNに対するスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3の周囲と、上述した配線パターンSPTN1,SPTN2,SPTN3の周囲と、において、銅箔を抜いて形成される箔抜きされた箔抜き領域が形成されている。こられの箔抜きされた領域により、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。なお、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yには、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2については、ハンダ付けする際にハンダを溶かす熱がロングスルーホールSLH1,SLH2の外周から奪われないように、ロングスルーホールSLH1,SLH2のほぼ周囲における銅箔を抜くと共にサーマルパターン(十字形状のパターン)を各ロングホールの長手方向の両端に設けた領域がそれぞれ形成されている。このサーマルパターン(十字形状のパターン)によりロングスルーホールSLH1,SLH2がベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となっている。
なお、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yの四隅には、スルーホールSTHがそれぞれ形成されている。これらの4つのスルーホールSTHは、設定変更基板1311の表面(実装面)1311xに形成されるベタグランド(基板グランド)と、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と、を電気的に接続して同一のグランド(GND)としている。
設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yの全面は、上述した各種スルーホールを除いて銅プレーンを覆うように所定色のレジストでベタ塗りされている。設定変更基板1311の表面(実装面)1311xは、この所定色のレジストの上に、さらに、設定変更基板1311のコネクタSMCNを配置する位置を示す領域SSLKCN1がシルク印刷としてレジストの所定色と異なる色の実線で印刷されるとともに、設定キースイッチ1311aを配置する位置を示す領域SSLKSW1がシルク印刷としてレジストの所定色と異なる色であって設定キースイッチ1311aを配置する位置を示す領域SSLKSW1としてシルク印刷される同一色の実線で印刷される。領域SSLKSW1の大きさは、設定キースイッチ1311aの外形と比べて大きく形成されており、領域SSLKSW1に設定キースイッチ1311aが配置されて実装(設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yでハンダ付け)された状態では、設定キースイッチ1311aの外形外側に領域SSLKSW1の線(四角形の実線)が配置されるようになっている。つまり、設定キースイッチ1311aが実装されても、設定キースイッチ1311aにより領域SSLKSW1の線(四角形の実線)が重ならないようになっている。設定変更基板1311のコネクタSMCNを配置する位置を示す領域SSLKCN1についても領域SSLKSW1と同様に、このコネクタSMCNが実装されても、コネクタSMCNにより領域SSLKCN1の境界線(コ字状の実線)が重ならないようになっている。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続するように設定変更基板1311に固定する方法では、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaがロングスルーホールSLH1,SLH2を介して設定変更基板1311のベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となっているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adという金属を、設定変更基板1311に対して電気的に浮いた状態とならないようになっている。つまり、電気的に浮いた金属は、雑音を拾うアンテナとして機能してノイズ源となるおそれがあるため、電気的に浮いた金属を設定変更基板1311に対して作らないようにしている。これにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adという金属が設定変更基板1311のベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態では、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adが主制御基板ボックス1320に収容されて設定キースイッチ1311aにアクセスする者から直接触れられないように構成されていると共に電気的に安定化されて雑音を拾うアンテナとして機能してノイズ源となることを確実に防止することができるため、設定変更基板1311と、遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドと、を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
[樹脂製タイプ:金属製のフレーム板をグランドから絶縁する方法]
樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法では、図70(c),(d)に示すように、設定変更基板1311の上下左右方向の各中心線が交わる中心点に設定キースイッチ1311aが配置されるように、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が設定変更基板1311の上下方向の中心線上に形成されていると共に、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子をそれぞれ挿通することができる一対のスルーホールSLTH1,SLTH2と、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの左側面に形成される2本のリード端子であるCOM1端子、COM2端子をそれぞれ挿通することができる一対のスルーホールSLTH3,SLTH4と、が一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2と90度回転角度を有して設定変更基板1311の左右方向の中心線上にそれぞれ形成されている。また、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの裏面側に設けられる設定キースイッチ1311aの配置向きを指定する図示しない円柱状の突出部を挿通することができる貫通孔SSTDが設定変更基板1311の左右方向の中心線上であってスルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4とロングスルーホールSLH1,SLH2とに囲まれた領域内に形成されている。
また、設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311は、図22に示した主制御基板1310のコネクタMSCNとコネクタ接続(基板間接続)される設定変更基板1311のコネクタSMCNの各種ピン端子(第1ピン端子~第4ピン端子)を挿通することができる4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4が形成されている。
これら4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、設定変更基板1311のコネクタSMCNの第1ピン端子が挿通される最も上側のスルーホールSSTH1は、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子のうちA端子を挿通することができるスルーホールSLTH1と電気的に接続されるように配線パターンSPTN1が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)で形成されている。
4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、スルーホールSSTH1の下方に配置されると共に設定変更基板1311のコネクタSMCNの第2ピン端子が挿通されるスルーホールSSTH2は、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの左側面に形成される2本のリード端子であるCOM1端子、COM2端子をそれぞれ挿通することができるスルーホールSLTH3,SLTH4と電気的にそれぞれ接続されるように配線パターンSPTN2が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)で形成されている。
4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、スルーホールSSTH2の下方に配置されると共に設定変更基板1311のコネクタSMCNの第3ピン端子が挿通されるスルーホールSSTH3は、設定キースイッチ1311aのベース体1311acの右側面に形成される2本のリード端子であるA端子、B端子のうちB端子を挿通することができるスルーホールSLTH3と電気的に接続されるように配線パターンSPTN3が設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)で形成されている。
4つのスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3,SSTH4のうち、スルーホールSSTH3の下方に配置されると共に設定変更基板1311のコネクタSMCNの第4ピン端子が挿通される最も下側のスルーホールSSTH4は、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続されている。
設定変更基板1311の表面(実装面)1311xには、銅プレーンにおいて、設定キースイッチ1311aに対するロングスルーホールSLH1,SLH2、及び設定キースイッチ1311aに対するスルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4の全体を囲む四角形状を有する箔抜き領域SINSxが形成されている。この箔抜き領域SINSxにより、ロングスルーホールSLH1,SLH2、及びスルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4は、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。なお、設定変更基板1311の表面(実装面)1311xには、銅プレーンにおいて、設定変更基板1311のコネクタSMCNに対するスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3の周囲の銅箔を抜いて形成される箔抜きされた箔抜き領域もそれぞれ形成されている。こられの箔抜きされた領域により、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。
設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yには、銅プレーンにおいて、設定変更基板1311の表面(実装面)1311xに形成される箔抜き領域SINSxと対応する位置に、この箔抜き領域SINSxと同一形状を有する四角形状を有すると共に、上述した配線パターンSPTN1,SPTN2,SPTN3を除いて、銅箔を抜いて形成される箔抜きされた箔抜き領域SINSyが形成されている。この箔抜き領域SINSyは、配線パターンSPTN1,SPTN2,SPTN3に沿って設定変更基板1311のコネクタSMCNに対するスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3の周囲まで形成されている。この箔抜き領域SINSyにより、ロングスルーホールSLH1,SLH2、スルーホールSLTH1,SLTH2,SLTH3,SLTH4、配線パターンSPTN1,SPTN2,SPTN3、及びスルーホールSSTH1,SSTH2,SSTH3は、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。
なお、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yの四隅には、スルーホールSTHがそれぞれ形成されている。これらの4つのスルーホールSTHは、設定変更基板1311の表面(実装面)1311xに形成されるベタグランド(基板グランド)と、設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と、を電気的に接続して同一のグランド(GND)としている。
設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yの全面は、上述した各種スルーホールを除いて銅プレーンを覆うように所定色のレジストでベタ塗りされている。設定変更基板1311の表面(実装面)1311xは、この所定色のレジストの上に、さらに、設定変更基板1311のコネクタSMCNを配置する位置を示す領域SSLKCN1がシルク印刷としてレジストの所定色と異なる色の実線で印刷されるとともに、設定キースイッチ1311aを配置する位置を示す領域SSLKSW1がシルク印刷としてレジストの所定色と異なる色であって設定キースイッチ1311aを配置する位置を示す領域SSLKSW1としてシルク印刷される同一色の実線で印刷される。領域SSLKSW1の大きさは、設定キースイッチ1311aの外形と比べて大きく形成されており、領域SSLKSW1に設定キースイッチ1311aが配置されて実装(設定変更基板1311の裏面(ハンダ面)1311yでハンダ付け)された状態では、設定キースイッチ1311aの外形外側に領域SSLKSW1の線(四角形の実線)が配置されるようになっている。つまり、設定キースイッチ1311aが実装されても、設定キースイッチ1311aにより領域SSLKSW1の線(四角形の実線)が重ならないようになっている。設定変更基板1311のコネクタSMCNを配置する位置を示す領域SSLKCN1についても領域SSLKSW1と同様に、このコネクタSMCNが実装されても、コネクタSMCNにより領域SSLKCN1の境界線(コ字状の実線)が重ならないようになっている。
ここで、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成した理由について説明する。設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態とすることができるようになっている。樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaから設定変更基板1311の基板グランドを遠ざけることができるようになっている。これにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaがロングスルーホールSLH1,SLH2に挿通されてハンダ付けされた状態において、仮に金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズは、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成される箔抜き領域SINSx,SINSyを介して設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)へ侵入することが阻止されることにより金属製のフレーム板1311ad自身によって減衰させられる。つまり、金属製のフレーム板1311adからの電磁波ノイズを箔抜き領域SINSx,SINSyにより設定変更基板1311の基板グランドへの侵入を防止することができる。これにより、金属製のフレーム板1311adからの電磁波ノイズの侵入を設定変更基板1311側において阻止することができるため、その電磁波ノイズの侵入が設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへ進行することを確実に止めることができ、基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法では、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaがロングスルーホールSLH1,SLH2に挿通されてハンダ付けされた状態において、仮に金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズは、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成される箔抜き領域SINSx,SINSyを介して設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)へ侵入することが阻止されて金属製のフレーム板1311ad自身によって減衰させられるため、侵入した電磁波ノイズが設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへ進行することを確実に止めて基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
[金属製タイプの設定キースイッチに対する電磁波ノイズ対策]
金属製タイプの設定キースイッチ1311aは、上述したように、金属製の筒状の外筒1311aaと、外筒1311aaの内側に対して、設定キーが挿入されて回動操作される金属製の設定キーシリンダ1311abと、において、上述した樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと同一構成における材質が異なる点で樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと同一の構成である。
また、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、外筒1311aa、及び設定キーシリンダ1311abが金属製により成型されていると共に、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっている。外筒1311aaは、非導電性を有する樹脂製のベース体1311acと接続されているものの、金属製のフレーム板1311adは、外筒1311aaと対応する位置に外筒1311aaを貫通する穴が形成されてベース体1311acの表面及び側面を覆っている。つまり、設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込む場合に、この金属製の設定キーを介して電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、外筒1311aaと設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続された状態となっているため、金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入するおそれがあるという問題がある。
このように、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述した樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと異なり、自身を介して設定変更基板1311へ侵入する電磁波ノイズを防止することができない。そこで、電磁波ノイズ対策として、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法がある。
[金属製タイプ:金属製のフレーム板をグランドから絶縁する方法]
金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法は、上述した、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法と同一であるため、説明を省略するが、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成した理由について説明する。
設定変更基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)における銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態とすることができるようになっている。
換言すると、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaから設定変更基板1311の基板グランドを遠ざけることができるようになっていると共に、設定変更基板1311(主制御基板1310)の基板グランドが設定キースイッチ1311a(つまり、金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311ad)を介して露出しないようになっている。これにより、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaがロングスルーホールSLH1,SLH2に挿通されてハンダ付けされた状態において、仮に、金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズは、金属製のフレーム板1311adを通って設定変更基板1311の表面1311x(実装面)及び裏面(ハンダ面)1311yに形成される箔抜き領域SINSx,SINSyを介して設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)へ侵入することが阻止されることにより金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311ad自身によって減衰させられる。つまり、金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adからの電磁波ノイズを箔抜き領域SINSx,SINSyにより設定変更基板1311の基板グランドへの侵入を防止することができる。これにより、金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adからの電磁波ノイズの侵入を設定変更基板1311側において阻止することができるため、その電磁波ノイズの侵入が設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへ進行することを確実に止めることができ、基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。
このように、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法では、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaがロングスルーホールSLH1,SLH2に挿通されてハンダ付けされた状態において、仮に金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adに電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズは、金属製のフレーム板1311adを通って設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成される箔抜き領域SINSx,SINSyを介して設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)へ侵入することが阻止されて金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311ad自身によって減衰させられるため、侵入した電磁波ノイズが設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへ進行することを確実に止めて基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
なお、金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとの間を非導電性の樹脂(絶縁性の樹脂)で満たして金属製の設定キーシリンダ1311abを金属製の外筒1311aaに対して回転可能な構成を採用して、金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続されず絶縁された構成を採用してもよい。このように構成しても、金属製の外筒1311aaから電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズは、金属製のフレーム板1311adを通って設定変更基板1311の表面1311x(実装面)及び裏面(ハンダ面)1311yに形成される箔抜き領域SINSx,SINSyを介して設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)へ侵入することが阻止されることにより金属製の外筒1311aa、及び金属製のフレーム板1311ad自身によって減衰させられる。つまり、金属製の外筒1311aaからの電磁波ノイズを箔抜き領域SINSx,SINSyにより設定変更基板1311の基板グランドへの侵入を防止することができる。これにより、金属製の外筒1311aaからの電磁波ノイズの侵入を設定変更基板1311側において阻止することができるため、その電磁波ノイズの侵入が設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへ進行することを確実に止めることができ、基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、金属製の外筒1311aaの全体又は前面側を、非導電性を有する樹脂製のキャップやゴム製のキャップ(蓋体)により覆うように構成することにより主制御基板ボックス1320のカバー体1301に形成される貫通穴1301zからキャップ(蓋体)が露出されるようにしてもよい。このようなキャップ(蓋体)の前面には、金属製の設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaと対応する位置に開口部が設けられている。
[設定キースイッチの選択方法]
ここで、設定キースイッチ1311aの選択方法については簡単に説明する。設定キースイッチ1311aには、上述したように、樹脂製タイプのものと、金属製タイプのものと、がある。樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、上述したように、自身を介して設定変更基板1311へ侵入する電磁波ノイズを防止することができるようになっているため、さらに耐電磁波ノイズを強化する目的で、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続するように設定変更基板1311に固定する方法と、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法と、がある。金属製タイプの設定キースイッチでは、上述したように、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法のみがある。設定キースイッチ1311aとして、基本的には、樹脂製タイプのものを採用するとともに、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続するように設定変更基板1311に固定する方法を採用する。
なお、耐電磁波ノイズの試験において、電磁波ノイズの影響を受けてパチンコ機1の誤動作や電子部品の誤動作などの問題が生ずるようであれば、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを採用するとともに、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法を採用する。この場合、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aに代えて金属製タイプの設定キースイッチ1311aを採用するとともに、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法を採用することもできる。
[設定キースイッチへ電磁波ノイズが侵入するおそれがある状態]
設定キースイッチ1311aへ電磁波ノイズが侵入するおそれがある状態について説明する。設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面に設けられる差し込み口1311abaは、上述したように、設定キーが挿入される。この設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。このため、設定値の確認を行う場合や設定値の設定変更を行う場合には、まず、遊技ホールの店員等の係員が外枠2に対して本体枠4を開放してから、金属製の設定キーを所持する者が設定キースイッチ1311aにアクセスすることとなる。つまり、外枠2に対して本体枠4を開放する者と、設定キースイッチ1311aにアクセスする者と、が異なる場合がある。
そうすると、外枠2に対して本体枠4を開放する遊技ホールの店員等の係員は、正規の金属製の鍵をシリンダ錠127の鍵穴128に挿入して回転する際に、自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを、正規の金属製の鍵を介して、シリンダ錠127へ伝えることができる。シリンダ錠127は、上述したように、扉枠3の扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットに取付けられ、この金属製の扉枠補強ユニットが扉枠金属アース線を介して、枠アース基板559と電気的に接続されている。この枠アース基板559は、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。つまり、外枠2に対して本体枠4を開放する遊技ホールの店員等の係員は、正規の金属製の鍵をシリンダ錠127の鍵穴128に挿入する際に、自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを、正規の金属製の鍵を介して、シリンダ錠127へ伝わることで、シリンダ錠127から扉枠補強ユニット、扉枠金属アース線、枠アース基板559、島設備アース線、そして遊技ホールの島設備のアースへ伝わりパチンコ機1から除去することができる。これに対して、設定キースイッチ1311aにアクセスする者は、シリンダ錠127に触れないことで自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを、正規の金属製の鍵を介して、設定キースイッチ1311aへ伝えることとなる。
樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、自身を介して設定変更基板1311へ侵入する電磁波ノイズを防止することができるようになっているためにさらに耐電磁波ノイズを強化する目的で樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法と、金属製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adを設定変更基板1311のグランド(GND)と電気的に接続せずに設定変更基板1311のグランド(GND)から絶縁するように設定変更基板1311に固定する方法と、においては、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311ad(金属製タイプの設定キースイッチ1311aの場合には、金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとをさらに含む。)によって減衰させることができるようになっている。これにより、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズが設定変更基板1311の基板グランドへ侵入することを防止することができる。
扉枠3には、上述したように、各種装飾部を備えており、各種装飾部へ侵入した電磁波ノイズは、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットへ伝わると、扉枠金属アース線を介して枠アース基板559へ伝わり、そして枠アース基板559から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、パチンコ機1から除去されるようになっている。各種装飾部は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものであり、扉枠3の略全体に配置されているため、設定キースイッチ1311aにアクセスする者は、アクセスする際に扉枠3を意識せずに触れると、扉枠3に備える各種装飾部に触れることとなり、自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズが結果的に遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、パチンコ機1から除去されるようになっている。
[変形例]
なお、本実施形態では、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成し、この箔抜き領域SINSx、SINSy内に、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が形成されていたが、ロングスルーホールSLH1,SLH2のうちいずれか一方を、抵抗を介して、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続されるように構成してもよいし、ロングスルーホールSLH1,SLH2のそれぞれを、対応する抵抗を介して、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的にそれぞれ接続されるように構成してもよい。こうすれば、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311ad(金属製タイプの設定キースイッチ1311aの場合には、金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとをさらに含む。)を介して抵抗へ伝えることで、この抵抗によって減衰させることができる。これにより、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズが設定変更基板1311の基板グランドへ侵入することを防止することができる。
本実施形態では、電磁波ノイズを除去することができる静電除去パッドを、扉枠3の前面の所定箇所に設けてもよいし、本体枠3を外枠2から開放する場合に、本体枠4の本体枠上ヒンジ部310と本体枠下ヒンジ部320とが配置される本体枠4の上下方向の正面視左辺側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)と反対側となる本体枠4の上下方向の正面視右辺側が本体枠4の開放側部分に設けてもよい。また、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで複数列設されているため、一のパチンコ機1の本体枠4を外枠2から開放すると、この一のパチンコ機1と背向かいとなっている他のパチンコ機1の後側に遊技ホールの店員等の係員の手が届く。遊技ホールの店員等の係員は、何らかの理由により、一のパチンコ機1の本体枠4を外枠2から開放すると、この一のパチンコ機1と背向かいとなっている他のパチンコ機1の後側にアクセスする場合もある。そこで、遊技ホールの店員等の係員自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを除去する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員の手が届く部分として、例えば、静電除去パッドを裏カバー640の後面側に設けてもよいし、インターフェイス基板カバー636の後面側に設けてもよいし、払出制御基板ボックス632のカバー体の後面側に設けてもよいし、払出装置350の後面側に設けてもよい。
また、本実施形態では、導電性を有する樹脂により本体枠5の本体枠ベースユニット300を成型して構成してもよい。本体枠ベースユニット300は、その正面視左側面に金属製の本体枠補強フレーム530が取付けられるため、本体枠ベースユニット300と本体枠補強フレーム530とが電気的に接続された状態となっている。本体枠補強フレーム530は、図示しない本体枠金属アース線を介して、上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。枠アース基板559は、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。これにより、遊技ホールの店員等の係員や設定キースイッチ1311aにアクセスする者は、扉枠3が本体枠4から開放された状態において、例えば、本体枠4の開放側の本体枠ベースユニット300に左手を置いて体を支え、右手を本体枠4の後側や遊技盤5の後側へ差し伸べることができるため、左手が本体枠ベースユニット300に置かれた際に、自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを本体枠ベースユニット300へ伝わって金属製の扉枠補強ユニットへ伝わると、扉枠金属アース線を介して枠アース基板559へ伝わり、そして枠アース基板559から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、パチンコ機1から除去される。
また、本実施形態では、シリンダ錠127は、上述したように、扉枠3の扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットに取付けられ、この金属製の扉枠補強ユニットが扉枠金属アース線を介して、枠アース基板559と電気的に接続され、枠アース基板559が島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されていたが、扉枠金属アース線を枠アース基板559に電気的に接続せず、本体枠4の電源基板630の端子に電気的に接続して、金属製の扉枠補強ユニットと電源基板630とを電気的に接続するようにしてもよい。また、扉枠3はパチンコ機1の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備え、この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもあり、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続され、枠アース基板559が島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されていたが、扉枠金属アース線を枠アース基板559に電気的に接続せず、本体枠4の電源基板630の端子に電気的に接続して、金属製の扉枠補強ユニットと電源基板630とを電気的に接続するようにしてもよい。電源基板630は、遊技ホールの島設備から交流24Vが供給されている。この交流24VはL(ライブ)、N(ニュートラル)があり、L(ライブ)が入力される電源基板630のL端子は、非接地側と接続されるものであり、N(ニュートラル)が入力される電源基板630のN端子は、接地側と接続されるものである。そこで、過渡的に過大電圧から保護するサージ保護素子(サージアブソーバ)を電源基板630に設ける。このサージ保護素子(サージアブソーバ)は、通常は抵抗値が高く電流をほとんど流さないものの、過大電圧(異常電圧)が侵入すると、瞬時に抵抗値が低くなって電流を流し、過大電圧がなくなると、元の通常の抵抗値(高い抵抗値)に戻る性能を有するものである。これにより、金属製の扉枠補強ユニットから伝わる電磁波ノイズは、電源基板630の端子からサージ保護素子(サージアブソーバ)により電源基板630のN端子から接地側(アース)へ伝わってパチンコ機1から除去される。
[主制御基板ボックスと駆動基板ボックスとの配置]
ここで、主制御基板ボックス1320と駆動基板ボックス1730との配置について図71を参照して説明する。図71は主制御基板ボックスが遊技盤に取り付けられた状態における遊技盤の左側面図の下側一部を示す図である。
遊技盤5の遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200には、上述したように、その後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。遊技盤5の遊技パネル1100の裏ユニット3000の後面に取付けられる演出表示装置1600には、上述したように、その後面に駆動基板ボックス1730が取付けられている。主制御基板1310と設定変更基板1311とが主制御基板ボックス1320に収容されて基板ホルダ1200の後面に取り付けられた状態では、図71に示すように、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の後面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法daを有して遊技盤5の正面側寄り配置されている。
この配置について説明すると、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面には、上述したように、金属製の設定キーを差し込むための差し込み口1311abaが設けられている。この設定キースイッチ1311aの外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面は、設定変更基板1311が主制御基板ボックス1320に収容された状態において、主制御基板ボックス1320のカバー体の表面と同一平面上に配置されるようになっており、つまり、設定キースイッチ1311aの外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面が主制御基板ボックス1320のカバー体の表面から外側へ向かって突出しないようになっている。作業者が遊技盤5を遊技ホールの島設備に設置されるパチンコ機1の本体枠4に装着する作業を行う場合には、まず、パチンコ機1の前面やその周囲に仮置きしたり、また、パチンコ機1の本体枠4から遊技基板5を取り外す作業を行う場合においても、取り外した遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きしたりする。このため、この仮置きした遊技盤5を作業中にあやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって転倒する場合がある。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310と設定変更基板1311とが主制御基板ボックス1320に収容されて基板ホルダ1200の後面に取り付けられた状態では、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の後面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法daを有して遊技盤5の正面側寄り配置される構成を採用した。これにより、作業者が遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きしたりする場合に、あやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって遊技盤5の裏面側が遊技ホールの床へ向かって転倒しても、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の後面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法daを有して遊技盤5の正面側寄り配置されることで、主制御基板ボックス1320と比べて駆動基板ボックス1730のカバー体が突出していることにより駆動基板ボックス1730のカバー体と主制御基板ボックス1320の下辺側とが遊技ホールの床と当接しても、設定キースイッチ1311aの外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分は、遊技ホールの床との間に空間が確実に形成されることで遊技ホールの床と衝突することを防止することができる。
また、遊技ホールの島設備の内部は、上述したように、パチンコ機1の外部端子板558の各種接続端子と電気的に接続するための複数種類の配線がその上部からつり下げられており、パチンコ機1の仕様に応じて、外部端子板558と電気的に接続される配線と、外部端子板558と電気的に接続されない配線と、がある。つまり、外部端子板558と電気的に接続されない配線は、未接続配線となり、遊技ホールの島設備の内部の上部からつり下げられた状態となる。パチンコ機1は遊技ホールの島設備に背向かいで複数列設されるため、この未接続配線が遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段に触れると、ショート(短絡)が発生して破損する(出火の原因となり得る)場合がある。裏カバー640は、複数のスリット641が形成されているものの、未接続配線の先端やその近傍では屈曲しているものも多く、未接続配線の先端がスリット641で引っ掛かってそれより遊技盤5の裏面側へ向かって侵入し難いため、ショート(短絡)を防止することができる。主制御基板1310と設定変更基板1311とが主制御基板ボックス1320に収容されて基板ホルダ1200の後面に取り付けられた状態では、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の後面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法daを有して遊技盤5の正面側寄り配置されているため、未接続配線の先端が仮にスリット641を介して遊技盤5の裏面側へ侵入しても、駆動基板ボックス1730のカバー体により阻止されて主制御基板ボックス1320へ向かって侵入することができず、未接続配線の先端が設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aの外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分と接触することを確実に防止することができる。
仮に、未接続配線の先端が設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aの外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面に接触したとしても、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは、外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abが非導電性を有する樹脂製により成型されているため、問題ないものの、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは、外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abが金属製により成型されているため、上述したように、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっており、設定変更基板1311(主制御基板1310)の基板グランドが設定キースイッチ1311aを介して露出されないため、設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへの影響が全くなく、基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
なお、駆動基板ボックス1730のカバー体及び主制御基板ボックス1320のカバー体1301は、非導電性の樹脂により成型されている。また、遊技盤5が本体枠4に装着された状態では、裏カバー640と駆動基板ボックス1730のカバー体とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置されているとともに、裏カバー640と主制御基板ボックス1320のカバー体1301とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置されている。
[変形例]
上述した設定キースイッチ1311aは、その収容する設定キーシリンダに所定個数のタンブラーピンが配置されているが、タンブラーピンをさらに多く配置されたものを採用してもよい。こうすれば、セキュリティーをより高めることがっできるし、量産されて市場に広く出回っているものであれば、単価が安くなりコスト削減に寄与することができる。設定キースイッチ1311aに収容する設定キーシリンダと比べて、タンブラーピンをさらに多く配置された設定キーシリンダを収容する設定キースイッチ1311a’を設定変更基板1311に実装する場合について、図72を参照して説明する。図72は主制御基板ボックスが遊技盤に取り付けられた状態における遊技盤の左側面図の下側一部を示す変形例1(a)であり、主制御基板ボックスが遊技盤に取り付けられた状態における遊技盤の左側面図の下側一部を示す変形例2(b)である。なお、図72では、上述した同様の構成部分については、同一の符号を付している。
上述した遊技盤5の遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200に、その後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている場合には、図72(a)に示すように、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面が主制御基板ボックス1320のカバー体1301’から突出し、この設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法dbを有して遊技盤5の後方へ突出して配置されている。駆動基板ボックス1730のカバー体の後面から突出する設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面を保護するために、保護カバー1304が主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に軸支されて開閉自在に設けられている。保護カバー1304には、図示しない係止突起が形成され、この係止突起を係止する図示しない係止溝が主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に形成されている。保護カバー1304の係止突起を主制御基板ボックス1320のカバー体1301’の係止溝から解除すると、軸支されて保護カバー1304を主制御基板ボックス1320のカバー体1301’から開けて設定キースイッチ1311a’にアクセスすることができる。
このような保護カバー1304を主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に設けることにより、作業者が遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きしたりする場合に、あやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって遊技盤5の裏面側が遊技ホールの床へ向かって転倒しても、主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に設けた保護カバー1304が遊技ホールの床と当接するため、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分は、遊技ホールの床との間に空間が確実に形成されることで遊技ホールの床と衝突することを防止することができる。
また、遊技ホールの島設備の内部は、上述したように、パチンコ機1の外部端子板558の各種接続端子と電気的に接続するための複数種類の配線がその上部からつり下げられており、パチンコ機1の仕様に応じて、外部端子板558と電気的に接続される配線と、外部端子板558と電気的に接続されない配線と、がある。つまり、外部端子板558と電気的に接続されない配線は、未接続配線となり、遊技ホールの島設備の内部の上部からつり下げられた状態となる。パチンコ機1は遊技ホールの島設備に背向かいで複数列設されるため、この未接続配線が遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段に触れると、ショート(短絡)が発生して破損する(出火の原因となり得る)場合がある。裏カバー640は、複数のスリット641が形成されているものの、未接続配線の先端やその近傍では屈曲しているものも多く、未接続配線の先端がスリット641で引っ掛かってそれより遊技盤5の裏面側へ向かって侵入し難いため、ショート(短絡)を防止することができる。主制御基板1310と設定変更基板1311とが主制御基板ボックス1320に収容されて基板ホルダ1200の後面に取り付けられた状態では、主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に保護カバー1304が設けられているため、未接続配線の先端が仮にスリット641を介して遊技盤5の裏面側へ侵入しても、主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に設けた保護カバー1304により阻止され、未接続配線の先端が設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分と接触することを確実に防止することができる。なお、駆動基板ボックス1730のカバー体、主制御基板ボックス1320のカバー体1301、保護カバー1304は、非導電性の樹脂により成型されている。
なお、遊技盤5が本体枠4に装着された状態では、裏カバー640と駆動基板ボックス1730のカバー体とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置され、裏カバー640と主制御基板ボックス1320のカバー体1301とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置されているとともに、裏カバー640と主制御基板ボックス1320のカバー体1301に設けた保護カバー1304とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置されている。
上述した遊技盤5の遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と比べて基板ホルダ1200におけるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さを短くした基板ホルダ1200’に、その後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている場合には、図72(b)に示すように、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面が主制御基板ボックス1320のカバー体1301’から突出しているものの、この設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法dcを有して遊技盤5の正面側寄り配置されている。これにより、作業者が遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きしたりする場合に、あやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって遊技盤5の裏面側が遊技ホールの床へ向かって転倒しても、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の後面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法dcを有して遊技盤5の正面側寄り配置されることで、主制御基板ボックス1320と比べて駆動基板ボックス1730のカバー体が突出していることにより駆動基板ボックス1730のカバー体と主制御基板ボックス1320の下辺側とが遊技ホールの床と当接しても、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分は、遊技ホールの床との間に空間が確実に形成されることで遊技ホールの床と衝突することを防止することができる。換言すると、作業者が遊技盤5をパチンコ機1の前面やその周囲に仮置きしたりする場合に、あやまって作業者の脚が遊技盤5に当たって遊技盤5の裏面側が遊技ホールの床へ向かって転倒しても、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分が遊技ホールの床と当接することがないように基板ホルダ1200’におけるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さが調整されている。なお、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分が遊技ホールの床と当接することがないように基板ホルダ1200’におけるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さのほかに、基板ホルダ1200’が取り付けられる遊技パネル1100の後側下部に凹部を形成して、この凹部の深さ(パチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さ)により調整してもよいし、この凹部と基板ホルダ1200’とによるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さを調整してもよい。
また、遊技ホールの島設備の内部は、上述したように、パチンコ機1の外部端子板558の各種接続端子と電気的に接続するための複数種類の配線がその上部からつり下げられており、パチンコ機1の仕様に応じて、外部端子板558と電気的に接続される配線と、外部端子板558と電気的に接続されない配線と、がある。つまり、外部端子板558と電気的に接続されない配線は、未接続配線となり、遊技ホールの島設備の内部の上部からつり下げられた状態となる。パチンコ機1は遊技ホールの島設備に背向かいで複数列設されるため、この未接続配線が遊技盤5に備える各種基板、各種モータや各種ソレノイド等の電気的駆動源、各種LEDや各種ランプ等の発光手段に触れると、ショート(短絡)が発生して破損する(出火の原因となり得る)場合がある。裏カバー640は、複数のスリット641が形成されているものの、未接続配線の先端やその近傍では屈曲しているものも多く、未接続配線の先端がスリット641で引っ掛かってそれより遊技盤5の裏面側へ向かって侵入し難いため、ショート(短絡)を防止することができる。主制御基板1310と設定変更基板1311とが主制御基板ボックス1320に収容されて基板ホルダ1200’の後面に取り付けられた状態では、主制御基板ボックス1320のカバー体1301の後面が駆動基板ボックス1730のカバー体の後面に対して距離寸法dcを有して遊技盤5の正面側寄り配置されているため、未接続配線の先端が仮にスリット641を介して遊技盤5の裏面側へ侵入しても、駆動基板ボックス1730のカバー体により阻止されて主制御基板ボックス1320へ向かって侵入することができず、未接続配線の先端が設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分と接触することを確実に防止することができる。なお、駆動基板ボックス1730のカバー体及び主制御基板ボックス1320のカバー体1301は、非導電性の樹脂により成型されている。
なお、遊技盤5が本体枠4に装着された状態では、裏カバー640と駆動基板ボックス1730のカバー体とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置されているとともに、裏カバー640と主制御基板ボックス1320のカバー体1301とは相互に接触することなく、略上下方向に平行に配置されている。
因みに、従来より、遊技の制御を行う主制御基板がケースに収容された状態で裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特開2016-214975号公報(段落[0030]、段落[0031]、及び図2))。ところで、この文献に記載される遊技機のように、主制御基板がケースに収容されているものの、例えば、静電気放電によるノイズの影響を受けると、主制御基板のように遊技機の制御や管理を行う重要な基板が誤動作したり、基板に実装される電子部品が破壊されたりするという問題があった。
[本体枠と遊技盤5との電気的な接続方法]
次に、本体枠4と遊技盤5との電気的な接続方法について、図73を参照して説明する。図73は本体枠に設けられる中継基板に実装されるドロワコネクタの正面斜視図(a)であり、後面斜視図(b)である。ドロワコネクタは、遊技盤5を本体枠4に装着するだけで自動的に本体枠4と遊技盤5との電気的接続を行うことができるコネクタであり、遊技盤5の後面の所定位置に配置される遊技盤側中継基板に遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が設けられると共に、本体枠4の前面の所定位置に配置される本体枠側中継基板に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)が設けられている。
遊技盤5を本体枠4に装着すると、図示しない遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに案内されて遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNと、が電気的に接続されるようになっている。
例えば、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNについて説明すると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNは、非導電性を有する樹脂により形成され、正面側が矩形形状に開口されると共に左右方向に長い箱状本体DCNaを有し、箱状本体DCNaの後面側に左右方向に長い板状のベース体DCNbが一体に形成されて全体として英字T形に形成された形状となっている。
箱状本体DCNaの開口部DCNaaの周囲には、この開口部DCNaaの前面から箱状本体DCNaの底面へ向かって所定距離までに亘って、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)を箱状本体DCNaの底面へ向かって案内するための傾斜部DCNaaaがそれぞれ形成されている。箱状本体DCNaの開口部DCNaaの内側上面の中央部分(1カ所)と内側上面の左右部分(左部分に1カ所、右部分に1カ所)とには、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が正規の向きと異なる上下方向ひっくり返して本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに挿入されることを防止するすると共に、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が正規の向きで本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに挿入された際に遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)と本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNとの左右方向の位置ズレを防止して遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)と本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNとの嵌合を高める溝DCNaabが箱状本体DCNaの開口部DCNaaの前面近傍から箱状本体DCNaの底面へ向かってそれぞれ形成されている。
箱状本体DCNaの底面には、この底面に対して垂直方向に、左右方向に2列に並んだピンタイプの各端子PN(左右方向に1列に6つのピンタイプの端子PNが並んでいる。)が箱状本体DCNa及びベース体DCNbを貫通している。
ベース体DCNbの左側及び右側には、取付貫通穴DCNba,DCNbaがそれぞれ形成されている。取付貫通穴DCNba,DCNbaには、本体枠側中継基板KB(図74を参照。)に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNを実装する場合に、まず本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの前方から図示しないリベットがそれぞれ挿入されて本体枠側中継基板KB(図74を参照。)の裏面(ハンダ面)において端部がカシメられて塑性変形される。これにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNは、本体枠側中継基板KB(図74を参照。)に固定される。
また、ベース体DCNbの裏面には、本体枠側中継基板KB(図74を参照。)に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNを実装する際に、本体枠側中継基板に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの正規の向きに実装されるように円柱状の突出部DCNbbが形成されている。
本体枠側中継基板KB(図74を参照。)は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNのほかに、この本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNと電気的に接続されるDIP(Dual Inline Package)タイプの小型コネクタが実装され、図示しない配線(ハーネス)を介して、払出制御基板633と電気的に接続されている。遊技盤5を本体枠4に装着すると、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに案内され、遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNとが電気的に接続されることにより、DIPタイプの小型コネクタ、そして図示しない配線(ハーネス)を介して、遊技盤5に備える主制御基板1310と本体枠4に備える払出制御基板633とによる各種制御信号を伝える制御信号ラインが形成されることとなる。
なお、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNは、遊技盤5に備える主制御基板1310と本体枠4に備える払出制御基板633とを電気的に接続するものであり、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNとは別にもう一つ図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’が本体枠側中継基板KBとは別の図示しない本体枠側中継基板KB’に設けられている。この本体枠側中継基板KB’は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’のほかに、この本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’と電気的に接続されるDIP(Dual Inline Package)タイプの小型コネクタが実装され、図示しない配線(ハーネス)を介して、扉枠3に備える各装飾基板や各種センサ等と電気的に接続されている。遊技盤5を本体枠4に装着すると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNと電気的に接続される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)とは別の他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が本体枠4の図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’に案内され、他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’の各端子PNとが電気的に接続されることにより、DIPタイプの小型コネクタ、そして図示しない配線(ハーネス)を介して、遊技盤5に備える周辺制御基板1510と、扉枠3に備える各装飾基板、各種センサ、及び各種スピーカ等と、による各種制御信号や検出信号を伝える制御信号ラインが形成されることとなる。図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’の構造は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNと同一の構造となっており、また図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’の図示しない本体枠側中継基板KB’への固定方法は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの本体枠側中継基板KBへの固定方法(リベットを利用する固定方法)と同一となっている。
また、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに案内される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の図示しない遊技盤側中継基板への固定方法、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’に案内される遊技盤5の他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の図示しない他の遊技盤側中継基板(この他の遊技盤側中継基板は、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに案内される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が実装される図示しない遊技盤側中継基板と異なるものである。)への固定方法は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの本体枠側中継基板KBへの固定方法(リベットを利用する固定方法)と同一となっている。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNを本体枠側中継基板KB(図74を参照。)に固定する場合にリベットを用いているのは、ドロワコネクタを利用することで、遊技盤5を本体枠4に装着するだけで自動的に本体枠4と遊技盤5との電気的接続を行うことができるものの、遊技盤5を本体枠4に装着する際に、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)から本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの箱状本体DCNaに大きな力が付与される場合があるため、この大きな力により本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNにおけるピンタイプの各端子PNが本体枠側中継基板KB(図74を参照。)の裏面(ハンダ面)においてハンダ付けされた面が剥離することを防止するためである。なお、ボルトとナットとを用いて、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNを本体枠側中継基板KB(図74を参照。)に固定する場合や遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)を図示しない遊技盤側中継基板に固定する場合では、遊技盤5を本体枠4に装着したり、取り外したりすることでナットが緩む場合があるという欠点がある。
本実施形態では、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNとしてピンタイプのものを利用したが、ターミナル及びコンタクトを用いるベローズタイプを利用すると、次のような問題がある。例えば、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子をターミナルとし、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子をコンタクトとする場合において、パチンコ機1に電源が投入された状態で遊技盤5を本体枠4に装着すると、ターミナルとコンタクトとの接点(具体的には、各種電圧供給ライン用接点では大電流(突入電流)が流れる)が溶着することとなる。この溶着した状態のまま、遊技盤5を本体枠4に無理に押し込んで装着しようとすると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNのコンタクトが折れ曲がって壊れたり、この遊技盤5を本体枠4から取り外すときに、コンタクトが本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNから剥がれて破損したりして、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNが使用できなくなるという問題。
また、ターミナルとコンタクトとが溶着すると、コネクタの破損にともない、各種制御基板が誤動作したり、各種制御基板に実装された電子部品が破損したりするおそれもあるため、溶着を防止する専用回路を設ける必要があるという問題。
本実施形態では、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNとしてピンタイプのものを利用することで、上述した問題が全く発生しない。つまり、仮に作業員が誤ってパチンコ機1に電源が投入された状態で遊技盤5を本体枠4に装着したとしても、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)の各端子と本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNとが溶着することがなし、溶着を防止する専用回路を設ける必要もない。
[ハンダ短絡防止]
次に、ハンダ短絡防止について図74を参照して説明する。図74は本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子の半田ブリッジを防止する図(a)~(c)であり、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)と電気的に接続されるDIPタイプの小型コネクタの各端子の半田ブリッジを防止する図(d)~(f)である。なお、図74には、各種配線パターン、基板グランド(GND)(以下、「ベタグランド」と記載する場合がある。)を図面の見易さから省略した。また、図74において、実線で示した矢印は、基板を半田槽に流した際にハンダが流れる方向を示し、一点鎖線で示した矢印は、基板を半田槽に流す方向を示している。
本体枠4の前面の所定位置に配置される本体枠側中継基板KBは、上述したように、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNのほかに、この本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNと電気的に接続されるDIPタイプの小型コネクタが実装されている。このDIPタイプの小型コネクタの端子は、2列に並んだピンタイプのものである。本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNは、本体枠側中継基板KBにおける左右方向の同一直線上に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNのベース体DCNbに形成される取付貫通穴DCNba,DCNba及び円柱状の突出部DCNbbが配置されている(ドロワコネクタ用所定位置)のに対して、DIPタイプの小型コネクタは、本体枠側中継基板KBにおける上下方向となるように、つまり、DIPタイプの小型コネクタの2列に並ぶ各端子が本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの2列に並ぶ各端子PNと90度回転させた位置となるように配置されている(小型コネクタ用所定位置)。
本体枠側中継基板KBは、その表面(実装面)KBxに、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNがドロワコネクタ用所定位置に置かれると、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNがランドを有するスルーホールKTH1(以下、単に「ランドKTH1」と記載する場合がある。)にそれぞれ挿通され、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの円柱状の突出部DCNbbが位置決め穴KBbに挿通され、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの取付貫通穴DCNba,DCNbaと、この取付貫通穴DCNba,DCNba対応する位置に形成される取付穴KBa,KBaと、が連通して本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの前方から図示しないリベットが取付貫通穴DCNba,DCNbaへそれぞれ挿入されて本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおいて端部がカシメられて固定される。そして、本体枠側中継基板KBは、その表面(実装面)KBxに、DIPタイプの小型コネクタが小型コネクタ用所定位置に置かれると、DIPタイプの小型コネクタの各端子がランドを有するスルーホールKTH2(以下、単に「ランドKTH2」と記載する場合がある。)にそれぞれ挿通される。
本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxに本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNがドロワコネクタ用所定位置に置かれると、上下方向に2段となり、下から1段目となる第1列の6つの端子PNと、下から2段目となる第2列の6つの端子PNと、が平行に並ぶこととなる。これに対して、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxにDIPタイプの小型コネクタが小型コネクタ用所定位置に置かれると、上下方向に6段となり、下から1段目となる第1列の2つの端子PNと、下から2段目となる第2列の2つの端子PNと、下から3段目となる第3列の2つの端子PNと、下から4段目となる第4列の2つの端子PNと、下から5段目となる第5列の2つの端子PNと、下から6段目となる第6列の2つの端子PNと、がそれぞれ平行に並ぶこととなる。
本体枠側中継基板KBは、その表面(実装面)KBxに、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNがドロワコネクタ用所定位置に置かれると共に、DIPタイプの小型コネクタが小型コネクタ用所定位置に置かれると、その裏面(ハンダ面)KByから本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNとDIPタイプの小型コネクタの各端子とが突出した状態となる。このような状態で本体枠側中継基板KBをその裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すことで本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNと各ランドKTH1とを本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにハンダ付けすることができると共に、DIPタイプの小型コネクタの各端子と各ランドKTH2とを本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにハンダ付けすることができる。
本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流す方向は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの下から2段目となる第2列の6つの端子PNから下から1段目となる第1列の6つの端子PNへ向かう方向となっていると共に、DIPタイプの小型コネクタの下から6段目となる第6列の2つの端子から下から1段目となる第1列の2つの端子へ向かう方向となっている。つまり、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、下から1段目となる第1列の6つの端子PNが最終段の端子となり、DIPタイプの小型コネクタでは、下から1段目となる第1列の2つの端子が最終段の端子となる。
基板の裏面(ハンダ面)を半田槽へ流す場合において、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNやDIPタイプの小型コネクタの各端子のように、ピンタイプのものが整列された状態で半田槽へ流すと、流す方向に沿って半田ブリッジが発生するおそれがあり、特に最終段の端子とその手前の段の端子とで半田ブリッジが発生する。そこで、最終段の端子には、半田逃げパターンが形成される。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、上述したように、下から1段目となる第1列の6つの端子PNが最終段の端子であるため、第1列の6つの端子PNの各ランドKTH1と、上下方向に長く幅がランドKTH1の外径の大きさとなる矩形形状を有する半田逃げパターンKNP1と、がそれぞれ接続されるように(つまり、第1列の6つの端子PNの各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とがそれぞれ電気的に接続されるように)本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されている。
DIPタイプの小型コネクタでは、上述したように、下から1段目となる第1列の2つの端子が最終段の端子であるため、第1列の2つの端子PNの各ランドKTH2と、上下方向に長く幅がランドKTH2の外径の大きさとなる矩形形状を有する半田逃げパターンKNP2と、がそれぞれ接続されるように(つまり、第1列の2つの端子の各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とがそれぞれ電気的に接続されるように)、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されている。
このように、最終段の端子に半田逃げパターンを形成することで最終段の端子における半田ブリッジの発生を抑制してハンダ短絡防止に寄与することができるものの、最終段の端子以外にも半田ブリッジが発生するおそれがある。そこで、本実施形態では、半田ブリッジの発生を抑制することができる方法として、レジストの上にシルク印刷により水平線を各段の境界にそれぞれ印刷する方法(シルク印刷による対策1)、レジストの上にシルク印刷により水平線を各段の境界にそれぞれ印刷すると共に垂直線を左右方向に隣り合う各端子のランド及び半田逃げパターンの境界にそれぞれ印刷する方法(シルク印刷による対策2)、レジストの上にシルク印刷により各端子のランド及び半田逃げパターンを所定の図形で囲みその領域を塗りつぶす方法(シルク印刷による対策3)を挙がることができる。
[シルク印刷による対策1]
まず、半田ブリッジの発生を抑制することができる方法として、レジストの上にシルク印刷により水平線を各段の境界にそれぞれ印刷する方法(シルク印刷による対策1)について説明する。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図74(a)に示すように、下から1段目となる第1列の6つの端子PNと、下から2段目となる第2列の6つの端子PNと、の境界にシルク印刷により水平線KSH1を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷する。つまり、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおけるレジストの上にシルク印刷により水平線KSH1が印刷されることとなるため、レジストの面から見ると、水平線KSH1が山脈のような縦壁が連なっている状態となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れて水平線KSH1という山脈のような縦壁を越えて流れる必要があるため、下から2段目となる第2列の6つの端子PN及びランドKTH1と、下から1段目となる第1列の6つの端子PN及びランドKTH1と、の境界における水平線KSH1という山脈のような縦壁によりレジストにハンダが留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下方向に隣り合う各端子PN及びランドKTH1において半田ブリッジを抑制することができる。
DIPタイプの小型コネクタの各端子では、図74(d)に示すように、下から6段目となる第6列の2つの端子と、下から5段目となる第5列の2つの端子と、の境界にシルク印刷により水平線KSH2を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷し、下から5段目となる第5列の2つの端子と、下から4段目となる第4列の2つの端子と、の境界にシルク印刷により水平線KSH2を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷し、下から4段目となる第4列の2つの端子と、下から3段目となる第3列の2つの端子と、の境界にシルク印刷により水平線KSH2を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷し、下から3段目となる第3列の2つの端子と、下から2段目となる第2列の2つの端子と、の境界にシルク印刷により水平線KSH2を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷し、下から2段目となる第2列の2つの端子と、下から1段目となる第1列の2つの端子と、の境界にシルク印刷により水平線KSH2を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷する。つまり、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおけるレジストの上にシルク印刷により水平線KSH2が印刷されることとなるため、レジストの面から見ると、水平線KSH2が山脈のような縦壁が連なっている状態となる。これにより、例えば、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れて水平線KSH2という山脈のような縦壁を越えて流れる必要があるため、下から6段目となる第6列の2つの端子及びランドKTH2と、下から5段目となる第5列の2つの端子及びランドKTH2と、の境界における水平線KSH2という山脈のような縦壁によりレジストにハンダが留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下方向に隣り合う各端子において半田ブリッジを抑制することができる。下から5段目となる第5列の2つの端子及びランドKTH2と、下から4段目となる第4列の2つの端子及びランドKTH2と、の境界における水平線KSH2、下から4段目となる第4列の2つの端子及びランドKTH2と、下から3段目となる第3列の2つの端子及びランドKTH2と、の境界における水平線KSH2、下から3段目となる第3列の2つの端子及びランドKTH2と、下から2段目となる第2列の2つの端子及びランドKTH2と、の境界における水平線KSH2、及び下から2段目となる第2列の2つの端子及びランドKTH2と、下から1段目となる第1列の2つの端子及びランドKTH2と、の境界における水平線KSH2についても、下から6段目となる第6列の2つの端子及びランドKTH2と、下から5段目となる第5列の2つの端子及びランドKTH2と、の境界における水平線KSH2と同様に、水平線KSH2という山脈のような縦壁によりレジストにハンダが留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下方向に隣り合う各端子及びランドKTH2において半田ブリッジを抑制することができる。
[シルク印刷による対策2]
次に、半田ブリッジの発生を抑制することができる方法として、レジストの上にシルク印刷により水平線を各段の境界にそれぞれ印刷すると共に垂直線を左右方向に隣り合う各端子のランド及び半田逃げパターンの境界にそれぞれ印刷する方法(シルク印刷による対策2)について説明する。このシルク印刷による対策2は、上述したシルク印刷による対策1に対して、さらに、シルク印刷により垂直線を左右方向に隣り合う各端子のランドと左右方向に隣り合う半田逃げパターンの境界とに印刷する方法であるため、シルク印刷による対策1に対する説明を省略する。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図74(a)に示したシルク印刷により印刷された水平線KSH1に加えて、さらに、図74(b)に示すように、下から1段目となる第1列の6つの端子PN及びランドKTH1と、下から2段目となる第2列の6つの端子PN及びランドKTH1と、のうち、左右方向に隣り合う各端子PN及びランドKTH1と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP1と、の境界にシルク印刷により垂直線KSV1を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対してそれぞれ印刷する。つまり、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおけるレジストの上にシルク印刷により垂直線KSV1がそれぞれ印刷されることとなるため、レジストの面から見ると、垂直線KSV1が山脈のような縦壁が連なっている状態となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れて垂直線KSV1という山脈のような縦壁に沿って流れることができると共に、垂直線KSV1という山脈のような縦壁上を流れるハンダが垂直線KSV1という山脈のような縦壁を境として縦壁の左方又は縦壁の右方へ流れることによりレジストに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、左右方向に隣り合う各端子PN及びランドKTH1と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP1と、において半田ブリッジをそれぞれ抑制することができる。
DIPタイプの小型コネクタの各端子では、図74(d)に示したシルク印刷により印刷された水平線KSH2に加えて、さらに、図74(e)に示すように、下から1段目となる第1列の2つの端子及びランドKTH2から下から6段目となる第6列の2つの端子及びランドKTH2までに亘って、左右方向に隣り合う各端子及びランドKTH2と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP2と、の境界にシルク印刷により垂直線KSV2を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに対して印刷する。つまり、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおけるレジストの上にシルク印刷により垂直線KSV2が印刷されることとなるため、レジストの面から見ると、垂直線KSV2が山脈のような縦壁が連なっている状態となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れて垂直線KSV2という山脈のような縦壁に沿って流れることができると共に、垂直線KSV2という山脈のような縦壁上を流れるハンダが垂直線KSV2という山脈のような縦壁を境として縦壁の左方又は縦壁の右方へ流れることによりによりレジストに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、左右方向に隣り合う各端子及びランドKTH2と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP2と、において半田ブリッジをそれぞれ抑制することができる。
[シルク印刷による対策3]
次に、半田ブリッジの発生を抑制することができる方法として、レジストの上にシルク印刷により各端子のランド及び半田逃げパターンを所定の図形で囲みその領域を塗りつぶす方法(シルク印刷による対策3)について説明する。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図74(c)に示すように、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNが挿通されるランドKTH1と、各半田逃げパターンKNP1と、を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにシルク印刷により左右方向に長い矩形形状で囲み、この矩形形状に囲まれた領域KSA1のうち、各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とを除いた領域を塗りつぶすように印刷する。つまり、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおけるレジストの上にシルク印刷により各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とが矩形形状に囲まれた領域KSA1のうち、各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とを除いた領域が塗りつぶすように印刷されることとなるため、シルク印刷された領域KSA1の表面から各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とを見ると、各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP1とが窪んだ領域となるし、また、レジストの面から見ると、シルク印刷された領域KSA1が小高い台地の領域となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れてシルク印刷された領域KSA1という小高い台地を越えて流れる必要があるため、シルク印刷された領域KSA1上を流れるハンダの量を抑制することができると共に、シルク印刷された領域KSA1という小高い台地に形成される窪んだ領域となる各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とにハンダが流れると、窪んだ領域となる各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とからシルク印刷された領域KSA1という小高い台地を乗り越えることができずに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下左右方向に隣り合う各端子PN及びランドKTH1と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP1と、において半田ブリッジをそれぞれ抑制することができる。
DIPタイプの小型コネクタの各端子では、図74(f)に示すように、DIPタイプの小型コネクタの各端子が挿通されるランドKTH2と、各半田逃げパターンKNP2と、を本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにシルク印刷により上下方向に長い矩形形状で囲み、この矩形形状に囲まれた領域KSA2のうち、各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とを除いた領域を塗りつぶすように印刷する。つまり、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおけるレジストの上にシルク印刷により各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とが矩形形状に囲まれた領域KSA2のうち、各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とを除いた領域が塗りつぶすように印刷されることとなるため、シルク印刷された領域KSA2の表面から各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とを見ると、各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とが窪んだ領域となるし、また、レジストの面から見ると、シルク印刷された領域KSA2が小高い台地の領域となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れてシルク印刷された領域KSA2という小高い台地を越えて流れる必要があるため、シルク印刷された領域KSA2上を流れるハンダの量を抑制することができると共に、シルク印刷された領域KSA2という小高い台地に形成される窪んだ領域となる各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とにハンダが流れると、窪んだ領域となる各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とからシルク印刷された領域KSA2という小高い台地をハンダが留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下左右方向に隣り合う各端子及びランドKTH2と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP2と、において半田ブリッジをそれぞれ抑制することができる。
上述したシルク印刷による対策1~対策3が施されたコネクタは、シルク印刷による対策1~対策3が施されていないコネクタと比べると、シルク印刷された部分が極めて目立つため、基板に半田ブリッジが発生しているか否かを目視により確認する作業を行う場合には、作業者が基板のどこに注視すればよいか目印となるため、素早く視線を向けることができる。
[変形例]
なお、本実施形態では、基板を半田槽に流す場合に上述したシルク印刷による対策1~対策3を施して半田ブリッジの発生を防止してハンダ短絡防止を行っていたが、上述したシルク印刷による対策1~対策3を、作業者が直接基板にハンダ付けするコネクタがどのコネクタであるかを示す目印として利用することもできる。
また、上述した実施形態では、基板を半田槽に流す場合に上述したシルク印刷による対策3を施して、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図74(c)に示した矩形形状に囲まれた領域KSA1、DIPタイプの小型コネクタの各端子では、図74(f)に示した矩形形状に囲まれた領域KSA2により半田ブリッジの発生を防止してハンダ短絡防止を行っていたが、矩形形状に代えて他の形状に囲まれた領域により半田ブリッジの発生を防止してハンダ短絡防止を行ってもよい。図75は図74(c)の変形例を示す図(a)であり、図74(f)の変形例を示す図(b)である。なお、図75における図中の符号のうち図74と同一の構成部分については、同一の符号を付している。また、図75において、実線で示した矢印は、基板を半田槽に流した際にハンダが流れる方向を示し、一点鎖線で示した矢印は、基板を半田槽に流す方向を示している。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図75(a)に示すように、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNが挿通されるランドKTH1と、各半田逃げパターンKNP1と、のそれぞれの形状より約3倍程度大きい形状で本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにシルク印刷により囲み、この形状に囲まれた領域KSA1’のうち、各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とを除いた領域を塗りつぶすように印刷する。また、レジストの面から見ると、シルク印刷された領域KSA1’が小高い台地の領域となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れてシルク印刷された領域KSA1’という小高い台地を越えて流れる必要があるため、シルク印刷された領域KSA1’上を流れるハンダの量を抑制することができると共に、シルク印刷された領域KSA1’という小高い台地に形成される窪んだ領域となる各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とにハンダが流れると、窪んだ領域となる各ランドKTH1と各半田逃げパターンKNP1とからシルク印刷された領域KSA1’という小高い台地を乗り越えることができずに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下左右方向に隣り合う各端子PN及びランドKTH1と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP1と、において半田ブリッジをそれぞれ抑制することができる。
また、DIPタイプの小型コネクタの各端子では、図75(b)に示すように、DIPタイプの小型コネクタの各端子が挿通されるランドKTH2と、各半田逃げパターンKNP2と、のそれぞれの形状より約3倍程度大きい形状で本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにシルク印刷により囲み、この形状に囲まれた領域KSA2’のうち、各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とを除いた領域を塗りつぶすように印刷する。また、レジストの面から見ると、シルク印刷された領域KSA2’が小高い台地の領域となる。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れてシルク印刷された領域KSA2’という小高い台地を越えて流れる必要があるため、シルク印刷された領域KSA2’上を流れるハンダの量を抑制することができると共に、シルク印刷された領域KSA2’という小高い台地に形成される窪んだ領域となる各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とにハンダが流れると、窪んだ領域となる各ランドKTH2と各半田逃げパターンKNP2とからシルク印刷された領域KSA2’という小高い台地をハンダが留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、上下左右方向に隣り合う各端子及びランドKTH2と、左右方向に隣り合う半田逃げパターンKNP2と、において半田ブリッジをそれぞれ抑制することができる。
また、上述した実施形態では、最終段の端子と半田逃げパターンとを接続して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されていたが、所定距離だけ離間して形成してもよい。図76は、最終段の端子と半田逃げパターンとを所定距離だけ離間して形成する変形例を示す図である。
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図76(a)に示すように、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの最終段の端子PNが挿通されるランドKTH1と、上下方向に長く幅がランドKTH1の外径の大きさとなる矩形形状を有する半田逃げパターンKNP1’(一辺がランドKTH1の外径の大きさとなる四角形状を有するものであってもよい。)と、が所定距離(例えば、ランドKTH1の外径の3分の1から2分の1の長さ)だけ離間して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この半田逃げパターンKNP1’は、各種配線パターンやベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
DIPタイプの小型コネクタでは、図76(a)に示すように、DIPタイプの小型コネクタの最終段の端子が挿通されるランドKTH2と、左右方向に長く幅がランドKTH2の外径の大きさとなる矩形形状を有する半田逃げパターンKNP2’(一辺がランドKTH2の外径の大きさとなる四角形状を有するものであってもよい。)と、が所定距離(例えば、ランドKTH2の外径の3分の1から2分の1の長さ)だけ離間して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この半田逃げパターンKNP2’は、各種配線パターンやベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
また、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図76(b)に示すように、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの最終段の端子PNが挿通されるランドKTH1と、上下方向に長く幅がランドKTH1の外径の大きさとなる矩形形状であってランドKTH1と反対側に半円形状を有する半田逃げパターンKNP1’’(一辺がランドKTH1の外径の大きさとなる四角形状を有するものであってランドKTH1と反対側に半円形状を有するものであってもよい。)と、が所定距離(例えば、ランドKTH1の外径の3分の1から2分の1の長さ)だけ離間して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この半田逃げパターンKNP1’’は、各種配線パターンやベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
DIPタイプの小型コネクタでは、図76(b)に示すように、DIPタイプの小型コネクタの最終段の端子が挿通されるランドKTH2と、左右方向に長く幅がランドKTH2の外径の大きさとなる矩形形状であってランドKTH2と反対側に半円形状を有する半田逃げパターンKNP2’’(一辺がランドKTH2の外径の大きさとなる四角形状を有するものであってランドKTH2と反対側に半円形状を有するものであってもよい。)と、が所定距離(例えば、ランドKTH2の外径の3分の1から2分の1の長さ)だけ離間して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この半田逃げパターンKNP2’’は、各種配線パターンやベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
また、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNでは、図76(c)に示すように、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの最終段の端子PNが挿通されるランドKTH1と、上下方向に長く幅がランドKTH1の外径の大きさとなる矩形形状であってランドKTH1と反対側に三角形状を有する半田逃げパターンKNP1’’’(一辺がランドKTH1の外径の大きさとなる四角形状を有するものであってランドKTH1と反対側に三角形状を有するものであってもよい。)と、が所定距離(例えば、ランドKTH1の外径の3分の1から2分の1の長さ)だけ離間して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この半田逃げパターンKNP1’’’は、各種配線パターンやベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
DIPタイプの小型コネクタでは、図76(c)に示すように、DIPタイプの小型コネクタの最終段の端子が挿通されるランドKTH2と、左右方向に長く幅がランドKTH2の外径の大きさとなる矩形形状であってランドKTH2と反対側に三角形状を有する半田逃げパターンKNP2’’’(一辺がランドKTH2の外径の大きさとなる四角形状を有するものであってランドKTH2と反対側に三角形状を有するものであってもよい。)と、が所定距離(例えば、ランドKTH2の外径の3分の1から2分の1の長さ)だけ離間して本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面にそれぞれ形成されるようにしてもよい。この半田逃げパターンKNP2’’’は、各種配線パターンやベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された状態となっている。
また、上述した実施形態では、最終段の端子が挿通されるランドKTH1(KTH2)に矩形形状を有する半田逃げパターンKNP1(KNP2)が接続されて形成されていたが、最終段の端子に接続されていない反対側の半田逃げパターンの形状を半円形状(図76(b)の半円形状を参照。)や三角形状(図76(c)の三角形状を参照。)としてもよい。
また、実施形態では、図74に示したように、基板を半田槽に流す方向(つまり、図74(a)~(c)の一点鎖線の矢印の方向)が予め決められていたが、この方向に加えてこの方向と反方向に基板を流すことができる場合には(つまり、基板を半田槽に両方向から流すことができる場合には)、上述したシルク印刷による対策1~対策3を施して半田ブリッジの発生を防止してハンダ短絡防止を行うようにしてもよい。この場合、流れの方向によって最終段の端子が挿通されるランドには矩形形状を有する半田逃げパターンが接続されて形成されることとなる。なお、最終段の端子に接続されていない反対側の半田逃げパターンの形状を半円形状(図76(b)の半円形状を参照。)や三角形状(図76(c)の三角形状を参照。)としてもよい。また、最終段の端子と半田逃げパターンとを所定距離だけ離間して形成してもよい。上述した半田逃げパターンは、基板を半田槽に流す方向に対して、コネクタの両端に形成されていればよい。また、基板設計時には基板をどの方向から流すのか解らない場合には、どちらの方向から流してもよいように両方向に上述した半田逃げパターンを形成する。
因みに、従来より、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板、画像表示装置等の表示制御を行う画像制御基板等の各種基板が裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特開2017-217381号公報(段落[0051]、及び図2))。ところで、この文献に記載される遊技機のように、各種基板を半田槽に流して部品の端子がハンダ付けされるものの、隣接する端子において半田ブリッジが形成されてハンダによる短絡が発生するという問題があった。
[オーバーレジストによる剥離防止]
次に、オーバーレジストによる剥離防止ついて、図77~図79を参照して説明する。ここでは、まず本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNに施されるオーバーレジストについて説明し、表面実装タイプのコネクタの筐体固定ランドに施されるオーバーレジストについて説明する。図77は本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子に施されるオーバーレジストの概略図(a)であり、(a)におけるX-X線の断面の概略図(b)である。図78は表面実装タイプのコネクタが実装される基板の表面(実装面)側の銅箔面の概略図(a)であり、基板の表面(実装面)の概略図(b)である。図79は図78の続きであり、図78(b)のA部の拡大図であって表面実装タイプのコネクタの筐体固定ランドに施されるオーバーレジストの概略図(c)であり、(c)におけるY-Y線の断面の概略図(d)である。なお、図77~図79には、各種配線パターンや基板グランド(GND)(以下、「ベタグランド」と記載する場合がある。)を図面の見易さから省略したものもある。
[本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)の各端子に施されるオーバーレジスト]
本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNに施されるオーバーレジストについて説明すると、図77(a),(b)に示すように、ランドを有するスルーホールKTH1(以下、単に「ランドKTH1」と記載する場合がある。)は、本体枠側中継基板KBの基材KBoにスルーホールが形成されると共に、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxの銅箔面と、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面と、において銅箔を抜くことで外径KTHD1を有するランドがそれぞれ形成される。本実施形態では、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxに形成されるランドの外径と本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに形成されるランドの外径とが外径KTHD1であり同一の大きさとなっている。
本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxの銅箔面の上には、レジスト液が塗布されて表面(実装面)側レジスト層KBxrが形成されているものの、表面(実装面)側レジスト層KBxrのうちランドKTH1と対応する領域には、ランドKTH1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する表面(実装面)側レジスト開口部KBxraが形成されている。また、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面上には、レジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層KByrが形成されているものの、裏面(ハンダ面)側レジスト層KByrのうちランドKTH1と対応する領域には、ランドKTH1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有する裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraが形成されている。
本実施形態では、表面(実装面)側レジスト開口部KBxraの開口径KBxrD1と裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraの開口径KByrD1とが同一の大きさとなっている。なお、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)と本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)とは図示しないスルーホールにより電気的に接続されて同一のグランド(GND)となっている。
このように、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxにおいて、表面(実装面)側レジスト層KBxrのうちランドKTH1と対応する領域には、ランドKTH1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する表面(実装面)側レジスト開口部KBxraが形成されているため、ランドKTH1の外径KTHD1の外周からランドKTH1の中心へ向かってランドKTH1の外周部分がレジストにより被さった状態となるオーバーレジストが施されている。これにより、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxにおいて、ランドKTH1の外周部分全体にレジストが被さった状態とすることができるため、高い剥離強度をランドKTH1に対する多方向からの負荷に対して一様とすることができる。
また、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおいて、裏面(ハンダ面)側レジスト層KByrのうちランドKTH1と対応する領域には、ランドKTH1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有する裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraが形成されているため、ランドKTH1の外径KTHD1の外周からランドKTH1の中心へ向かってランドKTH1の外周部分がレジストにより被さった状態となるオーバーレジストが施されている。これにより、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByにおいて、ランドKTH1の外周部分全体にレジストが被さった状態とすることができるため、高い剥離強度をランドKTH1に対する多方向からの負荷に対して一様とすることができる。
本体枠側中継基板KBの基材KBoの表面及び裏面は銅箔面が接着されて形成されるものの、基材KBoと銅箔面との接着と比べて、銅箔面に形成されるランドKTH1とハンダとの接合の方が強い。
ところで、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNを本体枠側中継基板KBに固定する場合には、上述したように、リベットを用いていた。これは、ドロワコネクタを利用することで、遊技盤5を本体枠4に装着するだけで自動的に本体枠4と遊技盤5との電気的接続を行うことができるものの、遊技盤5を本体枠4に装着する際に、遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)から本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの箱状本体DCNaに大きな力が付与される場合があるため、この大きな力により本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNにおけるピンタイプの各端子PNが本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)においてハンダ付けされた面が剥離することを防止するためである。
しかし、ドロワコネクタを利用することで、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに外力が付与されることとなるため、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxの銅箔面や本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KBxの銅箔面に形成されるランドKTH1が基材KBoから剥離したり、銅箔面に形成される各種配線パターンがランドKTH1と共に基材KBoから剥離したりする場合がある。
そこで、本実施形態では、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxと本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByとにおいて、さらに、ランドKTH1に対してオーバーレジストを施して銅箔面に形成される銅箔が基材KBoから剥離しないように剥離強度を高めることによって、ドロワコネクタを利用することで遊技盤5の装着や取り外しによる本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに外力が加わっても、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxの銅箔面や本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KBxの銅箔面に形成されるランドKTH1が基材KBoから剥離したり、銅箔面に形成される各種配線パターンがランドKTH1と共に基材KBoから剥離したりすることを確実に防止することができるようになっている。
なお、オーバーレジストが施されているランドKTH1の外径KTHD1は、ランドKTH1に本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNが挿通されてハンダ付けされる領域を加味されていると共に、オーバーレジストが施されてないランドの外径と比べると大きいものとなっている。これは、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの端子PNがオーバーレジストが施されているランドKTH1にハンダ付けされた場合における接合面積は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの端子PNがオーバーレジストが施されてないランドにハンダ付けされた場合における接合面積以上とするためである。これにより、オーバーレジストが施されているランドKTH1への接合強度を、オーバーレジストが施されてないランドへの接合強度以上とすることができる。
また、オーバーレジストの有無により、端子が挿通されるランドの外径が同一であっても、オーバーレジストを施さない場合には通常のサイズの外径を有するランドと、オーバーレジストを施す場合には通常サイズの外径より大きい外径を有するランドと、を基板設計段階で用意する必要があり、設計者が誤ってオーバーレジストを施すランドに対して、オーバーレジストを施さないランドを配置すると、端子とランドとの接合が不十分となりハンダ不良が発生する場合があるという問題がある。
そこで、本実施形態では、オーバーレジストの有無に関係なく、オーバーレジストが施されるランドが1つでも存在する基板(例えば、本体枠側中継基板KB)に対しては、すべてのランドに対して、オーバーレジストを施すランドと同一のランドを、オーバーレジストを施さないランドとして、配置している。これにより、端子とランドとの接合が十分となりハンダ不良の発生を確実に防止することができる。
なお、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに案内される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が実装される図示しない遊技盤側中継基板に対しても、ランドに対して上述したオーバーレジストが施されている。また、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNとは別にもう一つ図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’が本体枠側中継基板KBとは別に図示しない本体枠側中継基板KB’に設けられており、この図示しない図示しない本体枠側中継基板KB’ に対しても、ランドに対して上述したオーバーレジストが施されている。また、本体枠4の図示しない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCN’に案内される他の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)(この他の遊技盤ドロワコネクタ(凸タイプ)は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNと電気的に接続される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)と異なるものである。)が実装される図示しない他の遊技盤側中継基板(この他の遊技盤側中継基板は、本体枠4の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNに案内される遊技盤5の遊技盤側ドロワコネクタ(凸タイプ)が実装される図示しない遊技盤側中継基板と異なるものである。)に対しても、ランドに対して上述したオーバーレジストが施されている。
本実施形態では、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxに形成されるランドの外径と本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByに形成されるランドの外径とが外径KTHD1であり同一の大きさとなっているが、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxの銅箔面に形成されるランドの外径と比べて、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面に形成されるランドの外径を大きくしてもよいし、小さくしてもよい。また、本実施形態では、表面(実装面)側レジスト開口部KBxraの開口径KBxrD1と裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraの開口径KByrD1とが同一の大きさとなっているが、表面(実装面)側レジスト開口部KBxraの開口径KBxrD1と比べて、裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraの開口径KByrD1を大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
[変形例]
なお、本実施形態では、外力が付与される本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNが実装される本体枠側中継基板KBのランドに対して上述したオーバーレジストが施されていたが、設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311のランドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aを固定するためのランド(上述したロングスルーホールSLH1,SLH2)に対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、各種配線やハーネスが挿抜されるDIPタイプのコネクタが実装される他の基板(例えば、DIPタイプのコネクタが実装される場合には、主制御基板1310、払出制御基板633等の基板のほかに、周辺制御基板1510、電源基板630、インターフェイス基板635、各種装飾基板、各種中継基板、各種駆動基板等の基板)のランドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、電気的駆動源の駆動により作動する可動体に基板が設けられる場合であって可動体の作動にともない可動体の基板と電気的に接続される配線やハーネスによる負荷が可動体の基板に付与される場合には、DIPタイプのコネクタが実装される可動体の基板のランドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、押圧操作部を有する各種スイッチなどの各種スイッチであって基板の表面(実装面)に実装されて裏面(ハンダ面)においてハンダ付けられるリード端子を有するランドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、何らかの外力が基板に付与される場合であって抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、IC等のリードタイプやDIPタイプの電子部品が実装される基板のランドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよい。
また、上述した実施形態では、オーバーレジストの有無に関係なく、オーバーレジストが施されるランドが1つでも存在する基板(例えば、本体枠側中継基板KB)に対しては、すべてのランドに対して、オーバーレジストを施すランドと同一のランドを、オーバーレジストを施さないランドとして、を配置したが、オーバーレジストを施さない場合には通常のサイズの外径を有するランド(つまり、オーバーレジストが施されているランドKTH1の外径KTHD1より小さい通常のサイズの外径を有するランド)を配置してもよい。つまり、オーバーレジストが施されるランドと、オーバーレジストを施さない場合には通常のサイズの外径を有するランドと、が混在してもよい。この場合、オーバーレジストの有無により、端子が挿通されるランドの外径が同一であっても、オーバーレジストを施さない場合には通常のサイズの外径を有するランドと、オーバーレジストを施す場合には通常サイズの外径より大きい外径を有するランドと、を基板設計段階で用意する必要がある。
[表面実装タイプのコネクタの筐体固定ランドに施されるオーバーレジス]
基板KCに実装される表面実装タイプのコネクタKCNの筐体固定パッドKSPFに施されるオーバーレジストについて説明すると、図78(a),(b)、及び図79(c),(d)に示すように、表面実装タイプのコネクタKCNの各端子(例えば、6つの端子を有する。)がハンダ付けされる上下方向に細長い矩形形状を有するパッドKSP、各パッドKSPとそれぞれ接続される各種配線パターン、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)を基板KCの表面(実装面)にハンダ付けされて固定される上下方向に長い矩形形状を有する筐体固定パッドKSPFは、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpにおいて銅箔を抜くことで各パッドKSP、各パッドKSPと接続される各種配線パターン、各筐体固定パッドKSPFがそれぞれ形成される。表面実装タイプのコネクタKCNの筐体は、非導電性の樹脂により形成されている。表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側と)に金属製の筐体固定部が設けられている。
各パッドKSP、各パッドKSPと接続される各種配線パターンの周囲KCxaは、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpにおいて銅箔を抜くことで基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)から電気的に接続されずに絶縁されている。これに対して、各筐体固定パッドKSPFの周囲のうち各筐体固定パッドKSPFの四隅は、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpにおいて銅箔を抜くことで各筐体固定パッドKSPFが十字形状のパターンを介して基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)と電気的に接続されるサーマルパターンKCxbが施されている。このサーマルパターンKCxbにより、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)を基板KCの表面(実装面)KCxの各筐体固定パッドKSPFにハンダ付けする際にハンダを溶かす熱が各筐体固定パッドKSPFの外周から奪われないようにすることができる。なお、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)を基板KCの表面(実装面)KCxの各筐体固定パッドKSPFにハンダ付けされることにより、表面実装タイプのコネクタKCNの各端子が単に基板KCにハンダ付けされる場合と比べて、表面実装タイプのコネクタKCNの基板KCへの固定を強化することができるし、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)が基板KCの基板グランド(GND)と電気的に接続され、表面実装タイプのコネクタKCNの各端子に接続された信号に対してシールド効果を高めることもできる。
基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpの上には、レジスト液が塗布されて表面(実装面)側レジスト層KCxrが形成されているものの、表面(実装面)側レジスト層KCxrのうち、各パッドKSPと対応する領域には、各パッドKSPと同一の形状を有するパッド用表面(実装面側)側レジスト開口部が形成されると共に、各筐体固定パッドKSPFと対応する領域には、各筐体固定パッドKSPFの矩形形状より小さい開口矩形形状を有する筐体固定パッド用表面(実装面)側レジスト開口部KCxraが形成されている。また、基板KCの裏面(ハンダ面)KCyの銅箔面上には、レジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層KCyrが形成されている。
なお、基板KCの表面(実装面)KCxに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)と基板KCの裏面(ハンダ面)KCyに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)とは図示しないスルーホールにより電気的に接続されて同一のグランド(GND)となっている。
このように、基板KCの表面(実装面)KCxにおいて、表面(実装面)側レジスト層KCxrのうち筐体固定パッドKSPFと対応する領域には、筐体固定パッドKSPFの矩形形状より小さい開口矩形形状を有する筐体固定パッド用表面(実装面)側レジスト開口部KCxraが形成されているため、筐体固定パッドKSPFの矩形形状の外周から筐体固定パッドKSPFの内側へ向かって筐体固定パッドKSPFの外周部分がレジストにより被さった状態となるオーバーレジストが施されている。これにより、基板KCの表面(実装面)KCxにおいて、各筐体固定パッドKSPFの外周部分全体にレジストが被さった状態とすることができるため、高い剥離強度を各筐体固定パッドKSPFに対する多方向からの負荷に対して一様とすることができる。
基板KCの基材KCoの表面及び裏面は銅箔面が接着されて形成されるものの、基材KCoと銅箔面との接着と比べて、銅箔面に形成される各パッドKSPや各筐体固定パッドKSPFとハンダとの接合の方が強い。
ところで、表面実装タイプのコネクタKCNが実装される基板KCとして、本実施形態では、例えば、主制御基板1310、払出制御基板633等の基板を挙げることができる。主制御基板1310、払出制御基板633等の基板に備える各種コネクタに接続される各種配線やハーネスは、パチンコ機1に積もった塵埃やタバコのヤニを取り除く作業を行う場合、各種点検を行う場合等、遊技ホールの店員等の係員により取り外した後に作業後に再び接続される。ところが、このような作業を行う遊技ホールの店員等の係員は、基板の扱いに不慣れな場合がほとんどであり、コネクタから各種配線やハーネスを取り外すときや、各種配線やハーネスをコネクタに接続するときには、力任せで(つまり、過度な力で)行う場合がある。
そうすると、主制御基板1310、払出制御基板633等の基板KCに備える複数のコネクタのうち、DIPタイプのコネクタもあれば、表面実装タイプのコネクタもあるため、例えば、上述した表面実装タイプのコネクタKCNを基板KCに実装して使用する場合には、遊技ホールの店員等の係員が上述した作業を行うと、表面実装タイプのコネクタKCNへのハーネスの挿抜時に伴う力が表面実装タイプのコネクタKCNに付与されるため、この大きな力により表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)が基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成される各筐体固定パッドKSPFが基材KCoから剥離し、これにともない、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成される各パッドKSPが基材KCoから剥離したり、銅箔面KCxpに形成される各種配線パターンが各パッドKSPと共に基材KCoから剥離したりする場合がある。
そこで、本実施形態では、基板KCの表面(実装面)KCxにおいて、筐体固定パッドKSPFに対してオーバーレジストを施して銅箔面KCxpに形成される銅箔が基材KCoから剥離しないように剥離強度を高めることによって、表面実装タイプのコネクタKCNへのハーネスの挿抜時に伴う力が表面実装タイプのコネクタKCNに付与されても、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成される筐体固定パッドKSPFが基材KCoから剥離せず、これにともない、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成される各パッドKSPが基材KCoから剥離したり、銅箔面KCxpに形成される各種配線パターンが各パッドKSPと共に基材KCoから剥離したりすることを確実に防止することができるようになっている。
[変形例]
なお、本実施形態では、外力が付与される表面実装タイプのコネクタKCNが実装される基板KCの筐体固定パッドKSPFに対して上述したオーバーレジストが施されていたが、主制御基板1310、払出制御基板633等の基板のほかに、各種配線やハーネスが挿抜される表面実装タイプのコネクタが実装される場合には、周辺制御基板1510、電源基板630、インターフェイス基板635、各種装飾基板、各種中継基板、各種駆動基板等の基板の筐体固定パッドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、電気的駆動源の駆動により作動する可動体に基板が設けられる場合であって可動体の作動にともない可動体の基板と電気的に接続される配線やハーネスによる負荷が可動体の基板に付与される場合には、表面実装タイプのコネクタが実装される可動体の基板の筐体固定パッドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、押圧操作部を有する各種スイッチであって基板の表面(実装面)に実装される表面実装タイプのものである場合には各種スイッチを固定するための基板の筐体固定パッドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよいし、何らかの外力が基板に付与される場合であって抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、IC等のリードタイプや表面実装タイプの電子部品の各種端子がハンダ付けされる基板のパッドに対して上述したオーバーレジストが施されていてもよい。
また、上述した実施形態では、基板KCの表面(実装面)KCxにおいて、表面(実装面)側レジスト層KCxrのうち筐体固定パッドKSPFと対応する領域には、筐体固定パッドKSPFの矩形形状より小さい開口矩形形状を有する筐体固定パッド用表面(実装面)側レジスト開口部KCxraが形成されているため、筐体固定パッドKSPFの矩形形状の外周から筐体固定パッドKSPFの内側へ向かって筐体固定パッドKSPFの外周部分がレジストにより被さった状態となるオーバーレジストが施されていたが、筐体固定パッドKSPFにオーバーレジストを施さず、筐体固定パッドKSPFの周囲にランドを有するスルーホールを複数形成して、各ランドにオーバーレジストを施すようにしてもよい。図80は変形例における表面実装タイプのコネクタが実装される基板の表面(実装面)側の銅箔面の概略図(a)であり、基板の表面(実装面)の概略図(b)である。図81は図80の続きであり、図80(b)のB部の拡大図であって表面実装タイプのコネクタの筐体固定ランドに施されるオーバーレジストの概略図(c)であり、(c)におけるZ-Z線の断面の概略図(d)である。なお、図80及び図81には、各種配線パターンや基板グランド(GND)(以下、「ベタグランド」と記載する場合がある。)を図面の見易さから省略したものもある。
筐体固定パッドKSPFにオーバーレジストを施さず、筐体固定パッドKSPFの周囲にランドを有するスルーホールを複数形成して、各ランドにオーバーレジストを施す変形例について説明すると、図80(a),(b)、及び図81(c),(d)に示すように、表面実装タイプのコネクタKCNの各端子(例えば、6つの端子を有する。)がハンダ付けされる上下方向に細長い矩形形状を有するパッドKSP、各パッドKSPとそれぞれ接続される各種配線パターン、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)を基板KCの表面(実装面)にハンダ付けされて固定される上下方向に長い矩形形状を有する筐体固定パッドKSPF、ランドを有する複数のスルーホールKCTH(以下、単に「ランドKCTH」と記載する場合がある。)、筐体固定パッドKSPFとランドKCTHとベタグランドとを接続するベタグランド接続用配線パターンは、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpにおいて銅箔を抜くことで各パッドKSP、各パッドKSPと接続される各種配線パターン、各筐体固定パッドKSPF、各ランドKCTH、各ベタグランド接続用配線パターンがそれぞれ形成される。また、各ランドKCTHは、基板KCの裏面(ハンダ面)KCyの銅箔面において銅箔を抜くことでそれぞれ形成される。本変形例では、基板KCの表面(実装面)KCxに形成されるランドの外径と基板KCの裏面(ハンダ面)KCyに形成されるランドの外径とが同一の大きさとなっている。なお、筐体固定パッドKSPFとランドKCTHとベタグランドとを接続するベタグランド接続用配線パターンは、筐体固定パッドKSPFのサーマルパターンとしての機能も有している。
右側の筐体固定パッドKSPFに対しては、上下方向に沿って等間隔に3つのランドKCTHが配置され列が2列、筐体固定パッドKSPFの右方に隣り合うように配置されている。左側の筐体固定パッドKSPFに対しては、上下方向に沿って等間隔に3つのランドKCTHが配置され列が2列、筐体固定パッドKSPFの右方に隣り合うように配置されている。
基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpの上には、レジスト液が塗布されて表面(実装面)側レジスト層KCxrが形成されているものの、表面(実装面)側レジスト層KCxrのうちランドKCTHと対応する領域には、ランドKCTHの外径より小さい開口径を有する表面(実装面)側レジスト開口部KCxraが形成されている。また、基板KCの裏面(ハンダ面)KCyの銅箔面上には、レジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層KCyrが形成されているものの、裏面(ハンダ面)側レジスト層KCyrのうちランドKCTHと対応する領域には、ランドKCTHの外径より小さい開口径を有する裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KCyraが形成されている。本変形例では、表面(実装面)側レジスト開口部KCxraの開口径と裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KCyraの開口径とが同一の大きさとなっている。なお、基板KCの表面(実装面)KCxに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)と基板KCの裏面(ハンダ面)KCyに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)とは図示しないスルーホールにより電気的に接続されて同一のグランド(GND)となっている。
このように、基板KCの表面(実装面)KCxにおいて、表面(実装面)側レジスト層KCxrのうちランドKCTHと対応する領域には、ランドKCTHの外径より小さい開口径を有する表面(実装面)側レジスト開口部KBxraが形成されているため、ランドKCTHの外径の外周からランドKCTHの中心へ向かってランドKCTHの外周部分がレジストにより被さった状態となるオーバーレジストが施されている。また、基板KCの裏面(ハンダ面)KCyにおいて、裏面(ハンダ面)側レジスト層KCyrのうちランドKCTHと対応する領域には、ランドKCTHの外径より小さい開口径を有する裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KCyraが形成されているため、ランドKCTHの外径の外周からランドKCTHの中心へ向かってランドKCTHの外周部分がレジストにより被さった状態となるオーバーレジストが施されている。これにより、各ランドKCTHに対してオーバーレジストを施して銅箔面KCxpに形成される銅箔が基材KCoから剥離しないように剥離強度を高めることができる。
右側の筐体固定パッドKSPFには、上述したように、上下方向に沿って等間隔に3つのランドKCTHが配置される列が2列、右側の筐体固定パッドKSPFの右方に隣り合うように配置されていると共に、左側の筐体固定パッドKSPFには、上述したように、上下方向に沿って等間隔に3つのランドKCTHが配置される列が2列、左側の筐体固定パッドKSPFの左方に隣り合うように配置されている。これにより、筐体固定パッドKSPFにオーバーレジストを施していなくても、各ランドKCTHにオーバーレジストを施しているため、筐体固定パッドKSPFと各ランドKCTHとが上述したベタグランド接続用配線パターンで接続されていることで、表面実装タイプのコネクタKCNへのハーネスの挿抜時に伴う力が表面実装タイプのコネクタKCNに付与されても、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成される筐体固定パッドKSPFが基材KCoから剥離しようとすると、これにともない、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成される各ランドKCTHによる剥離強度が高められていることにより筐体固定パッドKSPFが基材KCoから剥離し難くすることができる。
なお、本変形例では、基板KCの表面(実装面)KCxに形成されるランドの外径と基板KCの裏面(ハンダ面)KCyに形成されるランドの外径とが同一の大きさとなっているが、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpに形成されるランドの外径と比べて、基板KCの裏面(ハンダ面)KCyの銅箔面に形成されるランドの外径を大きくしてもよいし、小さくしてもよい。また、本変形例では、表面(実装面)側レジスト開口部KBxraの開口径と裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraの開口径とが同一の大きさとなっているが、表面(実装面)側レジスト開口部KBxraの開口径と比べて、裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraの開口径を大きくしてもよいし、小さくしてもよい。
また、本変形例では、右側の筐体固定パッドKSPFには、上述したように、上下方向に沿って等間隔に3つのランドKCTHが配置される列が2列、右側の筐体固定パッドKSPFの右方に隣り合うように配置されていると共に、左側の筐体固定パッドKSPFには、上述したように、上下方向に沿って等間隔に3つのランドKCTHが配置される列が2列、左側の筐体固定パッドKSPFの左方に隣り合うように配置されているが、これに代えて又はこれと共に、右側の筐体固定パッドKSPFには、上下方向に沿って等間隔に2つのランドKCTHが配置される列が2列、右側の筐体固定パッドKSPFの上方又は/及び下方に隣り合うように配置してもよいし、左側の筐体固定パッドKSPFには、上下方向に沿って等間隔に2つのランドKCTHが配置される列が2列、左側の筐体固定パッドKSPFの上方又は/及び下方に隣り合うように配置してもよい。
因みに、従来より、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板、画像表示装置等の表示制御を行う画像制御基板等の各種基板が裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特開2017-217381号公報(段落[0051]、及び図2)。ところで、この文献に記載される遊技機のように、各種基板に設けられるコネクタには、配線の挿抜による負荷がかかるため、例えば、基板の扱いに不慣れな者がコネクタから配線を取り外すときや、配線をコネクタに接続するときに、過度な力で行う場合があり、コネクタへの負荷により基板の銅箔が剥離するという問題があった。
[周辺制御ユニットの構成]
次に、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側に配置される周辺制御ユニット1500の全体構成について、図82~図84を参照して詳細に説明する。図82は周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図83は周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図84は周辺制御ユニットの正面図である。ここでは、パチンコ機1の背面側を周辺制御ユニット1500の正面側として説明する。なお、図83には、各種コネクタの端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、各種コネクタの端子が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているが、図面の見易さから省略した。
周辺制御ユニット1500は、図82及び図83に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有するカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がそれぞれ所定位置に取り付けられ、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[カバー体]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる各種基板には、周辺制御基板1510のほかに、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM基板1520と、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを出力することができる液晶出力基板1530と、がある。周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、約3分の2の領域を有する横長の長方形状を有し、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。周辺データROM基板1520と液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、残り約3分の1の領域のうち、周辺データROM基板1520が正方形状を有してカバー体1501の右上側に配置されている一方、液晶出力基板1530が周辺データROM基板1520と比べて二回り大きい正方形状を有してカバー体1501の右下側に配置されている。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続され、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続されている。これにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっている。なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
カバー体1501は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のカバー平板1501a(板厚:2mm)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にカバー側壁1501b~1501eが後方(パチンコ機1の正面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その中央やや右上側であって、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aと対応する位置に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有するFAN取付凹部1501aaがカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。FAN取付凹部1501aaの底面には、この底面の上下左右方向の中心を中心点とする複数の同心円上に沿って、円弧形状のスリット孔1501aaaが複数それぞれ形成されている。またFAN取付凹部1501aaの底面の四隅には、正方形状を有する空冷ファンFANの四隅に形成される貫通孔th1~th4と対応する位置に、この貫通孔th1~th4に挿通される円柱形状の所定高さ(空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する案内突出部1501aab1~1501aab4がカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されてそれぞれ形成されている。なお、円弧形状のスリット孔1501aaaとして形成することにより、周辺制御基板1510に備える各種電子部品を、周辺制御基板1510から不正に取り出す不正行為を防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aには、FAN取付凹部1501aaの近傍であって対角状に一対の取付孔1501aac1,aac2が形成されている。空冷ファンFANをFAN取付凹部1501aaに押し込んで取り付けると、空冷ファンFANの正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、一対の取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込むことにより、座付きナベねじの座部分である平ワッシャーが空冷ファンFANの正面とカバー体1501のカバー平板1501aの正面とに当接する状態となることによって、空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaから飛び出すことを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とに所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
なお、カバー平板1501aは、FAN取付凹部1501aaに連通すると共に、FAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、配線引出凹部1501abがカバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaに取り付けられて固定されると、空冷ファンFANからの複数の配線を配線引出凹部1501abから引き出せるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置を1つの閉じたほぼ横長の長方形領域(正確には、音量調整スイッチ1510dとコネクタCN1とを上部とすると共に、コネクタCN2~コネクタCN7を下部とする凸状領域)としてコネクタ凹部1501acがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。コネクタ凹部1501acの底面には、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置に、コネクタ穴1501ac1~1501ac7、及び音量調整穴1501ac8がそれぞれ形成されている。なお、コネクタ凹部1501acの底面は、カバー平板1501aを正面から見て、右下側の領域を概ね占有している。このため、コネクタ凹部1501acの底面の面積が大きくなることによって生ずるカバー体1501(カバー平板1501a)の強度不足及び反りの対策として、コネクタ凹部1501acの底面には、コネクタ穴1501ac1~1501ac7、及び音量調整穴1501ac8と干渉しない位置であって、上下方向に細長い2つの補強リブ1510aci1,1510aci2が所定間隔をあけて前方へ突出して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び音量調整スイッチ1510dは、コネクタ凹部1501acの底面に形成されるコネクタ穴1501ac1~1501ac7、及び音量調整穴1501ac8からそれぞれ露出する状態となる。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置を1つの閉じた横長の長方形領域としてコネクタ凹部1501adがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成され、コネクタ凹部1501adの底面とコネクタ凹部1501acの底面とが同一の平面上に配置されている。コネクタ凹部1501adの底面には、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置に、コネクタ穴1501ac9,1501ac10がそれぞれ形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8,CN9は、コネクタ凹部1501adの底面に形成されるコネクタ穴1501ac9,1501ac10からそれぞれ露出する状態となる。
またカバー平板1501aは、その正面から見て、その左辺側に沿って、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるCN10と対応する位置に、配線引出開口部1501aeが形成されている。この配線引出開口部1501aeに連通すると共に、配線引出開口部1501aeを塞ぐことができる横長の長方形状を有する配線カバー体1503を取り付けるための取付凹部1501afが上述したFAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。取付凹部1501afは、配線カバー体1503に形成される貫通穴1503aと対応する位置に、この貫通穴1503aに挿通される円柱形状の所定高さ(配線カバー体1503の奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する突出部1501afaがカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されて形成されると共に、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2と対応する位置に、取付孔1501afb1,1501afb2がそれぞれ形成されている。
配線カバー体1503を取付凹部1501afに嵌め合わせると、配線カバー体1503の正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定することができる。
配線カバー体1503が取付凹部1501afに固定されると、配線引出開口部1501aeを塞ぐと共に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10と接続されるフレキシブルフラットケーブル(FFC(Flexible Flat Cableの略。フレキシブルフラットケーブルは、演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の平型導体が絶縁体で被覆されている。))を触れることができないように保護するカバーとして配線カバー体1503が機能することができるようになっている。配線カバー体1503は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。
カバー体1501を正面から見て、左側のカバー側壁1501cのカバー体1501の開口側近傍であって中央所定間隔をあけて上下それぞれ外側へ突出する板状の案内部1501ca,1501cbが形成されていると共に、案内部1501caの上方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501ccと、案内部1501cbの下方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501cdと、がそれぞれ形成されている。案内部1501ca,1501cbの左端の後面側は面取りが形成されている。これに対して、ヒンジ掛け部1501cc,1501cdの左端の前面側に前方に対して突出するL字状の鉤部1501cca,1501cdaが形成されている。また、右側のカバー側壁1501eのカバー体1501の中央には、外側へ突出するカバー側封印部1501eaが形成されている。
周辺制御基板1510がカバー体1501の背面の左側に詰めて配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1~1510r4と対応する位置に、4つの取付ボス孔1501ag1~1501ag4がカバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1~1510r4の周囲は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1~1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1~1510rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4は、それぞれ周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺制御基板1510に形成されている。また、これらのランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺制御基板1501の表面(実装面)1510xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に形成されるランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に形成されるランド1510rb1~1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、周辺制御基板1510がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1510r1~1510r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されるようになっている。
周辺データROM基板1520がカバー体1501の背面の右上側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1~1520r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2と、一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1~1520r4の周囲は、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rf1~1520rf4と、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rb1~1520rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1520rf1~1520rf4,1520rb1~1520rb4は、それぞれ周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺データROM基板1520に形成されている。また、これらのランド1520rf1~1520rf4,1520rb1~1520rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入し、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x側に形成されるランド1520rf1~1520rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501i1,1501i2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1,1501ah2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520y側に形成されるランド1520rb1~1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf1~1520rf4,1520rb1~1520rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、周辺データROM基板1520がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1520r2,1520r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと、が同一の平面上に配置されるようになっている。
液晶出力基板1530がカバー体1501の背面の右下側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1~1530r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501am1,1501am2と、一対の取付ボス突出部1501an1,1501an2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1~1530r4の周囲は、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rf1~1530rf4と、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rb1~1530rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1530rf1~1530rf4,1530rb1~1530rb4は、それぞれ液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが液晶出力基板1530に形成されている。また、これらのランド1530rf1~1530rf4,1530rb1~1530rb4は、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530をカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。この状態において、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530x側に形成されるランド1530rf1~1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501n1,1501n2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am1,1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面裏面(ハンダ面)1530y側に形成されるランド1530rb1~1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1~1530rf4,1530rb1~1530rb4と電気的に接続される状態となる。これにより、カバー体1501は、液晶出力基板1530のグランド(GND)と電気的に接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、カバー体1501は、金属製のナベねじを介して、液晶出力基板1530のグランド(GND)と電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、が電気的に接続されることとなり、同一のグランド(GND)となる。
なお、液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1530r1,1530r3に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b~1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yと、が同一の平面上に配置されるようになっている。
このように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。この状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
カバー体1501のカバー平板1501aには、複数の円形状を有する通風孔1501azがFAN取付凹部1501aaの右側、右下側、左下側、及び左側にそれぞれ形成されている。FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、これらの通風孔1501azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができる。これらの通風孔1501azは、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm~6.5mmを有して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、にすき間が形成されると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、にすき間が形成される。また、カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、にすき間が形成される。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、叙述した通風孔1501azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
なお、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
[ベース体]
カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のベース平板1502aの上辺、左辺、下辺、及び右辺にベース側壁1502b~1502eが前方(パチンコ機1の背面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。ベース体1502のベース側壁1502b~1502eにより形成される開口の大きさは、カバー体1501のカバー側壁1501b~1501eにより形成される開口の大きさと比べると、一回り大きく形成されている。これにより、カバー体1501にベース体1502を被せることによりカバー体1501の開口をベース体1502で塞ぐ状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
ベース平板1502aは、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2~CN7と干渉しない位置(つまり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2~CN7の各端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているため、この突出する各端子と干渉しない位置)に、これらのコネクタCN2~CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1~1502aa3がそれぞれ形成されている。
ベース体1502を正面から見て、左側のベース側壁1502cのベース体1502の開口側近傍には、外側へ突出する係合部1502caが形成されている。この係合部1502caには、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbと対応する位置に案内受部1502caa,1502cabと、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdと対応する位置にヒンジ受け部1502cac,1502cadと、がそれぞれ形成されている。ヒンジ受け部1502cac,1502cadは、U字溝形状の袋部1502cae,1502cafが形成されている。
案内受部1502caa,1502cabに、上述したカバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを挿入すると共に、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、上述したカバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを挿入する。そして、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態で回り込ませることによって、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを引っ掛けて係合することができるようになっている。
また、右側のベース側壁1502eの中央には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと対応する位置に外側へ突出するベース側封印部1502eaが形成されている。また右側のベース側壁1502eの上側及び下側には、周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付けるための貫通孔1502eb1,1502eb2がそれぞれ形成されている。
[各種コネクタ]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、上述した周辺制御部1511(各種ROMの機能を除く。)と演出表示制御部1512(各種ROMの機能を除く。)との機能を併せ持つものであり、CPU、RAM、VDP、音源、シリアルATAコントローラ(Advanced Technology Attachment、以下、「SATAコントローラ」と記載する。)、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、遊技演出の進行やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を制御することができる各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、各種コネクタCN1~CN7と、を備えている。バックアップ電源1510eは図示しないホルダに収容されている。
周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bは、128Mbitの記憶容量を有し、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2は、それぞれ2Gbitの記憶容量を有している。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、62Gbitの記憶容量を有している。
周辺制御基板1510の各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/O、各種パラレルI/O等がある。各種シリアルI/Oとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信、及びI2C(Inter-Integrated Circuit)通信等である。
本実施形態では、主制御基板1310からのコマンドを受信する通信方法としてUART通信を採用し(コネクタCN5を介して通信する。)、遊技盤5側に備える各種基板、扉枠側に備える各種基板に対して制御データを送信する通信方法としてSPI通信やI2C通信を採用している(コネクタCN3、コネクタCN6、及びコネクタCN7のうち、対応するコネクタを介して通信している)。
本実施形態では、SPI通信やI2C通信を用いて、遊技盤5側に備える電気的駆動源(例えば、各種モータや各種ソレノイドであり、コネクタCN6を介して通信している。)や、扉枠3側に備える電気的駆動源(例えば、各種モータや各種ソレノイドであり、コネクタCN3を介して通信している。)を駆動する駆動制御ICに対して駆動データを送信したり、遊技盤5側に備える複数のLED(コネクタCN7を介して通信している。)や扉枠3側に備える複数のLED(コネクタCN3を介して通信している。)に対してLED制御ICに対して発光データを送信したり、遊技盤5側に備える各種センサ(コネクタCN6を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したり、扉枠3側に備える各種センサ(コネクタCN3を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したりする。なお、本実施形態では、SPI通信による転送速度は、250kpbsに設定され、I2C通信による転送速度は、1kbpsに設定されている。
各種パラレルI/Oとしては、GPIO(General Purpose Input/Output、汎用IO)がある。本実施形態では、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号が(コネクタCN1を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象の動作や原点位置を確認する各種センサからの信号が(コネクタCN6を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象に対する制御信号をGPIOから(コネクタCN6を介して)出力したり、周辺制御IC1510aが動作している旨を報知するための周辺制御基板1510に備えるLEDML4に信号をGPIOから出力したりする。
本実施形態では、例えば、コネクタCN1にはGPIOが割り当てられ、コネクタCN3にはSPI通信、及びI2C通信が割り当てられ(つまり、コネクタCN3は、SPI通信、及びI2C通信が併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN5にはUART通信が割り当てられ、コネクタCN6にはSPI通信、及びGPIOが割り当てられ(つまり、コネクタCN6は、SPI通信、及びGPIOが併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN7にはSPI通信が割り当てられている。
周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSATA規格に準拠する通信を確立することができ、2Gbpsという高速な転送速度(3Gbpsまで対応。)を実現している。周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺制御IC1510aのCPUの指示により、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)を、周辺制御IC1510aのRAMに高速に転送したり、SDRAM1510c1,1510c2に高速に転送したりすることができるようになっている。
SDRAM1510c1,1510c2は、DDR3 SDRAM(Double Data Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、高速なデータ通信速度を実現することができるものである。SDRAM1510c1,1510c2は、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)が周辺制御IC1510aのSATAコントローラにより高速に転送される。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、さらに、周辺データROM基板1520と基板間接続するための特殊コネクタSCN1と、液晶出力基板1530と基板間接続するための特殊コネクタSCN2と、を備えている。周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xは、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN3を備えている。液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xは、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4を備えている。
周辺制御基板1510は、演出表示装置等の表示装置に描画する画像の描画データを複数種類の映像信号の方式で特殊コネクタSCN2から出力する。この複数種類の映像信号の方式としては、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式、eDP(Embedded DisplayPort)方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式があり、本実施形態では、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。また、本実施形態では、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されている。なお、MIPI方式に代えて例えばeDP方式を採用し、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びeDP方式を1系統とする周辺制御基板1510を作成することもできる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、さらに、制御ROM1510bの近傍にLEDML1と、SDRAM1510cの近傍にLEDML2と、特殊コネクタSCN1の近傍にLEDML3と、特殊コネクタSCN2の近傍にLEDML4と、を備えている。周辺制御基板1510は、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+37V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。LEDML1は、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML2は、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML3は、直流+37Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+37Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML4は、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)するものであり、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持される。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。このように形成される空間内を、周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1~LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができるようになっている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1,SCN2、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4は、フローティング機構を備えている点で、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN1~CN7、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN8~CN10と構造が全くことなっている。これらのコネクタCN1~CN10は、それぞれソケットであり、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530に対して垂直方向に、対応するコネクタのプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。コネクタCN1~CN10のソケットは、この嵌合する際に、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530を正面から見てそれぞれ上下方向へ移動する量が全くない構造となっている。
周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1,SCN2は、それぞれプラグであり、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4は、それぞれソケットである。
周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットは、この嵌合する際に、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットは、周辺データROM基板1520がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットは、この嵌合する際に、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を可動することによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットは、液晶出力基板1530がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
ここで、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4を採用した理由について簡単に説明する。周辺データROM基板1520には、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM1520aを備えている。各種の制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等を挙げることができる。
周辺データROM1520aは、NAND型フラッシュ(不揮発性)メモリであり、NOR型フラッシュ(不揮発性)メモリと比べて安価であり、大容量であり、そして各種データの書き込みを高速に行うことができる。周辺データROM1520aは、動作電圧が低く、消費電力を抑制することができと共に、SATA規格に準拠する通信による高速な転送速度を実現することができる。
このように、周辺データROM1520aとしてNAND型フラッシュ(不揮発性)メモリを採用することによって、コストダウンを実現すると共に、消費電力の抑制に寄与し、記憶した各種データを高速な転送速度により読み出すことができる。ところが、周辺データROM1520aは、その動作電圧が低いことにより消費電力を抑制することができるものの、動作電圧が低いことによってノイズの影響を受けやすい。また周辺データROM基板1520から、周辺データROM1520aに記憶される各種データを周辺制御基板1510に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、周辺データROM基板1520は、自身の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510から伝送される演出表示装置1600に描画する画像の描画データをコネクタCN10から出力することにより、演出表示装置1600に遊技演出の進行(例えば、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生する旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しない旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しないものの、通常状態と比べて大当り遊技状態が発生する状態へ近づいている旨を伝える画像等)やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を画像として描画する重要な基板である。このため、周辺制御基板1510からの演出表示装置1600に描画する画像の描画データを液晶出力基板1530に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、液晶出力基板1530は、自身の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、上述したように、周辺制御基板1510の裏面と、周辺データROM基板1520の裏面と、液晶出力基板1530の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっているため、周辺制御基板1510に表面に対して周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530を配置するという立体配置を行う場合と比べると、周辺制御ユニット1500の前後方向(つまり奥行き方向)の距離寸法を小さくすることができるため、例えば、遊技盤5に大型の可動演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置するための奥行き方向の距離寸法の確保に寄与することができる。
[周辺制御ユニットの組み立て方法]
ここで、周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520x及び液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されことにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と、にそれぞれ持たせた寸法的な余裕により吸収することができるようになっているためである。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませてそのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となると共に、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となる。これにより、カバー体1501、及びベース体1502は、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であるため、カバー体1501、及びベース体1502が導通する状態となる。なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を遊技パネル1100に設けられる図示しない装着溝に挿入して周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して遊技パネル1100に設けられる図示しない取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
なお、上述した組み立て方法のうち、カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順においては、例えば、まず周辺データROM基板1520を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(周辺データROM基板1520は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右上側に配置されている。)に固定すると共に、液晶出力基板1530を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右下側に配置されている。)に固定した後において、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むと共に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込み、周辺制御基板1510を上述した所定位置(周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。)に固定することもできる。このような各種基板の取り付け手順においても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3,SCN4のソケットを採用することにより、この押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実にそれぞれ形成することができることができると共に、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
ところで、パチンコ機に装着される遊技盤には、遊技仕様が異なる複数種類のものが存在する。本実施形態では、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を3つに分割してそれぞれ取り付けることができるように構成すると共に、周辺制御基板1510はパチンコ機に装着される遊技盤の遊技仕様に依存されない共通に利用することができる基板とし、周辺データROM基板1520は周辺データROM1520aに遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶されることで遊技盤の遊技仕様に依存される基板とし、液晶出力基板1530は演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存される基板としている。
これにより、周辺制御基板1510は、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。また、遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶される周辺データROM1520aを備える周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっているため、遊技盤の遊技仕様に合わせて、周辺データROM基板1520を容易に交換することができる。
演出表示装置等の表示装置に入力される映像信号の方式には、例えば、上述したように、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式がある。これら複数種類の方式と対応する液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっている。つまり、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて、液晶出力基板1530を容易に交換することができる。本実施形態では、上述したように、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されているため、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式(LVDS方式)に合わせた液晶出力基板1530が周辺制御基板1510と上述した基板間コネクタにより電気的に接続されている。
また、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されているため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができるようになっている(以下、「導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果」と記載する場合がある)。これにより、各種基板に、このようなノイズを除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500が上述したように組み立てると、図84に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度から制御ROM1510bの表面とICピンの状態とを確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、制御ROM1510bの表面とICピンの状態との視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度から周辺データROM1520aの表面とICピンの状態とをほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+37Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+37Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xに備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に形成される複数の円形状を有する通風孔1501azは、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、を視認することができるように、つまり多方向の角度からSDRAM1510c1,1510c2の表面とICピンの状態とを確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面とICピンの状態との視認性の向上に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1~LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定されると、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となる。照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1~LEDML4が点灯することによって、このように形成される空間内を明るく照らすことができる。
また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるLEDML1~LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1~LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xへ向かわせる図示しない反射部がそれぞれ形成されている。これらの図示しない反射部としては、白色などの明るい色の着色塗料のほかに光沢を有する着色塗料であってもよいし、光沢を有する金属製シートを貼り付けてもよい。
また、遊技盤5の近傍には、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電によるノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されているため、他のパチンコ機がノイズ源となってノイズの影響を受ける場合もある。このように、遊技盤5の周囲はノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製とすると共に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530と同一のグランド(GND)と電気的に接続する構成を採用した。これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502等を介して侵入するノイズを、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができる。
[ベタグランドの一部箔抜き]
ところで、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xは、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタグランド(基板グランド)(「ベタアース」ともいわれる。)として形成されているとともに、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yも、制御信号を伝送する配線パターン、電源を供給する配線パターン、各種ランドパターンが形成される領域を除く他の領域をグランド(GND)とする、いわゆるベタグランド(基板グランド)(「ベタアース」ともいわれる。)として形成されている。周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに形成されるベタグランド(基板グランド)と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yに形成されるベタグランド(基板グランド)とは、周辺制御基板1510の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))に形成される複数のスルーホール(周辺制御基板1510の両面(表面(実装面)及び裏面(ハンダ面))を貫通する孔(銅メッキされる孔))により電気的に接続されることにより、同一のグランド(GND)となっている。
また、ベース平板1502aは、上述したように、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2~CN7と干渉しない位置(つまり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xに備えるコネクタCN2~CN7の各端子が周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xから裏面(ハンダ面)1510yへ挿通され、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yから突出しているため、この突出する各端子と干渉しない位置)に、これらのコネクタCN2~CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1~1502aa3がそれぞれ形成されている。
また、周辺制御ユニット1500が組み立てられ、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となると、上述したように、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となると共に、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となる。
また、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されているため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流し、ノイズを除去することができるようになっている。
ところで、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した状態となっている。この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにはベタグランドが形成されると共にベタグランドがレジストで覆われていたが、耐ノイズ試験において、この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにベタグランドを形成してレジストで覆ったものと、この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにベタグランドを形成せずレジストで覆ったものと、を試験したところ、この当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにベタグランドを形成せずレジストで覆ったものの方が、ノイズ耐性が高いことが得られた。
ベース体1502を介して電磁波ノイズが侵入すると、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分に高電圧がかかることにより電磁波ノイズがレジストを通り抜けてベタブランドへ侵入することとなる。このような予期しないルートを介して電磁波ノイズが侵入することにより、電磁波ノイズの影響を受けやすい電子部品やこの電子部品と電気的に接続された配線パターンがベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分と隣接していると、誤動作や破損の原因となる。
また、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面のうち、どの断線防止リブ部と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yの部分におけるレジストを電磁波ノイズが通り抜けて侵入するか予測できないため、特定の断線防止リブ部に対して、電磁波ノイズの影響を受けやすい電子部品やこの電子部品と電気的に接続された配線パターンを遠ざけて配置することが困難である。
なお、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分に高電圧がかかることにより電磁波ノイズがレジストを通り抜けてベタブランドへ侵入するため、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3とベタグラントとがレジストを介して当接している場合に、この当接している部分にベース体1502に侵入した電磁波ノイズによる高電圧がかかることにより、断線防止リブ部からベタグランへ電磁波ノイズが侵入する不必要なループ配線が形成されていると考えられる。
ここで、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の正面が周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yと当接した部分における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yのベタグランドの形状について図85を参照して説明する。図85はベース体に形成される断線防止リブ部の正面が周辺制御基板の裏面(ハンダ面)と当接した部分におけるベタグランドの形状を示す図であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(a)であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の概略図(b)である。
ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3は、上述したように、上下方向に細長い形状を有しており、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)における断線防止リブ部1502aa1~1502aa3とそれぞれ対応する位置とその周囲は、図85(a)に示すように、左右方向の距離寸法dgwと上下方向の距離寸法dghとを有する上下方向に長い矩形状の箔抜き領域1510yaが銅箔面1510ypにそれぞれ形成されている。つまり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の下辺側には、ベタグランの一部が箔抜き(除去)されている領域が形成されている。
これらの箔抜き領域1510yaは、その左辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左側面との距離寸法dg0が断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drw以上の長さにそれぞれ形成されている。これらの箔抜き領域1510yaの左辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左側面との距離寸法dg0の長さとして断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.0倍~3.0倍程度の長さであり、本実施形態では、これらの箔抜き領域1510yaの左辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左側面との距離寸法dg0が断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.5倍の長さとなっている。
また、これらの箔抜き領域1510yaは、その右辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の右側面との距離寸法dg1が断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drw以上の長さにそれぞれ形成されている。これらの箔抜き領域1510yaの右辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の右側面との距離寸法dg1の長さとして断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.0倍~3.0倍程度の長さであり、本実施形態では、これらの箔抜き領域1510yaの右辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の右側面との距離寸法dg1が断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.5倍の長さとなっている。
また、これらの箔抜き領域1510yaは、その上辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の上側面との距離寸法dg2が断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drw以上の長さにそれぞれ形成されている。これらの箔抜き領域1510yaの上辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の上側面との距離寸法dg2の長さとして断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.0倍~3.0倍程度の長さであり、本実施形態では、これらの箔抜き領域1510yaの上辺と断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の上側面との距離寸法dg2が断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の左右方向の距離寸法(幅寸法)drwの1.5倍の長さとなっている。
つまり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yにおいてベタグランドが形成される銅箔面1510ypに箔抜き領域1510yaが形成されることにより、箔抜き領域1510yaがベタグランドと電気的に接続されず、絶縁された領域となっている。
周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yの銅箔面1510ypにレジスト液が塗布されると、図85(b)に示すように、箔抜き領域1510yaの上にもレジスト液が塗布されレジスト層1510yrが形成される。ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3は、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yにおける箔抜き領域1510ya上のレジスト層1510yrに当接することとなる。なお、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yの箔抜き領域1510yaと対応する周辺制御基板の表面(実装面)1510xにおける銅箔面には、ベタグランドが形成されており、箔抜き領域1510yaと同一形状の箔抜き領域が全く形成されていない。
カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されている。このため、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズがベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3から箔抜き領域1510yaを介して周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yのベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成されると共に、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズが上述した金属製のナベねじを介して基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる「ノイズが抜けるルート」が形成されることにより、ノイズを除去することができるようになっている。
[周辺制御基板の再利用]
周辺制御基板1510は、上述したように、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。
周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1~1510r4の周囲は、上述したように、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1~1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1~1510rb4と、がそれぞれ形成される。周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、上述したように、周辺制御基板1501の表面(実装面)1510xをカバー平板1501aの裏面側へ向けると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。このため、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とが当接した状態となる。
このように、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とが当接した状態となるため、周辺制御基板1510を再利用することにより、金属製のナベねじによる繰り返しのねじ込みや取り外しで周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と擦れて周辺制御基板1510の基材から剥がれたり、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4が金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と擦れて周辺制御基板1510の基材から剥がれたり、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4や周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4yの銅箔が剥き出しになっていると、酸化して電気的に接続性が悪くなったりすることによって、周辺制御基板1510を再利用することが困難となるという問題がある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。このハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆していると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と擦れることを防止して周辺制御基板1510の基材から剥がれることを防止することができるし、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4が金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と擦れることを防止して周辺制御基板1510の基材から剥がれたりすることを防止することができるし、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4や周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の銅箔部分が剥き出した状態とならず酸化を防止することができるし、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)との当接した状態における電気的な接続性を良好とすることができると共に、ハンダの粘度により周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)との当接した状態における電気的な接続性を良好とすることができる。
これにより、周辺制御基板1510を再利用しても、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズが金属製のナベねじを介して基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる上述した「ノイズが抜けるルート」が確実に形成されることにより、導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果を安定して維持することができる。
また、本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、上述したように、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4は、上述したように、金属製のナベねじの座面が当接するため、ランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さを均一としないと(つまり、ハンダが盛り上がった部分があると)、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじの座面とが当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くなるという問題がある。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4は、上述したように、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接するため、ランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さを均一としないと(つまり、ハンダが盛り上がった部分があると)、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くなるという問題がある。なお、ランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さを均一としないと(つまり、ハンダが盛り上がった部分があると)、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510の歪みが生ずることとなり、各種配線パターンが断線する原因ともなる。
そこで、本実施形態では、金属製のナベねじの座面が当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させることにより、ランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さをメタルマスクの板厚として均一とすることができる。また、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させることにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされる厚さをメタルマスクの板厚として均一とすることができる。
[変形例]
なお、上述した本実施形態では、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされていたが、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔にそれぞれハンダ付けされ、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆ってもよい。周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x全体がレジスト液で塗布される際に併せて塗布される。このように構成しても、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することで、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)とカバー体1501とを電気的に接続された状態とすることができる。また、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一とすることができる。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とそれぞれ対応する部分のレジスト層の厚さが同一の厚さとなるため、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510の歪みを防止することができる。
また、上述した実施形態では、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させるようにしていたが、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けしてもよい。この場合、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くならないように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にする必要がある。図86は周辺制御基板を半田槽へ流す場合にけるランドに対するレジストの形状を示す図である。
例えば、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、その一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされることとなる。具体的には、「所定の形状」として、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対して、図86(a)に示すように、レジストが所定幅を有する円が同心円状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する単一円が同心円状に形成される形状でもよい。)、図86(b)に示すように、レジストが所定幅及び所定長さを有する矩形形状がランド1510rf1~1510rf4の中心として環状に複数配列された菊状に形成される形状、図86(c)に示すように、レジストが所定幅を有する縦方向の線と横方向の線とから構成される格子状に形成される形状(レジストが所定幅を有する縦方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよいし、レジストが所定幅を有する横方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよい。)、図86(d)に示すように、レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右上がりの線が斜線状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右下がりの線が斜線状に複数形成される形状でもよい。)、図示しないが小さな円形状の集合した形状等を挙げることができる。
このように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされるようになっているため、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができる(換言すると、レジスト液により塗布されて所定の形状としては、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができるという効果を発揮できるものであればよい)。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができる。このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆している。
なお、このようなレジストにより形成される所定の図形を、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔に対しても行ってもよい。このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一としてもよい。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、金属製のナベねじを用いていたが、金属製のナベねじに平座金、ばね座金、歯付き座金(「菊座金」ともいう。)等の金属製の座金を通して周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510を導電性の樹脂製のカバー1501に固定すると、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側に形成されるランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側に形成されるランド1510rb1~1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となることで、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4と電気的に接続される状態となり、カバー体1501と周辺制御基板1510のグランド(GND)とが電気的に接続される状態となっていたが、導電性の樹脂製のカバー1501に代えて金属製のカバー1501’としてもよい。この場合、カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、導電性の樹脂製のものでもよいし、導電性の樹脂製にものに代えて金属製のものでもよいし、また、カバー体1501の配線引出開口部1501aeを塞ぐ配線カバー体1503は、導電性の樹脂製のものでもよいし、金属製のものでもよい。
なお、各種音を増幅する回路を有するアンプ基板は、電力消費が大きく、発熱する。そこで、アンプ基板は、金属製のカバー体と金属製のベース体とから構成される金属製の基板ボックスに収容されたり、金属製の部分ケースに取り付けられたりする。アンプ基板が金属製の基板ボックスに収容されると、アンプ基板が発する熱により熱せられる空気やアンプ基板自身の熱を金属製の基板ボックスで効率良く外気へ放熱するようになっている。また、アンプ基板が金属製の部分ケースに取り付けられると、アンプ基板自身の熱を金属製の部分ケースで効率良く外気へ放熱することができるようになっている。
アンプ基板は、金属製のカバー体と金属製のベース体とから構成される金属製の基板ボックスに収容されたり、金属製の部分ケースに取り付けられたりするため、金属製の基板ボックスや金属製の部分ケースにノイズが侵入する場合がある。そこで、上述した周辺制御基板1510のように(つまり、カバー体1501と周辺制御基板1510のグランド(GND)とが電気的に接続される状態となるように)、アンプ基板に形成される複数のランドと、金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースの裏面側に形成される複数の取付ボス孔の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、アンプ基板の裏面(ハンダ面)側に形成される複数のランドと、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となることで、金属製のナベねじを介して、金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースがアンプ基板に形成される複数のランドと電気的に接続される状態となり、金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースとアンプ基板のグランド(GND)とが電気的に接続される状態とすることができる。また、アンプ基板自身の熱をアンプ基板のグランド(GND)から金属製のナベねじを介して金属製の基板ボックスの金属製のカバー体又は金属製の部分ケースへ伝えて効率良く外気へ放熱することもできる。
また、上述した実施形態では、金属製のナベねじを介して、カバー体1501(カバー平板1501a)が周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4と電気的に接続される状態となり、カバー体1501と周辺制御基板1510のグランド(GND)とが電気的に接続される状態となっていたが、2階建て基板(いわゆる、「亀の子基板」)においても利用することができる。例えば、親基板の複数のランドが親基板のグランド(GND)と電気的に接続され、子基板の複数のランドが子基板のグランド(GND)と電気的に接続され、親基板の複数のランドと子基板の複数のランドとを金属製の支柱(スペーサ)の両端でそれぞれネジ止めすることで親基板の複数のランドと子基板の複数のランドと金属製の支柱(スペーサ)を介して電気的に接続された状態とすることができる。これにより、親基板のグランド(GND)と子基板のグランド(GND)とが金属製の支柱(スペーサ)を介して同一のグランド(GND)とすることができる。
また、上述した実施形態では、導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505に周辺制御基板1510が収容されていたが、主制御基板1310を収容する主制御基板ボックス1320や払出制御基板633を収容する払出制御基板ボックス632に対して導電性樹脂製のものとして構成すると、主制御基板ボックス1320や払出制御基板ボックス632が、規則上、透明である必要があり、導電性樹脂製のものを利用することができないものの、電源基板を収容する基板ボックスや各種中継基板を収容する各種中継基板ボックスに対して導電性樹脂製のものとして構成すると共に、周辺制御基板1510が周辺制御基板ボックスに固定される同一の方法で固定されるようにしてもよい。こうすれば、電源基板を収容する基板ボックスや各種中継基板を収容する各種中継基板ボックスに対して、上述した導電性樹脂製の周辺制御基板ボックス1505によるノイズ対策効果と同一の効果を奏することができる。
また、上述した実施形態では、周辺制御ユニット1500が取り付けられる遊技盤5の近傍には、図3に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態においては、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、を球タンク552の中央寄りに配置することで、タンクレール553から離して配置することができるようになっている。タンクレール553は、上述したように、その下側(パチンコ機1を正面から見るとタンクレール553の後面下側)に複数形成される切り欠き部553aaを介して外部へ遊技球Bの金属粉を落下することができるようになっているため、上述した基板間コネクタをタンクレール553から離して配置することにより、上述した基板間コネクタにおいて遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルの発生を防止することができる。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、は、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態において、図82に示したように、上下方向に長い配置とすることにより基板間コネクタの上側の面積を小さくすることができるため、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積を最小限とすることができる。なお、上述した基板間コネクタを左右方向に長い配置とする場合には、基板間コネクタの上側の面積が大きくなるため、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大することとなる。これに対して、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1~CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、図82に示したように、左右方向に長い配置となり、各コネクタの上面の面積が大きくなって塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大する配置となっているが、上述したように、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN1~CN9に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっているため、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN1~CN9に付着することを防止することができるようになっている。このように、塵、何らかの金属性を有する粉等が各電気端子への付着を防止することができるように、上述した基板間コネクタを配置する向きと、コネクタCN1~CN9を配置する向きと、が選択されている。
なお、上述した実施形態では、周辺制御基板1510に特殊コネクタSCN1,SCN2のプラグを備え、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3のソケットを備え、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4のソケットを備えていたが、情報や信号が流れる方向が視認できるように備えるように配置してもよい。このような場合には、情報や信号を送信する側をプラグ(又はソケット)とするとともに、これに対応して、情報や信号を受信する側をソケット(又はプラグ)とすることができる。例えば、上述した実施形態では、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)は、周辺データROM基板1520から周辺制御基板1510へ転送されるため、周辺データROM基板1520が送信側で周辺制御基板1510が受信側となる。このような場合には、周辺データROM基板1520にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、周辺制御基板1510にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510から複数種類の映像信号の方式が液晶出力基板1530へ出力されるため、周辺制御基板1510が送信側で液晶出力基板1530が受信側となる。このような場合には、周辺制御基板1510にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、液晶出力基板1530にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。
また、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b~1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、いずれかに一つまたは組み合わせて通風孔1501azを複数形成してもよい。例えば、左辺に設けられるカバー側壁1501cにのみ通風孔1501azを複数形成してもよいし、下辺に設けられるカバー側壁1501dのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、右辺に設けられるカバー側壁1501eのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、カバー平板1510a、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c~1501eのうち複数組み合わせて通風孔1501azをそれぞれ複数形成してもよい。このように構成しても、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することを防止することができる。これにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。したがって、タンクレール553からの落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
また、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b~1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c~1501eに通風孔1501azを複数形成してもよい。こうすれば、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c~1501eに通風孔1501azを複数形成することにより周辺制御基板ボックス1505の温度上昇を抑制することに寄与することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、上述したように、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
[周辺制御ユニットによる他のノイズ対策]
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板ボックス1505を構成するカバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これら各種基板のグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されているため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを各種基板のグランド(GND)へ流し、ノイズを除去することができるようになっている(以下、「第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成」と記載する)。周辺制御基板ボックス1505に侵入したノイズを除去することができるという周辺制御基板ボックスによるノイズ対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2~第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成」と記載する。)について、図87~図106を参照して説明する。なお、図87~図106では、図82~図84に示した第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成において付した各種部材の符号と同じ符号を付して表すとともに、その説明を第2~第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成において一部を除いて省略する。
第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、カバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されるのに対して、第2~第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、カバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、透明な非導電性の樹脂製として構成されると共に、第2~第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では周辺制御基板ボックス内に金属製のシールド板が収容される一方、第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では周辺制御基板ボックス内に金属製のシールド板が収容されていない。
図87~図91までは第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成であって、周辺制御基板1510等の表面(実装面)を金属製のシールド板で覆い、この金属製のシールド板の一部が演出表示装置1600の金属製裏蓋に導電性弾性部材を介して当接する構成であり、図87は第2実施形態に係る周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図88は第2実施形態に係る周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図89は第2実施形態に係る周辺制御ユニットの正面図であり、図90は第2実施形態に係る図89のX-X線の断面図であり、図91は第2実施形態に係る図89のA矢視図である。
図92~図95までは第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成であって、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策をさらに強化したものであり、周辺制御基板1510等の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域と演出表示装置1600の金属製裏蓋とが導電性弾性部材を介してさらに当接する構成であり、図92は第3実施形態に係る周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図93は第3実施形態に係る周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図94は第3実施形態に係る図89のA矢視図であり、図95は周辺制御基板の裏面(ハンダ面)側のグランド(GND)と導電性弾性部材との接触を良好とする周辺制御基板の裏面(ハンダ面)側のグランド(GND)の取り出し方法を示す図であり、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(剥き出し例(a))、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の概略図(剥き出し例(b))、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(ランドを有するスルーホールの複数配置した例(c))、周辺制御基板の裏面(ハンダ面)の概略図(ランドを有するスルーホールの複数配置した例(d))である。
図96~図100までは第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成であって、周辺制御基板1510等の表面(実装面)を金属製の第1のシールド板で覆うと共に、周辺制御基板1510等の裏面(ハンダ面)を金属製の第2シールド板で覆い、金属製の第1のシールド板と金属製の第2のシールド板とで周辺制御基板1510等を挟持し、金属製の第1のシールド板の一部と金属製の第2のシールド板の一部とが周辺制御基板1510等のグランド(GND)と電気的に接続される構成であり、図96は第4実施形態に係る周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図97は第4実施形態に係る周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図98は第4実施形態に係る周辺制御基板等の取付手順を示す図であり、図99は第4実施形態に係る周辺制御基板等の表面(実装面)側の貫通孔の周囲に形成されるランドを示す図(a)、箔抜き領域を示す図(b)であり、図100は第4実施形態に係る周辺制御基板等の裏面(ハンダ面)側の貫通孔の周囲に形成されるランドを示す図(a)、ランド及びネジ止め指定記号を示す図(b)、箔抜き領域を示す図(c)である。なお、図92では演出表示装置1600の金属製裏蓋と接触することができる基板用導電性弾性部材1507を図面の見易さから省略し、図93では演出表示装置1600の金属製裏蓋と接触することができる基板用導電性弾性部材1507を図面の見易さから2点鎖線で示した。
図101~図106までは第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成であって、周辺制御基板1510等の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)を金属製のシールド板で全く覆わず、周辺制御基板ボックスに収容される各種基板のうち、特定の基板のグランド(GND)の一部が露出する領域と演出表示装置1600の金属製裏蓋とが導電性弾性部材を介して当接する構成であり、図101は第5実施形態に係る周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図102は第5実施形態に係る周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図103は第5実施形態に係る周辺制御ユニットの背面斜視図の一部を示す図(a)、導電性弾性部材が挿入された状態が分かるように周辺制御ユニットを構成するベース体の一部を同図(a)におけるCL線で切り取った周辺制御ユニットの背面斜視図の一部を示す図(b)であり、図104は図103の続きであって導電性弾性部材が演出表示装置1600の金属製裏蓋に押し当てられて変形した状態が分かるように周辺制御ユニットの一部を切り取った周辺制御ユニットの背面斜視図の一部を示す図(c)であり、図105はコンタクトプローブの先端部を挿入して接触させることができる開口部を有する周辺制御ユニットを構成するカバー体の正面部分拡大図であり、図106は特定の基板の裏面(ハンダ面)側のグランド(GND)と導電性弾性部材との接触を良好とする特定の基板の裏面(ハンダ面)側のグランド(GND)の取り出し方法を示す図であり、特定の基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(剥き出し例(a))、特定の基板の裏面(ハンダ面)の概略図(剥き出し例(b))、特定の基板の裏面(ハンダ面)の銅箔面の概略図(ランドを有するスルーホールの複数配置した例(c))、特定の基板の裏面(ハンダ面)の概略図(ランドを有するスルーホールの複数配置した例(d))である。
[第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成と第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成との対比]
第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、上述したように、カバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これら各種基板のグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されていた。
これに対して、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、図87及び図88に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有する透明な非導電性の樹脂製により成型されるカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530へ侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を低減(抑制)することができる金属製のシールド板1540と、金属製のシールド板1540の所定箇所に取付けられる(接着される)導電性弾性部材1545と、カバー体1501の開口を塞ぐ透明な非導電性の樹脂製により成型されるベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けられることにより金属製のシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持され、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体]
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置する。そして、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4のうち、貫通孔1510r1,1510r4を、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1a、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c2a、及びカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4に合わせるように配置すると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3に合わせるように配置する。そして、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2がカバー体1501と周辺制御基板1510とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺制御基板1510の表面側に形成されるランド1510rf1~1510rf4のうち、ランド1510rf1,1510rf4と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、がそれぞれ当接した状態となると共に、ランド1510rf2,1510rf3と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となる。また、周辺制御基板1510の裏面側に形成されるランド1510rb1~1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2は、周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1,1510rf4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1がカバー体1501と周辺データROM基板1520とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面側に形成されるランド1520rf1~1520rf4のうち、ランド1520rf4と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1の裏面と、が当接した状態となると共に、ランド1520rf1~1520rf3と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺データROM基板1520の裏面側に形成されるランド1530rb1~1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1は、周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf4と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2がカバー体1501と液晶出力基板1530とにより挟持される状態となる。この状態において、液晶出力基板1530の表面側に形成されるランド1530rf1~1530rf4のうち、ランド1530rf1と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2の裏面と、が当接した状態となると共に、ランド1530rf2~1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面側に形成されるランド1530rb1~1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2は、液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることにより金属製のシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(2.3mm)が形成される状態となる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、上述したように、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容される金属製のシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
[第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体]
ベース平板1502aは、その正面から見て、右側であって、後述する金属製のシールド板1540に屈曲して形成されるL字状回路接続片1540dと対応する位置に、L字状回路接続片1540dの裏面形状より一回り大きい形状となる、上下方向に長い長方形状の貫通口1502abが形成されている。
なお、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側においては、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3と対応する領域には、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の外形と比べて一回り大きい形状を有する箔抜き領域NR1,NR2,NR3がそれぞれ形成され、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の前面(当接面)が箔抜き領域NR1,NR,NR3にそれぞれ当接する。これらの箔抜き領域NR1,NR2,NR3は、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3からノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を阻止することができるように、周辺制御基板1510のグランド(GND)から隔離されている。換言すると、ノイズ(電磁波ノイズ)がベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3から箔抜き領域NR1,NR2,NR3を介して、周辺制御基板1510のベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成される。
[第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製のシールド板]
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530へ侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を低減(抑制)することができる金属製のシールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の左辺中央上側と左辺中央下側において所定距離寸法(本第2実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540b1,1540b2がそれぞれ形成されている。
また、金属製のシールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の右辺上側、及び右辺下側において所定距離寸法(本第2実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540c1,1540c2がそれぞれ形成されていると共に、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の中央であってL字状取付片1540c1,1540c2の間に所定距離寸法(本第2実施形態では、シールド平板1540aの裏面から21mm)だけ後方へ屈曲したL字状回路接続片1540dが形成されている。L字状回路接続片1540dの裏面には、その上端から下端までに亘って導電性弾性部材1545が取り付けられている(接着されている)。
シールド平板1540aは、その周囲に、カバー側壁1501b~1501eと干渉しないように切り欠きがそれぞれ形成されていると共に、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abと対応する位置に、略正方形状の開口部1540aaが形成されている。これにより、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、カバー体1501のカバー側壁1501b~1501eがシールド平板1540aの外形周囲とそれぞれ干渉せず、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abがシールド平板1540aの開口部1540aaに接触することなく挿入される状態となる。
金属製のシールド板1540は、L字状取付片1540b1,1540b2の裏面と、L字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、が同一平面に配置されるように屈曲して形成されていると共に、L字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面と、シールド平板1540aの表面と、がそれぞれ平行な面となるように形成されている。なお、本第2実施形態では、シールド平板1540aの表面からL字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面までに亘る距離寸法が13.2mmとなっている。
L字状取付片1540b1,1540b2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ah2,1501am1と対応する位置に、貫通孔1540b1a,1540b2aがそれぞれ形成されている。取付ボス孔1501ah2は、上述したように、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1~1520r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2のうちの1つの取付ボス孔である。取付ボス孔1501am1は、上述したように、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1~1530r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された一対の取付ボス孔1501am1,1501am2のうちの1つの取付ボス孔である。
L字状取付片1540c1,1540c2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4と対応する位置に、貫通孔1540c1a,1540c2aがそれぞれ形成されている。これらの取付ボス孔1501ag1,1501ag4は、上述したように、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1~1510r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された4つの取付ボス孔1501ag1~1501ag4のうちの2つの取付ボス孔である。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。
この2つの空間は、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図90を参照。)と、後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図90を参照。)と、から構成されている。
第1の空間1505aには、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等(周辺制御IC1510a、制御ROM1510b、SDRAM1510c、図示しないリアルタイムクロックIC、バックアップ電源1510e、図示しない電源作成回路、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、LEDML1~LEDML4、特殊コネクタSCN1,SCN2等)、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等(周辺データROM1520a、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、特殊コネクタSCN3等)、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等(図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、特殊コネクタSCN4等)が収容されているのに対して、第2の空間1505bには、各種電子部品等が全く収容されていない。これは、ノイズ(電磁波ノイズ)の影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することによりノイズ(電磁波ノイズ)の対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間1505a内における各種電子部品等から発する熱を、金属製のシールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えるためである。つまり、金属製のシールド板1540は、ノイズ(電磁波ノイズ)の低減(抑制)する機能に加えて、放熱板としての機能も有している。
シールド板1540のシールド平板1540aには、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azと対応する位置に、それぞれ同一形状の通風孔1540azが形成されている。つまり、これらの通風孔1540azは、通風孔1501azと同様に、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm~6.5mmを有して形成されている。カバー体1501のFAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される通風孔1501az、そしてシールド板1540のシールド平板1540aに形成される通風孔1540azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間のうち第1の空間1505a(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができると共に、金属製のシールド板1540を空冷することができる。
[第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスの導電性弾性部材]
金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面に取り付けられる(接着される)導電性弾性部材1545は、クッション性(弾性)を有する導電部材であり、導電性被覆部1545aと、導電性被覆部1545aにより被覆される芯材としての矩形形状を有する発泡体1545bと、導電性被覆部1545aに貼られる導電性粘着テープ1545cと、から構成されている。被覆部1545aとしては、例えば、ポリエステル織布に銅及びニッケルの金属被膜が形成されているもの、ポリイミドフィルムに銅及びニッケルの導電層が形成されるもの等を挙げることができる。発泡体1545bとしては、例えば、耐熱性を有するポリウレタンフォームを挙げることができる。導電性粘着テープ1545cとしては、例えば、アクリル系粘着剤が使用された導電性両面接着テープを挙がることができる。導電性粘着テープ1545cの表面は、使用されるまでピール紙により保護されており、導電性被覆部1545aを他の部材へ取り付ける(接着する)ときにピール紙を剥がす。
なお、導電性弾性部材1545の断面形状(輪切りにした形状)は、その幅が約5mm、その高さが約3mmである長方形状(図91を参照。)を有し、導電性粘着テープ1545cは、その幅が約2mm、その高さが約0.035mmである長方形状(図91を参照。)を有している。
[第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスの組み立て方法]
周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1がカバー体1501と周辺データROM基板1520とにより挟持される状態となると共に、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2がカバー体1501と液晶出力基板1530とにより挟持される状態となる。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と対応する配置となっているため、そのまま、又は、微調整する必要がある場合には周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、貫通孔1510r1~1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2がカバー体1501と周辺制御基板1510とにより挟持される状態となる。つまり、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態となる。
このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されことにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と、にそれぞれ持たせた寸法的な余裕により吸収することができるようになっている。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませ、金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dがベース体1502の貫通口1502abを通って、そのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、L字状回路接続片1540dがベース体1502の裏面から突出する状態となり、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。また、このように封印された状態において、金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dがベース体1502の裏面から突出する状態となり、ベース体1502の裏面からL字状回路接続片1540dの裏面までに亘る距離寸法(突出長さ)が2.7mmとなっている。
なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
続いて、導電性弾性部材1545の導電性粘着テープ1545cのピール紙を剥がして、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面に導電性弾性部材1545の粘着テープ1545cを取り付ける(接着する)。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側であって演出表示装置1600を収容する透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を、透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する装着溝に挿入し、周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
演出表示装置1600は、額縁状の金属製フレームと、この金属製フレームの後面全体を塞ぐ金属製裏蓋と、透明な合成樹脂製ボックスと、により構成されている。額縁状の金属製フレームには、液晶パネル、バックライト、駆動回路等が収容されている。この額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となっており、透明な合成樹脂製ボックスに収容されている。また、演出表示装置1600は、自身の後側に取付けられる周辺制御ユニット1500により制御され、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されることにより同一のグランド(GND)となるようになっている。周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付けると、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dが透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される図示しない貫通口を通って、図91に示すように、導電性弾性部材1545を介して、演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接した状態となる。このとき、導電性弾性部材1545が押し込まれて高さ方向につぶれる(本第2実施形態では、導電性弾性部材1545の高さが1mm~1.5mmつぶれる)ことにより、寸法公差や組み付け誤差による寸法ズレを導電性弾性部材1545により吸収することができるようになっている。これにより、周辺制御ユニット1500の金属製のシールド板1540と、演出表示装置1600の金属製裏蓋と、が電気的に確実に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができるため、ノイズ(電磁波ノイズ)に対して強い環境を周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板)と周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板)の周辺とに対して構築することができる。したがって、電磁波ノイズによる影響を低減することができる。
第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスにおけるカバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、透明な非導電性の樹脂製として成型されて構成され、カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定されると、金属製のシールド板1540が各種基板のグランド(GND)へ接続されるように構成されている。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。このため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)や演出表示装置1600に侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製のシールド板1540を介して、基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去するという「ノイズが抜けるルート」が形成されることができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このようなノイズ(電磁波ノイズ)を除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aに形成される複数の円形状を有する通風孔1540azの配置と、について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500を上述したように組み立てると、図89に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、制御ROM1510bの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bと周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能もさらに有することによって、制御ROM1510bの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、つまり、周辺データROM1520aの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容と、を多方向の角度からほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3と周辺データROM基板1520にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの改変、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+35Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+35Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能もさらに有することによって、周辺データROM1520aの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、それぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4と液晶出力基板1530にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、SDRAM1510c1,1510c2の表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能もさらに有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、周辺制御基板1510に備えるLEDML1~LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。この2つの空間は、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図89を参照。)と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図89を参照。)と、から構成されている。第1の空間1505aには、上述したように、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等が収容されている。このように形成される第1の空間1505a内を、照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1~LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができる。
また、シールド板1540が金属製であるため、光沢を有しており、周辺制御基板1510に備えるLEDML1~LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1~LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510へ向かわせることができる反射部としての機能も有している。これらの反射部には、光沢を有する着色塗料をさらに塗布するように構成してもよい。
また、周辺制御ユニット1500が取り付けられる遊技盤5の近傍には、図3に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電によるノイズ(電磁波ノイズ)の影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されている。このように、遊技盤5の周囲はノイズ(電磁波ノイズ)の影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本第2実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成し、カバー体1501の内部空間内に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けてシールド板1540をカバー体1501と各種基板とにより挟持して固定することにより、金属製のシールド板1540を各種基板のグランド(GND)と電気的に接続するという構成を採用した。また、本第2実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインを、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続することにより、同一のグランド(GND)とする構成を採用した。
これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製のシールド板1540を介して、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)へ導いて除去することができる。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製のシールド板1540を介して、基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去することができる。
なお、本第2実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成され、この2つの空間が、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505aと、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本第2実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505bと、から構成されていた。換言すると、第1の所定高さの距離寸法が第2の所定高さの距離寸法より大きく形成されていた。遊技盤5に大型の演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置した場合であって奥行き方向の距離寸法に余裕がある場合には、第1の所定高さの距離寸法と第2の所定高さの距離寸法とを同一の所定高さの距離寸法として構成してもよいし、第2の所定高さの距離寸法を第1の所定高さの距離寸法と比べて大きくするように構成してもよい。このように構成しても、ノイズ(電磁波ノイズ)の影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することにより電磁波ノイズの対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間1505a内における各種電子部品等から発する熱を、金属製のシールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えることができる。
また、本第2実施形態においては、金属製のシールド板1540には、円形状を有す複数の通風孔1540azが形成されることにより、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように構成されていたが、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aと対応する金属製のシールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。なお、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aに加えて、その周囲も視認することができるように、金属製のシールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。また、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製のシールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできるし、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製のシールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。
また、本第2実施形態においては、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容される金属製のシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
なお、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させるようにしているが、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けしてもよい。この場合、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くならないように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にする必要がある。
例えば、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、その一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされることとなる。具体的には、「所定の形状」として、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対して、図86(a)に示したように、レジストが所定幅を有する円が同心円状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する単一円が同心円状に形成される形状でもよい。)、図86(b)に示したように、レジストが所定幅及び所定長さを有する矩形形状がランド1510rf1~1510rf4の中心として環状に複数配列された菊状に形成される形状、図86(c)に示したように、レジストが所定幅を有する縦方向の線と横方向の線とから構成される格子状に形成される形状(レジストが所定幅を有する縦方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよいし、レジストが所定幅を有する横方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよい。)、図86(d)に示したように、レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右上がりの線が斜線状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右下がりの線が斜線状に複数形成される形状でもよい。)、図示しないが小さな円形状の集合した形状等を挙げることができる。
このように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされるようになっているため、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができる(換言すると、レジスト液により塗布されて所定の形状としては、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができるという効果を発揮できるものであればよい)。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができる。このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆している。
なお、このようなレジストにより形成される所定の図形を、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔に対しても行ってもよい。このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一としてもよい。
また、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、金属製のナベねじを用いていたが、金属製のナベねじに平座金、ばね座金、歯付き座金(「菊座金」ともいう。)等の金属製の座金を通して周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定するようにしてもよい。
また、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となって透明な合成樹脂製ボックスに収容されており、この透明な合成樹脂製ボックスと、ベース体1502と、が別体としてそれぞれ成型されていたが、この透明な合成樹脂製ボックスにベース体1502を一体に成型するようにしてもよい。
[第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成と第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成との対比]
第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、上述したように、カバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これら各種基板のグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されていた。
これに対して、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成をさらに強化したものであり、周辺制御基板1510等の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域と演出表示装置1600の金属製裏蓋とが導電性弾性部材を介してさらに当接する構成が採用されている。
[第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製のシールド板]
具体的には、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製のシールド板1540は、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製のシールド板1540の形状と類似し、図92及び図93に示すように、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b~1501eから侵入するノイズ(電磁波ノイズ)対策としてシールド平板1540aの各辺を後方へ(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の表面(実装面)側へ向かって)屈曲させて側壁1540aeがそれぞれ形成されている。これらの側壁1540aeは、通風孔1540azが全く形成されていない。また、これらの側壁1540aeは、周辺制御ユニット1500が組み立てられた状態において、その端面が周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の表面(実装面)から所定距離寸法(例えば、3.9mm)を有して離間しているため接触せず、各種基板に実装されている各種の電子部品と接触しないようになっている。なお、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製のシールド板1540は、上述した第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製のシールド板1540の形状と類似しているため、その詳細な説明を省略する。
[第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体]
第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体1502は、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体1502の形状と類似し、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPと対応する位置に、演出表示装置1600の金属製裏蓋と接触することができる基板用導電性弾性部材1507を挿入する正方形(上下方向の距離寸法と左右方向の距離寸法がともに約8mmを有する形状)を有する挿入口1502azがベース平板1502aに複数形成されている。これらの挿入口1502azは、ベース平板1502aの前方側及び後方側に突出して形成されているものの、各挿入口1502azの前端面が周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)と所定距離寸法(例えば、1.5mm)を有して離間して接触しないように形成されていると共に、各挿入口1502azの後端面が金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面と同一の平面上に配置されるように形成されている。
周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPが7つあり、これに対応する位置にベース平板1502aに7つの挿入口1502azが形成され、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPが1つあり、これに対応する位置にベース平板1502aに1つの挿入口1502azが形成され、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPが2つあり、これに対応する位置にベース平板1502aに2つの挿入口1502azが形成されている。つまり、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)には、グランド(GND)の一部が露出する領域ROPが合計11個設けられると共に、ベース平板1502aには、各領域ROPと対応する位置に挿入口1502azが合計11個設けられている。また、ベース平板1502aの裏面側であって各挿入口1502azの近傍に通し番号1~通し番号11が形成されている。この通し番号は、製造元の作業者が基板用導電性弾性部材1507を挿入する順番(作業手順)を指示している。ベース体1502は、上述したように、透明な非導電性の樹脂製として成型されているため、ベース平板1502aの表面側からも通し番号1~通し番号11を視認することができる。なお、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体1502は、上述した第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体1502の形状と類似しているため、その詳細な説明を省略する。
[第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスの基板用導電性弾性部材]
第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスでは、金属製のシールド板1540と演出表示装置1600の金属製裏蓋とを電気的に接続することができる導電性弾性部材1545のほかに、さらに、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPと演出表示装置1600の金属製裏蓋とを電気的に接続することができる基板用導電性弾性部材1507を有している。この基板用導電性弾性部材1507は、クッション性(弾性)を有する導電部材であり、導電性被覆部1507aと、導電性被覆部1507aにより被覆される芯材としての矩形形状を有する発泡体1507bと、から構成されている。導電性被覆部1507aとしては、例えば、ポリエステル織布に銅及びニッケルの金属被膜が形成されているもの、ポリイミドフィルムに銅及びニッケルの導電層が形成されるもの等を挙げることができる。発泡体1507bとしては、例えば、耐熱性を有するポリウレタンフォームを挙げることができる。
基板用導電性弾性部材1507は、前後方向に長い直方体の形状(図93における基板用導電性弾性部材1507を右側方から見ると、幅が約11mm、奥行きが約8mm、高さが約8mm)を有している。基板用導電性弾性部材1507が上述したベース体1502の挿入口1502azに挿入されると、挿入口1502azの内壁により案内されると共に、基板用導電性弾性部材1507がクッション性(弾性)を有することにより挿入口1502azの内壁を押すことで基板用導電性弾性部材1507が挿入口1502azから外れ難くなっている。
[第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスの各種基板のグランドの一部の露出領域]
ここで、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPについて説明する。周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部に形成される領域ROPは同一の構造であり、ここでは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部に形成される領域ROPについて説明する。周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部に形成される領域ROPは、図95(a),(b)に示すように、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yの銅箔面1510ypに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)の一部が基板用導電性弾性部材1507の前面形状より大きい形状で剥き出しとなるように、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yの銅箔面1510yp上にレジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層1510yrが形成されている。
なお、領域ROPとしてベタグランドを剥き出しとせずに、スルーホールを利用する方法を採用することもできる。例えば、図95(c),(d)に示すように、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yにおける領域ROPには、周辺制御基板1510の表面(実装面)のベタグランドと電気的に接続するスルーホールを上下方向と左右方向とにそれぞれ複数並べると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yの銅箔面1510ypに各スルーホールの周囲にランドが形成されるように、この銅箔面1510yp上にレジスト液を塗布して裏面(ハンダ面)側レジスト層1510yrを形成することができる。
[第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスの組み立て方法]
周辺制御ユニット1500の組み立て方法は、第2実施形態に係る周辺制御基板ボックスの組み立て方法と基本的に同一であるため、上述した基板用導電性弾性部材1507の挿入手順について説明する。製造元の作業者は、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側であって演出表示装置1600を収容する透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に周辺制御ユニット1500を取り付けるまえに、通し番号1~通し番号11までを順番に基板用導電性弾性部材1507をその長手方向から上述したベース体1502の挿入口1502azに挿入して押し込み、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPと接触する状態とする作業を行う。
演出表示装置1600は、上述したように、額縁状の金属製フレームと、この金属製フレームの後面全体を塞ぐ金属製裏蓋と、透明な合成樹脂製ボックスと、により構成されている。額縁状の金属製フレームには、液晶パネル、バックライト、駆動回路等が収容されている。この額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となっており、透明な合成樹脂製ボックスに収容されている。また、演出表示装置1600は、上述したように、自身の後側に取付けられる周辺制御ユニット1500により制御され、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されることにより同一のグランド(GND)となるようになっている。
周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付けると、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路接続片1540dが透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される図示しない貫通口を通って、図94に示すように、導電性弾性部材1545を介して、演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接した状態となる。このとき、導電性弾性部材1545が押し込まれて高さ方向につぶれる(本第3実施形態では、導電性弾性部材1545の高さが1mm~1.5mmつぶれる)ことにより、寸法公差や組み付け誤差による寸法ズレを導電性弾性部材1545により吸収することができるようになっている。これにより、周辺制御ユニット1500の金属製のシールド板1540と、演出表示装置1600の金属製裏蓋と、が電気的に確実に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができる。
また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPと一方が接触する各基板用導電性弾性部材1507の他方は、対応する透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される図示しない貫通口をそれぞれ通って、図94に示すように、演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接した状態となる。このとき、基板用導電性弾性部材1507が押し込まれて高さ方向につぶれる(本第3実施形態では、基板用導電性弾性部材1507の高さが1mm~1.5mmつぶれる)ことにより、寸法公差や組み付け誤差による寸法ズレを基板用導電性弾性部材1507により吸収することができるようになっている。これにより、基板用導電性弾性部材1507な長手方向に外力が加わった状態が維持されることで、その反発力として、基板用導電性弾性部材1507は、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPとの接触面と、演出表示装置1600の金属製裏蓋との接触面と、にそれぞれに加わった状態となり、電気的な接続を良好とする状態を維持し、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)と、演出表示装置1600の金属製裏蓋と、が電気的に確実に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができる。このため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)や演出表示装置1600に侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製のシールド板1540のほかに、さらに基板用導電性弾性部材1507を介して、基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去するという「ノイズが抜けるルート」が形成されることができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このようなノイズ(電磁波ノイズ)を除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
なお、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされているが、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔にそれぞれハンダ付けされ、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆ってもよい。周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔は、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x全体がレジスト液で塗布される際に併せて塗布される。このように構成しても、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することで、金属製のナベねじを介して、周辺制御基板1510のグランド(GND)とカバー体1501とを電気的に接続された状態とすることができる。また、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一とすることができる。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とそれぞれ対応する部分のレジスト層の厚さが同一の厚さとなるため、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4に金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510の歪みを防止することができる。
また、本第3実施形態においては、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容される金属製のシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
また、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させるようにしているが、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けしてもよい。この場合、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くならないように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にする必要がある。
例えば、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、その一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされることとなる。具体的には、「所定の形状」として、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対して、図86(a)に示したように、レジストが所定幅を有する円が同心円状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する単一円が同心円状に形成される形状でもよい。)、図86(b)に示したように、レジストが所定幅及び所定長さを有する矩形形状がランド1510rf1~1510rf4の中心として環状に複数配列された菊状に形成される形状、図86(c)に示したように、レジストが所定幅を有する縦方向の線と横方向の線とから構成される格子状に形成される形状(レジストが所定幅を有する縦方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよいし、レジストが所定幅を有する横方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよい。)、図86(d)に示したように、レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右上がりの線が斜線状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右下がりの線が斜線状に複数形成される形状でもよい。)、図示しないが小さな円形状の集合した形状等を挙げることができる。
このように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされるようになっているため、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができる(換言すると、レジスト液により塗布されて所定の形状としては、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができるという効果を発揮できるものであればよい)。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができる。このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆している。
なお、このようなレジストにより形成される所定の図形を、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔に対しても行ってもよい。このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一としてもよい。
また、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、金属製のナベねじを用いていたが、金属製のナベねじに平座金、ばね座金、歯付き座金(「菊座金」ともいう。)等の金属製の座金を通して周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定するようにしてもよい。
また、第3実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となって透明な合成樹脂製ボックスに収容されており、この透明な合成樹脂製ボックスと、ベース体1502と、が別体としてそれぞれ成型されていたが、この透明な合成樹脂製ボックスにベース体1502を一体に成型するようにしてもよい。
[第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成と第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成との対比]
第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、上述したように、カバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これら各種基板のグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されていた。
これに対して、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、図96及び図97に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有する透明な非導電性の樹脂製により成型されるカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板へ侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を低減(抑制)することができる各種基板の表面(実装面)側に配置される金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540の所定箇所に取付けられる(接着される)導電性弾性部材1545と、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板へ侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を低減(抑制)することができる各種基板の裏面(ハンダ面)側に配置される金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555と、カバー体1501の開口を塞ぐ透明な非導電性の樹脂製により成型されるベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とに挟持されてカバー体1501の所定位置に取り付けられ、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体]
まず、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502では、第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502のカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2がカバー平板1501aの裏面側に取付ボス孔1501ah3,1501ah4としてそれぞれ形成されるという点で相違していると共に、第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502のカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2がカバー平板1501aの裏面側に取付ボス孔1501am3,1501am4としてそれぞれ形成されるという点で相違している。また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502では、周辺制御基板1510に備える図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eが図示しないホルダから飛び出して図示しないリアルタイムクロックICへの電源供給が遮断されないように、円筒形状を有する飛び出し防止部1501awがカバー体1502のカバー平板1501aの裏面側からバックアップ電源1510eの正面側へ向かって突出して形成されるという点で第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502と相違している。なお、飛び出し防止部1501awの端面は、バックアップ電源1510eから所定距離寸法(例えば、1mm)だけ離間して配置されている。
また、第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を取り付けるときには、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の貫通孔(取付ボス突出部が挿入されるものを除く。)に直接図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔にねじ込むことで固定されていたが、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスのカバー体1502の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を取り付けるときには、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板における複数の貫通孔のうち特定の貫通孔に直接図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔にねじ込むことで固定する第1固定方法を行った後に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側を覆うように金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片に形成される各貫通孔を、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板における特定の貫通孔を除く他の貫通孔のうち対応する貫通孔に合わせるように配置し、カバー体1501の開口をベース体1502で塞いでベース平板1502aの表面側に形成される取付ボスの貫通孔に図示しない金属製のナベねじを挿入し、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片に形成される各貫通孔、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板における他の貫通孔をそれぞれ通してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔にそれぞれねじ込むことで固定する第2固定方法を行う。
第1固定方法において、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、後述する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置する。そして、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4のうち、貫通孔1510r1,1510r4を、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1a、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c2a、及びカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4に合わせるように配置すると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3に合わせるように配置する。
第1固定方法において、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1~1520r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1~1501ah4に合わせるように配置する。
第1固定方法において、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1~1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501an1~1501an4に合わせるように配置する。
そして、周辺制御基板1510の貫通孔1510r1~1510r4のうち特定の貫通孔として貫通孔1510r2,1510r3に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1~1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1510rb1~1510rb4のうち、ランド1510rb2,1510rb3と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。
そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1~1520r4のうち特定の貫通孔として貫通孔1520r1,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah3,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1520rb1,1520rb2,1520rb4のうち、ランド1520rb1,1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1は、周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf4と電気的に接続される状態となることで金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1~1530r4のうち特定の貫通孔として貫通孔1530r1,1530r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am4へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rb1,1530rb3,1530rb4のうち、ランド1530rb1,1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2は、液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
この第1固定方法の後に、第2固定方法において、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側を覆うように後述する金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1~1555b4にそれぞれ形成される貫通孔1555b1a~1555b4aを、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板における特定の貫通孔を除く他の貫通孔のうち対応する貫通孔として、周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2、及び液晶出力基板1530の貫通孔1530r3に合わせるように配置し、カバー体1501の開口をベース体1502で塞いでベース平板1502aの表面側に形成される後述する取付ボス1502af1~1502af6の貫通孔1502ag1~1502ag6に図示しない金属製のナベねじを挿入し、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1~1555b4にそれぞれ形成される貫通孔1555b1a~1555b4a、そして周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板における特定の貫通孔を除く他の貫通孔のうち対応する貫通孔として、周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2,1520r3、及び液晶出力基板1530の貫通孔1530r2,1530r3をそれぞれ通してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4,1501ah1,1501ah4,1501am3、1501am2にそれぞれねじ込むことで固定する。
第1固定方法、そして第2固定方法を順番に行うことにより、周辺制御基板1510が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2の表面とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺制御基板1510の表面(実装面)側に形成されるランド1510rf1,1510rf4と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1510rb1,1510rb4と、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2の表面と、がそれぞれ当接した状態となる。これにより、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2は、周辺制御基板1510の表面(実装面)側に形成されるランド1510rf1,1510rf4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることとなると共に、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2は、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1510rb1,1510rb4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
また、第1固定方法、そして第2固定方法を順番に行うことにより、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1520rb2と、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3の表面と、が当接した状態となる。これにより、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3は、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1520rb2と電気的に接続される状態となることで金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることとなる。これにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
また、第1固定方法、そして第2固定方法を順番に行うことにより、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rb3と、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4の表面と、が当接した状態となる。これにより、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4は、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rb3と電気的に接続される状態となることで金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、へ接続されることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ接続されることとなる。
また、第1固定方法、そして第2固定方法を順番に行うことにより、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540の所定箇所に取付けられる(接着される)導電性弾性部材1545が金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の表面側に押し当てられて接触した状態となる。これにより、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とが電気的に接続された状態となる。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることにより、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(2.3mm)が形成される状態となる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、上述したように、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1~CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1~1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容される金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体]
ベース体1502のベース平板1502aの表面側には、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4,1501ah1,1501ah4,1501am3、1501am2と対応する位置に、貫通孔1502ag1~1502ag6を有する取付ボス1502af1~1502af6がそれぞれ形成されている。これら取付ボス1502af1~1502af6の貫通孔1502ag1~1502ag6に図示しない金属製のナベねじが挿入されてねじ込まれ、ベース1502をカバー体1501に固定する。
なお、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側においては、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3と対応する領域には、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の外形と比べて一回り大きい形状を有する箔抜き領域NR1,NR2,NR3がそれぞれ形成され、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の前面(当接面)が箔抜き領域NR1,NR,NR3にそれぞれ当接する。これらの箔抜き領域NR1,NR2,NR3は、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3からノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を阻止することができるように、周辺制御基板1510のグランド(GND)から隔離されている。換言すると、ノイズ(電磁波ノイズ)がベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3から箔抜き領域NR1,NR2,NR3を介して、周辺制御基板1510のベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成される。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製の基板表面(実装面)側シールド板]
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板へ侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を低減(抑制)することができる各種基板の表面(実装面)側に配置される金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の左辺中央上側と左辺中央下側において所定距離寸法(本第4実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540b1,1540b2がそれぞれ形成されている。
また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の右辺上側、及び右辺下側において所定距離寸法(本第4実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540c1,1540c2がそれぞれ形成されていると共に、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の中央上寄りであってL字状取付片1540b1の上側に所定距離寸法(本第4実施形態では、シールド平板1540aの裏面から9.9mm)だけ後方へ屈曲したL字状回路接続片1540dが形成されている。L字状回路接続片1540dの裏面には、その上端から下端までに亘って導電性弾性部材1545が取り付けられている(接着されている)。
シールド平板1540aは、その周囲に、カバー側壁1501b~1501eと干渉しないように切り欠きがそれぞれ形成されていると共に、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abと対応する位置に、略正方形状の開口部1540aaが形成されている。これにより、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられる状態においては、カバー体1501のカバー側壁1501b~1501eがシールド平板1540aの外形周囲とそれぞれ干渉せず、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abがシールド平板1540aの開口部1540aaに接触することなく挿入される状態となる。
金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、L字状取付片1540b1,1540b2の裏面と、L字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、が同一平面に配置されるように屈曲して形成されていると共に、L字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面と、シールド平板1540aの表面と、がそれぞれ平行な面となるように形成されている。なお、本第4実施形態では、シールド平板1540aの表面からL字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面までに亘る距離寸法が13.2mmとなっている。
L字状取付片1540b1,1540b2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ah2,1501am1と対応する位置に、貫通孔1540b1a,1540b2aがそれぞれ形成されている。
L字状取付片1540c1,1540c2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4と対応する位置に、貫通孔1540c1a,1540c2aがそれぞれ形成されている。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられる状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。
この2つの空間は、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、12mm)を有する第1の空間と、後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間と、から構成されている。
第1の空間には、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等(周辺制御IC1510a、制御ROM1510b、SDRAM1510c、図示しないリアルタイムクロックIC、バックアップ電源1510e、図示しない電源作成回路、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、LEDML1~LEDML4、特殊コネクタSCN1,SCN2等)、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等(周辺データROM1520a、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、特殊コネクタSCN3等)、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等(図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、特殊コネクタSCN4等)が収容されているのに対して、第2の空間には、各種電子部品等が全く収容されていない。これは、ノイズ(電磁波ノイズ)の影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することによりノイズ(電磁波ノイズ)の対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間内における各種電子部品等から発する熱を、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えるためである。つまり、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540は、ノイズ(電磁波ノイズ)の低減(抑制)する機能に加えて、放熱板としての機能も有している。
金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aには、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azと対応する位置に、それぞれ同一形状の通風孔1540azが形成されている。つまり、これらの通風孔1540azは、通風孔1501azと同様に、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm~6.5mmを有して形成されている。カバー体1501のFAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される通風孔1501az、そしてシールド板1540のシールド平板1540aに形成される通風孔1540azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間のうち第1の空間1505a(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができると共に、金属製のシールド板1540を空冷することができる。
また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aには、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b~1501eから侵入するノイズ(電磁波ノイズ)対策として、シールド平板1540aの各辺を後方へ(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の表面(実装面)側へ向かって)屈曲させて側壁1540aeがそれぞれ形成されている。これらの側壁1540aeは、通風孔1540azが全く形成されていない。また、これらの側壁1540aeは、周辺制御ユニット1500が組み立てられた状態において、その端面が周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の表面(実装面)から所定距離寸法(例えば、3.9mm)を有して離間しているため接触せず、各種基板に実装されている各種の電子部品と接触しないようになっている。
また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aには、カバー体1502のカバー平板1501aの裏面側から突出して形成される円筒形状を有する飛び出し防止部1501awを通す円形状を有する開口部1540awが形成されている。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスの金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板]
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板へ侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を低減(抑制)することができる各種基板の裏面(ハンダ面)側に配置される金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1555a(板厚:1.2mm)の左上側、左下側、右上側、及び右下側において所定距離寸法(本第4実施形態では、シールド平板1555aの裏面から2.3mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1555b1~1555b4がそれぞれ形成されている。これらのL字状取付片1555b1~1555b4は、それぞれの表面が同一平面に配置されるように屈曲して形成されている。
シールド平板1555aには、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3とそれぞれ干渉しないように切り欠き部1555aa1~1555aaa3がそれぞれ形成されている。また、シールド平板1555aには、ベース体1502のベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1~1502af6のうち、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側と当接する取付ボス1502af4と、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側と当接する取付ボス1502af5と、にそれぞれ干渉しないように切り欠き部1555aa5が形成されている。また、シールド平板1555aの表面側には、シールド平板1555aの形状と対応するように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板におけるグランド(GND)以外の電気的な接続による短絡を防止する図示しない透明な絶縁シートが取り付けられている(接着されている)。また、シールド平板1555aには、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aに形成される側壁1540ae、及び通風孔1540azが全く形成されていない。
なお、シールド平板1555aの表面側における切り欠き部1555aa5の下側領域には、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540に形成されるL字状回路接続片1540dの裏面に取り付けられている(接着されている)導電性弾性部材1545が押し当てられて接触される領域となっている。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側を覆うに金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が取り付けられる状態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面側(ハンダ面)の近傍に金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が配置されることにより、各種電子部品等から発する熱を各種基板が吸収し、この吸収した熱を各種基板から金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555から奪うことで効率良く各種基板を冷却することができる。つまり金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555は、ノイズ(電磁波ノイズ)の低減(抑制)する機能に加えて、放熱板としての機能も有している。
なお、周辺制御ユニット1500が組み立てられると、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の裏面側がベース体1502のベース平板1502aの表面と当接した状態となっている。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスの導電性弾性部材]
金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面に取り付けられる(接着される)導電性弾性部材1545は、クッション性(弾性)を有する導電部材であり、導電性被覆部1545aと、導電性被覆部1545aにより被覆される芯材としての矩形形状を有する発泡体1545bと、導電性被覆部1545aに貼られる導電性粘着テープ1545cと、から構成されている。導電性被覆部1545aとしては、例えば、ポリエステル織布に銅及びニッケルの金属被膜が形成されているもの、ポリイミドフィルムに銅及びニッケルの導電層が形成されるもの等を挙げることができる。発泡体1545bとしては、例えば、耐熱性を有するポリウレタンフォームを挙げることができる。導電性粘着テープ1545cとしては、例えば、アクリル系粘着剤が使用された導電性両面接着テープを挙がることができる。導電性粘着テープ1545cの表面は、使用されるまでピール紙により保護されており、導電性被覆部1545aを他の部材へ取り付ける(接着する)ときにピール紙を剥がす。
なお、導電性弾性部材1545の断面形状(輪切りにした形状)は、その幅が約5mm、その高さが約3mmである長方形状を有し、導電性粘着テープ1545cは、その幅が約2mm、その高さが約0.035mmである長方形状を有している。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスの組み立て方法]
周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置し、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置し、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせるように配置し、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r2,1520r3,1520r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah3,1501ah1,1501ah4,1501ah2に合わせるように配置し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r2,1530r3,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am3,1501am2,1501am4に合わせるように配置する。
続いて、図98に示すように、第1固定方法により、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側から直接図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される各種取付ボス孔にねじ込むことで固定する。この第1固定方法により、固定される貫通孔に対してネジ固定指示マークとネジ固定指示マークの近傍に通し番号とが各種基板の裏面(ハンダ面)にシルク印刷として印刷されている。この通し番号は、製造元の作業者が図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する順番(作業手順)を指示している。なお、ネジ固定指示マークとネジ固定指示マークの近傍に通し番号とがシルク印刷として印刷される色は、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530等の各種基板の表面(実装面)に実装される各種電子部品を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域やその部品番号がシルク印刷として印刷される色と同一色(ここでは、白色)となっている。
具体的には、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1には、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側のランド1520rb1の周囲を白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH1がシルク印刷として印刷され、このネジ固定指示マークDTH1の近傍に白色の通し番号1が矩形状の白線で囲まれてシルク印刷として印刷されている。また、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r4には、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側のランド1520rb4の周囲を白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH2がシルク印刷として印刷され、このネジ固定指示マークDTH2の近傍に白色の通し番号2が矩形状の白線で囲まれてシルク印刷として印刷されている。
また、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1には、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側のランド1530rb1の周囲を白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH3がシルク印刷として印刷され、このネジ固定指示マークDTH3の近傍に白色の通し番号3が矩形状の白線で囲まれてシルク印刷として印刷されている。また、液晶出力基板1530の貫通孔1530r4には、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側のランド1530rb4の周囲を白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH4がシルク印刷として印刷され、このネジ固定指示マークDTH4の近傍に白色の通し番号4が矩形状の白線で囲まれてシルク印刷として印刷されている。
また、周辺制御基板1510の貫通孔1510r2には、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側のランド1510rb2の周囲を白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH5がシルク印刷として印刷され、このネジ固定指示マークDTH5の近傍に白色の通し番号5が矩形状の白線で囲まれてシルク印刷として印刷されている。また、周辺制御基板1510の貫通孔1510r3には、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側のランド1510rb3の周囲を白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH6がシルク印刷として印刷され、このネジ固定指示マークDTH6の近傍に白色の通し番号6が矩形状の白線で囲まれてシルク印刷として印刷されている。
製造元の作業者が通し番号1~通し番号4までを順番に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行うことにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4から少しズレている場合がある。このような場合であっても、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4と、にそれぞれ持たせた寸法的な余裕により吸収することができるようになっているため、周辺制御基板1510の位置を微調整して周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1~1510r4をカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4に合わせることができる。
製造元の作業者が通し番号1、そして通し番号2までを順番に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行うことにより、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1520rb1,1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1は、周辺データROM基板1520の表面(実装面)側に形成されるランド1520rf4と電気的に接続される状態となることで金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることとなる。
製造元の作業者が通し番号3、そして通し番号4までを順番に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行うことにより、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rb1,1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2は、液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることとなる。
製造元の作業者が通し番号5、そして通し番号6までを順番に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行うことにより、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1510rb2,1510rb3と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。
なお、製造元の作業者が通し番号1~通し番号6までを順番に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行う際に、製造元の作業者が通し番号1~通し番号6までを順番に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行わずランダムに図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する作業を行うと、通し番号1~通し番号6のうちいずれかの通し番号が指示するものに図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定し忘れるミスが発生する場合がある。このようなミスが発生すると、図示しない金属製のナベねじによる固定が不完全なまま周辺制御基板ボックス1505(周辺制御ユニット1500)が出荷されることとなる。
また、製造元の作業者が通し番号1~通し番号6が指示している周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4、及び周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3以外の貫通孔、つまり周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2,1520r3、液晶出力基板1530の貫通孔1530r2,1530r3、及び周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4のうち、いずれか1つ又は複数の貫通孔に直接図示しない金属製のナベねじを誤って挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔にねじ込むことで固定した後にベース体1502をカバー体1501に被せたとしても、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1~1502af6のうち、誤って挿入された金属製のナベねじと対応する取付ボスの取付面(ボス面)と誤って挿入された金属製のナベねじの頭部と必ず干渉するため、ベース体1502とカバー体1501とのすき間が形成されてカバー体1501をベース体1502に完全に塞ぐことができないようになっている。
このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側を覆うように、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1に形成される貫通孔1555b1a,1555b2aを周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4に合わせるように配置し、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3に形成される貫通孔1555b3aを周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2に合わせるように配置し、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4に形成される貫通孔1555b4aを液晶出力基板1530の貫通孔1530r3に合わせるように配置する。このように金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側を覆うように配置されると、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のシールド平板1555aには通気孔等の孔が全く形成されていないため、上述した、ネジ固定指示マークDTH1~DTH6、及び通し番号1~通し番号6も金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により覆われて視認困難となる。換言すると、組み立てられた透明な非導電性の樹脂製として成型される周辺制御基板ボックス1505をさまざまな角度から周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を覗き込んだとしても、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が上述した第1固定方法により固定されているという点が金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555によりわからないようになっており、周辺制御基板ボックス1505のセキュリティーを向上することができる。
続いて、導電性弾性部材1545の導電性粘着テープ1545cのピール紙を剥がして、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状回路接続片1540dの裏面に導電性弾性部材1545の粘着テープ1545cを取り付ける(接着する)。
続いて、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませ、そのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、第2固定方法により、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1~1502af6の貫通孔1502ag1~1502ag6に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定する。
具体的には、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1の貫通孔1502ag1に図示しない金属製のナベねじを挿入して金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1に形成される貫通孔1555b1a、周辺制御基板1510の貫通孔1510r1、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aをそれぞれ通ってカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1にねじ込むことで固定する。また、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af2の貫通孔1502ag2に図示しない金属製のナベねじを挿入して金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b2に形成される貫通孔1555b2a、周辺制御基板1510の貫通孔1510r4、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aをそれぞれ通ってカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1にねじ込むことで固定する。これにより、周辺制御基板1510が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2の表面とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺制御基板1510の表面(実装面)側に形成されるランド1510rf1,1510rf4と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、がそれぞれ当接した状態となると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1510rb1,1510rb4と、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2の表面と、がそれぞれ当接した状態となる。つまり、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2は、周辺制御基板1510の表面(実装面)側に形成されるランド1510rf1,1510rf4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることとなると共に、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2は、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1510rb1,1510rb4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ接続されることとなる。
また、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af3の貫通孔1502ag3に図示しない金属製のナベねじを挿入して金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3に形成される貫通孔1555b3a、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2、をそれぞれ通ってカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1にねじ込むことで固定する。これにより、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1520rb2と、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3の表面と、が当接した状態となる。つまり、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3は、周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1520rb2と電気的に接続される状態となることで金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ接続されることとなる。
また、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af4の貫通孔1502ag4に図示しない金属製のナベねじを挿入して周辺データROM基板1520の貫通孔1520r3を通ってカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah4にねじ込むことで固定する。また、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af5の貫通孔1502ag5に図示しない金属製のナベねじを挿入して液晶出力基板1530の貫通孔1530r2を通ってカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am3にねじ込むことで固定する。
また、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af6の貫通孔1502ag6に図示しない金属製のナベねじを挿入して金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4に形成される貫通孔1555b4a、液晶出力基板1530の貫通孔1530r3、をそれぞれ通ってカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am2にねじ込むことで固定する。これにより、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rb3と、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4の表面と、が当接した状態となる。つまり、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4は、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rb3と電気的に接続される状態となることで金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ接続されることとなる。
この第2固定方法により、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1~1502af6の貫通孔1502ag1~1502ag6に図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定すると、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540に取付けられる(接着される)導電性弾性部材1545が金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の表面側に押し当てられて接触した状態となる。これにより、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とが電気的に接続された状態となる。このとき、導電性弾性部材1545が押し込まれて高さ方向につぶれる(本第4実施形態では、導電性弾性部材1545の高さが1mm~1.5mmつぶれる)ことにより、寸法公差や組み付け誤差による寸法ズレを導電性弾性部材1545により吸収することができるようになっている。これにより、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を挟持する、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とが電気的に確実に接続される状態とし、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とにより挟持される周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができるため、ノイズ(電磁波ノイズ)に対して強い環境を周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板)と周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板)の周辺とに対して構築することができる。したがって、電磁波ノイズによる影響を低減することができる。
続いて、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b~1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b~1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側であって演出表示装置1600を収容する透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を、透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する装着溝に挿入し、周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスにおけるカバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、透明な非導電性の樹脂製として成型されて構成され、カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により挟持されて取り付けられると、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が各種基板のグランド(GND)へ接続されるように構成されている。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。このため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555を介して、基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去することができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このようなノイズ(電磁波ノイズ)を除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aに形成される複数の円形状を有する通風孔1540azの配置と、について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500を上述したように組み立てると、FAN取付凹部1501aaの右側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、制御ROM1510bの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bと周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能もさらに有することによって、制御ROM1510bの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、つまり、周辺データROM1520aの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容と、を多方向の角度からほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3と周辺データROM基板1520にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの改変、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+35Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+35Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能もさらに有することによって、周辺データROM1520aの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、それぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4と液晶出力基板1530にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、SDRAM1510c1,1510c2の表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能もさらに有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、周辺制御基板1510に備えるLEDML1~LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により挟持されてカバー平板1501aの裏面側に取り付けられる状態においては、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。この2つの空間は、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、12mm)を有する第1の空間と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間と、から構成されている。第1の空間には、上述したように、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等が収容されている。このように形成される第1の空間内を、照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1~LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができる。
また、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が金属製であるため、光沢を有しており、周辺制御基板1510に備えるLEDML1~LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1~LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510へ向かわせることができる反射部としての機能も有している。これらの反射部には、光沢を有する着色塗料をさらに塗布するように構成してもよい。
また、周辺制御ユニット1500が取り付けられる遊技盤5の近傍には、図3に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電によるノイズ(電磁波ノイズ)の影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されている。このように、遊技盤5の周囲はノイズ(電磁波ノイズ)の影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本第4実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成し、カバー体1501の内部空間内に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により挟持された状態で取り付けられることにより、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555を各種基板のグランド(GND)と電気的に接続するという構成を採用した。また、本第4実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインを、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続することにより、同一のグランド(GND)とする構成を採用した。
これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540や金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555を介して、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)へ導いて除去することができる。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540や金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555を介して、基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去することができる。
なお、本第4実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、及び金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により挟持されてカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられる状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540が配置されることで2つの空間が形成され、この2つの空間が、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、12mm)を有する第1の空間と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本第4実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間と、から構成されていた。換言すると、第1の所定高さの距離寸法が第2の所定高さの距離寸法より大きく形成されていた。遊技盤5に大型の演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置した場合であって奥行き方向の距離寸法に余裕がある場合には、第1の所定高さの距離寸法と第2の所定高さの距離寸法とを同一の所定高さの距離寸法として構成してもよいし、第2の所定高さの距離寸法を第1の所定高さの距離寸法と比べて大きくするように構成してもよい。このように構成しても、ノイズ(電磁波ノイズ)の影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間内に収容することにより電磁波ノイズの対策を講ずることができると共に、第2の空間内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間内における各種電子部品等から発する熱を、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540を介して、第2の空間へ効率良く伝えることができる。
また、本第4実施形態においては、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540には、円形状を有す複数の通風孔1540azが形成されることにより、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように構成されていたが、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aと対応する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。なお、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aに加えて、その周囲も視認することができるように、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。また、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできるし、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540の位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。
[第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスの各種基板の貫通孔の周囲]
ここで、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスの各種基板に形成される貫通孔の周囲について説明する。周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1,1510r4の周囲における周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、図99(a)に示すように、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と当接して電気的に接続されるランド1510rf1,1510rf4が形成される。また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r4の周囲における周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xには、図99(a)に示すように、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1の裏面と当接して電気的に接続されるランド1520rf4が形成される。また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1の周囲における液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xには、図99(a)に示すように、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2の裏面と当接して電気的に接続されるランド1530rf1が形成される。
これらのランド1510rf1,1510rf4,1520rf4,1530rf1は、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2の裏面と当接して電気的に接続されるため、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540に侵入したノイズ(電磁波ノイズ)が基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる「ノイズが抜けるルート」が形成される。なお、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2の表面は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4,1501ah2,1501am1の取付面(ボス面)がそれぞれ当接する。このため、ノイズ(電磁波ノイズ)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4,1501ah2,1501am1から金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2、そしてランド1510rf1,1510rf4,1520rf4,1530rf1へ侵入しても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)が基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる。
また、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3の周囲における周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xには、図99(b)に示すように、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3の外形円と比べて一回り大きい円の形状を有する箔抜き領域NR5,NR6が形成され、取付ボス孔1501ag2,1501ag3の取付面(ボス面)が箔抜き領域NR5,NR6にそれぞれ当接する。また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r2,1520r3の周囲における周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xには、図99(b)に示すように、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah3,1501ah1,1501ah4の外形円と比べて一回り大きい円の形状を有する箔抜き領域NR7,NR8,NR9が形成され、取付ボス孔1501ah3,1501ah1,1501ah4の取付面(ボス面)が箔抜き領域NR7,NR8,NR9にそれぞれ当接する。また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r3,1530r4の周囲における液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xには、図99(b)に示すように、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am3,1501am2,1501am4の外形円と比べて一回り大きい円の形状を有する箔抜き領域NR10,NR11,NR12が形成され、取付ボス孔1501am3,1501am2,1501am4の取付面(ボス面)が箔抜き領域NR10,NR11,NR12にそれぞれ当接する。
これらの箔抜き領域NR5~NR12は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3,1501ah3,1501ah1,1501ah4,1501am3,1501am2,1501am4からノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を阻止することができるように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)とから隔離されている。換言すると、ノイズ(電磁波ノイズ)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3,1501ah3,1501ah1,1501ah4,1501am3,1501am2,1501am4から箔抜き領域NR5~NR12を介して、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成される。
これに対して、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1,1510r4の周囲における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yには、図100(a)に示すように、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2の表面と当接して電気的に接続されるランド1510rb1,1510rb4が形成される。また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2の周囲における周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yには、図100(a)に示すように、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b3の表面と当接して電気的に接続されるランド1520rb2が形成される。また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r3の周囲における液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yには、図100(a)に示すように、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b4の表面と当接して電気的に接続されるランド1530rb3が形成される。
これらのランド1510rb1,1510rb4,1520rb2,1530rb3は、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2,1555b3,1555b4の表面と当接して電気的に接続されるため、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555に侵入したノイズ(電磁波ノイズ)が基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる「ノイズが抜けるルート」が形成される。なお、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2,1555b3,1555b4の裏面は、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1,1502af2,1502af3,1502af6の取付面(ボス面)がそれぞれ当接する。このため、ノイズ(電磁波ノイズ)がベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1,1502af2,1502af3,1502af6から金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のL字状取付片1555b1,1555b2,1555b3,1555b4、そしてランド1510rb1,1510rb4,1520rb2,1530rb3へ侵入しても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)が基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる。
また、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3の周囲における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yには、図100(b)に示すように、図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれるランド1510rb2,1510rb3が形成されると共に、このランド1510rb2,1510rb3の周囲をそれぞれ白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH5,DTH6がシルク印刷として印刷される。また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r4の周囲における周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yには、図100(b)に示すように、図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれるランド1520rb1,1520rb4が形成されると共に、このランド1520rb1,1520rb4の周囲をそれぞれ白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH1,DTH2がシルク印刷として印刷される。また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r4の周囲における液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yには、図100(b)に示すように、図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれるランド1530rb1,1530rb4が形成されると共に、このランド1530rb1,1530rb4の周囲をそれぞれ白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH3,DTH4がシルク印刷として印刷される。
なお、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3に図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれても、ネジ固定指示マークDTH5,DTH6の白い太線の実線部分の領域のうち貫通孔1510r2,1510r3側に近い領域が図示しない金属製のナベねじの頭部と重なるものの、ネジ固定指示マークDTH5,DTH6の白い太線の実線部分の領域のうち外周部分が図示しない金属製のナベねじの頭部の外形線より大きく形成されることによりネジ固定指示マークDTH5,DTH6の白い太線の実線によって図示しない金属製のナベねじの頭部が目立つようになっており、図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定し忘れるというミス(うっかりミス)の抑制に寄与することができるようになっている。また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r4に図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれても、ネジ固定指示マークDTH1,DTH2の白い太線の実線部分の領域のうち貫通孔1520r1,1520r4側に近い領域が図示しない金属製のナベねじの頭部と重なるものの、ネジ固定指示マークDTH1,DTH2の白い太線の実線部分の領域のうち外周部分が図示しない金属製のナベねじの頭部の外形線より大きく形成されることによりネジ固定指示マークDTH1,DTH2の白い太線の実線によって図示しない金属製のナベねじの頭部が目立つようになっており、図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定し忘れるというミス(うっかりミス)の抑制に寄与することができるようになっている。また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r4に図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれても、ネジ固定指示マークDTH3,DTH4の白い太線の実線部分の領域のうち貫通孔1530r1,1530r4側に近い領域が図示しない金属製のナベねじの頭部と重なるものの、ネジ固定指示マークDTH1,DTH2の白い太線の実線部分の領域のうち外周部分が図示しない金属製のナベねじの頭部の外形線より大きく形成されることによりネジ固定指示マークDTH3,DTH4の白い太線の実線によって図示しない金属製のナベねじの頭部が目立つようになっており、図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んで固定し忘れるというミス(うっかりミス)の抑制に寄与することができるようになっている。
また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r3の周囲における周辺データROM基板1520の表面(実装面)1520xには、図100(c)に示すように、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af4の外形円と比べて一回り大きい円の形状を有する箔抜き領域NR13が形成され、取付ボス1502af4の取付面(ボス面)が箔抜き領域NR13にそれぞれ当接する。また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2の周囲における液晶出力基板1530の表面(実装面)1520xには、図100(c)に示すように、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af5の外形円と比べて一回り大きい円の形状を有する箔抜き領域NR14が形成され、取付ボス1502af5の取付面(ボス面)が箔抜き領域NR14にそれぞれ当接する。
これらの箔抜き領域NR13,NR14は、ベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af4,1502af5からノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を阻止することができるように、各種基板のグランド(GND)とから隔離されている。換言すると、ノイズ(電磁波ノイズ)がベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af4,1502af5から箔抜き領域NR13,NR14を介して、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成される。
このように、白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH1~DTH6がシルク印刷としてそれぞれ印刷される周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r4、及び周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3は、図示しない金属製のナベねじを直接挿入してねじ込んでカバー体1501に固定される貫通孔である。これに対して、ネジ固定指示マークがシルク印刷として全く印刷されていない周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r3、及び液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r3は、ベース体1502のベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1~1502af6の貫通孔1502ag1~1502agに図示しない金属製のナベねじを挿入してねじ込んでカバー体1501とベース体1502とを固定する際に、ベース体1501のベース平板1502aの表面側に形成される取付ボス1502af1~1502af6の取付面(ボス面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4,1501ah1,1501ah4,1501am3、1501am2の取付面(ボス面)と、に挟持されて共締めされて固定される貫通孔である。
つまり、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に設けられる複数の貫通孔に、金属製のナベねじを直接挿入してねじ込んでカバー体1501に固定される貫通孔と、カバー体1501とベース体1502とを固定する際に挟持されて共締めされて固定される貫通孔と、が混在する場合には、製造元の作業者が周辺データROM基板1520にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH1,DTH2、液晶出力基板1530にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH3,DTH4、周辺制御基板1510にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH5,DTH6を目視することで、金属製のナベねじを直接挿入してねじ込んでカバー体1501に固定される貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4と、カバー体1501とベース体1502とを固定する際に挟持されて共締めされて固定される貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2,1520r3、液晶出力基板1530の貫通孔1530r2,1530r3と、を判別することができるため、金属製のナベねじを直接挿入してねじ込んでカバー体1501に固定される貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4への螺着作業(ねじ込んで固定する作業)を円滑に行うことができる。したがって、作業効率の向上に寄与することができる。
第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とが電気的に接続されると共に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)と電気的に接続されており、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とのうちいずれか一方又は両方が演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接して電気的に接続されていない。この場合、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に対して電気的に浮いた状態となる。電気的に浮いた金属は、雑音を拾うアンテナとして機能してノイズ源となるおそれがあるため、電気的に浮いた金属を周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に対して作らないようにする必要がある。そこで、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、演出表示装置1600の金属製裏蓋と本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインとを図示しない配線により電気的に接続する場合のほかに、演出表示装置1600の金属製裏蓋と上述した金属製の本体枠補強フレーム530とを図示しない配線により電気的に接続する場合がある。この金属製の本体枠補強フレーム530は、上述したように、本体枠ベースユニット300を補強して剛性を付与することができる機能に加えて本体枠金属アースとしても機能し、図示しない本体枠金属アース線を介して、上述した枠アース基板559と電気的に接続されている。枠アース基板559は、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
なお、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555が周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板の裏面(ハンダ面)側を覆うように配置されると、上述したように、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のシールド平板1555aには通気孔等の孔が全く形成されていないため、ネジ固定指示マークDTH1~DTH6、及び通し番号1~通し番号6も金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により覆われて視認困難となっていたが、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555のシールド平板1555aに複数の孔を形成するようにしてもよい。こうすれば、製造元の作業者が複数の孔を通して周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が上述した第1固定方法により固定されているか否か(つまり、ネジ固定指示マークDTH1~DTH6がある部分に金属製のナベねじが挿入されて固定されているか否か)を目視にて確認することができる。
また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成において、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3の周囲における周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510yには、図100(b)に示した図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれるランド1510rb2,1510rb3の周囲をそれぞれ白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH5,DTH6がシルク印刷として印刷され、また、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r4の周囲における周辺データROM基板1520の裏面(ハンダ面)1520yには、図100(b)に示した図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれるランド1520rb1,1520rb4の周囲をそれぞれ白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH1,DTH2がシルク印刷として印刷され、また、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r4の周囲における液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yには、図100(b)に示した図示しない金属製のナベねじが直接挿入されてねじ込まれるランド1530rb1,1530rb4の周囲をそれぞれ白色の太線の実線で囲むネジ固定指示マークDTH3,DTH4がシルク印刷として印刷されているが、白色の太線の実線に代えて白色の太線の鎖線(一点鎖線、二点鎖線)としてもよい。
また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成において、ネジ固定指示マークDTH1~DTH6と、通し番号1~通し番号6と、がシルク印刷として印刷される色は、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530等の各種基板の表面(実装面)に実装される各種電子部品を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域やその部品番号がシルク印刷として印刷される色と同一色(白色)となっているが、各種基板の表面(実装面)に実装される各種電子部品を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域やその部品番号がシルク印刷として印刷される色と異なる色としてもよい。例えば、各種基板の表面(実装面)に実装される各種電子部品を配置する位置(向きの指定も含む。)を示す領域やその部品番号がシルク印刷として印刷される色が白色である場合には、この白色と異なる色となるように、ネジ固定指示マークDTH1~DTH6と、通し番号1~通し番号6と、がシルク印刷として印刷される色として、黄色や黒色としてもよい。
また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、周辺制御基板1510の表面(実装面)側に形成されるランド1510rf1,1510rf4と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、がそれぞれ当接した状態となり、周辺データROM基板1520の表面(実装面)側に形成されるランド1520rf4と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1の裏面と、が当接した状態となり、そして液晶出力基板1530の表面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rf1と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2の裏面と、が当接した状態となっているが、これに代えて、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面を周辺制御基板1510の表面(実装面)側に形成されるランド1510rf1,1510rf4に当接させずに、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の表面に当接するように構成し、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b1の裏面を、周辺データROM基板1520の表面(実装面)側に形成されるランド1520rf4に当接させずに、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の表面に当接するように構成し、そして金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540b2の裏面を、液晶出力基板1530の表面(ハンダ面)側に形成されるランド1530rf1に当接させずに、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の表面に当接するように構成してもよい。これは、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555とが上述した導電性弾性部材1545により電気的に接続された状態とすることができるからである。
なお、このように構成する場合において、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2は、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板と接触しないように構成される。また、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555には、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2にそれぞれ形成される貫通孔1540c1a,1540c2a,1540b1a,1540b2aと対応する位置に貫通孔がそれぞれ形成される。また、ベース体1502には、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2にそれぞれ形成される貫通孔1540c1a,1540c2a,1540b1a,1540b2aと対応する位置に貫通孔がそれぞれ形成される。また、カバー体1501の裏面側には、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2にそれぞれ形成される貫通孔1540c1a,1540c2a,1540b1a,1540b2aと対応する位置にネジ孔がそれぞれ形成される。これにより、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2,1540b1,1540b2と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555の表面とが当接した状態(つまり、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540と金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555との電気的な接続性を良好とすることができる状態)でカバー体1501とベース体1502とに挟持されて固定されるように、ベース体1502に形成される貫通孔に図示しない金属製のナベねじをそれぞれ挿入してカバー体1501の裏面側に形成されるネジ孔へ向かってそれぞれねじ込んで固定することができる。
また、本第4実施形態においては、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容される金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と当接する図99(a)に示した周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させるようにしているが、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けしてもよい。この場合、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1,1510rf4と、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くならないように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にする必要がある。
例えば、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔には、その一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされることとなる。具体的には、「所定の形状」として、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔に対して、図86(a)に示したように、レジストが所定幅を有する円が同心円状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する単一円が同心円状に形成される形状でもよい。)、図86(b)に示したように、レジストが所定幅及び所定長さを有する矩形形状がランド1510rf1,1510rf4の中心として環状に複数配列された菊状に形成される形状、図86(c)に示したように、レジストが所定幅を有する縦方向の線と横方向の線とから構成される格子状に形成される形状(レジストが所定幅を有する縦方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよいし、レジストが所定幅を有する横方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよい。)、図86(d)に示したように、レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右上がりの線が斜線状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右下がりの線が斜線状に複数形成される形状でもよい。)、図示しないが小さな円形状の集合した形状等を挙げることができる。
このように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔の一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされるようになっているため、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができる(換言すると、レジスト液により塗布されて所定の形状としては、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができるという効果を発揮できるものであればよい)。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができる。このようにハンダ付けされたハンダは、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1,1510rf4とを電気的に接続可能に被覆している。
なお、このようなレジストにより形成される所定の図形を、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔に対しても行ってもよい。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1,1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1,1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一としてもよい。
また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、金属製のナベねじを用いていたが、金属製のナベねじに平座金、ばね座金、歯付き座金(「菊座金」ともいう。)等の金属製の座金を通して周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定するようにしてもよい。
また、第4実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となって透明な合成樹脂製ボックスに収容されており、この透明な合成樹脂製ボックスと、ベース体1502と、が別体としてそれぞれ成型されていたが、この透明な合成樹脂製ボックスにベース体1502を一体に成型するようにしてもよい。
[第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成と第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成との対比]
第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、上述したように、カバー体1501、及びベース体1502に加えて、配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これら各種基板のグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されていた。
これに対して、第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、図101及び図102に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有する透明な非導電性の樹脂製により成型されるカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、カバー体1501の開口を塞ぐ透明な非導電性の樹脂製により成型されるベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がそれぞれ所定位置に取り付けられ、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503が透明な非導電性の樹脂製として構成されるという点のほかに、T字形状を有する基板用導電性弾性部材1508の一部がベース体1502の裏面から突出するようにベース平板1502aの裏面側に基板用導電性弾性部材1508が嵌め込められるという点、液晶出力基板1530のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPが液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)側に設けられているという点、液晶出力基板1530のグランド(GND)のテストパッドが液晶出力基板1530の表面(実装面)側に設けられているという点、及びカバー体1501にテストパッドにプローブを接触させる開口部が形成されているという点で第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成と相違している。
[第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体]
第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体1502は、第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスのベース体1502の形状と大部分が類似し、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPと対応する位置に、演出表示装置1600の金属製裏蓋と接触することができる基板用導電性弾性部材1508を嵌め込む上下方向に長い矩形状のリブ部1502awがベース平板1502aの表面から前方へ向かって所定距離寸法(液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)と接触しない距離寸法。)を有して突出して形成されている。この矩形状のリブ部1502awの上下左右方向の中央におけるベース平板1502aには、正方形(一辺が8mm)を有する挿入口1502azが形成されている。T字形状を有する基板用導電性弾性部材1508は、クッション性(弾性)を有する導電部材であり、導電性被覆部1508aと、導電性被覆部1508aにより被覆される芯材としてのT字形状を有する発泡体1508bと、から構成されている。導電性被覆部1508aとしては、例えば、ポリエステル織布に銅及びニッケルの金属被膜が形成されているもの、ポリイミドフィルムに銅及びニッケルの導電層が形成されるもの等を挙げることができる。発泡体1508bとしては、例えば、耐熱性を有するポリウレタンフォームを挙げることができる。T字形状を有する発砲体15808bは、上下方向に長い直方体の形状を有するベース部(図102におけるT字形状を有する発砲体15808bを右側方から見ると、幅が約3.5mm、奥行きが約8mm、高さが約16mm)の中央から後方へ向かって前後方向に長い直方体の形状を有する突出部(図102におけるT字形状を有する発砲体15808bを右側方から見ると、幅が約11.5mm、奥行きが約8mm、高さが約8mm)を有している。基板用導電性弾性部材1508は、周辺制御ユニット1500の組み立てた後に(周辺制御ユニット1500の組み立て方法は、第1実施形態に係る周辺制御基板ボックスの組み立て方法と同一であり、その説明を省略する。)、ベース体1502に形成される挿入口1502azにT字形状を有する基板用導電性弾性部材1508の上下方向に長い直方体の形状を有するベース部を挿入して上下方向へ押し込んで嵌め込む。これにより、図103(a)に示すように、T字形状を有する基板用導電性弾性部材1508の前後方向に長い直方体の形状を有する突出部がベース平板1502aの裏面側から後方へ向かって突出した状態となる。
このようにT字形状を有する基板用導電性弾性部材1508の上下方向に長い直方体の形状を有するベース部がベース体1502に形成される挿入口1502azに挿入されて押し込まれると、図103(b)に示すように、上下方向に長い直方体の形状を有するベース部の前面が液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPを押し当てられて接触した状態となると共に、上下方向に長い直方体の形状を有するベース部の上裏面側及び下裏面側(つまり、前後方向に長い直方体の形状を有する突出部が接続されていない上下方向に長い直方体の形状を有するベース部の裏面)がベース平板1502aの表面にそれぞれ係止された状態となる。
このように、基板用導電性弾性部材1508をT字形状とすると共に、ベース体1502のベース平板1502aにリブ部1502awとリブ部1502awの上下左右方向の中央に挿入口1502azを形成するという極めて単純な構成により、基板用導電性弾性部材1508を挿入口1502azに挿入して押し込んで嵌め込むと、上述したように、基板用導電性弾性部材1508における上下方向に長い直方体の形状を有するベース部の上裏面側及び下裏面側(つまり、前後方向に長い直方体の形状を有する突出部が接続されていない上下方向に長い直方体の形状を有するベース部の裏面)がベース平板1502aの表面にそれぞれ係止された状態となるため、挿入口1502azから基板用導電性弾性部材1508が外れ難くすることができるようになっており手扱いがよい。
なお、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)側においては、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3と対応する領域には、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の外形と比べて一回り大きい形状を有する箔抜き領域NR1,NR2,NR3がそれぞれ形成され、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3の前面(当接面)が箔抜き領域NR1,NR,NR3にそれぞれ当接する。これらの箔抜き領域NR1,NR2,NR3は、ベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3からノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を阻止することができるように、周辺制御基板1510のグランド(GND)から隔離されている。換言すると、ノイズ(電磁波ノイズ)がベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3から箔抜き領域NR1,NR2,NR3を介して、周辺制御基板1510のベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が形成される。
演出表示装置1600は、上述したように、額縁状の金属製フレームと、この金属製フレームの後面全体を塞ぐ金属製裏蓋と、透明な合成樹脂製ボックスと、により構成されている。額縁状の金属製フレームには、液晶パネル、バックライト、駆動回路等が収容されている。この額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となっており、透明な合成樹脂製ボックスに収容されている。周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付けると、ベース体1502の裏面から突出する基板用導電性弾性部材1508の前後方向に長い直方体の形状を有する突出部が演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接して押しつぶされた状態(本第5実施形態では、基板用導電性弾性部材1508の前後方向に長い直方体の形状を有する突出部が前後方向へ約4.5mmつぶれて上下方向へ広がる状態)となって、T字形状を有する基板用導電性弾性部材1508がH字形状に変形することにより、その反発力として、基板用導電性弾性部材1508は、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPとの接触面と、演出表示装置1600の金属製裏蓋との接触面と、にそれぞれに加わった状態となり、電気的な接続を良好とする状態を維持し、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)と、演出表示装置1600の金属製裏蓋と、が電気的に確実に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される液晶出力基板1530のグランド(GND)ライン(液晶出力基板1530のグランド(GND)は、周辺制御基板1510や周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されている。)と電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができる。これにより、演出表示装置1600の金属製裏蓋を、基板用導電性弾性部材1508を介して、液晶出力基板1530のグランド(GND)ライン(液晶出力基板1530のグランド(GND)は、周辺制御基板1510や周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されている。)と電気的に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができるため、ノイズ(電磁波ノイズ)に対して強い環境を周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板)と周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板)の周辺とに対して構築することができる。したがって、電磁波ノイズによる影響を低減することができる。
第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスにおけるカバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、透明な非導電性の樹脂製として成型されて構成され、カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がそれぞれ所定位置に取り付けられたのち、T字形状を有する基板用導電性弾性部材1508の上下方向に長い直方体の形状を有するベース部がベース体1502に形成される挿入口1502azに挿入されて、周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付けると、演出表示装置1600の金属製裏蓋が、基板用導電性弾性部材1508を介して、液晶出力基板1530のグランド(GND)ライン(液晶出力基板1530のグランド(GND)は、周辺制御基板1510や周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されている。)へ接続されるように構成されている。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。このため、演出表示装置1600に侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を、演出表示装置1600の金属製裏蓋を介して、基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ導いて除去するという「ノイズが抜けるルート」が形成されることができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このようなノイズ(電磁波ノイズ)を除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
なお、液晶出力基板1530の表面(実装面)には、液晶出力基板1530()のグランド(GND)(液晶出力基板1530()のグランド(GND)は、周辺制御基板1510や周辺データROM基板1520のグランド(GND)と電気的に接続されている。)の図示しないテストパッドが液晶出力基板1530の表面(実装面)側に設けられている。カバー体1501には、図105に示すように、液晶出力基板1530の表面(実装面)側に設けられている図示しないテストパッドに対してコンタクトプローブの先端部(以下、単に「コンタクトプローブ」と記載する場合がある。いわゆる「テスタ」の導通チェックを行う「テストリード」であってもよい。)を挿入して接触させることができる開口部1501atが形成されている。このコンタクトプローブをテストパットに接触させることで、パチンコ機1が遊技ホールに設置された状態においても、演出表示装置1600の金属製裏蓋と液晶出力基板1530のグランド(GND)とが電気的に接続されているか否かの検査作業を検査業者が簡単に行うことができるようになっている。
[第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスの各種基板のグランドの一部の露出領域]
ここで、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部が露出する領域ROPについて説明する。液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)のグランド(GND)の一部に形成される領域ROPは、図106(a),(b)に示すように、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yの銅箔面1530ypに形成される基板グランド(GND)(つまり、ベタグランド)の一部が基板用導電性弾性部材1508の上下方向に長い直方体の形状を有するベース部の前面形状より大きい形状であってベース平板1502aの表面に形成される矩形状のリブ部1502awの内側に配置されて剥き出しとなるように、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yの銅箔面1530yp上にレジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層1530yrが形成されている。
なお、領域ROPとしてベタグランドを剥き出しとせずに、スルーホールを利用する方法を採用することもできる。例えば、図106(c),(d)に示すように、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yにおける領域ROPには、液晶出力基板1530の表面(実装面)のベタグランドと電気的に接続するスルーホールを上下方向と左右方向とにそれぞれ複数並べると共に、液晶出力基板1530の裏面(ハンダ面)1530yの銅箔面1530ypに各スルーホールの周囲にランドが形成されるように、この銅箔面1530yp上にレジスト液を塗布して裏面(ハンダ面)側レジスト層1530yrを形成することができる。
また、本第5実施形態においては、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっているが、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、空気を吸い込んで周辺制御IC1510aへ向かって空気を送り出すようにしてもよい。換言すると、空冷ファンFANを、カバー体1501とベース体1502との空間内における空気の交換を主目的とせず、単に周辺制御IC1510aを空冷することを主目的としてもよい。
なお、第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と当接する周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対しては、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xにメタルマスクを置いてメタルマスク上にスキージ(へらのようなもの)を用いて半田ペーストを広げることでメタルマスクに形成される穴から塗布し、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510xをリフロー炉に入れて熱で半田ペーストを乾燥させるようにしているが、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けしてもよい。この場合、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と、が当接する面積が減少して電気的な接続性が悪くならないように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にする必要がある。
例えば、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、その一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされることとなる。具体的には、「所定の形状」として、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔に対して、図86(a)に示したように、レジストが所定幅を有する円が同心円状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する単一円が同心円状に形成される形状でもよい。)、図86(b)に示したように、レジストが所定幅及び所定長さを有する矩形形状がランド1510rf1~1510rf4の中心として環状に複数配列された菊状に形成される形状、図86(c)に示したように、レジストが所定幅を有する縦方向の線と横方向の線とから構成される格子状に形成される形状(レジストが所定幅を有する縦方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよいし、レジストが所定幅を有する横方向のみ線が所定距離寸法だけ離間して複数形成される形状でもよい。)、図86(d)に示したように、レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右上がりの線が斜線状に複数形成される形状(レジストが所定幅を有する線が所定距離だけ離間して右下がりの線が斜線状に複数形成される形状でもよい。)、図示しないが小さな円形状の集合した形状等を挙げることができる。
このように、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の一部がレジスト液により塗布されて所定の形状に形成されるレジスト層1510xrが形成され、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔の所定の形状を有する領域にハンダ付けされるようになっているため、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができる(換言すると、レジスト液により塗布されて所定の形状としては、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けされるハンダの量を抑制することができるという効果を発揮できるものであればよい)。これにより、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔には、ハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができる。このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆している。
なお、このようなレジストにより形成される所定の図形を、金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)と当接する周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔に対しても行ってもよい。このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、周辺制御基板1510の表面(実装面)を半田槽へ流してハンダ付けする場合に、周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔をレジスト液で塗布して覆うことにより、ランド1510rf1~1510rf4の表面に塗布されたレジスト層の厚みを均一としてもよい。
また、第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においても、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、金属製のナベねじを用いていたが、金属製のナベねじに平座金、ばね座金、歯付き座金(「菊座金」ともいう。)等の金属製の座金を通して周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定するようにしてもよい。
また、第5実施形態に係る周辺制御基板ボックスによるノイズ対策の構成においては、額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定されることで額縁状の金属製フレームと金属製裏蓋とが電気的に接続された状態となって透明な合成樹脂製ボックスに収容されており、この透明な合成樹脂製ボックスと、ベース体1502と、が別体としてそれぞれ成型されていたが、この透明な合成樹脂製ボックスにベース体1502を一体に成型するようにしてもよい。
因みに、従来より、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板、画像表示装置等の表示制御を行う画像制御基板等の基板が裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特開2017-217381号公報(段落[0051]、及び図2))。ところで、この文献に記載される遊技機のように、遊技機は、ホールに背向かいで複数列設されるため、背向かいの遊技機から発生したノイズの影響を電子部品が実装される基板が受ける環境下にあり、ノイズにより基板が誤動作するおそれがあった。
また、従来より、図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データが記憶されるROM、種々の画像を表示する表示装置を制御するCPU等が実装される演出制御基板等を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016-116667号公報(図2))。ところで、遊技ホールの島設備から遊技機に供給される遊技球は、遊技ホールの島設備と遊技機とを循環する際に遊技球が互いに擦れ合うことで静電気を帯びるため、遊技機には遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの対策を講ずる必要がある。
[フレキシブルフラットケーブルの取り付け方法]
次に、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10と接続されるフレキシブルフラットケーブルについて、図107~図109を参照して説明する。図107はフレキシブルフラットケーブルの正面斜視図であり、図108はフレキシブルフラットケーブルが演出表示装置の裏面側のコネクタと電気的に接続された状態を示す図(a)であり、フレキシブルフラットケーブルが液晶出力基板のコネクタと電気的に接続された状態を示す図(b)であり、(a)に示したB部及び(b)に示したC部の一部拡大図であってフレキシブルフラットケーブルが各コネクタと電気的に接続された状態を切り欠き部を通して示す図(c)であり、図109はフレキシブルフラットケーブルが演出表示装置の裏面側のコネクタと電気的に正常に接続されていない状態を示す図(a)であり、フレキシブルフラットケーブルが液晶出力基板のコネクタと電気的に正常に接続されていない状態を示す図(b)である。なお、図108(c)において、図108(b)に示すコネクタCN10の向きを90度だけ反時計方向へ回転させた状態として表した。
[フレキシブルフラットケーブルの形状]
液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10に電気的に接続されるフレキシブルフラットケーブルLFCは、演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の平型導体が絶縁体で被覆されているものであり、図107に示すように、所定幅を有する上下方向に長い帯状の本体LFCaの上端側には本体LFCaの裏面側に複数の平型導体の電極LFCbaが所定長さを有して剥き出しに配置され、本体LFCaの表面側に所定の厚さを有すると共に剥き出しされた複数の平型導体の電極LFCbaの所定長さより長い矩形形状を有する電極LFCbaを補強するための補強板LFCcaが形成されているのに対して、この本体LFCaの下端側には本体LFCaの裏面側に複数の平型導体の電極LFCbbが所定長さを有して剥き出しに配置され、本体LFCaの表面側に所定の厚さを有すると共に剥き出しされた複数の平型導体の電極LFCbbの所定長さより長い矩形形状を有する電極LFCbbを補強するための補強板LFCcbが形成されている。
この本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaは、演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆う金属製裏蓋1600bに設けられるコントロール基板1600cのコネクタ1600ca(図108(a)を参照。)と電気的に接続されるのに対して、この本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbは、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10と電気的に接続される。
フレキシブルフラットケーブルLFCは、本体LFCaの上端から上下方向所定距離寸法を有する部分で左側へ90度折り曲げられて形成されることで右上がり直線状の折り曲げ部LFCdを有する(上下方向所定距離寸法は、本体LFCaの上端から右上がり直線の中心点までの距離寸法である。)と共に、この折り曲げ部LFCd(右上がり直線の中心点)から左右方向所定距離寸法(本実施形態では、上下方向所定距離寸法の1.5倍の距離寸法を有する。)において手前方向へ滑らかに曲げられて右方向へそのまま滑らかに曲げられる曲げ部LFCeが形成されて前後方向(奥行き方向)で平行となるように形成されている。
[フレキシブルフラットケーブルの演出表示装置への取り付け方法]
フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaは、図108(a)に示すように、演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caと電気的に接続される。このコントロール基板1600cは、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xから伝送される描画データを復元して液晶パネル1600aに画像を表示する各種電子部品や液晶パネル1600aのバックライトを構成するLED(又は、冷陰極管)の輝度を調整する各種電子部品が実装されるものである。
フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaがコネクタ1600caの奥まで正常に挿入されないことにより、複数の平型導体の電極LFCbaと、複数の平型導体の電極LFCbaと対応するコネクタ1600caの電極と、の電極間に接触不良が生ずる場合があるし、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaがコネクタ1600caに対して斜めに挿入されることにより、複数の平型導体の電極LFCbaの一の電極LFCbaが、この一の電極LFCbaと対応するコネクタ1600caの電極と、この電極と隣り合う他の電極と、にそれぞれ接触することでショートし、コントロール基板1600cやコントロール基板1600cに実装される各種電子部品が破損する場合がある。
そこで、本実施形態では、演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaをコネクタ1600caに正常に挿入するための目印となるように、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の左近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の近傍左外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Lと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の右近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の近傍右外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Rと、が刻印されている。このガイドラインG1L,G1Rは、金属製裏蓋1600bをプレス機でプレス加工の工程で打刻される。
また、本実施形態では、演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaがコネクタ1600caに正常に挿入された後に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaがコネクタ1600caから外れたり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaと、それぞれの電極LFCbaと対応するコネクタ1600caの電極と、が斜めにズレて隣り合う他の電極と接触してショートを防止するために、フレキシブルフラットケーブルLFCを金属製裏蓋1600bの裏面側に固定する左右方向に長い矩形形状を有する固定シールSFCを貼り付ける領域として、固定シールSFCの四隅と対応する位置から少し外側へ向かって離れたところに、鉤括弧(「)状のガイドラインG2がそれぞれ刻印されている。これらの4つの鉤括弧(「)状のガイドラインG2,G2,G2,G2は、金属製裏蓋1600bをプレス機でプレス加工の工程で打刻される。フレキシブルフラットケーブルLFCが固定シールSFCにより金属製裏蓋1600bの裏面側に固定されることで、フレキシブルフラットケーブルLFCの姿勢を固定することができる。
[フレキシブルフラットケーブルの液晶出力基板への取り付け方法]
フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbは、図108(b)に示すように、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10と電気的に接続される。この液晶出力基板1530は、コネクタCN10のほかに、上述したコネクタCN8,CN9、及び周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4なども実装されている。なお、液晶出力基板1530の特殊コネクタSCN4が上述した周辺制御基板1510の特殊コネクタSCN2に挿入されて電気的に接続されることにより、上述したように、周辺制御基板1510からの演出表示装置の表示装置に描画する画像の描画データが周辺制御基板1510からの特殊コネクタSCN2、そして液晶出力基板1530の特殊コネクタSCN4を介して液晶出力基板1530に入力され、液晶出力基板1530のコネクタCN10からフレキシブルフラットケーブルLFC、そして演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caを介してコントロール基板1600cに入力されることとなる。
フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbがコネクタCN10の奥まで正常に挿入されないことにより、複数の平型導体の電極LFCbbと、複数の平型導体の電極LFCbbと対応するコネクタCN10の電極と、の電極間に接触不良が生ずる場合があるし、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbがコネクタCN10に対して斜めに挿入されることにより、複数の平型導体の電極LFCbbの一の電極LFCbbが、この一の電極LFCbbと対応するコネクタCN10の電極と、この電極と隣り合う他の電極と、にそれぞれ接触することでショートし、液晶出力基板1530や液晶出力基板1530と電気的に接続される周辺制御基板1510に実装される各種電子部品が破損する場合がある。
そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbをコネクタCN10に正常に挿入するための目印となるように、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、がシルク印刷により印刷されている。
なお、本実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaが配置される領域には、スルーホールが形成されていない。これは、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xと擦れることにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの平型導体が露出しても、この露出したフレキシブルフラットケーブルLFCの平型導体がスルーホールによりショートすることを防止するためである。
[フレキシブルフラットケーブルの補強板とコネクタとの関係]
フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaを、演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caへ挿入するときは、平型導体の電極LFCbaがコネクタ1600caの電極と対向する向きとなってフレキシブルフラットケーブルLFCの裏面側となるのに対して、電極LFCbaを補強するための補強板LFCcaがフレキシブルフラットケーブルLFCの表面側となる。これにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaが演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された状態では、図108(c)に示すように、補強板LFCcaの下端辺と、コネクタ1600caの下端辺と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されることとなる。なお、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaが演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caの奥まで挿入されないと、つまり押し込み量が不足すると、電極LFCbaを補強するための補強板LFCcaの下端辺周辺部分がコネクタ1600caから露出した状態となる。
また、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbを、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10へ挿入するときは、平型導体の電極LFCbbがコネクタCN10の電極と対向する向きとなってフレキシブルフラットケーブルLFCの裏面側となるのに対して、電極LFCbbを補強するための補強板LFCcbがフレキシブルフラットケーブルLFCの表面側となる。これにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10の奥まで正常に挿入された状態では、図108(c)に示すように、補強板LFCcbの下端辺と、コネクタCN10の下端辺と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されることとなる。なお、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10の奥まで挿入されないと、つまり押し込み量が不足すると、電極LFCbbを補強するための補強板LFCcbの下端辺周辺部分がコネクタCN10から露出した状態となる。
[フレキシブルフラットケーブルの正常に接続されていない状態]
フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaが演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caの奥まで正常に挿入されずに斜めに挿入された状態では、図109(a)に示すように、本体LFCaの左端辺が上下方向に直線状に延びるガイドラインG1Lを覆って視認することができず、本体LFCaの右端辺が上下方向に直線状に延びるガイドラインG1Rに対して傾斜を有する状態となると共に、電極LFCbaを補強するための補強板LFCcaの下端辺がコネクタ1600baの下端辺に対して傾斜を有する状態となり、電極LFCbaを補強するための補強板LFCcaの一部がコネクタ1600baから露出した状態となる。このように、ガイドラインG1L,G1Rと補強板LFCcaとにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaが演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caの奥まで正常に挿入されているか否かを目視にて容易に判断することができる。これにより、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおいて、作業者は、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaを演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caに挿入したとき、電極LFCbaをコネクタ1600caの奥まで正常に挿入されているか否かを目視にて容易に判断することができる。したがって、確認作業の効率向上に寄与することができる。
また、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10の奥まで正常に挿入されずに斜めに挿入された状態では、図109(b)に示すように、本体LFCaの上端辺が左右方向に直線状に延びるガイドラインG3Uを覆って視認することができず、本体LFCaの下端辺が左右方向に直線状に延びるガイドラインG3Lに対して傾斜を有する状態となると共に、電極LFCbbを補強するための補強板LFCcbの左端辺(図108(c)では、補強板LFCcb下端辺)がコネクタCN10の左端辺(図108(c)では、コネクタCN10の下端辺)に対して傾斜を有する状態となり、電極LFCbbを補強するための補強板LFCcbの一部がコネクタCN10から露出した状態となる。このように、ガイドラインG3U,G3Lと補強板LFCcbとにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10の奥まで正常に挿入されているか否かを目視にて容易に判断することができる。これにより、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおいて、作業者は、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbを液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10に挿入したとき、電極LFCbbをコネクタCN10の奥まで正常に挿入しているか否かを目視にて容易に判断することができる。したがって、確認作業の効率向上に寄与することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、がシルク印刷により印刷されていたが、ガイドラインG3Uを上辺、ガイドラインG3Lを下辺とする矩形形状の領域内をシルク印刷によりベタ塗り印刷されていてもよい。このように構成しても、ベタ塗りされた矩形形状の領域の上辺がガイドラインG3Uとして機能すると共に、ベタ塗りされた矩形形状の領域の下辺がガイドラインG3Lとして機能することができる。さらに、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xと擦れることにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの平型導体が露出しても、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xがベタ塗りされた矩形形状の領域内のシルク印刷が剥がれることでレジストが剥がれることを防止してレジストに覆われた液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面が露出せずに、露出したフレキシブルフラットケーブルLFCの平型導体がショートすることを防止することができる。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、がシルク印刷により印刷されていたが、ガイドラインG3Uを上辺、ガイドラインG3Lを下辺とする矩形形状の領域とその領域内とに対応する液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面において箔抜き領域を形成してもよい。このように構成しても、箔抜きされた矩形形状の領域の上辺がガイドラインG3Uとして機能すると共に、箔抜きされた矩形形状の領域の下辺がガイドラインG3Lとして機能することができる。さらに、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xと擦れることにより、フレキシブルフラットケーブルLFCの平型導体が露出しても、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xのレジストが剥がれても銅箔面がそもそも存在せず、つまり液晶出力基板1530の非導電性の基材が露出するだけであるため、露出したフレキシブルフラットケーブルLFCの平型導体がショートすることを防止することができる。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、がシルク印刷により印刷されていたが、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面において一部の領域の銅箔を抜くことでガイドラインG3U,G3Lが形成されてもよいし、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面にレジスト液を塗布する場合に一部分の領域をレジスト液で塗布しないことでガイドラインG3U,G3Lが形成されてもよい。
また、上述した実施形態では、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbがコネクタCN10に正常に挿入された後に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbがコネクタCN10から外れたり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbと、それぞれの電極LFCbbと対応するコネクタCN10の電極とが斜めにズレて隣り合う他の電極と接触してショートを防止するために、フレキシブルフラットケーブルLFCを液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに固定する上下方向に長い矩形形状を有する固定シールを貼り付けてもよい。この場合、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに、固定シールを貼り付ける領域として、固定シールの四隅と対応する位置から少し外側へ向かって離れたところに、例えば、鉤括弧(「)状(線、記号等の図形でもよい。)のガイドラインがそれぞれシルク印刷により印刷されて形成されてもよいし、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面において一部の領域の銅箔を抜くことで鉤括弧(「)状(線、記号等の図形でもよい。)のガイドラインが形成されてもよいし、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面にレジスト液を塗布する場合に一部分の領域をレジスト液で塗布しないことで鉤括弧(「)状(線、記号等の図形でもよい。)のガイドラインが形成されてもよい。フレキシブルフラットケーブルLFCが固定シールにより液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに固定されることで、フレキシブルフラットケーブルLFCの姿勢を固定することができる。
また、上述した実施形態では、液晶出力基板1530のコネクタCN10と、演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caと、をフレキシブルフラットケーブルLFCを用いて電気的に接続していたが、電気的駆動電の駆動により作動する可動体に基板が設けられる場合であって、この基板と駆動基板との基板間を電気的に接続する電気配線としてフレキシブルフラットケーブルを用いてもよい。可動体の作動にともなう電気配線による可動体に負荷がかかるため、この負荷が無視できないほど大きい場合がある。そこで、電気配線として配線やハーネスに代えて、フレキシブルフラットケーブルを用いることで、可動体の作動にともなうフレキシブルフラットケーブルによる可動体への負荷が抑制されることで、電気的駆動源の過負荷を防止することができる。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、がシルク印刷により印刷されることで、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおいて、作業者は、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbを液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10に挿入したとき、電極LFCbbをコネクタCN10の奥まで正常に挿入しているか否かを目視にて容易に判断することができたが、例えば、電気的駆動電の駆動により作動する可動体の待機位置(原位置)を示すものとして可動体の待機位置(原位置)の近傍の基板に可動体の待機位置(原位置)を示す線、記号等の図形をシルク印刷により印刷されてもよい。こうすれば、遊技ホールの店員等の係員がパチンコ機の点検作業を行う際に、パチンコ機の電源を投入することなく、可動体を手動で待機位置(原位置)へ移動する際に、目印とすることができる。また、パチンコ機の電源が投入された状態であっても、可動体が待機位置(原位置)からズレているか否かの判断として利用することもできるため、可動体の不具合のチェックに利用することもできる。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の左近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の近傍左外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Lと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の右近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の近傍右外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Rと、が演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に形成されると共に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、が液晶出力基板1530に形成されていたが、実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、挿入方向を示す矢印線であってもよい。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の左近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の近傍左外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Lと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の右近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の近傍右外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Rと、が演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に形成されていたが、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の右近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の近傍右内側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Lと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の左近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の近傍左内側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Rと、が演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に形成されてもよい。この場合、実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、挿入方向を示す矢印線であってもよい。また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、が液晶出力基板1530に形成されていたが、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍下内側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍上内側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、が液晶出力基板1530に形成されてもよい。この場合、実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、挿入方向を示す矢印線であってもよい。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の左近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の近傍左外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Lと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の右近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の近傍右外側)に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Rと、が演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に形成されていたが、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Lと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置に上下方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG1Rと、が演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に形成されてもよい。つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺とガイドラインG1Lとが前後方向に合致して重なる位置関係となる共に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺とガイドラインG1Rとが前後方向に合致して重なる位置関係となる。この場合、実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、挿入方向を示す矢印線であってもよい。また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、が液晶出力基板1530に形成されていたが、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Uと、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置に左右方向に直線状に延びる長い実線のガイドラインG3Lと、が液晶出力基板1530に形成されてもよい。つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺とガイドラインG3Uとが前後方向に合致して重なる位置関係となると共に、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺とガイドラインG3Lとが前後方向に合致して重なる位置関係となる。この場合、実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、挿入方向を示す矢印線であってもよい。
また、上述した実施形態では、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaが演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された状態では、図108(c)に示したように、補強板LFCcaの下端辺と、コネクタ1600caの下端辺と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されることにより、補強板LFCcaの上端辺と下端辺との距離寸法は電極LFCbaがコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された長さ(挿入長)と同一となっていた。また、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10の奥まで正常に挿入された状態では、図108(c)に示したように、補強板LFCcbの下端辺と、コネクタCN10の下端辺と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されることにより、補強板LFCcbの上端辺と下端辺との距離寸法は電極LFCbbがコネクタCN10の奥まで正常に挿入された長さ(挿入長)と同一となっていた。
このように、上述した実施形態では、補強板LFCcaの上端辺と下端辺との距離寸法は電極LFCbaがコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された長さ(挿入長)と同一となっていたが、補強板LFCcaの上端辺と下端辺との距離寸法を電極LFCbaがコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された長さ(挿入長)と比べて長い場合、換言すると、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbaが演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面上側を覆うコントロール基板1600cのコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された状態において、補強板LFCcaの下端辺と、コネクタ1600caの下端辺と、が前後方向に合致せず補強板LFCcaの下端辺がコネクタ1600caの下端辺から平行に離間する位置関係に配置される場合には、補強板LFCcaの下端辺と、コネクタ1600caの下端辺と、が離間していることで電極LFCbaがコネクタ1600caの奥まで正常に挿入されたか否かを、補強板LFCcaの下端辺と、コネクタ1600caの下端辺と、を利用して判別することが困難となる。同様に、補強板LFCcbの上端辺と下端辺との距離寸法は電極LFCbbがコネクタCN10の奥まで正常に挿入された長さ(挿入長)と同一となっていたが、補強板LFCcbの上端辺と下端辺との距離寸法を電極LFCbbがコネクタCN10の奥まで正常に挿入された長さ(挿入長)と比べて長い場合、換言すると、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端側に形成される複数の平型導体の電極LFCbbが液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10の奥まで正常に挿入された状態において、補強板LFCcbの下端辺と、コネクタCN10の下端辺と、が前後方向に合致せず、補強板LFCcbの下端辺がコネクタCN10の下端辺から平行に離間する位置関係に配置される場合には、補強板LFCcbの下端辺と、コネクタCN10の下端辺と、が離間していることで電極LFCbbがコネクタCN10の奥まで正常に挿入されたか否かを、補強板LFCcbの下端辺と、コネクタCN10の下端辺と、を利用して判別することが困難となる。
そこで、このような場合には、電極LFCbaがコネクタ1600caの奥まで正常に挿入された状態において、補強板LFCcaの下端辺の位置を示すガイドラインとして、補強板LFCcaの下端辺の延長線上であって、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の左近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの左端辺と対応する位置の近傍左外側)に左方向に直線状に延びる実線(実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、補強板LFCcaの下端辺の位置を示す矢印線であってもよい。)のガイドラインG1L’(このガイドラインG1L’は、上述したガイドラインG1Lと交わってもよいし、上述したガイドラインG1Lと一体に形成されたL字状としてもよい。)と、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の右近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの右端辺と対応する位置の近傍右外側)に右方向に直線状に延びる実線(実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、補強板LFCcaの下端辺の位置を示す矢印線であってもよい。)のガイドラインG1R’(このガイドラインG1R’は、上述したガイドラインG1Rと交わってもよいし、上述したガイドラインG1Rと一体に形成されたL字状としてもよい。)と、が演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bの裏面側に刻印されていることが好ましい。
また、電極LFCbbがコネクタCN10の奥まで正常に挿入された状態において、補強板LFCcbの下端辺の下端辺の位置を示すガイドラインとして、補強板LFCcbの下端辺の延長線上であって、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の上近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの上端辺と対応する位置の近傍上外側)に上方向に直線状に延びる実線(実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、補強板LFCcbの下端辺の位置を示す矢印線であってもよい。)のガイドラインG3U’(このガイドラインG3U’は、上述したガイドラインG3Uと交わってもよいし、上述したガイドラインG3Uと一体に形成されたL字状としてもよい。また、ガイドラインG3U’の上下方向の距離寸法と上述したガイドラインG3Uの左右方向の距離寸法とを有する矩形形状(その内部がシルク印刷によりベタ塗り印刷されてもよい。)にしてもよい。)と、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の下近傍(つまり、フレキシブルフラットケーブルLFCの本体LFCaの下端辺と対応する位置の近傍下外側)に下方向に直線状に延びる実線(実線に代えて、一点鎖線や二点鎖線であってもよいし、補強板LFCcbの下端辺の位置を示す矢印線であってもよい。)のガイドラインG3L’(このガイドラインG3L’は、上述したガイドラインG3Lと交わってもよいし、上述したガイドラインG3Lと一体に形成されたL字状としてもよい。また、ガイドラインG3L’の上下方向の距離寸法と上述したガイドラインG3Lの左右方向の距離寸法とを有する矩形形状(その内部がシルク印刷によりベタ塗り印刷されてもよい。)にしてもよい。)と、が液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xにシルク印刷により印刷されていることが好ましい。
なお、シルク印刷に代えて、上述した変形例のように、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面において一部の領域の銅箔を抜くことでガイドラインG3U’,G3L’が形成されてもよいし、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面にレジスト液を塗布する場合に一部分の領域をレジスト液で塗布しないことでガイドラインG3U’,G3L’が形成されてもよい。また、上述した変形例のように、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xの銅箔面において一部の領域の銅箔を抜いてガイドラインG3L’の上下方向の距離寸法と上述したガイドラインG3Lの左右方向の距離寸法とを有する矩形形状(この矩形形状の内部の銅箔も抜いてもよい。)が形成されることで、ガイドラインG3U,G3L、及びガイドラインG3U’,G3L’がそれぞれ形成されてもよい。
[コネクタの接続方法]
次に、周辺制御基板1510への各種配線を中継する中継基板や主制御基板1310へ各種配線を中継する中継基板、払出制御基板633への各種配線を中継する中継基板に備えるコネクタに対して接続する配線やハーネスのコネクタについて図110を参照して説明する。図110は中継基板のコネクタの配置を示す図(a)であり、中継基板のコネクタに対して配線やハーネスのコネクタが正常に接続された状態を示す図(b)であり、中継基板のコネクタに対して配線やハーネスのコネクタが正常に接続されていない状態を示す図(c)である。
ところで、中継基板のコネクタに対して配線やハーネスのコネクタが正常に挿入されないことにより、コネクタの電極間に接触不良が生ずる場合があるし、中継基板のコネクタに対して配線やハーネスのコネクタが斜めに挿入されることによりコネクタの隣り合う電極が接触することでショートし、中継基板や中継基板と電気的に接続される各種制御基板に実装される各種電子部品が破損する場合がある。
本実施形態では、中継基板KDの表面(実装面)KDxは、図110(a)に示すように、配線やハーネスKDCBLのプラグ側のコネクタPLGが挿入されるソケット側のコネクタSCKが配置されている。ソケット側のコネクタSCKは、ライトアングルタイプ(「サイド型」とも呼ばれる。)のものであり、左右方向に長い矩形形状を有する本体SCKaの下側面SCKaaに対して開口部SCKbが形成される箱状に形成されている。この開口部SCKbには、コネクタPLGのプラグ部PLGaが挿入される。ソケット側のコネクタSCKの開口部が形成される下側面SCKaaは、中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1を有して中継基板KDの表面(実装面)KDxに配置されている。プラグ側のコネクタPLGは、左右方向に細長い矩形形状を有すると共に本体SCKaの左右方向の距離寸法と同一の距離寸法を有する本体PLGbの上側面PLGbaに対して、開口部SCKbより小さい大きさ有し左右方向に長い矩形形状を有するプラグ部PLGaが一体に形成されている。なお、ソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbが形成される下側面SCKaaは、上述したように、中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1を有して中継基板KDの表面(実装面)KDxに配置されているが、本実施形態では、所定距離寸法dw1として、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの上下方向の距離寸法(厚さ)dcwとなっている。
プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入されると、プラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGba全体がソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbが形成される下側面SCKaaと当接して面接触する状態となる。この状態では、図110(b)に示すように、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、中継基板KDの下端辺KDeg(つまり、中継基板KDの基板端)と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されることとなる。
このように、ソケット側のコネクタSCKは、中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1として、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの上下方向の距離寸法(厚さ)dcwを有して配置されているため、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入された状態では、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、中継基板KDの下端辺KDeg(つまり、中継基板KDの基板端)と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されることとなる。これにより、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおいて、作業者は、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaをソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入したとき、作用者の指に、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、中継基板KDの下端辺KDeg(つまり、中継基板KDの基板端)と、が触れることで同一の平面上に配置されているという手の触覚によって、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaをソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入しているか否かを容易に判断することができるし、また、遊技ホールの店員等の係員も、パチンコ機の点検作業を行う際に、上述した同一の平面上に配置されているという手の触覚によって、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaをソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入しているか否かを容易に判断することができる。したがって、確認作業の効率向上に寄与することができる。
なお、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入されずに斜めに挿入された状態では、図110(c)に示すように、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)が中継基板KDの下端辺KDeg(つまり、中継基板KDの基板端)からはみ出し量dSPを有してはみ出した配置となる。これにより、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおける作業者やパチンコ機の点検作業を行う遊技ホールの店員等の係員は、はみ出し量dSPの分だけプラグ側のコネクタPLGの本体PLGbが中継基板KDの下端辺KDegから突出することにより、作用者や遊技ホールの店員等の係員の指に、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、中継基板KDの下端辺KDeg(つまり、中継基板KDの基板端)と、が触れることで段差を有しているという手の触覚によって、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaをソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入していないことを容易に判断することができる。
[変形例]
なお、上述した実施形態では、ソケット側のコネクタSCKは、中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1として、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの上下方向の距離寸法(厚さ)dcwを有して配置され、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入された状態において、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、中継基板KDの下端辺KDeg(つまり、中継基板KDの基板端)と、が前後方向に合致して重なる位置関係に配置されるようになっていたが、ソケット側のコネクタSCKの部品位置を示す部品配置線がソケット側のコネクタSCKの外形よりも大きい実線でシルク印刷により印刷されると共に、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入された状態において、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、ソケット側のコネクタSCKの部品位置を示す部品配置線の下辺と、が合致するように配置されてもよい。図111は図110の変形例であり、中継基板のコネクタの配置と部位品配置線とを示す図(a)であり、中継基板のコネクタに対して配線やハーネスのコネクタが正常に接続された状態を示す図(b)であり、中継基板のコネクタに対して配線やハーネスのコネクタが正常に接続されていない状態を示す図(c)である。
例えば、中継基板KDの表面(実装面)KDxは、図111(a)に示すように、配線やハーネスKDCBLのプラグ側のコネクタPLGが挿入されるソケット側のコネクタSCKが配置されている。ソケット側のコネクタSCKは、左右方向に長い矩形形状を有する本体SCKaの下側面SCKaaに対して開口部SCKbが形成される箱状に形成されている。この開口部SCKbには、コネクタPLGのプラグ部PLGaが挿入される。ソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbが形成される下側面SCKaaは、中継基板KDの下端辺KDegから第1距離寸法dw2(例えば、図110(a)に示したソケット側のコネクタSCKが中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1を有して配置されている距離寸法の約2倍程度であり、少なくとも5mm有している。)を有して中継基板KDの表面(実装面)KDxに配置されている。
ソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbが形成される下側面SCKaaは、中継基板KDの下端辺KDegから第1距離寸法dw2だけ離間して配置されている理由について、簡単に説明すると、マウンターで電子部品を実装する場合やハンダ槽へ基板を流す場合には、いわゆる「捨て板(電子部品搭載不可範囲)」を形成する必要があり、基板の各端辺から内側へ向かって3mm~5mmまでに亘る範囲全体(基板の各端辺からその周囲に亘る範囲)に電子部品を実装することができない。この捨て板を形成することなく電子部品を実装する場合(つまり基板の各端辺からその周囲に亘る範囲に電子部品を実装する場合)には、基板を固定するための掴みジグや基板反り防止ジグを用いる必要があるが、この場合にも、掴みジグや基板反り防止ジグにより挟持される基板の領域は、基板の端辺から内側へ向かって5mm程度、電子部品を配置することができない。そこで、本実施形態では、中継基板KDの下端辺KDegから第1距離寸法dw2として、図110(a)に示したソケット側のコネクタSCKが中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1を有して配置されている距離寸法の約2倍程度であり、少なくとも5mm有している。これにより、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入されると、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)が中継基板KDの下端辺KDegの上方に配置されることとで、中継基板KDの内部側に配置されることとなる。
ソケット側のコネクタSCKの周囲には、ソケット側のコネクタSCKの部品位置を示す矩形形状の部品配置線DSLKが、少なくとも、ソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbが形成される下側面SCKaaと、ソケット側のコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegと、が第2距離寸法dw3を有して中継基板KDの表面(実装面)KDxにシルク印刷により印刷されている。プラグ側のコネクタPLGは、左右方向に細長い矩形形状を有すると共に本体SCKaの左右方向の距離寸法と同一の距離寸法を有する本体PLGbの上側面PLGbaに対して、開口部SCKbより小さい大きさ有し左右方向に長い矩形形状を有するプラグ部PLGaが一体に形成されている。なお、ソケット側のコネクタSCKの周囲には、上述したように、ソケット側のコネクタSCKの部品位置を示す矩形形状の部品配置線DSLKが、少なくとも、ソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbが形成される下側面SCKaaと、ソケット側のコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegと、が第2距離寸法dw3を有して中継基板KDの表面(実装面)KDxにシルク印刷により印刷されているが、本実施形態では、第2距離寸法dw3として、図110(a)に示したソケット側のコネクタSCKが中継基板KDの下端辺KDegから所定距離寸法dw1を有して配置されている距離寸法と同一の距離寸法となっている(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの上下方向の距離寸法(厚さ)dcwとなっている)。
プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入されると、プラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGba全体がソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの下側面SCKaaと当接して面接触する状態となる。この状態では、図111(b)に示すように、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)と、ソケット側のコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegと、が合致して配置されることとなる。これにより、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおける作業者やパチンコ機の点検作業を行う遊技ホールの店員等の係員は、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaをソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入されているか否かを目視にて容易に判断することができる。したがって、確認作業の効率向上に寄与することができる。
なお、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaがソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入されずに斜めに挿入された状態では、図111(c)に示すように、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaと一体に形成される本体PLGbの上側面PLGbaと反対側の面(つまり、プラグ側のコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbb)がソケット側のコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺からはみ出し量dSPを有してはみ出した配置となる。これにより、パチンコ機の製造元の組み立てラインにおける作業者やパチンコ機の点検作業を行う遊技ホールの店員等の係員は、はみ出し量dSPの分だけプラグ側のコネクタPLGの本体PLGbが部品配置線DSLKの下辺DSLKegから突出することにより、プラグ側のコネクタPLGのプラグ部PLGaをソケット側のコネクタSCKの開口部SCKbの奥まで正常に挿入していないことを目視にて容易に判断することができる。
因みに、従来より、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板、画像表示装置等の表示制御を行う画像制御基板等の各種基板が裏側に配置される遊技機が提案されている(例えば、特開2017-217381号公報(段落[0051]、及び図2)。ところで、この文献に記載される遊技機のように、各種基板に設けられるコネクタには、配線が挿抜されたりするものや、一端が配線と電気的に接続されたコネクタが挿抜されたりするものがあるため、例えば、遊技機の製造元の作業者はコネクタへの接続作業においてコネクタへの電気的な確認を行う必要があり、確認作業に時間がかかっていた。
[7.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図30乃至図32等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル111を遊技者が回転操作することで、扉枠3の上皿130に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、或いは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込強さは、ハンドル111の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nの他に、遊技球Bの当接により回転する風車がサイドユニット2200の第一棚部2201とワープ入口2501との間の位置に設けられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側(上右周壁部2510よりも左側)へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央部分から前方へ放出される。ステージ2503の中央の中央放出部2503aから遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その中央放出部2503aが第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置350から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドユニット2200の第一棚部2201や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、或いは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置350から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側(上右周壁部2510の上方の上流空間部2511)に進入すると、センター役物2500の流通通路群2520の第一流通通路2521又は第二流通通路2522の何れかを通って、センター役物2500のゲート部2003の上方に放出され、ゲート部2003の上方に植設されている複数の障害釘Nに当接した上で、ある程度の確率でゲート部2003を通過する。
センター役物2500の流通通路群2520は、衝止部1006の近傍に入口が開口している第一流通通路2521と、第一流通通路2521の入口から左方へ間隔をあけて入口が開口している第二流通通路2522と、から構成されている。これにより、衝止部1006に当接する強さで遊技球Bを打込む(所謂、右打ちする)と、第一流通通路2521に進入し、上流空間部2511に進入し衝止部1006に当接しない強さ(右打ちよりもある程度弱い強さ)で遊技球Bを打込むと、高い確率で第二流通通路2522に進入する。つまり、上流空間部2511内に打込まれた遊技球Bは、その打込強さに応じて、第一流通通路2521又は第二流通通路2522の何れかを流通する。
一方、第一流通通路2521を流通した遊技球Bは、ゲート部2003の上方に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003の右側へ誘導され、ゲート部2003をあまり通過することはなく、ゲート部2003の右側を流通する。一方、第二流通通路2522を流通した遊技球Bは、ゲート部2003の上方に植設されている複数の障害釘Nにより、高い確率でゲート部2003の右側よりも左方へ誘導され、高い確率でゲート部2003を通過する。
このゲート部2003を遊技球Bが通過してゲートセンサ2506により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3~10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01~60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2450に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
ゲート部2003の右側を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、極めて高い確率でアタッカユニット2400の一般入賞口2001の右側のアタッカ右通路2422に進入する。一方、ゲート部2003を通過した遊技球B、又は、ゲート部2003の左側を通過した遊技球Bは、ゲート部2003とアタッカユニット2400との間に植設されている複数の障害釘Nにより、極めて高い確率でアタッカ右通路2422よりも左方へ誘導されて、高い確率でアタッカ左通路2421に進入する。
なお、アタッカ右通路2422の左方には、アタッカユニット2400の一般入賞口2001が配置されており、この一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられて一般入賞口センサ2401に検知されると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置350から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bは、右レール1005の段部1005aに当接することで、高い確率で連通口2425を通って第二始動口誘導棚2423上に進入して、閉状態の第二始動口扉2411上を流通する。アタッカ右通路2422に進入した遊技球Bが、第二始動口誘導棚2423上に進入しなかった場合は、アタッカ右下通路2426に進入し、第二始動口2004や大入賞口2005に関わることなくアウト口1008から遊技領域5a外に排出される。また、アタッカ左通路2421に進入した遊技球Bは、第二始動口誘導棚2423上に進入して、閉状態の第二始動口扉2411上を流通する。
そして、遊技球Bが第二始動口誘導棚2423上に進入した時に、ゲート部2003での遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果が「普通当り」で、第二始動口扉2411が開状態となっていると、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる。この第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置350から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。
第二始動口誘導棚2423上に進入し第二始動口2004に受入れられなかった遊技球Bは、大入賞口誘導棚2424側へ放出され、閉状態の大入賞口扉2413上を転動した後に、遊技領域5a内に放出され、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。なお、第二始動口誘導棚2423と大入賞口誘導棚2424との間には、複数の障害釘Nが植設されていると共に、中間通路2427が開口しているため、第二始動口誘導棚2423から大入賞口誘導棚2424側へ放出された遊技球Bが、低い確率で中間通路2427に進入する。この中間通路2427に進入した遊技球Bは、大入賞口2005に関わることなくアウト口1008から遊技領域5a外に排出される。
上記のようなことから、第一流通通路2521を流通した遊技球Bは、ゲート部2003をあまり通過することはないため、遊技球Bのゲート部2003の通過により第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果が抽選されることはあまりないと共に、第二始動口2004に遊技球Bがあまり受入れられない。一方、第二流通通路2522を流通した遊技球Bは、高い確率でゲート部2003を通過するため、遊技球Bのゲート部2003の通過により第二始動口2004が開状態となる普通抽選結果(「普通当り」)が抽選される可能性が高いと共に、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられる可能性が高い。
このようなことから、遊技者が、第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行うようになることから、上流空間部2511に遊技球Bが進入する打込強さで、且つ、遊技球Bが第二流通通路2522に進入する打込強さで、遊技球Bが遊技領域5a内に打込まれるように、遊技球Bの打込強さを調整しなければならないため、遊技球Bの打込操作に対して変化を付与させて遊技者を飽きさせ難くすることができ、遊技者に対して遊技球Bの打込操作を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」)を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1~360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「15R大当りA」、「15R大当りB」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置350から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿130に払出される。従って、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、或いは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰返す。例えば、「15R大当り」であれば15ラウンド繰返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技状態によって大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に受入れられた遊技球が、振分片2415によって第二受入口2008に振り分けられると、大当り遊技状態の終了後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させる。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更する確変や、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更する時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、夫々4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
なお、上記のように、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果によって、大入賞口2005が開状態となった時に、第二流通通路2522の入口を狙った遊技球Bの打込操作を行うと、打込操作を微妙に調整しなければならないことから、せっかくのチャンスの到来に対して、遊技者によっては焦りや苛立ちを感じてしまい、遊技に対する興趣を低下させてしまう恐れがある。しかしながら、本実施形態では、遊技球Bを右打ちして第一流通通路2521を流通させると、ゲート部2003の右側、アタッカ右通路2422、右レール1005の段部1005a、連通口2425、及び第二始動口誘導棚2423を介して、遊技球Bを大入賞口誘導棚2424側(大入賞口2005側)へ流通させることができるため、微妙な打込操作の調整をしなくても楽な打込操作で遊技球Bを大入賞口2005へ受入れさせることができ、有利遊技状態での遊技を遊技者に楽しませることができると共に、遊技状態に応じて遊技球Bの打込操作にメリハリを付けることができ、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2450では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるように夫々の絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、15R大当り遊技A、15R大当り遊技B、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2450の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作部160の押圧操作部161を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、第一昇降駆動モータ180a及び第二昇降駆動モータ182により押圧操作部161を上昇させて目立たせることができ、演出操作部160の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示の他に、抽選された特別抽選結果に応じて、遊技盤5における裏ユニット3000の裏第一演出ユニット3100、裏第二演出ユニット3200、及び裏第三演出ユニット3300等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[8.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図64に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図112~図117を参照して説明する。図112は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図113は図112の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図114は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図115は設定変更処理の一例を示すフローチャートであり、図116は設定値確認表示処理の一例を示すフローチャートであり、図117はエラー表示処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理、設定変更処理、エラー表示処理、設定値確認表示処理について説明する。なお、以下の説明において主制御MPU1310aを単に「主制御MPU」と記載する場合がある。
[8-1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態や小当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数と、この特別乱数の初期値の決定に用いるための当り判定用初期値決定乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される大当り図柄や小当り図柄の決定(当り種別の決定)に用いるための図柄乱数と、この図柄乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004の遊技球の受け入れが可能とする可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、特別乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、特別乱数は、主制御MPUに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPUがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を特別乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、主制御MPUがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPUを製造したメーカによって主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてをクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPUに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、ゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[8-2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPUが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPUによる制御の下、図112及び図113に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPUは、停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS12に続いて、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS14)。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、主制御内蔵RAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチの機能として作動する。この判定では、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行わないと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定する一方、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定する。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS14の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作する者は、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、主制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL-FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS16A及びステップS16BでセットされたRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。この判定では、主制御MPUは、外枠2に対する本体枠4の開放を検出するための本体枠開放スイッチ4bからの検出信号と、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作されてON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされ、設定キースイッチ1311aからの設定キーONの信号と、に基づいて行う。なお、本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始されてからステップS18の判定までに亘る期間内において、極めて短時間であるため、実際には、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、設定キースイッチ1311aをON操作したのちにパチンコ機1の電源投入を行うこととなる。
ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。設定キーONフラグCS-FLGは、主制御MPUの主制御内蔵RAMの所定領域(後述する、特定領域における設定値専用領域)に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS20A及びステップS20Bでセットされた設定キーONフラグCS-FLGの値は、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。なお、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点において、払出制御基板633が周辺制御基板1510と比べて短時間でブート完了するため、払出制御基板633は、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS25)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定する。
ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1でないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるか否かを判定する(ステップS26)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したことによって、予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定する。
ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0でないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS27)。主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したことによって、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定する。
ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値確認表示処理を行う(ステップS28)。この設定値確認表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示する。
ステップS28に続いて、又はステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1でない(RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0である)と判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS29)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS29に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK-FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS29のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、エラー表示処理を行い(ステップS33)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
なお、パチンコ機1の電源遮断を行い、外枠2に対して本体枠4が開放し、かつ、設定キーシリンダ1311abが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)から時計方向へ向かって60度回動操作してON操作したのちに、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットするとともに、上述したステップS18の判定において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定して、上述したステップS20Aにおいて、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットするため、上述したステップS25の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定して、後述するステップS37の設定変更処理に続いて、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第1のRAMエラー解除方法」と記載する)。
この第1のRAMエラー解除方法とは別の方法として、パチンコ機1の電源遮断を行い、設定キーシリンダ1311abが初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)のままで、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、再び本ルーチンである主制御側電源投入時処理が開始される。主制御MPUは、上述したステップS14の判定において、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定して、上述したステップS16Aにおいて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットするのに対し、上述したステップS18において、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定して、上述したステップS20Bにおいて、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットするため、上述したステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるとして、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定して、後述するステップS38の処理において、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることによりRAMエラーを解除して遊技を進行することができるようになっている(以下、「第2のRAMエラー解除方法」と記載する)。
このように、本実施形態では、ステップS30の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS33のエラー表示を行って、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)の旨を伝える場合には、第1のRAMエラー解除方法と第2のRAMエラー解除方法との2つの解除方法により行うことができるようになっている。これにより、設定値の設定変更を全く行う必要がない場合には、RWMクリアボタン633zによる第2のRAMエラー解除方法を行うことによりRAMエラーを解除することができるようになっている。
一方、ステップS32の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPUに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK-FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてがクリアされることとなる。
一方、ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、設定変更処理を行う(ステップS37)。この設定変更処理では、その詳細な説明を後述するが、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号に基づいてい行う。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンの機能として作動する。RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されるごとにその旨を伝える信号(設定値の選択切替信号)が入力されて、設定値を変更して設定表示器1310gに表示し、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作からOFF操作されたことで設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて、変更した設定値を決定し、主制御MPUに内蔵されているRAMの所定領域に格納する。
ステップS37の処理、又はステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したとき、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPUは、値0を主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)に書き込むことよって行う。本実施形態では、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときに加えて、設定変更処理を終了すると、必ず、主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて(主制御内蔵RAMの所定領域(主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除く領域。)を)クリアするようになっている。ここで、「特定領域」とは、設定値が格納される設定値専用領域と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納されるアウト球計数専用領域と、から構成されている。設定値専用領域は、後述する設定変更処理において設定変更される設定値が格納され、アウト球計数専用領域は、後述する球数計数処理において計数されるアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)が格納される。
なお、主制御MPUは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPUの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPUは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。また、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値に基づいて遊技を進行することとなる。
ステップS36又はステップS40に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS41)。ここでは、主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPUをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPUに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPUの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS41に続いて、主制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPUに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPUは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための特別乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPUに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPUに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPUは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPUは、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPUは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路から主制御MPUに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPUは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54~ステップS56を繰り返し行う。なお、このステップS54~ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPUは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS12の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPUは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2404、アタッカソレノイド2405、ベースモニタ1310h等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPUは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS41において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPUは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58~ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPUは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPUは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPUは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS29で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
また、ステップS25の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値変更許可条件が成立していると判定したときには、ステップS37の設定変更処理を行い、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)し、ステップS26の判定において、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であるとして、つまり予め定めた設定値変更許可条件が成立していないが、予め定めた設定値変更許可条件が成立した場合と同様に各種情報を消去すると判定したときには、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて完全に消去(クリア)する。このように、復電時に押圧操作部が操作されている場合(正確には、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う場合)には、設定値を変更決定することができる設定変更を行う場合(主制御MPUが設定変更処理を行った場合)でなくても、主制御MPUが主制御内蔵RAMの所定領域を必ずクリアする。これは、RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が押圧操作される場合には、例えば、遊技ホールの営業が終了した際に、パチンコ機1が遊技者にとって有利な状態(例えば、確率変動(確変)当りとなっている状態等)である場合には、次の営業開始までに、上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるため、遊技ホールの店員等の係員は、RWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入する必要がある。また、設定値を変更決定する場合には、設定変更処理が行われると、結果的に現状の設定値が維持される場合であっても、設定変更処理が行われる前の設定値により得た遊技情報等の各種情報を含む遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)する必要がある。設定キーは、上述したように、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。本実施形態では、設定値が変更決定されなくても、つまり限定された特定の者だけが所持する設定キーがなくても、遊技ホールの店員等の係員は、遊技バックアップ情報を消去(クリア)する必要があるときにRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行うことにより、遊技バックアップ情報を主制御内蔵RAMから消去(クリア)することができるようになっている。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理の後に、ステップS26以降の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS29で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることなる。換言すると、復電時に払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS16A又はステップS16BにおいてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、上述したように、主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPUが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58~ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUが完了することができるようになっているため、主制御MPUの主制御MPUは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPUの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、遊技の進行を行うことができないようになっている。
このようなソフトウェアにより遊技の進行が行うことができないようにされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2404の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2405の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2405を駆動して大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して大入賞口センサ2403によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、アタッカユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2404を駆動して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放する状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2405の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2404の駆動を開始して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS29のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58~ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPUは、一度も実行していない状態であるため、ステップS29で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zがRAMクリアスイッチとして作動するときであってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[8-3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図112及び図113に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPUは、図114に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPUは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPUは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPUは、例えば、一般入賞口センサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ2101からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、アウト口センサ3032からの検出信号、磁気センサ2470からの検出信号、振動センサ3005からの検出信号、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号(このRWMクリアボタン633zからの信号は、本ルーチンである主制御側タイマ割込処理においては、重要な信号ではないため、マスクして読み込みを省いてもよい。)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ2101からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ2101からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2402からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして、又は入力を無視するものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPUの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目~3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目~4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、一般入賞口センサ2401からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ2101からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、アウト口センサ3032からの検出信号、磁気センサ3005からの検出信号、振動センサ3005からの検出信号、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zからの信号(このRWMクリアボタン633zからの信号は、本ルーチンである主制御側タイマ割込処理においては、重要な信号ではないため、マスクして読み込みを省いてもよい。)、扉枠開放スイッチ4aからの検出信号、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号、設定キースイッチ1311aからの信号、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPUは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPUの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPUの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPUは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPUの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPUは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、図柄乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図113に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、図柄乱数は、当落判定(当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により当り判定用初期値決定乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図113に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPUは、球数計数処理を行う(ステップS107)。この球数計数処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、アウト口センサ3032からの検出信号が入力されて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008により回収された遊技球をアウト口センサ3032が検出した場合にはアウト口1008により回収された遊技球の球数の計数をカウントする回収球カウンタの値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行う。主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値を、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)として、主制御内蔵RAMの特定領域におけるアウト球計数専用領域に格納するとともに、ベースモニタ1310hに表示する点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、回収球カウンタの値が値10で割り切れる場合、つまり、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとに、その旨を伝える球回収コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶する。なお、主制御MPUは、演算結果である回収球カウンタの値が最大値(本実施形態では、値65535)に達して、さらに回収球カウンタの値に値1だけ加算(インクリメント)すると、回収球カウンタの値がオーバーフローして値0となり、この値0から加算する演算を行う。
ステップS107に続いて、主制御MPUは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口2005等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPUは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPUは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPUは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、第二始動口扉2411が開放状態でないにもかかわらず第二始動口2004に遊技球Bへの入球があったり、大入賞口扉2413が開放状態でないにもかかわらず大入賞口2005への遊技球Bの入球があったり等、賞球に関する異常状態の有無を確認する。また、本実施形態では、不正行為検出処理において賞球に関する異常状態が発生していると判断されたときには、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力することにより、遊技ホールの店員等の係員が賞球に関する異常状態を早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。なお、賞球に関する異常状態が発生していると判断されたときに出力されるセキュリティ信号は、後述する磁石ゴトが行われていると判断されたときに出力されるセキュリティ信号や、後述する振動ゴトが行われていると判断されたときに出力されるセキュリティ信号と同じ信号である。また、セキュリティ信号は、主制御MPUが払出制御基板633及びその払出制御基板633に接続されている外部端子板558を介して、遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して出力するようにしているが、主制御MPUがセキュリティ信号の出力を指示するコマンドを払出制御基板633に送信した後、払出制御MPUによって、その払出制御基板633に接続されている外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、セキュリティ信号を出力するようにしてもよい。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、磁気センサ2470からの検出信号が入力されているときには、磁石を用いた不正行為(以下、「磁石ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、磁石ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この磁石ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において磁石ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。磁石ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、磁石ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される磁石ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、本実施形態では、不正行為検出処理において磁石ゴトが行われていると判断されたときには、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力することにより、遊技ホールの店員等の係員が磁石ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、振動センサ3005からの検出信号が入力されているときには、振動による不正行為(以下、「振動ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、振動ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この振動ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において振動ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。振動ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、振動ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される振動ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。また、本実施形態では、不正行為検出処理において振動ゴトが行われていると判断されたときには、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力することにより、遊技ホールの店員等の係員が振動ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2403からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等の大入賞口異常入賞発生には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
なお、ステップS112の不正行為検出処理では、磁石ゴト及び/又は、振動ゴトを検出したときには、不正行為の検出として不正行為検出フラグFD-FLGに値1をセットする一方、磁石ゴト及び振動ゴトを検出していないときには、不正行為の未検出として不正行為検出フラグFD-FLGに値0をセットする。この不正行為検出フラグFD-FLGは、遊技バックアップ情報に含まれるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。また、大入賞口異常入賞発生を検出したときにも、不正行為の検出として、不正行為検出フラグFD-FLGに値1をセットするようにしてもよい。
ステップS112に続いて、主制御MPUは、発射許可信号設定処理を行う(ステップS113)。この発射許可信号設定処理では、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定する。具体的には、主制御MPUは、上述した不正行為検出フラグFD-FLGの値に基づいて、不正行為検出フラグFD-FLGが値0であるとき、つまり不正行為の未検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、不正行為検出フラグFD-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり不正行為の検出であると判定したときには発射許可信号の論理として発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、発射許可信号の論理は、初期値(デフォルト)として、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されるようにリセット機能付き主制御出力回路を含むハードウェアにより構成されているが、パチンコ機1が電源投入された後(復電した後)には、発射許可論理に設定されるようにしている。
ステップS113に続いて、主制御MPUは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を特別乱数としてセットする。そして特別乱数(つまり、主制御MPUに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、図柄乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに大当り種別や小当り種別に応じて予め記憶されている当り種別判定値のいずれと一致するか否かを判定(当り種別を決定)したりする。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ2101によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2402によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるようアタッカソレノイド2414への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、時短発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPUは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて普通入賞口入賞処理を行う。この普通入賞口入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2506からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出して普通入賞口入賞情報として主制御内蔵RAMの普通入賞口入賞情報記憶領域に記憶する。
この普通入賞口入賞情報記憶領域には、第0区画~第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順に普通入賞口入賞情報が格納されるようになっている。例えば普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画~第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2506からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには普通入賞口入賞情報を普通入賞口入賞情報記憶の第3区画に格納する。
普通入賞口入賞情報は普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。この普通入賞口入賞情報がセットされると、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第3区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画~第2区画に普通入賞口入賞情報が記憶されている場合には、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第0区画に、普通入賞口入賞情報記憶の第2区画の普通入賞口入賞情報が普通入賞口入賞情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされて普通入賞口入賞情報記憶の第2区画及び普通入賞口入賞情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、普通入賞口入賞情報記憶の第1区画~第3区画に普通入賞口入賞情報が格納されていると、格納された普通入賞口入賞情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器を点灯させるよう、上述した普通入賞口入賞情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
普通入賞口入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた普通入賞口入賞情報を読み出し、この読み出した普通入賞口入賞情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、可動片が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2412への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。なお、本例では普通抽選の当選確率(普通当りとなる確率)は2分の1となっている。
ステップS116に続いて、主制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPUの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPUは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行うアタッカソレノイド2414に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2412に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、小当り情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したり、発射許可論理又は発射停止論理(発射非許可論理)に設定された発射許可信号を払出制御基板633に出力したり、アウト口1008により回収された遊技球の球数の計数結果(総数)を表示するベースモニタ1310hに表示信号を出力したり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPUは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2403からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンド(例えば、主制御基板1310が遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)、及び特定履歴に区分される各種コマンド(例えば、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンド、設定値が設定変更された旨を伝える設定変更コマンド、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるエラー表示コマンド、主制御内蔵RAMの特定領域における後述する設定値専用領域に格納されている設定値を確認する旨を伝える設定値確認表示コマンド等)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPUの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が直流+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPUに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
なお、アウト口1008で回収される遊技球の球数が10球に達するごとにその旨を伝える球回収コマンドを周辺制御基板1510へ送信すると、周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、受信した球回収コマンドごとに、アウト口1008で回収される遊技球の球数を計数して、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報(計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた情報)を更新する。なお、球回収コマンドを受信できずに、遊技ホールの営業時間が終了してパチンコ機1が電源遮断されると、結果的に、最後に計数した値(つまりアウト口1008で回収される遊技球の球数の総数)と更新した日時とを対応付けた球回収情報が図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される。遊技ホールの営業を開始するときにパチンコ機1が電源投入されると、周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される球回収情報を、営業開始した日から再び球回収情報を作成するようになっており、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報が球回収履歴情報として記憶保持されるようになっている。なお、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに球回収情報として記憶保持される計数した値は、その日に値0(ゼロ)から計数した値を用いてもよいし、その日に値0(ゼロ)から計数した値とこれまでの計数した値の総和との両方を用いてもよい。
ステップS120に続いて、主制御MPUは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPUに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPUが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2412やアタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図112に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いて必ずクリアすることなる。これにより、図113に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[8-4.設定変更処理]
次に、設定変更処理について説明する。この設定変更処理は、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理である。
設定変更処理が開始されると、主制御MPUは、図115に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS200)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。この設定値を取得するときには、読み出してもよいし、取り出してもよいが、設定値を取り出す場合には、取り出した設定値を所定領域にセットする。
ステップS200に続いて、主制御MPUは、チェックサムの算出を行う(ステップS202)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものであり、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われるチェックサムの算出と同一の処理である。
ステップS202に続いて、主制御MPUは、算出したチェックサムの値(サム値)が図113に示した主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS204)。ステップS204において、主制御MPUは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS206)。ステップS204の判定、及びステップS206の判定は、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS30の判定、及びステップS32の判定とそれぞれ同一の判定である。バックアップフラグBK-FLGは、上述したように、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK-FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS200で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS208)。ここで、「正常範囲」とは、設定値が設定変更することができる値であり、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS208の判定へフローチャートがすすむことにより、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合となっているため、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)。そこで、ステップS208の判定において、主制御MPUは、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
一方、ステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定する(ステップS210)。なお、ステップS208の判定では、ステップS200で取得した、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定しているが、このステップS208の判定を行わずに、ステップS204の判定において、主制御MPUは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、ステップS210の処理にすすみ、ステップS200で取得した設定値に対して初期値である設定値1を設定するようにしてもよい。
ステップS206の判定において、主制御MPUは、バックアップフラグBK-FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、又はステップS208の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときには、又はステップS210に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1310zに点灯信号を出力して設定変更許可ランプ1310zを点灯する(ステップS212)。
ステップS212に続いて、主制御MPUは、設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS214)。
ステップS214に続いて、主制御MPUは、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS216)。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタンの機能として作動する。この判定は、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(設定値の選択切替信号)を読み取り、RWMクリアボタン633zからの設定値の設定変更信号からの検出信号が入力されているか否かを判定する。主制御MPUは、RWMクリアボタン633zからの設定値の選択切替信号が入力されているときにはRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定する一方、RWMクリアボタン633zからの設定値の選択切替信号が入力されていないときにはRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定する。
ステップS216の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、設定値に値1を加算する(インクリメントする)演算を行って更新する(ステップS218)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に値1を加算する(インクリメントする)こととなる。
ステップS218に続いて、主制御MPUは、ステップS216で更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して更新した設定値を表示する(ステップS220)。
ステップS220に続いて、又はステップS216の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS222)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作されてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS222の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する。ステップS216の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、ステップS218、そしてステップS220の処理を再び行い、ステップS222の判定を行い、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS216の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されると、操作されるごとに設定値が値1ずつ加算され更新されて設定表示器1310gに表示され、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されないと、直前にRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作され更新された設定値が設定表示器1310gに表示される。なお、ステップS222の判定で設定キーがOFF操作されたと判定されるまでに、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する直前に更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されないため、破棄され、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納される設定値が変更されない。
一方、ステップS222の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に更新した設定値を格納する(ステップS224)。このとき、ステップS200で設定値を取得するときにおいて、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取り出して所定領域にセットしている場合には、この所定領域にセットした設定値に対して更新されるため、この更新された設定値を、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域へ戻すこととなる。このステップS224の処理完了の後に、仮に停電や瞬停が発生して復電しても、停電や瞬停が発生する前に決定キーが操作されたときにおける更新した設定値が主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている。
ステップS224に続いて、主制御MPUは、更新した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対して更新した設定値を非表示とする(ステップS228)。
ステップS228に続いて、主制御MPUは、設定変更許可ランプ1310zへの点灯信号を停止して設定変更許可ランプ1310zを消灯する(ステップS230)。
ステップS230に続いて、主制御MPUは、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS232)。この設定キーONフラグCS-FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しない。
ステップS232に続いて、主制御MPUは、ステップS224で格納した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS233)。「正常範囲」とは、ステップS208の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS233の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS224で主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納した設定値が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはシリアル通信初期設定を行い(ステップS234)、続いて、設定変更コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS236)、続いて、ステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS238)、本ルーチンを終了する。ステップS234のシリアル通信初期設定は、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図114に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS234のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS236で設定した送信情報(設定変更コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値が設定変更された旨を設定変更コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定変更コマンドは、設定変更された設定値と設定値格納完了とを伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、設定変更コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持される設定値履歴情報(設定値と日時とを対応付けた情報)を更新する。
一方、ステップS233の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS240)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
[8-5.設定値確認表示処理]
次に、設定値確認表示処理について説明する。この設定値確認表示処理は、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理である。
設定値確認表示処理が開始されると、主制御MPUは、図116に示すように、現状の設置値を取得する(ステップS350)。ここでは、主制御MPUは、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を取得する。
ステップS350に続いて、主制御MPUは、ステップS350で取得した設定値が正常範囲であるか否かを判定する(ステップS352)。「正常範囲」とは、図131の設定変更処理におけるステップS208の判定、及びステップS233の判定のものと同一であり、上述したように、本実施形態では、設定値1、設定値2、設定値3、設定値4、設定値5、及び設定値6までの値に予め設定されている。ステップS357の判定において、主制御MPUは、設定値が異常な値となっていないか再確認するために、ステップS350で取得した設定値(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値)が正常範囲である設定値1~設定値6のうちいずれかの値となっているか否かを判定し、正常範囲であると判定したときにはその設定値をそのまま使用する。
ステップS352の判定において、主制御MPUは、正常範囲であると判定したときにはステップS350で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対して設定値を表示する(ステップS354)。
一方、ステップS352の判定において、主制御MPUは、正常範囲でないと判定したときにはエラー表示処理を行い(ステップS356)、無限ループに入る。この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となり、パチンコ機1の電源を遮断して、再び電源を投入することとなる。このエラー表示処理では、その詳細な説明を後述するが、主制御内蔵RAMの内容に異常があると判定した場合、又は、電源遮断時に主制御側電源断時処理が正常に終了していないと判定した場合には、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)として、その旨を伝えるエラー表示を行う。本実施形態では、主制御MPUがエラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するようになっている。
ステップS354に続いて、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定する(ステップS358)。この判定では、主制御MPUは、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から初期位置(つまり、設定キースイッチ1311aをOFFする設定キーシリンダの回転位置)へ戻すように設定キーシリンダ1311abが反時計方向へ向かって60度回転操作されてしてOFF操作することで設定キースイッチ1311aがOFFされ、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号に基づいて行い、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されているときには設定キーがOFF操作されたと判定する一方、設定キースイッチ1311aからのOFFの信号が入力されていないときには設定キーがOFF操作されていないと判定する。
ステップS358の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されていないと判定したときには、ステップS358の判定に再び戻り、設定キーがOFF操作されるまで、ステップS358の判定を繰り返し行う。
一方、ステップS358の判定において、主制御MPUは、設定キーがOFF操作されたと判定したときには、ステップS350で取得した設定値を設定表示器1310gに表示するための点灯信号の設定表示器1310gへの出力を停止して設定表示器1310gに対してその取得した設定値を非表示とする(ステップS360)。
ステップS360に続いて、主制御MPUは、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS361)。この設定キーONフラグCS-FLGは、上述したように、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)の設定変更や確認表示を行うことを許可するか否かを示すフラグであり、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可するとき値1、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS232の処理では、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットすることにより、これより以後、設定値の設定変更や確認表示を行うことを許可しない。
ステップS361に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS362)、続いて、設定値確認表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS364)、続いて、ステップS364で設定した送信情報(設定値確認表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS366)、本ルーチンを終了する。ステップS362のシリアル通信初期設定は、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と同一の処理であり、ステップS366の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図114に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。ここで、ステップS362のシリアル通信初期設では、ステップS44のシリアル通信初期設より先に行って、ステップS366の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS364で設定した送信情報(設定値確認表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信しているが、これは、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定される前に、優先して、設定値を確認完了した旨を設定値確認表示コマンドにより周辺制御基板1510へ伝えるためである。なお、設定値確認表示コマンドは、本ルーチンである設定値確認表示処理が終了された旨(つまり、主制御内蔵RAMの特定領域における設定値専用領域に格納されている設定値を確認完了した旨)を伝えるコマンドである。
[8-6.エラー表示処理]
次に、エラー表示処理について説明する。このエラー表示処理は、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理であり、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図115に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)であり、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理(図116に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理である。
エラー表示処理が開始されると、主制御MPUは、図117に示すように、発射許可信号の停止を行う(ステップS400)。発射許可信号は、上述したように、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝えるものであり、その論理が発射許可論理に設定されると、発射を許可する旨を伝えることができる一方、その論理が発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)に設定されると、発射を停止(非許可)する旨を伝えることができる。
本ルーチンであるエラー表示処理が図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図115に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)又は図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理(具体的には、図116に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS52の割り込み許可設定を行うことができないため、図114に示した主制御側タイマ割り込み処理を行うことができず、同処理におけるステップS113の発射許可信号設定処理を行うことができない。発射許可信号は、主制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力されるため、復電時において、リセット機能付き主制御出力回路がリセットされ、その論理は、発射許可論理を反転させた発射停止論理(発射非許可論理)となっている。
そこで、本ルーチンであるエラー表示処理が図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理の一処理(具体的には、図115に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)又は図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS28において行われる処理(具体的には、図116に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理)として開始されると、主制御MPUは、ステップS400において、復電してから本ルーチンであるエラー表示処理が開始された後においても、遊技球Bが発射されることを確実に防止するために、発射許可信号の論理を発射停止論理(発射非許可論理)に設定して、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路を介して払出制御基板633の発射制御部633bに出力する。
ステップS400に続いて、エラー表示として英字Eを設定表示器1310gに表示するための点灯信号を設定表示器1310gに出力して設定表示器1310gに対してエラー表示する(ステップS402)。
ステップS402に続いて、主制御MPUは、機能表示ユニット1400に対してエラー表示を行う(ステップS404)。このステップS404では、機能表示ユニット1400の各種表示器をすべて点灯するための点灯信号を機能表示ユニット1400に出力して、機能表示ユニット1400に対してエラー表示する。
ステップS404に続いて、主制御MPUは、シリアル通信初期設定を行い(ステップS406)、続いて、エラー表示コマンドを作成して送信情報を設定し(ステップS408)、続いて、ステップS406で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する周辺制御基板送信コマンド送信処理を行い(ステップS410)、本ルーチンを終了する。
ステップS406のシリアル通信初期設定は、図115に示した設定変更処理におけるステップS234のシリアル通信初期設定と、図116に示した設定値確認表示処理におけるステップS362のシリアル通信初期設定と、図113に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS44のシリアル通信初期設定と、同一の処理であり、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理は、図115に示した設定変更処理におけるステップS238の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図116に示した設定値確認表示処理におけるステップS366の周辺制御基板送信コマンド送信処理と、図114に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS120の周辺制御基板送信コマンド送信処理と同一の処理である。本ルーチンであるエラー表示処理が図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS33において行われる処理、図112に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS37において行われる処理(図115に示した設定変更処理におけるステップS240において行われる処理)、及び図116に示した設定値確認表示処理におけるステップS356において行われる処理としてそれぞれ開始されて終了すると、上述したように、無限ループに入り、この無限ループにより、エラー表示処理が終了した状態を維持することとなり、遊技を進行することが全くできない状態となる。
そこで、本実施形態では、ステップS406のシリアル通信初期設を行って、ステップS410の周辺制御基板送信コマンド送信処理においてステップS408で設定した送信情報(エラー表示コマンド)を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信している。
なお、エラー表示コマンドは、主制御内蔵RAMに格納されている内容に異常がある(又は信用することができないものである)旨を伝えるコマンドである。周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、エラー表示コマンドを受信すると、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMに記憶保持されるエラー表示履歴情報(エラー表示コマンドと受信した日時とを対応付けた情報)を更新する。
また、周辺制御基板1510における周辺制御MPUは、エラー表示コマンドを受信すると、演出表示装置1600の表示領域に、青色の背景画像に「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」という白色の文字のメッセージ画像を表示する制御を行うとともに、「RAMエラーが発生しました。係員をお呼びください。」というアナウンスを、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが回転操作されることにより調整された音量に依存されず、最大音量となるように強制的に設定して各種スピーカから流す制御を行う。エラー表示コマンドによるRAMエラー報知を行う処理は、優先順位が最も高い処理であり、周辺制御基板1510における周辺制御MPUが他のエラーを伝えるコマンドを受信した後にエラー表示コマンドを受信すると、RAMエラー報知を最優先で行う。
[9.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図147に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図118~図121を参照して説明する。図118は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図119は図118の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図120は図119に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図121は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[9-1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPUによる制御の下、図118~図120に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPUは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPUの割り込みの優先順位を設定するものである。本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPUは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPUの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPUは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310の停電監視回路から停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路から停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS512)。RWMクリアボタン633zは、上述したように、3つの機能を兼用する機能(RAMクリアスイッチ、設定切替ボタン、及びエラー解除スイッチ)を有し、ここでは、払出制御内蔵RAMの所定領域に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチの機能として作動する。この判定は、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行わないと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定する一方、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作された旨を伝える信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPUは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPUに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、払出制御MPUの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、払出制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPUは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPUは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPUは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK-FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK-FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPUに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPUは、払出RAMクリア報知フラグHRCL-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPUは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPUは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPUは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310の停電監視回路から入力される。ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT-FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT-FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPUは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPUの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器に表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器に表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPUは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPUの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RWMクリアボタン633zからの信号(例えば、RWMクリアボタン633zがエラー解除スイッチとして作動するときにはエラーLED表示器に表示されているエラーを解除した旨を伝えるためのエラー解除信号となる。)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPUは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPUは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPUは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置350による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPUは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置350による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR-FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置350による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置350による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPUの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPUは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPUは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPUは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPUは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPUは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器に表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPUは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT-FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT-FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT-FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539~ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539~ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPUの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPUは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPUは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPUは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPUは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPUは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPUは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK-FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPUは、払出バックアップフラグHBK-FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPUは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPUは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPUにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570~ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[9-2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図118~図120に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPUは、図121に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPUは、2ms経過フラグHT-FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT-FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPUは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPUは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[10.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図147に示した、主制御基板1310(主制御MPU)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図122~図126を参照して説明する。図122は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図123は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図124は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図125は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図126は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御MPUは、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[10-1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図122を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御MPUによる制御の下、図122に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御MPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御MPU自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御MPUは、まず周辺制御MPU自身を初期化する処理を行うが、周辺制御MPUを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPUを初期化することができる。これにより、周辺制御MPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御MPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、周辺制御MPUのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御MPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御MPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB-FLGは、周辺制御MPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御MPUのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB-FLGを一度初期化している。また周辺制御MPUは、このVブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御MPUは、このVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御MPUは、Vブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP-FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御MPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御MPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて回転操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御MPUのRAMに基づいて、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。具体的には、演出操作ユニット情報取得処理で音量が調節されていれば調節後の音量に応じて音生成用スケジュールデータを書き換え、輝度が調節されていれば調節後の輝度に応じて発光態様生成用スケジュールデータを書き換る。これにより、音量や輝度の調節がリアルタイムに反映されて調節後の音量や輝度で演出が進行するようになる。
なお、周辺制御MPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御MPUのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を操作すると、第1輝度指定値~第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値~第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が回転操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調整を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
ステップS1014に続いて、周辺制御MPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御MPUのVDPが周辺制御MPUからの指示に基づいてSDRAMから画像データを読み出して周辺制御MPUのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御MPUのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による各種スピーカから各種演出に合わせた音楽や効果音等の演出音による演出を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、周辺制御MPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御MPUの音源が周辺制御MPUからの指示に基づいてSDRAMから音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御MPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御MPUのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御MPUのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の演出音の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御MPUの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御MPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行うとともに、演出の各種設定に用いられる乱数(例えば保留先読み関連の演出に用いられる乱数)の更新を行う。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御MPUのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御MPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。
なお、周辺制御MPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御MPUは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを周辺制御ROMから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御MPUのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御MPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0~4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、特別図柄の変動表示に同期して演出表示装置1600において装飾図柄の変動表示等の変動演出の開始を指示するための変動パターンコマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御MPUのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。また、周辺制御基板1510は受信したコマンドに基づいて予告等に関する抽選処理を実行し、該抽選結果に基づいて画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。これにより周辺制御基板1510の抽選結果に応じた演出が実行されるようになる。
なお、周辺制御ROMには、周辺制御部1511、演出表示制御部1511等を制御する各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ、及び各種スケジュールデータが予め記憶されている。各種スケジュールデータには、演出表示装置1600に描画する画面を生成する画面生成用スケジュールデータ、各種LEDの発光態様を生成する発光態様生成用スケジュールデータ、音楽や効果音等の演出音を生成する音生成用スケジュールデータ、及びモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動態様を生成する電気的駆動源スケジュールデータ等がある。画面生成用スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、演出表示装置1600に描画する画面の順序が規定されている。発光態様生成用スケジュールデータは、各種LEDの発光態様を規定する発光態様データが時系列に配列されて構成されている。音生成用スケジュールデータは、音指令データが時系列に配列されて構成されており、音楽や効果音が流れる順番が規定されている。この音指令データには、周辺制御MPUの内蔵音源における複数の出力チャンネルのうち、どの出力チャンネルを使用するのかを指示するための出力チャンネル番号と、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックのうち、どのトラックに音楽及び効果音等の音データを組み込むのかを指示するためのトラック番号と、が規定されている。電気的駆動源スケジュールデータは、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データが時系列に配列されて構成されており、モータやソレノイド等の電気的駆動源の動作が規定されている。
ステップS1022に続いて、周辺制御MPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御MPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御MPUのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御MPUのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御MPUのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御MPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのVDPに出力する。
周辺制御MPUのVDPは、周辺制御MPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAMから画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御MPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、周辺制御ROMから読み出して(抽出して)周辺制御MPUのRAMにセットする。周辺制御MPUの音源は、周辺制御MPUから音指令データが入力されると、SDRAMから音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチの回転位置を特定している。周辺制御MPUは、音量調整スイッチの回転位置と対応する音量となるように、周辺制御MPUの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
具体的には、音量調整スイッチを回動操作することにより抵抗値が可変し、音量スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を、アナログ値からデジタル値に変換して、値0~値1023までの1024段階の値に変換している。本実施形態では、1024段階の値を7つに分割して基板ボリューム0~6として管理している。基板ボリューム0では消音、基板ボリューム6では最大音量に設定されており、基板ボリューム0から基板ボリューム6に向かって音量が大きくなるようにそれぞれ設定されている。基板ボリューム0~6に設定された音量となるように周辺制御MPUの音源を制御して各種スピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。このように、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整により各種スピーカから音楽や効果音が流れるようになっている。
なお、音指令データには、音データを組み込むトラックの音量を調節するためのサブボリューム値も含まれており、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックには、音楽や効果音等の演出音の音データとその音量を調節するサブボリューム値のほかに、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するための報知音の音データとその音量を調節するサブボリューム値が組み込まれる。
具体的には、演出音に対しては、上述した、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として設定され、報知音に対しては、音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量がサブボリューム値として設定されるようになっている。演出音のサブボリューム値は、電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで調節することができるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では電源投入後の所定期間(具体的には周辺制御部が初期設定処理(ステップS1000)及び現在時刻設定処理(ステップS1002)を終了するまでの期間)や特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)において特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を開始又は停止するときの一定期間(この例では周辺制御部にて変動パターンコマンドを受信してから装飾図柄の変動表示開始後に0.5秒経過するまでや、周辺制御部にて停止表示コマンドを受信してから装飾図柄の確定表示後に0.5秒経過するまで)を除き、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで、音データ作成処理において音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧を基板ボリューム0~6の7段階の値に変換し、さらに音量調整スイッチの回転位置における抵抗値により分圧された電圧に対して、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303の操作に応じて所定値を加算又は減算することによって、基板ボリュームの値を増やしたり、又は減らしたりして基板ボリュームを設定することで演出音のサブボリューム値を調節できるようになっている。
また、音指定データには、出力するチャンネルの音量を調節するためのマスターボリューム値も含まれており、周辺制御MPUの内蔵音源における複数の出力チャンネルには、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値と、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、各種スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力するようになっている。
本実施形態では、マスターボリューム値は一定値に設定されており、合成した演出音の音量が最大音量であるときに、マスターボリューム値まで増幅されることにより、各種スピーカから流れる音量が許容最大音量となるように設定されている。具体的には、演出音に対しては、周辺制御MPUの内蔵音源における複数のトラックのうち、使用するトラックに組み込まれた演出音の音データと、使用するトラックに組み込まれた演出音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームと、を合成して、この合成した演出音の音量を、実際に、各種スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音をシリアル化してオーディオデータとして出力し、報知音に対しては、使用するトラックに組み込まれた報知音の音データと、使用するトラックに組み込まれた報知音の音量を調節するサブボリューム値として設定された音量調整スイッチの回動操作に基づく音量調整に全く依存されず最大音量と、を合成して、この合成した報知音の音量を、実際に、各種スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。
ここで、演出音が各種スピーカから流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音を流す制御について簡単に説明すると、まず演出音が組み込まれているトラックのサブボリューム値を強制的に消音に設定し、この演出音が組み込まれたトラックの音データと、その消音に設定したサブボリューム値と、報知音が組み込まれたトラックの音データと、報知音の音量が最大音量に設定されたサブボリューム値と、を合成し、この合成した演出音の音量と報知音の音量とを、実際に、各種スピーカから流れる音量となるマスターボリューム値まで増幅し、この増幅した演出音及び報知音をシリアル化してオーディオデータとして出力する。つまり、実際に、各種スピーカから流れる音は、最大音量の報知音だけが流れることとなる。このとき、演出音は消音となっているため、各種スピーカから流れないものの、演出音は、上述した音生成用スケジュールデータに従って進行している。
本実施形態では、報知音は所定期間(例えば、90秒)だけ各種スピーカから流れるようになっており、この所定期間経過すると、これまで消音に強制的に設定された音生成用スケジュールデータに従って進行している演出音の音量が、音量調整スイッチが回動操作されて調節された基板ボリュームがサブボリューム値として再び設定され(このとき、演出操作ユニット300の回転操作部302や押圧操作部303を操作することで演出音の音量が調節されている場合には、その調節された演出音のサブボリューム値に設定され)、各種スピーカから流れるようになっている。
このように、演出音が各種スピーカから流れている場合に、パチンコ機1の不具合の発生やパチンコ機1に対する不正行為をホールの店員等に報知するため報知音が流れるときには、演出音の音量が消音になって報知音が各種スピーカから流れるものの、この消音となった演出音は、音生成用スケジュールデータに従って進行しているため、報知音が所定期間経過して各種スピーカから流れなくなると、演出音は、報知音が流れ始めたところから再び流れ始めるのではなく、報知音が流れ始めて所定期間経過した時点まで音生成用スケジュールデータに従って進行したところから再び流れ始めるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチの回転操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御MPUが周辺制御MPUの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチを回転操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。
ステップS1032に続いて、周辺制御MPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶されている内容を周辺制御MPUのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御MPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御MPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であると判定されると、ステップS1008~ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であると判定されると、ステップS1008~ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008~ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB-FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、上述したように、周辺制御MPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御MPUのVDPから周辺制御MPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[10-2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御MPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御MPUのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御MPUは、図123に示すように、定常処理中フラグSP-FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP-FLGは、上述したように、図122の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008~ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御MPUは、定常処理中フラグSP-FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御MPUは、定常処理中フラグSP-FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB-FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP-FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB-FLGに値1をセットすると、図122の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図122の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP-FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図122の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP-FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP-FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図122の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図122の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[10-3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図122の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御MPUは、図124に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図122の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御MPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御MPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図122の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御MPUのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御MPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御MPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御MPUのRAMにセットする。周辺制御MPUは、周辺制御MPUのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御MPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御MPUのRAMにセットする。周辺制御MPUのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。本実施形態のパチンコ機1では、演出操作部301を操作することにより、各種スピーカから出力される演出音の音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LEDの輝度を調節したりすることができるようになっている。
ステップS1108に続いて、周辺制御MPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶されている内容を周辺制御MPUのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAMに記憶されている内容をSDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御MPUのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御MPUのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104~ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図122の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014~ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御MPUが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[10-4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御MPUは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御MPUのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御MPUは、図125に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御MPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御MPUのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御MPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御MPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電気放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御MPUは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御MPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御MPUのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御MPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御MPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[10-5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310の停電監視回路からの停電予告信号が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御MPUは、図126に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御MPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御MPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御MPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御MPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御MPUが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御MPUのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御MPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御MPUのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御MPUのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御MPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御MPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御MPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御MPUにリセットがかからない。なお、周辺制御MPUにリセットがかかると、図122に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御MPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御MPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[11.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU)で実行される制御処理の例について説明する。図127は、上記特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS13)、同図127に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPUはまず、上記第一始動口センサ2101による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS2031)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS2032)。また、上記第二始動口センサ2402による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS2033)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS2034)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS2035)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS2039)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「15R大当りA」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2005を開閉制御し、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御し、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目に有効状態に設定する処理を実行する。また、「15R大当りB」を示唆する態様となったときに、15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2005を開閉制御し、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御し、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目に有効状態に設定する処理を実行する。
ここで、「有効状態」及び「無効状態」について説明する。先ず、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として、「有効状態」を有している。ここで、「有効状態」は、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目において、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容される(有効化される)状態である。よって、「有効状態」で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることによって、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることととなる。また、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがない状態として、「有効状態」とは異なる「無効状態」を有している。ここで、「無効状態」は、第一受入口2007に遊技球Bを振り分ける1~14ラウンド目など、原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがない状態であり、仮に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたとしても大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することが許容されない(無効化される)状態である。よって、「無効状態」で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられても、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御されることはない。また、「無効状態」は、不正行為などの異常が発生することにより第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合において、そのような異常発生に関する情報をホール管理側に通知可能とするため、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かについて監視される期間とされている。なお、本実施形態では、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることを可能とする所定のラウンド(15ラウンド目)には「有効状態」に設定するようにし、第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたときには必ず、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御するようにしている。また、第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることがない所定のラウンド(1~14ラウンド目)には「無効状態」に設定しているが、「有効状態」に設定してもよい。このように大当り遊技状態中の全てのラウンドで「有効状態」に設定したとしても、1~14ラウンド目には原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがないため、1~14ラウンド目に「無効状態」に設定する場合と同じく、「有効状態」に設定した15ラウンド目に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるか否かが重要となっている。
また、大当り制御処理(ステップS2041)では、大入賞口2005の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグである。大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態の実行中において、大入賞口2005を開放する1~15ラウンド目のうち第二受入口2008に遊技球Bを振り分けることが可能な15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御することから高確率フラグがセットされるが、その15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御しないことから高確率フラグがセットされない。そして、高確率フラグがセットされた場合には、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図138に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理で高確率フラグがリセットされる。
また、時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図138に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態、低確率時短状態)に制御する大当り(15R大当りA、15R大当りB)に基づいた大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる、そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図138に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS2036)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS2037)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS2036)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS2038)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図128は、上記第一始動口通過処理(ステップS2032)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2031の処理において、上記第一始動口センサ2101がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図128に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2041の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS2042)。このステップS2042の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2043~S2045の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2043の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2044の処理として、上記ステップS2041で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2041で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS2045)、処理を終了する。
一方、上記ステップS2042の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2043~ステップS2045の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0~4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第一保留数指定コマンド0~4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図129は、上記演出事前判定処理(ステップS2045)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPUは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS2041で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS2061)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS2045で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS2062)。
そして、上記特別図柄コマンド制御処理(ステップS16)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御MPUは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御MPUのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1~4の記憶領域を有しており、周辺制御MPUは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2~4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図130は、上記第二始動口通過処理(ステップS2034)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2033の処理において、上記第二始動口センサ2402がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図130に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2051の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS2052)。このステップS2052の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2053~S2054の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2053の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2054の処理として、上記ステップS2051で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
一方、上記ステップS2052の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2053~ステップS2054の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記記憶処理(ステップS20)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0~1)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御MPUは第二保留数指定コマンド0~4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図131は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS2037)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2037で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2038で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2037で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPUのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS2080)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS2081)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS2082)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS2083)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS2084)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上述のステップS40の処理(図112参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS2080)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図132は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS2080)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図132に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2101の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2102の処理として、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS2103及びS2104の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First-In First-Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1~4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2~4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS2105の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS2081)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS2106)、この処理を終了する。
図133は、上記大当り判定処理(ステップS2105)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態、高確率非時短状態)であれば(ステップS2111)、図134(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS2112)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS2111)、図134(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS2113)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS2114)。
図134(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、低確率時の大当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、それ以外の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2038で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に、設定値1である場合に1/319、設定値2である場合に1/309、設定値3である場合に1/299、設定値4である場合に1/289、設定値5である場合に1/279、設定値6である場合に1/269の大当り確率で第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、それ以外の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
また、高確率時の大当り判定テーブルでは、設定値1である場合に1/31.9、設定値2である場合に1/30.9、設定値3である場合に1/29.9、設定値4である場合に1/28.9、設定値5である場合に1/27.9、設定値6である場合に1/26.9の大当り確率で第一特別乱数(低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む。)が大当り判定値と一致し、それ以外の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態)では、設定値ごとに、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態)及び時短状態(低確率時短状態))の10倍に高められる。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS2038で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に、設定値1である場合に1/31.9、設定値2である場合に1/30.9、設定値3である場合に1/29.9、設定値4である場合に1/28.9、設定値5である場合に1/27.9、設定値6である場合に1/26.9の大当り確率で第二特別乱数(低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む。)が大当り判定値と一致し、それ以外の第二特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS2115)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS2116)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS2102で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS2117)。そして、リーチ判定テーブルとステップS2102で読み出したリーチ乱数との比較の結果、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS2118)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS2119)。
図135は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS2081)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図135に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS2105)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS2121)を判別することにより行う。
主制御MPUは、ステップS2121で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した第一図柄乱数と図134(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS2122)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS2123)。一方、ステップS2121で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS2124)。
図134(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(15R大当りA、15R大当りB)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPUでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.15R大当り遊技状態Aに応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、15ラウンド目で大入賞口2005を短時間開放(遊技球Bが入球困難な開放。例えば、0.5秒)及び長時間開放(遊技球Bが入球可能(容易)な開放。例えば、20秒)するときに有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りA
2.15R大当り遊技状態Bに応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、15ラウンド目で大入賞口2005を短時間開放(遊技球Bが入球困難な開放。例えば、0.5秒)するときに有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定し、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで高確率時短状態に制御する一方、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった場合には、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態に制御する15R大当りB、の2種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例の15R大当り遊技状態Aでは、15ラウンド目における大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)し、ラウンド内インターバル時間として所定時間(4.5秒)が経過した後に大入賞口2005を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、15ラウンド目における振分片2415の動作スケジュールとして、大入賞口2005の短時間開放(0.5秒)を開始するときには、振分片2415の短時間作動(0.2秒)を開始し、大入賞口2005の長時間開放(20秒)を開始するときには、振分片2415の長時間作動(10秒)を開始し、それら振分片2415の作動期間中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れ可能となるように設定されている。また、15ラウンド目における第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
一方、本例の15R大当り遊技状態Bでは、15ラウンド目における大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)するように設定されている。また、15ラウンド目における振分片2415の動作スケジュールとして、大入賞口2005の短時間開放(0.5秒)を開始するときには、振分片2415の短時間作動(0.2秒)を開始し、その振分片2415の作動期間中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れ可能となるように設定されている。また、15ラウンド目における第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されている。
上記したように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも15ラウンド目に有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定されているが、15R大当り遊技状態Aでは、15ラウンド目における大入賞口2005の2回目の開放時に長時間開放(20秒)するため、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられることが極めて容易であり、さらに大入賞口2005を長時間開放(20秒)する期間中に振分片2415を長時間作動(10秒)するため、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bが第二受入口2008に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて容易となっている。このように、15R大当り遊技状態Aでは、有効状態に設定された15ラウンド目で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が極めて高いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて高くなっている。一方、15R大当り遊技状態Bでは、15ラウンド目に大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)しかしないため、大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられることが極めて困難であり、さらに大入賞口2005を短時間開放(0.5秒)する期間中に振分片2415を短時間作動(0.2秒)しかしないため、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bが第二受入口2008に振り分けられる(受け入れられる)ことが極めて困難となっている。このように、15R大当り遊技状態Bでは、有効状態に設定された15ラウンド目で第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が極めて低いため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率も極めて低くなっている。
また、振分片2415の動作スケジュールとしては、振分片2415を短時間作動(0.2秒)し、所定時間(4.8秒)が経過した後に振分片2415を長時間開放(10秒)するように設定されている単一の動作スケジュールを有しており、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bにおける15ラウンド目を開始するときに、そのような振分片2415の動作スケジュールを開始するようにしている。このように、振分片2415の動作スケジュールを単一の動作スケジュールとすることで、振分片2415の動作スケジュールに関するデータ量を極力増加させないようにしている。
なお、本例の15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bでは、1~14ラウンド目の各々のラウンドにおける大入賞口2005の動作スケジュールとして、大入賞口2005を長時間開放(20秒)するように設定されている。また、1~14ラウンド目の各々のラウンドにおける振分片2415の動作スケジュールとして、振分片2415を作動させず、その期間中に第二受入口2008ではなく第一受入口2007に遊技球Bが受け入れられるように設定されている。また、1~14ラウンド目の各々のラウンドにおける第二受入口2008の状態設定スケジュールとして、無効状態(原則として第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることがなく、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御しないこととなる状態)に設定されている。このように、15R大当り遊技状態A及び15R大当り遊技状態Bのいずれも1~14ラウンド目では、15ラウンド目のような大入賞口2005の開放時に第二受入口2008に遊技球Bが振り分けられる(受け入れられる)かどうかの遊技を行うことがなく、単純に、大入賞口2005の開放時に遊技球Bが受け入れられるかどうかの遊技を行うようになっている。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図134(B)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りA(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が高く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が高い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りB(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられる確率が低く、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御する確率が低い大当り)に対して50個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、15R大当りA及び15R大当りBのうち、遊技者に比較的有利な15R大当りAに対して65個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に比較的不利な15R大当りBに対して35個の判定値の振分けが設定されている。このように、第一特別図柄側の大当り時には、遊技者の有利度合いが異なる15R大当りA又は15R大当りBのいずれかを決定することから、初大当り時にどのような大当りの種類が決定されるかに注目させることができる。また、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態では、第二特別図柄側の遊技(第二始動口2004への遊技球Bの入球を可能とする遊技)が行われるが、第二特別図柄側の大当り時には、第一特別図柄側の大当り時よりも高い確率で15R大当り遊技Aに決定することから、連荘時にどの程度の賞球量を獲得することができるかに注目させることができる。したがって、初大当り時と連荘時とでゲーム性が変化するため、遊技が単調とはならない。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定し、15R大当りBに決定した場合には大当り図柄として15R大当りB図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、15R大当りAに決定した場合には大当り図柄として15R大当りA図柄に決定する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS2125の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS2126の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS2082)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御MPUは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように演出表示装置1600を表示制御する。
具体的には、周辺制御MPUは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから第一特別図柄に関連した大当りのうち15R大当りAを特定した場合には15R大当りA図柄(同一の装飾図柄の組合せ)に決定し、15R大当りBを特定した場合には15R大当りB図柄(15R大当りA図柄と共通)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が15R大当りA図柄または15R大当りB図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができるが、15R大当りA図柄及び15R大当りB図柄として共通の図柄を用いているため、15R大当りAまたは15R大当りBのいずれかを判別することができない。
また、周辺制御MPUは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
図136は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS2082)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図136に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS2141)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS2123で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS2142)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS2143)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS2144)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS2145)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS2146)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS2147)。また、主制御MPUは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS2148)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPUは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS2102で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS2149の処理として、上記第一特別図柄変動処理(ステップS2083)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図137は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS2083)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図137に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2171の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS2082)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS2172)、次にステップS2173の処理に移行する。すなわち、このステップS2173の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS2084)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図138は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS2084)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図138に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2181の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS2182)。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記時短フラグがセットされているとともに、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する(ステップS2183)。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS2184)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS2185)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短フラグをリセットし、さらに上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットする(ステップS2186)。なお、上記ステップS2183の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS2185の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS2187の処理に移行する。
また、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS2187)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS2189)、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS2190)。そして次に、上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットし、上記時短フラグがセットされている場合には該時短フラグをリセットし、さらに時短回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合には同カウンタ値をリセット(「0」に戻す)した後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし(ステップS2191)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS2192)、この処理を終了する。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類(15R大当りA、15R大当りB)に応じて個々に用意されている。ステップS2189では、大当りの種類に応じた大当り開始コマンド(15R大当りA開始コマンド、15R大当りB開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図139は、上記大当り制御処理(ステップS2039)についてその手順を示すフローチャートである。
上記ステップS2189では、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間をインターバルタイマにセットしているが、ステップS2401の処理において、このインターバルタイマにセットされた待機時間を経過した後には、同図139に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、大入賞口2005を開閉制御するとともに、15ラウンド目に有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定する大入賞口開閉処理(ステップS2402)と、15ラウンド目に大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けることが可能となるように振分片2415を駆動制御するとともに、15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かを監視する第二受入口開閉処理(ステップS2403)と、を順に実行する。
図140は、上記大入賞口開閉処理(ステップS2402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2411の処理において、上記大入賞口2005が開放状態にあると判断されるとすると、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の動作スケジュールに従って、上記大入賞口2005の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに20秒、短時間開放のときに0.5秒)が経過したとき(ステップS2412)、あるいは、開放状態の上記大入賞口2005に遊技球Bが最大入賞数(例えば、9個)入賞したときには(ステップS2413)、開放状態の上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御する(ステップS2414)。そして、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンドを終了すると判断された場合には(ステップS2415)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットし(ステップS2416)、ステップS2428に移行する。
また、ステップS2411の処理において、上記大入賞口2005が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の動作スケジュールに従って、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングになったときに(ステップS2417)、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始すると判断された場合には(ステップS2418)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び新たなラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする(ステップS2419)。そして、上記第二受入口2008の状態設定スケジュールに従って、有効状態フラグをセットするタイミングであると判断された場合、すなわち、上記大入賞口2005を開放する1~15ラウンド目のうち15ラウンド目の開始時である場合には(ステップS2420)、有効状態フラグをセットする(ステップS2421)。なお、ステップS2420で15ラウンド目の開始時に有効状態フラグがセットされた場合には、15ラウンド目の終了時において、その有効状態フラグをリセットする必要がある。そして、閉鎖状態の上記大入賞口2005又は上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS2422)、ステップS2428に移行する。なお、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始することにならない(同じラウンド内における2回目の開放など)と判断された場合(ステップS2418)、あるいは、有効状態フラグをセットするタイミングではないと判断された場合(15ラウンド目の開始時ではない場合)には(ステップS2420)、閉鎖状態の上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS2422)、ステップS2428に移行する。これにより、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
なお、有効状態フラグは、有効状態(第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられることにより大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することとなる状態)に設定された状態であることを示すフラグである。上記大入賞口2005を開放する1~15ラウンド目のうち15ラウンド目では、後述する第二受入口開閉処理(ステップS2403)で大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007または第二受入口2008のいずれかに振り分ける振分片2415を駆動制御することにより第二受入口2008に遊技球Bを受け入れ可能にするとともに、有効状態に設定するようにしている。
また、ステップS2428の処理において、上記大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大入賞口入球コマンドをセットし(ステップS2429)、この処理を終了する。これにより、大入賞口入球コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記大入賞口2005への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
また、ステップS2417の処理において、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図140に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の開放状態と閉鎖状態とを繰り返すことにより全てのラウンド数を終了したときに(ステップS2423)、大当り実行中フラグをリセットする(ステップS2424)。そして、後述する第二受入口通過フラグがセットされていると判断された場合には(ステップS2425)、高確率フラグをセットし(ステップS2426)、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS2427)、この処理を終了する。なお、第二受入口通過フラグがセットされていないと判断された場合には(ステップS2425)、高確率フラグをセットすることがなく、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、100回)をセットした時点で(ステップS2427)、この処理を終了する。このように、第二受入口通過フラグがセットされている(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられた)と判断された場合には、高確率フラグ及び時短フラグをセットし、高確率時短状態に制御するが、第二受入口通過フラグがセットされていない(15ラウンド目での有効状態中に第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられなかった)と判断された場合には、時短フラグのみをセットし、低確率時短状態に制御するようになる。
図141は、上記第二受入口開閉処理(ステップS2403)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2431の処理において、上記第二受入口2008が開放状態(振分片2415により第二受入口2008側に遊技球Bが振り分けられる状態)にあると判断されるとすると、同図141に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記振分片2415の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2008の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに10秒、短時間開放のときに0.2秒)が経過したとき(ステップS2432)、あるいは、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンド(15ラウンド目)を終了するときには(ステップS2433)、開放状態の上記第二受入口2008を閉鎖状態(振分片2415により第一受入口2007側に遊技球Bが振り分けられる状態)に制御する(ステップS2434)。
また、ステップS2431の処理において、上記第二受入口2008が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図141に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記振分片2415の動作スケジュールに従って、上記第二受入口2008を開放状態とするタイミングになったときには(ステップS2435)、閉鎖状態の上記第二受入口2008を開放状態に制御する(ステップS2436)。
次に、ステップS2437の処理において、開放状態の上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図141に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、有効状態フラグのセット中で、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたか否かを判断する(ステップS2438)。そして、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたと判断された場合には(ステップS2438)、その15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられたことを示す第二受入口通過フラグがセットされていない場合に(ステップS2439)該第二受入口通過フラグをセットし(ステップS2440)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして第二受入口通過コマンドをセットした時点で(ステップS2441)、この処理を終了する。このように、15ラウンド目での有効状態中に上記第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられない限りは、第二受入口通過フラグがセットされることがなく、ステップS2426で高確率フラグがセットされないため、大当り遊技状態の終了後に高確率状態に制御することがない。また、第二受入口通過コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記第二受入口2008への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
図142は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2801の処理において、上記ゲートセンサ2506による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図142に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄及び普通電動役物制御処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPUのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS2803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS2804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS2805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS2806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS2807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上述のステップS40の処理(図112参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS2803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図143は、上記ゲート部通過処理(ステップS2802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS2801の処理において、上記ゲートセンサ2506による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図143に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、ステップS2811の処理として、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPUのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS2812)。このステップS2812の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2813~S2814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2813の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2814の処理として、上記ステップS2811で取得された各乱数を、上記主制御MPUのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS2812の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2813~ステップS2814の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図144は、上記普通図柄通常処理(ステップS2803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図144に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、まず、ステップS2821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2822の処理として、上記主制御MPUのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS2823及びS2824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPUのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First-In First-Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1~4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1~3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1~3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2~4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN-1番目(N=2~4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPUは、現在の遊技状態が時短状態(低確率時短状態、高確率時短状態)であれば(ステップS2826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態)であれば(ステップS2825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS2828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPUのROMに記憶され、遊技状態が時短時(低確率時短状態、高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上記第二始動口扉2411が回動して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御することがない。
上記主制御基板1310の主制御MPUは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS2829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS2830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS2831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS2832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS2804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS2833)、この処理を終了する。
本例では、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を251/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなるとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を極端に短い所定時間(例えば、0.3秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004を極端に長い所定時間(例えば、5.5秒)の間、開状態として閉鎖する開閉パターンで制御している。つまり、上記時短状態の制御中には、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bを入賞させることを格段に容易とし、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができる。なお、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を0/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなることがなく、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができない。
上記したように、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができないため、上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の左側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「左打ち」)しなければならない。また、上記センター役物2500の左側の遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bがその障害釘Nに当接することで、遊技球Bに様々な動きが付与されて流下するようになっている。このため、上記第一始動口2002を狙って上記センター役物2500の左側に遊技球Bを打ち込んだとしても、上記第一始動口2002に入賞するとは限らず、上記第一始動口2002に入賞しなかった遊技球Bは、遊技領域5aの左右方向中央下端に設けられたアウト口1008から外部に排出される。
一方、上記時短状態の制御中には、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができるため、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の右側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「右打ち」)しなければならない。また、遊技盤5の構造上、上記第二始動口2004を開放したときに、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むと、上記ゲート部2003を通過した遊技球Bが、上記第二始動口2004に極めて高い確率で入賞するようになっている。このため、上記時短状態の制御中では、上記センター役物2500の右側に打ち込んだ遊技球Bが無駄となる(アウト口1008から外部に排出される)ことが殆どなく、上記非時短状態の制御中における上記第一始動口2002と比べて、遊技球Bが極めて効率良く上記第二始動口2004に入賞するようになる。
また、上記時短状態の制御中には、遊技盤5の構造に加え、上記ゲート部2003を通過したときに、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開放状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞しやすく、さらに、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞したときに、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間を1秒程度とし、上記非時短状態の制御中における10~120秒の範囲と比べて極めて短くなるため、短時間で上記特別図柄の変動表示制御(上記特別図柄の変動表示制御の保留)を消化することができる。すなわち、大当り遊技状態の終了後に上記時短状態に制御した場合には、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むことで、短時間で再び大当りとなって大当り遊技状態に制御し、多くの遊技球Bの獲得を期待することができる。なお、上記したように本実施形態では、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞により払出される遊技球Bの数を、1個としているので、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞が頻繁に起きたとしても、遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[12.電源投入時におけるパチンコ機の挙動]
本実施形態では、パチンコ機1の機能として、設定値の設定変更を行う機能や、設定値の確認表示を行う機能が搭載されている。具体的には、上述したステップS37の設定変更処理の実行によって、設定値の設定変更が行われることを可能とし、上述したステップS28の設定値確認表示処理の実行によって、設定値の確認表示が行われることを可能にしている。このような設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時において、電源スイッチ630aを操作する他に、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部及び設定キースイッチ1311aを操作する必要があり、設定値の確認表示を行う場合には、パチンコ機1の電源投入時において、電源スイッチ630aを操作する他に、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなく設定キースイッチ1311aを操作する必要がある。なお、RWMクリアボタン633zは、上述したように、RAMクリアスイッチの機能、設定切替ボタンの機能、及びエラー解除スイッチの機能を兼用している。
まず、パチンコ機1の電源投入時におけるパチンコ機1の挙動について、図145を参照して説明する。図145(A)は、パチンコ機1の電源投入時に主制御内蔵RAMの初期化を行う場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートであり、図145(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更を行う場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートであり、図145(C)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示を行う場合におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。
図145に示すように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、図112に示した主制御側電源投入時処理を開始する。つまり、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行い(ステップS10)、続いて停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。上述したように、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点では、ステップS12に続いて、主制御MPUは、RAMクリアスイッチの機能として作動するRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。そして、ステップS16A又はステップS16Bに続いて、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。つまり、タイミングtxの時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定するとともに、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、それらの判定結果を操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。なお、タイミングt3からタイミングtxまでの期間については、極めて短時間であるため、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作する者は、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う必要があり、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、設定キースイッチ1311aをON操作したのちにパチンコ機1の電源投入を行う必要がある。
タイミングtxで操作情報が記憶された後には、ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。
主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングtyの時点では、ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定し(ステップS24)、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、設定キーONフラグCS-FLGの値がいずれの組み合わせであるのかを判定する(ステップS25~S27)。ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値変更許可条件が成立することによって、設定変更処理(ステップS37)を行う。また、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行う。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値表示許可条件が成立することによって、設定値確認表示処理(ステップS28)を行う。つまり、タイミングtxの時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定するとともに、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、それらの判定結果を操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶しているが、その後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyが到来するまでの間、操作情報の記憶を維持することとしている。そして、タイミングtyの時点では、その操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定することとしている。
図145(A)に示すように、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がある一方、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がない。このように、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、設定キースイッチ1311aがON操作されていない場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うことを決定し、タイミングtyの時点から、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うこととしている。
なお、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要があるが、タイミングtyの時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報が維持されるため、タイミングtyが到来する前であっても、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能になっている。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングtyの時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングtyから主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図145(B)に示すように、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要があり、且つ、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定変更処理(ステップS37)を行うことを決定し、タイミングtyの時点から、設定変更処理(ステップS37)を行うこととしている。また、タイミングtyで設定変更処理(ステップS37)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定変更処理(ステップS37)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要があり、且つ、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtyの時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がなく、同様に、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報が維持されるため、タイミングtyが到来する前であっても、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能であり、同様に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にすることが可能になっている。ただし、タイミングtyが到来する前に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、タイミングtyで設定変更処理(ステップS37)を開始した後に、再び設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にし、さらに設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にする必要がある。これは、設定変更処理のステップS222の判定において、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定しているが、この判定では、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にしたときに、設定キースイッチ1311aからOFFの信号を入力するようになっているためである。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングtyの時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングtyから設定変更処理(ステップS37)後に主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。また、本例では、タイミングtxの時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定変更処理(ステップS37)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングtyから設定変更処理(ステップS37)後に主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図145(C)に示すように、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がない一方、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていない場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットし、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うことを決定し、タイミングtyの時点から、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うこととしている。また、タイミングtyで設定値確認表示処理(ステップS28)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定値確認表示処理(ステップS28)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングtxの時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtyの時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報が維持されるため、タイミングtyが到来する前であっても、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にすることが可能になっている。ただし、タイミングtyが到来する前に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、タイミングtyで設定値確認表示処理(ステップS28)を開始した後に、再び設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にし、さらに設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にする必要がある。これは、設定値確認表示処理のステップS358の判定において、主制御MPUは、設定キーのOFF操作があるか否かを判定しているが、この判定では、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にしたときに、設定キースイッチ1311aからOFFの信号を入力するようになっているためである。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングtyから設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するタイミングt4までの間に、値0にリセットするものであればよい。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS18に記載したように、外枠2に対して本体枠4が開放されているなかで設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件に、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットすることとしており、図145(B),(C)は、外枠2に対して本体枠4が開放されている状況が継続していることを前提としたものである。この点、タイミングtxが到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングtxまでの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況では、設定キースイッチ1311aがON操作されていても、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットしないように(値0をセットするように)制限している。これは、遊技ホールの営業時間内等に、外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況下(遊技ホールの管理者が気付き難い状況下)で不正に設定変更されたり、不正に設定確認されることを防止するためである。一方で、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS14にて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする条件として、外枠2に対して本体枠4が開放されていることを問わないようにしており、タイミングtxが到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングtxまでの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況であっても、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットすることとしている。これによれば、仮に本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じ、外枠2に対して本体枠4が開放しているかどうかが認識できなくなってしまっている場合であっても、RAMクリア報知フラグRCL-FLGへの値1のセットを可能にして、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が実行不能になることを防止することができる。そして、本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じても、遊技開始そのものに支障が生じることを最低限防止することができる。
本実施形態では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGの値をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。そして、タイミングtxで操作情報が記憶された後には、タイミングtyが到来するまでの間、タイミングtxで記憶された操作情報を維持するようにし、タイミングtyの時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定し、その決定した処理を行うようにしている。つまり、タイミングtxで操作情報が記憶された後、タイミングtyが到来するまでの間には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部の操作態様、及び、設定キースイッチ1311aの操作態様を変更した場合であっても、タイミングtxで記憶された操作情報を変更することがなく維持するようにしている。これにより、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxで操作情報が記憶された後には、ホール管理者が誤ってRWMクリアボタン633zの押圧操作部の操作態様や設定キースイッチ1311aの操作態様を変更した場合であっても、タイミングtxで記憶された操作情報を変更することがないように維持することで、新たにパチンコ機1の電源投入をし直す必要がなく、パチンコ機1の電源投入後にホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を速やかに実行することができる。
また、パチンコ機1の電源投入時において、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、電源スイッチ630aを操作する他に、設定キースイッチ1311aを操作することなくRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作する必要があり、設定値の設定変更を行う場合には、電源スイッチ630aを操作する他に、RWMクリアボタン633zの押圧操作部及び設定キースイッチ1311aを操作する必要があり、設定値の確認表示を行う場合には、電源スイッチ630aを操作する他に、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなく設定キースイッチ1311aを操作する必要がある。そして、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点では、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGの値をセットし、それらの操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶するようにし、タイミングtyの時点で、それらの操作情報の組み合わせがいずれであるかによって、ホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を実行するようにしている。例えば、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合、設定値の設定変更を行う場合、設定値の確認表示を行う場合のそれぞれに対応して操作部を設けた場合には、電源スイッチ630aの他に3つの操作部を設けることが必要となるが、操作情報の組み合わせによってパチンコ機1の電源投入後に実行される処理を異ならせることで、電源スイッチ630aの他にRWMクリアボタン633zの押圧操作部及び設定キースイッチ1311aの2つの操作部を設ければよく、操作部にかかる部品点数を節約することができる。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS18に記載したように、外枠2に対して本体枠4が開放されているなかで設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件に、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットすることとしており、図145(B),(C)に示すように、タイミングtxからタイミングtyまでの期間については、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGのセット状態を保持することとし、外枠2に対して本体枠4が開放されていることを問わないようにしている。つまり、タイミングtxからタイミングtyまでの期間については、外枠2に対して本体枠4の開閉を何度でも繰り返すことが可能になっている。これに対し、タイミングtxで第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットした後であって、タイミングtyが到来するまでの期間内に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された場合に、タイミングtxでセットした第2操作情報としての設定キーONフラグCS-FLGの値をリセットして、タイミングtyの時点で、設定変更処理(ステップS37)や設定値確認表示処理(ステップS28)を行わないようにしたり、タイミングtxでセットした第2操作情報としての設定キーONフラグCS-FLGの値をリセットすることなく、タイミングtyの時点で、設定変更処理(ステップS37)や設定値確認表示処理(ステップS28)を行うと判定しないようにしてもよい。つまり、タイミングtxで外枠2に対して本体枠4が開放されている状況であっても、タイミングtyが到来するまでの期間内に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された場合には、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行いえないように制限してもよい。これによれば、上述したとおり、遊技ホールの営業時間内等に、外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況下(遊技ホールの管理者が気付き難い状況下)で不正に設定変更されたり、不正に設定確認されることを防止することができる。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS14にて、一時的にでもRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていることを条件として、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットしているが、所定時間(例えば2~3秒)にわたってRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている、すなわちRWMクリアボタン633zの押圧操作部が長押しされていることを条件としてもよい。同様に、主制御側電源投入時処理のステップS18にて、一時的にでも設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件として、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットしているが、所定時間(例えば2~3秒)にわたって設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件としてもよい。これにより、パチンコ機1の電源投入時において、ホール管理者が誤ってRWMクリアボタン633zの押圧操作部や設定キースイッチ1311aに一時的に触れてしまったとしても、ホール管理者が意図しない処理が実行されることを防止することができる。
また、詳しくは後述するが、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正監視を実行しないように制限している。つまり、タイミングt3からタイミングtyまでの期間には、ホール管理者が、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている状態から操作されていない状態にしたり、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態からOFF操作されている状態にしたりすることが可能であるが、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正監視を実行しないように制限している。これにより、RWMクリアボタン633zの押圧操作部や設定キースイッチ1311aを操作する際に、ホール管理者が磁気を発生しうるものを有していたり振動を加えてしまったとしても、不正行為として検出されてることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
[12-1.電源投入時におけるパチンコ機の挙動の変形例]
上記した実施形態では、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合、設定値の設定変更を行う場合、設定値の確認表示を行う場合のそれぞれで、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定するタイミングと、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定するタイミングと、を同じにしているが、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定するタイミングについては、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定するタイミングと異なるようにしてもよい。このようなパチンコ機1の電源投入時におけるパチンコ機1の挙動の変形例について、図146及び図147を参照して説明する。図146は、主制御側電源投入時処理の変形例を示すフローチャートである。また、図147(A)は、パチンコ機1の電源投入時に主制御内蔵RAMの初期化を行う場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートであり、図147(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更を行う場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートであり、図147(C)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示を行う場合におけるパチンコ機1の挙動の変形例を示すタイムチャートである。なお、RWMクリアボタン633zは、上述したように、RAMクリアスイッチの機能、設定切替ボタンの機能、及びエラー解除スイッチの機能を兼用している。
図147に示すように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、図146に示した主制御側電源投入時処理を開始する。つまり、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、RAMアクセス許可の設定を行い(ステップS10)、続いて停電クリア処理を行う(ステップS12)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。上述したように、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点では、ステップS12に続いて、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする(ステップS16A)。一方、ステップS14の判定において、主制御MPUは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットする(ステップS16B)。つまり、タイミングtxの時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定し、その判定結果を第1操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。なお、タイミングt3からタイミングtxまでの期間については、極めて短時間であるため、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作する者は、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作しながらパチンコ機1の電源投入を行う必要がある。
タイミングtxで第1操作情報が記憶された後には、ステップS16A又はステップS16Bに続いて、主制御MPUは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。
主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点では、ステップS22に続いて、主制御MPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定し(ステップS24)、停電予告信号の入力がないと判定したときには、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていると判定し、かつ、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていると判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットする(ステップS20A)。一方、ステップS18の判定において、主制御MPUは、本体枠開放スイッチ4bからの検出信号により外枠2に対して本体枠4が開放されていないと判定し、及び/又は、設定キーONの信号により設定キースイッチ1311aが設定キーONされていないと判定したときには、設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットする(ステップS20B)。つまり、タイミングty1の時点では、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、その判定結果を第2操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶している。このように変形例では、主制御MPUがウェイト時間待機処理を開始する前のタイミングtxで第1操作情報が記憶されるのに対し、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で第2操作情報が記憶されている。なお、タイミングt3からタイミングty1までの期間として、少なくともウェイト時間待機処理(ステップS22)におけるブートするまでの待機時間(ブートタイマ)である10秒(s)が設定されているため、設定キースイッチ1311aをON操作する者は、タイミングt3でパチンコ機1の電源投入を行うよりも前から設定キースイッチ1311aをON操作してもよいが、タイミングt3でパチンコ機1の電源投入を行った後、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1が到来するまでの間に、設定キースイッチ1311aをON操作してもよい。
タイミングty1で第2操作情報が記憶された後のタイミングty2の時点では、ステップS20A又はステップS20Bに続いて、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、設定キーONフラグCS-FLGの値がいずれの組み合わせであるのかを判定する(ステップS25~S27)。ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値変更許可条件が成立することによって、設定変更処理(ステップS37)を行う。また、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行う。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値表示許可条件が成立することによって、設定値確認表示処理(ステップS28)を行う。つまり、タイミングtxの時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されているか否かを判定し、その判定結果を第1操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶しているが、その後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングty2が到来するまでの間、第1操作情報の記憶を維持することとしている。一方、タイミングty1の時点では、本体枠4の開放及び設定キーのON操作があるか否かを判定し、その判定結果を第2操作情報として主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶しているが、その後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングty2が到来するまでの間、第2操作情報の記憶を維持することとしている。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定することとしている。
図147(A)に示すように、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。一方、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されていない必要がある。このように、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されていない場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値0をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うことを決定し、タイミングty2の時点から、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うこととしている。
なお、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要があるが、タイミングty1やタイミングty2の時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで第1操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングtxで記憶された第1操作情報が維持されるため、タイミングty2が到来する前であっても、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能になっている。
また、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合には、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されていない必要があるが、タイミングtxやタイミングty2の時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されていてもよい。つまり、タイミングty1で第2操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報が維持されるが、タイミングty1の時点で、第2操作情報が記憶されるため、タイミングtxからタイミングty1までの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングty2の時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングty2から主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図147(B)に示すように、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。一方、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定変更処理(ステップS37)を行うことを決定し、タイミングty2の時点から、設定変更処理(ステップS37)を行うこととしている。また、タイミングty2で設定変更処理(ステップS37)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定変更処理(ステップS37)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要があるが、タイミングty1やタイミングty2の時点では、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている必要がない。つまり、タイミングtxで第1操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングtxで記憶された第1操作情報が維持されるため、タイミングty2が到来する前であっても、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている状態から、操作していない状態にすることが可能になっている。
また、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtxやタイミングty2の時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されていなくてもよい。つまり、タイミングty1で第2操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報が維持されるが、タイミングty1の時点で、第2操作情報が記憶されるため、タイミングtxからタイミングty1までの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。
また、本例では、タイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットし、タイミングty2の時点で、そのRAMクリア報知フラグRCL-FLGを値0にリセットしているが、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値は、タイミングty2から主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。また、本例では、タイミングty1の時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定変更処理(ステップS37)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングty2から設定変更処理(ステップS37)後に主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
図147(C)に示すように、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていない必要がある。このように、タイミングtxの時点で、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていない場合には、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGに値0をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。一方、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要がある。このように、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている場合には、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶する。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うことを決定し、タイミングty2の時点から、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うこととしている。また、タイミングty2で設定値確認表示処理(ステップS28)を開始した後、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態から、OFF操作されている状態にした場合には、設定値確認表示処理(ステップS28)を完了することとしている(タイミングt4)。
なお、設定値の確認表示を行う場合には、タイミングty1の時点で、設定キースイッチ1311aがON操作されている必要があるが、タイミングtxやタイミングty2の時点では、設定キースイッチ1311aがON操作されていなくてもよい。つまり、タイミングty1で第2操作情報が記憶された後には、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報が維持されるが、タイミングty1の時点で、第2操作情報が記憶されるため、タイミングtxからタイミングty1までの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。
また、本例では、タイミングty1の時点で、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットし、設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するタイミングt4の時点で、その設定キーONフラグCS-FLGを値0にリセットしているが、設定キーONフラグCS-FLGの値は、タイミングty2から設定値確認表示処理(ステップS28)が完了するまでの間に、値0にリセットするものであればよい。
また、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS18に記載したように、外枠2に対して本体枠4が開放されているなかで設定キースイッチ1311aがON操作されていることを条件に、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットすることとしており、図147(B),(C)は、外枠2に対して本体枠4が開放されている状況が継続していることを前提としたものである。この点、タイミングty1が到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングty1までの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況では、設定キースイッチ1311aがON操作されていても、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGに値1をセットしないように(値0をセットするように)制限している。これは、遊技ホールの営業時間内等に、外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況下(遊技ホールの管理者が気付き難い状況下)で不正に設定変更されたり、不正に設定確認されることを防止するためである。一方で、本例では、主制御側電源投入時処理のステップS14にて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットする条件として、外枠2に対して本体枠4が開放されていることを問わないようにしており、タイミングtxが到来するまでの間に外枠2に対して本体枠4が一度も開放されていない状況や、タイミングt3からタイミングtxまでの間に外枠2に対して本体枠4が閉鎖された状況であっても、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL-FLGに値1をセットすることとしている。これによれば、仮に本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じ、外枠2に対して本体枠4が開放しているかどうかが認識できなくなってしまっている場合であっても、RAMクリア報知フラグRCL-FLGへの値1のセットを可能にして、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)が実行不能になることを防止することができる。そして、本体枠開放スイッチ4bに何らかの異常や不具合が生じても、遊技開始そのものに支障が生じることを最低限防止することができる。
本実施形態では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、第1操作情報としてRAMクリア報知フラグRCL-FLGの値をセットし、その第1操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶し、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングtxで記憶された第1操作情報を維持するようにしている。また、タイミングtxの後に主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点では、第2操作情報として設定キーONフラグCS-FLGの値をセットし、その第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶し、タイミングty2が到来するまでの間、タイミングty1で記憶された第2操作情報を維持するようにしている。そして、タイミングty2の時点では、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定し、その決定した処理を行うようにしている。つまり、タイミングtxで第1操作情報が記憶された後、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間には、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態と、OFF操作されている状態と、を自由に変更することが可能になっている。そして、タイミングty1の時点では、タイミングtxからタイミングty1までの期間に変更された設定キースイッチ1311aの操作状態を反映するように、第2操作情報を主制御MPUの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶し、その後のタイミングty2の時点で、それらの操作情報の記憶に基づいて、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)を行うか、設定変更処理(ステップS37)を行うか、設定値確認表示処理(ステップS28)を行うか、を決定し、その決定した処理を行うようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う場合において、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、ホール管理者が誤って設定キースイッチ1311aをON操作するのを忘れていたとしても、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間に、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態に変更することで、新たにパチンコ機1の電源投入をし直す必要がなく、パチンコ機1の電源投入後にホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を速やかに実行することができる。また、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合において、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後のタイミングtxの時点で、ホール管理者が誤って設定キースイッチ1311aをON操作したとしても、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間に、設定キースイッチ1311aがOFF操作されている状態に変更することで、設定値の設定変更をし直す必要がなく、パチンコ機1の電源投入後にホール管理者が意図する処理(主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)、設定変更処理(ステップS37)、設定値確認表示処理(ステップS28)のいずれか)を速やかに実行することができる。
上記したように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後、第2操作情報が記憶されるタイミングty1が到来するまでの期間については、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後、第1操作情報が記憶されるタイミングtxが到来するまでの期間よりも長くなるように構成されている。これにより、パチンコ機1の電源投入時において、RWMクリアボタン633zの押圧操作部及び設定キースイッチ1311aを同時に操作する必要がなく、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作した後に設定キースイッチ1311aをON操作することが可能であり、複数の操作部に対するホール管理者の操作を容易にすることができる。
なお、パチンコ機1の電源投入時において、主制御内蔵RAMの初期化や設定値の設定変更を行う場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作する必要があるが、そのRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作するタイミングについては、パチンコ機1が電源投入された直後のタイミングtxの時点とし、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するタイミングty1の時点としていない。これは、RWMクリアボタン633zの押圧操作部については、操作状態が維持されない押下式のスイッチで構成されており、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された後、タイミングty1が到来するまでの間、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作し続けようとしても、タイミングty1が到来したか否かが不明確であることもあって、ホール管理者がRWMクリアボタン633zの押圧操作部の操作を止めてしまう可能性がある。このため、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作するタイミングについては、パチンコ機1が電源投入された直後のタイミングtxの時点とすることで、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を長期間にわたって操作し続ける必要がなくなり、ホール管理者が意図するように、主制御内蔵RAMの初期化(ステップS38)や設定変更処理(ステップS37)を確実に実行することができる。
また、上記したように、。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。このような周辺制御基板1510の初期化処理を完了する時点で、タイミングty1での設定キーのON操作があるか否かの判定待ちであることを特定するコマンドを主制御基板1310(主制御MPU)から受信することによって、周辺制御基板1510の初期化処理を完了した後、タイミングty1が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態に変更可能であることを通知する設定キー操作可能報知を実行している。この設定キー操作可能報知としては、「設定キー操作可能中です」を繰り返す音声と、「設定キー操作可能中!」というメッセージ表示、選択操作過程における1~6の設定値設定キースイッチ1311aがON操作されている状態であるか否かに対応した色でのランプ発光を実行することとしている。
また、詳しくは後述するが、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正監視を実行しないように制限している。つまり、タイミングt3からタイミングty2までの期間には、ホール管理者が、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されている状態から操作されていない状態にしたり、設定キースイッチ1311aがON操作されている状態からOFF操作されている状態や、OFF操作されている状態からON操作されている状態にしたりすることが可能であるが、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正監視を実行しないように制限している。これにより、RWMクリアボタン633zの押圧操作部や設定キースイッチ1311aを操作する際に、ホール管理者が磁気を発生しうるものを有していたり振動を加えてしまったとしても、不正行為として検出されてることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
[13.変更許可状態や確認表示状態におけるパチンコ機の挙動]
次に、設定値の変更許可や設定値の確認表示が行われている状態におけるパチンコ機1の挙動について、図148乃至図150を参照して説明する。図148は、設定値の設定変更中におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートであり、図149及び図150は、設定値の確認表示中におけるパチンコ機1の挙動を示すタイムチャートである。このような設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われている状態では、設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われていない状態と比べて、パチンコ機1の挙動が異なるものとなっている。また、設定値の確認表示中におけるパチンコ機1の挙動については、設定値の設定変更中におけるパチンコ機1の挙動と略同じであるが、パチンコ機1の電源投入を行う際にRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作していないため、パチンコ機1の電源投入後にも、電源を遮断する時点での各種情報を保持している点で異なるものとなっている。
図148に示すように、設定値の設定変更を行う場合には、まず、パチンコ機1が電源投入されている状態であるか否かを確認し、パチンコ機1が電源投入されている状態である場合には、そのパチンコ機1の電源を遮断する必要がある(タイミングt0)。そして、パチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)において、外枠2に対して本体枠4が閉鎖している状態である場合には、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い(タイミングt1)、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする(タイミングt2)。そして、RAMクリアスイッチの機能として作動する払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで(タイミングt3)、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)となる。このような変更許可状態では、設定切替ボタンの機能として作動する払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの押圧操作部を押圧操作するごとに、設定値(設定値1~6)を変更することが可能であり、その後に設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように設定キーシリンダを反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することにより設定キースイッチ1311aをOFFとする(タイミングt4)。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)であり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の後には、設定値の設定変更を行うことが不能な状態(変更不能状態)となる。そして、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うことで(タイミングt5)、遊技者が遊技を行うことが可能な状態となる。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理を開始するが、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとするまでは、ステップS37の設定変更処理を終了しないようにし(設定変更処理のステップS222で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断しない)、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、その後のステップS52の割り込み許可設定が行われないように禁則し、通常の電源投入に比べてステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させている。そして、ステップS52の割り込み許可設定が行われるまでは、主制御側タイマ割り込み処理を開始しないため、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理、ステップS116の普通図柄及び普通電動役物制御処理などが未実行とされて待機された状態となる。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)であるが、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に検出信号の入力を有効なものとしないようにし、また、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、第二始動口扉2411の開放動作、大入賞口扉2413の開放動作、振分片2415の振分動作などを行わない特殊な期間としている。
図149に示すように、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、まず、パチンコ機1が電源投入されている状態であるか否かを確認し、パチンコ機1が電源投入されている状態である場合には、そのパチンコ機1の電源を遮断する必要がある(タイミングt0)。そして、パチンコ機1が電源投入されていない状態(パチンコ機1の電源が遮断されている状態)において、外枠2に対して本体枠4が閉鎖している状態である場合には、外枠2に対して本体枠4を開放する作業を行い(タイミングt1)、続いて設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに金属製の設定キーを差し込み、設定キーシリンダを時計方向へ向かって60度回動操作してON操作することにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとする(タイミングt2)。そして、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなく電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで(タイミングt3)、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)となる。このような確認表示状態では、設定表示器1310gにおいて、現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を表示するようにし、その後に設定キースイッチ1311aを設定キーONした設定キーシリンダの回転位置から元の位置へ戻すように反時計方向へ向かって60度回転操作してOFF操作することで(タイミングt4)、設定表示器1310gに対して設定値を表示する状態から非表示する状態へ切り替える。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)であり、設定キースイッチ1311aをOFFとしたタイミングt4の後には、設定値の確認表示を行うことが不能な状態(確認不能状態)となる。そして、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaから金属製の設定キーを抜き取り、外枠2に対して本体枠4を閉鎖する作業を行うことで(タイミングt5)、遊技者が遊技を行うことが可能な状態となる。
なお、現在設定されている設定値の確認表示を行う場合には、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理を開始するが、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとするまでは、ステップS28の設定値確認表示処理を終了しないようにし(設定値確認表示処理のステップS358で設定キースイッチ1311aのOFF操作があったと判断しない)、タイミングt3からタイミングt4までの期間には、その後のステップS52の割り込み許可設定が行われないように禁則し、通常の電源投入に比べてステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させている。そして、ステップS52の割り込み許可設定が行われるまでは、主制御側タイマ割り込み処理を開始しないため、主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理、ステップS116の普通図柄及び普通電動役物制御処理などが未実行とされて待機された状態となる。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間については、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)であるが、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に検出信号の入力を有効なものとしないようにし、また、特別図柄の変動表示、普通図柄の変動表示、第二始動口扉2411の開放動作、大入賞口扉2413の開放動作、振分片2415の振分動作などを行わない特殊な期間としている。
[13-1.特別図柄、各種入球検知、払出装置について]
図148に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。
なお、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしながらも、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態B)となる。このように、変動不能状態Aと変動不能状態Bとでは、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態である点で同じであるが、変動不能状態Aでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしないのに対し、変動不能状態Bでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとする点で異なっている。
また、タイミングt0で電源を遮断する時点で、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が行われている場合や、特別図柄の変動表示が保留として記憶されている場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、特別図柄の変動表示に関する情報が失われることとなる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態の終了後には、変動可能状態になるものの、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開することがなく、また、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うことがないようになっている。
また、変動可能状態において、何らかの不正行為が行われて特別図柄の変動表示などの遊技を行うことが不能となる不正関連エラー(例えば、磁気検出時や振動検出時における重度のエラー)が発生した場合には、周辺制御MPUによって、所定の表示器(例えば、演出表示装置1600)に対して、その旨を通知する不正関連エラー情報の表示処理を行ったり、所定の発光装置(例えば、複数のLED121aや複数のLED213aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー態様の発光処理を行ったり、所定の音出力装置(例えば、下部スピーカ153aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー音の出力処理を行う不正関連エラー出力処理を行うようにしているが、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)であるものの、上述した不正関連エラー出力処理を行わないようにしている。これは、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、ホール店員が外枠2に対して本体枠4を開放して設定値の設定変更を行っていることが想定され、周囲への示唆を意図する不正関連エラー出力処理の必要性よりも、ホール店員の作業効率を重視し、その作業を阻害するような事象の発生を抑制するためである。なお、不正関連エラー出力処理の行わないようにする点については、上述した不正関連エラー情報の表示処理、不正関連エラー態様の発光処理、不正関連エラー音の出力処理の全てを行わないようにしてもよいが、ホール店員の作業を阻害するような事象の発生を抑制することを鑑みれば、不正関連エラー出力処理のうちの少なくとも一部の処理だけを行わないようにしてもよい。例えば、大音量で作業者の作業効率を低下させうる不正関連エラー音の出力処理については行わないようにしつつ、他の処理については通常通りに行うようにすること等が例示できる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。なお、検出センサによる遊技球Bの検出自体を行わないようにしたり、検出センサからの検出信号を入力しながらも無効なものとして扱うようにしたりしてもよい。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したとしても、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しの何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。同様に、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないのと同時に、アウト口1008に対応する検出センサからの検出信号も主制御MPUが入力することがないようにして、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、アウト口1008から排出される遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、変更許可状態にて遊技領域5aから排出された遊技球Bについて、上記したベースモニタ1310hによる計測対象(アウト数カウンタへの加算対象)から除外することが可能になり、遊技領域5a内に玉掛かり(球詰まり)等で残存していた遊技球Bが変更許可状態で検出されてベースモニタ1310hに計測(アウト数カウンタに加算)されてしまう、といった事態を回避することができる。
一方、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始するようにし、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力し、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を有効とする場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したときに、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。同様に、遊技球Bの検出を有効とする場合には、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したときに、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与(上述したように第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として「有効状態」に設定されている場合)が行われることを可能としている。
なお、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり変更許可状態の終了時点から、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、払出制御MPUが払出制御電源投入時処理を開始するようにし、払出装置350の払出モータ584に駆動信号を出力することを可能とし、払出装置350から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、払出装置350から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。ただし、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、上述したように各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないため、例えば、変更許可状態にて第一始動口2002や第二始動口2004、大入賞口2005に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出しが行われることがない。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置350から遊技球Bの払出しが行われている場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、主制御基板1310から払出制御基板633にRWMクリアボタン633zの操作信号(検出信号)を入力するようにし、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアすることから、遊技球Bの払出しに関する情報が失われることとなる。このため、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後には、払出装置350から遊技球Bの払出しを行うことが可能になるものの、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しを再開することがないようになっている。
図149に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。
なお、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしながらも、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態B)となる。このように、変動不能状態Aと変動不能状態Bとでは、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態である点で同じであるが、変動不能状態Aでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとしないのに対し、変動不能状態Bでは、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入賞した際に検出信号の入力を有効なものとする点で異なっている。
また、タイミングt0で電源を遮断する時点で、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が行われている場合や、特別図柄の変動表示が保留として記憶されている場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の設定変更を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、特別図柄の変動表示に関する情報が失われるのに対し、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS28の設定値確認表示処理を終了するが、ステップS37の設定変更処理後のように主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアするステップS38の処理を実行しないことから、特別図柄の変動表示に関する情報が保持されることとなる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態の終了後には、変動可能状態になることを契機として、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開するようにし、また、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うようになっている。
また、上述したように、変動可能状態において、何らかの不正行為が行われて特別図柄の変動表示などの遊技を行うことが不能となる不正関連エラー(例えば、磁気検出時や振動検出時における重度のエラー)が発生した場合には、周辺制御MPUによって、所定の表示器(例えば、演出表示装置1600)に対して、その旨を通知する不正関連エラー情報の表示処理を行ったり、所定の発光装置(例えば、複数のLED121aや複数のLED213aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー態様の発光処理を行ったり、所定の音出力装置(例えば、下部スピーカ153aなど)に対して、その旨を通知する不正関連エラー音の出力処理を行う不正関連エラー出力処理を行うようにしているが、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態のときと同様に、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)であるものの、上述した不正関連エラー出力処理を行わないようにしている。これは、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、ホール店員が外枠2に対して本体枠4を開放して設定値の確認表示を行っていることが想定され、周囲への示唆を意図する不正関連エラー出力処理の必要性よりも、ホール店員の作業効率を重視し、その作業を阻害するような事象の発生を抑制するためである。なお、不正関連エラー出力処理の行わないようにする点については、上述した不正関連エラー情報の表示処理、不正関連エラー態様の発光処理、不正関連エラー音の出力処理の全てを行わないようにしてもよいが、ホール店員の作業を阻害するような事象の発生を抑制することを鑑みれば、不正関連エラー出力処理のうちの少なくとも一部の処理だけを行わないようにしてもよい。例えば、大音量で作業者の作業効率を低下させうる不正関連エラー音の出力処理については行わないようにしつつ、他の処理については通常通りに行うようにすること等が例示できる。また、不正関連エラー出力処理を行わないようにするにあたっては、前述した変更許可状態のときに行う制御との間で、ホール店員の作業を阻害するような事象の違いに応じて、禁則する処理の種類や数等を相違させるようにしてもよい。例えば、変更許可状態では、何らかの不正関連エラーが発生した場合に不正関連エラー出力処理の全てを行わないようにする一方で、確認表示状態では、何らかの不正関連エラーが発生した場合に不正関連エラー出力処理の一部のみを行わないようにしたり、あるいは、変更許可状態では、何らかの不正関連のエラーが発生した場合に全ての不正関連エラー出力処理の全てを行わないようにする一方で、確認表示状態では、何らかの不正関連のエラーが発生した場合に不正関連エラー出力処理の一部を行わないようにすること等が例示できる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。なお、検出センサによる遊技球Bの検出自体を行わないようにしたり、検出センサからの検出信号を入力しながらも無効なものとして扱うようにしたりしてもよい。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したとしても、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しの何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。同様に、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないのと同時に、アウト口1008に対応する検出センサからの検出信号も主制御MPUが入力することがないようにして、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、アウト口1008から排出される遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、確認表示状態にて遊技領域5aから排出された遊技球Bについて、上記したベースモニタ1310hによる計測対象(アウト数カウンタへの加算対象)から除外することが可能になり、遊技領域5a内に玉掛かり(球詰まり)等で残存していた遊技球Bが確認表示状態で検出されてベースモニタ1310hに計測(アウト数カウンタに加算)されてしまう、といった事態を回避することができる。
一方、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始するようにし、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力し、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を有効とする場合には、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが入球したときに、抽選、図柄変動(特別図柄の変動表示)、遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。同様に、遊技球Bの検出を有効とする場合には、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したときに、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与(上述したように第二受入口2008に遊技球Bが受け入れられるときの状態として「有効状態」に設定されている場合)が行われることを可能としている。
なお、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり確認表示状態の終了時点から、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、遊技球Bの検出を有効なものとして扱うようにしてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、払出制御MPUが払出制御電源投入時処理を開始するようにし、払出装置350の払出モータ584に駆動信号を出力することを可能とし、払出装置350から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、払出装置350から遊技球Bの払出しが行われることを可能としている。ただし、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、上述したように各種入賞口やゲート部(ゲート)などの各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがないため、例えば、確認表示状態にて第一始動口2002や第二始動口2004、大入賞口2005に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出しが行われることがない。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置350から遊技球Bの払出しが行われている場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の設定変更を行う場合)であると、その時点で、主制御基板1310から払出制御基板633にRWMクリアボタン633zの操作信号(検出信号)を入力するようにし、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアすることから、遊技球Bの払出しに関する情報が失われるのに対し、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、その時点で、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする処理を実行しないことから、遊技球Bの払出しに関する情報が保持されることとなる。このため、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後には、払出装置350から遊技球Bの払出しを行うことが可能になることを契機として、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しを再開するようになっている。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、設定表示器1310gにおいて、現状の設定値(設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abがON操作された時点における設定値1~設定値6のうち設定されている値)を表示しているが、上記したように電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しが行われている確認表示状態において、球切れなどの払出関連エラーが発生した場合には、払出制御MPUによって、設定表示器1310gとは別の表示器(例えば、払出制御基板633に設けられた7セグメントLED)に対して、その旨を通知する払出関連エラー情報の表示処理を行ったり、所定の発光装置(例えば、複数のLED121aや複数のLED213aなど)に対して、その旨を通知する払出関連エラー態様の発光処理を行う払出関連エラー出力処理を行うようにしている。これにより、確認表示状態において、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しが完了しているのか、球切れなどの払出関連エラーが発生して遊技球Bの払出しが行われていないのか、を判別することができ、遊技者に損失が発生することを防止することができる。なお、払出関連エラー処理については、後に遊技を円滑に行う上で重要な事象であることから、ホール店員の作業効率を問わずに払出メンテナンスを重視することとし、前述した不正関連エラー処理のような禁則を設けず、一切の抑制を行わずに通常時と同様の処理を行うようにしている。
上記したように、タイミングt0で電源を遮断する時点で、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置350から遊技球Bの払出しが行われている場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、その時点で、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しを再開することができる。一方、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器(第一特別図柄表示器、第二特別図柄表示器)における特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)であるため、タイミングt0で電源を遮断する時点で、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示が行われている場合や、特別図柄の変動表示が保留として記憶されている場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、その時点で、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開したり、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行ったりすることがない。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示を再開したり、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行ったりすることがなく、それによる遊技進行を阻止しながらも、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことが可能な期間となっている。例えば、ホールの閉店時において、各種入賞口に遊技球Bが入球して払出装置350から遊技球Bの払出しが行われている状態でありながらも、電源を遮断すると、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの分だけ遊技者に損失が発生してしまうが、その後にパチンコ機1を電源投入して確認表示状態にすることで、電源を遮断した以降の遊技進行を阻止しつつ、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことができ、遊技者に損失が発生することを防止することができる。
なお、上記の変形例として、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、且つ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなくパチンコ機1が電源投入された場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとするまでの間、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、電源を遮断した以降の遊技進行を阻止しつつ、電源を遮断した時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことが可能な期間とする一方、設定値の確認表示を行わないようにしてもよい。また、設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z、電源スイッチ630aとは別の操作部を設けるようにし、その別の操作部をホール店員が操作ONとした場合には、操作OFFとするまでの間、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、ホール店員が操作ONとした以降の遊技進行を阻止しつつ、ホール店員が操作ONとした時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことが可能な期間としてもよい。このような場合にも、例えば、ホールの閉店時においては、ホール店員が操作ONとした期間の遊技進行を阻止しつつ、ホール店員が操作ONとした時点で未払出しである遊技球Bの払出しのみを行うことができ、遊技者に損失が発生することを防止することができる。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態になるものの、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うことがないのに対し、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態の終了後には、変動可能状態になることを契機として、電源を遮断した時点で保留として記憶されている特別図柄の変動表示を行うようにしている。より詳細には、特別図柄の変動表示中に第一始動口2002や第二始動口2004に入球した場合には、主制御内蔵RAMに保留として特別乱数が記憶されるが、タイミングt0で電源を遮断する時点で、主制御内蔵RAMに保留として特別乱数が記憶されている場合には、主制御側電源断時処理において、その特別乱数が遊技バックアップ情報として記憶保持される。そして、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後に変更許可状態に移行した場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとし、変更許可状態を終了する時点で、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報をクリアすることから、保留として記憶されている特別乱数についても失われることとなる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態では、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を消去することから、演出表示装置1600での保留表示に加えて機能表示ユニット1400の保留数表示器における保留表示が非表示状態になっている。また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うことから、新たな保留として特別乱数が記憶されることがない。
ところで、変更許可状態の終了時において、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を消去しなかった場合には、以下の弊害が生じることとなる。本例では、設定値1~6のうち設定値が高くなるほど、大当り確率が高くなるように大当り判定テーブルに設定されている大当り判定値の数が増加するものとなっているが、例えば、変更許可状態にて設定値の設定変更を行う際に、低い設定値(例えば、設定値1)から高い設定値(例えば、設定値6)に変更した場合には、大当り判定の結果が大当りとされる特別乱数が増加して大当り確率が高くなることから、電源遮断前の設定値では外れであった特別乱数が、変更許可状態の終了後の設定値では大当りになる可能性がある。一方、変更許可状態にて設定値の設定変更を行う際に、高い設定値(例えば、設定値6)から低い設定値(例えば、設定値1)に変更した場合には、大当り判定の結果が大当りとされる特別乱数が減少して大当り確率が低くなることから、電源遮断前の設定値では大当りであった特別乱数が、変更許可状態の終了後の設定値では外れになる可能性がある。この点、本例では、変更許可状態の終了時において、保留として記憶されている特別乱数を消去することで、電源遮断前と変更許可状態の終了後とで大当り判定の結果が変更されるといった公平性を欠く状況が発生することを防止することができる。特に、ホール管理者ではない者が、不正行為により変更許可状態にて設定値の設定変更を行う場合には、高い設定値(例えば、設定値6)に変更しようとするが、高い設定値(例えば、設定値6)に変更した場合であっても、大当り判定の結果が大当りに変更されることがなく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように抑止することができる。なお、ホール管理者が変更許可状態にて設定値の設定変更を行う場合には、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数が消去されるため、遊技者に不利益を与えないように保留がない状態で電源を遮断し、その後に変更許可状態にて設定値の設定変更を行うことが好ましい。
また、変更許可状態にて設定値の設定変更を行う際に、電源遮断前の低い設定値(例えば、設定値1)から高い設定値(例えば、設定値6)に変更した場合だけでなく、電源遮断前の設定値を維持した場合にも、変更許可状態の終了時において、保留として記憶されている特別乱数を消去することとしている。例えば、ホール管理者ではない者が、不正行為により変更許可状態にて設定値の設定変更を行う場合には、高い設定値(例えば、設定値6)に変更しようとするが、既に電源遮断前の設定値が高い設定値であり、その高い設定値を変更する必要がない可能性がある。このような場合にも、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を変更許可状態の終了時に消去することで、電源遮断前の高い設定値で大当りになる可能性が高かった特別乱数に基づく大当り判定を行う機会が失われることから、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように抑止することができる。
一方、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入後に確認表示状態に移行した場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとし、確認表示状態を終了する時点で、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報をクリアしないことから、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を保持することとなる。なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、第一始動口2002や第二始動口2004に入球したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うことから、新たな保留として特別乱数が記憶されることがない。このような確認表示状態では、設定値の設定確認を行うのみであって、変更許可状態のように設定値が変更されることがない。つまり、ホール管理者ではない者が、不正行為により確認表示状態にて設定値の設定確認を行う場合であっても、保留として記憶されている特別乱数については、電源遮断前と確認表示状態の終了後とで大当り判定の結果が変更されることがなく、不正行為により利益を得ることがないため、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を確認表示状態の終了時にも保持することとしている。
また、ホール管理者ではない者が、不正行為により確認表示状態にて設定値の設定確認を行う場合には、通常に遊技をしている振りをしながら何らかの方法でパチンコ機1の裏面にアクセスして不正な設定確認を行うことが予測され、そうして不正に確認した設定値が不利な設定内容(例えば、もっとも大当り確率が低い設定値1)であった場合は、有利な設定内容(例えば、もっとも大当り確率が高い設定値6)のパチンコ機1を求めて直ちに離席することが考えられる。この点、本例では、確認表示状態にて設定値の設定確認を行う場合において、保留を消去することなく保持していることから、不正な設定確認を行った後に「保留が残っているのに離席する」という違和感のある行動を取り難くすることができ、また、そのような違和感のある行動を監視することで、不正な設定確認を行う者を捕まえ易くすることができる。結果、ホール管理者以外が不正な設定確認を行うことがないように抑止することができる。
また、不正行為の抑止力を一層高めるために、確認表示状態では、電源遮断前に保留として記憶されている特別乱数を保持しつつも、演出表示装置1600での保留表示に加えて機能表示ユニット1400の保留数表示器における保留表示をも一時的に非表示状態にし、変更許可状態と同様に保留として記憶されている特別乱数が存在しなくなったかのように表示するようにしている。これにより、不正行為者に保留が消えたものと勘違いさせ、不正に設定確認を行った後の遊技継続を断念させることができる。なお、こうした不正行為の抑止効果を効果的に発揮させるためには、確認表示状態だけでなく、確認表示状態の終了後にも所定の復帰タイミング(例えば、本体枠4を閉鎖したときや所定の時間経過など)が到来するまでの期間に亘って保留表示を非表示状態にするようにしてもよい。
[13-2.大当り遊技や発射装置について]
図148に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413や、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振り分ける振分片2415を動作することが不能な状態となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態となる。これにより、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、その大当り遊技として大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能であり、大入賞口2005に遊技球Bを入球させたり、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けたりすることができる。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、大当り遊技の実行中で大入賞口扉2413や振分片2415が動作している場合には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、大当り遊技の実行中(大入賞口扉2413や振分片2415の動作中)に関する情報が失われることとなる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態の終了後には、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態になるものの、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開することがなく、大入賞口扉2413や振分片2415を動作しないようになっている。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の設定変更を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
また、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり変更許可状態の終了時点から、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始していないが、変更許可状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行うことを考慮して、その期間で、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定するようにし、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射を可能としている。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始するようにし、変更許可状態の終了後にも、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射が可能な状態を継続するようにしている。このように、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することも可能であり、外枠2に対して本体枠4を閉鎖した直後から遊技を開始することができる。
図149に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始していないため、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413や、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振り分ける振分片2415を動作することが不能な状態となる。そして、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始するようにし、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態となる。これにより、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした後、タイミングt6で大当り遊技を開始する場合には、その大当り遊技として大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能であり、大入賞口2005に遊技球Bを入球させたり、大入賞口2005に受け入れられた遊技球Bを第二受入口2008に振り分けたりすることができる。
なお、タイミングt0で電源を遮断する時点で、大当り遊技の実行中で大入賞口扉2413や振分片2415が動作している場合には、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながらタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の設定変更を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS37の設定変更処理を終了するようにし、続いてステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、大当り遊技の実行中(大入賞口扉2413や振分片2415の動作中)に関する情報が失われるのに対し、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなくタイミングt3でパチンコ機1が電源投入された場合(設定値の確認表示を行う場合)であると、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、主制御電源投入時処理のステップS28の設定値確認表示処理を終了するが、ステップS37の設定変更処理後のように主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアするステップS38の処理を実行しないことから、大当り遊技の実行中(大入賞口扉2413や振分片2415の動作中)に関する情報が保持されることとなる。このため、図150に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態の終了後には、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態になることを契機として、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開し、大入賞口扉2413や振分片2415を動作するようになっている。また、後述するように、タイミングt5で電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開するよりも前にハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが可能であり、大当り遊技を再開した直後から効率よく大入賞口2007や第二受入口2008に遊技球Bを入球させることができる。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS104のスイッチ入力処理)を開始していないため、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力することがなく、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしている。このように、遊技球Bの検出を無効とする場合には、例えば、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に遊技球Bが入球したとしても、遊技球Bの払出し、高確率状態の付与の何れについても行われることがなくなり、これにより、設定値の確認表示を行う正規の作業中に何らかの事情で遊技球Bが大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008に入球したとしても、それによる遊技進行を抑制することができる。
また、本例では、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり確認表示状態の終了時点から、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としているが、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖した時点や、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとしてから所定時間が経過した時点で、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態としてもよい。これは、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前には、ハンドル182を操作して遊技球Bを発射することが困難で、実質的に遊技を開始することが困難であるためである。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点、つまり確認表示状態の終了時点から、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開すると、その大当り遊技を再開するよりも前にハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが困難であるが、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技の再開を遅延させることで、その大当り遊技を再開するよりも前にハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが容易となり、大当り遊技を再開した直後から効率よく大入賞口2007や第二受入口2008に遊技球Bを入球させることができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始していないが、確認表示状態にてハンドル182による発射操作の点検等を行うことを考慮して、その期間で、遊技球Bの発射を払出制御基板633の発射制御部633bに対して許可する旨を伝える発射許可信号の論理を設定するようにし、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射を可能としている。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS113の発射許可信号設定処理)を開始するようにし、変更許可状態の終了後にも、ハンドル182を操作したときに遊技球Bの発射が可能な状態を継続するようにしている。このように、タイミングt5で外枠2に対して本体枠4を閉鎖する前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが可能であり、外枠2に対して本体枠4を閉鎖した直後から遊技を開始することができる。
[13-3.演出装置や演出部材について]
図148に示すように、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出表示装置1600の画面に所定の画像を表示することを可能としている。そして、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出表示装置1600の画面における図柄表示(装飾図柄表示)を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の設定変更中であることを通知する設定変更中報知を実行している。この設定変更中報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、選択操作過程における1~6の設定値に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、設定変更中報知は、変更許可状態でのみ行われる報知(演出)であり、外枠2に対して本体枠4が開放した状態で行われる本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、外枠2に対して本体枠4が開放した状態では、通常では本体枠開放報知(「枠が開いています」の表示や音声など)を行うものの、変更許可状態では、本体枠開放報知を行うことなく設定変更中報知を最優先に実行することとしている。なお、本体枠開放報知と設定変更中報知とを並行して実行するようにし、設定変更中報知を本体枠開放報知よりも優先して、設定変更中報知が終了した後に本体枠開放報知を行う形態も例示できる。そして、タイミングt4での変更許可状態の終了後には、所定期間(例えば、20秒程度)が経過するまでの間、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、図柄変動や大当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する遊技開始報知を実行している。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、上記した設定変更中報知として、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力に加えて、機能表示ユニット1400による通知も実行している。具体的には、機能表示ユニット1400には、図示は省略するが、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器に加えて、設定値の設定変更中(変更許可状態)であることを表示する1つのLEDからなる設定変更中表示器、設定値の確認表示中(確認表示状態)であることを表示する1つのLEDからなる確認表示中表示器が備えられている。そして、変更許可状態には、機能表示ユニット1400における設定変更中表示器のLEDのみを点灯させ、それ以外の表示器のLEDを全て消灯させるようになっている。これにより、変更許可状態では、機能表示ユニット1400による通知によって、遊技が進行しないことを把握することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしているが、そのような検出信号を入力した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、変更許可状態で遊技を行うべき期間でないにもかかわらず、各種入賞口やゲート部に遊技球Bが入球していることを通知する警告演出Aを実行している。この警告演出Aは、設定変更中報知や本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、警告演出Aの実行時には、設定変更中報知や本体枠開放報知を行うことなく警告演出Aを最優先に実行することとしている。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している通常時については、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態にならない期間であるが、そのような設定キーONとする状態になった場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、不正に設定キーONとする状態になったことを通知する警告演出B,Cを実行している。具体的には、通常時に図柄変動が行われている状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Bを実行している。同様に、通常時に図柄変動が行われていない状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Cを実行している。また、この警告演出B,Cは、実行中の演出よりも優先して実行される。すなわち、警告演出B,Cの実行時には、図柄変動が行われているか否かにかかわらず実行中の演出を停止して警告演出B,Cを最優先に実行することとしている。なお、警告演出B,Cは、同じ態様で演出を実行しているが、図柄変動が行われている状態であるか否かを判別しうるように異なる態様で演出を実行してもよい。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。具体的には、演出操作部160(押圧操作部161)を長押しすることで演出表示装置1600に調整用の画像(長押しする時間によって、5段階の調整状況を表す音量ゲージ画像と、光量ゲージ画像のいずれか)を表示した後、さらに演出操作部160(押圧操作部161)を短押しするごとに音量や光量を段階的に調整(1→2→3→4→5→1→2・・・)し、演出操作部160(押圧操作部161)を所定時間操作しないことで音量や光量を確定させることを可能としている。ただし、図柄変動中における演出操作部160を用いた演出が実行されている期間には、その演出に対して演出操作部160が操作されることを待機した状態であるため、演出操作部160を操作したとしても、音量や光量を調整することができない禁止期間としている。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。そして、タイミングt4での変更許可状態の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターン(変動パターンコマンド)として、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
なお、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、変動許可状態や確認表示状態のようにステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させることがなく、その割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理を開始することから、パチンコ機1の電源投入後に直ぐに、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。しかしながら、このような場合、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作の完了を待つことなく変動可能状態に移行しているため、例えば、パチンコ機1の電源投入後の演出部材の初期動作中において、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができず、演出部材の動作機会が失われてしまうことがある。これに対し、本例では、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態において、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作が行われているため、変更許可状態の終了後に変動可能状態に移行したときには、演出部材の初期動作を完了している可能性が高くなっている。これにより、変更許可状態を終了した後、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合であっても、演出部材の初期動作に影響されることなく、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができ、その演出内容から得られる情報を逃すことがないようになっている。
ただし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作については、完了するまでに所定の時間(例えば、30秒)が必要となる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態において、演出部材の初期動作が完了するよりも前に、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした場合には、演出部材の初期動作の完了を待って、演出部材を用いた演出の実行を可能にすることとなる。つまり、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとする時期については、演出部材の初期動作の完了前であっても、完了後であってもよく、いずれの場合にも、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、図柄変動を行うことが可能となっている。
図149に示すように、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出表示装置1600の画面に所定の画像を表示することを可能としている。そして、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、演出表示装置1600の画面における図柄表示(装飾図柄表示)を消去し、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、設定値の確認表示中であることを通知する確認表示中報知を実行している。この確認表示中報知としては、「確認表示中です」を繰り返す音声と、「確認表示中!」というメッセージ表示、設定されている1~6の設定値に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、確認表示中報知は、確認表示状態でのみ行われる報知(演出)であり、外枠2に対して本体枠4が開放した状態で行われる本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、外枠2に対して本体枠4が開放した状態では、通常では本体枠開放報知(「枠が開いています」の表示や音声など)を行うものの、確認表示状態では、本体枠開放報知を行うことなく確認表示中報知を最優先に実行することとしている。なお、本体枠開放報知と確認表示中報知とを並行して実行するようにし、確認表示中報知を本体枠開放報知よりも優先して、確認表示中報知が終了した後に本体枠開放報知を行う形態も例示できる。そして、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、所定期間(例えば、20秒程度)が経過するまでの間、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、図柄変動や大当り遊技などの遊技を開始することが可能になったことを通知する遊技開始報知を実行している。
また、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することが可能な状態になることを契機として、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開し、大入賞口扉2413や振分片2415を動作することを可能としているが、図150に示すように、このような大当り遊技の再開時には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技を再開して大入賞口扉2413や振分片2415を動作することを通知する大当り遊技再開報知を実行している。なお、大当り遊技の再開前には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、電源を遮断した時点で中断されている大当り遊技の実行待機中、つまり大入賞口扉2413や振分片2415の動作待機中であることを通知する大当り遊技待機報知を実行してもよい。これにより、大当り遊技の再開前からハンドル182を操作して遊技球Bの発射を準備することが可能であり、大当り遊技を再開した直後から効率よく大入賞口2007や第二受入口2008に遊技球Bを入球させることができる。
なお、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、上記した確認表示中報知として、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力に加えて、機能表示ユニット1400による通知も実行している。具体的には、機能表示ユニット1400には、図示は省略するが、状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器に加えて、設定値の設定変更中(変更許可状態)であることを表示する1つのLEDからなる設定変更中表示器、設定値の確認表示中(確認表示状態)であることを表示する1つのLEDからなる確認表示中表示器が備えられている。そして、確認表示状態には、機能表示ユニット1400における確認表示中表示器のLEDのみを点灯させ、それ以外の表示器のLEDを全て消灯させるようになっている。これにより、確認表示状態では、機能表示ユニット1400による通知によって、遊技が進行しないことを把握することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、第一受入口2007、第二受入口2008などの各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力したとしても、遊技球Bの検出を無効なものとして扱うようにしているが、そのような検出信号を入力した場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、確認表示状態で遊技を行うべき期間でないにもかかわらず、各種入賞口やゲート部に遊技球Bが入球していることを通知する警告演出Aを実行している。この警告演出Aは、確認表示中報知や本体枠開放報知よりも優先して実行される。すなわち、警告演出Aの実行時には、確認表示中報知や本体枠開放報知を行うことなく警告演出Aを最優先に実行することとしている。
また、外枠2に対して本体枠4を閉鎖している通常時については、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態にならない期間であるが、そのような設定キーONとする状態になった場合には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、不正に設定キーONとする状態になったことを通知する警告演出B,Cを実行している。具体的には、通常時に図柄変動が行われている状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Bを実行している。同様に、通常時に図柄変動が行われていない状態で、設定キースイッチ1311aを設定キーONとする状態になった場合には、その設定キースイッチ1311aが設定キーOFFに戻るまでの間、警告演出Cを実行している。また、この警告演出B,Cは、実行中の演出よりも優先して実行される。すなわち、警告演出B,Cの実行時には、図柄変動が行われているか否かにかかわらず実行中の演出を停止して警告演出B,Cを最優先に実行することとしている。なお、警告演出B,Cは、同じ態様で演出を実行しているが、図柄変動が行われている状態であるか否かを判別しうるように異なる態様で演出を実行してもよい。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能にして、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を段階的に調整することを可能としている。具体的には、演出操作部160(押圧操作部161)を長押しすることで演出表示装置1600に調整用の画像(長押しする時間によって、5段階の調整状況を表す音量ゲージ画像と、光量ゲージ画像のいずれか)を表示した後、さらに演出操作部160(押圧操作部161)を短押しするごとに音量や光量を段階的に調整(1→2→3→4→5→1→2・・・)し、演出操作部160(押圧操作部161)を所定時間操作しないことで音量や光量を確定させることを可能としている。ただし、図柄変動中における演出操作部160を用いた演出が実行されている期間には、その演出に対して演出操作部160が操作されることを待機した状態であるため、演出操作部160を操作したとしても、音量や光量を調整することができない禁止期間としている。
また、本例では、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、周辺制御MPUが周辺制御電源投入時処理を開始するようにし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、予め定められた動作パターンで演出部材の各々を順次あるいは同時に動作させることで、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。そして、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターン(変動パターンコマンド)として、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
なお、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、変動許可状態や確認表示状態のようにステップS52の割り込み許可設定の実行タイミングを遅延させることがなく、その割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理を開始することから、パチンコ機1の電源投入後に直ぐに、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となる。しかしながら、このような場合、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作の完了を待つことなく変動可能状態に移行しているため、例えば、パチンコ機1の電源投入後の演出部材の初期動作中において、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができず、演出部材の動作機会が失われてしまうことがある。これに対し、本例では、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態において、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態(変動不能状態A)としつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作が行われているため、確認表示状態の終了後に変動可能状態に移行したときには、演出部材の初期動作を完了している可能性が高くなっている。これにより、確認表示状態を終了した後、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合であっても、演出部材の初期動作に影響されることなく、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができ、その演出内容から得られる情報を逃すことがないようになっている。
ただし、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作については、完了するまでに所定の時間(例えば、30秒)が必要となる。このため、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態において、演出部材の初期動作が完了するよりも前に、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした場合には、演出部材の初期動作の完了を待って、演出部材を用いた演出の実行を可能にすることとなる。つまり、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとする時期については、演出部材の初期動作の完了前であっても、完了後であってもよく、いずれの場合にも、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、図柄変動を行うことが可能となっている。
また、本体枠4と遊技盤5に各々演出部材が搭載されている場合には、少なくとも遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作を先行して実行するようにし、本体枠4に搭載されている演出部材の初期動作を「タイミングt5での本体枠4の閉鎖後」まで遅延させるようにしてもよい。これは、設定値の設定変更中や設定値の確認表示中には本体枠4が開放状態とされ、設定値の設定変更や設定値の確認表示の終了後における本体枠4の閉鎖動作によって本体枠4に衝撃が発生することとなる。このため、本体枠4の閉鎖動作時には、本体枠4に搭載されている演出部材が正常に動作しなくなったり、初期位置に位置ズレが生じたりする等の事態が発生する可能性があるが、本体枠4に搭載されている演出部材の初期動作については、本体枠4の閉鎖後に開始することで、そのような事態が発生した場合にも対処できるようになる。
なお、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の各々を順次に、あるいは同時に初期動作させた後に、演出部材の各々の初期動作が正常に完了しなかった場合(各々の演出部材の初期位置を検出する原点検出センサによって、所定時期に初期位置で検出されていない演出部材がある場合、あるいは、所定時期に初期位置で検出されていない演出部材がある場合に行われる再度の初期動作やリトライ動作を行った後の所定時期にも、初期位置で検出されていない演出部材がある場合など)には、その正常に完了しなかった演出部材を用いた演出を図柄変動中に実行しないように制限することとしている。ここで、前述したように、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、パチンコ機1の電源投入後に直ぐに、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な状態(変動可能状態)となり、且つ、演出部材の初期動作が行われる状態となる。本例では、こうした状況下での演出部材の初期動作が正常に完了しなかった場合には、特別図柄の変動表示中に演出部材が初期位置と異なる位置で停止したままとなる違和感を遊技者に与えてしまうといった興趣低下を招きかねないことから、パチンコ機1の電源投入を行う際に設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、パチンコ機1の電源投入後の所定時期(各々の演出部材の初期動作が終了して初期位置に位置すると想定される時期)において、いずれかの演出部材が初期位置で検出されていないときに、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、外部への初期位置エラー報知を行うこととしている。
一方、設定値の設定変更中(変更許可状態)や設定値の確認表示中(確認表示状態)に初期動作により演出部材が初期位置で検出されていない場合には、正規の設定変更や確認表示の作業の阻害を避けるべく、演出部材が初期位置と異なる位置で停止したままの状態になっても、初期位置エラー報知を行わないように抑制することとしている。そして、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、外部への初期位置エラー報知を行うようにしている。なお、初期位置エラー報知については、変更許可状態や確認表示状態の終了後に開始するようにしているが、初期動作により演出部材が初期位置で検出されていない時点から予め開始させておく仕様であってもよい。また、初期動作により演出部材が初期位置で検出されていない時点では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力のうち、正規の設定変更や確認表示の作業を阻害しない態様の報知(例えば、ランプ)のみ先行して実行する仕様であってもよい。
なお、上記の変形例として、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、且つ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作するか否かにかかわらずパチンコ機1が電源投入された場合には、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、遊技進行を阻止しつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われる期間とする一方、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わないようにしてもよい。また、設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z、電源スイッチ630aとは別の操作部を設けるようにし、その別の操作部をホール店員が操作ONとした場合には、操作OFFとするまでの間、特別図柄の変動表示を行うことが不能な状態とし、ホール店員が操作ONとした以降の遊技進行を阻止しつつ、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材の初期動作が行われる期間としてもよい。このような場合にも、ホール店員が操作OFFとした後、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合であっても、演出部材の初期動作に影響されることなく、その変動パターンに基づいて演出部材を初期位置から動作位置に動作することができ、その演出内容から得られる情報を逃さないようにすることがきる。
上記したように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することを可能としている。より詳細には、設定値の設定変更や設定値の設定確認を行う場合には、タイミングt3でのパチンコ機1の電源投入時において、主制御MPUが主制御電源投入時処理を開始するが、ステップS37の設定変更処理やステップS28の設定値確認表示処理を開始するよりも前に、ステップS22のウェイト時間待機処理を行っている。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として10秒(s)が設定されている。周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了するよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了し、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態としている。このように、変更許可状態や確認表示状態の開始時において、周辺制御MPUは、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を既に完了しているため、演出操作部160(押圧操作部161)の操作を検出可能となり、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することが可能になっている。
また、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量については、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点で、電源遮断前の音量や光量に関する情報が保持されておらず、初期状態(例えば、音量や光量が中央値となる状態)に戻されることとなる。このため、電源投入後の音量や光量については、電源遮断前に調整していた音量や光量とは異なる状態に変化することとなる。
また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aをOFFとした時点で、変更許可状態や確認表示状態を終了し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態に移行している。つまり、変動可能状態にて遊技者が遊技を開始することが可能な状態になるのに先行して、スピーカから出力される音量や、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から出力される光量を調整することを可能としている。例えば、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターン(変動パターンコマンド)として、図柄変動中に所定の演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中に、演出に設定されている情報に基づいてスピーカから音(遊技音)を出力したり、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から光を出力したりするが、そのような演出が光量や音量の調整前に開始されると、音量や光量が初期状態で出力することとなり、遊技者が不快に感じる可能性がある。この点、本例では、変動可能状態にて遊技者が遊技を開始することが可能な状態になるのに先行して、音量や光量の調整を可能にすることで、遊技者が遊技を開始するまでの間に、音量や光量を初期状態から変更することができ、遊技者による遊技の開始後において、初期状態の音量や光量により遊技者が不快に感じることを防止することができる。
なお、本例では、演出操作部160(押圧操作部161)を長押しすることで演出表示装置1600に調整用の画像(長押しする時間によって、5段階の調整状況を表す音量ゲージ画像と、光量ゲージ画像のいずれか)を表示した後、さらに演出操作部160(押圧操作部161)を短押しするごとに音量や光量を段階的に調整(1→2→3→4→5→1→2・・・)し、演出操作部160(押圧操作部161)を所定時間操作しないことで音量や光量を確定させることを可能としている。そして、変動可能状態においては、演出操作部160(押圧操作部161)を操作した際に、音量や光量を変更するのに伴い、スピーカから所定の変更音を出力している。これに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了前においては、演出操作部160(押圧操作部161)を操作した際に、音量や光量を変更することが可能であるものの、スピーカから所定の変更音を出力しないようにしている。これは、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、ホール管理者が設定値の設定変更や設定値の確認表示を行っていることが想定され、遊技者に音量や光量を変更したことを知らせる変更音を出力する必要性よりも、ホール管理者の作業効率を重視し、その作業を阻害するような事象の発生を抑制するためである。なお、演出操作部160(押圧操作部161)を操作した際に、光量を変更するのに伴い、その変更した光量で、ランプや演出表示装置1600の画面などの発光部材から光を出力することについては、ホール管理者の作業を阻害するような事象ではないため、変更許可状態や確認表示状態であっても禁止していない。
また、本例では、変動表示状態において、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行った場合には、その時点で、調整後の音量や光量で出力するように直ぐに反映している。これに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了前においては、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行うことが可能であるものの、その時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映することがなく、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、調整後の音量や光量で出力するように反映している。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、詳しくは後述するように、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように外部に向けて警戒報知を実行しているが、そのような警戒報知として実行中の演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力については、調整後の音量や光量とすることを不可として固定の音量や光量とするようにしている。これにより、変更許可状態や確認表示状態において、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行ったとしても、実行中の警戒報知に気付き難くなるような状況が発生するのを防止し、不正監視体制が弱くなることを防止することができる。
上記したように、変更許可状態や確認表示状態においては、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように外部に向けて警戒報知を実行しているが、詳しくは後述するように、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも、その警戒報知を延長して実行することを可能にしている。そして、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、その延長した警戒報知の実行中にも、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行うことを可能とするが、その時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映することがなく、延長した警戒報知の終了後において、調整後の音量や光量で出力するように反映している。つまり、警戒報知を延長して実行中の演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力についても、調整後の音量や光量とすることを不可として固定の音量や光量とするようにしている。これにより、変更許可状態や確認表示状態と同様に、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合において、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行ったとしても、延長して実行中の警戒報知に気付き難くなるような状況が発生するのを防止し、不正監視体制が弱くなることを防止することができる。
また、変更許可状態や確認表示状態においては、演出操作部160(押圧操作部161)を用いて音量や光量を変更する操作を行うことを可能とし、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、調整後の音量や光量で出力するように反映しているが、複数のランプのうち一部のランプについては、音量や光量を変更する操作を行った時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映してもよい。例えば、複数のランプのうち、警戒報知に用いられるランプについては、音量や光量を変更する操作を行った時点で、不正監視体制を維持するために調整後の音量や光量で出力するように反映しないようにし、警戒報知に用いられないランプの全部あるいはその一部については、音量や光量を変更する操作を行った時点で、調整後の音量や光量で出力するように反映してもよい。
[13-4.不正監視について]
本実施形態では、上述したステップS112の不正行為検出処理において、各種の不正行為が監視されている。具体的には、パチンコ機1に磁石を近づけて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する磁気センサ2470が設けられており、主制御MPUが磁気センサ2470からの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、磁石による不正行為を監視し、周辺制御MPUに対してその監視結果を送信し、周辺制御MPUに不正関連エラー処理を行わせるようにしている。加えて、パチンコ機1をゆすったり、叩いたりすることでパチンコ機1に振動を加えて遊技盤5に区画形成される遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を検知する振動センサを設けることで、主制御MPUが振動センサからの検出信号に基づいて不正行為の有無を判定し、振動による不正行為を監視し、周辺制御MPUに対してその監視結果を送信し、周辺制御MPUに不正関連エラー処理を行わせるようにしている。これらの不正行為の監視については、通常時(設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われていない状態)と、設定値の設定変更や設定値の確認表示が行われている状態とで、監視する態様を異ならせている。
本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2470として、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサが設けられている。そして、通常時には、磁気センサ2470によって、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視するとともに、遊技領域5aの前方の領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を監視している。なお、磁石を用いたパチンコ機1の裏面側に対する不正行為としては、例えば、パチンコ機1が設置される島設備内(パチンコ機1の裏面側が露呈される空間内)に金属製の不正器具と、その金属製の不正器具を間接的に操作する磁石とを仕込んでおき、パチンコ機1と島設備内との僅かな隙間やパチンコ機1の一部を破壊した開口を通じて磁石および金属製の不正器具を操作し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする行為が考えられる。
なお、ステップS112の不正行為検出処理において、磁気センサ2470からの検出信号が入力されたときには、磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。そして、磁石を用いた不正行為が行われていると判断した場合には、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力し、その不正行為が行われていることをホール店員が把握しうるようにしている。
また、本例の磁気センサ2470は、図示は省略するが、矩形箱状のセンサ体で構成されており、一方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の磁気検出領域内での磁気検出と、その反対側である他方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の磁気検出領域内での磁気検出とを行うことができるようになっている。なお、「垂直方向に感度が強い」とは、各側面に対して水平方向と比べて垂直方向に感度が強いという意味であって、水平方向に感度が全くないという意味ではない。換言すると、各側面から発せられる磁気検出領域は、それぞれ球体状に囲まれた広域な領域となっている。そして、磁気センサ2470は、こうしたセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で前後方向に広がるように配置され、一方の磁気検出領域がパチンコ機1の表面側を包含し、磁気検出領域がパチンコ機1の表面側における第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所を監視できるようにし、他方の磁気検出領域がパチンコ機1の裏面側を包含し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域を監視できるようにしている。このような構成によって、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石が近づいたかや、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石が近づいたかをそれぞれ監視することができる。
また、本例では、振動による不正行為を検知する振動センサ3005として、遊技盤5に設けられた大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺における振動の発生を検知することが可能な振動センサ3004が設けられている。そして、通常時のうち大当り遊技中のみ、振動センサ3005を用いて不正行為を監視し、大当り遊技以外では、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を行っていない。これは、大当り遊技では、振分片2415により大入賞口2005に受入れられて内部を流通する遊技球Bを第一受入口2007又は第二受入口2008の何れかに振分けるようにしているが、振分片2415に対して振動が加えられると、大入賞口2005の内部における遊技球Bの進路を変更して第二受入口2008に遊技球Bを入球させることが可能になってしまい、そのような不正行為を防止するためである。つまり、通常時のうち大当り遊技中には、振動センサ3005によって、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に対して、本来発生するはずのない振動(不正なアクセスによる振動)が加えられたかを監視し、大入賞口2005の内部における遊技球Bの進路を変更して第二受入口2008に遊技球Bを入球させるなどの不正行為を監視している。
なお、ステップS112の不正行為検出処理において、振動センサ3005からの検出信号が入力されたときには、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に対して振動による不正行為が行われていると判断している。そして、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に対して振動による不正行為が行われていると判断した場合には、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力し、その不正行為が行われていることをホール店員が把握しうるようにしている。
また、振動による不正行為が行われていると判断した場合に出力されるセキュリティ信号は、磁石を用いた不正行為が行われていると判断した場合に出力されるセキュリティ信号と同一の信号である。しかしながら、振動による不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合と、磁石を用いた不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合とでは、周辺制御MPUによって制御される不正関連エラー処理にて外部報知が行われる際の報知態様が相違している。すなわち、振動による不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合には、振動による不正行為であることに対応する態様で、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知が行われるのに対し、磁石を用いた不正行為が行われていると判断してセキュリティ信号が出力される場合には、磁石による不正行為であることに対応する態様で、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知が行われることにより、いずれの不正行為が行われているのかを区別できるようになっている。
次に、設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視について、図151及び図152を参照して説明する。図151は、設定値の設定変更中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートであり、図152は、設定値の確認表示中における不正行為の監視状態を示すタイムチャートである。
図151に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aや設定切替ボタンの機能として作動する払出制御基板633のRWMクリアボタン633zを操作しており、設定値の設定変更を行う正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有していたとしても、磁石を用いた不正行為として検出されることを防止し、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、変更許可状態では、設定値の設定変更を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aや設定切替ボタンの機能として作動する払出制御基板633のRWMクリアボタン633zを操作しており、その設定変更を行う正規の作業者以外が、振動による不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の設定変更を行う際に、その設定変更を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の設定変更作業の阻害を抑制することができる。
また、本例では、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しながら電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで、設定値の設定変更を行うことが可能な状態(変更許可状態)となるが、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点、つまり変更許可状態を開始する時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力している。これに加え、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点でも、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力している。つまり、設定値の設定変更を行う場合には、パチンコ機1の電源投入が行われた後にホールコンピュータに対してセキュリティ信号を2回、出力することとなる。このセキュリティ信号は、磁気センサ2470を用いて磁石による不正行為を監視している状態において、磁気センサ2470からの検出信号が入力されて、振動による不正行為が行われていると判断した場合や、振動センサ3005を用いて振動による不正行為を監視している状態において、振動センサ3005からの検出信号が入力されて、振動による不正行為が行われていると判断した場合において、ホールコンピュータに対して出力される信号と同じ信号である。しかしながら、タイミングt3からタイミングt4までの期間である変更許可状態には、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行していない状態であり、そのような不正行為の監視を実行していない状態でありながらも、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を出力することで、ホールコンピュータを通じて当該パチンコ機1への監視を警告し、正規に設定値の設定変更が行われていることをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることできる。つまり、ホール店員は、ホールコンピュータを通じて不正行為を行う者により設定値の設定変更が行われていないことをホールコンピュータを通じて監視することができる。また、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点で、主制御MPUが2回目のセキュリティ信号を出力しており、この2回目のセキュリティ信号により、設定値の設定変更が完了したことをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることができる。
なお、セキュリティ信号については、ホールコンピュータが認識しうる時間だけそのホールコンピュータに対して出力されるものであればよく、タイミングt3からタイミングt3’までの時間が短時間(例えば、1秒以下)であってもよいし、長時間(例えば、10秒以上)であってもよい。しかしながら、セキュリティ信号の出力時間が長時間である場合には、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点、つまり変更許可状態を開始する時点で出力された1回目のセキュリティ信号が、その後にタイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で終了していない可能性がある。つまり、1回目のセキュリティ信号の出力が終了するタイミングt3’が到来するよりも前に、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとする可能性がある。このように、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で、1回目のセキュリティ信号の出力が終了していない場合には、その1回目のセキュリティ信号の出力が終了した後、所定のインターバル時間(例えば、1秒)を経て、2回目のセキュリティ信号を出力するようにしている。つまり、1回目のセキュリティ信号の出力が終了するまでの間、2回目のセキュリティ信号の出力が遅延されることとなる。これにより、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で、1回目のセキュリティ信号の出力が終了していない場合であっても、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を2回、確実に出力することができる。
なお、上記した所定のインターバル期間を設けない場合の別例として、次のようにしてもよい。すなわち、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点、つまり変更許可状態を終了する時点で、1回目のセキュリティ信号の出力が終了していない場合には、その時点から新たにセキュリティ信号の計時を開始する(信号出力時間をカウントするタイマを再度セットする)とともに、1回目のセキュリティ信号と2回目のセキュリティ信号とを継続させるかたちで出力するようにしてもよい。この場合、予め定められた最大出力時間(1回目のセキュリティ信号の出力時間)を越える長期に亘ってセキュリティ信号が出力されることとなり、2回目のセキュリティ信号を出力するときと同様に、設定値の設定変更が完了したことを長期に亘るセキュリティ信号の出力を通じてホール店員に把握させることができる。なお、遊技ホールの環境等によって、セキュリティ信号の出力態様を用いて設定変更が完了したことをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させる必要がない場合には、所定の切換スイッチ等の操作に基づいて、2回目のセキュリティ信号自体を出力しないでキャンセルできるようにしてもよい。
図152に示すように、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、設定値の確認表示を行う正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有していたとしても、磁石を用いた不正行為として検出されることを防止し、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、変更許可状態と同様に、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、確認表示状態では、設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、その確認表示を行う正規の作業者以外が、振動による不正行為を行う余地がないためである。また、設定値の確認表示を行う際に、その確認表示を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、本例では、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作することなく電源スイッチ630aを操作してパチンコ機1の電源投入を行うことで、設定値の確認表示を行うことが可能な状態(確認表示状態)となるが、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入された時点、つまり確認表示状態を開始する時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力している。一方、変更許可状態の終了時には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力するのに対し、確認表示状態の終了時には、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点で、パチンコ機1の外部端子板558を介して遊技ホール側に設置されたホールコンピュータに対して、主制御MPUがセキュリティ信号を出力していない。つまり、設定値の設定変更を行う場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を2回、出力するのに対し、設定値の確認表示を行う場合には、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を1回のみ、出力することとなる。これにより、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、磁気センサ2470を用いての不正行為の監視や、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行していない状態であり、そのような不正行為の監視を実行していない状態でありながらも、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を出力することで、ホールコンピュータを通じて当該パチンコ機1への監視を警告し、正規に設定値の確認表示が行われていることをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることできる。つまり、ホール店員は、ホールコンピュータを通じて不正行為を行う者により設定値の確認表示が行われていないことをホールコンピュータを通じて監視することができる。なお、タイミングt4で設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとした時点では、変更許可状態のように主制御MPUが2回目のセキュリティ信号を出力することがないことにより、設定値の設定変更と設定値の確認表示とのいずれが行われていたのかを区別できるようになっている。
また、磁石や振動による不正行為が行われていると判断してホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力される場合には、主制御MPUから周辺制御MPUへの監視結果の送信に基づき、周辺制御MPUによって制御されるエラー関連処理での外部報知として演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知が行われるのに対し、設定値の設定変更時(変更許可状態)や設定値の設定確認時(確認表示状態)にホールコンピュータに対してセキュリティ信号が出力される場合には、周辺制御MPUへの監視結果に関する何らの情報も送信しないようにし、周辺制御MPUによって制御されるエラー関連処理での外部報知として演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による一切の報知が行われないようにしている。これによっても、正規の設定変更や確認表示の作業を阻害しないようにできる。
なお、上記の変形例として、設定キースイッチ1311aを設定キーONとし、且つ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作するか否かにかかわらずパチンコ機1が電源投入された場合には、設定キースイッチ1311aを設定キーOFFとするまでの間、磁気センサ2470や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しない期間とする一方、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わないようにしてもよい。また、設定キースイッチ1311aやRWMクリアボタン633z、電源スイッチ630aとは別の操作部を設けるようにし、その別の操作部をホール店員が操作ONとした場合には、磁気センサ2470や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しない期間としてもよい。このような場合にも、パチンコ機1の点検作業を行う際に、その点検作業を行う正規の作業者が磁石を近づけたり振動を加えたりしたとしても、磁石や振動による不正行為として検出されることを防止し、正規の点検作業の阻害を抑制することができる。また、磁気センサ2470や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しない期間についての少なくとも開始時には、変更許可状態や確認表示状態の開始時と同じく、ホールコンピュータに対してセキュリティ信号を出力することで、ホールコンピュータを通じて当該パチンコ機1への監視を警告し、正規に点検作業が行われていることをホールコンピュータを通じてホール店員に把握させることできる。
なお、本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2470として、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサが設けられているが、複数の磁気センサを設けるようにし、例えば、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方や、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺において、それぞれの磁気センサが磁気の発生を検知可能としてもよい。このような構成では、上記した1つの磁気センサ2470である構成と同様に、通常時において、複数の磁気センサを用いての不正行為の監視を実行するのに対し、変更許可状態や確認表示状態において、複数の磁気センサを用いての不正行為の監視を実行しないようにしてもよいが、変更許可状態や確認表示状態においては、複数の磁気センサのうち一部の磁気センサ(例えば、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺に設けられた磁気センサ)のみ用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。
同様に、本例では、振動による不正行為を検知する振動センサ3005として、遊技盤5に設けられた大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺における振動の発生を検知することが可能な1つの振動センサが設けられているが、複数の振動センサを設けるようにし、例えば、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に加えて、遊技盤5の前側に位置する大入賞口2005以外の入球口の周辺や、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板13111や設定キースイッチ1311aの周辺においても、それぞれの振動センサが振動の発生を検知可能としてもよい。このような構成では、通常時において、複数の振動センサを用いての不正行為の監視を実行する(ただし、大入賞口2005の内部の振分片2415の周辺に設けられた振動センサについては、大当り遊技中のみ)のに対し、変更許可状態や確認表示状態において、複数の振動センサを用いての不正行為の監視を実行しないようにしてもよいが、変更許可状態や確認表示状態においては、複数の振動センサのうち一部の振動センサ(例えば、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺に設けられた振動センサ)のみ用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。
また、変更許可状態や確認表示状態が終了した直後(不正行為の監視を開始した直後)のセキュリティ信号送信中に磁石や振動による不正行為を検知することもあり、そのような場合には、不正行為の検知に基づく重要なセキュリティ信号が出力できずに、不正監視体制が弱体化してしまうような事態の発生が懸念される。こうした事態を防ぐために、以下のようにしてもよい。すなわち、変更許可状態における2回目のセキュリティ信号の出力期間や、確認表示状態における1回目のセキュリティ信号の出力期間が経過するまで遅延させるように、不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力時期を遅延させ、不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力時期が重ならないようにしておくことが例示できる。具体的には、変更許可状態や確認表示状態が終了した後に、不正行為の監視を直ちに開始するものの、変更許可状態における2回目のセキュリティ信号の出力期間や、確認表示状態における1回目のセキュリティ信号の出力期間内に新たなセキュリティ信号が出力される契機(不正行為の検知)が発生した場合には、新たなセキュリティ信号の出力を破棄せずに、先行して出力されているセキュリティ信号の出力が完了するまで新たなセキュリティ信号の出力情報を記憶保持し、本来の出力時期よりも遅延させるかたちで新たなセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。このような実施形態によれば、本来の不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力が破棄されず、不正監視体制が弱体化してしまうような事態の発生を抑制することができる。また、別例として、不正監視の開始時期そのものを変更許可状態における2回目のセキュリティ信号の出力期間や、確認表示状態における1回目のセキュリティ信号の出力期間が終了するまで延長するようにしておくこととしてもよい。このような実施形態によっても、本来の不正行為の検知に基づくセキュリティ信号の出力が破棄されてしまうことがなく、不正監視体制が弱体化してしまうような事態の発生を抑制することができる。
[14.コマンド送信処理について]
上述したように、パチンコ機1の主な制御構成は、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、夫々の制御が分担されている。このうち、主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御するのに対し、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からのコマンドに基づいて遊技中の各種演出を制御している。具体的には、主制御基板1310の主制御MPUは、所定のタイミングで、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドを記憶する専有領域、コマンドバッファ)にセットし、それらのセットしたコマンドを周辺制御基板1510に順次送信することで、周辺制御基板1510側でも、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を把握することができる。ただし、パチンコ機1の電源投入時において、設定値の設定変更や設置値の確認表示を行う際には、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域にセットしながらも、変更許可状態や確認表示状態の実行中に一部のコマンドだけを周辺制御基板1510に直ちに送信し、残りのコマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の終了後に周辺制御基板1510に送信するようにしている。
まず、パチンコ機1の電源投入時におけるコマンドの送信タイミングについて、図153を参照して説明する。図153(A)は、パチンコ機1の通常の電源投入時(設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合)におけるコマンドの送信タイミングを示すタイムチャートであり、図153(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う場合におけるコマンドの送信タイミングを示すタイムチャートである。なお、本例では、変更許可状態や確認表示状態の開始時において、少なくとも主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS104のスイッチ入力処理を開始するようにし、各種入賞口やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に、各々に対応する検出センサからの検出信号を主制御MPUが入力するものとして記載している。
図153に示すように、タイミングt3でパチンコ機1が電源投入されると、主制御MPUは、図64に示した主制御側電源投入時処理を開始する。そして、タイミングt3からタイミングtyまでの期間には、上述した[電源投入時におけるパチンコ機の挙動]で説明したように、主制御側電源投入時処理のステップS10~S24の処理を実行し、タイミングtyが到来した時点で、RAMクリア報知フラグRCL-FLGの値、及び、設定キーONフラグCS-FLGの値がいずれの組み合わせであるのかを判定する(ステップS25~S27)。ステップS25の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値変更許可条件が成立することによって、ステップS37の設定変更処理に移行して設定許可状態にする。また、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行った後に変動可能状態にする。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であると判定したときには、予め定めた設定値表示許可条件が成立することによって、ステップS28の設定値確認表示処理に移行して確認表示状態にする。また、ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0であると判定したときには、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。なお、変動可能状態とは、上述したように、ステップS52の割り込み許可設定の実行によって主制御側タイマ割り込み処理(ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理)を開始することで、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能となる状態である。
なお、上述したが、周辺制御基板1510(周辺制御MPU)は、主制御MPUがウェイト時間待機処理を完了する時点であるタイミングtyよりも前に、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)ための初期化処理を完了しているため、タイミングtyの時点以降には、主制御基板1310(主制御MPU)からの各種コマンドを受信することができる状態となっている。
図153(A)に示すように、タイミングt3の時点で設定キースイッチ1311aがON操作されておらず、通常の電源投入時であるとして、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行わない場合には、同じくタイミングt3の時点でRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると、タイミングtyの時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行った後に変動可能状態にする一方、タイミングt3の時点でRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと、タイミングtyの時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。このような変動可能状態では、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMのコマンドバッファにセットすることが可能であり、それらのコマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信することとなる。
例えば、タイミングtyの時点で本体枠4が開放している場合には、主制御MPUは、本体枠4が開放していることを特定するドア開放時コマンドをコマンドバッファにセットし、そのドア開放時コマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。そして、周辺制御MPUは、主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドを受信することによって、本体枠4を閉鎖する時点であるタイミングt5が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、本体枠4が開放していることを通知するドア開放時報知を実行している。このドア開放時報知としては、「ドア開放中です」を繰り返す音声と、「ドア開放中!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。このように、本体枠4の開放中には、外部に向けてドア開放時報知を実行することで、本体枠4が開放していることをホール管理者が直ぐに把握することができ、本体枠4の開放中において、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
図153(B)に示すように、タイミングt3の時点で設定キースイッチ1311aがON操作されており、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う場合には、同じくタイミングt3の時点でRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていると、タイミングtyの時点から、設定値の設定変更を行うことが可能な変更許可状態にする一方、タイミングt3の時点でRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていないと、タイミングtyの時点から、設定値の確認表示を行うことが可能な確認表示状態にする。そして、変更許可状態では、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点で、変更許可状態を終了し、そのタイミングt4の時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行った後に変動可能状態にする。一方、確認表示状態では、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点で、確認表示状態を終了し、そのタイミングt4の時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。
上記した変更許可状態や確認表示状態では、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットするものの、そのコマンドの種類によって、セットする主制御内蔵RAMの記憶領域を異ならせている。具体的には、少なくとも変更許可状態や確認表示状態には、主制御内蔵RAMの記憶領域(コマンドバッファ)として、第1記憶領域(第1コマンドバッファ)と第2記憶領域(第2コマンドバッファ)とを設けるようにし、第1コマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信する一方、第2コマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。つまり、少なくとも変更許可状態や確認表示状態において、第1コマンドバッファには、直ちに周辺制御基板1510に送信することを要するコマンドをセットする一方、第2コマンドバッファには、タイミングt4で変更許可状態や確認表示状態を終了した後に周辺制御基板1510に送信することを要するコマンドをセットするようにしている。
なお、変更許可状態や確認表示状態を除いては、主制御MPUは、遊技演出の制御に関する情報やパチンコ機1の状態に関する情報を各種コマンドとして第1コマンドバッファにセットし、第1コマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信するようにしている。つまり、変更許可状態や確認表示状態においては、第1コマンドバッファと第2コマンドバッファとのいずれかにコマンドをセットしているが、変更許可状態や確認表示状態を除いては、全てのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信するように、第1コマンドバッファのみにコマンドをセットしている。ただし、変更許可状態や確認表示状態を除いては、第1コマンドバッファと第2コマンドバッファとを区分しないようにし、その区分していないコマンドバッファにコマンドをセットした場合には、そのコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。
まず、変更許可状態や確認表示状態において、第2コマンドバッファにセットされるコマンドとしては、不正監視に関するコマンドとして、本体枠4が開放していることを特定するドア開放時コマンドや、各種入賞口(第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005など)やゲート部2003に遊技球Bが入球した際に検出信号の入力を無効な期間としながらも検出自体(異常入球)があったことを特定する異常入球時コマンドなどが挙げられる。具体的には、ドア開放時コマンドは、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、本体枠4が開放している場合に第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファにドア開放時コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたドア開放時コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたドア開放時コマンドを周辺制御基板1510に送信する。また、異常入球時コマンドは、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において遊技球Bの検出(異常入球)があった時点で、第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファに異常入球時コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした異常入球時コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした異常入球時コマンドを周辺制御基板1510に送信する。
そして、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドを受信することによって、本体枠4を閉鎖する時点であるタイミングt5が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、本体枠4が開放していることを通知するドア開放時報知を実行している。このドア開放時報知としては、「ドア開放中です」を繰り返す音声と、「ドア開放中!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。また、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から異常入球時コマンドを受信することによって、タイミングt4から所定期間にわたって、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったことを通知する異常入球時報知を実行している。この異常入球時報知としては、「異常入球」を繰り返す音声と、「異常入球あり!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。このように、変更許可状態や確認表示状態においては、本体枠4が開放しているか否かや、各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったか否かを監視し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、外部に向けてドア開放時報知や異常入球時報知を実行することで、本体枠4が開放していることや、各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったことをホール管理者が把握することができる。なお、変更許可状態や確認表示状態の終了後においては、ドア開放時報知や異常入球時報知を同時に実行することも可能であるが、重度の不正が疑われる報知(例えば、異常入球時報知)を優先して実行するようにしてもよい。
上記したように、ドア開放時コマンドや異常入賞時コマンドなどの不正監視に関するコマンドについては、変更許可状態や確認表示状態において第2コマンドバッファにセットし、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う際に、ホール管理者が意図しない不正検知によりドア開放時報知や異常入球時報知が実行されることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
一方、変更許可状態や確認表示状態において、第1コマンドバッファにセットされるコマンドとしては、設定に関するコマンドとして、変更許可状態の開始時であることを特定する設定変更コマンドや、確認表示状態の開始時であることを特定する設定確認コマンド、変更許可状態の終了時であることを特定する設定変更完了コマンド、確認表示状態の終了時であることを特定する設定値確認表示完了コマンドなどが挙げられる。具体的には、設定変更コマンドは、変更許可状態の開始時であるタイミングtyの時点で、第1コマンドバッファにセットし、設定確認コマンドは、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、第1コマンドバッファにセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。同様に、設定変更完了コマンドは、変更許可状態の終了時であるタイミングt4の時点で、第1コマンドバッファにセットし、設定値確認表示完了コマンドは、確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点で、第1コマンドバッファにセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。
そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信することによって、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。設定変更コマンドに対応した警戒報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、設定値の設定変更中に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、設定確認コマンドに対応した警戒報知としては、「設定確認中です」という音声と、「設定確認中!」というメッセージ表示、設定値の設定確認中に対応した色でのランプ発光(設定値の設定変更中に対応した色でのランプ発光とは異なる発光態様)を実行することとしている。このように、変更許可状態や確認表示状態においては、外部に向けて警戒報知を実行することで、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行うことが可能であることをホール管理者が直ぐに把握することができ、変更許可状態や確認表示状態において、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
上記したように、設定変更コマンドや設定確認コマンドなどの設定に関するコマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第1コマンドバッファにセットし、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信している。変更許可状態や確認表示状態においては、本体枠4が開放していたり各種入賞口やゲート部2003に異常入球があったとしても、変更許可状態や確認表示状態の終了後までドア開放時報知や異常入球時報知が実行されることを遅延させているため、通常の不正監視体制でない状況であるが、第2コマンドバッファにセットしたコマンドに先行して、設定変更コマンドや設定確認コマンドなどの設定に関するコマンド(警戒用の特定コマンド)を周辺制御基板1510に送信することで、変更許可状態や確認表示状態においても、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
また、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信した際に、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。変更許可状態においては、設定値の設定変更を行うことが可能な状態であり、確認表示状態と比べて、ホール管理者以外が不正に設定値の設定変更を行うことがないように特に監視体制を強くする必要があるが、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行することで、監視体制を強くする必要があるか否かをホール管理者が的確に判断することができる。
また、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドや異常入球時コマンドを受信した際に、ドア開放時報知や異常入球時報知を実行しているが、これらの報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知するだけでなく、スピーカから「ビービービー」などの警告音を音声に加えて出力し(「ドアが開いています、ビービービー、ドアが開いています、・・・」など)、「メッセージ+警告音」の組み合わせで実行するようにしている。これに対し、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信した際には、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行しているが、これらの報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、スピーカから出力する音については、警告音を出力せずに音声のみで実行するようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う際に、コマンドの種類に対応した警戒演出を実行したとしても、ドア開放時報知や異常入球時報知と比べて外部に向けたアピールを抑制することができ、正規の作業の阻害を抑制することができる。
[14-1.遊技情報コマンドの送信タイミングについて]
上記した実施形態では、パチンコ機1の電源投入時において、設定値の確認表示を行う場合には、ステップS28の設定値確認表示処理を行った後に、ステップS29~S36の処理を行っている。つまり、確認表示状態の終了時点(設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点)で、ステップS34において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた遊技情報コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットし、そのセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に順次送信することで、周辺制御基板1510側でも、電源を遮断する前の遊技に関する情報を把握することができる。これにより、確認表示状態の終了後には、現在の遊技状態、電源を遮断した時点で中断されている特別図柄の変動表示、電源を遮断した時点で記憶されている保留数などを周辺制御基板1510の周辺制御MPUが把握することによって、周辺制御MPUは、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による演出を復帰させ、例えば、電源を遮断した時点で中断されている装飾図柄の変動表示を再開したり、電源を遮断した時点で記憶されている保留数の表示を再開したりできるようになっている。
この点、遊技情報コマンドについては、確認表示状態の終了時点(設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点)ではなく、確認表示状態の開始時点(タイミングtyの時点)で、第2コマンドバッファにセットするようにし、第2コマンドバッファに遊技情報コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。このような遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして送信する場合における遊技情報コマンドのセットタイミング及び送信タイミングについて、図154及び図155を参照して説明する。図154は、主制御側電源投入時処理の変形例を示すフローチャートである。また、図155(A)は、パチンコ機1の通常の電源投入時(RWMクリアボタン633zの押圧操作部及び設定キースイッチ1311aを操作しない場合)における遊技情報コマンドの送信タイミングを示すタイムチャートであり、図155(B)は、パチンコ機1の電源投入時に設定値の確認表示を行う場合における遊技情報コマンドの送信タイミングを示すタイムチャートである。
なお、本例では、パチンコ機1の電源投入時にRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作しておらず、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして送信する場合について説明しているが、パチンコ機1の電源投入時にRWMクリアボタン633zの押圧操作部を操作し、主制御内蔵RAMの初期化を行う場合や設定値の設定変更を行う場合には、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアすることから、遊技バックアップ情報が失われることとなり、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして送信することがない。
図154に示すように、本例の主制御電源投入時処理では、ステップS26の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値1、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値0でないと判定したときには、まず、ステップS29~S36の処理を行う。このステップS29~S36の処理のうち、ステップ32においては、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた遊技情報コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットしている。そして、ステップS29~S36の処理に続いて、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS27)。ステップS27の判定において、主制御MPUは、RAMクリア報知フラグRCL-FLGが値0、且つ、設定キーONフラグCS-FLGが値1であるとして、予め定めた設定値表示許可条件が成立していると判定したときには、設定値確認表示処理を行う(ステップS28)。つまり、ステップS28の設定値確認表示処理を行うよりも前にステップS32の処理を行い、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた遊技情報コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域(コマンドバッファ)にセットしている。また、ステップS28の設定値確認表示処理を行った後にステップS29~S36の処理を行う場合には、ステップS29でチェックサムの算出を行う時間や、ステップS30でチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する時間の分だけ、遊技の再開が遅延することとなるが、ステップS28の設定値確認表示処理を行うよりも前にステップS29~S36の処理を行うことで、ステップS28の設定値確認表示処理を行った後に遊技が再開されるまでの時間を短縮することができるようになる。
図155(A)に示すように、通常の電源投入時である場合、つまりタイミングt3の時点でRWMクリアボタン633zの押圧操作部及び設定キースイッチ1311aが操作されていない場合には、タイミングtyの時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。このような変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、主制御MPUは、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして主制御内蔵RAMの所定記憶領域にセットし、その遊技情報コマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信することとなる。これにより、周辺制御MPUは、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、電源を遮断した時点での演出(演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力)を迅速に復帰させることができる。
なお、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から遊技情報コマンドを受信した際に、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点からは、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。これにより、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、演出部材が初期位置からずれた位置にあったとしても、初期動作を行うことで、演出部材を初期位置に戻すことができ、1回の初期動作で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための制御を幾度か繰り返すことで、演出部材が初期位置からずれた位置で待機することを防止することができる。そして、演出部材の初期動作の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
図155(B)に示すように、設定値の確認表示を行う場合、つまりタイミングt3の時点で設定キースイッチ1311aがON操作されており、且つ、RWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されていない場合には、タイミングtyの時点から、設定値の確認表示を行うことが可能な確認表示状態にする。そして、確認表示状態では、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4の時点で、確認表示状態を終了し、そのタイミングt4の時点から、ステップS38の主制御内蔵RAMの初期化を行うことなく変動可能状態にする。このような場合には、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、主制御MPUは、遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファに遊技情報コマンドをセットした場合には、そのセットした遊技情報コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に送信する。これにより、周辺制御MPUは、変動可能状態の開始時であるタイミングtyの時点で、電源を遮断した時点での演出(演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力)を復帰させることができる。
上記したように、遊技情報コマンドについては、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第2コマンドバッファにセットし、そのセットした遊技情報コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。これにより、設定値の確認表示を行う際に、電源を遮断した時点での演出(演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力)が復帰することを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。また、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、既に遊技バックアップ情報を遊技情報コマンドとして第2コマンドバッファにセットしているため、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態においてノイズが発生して遊技バックアップ情報が破壊されたとしても、遊技情報コマンドを周辺制御基板1510に確実に送信することができる。
また、設定確認コマンドについては、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第1コマンドバッファにセットし、そのセットした設定確認コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信している。そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定確認コマンドを受信した際に、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。つまり、タイミングt3からタイミングt4までの期間である確認表示状態には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このような演出部材は、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材であり、演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認や、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせなどを行うこととしている。これにより、確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で、演出部材が初期位置からずれた位置にあったとしても、初期動作を行うことで、演出部材を初期位置に戻すことができ、1回の初期動作で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための制御を幾度か繰り返すことで、演出部材が初期位置からずれた位置で待機することを防止することができる。そして、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
上記したように、タイミングt4での確認表示状態の終了後には、主制御基板1310から周辺制御基板1510に変動パターンコマンドを送信することが可能である一方、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、その変動パターンを送信することがない。このため、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されることによって演出部材が動作することがなく、演出部材の故障によって動作していないのか否かを判別することができない。この点、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われることで、「演出部材は正常であるが遊技に伴していない状況であること」を外部に向けて知らせることができ、演出部材の故障ではないと判別することができる。なお、本例では、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態において、演出部材の初期動作が行われているが、演出部材が故障ではないことを知らせるために動作が行われるものであればよく、例えば、タイミングtyからタイミングt4までの期間である確認表示状態には、初期動作とは別に演出部材の仮動作が行われるのみであって、タイミングt4での確認表示状態の終了後に、演出部材の初期動作が行われるものであってもよい。なお、演出部材の仮動作は、初期動作とは異なる動作であっても良いし、初期動作と同じ動作であっても良い。
なお、設定値の設定変更を行う場合には、変更許可状態の開始時であるタイミングtyの時点で第1コマンドバッファに設定変更コマンドをセットし、そのセットした設定変更コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信している。そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドを受信した際に、設定確認コマンドを受信した際と同じく、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われている。このように、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態においても、確認表示状態と同じく、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われることで、「演出部材は正常であるが遊技に伴していない状況であること」を外部に向けて知らせることができ、演出部材の故障ではないと判別することができる。
[14-2.変更許可状態や確認表示状態の終了後における警戒報知の延長について]
上記した実施形態では、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行しているが、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも、その警戒報知を延長して実行するようにしてもよい。このような変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合について、図156を参照して説明する。図156は、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合を示すタイムチャートである。
図156に示すように、詳細は上述したが、タイミングtyでの変更許可状態の開始時には、第1コマンドバッファに設定変更コマンドをセットし、タイミングtyでの確認表示状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定確認コマンドをセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。そして、周辺制御MPUは、タイミングtyの時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更コマンドや設定確認コマンドを受信することによって、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。
また、タイミングt4での変更許可状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定変更完了コマンドをセットし、タイミングt4での確認表示状態の開始時には、第1コマンドバッファに設定値確認表示完了コマンドをセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。このとき、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドを受信することによって、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、タイミングtyの時点から実行中の警戒報知を継続して実行している。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行しているが、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも、タイミングt4からタイミングt4’までの期間である所定時間(例えば、30秒間)の分だけ、その警戒報知を延長して実行している。この警戒報知の延長は、警戒報知の延長終了条件を設定し、その設定した延長終了条件が満たされることで終了するものである。具体的には、警戒報知の延長期間として所定時間(例えば、30秒間)で終了する場合は、その所定時間(例えば30秒間)を特定のタイマ部に設定し、そのタイマ部が所定時間の計時を開始して時間満了になることで終了するものである。また、別例としては、警戒報知の延長期間として所定回数の音声の報知(例えば、5回のメッセージ音声のループ)で終了する場合は、その所定回数を特定のカウント部に設定し、そのカウント部が所定回数の計数を開始して回数満了になることで終了するようにしてもよい。
上記したように、変更許可状態や確認表示状態の実行時には、タイミングtyからタイミングt4までの期間だけでなく、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間、警戒報知を延長して実行している。例えば、変更許可状態や確認表示状態の実行時のみ警戒報知を実行する場合には、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点から短時間(例えば、1~2秒)で設定キースイッチ1311aをOFF操作すると、タイミングtyからタイミングt4までの期間である警戒報知を実行する時間が短くなることから、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った場合には、ホール管理者が気付かない可能性がある。特に、設定値の確認表示を行う場合については、設定値を設定変更する必要がないことから、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の確認表示を行うことが可能であり、ホール管理者が気付かない可能性がある。これに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了後にも警戒報知を延長して実行する場合には、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点から短時間(例えば、1~2秒)で設定キースイッチ1311aをOFF操作したとしても、警戒報知を実行する時間として、タイミングt4からタイミングt4’までの期間が確保されることとなる。このため、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った場合であっても、ホール管理者が気付きやすく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
また、詳しくは上述したが、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、コマンドの種類に対応した警戒報知を実行している。設定変更コマンドに対応した警戒報知としては、「設定変更中です」を繰り返す音声と、「設定変更中!」というメッセージ表示、設定値の設定変更中に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。また、設定確認コマンドに対応した警戒報知としては、「設定確認中です」という音声と、「設定確認中!」というメッセージ表示、設定値の設定確認中に対応した色でのランプ発光を実行することとしている。そして、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、変更許可状態や確認表示状態中における警戒報知のメッセージ内容を維持するようにしてもよいが、変更許可状態や確認表示状態とは別のメッセージ内容としてもよい。例えば、変更許可状態や確認表示状態の終了後の警戒報知では、変更許可状態や確認表示状態中におけるメッセージ内容とは別のメッセージ内容である「設定変更が完了しました」や「設定確認が完了しました」といったメッセージをループさせて出力する構成にしてもよい。これにより、上述した不正行為の対策だけでなく、正規に変更許可状態や確認表示状態が終了した場合にもホール管理者にその旨を気付き易くすることができる。また、変更許可状態や確認表示状態中における警戒報知のメッセージ内容を維持する場合には、警戒報知の延長時との切り換わりタイミングであるt4にて一時的な報知の分断が起きないようにしてもよい。例えば、変更許可状態や確認表示状態にてコマンドの種類に対応して実行される警戒報知のうちの少なくともスピーカから出力される音声については、その音声が中途で終了しないように完結するまで継続出力するように制御し、延長される警戒報知における音声については、継続出力された警戒報知の音声の完了後に、音声の先頭から改めて実行するようにすることが例示できる。
また、警戒報知については、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、スピーカから出力する音については、ドア開放時報知や異常入球時報知として出力される「ビービービー」などの警告音については出力しておらず、音声のみで実行するようにしている。また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが不能な変動不能状態であるのに対し、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態となり、例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に変動パターンコマンドが送信されることによって、各種の演出音がスピーカから出力されることとなる。この点、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合であっても、警告報知としてスピーカから警告音の出力がないことで、音声を出力するために有限に設けられたチャンネルに余裕をもたせることができ、各種の演出音を出力するために有限に設けられたチャンネルに対する割り当てを行う際に、その有限に設けられたチャンネルに空き(未使用チャンネル)がない状況を極力回避することができる。
また、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)からドア開放時コマンドや異常入球時コマンドを受信しているが、タイミングt4の時点でドア開放時報知や異常入球時報知を実行することなく、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点からドア開放時報知や異常入球時報知を実行している。つまり、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、ドア開放時報知や異常入球時報知よりも優先して、延長した警告報知を実行している。これにより、ホール管理者以外が短時間で不正に設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った場合であっても、延長した警告報知を優先して実行することで、ホール管理者が気付きやすく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。なお、重度の不正が疑われる報知(例えば、異常入球時報知)については、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点ではなく、延長した警告報知の実行中ではあるが、タイミングt4の時点で実行するようにしてもよい。
また、ドア開放時報知や異常入球時報知については、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知するだけでなく、スピーカから「ビービービー」などの警告音を出力し、「メッセージ+警告音」の組み合わせで実行するようにしている。このドア開放時報知や異常入球時報知については、ドア開放時報知や異常入球時報知の実行中に継続して出力するものであるが、所定時間(例えば、10秒間)だけ出力する構成としてもよい。しかしながら、本例では、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点からドア開放時報知や異常入球時報知を実行しているため、例えば、警戒報知の延長時間(タイミングt4からタイミングt4’までの期間)のほうがドア開放時報知や異常入球時報知の出力時間(例えば、10秒間)よりも長い、あるいは同じとされる場合には、そのドア開放時報知や異常入球時報知が出力されないようになってしまう。この報知頻度の低下による問題を鑑みて、警戒報知の延長時間(タイミングt4からタイミングt4’までの期間)のほうが警告音の出力時間(例えば、10秒間)よりも長い、あるいは同じとされる場合には、ドア開放時報知や異常入球時報知の出力時間のうち警戒報知の延長時間後の残り時間だけ、そのドア開放時報知や異常入球時報知を出力するように構成してもよい。また、警戒報知の延長時間後に新たにドア開放時報知や異常入球時報知を開始するように構成してもよい。
また、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合、延長して実行した警戒報知の終了時であるタイミングt4’の時点からドア開放時報知を実行しているが、本体枠4を閉鎖したタイミングt5がタイミングt4’よりも前に到来したときには、ドア開放時報知を実行しないようにしている。つまり、延長した警戒報知の実行中に本体枠4を閉鎖した場合には、ドア開放時報知を実行しないようにしている。ただし、延長した警戒報知の実行中に本体枠4を閉鎖し、タイミングt4’よりも前に再び本体枠4を開放した場合には、その延長した警告報知を終了して、ドア開放時報知を実行している。これは、通常であれば、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った後には、本体枠4を閉鎖するのみであって、再び本体枠4を開放することがないが、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行った直後に再び本体枠4を開放するという不可解な状況が生じた場合には、「メッセージ+警告音」の組み合わせからなるドア開放時報知を警戒報知に優先して実行することで、不正等の疑いがある不可解な状況が生じて本体枠4が開放していることにホール管理者が気付きやすく、本体枠4が開放している状況が継続することがないように監視体制を強めることができる。
また、詳しくは上述したが、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、磁気センサ2470や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行していないのに対し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、磁気センサ2470や振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行している(ただし、振動センサ3005を用いての不正行為の監視については、大当り遊技中のみ)。そして、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合には、外部報知として演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による不正報知を実行している。このとき、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合であっても、その延長した警戒報知よりも優先して、不正報知を実行している。このように、磁石や振動のように重度の不正が疑われる不正報知については、延長した警戒報知よりも優先することで、ホール管理者が気付きやすく、ホール管理者以外が不正行為を行うことがないように監視体制を強めることができる。
また、警戒報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、例えば、ランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知し、演出表示装置1600の画像については出力しない構成としてもよい。このように複数の報知部材(演出表示装置1600、ランプ、スピーカ)のうちの一部を用いて警戒報知を行う構成において、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、延長中の警戒報知として演出表示装置1600の画像から出力していないが、磁石や振動による不正行為が行われていると判断した場合には、延長中の警戒報知として出力していない演出表示装置1600の画像のみによって(複数の報知部材のうちの使用していない報知部材のみを用いた報知によって)、不正報知を実行するようにしてもよい。これにより、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合において、その延長した警戒報知を中止することなく、不正が疑われる不正報知をホール管理者に気付かせることができる。なお、ドア開放時報知や異常入賞時報知についても同様に、延長中の警戒報知として出力していない演出表示装置1600の画像のみによって(複数の報知部材のうちの使用していない報知部材のみを用いた報知によって)、そのドア開放時報知や異常入賞時報知を実行するようにしてもよい。
また、本例では、変更許可状態や確認表示状態の終了後のいずれであっても、警戒報知を延長して実行しているが、確認表示状態の終了後のみ、警戒報知を延長して実行する構成としてもよい。例えば、設定値の設定変更を行う場合には、変更許可状態の終了後に主制御内蔵RAMの初期化を行う(ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域のうち特定領域を除いてクリアする)こととなるが、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドを受信することによって、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、警戒報知の延長ではなく、RAMクリアがあったことを通知するRAMクリア報知を実行する構成としてもよい。これにより、変更許可状態の終了後においては、RAMクリアがあったことをホール管理者が把握することができる。
[14-3.変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合について]
上記した実施形態では、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作が行われているが、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、その演出部材の初期動作が行われるようにしてもよい。このような変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合について、図157を参照して説明する。図157は、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作が行われる場合を示すタイムチャートである。
図157に示すように、タイミングt4での変更許可状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定変更完了コマンドをセットし、タイミングt4での確認表示状態の終了時には、第1コマンドバッファに設定値確認表示完了コマンドをセットし、いずれのコマンドも、セットすると直ちに周辺制御基板1510に送信する。このとき、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドを受信することによって、本体枠4や遊技盤5に搭載されている演出部材(例えば、演出操作部160や複数の回転装飾体3210)の初期動作を開始している。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出部材の初期動作を行うことなく、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うようにしている。
上記した演出部材には、各々が初期位置と動作位置との間で動作することが可能な部材として、演出操作部160や複数の回転装飾体3210が含まれる。このような演出部材の初期動作では、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせを行う復帰処理と、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認を行う確認処理と、を順に実行している。例えば、パチンコ機1の電源を遮断した時点で演出部材が動作中である場合には、演出部材が初期位置からずれた位置で停止してしまい、その後に電源投入した時点でも、演出部材が初期位置からずれた位置にある。この点、パチンコ機1の電源を投入した後、変更許可状態や確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点で、演出部材が初期位置からずれた位置にあったとしても、復帰処理を行うことで、演出部材を初期位置に戻すことができ、1回の復帰処理で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための復帰処理を幾度か繰り返すことで、演出部材が初期位置からずれた位置で待機することを防止することができる。また、確認処理では、演出部材が初期位置から動作位置へ動作した後、動作位置から再び初期位置へ戻るように動作することで、演出部材が正常に動作するかを確認することができる。なお、復帰処理を幾度か繰り返したとしても演出部材が初期位置に戻らなかった場合や、確認処理にて演出部材が動作位置や初期位置に正常に動作しなかった場合には、演出部材に異常が発生していることを外部報知するようになっている。そして、演出部材の初期動作の終了後には、演出部材を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に演出部材を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、演出部材を初期位置から動作位置に動作するようにしている。
また、演出部材には、光の照射により第一絵柄や第二絵柄を発光装飾することが可能な導光板3110が含まれる。このような導光板3110の初期動作では、導光板3110が正常に発光装飾されるかの確認を行う確認処理を実行している。つまり、確認処理では、導光板3110に第一絵柄を発光装飾するように光を照射する処理と、導光板3110に第二絵柄を発光装飾するように光を照射する処理とを幾度か繰り返すことで、導光板3110が正常に発光装飾されるかを確認することができる。なお、演出操作部160や複数の回転装飾体3210の初期動作と、導光板3110の初期動作とは、変更許可状態や確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点から並行して実行するようにしている。そして、導光板3110の初期動作の終了後には、導光板3110を用いた演出が実行されることを可能としている。例えば、主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信される変動パターンコマンドとして、図柄変動中に導光板3110を用いた演出が設定された変動パターンが送信されている場合には、図柄変動中の所定のタイミングで、導光板3110に第一絵柄や第二絵柄を発光装飾するようにしている。
上記したように、本例では、パチンコ機1の電源を投入した後、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、演出部材の初期動作を行うことなく、設定値の設定変更や設定値の確認表示のみを行い、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うようにしている。例えば、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、演出部材の初期動作を行った場合には、工場で確認作業する際に、設定値の設定変更や設定値の確認表示が正常に機能するかの確認を行うのと同時に、演出部材の初期動作によって演出部材が正常に動作するかの確認を行う必要があり、工場で確認作業する者にとって確認に困難を伴う。しかしながら、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うことで、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、設定値の設定変更や設定値の確認表示のみを行い、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後には、演出部材の初期動作によって演出部材が正常に動作するかの確認のみを行うことができ、工場で確認作業する者にとって同時に確認する必要がないことから、確認の確実性を増すことができる。
なお、上記では、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドを受信した際に、演出部材の初期動作を行うようにしているが、設定変更完了コマンドや設定値確認表示完了コマンドとは別に、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から演出部材の初期動作を行うための初期動作コマンドを受信した際に、演出部材の初期動作を行うようにしてもよい。このような初期動作コマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の終了時であるタイミングt4の時点で第1コマンドバッファにセットし、その初期動作コマンドをセットすると直ちに周辺制御基板1510に送信するものとする。これに対し、初期動作コマンドについては、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で第2コマンドバッファにセットし、そのセットした初期動作コマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした初期動作コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした初期動作コマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしてもよい。このような場合には、変更許可状態や確認表示状態の開始時であるタイミングtyの時点で初期動作コマンドをセットしながらも、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、演出部材の初期動作を遅延させ、変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うことができる。
また、変更許可状態や確認表示状態の実行時には、タイミングtyからタイミングt4までの期間だけでなく、タイミングt4の時点から所定時間(例えば、30秒間)が経過したタイミングt4’が到来するまでの期間、警戒報知を延長して実行する場合には、演出部材の初期動作が行われる時間よりも時間が長くなるように警戒報知の延長時間を設定している。つまり、変更許可状態や確認表示状態の終了後に延長して実行した警戒報知を終了するよりも前に、変更許可状態や確認表示状態の終了後に行われる演出部材の初期動作を終了することとしている。上記したように、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、機能表示ユニット1400の特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を行うことが可能な変動可能状態に移行し、遊技者が遊技を行うことが可能になるものの、警戒報知を延長して実行している期間には、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知を実行しており、外部の警戒を高めた状態としている。このため、警戒報知を延長して実行している期間については、遊技者に対して遊技開始を躊躇させて、実質的に、遊技者が遊技を開始しようとする期間となっていない。この点、警戒報知を延長して実行している期間中に演出部材の初期動作を終了させることで、その延長して実行した警戒報知を終了し、遊技者が遊技を開始しようとした時点で、既に演出部材の初期動作を終了している。このため、変更許可状態や確認表示状態の終了後に延長して実行した警戒報知の終了後には、演出部材の初期動作に影響されることなく、演出部材を用いた演出を実行することが可能となり、その演出内容から得られる情報を逃さないようにすることができる。なお、警戒報知を延長して実行している期間には、遊技者が遊技開始しないことを促進するために、延長して実行する警戒報知の内容を「遊技開始は、もう少し待ってください」等の遊技待機を促すような特殊なメッセージを含む態様で実行するようにしてもよい。
なお、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作を行う際に、復帰処理を幾度か繰り返したとしても演出部材が初期位置に戻らなかった場合や、確認処理にて演出部材が動作位置や初期位置に正常に動作しなかった場合には、演出部材に異常が発生していることを外部報知するように、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による役物異常報知を実行している。このとき、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合であっても、その延長した警戒報知よりも優先して、役物異常報知を実行している。このように、役物異常報知については、延長した警戒報知よりも優先することで、ホール管理者が気付きやすく、演出部材が正常に動作するかの確認を容易に行うことができる。
また、警戒報知では、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知しているが、例えば、ランプ、スピーカからの出力によって所定のメッセージ内容を報知し、演出表示装置1600の画像については出力しない構成としてもよい。このように複数の報知部材(演出表示装置1600、ランプ、スピーカ)のうちの一部を用いて警戒報知を行う構成において、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合には、延長中の警戒報知として演出表示装置1600の画像から出力していないが、演出部材に異常が発生していると判断した場合には、延長中の警戒報知として出力していない演出表示装置1600の画像のみによって(複数の報知部材のうちの使用していない報知部材のみを用いた報知によって)、役物異常報知を実行するようにしてもよい。これにより、変更許可状態や確認表示状態の終了後に警戒報知を延長して実行する場合において、その延長した警戒報知を中止することなく、役物異常報知にホール管理者に気付かせることができる。
また、本例では、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作として、演出部材が初期位置で待機するように正確な位置合わせを行う復帰処理と、演出部材が初期位置から動作位置に向けて正常に動作するかの確認を行う確認処理と、を順に実行しているが、復帰処理については、変更許可状態や確認表示状態にて先行して実行するようにしてもよい。つまり、タイミングtyでの変更許可状態や確認表示状態の開始時から、演出部材の初期動作のうち復帰処理のみを実行し、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作のうち確認処理を実行するようにしてもよい。ここで、復帰処理については、1回の復帰処理で演出部材が初期位置に戻らなかった場合には、演出部材が初期位置に戻るための復帰処理を幾度か繰り返すことから、長い時間が必要となる場合がある。この点、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、復帰処理を先行して実行することで、復帰処理に長い時間が必要となった場合であっても、変更許可状態や確認表示状態の終了後に演出部材の初期動作としての確認処理が完了するまでの時間に影響を与えることがない。このため、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、比較的早く演出部材の初期動作を完了させ、その後に変動パターンに基づく演出部材を用いた演出を実行することができる。
また、本例では、タイミングtyの時点で、変更許可状態や確認表示状態のいずれに移行する場合にも、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うようにしているが、確認表示状態に移行する場合には、その確認表示状態において、演出部材の初期動作を先行して行うようにしてもよい。つまり、変更許可状態に移行する場合には、タイミングt4での変更許可状態や確認表示状態の終了後において、演出部材の初期動作を行うのに対し、確認表示状態に移行する場合には、タイミングtyでの確認表示状態の開始時から、演出部材の初期動作を行うようにしてもよい。ここで、確認表示状態では、変更許可状態のように設定値の設定変更を行うことがなく、設定値の設定確認を行うのみであることから、比較的短時間で確認表示状態を終了させることが可能である。この点、確認表示状態に移行する場合には、その確認表示状態において、演出部材の初期動作を先行して行うことで、確認表示状態が終了するまでの間に、演出部材の初期動作を完了させることができる。このため、確認表示状態の終了後には、変動パターンに基づく演出部材を用いた演出を実行することができ、確認表示状態を比較的短時間で終了させながらも、演出部材の初期動作が完了していないことで遊技者が遊技を開始しにくいといった状況を防止することができる。
[14-4.不正監視の変形例について]
上記した実施形態では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2470として、磁気の発生した箇所(遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺であるのか、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方であるのか)を特定することが可能な1つの磁気センサが設けられているが、複数の磁気センサを設けるようにし、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方や、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺において、それぞれの磁気センサが磁気の発生を検知可能としてもよい。そして、変更許可状態や確認表示状態においては、複数の磁気センサのうち一部の磁気センサ(例えば、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺に設けられた磁気センサ)のみ用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。このような設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視の変形例について、図158を参照して説明する。図158は、設定値の設定変更中や設定値の確認表示中における不正行為の監視状態の変形例を示すタイムチャートである。
本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2470として、遊技盤5の後側に位置する設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aの周辺における磁気の発生を検知することが可能な設定操作部磁気センサ2470aと、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気の発生を検知することが可能な遊技領域部磁気センサ2470bと、が設けられている。そして、通常時には、設定操作部磁気センサ2470aを用いてパチンコ機1の裏面側の所定領域に対する不正行為を監視している。つまり、通常時には、設定操作部磁気センサ2470aによって、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、設定値の設定変更や確認表示を行う者以外がその設定変更や確認表示しようとするなどの不正行為を監視している。磁石を用いたパチンコ機1の裏面側に対する不正行為としては、例えば、パチンコ機1が設置される島設備内(パチンコ機1の裏面側が露呈される空間内)に金属製の不正器具と、その金属製の不正器具を間接的に操作する磁石とを仕込んでおき、パチンコ機1と島設備内との僅かな隙間やパチンコ機1の一部を破壊した開口を通じて磁石および金属製の不正器具を操作し、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aに不正にアクセスする行為が考えられる。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、設定操作部磁気センサ2470aからの検出信号が入力されたときには、設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域に対して磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。
同様に、通常時には、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為を監視している。つまり、通常時には、遊技領域部磁気センサ2470bによって、遊技領域5aの前方の領域に対して、本来発生するはずのない磁気(不正なアクセスによる磁気)が発生したか(磁石が近づいたか)を監視し、遊技領域5aを流下する遊技球Bの進路を変更して遊技盤5に設けられる各種入賞口やゲート部(ゲート)に入球させるなどの不正行為を監視している。なお、ステップS112の不正行為検出処理において、遊技領域部磁気センサ2470bからの検出信号が入力されたときには、遊技領域5aの前方の領域に対して磁石を用いた不正行為が行われていると判断している。
なお、本例では、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2470として、設定操作部磁気センサ2470aと、遊技領域部磁気センサ2470bと、の2つの磁気センサが設けられているが、これら2つの磁気センサ2470a、2470bは同一の性能を有するものでもよい。すなわち、この2つの磁気センサ2470a、2470bは、図示は省略するが、矩形箱状のセンサ体で構成されており、一方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第1の磁気検出領域内での磁気検出と、その反対側である他方側の側面に対して垂直方向に感度が強い指向性を有する第2の磁気検出領域内での磁気検出とを行うことができるようになっている。なお、「垂直方向に感度が強い」とは、各側面に対して水平方向と比べて垂直方向に感度が強いという意味であって、水平方向に感度が全くないという意味ではない。換言すると、各側面から発せられる磁気検出領域は、それぞれ球体状に囲まれた広域な領域となっている。そして、遊技領域部磁気センサ2470bは、こうしたセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で左右方向あるいは上下方向に広がるように配置され、パチンコ機1の表面側の広範(例えば第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所)を監視できるようにしている。一方で、設定操作部磁気センサ2470aは、上述のセンサ体の側面から発する第1の磁気検出領域と第2の磁気検出領域とがパチンコ機1の正面視で前後方向に広がるように、且つ、一方の磁気検出領域がパチンコ機1の裏面側を包含するように配置され、パチンコ機1の裏面側における設定変更基板1311や設定キースイッチ1311aが設けられた領域を監視できるようにしている。
図158に示すように、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、設定操作部磁気センサ2470aを用いてパチンコ機1の裏面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行しないのに対し、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行するようにしている。これは、変更許可状態や確認表示状態において、パチンコ機1の裏面側に対しては、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作しており、そのような正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う余地がないのに対し、パチンコ機1の表面側に対しては、正規の作業者から視認しえない位置となり、そのような正規の作業者以外が、磁石を用いた不正行為を行う可能性があるためである。また、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が磁気を発生しうるものを有している場合には、遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検出する可能性が低いのに対し、設定操作部磁気センサ2470aが磁気の発生を検出する可能性が高くなっているが、磁石を用いた不正行為として設定操作部磁気センサ2470aが磁気の発生を検出することを防止し、正規の設定変更や確認表示作業の阻害を抑制することができる。
また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。これは、変更許可状態や確認表示状態において、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が設定キースイッチ1311aを操作している場合には、設定キースイッチ1311aがパチンコ機1の裏面側に設けられているものの、パチンコ機1の表面側に設けられた振動センサ3005に対して振動が伝わる可能性があるためである。つまり、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う正規の作業者が振動を加えてしまったとしても、振動による不正行為として振動センサ3005が振動の発生を検出することを防止し、正規の設定変更や確認表示作業の阻害を抑制することができる。なお、本例では、通常時のうち大当り遊技中のみ、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しているが、磁石による不正行為を検知する磁気センサ2470と同様に、大当り遊技中だけでなく変動可能状態においても、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行するようにしてもよい。そして、変動可能状態や大当り遊技中において、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行する場合であっても、変動可能状態に移行するよりも前の変更許可状態や確認表示状態には、振動センサ3005を用いての不正行為の監視を実行しないようにしている。つまり、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態には、遊技領域部磁気センサ2470bを用いての磁気に関する不正行為の監視を実行しているのに対し、振動センサ3005を用いての振動に関する不正行為の監視を実行しないようにしている。
なお、本例では、設定操作部磁気センサ2470aと、遊技領域部磁気センサ2470bと、の2つの磁気センサが設けられているが、遊技領域部磁気センサ2470bのみ設けるようにし、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における磁気の発生のみ検知可能としてもよい。このような構成では、上記した2つの磁気センサである構成と同様に、通常時だけでなく変更許可状態や確認表示状態においても、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為を監視している。また、遊技領域部磁気センサ2470bとして、1つの磁気センサではなく複数の磁気センサを設けるようにし、その複数の磁気センサによって、遊技盤5の前側に位置する遊技領域5aの前方における全体の領域を監視するようにしてもよい。例えば、パチンコ機1の表面側における第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口や、その他球流路の主要部位などのうちの複数箇所に対して、複数の磁気センサのうちのそれぞれの磁気センサが対応するように磁気の発生を検知可能とし、不正行為を監視している。このような構成では、通常時だけでなく変更許可状態や確認表示状態においても、遊技領域部磁気センサ2470bとしての複数の磁気センサの全てを用いて、パチンコ機1の表面側の全体の領域に対する不正行為を監視している。ただし、変更許可状態や確認表示状態においては、遊技領域部磁気センサ2470bとしての複数の磁気センサのうちの一部の磁気センサのみ用いて、パチンコ機1の表面側のうちの重要な領域(例えば、第一始動口2002、第二始動口2004、普通入賞口2003、大入賞口2005などの入賞口の部位)に対する不正行為のみ監視するようにしてもよい。
また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検知した場合には、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して不正行為が行われていると判断している。また、タイミングtyからタイミングt4までの期間である変更許可状態や確認表示状態において、遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検知した場合には、その時点で、遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検知したことを特定する磁気発生時コマンドを第2コマンドバッファにセットし、第2コマンドバッファに磁気発生時コマンドをセットした場合には、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットした磁気発生時コマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットした磁気発生時コマンドを周辺制御基板1510に送信する。また、周辺制御MPUは、タイミングt4の時点で主制御基板1310(主制御MPU)から磁気発生時コマンドを受信することによって、タイミングt4から所定期間にわたって、演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力によって、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して磁気の発生を検知したことを通知する磁気発生時報知を実行している。この磁気発生時報知としては、「磁気検出異常」を繰り返す音声と、「磁気検出異常あり!」というメッセージ表示、通常時よりも高い輝度でのランプ発光を実行することとしている。このように、変更許可状態や確認表示状態においては、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して磁気の発生を検知したか否かを監視し、変更許可状態や確認表示状態の終了後には、外部に向けて磁気検出時報知を実行することで、本体枠4が開放していることや、パチンコ機1の表面側の所定領域に対して磁気の発生を検知したことをホール管理者が把握することができる。なお、変更許可状態や確認表示状態の終了後においては、上記したドア開放時報知や異常入球時報知を同時に実行することも可能であるが、遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検知した場合には、重度の不正が疑われるとして、磁気発生時報知を優先して実行するようにしてもよい。
上記したように、磁気発生時コマンドなどの不正監視に関するコマンドについては、上記したドア開放時コマンドや異常入賞時コマンドと同様に、変更許可状態や確認表示状態において第2コマンドバッファにセットし、そのセットしたコマンドを直ちに周辺制御基板1510に送信することなく、設定キースイッチ1311aをOFF操作したタイミングt4が到来するまでの間、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを保持し、タイミングt4の時点で、第2コマンドバッファにセットしたコマンドを周辺制御基板1510に送信するようにしている。これにより、設定値の設定変更や設定値の確認表示を行う際に、磁石を用いた不正行為として設定操作部磁気センサ2470aが磁気の発生を検出したとしても、磁気発生時報知が実行されることを防止し、正規の作業の阻害を抑制することができる。
なお、上記では、変更許可状態や確認表示状態において遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検知した場合に、その時点で磁気発生時報知を実行することなく、変更許可状態や確認表示状態の終了後に磁気発生時報知を実行するようにしているが、正規の作業の阻害にならない程度の報知であれば、変更許可状態や確認表示状態の期間中に先行して実行するようにしてもよい。例えば、変更許可状態や確認表示状態において遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検知した場合には、スピーカからの大音量での出力による報知を抑制するなど、周辺制御基板1510(周辺制御MPU)側で演出表示装置1600の画像やランプ、スピーカからの出力による報知を遅延させるのに対し、スピーカから出力はしないが払出制御基板633上に設けられた7セグにエラー表示のみ行うなど、主制御基板1310(主制御MPU)側で簡易的な報知については遅延させることなく先行して実行することが例示できる。
また、本例では、変更許可状態や確認表示状態において、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行しているが、確認表示状態のみ、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行するようにしてもよい。つまり、確認表示状態においては、短期作業により設定値の確認表示を行うことが可能であるため、正規の作業者を起因として遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検出する可能性が低く、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を強化するのに対し、変更許可状態においては、長期作業により設定値の設定変更を行うこととなるため、正規の作業者を起因として遊技領域部磁気センサ2470bが磁気の発生を検出する可能性が高く、正規の作業者の作業性を重視して、遊技領域部磁気センサ2470bを用いてパチンコ機1の表面側の所定領域に対する不正行為の監視を実行しないようにしてもよい。
以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる遊技制御中央処理部として図64の主制御基板1310の主制御MPUを有する遊技制御基板として図64の主制御基板1310を備えている。この主制御基板1310は、主制御MPU1310aからの出力信号を取り出してパチンコ機1を試験する試験装置へ伝送する配線として試験用ハーネスと電気的に接続することができる図68の試験用コネクタ1310kを備えることができるようになっている。
パチンコ機1が試験装置により試験される場合において、主制御基板1310の主制御MPUが主制御基板1310の表面側である表面(実装面)1310xに実装されているのに対して、試験用コネクタ1310kが主制御基板1310の裏面側である裏面(ハンダ面)1310yに実装されている。
このように、試験用コネクタ1310kが主制御基板1310の裏面側に実装されているため、パチンコ機1が特定の試験機関で試験される試験機として生産される場合、及びパチンコ機1が遊技ホールに出荷される量産機として生産される場合でも、主制御基板1310の表面側に試験用コネクタ1310kを実装する領域が空き領域として形成されることがなくなる。したがって、主制御基板1310の表面における各種電子部品の配置の自由度を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる遊技制御基板として図66(a)の主制御基板1310’に複数の電子部品が実装されている。これらの複数の電子部品は、リードタイプの電子部品として図66(a)のリードタイプに含まれるZIPタイプの主制御MPU(図中、部品番号「MIC1」と記載。)と、表面実装タイプの電子部品として図66(a)のSMDタイプのシュミットトリガインバータMIC30と、から構成されて主制御基板1310’の表面(実装面)1310x’にそれぞれ実装されている。
主制御基板1310’は、情報領域として図66(a)の部品リスト領域1310xb’を備えている。この部品リスト領域1310xb’は、表面実装タイプの電子部品の識別子と対応する情報を表記することができるものである。部品リスト領域1310xb’に表記される情報としては、表面実装タイプの電子部品の製造会社名(略称や記号を含む。)、表面実装タイプの電子部品の品番等を挙げることができる。
具体的には、図66(a)に示したように、部品リスト領域1310xb’には、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを整列した態様で構成される電子部品の部品リストがシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている。部品番号及び品番の大きさは、部品配置領域1310xa’にシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されている部品番号の大きさと比べて大きく(例えば、3倍~5倍程度大きく)シルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷される。部品番号と品番(カタログに掲載される番号)との間に区切り記号「:」が設けられ、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とが連続したものとして識別されないようになっている。この区切り記号により、部品番号と品番(カタログに掲載される番号)とを区別して識別することができる。なお、品番(カタログに掲載される番号)とともに、製造会社名(略称や記号も含む。)をシルク印刷として白色(又は、黒色)で印刷されていてもよい。
このように、主制御基板1310’に実装される表面実装タイプの電子部品に付された識別子の表示態様が視認し難い場合であっても、この識別子と対応する情報(製造会社名、品番等)が主制御基板1310’に備える部品リスト領域1310xb’に表示されるようになっている。したがって、表面実装タイプの電子部品の識別子を確実に視認することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる遊技制御基板として図64の主制御基板1310に複数の電子部品が実装されているとともに、この主制御基板1310が封印手段を有する封印基板ボックスとして図68の主制御基板ボックス1320に収容されている。
主制御基板ボックス1320には、複数の電子部品のうち、表面実装タイプの電子部品の形状と比べて小さい形状を有する孔として図68の透明なカバー体1301に形成される通気孔1301zが複数設けられている。
このように、表面実装タイプの電子部品の形状と比べて小さい形状を有する孔である通気孔1301zが主制御基板ボックス1320に複数設けられているため、何らかの不正な手段により表面実装タイプの電子部品を主制御基板1310から剥がして不正な電子部品と交換しようとしても、表面実装タイプの電子部品が主制御基板ボックス1320に複数設けられている孔である通気孔1301zから取り出すことができないようになっている。したがって、表面実装タイプの電子部品から不正な電子部品へ交換されることを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、当選確率制御回路として図22の主制御基板1310の主制御MPU1310a、設定装置として図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aを備えている。主制御MPU1310aは、当選確率を複数種類設定することができるものであり、設定キースイッチ1311aは、複数種類の当選確率を外部操作により設定することができるものである。
具体的には、主制御MPU1310aは、設定値と対応付けた各種抽選判定で用いられる各種テーブル(例えば、大当りに当選したことを示す大当り判定値の割合が規定される大当り判定テーブル、大当り図柄の決定の判定値の割合が規定される大当り図柄決定テーブル、小当りに当選したことを示す小当り判定値の割合が規定される小当り判定テーブル、小当り図柄の決定の判定値の割合が規定される小当り図柄決定テーブル、確変時から通常時への移行決定の判定値の割合が規定される通常時移行判定テーブル等)を選択したり、設定値と対応付けた各種振り分け率で用いられる各種テーブル(例えば、振り分ける時間が規定される振り分けテーブル、モータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動を管理するブロック等)を選択したりする。設定キースイッチ1311aは、設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有し、パチンコ機1の設定値の切り替え等を行うことができるものであり、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abに形成される差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口1311abaの長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっており、設定キーシリンダ1311abが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができるようになっている。
主制御MPU1310aと設定キースイッチ1311aとは、それぞれ異なる基板に実装されて電気的に接続されるようになっている。
このように、主制御基板1310の主制御MPU1310aと設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aとがそれぞれ異なる基板に実装されることにより、設定キースイッチ1311aへの外部操作に伴う力が、設定キースイッチ1311aが実装される主制御基板1310を介して、主制御MPU1310aが実装される主制御基板1310へ伝わり難くすることができるため、設定キースイッチ1311aへの外部操作に伴う力による主制御MPU1310aが実装される主制御基板1310のたわみを防止することに寄与することができる。したがって、主制御MPU1310aが実装される主制御基板1310のたわみを防止することに寄与することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、当選確率制御回路として図22の主制御MPU1310aが実装される図22の主制御基板1310は、SMDタイプの電子部品である表面実装部品を実装することができる表面実装部品実装可能基板であり、設定装置として図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aが実装される図22の設定変更基板1311は、リードタイプの電子部品である挿入実装部品のみを実装することができる挿入実装部品実装基板である。こうすれば、主制御MPU1310aが実装される主制御基板1310は、表面実装部品(SMDタイプのもの)を実装することができる表面実装部品実装可能基板とし、設定キースイッチ1311aが実装される設定変更基板1311は、挿入実装部品(SMDタイプのもの)のみを実装することができる挿入実装部品実装基板とすることができる。これにより、挿入実装部品(リードタイプのもの)が基板のハンダ面にハンダ付けされたハンダ部における配線パターンやランドパターンの剥離負荷が表面実装部品(SMDタイプのもの)と比べて小さくすることができため、ハンダ部の剥離に対して強くすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、表面実装部品実装可能基板として図22の主制御基板1310と挿入実装部品実装基板として図22の設定変更基板1311とは、透明な基板ケースとして図68の透明な主制御基板ボックス1320にそれぞれ収容されている。透明な主制御基板ボックス1320は、その外装を封印装置として図68のカシメ部1303により封印されている。表面実装部品実装可能基板として図22の主制御基板1310に当選確率制御回路として図22の主制御MPU1310aと電気的に接続されるコネクタとして図22の主制御基板1310のコネクタMSCNが設けられていると共に、挿入実装部品実装基板として図22の設定変更基板1311に設定装置として図22の設定キースイッチ1311aと電気的に接続されるコネクタとして図22の設定変更基板1311のコネクタSMCNが設けられている。主制御基板1310のコネクタMSCNと設定変更基板1311のコネクタSMCNとが電気的に接続されている。こうすれば、カシメ部1303により封印される透明な主制御基板ボックス1320に表面実装部品実装可能基板である主制御基板1310と挿入実装部品実装基板である設定変更基板1311とを収容することができるようになっているため、表面実装部品実装可能基板である主制御基板1310及び挿入実装部品実装基板である設定変更基板1311への不正行為に対する抑止力が高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、表面実装部品実装可能基板として図22の主制御基板1310に設けられるコネクタとして図22の主制御基板1310のコネクタMSCNと、挿入実装部品実装基板として図22の設定変更基板1311に設けられるコネクタとして図22の設定変更基板1311のコネクタSMCNと、は、嵌合軸ズレを吸収することができるフローティング機構を備えるコネクタ接続により電気的に接続されている。具体的には、主制御基板1310のコネクタMSCNと設定変更基板1311のコネクタSMCNとは、フローティング機構を備えている特殊コネクタにより電気的に接続される。このフローティング機構を備えている特殊コネクタは、ソケットとプラグとから構成され、ソケットをプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合し、ソケットがプラグと嵌合する際に、ソケットを挿入して押し込む方向に対して垂直方向(例えば、上下方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる誤差(嵌合軸ズレ)を吸収することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技制御基板として図22の主制御基板1310、設定変更基板として図22の設定変更基板1311を備えている。主制御基板1310は、遊技の進行を制御するものである。設定変更基板1311は、主制御基板1310と別体に設けられて主制御基板1310と電気的に接続されるとともに、遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値の変更を行うことができるリードタイプの電子部品として図22の設定キースイッチ1311aが設けられるものである。
リードタイプの設定キースイッチ1311aは、設定値の変更を行うことができる設定キーが抜き差しされるものである。リードタイプの設定キースイッチ1311aに設定キーが抜き差しされるに伴って、設定変更基板1311にたわみが生じる得る一方、主制御基板1310にたわみが生じないようになっている。
このように、リードタイプの設定キースイッチ1311aは、主制御基板1310と別体の設定変更基板1311に設けられているため、設定値の変更を行うことができる設定キーが抜き差しされるという操作(動作)に伴って設定変更基板1311にたわみが生じても主制御基板1310にたわみが生じることがない。したがって、リードタイプの設定キースイッチ1311aが操作されたことに伴って主制御基板1310にたわみが生じることを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図2の外枠2に開閉自在に軸支されると共に図21の遊技盤5が取り付けられる、扉枠3と本体枠4とから構成される前面枠を備えている。このパチンコ機1では、さらに、設定装置として図21の主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを備えている。設定キースイッチ1311aは、複数種類の当選確率を外部操作により設定することができるものである。具体的には、設定キースイッチ1311aは、設定キーが挿入されて回動操作される設定キーシリンダを有し、パチンコ機1の設定値の切り替え等を行うことができるものであり、設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abに形成される差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれる準備が整っている位置(例えば、矩形状を有する差し込み口の長手方向が上下方向へ沿う位置)において、初期位置として設定キースイッチ1311aをOFFとする状態となっており、設定キーシリンダ1311abが初期位置から時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることにより設定キースイッチ1311aを設定キーONとすることができるようになっている。
主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aは、遊技盤5の後面における前面枠の軸支側に配置されている。
具体的には、外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、前面枠を構成する本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉することができるようになっているため、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体52とが配置される本体枠4の上下方向の正面視左辺側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる本体枠4の上下方向の正面視右辺側が本体枠4の開放側となる。つまり、遊技盤5が前面枠を構成する本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、前面枠を構成する本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、前面枠を構成する本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。
このように、主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aが遊技盤5の後面における扉枠3と本体枠4とから構成される前面枠の軸支側に配置されているため、主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aに何らかの不正な改変を行おうとすると、前面枠を開放しなければならず、パチンコ機1が設置される遊技ホールにおいてその不正行為が目立つ存在となる。したがって、不正行為の防止に寄与することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技盤5の後側は、前面枠の軸支側と反対側となる開放側に開閉自在に軸支されるカバー体として図3の裏カバー640により覆われ、主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aは、遊技盤5の後面における前面枠の軸支側に配置されて裏カバー640に覆われ、前面枠を開放した後に裏カバー640を開放しなければ主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを操作することができないようになっている。こうすれば、遊技盤5の後側は、前面枠の軸支側と反対側となる開放側に開閉自在に軸支される裏カバー640により覆われている。主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aは、遊技盤5の後面における前面枠の軸支側に配置されて裏カバー640に覆われ、前面枠を開放した後に裏カバー640を開放しなければ主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを操作することができないようにすることができる。
具体的には、外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、前面枠を構成する本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉することができるようになっているため、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体52とが配置される本体枠4の上下方向の正面視左辺側が本体枠4の軸支側(閉鎖側)となり、これと反対側となる本体枠4の上下方向の正面視右辺側が本体枠4の開放側となる。つまり、遊技盤5が前面枠を構成する本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、前面枠を構成する本体枠4の開放側に主制御基板1310が配置されているのに対して、前面枠を構成する本体枠4の軸支側(閉鎖側)に設定変更基板1311が配置されている。また、前面枠を構成する本体枠4の本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられる裏カバー640は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。つまり、遊技盤5が前面枠を構成する本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、主制御基板ボックス1320が裏カバー640により覆われた状態となっている。また、裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられるようになっているため、正面視右辺側が裏カバー640の軸支側(閉鎖側)であり、これと反対側となる正面視左辺側が裏カバー640の開放側となる。つまり、遊技盤5が前面枠を構成する本体枠4の本体枠ベース501に取付けられた状態では、裏カバー640の軸支側(閉鎖側)に主制御基板1310が配置されているのに対して、裏カバー開放側に設定変更基板1311が配置されている。また、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abには金属製の設定キーを差し込むための差し込み口が設けられ、この設定キーシリンダの差し込み口が裏カバー640により覆われた状態となっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aを操作しようと設定キースイッチ1311aにアクセスするためには裏カバー640を開放するという作業を行う必要がある。この裏カバー640を開放するためには外枠2に対して本体枠4を大きく(約90度近く)開放する作業を行う必要がある。
これにより、主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aを操作することができないように裏カバー640を開放しなければならず、この裏カバー640を開放することができるように前面枠を開放しなければならい。このため、主制御ユニット1300の設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aに何らかの不正な改変を行おうとすると、裏カバー640を開放することができるように前面枠を開放しなければならず、パチンコ機1が設置される遊技ホールにおいてその不正行為が目立つ存在とすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御する遊技制御基板として図65(a)の主制御基板1310を備えている。主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、挿入実装部品(リードタイプの電子部品)として図65(a)のコンデンサMC30と、表面実装部品(表面実装タイプの電子部品)として図65(a)のシュミットトリガインバータMIC30と、を実装することができるとともに、シュミットトリガインバータMIC30が実装される領域内を回路非形成領域として、図65(a)に示したSMDタイプの電子部品(表面実装タイプの電子部品)の本体裏面と対応する基板の表面(実装面)1310xの領域に制御信号を伝送する各配線パターンやスルーホールを全く配置しないものとして構成されるようになっている。
このように、主制御基板1310の表面(実装面)1310xには、挿入実装部品であるコンデンサMC30と表面実装部品であるシュミットトリガインバータMIC30とが混在して実装されることができるとともに、表面実装部品であるシュミットトリガインバータMIC30が実装される領域内を配線パターンやスルーホール等の回路を形成しない回路非形成領域として構成することができるようになっている。これにより、表面実装部品であるシュミットトリガインバータMIC30が主制御基板1310の表面(実装面)1310xに実装されたとしても、表面実装部品であるシュミットトリガインバータMIC30への回路が回路非形成領域を除いて形成されているため、表面実装部品であるシュミットトリガインバータMIC30への回路を目視することができる。したがって、表面実装部品に対する不正行為を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技を行うことができるものであり、所定の操作を受け付け可能な第1操作部として図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a及び第2操作部として図3の払出制御基板633のRWMクリアボタン633zと、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aが操作された後、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zが操作されることで遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値の変更を行うことができる設定変更手段として図22の主制御基板1310の主制御MPU1310aと、を備えている。払出制御基板633のRWMクリアボタン633zは、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aとは別体に設けられている。このパチンコ機1では、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの操作に関する情報を案内する案内手段としてRWMクリアボタン633zの配置場所を伝えることができる所在情報となる表記等をさらに備えている。
このように、払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの操作に関する情報が案内されるようになっているため、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを別体に設けても、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを操作する者が操作手順に戸惑わずに済む。設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとを別体に設けることにより防犯性を高めることができる。したがって、防犯性を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技媒体として遊技球を用いて遊技を行うことができるものであり、遊技を開始するための準備設定に関わる設定制御部と、遊技の進行制御に関わる進行制御部と、を有する遊技制御手段として図22の主制御基板1310、設定変更基板1311、及び図3の払出制御基板633を備えている。設定制御部は、図22の主制御基板1310の主制御MPU1310a、図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a、図3の払出制御基板633のRWMクリアボタン633z、図112の主制御側電源投入時処理におけるステップS14の判定、及びステップS16Aの処理等から構成されている。進行制御部は、図22の主制御基板1310の主制御MPU1310a、図112の主制御側電源投入時処理における主制御側メイン処理や図114の主制御側タイマ割込処理等から構成されている。遊技制御手段として主制御基板1310、設定変更基板1311、及び払出制御基板633は、図22の主制御基板1310の主制御MPU1310a、図65(a)(b)のシュミットトリガインバータMIC30、コンデンサMC30、図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a、図3の払出制御基板633のRWMクリアボタン633z等の複数の電子部品からなり、図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a、図3の払出制御基板633のRWMクリアボタン633z等の設定制御に関わる電子部品は、図22の設定変更基板1311、図3の払出制御基板633等の複数の基板に分けて設けられている。
このように、設定制御に関わる電子部品である設定キースイッチ1311a、RWMクリアボタン633zは、それぞれ設定変更基板1311、払出制御基板633等の複数の基板に分けて設けられているため、防犯性を高めることができる。したがって、防犯性を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技媒体として遊技球を用いて遊技を行うことができるものであり、遊技準備の制御と遊技の制御とを行う遊技制御部として図22の主制御基板1310を備えている。遊技の制御は、図112の主制御側電源投入時処理における主制御側メイン処理や図114の主制御側タイマ割込処理等から構成されている。遊技準備の制御は、第1遊技準備制御として図112の主制御側電源投入時処理におけるステップS14の判定、及びステップS16Aの処理等、第2遊技準備制御として図115の設定変更処理におけるステップS216の判定、及びステップS218の処理等を有している。第1遊技準備制御は、第1操作部として図22の設定変更基板1311の設定キースイッチ1311a(上述した、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、外枠2に対して本体枠4が開放され、かつ、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの差し込み口1311abaに設定キーが差し込まれ、設定キーシリンダ1311abが時計方向へ向かって60度回動操作されて第1のON操作されることで設定キースイッチ1311aが設定キーONされているという「予め定めた設定値変更許可条件」として、さらにRWMクリアボタン633zの押圧操作部が操作されて操作信号が入力されていることを条件とする場合には、さらに、図3の払出制御基板633のRWMクリアボタン633zを含める。)の操作に基づいて遊技者にとって有利となる確率が設定される設定値を変更可能な設定変更状態とすることができるものである。第2遊技準備制御は、第1遊技準備制御に続いて第2操作部として図3の払出制御基板633のRWMクリアボタン633zの操作に基づいて複数の設定値のうちいずれか一つに切り替えることができるものである。RWMクリアボタン633zは、設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311と異なる他の基板となる払出制御基板633に配置されている。
このように、設定変更基板1311の設定キースイッチ1311aと払出制御基板633のRWMクリアボタン633zとをそれぞれ異なる基板に配置することで防犯性を高めることができる。したがって、防犯性を高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311とRWMクリアボタン633zが配置される払出制御基板633とは、別々の基板ケースとして図68の主制御基板ボックス1320、及び図3の払出制御基板ボックス632にそれぞれ収容されているため、設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311が収容される主制御基板ボックス1320と、RWMクリアボタン633zが配置される払出制御基板633が収容される払出制御基板ボックス632と、を別々とすることで防犯性をさらに高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、別々の基板ケースとして図68の主制御基板ボックス1320、及び図3の払出制御基板ボックス632は、それぞれカシメケースであるため、主制御基板ボックス1320に収容された主制御基板1310や設定変更基板1311、払出制御基板ボックス632に収容された払出制御基板633を改変するためにはこのカシメ部分を破壊しなければならず、改変の痕跡を残すことができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、主制御基板1310は、図21の遊技盤5の裏面側に配置される遊技の進行を制御するものであり、設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311は、主制御基板1310と共にカシメケースとして主制御基板ボックス1320に収容され、図3のRWMクリアボタン633zが配置される払出制御基板633は、遊技盤5が装着される枠側として図4の本体枠4に配置される払出の制御を行うものであり、カシメケースとして払出制御基板ボックス632に収容されているため、設定キースイッチ1311aが配置される設定変更基板1311を主制御基板1310と共にカシメケースとして主制御基板ボックス1320に収容した状態で遊技盤5の裏面側に配置することができるとともに、RWMクリアボタン633zが配置される払出制御基板633をカシメケースとして払出制御基板ボックス632に収容した状態で枠側として本体枠4に配置することができるため、設定キースイッチ1311aを遊技盤5側、RWMクリアボタン633zを枠側として本体枠4側にそれぞれ別々に配置することで設定キースイッチ1311aとRWMクリアボタン633zとの防犯性をさらに高めることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、開閉可能な扉として図4の扉枠3を前側に備え、電子部品が実装される基板として図21の主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310と、第1鍵(遊技ホールの店員等の係員が所持する正規の金属製の鍵)の操作によって第1の操作(外枠2に対して本体枠4を開放する場合、本体枠3に対して扉枠3を開放する場合)を行うことができる第1の装置として図1の扉枠3のシリンダ錠127及び図4の本体枠4の本体枠4の施錠ユニット360と、第1鍵とは別の第2鍵(設定キー)の操作によって第2の操作(設定値を変更する場合、設定されている現状の設定値を確認する場合)を行うことができると共に第2鍵の操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される第2の装置として図21の主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aと、を備えている。設定キースイッチ1311aは、複数種類の当選確率を設定可能状態とし得るもの(設定値を変更する場合)であり、また設定されている現状の設定値を確認可能状態とし得るもの(設定されている現状の設定値を確認する場合)である。扉枠3のシリンダ錠127は、扉枠3の前側に設けられ、シリンダ錠127の筐体が電気的に接地側へ接続されている。設定キースイッチ1311aは、扉枠3より後側に設けられ、設定キースイッチ1311aの筐体が電気的に接地側へ接続されず絶縁されている。
具体的には、扉枠3のシリンダ錠127の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体は、電気的に扉枠側のフレームグランド又は交流24VのN(ニュートラル)である接地側へ接続されている。また、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態とすることができるようになっている。このため、設定キースイッチ1311aの筐体として、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adが設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっていると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adと金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとが設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。
このように、扉枠3の前側に設けられるシリンダ錠127の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体が電気的に接地側へ接続されているため、仮に金属製の円柱状のシリンダ本体にノイズ(電磁波ノイズ)が侵入したとしても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を接地側へ逃がすことで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えず、かつ、扉枠3より後側に設けられる設定キースイッチ1311aの筐体として、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adが電気的に接地側へ接続されず絶縁されていると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adが電気的に接地側へ接続されず絶縁されているため、仮に、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adにノイズ(電磁波ノイズ)が侵入しても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を金属製のフレーム板1311ad自身で減衰させることで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adにノイズ(電磁波ノイズ)が侵入しても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311ad自身で減衰させることで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、扉枠3のシリンダ錠127の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体がパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド又はパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続される一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adがパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド及びパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁されていると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adがパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド及びパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁されている。これにより、扉枠3のシリンダ錠127の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体がパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド又はパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続される状態とすることができる一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adがパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド及びパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁される状態とすることができると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adがパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド及びパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁される状態とすることができる。
また、扉枠3のシリンダ錠127及び本体枠4の本体枠4の施錠ユニット360により扉枠3を開放した後に(つまり、本体枠4と扉枠3とから構成される前面枠を外枠2から開放した後に)、主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aにより複数種類の当選確率を設定可能状態とすることができるようになっているし(設定値を変更する場合)、また設定されている現状の設定値を確認可能状態とすることができるようになっている(設定されている現状の設定値を確認する場合)。これにより、扉枠3のシリンダ錠127及び本体枠4の本体枠4の施錠ユニット360により扉枠3を開放した後(つまり、本体枠4と扉枠3とから構成される前面枠を外枠2から開放した後)でなければ、設定キースイッチ1311aを操作しようと設定キースイッチ1311aにアクセスして設定値の設定可能状態(設定値を変更する場合)又は設定値の確認可能状態(設定されている現状の設定値を確認する場合)とすることができないようにすることができ、設定キースイッチ1311aに対するセキュリティーを向上することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技を行うことができるものであって、静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)を除去可能な除電部として図1の扉枠3に備える各種装飾部のうち表裏全面に装飾メッキが施されているものや静電除去パッドと、複数種類の当選確率を設定可能状態とし得る設定装置として図21の主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aと、を備えている。装飾メッキが施されているものや静電除去パッドと設定キースイッチ1311aとのうち少なくとも設定キースイッチ1311aがパチンコ機1の後側に配置されている。この定キースイッチ1311aの設定キーシリンダ1311abの前面に設けられる差し込み口1311abaは、上述したように、設定キーが挿入される。この設定キーは、設定値の変更のほかに、設定されている現状の設定値の確認等を行うことができる重要なキーであるため、遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。
このように、設定キースイッチ1311aを操作することができる者(遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。)が除電部に触れることにより、その者自身に帯電して静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)が除電部により除去されるようになっているため、その者が複数種類の当選確率を設定可能状態とすることができる設定キースイッチ1311aを操作しても、設定キースイッチ1311aを介して侵入するノイズ(電磁波ノイズ)を防止することができる。また、除電部と設定キースイッチ1311aとのうち少なくとも設定キースイッチ1311aがパチンコ機1の後側に配置されて相互に離間して配置されることにより、除電部で除去したノイズによる影響が設定キースイッチ1311aへ及ばない。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、枠体として図4の外枠2に開閉自在に軸支される前面枠として図4の本体枠4と扉枠3とから構成される前面枠を備え、除電部として扉枠3に備える各種装飾部のうち表裏全面に装飾メッキが施されているもの、静電除去パッドは、前面枠に設けられている。これにより、設定キースイッチ1311aを操作することができる者(遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。)が自身に帯電して静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)を前面枠に設けられる除電部に触れることで除去することができる。
また、除電部として扉枠3に備える各種装飾部のうち表裏全面に装飾メッキが施されているものは、パチンコ機1の扉枠側のフレームグランド又はパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されるようになっている。これにより、扉枠3に備える各種装飾部のうち表裏全面に装飾メッキが施されているものがパチンコ機1のフレームグランド又はパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続される状態とすることができるため、設定キースイッチ1311aを操作することができる者(遊技ホールの店長を含め限られた者のみ所持が許可され、2~3人に限定されている。)が自身に帯電して静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)をパチンコ機1の扉枠側のフレームグランド又はパチンコ機1に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側に逃がすことで除去することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技ホールの島設備に設置されると共に図4の遊技盤5を備えている。遊技盤5の後側には、複数種類の当選確率を設定可能状態し得る設定装置として図21の主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311a、図72(a),(b)の設定キースイッチ1311a’(以下、単に「設定キースイッチ1311a,1311a’」と記載する。)と、遊技ホールの島設備からの未接続配線が設定キースイッチ1311a,1311a’へ接触することを防止することができる保護部材として図71の駆動基板ボックス1730のカバー体、図72(a)の主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に軸支されて開閉自在に設けられる保護カバー1304、図72(b)の駆動基板ボックス1730のカバー体(以下、単に「駆動基板ボックス1730のカバー体、保護カバー1304」と記載する。)と、が設けられている。
遊技ホールの島設備の内部は、パチンコ機1の外部端子板558の各種接続端子と電気的に接続するための複数種類の配線がその上部からつり下げられており、パチンコ機1の仕様に応じて、外部端子板558と電気的に接続される配線と、外部端子板558と電気的に接続されない配線と、がある。つまり、外部端子板558と電気的に接続されない配線は、未接続配線となり、遊技ホールの島設備の内部の上部からつり下げられた状態となる。
このように、遊技盤5の後側には、遊技ホールの島設備からの未接続配線が設定キースイッチ1311a,1311a’へ接触することを防止することができるように駆動基板ボックス1730のカバー体、保護カバー1304が設けられているため、未接続配線による接触による電気的なトラブルを防止することができる。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、遊技盤5の後方を覆う第1保護部材として図71の裏カバー640、図72(a),(b)の裏カバー640(以下、単に「裏カバー640」と記載する。)と、設定キースイッチ1311a,1311a’の後面(設定キースイッチ1311a,1311a’の設定キーシリンダの前面)に対して後方へ突出する第2保護部材として図71の駆動基板ボックス1730のカバー体、図72(a)の主制御基板ボックス1320のカバー体1301’に軸支されて開閉自在に設けられる保護カバー1304、図72(b)の駆動基板ボックス1730のカバー体(以下、単に「駆動基板ボックス1730のカバー体、保護カバー1304」と記載する。)と、を有し、遊技ホールの島設備からの未接続配線を第1保護部材そして第2保護部材により設定キースイッチ1311a,1311a’への接触を防止し得るようになっている。これにより、遊技盤5の後方を第1保護部材である裏カバー640により保護するという第1段階の保護と、設定キースイッチ1311a,1311a’の後面(設定キースイッチ1311a,1311a’の設定キーシリンダの前面)を、この後面(設定キースイッチ1311a,1311a’の設定キーシリンダの前面)に対して後方へ突出する第2保護部材である駆動基板ボックス1730のカバー体、保護カバー1304により保護するという第2段階の保護と、による合計2段階による保護によって遊技ホールの島設備からの未接続配線が設定キースイッチ1311a,1311a’へ接触することを防止することができる。
また、遊技盤5の後側には、図72(b)の設定キースイッチ1311a’を後面に取り付け可能な取付台が設けられ、設定キースイッチ1311a’の前後方向の長さに基づいて取付台の後面の位置が設定されるようになっている。これにより、設定キースイッチ1311a’の前後方向の長さ(パチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向))に基づいて、遊技ホールの島設備からの未接続配線が設定キースイッチ1311a’へ接触することを防止することができるように、設定キースイッチ1311a’を取り付けることができる取付台の後面の位置を設定することができる。この取付台としては、遊技盤5の遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と比べて基板ホルダ1200におけるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さを短くした基板ホルダ1200’でもよいし、設定キースイッチ1311a’の外筒1311aa及び設定キーシリンダ1311abの前面部分が遊技ホールの床と当接することがないように基板ホルダ1200’におけるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さのほかに、基板ホルダ1200’が取り付けられる遊技パネル1100の後側下部に凹部を形成して、この凹部の深さ(パチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さ)により調整してもよいし、この凹部と基板ホルダ1200’とによるパチンコ機1の正面視前後方向(つまり奥行き方向)の長さを調整してもよい。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品が実装される基板として図21の主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310を備え、鍵として設定キーの操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される鍵スイッチとして図21の主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと、この樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを収容可能なケース体として図21の主制御基板ボックス1320と、を備えている。樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aは、設定キーが差し込まれる差し込み口として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaが形成される非導電性部材として図25の非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abと、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを固定する導電性部材として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adと、を有している。図21の主制御基板ボックス1320は、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abに形成される差し込み口1311abaと対応する部分に開口部として図26の主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zが形成され、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが収容された状態において、差し込み口1311abaが貫通穴1301zを介して露出されるようになっている一方、金属製のフレーム板1311adが貫通穴1301zを介して露出されないようになっている。
このように、主制御基板ボックス1320に樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが収容された状態においては、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abに形成される差し込み口1311abaが主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zを介して露出されているの対して、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adが主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zを介して露出されないようになっているため、仮に静電気を帯びた者が主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zに指を近づけても、静電放電による電磁波ノイズが樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311ab、及び樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに侵入することをそれぞれ防止することができることにより、電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、主制御基板ボックス1320は、貫通穴1301zの内周に沿って突出部として図26のリブ部1301zaが主制御基板ボックス1320のケース体1301の裏面から後方へ向かって突出されている。こうすれば、リブ部1301zaにより貫通穴1301zの周囲の強度を高めることができるため、人の力により貫通穴1301zの周囲を押し込んで貫通穴1301zの周囲を撓ませて貫通穴1301zと樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたり、貫通穴1301zの周囲を損傷させて貫通穴1301zを大きくして貫通穴1301zと樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたりすることを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品が実装される基板として図21の主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310と、所定の鍵(設定キー)の操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される鍵装置として図21の主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと、を備えている。鍵装置のシリンダが形成されるシリンダ部材として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、鍵装置の筐体として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されている。さらに、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続されずに絶縁されている。
具体的には、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、非導電性を有しているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adと電気的に接続されず絶縁された状態となっている。また、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態とすることができるようになっている。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されているとともに、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続されずに絶縁されているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの耐ノイズ(耐電磁波ノイズ)を強化することにより電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが導電性部材である金属性部材となっているため、仮に樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adにノイズ(電磁波ノイズ)が侵入したとしても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311ad自身で減衰させることで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、非導電性部材となっているため、樹脂製の設定キーシリンダ1311abを介してノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品が実装される基板として図21の主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310と、所定の鍵(設定キー)の操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される鍵装置として図21の主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと、を備えている。鍵装置の筐体として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続される一方、鍵装置のシリンダが形成されるシリンダ部材として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されている。
具体的には、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、非導電性を有しているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adと電気的に接続されず絶縁された状態となっている。また、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となっている。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続されるのに対して、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されている。つまり、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが電気的に接地側へ接続されることにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが電気的に浮いた状態とならず、雑音を拾うアンテナとして機能してノイズ源となるおそれを防止することができるため、電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、パチンコ機1の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを収容可能なケース体として図21の主制御基板ボックス1320を備え、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320に収容された状態において、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abの一部が露出される一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが露出されないようになっているため、仮に静電気を帯びた者が主制御基板ボックス1320から露出する樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abの一部に指を近づけても、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abが樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに対して絶縁されているため、静電放電による電磁波ノイズが樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abを介して樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに侵入することを防止することができることにより、電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abには、所定の鍵(設定キー)が差し込まれる差し込み口として図25の樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaが形成され、主制御基板ボックス1320は、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを収容した状態において、差し込み口1311abaと対応する部分に開口部として図26の主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zが形成され、差し込み口1311abaが貫通穴1301zを介して露出される一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが貫通穴1301zを介して露出されないようになっているため、所定の鍵(設定キー)が差し込まれる差し込み口1311abaのみを主制御基板ボックス1320から露出することができるため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320から露出する部分を最小限とすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、コネクタとして図73の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの端子がハンダ付けされる基板として図77の本体枠側中継基板KBを備えている。本体枠側中継基板KBの基材として図77の本体枠側中継基板KBの基材KBoに接着される銅箔面には、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの端子がハンダ付けされる接合部として図77のランドKTH1が形成され、ランドKTH1の一部には、レジストにより被覆される剥離抑止部を有している。この剥離抑止部として、具体的には、ランドKTH1の外径KTHD1の外周からランドKTH1の中心へ向かってランドKTH1の外周部分がレジストにより被さった状態を挙げることができる。
このように、本体枠側中継基板KBの基材KBoに接着される銅箔面に接合部であるランドKTH1が形成されると共に、このランドKTH1の一部には、レジストにより被覆される剥離抑止部を有しているため、ランドKTH1が本体枠側中継基板KBから剥離しないようレジストにより被覆される剥離抑止部によって剥離強度を高めることができる。したがって、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNへの負荷による本体枠側中継基板KBの銅箔の剥離を抑制することができる。
また、接合部であるランドKTH1と対応する位置にランドKTH1の銅箔領域より小さい開口部が形成されるように、本体枠側中継基板KBの銅箔面の上にレジストが塗布されるようになっている。ランドKTH1の銅箔領域より小さい開口部について、具体的には、本体枠側中継基板KBの表面(実装面)KBxの銅箔面の上には、レジスト液が塗布されて表面(実装面)側レジスト層KBxrが形成されているものの、表面(実装面)側レジスト層KBxrのうちランドKTH1と対応する領域には、ランドKTH1の外径KTHD1より小さい開口径KBxrD1を有する表面(実装面)側レジスト開口部KBxraが形成されている。また、本体枠側中継基板KBの裏面(ハンダ面)KByの銅箔面上には、レジスト液が塗布されて裏面(ハンダ面)側レジスト層KByrが形成されているものの、裏面(ハンダ面)側レジスト層KByrのうちランドKTH1と対応する領域には、ランドKTH1の外径KTHD1より小さい開口径KByrD1を有する裏面(ハンダ面)側レジスト開口部KByraが形成されている。これにより、接合部であるランドKTH1の外周部分全体にレジストが被さった状態とすることができるため、高い剥離強度をランドKTH1に対する多方向からの負荷に対して一様とすることができる。
また、コネクタである本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNは、本体枠側中継基板KBにリベットにより固定されている。リベットは、その端部がカシメられて塑性変形されるため、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNを本体枠側中継基板KBに固定された状態を維持することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、表面実装タイプのコネクタとして図78の表面実装タイプのコネクタKCNがハンダ付けされる基板として図78の基板KCを備えている。表面実装タイプのコネクタKCNの筐体は、樹脂により形成されると共に、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体に金属製の筐体固定部が設けられている。具体的には、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体は、非導電性の樹脂により形成されている。表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側と)に金属製の筐体固定部が設けられている。この筐体固定部が基板KCにハンダ付けされることで基板KCのグランドに電気的に接続されるようになっている。
このように、表面実装タイプのコネクタKCNの樹脂製の筐体に金属製の筐体固定部が基板KCにハンダ付けされることにより、表面実装タイプのコネクタKCNの各端子が単に基板KCにハンダ付けされる場合と比べて、表面実装タイプのコネクタKCNの基板KCへの固定を強化することができる。したがって、表面実装タイプのコネクタKCNへの負荷による基板KCの銅箔の剥離を抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、コネクタとして図78の表面実装タイプのコネクタKCNの筐体がハンダ付けされる基板として図78の基板KCを備えている。基板KCの基材として図79の基板KCの基材KCoに接着される銅箔面として図78の基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpには、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)がハンダ付けされる筐体固定接合部として図78の筐体固定パッドKSPFが形成され、筐体固定パッドKSPFの一部には、レジストにより被覆される剥離抑止部を有している。この剥離抑止部として、具体的には、筐体固定パッドKSPFの矩形形状の外周から筐体固定パッドKSPFの内側へ向かって筐体固定パッドKSPFの外周部分がレジストにより被さった状態を挙げることができる。
このように、基板KCの基材KCoに接着される銅箔面KCxpに筐体固定接合部である筐体固定パッドKSPFが形成されると共に、この筐体固定パッドKSPFの一部には、レジストにより被覆される剥離抑止部を有しているため、筐体固定パッドKSPFが基板KCから剥離しないようレジストにより被覆される剥離抑止部によって剥離強度を高めることができる。したがって、表面実装タイプのコネクタKCNへの負荷による基板KCの銅箔の剥離を抑制することができる。
また、筐体固定接合部である筐体固定パッドKSPFには、サーマルパターンとして図78のサーマルパターンKCxbが施されている。サーマルパターンKCxbにより、コネクタである表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)を基板KCの各筐体固定パッドKSPFにハンダ付けする際にハンダを溶かす熱が筐体固定パッドKSPFの外周から奪われないようにすることができる。
また、筐体固定接合部である筐体固定パッドKSPFと対応する位置に筐体固定パッドKSPFの銅箔領域より小さい開口部が形成されるように、基板KCの銅箔面の上にレジスト液が塗布されるようになっている。筐体固定パッドKSPFの銅箔領域より小さい開口部について、具体的には、基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpの上には、レジスト液が塗布されて表面(実装面)側レジスト層KCxrが形成されているものの、表面(実装面)側レジスト層KCxrのうち、各パッドKSPと対応する領域には、各パッドKSPと同一の形状を有するパッド用表面(実装面側)側レジスト開口部が形成されると共に、各筐体固定パッドKSPFと対応する領域には、各筐体固定パッドKSPFの矩形形状より小さい開口矩形形状を有する筐体固定パッド用表面(実装面)側レジスト開口部KCxraが形成されている。これにより、筐体固定接合部である筐体固定パッドKSPFの外周部分全体にレジストが被さった状態とすることができるため、高い剥離強度を筐体固定パッドKSPFに対する多方向からの負荷に対して一様とすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、コネクタとして図80の表面実装タイプのコネクタKCNの筐体がハンダ付けされる基板として図80の基板KCを備えている。基板KCの基材KCoに接着される銅箔面として図80の基板KCの表面(実装面)KCxの銅箔面KCxpには、表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)がハンダ付けされる筐体固定接合部として図80の筐体固定パッドKSPFがそれぞれ形成され、この筐体固定パッドKSPFと接続されると共に表面実装タイプのコネクタKCNの筐体の両側(左側と右側とにそれぞれ設けられる金属製の筐体固定部)がハンダ付けされない筐体固定非接合部として図80のランドKCTHが形成され、ランドKCTHの一部がレジストにより被さる(具体的には、ランドKCTHの外径の外周からランドKCTHの中心へ向かってランドKCTHの外周部分がレジストにより被さった状態)ように銅箔面KCxp上にレジスト液が塗布されている。
このように、基板KCの基材KCoに接着される銅箔面KCxpに筐体固定接合部である図80の筐体固定パッドKSPFと筐体固定非接合部である図80のランドKCTHとが形成されると共に、このランドKCTHの一部がレジストにより被さる(つまり、ランドKCTHの外径の外周からランドKCTHの中心へ向かってランドKCTHの外周部分がレジストにより被さった状態)ように基板KCの銅箔面KCxp上にレジスト液が塗布されるようになっているため、レジスト液が塗布されていない筐体固定パッドKSPFが基板KCから剥離しないように、筐体固定接合部である筐体固定パッドKSPFと接続される筐体固定非接合部であるランドKCTHの一部に被さるレジストにより剥離強度を高めることができる。したがって、表面実装タイプのコネクタKCNへの負荷による基板KCの銅箔の剥離を抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、部品の端子として図73の本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNがハンダ付けされる基板として図74の本体枠側中継基板KBを備えている。本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNがハンダ付けされる本体枠側中継基板KB面には、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間のレジスト上にシルク印刷により形成されるハンダ分離部を有している。ハンダ分離部としては、図74の水平線KSH1、垂直線KSV1、矩形形状に囲まれた領域KSA1等を挙げることができる。
このように、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間のレジスト上にシルク印刷により形成されるハンダ分離部を有しているため、本体枠側中継基板KBを半田槽へ流した際に、ハンダ分離部をハンダが越えて流れる必要があり、ハンダ分離部によりハンダがレジストに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間における半田ブリッジを抑制することができる。したがって、半田ブリッジを抑制することができる。
また、ハンダ分離部は、本体枠側中継基板KBを半田槽へ流す方向と異なる方向に第1のハンダ分離部として図74の水平線KSH1を有している。これにより、本体枠側中継基板KBを半田槽へ流した際に、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間であって本体枠側中継基板KBのレジスト上に本体枠側中継基板KBを半田槽へ流す方向と異なる方向に第1のハンダ分離部である水平線KSH1がシルク印刷により印刷されているため、ハンダが水平線KSH1を越えて流れる必要があり、この水平線KSH1によりハンダがレジストに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子P間における半田ブリッジを抑制することができる。
また、ハンダ分離部は、本体枠側中継基板KBを半田槽へ流す方向と同一の方向に第2のハンダ分離部として図74の垂直線KSV1を有している。これにより、本体枠側中継基板KBを半田槽へ流した際に、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間であって本体枠側中継基板KBのレジスト上に本体枠側中継基板KBを半田槽へ流す方向と同一の方向に第2のハンダ分離部である垂直線KSV1がシルク印刷により印刷されているため、ハンダが垂直線KSV1に沿って流れると共に、この垂直線KSV1上を流れるハンダが垂直線KSV1によりハンダがレジストに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間における半田ブリッジを抑制することができる。
また、ハンダ分離部は、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNを所定の図形として図74の矩形形状に囲まれた領域KSA1により囲うと共に、所定の図形である矩形形状に囲まれた領域KSA1内のうち本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNと対応する部分を除いてレジスト上にベタ塗りされている。これにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNを所定の図形である矩形形状に囲まれた領域KSA1により囲うと共に、矩形形状に囲まれた領域KSA1内のうち本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNと対応する部分を除いてシルク印刷によりベタ塗り印刷されるため、シルク印刷された矩形形状に囲まれた領域KSA1の表面から本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNを見ると、シルク印刷により印刷されていないために窪んだ領域となるし、また、レジストの面から見ると、シルク印刷された矩形形状に囲まれた領域KSA1が小高い台地の状態となる。これにより、本体枠側中継基板KBを半田槽へ流すと、ハンダがレジストの上を流れてシルク印刷された矩形形状に囲まれた領域KSA1という小高い台地を越えて流れる必要があるため、シルク印刷された矩形形状に囲まれた領域KSA1上を流れるハンダの量を抑制することができると共に、シルク印刷により印刷されない本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNと対応する部分が矩形形状に囲まれた領域KSA1という小高い台地に形成される窪んだ領域となり、この窪んだ領域にハンダが流れると、窪んだ領域からシルク印刷された矩形形状に囲まれた領域KSA1という小高い台地を乗り越えることができずに留まろうとすることでハンダが分離される力が働くことにより、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PN間における半田ブリッジを抑制することができる。
また、本体枠側ドロワコネクタ(凹タイプ)DCNの各端子PNのうち本体枠側中継基板KBを半田槽へ流す進行方向の最終段の端子には、この最終段の端子とは別の端子(図82の半田逃げパターンKNP1が接続されないランドKTH1)がハンダ付けられる接合部であるランドKTH1と異なり、進行方向へ延出された形状に接合部として半田逃げパターンKNP1が本体枠側中継基板KBの銅箔面に形成されている。これにより、進行方向から流れてくるハンダが後方へ向かってうまく流れることができるため、半田ブリッジの発生を抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、複数の電子部品として図65のコンデンサMC30、図65のシュミットトリガインバータMIC30、図69のSMDタイプの電子部品であるロジックICSMD1,SMD2が実装される遊技制御基板として図69の主制御基板1310を備えている。この主制御基板1310には、複数の電子部品を接続する配線部として図69の配線パターンTR1a,TR1c,TR1bが形成されている。この配線部は、電子部品間を接続する配線の引き回しに障害物として図69の配線パターンTRを回避して層間接続する第1の層間接続部として図69の通常のスルーホール(障害物の回避用のスルーホール)MTH’と、電子部品間を接続する配線の引き回しに障害物(例えば、電子部品へ配線パターンを引き回す場合に、他の電子部品や他の配線パターン等)の存在にかかわりなく層間接続する第2の層間接続部として図69の検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atを有している。
このように、電子部品間を接続する配線の引き回しに障害物を回避して層間接続する通常のスルーホール(障害物の回避用のスルーホール)MTH’は、通常のランドパターンの外径が、上述したように、0.6mmであり、コンタクトプローブ接触最小径(本実施形態では、1.5mm)に満たないため、通常のランドパターンもコンタクトプローブと接触することができる場合があるものの、電気的な接続性を考えると、電気検査において利用することができない。電子部品間を接続する配線の引き回しに障害物を回避して層間接続する通常のスルーホール(障害物の回避用のスルーホール)MTH’ を電気検査において利用することができない場合であっても、この通常のスルーホール(障害物の回避用のスルーホール)MTH’と、電子部品間を接続する配線の引き回しに障害物の存在にかかわりなく検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと、により電子部品間の配線パターンTR1a,TR1c,TR1bが層間接続されるようになっているため、この検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atを利用することにより電気検査を行うことができる。したがって、電子部品が実装される主制御基板1310の電気検査を行うことができる。
また、一方が表面実装タイプの電子部品であるSMDタイプの電子部品SMD1のリードがハンダ付けされる接合部である矩形状のランドパターンと電気的に接続されると共に他方が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと電気的に接続される第1の配線部として配線パターンTR1aと、一方が検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと電気的に接続されると共に他方が通常のスルーホール(障害物の回避用のスルーホール)MTH’と電気的に接続される第2の配線部として配線パターンTR1cと、一方が通常のスルーホール(障害物の回避用のスルーホール)MTH’と電気的に接続されると共に、他方が他の表面実装タイプの電子部品であるSMDタイプの電子部品SMD2のリードがハンダ付けされる接合部である矩形状のランドパターンと電気的に接続される第3の配線部として配線パターンTR1bと、を有しているため、表面実装タイプの電子部品のリードと他の表面実装タイプの電子部品のリードとの電気的な接続間を用いて電気検査を行うことができる。
また、例えば検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1at,TR2atは、予め定めた距離寸法としてコンタクトプローブ接触防止距離以上に相互に離間しているため、主制御基板1310の電気検査において、検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR1atと接触させたコンタクトプローブが検査機用ランドパターンを有するスルーホールTR2atと接触することを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品として図82の周辺制御IC1510aが実装される基板として図82の周辺制御基板1510を備え、筐体として図82のカバー体1501やベース体1502が導電性部材により形成されると共にこの筐体に周辺制御基板1510が取り付けられる制御装置として図82の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御ユニット1500は、グランド経路部、非グランド経路部を有している。グランド経路部は、周辺制御ユニット1500の筐体が周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)へ接続される経路であり、非グランド経路部は、周辺制御ユニット1500の筐体が周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)へ接続されない経路である。
具体的には、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されている。このため、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズがベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3から箔抜き領域1510yaを介して周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yのベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が非グランド経路部として形成されると共に、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズが上述した金属製のナベねじを介して基板グランド(各種基板のグランド(GND))へ流れる「ノイズが抜けるルート」がグランド経路部として形成されることにより、ノイズを除去することができるようになっている。
このように、筐体であるカバー体1501やベース体1502が導電性部材により形成される周辺制御ユニット1500に電子部品である周辺制御IC1510aが実装される周辺制御基板1510が取り付けられた状態において、周辺制御ユニット1500の筐体に侵入したノイズが非グランド経路部である「ノイズが抜けないルート」を介して周辺制御基板1510がへ抜けずにグランド経路部である「ノイズが抜けるルート」を介して周辺制御基板1510へ抜けることができるようになっているため、ノイズが抜ける経路をグランド経路部である「ノイズが抜けるルート」に限定することにより周辺制御基板1510に実装される電子部品である周辺制御IC1510aへのノイズの影響を防止することができる。したがって、周辺制御基板1510の耐ノイズ性を高めることができる。
また、非グランド経路部である「ノイズが抜けないルート」は、周辺制御ユニット1500の筐体であるベース体1502のリブ部として断線防止リブ部1502aa1~1502aa3と、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3が周辺制御基板1510と当接する領域に形成される銅箔剥離領域として図85の箔抜き領域1510yaと、から構成されているため、周辺制御ユニット1500の筐体であるベース体1502の断線防止リブ部1502aa1~1502aa3が周辺制御基板1510と当接する領域に箔抜き領域1510yaを形成することにより、周辺制御ユニット1500の筐体であるカバー体1501やベース体1502に侵入したノイズが周辺制御ユニット1500の筐体であるベース体1502の断線防止リブ部1502aa1~1502aa3を通って周辺制御基板1510へ侵入することを阻止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品として図82の周辺制御IC1510aが実装される基板として図82の周辺制御基板1510を備え、筐体として図82のカバー体1501やベース体1502が導電性部材により形成されると共にこの筐体に周辺制御基板1510が取り付けられる制御装置として図82の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御基板1510は、取付部、保護部を有している。取付部は、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続される銅箔部を有するものである。具体的には、図82及び図83の周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4である。保護部は、取付部における銅箔部の少なくとも一部を被覆して銅箔部の損傷を抑止することができるようになっている。具体的には、図82及び図83の周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされているという点や図86のレジストの各種形状であり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。このハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆していると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、図86のレジストの各種形状により周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができるものでは、このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆しているし、図86のレジストの各種形状により周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔にハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができるものでは、このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。
このように、周辺制御ユニット1500の筐体と取付部の銅箔部とが電気的に接続されることにより周辺制御ユニット1500の筐体に侵入したノイズが周辺制御基板1510の取付部の銅箔部を介して周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)へ抜けることができるようになっていると共に、周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される取付部の銅箔部の損傷が保護部により抑制されることで周辺制御ユニット1500の筐体に周辺制御基板1510が取り付けられた状態において周辺制御ユニット1500の筐体と周辺制御基板1510の銅箔部との電気的な接続性を良好とすることができる。したがって、周辺制御基板1510の耐ノイズ性を高めることができる。
また、保護部は、銅箔部の表面にハンダ付けされたハンダの厚さが均一とされるようになっているため、銅箔部の表面にハンダが盛り上がった部分が存在せず、周辺制御ユニット1500の筐体であるカバー体1501と周辺制御基板1510の銅箔部との接触面積の減少を抑えることができるため、電気的な接続性を良好とすることができる。
また、保護部は、銅箔部の表面を一部被覆して銅箔部へのハンダ付け量を抑制するハンダ量抑制部として図86のレジストの各種形状を有しているため、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続される銅箔部の表面の一部がハンダ量抑制部により被覆されることにより、銅箔部の表面にハンダ付けされたハンダの量を均一とすることができるため、導電性部材により形成される周辺制御ユニット1500の筐体に基板が取り付けられると、周辺制御ユニット1500の筐体であるカバー体1501と周辺制御基板1510の銅箔部との電気的な接続性を良好とすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、基板として図110(a)の中継基板KDに実装される第1のコネクタとして図110(a)のコネクタSCKと、電気配線の一端と電気的に接続されると共に第1のコネクタに挿抜される第2のコネクタとして図110(a)のコネクタPLGと、を有している。中継基板KDには、第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入されたか否かを判別可能な嵌合基準部として図110(b)の中継基板KDの下端辺KDegや図111(b)のコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegを有している。
このように、第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入されたか否かを判別可能な嵌合基準部である中継基板KDの下端辺KDegやコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegを中継基板KDが有しているため、遊技ホールの店員等の係員やパチンコ機1の製造元の作業者が第1のコネクタであるコネクタSCKと第2のコネクタであるコネクタPLGとを接続する場合やその接続を確認する際に嵌合基準部である中継基板KDの下端辺KDegやコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegにより第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入された状態を簡単に判別することができるようになっている。したがって、確認作業の効率向上に寄与することができる。
また、第2のコネクタであるコネクタPLGは、第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入された状態において、コネクタSCKに挿入される側と反対側となる面であるコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbbが嵌合基準部である中継基板KDの下端辺KDegやコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegと合致するようになっているため、コネクタSCKに挿入される側と反対側となる面であるコネクタPLGの本体PLGbの下側面PLGbbを利用して嵌合基準部である中継基板KDの下端辺KDegやコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegとの合致を確認することができる。
また、嵌合基準部は、中継基板KDの端辺である中継基板KDの下端辺KDegであり、第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入された状態であるか否かを、第2のコネクタであるコネクタPLGが中継基板KDの端辺である中継基板KDの下端辺KDegから中継基板KDの外側に突出しているか否かにより判別することができるため、第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入された状態であるか否かを、触覚を用いて判別することができる。
また、嵌合基準部は、中継基板KDに実装される第1のコネクタであるコネクタSCKの配置を示す部品配置図形であるコネクタSCKの部品配置線DSLKであり、第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入された状態であるか否かを、第2のコネクタであるコネクタPLGが部品配置図形の端辺であるコネクタSCKの部品配置線DSLKの下辺DSLKegからコネクタSCKの部品配置線DSLKの外側に突出しているか否かにより判別することができるため、第2のコネクタであるコネクタPLGが第1のコネクタであるコネクタSCKに正常に挿入された状態であるか否かを、視覚を用いて判別することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品として図82の周辺制御IC1510aが実装される基板として図82の周辺制御基板1510を備え、筐体として図82のカバー体1501やベース体1502が導電性部材により形成されると共にこの筐体に周辺制御基板1510が取り付けられる制御装置として図82の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御ユニット1500は、グランド経路部、非グランド経路部を有している。グランド経路部は、周辺制御ユニット1500の筐体が周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)へ接続される経路であり、非グランド経路部は、周辺制御ユニット1500の筐体が周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)へ接続されない経路である。
具体的には、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、上述したように、すべてポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として構成されると共に、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のナベねじによりそれぞれ固定されると、これらのグランド(GND)と電気的に接続されて同一のグランド(GND)となるように構成されている。このため、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズがベース体1502に形成される断線防止リブ部1502aa1~1502aa3から箔抜き領域1510yaを介して周辺制御基板の裏面(ハンダ面)1510yのベタグランドへ侵入することができない「ノイズが抜けないルート」が非グランド経路部として形成されると共に、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503に侵入したノイズが上述した金属製のナベねじを介して各種基板のグランド(GND)へ流れる「ノイズが抜けるルート」がグランド経路部として形成されることにより、ノイズを除去することができるようになっている。
このように、筐体であるカバー体1501やベース体1502が導電性部材により形成される周辺制御ユニット1500に電子部品である周辺制御IC1510aが実装される周辺制御基板1510が取り付けられた状態において、周辺制御ユニット1500の筐体に侵入したノイズが非グランド経路部である「ノイズが抜けないルート」を介して周辺制御基板1510がへ抜けずにグランド経路部である「ノイズが抜けるルート」を介して周辺制御基板1510へ抜けることができるようになっているため、ノイズが抜ける経路をグランド経路部である「ノイズが抜けるルート」に限定することにより周辺制御基板1510に実装される電子部品である周辺制御IC1510aへのノイズの影響を防止することができる。したがって、周辺制御基板1510の耐ノイズ性を高めることができる。
また、非グランド経路部である「ノイズが抜けないルート」は、周辺制御ユニット1500の筐体であるベース体1502のリブ部として断線防止リブ部1502aa1~1502aa3と、断線防止リブ部1502aa1~1502aa3が周辺制御基板1510と当接する領域に形成される銅箔剥離領域として図85の箔抜き領域1510yaと、から構成されているため、周辺制御ユニット1500の筐体であるベース体1502の断線防止リブ部1502aa1~1502aa3が周辺制御基板1510と当接する領域に箔抜き領域1510yaを形成することにより、周辺制御ユニット1500の筐体であるカバー体1501やベース体1502に侵入したノイズが周辺制御ユニット1500の筐体であるベース体1502の断線防止リブ部1502aa1~1502aa3を通って周辺制御基板1510へ侵入することを阻止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、電子部品として図82の周辺制御IC1510aが実装される基板として図82の周辺制御基板1510を備え、筐体として図82のカバー体1501やベース体1502が導電性部材により形成されると共にこの筐体に周辺制御基板1510が取り付けられる制御装置として図82の周辺制御ユニット1500を備えている。周辺制御基板1510は、取付部、保護部を有している。取付部は、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続される銅箔部を有するものである。具体的には、図82及び図83の周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1~1510rf4,1510rb1~1510rb4である。保護部は、取付部における銅箔部の少なくとも一部を被覆して銅箔部の損傷を抑止することができるようになっている。具体的には、図82及び図83の周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされているという点や図86のレジストの各種形状であり、周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4と周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4とには、その表面である銅箔が剥き出しとならないようにそれぞれハンダ付けされている。このハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆していると共に、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。また、図86のレジストの各種形状により周辺制御基板1510の表面(実装面)のランド1510rf1~1510rf4の表面である銅箔にハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができるものでは、このようにハンダ付けされたハンダは、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1~1501ag4の取付面(ボス面)と周辺制御基板1510の表面(実装面)1510x側のランド1510rf1~1510rf4とを電気的に接続可能に被覆しているし、図86のレジストの各種形状により周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4の表面である銅箔にハンダ付けが一部に盛り上がらないように均一にすることができるものでは、このようにハンダ付けされたハンダは、周辺制御基板1510の裏面(ハンダ面)1510y側のランド1510rb1~1510rb4と金属製のナベねじのナベ部の座面(頭部の座面)とを電気的に接続可能に被覆している。
このように、周辺制御ユニット1500の筐体と取付部の銅箔部とが電気的に接続されることにより周辺制御ユニット1500の筐体に侵入したノイズが周辺制御基板1510の取付部の銅箔部を介して周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)へ抜けることができるようになっていると共に、周辺制御基板1510のグランド(GND)(基板グランド)と電気的に接続される取付部の銅箔部の損傷が保護部により抑制されることで周辺制御ユニット1500の筐体に周辺制御基板1510が取り付けられた状態において周辺制御ユニット1500の筐体と周辺制御基板1510の銅箔部との電気的な接続性を良好とすることができる。したがって、周辺制御基板1510の耐ノイズ性を高めることができる。
また、保護部は、銅箔部の表面にハンダ付けされたハンダの厚さが均一とされるようになっているため、銅箔部の表面にハンダが盛り上がった部分が存在せず、周辺制御ユニット1500の筐体であるカバー体1501と周辺制御基板1510の銅箔部との接触面積の減少を抑えることができるため、電気的な接続性を良好とすることができる。
また、保護部は、銅箔部の表面を一部被覆して銅箔部へのハンダ付け量を抑制するハンダ量抑制部として図86のレジストの各種形状を有しているため、周辺制御基板1510のグランド(GND)と電気的に接続される銅箔部の表面の一部がハンダ量抑制部により被覆されることにより、銅箔部の表面にハンダ付けされたハンダの量を均一とすることができるため、導電性部材により形成される周辺制御ユニット1500の筐体に基板が取り付けられると、周辺制御ユニット1500の筐体であるカバー体1501と周辺制御基板1510の銅箔部との電気的な接続性を良好とすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技を行うことができるものであって、複数の平型導体を絶縁体で被覆した帯状配線として図107のフレキシブルフラットケーブルLFCと、帯状配線が挿抜されるコネクタとして図108(a)の演出表示装置1600における液晶パネル1600aの裏面側を覆う金属製裏蓋1600bに設けられるコントロール基板1600cのコネクタ1600ca、及び図108(b)の液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに備えるコネクタCN10がコネクタと、を有している。このパチンコ機1では、帯状配線と別体に設けられると共に、帯状配線がコネクタに正常に挿入された状態を判別可能な嵌合不具合確認部として図108(a)の演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bのガイドラインG1L,G1R、及び図108(b)の液晶出力基板1530のガイドラインG3U,G3Lをさらに有している。
このように、複数の平型導体を絶縁体で被覆した帯状配線であるフレキシブルフラットケーブルLFCがコネクタであるコネクタ1600ca及びコネクタCN10に正常に挿入された状態を嵌合不具合確認部である演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bのガイドラインG1L,G1R、及び液晶出力基板1530のガイドラインG3U,G3Lにより判別することができるようになっているため、遊技ホールの店員等の係員やパチンコ機1の製造元の作業者が帯状配線であるフレキシブルフラットケーブルLFCとコネクタであるコネクタ1600ca及びコネクタCN10との接続する場合やその接続を確認する際に嵌合不具合確認部である演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bのガイドラインG1L,G1R、及び液晶出力基板1530のガイドラインG3U,G3LによりフレキシブルフラットケーブルLFCがコネクタ1600ca及びコネクタCN10に正常に挿入された状態を簡単に判別することができるようになっている。したがって、確認作業の効率向上に寄与することができる。
また、帯状配線であるフレキシブルフラットケーブルLFCがコネクタであるコネクタ1600ca及びコネクタCN10の奥まで正常に挿入された後に、フレキシブルフラットケーブルLFCの姿勢を固定する固定部として図108(a)の固定シールSFCを有しているため、フレキシブルフラットケーブルLFCがコネクタ1600ca及びコネクタCN10から外れることを防止することができる。
また、嵌合不具合確認部であるガイドラインG1L,G1Rは、金属製部材として図108(a)の演出表示装置1600における金属製裏蓋1600bに打刻されているため、嵌合不具合確認部であるガイドラインG1L,G1Rが消え難い。
また、嵌合不具合確認部であるガイドラインG3U,G3Lは、シルク印刷による印刷、レジスト液による塗布、及び銅箔面の箔抜きのうちいずれかにより液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに形成されているため、液晶出力基板1530の表面(実装面)1530xに嵌合不具合確認部を形成することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、基板として図98の周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が収容される基板ボックスとして図98の周辺制御基板ボックス1505を備えている。この周辺制御基板ボックス1505は、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を被覆するように第1部材として図98のカバー体1501と、第2部材としてと、図98のベース体1502を少なくとも含む複数の構成部材として図98のカバー体1501、ベース体1502、配線カバー体1503、金属製の基板表面(実装面)側シールド板1540、金属製の基板裏面(ハンダ面)側シールド板1555により構成されている。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板には複数の貫通孔として図98の周辺制御基板1510の貫通孔1510r1~1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1~1520r4、及び液晶出力基板1530の貫通孔1530r1~1530r4が設けられている。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に設けられる複数の貫通孔は、第1部材に基板がネジとして金属製のナベねじで螺着される(ねじ込んで固定される)第1貫通孔として図98の周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4と、第1部材と第2部材とを螺着する(ねじ込んで固定する)ネジとして金属製のナベねじが挿通される第2貫通孔として図98の周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2,1520r3、液晶出力基板1530の貫通孔1530r2,1530r3と、を有している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板は、第1貫通孔を示す螺着指示部として図98の周辺データROM基板1520にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH1,DTH2、液晶出力基板1530にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH3,DTH4、周辺制御基板1510にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH5,DTH6を有している。
このように、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に設けられる複数の貫通孔に、第1部材であるカバー体1501に周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板がネジである金属製のナベねじで螺着される(ねじ込んで固定される)第1貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4と、第1部材であるカバー体1501と第2部材であるベース体1502とを螺着する(ねじ込んで固定する)ネジである金属製のナベねじが挿通される第2貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2,1520r3、液晶出力基板1530の貫通孔1530r2,1530r3と、が混在する場合には、作業者が第1貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4を示す螺着指示部である周辺データROM基板1520にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH1,DTH2、液晶出力基板1530にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH3,DTH4、周辺制御基板1510にシルク印刷として印刷されるネジ固定指示マークDTH5,DTH6を目視することで、第1貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4と、第2貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r1,1510r4、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r2,1520r3、液晶出力基板1530の貫通孔1530r2,1530r3と、を判別することができるため、第1貫通孔である周辺制御基板1510の貫通孔1510r2,1510r3、周辺データROM基板1520の貫通孔1520r1,1520r4、液晶出力基板1530の貫通孔1530r1,1530r4への螺着作業(ねじ込んで固定する作業)を円滑に行うことができる。したがって、作業効率の向上に寄与することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、遊技機としてパチンコ機を例示したが、雀球機、アレンジボール機等の他の遊技機にも適用可能であり、さらには、遊技メダルを用いて複数のドラム(回胴又はリール)を回転させるスロットマシンにも適用可能である。ここで、スロットマシンについて図159を参照して説明する。図159はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図159に示すように、前面扉(前面枠)6002、本体部分(箱体)6004を備えて構成されている。前面扉(前面枠)6002と本体部分(箱体)6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉(前面枠)6002の右側端に設けた金属製の施錠装置の鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放することができるようになっている。
金属製の施錠装置は、前面扉(前面枠)6002の図示しない金属製の扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームに取付けられ、図示しない施錠ユニットと協働して、本体部分(箱体)6004と前面扉(前面枠)6002との開閉施錠に使用されるものである。金属製の施錠装置は、前後に延びた図示しない金属製の円柱状のシリンダ本体と、シリンダ本体の前端面に形成されている金属製の鍵穴6005と、シリンダ本体の後側に取付けられており鍵穴6005に挿入され正規の金属製の鍵を回転させると一緒に回転する図示しない金属製の回転伝達部材と、を備えている。金属製の施錠装置のシリンダ本体は、扉枠補強ユニットのシリンダ取付フレームの前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材は、前面扉(前面枠)6002が本体部分(箱体)6004に対して閉鎖されると、図示しない金属製の施錠ユニットの金属製の伝達シリンダが後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダの一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材(鍵穴6005に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダに伝達させて回転させることができる。前面扉(前面枠)6002が本体部分(箱体)6004に対して閉鎖された状態において金属製の施錠装置の回転伝達部材と施錠ユニットの伝達シリンダとが接触している場合には、金属製の施錠装置と施錠ユニットとが電気的に接続された状態となる。
扉枠補強ユニットは、前面扉(前面枠)6002を補強して剛性を付与することができる機能に加えて扉枠金属アースとしても機能し、図示しない扉枠金属アース線を介して本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板と電気的に接続されている。つまり、金属製の扉枠補強ユニットが扉枠側のフレームグランドとなっている。この図示しないアース基板は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものであり、図示しない島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されている。
本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検知することができる図示しない開放スイッチは、本体部分(箱体)6004又は前面扉(前面枠)6002に配置されている。この開放スイッチは、金属製の施錠装置による開閉操作による電気的な信号が入力されたことに起因して、本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検出するものではなく、金属製の施錠装置による開閉操作と別個独立して、本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放を検出している。また、開放スイッチは、金属製の施錠装置の近傍周辺に配置されず、金属製の施錠装置へ侵入した電磁波ノイズの影響を受けないように、金属製の施錠装置の下方の位置であって本体部分(箱体)6004又は前面扉(前面枠)6002に開放スイッチが配置されている。このように、仮に金属製の施錠装置に電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズの影響を、開放スイッチからの信号伝送ラインが受けないようになっている。
前面扉(前面枠)6002は、スロットマシン6000の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備えている。この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもある。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキであり、導電性を有しているため、電磁波ノイズが侵入する場合がある。各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、前面扉6002を構成する扉枠ベースユニットにおける金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されている(各種装飾部には、図示しない配線を介して金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続されているものもあれば、導電性部材が直接金属製の扉枠補強ユニットに取り付けられて電気的に接続されているものもある)。これにより、各種装飾部へ侵入した電磁波ノイズを金属製の扉枠補強ユニットへ伝えることで各種装飾部に備える各種装飾基板の基板グランドへの侵入を防止することができるようになっている。また、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものへ侵入した電磁波ノイズは、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットへ伝わると、扉枠金属アース線を介して、本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板へ伝わり、そしてアース基板から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ伝わり、スロットマシン6000から除去される。つまり、金属製の扉枠補強ユニットが上述したように扉枠側のフレームグランドとなっている。
なお、前面扉(前面枠)6002の前面の所定箇所に除電部として静電除去パッドを設けてもよいし、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放する場合に、蝶番が配置される側(閉鎖側)と反対側となるの開放側となる部分に除電部として静電除去パッドを設けてもよい。静電除去パッドは、静電気放電により生ずるノイズ(電磁波ノイズ)を除去することができるものである。
また、前面扉(前面枠)6002はスロットマシン6000の前面全体を装飾するものであり、各種装飾部を備え、この各種装飾部には、装飾メッキが全く施されていないものもあれば、表裏全面に装飾メッキが施されているものもあり、各種装飾部のうち、表裏全面に装飾メッキが施されているものについては、図示しない配線を介して、金属製の扉枠補強ユニットと電気的に接続され、本体部分(箱体)6004の内部に設けられるアース基板が島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースと電気的に接続されていたが、扉枠金属アース線をアース基板に電気的に接続せず、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない電源ユニットの電源基板の端子に電気的に接続して、金属製の扉枠補強ユニットと電源基板とを電気的に接続するようにしてもよい。電源基板は、遊技ホールの島設備から交流24Vが供給されている。この交流24VはL(ライブ)、N(ニュートラル)があり、L(ライブ)が入力される電源基板のL端子は、非接地側と接続されるものであり、N(ニュートラル)が入力される電源基板のN端子は、接地側と接続されるものである。そこで、過渡的に過大電圧から保護するサージ保護素子(サージアブソーバ)を電源基板に設ける。このサージ保護素子(サージアブソーバ)は、通常は抵抗値が高く電流をほとんど流さないものの、過大電圧(異常電圧)が侵入すると、瞬時に抵抗値が低くなって電流を流し、過大電圧がなくなると、元の通常の抵抗値(高い抵抗値)に戻る性能を有するものである。これにより、金属製の扉枠補強ユニットから伝わる電磁波ノイズは、電源基板の端子からサージ保護素子(サージアブソーバ)により電源基板のN端子から接地側(アース)へ伝わってスロットマシン6000から除去される。
前面扉(前面枠)6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉(前面枠)6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉(前面枠)6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310に電気的に接続されている。主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
この主制御基板ボックス1320には、主制御基板1310と共に、設定値の変更を行うことができる上述した設定キースイッチ1311a(樹脂製タイプのもの又は金属製タイプのもの)が実装される設定変更基板1311も収容されている。つまり、主制御基板1310は、上述したように、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されているため、設定キースイッチ1311aが本体部分(箱体)6004の内部に配置されている。なお、設定変更基板1311は、主制御基板ボックス1320と別体の基板ボックスに収容されて本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されてもよいし、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない電源ユニットの筐体に取り付けて固定されてもよい。また、設定変更基板1311の表面(実装面)には、上述した設定キースイッチ1311aの他に、設定値を選択して切り替えるための設定切替ボタン、小数点付き(いわゆる、ドット付き)7セグメントLED表示器単体で構成される設定表示器1310g、及び上述した設定変更許可ランプ1310z等を実装してもよい。
設定キースイッチ1311a(樹脂製タイプのもの又は金属製タイプのもの)は、上述したパチンコ機1に設けられるものと略同一の構成を有している。
主制御基板1310、設定変更基板1311、設定キースイッチ1311a、及び主制御基板ボックス1320等の構成(他の構成(変形例)を含む。)は、上述したパチンコ機1に設けられるものと略同一の構成を有するとともに、その効果も同一の効果を有しているため、その説明を省略するが、一例を説明すると、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズが設定変更基板1311に備える設定キースイッチ1311aとして、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311ad、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adから侵入したとしても、上述したように、設定変更基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)における銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)及び裏面(ハンダ面)に形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっているため、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズを、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311ad、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adによって減衰させることができるようになっている。これにより、設定キースイッチ1311aにアクセスする者自身に帯電して静電気放電することによる電磁波ノイズが設定変更基板1311の基板グランドへ侵入することを防止することができるため、設定変更基板1311を介して、遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへの影響が全くなく、基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、スロットマシン6000の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
なお、金属製タイプの設定キースイッチ1311aにおいて、金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとの間を非導電性の樹脂(絶縁性の樹脂)で満たして金属製の設定キーシリンダ1311abを金属製の外筒1311aaに対して回転可能な構成を採用して、金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとが電気的に接続されず絶縁された構成を採用してもよい。このように構成しても、金属製の外筒1311aaから電磁波ノイズが侵入したとしても、この電磁波ノイズは、金属製のフレーム板1311adを通って設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成される箔抜き領域SINSx,SINSyを介して設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)へ侵入することが阻止されることにより金属製の外筒1311aa、及び金属製のフレーム板1311ad自身によって減衰させられる。つまり、金属製の外筒1311aaからの電磁波ノイズを箔抜き領域SINSx,SINSyにより設定変更基板1311の基板グランドへの侵入を防止することができる。これにより、金属製の外筒1311aaからの電磁波ノイズの侵入を設定変更基板1311側において阻止することができるため、その電磁波ノイズの侵入が設定変更基板1311を介して遊技の進行を制御する重要な制御基板である主制御基板1310の基板グランドへ進行することを確実に止めることができ、基板グランド(グランド)を伝送するグランドラインに対して変動を与えることがない。したがって、スロットマシン6000の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分(箱体)6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉(前面枠)6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310により駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510を備えている。
主制御基板1310は、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
このスロットマシン6000によれば、開閉可能な扉として前面扉6002を前側に備え、電子部品が実装される基板として主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310と、第1鍵(遊技ホールの店員等の係員が所持する正規の金属製の鍵)の操作によって第1の操作(本体部分(箱体)6004に対して前面扉(前面枠)6002の開放する場合)を行うことができる第1の装置として前面扉(前面枠)6002の右側端に設けた金属製の施錠装置と、第1鍵とは別の第2鍵(設定キー)の操作によって第2の操作(設定値を変更する場合、設定されている現状の設定値を確認する場合)を行うことができると共に第2鍵の操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される第2の装置として主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aと、を備えている。設定キースイッチ1311aは、複数種類の当選確率を設定可能状態とし得るもの(設定値を変更する場合)であり、また設定されている現状の設定値を確認可能状態とし得るもの(設定されている現状の設定値を確認する場合)である。前面扉(前面枠)6002の右側端に設けた金属製の施錠装置は、前面扉(前面枠)6002の前側に設けられ、金属製の施錠装置の筐体が電気的に接地側へ接続されている。設定キースイッチ1311aは、前面扉(前面枠)6002より後側に設けられ、設定キースイッチ1311aの筐体が電気的に接地側へ接続されず絶縁されている。
具体的には、前面扉6002の金属製の施錠装置の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体は、電気的に扉枠側のフレームグランド又は交流24VのN(ニュートラル)である接地側へ接続されている。また、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態とすることができるようになっている。このため、設定キースイッチ1311aの筐体として、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adが設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっていると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adと金属製の外筒1311aaと金属製の設定キーシリンダ1311abとが設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態となっている。
このように、前面扉(前面枠)6002の前側に設けられる金属製の施錠装置の筐体が電気的に接地側へ接続されているため、仮に金属製の施錠装置にノイズ(電磁波ノイズ)が侵入したとしても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を接地側へ逃がすことで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えず、かつ、前面扉(前面枠)6002より後側に設けられる設定キースイッチ1311aの筐体として、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adが電気的に接地側へ接続されず絶縁されていると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adが電気的に接地側へ接続されず絶縁されているため、仮に、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adにノイズ(電磁波ノイズ)が侵入しても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を金属製のフレーム板1311ad自身で減衰させることで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adにノイズ(電磁波ノイズ)が侵入しても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311ad自身で減衰させることで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、スロットマシン6000の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、前面扉(前面枠)6002の金属製の施錠装置の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体がスロットマシン6000の扉枠側のフレームグランド又はスロットマシン6000に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続される一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adがスロットマシン6000の扉枠側のフレームグランド及びスロットマシン6000に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁されていると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adがスロットマシン6000の扉枠側のフレームグランド及びスロットマシン6000に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁されている。これにより、扉枠3のシリンダ錠127の筐体である金属製の円柱状のシリンダ本体がスロットマシン6000の扉枠側のフレームグランド又はスロットマシン6000に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続される状態とすることができる一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製のフレーム板1311adがスロットマシン6000の扉枠側のフレームグランド及びスロットマシン6000に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁される状態とすることができると共に、金属製タイプの設定キースイッチ1311aでは金属製の外筒1311aa、金属製の設定キーシリンダ1311ab、及び金属製のフレーム板1311adがスロットマシン6000の扉枠側のフレームグランド及びスロットマシン6000に供給される交流24VのN(ニュートラル)である接地側と電気的に接続されず絶縁される状態とすることができる。
また、前面扉(前面枠)6002の金属製の施錠装置及び図示しない施錠ユニットにより前面扉(前面枠)6002を開放した後に(つまり、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放した後に)、主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される設定キースイッチ1311aにより複数種類の当選確率を設定可能状態とすることができるようになっているし(設定値を変更する場合)、また設定されている現状の設定値を確認可能状態とすることができるようになっている(設定されている現状の設定値を確認する場合)。これにより、前面扉(前面枠)6002の金属製の施錠装置及び図示しない施錠ユニットにより前面扉(前面枠)6002を開放した後(つまり、前面扉(前面枠)6002を本体部分(箱体)6004から開放した後)でなければ、設定キースイッチ1311aを操作しようと設定キースイッチ1311aにアクセスして設定値の設定可能状態(設定値を変更する場合)又は設定値の確認可能状態(設定されている現状の設定値を確認する場合)とすることができないようにすることができ、設定キースイッチ1311aに対するセキュリティーを向上することができる。
また、このスロットマシン6000によれば、電子部品が実装される基板として主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310を備え、鍵として設定キーの操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される鍵スイッチとして主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと、この樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを収容可能なケース体として主制御基板ボックス1320と、を備えている。樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aは、設定キーが差し込まれる差し込み口として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaが形成される非導電性部材として非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abと、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを固定する導電性部材として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adと、を有している。主制御基板ボックス1320は、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abに形成される差し込み口1311abaと対応する部分に開口部として主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zが形成され、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが収容された状態において、差し込み口1311abaが貫通穴1301zを介して露出されるようになっている一方、金属製のフレーム板1311adが貫通穴1301zを介して露出されないようになっている。
このように、主制御基板ボックス1320に樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが収容された状態においては、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abに形成される差し込み口1311abaが主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zを介して露出されているの対して、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adが主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zを介して露出されないようになっているため、仮に静電気を帯びた者が主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zに指を近づけても、静電放電による電磁波ノイズが樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311ab、及び樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに侵入することをそれぞれ防止することができることにより、電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、スロットマシン6000の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、主制御基板ボックス1320は、貫通穴1301zの内周に沿って突出部としてリブ部1301zaが主制御基板ボックス1320のケース体1301の裏面から後方へ向かって突出されている。こうすれば、リブ部1301zaにより貫通穴1301zの周囲の強度を高めることができるため、人の力により貫通穴1301zの周囲を押し込んで貫通穴1301zの周囲を撓ませて貫通穴1301zと樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたり、貫通穴1301zの周囲を損傷させて貫通穴1301zを大きくして貫通穴1301zと樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abとのすき間を大きくしたりすることを防止することができる。
また、このスロットマシン6000によれば、電子部品が実装される基板として主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310と、所定の鍵(設定キー)の操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される鍵装置として主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと、を備えている。鍵装置のシリンダが形成されるシリンダ部材として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、鍵装置の筐体として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されている。さらに、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続されずに絶縁されている。
具体的には、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、非導電性を有しているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adと電気的に接続されず絶縁された状態となっている。また、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて設定変更基板1311の箔抜き領域SINSx,SINSyを形成することにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)から電気的に絶縁された状態とすることができるようになっている。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されているとともに、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続されずに絶縁されているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの耐ノイズ(耐電磁波ノイズ)を強化することにより電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、スロットマシン6000の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが導電性部材である金属性部材となっているため、仮に樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adにノイズ(電磁波ノイズ)が侵入したとしても、この侵入したノイズ(電磁波ノイズ)を樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311ad自身で減衰させることで電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、非導電性部材となっているため、樹脂製の設定キーシリンダ1311abを介してノイズ(電磁波ノイズ)の侵入を防止することができる。
また、このスロットマシン6000によれば、電子部品が実装される基板として主制御基板ボックス1320に収容される主制御基板1310と、所定の鍵(設定キー)の操作による信号ラインが電気的に電子部品に接続される鍵装置としての主制御基板ボックス1320に主制御基板1310と共に収容される設定変更基板1311に実装される樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aと、を備えている。鍵装置の筐体として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続される一方、鍵装置のシリンダが形成されるシリンダ部材として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されている。
具体的には、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、非導電性を有しているため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adと電気的に接続されず絶縁された状態となっている。また、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yにおける銅プレーンにおいて、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aの金属製のフレーム板1311adに形成される一対の突出片1311ada,1311adaを挿通することができる設定変更基板1311の左右方向に沿って長い長穴形状を有する一対の対向するロングスルーホールSLH1,SLH2が、設定変更基板1311の表面(実装面)1311x及び裏面(ハンダ面)1311yに形成されるベタグランド(基板グランド)と電気的に接続された状態となっている。
このように、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adは、電気的に接地側へ接続されるのに対して、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abは、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに電気的に接続されずに絶縁されている。つまり、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが電気的に接地側へ接続されることにより、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが電気的に浮いた状態とならず、雑音を拾うアンテナとして機能してノイズ源となるおそれを防止することができるため、電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。したがって、スロットマシン6000の誤動作や電子部品の破壊を防止することに寄与することができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを収容可能なケース体として主制御基板ボックス1320を備え、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320に収容された状態において、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abの一部が露出される一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが露出されないようになっているため、仮に静電気を帯びた者が主制御基板ボックス1320から露出する樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abの一部に指を近づけても、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abが樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに対して絶縁されているため、静電放電による電磁波ノイズが樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abを介して樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adに侵入することを防止することができることにより、電子部品が実装される基板である主制御基板1310のグランドラインの変動を与えないようにすることができる。
また、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける樹脂製の設定キーシリンダ1311abには、所定の鍵(設定キー)が差し込まれる差し込み口として樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける非導電性の有する樹脂製の設定キーシリンダ1311abの前面に形成される差し込み口1311abaが形成され、主制御基板ボックス1320は、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aを収容した状態において、差し込み口1311abaと対応する部分に開口部として主制御基板ボックス1320のケース体1301に形成される貫通穴1301zが形成され、差し込み口1311abaが貫通穴1301zを介して露出される一方、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aにおける金属製のフレーム板1311adが貫通穴1301zを介して露出されないようになっているため、所定の鍵(設定キー)が差し込まれる差し込み口1311abaのみを主制御基板ボックス1320から露出することができるため、樹脂製タイプの設定キースイッチ1311aが主制御基板ボックス1320から露出する部分を最小限とすることができる。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008’となり、主制御基板1310は、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008’に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。