JP2012018050A - センサ制御装置及びセンサ制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】外乱による影響を少なくして、センサ出力の変動を小さくすることができるセンサ制御装置及びセンサ制御システムを提供すること。
【解決手段】センサ制御装置2では、信号系回路のGND1端子と、パワー系回路のGND2端子とを別々に設けると共に、パワー系グランドと信号系グランドとについて、回路基板20とECU9およびバッテリ8とを接続する電気経路において互いに独立させている。また、コンデンサ301〜307の一端をNOxセンサ10からの信号線に接続するとともに、コンデンサ301〜307の他端を信号系グランドに接続している。よって、パワー系グランドにヒータ制御回路28やモータ310の様な大電流が流される電子装置が接続されている場合でも、それらの大電流の電子装置によるノイズがセンサ出力に影響を与えることを防止できる。よって、特定ガス濃度の検出精度が向上する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば内燃機関から排出される排ガス等の被測定ガス中の特定成分を検出するガスセンサに接続され、このガスセンサの駆動を制御するセンサ制御装置、及び前記ガスセンサとセンサ制御装置とから構成されるセンサ制御システムに関する。
従来より、自動車のエンジンから排出される排ガス中のNOx(窒素酸化物)を検出するガスセンサが知られている。
このガスセンサとしては、第1測定室に流入された被測定ガス(排ガス)中の酸素を外部に汲み出したり、第1測定室に外部から酸素を汲み入れたりして、被測定ガスの酸素濃度を所定の濃度に調整するための第1ポンピングセルと、第1測定室から第2測定室に流入される酸素濃度が調整された被測定ガス中のNOxを分解し、その際にNOx濃度に応じた電流が電極間に流れる第2ポンピングセルとを有するものが知られている。また、このガスセンサにはヒータが設けられており、ヒータによって各セルを構成する固体電解質体が加熱されることで活性状態が保持される。
そして、この種のガスセンサは、センサ制御装置に接続され、センサ制御装置によって、その動作が制御される。
具体的には、酸素濃度に応じた電流が第1ポンピングセル(詳細には、第1ポンピングセルの電極間)に流れ、又、NOx濃度に応じた電流が第2ポンピングセルに流れる。そして、各セルから出力された電流信号は、センサ制御装置内の信号処理回路にて電圧信号に変換される。なお、信号処理回路では、それら電圧信号を用いて酸素濃度、NOx濃度の値を示す酸素濃度信号、NOx濃度信号が算出され、酸素濃度信号、NOx濃度信号は、外部のエンジン制御を司る電子制御装置に出力される。一方、ガスセンサを構成するヒータは、センサ制御装置内のヒータ制御回路により通電制御され、ヒータ電流がON/OFF制御される。
ここで、NOx濃度を検出するための電流(即ち、第2ポンピングセルを流れる電流)はnA(ナノアンペア)オーダであるのに対し、ヒータ電流はA(アンペア)オーダである。さらに、信号処理回路とヒータ制御回路は、センサ制御装置内の同一の回路基板上に搭載されている。従って、ヒータのON/OFF切り替え時に発生するノイズが信号処理回路に乗ってしてしまい、NOx濃度の検出精度が低下するという問題があった。
そこで、この問題を解決するために、例えば、センシング回路(信号処理回路)における基準電位を設定するグランドパターンと、ヒータ制御回路における基準電位を設定するグランドパターンとを、グランド端子部を起点として分離して設けたガス濃度検出装置が提案されている(特許文献1参照)。このガス濃度検出装置では、センシング回路へのヒータ電流の回り込みを防止できるので、センシング回路における基準電位の安定化が実現できる。
ところが、グランド端子部を共有化すると、ヒータがONされている間は、ヒータ電流の影響が強く、信号処理回路の出力電圧が変動してしまうという問題点がある。この場合、ヒータがOFFされている間に、信号処理回路の出力電圧をA/D変換してA/D値をサンプリングすれば問題ない。しかし、ヒータのON/OFFに関わらず、サンプリングしたA/D値を平均化処理する場合、この平均値は実際の値よりもずれてしまう。
従って、ヒータ電流による信号処理回路への影響を最小限に抑えるためには、信号処理回路のグランドと、ヒータ制御回路のグランドとを別々に設けるのが望ましいので、各グランドを別個に設けた技術が提案されている(特許文献2参照)。
また、このような従来技術においては、図8に示す様に、外乱(ノイズ)の影響を低減するために、ガスセンサとセンサ制御装置の信号処理回路(例えばセンサ制御回路1、2)とをつなぐ信号線に、コンデンサが接続されていた。
詳しくは、コンデンサの一端が、センサ制御装置の接続端子と信号処理回路との間の信号線に接続されるとともに、コンデンサの他端が、信号処理系に比べて大電流が制御されるヒータ制御回路用のグランド(パワー系グランド)に接続されていた。
ここで、コンデンサの他端がヒータ制御回路用のグランドに接続されていたのは、通常、大電流用のグランドの配線は、幅が広く且つ短く設定されているので、仮にこのグランドにノイズが乗った場合でも、そのノイズはコンデンサを介して信号処理回路まで到達しにくいと考えられていたからである。なお、図8において、VS+、IP1+、COM、IP2+、PGNDは、各センサからの信号が入力される接続端子を示している。
特開2004−212284号公報 特開2009−244255号公報
しかしながら、上述の様に、信号処理回路用のグランド(SGND)とヒータ制御回路用のグランド(PGND)とを別個に設け、更に、信号線にコンデンサを接続した場合でも、場合によっては、信号処理回路にノイズが乗ることがあった。
つまり、従来では、コンデンサの一端を信号線に接続するとともに、コンデンサの他端をヒータ制御回路用のグランドに接続していたので、センサ制御装置単体でEMC(Electro Magnetic Compatibility:電磁両立性)試験を行う場合には問題は無いものの、このセンサ制御装置を、他の複数の電子制御装置(ECU)や複数のアクチュエータ等(即ち他の電子機器)が搭載されている車両に適用する場合には、他のECUや電子機器の影響で信号線にノイズが重畳することがあった。
具体的には、実際の車両においては、センサ制御装置以外に、複数のECU(特にヒータ制御回路のような大電流が流されるECU)や、これらのECUによって制御されるモータやソレノイド等の大電流が流される電子機器も搭載されているが、これらのECUや電子機器は、一般的にヒータ制御回路用のグランド(パワー系グランド)に接続されるので、例えばモータ駆動ノイズがヒータ制御回路用のグランドに乗ると、このノイズがセンサ制御装置に影響を与え、結果として、センサ出力が変動することがあった。
例えば、ヒータ制御回路用のグランドにノイズが入り、そのノイズがコンデンサを介して信号処理回路に回り込んだ場合に、そのノイズが例えば検出素子(起電力セル)の抵抗(Rpvs)を測定する際の測定パルスと同期したときには、検出素子の抵抗を求めるための電圧値が変動してしまい、結果として、検出素子の抵抗(従って検出素子の温度)を精度良く求めることができないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外乱による影響を少なくして、センサ出力の変動を小さくすることができるセンサ制御装置及びセンサ制御システムを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明のセンサ制御装置は、請求項1に記載の様に、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための検出素子と、当該検出素子を加熱するヒータと、を備えるガスセンサに接続されるセンサ制御装置であって、前記検出素子からの特定ガス濃度に応じた電圧信号を検出する信号処理回路と、前記検出素子と前記信号処理回路とを接続する信号線に接続されたコンデンサと、前記ヒータの通電を制御するヒータ制御回路と、を備えるとともに、前記信号処理回路が接続される信号系グランドと、前記信号処理回路に流れる電流よりも大きな電流が流される前記ヒータ制御回路及び前記センサ制御装置とは異なる他の電子装置が接続されるパワー系グランドとを、各々独立して備え、且つ、前記コンデンサの一端が前記信号線に接続されるとともに、該コンデンサの他端が前記信号系グランドに接続されていることを特徴とする。
本発明では、パワー系グランドと信号系グランドとを各々独立して備え、さらに図1に例示する様に、コンデンサの一端が信号線に接続されるとともに、コンデンサの他端が信号系グランドに接続されているので、パワー系グランドにヒータ制御回路やセンサ制御装置とは異なる他の電子装置(例えばセンサ制御装置以外の他の電子制御装置や電子機器の様な大電流が流される電子装置)が接続されている場合でも、ヒータ制御回路に流れるヒータ電流や他の電子装置に流れる電流が、センサ出力に影響を与えることを抑制できる。つまり、本発明では、外乱(ノイズ)が信号処理回路の出力に影響するのを抑制できるので、特定ガス濃度の検出精度が向上するという顕著な効果を奏する。
例えば、実際の車両においては、大電流が流れる各種の電子制御装置や(モータ、ソレノイド等の)電子機器等の他の電子装置が、パワー系グランドに接続されているので、ヒータ制御回路や他の電子装置に流れる大電流によって、(パワー系グランドに接続されたコンデンサを介して)センサ出力が変動することがある。これに対し、本発明では、パワー系グランドに接続される装置よりも流れる電流の小さな信号処理回路が接続された信号系グランドにコンデンサを接続しているので、信号処理回路は上述した大電流の影響を受け難く、よって、センサ出力の変動を抑制できるという顕著な効果を奏する。
ここで、前記他の電子装置とは、信号処理回路に流れる電流よりも大きな電流が流れる例えば電子制御装置(ECU)や、モータやソレノイド等のアクチュエータなどを示している。
また、パワー系グランドと信号系グランドが独立しているとは、ヒータ制御回路及びセンサ制御装置とは異なる他の電子装置が共通して接続されるグランドと、信号処理回路が接続されるグランドとが、別々に設けられていることを意味している。
なお、信号系グランドに接続される信号処理回路として、例えば数百mA以下の電流が流される回路が挙げられる。一方、パワー系グランドに接続されるヒータ制御回路及び他の電子装置としては、例えば数A以上の電流が流される装置が挙げられる。例えば、信号系グランドに接続される信号処理回路に流される電流の値としては、パワー系グランドに接続されるヒータ制御回路及び他の電子装置に流される電流の値より1桁以上小さな値が挙げられる。
(2)本発明は、請求項2に記載の様に、被測定ガス中における特定ガスとしてのNOxの濃度を検出するNOxセンサに適用できる。
本発明は、NOx濃度に応じて電流を濃度対応信号の一種として扱うNOxセンサのように、微弱な電流を扱うガスセンサに用いると好適である。特に、本発明は、固体電解質体に一対の電極を設けたセルを複数有し、そのうちの1つのセルにてNOx濃度に応じた電流を流す構成のNOxセンサに用いると好適である。つまり、本発明では、ヒータ制御回路に流れるヒータ電流や他の電子装置に流れる電流の様な(信号処理回路に流れる電流に比べて)大きな電流が、信号処理回路の出力に影響するのを抑制できるので、NOx濃度の検出精度を向上できる。
(3)本発明は、請求項3に記載の様に、検出素子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出回路を備えたガスセンサ制御装置に適用できる。
センサ制御装置においては、検出素子のインピーダンスを測定し、その測定結果から検出素子の温度を求め、この検出素子の温度に基づいてヒータを制御することができる。
特に、本発明では、上述した構成によって、検出素子のインピーダンスを測定する際に、外乱(ノイズ)の影響が少ないので、精度良くインピーダンスを測定することができる。よって、このインピーダンスに基づいて検出素子の温度を精度良く検出できるので、ヒータを好適に制御して、検出素子の温度を精度良く設定できる。その結果、特定ガス濃度の検出精度を一層向上できる。
(4)本発明のセンサ制御システムは、請求項4に記載の様に、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための検出素子と、当該検出素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサと、前記ガスセンサに接続される請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ制御装置とから構成されることを特徴とする。
このセンサ制御システムを、例えば内燃機関(エンジン)、エンジン制御を司る電子制御装置等の電子制御装置、車両を制御する各種のアクチュエータ等を搭載した車両に適用することで、電子制御装置は、センサ制御装置から出力された精度の良い濃度信号を受信でき、その濃度信号に基づいて内燃機関の制御を精度良く行うことができる。
本発明の要部を例示して説明するための説明図である。 実施形態における内燃機関の排気系周りの概略的な構成を示す図である。 センサ制御装置と、センサ制御装置に接続されたNOxセンサの概略的な構成を示す図である。 起電力セルの抵抗を測定する際のΔVsの変化を示すタイミングチャートである。 センサ制御装置の回路基板上に搭載された電子部品等の概略的な配置構成を示す図である。 本発明例の実験データを示すグラフである。 比較例の実験データを示すグラフである。 従来技術の説明図である。
以下、本発明を具体化したセンサ制御装置及びセンサ制御システムの一実施形態について、図面を参照して説明する。
ここでは、被測定ガスである排気ガス中における特定ガスとしてのNOx濃度を検出できるNOxセンサと、そのNOxセンサの制御を行うセンサ制御装置と、センサ制御装置が取り付けられる内燃機関について説明する。
a)まず、センサ制御装置を備えた内燃機関のシステム構成について、図2を参照して説明する。
図2は、内燃機関1の排気系周りの概略的な構成を示す図である。なお、本実施形態では、センサ制御装置2がNOxセンサ10と接続され、このNOxセンサ10と共にセンサ制御システムを構成している。
図2に示す様に、内燃機関1は、自動車を駆動するためのエンジン5を有し、このエンジン5には、エンジン5から排出される排気ガスを車外に放出するための排気管6が接続され、排気管6の経路上には、排気ガスの浄化を行うためのNOx選択還元触媒7が設けられている。
NOx選択還元触媒7は、NOx還元剤(尿素水)と反応させて無害なN2とH2Oとに還元する触媒である。なお、図示しないが、NOx選択還元触媒7の上流側には、排気管6内に尿素水を噴射するためのインジェクタが設けられている。
また、排気管6の経路上でNOx選択還元触媒7の下流側には、排気ガス中のNOxの濃度を検出するためのNOxセンサ10が配設されている。NOxセンサ10は、センサ制御装置2とハーネス(信号線束)4を介して電気的に接続されており、センサ制御装置2によって制御されてNOx濃度の検出を行い、NOx選択還元触媒7の異常の有無等を検出するのに用いられる。
更に、センサ制御装置2は、バッテリ8から電力の供給を受けて駆動される。
そして、NOxセンサ10を用いて検出したNOx濃度の検出信号(濃度信号)は、CAN(車載用ネットワーク)91を介して接続されたエンジン制御全般を司る電子制御装置9(以下ECU9と略す)に出力される。
b)次に、センサ制御装置2とNOxセンサ10について、図3を参照して詳細に説明する。
図3は、センサ制御装置2と、センサ制御装置2に接続されたNOxセンサ10の概略的な構成を示す図である。なお、図3において、NOxセンサ10のセンサ素子100は、先端側部分における内部構造の断面を示しており、図中左側がセンサ素子100の先端側である。
図3に示す様に、NOxセンサ10は、細長で長尺な板状体の形状をなすセンサ素子100を、排気管6(図2参照)に取り付けるためのハウジング(図示外)内で保持した構造を有する。NOxセンサ10からは、このセンサ素子100の出力する信号を取り出すためのコネクタ付きのハーネス4が引き出され、このハーネス4がセンサ制御装置2のセンサ端子部30に接続されている。これにより、NOxセンサ10とセンサ制御装置2とが電気的に接続されている。以下、各構成について説明する。
・まず、センサ素子100の構造について説明する。
図3に示す様に、センサ素子100は、3枚の板状の固体電解質体111、121、131の間にアルミナ等からなる絶縁体140、145をそれぞれ挟み、層状をなすように形成したものである。これらの固体電解質体111、121、131は、ジルコニアからなり、酸素イオン伝導性を有する。
また、固体電解質体131側の外層(図2における下側)には、アルミナを主体とするシート状の絶縁層181、182が積層され、その間にPtを主体とするヒータパターン183を埋設したヒータ180が設けられている。
前記固体電解質体111の両面(センサ素子100の積層方向における両面:以下同様)には、固体電解質体111を挟むように多孔質性の電極112、113が各々設けられている。この電極112、113は、Pt又はPt合金或いはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成されている。さらに、電極112、113の表面上には、セラミックスからなる多孔質性の保護層114が設けられ、電極112、113が排気ガスに含まれる被毒成分に晒されることによって劣化しないように保護している。
また、固体電解質体111は、両電極112、113間に電流を流すことで、電極112の接する雰囲気(センサ素子100の外部の雰囲気)と電極113の接する雰囲気(後述する第1測定室150内の雰囲気)との間で、酸素の汲み出しおよび汲み入れ(いわゆる酸素ポンピング)を行うことができる。なお、本実施形態では、固体電解質体111および電極112,113から構成されるセルを、第1ポンピングセル(以下、「Ip1セル」という)110と称する。
前記固体電解質体121は、絶縁体140を挟んで固体電解質体111と対向するように配置されている。この固体電解質体121の両面にも、固体電解質体121を挟むように多孔質性の電極122,123がそれぞれ設けられており、同様に、Pt又はPt合金或いはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成されている。そのうちの電極122は、固体電解質体111と向き合う側の面に形成されている。
さらに、固体電解質体111と固体電解質体121との間には、小空間としての第1測定室150が形成されている。そして、固体電解質体111側の電極113と、固体電解質体121側の電極122とが、第1測定室150内に配置されている。この第1測定室150は、排気管6(図2参照)内を流通する排気ガスがセンサ素子100内に最初に導入される空間である。
そして、第1測定室150のセンサ素子100における先端側には、第1測定室150内外の仕切りとして、第1測定室150内への排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質状のセラミックからなる第1拡散抵抗部151が設けられている。同様に、第1測定室150のセンサ素子100における後端側にも、後述する第2測定室160につながる開口部141と第1測定室150との仕切りとして、排気ガスの単位時間あたりの流通量を制限する多孔質状のセラミックからなる第2拡散抵抗部152が設けられている。
このような固体電解質体121および両電極122、123から構成されるセルは、主として、固体電解質体121により隔てられた雰囲気(電極122の接する第1測定室150内の雰囲気と、電極123の接する基準酸素室170(後述)内の雰囲気)間の酸素分圧に応じて起電力を発生する。なお、本実施形態では、固体電解質体121および電極122、123から構成されるセルを、起電力セル(以下、「Vsセル」という)120と称する。
前記固体電解質体131は、絶縁体145を挟んで固体電解質体121と対向するように配置されている。固体電解質体131の固体電解質体121側の面にも同様に、Pt又はPt合金或いはPtとセラミックスを含むサーメットなどから形成された多孔質性の電極132、133がそれぞれ設けられている。
電極132が形成された位置には、絶縁体145が配置されておらず、独立した基準酸素室170が形成されている。この基準酸素室170内には、Vsセル120の電極123が配置されている。なお、基準酸素室170内には、セラミック製の多孔質体が充填されている。また、電極133が形成された位置にも絶縁体145が配置されておらず、基準酸素室170との間に絶縁体145を隔て、独立した小空間としての第2測定室160が形成されている。そして、この第2測定室160に連通するように、固体電解質体121および絶縁体140のそれぞれに、開口部125および開口部141が設けられており、前述したように、第1測定室150と開口部141とが、間に第2拡散抵抗部152を挟んで接続されている。
固体電解質体131および両電極132、133は、絶縁体145により隔てられた雰囲気(電極132が晒される雰囲気と、電極133の接する第2測定室160内の雰囲気)間にて、酸素の汲み出しを行う。なお、本実施形態では、固体電解質体131および両電極132,133から構成されるセルを、第2ポンピングセル(以下、「Ip2セル」という)130と称する。
・次に、センサ制御装置2の構成について説明する。
図3に示す様に、センサ制御装置2の有する回路基板20上には、電源回路21、マイクロコンピュータ22、CAN回路29、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、ヒータ制御回路28等が実装されている。
電源回路21は、外部回路端子部31のBAT端子を通じて接続されたバッテリ8から電力の供給を受けると共に、GND1端子を通じて接続されたECU9のグランド電位に接続されている(なお、以下では、「グランド電位に接続されている」を「接地されている」とも表現する)。
つまり、電源回路21は、GND1端子を介して、ECU9が接地されるグランドである信号系グランド(SGND)に接続されている。この信号系グランドとは、ECU9や他の信号処理回路(例えばIp1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27)の様な低電流(例えば数百mA以下)で駆動される電子回路の接地のためのグランドである。
また、電源回路21には、マイクロコンピュータ22、CAN回路29、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27が各々接続され、それぞれ回路を駆動するために必要な電力の供給を受けている。
マイクロコンピュータ22は、公知の構成のCPU23、ROM24およびRAM25を内蔵し、さらにCPU23に接続された信号入出力部221と、該信号入出力部221に接続されたA/Dコンバータ222とを内蔵している。
A/Dコンバータ222には、Ip1セル/Vsセル制御回路26およびIp2セル制御回路27が各々接続されている。CPU23には、ヒータ制御回路28が接続されている。
なお、図示しないが、Ip1セル/Vsセル制御回路26およびIp2セル制御回路27は、マイクロコンピュータ22からの制御信号を受信するように構成されている。
また、マイクロコンピュータ22は、外部回路端子部31のGND1端子を通じてECU9のグランド電位に接続されている。即ち、マイクロコンピュータ22は、GND1端子を介して、信号系グランド(SGND)に接地されている。
このような構成により、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27およびヒータ制御回路28は、マイクロコンピュータ22による制御を受けて、センサ素子100およびヒータ180の駆動を行う。
また、マイクロコンピュータ22は、A/Dコンバータ222および信号入出力部221を介して入力される電流Ip1(詳細には、電流Ip1を電圧変換した信号)、および、電流Ip2(詳細には、電流Ip2を電圧変換した信号)に基づいて、酸素濃度、NOx濃度を算出する。
・次に、Ip1セル/Vsセル制御回路26について説明する。
図3に示す様に、Ip1セル/Vsセル制御回路26は、基準電圧比較回路261、Ip1ドライブ回路262、Vs検出回路263、Icp供給回路264、および抵抗検出回路265から構成されている。
基準電圧比較回路261は、Vs検出回路263に検出されたVsセル120の電極122,123間の電圧Vsを、基準となる基準電圧(例えば425mV)と比較するための回路であり、その比較結果をIp1ドライブ回路262に対し出力する。
Ip1ドライブ回路262は、センサ端子部30のIP1端子、COM端子を通じて接続されたIp1セル110の電極112、113間に電流Ip1を供給するための回路であり、基準電圧比較回路261の出力に基づいて電流Ip1の大きさや向きを調整する。
また、Ip1ドライブ回路262は、Ip1セル110の電極112、113間に流れる電流Ip1を検出するための回路でもあり、検出された電流Ip1(詳細には、電流Ip1を電圧変換した信号)はマイクロコンピュータ22に出力される。
Vs検出回路263は、センサ端子部30のVS端子、COM端子を通じて接続された電極122、123間の電圧(起電力)Vsを検出するための回路であり、その検出値を基準電圧比較回路261に対し出力する。
Icp供給回路264は、Vsセル120の電極122,123間に電流Icpを供給し、第1測定室150内から基準酸素室170内への酸素の汲み出しを行っており、電極132を酸素基準の電極として機能させている。
抵抗検出回路265は、Vsセル120のインピーダンス(内部抵抗)を検出するための回路である。このVsセル120のインピーダンス(内部抵抗)の測定方法は公知であるが、以下、内部抵抗の測定方法について簡単に説明する。
Vsセル120に形成された電極122、123間に、抵抗検出回路265に設けた定電流源回路(図示せず)から定電流Iを流し、それによって生じた電極122、123間の電圧Vの変化量を抵抗検出回路265によって測定する。そして、マイクロコンピュータ22のCPU23にて、電圧Vの変化量と定電流Iの値とに基づき、内部抵抗値を演算する。
より詳細には、図4に示す様に、Vsセル120に定電流回路から定電流Iを流す前の電極122、123間の電圧と、定電流Iを流してからの一定時間後の電極122、123間の電圧との差電圧ΔVsを、抵抗検出回路265に設けた差動増幅回路(図示せず)を介して測定する。そして、マイクロコンピュータ22のCPU23により、差電圧ΔVsと定電流Iの値とに基づいてVsセル120の内部抵抗値を演算する。
ここで、Vsセル120に流す定電流Iと、その定電流Iによって得られるVsセル120の電極122、123間の電圧について、更に詳細に説明する。
図4に示す様に、所定の時間(T1:例えば50ms)毎に、抵抗測定用の一定電流(−Iconst)を所定時間(T2:例えば60μs)にわたりVsセル120に流す。この電流(−Iconst)の極性は、Vsセル120に生じる内部起電力と逆極性であるので、この電流(−Iconst)によって、同図に示す様に、Vsセル120の両端の電圧は低下する。
そして、この電流(−Iconst)の印加を開始した後、所定時間(T3:例えば30μs)が経過してから、当該時点での差電圧(低下した電圧)ΔVsを測定する。その後、Vsセル120に、前記電流(−Iconst)とは逆極性の電流(+Iconst)を所定時間(T4:例えば60μs)印加する。
つまり、上述の様に、Vsセル120に対して、所定期間(T1)毎に極性を変えた電流を流すことによって得られる差電圧ΔVsから、Vsセル120の内部抵抗を測定するのである。
また、図3に示す様に、Ip1セル110の第1測定室150側の電極113、Vsセル120の第1測定室150側の電極122、および後述するIp2セル130の第2測定室160側の電極133は、センサ端子部30のCOM端子を通じて、Ip1セル/Vsセル制御回路26の基準電位に接続されている。
さらに、Ip1セル/Vsセル制御回路26は、外部回路端子部31のGND1端子を通じてECU9で接地されている。即ち、Ip1セル/Vsセル制御回路26は、信号系グランドに接地されている。また、Ip1ドライブ回路262、Vs検出回路263、Icp供給回路264、および抵抗検出回路265も、GND1端子を介して信号系グランドに接地されている。
詳しくは、Ip1ドライブ回路262とIP1端子との間の信号線にコンデンサ301の一端が接続されるとともに、コンデンサ301の他端がGND1端子を介して信号系グランドに接地されている。
なお、このコンデンサ301としては、信号線等に重畳するノイズを除去するためのものである(なお、後述する他のコンデンサ303〜307も同様である)。
同様に、Ip1セル/Vsセル制御回路26とCOM端子との間の信号線にコンデンサ303の一端が接続されるとともに、コンデンサ303の他端がGND1端子を介して信号系グランドに接地されている。
同様に、Vs検出回路263、Icp供給回路264、および抵抗検出回路265とVs端子との間の信号線にコンデンサ305の一端が接続されるとともに、コンデンサ305の他端がGND1端子を介して信号系グランドに接地されている。
なお、電流Ip1の大きさや向きは、基準電圧比較回路261によるVsセル120の電極122,123間の電圧の比較結果に基づいて、Vsセル120の電極122,123間の電圧が予め設定された基準電圧と略一致するように調整される。その結果、Ip1セル110により、第1測定室150内からセンサ素子100外部への酸素の汲み出し、或いはセンサ素子100外部から第1測定室150内への酸素の汲み入れが行われる。換言すると、Ip1セル110では、Vsセル120の電極122,123間の電圧が一定値(基準電圧の値)に保たれるように、第1測定室150内における酸素濃度の調整が行われる。
・次に、Ip2セル制御回路27について説明する。
図3に示す様に、Ip2セル制御回路27は、Ip2検出回路271およびVp2印加回路272から構成されている。
Ip2検出回路271は、センサ端子部30のIP2端子を通じて接続されたIp2セル130の電極132から、COM端子を通じて接続された電極133に流れた電流Ip2の値の検出を行う回路である。なお、検出された電流Ip2(詳細には、電流Ip2を電圧変換した信号)はマイクロコンピュータ22に出力される。
Vp2印加回路272は、Ip2セル130の電極132,133間へ所定の電圧Vp2(例えば450mV)を印加するための回路であり、第2測定室160内から基準酸素室170へ酸素の汲み出しが行われる。そして、Ip2セル制御回路27は、外部回路端子部31のGND1端子を通じてECU9で接地されている(即ち、信号系グランドに接地されている)。
また、Ip2検出回路271およびVp2印加回路272とIP2端子との間の信号線にコンデンサ307の一端が接続されるとともに、コンデンサ307の他端がGND1端子を介して信号系グランドに接地されている。
・次に、ヒータ制御回路28について説明する。
図3に示す様に、ヒータ制御回路28はCPU23により制御され、ヒータ180のヒータパターン183に電流を流し、固体電解質体111,121,131(換言すると、Ip1セル110、Vsセル120、Ip2セル130)の加熱を行う回路である。このヒータ制御回路28には、ヒータパターンへの通電をON/OFF制御するための周知のスイッチング素子(例えばFET)が設けられている。
ヒータパターン183は、ヒータ180内でつながる一本の電極パターンである。このヒータパターン183の一方の端部は、センサ端子部30のHTR(+)端子を通じて外部回路端子部のBAT端子に接続され、バッテリ8の電力が供給されるようになっている。さらに、ヒータパターン183の他方の端部は、HTR(−)端子を通じてヒータ制御回路28が接続されている。
そして、ヒータ制御回路28は、外部回路端子部31のGND2端子を通じてバッテリ8のグランド電位に接続されている。つまり、ヒータ制御回路28は、他の回路と異なりGND2端子を通じてECU9とは独立した別配線でバッテリ8にて接地されている。
すなわち、ヒータ制御回路28は、GND2端子を介して、信号系グランド(SGND)とは独立して設けられたパワー系グランド(PGND)に接続されている。このパワー系グランドとは、ECU9や他の信号処理回路(例えばIp1セル/Vsセル制御回路26やIp2セル制御回路27)の様な低電流(例えば数百mA以下)で駆動される電子回路の接地のためのグランドではなく、それより大電流(例えば数A以上)の電流が流される電子装置が接地されるグランドである。
このような構成において、ヒータ制御回路28を構成するスイッチング素子のスイッチング動作をCPU23によるPWM通電制御を行うことで、ヒータパターン183に電流を流す公知の制御を行う。
なお、ヒータパターン183へのPWM通電制御を行うにあたっては、センサ素子100のインピーダンス(具体的には、Vsセルの120のインピーダンス)を検出し、このインピーダンスが目標値になるようにヒータに供給する電力のデューティ比を算出して行ってもよいし、内燃機関の運転状態に基づいてヒータに供給する電力のデューティ比を算出して行ってもよい。これらのヒータパターン183へのPWM通電制御の具体的な手法は公知であるため、説明は省略する。
・次に、CAN回路29について説明する。
図3に示す様に、CAN回路29は、ECU9との間でCAN(Controller Area Network)で通信するための回路である。CAN回路29は、信号入出力部221を介してCPU23に接続されると共に、外部回路端子部31のCAN(+)端子,CAN(−)端子に接続されている。そして、これらCAN(+)端子,CAN(−)端子は、CAN91を介してECU9に接続されている。
これにより、CPU23とECU9との間でCAN通信が可能となっており、マイクロコンピュータ22(CPU23)にて算出された電流Ip1に基づく酸素濃度情報や、電流Ip2に基づくNOx濃度情報が通信出力される。また、CAN回路29は、外部回路端子部31のGND1端子を通じてECU9で接地されている。
特に、本実施形態では、NOxセンサ10及びセンサ制御装置2は、車両に搭載されており、この車両には、前記バッテリ8やECU9以外に、図3に示す様に、車両を制御する各種のアクチュエータとして、例えばポンプを駆動するモータ310等が搭載されている。
このモータ310は、バッテリ8より電力を受け、ECU9からの制御信号によりその動作が制御されるものである。つまり、モータ310は、センサ制御装置2やECU9より大きな電流によって作動するものであり、そのため、バッテリ8が接地されるパワー系グランドに接地されている。なお、図示しないが、その他のソレノイド等のアクチュエータや(ECU9よりも大電流が流される)他の制御回路も、同様に、パワー系グランドに接地される。
c)次に、センサ制御装置2の回路基板20上における各回路の配置構成について、図5を参照して説明する。
図5は、センサ制御装置2の回路基板20上に搭載された電子部品等の概略的な配置構成を示す図である。なお、便宜上、回路基板20は矩形の板状をなすものとし、四方の縁端のうち、センサ端子部30や外部回路端子部31が配置された縁端を下端と称し、下端と反対側の縁端を上端と称する。また、残る2つの縁端のうち、センサ端子部30寄りの縁端を左端、外部回路端子部31寄りの縁端を右端と称して以下の説明を行う。
図5に示す様に、センサ制御装置2の1つの回路基板20上には、電源回路21、マイクロコンピュータ22、Ip1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、ヒータ制御回路28、CAN回路29、センサ端子部30、外部回路端子部(ECU端子部)31が実装されている。
Ip2セル制御回路27は、センサ端子部30よりも上端側で左端に沿って配置されている。また、外部回路端子部31よりも上端側で右端寄りの位置には電源回路21とヒータ制御回路28が配置され、そのうちの電源回路21がヒータ制御回路28よりも上端側に配置されている。マイクロコンピュータ22は、Ip2セル制御回路27と電源回路21との間で上端寄りの位置に配置されている。
さらに、マイクロコンピュータ22とセンサ端子部30との間に、Ip1セル/Vsセル制御回路26が配置されている。Ip1セル/Vsセル制御回路26は、Ip2セル制御回路27と隣り合うように配置されており、ヒータ制御回路28とは離れて配置されている。そして、電源回路21の下端側にCAN回路29が配置されている。
また、センサ端子部30は、NOxセンサ10(図2参照)と接続するためのハーネス4の各線が電気的に接続される各端子(IP1端子,IP2端子,VS端子,COM端子,HTR(+)端子,HTR(−)端子)が列設された端子部であり、回路基板20の板面において、一縁端に寄って配置されている。
そして、外部回路端子部31は、このセンサ端子部30と並んで同一縁端に沿って配置されている。外部回路端子部31には、ECU9との通信用のCAN91を接続するための端子(CAN(+),CAN(−))と、バッテリ8からの信号線を接続するための端子(BAT)と、信号系の駆動回路であるIp1セル/Vsセル制御回路26、Ip2セル制御回路27、パワー系の駆動回路であるヒータ制御回路28を接地するための端子(GND2端子)と、CAN回路29を接地するための端子(GND1端子)とが各々列設されている。
このように、外部回路端子部31では、信号系の駆動回路(具体的には、電源回路21,マイクロコンピュータ22,Ip1セル/Vsセル制御回路26,Ip2セル制御回路27、CAN回路29)を接地するためのGND1端子と、パワー系の駆動回路(具体的には、ヒータ制御回路28)を接地するためのGND2端子とを互いに別々に設けている。さらに、GND1端子をECU9のグランド電位(信号系グランド)に接地し、GND2端子をバッテリ8のグランド電位(パワー系グランド)に接地している。
即ち、パワー系のグランドと信号系のグランドについて、回路基板20と、外部装置であるECU9およびバッテリ8とを電気的に接続する電気経路とのそれぞれにおいて、互いに独立させている。このように、信号系グランドとパワー系グランドとを独立させることで、信号系の駆動回路に対するヒータ電流や他のアクチュエータ等の電子装置の影響を抑制することができる。
また、電源回路21、マイクロコンピュータ22についても、ヒータ制御回路28とは別にGND1端子を通じてECU9で接地されているので、即ち信号系グランドに接地されているので、電源回路21およびマイクロコンピュータ22の各出力に対して、ヒータ電流や他のアクチュエータ等の電子装置が影響するのを防止することができる。
特に本実施形態では、単に、パワー系グランドと信号系グランドとを独立させるだけではなく、NOxセンサ10から信号処理回路に到る信号線にコンデンサ301〜307の一端を接続するとともに、コンデンサ301〜307の他端を信号系グランドに接地している。そのため、センサ制御装置2が接続されている回路に、モータ310等のアクチュエータなどが接続されている場合でも、そのモータ310等の動作によるノイズがセンサ出力に影響を与えることを効果的に防止することができる。
d)次に、NOxセンサ10を用いた酸素濃度およびNOx濃度の検出の際の動作について説明する。
前記図3に示す様に、NOxセンサ10のセンサ素子100を構成する固体電解質体111、121、131は、ヒータ制御回路28から駆動電流が流されたヒータパターン183の昇温に伴い加熱され、活性化する。これにより、Ip1セル110、Vsセル120およびIp2セル130が動作するようになる。
排気管6(図2参照)内を流通する排気ガスは、第1拡散抵抗部151による流通量の制限を受けつつ第1測定室150内に導入される。ここで、Icp供給回路264によりVsセル120には電極123側から電極122側へ電流Icpが流されている。このため排気ガス中の酸素は、負極側となる第1測定室150内の電極122から電子を受け取ることができ、酸素イオンとなって固体電解質体121内を流れ、基準酸素室170内に移動する。つまり、電極122,123間で電流Icpが流されることによって、第1測定室150内の酸素が基準酸素室170内に送り込まれている。
Vs検出回路263では、電極122,123間の電圧が検出されており、基準電圧比較回路261により基準電圧(425mV)と比較されて、その比較結果がIp1ドライブ回路262に対し出力されている。ここで、電極122,123間の電位差が425mV付近で一定となるように、第1測定室150内の酸素濃度を調整すれば、第1測定室150内の排気ガス中の酸素濃度は所定値(10-8〜10-9atm)に近づくこととなる。
そこで、Ip1ドライブ回路262では、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より薄い場合、電極112側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、センサ素子100外部から第1測定室150内へ酸素の汲み入れを行う。一方、第1測定室150内に導入された排気ガスの酸素濃度が所定値より濃い場合、Ip1ドライブ回路262は、電極113側が負極となるようにIp1セル110に電流Ip1を流し、第1測定室150内からセンサ素子100外部へ酸素の汲み出しを行う。このときの電流Ip1の大きさと流れる向きから、排気ガス中の酸素濃度の検出が可能である。なお、酸素濃度は、電流Ip1(詳細には、電流Ip1を電圧変換した信号)に基づき、マイクロコンピュータ22にて算出される。
このように、第1測定室150において酸素濃度が調整された排気ガスは、第2拡散抵抗部152を介し、第2測定室160内に導入される。第2測定室160内で電極133と接触した排気ガス中のNOxは、電極133を触媒としてN2とO2に分解(還元)される。そして分解された酸素は、電極133から電子を受け取り、酸素イオンとなって固体電解質体131内を流れ、電極132側に移動する。
そして、Ip2セル130(電極132、133間)を流れる電流の変動は、NOx濃度に略比例することから、センサ制御装置2では、マイクロコンピュータ22にて、Ip2検出回路271によりIp2セル130を流れる電流Ip2を検出することにより、排気ガス中のNOx濃度の検出を行うのである。
e)次に、本実施形態による効果を確認するために行った実験例について説明する。
[実施例]
まず、本発明の範囲内の実施例について説明する。
ここでは、前記図3に示す様に、実車(具体的には、排気管のうちでNOx選択還元触媒の下流側)に、前記実施形態と同様なNOxセンサ及びセンサ制御装置を取り付けた。なお、この実車には、エンジン制御を司る電子制御装置以外に、他の電子制御装置として、ABSを制御する電子制御装置が搭載され、また、アクチュエータとして、ポンプを駆動するモータ、油圧弁を調整するソレノイドバルブが搭載されている。
そして、前記実施形態と同様に、小電流(例えば数百mA以下)が用いられるセンサ制御装置の信号処理回路などは、信号系グランドに接地され、それを上回る大電流が用いられるヒータ制御回路や他の電子制御装置やアクチュエータなどは、パワー系グランドに接地されている。更に、センサとセンサ制御装置との間の信号線に、コンデンサの一端が接続され、コンデンサの他端は信号系グランドに接続されている。
そして、上述した様に構成された実験用の車両を、雰囲気温度30℃の環境下に配置し、エンジンを作動させるとともに、NOxセンサのセンサ素子の温度が700℃となるようにヒータを制御した。
そして、この様な条件下において、50ms毎にVsセルの内部抵抗を測定した。その結果を、図6に示す。この図6は、縦軸に内部抵抗の測定回数(カウント数)を示し、横軸に内部抵抗(Ω)を示したものである。
この図6から明かな様に、本実施例では、センサ出力がノイズの影響を受けにくいので、内部抵抗の測定ばらつきが小さいことが分かる。
[比較例]
次に、本発明の範囲外の比較例について説明する。
この比較例では、前記実施例と同様な実車による試験を行った。
但し、この比較例では、小電流が用いられるセンサ制御装置の信号処理回路などは、信号系グランドに接地され、それを上回る大電流が用いられるヒータ制御回路や電子制御装置やアクチュエータなどは、パワー系グランドに接地されているが、センサとセンサ制御装置との間の信号線に、コンデンサの一端が接続され、その他端はパワー系グランドに接続されている。
そして、前記実施例と同じ条件で実験を行い、50ms毎にVsセルの内部抵抗を測定した。その結果を、図7に示す。
この図7から明かな様に、本比較例では、前記実施例に比べて、センサ出力がノイズの影響を受け易いので、内部抵抗の測定ばらつきが比較的大きいことが分かる。
f)以上説明したように、本実施形態のセンサ制御装置2では、外部回路端子部31において、信号系の駆動回路をグランド電位に接続するためのGND1端子と、パワー系の駆動回路をグランド電位に接続するためのGND2端子とを互いに別々に設けている。
そして、GND1端子をECU9のグランド電位(信号系グランド)に接続し、GND2端子をバッテリ8のグランド電位(パワー系グランド)に接続している。即ち、パワー系の駆動回路のグランドと信号系の駆動回路のグランドとについて、回路基板20と外部装置であるECU9およびバッテリ8とを電気的に接続する電気経路において、互いに独立させている。
更に、コンデンサ301〜307の一端を信号線に接続するとともに、コンデンサ301〜307の他端を信号系グランドに接続している。
これにより、パワー系グランドにヒータ制御回路28やセンサ制御装置2とは異なる他の電子装置(例えばモータ310)が接続されている場合でも、ヒータ制御回路28に流れるヒータ電流やモータ310に流れる電流が、センサ出力に影響を与えることを防止できる。つまり、本実施形態では、外乱(ノイズ)が信号処理回路の出力に影響するのを抑制できるので、NOx濃度の検出精度が向上するという顕著な効果を奏する。
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、本発明は、NOxセンサのみならず、被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するガスセンサ(例えば、HCセンサ)に接続されるセンサ制御装置に対しても利用することができる。
2…センサ制御装置
8…バッテリ
9…電子制御装置(ECU)
10…NOxセンサ(ガスセンサ)
20…回路基板
26…Ip1セル/Vsセル制御回路
27…Ip2セル制御回路
28…ヒータ制御回路
29…CAN回路
30…センサ端子部
31…外部回路端子部
100…センサ素子
120…Vsセル(起電力セル)
180…ヒータ
301、303、305、307…コンデンサ
310…モータ

Claims (4)

  1. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための検出素子と、当該検出素子を加熱するヒータと、を備えるガスセンサに接続されるセンサ制御装置であって、
    前記検出素子からの特定ガス濃度に応じた電圧信号を検出する信号処理回路と、
    前記検出素子と前記信号処理回路とを接続する信号線に接続されたコンデンサと、
    前記ヒータの通電を制御するヒータ制御回路と、
    を備えるとともに、
    前記信号処理回路が接続される信号系グランドと、前記信号処理回路に流れる電流よりも大きな電流が流される前記ヒータ制御回路及び前記センサ制御装置とは異なる他の電子装置が接続されるパワー系グランドとを、各々独立して備え、
    且つ、前記コンデンサの一端が前記信号線に接続されるとともに、該コンデンサの他端が前記信号系グランドに接続されていることを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記ガスセンサは、被測定ガス中における特定ガスとしてのNOxの濃度を検出するNOxセンサであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記検出素子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出回路を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサ制御装置。
  4. 被測定ガス中の特定ガス濃度を検出するための検出素子と、当該検出素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサと、
    前記ガスセンサに接続される請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ制御装置と、
    から構成されることを特徴とするセンサ制御システム。
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