JP2012018036A - 水中探知装置 - Google Patents

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Shu Kimata
周 木又
Kazuhiro Kuzuhara
一浩 葛原
Yukio Fujii
幸夫 藤井
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Abstract

【課題】ノイズのレベルに影響されることなく、対象物のエコーを確実に視認できる探知画像を生成する。
【解決手段】TVG処理部41は、受信信号EB(t)をTVG処理し、受信信号EBc(t)を生成する。平均レベル算出部42は、複数の受信信号EBc(t)における同一距離位置の方位方向に沿った各信号レベルの平均レベルAV(t)を算出する。閾値設定部43は、距離に応じた閾値Th(t)を設定する。ゲイン設定部44は、平均レベルAv(t)が閾値Th(t)以上であればゲインG(t)=Th(t)/Av(t)を設定し、平均レベルAv(t)が閾値Th(t)未満であればゲインG(t)=Coを設定する。乗算器45は、受信信号EBc(t)にゲインG(t)を乗算し、探知画像用信号DD(t)を生成する。探知画像形成部46は、探知画像用信号DD(t)の信号レベルに応じた階調表示の探知画像データを生成する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、水中に超音波を送信し、そのエコー信号に基づいて、魚群等の探知画像を表示する水中探知装置に関する。
従来、超音波を水中へ送波して、そのエコーを受波することで、水中の探知画像を生成する水中探知装置が各種考案されている。そして、このような水中探知装置の一種として、特許文献1,2に示すような送受波器(自船)を中心として水中の全周方位を略同時に探知可能なソナー装置がある。なお、特許文献1のスキャニングソナーは、ノイズの一種となり得る海底残響の影響を抑圧するために、所定レベル以下のエコーを抑圧する処理を行っている。また、特許文献2のソナー装置は、同距離にある全方位のエコー信号レベルを平均し、各エコー信号レベルから当該平均値を減算することで、サイドローブが画像として表示されることを抑制している。
このようなソナー装置を含む水中探知装置では、一般的に、時間軸上に沿って受波信号のゲインを補正する所謂TVG処理を行っており、このTVG処理により水中での超音波の距離減衰によるエコーレベルへの影響を補正している。
特開2008−241308号公報 実公昭60−120376号公報
しかしながら、このようなTVG処理は、海面反射、水中残響、海底残響等の影響を加味せずに設定されているので、次に示すような問題が生じる。図1は、従来のソナー装置の問題点を説明するための図である。図1(A)は、海面反射、水中残響および海底残響等の不要波によるノイズレベルが低い場合における或る距離位置での方位方向のエコーレベル分布を示す図である。図1(B)は、海面反射等のノイズレベルが高い場合における或る距離位置での方位方向のエコーレベル分布を示す図である。図1(C)はノイズレベルが低い場合の探知画像を示し、図1(D)はノイズレベルが高い場合の探知画像を示す。なお、図1(A),(B)のエコー分布の右側に記載した表示色は、エコーレベルの高さに応じて段階的に設定されていることを示し、この表示色の設定に準じて、図1(C)、図1(D)に示すようなPPI表示画が得られる。
図1(A)に示すように、TVGの設定が適切で、ノイズレベルが低く魚群のエコーレベルが高い状況であり、これらの間に大きなレベル差が生じれば、図1(C)に示すように、魚群のエコーが、ノイズと異なる表示色で表示される。これにより、魚群を確実に識別できる。
一方、図1(B)に示すように、TVGの設定に対してノイズが元々高すぎることで、ノイズおよび魚群のエコーの両方が高いレベルとなり、全体が最高レベルの表示色の範囲内になってしまうことがある。この場合、たとえ魚群のエコーレベルの方がノイズレベルよりも高くても、図1(D)に示すように、魚群が存在する領域とノイズの影響を受ける領域の全体が同じ表示色で表示されてしまう。したがって、魚群を識別できなくなってしまう。
ここで、特許文献1のスキャニングソナーの場合、方位方向の線形性が失われてしまったり、標準偏差等の信号処理を用いるためハードウェアでの実現が非常に困難になったりしてしまう。
また、特許文献2のソナー装置の場合、魚群が存在する距離方向位置における方位方向の全周に亘り高いレベルのノイズが存在すると、単に平均値を減算するだけであるので、ノイズとともに魚群のエコーレベルも大幅に抑圧してしまうことがある。すなわち、ノイズの状況に応じた適切な抑圧処理を行うことができない。
したがって、本発明の目的は、海面反射、水中残響、海底残響等のノイズレベルに影響されることなく、対象とする魚群等の探知物のエコーを、より確実かつ正確に視認させられる画像を生成する水中探知装置を実現することにある。
この発明は、水中に送信された超音波が対象物で反射して得られるエコーに基づく受信信号を生成し、該受信信号の信号レベルに応じた階調表示の探知画像を形成する水中探知装置に関する。水中探知装置は、平均レベル算出部、ゲイン設定部、および乗算器を備える。平均レベル算出部は、自船からの距離が同じ位置で且つ自船を中心とする所定方位角範囲内の複数の受信信号レベルから平均値を算出する。ゲイン設定部は、距離に対応する平均値と予め設定した閾値との大小を比較し、比較結果に基づいて受信信号に対するゲインを設定する。乗算器は、設定されたゲインを受信信号に乗算処理する。
この構成では、方位方向が異なるが同じ距離位置となる複数の受信信号レベルの平均値(以下、簡略的に「平均レベル」と称する。)に応じて、当該距離位置の受信信号レベルが調整される。すなわち、所定距離で且つ所定方位に探知対象物である魚群が存在し、当該所定距離の方位方向に幅広くノイズが生じており、方位方向の平均レベルが高い場合には、当該信号レベルを低下させるような処理を受信信号に対して行うことができる。また、所定距離で且つ所定方位に魚群が存在し、殆どノイズが生じず、方位方向の平均レベルが低い場合には、受信信号レベルを調整しないような処理を行うことができる。すなわち、探知対象物の反射エコーに基づく受信信号レベルだけでなく、ノイズに起因する受信信号レベルをも加味して、探知画像に用いるための適した信号レベルを設定することができる。
また、この発明の水中探知装置では、ゲイン設定部は、平均値が閾値以上であれば、閾値を平均値で除算した値に基づいてゲインを設定する。この構成では、平均レベルが高い場合の受信信号レベルを調整する具体的なゲインの設定方法を示している。そして、この構成を用いることで、受信信号レベルが抑圧される。
また、この発明の水中探知装置では、ゲイン設定部は、平均値が閾値未満であればゲインを1に設定する。この構成では、平均レベルが低い場合の受信信号レベルを調整する具体的なゲインの設定方法を示している。そして、この構成を用いることで、受信信号レベルをそのまま用いることができる。
また、この発明の水中探知装置では、閾値は、階調表示の最高階調色を指定する最低信号レベルよりも低い所定値に設定されている。
この構成では、具体的な閾値の設定内容を示している。このような構成とすることで、ゲイン調整前には方位方向の受信信号レベルが全体に高く、最高階調色の範囲の多い探知画像であっても、ゲイン調整によるレベル調整した受信信号による探知画像は複数の階調色からなるように調整できる。
また、この発明の水中探知装置では、距離に応じて閾値を可変させて設定する閾値設定部を備える。
この構成では、閾値のより具体的な設定内容を示している。このように閾値に対して距離依存性を与えることにより、さらに詳細で適する閾値の設定が可能になる。これにより、より視認性の良い探知画像を形成することができる。
また、この発明の水中探知装置は、受信信号に対して、距離に応じて増幅率を変化させる増幅処理を行うTVG処理部を備える。平均レベル算出部、ゲイン設定部、および乗算器は、TVG処理部による増幅後の受信信号を用いる。
この構成では、上述の処理を適用する具体的な受信信号の前段処理を示している。このようなTVG(Time Variable Gain)処理を行うことで、超音波の距離減衰を補正した受信信号が得られる。そして、このようなTVG処理を行う場合に、ノイズレベルが必要以上に高くなることがあるので、上述の処理がより有効に作用する。
また、この発明の水中探知装置では、受信信号は、超音波の送受波器に備えられた複数の超音波振動子による受波信号を位相合成した所定方位に主たる感度が設定された信号からなる。
この構成でも、上述の処理を適用する具体的な受信信号の前段処理を示している。
この発明によれば、海面反射、水中残響、海底残響等のノイズと、対象とする魚群等の探知物のエコーとを、より確実に識別して視認可能な探知画像を生成することができる。
従来のソナー装置の問題点を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る水中探知装置1の構成を示すブロック図である。 水中探知装置1のデータ処理部14の構成を示すブロック図およびゲイン設定概念を示す図である。 閾値レベルTh(t)の距離特性を示す図である。 本実施形態の構成を用いた場合の作用効果を説明するための図である。 実際の本実施形態の構成を用いていない場合と用いた場合の探知画像を示す図である。 海底残響の信号レベルが高い状況で本実施形態の構成および処理を適用した場合の作用効果を説明するための図である。 海底残響に対する閾値設定特性を示す図である。
本発明の実施形態に係る水中探知装置について図を参照して説明する。図2は本実施形態の水中探知装置1の構成を示すブロック図である。図3は水中探知装置1のデータ処理部14の構成を示すブロック図およびゲイン設定概念を示す図である。
水中探知装置1は、送受波部10、送受切替器11、送信制御部12、受波ビーム形成部13、データ処理部14、表示器15を備える。なお、表示器15は省略してもよく、データ処理部14から探知画像データを出力し、外部の表示装置で表示させる構成であってもよい。
送受波器10は、円筒形の外形形状からなる筐体を備える。送受波器10は、例えば水中探知装置1が備えられた船体の略中央の船底等に配置されている。この際、送受波器10は、円筒の延びる方向が垂直方向(鉛直方向)に沿い、円周面に直交する方向が水平方向に沿うように配置される。なお、本実施形態では、筐体の外形形状が円筒形の場合を示したが、球形等の他の形状であってもよい。
円筒形の筐体の円周面には、複数の超音波振動子が所定パターンで配列されている。具体的には、複数の超音波振動子は、円筒の延びる方向を第一軸方向とし、円周方向を第二軸方向として、二次元配列により配列形成されている。超音波振動子は、送信制御信号に基づいて水中へ超音波パルスを送波する。超音波振動子は、送波された超音波パルスが魚群等の対象物に反射してなるエコーを受波して、電気信号に変換することで受波信号を生成する。
送受切替器11は、送受波器10に接続されている。送受切替器11は、送信制御部12からの送信制御信号を送受波器10の各超音波振動子へ出力し、送受波器10の各超音波振動子からの受波信号を受波信号処理部13へ出力する。
送信制御部12は、上述の送受波器10を構成する複数の超音波振動子から送波する超音波パルスにより、所定の送信ビームが形成されるように、各超音波振動子に与える送信制御信号を設定する。
受信ビーム形成部13は、各受波信号のゲインを調整して位相合成することで所定の方位方向で且つ所定の俯角方向に最大感度を有するビーム化された受信信号(受信ビーム信号)EB(t)を生成する。この際、受信ビーム信号形成部13は、自船を中心とする全周方向に対して所定の方位角ピッチで配列された複数の受信信号EB(t)を形成する。これら複数の受信信号EB(t)の俯角は同じに設定されている。各受信信号EB(t)は、時間軸上でレベルが変化する信号であり、この時間軸上の位置が、自船からの距離位置に相当する。
データ処理部14は、TVG処理部41、平均レベル算出部42、閾値設定部43、ゲイン設定部44、乗算器45、および探知画像形成部46を備える。
TVG処理部41は、受信信号EB(t)に対して、時間軸上の位置に応じて増幅率を所定パターンで増加させる増幅処理を行う。このような処理を行うことで、超音波パルスおよび反射エコーの水中での距離減衰を補正することができる。TVG済み受信信号EBc(t)は、平均レベル算出部42、および乗算器45へ出力される。
平均レベル算出部42は、全方位に亘る複数のTVG済み受信信号EBc(t)の同一距離方向位置(同一時間タイミング)での平均レベルAV(t)を算出する。平均レベルAV(t)は、ゲイン設定部44へ出力される。
閾値設定部43は、距離方向位置毎の閾値レベルTh(t)をゲイン設定部44へ与える。この閾値レベルTh(t)は、基本的には予め設定された値である。閾値レベルTh(t)は、例えば、最終的にデータ処理部から出力される探知画像の階調表示における最高階調を設定する最低レベルに基づいて設定する。具体的には、最高階調を設定する最低レベルよりも所定値(例えば二階調分等)低いレベルに設定する。そして、閾値レベルTh(t)は、図4に示すように、距離方向位置に応じて異なる値に設定する。図4は閾値レベルTh(t)の距離特性を示す図であり、図4(A)、図4(B)で異なる設定を示す。
まず、図4(A)では、距離位置0から距離位置Rthまでは徐々に閾値レベルが上昇し、距離位置Rthより遠方では閾値レベルが一定になるように設定している。次に、図4(B)では、距離位置0から距離位置Rthまでは低い閾値レベルに設定し、距離位置Rthより遠方は高い閾値レベルに設定している。ここで、距離位置Rthは、例えば海面反射エコーを受波しやすい領域と海面反射エコーの影響を受け難い領域との概ねの境界位置に設定するとよく、海面反射の生じやすい領域ほど閾値レベルが低くなるように設定されているが、ユーザによる操作入力によって設定することもできる。
ゲイン設定部44は、平均レベルAv(t)と閾値レベルTh(t)とを比較する。ゲイン設定部44は、平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)以上(Av(t)≧Th(t))であれば、ゲインG(t)を次の式にて算出する。
G(t)=Th(t)/Av(t) −(式1)
この処理を用いることで、ゲインG(t)は「1」以下になる。
一方、ゲイン設定部44は、平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)未満(Av(t)<Th(t))であれば、ゲインG(t)を定数Co(例えば、「1」)に設定する(G(t)=Co)。
このように設定されたゲインG(t)は、乗算器45へ出力される。
乗算器45は、受信信号EBc(t)にゲインG(t)を乗算し、探知画像用信号DD(t)を出力する。すなわち、乗算器45は、DD(t)=G(t)・EBc(t)の演算処理を行い、演算結果を出力する。
探知画像形成部46は、既知の方法を用い、探知画像用信号DD(t)の信号レベルに応じて階調表示を行うための表示色を画素毎に決定した探知画像データを生成し、表示器15へ出力する。
以上のような構成および処理を行うことで、次に示すような作用効果が得られる。図5は本実施形態の構成を用いた場合の作用効果を説明するための図である。図5は平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)よりも高い場合を示している。図5(A)は受信信号レベル(補正前)の方位方向分布と平均レベルAv(t)と閾値レベルTh(t)との関係、およびこれらと階調表示の表示色との関係を示す図である。図5(B)は、受信信号レベル(補正前、補正後)の方位方向分布と、階調表示の表示色との関係を示す図である。図5(C)は、図5(B)に示す補正後すなわち探知画像用信号DD(t)のレベルに基づくPPI表示用を行った場合の表示画面状態を示す図である。
海面反射や水中残響が強い場合、図5(A)に示すように、探知対象である魚群による受信信号とともに、海面反射や水中残響に起因する受信信号の信号レベルが高くなる。この場合、全ての方位の信号レベルが最高階調の領域にあるので、当該距離位置は全方位に亘って、最高階調の表示色となってしまい、上述の従来技術の図1(C)に示すような画像が表示されてしまう。このため、魚群が海面反射や水中残響に埋もれてしまい、識別できない。
しかしながら、本願発明の構成および処理を用いると、受信信号レベルを調整することができる。例えば、図5(B)の場合、閾値レベルTh(t)を最高階調から2階調低い階調領域に設定している。このような閾値レベルTh(t)を設定した上で、上述のゲインG(t)を適用する。具体的には、図5の場合、平均レベルAv(t)は閾値レベルTh(t)よりも高いので、式1を用いて、ゲインG(t)をTh(t)/Av(t)で設定する。このような処理により、このゲインG(t)を受信信号EBc(t)に乗算処理で得られる補正後受信信号である探知画像用信号DD(t)は、閾値レベルTh(t)に探知画像用信号DD(t)の平均レベルが一致するように、信号レベルが抑圧された信号となる。
したがって、図5(B)に示すように、平均レベルAv(t)を押し上げた海面反射や水中残響に起因する信号レベルを、最高階調を設定する最低レベルよりも低くすることができる。これにより、図5(C)に示すように、魚群と海面反射や水中残響のノイズとを、異なる階調で表示することができる。この結果、ユーザは魚群と海面反射や水中残響のノイズとを、確実且つ明確に識別することができる。
図6は実際の探知画像を示す図である。図6(A)は本実施形態の処理を行わない場合、すなわち、受信信号EBc(t)をそのまま用いた場合の探知画像である。図6(B)は本実施形態の処理を行った場合、すなわち、閾値レベルTh(t)と平均レベルAv(t)に基づくゲイン調整を行った場合の探知画像である。図6では、赤が最高階調色で、緑系から青系になるにしたがって階調は低くなるように表示されている。
図6に示すように、本実施形態を用いなければ海面反射に埋もれている岸壁やポールを、所定のレベルをもって明確に識別することができる。
また、本実施形態の処理では、信号レベルを所望レベルに調整するようにレベル方向にシフトさせるだけの処理であるので、レベルの低いものをより大幅に抑圧する等の処理とは異なり、魚群エコーの信号レベルとノイズの信号レベルとの相対的大小関係を保った状態の探知画像を得ることができる。このような探知画像が得られることで、単に魚群の識別だけでなく、海面反射や水中残響の状況をユーザが把握でき、これらに関する他の操作処理に役立てることもできる。
また、本実施形態に示すように、閾値レベルTh(t)を最高階調よりも所定レベル低く、且つある程度高めに設定することで、探知画像用信号DD(t)のレベルを抑圧しすぎず、適するレベルに設定することができる。これにより、単に平均値を差分する処理のように、ノイズが方位方向の全体に高い場合の過剰な抑圧が発生せず、より視認性の良い探知画像を表示することができる。
なお、図5に示していないが、平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)よりも低い場合は、ゲインG(t)=Co(=1)とすれば、受信信号EBc(t)のレベルをそのまま反映した探知画像を得ることができる。すなわち、従来の図1(A)に示したように、海面反射や水中残響等のノイズの信号レベルが全体的に低く、魚群の信号レベルが高い場合には、そのままの探知画像(図1(C)に同等)が得られる。したがって、このような海面反射や水中残響等のノイズの信号レベルが低い状況でも、確実且つ明確に魚群を識別することができる。
以上のように、本実施形態の構成および処理を用いれば、海面反射や水中残響等のノイズの信号レベルに影響されることなく、目的とする対象物(魚群等)を、より確実且つ明確に視認できる探知画像を形成することができる。
なお、平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)よりも低い場合のゲインG(t)を、ここでは「1」に設定したが、例えば、平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)との差に応じて適宜設定してもよい。例えば、平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)の半分であれば、ゲインG(t)を2.0にしてもよい。このような適応処理を行えば、さらに視認性の良い探知画像を得ることができる。
また、このように距離方向位置毎に平均値演算、ゲイン設定、乗算処理を行うことで、信号レベルの適切な抑圧が可能であるので、逐次処理が可能である。したがって、本願の水中探知装置のような連続的に探知を継続する装置には、本実施形態の構成は、より有効に作用する。
また、上述の図4(A)に示すように、距離方向に沿って閾値レベルTh(t)を徐々に変化させれば、距離方向に近接する位置間でのゲインG(t)の急激な切替が生じる可能性を低くすることができる。これにより、探知画像中に距離方向に沿って不連続性が生じることを防止できる。この結果、さらに視認性の良い探知画像を形成することができる。
ところで、上述の処理は海面反射や水中残響を対象としたものであるが、上述の本実施形態の概念は、海底残響にも適用することができる。図7は海底残響の信号レベルが高い状況で本実施形態の構成および処理を適用した場合の作用効果を説明するための図である。図7は平均レベルAv(t)が閾値レベルTh(t)よりも高い場合を示している。図7(A)は、受信信号レベル(補正前、補正後)の方位方向分布と、階調表示の表示色との関係を示す図である。図7(B)は本実施形態の補正を行わない場合、すなわち受信信号EBc(t)をそのまま用いてPPI表示用を行った場合の表示画面状態を示す図である。図7(C)は、図7(A)に示す補正後すなわち探知画像用信号DD(t)のレベルに基づくPPI表示用を行った場合の表示画面状態を示す図である。
海底に沈没船(海底近くの魚群も同様)が存在する場合、受信ビームの幅により、当該沈没船は海底の領域に入ってしまう。そして、海底残響が高いと、図7(A)に示すように、海底残響の信号レベルも沈没船による反射エコーの信号レベルも最高階調内に含まれ、図7(B)に示すように、沈没船を識別することができない。しかしながら、本実施形態の構成および処理を用いれば、図7(A)に示すように、信号レベルが表示に適するレベルに抑圧、調整される。これにより、図7(C)に示すように、沈没船と海底残響とで表示色が異なり、沈没船を確実且つ明確に識別することができる。
なお、この際、閾値Th(t)は、水中と同じに設定してよいが、図8に示すように、海底に対応する領域で変化させてもよい。図8は海底残響に対する閾値設定特性を示す図である。図8に示すように、海底残響に対するゲイン調整を行う場合には、自船から海底まで距離に応じて設定する閾値距離Rb1th,Rb2thを基準に閾値レベルTh(t)を変化させる。具体的には、閾値距離Rb1thから閾値距離Rb2thまで閾値レベルTh(t)を徐々に低下させる。そして、閾値距離Rb2thよりも遠方は、閾値レベルTh(t)を低いレベルで一定にする。ここで、閾値距離Rb1th,Rb2thは、受信ビーム信号のビーム幅と、別途計測した海底までの距離とから設定するとよい。
このような閾値設定を行うことで、上述の海面反射や水中残響の場合と同様に、より視認性の良い探知画像を形成することができる。
なお、上述の説明に示したTVG処理部41で実行する処理は、ゲイン設定部44で設定するゲインG(t)に内包するようにすることもできる。すなわち、ゲイン設定部44から出力するゲインG(t)に対して、TVG処理用のゲインを乗算した後に、乗算器45へ出力してもよい。
また、上述の閾値レベルTh(t)は、図示しない操作入力部により、ユーザが海況や表示器に表示された探知画像を見て適宜設定することもできる。
また、上述の処理では、閾値レベルTh(t)に受信信号EBc(t)の平均レベルAv(t)を一致させるようにレベルを抑圧することで探知画像用信号DD(t)を生成する例を示した、しかしながら、レベル抑圧用の基準レベルすなわち探知画像用信号DD(t)の平均レベルと閾値Th(t)とを完全に一致させなくてもよい。例えば、閾値Th(t)を最高階調の最低レベルに設定し、基準レベルを最高階調から2段階低下した階調のレベルに設定してもよい。そして、探知画像用信号DD(t)生成する場合には、当該基準レベルに、探知画像用信号DD(t)の平均レベルが一致するような処理を行えばよい。
また、上述の説明では、方位方向に沿った全周分の受信信号EBc(t)における同一距離位置の信号レベルから平均レベルAv(t)を算出する例を示したが、所望とする方位を中心とする所定方位角範囲内の受信信号EBc(t)の信号レベルから平均レベルAv(t)を算出するようにしてもよい。
1−水中探知装置、10−送受波器、11−送受切替器、12−送信制御部、13−受信ビーム形成部、14−データ処理部、15−表示器、
41−TVG処理部、42−平均レベル算出部、43−閾値設定部、44−ゲイン設定部、45−乗算器、46−探知画像形成部

Claims (7)

  1. 水中に送信された超音波が対象物で反射して得られるエコーに基づく受信信号を生成し、該受信信号の信号レベルに応じた階調表示の探知画像を形成する水中探知装置であって、
    自船からの距離が同じ位置で且つ自船を中心とする所定方位角範囲内の複数の受信信号レベルから平均値を算出する平均レベル算出部と、
    前記距離に対応する前記平均値と予め設定した閾値との大小を比較し、比較結果に基づいて、前記受信信号に対するゲインを設定するゲイン設定部と、
    設定されたゲインを前記受信信号に乗算処理する乗算器と、を備えた水中探知装置。
  2. 請求項1に記載の水中探知装置であって、
    前記ゲイン設定部は、前記平均値が前記閾値以上であれば、前記閾値を前記平均値で除算した値に基づいて前記ゲインを設定する、水中探知装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水中探知装置であって、
    前記ゲイン設定部は、前記平均値が前記閾値未満であれば、前記ゲインを1に設定する、水中探知装置。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の水中探知装置であって、
    前記閾値は、前記階調表示の最高階調色を指定する最低信号レベルよりも低い所定値に設定されている、水中探知装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の水中探知装置であって、
    前記閾値を距離に応じて変化させて設定する閾値設定部を備える、水中探知装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の水中探知装置であって、
    前記受信信号に対して、距離に応じて増幅率を変化させる増幅処理を行うTVG処理部を備え、
    前記平均レベル算出部、前記ゲイン設定部、および前記乗算器は、前記TVG処理部による増幅後の受信信号を用いる、水中探知装置。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の水中探知装置であって、
    前記受信信号は、前記超音波の送受波器に備えられた複数の超音波振動子による受波信号を位相合成した所定方位に主たる感度が設定された信号からなる、水中探知装置。
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