<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態に係るダイカストマシンDC1の射出装置1の要部の構成を示す図である。
射出装置1は、不図示の型締装置に保持された固定金型101及び移動金型103により形成されたキャビティ105に溶湯(溶融状態の金属材料)を射出・充填する装置である。
射出装置1は、キャビティ105に連通する射出スリーブ3と、射出スリーブ3内において溶湯をキャビティ105へ押し出すプランジャ5と、プランジャ5を駆動する射出シリンダ装置7とを有している。
また、射出装置1は、射出シリンダ装置7に作動液(例えば油)を供給するために、液圧供給装置9及びアキュムレータ11を有している。また、射出装置1は、液圧供給装置9によるアキュムレータ11の蓄圧を補助するための増圧器12を有している。
さらに、射出装置1は、射出シリンダ装置7、液圧供給装置9、アキュムレータ11及び増圧器12の間の作動液の流れを制御する液圧回路13と、液圧供給装置9及び液圧回路13を制御する制御装置15とを有している。
射出スリーブ3は、例えば、固定金型101に挿通されるように設けられている。プランジャ5は、射出スリーブ3を摺動するプランジャチップ5aと、プランジャチップ5aに固定されたプランジャロッド5bとを有している。
射出スリーブ3に形成された給湯口3aから溶湯が射出スリーブ3内に供給された状態で、プランジャチップ5aが射出スリーブ3内をキャビティ105に向かって摺動する(前進する)ことにより、溶湯はキャビティ105に射出、充填される。
射出シリンダ装置7は、射出シリンダチューブ17と、射出シリンダチューブ17の内部を摺動可能な射出ピストン19及び増圧ピストン21と、射出ピストン19に固定され、射出シリンダチューブ17から延び出る射出ピストンロッド23とを有している。なお、射出ピストン19及び射出ピストンロッド23は、それぞれ別個に形成されて互いに固定されていてもよいし、一体的に形成されて互いに固定されていてもよい。
射出シリンダチューブ17は、射出シリンダ部17aと、射出シリンダ部17aに接続された増圧シリンダ部17bとを有している。射出シリンダ部17a及び増圧シリンダ部17bは、例えば、内部の断面形状が円形の筒状体である。
射出シリンダ部17aの内部は、射出ピストン19により、射出ピストンロッド23が延び出る側の射出ロッド側室17rと、その反対側の射出ヘッド側室17hとに区画されている。射出ロッド側室17r及び射出ヘッド側室17hに選択的に作動液が供給されることにより、射出ピストン19は射出シリンダチューブ17内を摺動する。
増圧シリンダ部17bは、射出シリンダ部17aの射出ヘッド側室17h側に接続され、また、射出シリンダ部17aよりも大径に形成されている。
増圧ピストン21は、射出シリンダ部17aの内部(射出ヘッド側室17h)を摺動可能な小径部21aと、増圧シリンダ部17bの内部を摺動可能な大径部21bとを有している。増圧シリンダ部17bの内部は、大径部21bにより、射出シリンダ部17a側の前側室17fと、その反対側の後側室17gとに区画されている。
従って、前側室17fの圧抜きを行うと、小径部21aの射出ヘッド側室17hにおける作用面積と、大径部21bの後側室17gにおける作用面積との差に起因して、増圧ピストン21は、後側室17gの作動液から受ける圧力よりも高い圧力を射出ヘッド側室17hの作動液に加えることが可能である。すなわち、射出シリンダ装置7は、増圧機能を有している。
射出シリンダ装置7は、プランジャ5に対して同軸的に配置されている。そして、射出ピストンロッド23は、プランジャ5にカップリングを介して連結されている。射出シリンダチューブ17は、不図示の型締装置などに対して固定的に設けられている。従って、射出ピストン19の射出シリンダチューブ17に対する移動により、プランジャ5は射出スリーブ3内を前進又は後退する。
液圧供給装置9は、回転式の電動機25と、作動液を貯留するタンク27と、電動機25によって駆動され、タンク27の作動液を吐出するポンプ29とを有している。
電動機25は、直流モータでも交流モータでもよい。また、電動機25は、誘導モータや同期モータ等の適宜なモータにより構成されてよい。電動機25は、例えば、サーボモータとして構成されており、電動機25の回転を検出するエンコーダ31と、電動機25に電力を供給するサーボドライバ(サーボアンプ)33と共にサーボ機構を構成している。
なお、後述する動作の説明において、電動機25が停止しているとき、電動機25は、トルクフリーの状態とされてもよいし、一定位置に停止するように制御されてもよいし、ブレーキを含んで構成され、ブレーキが使用されてもよい。射出装置の具体的な構成及び電動機25が停止される状況に応じて適切な停止方法が選択されてよい。
タンク27は、例えば、開放タンクであり、大気圧下で作動液を保持している。なお、図1では、便宜上、一のタンク27が2ヶ所において図示されている。ただし、実際に、2以上のタンク27が設けられてもよい。
ポンプ29は、歯車ポンプやベーンポンプ等のロータの回転により作動液を吐出するロータリポンプであってもよいし、アキシャル型のプランジャポンプやラジアル式のプランジャポンプ等のピストンの往復により作動液を吐出するプランジャポンプであってもよい。また、ポンプ29は、ロータやピストンの1周期の運動における吐出量が、固定された定容量ポンプであってもよいし、可変とされた可変容量ポンプであってもよい。ポンプ29は、1方向に作動液を吐出できれば十分であるが、双方向(2方向)ポンプと構造が同一であってもよい。
アキュムレータ11は、重量式、ばね式、気体圧式(空気圧式含む)、シリンダ式、プラダ式などの適宜な形式のアキュムレータにより構成されてよい。例えば、アキュムレータ11は、気体圧式、シリンダ式又はプラダ式のアキュムレータであり、アキュムレータ11内に保持されている気体(例えば空気若しくは窒素)が圧縮されることにより蓄圧され、その蓄圧された圧力により作動液を供給する。
増圧器12は、蓄圧シリンダチューブ83と、蓄圧シリンダチューブ83に摺動可能に収容された蓄圧ピストン85とを有している。
蓄圧シリンダチューブ83は、第1シリンダ部83aと、第1シリンダ部83aに接続された第2シリンダ部83bとを有している。第1シリンダ部83a及び第2シリンダ部83bは、例えば、内部の断面形状が円形の筒状体である。第2シリンダ部83bの径は、第1シリンダ部83aの径よりも大きく設定されている。
蓄圧ピストン85は、第1シリンダ部83aの内部を摺動可能な第1ピストン部85aと、第2シリンダ部83bの内部を摺動可能な第2ピストン部85bと、第1ピストン部85aと第2ピストン部85bとを連結する連結部85cとを有している。なお、第2シリンダ部83bの径が第1シリンダ部83aの径よりも大きく設定されていることに対応して、第2ピストン部85bの径は第1ピストン部85aの径よりも大きく設定されている。
第1シリンダ部83aの内部は、第1ピストン部85aにより、第2シリンダ部83bとは反対側の第1室83cと、第2シリンダ部83b側の第2室83dとに区画されている。第2シリンダ部83bの内部は、第2ピストン部85bにより、第1シリンダ部83a側の第3室83eと、第1シリンダ部83aとは反対側の第4室83fとに区画されている。
従って、第3室83e(及び第2室83d)の圧抜きを行うと、第1ピストン部85aの第1室83cにおける作用面積と、第2ピストン部85bの第4室83fにおける作用面積との差に起因して、蓄圧ピストン85は、第4室83fの作動液から受ける圧力よりも高い圧力を第1室83cの作動液に加えることが可能である。そして、蓄圧ピストン85は、第1室83c側へ移動する(前進する)ことにより、そのような高い圧力の作動液を送出することができる。
なお、特に図示しないが、第3室83eは、例えば、不図示の流路によってタンク27に接続されている。当該流路は、常時、作動液の流れが許容されている。ただし、当該流路は、必要に応じて作動液の流れが許容されてもよい。
液圧回路13は、射出シリンダ装置7、液圧供給装置9、アキュムレータ11及び増圧器12を互いに接続する複数の流路、及び、当該複数の流路における作動液の流れを制御する複数の弁を有している。複数の流路は、例えば、鋼管、可撓性のホース又は金属ブロックにより構成されている。具体的には、液圧回路13は、以下に述べる流路及び弁を有している。
液圧回路13は、ポンプ29の吐出口と射出ヘッド側室17hとを接続する第1流路45と、タンク27と射出ロッド側室17rとを接続する第2流路47とを有している。
従って、射出装置1は、ポンプ29から射出ヘッド側室17hへ作動液を供給して射出ピストン19を射出ピストンロッド23側へ移動させる(前進させる)ことができる。また、射出ロッド側室17rは、タンク圧とされることが可能である。
液圧回路13は、アキュムレータ11と射出ヘッド側室17hとを接続する第3流路49を有している。なお、第3流路49の射出ヘッド側室17h側の一部は、第1流路45の射出ヘッド側室17h側の一部と共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。
射出装置1は、第3流路49を介して、アキュムレータ11から射出ヘッド側室17hに作動液を供給することにより、射出ピストン19を射出ピストンロッド23側へ移動させることができる。
液圧回路13は、ポンプ29の吐出口とアキュムレータ11とを接続する第4流路51を有している。なお、第4流路51のアキュムレータ11側の一部は第3流路49のアキュムレータ11側の一部と共用されており、第4流路51のポンプ29側の一部は、第1流路45のポンプ29側の一部と共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。
射出装置1は、ポンプ29から第4流路51を介してアキュムレータ11に作動液を供給することにより、アキュムレータ11を蓄圧することができる。
液圧回路13は、アキュムレータ11と後側室17gとを接続する第5流路53と、前側室17fと射出ロッド側室17rとを接続する第6流路55とを有している。なお、第5流路53のアキュムレータ11側の一部は第3流路49のアキュムレータ11側の一部と共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。
射出装置1は、アキュムレータ11から第5流路53を介して後側室17gに作動液を供給するとともに、第6流路55を利用して前側室17fの圧抜きを行うことにより、上述した増圧ピストン21の増圧作用により、アキュムレータ11の圧力よりも高い圧力を射出ヘッド側室17hに付与することができる。
液圧回路13は、射出ヘッド側室17hと射出ロッド側室17rとを接続する第7流路57を有している。なお、第7流路57は、射出ヘッド側室17h側の一部が第1流路45の射出ヘッド側室17h側の一部と共用され、射出ロッド側室17r側の一部が第2流路47の射出ロッド側室17r側の一部と共用されている。ただし、これらは共用されていなくてもよい。
射出装置1は、上述のように、ポンプ29若しくはアキュムレータ11から射出ヘッド側室17hに作動液を供給して、射出ピストン19を前進させることができる。このとき、射出装置1は、射出ロッド側室17rから排出される作動液を、第7流路57を介して射出ヘッド側室17hに還流させることができる。すなわち、第7流路57は、いわゆるランアラウンド回路を構成している。
液圧回路13は、第1流路45の一部を迂回するように第1流路45に接続されたバイパス流路46を有している。バイパス流路46は、ポンプ29の吐出口と第4室83fとを接続するための入力流路46aと、第1室83cとアキュムレータ11とを接続するための出力流路46bとを有している。
従って、射出装置1は、ポンプ29から第4室83fに作動液を供給し、上述した蓄圧ピストン85の増圧機能によりポンプ29の吐出圧よりも高い圧力の作動液をアキュムレータ11に供給して、アキュムレータ11を蓄圧することができる。
液圧回路13は、第2流路47(第7流路57)に設けられたサーボバルブ59を有している。サーボバルブ59は、入力された電圧に応じた開口度で開くことにより、流量を無段階で調整可能である。また、サーボバルブ59は、開口度に応じた信号S3を出力可能であり、その信号S3に基づいてフィードバック制御がなされることによりサーボ機構を構成する。サーボバルブ59は、例えば、圧力補償付の流量制御弁により構成されている。サーボバルブ59は、射出ロッド側室17rから排出される作動液の流量を制御して射出シリンダ装置7の動作を制御可能であり、いわゆるメータアウト回路を構成している。
液圧回路13は、複数のパイロット式の第1逆止弁VLA〜第6逆止弁VLF(パイロットチェックバルブ)を有している。なお、以下では、単に「逆止弁VL」といい、これらを区別しないことがある。これら逆止弁VLには、不図示の液圧回路を介してアキュムレータ11の圧力がパイロット圧力として入力される。複数の逆止弁VLの配置及び機能は、具体的には以下のとおりである。
第1逆止弁VLAは、第5流路53に設けられている。第1逆止弁VLAは、パイロット圧力が導入されていないときは、アキュムレータ11側から後側室17g側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第1逆止弁VLAは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第2逆止弁VLBは、第3流路49に設けられている。第2逆止弁VLBは、パイロット圧力が導入されていないときは、アキュムレータ11側から射出ヘッド側室17h側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第2逆止弁VLBは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第3逆止弁VLCは、第4流路51に設けられている。第3逆止弁VLCは、パイロット圧力が導入されていないときは、ポンプ29側からアキュムレータ11側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第3逆止弁VLCは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第4逆止弁VLDは、第1流路45に設けられている。第4逆止弁VLDは、パイロット圧力が導入されていないときは、ポンプ29側から射出ヘッド側室17h側への作動液の流れを許容し、その反対方向の流れを禁止する。また、第4逆止弁VLDは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
第5逆止弁VLEは、第7流路57に設けられている。第5逆止弁VLEは、パイロット圧力が導入されていないときは、射出ロッド側室17r側から射出ヘッド側室17h側への作動液の流れを許容し、その反対側の流れを禁止する。また、第5逆止弁VLEは、開くためのパイロット圧力が導入されているときは双方の流れを許容し、閉じるためのパイロット圧力が導入されているときは双方の流れを禁止する。
第6逆止弁VLFは、第2流路47に設けられている。第6逆止弁VLFは、パイロット圧力が導入されていないときは、射出ロッド側室17r側からタンク27側への作動液の流れを許容し、その反対側の流れを禁止する。また、第6逆止弁VLFは、パイロット圧力が導入されているときは、双方の流れを禁止する(閉じられる)。
液圧回路13は、第4流路51に設けられた逆止弁86と、バイパス流路46の入力流路46aに設けられた切換弁87とを有している。
逆止弁86は、ポンプ29側からアキュムレータ11側への作動液の流れを許容するとともに、その反対側の流れを禁止する。また、バイパス流路46は、逆止弁86を迂回している。従って、増圧器12の第1室83cからアキュムレータ11に供給される、ポンプ29の吐出圧よりも高圧の作動液がポンプ29側へ逆流することが禁止される。
切換弁87は、例えば、2位置間において切り換え可能に構成されている。切換弁87は、一方の位置では、ポンプ29と第4室83fとを接続する。また、切換弁87は、他方の位置では、ポンプ29と第4室83fとを遮断するとともに、第4室83fとタンク27とを接続する。
制御装置15は、例えば、CPU61、ROMやRAM等のメモリ63、入力回路65、及び、出力回路67を含んで構成されている。CPU61は、メモリ63に記憶されたプログラムを実行し、入力回路65を介して入力される入力信号に基づいて、各部を制御するための制御信号を出力回路67を介して出力する。
入力回路65に信号を入力するのは、例えば、ユーザの入力操作を受け付ける入力装置69、エンコーダ31、射出ピストンロッド23の位置を検出する射出位置センサ71、サーボバルブ59、射出ヘッド側室17hの圧力を検出するヘッド側圧力センサ75、射出ロッド側室17rの圧力を検出するロッド側圧力センサ76、及び、アキュムレータ11の圧力を検出するアキュムレータ圧力センサ77である。
出力回路67が信号を出力するのは、例えば、ユーザに情報を表示する表示器79、サーボドライバ33、サーボバルブ59、及び、逆止弁VLへのパイロット圧力の導入を制御する不図示の液圧回路である。
射出位置センサ71は、射出シリンダチューブ17に対する射出ピストンロッド23の位置を検出するものであり、プランジャ5の位置を間接的に検出するものである。射出位置センサ71は、例えば、射出ピストンロッド23に設けられ、射出ピストンロッド23の軸方向に延びる不図示のスケール部とともにリニアエンコーダを構成している。なお、射出位置センサ71、又は、制御装置15は、検出した位置を微分することにより、速度を検出することが可能である。
ヘッド側圧力センサ75及びロッド側圧力センサ76は、溶湯をキャビティ105に射出するときにプランジャ5が溶湯に加える圧力(射出圧力)等のプランジャ5が溶湯に加える圧力を間接的に検出するものである。すなわち、制御装置15は、ヘッド側圧力センサ75の検出値と、ロッド側圧力センサ76の検出値と、射出ピストン19の射出ヘッド側室17hにおける受圧面積と、射出ピストン19の射出ロッド側室17rにおける受圧面積とに基づいて、プランジャ5が溶湯に付与する力を算出することができる。
以上の構成を有する射出装置1の動作を説明する。
図2は、射出装置1における射出圧力P及び射出速度Vの変化を示すグラフである。
射出装置1は、概観すると、低速射出、高速射出、及び、増圧(昇圧)を順に行う。すなわち、射出装置1は、射出の初期段階においては、溶湯の空気の巻き込みを防止するために比較的低速でプランジャ5を前進させ、次に、溶湯の凝固に遅れずに溶湯を充填するため等の観点から比較的高速でプランジャ5を前進させる。その後、射出装置1は、成形品のヒケをなくすために、プランジャ5の前進する方向の力によりキャビティ内の溶湯を増圧する。具体的には、以下のとおりである。
(低速射出)
低速射出の開始直前において、射出装置1は、図1に示す状態となっている。すなわち、射出ピストン19は、後退限等の初期位置に位置している。電動機25は停止している。アキュムレータ11は蓄圧が完了している。蓄圧ピストン85は後退限等の初期位置に位置している。第1逆止弁VLA及び第2逆止弁VLBは、パイロット圧力が導入されて閉じられ、アキュムレータ11からの作動液の放出は禁止されている。第3逆止弁VLC〜第6逆止弁VLFは適宜な状態とされてよいが、例えば、パイロット圧力の導入により閉じられている。サーボバルブ59は適宜な状態とされてよいが、例えば、閉じられている。切換弁87は適宜な位置とされてよいが、例えば、ポンプ29側から第4室83f側への作動液の流れを禁止する位置とされている。
固定金型101及び移動金型103の型締が終了し、溶湯が射出スリーブ3に供給されるなど、所定の低速射出開始条件が満たされると、制御装置15は、電動機25を駆動して、ポンプ29に作動液を吐出させる。また、制御装置15は、第4逆止弁VLD及び第5逆止弁VLEへの閉じるパイロット圧力の導入を停止するとともに、サーボバルブ59を適宜な開口度で開く。
これにより、ポンプ29から第4逆止弁VLDを介して射出ヘッド側室17hに作動液が供給され、射出ピストン19は前進する。その結果、プランジャ5により射出スリーブ3内の溶湯がキャビティ105に射出される。また、射出ピストン19の前進に伴って射出ロッド側室17rから排出された作動液は、サーボバルブ59、第5逆止弁VLE及び第4逆止弁VLDを介して、射出ヘッド側室17hに還流される。
プランジャ5の速度は、例えば、電動機25の回転数の調整により制御され、図2に示すように、比較的低速の低速射出速度VLとされる。また、このときの射出圧力は、比較的低圧のPLである。なお、サーボバルブ59の開口度の調整によりプランジャ5の速度を制御することも可能である。
(高速射出)
制御装置15は、射出位置センサ71の検出値に基づくプランジャ5の位置が所定の高速切換位置に到達すると、電動機25を停止するとともに、第2逆止弁VLBへのパイロット圧力の導入を停止する。また、制御装置15は、サーボバルブ59の開口度を低速射出時の開口度よりも大きい適宜な開口度とする。
これにより、アキュムレータ11から第2逆止弁VLBを介して射出ヘッド側室17hに作動液が供給され、射出ピストン19は比較的高速で前進する。その結果、プランジャ5により射出スリーブ3内の溶湯がキャビティ105に高速に射出される。なお、低速射出時と同様に、射出ピストン19の前進に伴って射出ロッド側室17rから排出された作動液は、射出ヘッド側室17hに還流される。
プランジャ5の速度は、サーボバルブ59の開口度の調整により制御され、図2に示すように、低速射出速度VLよりも高速の高速射出速度VHとされる。また、このときの射出圧力は、低速射出時の射出圧力PLより高い圧力PHである。
(減速射出)
減速射出は、適宜な事象の発生により開始される。例えば、減速射出は、溶湯がキャビティ105にある程度充填され、その充填された溶湯からプランジャ5が反力を受けて減速されることにより開始される。若しくは、減速射出は、プランジャ5が所定の減速位置に到達するなど所定の減速開始条件が満たされたときに、サーボバルブ59における開口度が小さくされることにより開始される。又は、上記に例示した事象が同時に発生することにより開始される。
減速射出では、図2に示すように、射出速度は、高速射出速度VHから減速されて速度Vdとなる。ただし、キャビティ105には、ある程度溶湯が充填されていることから、射出圧力は、高速射出における高速射出圧力PHから上昇して圧力Pdとなる。
(増圧)
所定の増圧開始条件が満たされると、制御装置15は、第1逆止弁VLAへのパイロット圧力の導入を停止する。増圧開始条件は、例えば、ヘッド側圧力センサ75及びロッド側圧力センサ76により検出される射出圧力の検出値が所定の値に到達したこと、又は、プランジャ5の検出位置が所定の位置に到達したことである。
また、制御装置15は、第5逆止弁VLEに閉じるパイロット圧力を導入してランアラウンド回路をオフとする。さらに、制御装置15は、第6逆止弁VLFへのパイロット圧力の導入を停止し、射出ロッド側室17rの作動液をタンク27へ排出可能とする。
第1逆止弁VLAへのパイロット圧力の導入が停止されることにより、アキュムレータ11から第1逆止弁VLAを介して後側室17gに作動液が供給される。また、前側室17fの作動液は、第6流路55及び射出ロッド側室17rを介してタンク27へ排出可能である。従って、上述したように、増圧ピストン21の増圧機能により、後側室17gの作動液の圧力よりも高い圧力が射出ヘッド側室17hに付与される。
そして、射出圧力は、圧力Ptを経て終圧Pmaxに到達する。また、射出速度は、キャビティ105に溶湯が完全に充填されることにより、速度Vtを経て0となる。
なお、サーボバルブ59の開口度は予め定められた適宜な開口度とされる。第2逆止弁VLB及び第4逆止弁VLDは、パイロット圧力が導入されて閉じられる。ただし、第2逆止弁VLB及び第4逆止弁VLDは、射出ヘッド側室17hの圧力が高くなることにより自閉するから、後述するプランジャ5の後退及びアキュムレータ11の開始までは、パイロット圧力が導入されなくてもよい。
(保圧)
制御装置15は、上記の射出圧力が終圧Pmaxとなっている状態を維持する。この間に、溶湯は冷却されて凝固する。溶湯が凝固すると、制御装置15は、第1逆止弁VLAにパイロット圧力を導入して第1逆止弁VLAを閉じる。これにより、アキュムレータ11から後側室17gへの液圧の供給が停止され、保圧は終了する。
なお、制御装置15は、適宜に溶湯が凝固したか否かを判定する。例えば、制御装置は、終圧Pmaxが得られた時点等の所定の時点から所定の時間が経過したか否かにより、溶湯が凝固したか否か判定する。
(プランジャ後退)
保圧終了後、制御装置15は、パイロット圧力の導入により第5逆止弁VLEを開き、パイロット圧力の導入により第6逆止弁VLFを閉じる。また、制御装置15は、サーボバルブ59を適宜な開口度とするとともに、適宜な回転数で電動機25を駆動する。更に、特に図示しないが、制御装置15は、不図示の弁を開くことにより、射出ヘッド側室17h及び後側室17gの作動液をタンク27に排出可能とする。
これにより、ポンプ29から吐出された作動液が第5逆止弁VLE及びサーボバルブ59を介して射出ロッド側室17r及び前側室17fに供給される。そして、射出ピストン19及び増圧ピストン21は、射出ヘッド側室17h及び後側室17gの作動液を排出しつつ後退する。
(アキュムレータ充填)
保圧終了後、射出装置1は、上記のプランジャ5の後退の前若しくは後、又は、プランジャ後退と同時に、アキュムレータ11の充填を行う。好ましくは、射出装置1は、上記のプランジャ5の後退の後、第5逆止弁VLE及びサーボバルブ59が閉じられた状態で、アキュムレータ11の充填を行う。
具体的には、制御装置15は、第3逆止弁VLCへのパイロット圧力の導入を停止し、電動機25を駆動する。これにより、ポンプ29から吐出された作動液が、逆止弁86、第3逆止弁VLCを介してアキュムレータ11に供給され、アキュムレータ11の蓄圧が行われる。
アキュムレータ圧力センサ77の検出圧力が所定の圧力に到達するなど、所定の蓄圧用増圧開始条件が満たされると、制御装置15は、切換弁87を、ポンプ29側から第4室83f側への作動液の流れを許容する位置に切り換える。
これにより、蓄圧ピストン85の増圧作用により比較的高い圧力が付与された第1室83cの作動液が、第3逆止弁VLCを介してアキュムレータ11に供給され、アキュムレータ11の更なる蓄圧が行われる。
そして、アキュムレータ圧力センサ77の検出圧力が所定の蓄圧完了圧力に到達するなど、アキュムレータ11の蓄圧の完了条件が満たされると、制御装置15は、切換弁87を、ポンプ29側から第4室83f側への作動液の流れを禁止するとともに第4室83f側からタンク27側への作動液の流れを許容する位置に切り換える。また、電動機25の回転数を適宜な回転数とする。
これにより、増圧器12からアキュムレータ11への高圧の作動液の供給が停止され、アキュムレータ11の蓄圧は完了する。また、ポンプ29から吐出された作動液は、逆止弁86及び出力流路46bを介して第1室83cに供給されるから、蓄圧ピストン85は、第4室83fの作動液をタンク27に排出しつつ、初期位置へ復帰する。なお、第3逆止弁VLCは、アキュムレータ11の作動液の圧力により自閉する。ただし、パイロット圧力が導入されて閉じられてもよい。
(次サイクル準備)
プランジャ5の後退及びアキュムレータ11の充填(増圧器12の復帰)が完了すると、制御装置15は、逆止弁VL等の各部を、上述した低速射出開始前の状態に制御する。
なお、制御装置15は、射出工程(低速射出、高速射出及び減速)においては、例えば、射出位置センサ71の検出値に基づき、プランジャ5の速度をフィードバック制御する。また、制御装置15は、増圧や保圧においては、ヘッド側圧力センサ75及びロッド側圧力センサ76の検出値に基づき、プランジャ5が溶湯に付与する圧力をフィードバック制御する。そのフィードバックループには、サーボバルブ59のフィードバックループ、エンコーダ31の検出値に基づく電動機25のフィードバックループが適宜に組み込まれる。
図3は、電動機25の負荷線図の一例を示す図である。図3において、縦軸は電動機25の負荷、横軸は時間(上述した各工程)を示している。なお、スプレイ工程や製品取り出し工程等は省略している。
実線L1で示されるように、電動機25の負荷は、低速射出、プランジャ5の後退及びアキュムレータ11の充填において生じる。そして、アキュムレータ11の充填においては、負荷が低速射出やプランジャ5の後退に比較して高くなる。すなわち、電動機25の最大負荷は、アキュムレータ11の充填において生じる。
2点鎖線L2は、本実施形態とは異なり、増圧器12を設けなかったと仮定した場合の電動機25の負荷を示している。この場合、アキュムレータ11を所定の蓄圧完了圧力まで蓄圧するためには、本実施形態よりも、電動機25の負荷を大きくせざるを得ない。すなわち、本実施形態では、増圧器12が設けられることにより、電動機25の最大負荷が小さくなる。
以上の第1の実施形態によれば、ダイカストマシンDC1の射出装置1は、プランジャ5と、プランジャ5を駆動する射出シリンダ装置7と、射出シリンダ装置7に作動液を供給可能なアキュムレータ11と、作動液を送出可能な液圧供給装置9とを有している。更に、射出装置1は、増圧器12を有している。増圧器12は、蓄圧シリンダチューブ83と、蓄圧シリンダチューブ83を摺動可能な蓄圧ピストン85とを有している。蓄圧シリンダチューブ83内には、蓄圧ピストン85により隔てられた第4室83f及び第1室83cが構成されている。蓄圧ピストン85の第4室83fにおける受圧面積は第1室83cにおける受圧面積よりも大きい。そして、増圧器12は、液圧供給装置9から第4室83fに作動液が供給され、蓄圧ピストン85により増圧された第1室83cの作動液をアキュムレータ11に供給可能である。
従って、図3を参照して説明したように、増圧器12により増圧された作動液によりアキュムレータ11を充填することにより、液圧供給装置9の最大負荷を低減することができる。その結果、電動機25の容量を小さくして、射出装置1のイニシャルコストを下げることができる。
射出装置1は、液圧供給装置9とアキュムレータ11とを接続する第4流路51と、第4流路51に設けられ、アキュムレータ11側から液圧供給装置9側への作動液の流れを禁止可能な逆止弁86とを有する。また、射出装置1は、第4流路51の、逆止弁86よりも液圧供給装置9側の部分と、第4室83fとを接続する入力流路46aを有している。射出装置1は、第1室83cと、第4流路51の、逆止弁86よりもアキュムレータ11側の部分とを接続する出力流路46bを有している。射出装置1は、入力流路46aに設けられ、液圧供給装置9側から第4室83f側への作動液の流れを許容又は禁止可能な切換弁87を有している。
従って、射出装置1は、液圧供給装置9から直接的にアキュムレータ11に作動液を供給する蓄圧と、増圧器12からアキュムレータ11に作動液を供給する蓄圧との双方が可能である。その結果、例えば、蓄圧の初期においては、液圧供給装置9により比較的大量の作動液をアキュムレータ11に供給して迅速に蓄圧を行い、蓄圧完了の直前においては、増圧器12により増圧した作動液をアキュムレータ11に供給して液圧供給装置9の負担を軽減することができる。すなわち、増圧器12の効率的利用が可能となる。別の観点では、増圧器12は、大量の作動液を送出可能である必要はなく、増圧器12の小型化が図られる。更に、そのような効率的な増圧器12の利用が可能となる構成が、バイパス流路46を設ける簡便な方法により実現される。
アキュムレータ11側から液圧供給装置9側への作動液の流れを禁止可能な制御弁は、液圧供給装置9側からアキュムレータ11側への作動液の流れを許容するとともに、その反対方向の流れを禁止する逆止弁86である。また、液圧供給装置9側から第4室83f側への作動液の流れを許容又は禁止可能な制御弁は、液圧供給装置9と第4室83fとの間の作動液の流れを許容する位置と、液圧供給装置9と第4室83fとの間の作動液の流れを禁止するとともに第4室83fとタンク27との間の作動液の流れを許容する位置との間で切り換え可能な切換弁87である。
従って、液圧供給装置9による直接的なアキュムレータ11の蓄圧と、増圧器12を介したアキュムレータ11の蓄圧との切り換えが切換弁87の切り換えのみにより簡便に行われる。さらに、第1室83cに作動液を供給して蓄圧ピストン85を初期位置に戻すことも簡便に実現される。
射出装置1は、液圧供給装置9、増圧器12、アキュムレータ11及び射出シリンダ装置7の間の作動液の流れを制御する液圧回路13を制御する制御装置15を更に有している。そして、射出装置1は、制御装置15の制御により、液圧供給装置9からアキュムレータ11に作動液を供給してアキュムレータ11を蓄圧し、その後、液圧供給装置9から第4室83fに作動液を供給し、第1室83cからアキュムレータ11に増圧された作動液を供給して、アキュムレータ11を更に蓄圧する。すなわち、上述したように、液圧供給装置9及び増圧器12によるアキュムレータ11の蓄圧が効率的に行われる。
射出装置1は、制御装置15の制御により、液圧供給装置9から射出シリンダ装置7に作動液を供給して低速射出を行い、アキュムレータ11から射出シリンダ装置7に作動液を供給して高速射出を行う。
従って、液圧供給装置9は、アキュムレータ11の充填だけでなく、射出にも利用される。その結果、アキュムレータ11のみにより射出を行う場合(この場合も本発明に含まれる)に比較して、アキュムレータ11の小型化が図られる。アキュムレータ11の小型化により、蓄圧における負担が軽減され、ひいては、増圧器12等の負担が軽減される。
射出装置1は、プランジャ5の速度を検出可能な射出位置センサ71を更に有する。液圧供給装置9は、ポンプ29と、ポンプ29を駆動する電動機25と、を有する。制御装置15は、低速射出において、射出位置センサ71の検出する速度に基づいて電動機25の回転数を制御することにより、プランジャ5の速度制御を行う。従って、プランジャ5の速度制御が正確になされる。
射出装置1は、射出シリンダ装置7の射出ロッド側室17rから排出された作動液を射出ヘッド側室17hに還流するランアラウンド回路(第7流路57)を更に有する。従って、作動液の必要量を少なくし、装置の小型化を図ることができる。
射出装置1は、パイロット圧力が導入されることにより駆動され、作動液の流れを制御するパイロット式の逆止弁VLを有し、パイロット圧力としてアキュムレータ11の圧力が導入される。従って、パイロット圧力を供給するための装置を別個に設ける必要がなく、装置の簡素化及び小型化が図られる。
<第2の実施形態>
図4は、第2の実施形態の射出装置201の要部を示す図である。
射出装置201の構成は、サーボバルブ59の配置位置のみが第1の実施形態の射出装置1の構成と相違する。具体的には、射出装置201においては、サーボバルブ59は、アキュムレータ11からの作動液の流出量を調整可能な位置(第3流路49及び第5流路53の共用部分)に設けられ、メータイン回路を構成している。
射出装置201の動作は、サーボバルブ59に係る動作以外は、第1の実施形態の射出装置1の動作と概ね同様でよい。
射出装置201において、サーボバルブ59は、アキュムレータ11から作動液を放出させるとき(高速射出、増圧及び保圧)、及び、アキュムレータ11を充填するとき、適宜な開口度で開かれる。また、サーボバルブ59は、アキュムレータ11における作動液の流入出を禁止するとき、閉じられる。ただし、アキュムレータ11における作動液の流入出は、第1逆止弁VLA〜第3逆止弁VLCによっても規制されるから、サーボバルブ59は開かれていてもよい。高速射出におけるプランジャ5の速度は、サーボバルブ59の開口度の制御により制御される。
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
以上の実施形態において、ダイカストマシンDC1は成形機の一例であり、第4室83fは本発明の入力室の一例であり、第1室83cは本発明の出力室の一例であり、第4流路51は本発明の直通流路の一例であり、逆止弁86は本発明の第1制御弁の一例であり、切換弁87は本発明の第2制御弁の一例である。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
成形機は、ダイカストマシンに限定されない。例えば、成形機は、他の金属成形機であってもよいし、プラスチック射出成形機であってもよいし、木粉に熱可塑性樹脂等を混合させた材料を成形する成形機であってもよい。また、射出装置は、横型締横射出に限定されず、例えば、縦型締縦射出、横型締縦射出であってもよい。作動液は、油に限定されず、例えば水でもよい。
射出シリンダ装置は、増圧式のものに限定されない。増圧シリンダ部(17b)及び増圧ピストン(21)を有さない、いわゆる単動式のものであってもよい。なお、シリンダ装置が単動式の場合においては、増圧工程及び保圧工程時において、アキュムレータからの作動液は射出ヘッド側室(17h)に供給される。また、射出シリンダ装置が増圧式の場合において、射出シリンダ装置は、射出シリンダ部と増圧シリンダ部とが分離したものであってもよい。
液圧供給装置は、電動機及びポンプを含むものに限定されない。例えば、液圧供給装置は、シリンダ装置と、シリンダ装置のピストンをシリンダチューブに対して駆動する電動機とを有するものであってもよい。
液圧供給装置は、アキュムレータに直接的に作動液を供給可能でなくてもよいし、低速射出及びプランジャの後退に利用されなくてもよい。また、逆に、液圧供給装置は、増圧等の他の工程に利用されてもよい。増圧器に作動液を供給する液圧供給装置とは別に、種々の工程に利用される液圧供給装置が設けられてもよい。
増圧器は、蓄圧シリンダチューブ及び蓄圧ピストンにそれぞれ小径部と大径部とが形成されたものに限定されない。例えば、径が一定のシリンダチューブ及びピストンを有するシリンダ装置であっても、ピストンに固定され、シリンダチューブから延び出るピストンロッドを設けることにより、ピストンにより隔てられる2つのシリンダ室の受圧面積を互いに異ならせることができる。また、蓄圧ピストンに小径部及び大径部が形成される場合において、蓄圧ピストンは、実施形態の増圧ピストン21のような形状(連結部85cが省略された形状)であってもよい。
液圧回路は適宜に構成することができる。例えば、作動液の流れを制御する弁としてパイロット式の逆止弁を多用したが、逆止弁に代えて、方向切換弁等の他の制御弁が用いられてもよい。また、例えば、第1制御弁(実施形態では逆止弁86)は、切換弁であってもよい。また、例えば、第2制御弁(実施形態では切換弁87)は、逆止弁であってもよい。また、例えば、第2制御弁としての切換弁に代えて、複数の流路及び複数の逆止弁を組み合わせたものが用いられてもよい。また、例えば、バイパス流路(46)に代えて、直通流路(実施形態では第4流路51)とは別個にアキュムレータ等に接続され、増圧器が配置される流路が設けられてもよい。
ランアラウンド回路は省略されてもよい。例えば、実施形態において、第7流路57及び第5逆止弁VLEを省略し、射出ロッド側室17rから排出された作動液は、第6逆止弁VLFを介して全てタンク27に排出してもよい。