JP2012015880A - 接触式マイクロホン - Google Patents

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Abstract

【課題】接触式マイクロホンの高周波特性をさらに改善し、非可聴つぶやき音声を収音し易くする。
【解決手段】収音部に振動膜5を有するマイクロホン素子2とそのマイクロホン素子2を内包またはそれと接する振動伝達部材7を有し、その振動伝達部材7が第一の接触面において振動膜5と接し第二の接触面において収音対象物3と接するものであって、第一の接触面近傍において振動膜5と略同一である第一の音響インピーダンスを有し、第二の接触面近傍において収音対象物3と略同一である第二の音響インピーダンスを有し、第一の接触面と第二の接触面との間において、第一の音響インピーダンスから第二の音響インピーダンスへと連続的または段階的に異なる音響インピーダンスを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、人間の耳には聴こえないほどの微弱な物音や非可聴つぶやき音声を収音する接触式マイクロホンに関するものである。
耳介の後下方部であって頭骸骨の乳葉突起直下の皮膚表面に接触マイクロホンを当接し、非可聴なつぶやき音声(Non−Audible Murmur、以下「NAM」と略す)を始めとする種々の音声や体内伝導音を伝達振動として採取するためのNAMマイクロホンがある。NAMマイクロホンは、発声内容の秘匿を主な目的とした+音声入力・音声認識や無音声電話への応用から始まったが、近年では医学用途として患者の体内伝導音である脈拍や心臓音を常時モニタリングする振動ピックアップ検出器としても注目されている。
このようなNAMマイクロホンを用いて話者の非可聴なつぶやき伝導音を収音対象物(皮膚)より収音すると、特に2kHz付近から上の高周波域の振動が減衰する。この減衰を少なくするために、皮膚と音響インピーダンスがマッチングしたシリコーンエラストマー(例えば特許文献1)やウレタンエラストマー(例えば特許文献2)を振動伝達部材として、NAMマイクロホンのマイクロホン素子の振動膜と皮膚との間に配置することが知られている。このことにより、収音対象物(皮膚)と振動伝達部材との界面における音の反射が低減され、マイクロホン素子における収音帯域が広くなるとされている。
国際公開第2005/067340号 特開2007−43516号公報
しかしながら上記従来の技術では、高周波域の特性の改善がまだ十分ではない。音の反射や減衰は収音対象物(皮膚)と振動伝達部材との界面以外においても発生する。例えばマイクロホン素子の振動膜と振動伝達部材との界面がそうである。また、振動伝達部材そのものに気泡が含まれていると、気泡中の空気と振動伝達部材とではやはり音響インピーダンスが異なる。その結果、非可聴なつぶやき音などの伝導音が依然としてマイクロホン素子に効率よく収音されず、聴き取りにくいという課題があった。
本発明はこのような従来の課題を解決するものであり、NAMマイクロホンなどの接触式マイクロホンの高周波特性をさらに改善し、非可聴つぶやき音声を収音し易くすることを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、収音部に振動膜を有するマイクロホン素子とそのマイクロホン素子を内包またはそれと接する振動伝達部材を有し、その振動伝達部材が第一の接触面においては、振動膜と接し第二の接触面において収音対象物と接し、第一の接触面近傍においては、振動膜と略同一である第一の音響インピーダンスを有し、第二の接触面近傍においては、収音対象物と略同一である第二の音響インピーダンスを有し、第一の接触面と第二の接触面との間において、第一の音響インピーダンスから第二の音響インピーダンスへと連続的または段階的に異なる音響インピーダンスを有する。この構成により、特に2kHz付近から上の高周波域において、話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音の反射・減衰を低減することができる。
本発明の接触式マイクロホンによれば、高周波特性がさらに改善され、話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音を皮膚などの収音対象物から収音し易くすることができる。
実施例1における接触式マイクロホンの基本構造を示す側断面図 実施例1の接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスおよび体積弾性率のグラフ (a)振動伝達部材の元となるポリウレタンシートの構成を示す図、(b)ポリウレタンシートの上面側の球晶構造の拡大図、(c)底面側の球晶構造の拡大図 図3において形成されたポリウレタンシートを振動伝達部材に加工し接触式マイクロホンを製造するまでの工程図 実施例2の接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフ 振動伝達部材の元となる複合材シートの概略構成を示す図 図1に示す接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフ 図1に示す接触式マイクロホンの振動伝達部材の内部に気泡が入った状態を示す図 図8に示す状態にある接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフ 光量と体積弾性率との関係を示すグラフ 実施例4における接触式マイクロホンの基本構造を示す側断面図 図11に示す接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフ 実施例4における振動伝達部材の製造工程を示す図 実施例4における振動伝達部材の製造工程を示す図 実施例4における接触式マイクロホンの基本構造を示す側断面図 図15に示す接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフ
以下、本発明の具体的な内容について実施例を用いて説明する。
図1は本実施例1における接触式マイクロホンの基本構造を示す側断面図である。マイクロホン素子2(本各実施例ではエレクトレット・コンデンサ・マイクロホンを用いている、以下「マイクロホン素子」と略す)は、皮膚などの収音対象物3より収音した話者の非可聴なつぶやき音などの伝導音4により発生する振動膜5の振動を電気信号に変換し、導線6を介して外部へと伝達する。振動伝達部材7はマイクロホン素子2と接触またはそれを包み込むように取り付けられ、伝導音4の振動をマイクロホン素子2まで損失なく伝達する。制振部材8は背景雑音である気導音が接触式マイクロホンの背面から侵入するのを防止する。カバー部材9はアルミなどの金属やアクリル、ABSなどのプラスチックからなり、接触式マイクロホン1全体の機械的強度を保持するとともに、製造時には樹脂注入鋳型の役目を果たしている。
図1に示す接触式マイクロホンの振動伝達部材7において、特に高周波域の減衰を防ぐには、異なる2つの材料の界面における音響インピーダンスの差をできるだけ小さくしなければならない。高周波域の減衰は、これら異なる2つの材料の異種材料の界面における音響インピーダンスの差の大きさに従って生じる音の反射の大きさに比例するからである。音の反射率は(式1)に示すスネル則により表される。
2=(Z2−Z12/(Z2+Z12 (式1)
ここで、r2:2種類の異種物質1と2の界面における反射率
2:物質2の音響インピーダンス
1:物質1の音響インピーダンス(空気の場合を含む)
(式1)を見ればわかるように、互いに接する2つの物質の音響インピーダンスが近い値であれば音の反射率は0に近く、高周波域の減衰も小さい。逆に、互いに接する2つの物質の音響インピーダンスが離れた値だと音の反射率は大きくなり、高周波域の減衰も大きくなる。
従って、振動伝達部材7の音響インピーダンスZの値を、収音対象物(皮膚)3およびマイクロホン素子2などの振動膜5(電極として金属を薄く被覆させたF含有テフロン(登録商標)系樹脂またはポリエステル系樹脂)のそれぞれになるだけ近づければ、音の反射が小さくなり損失を抑制することに繋がる。
しかしながら(表1)に示すように、実際の生体組織や各種材料の音響インピーダンスはそれぞれ異なっている。例えば、皮膚や肉などの軟部組織の音響インピーダンスが135×104kg/m2・sであるのに対し、プラスチック類は248×104kg/m2・sであり、軟部組織の約2倍の値を有している。
Figure 2012015880
このように音響インピーダンスの異なる2つの物質と接している振動伝達部材7を単一の材料かつ均一な組成で形成したのでは、その音響インピーダンスはいずれかの物質の音響インピーダンスとかけ離れたものとなり、その界面で音の反射が起きてしまう。
これを防ぐためには、振動伝達部材7を以下に述べるように構成すればよい。まず振動伝達部材7と収音対象物3(皮膚)との界面およびマイクロホン素子2の振動膜5との界面における音響インピーダンスはそれぞれ、相手方のそれに近い値を有している。そして振動伝達部材7のこれら2つの界面の間の音響インピーダンスは連続的または細かな階段状に変化する。すなわち、図1に示す接触式マイクロホンの断面Y−Y’において、例えば図2に示すように、振動伝達部材7の音響インピーダンスZが厚み方向に略1次的に増加して傾斜するよう、振動伝達部材7を形成すればよい。そうすれば、それぞれの界面における音の反射や減衰が低減され、非可聴なつぶやき音声が収音し易くなる。
以上のように振動伝達部材7を形成するために、本発明においては振動伝達部材7の密度ρまたは体積弾性率kを部位によって連続的または細かな階段状に変化させている。
音響インピーダンスZは、(式2)に示すように密度ρと材料中の音速cによって決定され、材料中の音速cは(式3)に示すように密度ρと体積弾性率kによって決定される。
Z=ρ・c (式2)
c=√(k/ρ) (式3)
従って、(式2),(式3)より、
音響インピーダンスZ=√(ρ・k) (式4)
となり、密度ρまたは体積弾性率kを変化させれば、振動伝達部材7が同一物質により構成されていても、その音響インピーダンスは部位によって連続的または細かな階段状に変化する。
以上に示すように、音響インピーダンスは密度と体積弾性率の両方によって制御できる。しかしながら収音対象物3が皮膚の場合は、その密度が(表1)に示すように振動膜5(プラスチック材料)とあまり大きな差がないことから、振動伝達部材7の密度に傾きを持たせるのは難しい。ゆえに、本実施例1における振動伝達部材7の音響インピーダンスを制御するパラメータとしては、高分子材料の分子構造である架橋密度(架橋点の数、架橋点間分子量、架橋点間のハードセグメントやソフトセグメントの分子量、反応性官能基当量などによって決定される)によって制御が比較的容易な体積弾性率kを選択するのが好ましい。
本実施例1においては、振動伝達部材7の体積弾性率をその厚み方向、すなわちY−Y’方向に略1次的に変化させることにより、振動伝達部材7の音響インピーダンスZをその厚み方向に略1次的に増加して傾斜させている。それを示したものが図2である。
図2は、図1に示す接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフである。(表1)によれば、図2に示す振動伝達部材7は、その音響インピーダンスZが収音対象物(皮膚)3との界面においてZs=135×104kg/m2・sであり、マイクロホン素子2の振動膜5との界面においてZe=248×104kg/m2・sである。また、皮膚との界面からマイクロホン素子2振動膜5との界面までの振動伝達部材の厚みは1〜10mm程度であり、マイクロホンの低背化や振動の伝導損失の観点より5mm以下が好ましい。従って振動伝達部材7の厚みが5mmであるとすると、収音対象物(皮膚)3との界面と振動膜5との界面の間の音響インピーダンスZは、例えばY−Y’断面方向に23×104kg/m2・s/mm程度の直線的な傾きを有して変化させなければならない。
以上に示す音響インピーダンスZを持った振動伝達部材7を得るために、その体積弾性率を以下に述べる仕様となるよう制御して製造する。すなわち、本実施例1における振動伝達部材7は、その収音対象物(皮膚)3との界面における体積弾性率が1.9×109 Pa、マイクロホン素子2の振動膜5との界面における体積弾性率が5.8×109 Paであって、それらの界面の間の体積弾性率がY−Y’断面方向に直線的な傾きをもって変化するものである。
図3(a)は、このようなY−Y’断面方向に直線的な傾きをもって変化する体積弾性率を有する振動伝達部材7の元となるポリウレタンシートの構成を示す図である。ポリウレタンシート700の体積弾性率は、図3(a)においてY−Y’方向の上面701がZs=1.9×109 Paと小さく、底面へ行くほど直線的に大きくなっており、底面702においてはZe=5.8×109 Paとなっている。
図3(b)はポリウレタンシート700の上面701側の球晶構造の拡大図であり、図3(c)は底面702側の球晶構造の拡大図である。これらはいずれも、いわゆる“ハードセグメント”と呼ばれる芳香族ジイソシアナートなどと脂肪族ポリオールなどからなる結晶性のウレタン樹脂成分の核からなる球晶703と、いわゆる“ソフトセグメント”と呼ばれる同じく非晶質のウレタン樹脂成分をマトリクス704とする海島構造の相分離構造を有する高分子である。しかしながら図3(b)と図3(c)との相違点は、球晶703の結晶サイズおよび結晶数にある。すなわち、上面701側ほど球晶703の結晶サイズが小さく結晶数も少なく、底面702側ほど球晶703の結晶サイズが大きくなり結晶数も多くなっており、それらの間は図3(a)のY−Y’方向に直線的に変化している。結晶性のものは体積弾性率が非晶質成分に比べ相対的に高く、球晶703の結晶サイズおよび結晶数が大きくなるほどその空間占有率が増し、ポリウレタンシート700の体積弾性率は大きくなる。このようにして、先に述べたポリウレタンシート700の直線的な体積弾性率の変化が実現される。そして、その体積弾性率の変化がポリウレタンシート700の音響インピーダンスの直線的な変化をもたらすのである。
このようなポリウレタンシート700の製造方法については、第4回傾斜機能材料シンポジウム予稿集A01 p85−88、および同予稿集A04 p367−372に示される方法が応用できる。すなわち、図3(b)および(c)に示すハードセグメントの核からなる球晶703とソフトセグメントのマトリクス704を高分子鎖の構造として有する高分子の生成過程において成形温度勾配法を用いることにより、ハードセグメントの核からなる球晶703の結晶サイズ(または形状)と結晶数を図3(a)のY−Y’方向に硬化温度を変化させれば、図3に示すポリウレタンシート700が製造できる。
より具体的には、まずプレポリマー法を用いて平均分子量2000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコールなどと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(ハードセグメント)とを配合比[NCO]/[水酸基]=3.30で混合する。次に、90℃にて硬化剤として1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンの(重量比75/25)を先の混合物に添加する。そして、そのようにして得られた添加混合物を、それぞれ150℃と30℃に加熱した2枚のアルミ板で挟み込み、130℃で1.5時間硬化させる。ちなみに、図3に示すポリウレタンシート700の上面701が30℃の加熱面であり、底面702が150℃の加熱面である。
以上のような工程を経て、厚み方向にミクロ相分離、ハードセグメントの凝集体からなる球晶構造が連続的に変化し、架橋点濃度による体積弾性率が傾斜した、図3に示すポリウレタンシート700が生成される。
図4は、図3において形成されたポリウレタンシート700を、図1および図2に示す振動伝達部材7に加工し接触式マイクロホン1を製造するまでの工程図である。
図4(a)において、ポリウレタンシート700はトムソン式切削機14などを用いて個片7aにカットされる。それとは別の工程として、図4(b)および(c)に示すように接触式マイクロホン1本体の製造が行われる。図4(b)において、制振部材8がカバー部材9に充填される。この時、マイクロホン素子2や振動伝達部材を格納するための格納部8aが、例えば発泡ポリウレタン樹脂のキャスティング法などにより制振部材8内に形成される。次に、図4(c)において、制振部材8およびカバー部材9を貫通する貫通孔(図示せず)が形成され、その貫通孔にマイクロホン素子2の導線6が通された後、制振部材8内の格納部8aの底面にマイクロホン素子2が設置される。
次に、体積弾性率がマイクロホン素子2振動膜5に近く、個片7aおよびポリウレタンシート700を形成する元となった先の添加混合物と略同一組成の接着剤7bが、振動膜5の上から格納部8aの内側に塗布される。最後に、接着剤7bが塗布された格納部8aに個片7aを設置させ、接着剤7bの球晶生成によりポリウレタンシート700の底面と体積弾性率を一致させるため前述のポリウレタンシート700底面の仮硬化時の加熱温度と同じ150℃で1時間、加熱硬化させる。そうすると、個片7aは接着剤7bと一体となって振動伝達部材7を形成する。そして、この振動伝達部材7は加熱硬化によりマイクロホン素子2振動膜5と制振部材8に接着固定され、先の図1に示す接触式マイクロホン1が完成する。
以上のように本実施例1によれば、上記の構成により、特に2kHz付近から上の高周波域において話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音の反射・減衰が低減され、非可聴な音を皮膚などの収音対象物から収音し易くすることができる。
本実施例2では、収音対象物がガラスなどのセラミックスで比較的堅い構造物である場合に好適な接触式マイクロホンについて説明する。
本実施例2における接触式マイクロホンの構成は、先の実施例1における図1と基本的に同様である。但し、本実施例2における振動伝達部材および収音対象物は実施例1のそれとは異なるので、先の実施例1における振動伝達部材7および収音対象物3の代わりに、振動伝達部材71および収音対象物31を用いる。振動伝達部材71は、無機フィラーと、主成分として分子の末端に(メタ)アクリル基とを含有し、主鎖にウレタン結合あるいはシロキサン結合を有するオリゴマーとの複合材組成を応用したものである。
図5は、図1に示す本実施例2の接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフである。(表1)によれば、図5に示す振動伝達部材71は、その音響インピーダンスZが収音対象物(ガラス)31との界面においてZg=1122×104kg/m2・sであり、マイクロホン素子2の振動膜5との界面においてZe=248×104kg/m2・sである。また、実施例1と同様に収音対象物(ガラス)31との界面からマイクロホン素子2振動膜5との界面までの振動伝達部材の厚みは1〜10mm程度であり、マイクロホンの低背化や振動の伝導損失の観点より5mm以下が好ましい。従って振動伝達部材71の厚みが5mmとすると、収音対象物(皮膚)31との界面と振動膜5との界面の間の音響インピーダンスZは、例えばY−Y’断面方向に−175×104kg/m2・s/mm程度の直線的な傾きを有して変化させなければならない。
以上に示す音響インピーダンスZを持った振動伝達部材71を得るために、その体積弾性率を以下に述べる仕様となるよう制御して製造する。すなわち、本実施例2における振動伝達部材71は、その収音対象物(ガラス)31との界面における体積弾性率が57.2×109 Pa、マイクロホン素子2の振動膜5との界面における体積弾性率が5.8×109 Paであって、それらの界面の間の体積弾性率がY−Y’断面方向に直線的な傾きをもって変化するものである。
このような、Y−Y’断面方向に直線的な傾きをもって変化する体積弾性率を有する複合材組成を応用した振動伝達部材71を形成するための1つの方法としては、例えば以下に述べる方法が挙げられる。
図6は、図1の振動伝達部材71の元となる複合材シートの概略構成を示す図である。図6(a)に示す複合材シート710は、図6(b)および図6(c)に示すように、例えばシリカ粒子などの無機フィラー713がマトリクスオリゴマー硬化体714の中に分散されたものである。なお、マトリクスオリゴマー硬化体714は、先にも述べたように、例えば主成分として分子の末端に(メタ)アクリル基とを含有し、主鎖にウレタン結合あるいはシロキサン結合を有するオリゴマーである。
図6(b)は複合材シート710の上面711側の拡大図であり、図6(c)は底面712側の拡大図である。これらはいずれも、無機フィラー713がマトリクスオリゴマー硬化体714の中に分散されたものであることに変わりはない。しかしながら図6(b)と図6(c)との相違点は、無機フィラー713のサイズと数、すなわち体積含有率にある。すなわち、上面711側ほど無機フィラー713のサイズが小さく数も少なく体積含有率が小さく、底面712側ほど無機フィラー713のサイズが大きくなり数も多くなり体積含有率が大きくなっており、それらの間は図6(a)のY−Y’方向に直線的に変化している。体積弾性率は無機フィラー713のサイズや数、体積含有率に比例するため、先に述べた複合材シート710の直線的な体積弾性率の変化が実現される。そして、その体積弾性率の変化が複合材シート710の音響インピーダンスの直線的な変化をもたらすのである。
このような、図6に示す複合材シート710は、例えば以下に述べる方法で製造できる。すなわち、まず遠心沈降法を用いて、硬化前の上記オリゴマーと無機材料系フィラーを含む前駆体を、それらの比重の違いにより沈降する粒子径分布を制御し、厚み方向に体積弾性率を変化させる。沈降途中での硬化も十分行うことができる反応速度が速い紫外線などの光ラジカル硬化反応を利用する生産プロセスが好ましく用いられる。
無機材料系フィラーとしては、サブミクロンから100ミクロンの粒子サイズのものが好ましく用いられ、アルミナ、ジルコニア、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、コロイダルシリカ、チタニアなどの無機材料系フィラーが用いられる。これらは、単独であってもよく2種類以上混合して用いられても構わない。サブミクロン以下のものは、一般的に分散性が悪く凝集し分布制御の妨げとなり、100ミクロン以上のものは、硬化させるための光の透過率を極端に減少させるため硬化反応の妨げとなる。
分散媒中の粒子の遠心力による沈降速度Uは、(式5)で示されるストークスの式によって決定され、遠心力(自然沈降の場合は重力加速度g)と粒子と分散媒の密度差と分散媒の粘度の関数として表すことができ、遠心力と前駆体の粘度と温度、使用する無機材料系フィラーの密度と粒子径および粒子径分布(標準偏差と平均粒子径)を制御することにより、厚み方向の粒子の数分布と粒子径の分布の両方により、硬化後の体積弾性率の傾きを決めることができる。
U=d2・g・(ρp−ρg)/(18・η) (式5)
ここで、U:粒子の沈降速度、η:分散媒の粘度、d:粒子径、ρp:粒子の密度
ρg:分散媒の密度、g:重力加速度
以上のような工程を経て、厚み方向に無機フィラー713のサイズと数が連続的に変化し、体積弾性率が傾斜した、図6に示す複合材シート710が生成される。その後は先の実施例1における図4と同様の方法を用いて、振動伝達部材71が加熱硬化によりマイクロホン素子2振動膜5と制振部材8に接着固定され、図1に示す接触式マイクロホン1が完成する。但し、実施例1における図4のポリウレタンシート700、個片7a、接着剤7bは、それぞれ本実施例2における複合材シート710、個片71a、接着剤71bとなる。
以上のように本実施例2によれば、上記の構成により特に2kHz付近から上の高周波域において話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音の反射・減衰が低減され、非可聴な音を皮膚などの収音対象物から収音し易くすることができる。
本実施例3の接触式マイクロホンの基本構造は、先の実施例1における図1と基本的に同様である。但し、本実施例3における振動伝達部材は実施例1のそれとは異なるので、先の実施例1における振動伝達部材7の代わりに、振動伝達部材72を用いる。振動伝達部材72は以下に述べる構成および製造方法により、音響インピーダンスを厚み方向、すなわちY−Y’方向に2次曲線的に傾斜させた構成を有している。それを示したものが図7である。
図7は、図1に示す接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフである。(表1)によれば、図7に示す振動伝達部材72は、その音響インピーダンスZが収音対象物(皮膚)3との界面においてZs=135×104kg/m2・sであり、マイクロホン素子2の振動膜5との界面においてZe=248×104kg/m2・sである。また、収音対象物(皮膚)3との界面からマイクロホン素子2の振動膜5との界面までの振動伝達部材の厚みは1〜10mm程度であり、マイクロホンの低背化や振動の伝導損失の観点より5mm以下が好ましい。ここでは振動伝達部材72の厚みを5mmとする。そして、収音対象物(皮膚)3との界面と振動膜5との界面の間の音響インピーダンスZは、Y−Y’断面方向に2次曲線的な傾きを有して変化させなければならない。
以上に示す音響インピーダンスZを持った振動伝達部材72を得るために、その体積弾性率を以下に述べる仕様となるよう制御して製造する。すなわち、本実施例3における振動伝達部材72は、その収音対象物(皮膚)3との界面における体積弾性率が1.9×109 Pa、マイクロホン素子2の振動膜5との界面における体積弾性率が5.8×109 Paであって、それらの界面の間の体積弾性率がY−Y’断面方向に2次曲線的な傾きをもって変化するものである。
ここで、振動伝達部材72の内部には気泡を発生させないようにすることが必須である。その理由についてこれより述べる。
図8は、図1に示す接触式マイクロホンの振動伝達部材の内部に気泡が入った状態を示す図である。振動伝達部材72の内部には気泡70が入っており、皮膚などの収音対象物3からの伝導音4は、マイクロホン素子2の振動膜5に至る伝導路上にある気泡70により反射・減衰する。
図9は、図8に示す状態にある接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフである。(表1)によれば皮膚や肉などの軟部組織の音響インピーダンスは135×104kg/m2・sであり、一般的なプラスチック類は248×104kg/m2・sである。そして同じく(表1)によれば、空気の音響インピーダンスは415kg/m2・sであり、皮膚や肉などの軟部組織や一般的なプラスチック類と比較して4桁も小さい。これらの値を
2:軟部組織や一般的なプラスチック類の音響インピーダンス
1:空気の音響インピーダンス
として先の(式1)に代入すると、略100%に近い反射率になる。従って、気泡70が伝導音4のマイクロホン素子2への伝達路上に存在すると、気泡70と振動伝達部材72との界面において伝導音4の反射や減衰が発生し、伝導音4はマイクロホン素子2の振動膜5にはかすかな伝導音40しか伝わらず、殆ど伝達されないことになる。ゆえに、振動伝達部材72の内部には気泡70を発生させないようにすることが必須である。
そのために、本実施例3における図1の振動伝達部材72は、概ね以下のように形成される。振動伝達部材72の主成分は、分子の末端に(メタ)アクリル基を含有し、主鎖にいわゆる“ソフトセグメント”と呼ばれるウレタン結合あるいはシロキサン結合を分子内に有する反応性オリゴマーである。このような反応性オリゴマーを(メタ)アクリル基同士の光ラジカル重合反応により、瞬時に架橋構造を形成させる。そうすれば、常温下の紫外線照射などにより硬化させることができるため、振動伝達部材72の内部における気泡70の発生が抑えられる。そして、以上のような反応性オリゴマーを前駆体として、その架橋密度を図1のY−Y’方向に変化させれば、先の図7に示すように、収音対象物(皮膚)3とマイクロホン素子2の振動膜5との間の体積弾性率がY−Y’断面方向に2次曲線的な傾きをもって変化し、かつ気泡70の発生が抑えられた振動伝達部材72が得られる。
このような“ソフトセグメント”を分子内に有する反応性オリゴマーは、生体組織である柔らかい皮膚との音響インピーダンスのマッチングを達成するのが容易であり、さらにこれらオリゴマー同士の架橋密度を制御することによってマイクロホン素子2の振動膜5との音響インピーダンスもまたマッチングを図り易い。そしてこの反応性オリゴマーは、収音対象物がガラスなどのセラミックス30である場合にも、無機フィラーを分散させた硬化前の複合系前駆体とすることが容易であり、形状付与性に優れ、傾斜構造を作成する上で非常に有利である。
また、この反応性オリゴマーは、硬化反応時の体積減少に基づく硬化収縮や加熱・降温時に発生する被着体との線膨張係数差による熱応力が起因する接着面(この場合マイクロホン素子2の振動膜5)の残留応力を自らの分子鎖の緩和によって小さくする特長も有している。
この振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマー、すなわち硬化前の前駆体は、一般的に主成分(A)+体積弾性率制御成分(B)+粘度調整成分(C)+光重合開始剤(D)+重合制御剤(E)という構成になっている。それぞれの構成要素の例をこれより詳細に説明する。
まず、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの主成分(A)について説明する。主成分(A)としては、分子の末端に(メタ)アクリル基を含有し、主鎖にウレタン結合を有するオリゴマー(以下、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーと略す)が挙げられる。すなわち、一般式(化1)から(化7)で示されるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物を付加させて得られるオリゴマーが例として挙げられる。
Figure 2012015880
(式中、Xは脂肪族残基、脂環族残基、芳香族残基、−O−、−S(=O)2−、または−s−を表し、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは1〜21の数を表す)
Figure 2012015880
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、nは1〜21の数を表す)
Figure 2012015880
(式中、R’’は水素原子またはメチル基を表し、mは0〜10の数を表す)
Figure 2012015880
(式中、R’’は水素原子またはメチル基を表し、lは0〜10の数を表す)
Figure 2012015880
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)
Figure 2012015880
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)
Figure 2012015880
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表す)
かかる一般式(化1)で示されるヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば以下のものが挙げられる。
2,2−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、
ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]メタン、
ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]スルホン、
ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]エーテル、
4,4’−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]シクロヘキサン、
9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]フルオレン、
9,9−ビス[4−(3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]アントラキノン。
これらの(メタ)アクリレートは単独でもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
また、これと反応させるジイソシアネート化合物は、1分子中に2個のイソシアネート基を有するジイソシアネートであり、例えば以下のものが挙げられる。
テトラメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、
2,4−トリレンジイソシアネート、
4,4’−ジフエニルジイソシアネート、
1,5−ナフタレンジイソシアネート、
3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニレンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート。
これらのジイソシアネートは単独または2種以上を混合して使用することができる。そして、これらのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートとジイソシアネート化合物のウレタン反応から得られる主成分(A)としては、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。ジイソシアネートは、一般式(化1)から(化7)で示される(メタ)アクリレート1当量(モル)に対し0.5〜1当量使用して反応させたオリゴマーの方が好ましい。ジイソシアネートが0.5当量未満であると目的のオリゴマーが生成しない。また、1当量を超えるとオリゴマーの末端がNCO残基となり、これが加水分解することでオリゴマーの保存安定性が低下するので注意が必要である。
主鎖にシロキサン結合を有するオリゴマー(シリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーと略す)については、一般式(化8)で示されるシリコーン(メタ)アクリレートオリゴマーまたは一般式(化9)で示される篭型構造のメタクリル基を有するフェニルシルセスキオキサンオリゴマーが挙げられる。
Figure 2012015880
(式中、R1は炭素数1〜4のアルキレン基、R2はメチル基またはフェニル基を表し、R3は水素原子またはメチル基を表し、nは1〜20の数を表す)
Figure 2012015880
(式中、Phはフェニル基を表す)
次に、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの体積弾性率制御成分(B)について説明する。体積弾性率制御成分(B)としては、本発明の振動伝達部材の体積弾性率を制御するために、数平均分子量が1500以下で1分子中にアクリル基またはメタクリル基を3個以上有する多官能アクリレートを併用することができる。かかる多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば以下のものが挙げられる。
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、
ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート。
また、これらの多官能(メタ)アクリレートのアルキル変性(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性(メタ)アクリレートまたはプロピレンオキサイド変性(メタ)アクリレートや、上記以外の脂肪族ポリオールの(メタ)アクリレートなども、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの体積弾性率制御成分(B)として挙げられる。さらに、トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレートなども、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの体積弾性率制御成分(B)として挙げられる。これらの多官能(メタ)アクリレートは単独でもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
さらに、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの粘度制御成分(C)について説明する。粘度制御成分(C)は反応性オリゴマーの粘度を制御するためのもので、他の(メタ)アクリレートを使用することができ反応性希釈剤と呼ばれることもある成分である。かかる(メタ)アクリレートとしては、例えば以下のものが挙げられる。
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,3−プロピレンジオール(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレート、
1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、
N−ビニル−2−ピロリドン、
テトラヒドロフルフリール(メタ)アクリレート、
N−ビニルカプロラクタム。
これらの粘度制御成分(C)は単独でもよいし2種以上を混合して使用してもよい。
そして、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの光重合開始剤(D)については以下の通りである。本実施例3の振動伝達部材72の生成においては、熱および/または紫外線を照射し光硬化反応を利用し、光重合開始剤(D)を用いることができる。かかる光重合開始剤としては、例えば以下のものが挙げられる。
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
アセトフェノン、ベンゾフェノン、
キサントン、
3−メチルアセトフェノン、
4−クロロベンゾフェノン、
4,4’−ジメトキシベゾフェノン、
N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
ベンゾインプロピルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、
その他チオキサントン系化合物。
またさらに、本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの重合制御剤(E)については以下の通りとなっている。本実施例3の振動伝達部材72の生成においては上記の光重合開始剤(D)とともに各種重合制御剤(E)を併用してもいい。例えば光重合開始剤(D)の効率を上げるために、酸素抑制剤や3級アミンなどのいわゆる増感助剤を重合制御剤(E)として、本実施例3の反応性オリゴマーに加えることができる。増感助剤としての3級アミンとしては脂肪族、芳香族の各種3級アミンが使用可能であり、N−ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、トリエチルアミン、P−ジメチルアミノ安息香酸エチルが挙げられる。また、酸素抑制剤としては 2−エチルヘキシル−P−ジメチルが例示される。
なお、本発明の制御する体積弾性率の値に応じて、本発明の目的を損なわない限りにおいて、種々の物質や化合物を本実施例3の反応性オリゴマーに添加して硬化させることができる。これらの添加物の一例としては、例えば熱重合防止剤としてのハイドロキノン、P−メトキシフェノールなどが挙げられる。また着色顔料としては、例えばフタロシアニン銅、フタロシアニングリーン、ジメチルキナクリドン、チタンホワイトなどが挙げられる。さらに増粘剤としては、例えばアルミナ、ジルコニア、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、クレー、コロイダルシリカなどが挙げられる。これら各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤などを本実施例3の反応性オリゴマーに添加しても構わない。
以上、本実施例3の反応性オリゴマーについて一通りの説明を終えたところで、これらの反応性オリゴマーを有する前駆体を利用し、架橋密度を変化させることで、図7のグラフに示すような音響インピーダンスZおよび体積弾性率kの特性を有する振動伝達部材72を作成する方法についてこれより説明する。
第一の方法は以下の通りである。すなわちまず、(手順1−1)光照射により光ラジカル重合反応を行わせ仮硬化を行う。次に、(手順1−2)分子内に少なくとも2官能以上の反応性官能基を有する低分子架橋剤を所定の時間、拡散させる。最後に、(手順1−3)手順1−1に示す光ラジカル重合後、未反応として残存している低分子架橋剤の反応基に対して、光または熱処理により、さらなる橋架け反応を行わせる。
この第一の方法において用いられる低分子架橋剤としては、先の体積弾性率制御成分(B)の説明においても述べたような、数平均分子量が1500以下で1分子中にアクリル基またはメタクリル基を3個以上有する多官能アクリレートが挙げられる。または先の粘度制御成分(C)の説明においても述べた(メタ)アクリレートもこの第一の方法において用いられる低分子架橋剤として使用することができる。傾斜させるための推進力としては拡散律速法を用いる。所定時間拡散させ膨潤させる低分子架橋剤は単独でもよく、2成分以上混合したものでもいい。
また、この第一の方法において用いられる非重合性希釈剤(溶剤)として例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセルソルブアセテート、エチルセルソルブアセテート、イソプロピルアルコール、トルエン、キシレンなどの溶剤に前記低分子架橋剤を溶解させたものを用いてもいい。
次に、本実施例3の反応性オリゴマーを有する前駆体を利用し、架橋密度を変化させる第二の方法としては、以下のような手順が考えられる。すなわち、(手順2−1)光重合開始剤またはラジカル連鎖移動剤、重合禁止剤、光吸収剤の内少なくとも1つを均一に含んだ前駆体に光を照射して光ラジカル重合反応を行わせる。この時、(手順2−2)ランベルト・ベール則により、前駆体の光照射側にある表面の照射光量が大きくなり、厚み方向に向かうに伴って、光重合開始剤またはラジカル連鎖移動剤、重合禁止剤、光吸収剤による光吸収に基づき、照射光量は小さくなる。ゆえに、自ずと図1および図7の厚み方向、すなわちY−Y’方向において光照射量を変化させて硬化させることになる。照射光量と体積弾性率の関係を示すグラフを図10に示す。
この第二の方法における光重合開始剤としては、前記光重合開始剤(D)を用いることができる。例えば以下のものが挙げられる。
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
アセトフェノン、
ベンゾフェノン、
キサントン、
3−メチルアセトフェノン、
4−クロロベンゾフェノン、
4,4’−ジメトキシベゾフェノン、
N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、
ベンゾインプロピルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、
その他チオキサントン系化合物。
また、この第二の方法におけるラジカル連鎖移動剤としてはチオール誘導体、重合禁止剤としてはハイドロキノン誘導体やP−メトキシフェノールなどが挙げられ、光吸収剤すなわち紫外線(光)吸収体としてはベンゾトリアゾール誘導体などが挙げられる。これらの添加剤は、濃度的に高い部分の方が、一般的に重合分子量と架橋密度が低下する傾向にあり、体積弾性率が低い部分として硬化物中で制御される。
本実施例3の振動伝達部材72の生成に用いられる反応性オリゴマーの生成方法については以上に述べる通りであり、このような反応性オリゴマーからなるシートが作成される。その後は先の実施例1における図4と同様の方法を用いて、先に述べた反応性オリゴマーからなるシート720を個片化した個片72aが加熱硬化によりマイクロホン素子2振動膜5と制振部材8に接着固定され、図1に示す接触式マイクロホン1が完成する。但し、実施例1における図4のポリウレタンシート700、個片7a、接着剤7bは、それぞれ本実施例3における反応性オリゴマーからなるシート720、個片72a、接着剤72bとなる。
これに加えて、前駆体の架橋密度を変化させるために先に述べた第二の方法をとる場合には、シート720の配置に気を付ける必要がある。すなわち、シート720の体積弾性率は光照射側のほうが高くなっているので、図4においてはシート720の光照射側にあった表面を下にして個片72aを生成する。
このようにして、図7または図10に示すように、振動伝達部材72の音響インピーダンスの値がその厚み方向に略2次的に増加して傾斜し、収音特性に優れた接触式マイクロホンが得られる。
以上のように本実施例3によれば、上記の構成により特に2kHz付近から上の高周波域において話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音の反射・減衰が低減され、非可聴な音を皮膚などの収音対象物から収音し易くすることができる。
図11は、本実施例4における接触式マイクロホンの基本構造を示す側断面図である。本実施例4における接触式マイクロホンの構成は、先の実施例1における図1とは振動伝達部材の構成が異なる。すなわち、振動伝達部材73の音響インピーダンスが接触式マイクロホン1の厚み方向、すなわちY−Y’方向に段階的に傾斜した構成を有している。そのため、図11に示すように、振動伝達部材73の体積弾性率と密度を階段状に変化させている。その他の構成については、先の実施例1における図1と基本的に同様である。
本実施例4における振動伝達部材73は、少なくとも2種類以上のモノマーやオリゴマーより成る異なる組成の前駆体を用いて成膜と硬化の繰り返しにより、積層して製造する。そして、振動伝達部材73の各層の体積弾性率と密度はそれぞれ少しずつ異なっている。
図12は、図11に示す接触式マイクロホンのY−Y’断面における音響インピーダンスと体積弾性率を示すグラフである。先の実施例1と同様に、(表1)によれば、図12に示す振動伝達部材73は、その音響インピーダンスZが収音対象物(皮膚)3との界面においてZs=135×104kg/m2・sであり、マイクロホン素子2の振動膜5との界面においてZe=248×104kg/m2・sである。また、収音対象物(皮膚)3との界面からマイクロホン素子2振動膜5との界面までの振動伝達部材の厚みは1〜10mm程度であり、マイクロホンの低背化や振動の伝導損失の観点より5mm以下が好ましい。本実施例4においては、振動伝達部材73の厚みを5mmとする。そして、収音対象物(皮膚)3との界面と振動膜5との界面の間の音響インピーダンスZは、Y−Y’断面方向に階段状の傾きを有して変化させなければならない。
以上に示す音響インピーダンスZを持った振動伝達部材73を得るために、その体積弾性率を以下に述べる仕様となるよう制御して製造する。すなわち、本実施例4における振動伝達部材73は、その収音対象物(皮膚)3との界面における体積弾性率が1.9×109 Pa、マイクロホン素子2の振動膜5との界面における体積弾性率が5.8×109 Paであって、それらの界面の間の体積弾性率がY−Y’断面方向に階段状の傾きをもって変化するものである。
当然のことながら、振動伝達部材73の各層の体積弾性率および密度の差が小さければ小さいほど、それらの段階的な変化が連続的な1次直線や2次曲線上に近似されるため、本実施例4における接触式マイクロホン1の収音特性は好ましい方向に向かう。一般的な湿式コーティングなどによって作成し易い振動伝達部材73の各層の厚みは、およそ数十μから1mmの間である。先ほども述べたように、振動伝達部材の総厚は1〜10mm(望ましくは5mm以下)であるので、振動伝達部材73の層数は計算上、2〜1000層ということになる。
しかしながら製造の容易さやコストを鑑みる時、振動伝達部材73をあまりにも多くの層を用いて形成することは、製造プロセス上あるいはコスト的に現実的ではない。従って本実施例4においては、振動伝達部材73の層数を、コスト的に現実的な10層としている。本実施例4においては、振動伝達部材73の厚さを5mmとしているので、1つの層の厚さは平均して0.5mmということになる。そして、各層の間の界面における体積弾性率と密度の差の平均は、音響インピーダンスで約10×104kg/m2・s、体積弾性率で2.3×108Paということになる。
図13は、本実施例4における振動伝達部材73の製造工程を示す図である。まず図13(a)において、ロールコーター11の2つのロール11aおよび11bに張力をかけつつ、ロール11aに対しては前駆体15を塗布しながら、ロール・ツー・ロールで離型シート10を搬送する。ここで離型シート10は、シリコーン、テフロン(登録商標)、ガラス、鋼製などからなる基板である。また、前駆体15については、先の実施例3においても述べたように、主成分として分子内に(メタ)アクリル基を含有し、主鎖にいわゆる“ソフトセグメント”と呼ばれるウレタン結合あるいはシロキサン結合を有する反応性オリゴマーである。そしてこの前駆体15が、後に図11に示す振動伝達部材73の一部を構成するものとなる。
図13(a)の前駆体15が離型シート10の両面に均一に転写され、離型シート10の両面に前駆体層15aが形成されると、この前駆体層15aに対して、紫外線露光機12により365nmを中心波長とする紫外線を100mj/cm2の光量で5秒間照射することで、光硬化による仮硬化が行われる。
このような図13(a)に示す工程は、図11に示す振動伝達部材73を形成するのに必要な層の回数だけ繰り返される。本実施例4において図11に示す振動伝達部材73が10層なので、図13(a)に示す工程は10回行われる。その結果、図13(b)に示すように、10層の前駆体層からなる多重前駆体層15zが離型シート10の両面に形成される。
この時、図11に示す振動伝達部材73を構成する各層が段階的に異なる体積弾性率となるようにしたいので、その元となる図13(b)の多重前駆体層15zの各層も、段階的に異なる組成で形成されなければならない。そのための制御すべきパラメータとしては、実施例1においても述べたように、反応性前駆体としての(メタ)アクリルオリゴマーの架橋密度を制御する因子である架橋点の数や、架橋点間分子量を決定する(メタ)アクリル当量、オリゴマー骨格内のハードセグメントやソフトセグメントの繰り返し分子量が挙げられる。
以上のようにして形成された図13(b)の多重前駆体層15zは、図13(c)に示すように離型シート10の両面に形成されたままの状態で、ホットプレス機13の加圧・加熱により本硬化が行われる。本硬化の条件は、温度=150℃前後、圧力=1kg/cm2である。その結果、離型シート10の両面に形成された多重前駆体層15zはモノリシックな積層体15vとなり、離型シート10より離型される。
このホットプレス機13による本硬化反応を行うことによって、図13(b)の多重前駆体層15zには未反応オリゴマーの拡散と反応が発生する。その結果、多重前駆体層15zの各層の界面における音響インピーダンスZおよび体積弾性率kの矩形的な変化がよりなだらかになり、例えば先の実施例1における図4に示す1次直線的な変化へと近づけることが可能となる。また、多重前駆体層15zの各層の厚みを一定とはせずに段階的に変えることで、その音響インピーダンスZおよび体積弾性率kを、例えば図7に示す2次曲線的な変化へと近づけることも可能である。
この後は、図14に示すように積層体15vより多数の個片73aに加工し、その個片73aを、マイクロホン素子2の振動膜5および制振部材8に設けられた格納部8aの内壁に接着剤73bを用いて接着すれば、先の図11に示す接触式マイクロホン1が完成する。この図14に示す工程の詳細は、先の実施例1の図4において既に述べたものと同様である。すなわち図4に関する先の実施例1における説明において、振動伝達部材7、個片7a、接着剤7b、ポリウレタンシート700を、それぞれ振動伝達部材73、個片73a、接着剤73b、積層体15vに読み替えればよい。
このようにして、振動伝達部材73の音響インピーダンスの値がその厚み方向に段階的に傾斜し、収音特性に優れた接触式マイクロホンが得られる。
以上のように本実施例4によれば、上記の構成により特に2kHz付近から上の高周波域において話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音の反射・減衰が低減され、非可聴な音を皮膚などの収音対象物から収音し易くすることができる。
本実施例5の接触式マイクロホンの基本構造は図15に示す通りであり、先の実施例4における図11と基本的に同様である。但し、本実施例5における振動伝達部材74は実施例4におけるそれとは異なり、5層の積層ウレタンエラストマーシートからなる。その振動伝達部材74は、図16に示すように、音響インピーダンスおよび体積弾性率を厚み方向、すなわちY−Y’方向に段階的に傾斜させた構成を有している。そしてそれは、積層ウレタンエラストマーシートの各層のゴム硬度を変化させ体積弾性率を制御し、段階的に音響インピーダンスを傾斜変化させることにより得られる。その製造方法の詳細についてこれより説明する。
まず、(株)エクシールコーポレーション社製ウレタン系超軟質ゲルシートF(品番H0−1厚さ1mm、アスカー硬度C=0)に対して、それと同じ硬度を有する人肌のゲル原液(品番0−100)を塗布する。次に、そのゲル原液が塗布されたシートFと、これらよりも大きな硬度を有する超軟質ゲルシートG(品番H5−5厚さ5.5mm、アスカー硬度C=5)を貼り合わせる。そして、その貼り合わせられた2層の積層シートF+Gを乾燥炉に入れて、温度=100℃・加圧=1kg/cm2の条件下で1時間、加熱硬化させる。さらに、この2層の積層シートF+Gに対して、シートGと同じ硬度を有する人肌のゲル原液(品番5−100、アスカー硬度C=5)をシートG側の露出面に塗布する。そして、これらよりもさらに大きな硬度を有するハイパーゲルシートH(品番1510、厚さ1mm、アスカー硬度C=15)を貼り合わせて先ほどと同様に加圧・加熱硬化させる。このようにして3層の積層シートF+G+Hが形成される。
以下同様の手順により、人肌のゲル原液を用いて残り2つのシートKおよびLが3層の積層シートF+G+Hに貼り合わせられる。すなわち以下の順である。
・シートHと同じ硬度を有するゲル原液(品番15−100)の塗布、
・シートHよりもさらに大きな硬度を有するハイパーゲルシートK(品番3010、厚さ1mm、アスカー硬度C=30)の貼り合わせ、シートKと同じ硬度を有するゲル原液(品番30−100)の塗布、
Kよりも硬度が大きいハイパーゲルシートL(品番5010、厚さ1mm、アスカー硬度C=50)の貼り合わせ。
このようにして、5層構造の積層ウレタンエラストマーシートF+G+H+K+Lが形成される。
この後の工程については先の実施例1における図4と同様である。すなわち図4に関する先の実施例1における説明において、振動伝達部材7、個片7a、接着剤7b、ポリウレタンシート700を、それぞれ振動伝達部材74、個片74a、接着剤74b、5層構造の積層ウレタンエラストマーシートF+G+H+K+Lに読み替えればよい。
以上のように本実施例5によれば、上記の構成により特に2kHz付近から上の高周波域において話者のつぶやき伝導音などのような非可聴な音の反射・減衰が低減され、非可聴な音を皮膚などの収音対象物から収音し易くすることができる。
このようにして周波数特性および感度の向上が図れた接触式マイクロホンは、一般的に抑揚がなく不明瞭でこもった音となりがちな話者の非可聴なつぶやき音を高周波域の損失(第三および第四フォルマントの損失)がなく、採取することが可能になり、音声入力・音声認識や無音声電話へ応用することにより、内容秘匿と同時に非常に明瞭な音声・音質によるコミュニケーションの実現が可能となる。医学用途として患者の体内伝導音である脈拍や心臓音を精度よくモニタリングすることが可能となる。また、床や窓ガラスや壁に設置することで歩行紋や声による話者・顧客認識、予期しない物音の非音声音認識(風の音なのか小動物の音なのかなどの認識)に用いることが可能となる。
1 接触式マイクロホン
2 マイクロホン素子
3 収音対象物(皮膚)
4,40 伝導音
5 振動膜
6 導線
7,71,72,73,74 振動伝達部材
7a,71a,72a,73a,74a 個片
7b,71b,72b,73b,74b 接着剤
8 制振部材
8a 格納部
9 カバー部材
10 離型シート
11 ロールコーター
12 UV露光機
13 ホットプレス機
14 トムソン式切削機
15 前駆体
15a 前駆体層
15z 多重前駆体層
15v モノリシックな積層体
31 収音対象物(皮膚、ガラスなど)
70 気泡
700 ポリウレタンシート
701 ポリウレタンシートの上面
702 ポリウレタンシートの底面
703 ハードセグメントの核からなる球晶
704 ソフトセグメントのマトリックス
710 複合材シート
711 複合材シートの上面
712 複合材シートの底面
713 無機フィラー
714 マトリクスオリゴマー硬化体
F+G+H+K+L 5層構造の積層ウレタンエラストマーシート

Claims (2)

  1. 収音部に振動膜を有するマイクロホン素子と、前記マイクロホン素子を内包またはそれと接する振動伝達部材とを有し、前記振動伝達部材は、第一の接触面において前記振動膜と接し第二の接触面において収音対象物と接し、前記第一の接触面近傍において前記振動膜と略同一である第一の音響インピーダンスを有し、前記第二の接触面近傍において収音対象物と略同一である第二の音響インピーダンスを有し、前記第一の接触面と前記第二の接触面との間において、前記第一の音響インピーダンスから前記第二の音響インピーダンスへと連続的または段階的に異なる音響インピーダンスを有することを特徴とする接触式マイクロホン。
  2. 前記振動伝達部材が主成分として分子の末端に(メタ)アクリル基を含有し、主鎖にウレタン結合あるいはシロキサン結合を有するオリゴマーの架橋構造を形成したことを特徴とする請求項1に記載の接触式マイクロホン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016165895A (ja) * 2015-03-04 2016-09-15 株式会社東芝 傾斜機能材料の製造方法

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