JP2012014071A - アレイ導波路回折格子型光合分波器 - Google Patents

アレイ導波路回折格子型光合分波器 Download PDF

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Abstract

【課題】複数のアレイ導波路回折格子を有していてもパッケージサイズを縮小できるアレイ導波路回折格子型光合分波器の提供。
【解決手段】基板上に、第1導波路20、第1スラブ導波路22、アレイ導波路28、第2スラブ導波路26、および第2導波路24を有するアレイ導波路回折格子14が複数設けられ、かつ、前記第1スラブ導波路22または前記第2スラブ導波路26において第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bに分割された導波路チップ16と、温度変化に応じて伸縮することにより、第1の導波路チップと第2の導波路チップを相対移動させてアレイ導波路回折格子14の光透過中心波長の温度依存性シフトを補償する補償部材18を備える。導波路チップは、アレイ導波路28の湾曲方向に沿って湾曲した形状を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、異なる波長の光をひとつにまとめたり、波長毎に分離したりする波長合分波器の機能を有するアレイ導波路回折格子型光合分波器に関し、特にアサーマル化(温度無依存化)を図ったアレイ導波路回折格子型光合分波器に関する。
波長合分波器(合波/分波)として重要な役割を担うアレイ導波路回折格子(AWG(Arrayed Waveguide Grating))では、石英系ガラスにおける光の屈折率に温度依存性があるため、中心波長(透過中心波長)にも温度依存性が生じる。
石英系ガラスで作製されたAWGの中心波長の温度依存性は、0.011nm/℃であり、D−WDM(Dense−Wavelength Division Multiplexing)伝送システムで使用するためには、無視できない大きな値となっている。
そのため、近年、多様化が進むD−WDM伝送システムにおいて、AWGは、電源を必要としないアサーマル化(温度無依存化)が強く求められている。
従来、補償板を用いてアサーマル化を図ったアレイ導波路回折格子型光合分波器(アサーマルAWGモジュール)が特許文献1に記載されている(図17参照)。図17に示すアレイ導波路回折格子型光合分波器100は、導波路チップ114に形成された第1導波路102と、第1導波路102に接続された第1スラブ導波路104と、第2導波路106と、第2導波路106に接続された第2スラブ導波路108と、第1スラブ導波路104と第2スラブ導波路108を接続するアレイ導波路110を備えている。
このアレイ導波路回折格子型光合分波器100は、第1スラブ導波路104部分で2つに切断され、第1スラブ導波路104の一部104Aを含む入力側部分116と、第1スラブ導波路104の他部104Bを含む出力側部分118に分割されている。
そして、この入力側部分116と出力側部分118が補償板112で接続されている。この構成により、温度が変化することで補償板112が伸縮して第1スラブ導波路104の一部104Aを移動させることで、温度変化によってシフトした波長を是正することができる。
この構成により、温度が変化しても、第2導波路106へ入力された光と同一の波長の光を第1導波路102から取り出すことができるようになっている。
特許第3764195号公報
通常、波長合分波器は、1つのパッケージ内に合波用のAWGと分波用のAWGの2つのAGWを収納している。近年の波長合分波器の高機能化に伴い、パッケージ内に入れる部品点数は多くなる傾向にあり、パッケージが大きくなってしまう問題がある。
たとえば、特許文献1に記載のアレイ導波路回折格子を複数個、1つのパッケージに収納しようとすると、パッケージのサイズが非常に大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、複数のアレイ導波路回折格子を1つのパッケージに収納した場合においてもパッケージサイズを小さく抑えることができるアレイ導波路回折格子型光合分波器の提供を目的とする。
請求項1に記載の発明は、基板上に、少なくとも1本の第1導波路と、前記第1導波路に接続された第1スラブ導波路と、前記第1スラブ導波路における第1導波路とは反対側に一端が接続されているとともに、互いに異なる長さを有し、同一方向に湾曲した複数のチャネル導波路を並設したアレイ導波路と、前記アレイ導波路の他端に接続された第2スラブ導波路と、前記第2スラブ導波路における前記アレイ導波路とは反対側に複数並設された状態で接続された第2導波路と、を有するアレイ導波路回折格子が複数並設され、かつ、前記第1スラブ導波路または前記第2スラブ導波路において第1の導波路チップと第2の導波路チップに分割された導波路チップと、温度変化に応じて伸縮することにより、前記第1の導波路チップと前記第2の導波路チップを相対移動させて前記アレイ導波路回折格子の光透過中心波長の温度依存性シフトを補償する補償部材と、を備え、 前記導波路チップは、前記アレイ導波路の湾曲方向に沿って湾曲した形状を有することを特徴とするアレイ導波路回折格子型光合分波器に関する。
請求項1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器は、導波路チップがアレイ導波路の湾曲方向に沿って湾曲した形状を有する基板上に形成されているので、
アレイ導波路回折格子を複数並設した場合に、互いに隣接する2つのアレイ導波路回折格子の間隔を縮小することができる。したがって、アレイ導波路回折格子型光合分波器のパッケージサイズを小さく抑えることができる。
請求項2に記載の発明は、前記第1の導波路チップが固定された第1の基台と、前記第1の基台と離れて設けられ、前記第2の導波路チップが固定された第2の基台と、をさらに備え、前記補償部材は、一側が前記第1の基台又は前記第1の導波路チップに固定され、他側が前記第2の基台に固定されていることを特徴とするアレイ導波路回折格子型光合分波器に関する。
請求項2に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器によれば、
複数の前記アレイ導波路回折格子に対して補償部材は1個でよいから、部品の共通化が容易であり、低コスト化が可能である上、アレイ導波路回折格子型光合分波器のパッケージサイズを小さく抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、前記第1の導波路チップおよび前記第2の導波路チップの一方が1枚の基板からなることを特徴とするアレイ導波路回折格子型光合分波器に関する。
請求項4に記載の発明は、前記第1の導波路チップおよび前記第2の導波路チップの何れもがそれぞれ1枚の基板からなることを特徴とするアレイ導波路回折格子型光合分波器に関する。
これらのアレイ導波路回折格子型光合分波器においては、複数のアレイ導波路回折格子を1つの切断線でそれぞれ2つに分割できる。
したがって、高い生産性で生産できる。
請求項5に記載の発明は、2つに分割されたアレイ導波路回折格子の分割部分がクリップで厚さ方向に挟持されていることを特徴とするアレイ導波路解析格子型光合分波器に関する。
請求項5に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器によれば、導波路チップが、2つに分割されたアレイ導波路回折格子の分割部分においてクリップで厚さ方向に挟持されているから、補償部材が伸縮することによって2つに分割されたアレイ導波路回折格子の一方と他方との間に厚さ方向のズレが生じることが防止される。
したがって、第1導波路または第2導波路から出力される光信号に混入するノイズを低減できる。
以上説明したように本発明によれば、複数のアレイ導波路回折格子を1つのパッケージに収納した場合においてもパッケージサイズを小さく抑えることができるアレイ導波路回折格子型光合分波器が提供される。
図1は、実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図2は、実施形態2に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図3は、実施形態3に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図4は、実施形態4に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図5は、実施形態5に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図6は、実施形態5に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器におけるクリップおよびその近傍をX−X方向に沿って厚さ方向に切断した断面を示す断面図である。 図7は、実施形態6に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図8は、実施形態7に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の構成を示す平面図および側面図である。 図9は、ウェハ上に複数のアレイ導波路回折格子を形成したところを示す説明図である。 図10は、複数のアレイ導波路回折格子を形成したウェハから個々の導波路チップを切り出すところを示す説明図である。 図11は、複数のアレイ導波路回折格子を形成したウェハから個々の導波路チップを切り出すところを示す説明図である。 図12は、複数のアレイ導波路回折格子を形成したウェハから個々の導波路チップを切り出すところを示す説明図である。 図13は、前記ウェハから切り出された個々の導波路チップの構成を示す平面図である。 図14は、前記ウェハから1枚の基板上に2個のアレイ導波路回折格子が存在する導波路チップを切り出した例を示す平面図である。 図15は、実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の温度特性の評価結果を示したグラフである。 図16は、実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の補償板の長さを決定するのに用いられるアレイ導波路回折格子の回路パラメータを示す表である。 図17は、従来のアレイ導波路回折格子型光合分波器の別の例について構成を示す平面図である。
1.実施形態1
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の一例について説明する。
実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器1の平面図を図1(A)に、側面図を図1(B)に示す。アレイ導波路回折格子型光合分波器1は、アレイ回折格子14が形成された導波路チップ16と、基台32、34と、補償部材18と、を備えている。
導波路チップ16は、シリコンから形成された基板12と、基板12上に形成された2個の互いに並設されたアレイ導波路回折格子14と、を有し、アレイ導波路回折格子14の輪郭に沿って曲線状に切断された略ブーメラン型の平面形状を有する。基板12は、アレイ導波路回折格子14の湾曲方向に沿って分割され、1つの基板12上に1つのアレイ導波路回折格子14が形成されている。それぞれのアレイ導波路回折格子14は、光信号が入力される少なくとも1本の第1導波路20と、第1導波路20の出力側に接続された第1スラブ導波路22と、第1スラブ導波路22の出力側に接続されているとともに、互いに異なる長さを有する複数のチャネル導波路28aを並設したアレイ導波路28と、アレイ導波路28の出力側に接続された第2スラブ導波路26と、第2スラブ導波路26の出力側に複数並設された状態で接続された第2導波路24とを備える。
なお、本実施形態例においては、アレイ導波路回折格子14の個数を2個とした例を示しているが、アレイ導波路回折格子14の個数は、これに限定されず、3個以上であってもよい。
なお、アレイ導波路回折格子14は、シリコン基板12上に、火炎堆積法(FHD法)、光ファバ製造技術、および半導体微細加工技術を組み合わせて形成されたコアとクラッドからなる光導波路からなる平面光波回路(PLC: Planar Lightwave Circuit)である。基板として、シリコン基板に代えて、石英基板を用いても良い。
各導波路チップ16において、第1スラブ導波路22は、第1スラブ導波路22の光軸に交差する垂直面である切断面30によって、基板12とともに分割されている。
すなわち、導波路チップ16は、切断面30によってそれぞれ第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに分割されている。また、各導波路チップ16において、第1スラブ導波路22は、切断面30によって第1の分離スラブ導波路22Aと第2の分離スラブ導波路22Bとの2つに分割されている。なお、各導波路チップ16の切断面30は、第1スラブ導波路22のほぼ同じ位置に形成されており、アレイ導波路回折格子14を2個並列させた場合は、それぞれの切断面30は同一直線状にない。
第1の分離スラブ導波路22Aは、2つに分割された第1スラブ導波路22のうちの第1導波路20が接続された側を指し、第2の分離スラブ導波路22Bは、アレイ導波路28が接続された側をいう。そして、第1の分離導波路チップ16Aは、2つに分割された導波路チップ16のうち、第1の分離スラブ導波路22Aを備える側であり、第2の分離導波路チップ16Bは、第2の分離スラブ導波路22Bを備える側をいう。
また、切断面30によって2つに分割された基板12のうち、第1の分離導波路チップ16Aが形成された側の基板を第1の基板12Aと呼び、第2の分離導波路チップ16Bが形成された側の基板を第2の基板12Bと呼ぶ。
導波路チップ16は、基台32、34に固定されており、第1の分離導波路チップ16Aは第1の基台の一例としての第1のガラス板32に、第2の分離導波路チップ16Bは第2の基台の一例としての第2のガラス板34にそれぞれ固定されている。なお、一方の導波路チップ16の切断面30は、第1のガラス板32と第2のガラス板34の分離位置に配置されるが、もう一方の導波路チップ16の切断面30は、第2のガラス板34に配置される。
また、基板12Aは、第1のガラス板32と接している部分において第1のガラス板32に接着、固定され、基板12Bは、第2のガラス板34と接している部分において第2のガラス板34に接着、固定されている。なお、基板12Aの第2のガラス板34と接している部分は接着、固定されていない。
ここで、第1のガラス板32および第2のガラス板34の何れも石英ガラス製であれば、紫外線が透過できることから第1の分離導波路チップ16Aと第1のガラス板32、および第2の分離導波路チップ16Bと第2のガラス板34との接着に紫外線硬化型接着剤が使用でき、好ましい。なお、第2の分離導波路チップ16Bのアレイ導波路28の部分は、第2のガラス板34に接着しないほうが好ましい。アレイ導波路28の部分を接着しない場合は、雰囲気温度が上下した際に、第2の分離導波路チップ16Bの線膨張係数と第2のガラス板34の線膨張係数との違いにより生じるアレイ導波路28への影響が抑えられ、クロストークを減少させることができる。
更に、導波路チップ16においては、アレイ導波路回折格子14のみが第1スラブ導波路22または第2スラブ導波路26の部分で切断面30により2つに切断され、第1スラブ導波路22と第2スラブ導波路26の相対位置の移動量が確保できれば、基板12は少なくとも1部において繋がっていてもよい。
さらに、アレイ導波路回折格子型光合分波器1には、第1のガラス板32と第2のガラス板34とを跨ぎ、一側が第1のガラス板32の上面に接着剤で固定され、他側が第2のガラス板32の上面に接着剤で固定される長方形状の補償部材18が設けられている。この補償部材18は、その長辺(長手方向)が切断面30の延在方向と平行になるように配置されている。なお、本実施形態では、補償部材18は、銅製或いは純アルミニウム(JIS:A1050)製の金属板とされている。図1(B)に示すように補償部材18の両端部には脚部18Aが突設しており、この脚部18Aが第1のガラス板32及び第2のガラス板34に接着剤で固定されている。これにより、第1のガラス板32及び第2のガラス板34と補償部材18との接着面積を一定にしている。
この補償部材18の長さは、下記の(式1)および図16に示すアレイ導波路回折格子14の回路パラメータにより算出しており、本実施形態では18mmである。
Figure 2012014071
この構成により、温度が変化すると第1スラブ導波路22による集光位置(第1スラブ導波路22の分離スラブ導波路22Aによる集光位置)はdx変化する。しかし、温度の変化により補償部材18がdx伸縮することで、第1のガラス板32と第2のガラス板34が切断面30に沿って相対移動する。これにより、分離スラブ導波路22Aも分離スラブ導波路22Bに対して切断面30に沿って相対移動する。これにより、第1スラブ導波路22の集光位置が是正される(dx−dx=0)。
各導波路チップ16において、第1導波路20には波長の異なる光信号を重ね合わせた波長多重光信号が入力され、または第1導波路20から波長多重信号が出力される。第1スラブ導波路22は、第1導波路20から入力された波長多重光信号を波長毎に分波する機能、およびアレイ導波路28を伝搬された異なる波長の光信号を合波する機能を有する。
アレイ導波路28は、光信号を波長毎に伝搬する機能を有し、第1導波路20に入力される波長多重光信号のチャネル数に応じた本数、例えば100本のチャネル導波路28aが所定のピッチdで設けられている。本実施形態においては、アレイ導波路28のピッチdは13.8μmとされているが、ピッチdはこの長さには限定されない。
また、各チャネル導波路28aには異なる波長の光信号が伝搬されるので、チャネル導波路28aは、それぞれ、伝搬される光の波長に対応して異なる長さを有している。隣り合う2つのチャネル導波路28aの長さは互いに設定量ΔLだけ異なっている。本実施形態においては、設定量ΔLは図16に示すように31.0μmと設定されている。
更に、チャネル導波路28aは、導波路チップ16の一方の側縁から他方の側縁に向かって長さの短いものから長いものの順に配置されているから、図1に示すようにアレイ導波路回折格子14全体が特定の方向に屈曲している。
第2導波路24は、第1導波路20に入力される波長多重光信号のチャネル数に応じた本数、言い換えればチャネル導波路28aと同一の本数だけ設けられている。
次に、アレイ導波路回折格子型光合分波器1の製造工程について説明する。
図9に示すように、所定個数のアレイ導波路回折格子14を1枚のシリコンシリコンウェハ11に凝縮して形成する。
次に、アレイ導波路回折格子14が形成されたシリコンウェハ11を、図10に示すように、レーザ加工機(例えばCOレーザ)を用いて切断線38に沿って曲線状に切断する。これにより、図13に示すように、基板12がブーメラン状の外形を有する導波路チップ16が所定個数得られる。
導波路チップ16を作製した後、導波路チップ16を、第1スラブ導波路22の光軸(中心線)に対して直交する方向に基板12とともに第1スラブ導波路22部分を切断し、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16B(図1参照)に2分割する。次に、このようにして作られた第1の分離導波路チップ16Aを第1のガラス板32に、第2の分離導波路チップ16Bを第2のガラス板34に接着、固定する。
最後に、補償部材18の長辺が切断面30の延在方向と平行になるように、補償部材18の一方の脚18Aを第1のガラス板32の上面に接着剤で固定し、他方の脚18Aを第2のガラス板32の上面に接着剤で固定する。ことのき、補償部材18をアレイ導波路回折格子14の中心波長がITU−Tグリットの波長に合うようにする。以上により、アレイ導波路回折格子型光合分波器1が製造される。
(作用・効果)
次に、アレイ導波路回折格子型光合分波器1の作用について説明する。
アレイ導波路回折格子型光合分波器1を合波(MUX)に用いる場合には、それぞれの導波路チップ16において、図1において矢印Aで示すように、波長の異なる複数の光信号(λ1〜λn)が各第2導波路24から個別に入力される。
入力された光信号(λ1〜λn)は、第2スラブ導波路26を通ってアレイ導波路回折格子14における各チャネル導波路28aに個別に入力される。
各チャネル導波路28aを伝搬された光信号(λ1〜λn)は、第1スラブ導波路22で合波され、図1において矢印Bで示すように第1導波路20から波長多重光信号として出力される。
ここで、温度が変化すると第1スラブ導波路22における集光位置(第1スラブ導波路22の第2の分離スラブ導波路22Bによる集光位置)は変化するが、補償部材18の伸縮によって第1の分離スラブ導波路22Aが分離スラブ導波路22Bに対して相対移動して集光位置が是正される。このため、温度が変化しても、第1導波路20から同一の波長の光信号を取り出すことができる。すなわち、アレイ導波路回折格子14においては、入力された複数の光信号(λ1〜λn)とそれぞれ同一の波長(λ1〜λn)を有する複数の光信号が多重された波長多重光信号が第1導波路20から出力される。
一方、アレイ導波路回折格子型光合分波器1を分波(DEMUX)に用いる場合には、それぞれの導波路チップ16において、図1において矢印Cで示すように、波長の異なる複数の光信号(λ1〜λn)が多重された波長多重光信号が第1導波路20から入力される。
入力された波長多重信号は、第1スラブ導波路22において、波長(λ1、λ2、λ3、・・・λn)を有するn個の光信号に分波され、各チャネル導波路28aに個別に入力される。
各チャネル導波路28aを個別に伝搬された光信号は、第2スラブ導波路26を通って図1において矢印Dで示すように各第2導波路24から個別に出力される。つまり、アレイ導波路回折格子14においては、波長の異なる複数の光信号(λ1〜λn)が多重された波長多重光信号が第1導波路20から入力され、波長毎に分波されて第2導波路24から出力される。
ここで、温度が変化すると第1スラブ導波路22の第1の分離スラブ導波路22Aにおける集光位置が変化するが、補償部材18の伸縮によって第1の分離スラブ導波路22Aが第2の分離スラブ導波路22Bに対して相対移動して集光位置が是正される。このため、温度が変化しても、第2導波路24からは同一の波長の光信号が取り出される。すなわち、入力された波長多重光信号中の各波長λ1〜λnと同一の波長の光信号が各第2導波路24から個別に出力される。
アレイ導波路回折格子型光合分波器1においては、補償部材18を第1のガラス板32と第2のガラス板34とに固定させるため、導波路チップ16には補償部材18の貼り付けスペースを考慮することなく、第1の分離導波路チップ16A及び第2の分離導波路チップ16Bの形状を決めることができる。
また、導波路チップ16は、全体としてアレイ導波路回折格子14の湾曲方向に沿って湾曲したブーメラン状の形状とされている。
したがって、互いに隣接する2つの導波路チップ16の間隔を縮小することにより、アレイ導波路回折格子型光合分波器1は、導波路チップ16を複数有するにも拘らず、導波路チップを1個のみ有するアレイ導波路回折格子型光合分波器とほぼ同一の面積内に形成できる。
故に、パッケージサイズを、小さく抑えることができる。
また導波路チップ16は何れも同一の構成とすることができるので、製造が容易であり、ロスのばらつきを抑えることができる。また、複数のアレイ導波路回折格子14に対して補償部材18は1個でよいから、部品の共通化が容易であり、コストメリットが出し易い。
また、一つのウェハ11上に形成された複数のアレイ導波路回折格子14を、レーザ加工機を用いて、各アレイ導波路回折格子14の輪郭に沿って曲線状に切断することで、導波路チップ16の外形を略ブーメラン状の形状とし、これにより、1枚のウェハ11当たりの導波路チップ16の取り数を導波路チップ16の外形が矩形型の場合よりも多くすることができる。
また、補償部材18をその長辺が切断面30の長手方向と平行になるように、第1のガラス板32と第2のガラス板34に固定することで、分離スラブ導波路22Aは分離スラブ導波路22Bに対して切断面30に沿って相対移動する。このように、分割された分離スラブ導波路22Aを分離スラブ導波路22Bに対して切断面30に沿って相対移動させることで、第1スラブ導波路22の集光位置を精度よく是正することができる。
また、導波路チップ16は、第1スラブ導波路22部分で光軸(中心線)に対して直交する方向に切断面30で切断されている。これにより、第1の分離導波路チップ16Aと第2導波路チップ16Bは光軸に対して直交する方向に相対移動するため、第1スラブ導波路22の集光位置を精度よく是正することができる。
また、導波路チップ16の外形をアレイ導波路回折格子14の湾曲に沿ったブーメラン形状にすることで、ダイシング装置を用いてカットする場合と比較し、チップにカットラインが残らないため、導波路チップ16の衝撃及び振動などに対する機械特性を向上させることができる。
2.実施形態2
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の別の例について説明する。
実施形態2に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器2の平面図を図2(A)に、側面図を図2(B)に示す。実施形態2に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器2は、実施形態1と同様にアレイ導波路回折格子14が2個並設されている。なお、アレイ導波路回折格子14の個数は2個には限定されず、3個以上であってもよい。
図2に示すように、導波路チップ16は、2個のアレイ導波路回折格子14における第1スラブ導波路22の部分において1つの切断面30で切断されて第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに分割されている。したがって、第1スラブ導波路22も切断面30によって第1の分離スラブ導波路22Aと第2の分離スラブ導波路22Bとに分離されている。実施形態1では2つの第1スラブ導波路22の分離面30が第1スラブ導波路22の同じ位置に形成されていたのに対して、実施形態2では異なる位置に形成されており、2つの第1スラブ導波路22の分離面30が同一直線上になるように配置されている。
第1の分離導波路チップ16Aにおいては、アレイ導波路回折格子14における第1導波路20と第1の分離スラブ導波路22Aとの部分が形成されている。そして、基板12Aはアレイ導波路回折格子14毎に2つに分割され、それぞれが第1のガラス板32に固定されている。
一方、第2の分離導波路チップ16Bには、アレイ導波路回折格子14の残りの部分、即ち第2の分離スラブ導波路22Bとアレイ導波路28と第2スラブ導波路26と第2導波路24とが形成されている。基板12Bは、2つのアレイ導波路回折格子14に対して1枚であり、ガラス板34に固定されている。
アレイ導波路回折格子型光合分波器2は、上記以外の点、具体的にはアレイ導波路回折格子14および補償部材18の構成などは実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器と同一である。
次に、アレイ導波路回折格子型光合分波器2の製造工程について説明する。
図9に示すように、所定個数のアレイ導波路回折格子14を1枚のシリコンシリコンウェハ11に凝縮して形成する。
次に、アレイ導波路回折格子14が形成されたウェハ11を、図11に示すように、レーザ加工機(例えばCOレーザ)を用い、切断線37に沿ってウェハ11を曲線状に切断する。
これにより、図14に示すように、基板12がアレイ導波路回折格子14の湾曲に沿ってブーメラン状に湾曲した外形を有するとともに、アレイ導波路回折格子14が2個並設された導波路チップ16が所定個数得られる。
導波路チップ16を作製した後、導波路チップ16を、図11に示すように、第1スラブ導波路22の光軸(中心線)に対して直交する方向に基板12とともに第1スラブ導波路22部分を切断し、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bに2分割する。
次に、図11に示すように、第1の分離導波路チップ16Aにおけるアレイ導波路回折格子14の間の部分を切断線39に沿って切断して基板12Aを2つに分割する。
そして、図2に示すように、第1の分離導波路チップ16Aを第1のガラス板32に、第2の分離導波路チップ16Bを第2のガラス板34に接着、固定する。
最後に、補償部材18の長辺が切断面30の延在方向と平行になるように、しかもアレイ導波路回折格子14の中心波長がITU−Tグリットの波長に合うように、補償部材18の一方の脚18Aを第1のガラス板32の上面に接着剤で固定し、他方の脚18Aを第2のガラス板32の上面に接着剤で固定する。以上により、アレイ導波路回折格子型光合分波器2が製造される。
3.実施形態3
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の更に別の例について説明する。
実施形態3に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器3の平面図を図3(A)に、側面図を図3(B)に示す。実施形態3に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器3は、実施形態1と同様に、アレイ導波路回折格子14が2個並設されている。なお、アレイ導波路回折格子14の個数は2個には限定されず、3個以上であってもよい。
図3に示すように、実施形態2と同様に導波路チップ16は、2個のアレイ導波路回折格子14における第1スラブ導波路22の部分において1つの切断面30で切断されて第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに分割されている。したがって、第1スラブ導波路22も切断面30によって第1の分離スラブ導波路22Aと第2の分離スラブ導波路22Bとに分離されている。
第1の分離導波路チップ16Aにおいては、アレイ導波路回折格子14における第1導波路20と第1の分離スラブ導波路22Aとの部分が形成されている。そして、基板12Aは2つのアレイ導波路回折格子14に対して1枚であって第1のガラス板32に固定されている。
一方、第2の分離導波路チップ16Bには、アレイ導波路回折格子14の残りの部分、即ち第2の分離スラブ導波路22Bとアレイ導波路28と第2スラブ導波路26と第2導波路24とが形成されている。そして、基板12Bは、アレイ導波路回折格子14ごとに分割されて2枚とされ、それぞれガラス板34に固定されている。
アレイ導波路回折格子型光合分波器3は、上記以外の点、具体的にはアレイ導波路回折格子14および補償部材18の構成などは実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器と同一である。
次に、アレイ導波路回折格子型光合分波器3の製造工程について説明する。
図9に示すように、所定個数のアレイ導波路回折格子14を1枚のシリコンシリコンウェハ11に凝縮して形成する。
次に、アレイ導波路回折格子14が形成されたウェハ11を、図12に示すように、レーザ加工機(例えばCOレーザ)を用い、切断線37に沿ってウェハ11を曲線状に切断する。
これにより、図14に示すように、基板12がアレイ導波路回折格子14の湾曲に沿ってブーメラン状に湾曲した外形を有するとともに、アレイ導波路回折格子14が2個並設された導波路チップ16が所定個数得られる。
導波路チップ16を作製した後、導波路チップ16を、図12に示すように、第1スラブ導波路22の光軸(中心線)に対して直交する方向に基板12とともに第1スラブ導波路22部分を切断し、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに2分割する。
次に、図12に示すように、第2の分離導波路チップ16Bにおけるアレイ導波路回折格子14の間の部分を切断線40に沿って切断して基板12Bを2つに分割する。
そして、図3に示すように第1の分離導波路チップ16Aを第1のガラス板32に、第2の分離導波路チップ16Bを第2のガラス板34に接着、固定する。
最後に、補償部材18の長辺が切断面30の延在方向と平行になるように、しかもアレイ導波路回折格子14の中心波長がITU−Tグリットの波長に合うように、補償部材18の一方の脚18Aを第1のガラス板32の上面に接着剤で固定し、他方の脚18Aを第2のガラス板32の上面に接着剤で固定する。以上により、アレイ導波路回折格子型光合分波器3が製造される。
4.実施形態4
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の更に別の例について説明する。
実施形態4に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器4の平面図を図4(A)に、側面図を図4(B)に示す。実施形態4に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器4は、実施形態1と同様に、アレイ導波路回折格子14が2個並設されている。なお、アレイ導波路回折格子14の個数は2個には限定されず、3個以上であってもよい。
図4に示すように、実施形態2と同様に、導波路チップ16は、2個のアレイ導波路回折格子14における第1スラブ導波路22の部分において1つの切断面30で切断されて第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに分割されている。したがって、第1スラブ導波路22も切断面30によって第1の分離スラブ導波路22Aと第2の分離スラブ導波路22Bとに分離されている。
第1の分離導波路チップ16Aにおいては、アレイ導波路回折格子14における第1導波路20と第1の分離スラブ導波路22Aとの部分が形成されている。そして、基板12Aは2つのアレイ導波路回折格子14に対して1枚であって第1のガラス板32に固定されている。
一方、第2の分離導波路チップ16Bには、アレイ導波路回折格子14の残りの部分、即ち第2の分離スラブ導波路22Bとアレイ導波路28と第2スラブ導波路26と第2導波路24とが形成されている。基板12Bは、第1の分離導波路チップ16Aと同様に2つのアレイ導波路回折格子14に対して1枚であって第2のガラス板34に固定されている。
アレイ導波路回折格子型光合分波器2は、上記以外の点、具体的にはアレイ導波路回折格子14および補償部材18の構成などは実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器と同一である。
次に、アレイ導波路回折格子型光合分波器4の製造工程について説明する。
図9に示すように、所定個数のアレイ導波路回折格子14を1枚のシリコンシリコンウェハ11に凝縮して形成する。
次に、アレイ導波路回折格子14が形成されたウェハ11を、図11または図12に示すように、レーザ加工機(例えばCOレーザ)を用い、切断線37に沿ってウェハ11を曲線状に切断する。
これにより、図14に示すように、基板12がアレイ導波路回折格子14の湾曲に沿ってブーメラン状に湾曲した外形を有するとともに、アレイ導波路回折格子14が2個並設された導波路チップ16が所定個数得られる。
導波路チップ16を作製した後、導波路チップ16を、図11または図12に示すように、第1スラブ導波路22の光軸(中心線)に対して直交する方向に基板12とともに第1スラブ導波路22部分を切断し、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに2分割する。
次に、第1の分離導波路チップ16Aを第1のガラス板32に、第2の分離導波路チップ16Bを第2のガラス板34に接着、固定する。
最後に、補償部材18の長辺が切断面30の延在方向と平行になるように、しかもアレイ導波路回折格子14の中心波長がITU−Tグリットの波長に合うように、補償部材18の一方の脚18Aを第1のガラス板32の上面に接着剤で固定し、他方の脚18Aを第2のガラス板32の上面に接着剤で固定する。以上により、アレイ導波路回折格子型光合分波器1が製造される。
実施形態2〜4のアレイ導波路回折格子型光合分波器2〜4は、実施形態1のアレイ導波路回折格子型光合分波器の有する特長に加えて更に以下の特長を有する。
即ち、実施形態2〜4のアレイ導波路回折格子型光合分波器2〜4においては、導波路チップ16における第1スラブ導波路22が形成された部分を第1スラブ導波路22の光軸に交差する1の切断面30に沿って切断することにより、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとに分割している。したがって、一度の切断操作で複数のアレイ導波路回折格子14の分割操作を行うことができる。
したがって、実施形態2〜4のアレイ導波路回折格子型光合分波器2〜4は、高い生産性で生産できる。
5.実施形態5
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の更に別の例について説明する。
実施形態5に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器5の平面図を図5(A)に、側面図を図5(B)に示す。また、図6に、切断面30に沿って厚さ方向に切断した断面(図5のX−X断面)を示す。実施形態5に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器5は、図6に示すように導波路チップ16の切断面30で切断された部分、即ち第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとの切断面30の近傍部分が、両面から当て板15の間に挟まれ、当て板15の上からクリップ17によって挟持されている。
当て板15の中央部には、図6に示すように、第1スラブ導波路22の光軸に沿って溝15Aが形成されている。
一方、クリップ17は、略コの字型の断面を有し、相対向するように内側に屈曲された開口側端部17Aと、開口側端部17Aを互いに近接する方向に付勢するバネ部17Bとを備えている。
クリップ17における開口側端部17Aの末端は、当て板15に形成された溝15Aに係合するように形成されている。
第1のガラス板32および第2のガラス板34には、それぞれ突出部33および突出部35が形成され、突出部33と第1のガラス板32の残余の部分と突出部34と第2のガラス板34の残余の部分とによって矩形状の開口部19が形成されている。当て板15およびクリップ17は、開口部19によって位置決めされている。第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとは、第1のガラス板32および第2のガラス板34との何れも介さずに、当て板15およびクリップ17によって挟持されている。
また、第2のガラス板34はアレイ導波路28の下面部分がV字状に切りかかれている。すなわち、アレイ導波路28の部分は、第1のガラス板32および第2のガラス板34の何れにも固定されていない。
以上の点を除いてアレイ導波路回折格子型光合分波器5は、実施形態2のアレイ導波路回折格子型光合分波器2と同様の構成を有する。
アレイ導波路回折格子側光合分波器5は、実施形態2に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器1の特長に加え、以下の特長を有する。即ち、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとが、分割面30、即ち両者の境界部において当て板15とクリップ17とで厚さ方向に挟持されているから、補償部材18が伸縮することによって第1の分離導波路チップ16Aが第2の分離導波路チップ16Bに対して相対移動する際に第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bとの間に厚さ方向のズレが生じることが防止される。
また、このように導波路チップ16のアレイ導波路28が形成されている部分を第1のガラス板32および第2のガラス板34の何れにも接着、固定しないことにより、第2の分離導波路チップ16Bの線膨張係数と第2のガラス板34の線膨張係数との違いにより生じるアレイ導波路28への影響が抑えられ、温度が変化しても低いノイズレベルが安定して得られるアレイ導波路回折格子型光合分波器とすることができる。
6.実施形態6
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の更に別の例について説明する。
実施形態6に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器6の平面図を図7(A)に、側面図を図7(B)に示す。実施形態6に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器6は、図7(A)および図7(B)に示すように、実施形態1のアレイ導波路回折格子型光合分波器において第1のガラス板32および第2のガラス板34が2本の第2の分離導波路チップ16Bのアレイ導波路28が形成されている部分を避けるように切り欠かれた形態を有する。実施形態6に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器6は、上記の点を除いては実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器と同様の構成を有している。
アレイ導波路回折格子型光合分波器6においては、第1のガラス板32および第2のガラス板34は、上述のように第2の分離導波路チップ16Bのアレイ導波路28が形成されている部分を避けるように切り欠かれているから、もアレイ導波路28は、温度が変化しても第2のガラス板34の熱膨張、熱収縮の影響を受けることがない。したがって、温度が変化しても低いノイズレベルが安定して得られるアレイ導波路回折格子型光合分波器とすることができる。
7.実施形態7
以下、本発明に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器の更に別の例について説明する。
実施形態7に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器7の平面図を図8(A)に、側面図を図8(B)に示す。実施形態7に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器7は、図8(A)および図8(B)に示すように、実施形態1のアレイ導波路回折格子型光合分波器において第1のガラス板32と第2のガラス板34とを分離する切断線が、2本の導波路チップ16に形成された切断面30のちょうど下側に位置するようにジグザグ状に形成された形態を有する。実施形態7に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器7は、上記の点を除いては実施形態1に係るアレイ導波路回折格子型光合分波器と同様の構成を有している。
アレイ導波路回折格子型光合分波器7においては、上述のように第1のガラス板32と第2のガラス板34とを分離する切断線が、2本の導波路チップ16に形成された切断面30のちょうど下側に位置するようにジグザグ状に形成されているから、前記2本の導波路チップ16の何れにおいても、第1の分離導波路チップ32は実質的にその全面において第1のガラス板32によって下側から支持される。
以上、本発明の実施形態1〜7について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、COレーザを用いて導波路チップ16の外形をカットしたが、これに限ることなく、種々のレーザ若しくはウォータジェット等を用いてチップをカットしても良い。
また、上記実施形態では、第1スラブ導波路22の光軸(中心線)に対して直交する方向に基板12とともに第1スラブ導波路22部分を切断することで、第1の分離導波路チップ16Aと第2の分離導波路チップ16Bに分割させたが、これに限られることなく、第1スラブ導波路22の光軸(中心線)に対して斜交する方向に切断してもよい。
また、上記実施形態では、第1の分離導波路チップ16A及び第2の分離導波路チップ16Bを接着する基板として、石英のガラス板を用いたが,これに限ることなく,貼り付ける材料の線膨張係数を考慮して補償部材18の長さを決定すれば,他の材料を用いても良い。
また、第1のガラス板32と第1の分離導波路チップ16A、及び第2のガラス板34と第2の分離導波路チップ16Bの貼り付け面積及び補償部材18の貼り付け位置は、これらの実施形態に限定されることなく,補償部材18の伸縮によって切断されたスラブ導波路の位置が相対的に変化できれば良い。
また、上記実施形態では、補償部材18の一端側を第1のガラス板32に固定させた場合を例にとって説明したが、これに限定されることなく、補償部材18の一端側を第1の分離導波路チップ16Aに固定しても良い。これにより、補償部材18の一端側は第1の分離導波路チップ16Aを介して第1のガラス板32に固定される。
また、上記実施形態では、補償部材18の他端側を第2のガラス板34に固定させた場合を例にとって説明したが、これに限定されることなく、補償部材18又は第2の分離導波路チップ16Bの形状を変えて補償部材18の他端側を第2の分離導波路チップ16Bに固定しても良い。これにより、補償部材18の他端側は第2の分離導波路チップ16Bを介して第2のガラス板34に固定される。
(1)実施例1
実施形態1に記載のアレイ導波路回折格子型光合分波器1を作成し、このアレイ導波路回折格子型光合分波器1の温度特性について評価した。
アレイ導波路回折格子型光合分波器1においては、図15に示されるように、−5〜70℃の温度範囲において,中心波長変動±0.010nmを実現することができ、実用上問題が無いことを確認した。
また、アレイ導波路解析格子型光合分波器1は、−5℃、20℃、50℃、および70℃の何れにおいても、透過中心波長およびその近傍の波長を有する光信号では損失が低く、言い換えれば高い透過率を示すが、透過中心波長から外れた周波数の光信号に対しては高い損失を示すことが判った。言い換えれば、アレイ導波路解析格子型光合分波器1は、−5℃、20℃、50℃、および70℃の何れにおいても目的とする周波数の光信号がノイズを殆ど含まない状態で透過されることが判った。このことは、温度が変化しても補償部材18の伸縮により、透過中心波長の温度依存性が効果的に補償されることを示しているものと考えられる
前述のように温度が変化すると、第1スラブ導波路22による集光位置は変化するが、補償部材18の伸縮によって第1の分離スラブ導波路22Aが第2の分離スラブ導波路22Bに対して相対移動して集光位置が是正される。このため、温度が変化しても、合波に用いる場合には、入力された複数の光信号(λ1〜λn)と同一の波長(λ1〜λn)を有する複数の光信号が多重されて第1導波路20から取り出すことができ、分波に用いる場合には、多重された光信号(λ1〜λn)を波長ごとに分けて第2導波路24から取り出すことができ、透過中心波長の温度依存性を補償することができる。
1 アレイ導波路回折格子型光合分波器
2 アレイ導波路回折格子型光合分波器
3 アレイ導波路回折格子型光合分波器
4 アレイ導波路回折格子型光合分波器
5 アレイ導波路回折格子型光合分波器
10 アレイ導波路解析格子型光合分波器
11 シリコンウェハ
12 基板
12A 基板
12B 基板
14 アレイ導波路回折格子
15 当て板
16 導波路チップ
16A 第1の分離導波路チップ
16B 第2の分離導波路チップ
17 クリップ
18 補償部材
18A 脚部
20 第1導波路
22 第1スラブ導波路
22A 第1の分離スラブ導波路
22B 第2の分離スラブ導波路
24 第2導波路
26 第2スラブ導波路
28 アレイ導波路
30 切断面
32 第1のガラス板
34 第2のガラス板
35 突出部
37 切断線
38 切断線
39 切断線
40 切断線

Claims (5)

  1. 基板上に、少なくとも1本の第1導波路と、前記第1導波路に接続された第1スラブ導波路と、前記第1スラブ導波路における第1導波路とは反対側に一端が接続されているとともに、互いに異なる長さを有し、同一方向に湾曲した複数のチャネル導波路を並設したアレイ導波路と、前記アレイ導波路の他端に接続された第2スラブ導波路と、前記第2スラブ導波路における前記アレイ導波路とは反対側に複数並設された状態で接続された第2導波路と、を有するアレイ導波路回折格子が複数並設され、かつ、前記第1スラブ導波路または前記第2スラブ導波路において第1の導波路チップと第2の導波路チップに分割された導波路チップと、
    温度変化に応じて伸縮することにより、前記第1の導波路チップと前記第2の導波路チップを相対移動させて前記アレイ導波路回折格子の光透過中心波長の温度依存性シフトを補償する補償部材と、を備え、
    前記導波路チップは、前記アレイ導波路の湾曲方向に沿って湾曲した形状を有する
    ことを特徴とするアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  2. 前記第1の導波路チップが固定された第1の基台と、
    前記第1の基台と離れて設けられ、前記第2の導波路チップが固定された第2の基台と、をさらに備え、
    前記補償部材は、一側が前記第1の基台又は前記第1の導波路チップに固定され、他側が前記第2の基台に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  3. 前記第1の導波路チップおよび前記第2の導波路チップの一方が1枚の基板からなることを特徴とする請求項1または2に記載のアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  4. 前記第1の導波路チップおよび前記第2の導波路チップの何れもがそれぞれ1枚の基板からなることを特徴とする請求項1または2に記載のアレイ導波路回折格子型光合分波器。
  5. 前記第1の導波路チップと前記第2の導波路チップの分割部分は、クリップで厚さ方向に挟持されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のアレイ導波路解析格子型光合分波器。
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