JP2012012778A - ソーラーパネル用取付架台 - Google Patents
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Abstract
【課題】屋根等の構造物にソーラーパネルを固定する際に、サイズや形状の異なる種々のソーラーパネルに適用できるソーラーパネル用取付架台を提供すること。
【解決手段】本発明のソーラーパネル用取付架台10は、屋根Rに据え付けられるレール11と、レール11に沿って移動可能に設けられるとともに、ソーラーパネルSを複数位置で固定するパネル固定具12,13とを備えている。パネル固定具12,13は、ソーラーパネルSの端部側の上下両面を挟み込んで保持するカバー22,50及びパネル押さえ部材23,51と、これらに連なってレール11に係り合うカバー固定部材25,53とを備えている。カバー22,50及びパネル押さえ部材23,51は、それらの離間幅を変化させる方向に相対移動可能であり、カバー固定部材25,53は、パネル固定具12,13をレール11に対して移動不能にする位置と、当該移動可能にする位置との間で変位する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明のソーラーパネル用取付架台10は、屋根Rに据え付けられるレール11と、レール11に沿って移動可能に設けられるとともに、ソーラーパネルSを複数位置で固定するパネル固定具12,13とを備えている。パネル固定具12,13は、ソーラーパネルSの端部側の上下両面を挟み込んで保持するカバー22,50及びパネル押さえ部材23,51と、これらに連なってレール11に係り合うカバー固定部材25,53とを備えている。カバー22,50及びパネル押さえ部材23,51は、それらの離間幅を変化させる方向に相対移動可能であり、カバー固定部材25,53は、パネル固定具12,13をレール11に対して移動不能にする位置と、当該移動可能にする位置との間で変位する。
【選択図】 図2
Description
本発明はソーラーパネル用取付架台に係り、更に詳しくは、様々なサイズや形状のソーラーパネルに適用可能な汎用性を備えたソーラーパネル用取付架台に関する。
特許文献1には、建物の屋根にソーラーパネルを取り付ける際に用いられる架台として、屋根の棟部を跨ぐように配置されたフレーム上にソーラーパネルを固定するものが開示されている。この架台は、屋根の左右方向に所定の間隔で配置される複数本の架台チャネルと、各架台チャネルの間に連結されて長さが可変となる架台接合金具とを備えており、ソーラーパネルは、各架台チャネル上に載置された上で、取付固定具によって架台チャネルに固定される。すなわち、前記取付固定具は、ソーラーパネルの端面に形成されたフックに引っ掛け可能な形状となっており、当該フックを結合させた取付固定具が架台チャネルに固定される。
しかしながら、前記特許文献1の架台にあっては、端面にフックを有するソーラーパネルしか適用することができず、また、フックの形状に合わせて形状の異なる取付固定具を用いる必要があり、1種類の架台で適用可能となるソーラーパネルの種類が限定されるという不都合がある。
また、各架台チャネルの組み立て時に、それらの間隔を架台接合金具の長さ調整によって自由に設定できるが、架台を屋根に据え付けた後でソーラーパネルを設置する際に、各架台チャネルの間隔がソーラーパネルの幅寸法に合わないような場合には、全ての架台チャンネルを再度組み直さなければならない。従って、前記架台では、ソーラーパネルを架台に設置する際に、架台チャネルの幅寸法を微調整することができないことから、屋根に対する架台の位置決めを慎重且つ正確に行わなければならず、ソーラーパネルの設置工事を迅速に行うことができないという不都合がある。
更に、何年か使用したソーラーパネルをサイズや形状の異なる別製品に交換する際には、交換前までに使用していた架台を再度使用することができなくなる場合が多く、新たな架台を設置しなければならないという不都合もある。
その他、現在市場に流通している架台は、各メーカで異なるソーラーパネルのサイズや形状に合わせて設計されており、別製品に対応できない他、長さ等の仕様が実際の状況に合わないと、現場でフレキシブルに対応困難であるという不都合がある。
本発明は、以上のような不都合に着目して案出されたものであり、その目的は、屋根等の構造物にソーラーパネルを固定する際に、サイズや形状の異なる種々のソーラーパネルに適用できるソーラーパネル用取付架台を提供することにある。
(1)前記目的を達成するため、本発明は、所定の構造物にソーラーパネルを取り付けるためのソーラーパネル用取付架台において、
前記構造物に据え付けられるレールと、当該レールに沿って移動可能に設けられるとともに、前記ソーラーパネルを複数位置で固定する複数のパネル固定具とを備え、
前記パネル固定具は、前記ソーラーパネルの端部側の上下両面を挟み込んで保持する一対の挟持部と、前記挟持部に連なるとともに、前記レールに係り合う係合部とを備え、
前記一対の挟持部は、それらの離間幅を変化させる方向に相対移動可能に設けられ、
前記係合部は、前記パネル固定具を前記レールに対して移動不能に固定する位置と、前記パネル固定具を前記レールに沿って移動可能にする位置との間で変位可能に設けられる、という構成を採っている。
前記構造物に据え付けられるレールと、当該レールに沿って移動可能に設けられるとともに、前記ソーラーパネルを複数位置で固定する複数のパネル固定具とを備え、
前記パネル固定具は、前記ソーラーパネルの端部側の上下両面を挟み込んで保持する一対の挟持部と、前記挟持部に連なるとともに、前記レールに係り合う係合部とを備え、
前記一対の挟持部は、それらの離間幅を変化させる方向に相対移動可能に設けられ、
前記係合部は、前記パネル固定具を前記レールに対して移動不能に固定する位置と、前記パネル固定具を前記レールに沿って移動可能にする位置との間で変位可能に設けられる、という構成を採っている。
(2)また、前記係合部は、前記パネル固定具を前記レールに対して着脱不能にする位置と、前記パネル固定具を前記レールに対して着脱可能にする位置との間で変位可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
(3)更に、前記レールは、前記構造物への取り付け部分となる取付部を備え、当該取付部は、前記レールの複数箇所に形成され、前記構造物に対する前記レールの取り付け位置を選択可能に設けられる、という構成を採ることが好ましい。
本発明によれば、ソーラーパネルの上下両面を一対の挟持部で挟み込んでソーラーパネルを固定する構造になっているため、ソーラーパネルの端面の形状に拘らず、種々のソーラーパネルの構造物への取り付けが可能となる。また、一対の挟持部の離間幅を変化させることができるため、当該離間幅をソーラーパネルの厚みに応じて調整することで、種々の厚みのソーラーパネルに適用可能となる。更に、パネル固定具がレールに沿って移動可能になっているため、ソーラーパネルの幅に応じて、レール上の各パネル固定具の離間距離を調整することができ、幅寸法の異なる種々のソーラーパネルへの適用も可能になる。以上により、本発明のソーラーパネル用取付架台は、サイズや形状の異なる種々のソーラーパネルへの適用が可能になる他、レールを構造物に据え付けた後で、パネル固定具の位置の微調整も可能で、工事現場でのフレキシブルな対応が可能になる。
特に、前記(2)のように構成することで、レールに対するパネル固定具の取り付けや取り外しを難なく行うことができるため、レールに取り付けられるパネル固定具を現場で増設したり、若しくは、減らしたりすることができ、様々なサイズや形状のソーラーパネルに適用可能な汎用性を一層高めることができる。また、レールを構造物に取り付けた後でも、レールに対するパネル固定具の着脱が可能になり、レールを構造物から取り外すことなく、パネル固定具を交換することができる。
更に、前記(3)のように構成することにより、構造物に対するソーラーパネル用取付架台の据え付け位置が拘束される場合であっても、最適となる位置の取付部を選択することで、ソーラーパネル用取付架台を構造物上の所望の位置に据え付けることが可能になる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1には、本実施形態に係るソーラーパネル用取付架台が取り付けられた状態を表す屋根の概略平面図が示され、図2には、前記ソーラーパネル用取付架台の概略正面図が示されている。これらの図において、前記ソーラーパネル用取付架台10は、長尺状に設けられており、複数本用いてソーラーパネルSを屋根R(構造物)に固定するようになっている。特に限定されるものではないが、本実施形態では、ソーラーパネル用取付架台10が、屋根Rの棟側から軒側に向かう図1中上下方向に延びる向きで設置されるとともに、ソーラーパネルSの同図中左右幅に合わせたピッチで屋根Rの上の複数箇所(4箇所)に設置される。ここで、ソーラーパネル用取付架台10の屋根Rへの固定は、図2に示されるように、屋根Rの垂木部分(図示省略)にそれぞれビス止めされた複数のプレートPからそれぞれ上方に延びる各ボルトBへの取り付けによって行われる。
前記ソーラーパネル用架台10は、屋根Rに据え付けられる長尺状のレール11と、このレール11上の複数箇所に取り付けられてソーラーパネルSを固定するパネル固定具12,13とを備えて構成されている。なお、以下、レール11の説明においては、その延出方向(図2中左右方向)を「長さ方向」と称し、当該延出方向に直交する方向(同図中紙面直交方向)を「幅方向」と称する。また、各パネル固定具12,13の説明においては、各パネル固定具12,13がレール11に取り付けられた状態で、レール11の延出方向に沿う方向(図2中左右方向)を「長さ方向」と称し、レール11を跨ぐ方向(同図中紙面直交方向)を「幅方向」と称する。
前記レール11は、図3に示されるように、延出方向の両端側が開放する断面ほぼコ字状に設けられており、開口部分14が上側に位置する向きで屋根Rに固定される。具体的に、レール11は、屋根Rに対向する下面部15と、下面部15の幅方向の両端側から起立する一対の側面部16,16と、各側面部16,16から幅方向内側に向かってそれぞれ屈曲する上面部18,18とからなる。
図4に示されるように、前記下面部15には、長さ方向に沿って延びる直線状長穴20が、直線状に並ぶように3箇所以上で形成されている。直線状長穴20は、前記ボルトB(図2参照)が貫通可能となるサイズに形成されており、直線状長穴20にボルトBが挿入された状態で、当該ボルトBに通されたナットNで下面部15を上下両側から挟み込むことにより、レール11が屋根Rに固定される。すなわち、直線状長穴20は、屋根Rへの取り付け部分となる取付部を構成し、後述するように、屋根Rに対するレール11の取り付け位置を選択可能となっている。
前記上面部18は、下面部15にほぼ平行となるように配置され、各上面部18,18の間に開口部分14が形成される。
前記パネル固定具12,13は、図2に示されるように、同図中中央に位置し、2枚のソーラーパネルSを同図中左右両側で固定可能な第1のパネル固定具12と、レール11の長さ方向両端側に配置され、1枚のソーラーパネルSの端部を固定可能な第2のパネル固定具13とからなる。
前記第1のパネル固定具12は、図5及び図6に示されるように、下側が開放する向きで配置される断面ほぼコ字状のカバー22と、カバー22の上方に配置されてソーラーパネルSの端部を上方から押さえるパネル押さえ部材23と、カバー22の下方に配置されてカバー22をレール11に固定するカバー固定部材25と、カバー22、パネル押さえ部材23及びカバー固定部材25にそれぞれ挿通されて、カバー22とパネル押さえ部材23の間の距離調整に用いられる2本の高さ調整用ねじ27,27と、カバー22及びカバー固定部材25にそれぞれ挿通され、カバー22とカバー固定部材25の間の距離調整に用いられる1本の固定用ねじ28と、パネル押さえ部材23の下面側に連なって、各高さ調整用ねじ27,27がそれぞれ挿通される筒状部材30,30とを備えている。
前記カバー22は、図6に示されるように、レール11の幅方向両端間に跨がって配置されるようになっており、レール11の幅方向(同図中左右方向)の寸法とほぼ同一の幅方向の寸法を有する平面視ほぼ方形状のベース33と、ベース33の幅方向の両端側から垂下し、レール11の側面部16,16に対面する垂下面部34,34とからなる。
図5及び図6に示されるように、前記ベース33には、幅方向ほぼ中央位置で上下に貫通する丸穴状の中央貫通穴36と、中央貫通穴36の周囲2箇所位置で上下に貫通する円弧状長穴38とが設けられている。
前記中央貫通穴36は、その内径が、固定用ねじ28の外径よりもほぼ同一若しくは僅かに大きく設定されており、この中央貫通穴36に固定用ねじ28が挿通される。
前記円弧状長穴38,38は、中央貫通穴36を中心として相互に点対称となるように、中央貫通穴36を中心とした同一円に沿って配置されており、この円弧状長穴38,38に高さ調整用ねじ27,27が挿通される。
前記パネル押さえ部材23は、平面視ほぼ長方形のパネル押さえプレート23からなる。このパネル押さえプレート23には、幅方向ほぼ中央位置で上下に貫通する中央貫通穴40と、当該中央貫通穴40の幅方向両隣の位置で上下に貫通するサイド貫通穴42とが設けられている。
前記中央貫通穴40は、図示しないドライバー等のねじ回転具を挿通可能なサイズに形成されており、中央貫通穴40の下方に位置する固定用ねじ28の頭部をパネル押さえプレート23の上方から回転させることが可能になる。
前記サイド貫通穴42は、その内径が、高さ調整用ねじ27の外径よりもほぼ同一若しくは僅かに大きく設定されており、このサイド貫通穴42に高さ調整用ねじ27が挿通される。
前記カバー固定部材25は、平面視ほぼ長方形の板状をなし、図6に示されるように、第1のパネル固定具12がレール11に取り付けられた状態で、長辺がレール11の幅方向に沿う向きで配置され、上面部18,18を下側から跨いだ状態でレール11の内部空間に収容される。また、カバー固定部材25の短辺方向の幅は、レール11の開口部分14の幅よりも小さく設定されている。このため、後述するように、カバー固定部材25をカバー22に対して水平方向に回転させることにより、カバー固定部材25を開口部分14からレール11の外側に取り出すことが可能になる。
また、図5及び図6に示されるように、カバー固定部材25には、ほぼ中央位置で上下に貫通して固定用ねじ28が係り合う中央ねじ穴44と、中央ねじ穴44の幅方向両隣の位置で上下に貫通して高さ調整用ねじ27,27が係り合うサイドねじ穴46,46とが設けられている。
前記高さ調整用ねじ27は、図6に示されるように、パネル押さえ部材23の上方位置からカバー固定部材25の下方位置まで到達可能な長さに設けられており、カバー22、パネル押さえ部材23及びカバー固定部材25を一体化するようにそれぞれに係わり合っている。また、高さ調整用ねじ27は、第1のパネル固定具12がレール11に取り付けられた状態でレール11の開口部分14を通るようになっている。
前記固定用ねじ28は、パネル押さえ部材23の下方位置からカバー固定部材25の下方位置まで到達可能な長さに設けられており、第1のパネル固定具12がレール11に取り付けられた状態で開口部分14を通るようになっている。
前記第2のパネル固定具13は、第1のパネル固定具12に対して、カバー22及びパネル押さえ部材23の構成が相違する他は、ほぼ同一の構成となっている。
すなわち、第2のパネル固定具13は、図7及び図8に示されるように、下側が開放する向きで配置される断面ほぼコ字状のカバー50と、カバー50の上方に配置されてソーラーパネルSの端部を上方から押さえるパネル押さえ部材51と、カバー50の下方に配置されてカバー50をレール11に固定するカバー固定部材53と、カバー50、パネル押さえ部材51及びカバー固定部材53にそれぞれ挿通され、カバー50とパネル押さえ部材51の間の距離調整に用いられる2本の高さ調整用ねじ57,57と、カバー50及びカバー固定部材53にそれぞれ挿通され、カバー50とカバー固定部材53の間の距離調整に用いられる1本の固定用ねじ58と、パネル押さえ部材51の下側に連なって、各高さ調整用ねじ57,57がそれぞれ挿通される筒状部材59,59とを備えている。
前記カバー50は、図8に示されるように、レール11の幅方向両端間に跨がって配置されるようになっており、レール11の幅方向の寸法とほぼ同一の幅方向の寸法を有する平面視ほぼ方形状のベース61と、ベース61の幅方向の両端側から垂下し、レール11の側面部16,16に対面する垂下面部63,63とからなる。
前記ベース61には、幅方向ほぼ中央位置で上下に貫通する丸穴状の中央貫通穴65と、中央貫通穴65の幅方向両隣の位置でそれぞれ上下に貫通する丸穴状のサイド貫通穴66,66とが設けられている。
前記中央貫通穴65は、第1のパネル固定具12のカバー22に形成された中央貫通穴36とほぼ同一となっている。
前記サイド貫通穴66は、その内径が、高さ調整用ねじ57の外径よりもほぼ同一若しくは僅かに大きく設定されており、このサイド貫通穴66に高さ調整用ねじ57が挿通される。
なお、特に限定されるものではないが、ベース61の長さ方向(図8中紙面直交方向)の幅は、第1のパネル固定具12のベース33における同方向の幅よりも短寸に設定されている。
前記パネル押さえ部材51は、ソーラーパネルSの端部側の上面を押さえるパネル押さえプレート68と、パネル押さえプレート68の長さ方向の一端側(図7中奥行側)から下方に垂下する端部カバー69とからなる。パネル押さえプレート68は、第1のパネル固定具12のパネル押さえプレート23と同様の構成となっており、中央貫通穴40及びサイド貫通穴42と同様の中央貫通穴72及びサイド貫通穴73を備えている。
前記カバー固定部材53は、第1のパネル固定具12のカバー固定部材25と同様の構成となっており、中央ねじ穴44及びサイドねじ穴46と同様の中央ねじ穴78及びサイド貫通穴79を備えている。
前記高さ調整用ねじ57及び固定用ねじ58は、第1のパネル固定具12の高さ調整用ねじ27及び固定用ねじ28とほぼ同一の作用を奏するようになっている。
次に、前記ソーラーパネル用取付架台10による屋根RへのソーラーパネルSの取り付け手順につき説明する。
ソーラーパネル用取付架台10は、図1に示されるように、ソーラーパネルSの同図中左右両端側を保持できるように、ソーラーパネルSの同図中左右幅に応じた屋根R上の位置に、2本1組として複数組設置される。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、各ソーラーパネル用取付架台10が、屋根Rの棟側から軒側に延びる方向(図1中上下方向)に沿う向きで、同図中左右方向に2組4本配置される。1組のソーラーパネル用取付架台10,10の間には、図1中上下2箇所でソーラーパネルSが取り付けられるようになっている。
なお、各ソーラーパネル用取付架台10は、本実施形態と異なる態様で、例えば、図1中左右方向に沿う向きで、同図中上下方向複数箇所に配置することも可能であり、取り付けられるソーラーパネルSのサイズ及び形状や屋根Rの構造等によって、ソーラーパネル用取付架台10の配置形態が適宜選択される。
以下のソーラーパネルSの説明において、図1中上下方向に位置するソーラーパネルSの方向を「縦方向」と称し、同左右方向に位置するソーラーパネルSの方向を「横方向」と称する。
先ず、屋根R上の所望の位置に各ソーラーパネル用取付架台10を取り付ける。この際、ソーラーパネルSの横方向の寸法に基づいて各ソーラーパネル用取付架台10の位置決めをし、各ソーラーパネル用取付架台10を屋根Rの上に据え付ける。当該据え付けは、第1及び第2のパネル固定具12,13が取り付けられたレール11を屋根Rに固定することによって行われる。ここでは、図2に示されるように、屋根Rの垂木部分(図示省略)の上に固定されたプレートPに立設されたボルトBを直線状長穴20に挿通し、前述したように、ナットNの締め付けにより固定する。ここで、直線状長穴20は、レール11の複数箇所に形成されており、適切な位置の直線状長穴20を選択することにより、前記垂木部分の位置によって決まるプレートP上のボルトBの位置に拘束されることなく、屋根R上の所望の位置にソーラーパネル用取付架台10を設置可能となる。
次いで、第1及び第2のパネル固定具12,13にソーラーパネルSを固定する。
最初に、レール11に対する第1及び第2のパネル固定具12,13の位置決めを行う。すなわち、先ず、図6及び図8で示される各パネル固定具12,13の固定状態から、固定用ねじ28,58を緩めた状態とする。この状態では、レール11の上面部18,18の間を下側から掛け渡されているカバー固定部材25,53が、上面部18に押し付けられていないため、第1及び第2のパネル固定具12,13は、レール11に沿って移動可能となる。従って、固定用ねじ28,58を緩めた状態で、第1及び第2のパネル固定具12,13をレール11に沿って移動しながら、ソーラーパネルSの縦方向の幅に合わせることにより、第1及び第2のパネル固定具12,13の位置決めを行う。当該位置決めを行ったら、固定用ねじ28,58を締めることにより、カバー固定部材25,53を上面部18に押し付けて第1及び第2のパネル固定具25,53の移動を不能に固定する。なお、この際の固定用ねじ28,58の回転は、図示しないねじ回転具をパネル押さえプレート23,68の中央貫通穴40,72を通じて固定用ねじ28,58の頭部にアクセスすることで行われる。
そして、レール11に対して位置決めされた第1及び第2のパネル固定具12,13にソーラーパネルSを固定する。ここでは、図1及び図2に示されるように、各ソーラーパネルSの四隅の上下両面が第1及び第2のパネル固定具12,13に保持されることになる。具体的に、ソーラーパネルSの縦方向の両端側は、同一のソーラーパネル用取付架台10に配置された第1及び第2のパネル固定具12,13によって保持される。また、ソーラーパネルSの横方向の両端側は、上下何れか一方が、隣り合うソーラーパネル用取付架台10,10に配置された各第1のパネル固定具12,12同士で保持され、上下何れか他方が、隣り合うソーラーパネル用取付架台に配置された各第2のパネル固定具13,13同士で保持される。ここで、第1のパネル固定具12は、図2に示されるように、同図中左右両側でソーラーパネルSを保持する。
第1及び第2のパネル固定具12,13におけるソーラーパネルSの保持は、次のようにして行われる。先ず、高さ調整用ねじ27,57(図6、図8参照)を回転しながら、ソーラーパネルSの厚みに応じてカバー22,50とパネル押さえ部材23,51との間の距離を調整し、ベース33,61とパネル押さえプレート23,68との間にソーラーパネルSの端部を配置する。この際、ベース33,61とパネル押さえプレート23,68との間にある程度の隙間が確保されるように、それらの間の距離が調整される。その他、第1のパネル固定具12は、高さ調整用ねじ27がカバー22の円弧状長穴38に挿通されることから、高さ調整ねじ27が円弧状長穴38に沿って移動することで、パネル押さえプレート23が中央部分を中心に揺動可能になる。従って、パネル押さえプレート23を揺動させながら、パネル押さえプレート23とベース33の間にソーラーパネルSの端部を挿入することができ、当該挿入作業が行い易くなる。そして、高さ調整用ねじ27,57を回転しながら、ベース33,61とパネル押さえプレート23,68の間の離間距離を短くし、それらの間にソーラーパネルSの端部を固定する。このとき、ソーラーパネルSの端部における上下両面が、ベース33,61とパネル押さえプレート23,68によって押さえ付けられ、ソーラーパネルSが第1及び第2のパネル固定具12,13に移動不能に固定される。
以上により、カバー22,50及びパネル押さえ部材23,51は、ソーラーパネルSの端部側の上下両面を挟み込んで保持する上下一対の挟持部を構成する。また、カバー固定部材25,53は、前記挟持部に連なるとともにレール11に係り合って、パネル固定具12,13をレール11に対して移動不能に固定する位置と、パネル固定具12,13をレール11に沿って移動可能にする位置との間で変位可能にする係合部を構成する。
従って、このような実施形態によれば、第1及び第2のパネル固定具12,13がレール11に固定される状態と、当該レール11に沿って移動可能になる状態とにすることができ、当該移動可能な状態で、ソーラーパネルSの幅に合わせて第1及び第2のパネル固定具12,13の離間幅を調整することができる。また、ソーラーパネル用取付架台10は、ソーラーパネルSの上下両面を挟み込んで固定する構造になっており、ソーラーパネルSの厚みに応じて、ソーラーパネルSを上下両方から挟み込むカバー22,50とパネル押さえ部材23,51の離間幅を調整することができる。以上により、ソーラーパネル用取付架台10は、様々なサイズや形状のソーラーパネルSに適用することができ、1種類で種々のソーラーパネルSを屋根Rに据え付けることが可能になる。
また、第1のパネル固定具12は、レール11に対して固定する位置と着脱可能にする位置とを切り換えるロック機構を備えている。つまり、カバー固定部材25がレール11の上面部18に押し付けられているロック状態のときは、第1のパネル固定具12がレール11に対して固定される一方、カバー固定部材25が上面部18に押し付けられていないフリー状態のときは、第1のパネル固定具12がレール11に対して着脱が可能になる。このフリー状態では、高さ調整用ねじ27がカバー22の円弧状長穴38に沿って移動可能になり、当該移動によって、高さ調整用ねじ27に係り合うカバー固定部材25は、固定用ねじ28を中心に回転することになる。また、カバー固定部材25は、その長辺方向の幅が開口部分14の幅よりも大きいが、短辺方向の幅が開口部分14の幅よりも小さい。このため、カバー固定部材25は、上面部18,18の間に跨がって第1のパネル固定具12をレール11に対して着脱不能にする図6の位置と、長辺部分がレール11に沿うように配置されて第1のパネル固定具12をレール11に対して着脱自在となる位置との間で回転変位可能になる。この構成により、レール11を屋根Rに固定してからでも、ソーラーパネルSの幅等の状況に応じ、第1のパネル固定具12をレール11上に増設したり取り外したりすることを簡単にでき、様々なソーラーパネルSに対する取り付けの汎用性を高め、ソーラーパネルSの据え付け工事を行い易くすることができる。
更に、ソーラーパネル用取付架台10は、屋根Rへの取り付け部分となる取付部となる直線状長穴20が3箇所以上に設けられており、屋根Rに対する取り付け位置を自由に選択することができる。つまり、レール11を最低2箇所で支持できれば良いから、3箇所以上の直線状長穴20のうち任意の2箇所を選択し、しかも、1つの直線状長穴20内で前記取り付け位置を自由に決めることができる。これにより、建物によって異なる位置に存在する前記垂木部分の上に固定されたプレートPの位置に拘束されずに、ソーラーパネル用取付架台10の据え付け位置を自由に設定することができる。従って、前記垂木部分のない野地板(図示省略)の部分にビス止め等する必要がなく、ソーラーパネルSの設置後における天井からの雨漏り等の不具合を防止することができる。なお、前記取付部としては、直線状長穴20に限定されるものでなく、構造物に対するレール11の取り付け位置を選択可能な構成のものであれば何でもよい。
また、前記実施形態では、ソーラーパネル用取付架台10を屋根Rの上に取り付ける場合について図示説明したが、本発明はこれに限らず、他の構造物にソーラーパネルSを取り付ける際に用いることもできる。
その他、本発明における装置各部の構成は図示構成例に限定されるものではなく、実質的に同様の作用を奏する限りにおいて、種々の変更が可能である。
10 ソーラーパネル用取り付け架台
11 レール
12 第1のパネル固定具
12 第2のパネル固定具
20 直線状長穴(取付部)
22 カバー(挟持部)
23 パネル押さえ部材(挟持部)
25 カバー固定部材(係合部)
50 カバー(挟持部)
51 パネル押さえ部材(挟持部)
53 カバー固定部材(係合部)
S ソーラーパネル
11 レール
12 第1のパネル固定具
12 第2のパネル固定具
20 直線状長穴(取付部)
22 カバー(挟持部)
23 パネル押さえ部材(挟持部)
25 カバー固定部材(係合部)
50 カバー(挟持部)
51 パネル押さえ部材(挟持部)
53 カバー固定部材(係合部)
S ソーラーパネル
Claims (3)
- 所定の構造物にソーラーパネルを取り付けるためのソーラーパネル用取付架台において、
前記構造物に据え付けられるレールと、当該レールに沿って移動可能に設けられるとともに、前記ソーラーパネルを複数位置で固定する複数のパネル固定具とを備え、
前記パネル固定具は、前記ソーラーパネルの端部側の上下両面を挟み込んで保持する一対の挟持部と、前記挟持部に連なるとともに、前記レールに係り合う係合部とを備え、
前記一対の挟持部は、それらの離間幅を変化させる方向に相対移動可能に設けられ、
前記係合部は、前記パネル固定具を前記レールに対して移動不能に固定する位置と、前記パネル固定具を前記レールに沿って移動可能にする位置との間で変位可能に設けられていることを特徴とするソーラーパネル用取付架台。 - 前記係合部は、前記パネル固定具を前記レールに対して着脱不能にする位置と、前記パネル固定具を前記レールに対して着脱可能にする位置との間で変位可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載のソーラーパネル用取付架台。
- 前記レールは、前記構造物への取り付け部分となる取付部を備え、当該取付部は、前記レールの複数箇所に形成され、前記構造物に対する前記レールの取り付け位置を選択可能に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のソーラーパネル用取付架台。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010147609A JP2012012778A (ja) | 2010-06-29 | 2010-06-29 | ソーラーパネル用取付架台 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013189806A (ja) * | 2012-03-14 | 2013-09-26 | Kosaka Bankin Kosakusho Kk | 太陽光パネル設置構造 |
JP2014202020A (ja) * | 2013-04-09 | 2014-10-27 | 株式会社サカタ製作所 | 取付器具 |
JP2016136804A (ja) * | 2015-01-23 | 2016-07-28 | 株式会社フルーク | 太陽光パネル支持構造 |
CN107148748A (zh) * | 2014-11-13 | 2017-09-08 | 陶氏环球技术有限责任公司 | 用于光伏模块的集成框架 |
-
2010
- 2010-06-29 JP JP2010147609A patent/JP2012012778A/ja active Pending
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