JP2012012350A - 電解質組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、イオン液体を含有する電解質組成物、及び当該組成物を用いた電気デバイスに関する。
従来、リチウムイオンバッテリーや電気二重層キャパシタ等の電気デバイスに使用される電解質として、主に有機系溶剤に支持電解質を溶解させて得られる有機電解液が用いられてきたが、有機電解液が可燃性であることから、発火性や液漏れ等の点で問題となっている。
そこで、上記有機電解液を高分子に含浸させ、ゲル電解質とすることで、液漏れを抑える技術の開発が進められているが、発火性等の問題は解消されていない。
一方、溶媒を用いない高分子固体電解質の開発が報告されているが、室温付近でのイオン伝導性が低いという問題があり、実用化に至っていない。
そこで、上記有機電解液を高分子に含浸させ、ゲル電解質とすることで、液漏れを抑える技術の開発が進められているが、発火性等の問題は解消されていない。
一方、溶媒を用いない高分子固体電解質の開発が報告されているが、室温付近でのイオン伝導性が低いという問題があり、実用化に至っていない。
上述した問題が挙げられる中で、常温で液体状の溶融塩であるイオン液体が、難揮発性及び難燃性を有することから、電気化学デバイス用の電解液として注目を集めている。
例えば、非特許文献1及び2には、イオン液体であるビスフルオロスルフォニルイミド(FSI-)を電解液として用いた電気化学デバイスが開示されている。
しかしながら、このイオン液体をバッテリーの電解質として用いた場合には液漏れが発生する可能性が高い。
例えば、非特許文献1及び2には、イオン液体であるビスフルオロスルフォニルイミド(FSI-)を電解液として用いた電気化学デバイスが開示されている。
しかしながら、このイオン液体をバッテリーの電解質として用いた場合には液漏れが発生する可能性が高い。
"Pure ionic liquid electrolytes compatible with a graphitized carbon negative electrode in rechargeable lithium-ion batteries", M. Ishikawa, T. Sugimoto, M. Kikuta, E. Ishiko, and M. Kono, J. Power Sources, 162, 658-662 (2006).
"Fast cycling of Li/LiCoO2 cell with low-viscosity ionic liquids based on bis(fluorosulfonyl)imide [FSI]- ", H. Matsumoto, H. Sakaebe, K. Tatsumi, M. Kikuta, E. Ishiko, M. Kono, J. Power Sources, 160, 1308-1313 (2006).
したがって、本発明は、優れたイオン伝導性及び保液性を有する電解質組成物、及び当該組成物を用いた電気デバイスの提供を課題とする。
そこで、本発明者は、イオン液体を、特定の高分子化合物に含浸させることにより、優れたイオン伝導性及び保液性を有する電解質組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記成分(A)及び成分(B)を含有する電解質組成物を提供するものである。
(A)少なくとも下記式(1)で表されるエポキシ化合物(a1)を、硬化剤(c1)の存在下で反応させることにより得られる高分子化合物
[式(1)中、R1は、メチレン基、置換若しくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、又は単結合を示し、Xは、エポキシ基を有する基を示し、Yは、置換若しくは非置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、又はイオン性官能基を示し、nは、1〜100の整数である(但し、R1が単結合の場合、nは1である。)。]
(B)下記式(3)で表される化合物
[式(3)中、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示し、R11及びR12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン原子を示す。]
更に、本発明は、上記電解質組成物を用いてなる、電気デバイスを提供するものである。
本発明の電解質組成物は、優れたイオン伝導性を有し、かつ液漏れの危険性が少ないだけでなく、優れた難燃性及び熱安定性を有する。したがって、本発明の電解質組成物は、リチウムイオンバッテリーや電気二重層キャパシタ等の電気デバイスの電解質、帯電防止剤等として有用である。
まず、本発明の電解質組成物の各構成成分について説明する。
[成分(A)]
成分(A)は、少なくとも下記の成分(a1)を、硬化剤(c1)(以下、「成分(c1)」とも称する)の存在下で反応させることにより得られる高分子化合物である。
[成分(A)]
成分(A)は、少なくとも下記の成分(a1)を、硬化剤(c1)(以下、「成分(c1)」とも称する)の存在下で反応させることにより得られる高分子化合物である。
成分(a1)は、上記式(1)で表されるエポキシ化合物であり、スペーサーを介してエポキシ基を有する基と、芳香族炭化水素基又はイオン性官能基とを有する。
ここで、上記式(1)において、R1は、メチレン基、置換若しくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、又は単結合を示すが、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキレン基が特に好ましい。なお、当該アルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
ここで、上記式(1)において、R1は、メチレン基、置換若しくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、又は単結合を示すが、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキレン基が特に好ましい。なお、当該アルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキレン基の炭素数は、2〜10であるが、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、2〜10が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜4が特に好ましい。具体的には、エチレン基、メチルエチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,3−ブチレン基、1,2−ブチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。中でも、エチレン基、メチルエチレン基、トリメチレン基が好ましく、トリメチレン基が特に好ましい。
また、当該アルキレン基に置換し得る基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;アリール基;アラルキル基等が挙げられる。これら置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2個以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)において、nは1〜100の整数であるが、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、1〜50が好ましく、1〜20がより好ましく、1〜10が更に好ましく、1〜5が特に好ましい。なお、R1が単結合の場合、nは1である。
また、n個の−OR1−は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、n個の−OR1−は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)において、Xは、エポキシ基を有する基を示す。中でも、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、エポキシ基、エポキシ基を有する炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、下記式(4)で表される基がより好ましい。なお、当該エポキシ基の数は、1個が好ましい。また、上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。当該アルキル基の炭素数としては、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
[式(4)中、kは、0〜5の整数である。]
上記kとしては、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、0〜3が好ましく、0〜1がより好ましく、1が特に好ましい。
また、Xの具体例としては、エポキシ基、グリシジル基等が挙げられ、中でも、グリシジル基が特に好ましい。
式(1)において、Yは、置換若しくは非置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、又はイオン性官能基を示す。
上記芳香族炭化水素基の炭素数としては、イオン伝導性及び保液性の点から、6〜12が好ましく、6が特に好ましい。
また、上記芳香族炭化水素基としては、イオン伝導性及び保液性の点から、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基等のアリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
上記芳香族炭化水素基の炭素数としては、イオン伝導性及び保液性の点から、6〜12が好ましく、6が特に好ましい。
また、上記芳香族炭化水素基としては、イオン伝導性及び保液性の点から、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基等のアリール基が好ましく、フェニル基が特に好ましい。
また、当該芳香族炭化水素基に置換しうる基としては、R1と同様のものが挙げられる。
また、上記イオン性官能基とは、アニオン性官能基及びカチオン性官能基のいずれをも包含する概念であり、当該アニオン性官能基は、カチオンと結合して塩を形成していてもよく、当該カチオン性官能基は、アニオンと結合して塩を形成していてもよい。
上記アニオン性官能基としては、イオン伝導性の点から、−(SO2R14)2N-、−SO3 -、−SO4 -、−COO-、−PO4 2-、−SO2N-SO2R13等が挙げられる。中でも、イオン伝導性の点から、−SO3 -、−SO2N-SO2R13、−(SO2R14)2N-が好ましく、−SO2N-SO2R13が特に好ましい。
ここで、上記R13は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示す。当該ハロゲン原子としては、R1と同様のものが挙げられるが、イオン伝導性の点から、フッ素原子が好ましい。
また、上記アルキル基の炭素数としては、イオン伝導性の点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。なお、R14はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示し、R13と同様のものが好ましい。
また、−SO2N-SO2R13としては、イオン伝導性の点から、−SO2N-SO2CrF2r+1(ここでrは1〜12の整数を示す)が好ましく、−SO2N-SO2CF3が特に好ましい。
また、これらのアニオン性官能基と塩を形成し得るカチオンとしては、アルカリ金属カチオン等の金属カチオン;1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましく、金属カチオンがより好ましく、Na+、K+、Li+等のアルカリ金属カチオンが特に好ましい。
また、上記アルキル基の炭素数としては、イオン伝導性の点から、1〜6が好ましく、1〜3がより好ましく、1が特に好ましい。なお、R14はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示し、R13と同様のものが好ましい。
また、−SO2N-SO2R13としては、イオン伝導性の点から、−SO2N-SO2CrF2r+1(ここでrは1〜12の整数を示す)が好ましく、−SO2N-SO2CF3が特に好ましい。
また、これらのアニオン性官能基と塩を形成し得るカチオンとしては、アルカリ金属カチオン等の金属カチオン;1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましく、金属カチオンがより好ましく、Na+、K+、Li+等のアルカリ金属カチオンが特に好ましい。
アニオン性官能基とカチオンとが形成する塩としては、具体的には、−COO-Na+、−COO-K+、−SO3 -Na+、−SO3 -Li+、−SO2N-SO2CF3・Li+、−SO2N-SO2CF3・Na+等が挙げられる。
アニオン性官能基と有機アミンとの塩としては、−COO-HN+RaRbRc、−SO3 -HN+RdReRf(Ra〜Rfは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基を示す)等が挙げられる。当該炭素数1〜12のアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。また、当該アルキル基に置換し得る基としては、水酸基、スルホンアミド基、炭素数1〜6のアシルオキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数2〜7のアルコキシカルボニル基、シアノ基等が挙げられる。
また、上記カチオン性官能基としては、正電荷を帯びていれば特に限定されないが、例えば、金属イオン、下記式(5)〜(8)で表される基等が挙げられる。
[式(5)中、R15〜R17は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
[式(6)中、R18〜R20は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
上記R15〜R20としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、メチル基が特に好ましい。
[式(7)中、R21〜R24は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
上記R21〜R24において、炭素数1〜12のアルキル基としては、前記R15と同様のものが好ましい。
上記R21〜R24において、炭素数1〜12のアルキル基としては、前記R15と同様のものが好ましい。
[式(8)中、R25及びR26は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示す。]
上記R25及びR26において、炭素数1〜12のアルキル基としては、前記R15と同様のものが好ましい。
また、カチオン性官能基と塩を形成し得るアニオンとしては、負電荷を帯びていれば特に限定されないが、例えば、Br-、AlCl4 -、Al2Cl7 -、NO3 -、BF4 -、PF6 -、CH3COO-、CF3COO-、CF3SO3 -、(CF3SO2)2N-、(CF3SO2)3C-、AsF6 -、SbF6 -、CF3CF2CF2CF2SO3 -、(CF3CF2SO2)2N-、CF3CF2CF2COO-等が挙げられる。中でも、融点が低く、耐熱性が高い点から、BF4 -、PF6 -、(CF3SO2)2N-が好ましく、PF6 -、(CF3SO2)2N-がより好ましい。
また、Yとしては、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、フェニル基、イオン性官能基が好ましく、イオン性官能基がより好ましく、アニオン性官能基が特に好ましい。
また、成分(a1)としては、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、グリシジルフェニルエーテル、リチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホネート、リチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド等が挙げられる。
ここで、成分(A)においては、3次元網目状の架橋構造を有する高分子化合物を得るために、エポキシ化合物として、上記成分(a1)の他に、2個以上のエポキシ基を有する化合物(b1)(以下、「成分(b1)」とも称する)を用いるのが好ましい。成分(b1)は、エポキシ基、グリシジル基、グリシジルオキシ基、グリシジルアミノ基等のエポキシ含有基を2個以上有する化合物を包含する概念である。また、エポキシ基の数としては、好ましくは2〜5個、より好ましくは2〜3個、特に好ましくは2個である。
具体的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル系エポキシ化合物;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールアルカン類型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂等のフェノール系エポキシ化合物;ビフェニル型エポキシ樹脂;ナフタレン型エポキシ樹脂;フルオレン型エポキシ樹脂;スピロ環型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂;臭素化クレゾールノボラック型エポキシ樹脂;トリスヒドロキシメタン型エポキシ樹脂;テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;脂環型エポキシ樹脂;アルコール型エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエーテル;脂肪酸変性エポキシ樹脂;トルイジン型エポキシ樹脂;アニリン型エポキシ樹脂;ヒンダトイン型エポキシ樹脂;ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂;ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂;ダイマー酸ジグリシジルエステル;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル;ダイマー酸ジグリシジルエーテル;シリコーン変性エポキシ樹脂;ケイ素含有エポキシ樹脂;ウレタン変性エポキシ樹脂;NBR変性エポキシ樹脂;CTBN変性エポキシ樹脂;エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
中でも、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル系エポキシ化合物が好ましく、下記式(9)で表される化合物がより好ましく、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
中でも、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、2個以上のエポキシ基を有するグリシジルエーテル系エポキシ化合物が好ましく、下記式(9)で表される化合物がより好ましく、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルが特に好ましい。
(上記式(9)中、R27は、置換又は非置換の炭素数2〜5のアルキレン基を示し、pは、1〜100の整数である。)
上記アルキレン基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、アルキレン基の炭素数は、2〜5であるが、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、2〜3が好ましい。具体例としては、R1と同様のものが挙げられるが、エチレン基が特に好ましい。
また、アルキレン基に置換し得る基としては、R1と同様のものが挙げられる。
また、上記pとしては、保液性の点から、1〜50が好ましく、1〜20が特に好ましい。なお、p個の−R27O−は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、アルキレン基に置換し得る基としては、R1と同様のものが挙げられる。
また、上記pとしては、保液性の点から、1〜50が好ましく、1〜20が特に好ましい。なお、p個の−R27O−は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
また、本発明の電解質組成物における成分(a1)/成分(b1)のモル比は、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、0.5〜2が好ましく、0.5〜1.5がより好ましい。
成分(c1)としては、アミン類、酸無水物、フェノール系樹脂、ポリチオール化合物、イソシアネート化合物、ブロックイソシアネート化合物及びアルキド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が挙げられる。
アミン類としては、ジアミンが好ましく、下記式(2)で表される化合物がより好ましい。
[式(2)中、R2、R3、R4及びR5は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示し(但し、式中のR2〜R5の少なくとも3つは水素原子である。)、R6及びR8は、それぞれ独立に、メチレン基、又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基を示し、R7は、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキレン基を示し、mは、1〜100の整数である。]
上記式(2)中、R2〜R5は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示すが、R2〜R5のうちの少なくとも3つは水素原子である。
また、上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、アルキル基の炭素数としては、保液性の点から、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。好適なアルキル基としては、具体的には、R15と同様のものが挙げられる。
また、上記アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、アルキル基の炭素数としては、保液性の点から、1〜10が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。好適なアルキル基としては、具体的には、R15と同様のものが挙げられる。
R2、R3、R4及びR5としては、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、水素原子が好ましい。
R6及びR8は、それぞれ独立に、メチレン基、又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基を示す。当該アルキレン基としては、イオン伝導性及び保液性の点から、R1と同様のものが好ましく、トリメチレン基が特に好ましい。
R7は、置換又は非置換の炭素数2〜20のアルキレン基を示す。当該アルキレン基としては、R1と同様のものが挙げられるが、イオン伝導性及び保液性の点から、エチレン基が特に好ましい。
また、R2〜R8における置換基としては、R1と同様のものが挙げられる。
また、上記式(2)中の−R6(−OR7−)mOR8−の具体例としては、C2-20アルキレンポリ(オキシC2-20アルキレン)C2-20アルキレン基、;C2-20アルキレンポリ(グリセリン)C2-20アルキレン基等のヒドロキシ基を有する基;メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ等のアルコキシ基置換C2-20アルキレンポリ(オキシC2-20アルキレン)基が挙げられる。中でも、イオン伝導性及び保液性の点から、C2-20アルキレンポリ(オキシC2-20アルキレン)C2-20アルキレン基が好ましく、トリメチレンポリ(オキシエチレン)トリメチレン基が特に好ましい。
mは1〜100の整数であるが、9〜100が好ましく、9〜99がより好ましく、20〜99が更に好ましく、30〜90が特に好ましい。このような範囲内とすることで、イオン伝導性及び保液性がより一層優れるようになる。このような効果が得られる要因は必ずしも明らかではないが、mが大きくなると、ポリマーの機械的強度を保ちつつイオン液体による高い膨潤度が得られ、ポリマーとしての柔軟性が向上するため、ポリマーに固定化されたイオン性官能基の自由度が高くなり、イオン伝導性が向上するためであると、本発明者は推察する。
また、上記式(2)で表される化合物としては、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、ポリ(エチレングリコール)ビス(3−アミノプロピル)が特に好ましい。
上記式(2)で表される化合物以外のアミン類として、脂肪族アミン(エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N,N′,N′‐テトラメチル‐1,4‐ブタンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、スペルミン、スペルミジン、カダベリン、ソラミン、4,7,10−トリオキサトリデカン−1,13−ジアミン、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、エタノールアミン等)、ポリアミドポリアミン、脂環式化合物(ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−ジアミノシクロヘキサン)メタン等)、アリール類(m−キシレンジアミン、ジイミドジフェニルメタン、ジイミドジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン等)、ジシアノジアミド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
酸無水物としては、フタル酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルナディック酸、ドデセニル無水コハク酸、無水クロレンド酸、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、無水トリメリット酸等が挙げられる。
成分(c1)は、1種又は2種以上を用いることができる。また、成分(c1)たる硬化剤は重合開始剤としての機能を有していてもよい。
また、成分(A)中の成分(a1)、成分(b1)及び成分(c1)の各割合は下記式(11)の関係を満たすことが好ましい。
0.2≦4×Mc/(Ma+2×Mb)≦2 ・・・(11)
[式(11)中、Maは成分(a1)のモル数を、Mbは成分(b1)のモル数を、Mcは成分(c1)のモル数を、それぞれ示す。]
上記式(11)において、機械的強度、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、下限値は0.5が好ましく、他方上限値は1.5が好ましい。
また、本発明においては、成分(c1)の他に、必要により硬化促進剤(d1)(以下、「成分(d1)」とも称する)を用いることもできる。成分(d1)としては、三級アミン類及びその塩、四級アンモニウム塩、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジメチルベンジルアミン、イミダゾール類、tert−アミルフェノールアンモニウム、モノフェノール類、ポリフェノール類、三フッ化ホウ素及びその有機錯体化合物、リン酸、並びに亜リン酸トリフェニルからなる群から選ばれる少なくとも1種又は2種以上が挙げられる。
次に、成分(A)の製造方法について説明する。
成分(A)の製造方法としては、成分(a1)を、成分(c1)の存在下で反応させればよいが、成分(a1)及び成分(c1)、必要に応じて成分(b1)及び/又は成分(d1)を混合し、次いで加熱硬化させる方法が好ましい。
また、上記製造方法は、溶媒存在下及び非存在下のいずれでも行うことができるが、溶媒存在下で行うのが好ましい。当該溶媒としては、メタノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。また、反応温度は、例えば、50〜200℃程度であり、反応時間は、例えば、30分〜20時間程度である。
成分(A)の製造方法としては、成分(a1)を、成分(c1)の存在下で反応させればよいが、成分(a1)及び成分(c1)、必要に応じて成分(b1)及び/又は成分(d1)を混合し、次いで加熱硬化させる方法が好ましい。
また、上記製造方法は、溶媒存在下及び非存在下のいずれでも行うことができるが、溶媒存在下で行うのが好ましい。当該溶媒としては、メタノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。また、反応温度は、例えば、50〜200℃程度であり、反応時間は、例えば、30分〜20時間程度である。
[成分(B)]
成分(B)は、上記式(3)で表される化合物であるが、イオンのみで構成され、室温で液体であるという性質を具備する、所謂イオン液体である。
成分(B)は、上記式(3)で表される化合物であるが、イオンのみで構成され、室温で液体であるという性質を具備する、所謂イオン液体である。
ここで、上記式(3)において、R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示し、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、置換又は非置換の炭素数1〜20のアルキル基が好ましい。なお、当該アルキル基は、直鎖状でも分岐鎖状でもよい。
上記アルキル基の炭素数としては、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
上記アルキル基の炭素数としては、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、1〜10が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
また、上記アルキル基に置換し得る基としては、R1と同様のものが挙げられる。
R11及びR12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン原子を示す。
当該アルキル基の炭素数としては、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。具体的には、R9と同様のものが挙げられるが、メチル基が特に好ましい。
上記アルキル基に置換しているハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、フッ素原子が好ましい。なお、ハロゲン原子の位置及び数は任意であり、ハロゲン原子を2以上有する場合、当該ハロゲン原子は同一でも異なっていてもよい。
当該アルキル基の炭素数としては、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。具体的には、R9と同様のものが挙げられるが、メチル基が特に好ましい。
上記アルキル基に置換しているハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。中でも、イオン伝導性、熱安定性及び難燃性の点から、フッ素原子が好ましい。なお、ハロゲン原子の位置及び数は任意であり、ハロゲン原子を2以上有する場合、当該ハロゲン原子は同一でも異なっていてもよい。
また、R11及びR12としては、イオン伝導性の点から、ハロゲン原子が好ましい。中でも、上記アルキル基に置換しているハロゲン原子と同様のものが好ましい。
また、上記式(3)で表される化合物としては、イオン伝導性、熱安定性、難燃性の点から、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミドが特に好ましい。
本発明の電解質組成物中の成分(A)及び(B)の含有質量比[(B)/(A)]は、イオン伝導性、熱安定性、難燃性の点から、1.5〜50が好ましく、2〜20がより好ましい。
[成分(C)]
本発明の電解質組成物は、イオン伝導性の点から、成分(A)及び(B)に加えて、更に成分(C)として支持電解質を含有することが好ましい。
成分(C)としては、有機スルホニルイミド、カルボン酸、二塩基酸ジヒドラジド、イミダゾール類、有機ボロン、有機ホスフィン、グアニジン類、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
中でも、イオン伝導性の点から、有機スルホニルイミド又はその塩が好ましく、下記式(10)で表されるアニオンと、金属カチオン又は有機アミン由来のカチオンとの塩が好ましい。当該金属カチオン及び有機アミン由来のカチオンとしては、Yと同様のものが挙げられるが、イオン伝導性の点から、アルカリ金属カチオンがより好ましく、Li+が特に好ましい。
本発明の電解質組成物は、イオン伝導性の点から、成分(A)及び(B)に加えて、更に成分(C)として支持電解質を含有することが好ましい。
成分(C)としては、有機スルホニルイミド、カルボン酸、二塩基酸ジヒドラジド、イミダゾール類、有機ボロン、有機ホスフィン、グアニジン類、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
中でも、イオン伝導性の点から、有機スルホニルイミド又はその塩が好ましく、下記式(10)で表されるアニオンと、金属カチオン又は有機アミン由来のカチオンとの塩が好ましい。当該金属カチオン及び有機アミン由来のカチオンとしては、Yと同様のものが挙げられるが、イオン伝導性の点から、アルカリ金属カチオンがより好ましく、Li+が特に好ましい。
[式(10)中、R28は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン原子を示す。]
上記R28におけるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基としては、R11と同様のものが挙げられるが、三フッ化メチル基が特に好ましい。
本発明の電解質組成物中の成分(B)と成分(C)の含有質量比[(C)/(B)]は、イオン伝導性、熱安定性、難燃性の点から、0〜40が好ましく、5〜30がより好ましい。
なお、上記成分(A)〜(C)は、(A)〜(C)に含まれる各化合物を、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上用いてもよい。
なお、上記成分(A)〜(C)は、(A)〜(C)に含まれる各化合物を、それぞれ単独で用いてもよく、二種以上用いてもよい。
本発明の電解質組成物には、上記成分の他に、成分(c1)以外のアミン化合物、フェノール類、酸無水物等を含有せしめてもよい。なお、これらは単独で用いてもよく、二種以上用いてもよい。
上記成分(c1)以外のアミン化合物としては、ジエチルアミン、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ジプロピレントリアミン(DPTA)、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、ジエチルアミノプロピルアミン、アミノエチルピペラジン、メンセンジアミン、メタキシリレンジアミン、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、メチレンジアニリン、メタフェニレンジアミン、イソホロンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4'−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
上記フェノール類としては、フェノール性水酸基を有するものであれば特に限定されないが、ビフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、キシレン−ノボラック、メラミン−ノボラック、p−ヒドロキシスチレン(共)重合物、及びこれらのハロゲン化物やアルキル基置換体から選ばれる1種又は2種以上等が挙げられる。
上記酸無水物としては、無水ヘキサヒドロフタル酸(HPA)、無水テトラヒドロフタル酸(THPA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、無水クロレンド酸(HET)、無水ナディック酸(NA)、無水メチルナディック酸(MNA)、無水ドデシニルコハク酸(DDSA)、無水フタル酸(PA)、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(MeHPA)、無水マレイン酸から選ばれる1種又は2種以上等がある。
次に、本発明の電解質組成物の製造方法について説明する。
本発明の電解質組成物の製造方法としては、特に限定されないが、成分(A)に、成分(B)を含浸させるのが好ましい。
本発明の電解質組成物の製造方法としては、特に限定されないが、成分(A)に、成分(B)を含浸させるのが好ましい。
また、本発明の電解質組成物はキットの形態とすることが可能であり、その態様としては、例えば、上記成分(A)と成分(B)と、必要に応じて成分(C)とを、個別の容器に収容したキット、上記成分(a1)と成分(b1)と成分(c1)と成分(B)と、必要に応じて成分(C)とを個別の容器に収容した電解質組成物用原料キットが挙げられる。また、他の態様としては、複数に区分けされた容器内に、成分(A)を収容する第一の区分と、成分(B)を収容する第二の区分と、必要に応じて成分(C)を収容する第三の区分とを備える電解質組成物用原料キット、成分(a1)を収容する第一の区分と、成分(b1)を収容する第二の区分と、成分(c1)を収容する第三の区分と、成分(B)を収容する第四の区分と、必要に応じて成分(C)を収容する第五の区分とを備える電解質組成物用原料キットが挙げられる。このようなキットとすることで、優れた貯蔵安定性が得られる。
上記製造方法により得られる本発明の電解質組成物は、下記実施例に示すとおり、優れたイオン伝導性、熱安定性及び難燃性を有し、かつ優れた保液性を有するため、液漏れの危険性が少ない。なお、本発明の電解質組成物の膨潤度としては、イオン伝導性の点から、1.5〜50が好ましく、2〜20がより好ましい。
また、本発明の電解質組成物は、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、好ましくは非水系電解質組成物、より好ましくはゲル状電解質組成物である。更に、好ましい形態としては、フィルム状電解質組成物が好ましく、更に好ましくはフィルム状ゲル電解質組成物である。更に、当該組成物としては、透明のものが好ましい。
また、本発明の電解質組成物は、イオン伝導性、熱安定性、難燃性及び保液性の点から、好ましくは非水系電解質組成物、より好ましくはゲル状電解質組成物である。更に、好ましい形態としては、フィルム状電解質組成物が好ましく、更に好ましくはフィルム状ゲル電解質組成物である。更に、当該組成物としては、透明のものが好ましい。
したがって、本発明の電解質組成物は、バッテリーやキャパシタ等の電気デバイスの電解質、帯電防止剤;電解質フィルム;その他の成形体等として有用である。
ここで、バッテリーとしては、リチウムイオンバッテリーが挙げられる。
また、キャパシタとしては、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等が挙げられる。
また、電解質フィルムとしては、ほん帯電防止フィルム、耐熱フィルム、難燃フィルム、接着フィルム、イオン伝導性フィルム、導電性フィルム、バッテリー用電解質フィルム、キャパシタ用電解質フィルム等が挙げられる。
本発明の電解質組成物は、イオン性官能基の構造が安定化しており、キャパシタや電池等の充放電に耐えうると推測できるので、バッテリーやキャパシタ等の電気デバイスの電解質、帯電防止剤等として有用である。
ここで、バッテリーとしては、リチウムイオンバッテリーが挙げられる。
また、キャパシタとしては、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタ等が挙げられる。
また、電解質フィルムとしては、ほん帯電防止フィルム、耐熱フィルム、難燃フィルム、接着フィルム、イオン伝導性フィルム、導電性フィルム、バッテリー用電解質フィルム、キャパシタ用電解質フィルム等が挙げられる。
本発明の電解質組成物は、イオン性官能基の構造が安定化しており、キャパシタや電池等の充放電に耐えうると推測できるので、バッテリーやキャパシタ等の電気デバイスの電解質、帯電防止剤等として有用である。
なお、本発明の電解質組成物は、上記用途に応じて、リチウム塩等の電解質、無機フィラー、密着助剤、高分子添加剤、反応性希釈剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、帯電防止剤、無機充填剤、防カビ剤、調湿剤、難燃剤などを含んでいてもよい。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
実施例で使用した試薬は以下の通りである。
2,3−エポキシ−1−プロパノール、水素化リチウム、酢酸、アセトニトリル、ジクロロメタン、メタノール(特級)、及びグリシジルフェニルエーテル(PhGE)は、和光純薬工業から購入し、そのまま使用した。
ジメチルスルホキシド(DMSO)は、和光純薬工業から購入し、モレキュラーシーブ4Aで乾燥して使用した。
3−クロロプロパンスルホニルクロライドは、Alfa Aesarから購入し、そのまま使用した。
プロパンサルトン、トリフルオロメタンスルホンアミドは、東京化成工業から購入し、そのまま使用した。
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(Mw=526,PEGGE)、及びポリ(エチレングリコール)ビス(3−アミノプロピル)(Mw=1500,PEGBA1500)は、Aldrichから購入し、そのまま使用した。
ポタジウムビス(フルオロスルフォニル)イミド(KFSI)は、三菱マテリアル電子化成株式会社から購入し、そのまま使用した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMImFSI)は、第一工業製薬社製から購入し、そのまま使用した。
リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)は、和光純薬工業から購入し、真空下120℃にて3時間加熱乾燥して使用した。
炭酸プロピレン(PC)は、東京化成工業から購入し、水素化カルシウムを用いて蒸留して使用した。
2,3−エポキシ−1−プロパノール、水素化リチウム、酢酸、アセトニトリル、ジクロロメタン、メタノール(特級)、及びグリシジルフェニルエーテル(PhGE)は、和光純薬工業から購入し、そのまま使用した。
ジメチルスルホキシド(DMSO)は、和光純薬工業から購入し、モレキュラーシーブ4Aで乾燥して使用した。
3−クロロプロパンスルホニルクロライドは、Alfa Aesarから購入し、そのまま使用した。
プロパンサルトン、トリフルオロメタンスルホンアミドは、東京化成工業から購入し、そのまま使用した。
ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル(Mw=526,PEGGE)、及びポリ(エチレングリコール)ビス(3−アミノプロピル)(Mw=1500,PEGBA1500)は、Aldrichから購入し、そのまま使用した。
ポタジウムビス(フルオロスルフォニル)イミド(KFSI)は、三菱マテリアル電子化成株式会社から購入し、そのまま使用した。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(フルオロスルホニル)イミド(EMImFSI)は、第一工業製薬社製から購入し、そのまま使用した。
リチウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)は、和光純薬工業から購入し、真空下120℃にて3時間加熱乾燥して使用した。
炭酸プロピレン(PC)は、東京化成工業から購入し、水素化カルシウムを用いて蒸留して使用した。
その他、本発明に用いられる試薬の合成例を下記に記す。
[合成例1]
リチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホネート(LiGPS)の製造
2,3−エポキシ−1−プロパノール(1.48g,20.0mmol)とプロパンサルトン(2.44g,20mmol)のDMF(4mL)溶液に、水素化リチウム(176mg,22mmol)を加え、これを室温で20時間攪拌した後、反応混合物にアセトン(100mL)を加え生成物を沈殿させた。この沈殿を回収しアセトンで洗浄後、得られた固体を真空乾燥することにより、目的化合物LiGPS(2.21g,10.9mmol)を収率54.7%で得た。得られた化合物を下記式に示す。
リチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホネート(LiGPS)の製造
2,3−エポキシ−1−プロパノール(1.48g,20.0mmol)とプロパンサルトン(2.44g,20mmol)のDMF(4mL)溶液に、水素化リチウム(176mg,22mmol)を加え、これを室温で20時間攪拌した後、反応混合物にアセトン(100mL)を加え生成物を沈殿させた。この沈殿を回収しアセトンで洗浄後、得られた固体を真空乾燥することにより、目的化合物LiGPS(2.21g,10.9mmol)を収率54.7%で得た。得られた化合物を下記式に示す。
ATR−IR:751,800,851,891,910,1045,1076,1104,1166,1221,2876,2940cm-1.
1H−NMR δ in CD3OD:2.00−2.13(m,2H),2.63(dd,J=2.8,5.2Hz,1H),2.81(dd,J=4.4,5.2Hz,1H),2.92(t,J=7.8Hz,2H),3.10−3.20(m,1H),3.37(dd,J=6.0,11.4Hz,1H),3.57−3.68(m,2H),3.79(dd,J=2.8,11.4Hz,1H).
1H−NMR δ in CD3OD:2.00−2.13(m,2H),2.63(dd,J=2.8,5.2Hz,1H),2.81(dd,J=4.4,5.2Hz,1H),2.92(t,J=7.8Hz,2H),3.10−3.20(m,1H),3.37(dd,J=6.0,11.4Hz,1H),3.57−3.68(m,2H),3.79(dd,J=2.8,11.4Hz,1H).
[合成例2]
リチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(LiGPSI)の製造
室温でトリフルオロメタンスルホンアミド(2.98g,20.0mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液中に、3−クロロプロパンスルホニルクロライド(3.54g,20.0mmol)と水酸化リチウム一水和物(1.68g,40.0mmol)を加え20時間撹拌した。この混合物をガラスフィルターでろ過し、ろ液を濃縮した後、ジクロロメタン(30mL)を加えて1時間撹拌したところ白色結晶が生成した。この混合物をガラスフィルターでろ過し結晶を回収して真空乾燥し、リチウム 3−クロロプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(5.18g,17.5mmol)を収率87%で得た。
リチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(LiGPSI)の製造
室温でトリフルオロメタンスルホンアミド(2.98g,20.0mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液中に、3−クロロプロパンスルホニルクロライド(3.54g,20.0mmol)と水酸化リチウム一水和物(1.68g,40.0mmol)を加え20時間撹拌した。この混合物をガラスフィルターでろ過し、ろ液を濃縮した後、ジクロロメタン(30mL)を加えて1時間撹拌したところ白色結晶が生成した。この混合物をガラスフィルターでろ過し結晶を回収して真空乾燥し、リチウム 3−クロロプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(5.18g,17.5mmol)を収率87%で得た。
酢酸(1.56g,26.3mmol)を純水(18mL)に溶解し、水酸化リチウム一水和物(1.11g,26.3mmol)を加えて中和した後、上記のリチウム 3−クロロプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(5.18g,17.5mmol)を加え、100℃で42時間加熱撹拌した。この混合物に水酸化リチウム一水和物(924mg,22.0mmol)を加え室温で4時間撹拌した。反応混合物を濃縮後、アセトニトリル(30mL)を加えて撹拌した。デカンテーションで上澄み液を回収し、沈殿をアセトニトリル(10mL)で洗浄した洗液とともに濃縮した後、50℃に加熱しながら真空乾燥を行ったところ、リチウム 3−ヒドロキシルプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(2.58g,9.31mmol)を収率53%で得た。
得られたリチウム 3−ヒドロキシルプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(444mg,1.50mmol)をジメチルスルホキシド(1.1mL)に溶解し、エピブロモヒドリン(438mg,3.2mmol)と水素化リチウム(60mg,7.5mmol)を加え、50℃に加熱し43時間撹拌した。反応混合物に、アセトニトリル(10mL)を加え撹拌後、ガラスフィルターでろ過し未反応の水素化リチウムと臭化リチウムを除去した後、トルエン(20mL)を加え撹拌した。沈殿した褐色の液体を回収しトルエン(5mL)で2回洗浄後、真空乾燥を行うことでリチウム 3−グリシジルオキシプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミド(LiGPSI)と、原料であるリチウム 3−ヒドロキシルプロパンスルホニルトリフルオロメタンスルホニルイミドとの混合物である、ジメチルスルホキシド溶液(グリシジル化率86%,LiGPSI含有率22wt%)1.61gを得た。得られた化合物を下記式で示す。
[実施例1] フィルム状電解質組成物の製造(1)
1)まず、フッ素樹脂テープ(Permacel P422)を用いてスライドガラス上に16mm×42mm×0.1mmの窪みを作製し、エポキシ硬化用の型枠を得た。
1)まず、フッ素樹脂テープ(Permacel P422)を用いてスライドガラス上に16mm×42mm×0.1mmの窪みを作製し、エポキシ硬化用の型枠を得た。
2)次に、表1に示す成分を用いて、フィルム1を得た。
すなわち、LiGPSI、PEGGE、PEGBA、及びメタノール(600mg)を混合し、これを攪拌した後、上記エポキシ硬化用の型枠に流し込み、メタノールを蒸発留去させた後、100℃で7時間加熱した。そして、室温まで冷却した後、型枠を外し、エポキシ硬化物を得た。
得られたエポキシ硬化物を、15mm×5mmのサイズに切り出しフィルム状にし、メタノール50mL中に2時間浸漬した後、フィルムを取り出しメタノールで洗浄した。この操作を3回行った後、一晩風乾し、更に電気乾燥機を用いて100℃で3時間加熱乾燥し、およそ15mm×5mm×0.3mmサイズのフィルム1を得た。
すなわち、LiGPSI、PEGGE、PEGBA、及びメタノール(600mg)を混合し、これを攪拌した後、上記エポキシ硬化用の型枠に流し込み、メタノールを蒸発留去させた後、100℃で7時間加熱した。そして、室温まで冷却した後、型枠を外し、エポキシ硬化物を得た。
得られたエポキシ硬化物を、15mm×5mmのサイズに切り出しフィルム状にし、メタノール50mL中に2時間浸漬した後、フィルムを取り出しメタノールで洗浄した。この操作を3回行った後、一晩風乾し、更に電気乾燥機を用いて100℃で3時間加熱乾燥し、およそ15mm×5mm×0.3mmサイズのフィルム1を得た。
3)次に、表2に示す成分を用いて、フィルム状電解質組成物を得た。
すなわち、上記フィルム1の質量を測定した後、50mLのサンプル瓶に入れた。次いで、支持電解質であるLiTFSIをEMImFSIに添加し、EMImFSI中のLiTFSIが10質量%の溶液とした。そして、この溶液を上記フィルム1に加え、フィルム1に溶液を含浸させた。
サンプル瓶を50℃で24時間加熱後、上記溶液(電解液)で膨潤したフィルムを取り出し、表面の余分な液体をキムワイプでふき取り、フィルム状電解質組成物を得た。
すなわち、上記フィルム1の質量を測定した後、50mLのサンプル瓶に入れた。次いで、支持電解質であるLiTFSIをEMImFSIに添加し、EMImFSI中のLiTFSIが10質量%の溶液とした。そして、この溶液を上記フィルム1に加え、フィルム1に溶液を含浸させた。
サンプル瓶を50℃で24時間加熱後、上記溶液(電解液)で膨潤したフィルムを取り出し、表面の余分な液体をキムワイプでふき取り、フィルム状電解質組成物を得た。
[実施例2〜6] 電解質組成物の製造(2)
表1及び2に示す成分を用いて、実施例1と同様に、フィルム及びフィルム状電解質組成物を得た。
表1及び2に示す成分を用いて、実施例1と同様に、フィルム及びフィルム状電解質組成物を得た。
なお、上記実施例1〜6のフィルム状電解質組成物は、いずれもゲル状であった。この結果、実施例1〜6のフィルム状電解質組成物は、保液性を有し、液漏れの危険性が少ないことがわかった。
[試験例1] 膨潤度測定
実施例1〜6のフィルム状電解質組成物の質量を測定し、フィルムの質量とフィルム状電解質組成物の質量から、膨潤度を求めた。また、EMImFSIの各フィルムに対する質量比を求めた。結果を表3に示す。
実施例1〜6のフィルム状電解質組成物の質量を測定し、フィルムの質量とフィルム状電解質組成物の質量から、膨潤度を求めた。また、EMImFSIの各フィルムに対する質量比を求めた。結果を表3に示す。
この結果から、実施例1〜6のフィルム状電解質組成物が優れた膨潤度を有することがわかった。
[試験例2] イオン伝導度測定
実施例1〜6のフィルム状電解質組成物を2枚のステンレス製電極に挟み込み、交流4端子法によりインピーダンスを測定し、ナイキストプロットにより解析してイオン伝導度を求めた。結果を表4に示す。
実施例1〜6のフィルム状電解質組成物を2枚のステンレス製電極に挟み込み、交流4端子法によりインピーダンスを測定し、ナイキストプロットにより解析してイオン伝導度を求めた。結果を表4に示す。
以下に、イオン伝導度測定の装置と条件を示す。
測定装置:HIOKI3532−80 Chemical impedance meter、9140 4端子プローブ
電圧:50mV
測定周波数:4Hz〜100KHz
測定装置:HIOKI3532−80 Chemical impedance meter、9140 4端子プローブ
電圧:50mV
測定周波数:4Hz〜100KHz
表4の結果から、実施例1〜6のフィルム状電解質組成物が優れたイオン伝導性を有することがわかった。
[試験例3] 熱重量分析
実施例1〜3のフィルム状電解質組成物について、熱重量分析(TGA)を行った。
すなわち、セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200を用いて、各フィルム状電解質組成物4mgをアルミ製パン内に秤取し、50mL/minの窒素気流中、10℃/minで昇温させて測定した。結果を図1に示す。
図1の結果から、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物は、いずれも優れた熱安定性を有することがわかった。
実施例1〜3のフィルム状電解質組成物について、熱重量分析(TGA)を行った。
すなわち、セイコーインスツルメント社製TG−DTA6200を用いて、各フィルム状電解質組成物4mgをアルミ製パン内に秤取し、50mL/minの窒素気流中、10℃/minで昇温させて測定した。結果を図1に示す。
図1の結果から、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物は、いずれも優れた熱安定性を有することがわかった。
[試験例4] 示差走査熱量分析
実施例1〜3のフィルム状電解質組成物について、示差走査熱量分析(DSC)を行った。
すなわち、セイコーインスツルメント社製DSC6200を用いて、各フィルム状電解質組成物4mgをアルミ製パン内に秤取し封入し、測定前に70℃で数分熱処理した後、液体窒素を用いて−100℃まで急冷した。その後、20mL/minの窒素気流中10℃/minで昇温させて測定した。結果を図2に示す。
図2の結果から、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物は、いずれも−16℃以上でゲル状態になることがわかった。
実施例1〜3のフィルム状電解質組成物について、示差走査熱量分析(DSC)を行った。
すなわち、セイコーインスツルメント社製DSC6200を用いて、各フィルム状電解質組成物4mgをアルミ製パン内に秤取し封入し、測定前に70℃で数分熱処理した後、液体窒素を用いて−100℃まで急冷した。その後、20mL/minの窒素気流中10℃/minで昇温させて測定した。結果を図2に示す。
図2の結果から、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物は、いずれも−16℃以上でゲル状態になることがわかった。
[試験例5] 燃焼性試験
実施例1〜3のフィルム状電解質組成物について、燃焼性試験を行った。
すなわち、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物にライターの炎を3秒間接炎して、目視により燃焼性を観察した。
一方、フィルム1を10wt%LiTFSIの炭酸プロピレン溶液で膨潤させて得られた比較試料(X)に、上記と同様にライターの炎を接炎して、目視により燃焼性を観察した。
その結果、比較試料(X)は激しく燃え、著しい燃焼性を有するのに対して、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物はいずれもすぐに炎が消え、優れた難燃性を有することがわかった。
実施例1〜3のフィルム状電解質組成物について、燃焼性試験を行った。
すなわち、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物にライターの炎を3秒間接炎して、目視により燃焼性を観察した。
一方、フィルム1を10wt%LiTFSIの炭酸プロピレン溶液で膨潤させて得られた比較試料(X)に、上記と同様にライターの炎を接炎して、目視により燃焼性を観察した。
その結果、比較試料(X)は激しく燃え、著しい燃焼性を有するのに対して、実施例1〜3のフィルム状電解質組成物はいずれもすぐに炎が消え、優れた難燃性を有することがわかった。
Claims (12)
- 下記成分(A)及び成分(B)を含有する、電解質組成物。
(A)少なくとも下記式(1)で表されるエポキシ化合物(a1)を、硬化剤(c1)の存在下で反応させることにより得られる高分子化合物
R1は、メチレン基、置換若しくは非置換の炭素数2〜20のアルキレン基、又は単結合を示し、
Xは、エポキシ基を有する基を示し、
Yは、置換若しくは非置換の炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、又はイオン性官能基を示し、
nは、1〜100の整数である(但し、R1が単結合の場合、nは1である。)。]
(B)下記式(3)で表される化合物
R9及びR10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20のアルキル基を示し、
R11及びR12は、それぞれ独立に、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜6のアルキル基、又はハロゲン原子を示す。] - Xが、エポキシ基、又はエポキシ基を有する炭素数1〜10のアルキル基であり、Yが、置換若しくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、又はイオン性官能基である、請求項1に記載の電解質組成物。
- Yが、置換若しくは非置換の炭素数6〜18のアリール基であるか、又は−SO3 -、−SO2N-SO2R13(R13は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基を示す。)、若しくは−(SO2R14)2N-(R14は、R13と同義である。)と、金属カチオンとの塩である、請求項1に記載の電解質組成物。
- R6、R7及びR8が、それぞれ独立に、エチレン基、メチルエチレン基及びトリメチレン基から選ばれる基である請求項4に記載の電解質組成物。
- 前記成分(A)が、前記成分(a1)と、2個以上のエポキシ基を有する化合物(b1)とを、前記硬化剤(c1)の存在下で反応させることにより高分子化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電解質組成物。
- 前記化合物(b1)が、2個のエポキシ基を有するグリシジルエーテル系エポキシ化合物である、請求項6に記載の電解質組成物。
- 更に、成分(C)として支持電解質を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電解質組成物。
- 前記成分(C)が、有機スルホニルイミド、カルボン酸、二塩基酸ジヒドラジド、イミダゾール類、有機ボロン、有機ホスフィン、グアニジン類、及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の電解質組成物。
- 非水系である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電解質組成物。
- フィルム状である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電解質組成物。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の電解質組成物を用いてなる、電気デバイス。
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- 2010-07-02 JP JP2010151740A patent/JP2012012350A/ja active Pending
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