JP2012011662A - インクカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、インクカートリッジを構成するインク室がインク室と区分されてインク室内中にインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジに、例えばインク残検用のプリズムを設けてインク容器内のインク残量を管理する場合、釣鐘状インクが形成するという問題を解決し、気液分離室の機能やプリズムの機能を損なわないインクカートリッジを提供する。
【解決手段】大気連通孔と、インクを収納するインク室と、インク供給口を備えており前記インク室と区分されてインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジであって、前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置することを特徴とするインクカートリッジ。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェットプリンタに搭載されるインクカートリッジに関し、さらに詳しくは、インクカートリッジを構成するインク室がインク室と区分されてインク室内中にインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジに関する。
一般に、近年の印刷装置の一例として主流であるインクジェット式プリンタは、通常、装置内のカートリッジ装着部に装着されたインクカートリッジに貯留されているインクを記録ヘッドへ供給可能な状態で保持し、この記録ヘッドが用紙等の被記録媒体にインク滴を噴射することで、画像や文字の記録を行うとともに、インクカートリッジからインクを供給せしめる。インクジェット式プリンタにおける記録ヘッドは、熱や振動を利用してインク滴の噴射を制御するもので、インクカートリッジがインク切れになり、インクが供給されない状態でインク吐出動作を行う空打ちが発生すると、故障する可能性がある。
そこで、インクジェット式プリンタでは、記録ヘッドが空打ちをしないように、インクカートリッジにおけるインク残量を監視するために、例えば、インク容器内の底部に設けたプリズムに対しプリンタ側の発光部から光を照射し、インクレベルが下がると照射した光がプリズムによって屈折され、その光をプリンタ側の受光部が受光することによってインク容器内のインク残量が少なくなったことを検知し、(即ちプリズムの表面にインクがなくなると照射した光が、屈折する機構を利用してインク残量を検知する。)ユーザーにインクカートリッジの交換を促すことが行われている。(例えば特許文献1)
しかしながら、インク容器内に収納されているインクの種類によってはインク残量が低下し本来はインク容器を交換しなければならない状態にあっても、プリズムの表面にインクが残存しインクがなくなったことを検知できないといういわゆるインク残量検知の誤動作が発生することがあり、この誤動作を改善するために、プリズムの表面やインク容器の側壁面などにインク滴の付着を防ぐ撥水処理を施したり、インクの表面エネルギーを低下させる表面処理剤を塗布する技術が提案されている。(例えば特許文献1)
また、プリズムの表面に付着したインク滴や泡を強制的に除去するためのインク滴除去板をインク容器内に設けてこのインク滴除去板を振り子状に動かしてインク滴などを拭き取る技術が提案されている。(例えば特許文献2)
また、従来から、地球環境の改善に配慮して廃棄物の削減が叫ばれているが、プリンタメーカは提供するインクカートリッジの機能を優先するために、リフィル可能なインクカートリッジをユーザーには提供していない。インクカートリッジのインク充填(再充填)に関して市場の要求から、一回だけ使用して廃棄するのではなく、インクを再充填して再度利用するインク再充填方式が多く提案され、実用化もされている。その1つには、充填インクを収納した蛇腹式インク容器の先端にある金属製注射針をインクカートリッジ収容部に開けた穴に刺し込み、この蛇腹式インク容器を徐々につぶすことで加圧してインクを再充填する形態や注射器型インク充填容器でインクを加圧再充填する形態が知られている。(例えば特許文献3)
また、特許文献4の[0010]には、「…、前記液体収容体に対する液体の充填は加圧充填により行われても良い。この場合には、充填処理に要する時間を短縮することができる。…」と記載されているが、加圧充填のみ(すなわち、自然充填は困難である区分室)で充填されるインク供給室は開示されていない。また[0014]には、「…、液体が充填された前記液体容器の前記液体供給口から、充填された液体の一部を排出させても良い。…」と記載され、更に[0022]には、「本実施例に係るインクカートリッジ10は、筐体20、蓋体25、インク収容体30、インク量センサ40を備えている。…また、インク収容体30は液体収容体に、インク量センサ40は液量検出器に相当する。」続いて[0023]には「…筐体20は、外観が略直方体形状をなし、2つの独立したインク収容室20aおよびセンサ収容室20bを有している。各収容室20a、20bは、壁面部20cによって区画形成されており、…」と記載され、図1を参照すると、インク収容体30とインク残量センサ40は、二つに独立して区画形成されたインク収容室20aとセンサ収容室20bを備えたインクカートリッジのインク供給口から加圧充填し、該インク供給口からインクを外部へ供給(排出)するインクカートリッジが開示されている。
また、インクカートリッジ内に、インク吸収材が保持されたインク保持室の上部に気体は通すがインクは通さない気液分離部材を備えたインクカートリッジが開示されている。(例えば特許文献5)この特許文献5は、インクを吸収保持可能なインク保持体を内部に備えるとともに、内部に収容したインクを外部に供給するための供給口を有し、吸引口から内部に導入した負圧によって、取入れ口から内部にインクを取入れ可能なインクタンクであって、前記吸引口に、インクは通さずに気体を通す気液分離手段を備えており、前記取入れ口から取入れたインクは、前記インク保持体に保持されつつ、前記気液分離手段に到達する前に供給口に到達するようにしてインクが充填されることが開示されている。そして、[0077]には、「・・・インク吐出口にインクのメニスカスが正常に形成されているときは、同図のようにインク補給のための接続をする(ステップS8)。吸引ジョイント202を通して保留インクタンク20を吸引して、インク取入れ口20bから貯留インクタンク20内にインクを補給する。」と記載され、また、[0078]には、「・・・インク吐出口にインクのメニスカスが正常に形成されていないときは、同図のように、供給ジョイント201とキャップ部材38aをセットすると共に、吸引口53bをキャップ部材203によって閉塞する。その後、・・・キャップ部材38a内を吸引し(ステップS5)、インク取入れ口20bから貯留インクタンク20および記録ヘッド20a内にインクを導入して、インク吐出口にインクのメニスカスを形成する。」と記載されているように、インク吐出口にメニスカスが形成されている場合と形成されていない場合の減圧下によって行うインクの充填方法が開示されている。
特開2000−198222号公報 特開2003−334971号公報 特開平08−8−1959号公報 特開2009−66791号公報 特許第3347688号公報
しかし、上記特許文献1及び2に開示されているプリズムを用いたインク残量検知の誤動作防止は、インク容器内に単にプリズムを備えた場合のプリズム表面にインク滴や泡が付着することに対する誤動作防止対策であり、インク室がインク室と区分されてインク室内中にインク吸収材が充填された気液交換室を備えた場合、あるいはインク室と区分されたインクを収容する区分室をさらに備えた場合については何ら開示も示唆もない。気液交換室の下部に例えばインク残検用のプリズムやインク室と区分されたインク区分室などの近接部材を備えたインクカートリッジについて鋭意研究した結果、上述したような単なるインク滴や泡が付着することによる理由だけでは解決できないメカニズム、即ち、気液交換室の下部と上述した近接部材とによって形成される釣鐘状インクが気液交換室の機能を阻害し、また形成される釣鐘状インクがプリズム本来の機能を阻害するということを見出し、本発明の完成に至った。
また、特許文献3および4に開示されているように、使用済みインクカートリッジを加圧してインクを再充填する場合、以下のような問題点があった。すなわち、手動式のため、操作者の加圧状態が過度になる場合や、インクカートリッジ内のインク収容速度よりもインク供給速度が速くなりすぎる場合があって、インク充填口からインクが溢れたりすることがある。特に、その作業性から充填される量や速度変化しやすく、インクタンクの開穴(充填口やインク供給口あるいは、大気連通孔)からインクが溢れ出すことも多い。圧力をかけるため、インク充填容器とインクカートリッジの再充填孔との密接が不良の場合には、加圧状態でインクがインク充填孔から噴出すという不都合が生じることがあった。
また、特許文献5に開示されているように、インクカートリッジに減圧下でインクを充填する場合にも、以下のような問題点があった。インク吐出口にインクのメニスカスが正常に形成されている場合であっても、インク充填をユーザーが行う場合は手動式であるため、インクの注入口に不具合やインク注入口の接合不良があるとインクカートリッジ内にインクの泡が充満したり、減圧部からその泡が漏れたりすることがある。また、形成された泡がインクカートリッジ内に残り印刷時のインクかすれを引き起こすという問題が生じることがあった。
本発明の目的は、上述したように、インクカートリッジを構成するインク室がインク室と区分されてインク室内中にインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジに、例えばインク残検用のプリズムを設けてインク容器内のインク残量を管理する場合、釣鐘状インクが形成するという問題を解決でき気液分離室の機能やプリズムの機能を損なわないインクカートリッジを提供することにある。
また、本発明はさらに、上記の目的に付随して、圧力をかけないとインク充填できない区分室を備えたインクカートリッジにインクを再充填する場合、インクが溢れるという問題を解決でき、インクの再充填時のインク漏れや溢れをも解決できる新規なインクカートリッジ及び該使用済みインクカートリッジにインクを再充填できるインクカートリッジを提供することにある。
この目的は、特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。特に本発明は、インクカートリッジ内にインクを収納するインク室と、インク室とは区分されてインク吸収材が充填された気液交換室をインク室内中に備え、さらに気液交換室の底部開口部の近傍に例えばインク残検用のプリズムを設けた場合、インクが消費されてインク室内のインク量が低下すると気液交換室の底部開口部とプリズムとの間に釣鐘状インクが形成され、そして気液交換室に充填されているインク吸収材がこの形成された釣鐘状インクを吸収してさらに釣鐘状インクを形成保持するというメカニズムを見出したことによりなされた発明である。
即ち、本発明の第1の発明は、大気連通孔と、インクを収納するインク室と、インク供給口を備えており前記インク室と区分されてインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジであって、前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置することを特徴とするインクカートリッジである。
本発明の第2の発明は、第1の発明に記載の前記近接する部材がインク残量を検知するプリズムであることを特徴とするインクカートリッジである。
本発明の第3の発明は、第1の発明に記載の前記近接する部材がインク室底面又はインク室側壁であることを特徴とするインクカートリッジである。
本発明の第4の発明は、第1の発明または第2の発明に前記近接する部材が区画室壁であることを特徴とする記載のインクカートリッジである。
本発明の第5の発明は、第1の発明ないし第4の発明のいずれかに記載の前記インクカートリッジが前記インク室と区分されたインクを収容する区分室をさらに備えていることを特徴とするインクカートリッジである。
本発明の第1の発明であるインクカートリッジは、大気連通孔と、インクを収納するインク室と、インク供給口を備えており前記インク室と区分されてインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジであって、前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置する構成としている。上述したように、気液交換室の底部開口部の近傍に例えばインク残検用のプリズムを設けた場合は、インクが消費されてインク室内のインク量が低下すると気液交換室の底部開口部とプリズムとの間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成され、そして気液交換室に充填されているインク吸収材がこの形成された釣鐘状インクを吸収してさらに釣鐘状インクを形成保持すというメカニズムがインク残量検知の機能を阻害し、インク残量検知の誤動作を招くという問題に対し、本発明では、前記気液交換室の底部開口部から、例えばプリズムなどの近接する部材を釣鐘状インクが形成されない距離に位置する構成としているのでインク残量検知機能が正常に働くことができるという効果を奏する。また、前記気液交換室も前記釣鐘状インクに影響されることなくインクを吸収保持するとともにインクの消費に伴う気液交換を正常に機能させることができるという効果を奏する。
本発明の第2の発明ないし第4の発明であるインクカートリッジは、第1の発明に記載の前記近接する部材が、インク残量を検知するプリズム、インク室底面、インク室側壁及び区画室壁のいずれかであって、これらの前記近接する部材を前記インクカートリッジを構成する前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置する構成としている。そのため、上述したように、前記気液交換室の底部開口部と前記近接する部材との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されることがない。したがって、したがって気液交換室と前記近接する部材の夫々の機能が阻害されることがなく正常に機能させることができるという効果を奏する。
本発明の第5の発明であるインクカートリッジは、第1の発明ないし第4の発明に記載のインクカートリッジであって、前記インクカートリッジが前記インク室と区分されたインクを収容する区分室をさらに備えている構成としている。インクカートリッジに前記インク室と区分されたインクを収容する区分室を設けた場合、インク吸収体などの負圧発生材に付随して前記区分室がインク室内の負圧バランスに寄与するという効果を生じる。その結果一定の容積のインクカートリッジ内において、インク吸収材の充填量を少なくできるので、その分インクを多く収納できるという効果を奏することができる。
前記区分室を備えたカートリッジの場合、印刷によってインクが空になったインクカートリッジにインクを再充填しようとすると、これまでは圧力をかけないとインクの再充填ができなかったが、本発明のカートリッジは、上記の効果に付随して、加圧充填時に生じるインク漏れや溢れを起こすことなくユーザーが常圧下で容易にインクの再充填ができるという効果を奏する。
本発明の実施態様例を示す模式図である。 本発明の実施態様例を示す模式図である。 本発明のインク充填方法を示す模式図である。 本発明の他の実施態様例を示す模式図である。 本発明の実施態様を説明する参考模式図 本発明の実施態様を説明する参考模式図 本発明の実施態様を説明する参考模式図 本発明の実施態様を説明する参考模式図
(本発明の実施の態様例)
以下、本発明のインクカートリッジについて図1〜図8を参照して説明するが、本発明はこの事例に限られるものではない。本発明のインクカートリッジ1は、大気連通孔2と、インクを収納するインク室4と、インク供給口3を備えており前記インク室4と区分されてインク吸収材が充填された気液交換室8を備えたインクカートリッジ1であって、インクカートリッジ1を構成する前記気液交換室8の底部開口部13に対して近接する部材21が前記底部開口部13との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成としている。つまり、前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する関係を満足している。
さらに詳しくは、本発明のインクカートリッジ1は、大気連通孔2が気液分離室12と連通し、前記気液分離室12内の連通口9が大気連通路10を通じてインク室4内に設けた気液交換室8内の上部開口部11と連通している。そして、前記気液交換室8は、上部に空間7を形成してインク吸収材6が前記気液交換室8の底部から上方まで充填されてリブ22で固定されている。また、前記気液交換室8は、インク室4内のインクの消費に伴って大気連通孔2から導入される空気がインク室4内のインクと気液交換されてインク室4内の負圧を維持できる底部開口13を底部に有しており、また、前記気液交換8内に充填された前記インク吸収材6はインク室4内のインクを吸収保持するとともにインク室4内の負圧を維持する機能も有している。また、本発明のインクカートリッジ1は、前記の構成とともに、インク室4内の底部に、近接する部材としてのインク室4内のインク量を検出するためのプリズム21が備えられている。
前記近接する部材としてのインク室4内のインク量を検出するためのプリズム21は、前記気液交換室8の前記底部開口部13に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成としている。前記近接する部材21としては、インク残量を検知するプリズム、インク室底面、インク室側壁及び区画室壁のいずれかであるが、前記気液交換室8の底部開口部13に対して近接する部材21が前記底部開口部13との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる前記釣鐘状インク25が形成されない距離としては、インクが染料系の場合は少なくとも3〜4mmの範囲に位置することが好ましい。また、インクが顔料系の場合は少なくとも5〜7mmの範囲に位置することが好ましい。前記した、前記気液交換室8の底部開口部13から前記近接する部材21を前記釣鐘状インク25が形成されない距離は好ましい目安であって、これに限定されることなく、インクカートリッジの設計に当たっては釣鐘状インク25が形成されないことを確認試験することがより好ましい。また、前記した距離のみならず、インクカートリッジを構成する部材の表面と使用するインクとの表面エネルギー準位を勘案して設計することができる。またインク容器4内のインク残量が一定量に到達したときのインク残量を検知するには、インク室4内の底壁からプリズム21面までの距離を任意に設定することにより行うことができる。
本実施の態様例では、インク室4内の底壁からプリズム21面までの距離は、後述する区分室5内が前記インク室4からのインク供給を受けて前記インク供給口3にインク供給可能な状態を維持している正常状態にあるうちに、前記インクカートリッジ1のインク消費を実質的に禁止するできるインクレベルに設定されている。このような設定をすることにより、インクのリフィルを促し前記インクカートリッジ1の使用済み状態を確実に確保し、加圧充填のみで充填される前記区分室5内へのインク再充填を行わずに、インク室4内へ大気圧下で容易にインクを再充填することができるようにしている。前記正常状態にあるうちにとは、前記区分室5内にインクがフルに充填されている状態がより望ましいが、空気が多少含まれていても本発明のカートリッジ1は後述するように常圧下でユーザーが容易に再充填することができ、また、再充填後のインクカートリッジ1の印刷に何ら支障を生じない状態をいう。そして前記区分室5内へ空気が多少含まれた状態とは、本発明において約容積が4mlの前記区分室5を備えた場合は、その空気の含有量が約1mlまで含まれていても再充填後のインクカートリッジ1の印刷に支障を起こさない状態をいう。
また、本発明のインクカートリッジ1は、さらに、インクカートリッジ1の底部に設けられた前記インク供給口3に当接する区分室5が前記インク室4内に設けられ、また前記区分室5内にはインクが一方向に通過することができるインク通過弁14が備えられている。また、前記区分室5内にはインクを吸収保持するインク吸収材を充填することができる。上記のように構成されインクが初期充填された前記インクカートリッジ1は、印刷装置に装着されて印刷が行われる。前記インクカートリッジ1の前記インク室4に充填されているインクの消費に伴って、前記大気連通孔2から流入した空気は、気液分離室12、大気連通路10、上部開口部11、前記インク吸収材6を経由して前記気液交換室8の前記底部開口部13から前記インク室4に流入して気液交換が行われ前記インクカートリッジ1内の負圧を良好に維持する構成となっている。
また、インク室4内のインクは、インク室4内の底部に設けられたインク吸引口(図示せず)からインク通過弁14、区分室5を経由してインク供給口3から印刷装置の記録ヘッド(図示せず)に供給される構成となっている。このようにしてインクカートリッジ1内のインク室4に貯留されているインクが連続的に消費され印刷が行われる。また、上述した本発明のインクカートリッジ1は、インクカートリッジ1内の流路抵抗が大気連通路2からインク供給口3に向かって高くなるように負圧が構成されている。
本発明のインクカートリッジ1は、上述のようにしてインクが消費されるが、図1に図示するように、前記インク室4内のインクレベルがプリズム21(近接部材)の上部以上にインクが残存している状態のときは、上述したように気液交換室8の低部開口部13において気液交換がされ気液交換空気27がインク室に流入されていることが確認できる。そして図2に図示するように、前記インク室4内のインクレベルがL1に到達すると、即ち、前記インク室4内に設けたプリズム21に到達すると、本実施態様では、印刷装置に設けた発光部からの光が前記インク室4内に設けたプリズム21を通じて前記印刷装置の受光部に屈折されてインク室4内のインク減少を検知し、そして、そのインク減少検知に基づき、「インクが少なくなりました早めのリフィルをお勧めします。自動停止後は、リフィル操作が難しくなる場合があります。」などの表示をパソコンのモニターを通じて表示したり、または音声などによりユーザーに知らせるなどして、前記区分室5内が前記インク室4からのインク供給を受けて前記インク供給口3にインク供給可能な状態を維持している正常状態にあるうちに、インクのリフィルを促し前記インクカートリッジ1のインク消費を実質的に禁止するようにして、前記インクカートリッジ1の使用済み状態を確実に確保し、加圧充填のみで充填される前記区分室5内へのインク再充填を行わずに、インク室4内へ大気圧下で容易にインクを再充填することができるようにしている。
前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置する
上述した構成は、本発明のインクカートリッジ1が、インクカートリッジ1を構成する前記気液交換室8の前記底部開口部13、に対して前記近接する部材21が前記底部開口部13との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成とした実施態様であるが、以下に、図5〜図8を参照して本発明の実施態様を補完説明する。即ち、前記近接する部材21を前記気液交換室8の前記底部開口部13に近接して構成した場合の釣鐘状インク25の形成現象を説明し、本発明の構成を検証する。
まず、図5に図示するように、前記気液交換室8の底部開口部13において気液交換空気27がインク室に流入されて気液交換が行われながらインクが消費され、前記インク室4内のインクレベルがプリズム21の上部付近に到達すると、即ち、前記気液交換室8の底部開口部13と前記インク室4内のインク液位面との間に隙間28が生じると、前記気液交換室8の底部開口部13とプリズム21(近接部材)との間において釣鐘状インク25が形成される。次に、図6に図示するように、さらにインクレベルが低下しインクレベルがL1に到達した状態では、前記気液交換室8の底部開口部13において気液交換がされている様子が確認されない状態、即ち前記隙間28がさらに広がった状態において、形成された前記釣鐘状インク25がさらに大きくなる。前記インクレベルがL1に到達した状態においては、前記プリズム21の本来の機能は、印刷装置に設けた発光部からの光が前記インク室4内に設けたプリズム21を通じて前記印刷装置の受光部に屈折されてインク室4内のインク減少(少なくなった)状態を検知できる状態であるが、プリズム21の表面に形成された釣鐘状インク25が存在するため、プリズム21の本来の機能が発現されず、インク室4内のインクレベルが一定レベルに低下していないと誤検知した状態となっている。即ち、インク残量がなくなったことを検知することができない状態になっている。
そして、図7に図示するように、さらにインクレベルが低下しインクレベルがL1より低い状態になると、形成された前記釣鐘状インク25はさらに大きくなる。この状態においても上述したように、本来なら、インク容器内のインクレベルは前記プリズム21によってインク残量がなくなったことを検知できる状態であるが、プリズムの表面と前記気液交換室8の底部開口部13との間に形成されている前記釣鐘状インク25によって前記プリズム21の検知機能が阻害された状態となっているため、インク残量がなくなったことを検知することができない状態である。
そして、図8に図示するように、前記インク容器4内のインクレベルがさらに下がると、前記気液交換室8内に充填されている前記インク吸収材6の負圧力により、形成された前記釣鐘状インク25のインクとともにインク容器の底部に残存するインクをも吸収し、前記気液交換室8内に釣鐘状インク吸収物26を保持することになる。そうすると、前記プリズム21の表面にはインクがなくなるので正常に機能するが、インク容器内にはインクが全くなくなった状態,即ち、インクレベルL1をはるかに超えた状態になり、あらかじめ設定したインク残量レベルL1の位置のインク量を検知することができない。
上述したように、本発明のインクカートリッジ1は、大気連通孔2と、インクを収納するインク室4と、インク供給口3を備えており前記インク室4と区分されてインク吸収材6が充填された気液交換室8を備えたインクカートリッジであって、インクカートリッジ1を構成する前記気液交換室8の底部開口部13対して近接する部材21が前記底部開口部13との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成としている。しかし、上記本発明の検証で説明したように、前記気液交換室8の前記底部開口部13の近傍に例えばインク残検用のプリズム21を設けた場合は、インクが消費されて前記インク室4内のインク量が低下すると前記気液交換室8の底部と前記プリズム21との間に釣鐘状インク25が形成され、そして前記気液交換室8に充填されているインク吸収材6が形成された釣鐘状インク25を吸収してさらに釣鐘状インク25を形成保持すというメカニズムがインク残量検知の機能を阻害し、インク残量検知の誤動作を招くという問題に対し、本発明では、前記気液交換室8の前記底部開口部13に対して、例えばプリズムなどの近接する部材21を前記釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成としているのでインク残量検知機能が正常に働くことができるという効果を奏する。また、前記気液交換室も前記釣鐘状インク25に影響されることなくインクを吸収保持するとともにインクの消費に伴う気液交換を正常に機能させることができるという効果を奏する。
上記実施の態様例では、前記近接する部材21として、インク残量を検知するプリズムを設けた構成について説明したが、前記近接する部材21がインク室底面、インク室側壁及び区画室壁のいずれであっても、前記近接する部材21を前記気液交換室8の底部開口部13に近接して構成した場合は、上記したように釣鐘状インクが形成されるので、前記近接する部材21は、前記インクカートリッジ1を構成する前記気液交換室8の前記底部開口部13に対して釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成とすることが肝要である。そしこのような構成とすることにより、前記気液交換室8の前記底部開口部13に対して前記近接する部材21が前記底部開口部13との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されることがない。したがって、したがって前記気液交換室8と前記近接する部材21の夫々の機能が阻害されることがなく正常に機能させることができるという効果を奏する。
次に、上述した本発明のインクカートリッジ1のインク再充填方法について図3を参照して以下に説明する。前記区分室5内にインクが充填された状態の使用済みインクカートリッジ1の前記大気連通孔2を大気連通孔キャップ17で密栓し、前記インクカートリッジ1を前記インク供給口3が上部になるように配置し、インク再充填口キャップ16を取り外し、インク再充填口18を開口する。そして注射器やインク注入ノズルが設けられたインクボトル19により常圧下でインクを注入し、前記インク再充填口18が前記インク再充填口キャップ16で密栓し、前記インクカートリッジ1へのインク再充填(リフィル)が終了する。
上述のように、本発明のインクカートリッジ1は、初期充填インクが加圧充填のみで充填される前記区分室5内に収納されているインク量が大きく減少する前(前記区分室5内多少の空気が含まれてもよい)に、前記インクカートリッジ1のインク消費を実質的に禁止することにより、インクカートリッジ1の使用済み状態を確実に確保でき、加圧充填のみで充填される前記区分室5内へのインク再充填を行わずに、インク室4内へ大気圧下で容易にインクを再充填することができるという上記の効果に付随して、加圧充填時に生じるインク漏れや溢れを起こすことなくユーザーが常圧下で容易にインクの再充填ができるという効果を奏する。さらに、これによって、インク再充填時に区分室5内への加圧再充填の問題を解決でき、インク漏れやインク供給不足による印刷不良も防止できる。
上述したように、本発明の区分室を備えたインクカートリッジの場合、印刷によってインクが空になったインクカートリッジにインクを再充填しようとすると、これまでは圧力をかけないとインクの再充填ができなかったが、本発明のインクカートリッジは、加圧充填時に生じるインク漏れや溢れを起こすことなくユーザーが常圧下で容易にインクの再充填ができるという効果を奏する。
次に、本発明の他の実施の態様例について図4を参照して以下に説明する。図4に図示するように、本他の実施の態様例では、前記気液交換室8の構造が階段状に構成されて、前記インク室4内にスペース部29を設け、そしてその下部に近接する部材としてのプリズム21を設けて、前記気液交換室8の前記底部開口部13対してプリズム21が前記底部開口部13との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インク25が形成されない距離に位置する構成とした本態様例を示したものものであって、さらに、前記実施の態様例で説明した構成に加えて、前記インク室4が小室に区分され上部が開口されたインク室4aと前記区分室5が複数で構成された区分室5a、5b、5cを備え、前記インク室4aのインクを前記インク室4に流出させるためのインク戻り流路23を備えた構成としている。そしてインク通過弁14が区分室5aに備えた構成となっている。この場合のインク吐出口3へのインクの流入順位は、前記インク室4内のインクがインク吸引口24を通じて前記区画室5aに設けた前記インク通過弁14から前記区画室5a、5b、5cを経由してインク供給口3から印刷装置の記録ヘッド(不示せず)に供給される構成となっている。そして上部が開口された前記インク室4a内のインクは前記インク戻り流路23により前記インク室4のインクレベルが前記インク室4aの底部より減少すると前記インク戻り流路23を通じて前記インク収容室4に流入されて前記インク供給口3から印刷装置の記録ヘッド(不示せず)に供給される構成となっている。
また、前記インク通過弁14が設けられた前記区画室5a、および前記区画室5b、5cは前記インク収容室4に比べて容積は小さい構成としている。次に前記インク通過弁14の内部構成について説明する。(図示せず)」前記区画室5aに設けた前記インク通過弁14は、弁を構成する台座表面に微細凹凸が形成されており、弁膜を弁座に当接密着固定することにより前記微細凹凸と弁膜との間で形成される微細孔が一方向に通過するインクの流路抵抗を構成した微細口形成部を有している。前記台座表面の微細凹凸は75ミクロン〜100ミクロンの範囲で形成することができる。また、前記弁膜は、弾性部材で形成された円状の膜であって中央に止めピン挿入用の穴が形成されている。前記弁膜の固定は、弁を構成する前記台座の内側に構成された樹脂製の止めピンに前記弁膜の穴を通して、前記止めピンの先端を溶着し前記台座に当接密着固定して前記インク通過弁14が構成されている。したがって、前記区画室5aは、前記インク室4に対して区分され、インクを前記インク室4に初期充填する際には,前記区画室5a内に最終的に充填するためには加圧充填しないと充填できないほどの規制力を前記微細孔形成部が発揮する。本態様例ではこのような構成を適宜構成することができる。
また、本発明のインクカートリッジ1のインクの流路抵抗は、前記インク供給口3に向かって高くなるように負圧が構成されている。このように構成された前記インクカートリッジ1内の前記インク室4に貯留されているインクが連続的に消費されて印刷が行われ、図4に図示するようにインクレベルがL2に到達すると、即ち、前記インク室4内に設けた近接する部材としてのプリズム21に到達すると、上述したように、印刷装置に設けた発光部からの光が前記インク室4内に設けた前記プリズム21を通じて前記印刷装置の受光部に屈折されて前記インク室4内のインク減少を検知し、そして、そのインク減少検知に基づき、「インクが少なくなりました早めのリフィルをお勧めします。自動停止後は、リフィル操作が難しくなる場合があります。」などの表示をパソコンのモニターを通じて表示したり、または音声などによりユーザーに知らせるなどして、前記区分室5a、5b、5c内が前記インク室4からのインク供給を受けて前記インク供給口3にインク供給可能な状態を維持している正常状態にあるうちに、インクのリフィルを促し前記インクカートリッジ1のインク消費を実質的に禁止するようにして、前記インクカートリッジ1の使用済み状態を確実に確保し、加圧充填のみで充填される前記区分室5内へのインク再充填を行わずに、前記インク室4内へ大気圧下で容易にインクを再充填することができるようにしている。
本発明におけるインクの消費を実質的に禁止するとは、この事例に限られるものではなく、再充填時期を指示する指示書や電気的あるいは機械的に交換時期を外部(プリンタやユーザー等)に報知する手段やその交換時期に相当する情報(データや信号等)を保持し、外部からのアクセスによって結果的に禁止できるものすべてを含む。
上述のようにして、前記区分室5内にインク充填された状態のインクカートリッジ1へのインク再充填(リフィル)方法は、図3を参照して前述したように、本他の実施の態様例のインクカートリッジ1も加圧充填のみで充填される前記区分室5内へのインク再充填を行わずに、前記インク室4内へ大気圧下で容易にインクを再充填することができる。まず、前記インクカートリッジ1の前記大気連通孔2を大気連通孔キャップ17で密栓し、前記インクカートリッジ1を前記インク供給口3が上部になるように配置し、インク再充填口キャップ16を取り外し、インク再充填口18を開口する。そして注射器やインク注入ノズルが設けられたインクボトル19により常圧下でインクを注入し、インク再充填口18をインク再充填口キャップ16で密栓し、前記インクカートリッジ1へのインク再充填(リフィル)が終了する。
上述のように、本発明のインクカートリッジ1は、初期充填インクが加圧充填のみで充填される前記区分室5内に収納されているインク量が減少する前に、前記インクカートリッジ1のインク消費を実質的に禁止できるので、インクカートリッジ1の使用済み状態を確実に確保でき、加圧充填のみで充填される前記区分室5内へのインク再充填を行わずに、インク室4内へ大気圧下で容易にインクを再充填することが可能となる。これによって、インク再充填時に区分室5内への加圧再充填の問題を解決でき、インク漏れやインク供給不足による印刷不良も防止できる。
また、図4に図示するように、本発明のインクカートリッジ1は、大気連通孔2が気液分離室12と連通し、前記気液分離室12内の連通口9が大気連通路10を通じてインク室4内に設けた気液交換室8内の上部開口部11と連通され、そして、前記気液交換室8は、上部に空間7を形成してインク吸収材6が前記気液交換室8の底部から上方まで充填されてリブ22で固定されている。また、前記インク吸収材6は前記気液交換室8内で圧力分布を構成するように充填することができる。前記インク吸収材6の圧力分布は、前記気液交換室8内の上部に密度の高いインク吸収材を底部に上部よりも密度が低いインク吸収材を充填することにより構成することができる。また、前記インク吸収材6の圧力分布は、インクの種類により適宜調整することができ、その目安として、例えばインクの種類が染料系の場合、前記インク吸収材の上部と底部との充填割合はインク吸収材全充填高さに対し、1対1の割合にすることが好ましい。また、インクの種類が顔料系の場合、前記インク吸収材の上部と底部との充填割合(上部対底部比)は1対3の割合にすることが好ましい。このような構成とすることにより、前記インク吸収材6が充填された前記気液交換室8は、後述するように急激な温度変化に起因して生じたインカートリッジ1内の上昇圧力を前記インク室4内のインクと共に前記気液交換室8に即移動し前記上昇圧力を前記インク吸収材6上部の空間7に瞬時に開放させ、定常時の負圧状態に即回復させる機能を有している。
また、前記気液交換室8は、インク室4内のインクの消費に伴って大気連通孔2から導入される空気がインク室4内のインクと気液交換されてインク室4内の負圧を維持できる底部開口13を底部に有しており、さらに、前記気液交換室8内に充填された前記インク吸収材6はインク室4内のインクを吸収保持するとともにインク室4内の負圧を維持する機能も有している。また、前記区分室5内にはインクを吸収保持するインク吸収材を充填することができる。
上記のように構成されインクが初期充填されたインクカートリッジ1は、印刷装置に装着されて印刷が行われる。前記インクカートリッジ1の前記インク室4に充填されているインクの消費に伴って、前記大気連通孔2から流入した空気は、前記気液分離室12、前記大気連通路10、前記上部開口部11、前記インク吸収材6を経由して前記気液交換室8の前記底部開口部13から前記インク室4に流入して気液交換が行われ前記インクカートリッジ1内の負圧を良好に維持する構成となっている。また、前記インク室4内のインクは、前記インク室4内の底部に設けられたインク吸引口(図示せず)から前記インク通過弁14、前記区分室5を経由して前記インク供給口3から印刷装置の記録ヘッド(図示せず)に供給される構成となっている。このようにして前記インクカートリッジ1内の前記インク室4に貯留されているインクが連続的に消費され印刷が行われる。また、上述した本発明のインクカートリッジ1は、前記インクカートリッジ1内の流路抵抗が前記大気連通路2から前記インク供給口3に向かって高くなるように負圧が構成されている。
また、本発明のインクカートリッジ1は、急激な温度変化に起因してインク室4内の圧力が上昇した場合であっても、前記気液交換室8の底部に設けた底部開口部13の流路抵抗がインク吸引口24に対する流路抵抗より小さいので前記インク供給口3に影響することなく、前記気液交換室8底部に設けた前記底部開口部13を介してインク吸収材6に即インクが吸収移動し、瞬時に空間7に圧力開放されて前記上昇圧力が定常時の負圧状態に即回復される構成となっている。したがって、本発明のインクカートリッジ1は、前記インカートリッジ1内の前記上昇圧力に対して即反応して前記上昇圧力を開放し、インク供給口3や大気連通孔2からのインク漏れを防止することができるという効果を兼ね備えている。また、仮に前記インカートリッジ1内の上昇圧力があまりにも大きく前記気液交換室8の空間7に開放された空気がインクを含んで大気連通孔2へ流出する場合があっても前記気液分離室12内でインクと空気を分離し空気のみを大気連通孔2に逃がすことができる構成となっている。
また、前記気液交換室8は、前記インク供給口3から離れたインク室4内に配置され前記気液交換室8の上部は、前記インク室4内の上部と当接密閉されている。また、前記気液交換室8内に形成される空間7の容積は、圧力変化によって前記気液交換室8に移動するインク量は圧力変化に見合うインク量だけでなくインクの移動に伴う慣性が働くため、前記インク室4内のインク充填量が10mlの場合は1.0ml〜1.5mlとすることが好ましい。
また、本発明のインクカートリッジ1は、インク消費に関わるインク残量情報を書き換え可能に保持する情報記憶媒体20を備えており、これによりリセットが可能である構成としている。このように、インク残量情報を書き換え可能に保持する情報記憶媒体20を備えたことによって、使用済みになった前記インクカートリッジ1にインクを再充填して再使用することができる。
上述したように、本発明のインクカートリッジは、大気連通孔と、インクを収納するインク室と、インク供給口を備えており前記インク室と区分されてインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジであって、インクカートリッジを構成する前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置する構成としている。したがって、気液交換室の底部開口部の近傍に例えばインク残検用のプリズムを設けた場合は、インクが消費されてインク室内のインク量が低下すると気液交換室の底部開口部とプリズムとの間に釣鐘状インクが形成され、そして気液交換室に充填されているインク吸収材が形成された釣鐘状インクを吸収してさらに釣鐘状インクを形成保持すというメカニズムがインク残量検知の機能を阻害し、インク残量検知の誤動作を招くという問題を解消し、例えば近接する部材としてのプリズムによるインク残量検知機能が正常に働くことができるという効果を奏する。また、気液交換室も前記釣鐘状インクに影響されることなくインクを吸収保持するとともにインクの消費に伴う気液交換を正常に機能させることができるという効果を奏する。即ち、気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されることがないので、気液交換室と近接する部材例えばプリズムの夫々の機能が阻害されることがなく正常に機能させることができるという効果を奏する。
本発明のインクカートリッジは、インク室と区分されたインクを収容する区分室をさらに備えている構成とすることができる。インクカートリッジにインク室と区分されたインクを収容する区分室を設けた場合、インク吸収体などの負圧発生材に付随して区分室がインク室内の負圧バランスに寄与するという効果を生じる。その結果一定の容積のインクカートリッジ内において、インク吸収材の充填量を少なくできるので、その分インクを多く収納できるという効果を奏することができる。
また、区分室を備えたカートリッジの場合、印刷によってインクが空になったインクカートリッジにインクを再充填しようとすると、これまでは圧力をかけないとインクの再充填ができなかったが、本発明のカートリッジは、加圧充填時に生じるインク漏れや溢れを起こすことなくユーザーが常圧下で容易にインクの再充填ができるという効果を兼ね備えている。
また本発明のインクカートリッジは、上述したように、インク吸収材が充填された気液交換室は、急激な温度変化に起因して生じたインカートリッジ内の上昇圧力をインク室内のインクと共に気液交換室に即移動し、上昇圧力をインク吸収材上部の空間に瞬時に開放させ、定常時の負圧状態に即回復させる機能を兼ね備えている。
本発明のインクカートリッジは、液体インクを消費する印刷装置に使用されるものであれば、インクの種類に関係なく種々のインクカートリッジに適用することができる。
1 インクカートリッジ
2 大気連通孔
3 インク供給口
4 インク室(4a)
5 区分室(5a〜5c)
6 インク吸収材
7 空間
8 気液交換室
9 連通口
10 大気連通路
11 上部開口部
12 気液分離室
13 底部開口部
14 インク通過弁
15 発光部/受光部
16 インク再充填口キャップ
17 大気連通孔キャップ
18 インク再充填口
19 インクボトル
20 情報記憶媒体
21 プリズム(近接する部材)
22 リブ
23 インク戻り流路
24 インク吸引口
25 釣鐘状インク
26 釣鐘状インク吸収物
27 気液交換空気
28 隙間
29 スペース部

Claims (5)

  1. 大気連通孔と、インクを収納するインク室と、インク供給口を備えており前記インク室と区分されてインク吸収材が充填された気液交換室を備えたインクカートリッジであって、前記気液交換室の底部開口部に対して近接する部材が前記底部開口部との間にインクの表面張力でインクが釣鐘状に引き上げられる釣鐘状インクが形成されない距離に位置することを特徴とするインクカートリッジ。
  2. 前記近接する部材がインク残量を検知するプリズムであることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
  3. 前記近接する部材がインク室底面又はインク室側壁であることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
  4. 前記近接する部材が区画室壁であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクカートリッジ。
  5. 前記インクカートリッジが前記インク室と区分されたインクを収容する区分室をさらに備えていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のインクカートリッジ。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013248786A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Seiko Epson Corp 液体収容容器の製造方法
WO2018157594A1 (zh) * 2017-02-28 2018-09-07 周兴夫 一种打印墨盒

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