JP2012011566A - ノズルプレートの製造方法、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置、ならびにノズル形成方法 - Google Patents

ノズルプレートの製造方法、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置、ならびにノズル形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】親水性のノズル内面と撥水性の吐出面の境界を精度よく形成することで、吐出精度とメンテナンス性を向上させる。
【解決手段】基板の第1の面のノズルを形成すべき位置に非貫通状態の凹形状を形成する工程と、前記凹形状の表面にライナー膜を形成する工程と、前記第1の面の反対面である第2の面にエッチング処理を施し、前記ライナー膜を凸形状に露出させる工程と、前記第2の面に機能膜を形成する工程と、前記凸形状のライナー膜が露出するまで、前記機能膜にエッチング処理を施す工程と、前記第1の面の凹形状に流体を導入するとともに、前記第2の面を処理剤に浸漬して前記露出したライナー膜表面をエッチングしてノズルを形成するウエットエッチング工程とを備えたノズルプレートの製造方法によって上記課題を解決する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ノズルプレートの製造方法、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置、ならびにノズル形成方法に係り、特に親水性のノズル内面と撥水性の吐出面の境界を精度よく形成する技術に関する。
一般に、インクジェット記録装置の記録ヘッド(インクジェットヘッド)は、複数のノズル孔が形成されるノズル形成基板(ノズルプレート)を備え、例えば圧電素子や発熱素子などのエネルギー発生手段を利用して、圧力室内のインクを加圧することにより、圧力室に連通するノズルからインク滴をそれぞれ吐出して記録媒体上に記録を行う。
インクジェットヘッドにおいては、ノズル孔の形状や製造精度等がインク滴の吐出特性に影響を与えることが知られている。
特許文献1には、レーザ又はプラズマエッチングによる穴開け加工後にウエットエッチングを施してノズルを形成する技術が開示されている。この技術によれば、高精度のノズルを高スループットで形成でき、ノズルを高密度化した場合であっても適切なインク吐出性能を確保することができる。
特開平11−999号公報
ノズル孔の形状や製造精度の他、ノズルプレートの表面特性がインク滴の吐出特性に影響を与えることが知られている。例えば、ノズルプレート表面のノズル周辺部にインクが付着すると、インク滴の吐出方向が曲げられたり、インク滴の大きさのバラツキが生じたり、インク滴の吐出速度が不安定になる等の弊害が生じる。これらの弊害を防止するため、一般的にノズルプレートの表面(インク吐出面)には撥液膜(撥液性被膜)が形成されており、インク滴の吐出特性の安定化が図られている。
これに対し、ノズル内部は、インクの充填性等のために親水性に形成されている。したがって、親水性のノズル内面と撥水性の吐出面の境界が存在することになる。この境界が不均一になると、吐出安定性が低下するという問題が発生する。
ここで、吐出面に撥液膜が形成されたノズルプレートにおける、従来のノズル孔の開口方法について、図8を用いて説明する。
まず、ノズルプレート10に、図8(a)に示すような構造体を形成する。ノズルプレート10の表面には酸化膜22が形成されるとともに、凸部20が形成されている。このノズルプレート10の表面に、撥液膜24を形成する(図8(b))。
次に、ドライエッチングにより、撥液膜24と凸部20を構成する酸化膜22のエッチングを行う。そして、凸部20を開口してノズル孔となる開口部26を形成する(図8(c))。
以上のような工程により、親水性のノズル内面と撥水性の吐出面の境界精度の高いノズルプレートを製造することができる。
しかしながら、撥液膜24が有機膜である場合等には、凸部を形成する酸化膜22と撥液膜24のエッチングレートが異なることから、図8(d)のように凸部20の部分に突出部28が残ってしまうことがあった。このような突出部が存在すると、吐出精度に悪影響を及ぼすとともに、ノズルプレートのワイピングの際に効率的に拭き取ることができず、メンテナンス性が悪化する。また、ワイピングのブレードにダメージを与えるという問題点もある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、親水性のノズル内面と撥水性の吐出面の境界を精度よく形成することで、吐出精度とメンテナンス性を向上させるノズルプレートの製造方法、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置、ならびにノズル形成方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1に記載のノズルプレートの製造方法は、基板の第1の面のノズルを形成すべき位置に非貫通状態の凹形状を形成する工程と、前記凹形状の表面にライナー膜を形成する工程と、前記第1の面の反対面である第2の面にエッチング処理を施し、前記ライナー膜を凸形状に露出させる工程と、前記第2の面に機能膜を形成する工程と、前記凸形状のライナー膜が露出するまで、前記機能膜にエッチング処理を施す工程と、前記第1の面の凹形状に流体を導入するとともに、前記第2の面を処理剤に浸漬して前記露出したライナー膜表面をエッチングしてノズルを形成するウエットエッチング工程とを備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、凸形状のライナー膜を含む第2の面に機能膜を形成し、エッチングによりライナー膜上面を露出させた後、第1の面の凹形状から流体を導入するとともに、第2の面を処理剤に浸漬して露出したライナー膜表面をエッチングするようにしたので、機能膜とライナー膜のエッチングレートが異なる場合であっても、精度よくライナー膜をエッチングして吐出面の機能性を確保してノズル開口を形成することができるとともに、第1の面の凹形状から導入された流体により、開口内面に処理剤が入り込むのを防止して内面が侵食されることを回避することができる。
請求項2に示すように請求項1に記載のノズルプレートの製造方法において、前記基板の第1の面に前記凹形状に連通する流路を形成する工程と、複数の前記流路に連通する共通流路を形成する工程とを備え、前記ウエットエッチング工程は、前記共通流路から前記凹形状に流体を導入することを特徴とする。
各ノズル(凹形状)と連通する共通流路を予め形成し、共通流路から流体を導入することで、各凹形状に適切に流体を導入させることができる。
請求項3に示すように請求項1又は2に記載のノズルプレートの製造方法において、前記基板の第1の面に前記凹形状に連通する圧力室を形成する工程と、前記圧力室内に圧力を加える圧電素子を形成する工程とを備え、前記圧力室に導入された流体を前記圧電素子で加圧することにより前記凹形状に流体を導入することを特徴とする。
各ノズル(凹形状)と連通する圧力室と該圧力室に圧力を加える圧電素子とを予め形成し、圧電素子を駆動することで、各凹形状に適切に流体を導入させることができる。
請求項4に示すように請求項1から3のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記機能膜は、撥水性の有機膜であることを特徴とする。
これにより、吐出面の撥水性を確保することができる。
請求項5に示すように請求項1から4のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記機能膜は、フッ素を含むことを特徴とする。
これにより、適切に吐出面の撥水性を確保することができる。
請求項6に示すように請求項1から5のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記ライナー膜は、親水性の膜であることを特徴とする。
これにより、内部を親水性にしてノズルを形成することができる。
請求項7に示すように請求項1から6のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記流体は、空気、不活性ガス、オゾン又はその混合ガスのいずれかであることを特徴とする。
これにより、流体を凹形状に適切に導入させることができる。
請求項8に示すように請求項1から7のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記流体は、前記処理剤と混合しない溶液であることを特徴とする。
これにより、ライナー膜がエッチングされて開口した後にも処理剤に悪影響を与えることがなくなる。
請求項9に示すように請求項1から8のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記処理剤は、少なくともフッ酸を含むことを特徴とする。
これにより、適切にライナー膜をエッチングすることができ、精度よくノズルを形成することができる。
請求項10に示すように請求項1から9のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記ウエットエッチング工程は、前記処理剤の充填された容器の底と前記第2の面との距離を1cm以下として処理剤に浸漬することを特徴とする。
これにより、ムラなくライナー膜をエッチングすることができ、精度よくノズルを形成することができる。
請求項11に示すように請求項1から10のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法において、前記ウエットエッチング工程は、前記処理剤の充填された容器の底と前記第2の面との距離を形成されるノズルの直径より大きくして処理剤に浸漬することを特徴とする。
これにより、適切にライナー膜をエッチングすることができ、精度よくノズルを形成することができる。
前記目的を達成するために請求項12に記載のインクジェットヘッドは、請求項1から11のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法によって形成されたノズルプレートを備えたことを特徴とする。
前記目的を達成するために請求項13に記載のインクジェット記録装置は、請求項12に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とする。
前記目的を達成するために請求項14に記載のノズル形成方法は、第1の面のノズルを形成すべき位置にライナー膜の形成された非貫通状態の凹部が形成され、かつ該凹部のライナー膜が前記第1の面の反対面である第2の面に凸部を形成している基板にノズルを形成するノズル形成方法において、前記第2の面に機能膜を形成する機能膜形成工程と、前記第1の面の凹部から流体を導入するとともに、前記第2の面を処理剤に浸漬するエッチング工程とを備えたことを特徴とする。
請求項14に記載の発明によれば、ライナー膜の凸部を含む第2の面に機能膜を形成した後、第1の面の凹部から流体を導入するとともに、第2の面を処理剤に浸漬するようにしたので、機能膜とライナー膜のエッチングレートが異なる場合であっても、精度よくライナー膜をエッチングして吐出面の機能性を確保してノズル開口を形成することができるとともに、第1の面の凹形状から導入された流体により、開口内面に処理剤が入り込むのを防止して内面が侵食されることを回避することができる。
本発明によれば、親水性のノズル内面と撥水性の吐出面の境界を精度よく生成することができ、吐出精度とメンテナンス性を向上させることが可能となる。
本実施形態で製造されるインクジェットヘッドの断面図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 インクジェットヘッドの製造方法を示した工程図 ノズル開口時のエッチング方法を示した図 ノズル開口時のその他のエッチング方法を示した図 従来のノズル孔の開口方法を示した工程図
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
<インクジェットヘッドの製造方法>
図1は、インクジェットヘッド100の立体構造の一例を示す断面図であり、記録素子単位となる1チャンネル分のインク噴射素子が図示されている。
同図に示すように、インクジェットヘッド100は、ピエゾカバー10、供給流路20、基板30、液室32、圧力室35、振動板40、圧電素子50、ノズルプレート55、ノズル60、及び撥液膜65から構成されている。
圧力室35の天面を構成している振動板40の上には圧電素子50が形成されている。この圧電素子50に駆動電圧が印加されると、圧電素子50が変形する。これにより、振動板40が変形し、圧力室35の容積が減少し、圧力室35内のインクに圧力が加わり、インクがノズルプレート55に形成されたノズル60から吐出される。
ノズル60からインクが吐出されると、供給流路20と連通されるインクの供給源たるタンク(不図示)から液室32を介して圧力室35へインクが充填される。
なお、ノズル60から吐出された分のインクを供給させるのではなく、供給流路20から液室32に供給されたインクを、図1において破線で示した循環流路21を介して循環用のタンク(不図示)に循環させるように構成してもよい。
撥液膜65は、ノズルプレート55の露出面に形成され、ノズルプレート55の吐出面を保護するとともに、吐出面に撥水性を持たせている。また、撥液膜65は、その開口部がノズルプレート55のノズル60の位置と適合するように形成される。ここでは、ノズル60の形状は直径が約2〜20μmの円形であるが、楕円形、正方形、あるいは長方形であってもよい。
撥液膜65の形成には、様々な材料を用いることができ、一例としてフッ素重合体を用いてスピンコート法により形成する方法がある。
次に、図1に示したノズルプレート55の製造方法について説明する。図2〜図5は、本実施の形態に係るノズルプレートの製造方法を示した工程図である。
本実施形態のノズルプレート55は、SOI(Silicon On Insulator)基板200を用いて製造する。SOI基板200は、ハンドル層210、ハンドル層210の一面側に設けられたBOX(Buried Oxide)層(埋め込み酸化膜層)215、BOX層215のハンドル層210の反対側に設けられたデバイス層220とから構成されている(図2(a))。
ここでは、ハンドル層210の厚さは約600μm、デバイス層220の厚さは約30μm、BOX層215の厚さは約1μmとなっている。
まず、マスクアライメント用のレチクルマーク230をデバイス層220にエッチングする。さらに、デバイス層220の表面に酸化膜235、及びハンドル層210の表面に酸化膜240を形成する(図2(b))。これらの酸化膜は、例えば熱酸化法で形成することができ、厚さは少なくとも1μmとする。
次に、酸化膜235をエッチングによりパターニングし、開口部250を形成する(図2(c))。開口部250は、酸化膜235が完全に除去され、デバイス層220が露出された状態となっている。
エッチング方法としては、BOE(Buffered Oxide Etch)等のウエットエッチングや、ドライエッチングを用いることができる。
続いて、酸化膜235の上に犠牲層260を形成する。次に、開口部250の位置に円形(又は楕円、長方形、正方形等)の開口部265を形成する(図2(d))。ここで、開口部250の中心と開口部265の中心は一致しており、かつ開口部265の口径は開口部250の口径よりも小さくなっている。
また、開口部265は、デバイス層220及びBOX層215を貫通し、ハンドル層210の内部まで到達するように形成される。開口部265は、ハンドル層210の約1〜5μm(例えば2μm)だけ内部まで形成される。
この開口部265は、多数のエッチング工程によって形成することができる。また、開口部265のエッチング後、犠牲層260を除去する。
次に、開口部265を含む開口部250に、ライナー膜270を形成する(図3(e))。このライナー膜270は、開口部265を含む開口部250の次工程のエッチングに対する保護膜として機能する。ライナー膜270としては、窒化物、二酸化ケイ素、あるいは金属を用いることができる。窒化物ライナーであれば、低圧化学蒸着法(LPCVD)によって形成することができ、酸化物ライナーであれば、プラズマ(PECVD)や熱酸化処理により形成することができる。ライナー膜270の厚さは、最小で0.2μmとする。
さらに、開口部265におけるライナー膜270の空洞部に、フォトレジスト280をパターニングする(図3(f))。
次に、ライナー膜270をエッチングし、開口部250の位置のデバイス層220を露出させる(図3(g))。このとき、酸化膜235もエッチングされ、その厚みが減少する。
開口部250の位置におけるデバイス層220の露出した部分をエッチングすることで、テーパー部290を形成する(図3(h))。例えば、KOH(水酸化カリウム)を用いた結晶異方性エッチングを行うことで、テーパー部290を四角錐状のテーパー形状に形成することができる。
次に、リン酸あるいはフッ化水素によりライナー膜270及びフォトレジスト280を除去し、酸化膜235、及び開口部250にライナー膜300を形成する(図4(i))。ライナー膜300は、酸化物又は窒化物から形成され、その厚さは1μm未満である。
SOI基板200のライナー膜300の形成された面が、基礎基板310と接合される(図4(j))。基礎基板310は、図1に示す圧力室35等が形成されているものである。これらの基板の接合には、接着剤や溶融接着を用いることができる。
次に、研磨やドライエッチング等により酸化膜240及びハンドル層210を除去する(図4(k))。例えば、酸化膜240は、ドライエッチングにより除去することができる。ハンドル層210は、研磨によりおおまかに除去した後、残りの部分をライナー膜300及びBOX層215と選択的にウエットエッチング又はドライエッチングをすることにより除去することができる。
ここで、開口部265はハンドル層210の約1〜5μmだけ内部まで形成され、さらに開口部265にはライナー膜300が形成されたため、ハンドル層210が除去されてBOX層が露出した面には、ライナー膜300が突出した突出部335が存在している。
このBOX層が露出した面に、シリコンの付着を促進する付着促進層330を形成する(図4(l))。付着促進層330は、タンタルやチタン等の金属、又はこれらの酸化物から構成されており、さらに非多孔性の構造を有していることが好ましい。
次に、付着促進層330の上に撥液膜340を形成する(図5(m))。撥液膜340は、テフロン(登録商標)(PTFE)やフルオロカーボン系の材料が用いられ、スプレーコーティングや化学蒸着法(CVD)によって平坦に形成される。
また、撥液膜340は、その厚さが0.5μm以上となるように形成される。後に行われるエッチングにおいて、撥液膜340のエッチング速度が付着促進層330や酸化膜の侵食より早い場合には、1μm以上に形成することが好ましい。
次に、ドライエッチングにより撥液膜340をエッチングする。このとき、突出部335の表面が露出するタイミングでドライエッチングを停止する(図5(n))。
その後、基礎基板310の供給流路20から流体を注入しながら、SOI基板200の撥液膜340側をエッチング溶液に浸漬させる。
例えば、図5(n)の工程まで製造したインクジェットヘッド105に対し、図6に示すような治具400を設置し、治具400の開口部405から注入する流体410が漏れないように、治具400とインクジェットヘッド105を接着する。
この状態で、エッチング溶液425を収容した容器420に、インクジェットヘッド105を浸漬させる。このとき、少なくとも撥液膜340がエッチング溶液425に浸るように浸漬させる。
流体410としては、気体であれば、空気の他、窒素、アルゴン等の不活性ガスや、流路内を親水化可能なオゾン等の酸化性ガス、その他の混合ガスを用いることができる。また、液体であれば、水溶液、非水溶液、又はエッチング溶液425と混合しない溶液等を用いることができる。流体の注入方法は、例えば特開平5−254128号公報に記載されている方法を用いることができる。
また、エッチング溶液425としては、フッ酸溶液、又はフッ酸を含む混合液が好ましい。界面活性剤等を含む混合液を用いることで、溶液の表面張力を変えることができる。また、エッチング速度によって、フッ酸の濃度を適宜調整してもよい。フッ酸は撥液膜340にはじかれる結果、酸化膜部分である突出部335のライナー膜300のみをエッチングするので、選択性の高い加工が可能となる。
このように、突出部335のライナー膜300のエッチングを行い、開口部350を形成する(図5(o))。流体410を注入することで、開口部350が形成された際に、開口部350内部にエッチング溶液425が入ってくることを防止することができる。したがって、突出部335の内部の酸化膜は、エッチング溶液425によってエッチングされず、流体410によって保護される。
また、流体410がエッチング溶液425と混合しない溶液であれば、開口後に流体410がエッチング溶液425に流入しても、エッチング溶液425のエッチング性能を落とすことがない。
なお、流体410として気体を用いる場合、撥液膜340の形成面と容器420の底面との距離Dが大きいと、開口部350から排出された気泡が撥液膜340の形成面に付着したままの状態となる。その結果、まだ開口していない突出部335のライナー膜300の除去においてムラが発生する可能性がある。
したがって、距離Dがある程度小さくなるように設置する必要がある。距離Dを狭めることで、開口部350から噴出した気泡が撥液膜340の形成面から移動しやすくなり、ムラなくライナー膜300を除去することができる。距離Dとしては、1cm以下であることが好ましい。
なお、距離Dの最小長さは、開口部350の直径dとする。距離Dが小さすぎると、開口部350から気泡が出にくくなり好ましくない。また、流体410として液体を用いる場合には、距離Dを制御する必要はない。
さらに、エッチング溶液425を攪拌してもよい。攪拌を行うことで、短時間で処理できるようになり、効率がよくなる。攪拌は、スターラーや超音波等を用いて行えばよい。
図6の例では、図5(n)の工程まで製造したインクジェットヘッド105においてノズル開口の加工を行ったが、図1に示す圧電素子50、ピエゾカバー10、供給流路20等を備えた状態のインクジェットヘッド100においてノズル開口の加工を行ってもよい。
この場合、図7(a)に示すように、各供給流路20に分岐する前の共通供給路20aから流体410を注入することで、各インク噴射素子の突出部335に流体410を導入することができる。このとき、共通供給路20aからエッチング溶液425で混ざり合うことのない溶液を注入するのであれば、圧電素子50を駆動することによって、注入された溶液を噴出させることも可能である。
また、循環流路21を有している場合には、図7(b)に示すように、共通供給路20aと、各循環流路21の合流後の共通循環路21aの両方から流体410を注入するとよい。このように流体410を注入することで、各インク噴射素子に供給される流体410の差を低減し、均一に行き渡らせることができる。また、図7(c)に示すように、共通供給路20a、共通循環路21aの一方を封止し、他方から流体410を注入してもよい。
以上のように形成されたノズルは、親液性のノズル内面と撥液性の吐出面の境界を精度良く形成されている。したがって、本実施形態に係るノズルプレート、インクジェットヘッドは、吐出精度、メンテナンス性、及びインク充填製の優れたものとなる。
なお、本実施形態では、ノズル内面を親液性に形成し、吐出面を撥液性に形成したが、本発明はこれに限定されるものではない。
即ち、第1の面のノズルを形成すべき位置に第1の機能を有する第1の膜の形成された非貫通状態の凹部を形成し、かつ該凹部の第1の膜が前記第1の面の反対面である第2の面に凸部を形成している基板にノズルを形成する際に、第2の面に第2の機能を有する第2の膜を形成し、第1の面の凹部から流体を導入するとともに、第2の面を処理剤に浸漬することで、ノズル内面を第1の機能に形成し、吐出面を第2の機能に形成することができる。
このとき、ノズル内面の第1の膜と吐出面の第2の膜の境界を精度良く形成することができ、処理剤によってノズル内面を侵食させることがないので、ノズル内面の第1の機能を達成することができる。
このように製造されたノズルプレートやインクジェットヘッドは、公知の各種インクジェット記録装置に用いることができる。なお、ノズルの配置等は、適宜設計することができる。
10…構造体、20…供給流路、20a…共通供給路、21…循環流路、21a…共通循環路、200…SOI基板、210…ハンドル層、215…BOX層、220…デバイス層、230…レチクルマーク、235…酸化膜、250、265…開口部、260…犠牲層、270、300…ライナー、290…テーパー部、310…基礎基板、400…治具、410…流体、420…容器、425…エッチング溶液

Claims (14)

  1. 基板の第1の面のノズルを形成すべき位置に非貫通状態の凹形状を形成する工程と、
    前記凹形状の表面にライナー膜を形成する工程と、
    前記第1の面の反対面である第2の面にエッチング処理を施し、前記ライナー膜を凸形状に露出させる工程と、
    前記第2の面に機能膜を形成する工程と、
    前記凸形状のライナー膜が露出するまで、前記機能膜にエッチング処理を施す工程と、
    前記第1の面の凹形状に流体を導入するとともに、前記第2の面を処理剤に浸漬して前記露出したライナー膜表面をエッチングしてノズルを形成するウエットエッチング工程と、
    を備えたことを特徴とするノズルプレートの製造方法。
  2. 前記基板の第1の面に前記凹形状に連通する流路を形成する工程と、
    複数の前記流路に連通する共通流路を形成する工程と、
    を備え、
    前記ウエットエッチング工程は、前記共通流路から前記凹形状に流体を導入することを特徴とする請求項1に記載のノズルプレートの製造方法。
  3. 前記基板の第1の面に前記凹形状に連通する圧力室を形成する工程と、
    前記圧力室内に圧力を加える圧電素子を形成する工程と、
    を備え、
    前記圧力室に導入された流体を前記圧電素子で加圧することにより前記凹形状に流体を導入することを特徴とする請求項1又は2に記載のノズルプレートの製造方法。
  4. 前記機能膜は、撥水性の有機膜であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  5. 前記機能膜は、フッ素を含むことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  6. 前記ライナー膜は、親水性の膜であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  7. 前記流体は、空気、不活性ガス、オゾン又はその混合ガスのいずれかであることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  8. 前記流体は、前記処理剤と混合しない溶液であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  9. 前記処理剤は、少なくともフッ酸を含むことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  10. 前記ウエットエッチング工程は、前記処理剤の充填された容器の底と前記第2の面との距離を1cm以下として処理剤に浸漬することを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  11. 前記ウエットエッチング工程は、前記処理剤の充填された容器の底と前記第2の面との距離を形成されるノズルの直径より大きくして処理剤に浸漬することを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載のノズルプレートの製造方法によって形成されたノズルプレートを備えたことを特徴とするインクジェットヘッド。
  13. 請求項12に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  14. 第1の面のノズルを形成すべき位置にライナー膜の形成された非貫通状態の凹部が形成され、かつ該凹部のライナー膜が前記第1の面の反対面である第2の面に凸部を形成している基板にノズルを形成するノズル形成方法において、
    前記第2の面に機能膜を形成する機能膜形成工程と、
    前記第1の面の凹部から流体を導入するとともに、前記第2の面を処理剤に浸漬するエッチング工程と、
    を備えたことを特徴とするノズル形成方法。
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