JP2012011422A - チューブ部材の構造とチューブ部材の製造方法 - Google Patents

チューブ部材の構造とチューブ部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】重量増を伴うことなく、僅かな断面の拡大で曲げや捩りなどに対する強度を高めることができるチューブ部材の構造と、このチューブ部材の製造方法を提供する。
【解決手段】4角形状をした閉断面構造のチューブ部材Tにおける軸線変形部の角部1に、軸直角断面放射方向外方に向かって突出する突出部2を形成し、チューブ部材Tの断面2次モーメントを増加させ、曲げや捩りに対する剛性を向上させたことを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、曲げや捩りなどに対する剛性の高いチューブ部材の構造と、このチューブ部材の製造方法に関する。
例えば、自動車のサスペンションに使用されるサスペンションメンバー等は、本体部分が閉断面構造をしたチューブ部材が用いられている。
このような閉断面構造をしたチューブ部材は、最近では、例えば、下記特許文献に開示されているチューブハイドロフォーミング方法により成形されることが多い。
この方法は、断面矩形状した鋼管を液圧により拡管し、所定形状に成形するもので、溶接接合部分がなく全体を一体成形できる。したがって、一般的に行われている前記チューブ部材の成形方法である、断面U字状をした上下2つの部材を最中合わせし、両部材を溶接により接合する方法に比し、部品点数や溶接工程が低減のみでなく、複雑な形状をしたものであっても成形に要する作業時間が短縮でき、コスト的にも作業能率的にも有利となる。
一方、サスペンションメンバーは、車輪側と種々のアームあるいはロッドを介して連結され、アーム上に設けられたショックアブソーバなどを介して車体側とも連結されため、車輪側からの振動あるいは荷重によりチューブ部材自体が形状的に曲げや捩りを受ける。このような曲げや捩りなどに対しては、チューブ部材を補強することが好ましい。
特開2008−149343号公報
チューブハイドロフォーミング方法によるチューブ部材の成形と同時にチューブ部材を補強するに当り、例えば、チューブ部材の肉厚を厚くして液圧成形することがあるが、このようにすれば、厚肉にした分、全体的に重量増となり、自動車のサスペンション用チューブ部材としては好ましくない。
また、チューブハイドロフォーミング方法により、曲げが生じる部位の断面を拡大し、断面2次モーメントや断面係数を増大させることにより補強することもある。しかし、対象部分全体が膨出し、大径化することになるので、このチューブ部材をサスペンションメンバーとして車載すれば、車両レイアウトの制約により車載困難な場合もある。
さらに、断面を拡大することなく曲げや捩り剛性を向上させるために、内部に補強を施すこともある。しかし、チューブ部材内に補強部材を設置し溶着する作業が必要となり、製品コストが増大するのみでなく、重量増となるおそれがある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、重量増を伴うことなく、僅かな断面の拡大で曲げや捩りなどに対する強度を高めることができるチューブ部材の構造と、このチューブ部材の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明のチューブ部材の構造は、支持された両端部に作用する前後左右及び上下の方向からの力に対抗する剛性を有するように、前記両端部間に形成された軸線変形部の角部に、軸直角断面放射方向外方に向かって突出する突出部を形成したことを特徴とする。
上記目的を達成する本発明のチューブ部材の製造方法は、成形型におけるキャビティの角部に放射方向外方に向かって突出する膨出部を形成し、前記キャビティ内に設置するワークは、前記膨出部より張り出し量の小さい予備突出部が角部に形成されたチューブ部材の予備成形体を使用し、この予備成形体の予備突出部を前記膨出部に対応するようにセットした状態で液圧をかけ、前記予備突出部を前記成形型の膨出部に沿うように成形することを特徴とする。
本発明に係るチューブ部材の構造によれば、チューブ部材における軸線方向の両端部間に形成された軸線変形部の軸直角断面角部に、放射方向外方に向かって突出する突出部を形成することにより、チューブ部材の断面2次モーメントが増加させ、チューブ部材において要補強部となる部分のみを補強するようにしたので、前記両端部に前後左右あるいは上下から力が作用し、軸線変形部に曲げや捩りなどが生じても、これに対向するチューブ部材となる。また、ハイドロフォーミング方法によりチューブ部材を成形するとき、前記軸線変形部の肉厚も他の部分と同じにすると、チューブ部材全体の重量増加もほとんどないものが得られる。
本発明に係るチューブ部材の製造方法によれば、小さな予備突出部を形成したチューブ部材の予備成形体を使用し、この予備成形体の突出部を成形型におけるキャビティの角部に放射方向外方に向かって突出するように形成した膨出部に対応するようにセットした状態で液圧成形するので、液圧成形時に成形型の膨出部に予備成形体の素材が流動しやすく、亀裂等が発生することなく突出部を容易に成形できる。
サスペンションメンバーの全体構造を示す概略斜視図である。 補強前のチューブ部材を示す、図1の2−2線に沿う断面図である。 要補強部に補強を施した成形後のチューブ部材の一例を示す、図2と同様の断面図である。 突出部と断面2次モーメントの大きさの検証結果を示す表である。 検証結果における断面2次モーメントの大きさを示すグラフである。 液圧成形装置が型締めした状態の成形型を示す、ワークの軸線に直角な断面図である。 同成形型におけるワークの軸線方向の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
本実施の形態に係るチューブ部材が用いられるサスペンションメンバーは、図1に示すように、概して、長尺な4本のチューブ部材T(T1,T2,T3,T4の総称)が相互に接合されたものである。各チューブ部材Tの端部には、マウント部材M(M1,M2,M3,M4の総称)が設けられ、このマウント部材Mを介して車輪側と連結する連結部材など(例えば、ロアアーム、アッパアームなど)が連結される。なお、ロアアームと車体(不図示)との間にはショックアブソーバが設けられ、アッパアームにはダイナミックダンパーが設けられ、車輪側から車体側への振動伝達を抑制する。
したがって、車載されたサスペンションメンバーに対しては、車両走行中に、前後方向(矢印A)、上下方向(矢印B)あるいは左右方向など種々の方向から荷重が作用することになる。例えば、チューブ部材T1において考察すれば、マウント部材M1に上方に向って荷重F1が作用し、マウント部材M2に下方に向って荷重F2が作用すれば、長尺なチューブ部材T1における軸線方向の両端部間に存在する湾曲した部分、つまり長尺なチューブ部材T1の軸線が直状でなく屈曲あるいは湾曲した軸線変形部Xには、曲げや捩りなどが生じ、これによって歪も生じることから、軸線変形部Xは、補強を施す必要がある要補強部となる。ここに、補強を施す前のチューブ部材T1としては、軸線方向には比較的長尺なもので、その軸直角断面は、図2に示すように、4角形状をしたものである。
軸線変形部Xのような要補強部が存在するチューブ部材T1を、チューブハイドロフォーミング方法により成形する場合、チューブ部材T1の軸直角断面積を単純に大きくして補強すると、断面4角形状が縦横に広がり大きくなり、これを用いてサスペンションメンバーを形成すると、車両レイアウトの制約により実現が困難になる可能性がある。
しかし、要補強部の角部1のみに、図3に示すような突出部2を設けて断面積を大きくすれば、車両レイアウトの制約に関する問題は生じにくい。チューブ部材T1における角部1の周辺は、隣接する部材との関係ではデッドスペースになることが多いからである。特に、本実施形態の軸線変形部Xは、軸線方向において円弧状に湾曲した部分であり、この部分の軸直角断面における角部1に突出部2を設けるとき、円弧状軸線に沿って形成すると、軸線変形部Xの全長にわたり補強することができ、好ましい。なお、軸線変形部Xとしては、円弧状のもののみに限定されるものではないが、ジグザグに変形したものあるいは屈曲したものなどは、局部的な応力集中が生じやすいので、好ましくない。
そこで、チューブ部材T1における要補強部の角部1のみに突出部2を設ける場合、どのような突出部2を形成すれば、実効性ある補強を行うことができるかについて種々検証することを試みた。検証は、図2に示す基本となるチューブ部材Tに対し同じ突出長で突出方向のみが異なる突出部2を種々形成したとき、断面2次モーメントの大きさにどの程度影響するかの観点から行った。各種突出部を有するチューブ部材Tと、これら各断面2次モーメントの大きさの検証結果を、図4に表で示す。
図4(a)欄に基本となるチューブ部材Tを示す。基本となるチューブ部材Tは、図2に示す断面を有するものであるが、縦長60mm×横長80mmの断面4角形状を有するものを使用した。チューブ部材Tを軸直角に切断したときの端面の面積(以下、単に断面積)、X軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Ixx)、Y軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Iyy)を全て「100」に設定した。
まず、図4(b)欄に示すように、チューブ部材Tの4つの角部1全てに、角部1を構成する短辺3と長辺4の内、短辺側に短辺と直交する方向、つまり、短辺3を構成する部材の面に直交する方向に突出部2を5mm突出させたものについて、基本となるチューブ部材Tの設定値「100」に対する比率を検証した。この場合のチューブ部材Tの断面積は、107.5であり、X軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Ixx)は、111.1、Y軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Iyy)は、127.5であった。
次に、図4(c)欄に示すように、4つの角部1全てに、角部1を構成する短辺3と長辺4の内、長辺側に長辺と直交する方向、つまり、長辺4を構成する部材の面に直交する方向に突出部2を5mm突出させたものは、断面積が107.9であり、X軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Ixx)が119.0、Y軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Iyy)が110.0であった。
さらに、図4(d)欄に示すように、突出部2を斜め方向、つまり長辺4若しくは短辺3に対する傾斜角が45°となる方向に5mm突出させたものは、断面積が111.4であり、X軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Ixx)が119.8、Y軸を中心軸線とする断面2次モーメント(Iyy)が120.3であった。
検証結果を棒グラフで示すと、図5に示すようになる。この結果から判断すれば、100以上の値を示すものは、全て良好なものであるから、チューブ部材Tの短辺方向または長辺方向のどちらかに突出部2を形成すると、短辺方向(高さ方向)または長辺方向(幅方向)の断面2次モーメントIxx又はIyyが増加するので捩り剛性などは向上することになる。したがって、要補強部の角部1に突出部2を設けたものは、図4(b)(c)(d)のいずれのものも良好な結果が得られることが判明した。
しかも、突出部2は、チューブ部材Tの湾曲部Xのみに形成すればよく、肉厚tも他の部分と同じであるため、重量増は微小で、断面の拡大も僅かで、車両レイアウトの制約があっても殆ど問題となることもない。
特に、図4(d)欄に示す斜め方向に突出部2を形成したもの、つまり、図3に示す45度の方向に突出したチューブ部材Tは、短辺方向(高さ方向)のみ、又は長辺方向(幅方向)のみのものよりも、断面2次モーメントIxx、Iyyの両者とも大きく、他の場合よりも曲げや捩りなどの剛性が高く、あらゆる方向から荷重が作用するサスペンションメンバーを補強する手段としては有効なことが判明した。しかも、突出部2を湾曲部Xのみに形成すれば、短辺3と長辺4の両方向に突出部2を形成したものに比し、重量増をより抑制でき、その曲げ剛性も高く、捩り固有値(共振周波数)をより高くすることができる。このため、ダイナミックダンパーなどのような音振チューニング部品を廃止させることも可能となる。
次に、成形方法を説明する。
まず、図6、図7に示すような成形型10を準備する。液圧成形装置に使用される成形型10は、上型11と下型12とを有し、両者を型締めしたときには、内部にワークWが収容されるキャビティ13が形成される。本実施形態のキャビティ13は、内部に長尺なワークWが収容されるので、ワークWの軸線方向に長く、その長手方向に直交する断面は、図6に示すように、略矩形状となっている。
特に、本実施形態のキャビティ13は、図6に示すように、長手方向に直交する断面が矩形状を呈するように形成され、この矩形の角部14(14a,14b,14c,14dの総称)に、放射方向外方に向かって突出する膨出部15(15a,15b,15c,15dの総称)が形成されている。
各膨出部15の突出方向は、角度的には、各角部14を構成するキャビティ13の型面17と型面18(同様に型面18,19、型面19,20若しくは型面20,17)に対し45度傾斜した方向とされ、図4(d)欄に記載の突出部2を有するチューブ部材Tを形成するものとして構成されている。なお、膨出部15は、図7に示すように、キャビティ13の長手方向の一部であってもよく、キャビティ13全長にわたって形成したものであってもよい。
特に、本実施形態のキャビティ13は、図6に示すように、一対の対向する膨出部15b,15dが成形型10の合わせ面16を跨って形成されている。この結果、他の一対の対向する角部14a,14cに形成される膨出部15a,15cは、必然的にキャビティ13の内方に向かって開口する状態になる。
このようにすれば、液圧成形装置は、下型12を静止状態とし、上型11のみが作動するようにすることもでき、略矩形状をしたワークWを、例えば、上面が水平でなく、傾斜させた状態でキャビティ13に投入すれば、一方向からの型締めで、液圧成形が可能となり、設備的に簡素化でき、コスト的に有利となる。また、作業的には、成形後のチューブ部材を取り出しやすくなる。
次に、使用するワークWは、図6に示すように、軸直角断面が略矩形状のプリフォームした予備成形体を準備する。つまり、キャビティ13に形成された膨出部15の突出量よりも小さい張り出し量の予備突出部2aが、ワークWの軸直角断面の角部に形成されたチューブ状の予備成形体を準備する。また、ワークWの大きさとしては、長手方向はキャビティ13内に収容できる長さであることは当然であるが、これに直交する方向の大きさは、キャビティ13内において上型11と下型12により型締めされたとき、上型11と下型12により加圧され、図6に示すように、予備突出部2a間の中間部mが放射方向内方に膨出される程度のものが好ましい。つまり、後に詳述するが、液圧成形時に中間部mの肉を予備突出部2aに利用する、いわゆる肉寄せが生じ程度の大きさであることが好ましい。
なお、予備突出部2aは、図6に示すように、キャビティ13の膨出部15内面に接する程度の、張り出し量を有するものが好ましいが、場合によっては、キャビティ13の膨出部15内面に接しない程度の張り出し量が小さなものであってもよい。また、ワークWには、図7に示すように、長手方向端部に下型12に設けられた液圧注入用のヘッド22が挿入される通孔21を開設しておく。
このように構成されたワークWを成形型10のキャビティ13内にセットする。この場合、ワークWに形成した予備突出部2aがキャビティ13の膨出部15に対応するようにセットする。
そして、成形型10を作動し、上型11と下型12がワークWを型締めすると、液圧注入用のヘッド22がワークWの通孔21に入り込み、液圧供給の準備ができる。一方、キャビティ13内においては、ワークWが上型11と下型12により加圧され、予備突出部2a間の中間部mが放射方向内方に向かって膨出される。
この状態で、図外の液圧供給装置から液圧注入用ヘッド22を介してワークW内に液圧を供給すると、ワークWでは予備突出部2a間の中間部mが液圧によりキャビティ13の内面に向かって膨出されることになり、この中間部mの肉が各角部に向かうことになる。これにより、いわゆる肉寄せが生じる。したがって、予備成形体の素材が円滑に流動され、予備突出部2aは、中間部mの肉を利用して膨出成形され、キャビティ13の膨出部15に沿って円滑に変形され、亀裂等が発生することなく、所望の突出部2が成形される。
この成形後、上型11と下型12とを離間すると、ワークWの突出部2がキャビティ13の膨出部15内まで入り込んだ状態であっても、上型11と下型12の合わせ面から上半分が露出した状態となるので、ワークWをキャビティ13内から簡単に取り出すことができる。
上述した本実施の形態は、以下の効果を奏する。
(a)本実施の形態のチューブ部材Tの構造では、軸直角断面4角形状をしたチューブ部材Tの軸線変形部Xにおける4つの角部1に、軸直角断面放射方向外方に向かって突出する突出部2を形成したので、チューブ部材Tの断面2次モーメントが増加し、曲げ剛性や捩り剛性が向上し、曲げなどに対する補強を必要とする部分の補強ができる。しかも、ハイドロフォーミング方法により成形するとき、軸線変形部Xの肉厚も他の部分と同じにすると、全体重量の増加も微小で、断面の拡大も僅かであり、また、車両レイアウトの制約があっても突出部2が邪魔になるなどの問題は生じることもない。
(b)チューブ部材Tが有する4つの角部1に、この角部1を構成する辺3,4のいずれか一方に直交する方向に突出する突出部2を形成すれば、短辺3の方向(高さ方向)または長辺4の方向(幅方向)の少なくともどちらかの断面2次モーメントが増加し、曲げ剛性や捩り剛性が向上する。
(c)突出部2を、角部1を構成する辺3,4のいずれか一方に対し45度の方向に突出すれば、角部1を構成する辺3,4のいずれにも直交する方向に突出したものに比し重量をより軽くすることができる。また、1つの角部に1つの突出部を設けることにより、短辺3の方向(高さ方向)にも長辺4の方向(幅方向)にも断面2次モーメントを増加させることができるので、曲げ剛性や捩り剛性を向上できる。その結果、捩り固有値(共振周波数)の増加にも繋がるので、ダイナミックダンパー等のような音振チューニング部品を廃止することもできる。
(d)本実施の形態のチューブ部材Tの製造方法では、キャビティ13の角部14に形成した膨出部15に、チューブ状の予備成形体(ワークW)の角部1に形成した予備突出部2aが対応するようにセットした状態で、液圧成形するので、予備成形体の素材が成形型11,12の膨出部15に流動しやすく、亀裂等を発生させることなく突出部2を成形できる。
(e)成形型11,12の型締め時にキャビティ13内において、予備成形体(ワークW)の予備突出部2a間の中間部mが放射方向内方に膨出されるようにしたので、液圧成形時に中間部mの肉が各角部に向かう、いわゆる肉寄せが生じ、予備成形体の素材が円滑に流動され、予備突出部2aを成形型11,12の膨出部15に沿った形状に容易に成形することができる。
(f)成形型11,12は、長手方向に直交する断面が矩形状を呈するキャビティ13における4つの角部14の内の対向する角部14b、14dが、成形型11,12の合わせ面を跨って形成されているので、上下の成形型11,12に対して、液圧負荷前の予備成形体(ワークW)を斜めに傾斜させてセットすることになるが、一方向から型締めした状態での液圧成形が可能となる。また、成形後のワークWの取り出しも容易に行うことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々変更使用することができる。例えば、上述した実施形態のチューブ部材は、断面4角形をしたものであるが、これのみでなく、角部を有するものであればどのようなものであってもよく、断面多角形をしたものであってもよい。
また、上述した実施形態では、軸直角断面矩形状をしたチューブ部材の軸線変形部Xにおける4つの角部全てに突出部を形成したものであるが、これのみでなく、少なくとも1つの角部に突出部を形成したものであってもよい。
曲げや捩りなどに対する剛性の高いサスペンションメンバー等の成形に利用できる。
1…チューブ部材の角部、
2…突出部、
2a…予備突出部、
13…キャビティ、
14…キャビティの角部、
15…キャビティの膨出部、
m…中間部、
T(T1,T2,T3,T4)…チューブ部材。

Claims (6)

  1. 支持された両端部に作用する前後左右及び上下の方向からの力に対抗する剛性を有し、前記両端部間に軸線変形部が形成され、複数の角部を有する軸直角断面多角形状をした閉断面構造のチューブ部材であって、前記軸線変形部の前記角部の内の少なくとも1つの角部に、軸直角断面放射方向外方に向かって突出する突出部を形成したことを特徴とするチューブ部材の構造。
  2. 前記チューブ部材は、断面4角形状であり、前記突出部は、少なくとも1つの角部に、当該角部を構成する辺のいずれか一方に直交する方向に突出していることを特徴とする請求項1に記載のチューブ部材の構造。
  3. 前記突出部は、前記角部を構成する辺のいずれか一方に対し45度の方向に突出したことを特徴とする請求項1に記載のチューブ部材の構造。
  4. 長尺で断面多角形状をした密閉構造のキャビティを有し、当該キャビティの長手方向に伸延する角部の内の少なくとも1つに、該キャビティの少なくとも長手方向の一部が放射方向外方に向かって突出する膨出部を形成した一対の成形型を準備する工程と、
    前記成形型の膨出部より張り出し量の小さい予備突出部が角部の内の少なくとも1つに形成された、多角形状の閉断面を有するチューブ状の予備成形体を形成する工程と、
    前記予備突出部が前記キャビティの膨出部に対応するように前記予備成形体を前記成形型にセットする工程と、
    前記予備成形体内に液圧を供給し、前記予備成形体が前記成形型のキャビティに沿うように液圧成形する工程と、を有するチューブ部材の製造方法。
  5. 前記予備成形体は、前記成形型の型締め時に前記キャビティ内において、前記予備成形体の予備突出部間の中間部が放射方向内方に湾曲するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のチューブ部材の製造方法。
  6. 前記成形型は、軸直角断面4角形状をしたキャビティの4つの角部の内、対向する角部が合わせ面を跨って形成したことを特徴とする請求項4又は5に記載のチューブ部材の製造方法。
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