以下に、本発明ディスクチェンジャーの実施の形態を添付図面に従って説明する。
以下の説明にあっては、ディスクカートリッジをディスクチェンジャーのカートリッジ挿脱口から挿入する方向を前方として前後上下左右の方向を示すものとする。
尚、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
[ディスクカートリッジの全体構成]
先ず、ディスクチェンジャーに用いられるディスクカートリッジの構成を説明する(図1乃至図8参照)。
ディスクカートリッジ1はケース体2の内部に所要の各部が配置されて成り、ケース体2は第1のシェル3と第2のシェル4を有している。ケース体2の内部には複数のディスク状記録媒体100、100、・・・が上下方向に等間隔で収納可能とされている。
第1のシェル3と第2のシェル4は、例えば、上下方向において結合又は分離可能とされている(図1乃至図3参照)。尚、ケース体2が縦長の状態とされている場合には、第1のシェル3と第2のシェル4は、左右方向において結合又は分離される。
第1のシェル3は樹脂材料によって形成され、ベース体5とベース体5の後端部に取り付けられた補助ベース6とが上下方向において結合されて成る。
ベース体5は、図4及び図5に示すように、上下方向を向くベース面部7と該ベース面部7の左右両端部からそれぞれ下方へ突出されたサイド面部8、8とベース面部7の後端部から下方へ突出されたリア面部9とを有している。
ベース面部7の中央部には下方へ突出された丸軸状のセンターピン10が設けられている。
ベース面部7の前端寄りの位置には下方へ突出された支持軸11、11が左右に離隔して設けられている。ベース面部7の下面における支持軸11、11の近傍の位置には、それぞれバネ掛け突部12、12が設けられている。
補助ベース6の左右両端部における下端部にはそれぞれ側方及び下方に開口された溝状の把持部6a、6aが形成されている。
第1のシェル3の左右両側面部における後端寄りの位置には、それぞれスライダー支持部3a、3aが形成されている(図1乃至図3参照)。
第1のシェル3の支持軸11、11にはそれぞれロックレバー13、13が回動自在に支持される(図3乃至図5参照)。
ロックレバー13は、図4乃至図6に示すように、支持軸11が挿入されて支持される円筒状の被支持部14と、被支持部14の略上半部から略前方へ突出されたロック部15と、被支持部14の略下半部から斜め前方へ突出されたロック解除部16とを有している。
ロック部15は先端部に側方へ突出されたロック用突部15aを有している。ロック部15には上方へ突出されたバネ支持突部15bが設けられている。
ロックレバー13、13はそれぞれ被支持部14、14に支持軸11、11が挿入され支持軸11、11の各中心軸を中心として回動可能とされる(図6参照)。ロックレバー13、13が支持軸11、11に支持された状態において、ロックレバー13、13は付勢バネ17、17によってロック部15、15のロック用突部15a、15aがそれぞれサイド面部8、8に近付く方向へ付勢される。
付勢バネ17は、例えば、捩じりコイルバネであり、コイル部17aとコイル部17aからそれぞれ突出された一対の腕部17b、17cとから成る。付勢バネ17は、コイル部17aが支持軸11に支持され、一方の腕部17bが第1のシェル3のベース面部7に設けられたバネ掛け突部12に係合され、他方の腕部17cがロックレバー13のロック部15に設けられたバネ支持突部15bに係合される。
第1のシェル3のスライダー支持部3a、3aにはそれぞれロックスライダー18、18が前後方向へスライド自在に支持される(図3乃至図5参照)。
ロックスライダー18は前後に延びる被支持部19と被支持部19の前端部を除く部分から内方へ突出されたロック部20とロック部20の後面から後方へ突出されたバネ支持軸部21とから成る。
ロックスライダー18、18は被支持部19、19がそれぞれ第1のシェル3のスライダー支持部3a、3aにスライド自在に支持され、バネ支持軸部21、21にそれぞれコイルバネ22、22が支持される。コイルバネ22は両端がそれぞれロック部20の後面とスライダー支持部3aを形成する後面とに接する。従って、ロックスライダー18はコイルバネ22によって前方へ付勢される。
第1のシェル3の前端部には開閉パネル23が取り付けられている(図1乃至図3参照)。開閉パネル23は、図4及び図5に示すように、前後方向を向く横長の矩形の板状に形成されたパネル部24とパネル部24の後面における下端部から後方へ突出された被取付突部25、25とを有している。
パネル部24には左右に離隔して挿入孔24a、24aが形成されている。パネル部24の左右両端部にはそれぞれ外方に開口された挿入用切欠24b、24bが形成されている。
被取付突部25、25は左右に離隔して設けられている。
開閉パネル23は、被取付突部25、25の先端部がそれぞれベース面部7に設けられた支持軸11、11の下面にネジ止めされて第1のシェル3に取り付けられる。
開閉パネル23が第1のシェル3に取り付けられた状態においては、被取付突部25、25がそれぞれ支持軸11、11の下方においてネジ止めされており、支持軸11、11に支持されたロックレバー13、13及び付勢バネ17、17の支持軸11、11からの脱落が防止される。
開閉パネル23が第1のシェル3に取り付けられた状態において、挿入孔24a、24aの真後ろにそれぞれロックレバー13、13のロック解除部16、16が位置される。
第2のシェル4は樹脂材料によって形成され、上下方向を向く基面部26と基面部26の左右両端部からそれぞれ上方へ突出された側面部27、27が一体に形成されて成る(図3、図5及び図7参照)。
側面部27は外側壁部28と外側壁部28の内側に位置する内側壁部29とから成る。外側壁部28は高さが内側壁部29の高さの略半分にされ、上面が内側壁部29の上面より低くされている。
内側壁部29の前端部には前方に開口され左右に貫通された第1のロック用凹部29aが形成されている。内側壁部29の後端寄りの位置には後方及び外方に開口された第2のロック用凹部29bが形成されている。
内側壁部29の内面には保持溝29c、29c、・・・が形成され、保持溝29c、29c、・・・は上下方向において等間隔に離隔して位置されている。
一方の内側壁部29にはバネ取付凹部29dが形成されている。バネ取付凹部29dは上方及び内方に開口されている。
バネ取付凹部29dには押さえバネ30が挿入されて取り付けられている(図2及び図4参照)。押さえバネ30は、図7に示すように、縦長の板状の被取付部30aと被取付部30aの後縁から突出されたバネ部30b、30b、・・・とが金属材料によって一体に形成されて成る。バネ部30b、30b、・・・は保持溝29c、29c、・・・の上下の間隔と同じ間隔で上下方向において等間隔に離隔して設けられ、保持溝29c、29c、・・・と同数が設けられている。
押さえバネ30はバネ取付凹部29dに挿入されバネ部30b、30b、・・・の先端部が内側壁部29の内側に突出される。
第2のシェル4の側面部27、27間の後端寄りの位置にはブリッジ部材31が取り付けられる(図2及び図7参照)。
ブリッジ部材31は板状の金属材料が所定の形状に折り曲げられて形成されている。ブリッジ部材31が側面部27、27間に取り付けられることにより、第2のシェル4の全体としての高い強度を確保することができる。
ディスクカートリッジ1には、例えば、ケース体2の後面に情報入力手段として情報入力シート32が貼付されている。情報入力シート32には所定の情報、例えば、ケース体2の内部に収納されるディスク状記録媒体100、100、・・・間のピッチ及びディスク状記録媒体100、100、・・・の収納枚数に関する情報が入力されている。
尚、情報入力手段は情報入力シート32に限られることはなく、例えば、ケース体2に印刷されたバーコード等の印刷情報やケース体2に埋め込まれた記録チップ等の適宜の手段を用いることができる。
以上のように構成されたディスクカートリッジ1において、ディスク状記録媒体100、100、・・・がケース体2の内部に保持される(図1及び図2参照)。ディスク状記録媒体100は第1のシェル3と第2のシェル4が分離された状態において、外周部が第2のシェル4の側面部27、27に形成された保持溝29c、29cに前方から挿入されケース体2の内部に保持される。従って、第2のシェル4の前端に位置する開口はディスク状記録媒体100、100、・・・の第2のシェル4に対する挿入及び取出が行われるディスク挿脱口4aとして形成される。
第1のシェル3と第2のシェル4が結合され第1のシェル3に開閉パネル23が取り付けられてケース体2が構成された状態においては、第1のシェル3におけるサイド面部8、8の下面と第2のシェル4における外側壁部28、28の上面との間にそれぞれ前後に延びる挿入溝2a、2aが形成される(図1参照)。挿入溝2a、2aは、後端がそれぞれ第1のシェル3のスライダー支持部3a、3aに連続され、前端がそれぞれ開閉パネル23のパネル部24に形成された挿入用切欠24b、24bに連続される。
[ディスクカートリッジの結合状態]
以下に、ディスクカートリッジ1の結合状態について説明する(図8参照)。
第1のシェル3と第2のシェル4はベース体5のベース面部7と基面部26が上下で対向した状態で結合されている。
第1のシェル3と第2のシェル4が結合された状態においては、ロックレバー13、13及びロックスライダー18、18によって第1のシェル3と第2のシェル4がロックされている。
ロックレバー13、13は付勢バネ17、17の付勢力によってロック部15、15の先端部が互いに離隔する方向(外方)における回動端に位置され、ロック部15、15のロック用突部15a、15aがそれぞれ第2のシェル4の側面部27、27に形成された第1のロック用凹部29a、29aに挿入されて係合されている。
ロックスライダー18、18はコイルバネ22、22の付勢力によって前方の移動端に位置され、ロック部20、20がそれぞれ第2のシェル4の側面部27、27に形成された第2のロック用凹部29b、29bに挿入されて係合されている。
上記のように第1のシェル3と第2のシェル4が結合されてロックされディスク状記録媒体100、100、・・・がケース体2の内部に保持された状態においては、ディスク状記録媒体100、100、・・・の外周面の一部に押さえバネ30のバネ部30b、30b、・・・がそれぞれ接して押さえられている。このとき保持溝29c、29c、・・・の一部にディスク状記録媒体100、100、・・・の外周面における他の部分が押し付けられディスク状記録媒体100、100、・・・がケース体2の内部において正規の位置に位置決めされている。
第1のシェル3と第2のシェル4が結合された状態においては、ディスク状記録媒体100、100、・・は中心孔100a、100a、・・・に第1のシェル3に設けられたセンターピン10が挿入される。
[ディスクチェンジャーの全体構成]
次に、ディスクチェンジャー40の構成を説明する(図9乃至図17参照)。
ディスクチェンジャー40は外筐41の内部に所要の各部が配置されて成る。
外筐41は、図9に示すように、後方及び下方に開口された外フレーム42と外フレーム42の後端部に取り付けられた前後方向を向くパネル43と外フレーム42の下端部に取り付けられた上下方向を向くベースフレーム44とから成る。
パネル43の上端部には前後に貫通されたカートリッジ挿脱口が形成され、カートリッジ挿脱口がシャッター45によって開閉可能とされている。パネル43の下端部にはイジェクト釦46が配置されている。
外筐41の内部にはホルダーカバー47が配置されている。ホルダーカバー47は天板部48と天板部48の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された側板部49、49と天板部48の前縁から下方へ突出された突板部50とから成る(図9乃至図11参照)。
天板部48の前端寄りの位置にはカム突片48a、48aと押圧ピン48b、48bがそれぞれ左右に離隔して設けられている(図12参照)。カム突片48a、48aは天板部48の左右両端部に内方へ突出して設けられ、押圧ピン48b、48bはそれぞれカム突片48a、48aの内側において下方へ突出して設けられている。
側板部49の上端部には前後に延びる支持孔49aが形成されている。
側板部49には前後に離隔してカム支持孔51、51が形成されている。カム支持孔51は前後に延びる水平部51aと上下に延びる垂直部51bとから成り、水平部51aの前端部と垂直部51bの上端部とが連続されている。
側板部49の下端部には前後に離隔して外方へ突出された支持突ピン49b、49bが設けられている。
ホルダーカバー47の前端部には連結部材52が取り付けられている。連結部材52は左右に長く形成され左右両端部がそれぞれホルダーカバー47における側板部49、49の前端部に取り付けられている。
連結部材52の上面における左右両端部にはそれぞれ保持部材53、53が取り付けられている。保持部材53、53は、図13に示すように、それぞれ上下に延び連結部材52に取り付けられた被取付部54、54と被取付部54、54の上端部から互いに近付く方向へ突出された保持突部55、55とから成り、保持突部55、55の互いに対向する面にそれぞれ保持面55a、55aが形成されている。保持面55a、55aはそれぞれ外方へ凸の円弧面状に形成されている。保持面55aの曲率はディスク状記録媒体100の曲率より小さくされている。保持部材53、53間の距離はディスク状記録媒体100の直径より僅かに小さくされている。
側板部49、49の前端部における内面にはそれぞれ検出用素子56、56が配置されている(図12参照)。検出用素子56、56は、例えば、一方が発光素子であり他方が受光素子である。
突板部50の下端部と連結部材52の上端部にはそれぞれセンサー57、57が配置されている。センサー57、57は、例えば、一方が発光素子であり他方が受光素子である。
ホルダーカバー47の側板部49、49の外面側にはそれぞれスライダー58、58が前後方向へ移動自在に支持されている(図10参照)。
スライダー58には前後に離隔してカム孔59、59が形成されている。カム孔59は前後に延びる直線部59aと前方へ行くに従って下方へ変位するように傾斜された傾斜部59bとから成り、直線部59aの前端部と傾斜部59bの上端部とが連続されている。スライダー58の下端部には前後に延びる被支持孔58aが形成されている。
スライダー58は被支持孔58aに支持突ピン49b、49bが摺動自在に係合されホルダーカバー47の側板部49に前後方向へ移動自在に支持されている。
ホルダーカバー47にはディスクホルダー60が移動自在に支持されている(図10及び図11参照)。ディスクホルダー60は上ホルダー61と下ホルダー62から成る(図14及び図15参照)。
上ホルダー61は、図14乃至図16に示すように、上下方向を向く上面部63と上面部63の左右両側縁からそれぞれ下方へ突出された横面部64、64と上面部63の前縁から下方へ突出されたレバー支持部65とから成る。
上面部63の上面には前端部における左右両端部にそれぞれ押圧レバー66、66が回動自在に支持されている。押圧レバー66は上下方向を向く回動面部66aと回動面部66aの外側の端部から上方へ突出された摺動突部66bと回動面部66aの前端部から下方へ突出された押圧軸部66cとから成る。押圧レバー66は回動面部66aに回動支点が設けられ、押圧軸部66cが上面部63の前方において略前後方向へ移動される。押圧レバー66は図示しないバネ部材によって押圧軸部66cが略前方へ移動する方向へ付勢されている。
上面部63の上面における前端部には押圧レバー66、66の内側にそれぞれ作動レバー67、67が左右方向へ移動自在に支持されている。作動レバー67は上下方向を向く平板状の移動面部67aと移動面部67aの外側の端部から上方へ突出された作用面部67bと移動面部67aの外側の端部から前方へ突出された作用突部67cとから成る。作動レバー67は移動面部67aと作用面部67bが上面部63上に位置され、作用突部67cが上面部63から前方へ突出されている。作動レバー67、67はそれぞれ上面部63との間に支持された引張コイルバネ68、68によって互いに近付く方向へ付勢されている。
横面部64の外面には側方へ突出された摺動ピン64a、64aが前後に離隔して設けられている。横面部64、64の後端部には互いに近付く方向へ突出された解除片64b、64bが設けられている。横面部64の下端部には下方に開口された連結溝64c、64cが前後に離隔して形成されている。
レバー支持部65には左右に離隔してロック解除片65a、65aが設けられている。ロック解除片65a、65aは後方へ突出した状態で設けられている。
レバー支持部65の前面には規制解除レバー69、69が左右に離隔してそれぞれ回動自在に支持されている。規制解除レバー69は略上下に延びる形状に形成され、上下方向における中央部に回動支点が設けられている。規制解除レバー69、69はレバー支持部65との間に支持されたバネ70、70によって下端部が互いに近付く方向へ付勢されている。
ロック解除片65a、65aの下面にはそれぞれ規制レバー71、71が左右方向へ移動自在に支持されている。規制レバー71、71は板状に形成されそれぞれ基部72、72と基部72、72の後端寄りの位置から互いに近付く方向へ突出された規制部73、73とから成る。
基部72の前端部には前方に開口された係合凹部72aが形成されている。
規制部73は基部72からの突出方向へ行くに従って幅が狭くなる三角形状に形成され、前側に位置する側縁が基部72から遠去かるに従って後方へ変位するように傾斜された第1の傾斜縁73aとして形成され、後側に位置する側縁が基部72から遠去かるに従って前方へ変位するように傾斜された第2の傾斜縁73bとして形成されている。
規制レバー71、71にはそれぞれ基部72、72の係合凹部72a、72aに規制解除レバー69、69の下端部が係合されている。従って、規制レバー71、71には規制解除レバー69、69を介してバネ70、70の付勢力が付与され、規制レバー71、71は互いに近付く方向へ付勢される。
上ホルダー61は摺動ピン64a、64a、・・・がそれぞれ支持孔49a、49aに側板部49、49の内面側から挿入されホルダーカバー47に前後方向へ移動自在に支持される。
下ホルダー62は上下方向を向く下板部74と下板部74の左右両側縁からそれぞれ上方へ突出された横板部75、75とから成る(図14及び図15参照)。
横板部75の外面には側方へ突出された摺動ピン75a、75aが前後に離隔して設けられている。横板部75の上端部には内方へ突出された保持片75b、75bが前後に離隔して設けられている。
下ホルダー62は摺動ピン75a、75a、・・・がそれぞれカム支持孔51、51、・・・及びカム孔59、59、・・・に側板部49、49の内面側から挿入されホルダーカバー47及びスライダー58、58に前後方向及び上下方向へ移動自在に支持される。
上ホルダー61と下ホルダー62は摺動ピン75a、75a、・・・がそれぞれ連結溝64c、64c、・・・に下方から挿入されて係合されることにより上下方向において結合される(図14参照)。
外筐41のベースフレーム44上にはシャーシ76が取り付けられている(図10及び図11参照)。
シャーシ76の後端部には上方へ突出された支持部材77が取り付けられている(図17参照)。支持部材77の上端部には水平方向へ回動可能な排出レバー78が支持されている。排出レバー78には被作用部材79が連結され、被作用部材79の下端部はシャーシ76上に位置されている。
シャーシ76上には第1のモーター支持板80が配置され、第1のモーター支持板80上に第1の駆動モーター81が取り付けられている。
シャーシ76には回転カム82が支持され、回転カム82にはアームレバー83が連結されている。アームレバー83の一端部は被作用部材79の下端部に連結されている。
回転カム82は第1の駆動モーター81の駆動力がシャーシ76上に支持された第1の減速ギヤ群84を介して伝達されることにより回転され、回転カム82の回転に伴ってアームレバー83が動作される。アームレバー83が動作されると被作用部材79が動作され、排出レバー78が支持部材77に対して回動される。
シャーシ76の底面側にはそれぞれスライダー58、58に取り付けられた図示しないラックギヤが配置されている。
シャーシ76上には第1の駆動モーター81の前方に第2のモーター支持板85が配置され、第2のモーター支持板85上に第2の駆動モーター86が取り付けられている。
シャーシ76には第2の減速ギヤ群87が支持され、第2の減速ギヤ群87は一部を除いてシャーシ76の下面側に支持されている。第2の減速ギヤ群87はスライダー58、58にそれぞれ取り付けられたラックギヤに噛合されている。
スライダー58、58は第2の駆動モーター86の駆動力が第2の減速ギヤ群87を介してラックギヤに伝達されることにより前後方向へ移動される。スライダー58、58が前後方向へ移動されると、後述するように、ディスクホルダー60の下ホルダー62が上下方向へ移動される。
従って、第2の駆動モーター86と第2の減速ギヤ群87はディスクホルダー60(下ホルダー62)を移動させる移動機構として機能する。移動機構は図示しないエンコーダーを有しており、エンコーダーを用いてディスクカートリッジ1に貼付された情報入力手段として機能する情報入力シート32に入力された情報に基づいて下ホルダー62の上下方向における停止位置を定める。
外筐2の内部には前方側における下端部にディスク状記録媒体100、100、・・・に対する情報信号の記録又は再生を行うドライブ部88が配置されている(図9参照)。
[ディスクチェンジャーの動作]
以下に、ディスクチェンジャー40の動作について説明する(図18乃至図42参照)。
先ず、ディスクカートリッジ1がディスクチェンジャー40に挿入される前の初期状態について説明する(図18乃至図20参照)。
初期状態において、スライダー58は前方の移動端に位置され、ディスクホルダー60は後方の移動端に位置されている(図18参照)。
このとき上ホルダー61は後側の摺動ピン64aがホルダーカバー47における支持孔49aの後端部に係合されている。下ホルダー62は摺動ピン75aがホルダーカバー47におけるカム支持孔51の水平部51aの後端部とスライダー58におけるカム孔59の直線部59aの後端部に係合されている。
初期状態においては、ディスクホルダー60に支持された押圧レバー66はバネ部材の付勢力によって押圧軸部66cが前方側の移動端に位置する状態とされている(図19参照)。
初期状態においては、ディスクホルダー60に支持された規制解除レバー69はバネ70の付勢力によって垂直状態に位置されている。従って、図20に示すように、規制レバー71は内側の移動端に保持され、作動レバー67は引張コイルバネ68の付勢力によって作用突部67cが規制レバー71の上端部に外側から係合され外側の移動端に位置されている(図19参照)。
初期状態においては、支持部材77の上端部に支持された排出レバー78は略左右方向に延びる状態で保持されている。
上記した初期状態において、ディスクカートリッジ1がパネル43のカートリッジ挿脱口から挿入されると、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60に後方から挿入されていく(図21参照)。ディスクカートリッジ1がパネル43のカートリッジ挿脱口から挿入されるときには、シャッター45が押圧されて回動される。
ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60に後方から挿入されていくと、ケース体2に形成された挿入溝2a、2aにそれぞれ上ホルダー61の解除片64b、64bと下ホルダー62の保持片75b、75b、・・・が挿入される。
挿入溝2a、2aにそれぞれ解除片64b、64bが挿入されると、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60の奥側まで移動されたときに、解除片64b、64bによってそれぞれロックスライダー18、18の被支持部19、19が押圧される。解除片64b、64bによってそれぞれ被支持部19、19が後方へ押圧されると、ロックスライダー18、18はそれぞれコイルバネ22、22の付勢力に抗して後方へ移動されロック部20、20がそれぞれ第2のシェル4の第2のロック用凹部29b、29bから引き出される。ロック部20、20がそれぞれ第2のロック用凹部29b、29bから引き出されると、ロックスライダー18、18による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除される。
また、このときディスクホルダー60に設けられたロック解除片65a、65aがそれぞれ開閉パネル23の挿入孔24a、24aに挿入される(図22参照)。ロック解除片65a、65aがそれぞれ挿入孔24a、24aに挿入されると、ロック解除片65a、65aによってそれぞれロックレバー13、13のロック解除部16、16が後方へ押圧される。ロック解除片65a、65aによってそれぞれロック解除部16、16が後方へ押圧されると、ロックレバー13、13はそれぞれ付勢バネ17、17の付勢力に抗して回動され、ロック部15、15がそれぞれ第2のシェル4の第1のロック用凹部29a、29aから引き出される。ロック部15、15がそれぞれ第1のロック用凹部29a、29aから引き出されると、ロックレバー13、13による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除される。
上記したロックレバー13、13による第1のシェル3と第2のシェル4のロックの解除は、ロックスライダー18、18による第1のシェル3と第2のシェル4のロックの解除と同時に行われる。
ロックレバー13、13とロックスライダー18、18による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除されると、第1のシェル3と第2のシェル4が上下方向に分離可能な状態となる。
上記したように、ディスクホルダー60に設けられたロック解除片65a、65aがそれぞれ開閉パネル23の挿入孔24a、24aに挿入されるときには、同時に、ロック解除片65a、65aに支持された規制レバー71、71がそれぞれ挿入孔24a、24aに前方から挿入されていく。
規制レバー71が挿入孔24aに挿入されていくと、規制レバー71はバネ70によって内側の移動端に位置されているため、先ず、第2の傾斜縁73bが挿入孔24aの前側開口縁に摺接されてバネ70の付勢力に抗して外方へ移動されていく(図23参照)。
次いで、規制レバー71は規制部73の先端が挿入孔24aの開口縁に摺接され、規制部73が挿入孔24aの後側まで移動されたところでバネ70の付勢力によって内方へ移動され、第1の傾斜縁73aが挿入孔24aの後側開口縁に係合される(図24参照)。従って、ディスクカートリッジ1は規制レバー71、71によって後方(引出方向)への移動が規制されロックレバー13、13とロックスライダー18、18による第1のシェル3と第2のシェル4のロックが解除された状態が保持される。
このようにディスクチェンジャー40にあっては、第1のシェル3と第2のシェル4に対するロックが解除された状態においてディスクカートリッジ1の後方への移動を規制して保持する規制レバー71、71を設けているため、ロックが解除されたときのディスクホルダー60によるディスクカートリッジ1の保持状態を確保することができる。従って、ロックが解除された状態においてディスクカートリッジ1が引出方向へ移動され難く、意図せずロックされた状態に移行するようなことがなく、ディスクホルダー60によるディスクカートリッジ1の良好な保持状態を確保することができる。
また、ディスクホルダー60のロック解除片65a、65aと規制レバー71、71はそれぞれケース体2の挿入孔24a、24aに同時に挿入されるため、ケース体2のロックの解除とディスクカートリッジ1の規制レバー71、71による保持が同時に行われ、動作の信頼性の向上及び動作の迅速化を図ることができる。
さらに、ロック解除片65a、65aと規制レバー71、71はともに板状に形成され厚み方向に接した状態で配置されているため、その分、挿入孔24a、24aを小さくすることができ、ディスクカートリッジ1の小型化を図ることができると共に挿入孔24a、24aからの水分や塵埃の侵入を抑制することができる。
尚、ディスクカートリッジ1の規制レバー71、71による移動の規制が行われた状態において、ディスクカートリッジ1に引出方向への大きな外力(移動力)が付与されたとき、例えば、使用者によってディスクカートリッジ1がディスクホルダー60から引き出されようとしたときには、以下のように、ディスクカートリッジ1をディスクホルダー60から引き出すことが可能である。
ディスクカートリッジ1に引出方向への大きな力が付与されると、規制レバー71は規制部73の第1の傾斜縁73aが挿入孔24aの後側開口縁に摺接されてバネ70の付勢力に抗して外方へ移動されていく(図25参照)。
次いで、規制レバー71は規制部73の先端が挿入孔24aの開口縁に摺接され、規制部73が挿入孔24aの前側まで移動されたところでバネ70の付勢力によって内方へ移動され、規制部73のケース体2に対する係合が解除される。従って、ディスクカートリッジ1は規制レバー71、71による規制が解除され引出方向へ移動される。
このようにディスクチェンジャー40にあっては、規制レバー71、71によってディスクカートリッジ1の移動が規制された状態においてディスクカートリッジ1に引出方向への大きな移動力が付与されたときにディスクカートリッジ1の引出方向への移動を許容する第1の傾斜縁73a、73aが形成されている。
従って、ディスクカートリッジ1に引出方向への大きな移動力が付与されたときにディスクカートリッジ1やディスクチェンジャー40に大きな負荷が付与されず、ディスクカートリッジ1及びディスクチェンジャー40の破損を防止することができる。
上記したようにディスクカートリッジ1がディスクホルダー60の奥側まで挿入され規制レバー71、71による引出方向への移動が規制されたときには、ディスクカートリッジ1によって図示しないスイッチが操作され図示しない搬送機構によってディスクホルダー60とディスクカートリッジ1が一体になって前方へ移動されていく。
ディスクホルダー60は上ホルダー61の前側の摺動ピン64aがホルダーカバー47における支持孔49aの前端部まで移動され、下ホルダー62は摺動ピン75aがホルダーカバー47におけるカム支持孔51の水平部51aの前端部とスライダー58におけるカム孔59の直線部59aの前端部まで移動される(図26参照)。上ホルダー61の前側の摺動ピン64aが支持孔49aの前端部に係合され下ホルダー62の摺動ピン75aがカム孔59の直線部59aの前端部に係合された位置は、ディスクホルダー60の上ホルダー61と下ホルダー62の分離が開始される分離開始位置とされる。
ディスクホルダー60が分離開始位置まで移動されたときにはディスクカートリッジ1の全体が外筐41の内部に収納されており、パネル43のカートリッジ挿脱口が再びシャッター45によって閉塞される。
ディスクホルダー60が分離開始位置まで移動されたときには、ディスクホルダー60は上方の移動端に位置されている。このときホルダーカバー47の側板部49、49にそれぞれ配置された検出用素子56、56は、例えば、ディスクカートリッジ1の下面と同じ高さに位置されている(図27参照)。ディスクホルダー60が分離開始位置まで移動されると、検出用素子56、56によってディスクカートリッジ1の下面の位置が上下方向における初期位置として検出される。
尚、検出用素子56、56はディスクホルダー60が分離開始位置に移動された状態において、例えば、ディスクホルダー60の下面と同じ高さに位置されていてもよく、このとき検出用素子56、56によって下ホルダー62の下面の位置が上下方向における初期位置として検出されるようにしてもよい。
また、初期位置としてディスクカートリッジ1又はディスクホルダー60の任意の位置を選択して検出することが可能である。
ディスクホルダー60が分離開始位置まで移動されたときには、ディスクカートリッジ1に貼付された情報入力シート32に入力された情報が図示しない読取装置によって読み取られる。従って、読取装置によってケース体2の内部に収納されているディスク状記録媒体100、100、・・・間のピッチ及びディスク状記録媒体100、100、・・・の収納枚数に関する情報等が読み取られる。
ディスクホルダー60が分離開始位置まで移動されると、第2の駆動モーター86の回転が開始され、第2の駆動モーター86の駆動力がラックギヤを介してスライダー58、58に伝達されてスライダー58、58がホルダーカバー47に対して後方へ移動されていく。スライダー58は被支持孔58aがホルダーカバー47の支持突ピン49b、49bに案内されて後方へ移動される。
スライダー58が後方へ移動されると、ディスクホルダー60における下ホルダー62の摺動ピン75aがカム孔59の傾斜部59bを下方へ向けて移動されてホルダーカバー47におけるカム支持孔51の垂直部51bを下方へ向けて移動され、下ホルダー62が下方へ向けて移動されていく。このときディスクカートリッジ1は第1のシェル3が上ホルダー61のロック解除片65a、65aと解除片64b、64bに保持され、第2のシェル4が下ホルダー62の保持片75b、75b、・・・によって保持されており、第1のシェル3は下方へ移動されず第2のシェル4が下ホルダー62と一体になって下方へ移動されていく。従って、第1のシェル3と第2のシェル4が分離される。
スライダー58が後方へ移動されると、ケース体2に形成された最も下側の保持溝29c、29cに保持されたディスク状記録媒体100の下面と第2のシェル4の下面との差に相当する距離分のディスクホルダー60の移動(下降)が行われる(図28参照)。
引き続きスライダー58は第2の駆動モーター86の駆動力によって後方へ移動され、下ホルダー62は、例えば、下方の移動端まで移動される(図29参照)。下ホルダー62が下方の移動端まで移動された状態においては、下ホルダー62の摺動ピン75aがカム孔59の傾斜部59bの下端部及びカム支持孔51の垂直部51bの下端部に係合される。
スライダー58の移動によって下ホルダー62が移動されて停止されると、第1の駆動モーター81の回転が開始されて排出レバー78が回動される。
下ホルダー62の移動中には、排出レバー78は下ホルダー62に保持された第2のシェル4の後方に位置されている(図30参照)。
上記したように、排出レバー78が回動されると、下ホルダー62の停止位置に応じた高さに存在するディスク状記録媒体100の外周面が排出レバー78によって前方へ押圧され、押圧されたディスク状記録媒体100が第2のシェル4からドライブ部88側へ排出される(図31参照)。このときホルダーカバー47における突板部50と連結部材52に配置されたセンサー57、57によって排出されるディスク状記録媒体100の検出が行われる。
ディスクチェンジャー40においては、センサー57、57によって排出されるディスク状記録媒体100の検出が行われディスク状記録媒体100の存在が検出されなくなったときに、次の動作に移行するようにされている。
排出レバー78によってディスク状記録媒体100が第2のシェル4から排出されるときには、ディスク状記録媒体100が保持部材53、53間に挿入され、ディスク状記録媒体100が保持突部55、55の保持面55a、55aによって保持される(図31及び図32参照)。保持部材53、53間の距離は、上記したように、ディスク状記録媒体100の直径より僅かに小さくされているため、ディスク状記録媒体100が保持部材53、53間に挿入されたときには保持突部55、55が互いに離隔する方向へ弾性変形され、ディスク状記録媒体100は保持突部55、55に挟持された状態で保持される(図33参照)。
また、保持部材53、53の保持突部55、55に形成された保持面55a、55aはそれぞれ曲率がディスク状記録媒体100の曲率より小さくされているため、ディスク状記録媒体100は外周面に保持突部55、55のそれぞれ少なくとも2箇所が接触された状態で保持される(図34参照)。
ディスク状記録媒体100が保持部材53、53に保持されると、第1の駆動モーター81が反転されて排出レバー78が元の位置まで回動される。
ディスク状記録媒体100が保持部材53、53によって保持されると、図示しないディスク取出機構によって保持部材53、53によって保持されているディスク状記録媒体100が取り出されてドライブ部88に装着され、ディスク状記録媒体100に対する情報信号の記録又は再生が行われる。
このように排出レバー78によって第2のシェル4から排出されたディスク状記録媒体100は保持部材53、53によって一旦保持されるため、第2のシェル4から排出されたディスク状記録媒体100の排出位置が一定の位置となり、ディスク取出機構によるディスク状記録媒体100の取出動作の適正化を図ることができる。
また、ディスクチェンジャー40にあっては、排出レバー78のディスク状記録媒体100に対する押圧力が保持部材53、53のディスク状記録媒体100に対する保持力より小さくされている。
従って、ディスク状記録媒体100が排出レバー78によって第2のシェル4から排出されたときに、排出されたディスク状記録媒体100が保持部材53、53によって確実に保持され、ディスク取出機構によるディスク状記録媒体100の取出動作の一層の適正化を図ることができる。
尚、ディスクチェンジャーの種類によっては、ディスク状記録媒体100が水平方向を向く向きで第2のシェル4から排出されてドライブ部88に装着される場合もあるが、この場合には、排出されたディスク状記録媒体100が転動し易い状態にある。従って、上記したように、排出レバー78によって第2のシェル4から排出されたディスク状記録媒体100を保持する保持部材53、53を設けることにより、ディスク状記録媒体100の転動を防止してディスク取出機構によるディスク状記録媒体100の取出動作の適正化を図ることができる。
また、保持部材53、53は弾性変形された状態でディスク状記録媒体100を保持するため、ディスク状記録媒体100の保持を容易にかつ確実に行うことができる。
さらに、保持部材53、53にディスク状記録媒体100が保持されたときには、ディスク状記録媒体100の外周面がそれぞれ保持突部55、55の少なくとも2箇所ずつで接触するため、ディスク状記録媒体100の保持部材53、53による保持状態の安定化を図ることができる。
加えて、保持部材53、53の保持面55a、55aを円弧面状に形成し保持面55a、55aの曲率をディスク状記録媒体100の曲率より小さくしている。従って、ディスク状記録媒体100が保持部材53、53に点接触された状態で保持され、保持部材53、53によるディスク状記録媒体100の保持状態の安定化を図ることができると共にディスク状記録媒体100を保持したときの外周面の傷付きを防止することが可能である。
情報信号の記録又は再生が終了したディスク状記録媒体100は、外筐41のパネル43に配置されたイジェクト釦46が操作されることによりディスク取出機構によってドライブ部88から取り出されてイジェクト動作が開始される。ディスク取出機構によって取り出されたディスク状記録媒体100は第2のシェル4の所定の位置に存在する保持溝29c、29cに再び保持される。
ディスク状記録媒体100が第2のシェル4に保持されると、第2の駆動モーター86の反転が開始されてスライダー58、58がホルダーカバー47に対して前方へ移動されていく。
スライダー58が前方へ移動されると、下ホルダー62の摺動ピン75aがカム孔59の傾斜部59bを上方へ向けて移動されてホルダーカバー47におけるカム支持孔51の垂直部51bを上方へ向けて移動され、下ホルダー62が第2のシェル4と一体になって上方へ向けて移動されていく。
下ホルダー62は、例えば、上方の移動端まで移動され、第1のシェル3に第2のシェル4が結合される(図26参照)。下ホルダー62が上方の移動端まで移動された状態においては、下ホルダー62の摺動ピン75aがカム孔59の直線部59aの前端部及びホルダーカバー47におけるカム支持孔51の垂直部51bの上端部に係合される。
下ホルダー62が下方の移動端から上方の移動端まで移動されたときには、上ホルダー61は前方の移動端に位置されている。このとき押圧レバー66はホルダーカバー47の天板部48に設けられたカム突片48aの前方に離隔して位置され、作動レバー67はホルダーカバー47の天板部48に設けられた押圧ピン48bの前方に離隔して位置されている(図35及び図36参照)。
下ホルダー62が下方の移動端から上方の移動端まで移動され第2のシェル4が第1のシェル3に結合されると、搬送機構によってディスクホルダー60がディスクカートリッジ1と一体になって後方へ移動されていく。
ディスクホルダー60がディスクカートリッジ1と一体になって後方へ移動されていくと、作動レバー67の作用面部67bにホルダーカバー47の押圧ピン48bが摺接され、作動レバー67がバネ70の付勢力に抗して内方へ移動される(図37及び図38参照)。作動レバー67が内方へ移動されると、作動レバー67の作用突部67cによって規制解除レバー69の上端部が押圧され、規制解除レバー69が回動されて規制レバー71が外方へ移動される。従って、規制レバー71の規制部73の挿入孔24aの開口縁に対する係合が解除され、規制レバー71によるディスクカートリッジ1の後方(引出方向)への移動の規制が解除される(図39参照)。
引き続きディスクホルダー60がディスクカートリッジ1と一体になって後方へ移動されていくと、押圧レバー66の摺動突部66bにホルダーカバー47のカム突片48aが摺接され、押圧レバー66が回動されて押圧軸部66cが略後方へ移動される(図40及び図41参照)。押圧レバー66の回動により押圧軸部66cが略後方へ移動されると、押圧軸部66cによってケース体2のパネル部24が前方から押圧され、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60に対して後方へ移動される。
ディスクカートリッジ1のディスクホルダー60に対する後方への移動は、上記したように、規制レバー71、71による規制が解除されているため、円滑に行われる。
ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60に対して後方へ移動されると、上ホルダー61に設けられたロック解除片65a、65aがそれぞれ開閉パネル23の挿入孔24a、24aから引き出される。ロック解除片65a、65aがそれぞれ挿入孔24a、24aから引き出されると、ロックレバー13、13が付勢バネ17、17の付勢力によって回動され、ロック部15、15がそれぞれ第2のシェル4の第1のロック用凹部29a、29aに挿入されて係合され第1のシェル3と第2のシェル4が結合状態でロックされる。
同時に、ディスクカートリッジ1のディスクホルダー60に対する後方への移動により、上ホルダー61に設けられた解除片64b、64bによるロックスライダー18、18に対する押圧が解除される。解除片64b、64bによるロックスライダー18、18に対する押圧が解除されると、ロックスライダー18、18がコイルバネ22、22の付勢力によって前方へ移動され、ロック部20、20がそれぞれ第2のシェル4の第2のロック用凹部29b、29bに挿入されて係合され第1のシェル3と第2のシェル4が結合状態でロックされる。
上記したように、ディスクチェンジャー40にあっては、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60から引き出されるときに規制レバー71、71によるディスクカートリッジ1に対する規制を解除する規制解除レバー69、69を設けている。従って、ディスクカートリッジ1のディスクホルダー60からの引出を円滑かつ確実に行うことができる。
また、ディスクチェンジャー40にあっては、規制レバー71、71によるディスクカートリッジ1に対する規制が規制解除レバー69、69によって解除されたときにディスクカートリッジ1を引出方向へ押圧する押圧レバー66、66が設けられている。
従って、規制レバー71、71に干渉されることなくディスクカートリッジ1をディスクホルダー60から引き出すことができ、ディスクカートリッジ1のディスクホルダー60からの引出を円滑かつ確実に行うことができる。
ディスクホルダー60は搬送機構によって後方の移動端まで移動され(図21参照)、ディスクカートリッジ1の後端部がパネル43のカートリッジ挿脱口から後方へ突出される。
ディスクホルダー60が後方の移動端まで移動された状態においては、作動レバー67の作用面部67bとホルダーカバー47の押圧ピン48bとの係合が解除されており、作動レバー67、規制解除レバー69及び規制レバー71が初期状態に戻る。従って、規制解除レバー69はバネ70の付勢力によって垂直状態に位置され、規制レバー71は内側の移動端に保持され、作動レバー67は引張コイルバネ68の付勢力によって外側の移動端に位置される(図19参照)。
また、ディスクホルダー60が後方の移動端まで移動された状態においては、押圧レバー66の摺動突部66bとホルダーカバー47のカム突片48aとの係合が解除されており、押圧レバー66も初期状態に戻る。従って、押圧レバー66は、バネ部材の付勢力によって押圧軸部66cが後方側の移動端に位置する状態とされる(図19参照)。
使用者は、パネル43のカートリッジ挿脱口から後方へ突出されたディスクカートリッジ1の後端部を把持してディスクカートリッジ1をディスクチェンジャー40から引き出すことが可能である。
尚、ディスクカートリッジ1のディスクチェンジャー40からの引出は、図示しないディスク把持機構によってケース体2に形成された把持部6a、6aを把持して引き出すことにより行ってもよい。また、ディスク把持機構によって把持部6a、6aを把持してディスクカートリッジ1をディスクチェンジャー40に挿入することも可能である。
ディスクチェンジャー40においては、上記したように、ディスクカートリッジ1の情報入力シート32に入力された情報が読取装置によって読み取られるが、この読み取られた情報に基づいて上記した下ホルダー62の上下方向における移動が行われる。
以下に、情報入力シート32に入力された情報に基づく下ホルダー62の上下方向における移動機構による移動動作について説明する(図42参照)。
ディスクチェンジャー40の図示しないメモリーには、ディスクカートリッジ1に対するディスク状記録媒体100、100、・・・の収納枚数とディスク状記録媒体100、100、・・・のピッチとの関係について複数のパターンが記憶されており、この記憶されたパターンによりディスクホルダー60を上下に移動させる距離が算出されてディスクホルダー60の停止位置が定められる。
(S1)ディスクチェンジャー40にディスクカートリッジ1が挿入されると、上記したように、ディスクカートリッジ1に貼付された情報入力シート32に入力された情報が読取装置によって読み取られる。従って、読取装置によってケース体2の内部に収納されているディスク状記録媒体100、100、・・・間のピッチ及びディスク状記録媒体100、100、・・・の収納枚数に関する情報等が読み取られる。
(S2)読取装置によって情報の読取が行われたか否かが検出される。情報の読取が行われなかったことが検出された場合、例えば、情報入力シート32に情報が記録されていなかった場合等には(S3)に移行し、情報の読取が行われたことが検出された場合には(S4)に移行する。
(S3)ディスクカートリッジ1のイジェクト動作が開始されディスクカートリッジ1がディスクチェンジャー40から排出され、動作が終了する。
(S4)ディスクカートリッジ1が分離開始位置まで移動されたときに、上記したように、検出用素子56、56によってディスクカートリッジ1の下面の位置が検出され、初期位置に関する位置検出が行われる。初期位置はディスクホルダー60を上下方向へ移動させディスクホルダー60の停止位置を定めるときの基準位置とされる。
(S5)エンコーダーが初期化される。
(S6)ケース体2に形成された最も下側の保持溝29c、29cに保持されたディスク状記録媒体100の下面と第2のシェル4の下面との差に相当する距離分のディスクホルダー60の移動(下降)が行われる。この移動位置が最も下方に位置するディスク状記録媒体100の位置(1枚目のディスク停止位置)とされる。
(S7)ディスク取出機構によって取り出されるディスク状記録媒体100の選択が行われたか否かが検出される。ディスク状記録媒体100の選択が行われなかったことが検出された場合には、動作が終了する。ディスク状記録媒体100の選択が行われたことが検出された場合には、(S8)に移行する。
(S8)選択されたディスク状記録媒体100のディスク停止位置のカウント数から1を減じた数にピッチを乗じた距離分のディスクホルダー60の移動が行われ、選択されたディスク状記録媒体100がディスク取出機構によって取り出される所定の取出位置に移動される。この移動量は情報入力シート32に入力された情報に基づいて算出される。
(S9)ディスク取出機構によって取り出されるディスク状記録媒体100の選択が行われたか否かが検出される。ディスク状記録媒体100の選択が行われなかったことが検出された場合には、動作が終了する。ディスク状記録媒体100の選択が行われたことが検出された場合には、(S10)に移行する。
(S10)選択されたディスク状記録媒体100のディスク停止位置のカウント数からディスクホルダー60の現在のディスク停止位置のカウント数を減じた数にピッチを乗じた距離分のディスクホルダー60の移動が行われ、選択されたディスク状記録媒体100がディスク取出機構によって取り出される所定の取出位置に移動される。この移動量は情報入力シート32に入力された情報に基づいて算出される。
上記したように、ディスクチェンジャー40にあっては、情報入力シート32に入力された情報に基づいてディスクホルダー60の上下方向における停止位置を定めている。
従って、ディスク状記録媒体100、100、・・・の厚みや収納枚数の相違に応じてディスク状記録媒体100、100、・・・を適正な停止位置に移動させることができ、ディスク状記録媒体100、100、・・・の種類やディスクカートリッジ1の種類に応じた移動動作を可能として汎用性の向上を図ることができる。
また、ディスクカートリッジ1又はディスクホルダー60の移動方向における所定の位置をディスクホルダー60の移動方向における初期位置として定めているため、初期位置の検出が容易であると共に初期位置を正確に検出することができる。
さらに、ディスクカートリッジ1又はディスクホルダー60の上面又は下面を初期位置として定めることにより、初期位置の検出が一層容易になると共にディスクホルダー60の停止位置を正確に算出することができる。
さらにまた、上記したように、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60に挿入されて保持されたときに情報入力シート32に入力された情報の読取を行うことにより、最適な位置及び最適な時点において情報の読取を行うことができる。
加えて、ディスクカートリッジ1のケース体2に貼付された情報入力シート32を情報入力手段として用いることにより、簡単な手段によって製造コストの高騰を来たすことなく情報の読取を行うことができる。
[その他]
上記には、情報入力シート32に入力される情報として、ケース体2の内部に収納されるディスク状記録媒体100、100、・・・間のピッチ及びディスク状記録媒体100、100、・・・の収納枚数に関する情報を例として示した。しかしながら、情報入力シート32にはディスクカートリッジ1に収納されるディスク状記録媒体100、100、・・・の種類を入力することが可能である。
ディスク状記録媒体100の種類についての情報としては、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray Disc)等のフォーマットの相違による種類、再生専用、記録再生可能等の機能の相違による種類、片面記録か両面記録かの記録容量等の相違による種類、厚みの相違による種類等がある。
上記のようなディスク状記録媒体100の種類に関する情報が情報入力シート32に入力されている場合において、こられの種類の相違する複数のディスク状記録媒体100、100、・・・をディスクカートリッジ1に収納し、収納されるディスク状記録媒体100の種類に応じて異なる種類のドライブ部88、88を配置することが可能である(図43参照)。
このようなディスクチェンジャー40Aにおいては、ディスクホルダー60が上下及び前後に移動される部分をホルダー移動部89としたときに、ドライブ部88、88がホルダー移動部89の前側に上下に並んで配置される。
例えば、ディスクカートリッジ1にディスク状記録媒体100、100、・・・としてDVDとBDが混在して収納され、一方のドライブ部88がDVDに対して記録又は再生を行うものであり、他方のドライブ部88がBDに対して記録又は再生を行うものとされている。
ディスクチェンジャー40Aにおいて、ディスクカートリッジ1がディスクホルダー60に保持されディスクホルダー60が分離開始位置まで移動されたときに、情報入力シート32に入力された情報が図示しない読取装置によって読み取られる。従って、読取装置によってケース体2の何れの保持溝29c、29c、・・・に何れの種類のディスク状記録媒体100、100、・・・が収納されているかが読み取られる。
このとき使用者の操作によってディスクカートリッジ1に収納されている特定のディスク状記録媒体100についての記録指令又は再生指令が行われると、当該ディスク状記録媒体100がディスクカートリッジ1から引き出され、引き出されたディスク状記録媒体100の種類に対応したドライブ部88に当該ディスク状記録媒体100が装着されて記録又は再生動作が行われる。
上記のように、上下方向に並ぶドライブ部88、88を配置し、情報入力シート32に入力された情報に基づいてディスク状記録媒体100がその種類に対応する種類のドライブ部88に装着されるように構成することにより、ディスクチェンジャー40Aにおいて複数の種類のディスク状記録媒体100、100、・・・に対して記録や再生を行うことができる。
従って、ディスクチェンジャー40Aの用途が広がり、使い勝手の向上を図ることができる。
尚、上記には、ディスクカートリッジ1に2種類のディスク状記録媒体100、100、・・・が収納された例を示したが、ディスクカートリッジ1に収納されるディスク状記録媒体100、100、・・・の種類は2種類に限られることはなく、3種類以上であってもよい。この場合には、種類の数に応じた数のドライブ部88、88、・・・を配置することが必要である。
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。