JP2012007674A - ディスクブレーキ - Google Patents
ディスクブレーキ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012007674A JP2012007674A JP2010144262A JP2010144262A JP2012007674A JP 2012007674 A JP2012007674 A JP 2012007674A JP 2010144262 A JP2010144262 A JP 2010144262A JP 2010144262 A JP2010144262 A JP 2010144262A JP 2012007674 A JP2012007674 A JP 2012007674A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- linear motion
- rotation
- piston
- disc brake
- ball
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D65/00—Parts or details
- F16D65/14—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position
- F16D65/16—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake
- F16D65/18—Actuating mechanisms for brakes; Means for initiating operation at a predetermined position arranged in or on the brake adapted for drawing members together, e.g. for disc brakes
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2121/00—Type of actuator operation force
- F16D2121/02—Fluid pressure
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2121/00—Type of actuator operation force
- F16D2121/18—Electric or magnetic
- F16D2121/24—Electric or magnetic using motors
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2123/00—Multiple operation forces
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/02—Fluid-pressure mechanisms
- F16D2125/023—Pumps
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/18—Mechanical mechanisms
- F16D2125/20—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa
- F16D2125/34—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa acting in the direction of the axis of rotation
- F16D2125/36—Helical cams, Ball-rotating ramps
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/18—Mechanical mechanisms
- F16D2125/20—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa
- F16D2125/34—Mechanical mechanisms converting rotation to linear movement or vice versa acting in the direction of the axis of rotation
- F16D2125/40—Screw-and-nut
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/18—Mechanical mechanisms
- F16D2125/44—Mechanical mechanisms transmitting rotation
- F16D2125/46—Rotating members in mutual engagement
- F16D2125/48—Rotating members in mutual engagement with parallel stationary axes, e.g. spur gears
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2125/00—Components of actuators
- F16D2125/18—Mechanical mechanisms
- F16D2125/44—Mechanical mechanisms transmitting rotation
- F16D2125/46—Rotating members in mutual engagement
- F16D2125/50—Rotating members in mutual engagement with parallel non-stationary axes, e.g. planetary gearing
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D2127/00—Auxiliary mechanisms
- F16D2127/007—Auxiliary mechanisms for non-linear operation
Abstract
【課題】良好な作動効率を確保することができるディスクブレーキを提供する。
【解決手段】本ディスクブレーキ1aに備えたピストン保持機構34は、モータ38による回転を増力する遊星歯車減速機構34と、該遊星歯車減速機構34の回転を直動に変換してピストン12を並列に推進するねじ機構52とボールアンドランプ機構28とを有し、遊星歯車減速機構34は、ねじ機構52またはボールアンドランプ機構28にモータ38からの入力を増力した回転出力を伝達し、ねじ機構52またはボールアンドランプ機構28に該回転出力の反力を伝達し、ねじ機構52がモータ38からの回転力の付与が停止されたときに停止状態を維持する。これにより、良好な作動効率を確保することができる。
【選択図】図1
【解決手段】本ディスクブレーキ1aに備えたピストン保持機構34は、モータ38による回転を増力する遊星歯車減速機構34と、該遊星歯車減速機構34の回転を直動に変換してピストン12を並列に推進するねじ機構52とボールアンドランプ機構28とを有し、遊星歯車減速機構34は、ねじ機構52またはボールアンドランプ機構28にモータ38からの入力を増力した回転出力を伝達し、ねじ機構52またはボールアンドランプ機構28に該回転出力の反力を伝達し、ねじ機構52がモータ38からの回転力の付与が停止されたときに停止状態を維持する。これにより、良好な作動効率を確保することができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、車両の制動に用いられるディスクブレーキに関するものである。
ディスクブレーキでは、駐車ブレーキ機能を達成するためのブレーキ力の自己保持をウォーム減速機に持たせるように構成される場合がある(特許文献1参照)。
特許文献1のディスクブレーキでは、ピストンの推力保持のためにはウォーム減速機の機械効率をなるべく低く(換言すれば、機械損失を大きく)設定する必要がある。しかしながら、ウォーム減速機の機械効率を低く設定すると、駐車ブレーキ機能を達成するための機構の作動効率が下がってしまい、下がった作動効率を補ってピストンに所望の推力を発生させるためにモータを大型化しなければならない、という問題が発生する。
本発明は、良好な作動効率を確保することができるディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうち一方をディスクに押し付ける一つのピストンと、該ピストンが移動可能に納められるシリンダを有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられる電動モータと、前記キャリパ本体に設けられ、前記ピストンを制動位置に保持させるピストン保持機構と、を備えたディスクブレーキにおいて、前記ピストン保持機構は、前記電動モータによる回転を増力する減速機構と、該減速機構の回転を直動に変換して前記一つのピストンを並列に推進する第1と第2の回転直動変換機構と、を有し、前記減速機構は、前記第1の回転直動変換機構に前記電動モータの入力を増力した回転出力を伝達し、前記第2の回転直動変換機構に該回転出力の反力を伝達し、前記第1と第2の回転直動変換機構のうち少なくとも一方は、伝達力の付与が停止されたときに停止状態を維持することを特徴とする。
本発明のディスクブレーキによれば、良好な作動効率を確保することができる。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。まず、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aを図1〜図4に基いて説明する。図1に第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aを示す。ディスクブレーキ1aには、車両の回転部に取り付けられたディスクロータ150を挟んで両側に配置された一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4が設けられている。本ディスクブレーキ1aは、キャリパ浮動型として構成されている。上記一対のインナブレーキパッド2、アウタブレーキパッド3、及びキャリパ4は、車両のナックル等の非回転部に固定されたキャリア5にディスクロータ150の軸方向へ移動可能に支持されている。
キャリパ4の主体であるキャリパ本体6は、車両内側のブレーキパッドであるインナブレーキパッド2に対向する基端側に配置されるシリンダ部7と、車両外側のブレーキパッドであるアウタブレーキパッド3に対向する先端側に配置される爪部8とを有している。シリンダ部7には、インナブレーキパッド2側を開口部7aとなし、他端が底壁9により閉じられた有底のシリンダ10が形成されている。このシリンダ10内には、ピストンシール11を介して接触状態で軸方向に移動可能にピストン12が内装されている。
ピストン12は、カップ形状を呈し、その底部12Aがインナブレーキパッド2に対向するようにシリンダ10内に収められている。このピストン12とシリンダ10の底壁9との間は液圧室13として画成されている。この液圧室13には、シリンダ部7に設けた図示しないポートを通じて、マスタシリンダなどの図示しない液圧源から液圧が供給されるようになっている。ピストン12は、その底面に設けた凹部14にインナブレーキパッド2の背面に設けた凸部15を係合させることにより回り止めされている。また、ピストン12の底部とシリンダ10との間にはシリンダ10内への異物の進入を防ぐダストブーツ16が介装されている。
キャリパ本体6のシリンダ10の底壁9側には気密的にハウジング35が取り付けられる。該ハウジング35の一端開口には気密的にカバー39が取り付けられる。なお、ハウジング35とシリンダ10とはシール51によって気密性が保持されている。また、ハウジング35とカバー39とはシール40によって気密性が保持されている。キャリパ本体6のハウジング35には、電動モータの一例であるモータ38がシール50を介して密閉的に取り付けられている。なお、本実施形態では、モータ38をハウジング35の外側に配置したが、モータ38を覆うようにハウジング35を形成し、ハウジング35内にモータ38を収容してもよい。この場合、シール50は不要となる。
また、キャリパ本体6には、ピストン12を制動位置に保持させるピストン保持機構34が備えられる。該ピストン保持機構34は、モータ38による回転を増力する減速機構としての平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36と、該平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36からの回転運動を直線方向の運動(以下、便宜上直動という。)に変換して推力としてピストン12に付与してピストン12を移動させる、一方の回転直動変換機構としてのねじ機構52及び他方の回転直動変換機構としてのボールアンドランプ機構28とを有している。上記平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36は、ハウジング35内に収納され、上記ねじ機構52及びボールアンドランプ機構28は、キャリパ本体6のシリンダ10内に収納されている。
[減速機構] 平歯多段減速機構37は、ピニオンギヤ42と、第1減速歯車43と、第2減速歯車44とを有している。ピニオンギヤ42は、筒状に形成され、モータ38のシャフト41に圧入固定される穴部42Aと、外周に形成される歯車42Bとを有している。第1減速歯車43は、ピニオンギヤ42の歯車42Bに噛合する大径の大歯車43Aと、大歯車43Aから軸方向に延出して形成される小径の小歯車43Bとが一体形成されている。この第1減速歯車43は、一端がハウジング35に支持されると共に他端がカバー39に支持されたシャフト62により回転可能に支持される。第2減速歯車44は、第1減速歯車43の小歯車43Bに噛合する大径の大歯車44Aと、大歯車44Aから軸方向に延出して形成される小径のサンギヤ44Bとが一体形成されている。サンギヤ44Bは後述する遊星歯車減速機構36の一部を構成している。この第2減速歯車44は、カバー39に支持されたシャフト63により回転可能に支持される。
[減速機構(遊星歯車減速機構)]遊星歯車減速機構36は、上記のサンギヤ44Bと、複数個(本実施の形態では3個)のプラネタリギヤ45と、インターナルギヤ46と、キャリア48とを有する。プラネタリギヤ45は、第2減速歯車44に形成されたモータ38の回転の入力部としてのサンギヤ44Bに噛合される歯車45Aと、キャリア48に立設されるピン47を挿通する穴部45Bとを有している。3個のプラネタリギヤ45は、キャリア48の円周上に等間隔に配置される。
キャリア48は、円盤状に形成され、その中心にスプライン溝を有する穴部48Aが形成されている。穴部48Aは、ねじ機構52のスピンドル55の後端側(図1中右端)とスプライン係合することで、キャリア48とスピンドル55とで互いに回転トルクを伝達できるようになっている。キャリア48の外周側には、上記各プラネタリギヤ45をそれぞれ回転可能に支持する複数のピン47を圧入固定するためのピン孔部48Bが形成されている。キャリア48は、穴部48Aを挿通したスピンドル55の後端に固着されるクリップ64によってスピンドル55に対する軸方向への移動が規制されるようになっている。また、各ピン47は、一端側がキャリア48のピン孔部48Bにそれぞれ圧入固定されており、各ピン47には他端側に固着されるクリップ66によって、各ピン47がそれぞれ挿通されるワッシャ65とともに各プラネタリギヤ45の軸方向への各ピン47に対する移動が規制される。キャリア48は、本実施形態において第1または第2出力部として構成されている。
インターナルギヤ46は、各プラネタリギヤ45の歯車45Aがそれぞれ噛合する内歯46Aと、この内歯46Aから軸方向に延出する大径筒部46Bと、この大径筒部46Bの内歯45Aと反対側の端部に形成される環状部46Cと、この環状部46Cの中心部から軸方向に延出する小径筒部46Dと、この小径筒部46Dの内周面にスプライン溝が形成された穴部46Eとを有している。インターナルギヤ46は、小径筒部46Dの外周面46Fでハウジング35の開口35Aに回転可能に支持されている。インターナルギヤ46は、環状部46Cの小径筒部46D付近に環状の当接部46Gが形成されており、ハウジング35の開口35A周辺で当接可能になっている。インターナルギヤ46は、キャリア48に設けられたワッシャ65と上記当接部46Gが当接するハウジング35とによってハウジング35に対する軸方向への移動が規制される。また、インターナルギヤ46の穴部46Eは、上記ボールアンドランプ機構28のインプットシャフト31にスプライン係合しており、互いに回転トルクを伝達できるようになっている。インターナルギヤ46は、上記キャリア48とともに本実施形態において第1または第2出力部として構成されている。
[回転直動変換機構(ねじ機構)] 一方の回転直動変換機構としてのねじ機構52は、ナット53、フランジ54及びスピンドル55を備えている。スピンドル55は、後端側(図1中右端側)にスプライン溝を有する嵌合部55Aが形成され、上述したように嵌合部55Aはキャリア48の穴部48Aとスプライン係合することで、キャリア48とスピンドル55とで互いに回転トルクを伝達できるようになっている。スピンドル55の先端側(図1中左端側)には、ねじ溝が形成されたおねじ部55Bが形成されており、このおねじ部55Bには、直動部材としてのナット53が螺合している。スピンドル55の軸方向略中央で、おねじ部55Bの基端には、径方向に突出する鍔部55Cが形成されている。鍔部55Cは、スラストベアリング56及びスラストワッシャ57を介して後述するボールアンドランプ機構28のインプットシャフト31に軸方向に支持されている。これらの支持により、スピンドル55がインプットシャフト31を介して回転可能にキャリパ4に支持されることになる。上記嵌合部55Aと鍔部55Cとの間には、前記キャリパ4の底壁9に形成された穴部9Aに挿通される挿通部55Dが設けられている。
ナット53は、全体が筒状に形成され、一端側の内周面に形成され上記スピンドル55のおねじ部55Bに螺合するめねじ部53Aと、このめねじ部53Aの外周側に形成され後述するボールアンドランプ機構28のプッシュロッド19に螺合するおねじ部53Bとを有している。ここで、スピンドル55のおねじ部55Bとナット53のめねじ部53Aとのねじ溝のリードは、ピストン12が制動位置にあるときの推力、すなわち軸力が作用している際には、お互いに相対回転不能、言い換えれば、ナット53に加わった軸力によってスピンドル55が回動しない、すなわち、逆作動しないリードに設定されている。このようなおねじ部55Bとめねじ部53Aとを有していることによりねじ機構52の機械効率は低く(例えば、機械効率ηが10〜15程度と)なっている。これらおねじ部55Bとめねじ部53Aとにより、ねじ機構52はピストン保持機構34の作動時にピストン12を制動位置に保持することが可能となっている。
フランジ54は、略円錐筒状に形成されており、先端側内周面に上記ナット53の他端が固着されるようになっている。フランジ54の外周端には、複数の凸部54Aが形成されている。この複数の凸部54Aは、ピストン12の円筒部Bの内周面に軸方向に延びて周方向に複数形成された溝部12Cに係合するようになっている。この凸部54Aがピストン12の溝部12Cに係合することによって、ピストン12に対してナット53及びフランジ54は軸方向には移動可能であるが、回転方向への移動は規制されるようになっている。フランジ54の外周面には、傾斜面54Bが形成されている。この傾斜面54Bは、ピストン12の底部12Aの内側に形成された傾斜面12Dと当接可能になっている。フランジ54の傾斜面54Bがピストン12の傾斜面12Dに当接することで、モータ38による回転力が、ねじ機構52であるスピンドル55、ナット53及びフランジ54を介して伝達され、ピストン12を制動位置まで推進するとともに、制動位置に保持することができる。なお、フランジ54の傾斜面54B、若しくは、ピストン12の傾斜面12Dには、図示せぬ軸方向溝が複数形成されており、この軸方向溝によりピストン12の底部12Aとフランジ54とで形成される空間がピストン12の筒状部12Bの内部と連通することになり、ブレーキ液の流通が可能となって、前記空間のエア抜き性が確保されるようになっている。
本実施形態においては、ねじ機構52により、一方の回転直動変換機構、特に伝達力の付与が停止されたときに停止状態を維持する回転直動変換機構が構成されている。また、本実施形態においては、ナット53及びフランジ54によりねじ機構の直動部材が構成されるようになっている。
[回転直動変換機構(ボールアンドランプ機構)] 他方の回転直動変換機構としてのボールアンドランプ機構28は、インプットシャフト31と、回転プレート29と、直動プレート30と、複数のボール32と、スプリング27と、プッシュロッド19とを備えており、これらがリテーナ26により組立体として構成されている。
インプットシャフト31は、上述したインターナルギヤ46の穴部46Eとスプライン係合するスプライン溝部31Aを一端部に有する筒状部31Bと、この筒状部31Bの他端側に形成され上記スピンドル55の鍔部55Cをスラストベアリング56及びスラストワッシャ57を介して支承する環状の環状部31Cと、この環状部31Cの外周側に軸方向に延びて形成され上記回転プレート29に係合する複数の爪部31Dとが設けられている。上記筒状部31Bは、前記キャリパ4の底壁9に形成された穴部9Aに挿通されるとともに、その内周側にスピンドル55の挿通部55Dが挿通されるようになっている。なお、スピンドル55の挿通部55Dとインプットシャフト31の筒状部31Bの内周面との間には、シール58が設けられており、また、シリンダ10の底壁9の穴部9Aとインプットシャフト31の筒状部31Bの外周面との間には、シール61が設けられている。これらにシール58およびシール61によって、液圧室13の液密性が保持されている。上記環状部31Cは、スラストベアリング59及びスラストプレート60を介してシリンダ10の底壁9に軸方向に支持されるようになっており、これにより、インプットシャフト31が回転可能にキャリパ4に支持されることになる。
回転プレート29は、略円環状に形成され、一面側に上記インプットシャフト31の複数の爪部31Dが嵌合する複数の溝部29Aと、直動プレート30との対向面となる他面側に、周方向に沿って所定の傾斜角を有して円弧状に延びるとともに径方向において円弧状断面を有する複数のボール溝29Bと、その中心部に前記スピンドル55のおねじ部55Bの基端側が挿通する穴部29Cとを有している。上記複数の溝部29Aとインプットシャフト31の爪部31Dとは、爪部31Dの先端と溝部29Aの底部とが当接可能になっており、かつ、インプットシャフト31の回転力が回転プレート29に伝達されるように嵌合されている。この場合、回転方向に若干のガタを設けて嵌合させても良いし、または、溝部29Aに爪部31Dが圧入されるようにしても良い。本実施形態においては、この回転プレート29がボールアンドランプ機構の回転部材として構成されている。
直動プレート30は、略円環状に形成され、回転プレート29との対向面となる一面側に形成され周方向に沿って所定の傾斜角を有して円弧状に延びるとともに径方向において円弧状断面を有する複数のボール溝30Aと、外周側に形成され前記リテーナ26に軸方向に沿って穿設される切欠部26Gに嵌合する複数の凸部30Dと、その中心部に形成され前記スピンドル55のおねじ部55Bの基端側が挿通する穴部30Cと、他面側に形成されプッシュロッド19に摩擦係合する傾斜面30Bとを有している。本実施形態においては、この直動プレート30がボールアンドランプ機構の直動部材として構成されている。
ボール32は、転動部材としての鋼球からなり、上記回転プレート29の複数のボール溝29Bと直動プレート30の複数のボール溝30Aとの間にそれぞれ介装されている。そして、回転プレート29が回転されると、ボール溝29Bと30Aの間をボール32が転動することにより、リテーナ26に凸部30Dが嵌合して回り止めされているため、直動プレート30が軸方向に移動する。なお、ボール溝29B、30Aは、周方向に沿った傾斜の途中に窪みを付けたり、傾斜を途中で変化させて構成するようにしても良い。
リテーナ26は、全体が略筒形状で構成され、シリンダ10の底壁9側に位置する大径部26Aと、この大径部26Aからシリンダ10の開口7a方向に向けて縮径する縮径部26Bと、この縮径部26Bからシリンダ10の開口7a方向に向けて延出する小径部26Cとから形成されている。大径部26Aの一端部(図1中右側)には、スラストプレート60側に部分的に折り込まれてスラストプレート60を係止する複数の係止部26Dが形成されている。また、図2に示すように、大径部26Aの周面には、部分的に外周側に突出する凸部26Eが複数形成されている。この凸部26Eは、シリンダ10の底壁9側で軸方向に沿って形成される軸溝10Aに嵌合するようになっている。このように、リテーナ26の凸部26Eがシリンダ10の軸溝10Aに嵌合することで、リテーナ26、ひいては、ボールアンドランプ機構28全体が、キャリパ4に対して回り止めされることになる。縮径部26Bには、周方向に沿って部分的に外周側に突設される複数の突起部26Fが形成されており、この突起部26Fがシリンダ10内に固着されるC字リング10Bに当接することで、リテーナ26ひいては、ボールアンドランプ機構28全体の軸方向への移動が規制されて、キャリパ4に支持されるようになっている。
リテーナ26の縮径部26Bから小径部26Cの途中までには、上述した直動プレート30の凸部30Dが嵌合する切欠部26Gが軸方向に沿って複数形成されている。この切欠部にはワッシャ17が係合しており、このワッシャ17と直動プレート30との間には付勢手段としてのスプリング27が配置されるようになっている。このスプリング27が、直動プレート30を回転プレート29側に付勢することにより、ボール32を回転プレート29のボール溝29Aと直動プレート30のボール溝30Aとの間で保持することが可能となっている。小径部26Cの先端側は内径方向に折り込まれており、後述のスプリング24のばね受けとして機能するばね受け部26Hとなっている。
[回転直動変換機構(ボールアンドランプ機構の調整機構)]ボールアンドランプ機構28の直動プレート30とねじ機構52のフランジ54との間には、調整機構としてのプッシュロッド19が設けられている。プッシュロッド19は、全体が略筒状に形成されており、内周面にナット53の外周面のおねじ部53Bに螺合されるめねじ部19Aと、外周面の軸方向中央部に外径側に突出して形成される環状のフランジ部19Bと、軸方向の一端側(図1中右端)に形成され、上述の直動プレート30の傾斜面30Bと摩擦係合可能となっている摩擦面19Cと、軸方向の他端側(図1中左端)に形成され、上述のねじ機構52のフランジ54の内周面に当接可能な当接面19Dとを有している。上記めねじ部19Aは、多条ねじで構成されている。また、上記フランジ部19Bは、ベアリング23A、23Bを介すことでリテーナ26に対して回転可能に支持され、かつスプリング24によって直動プレート30側(図1中右側)へ付勢される。これらの構成により、ナット53が直動したときにナット53のおねじ部53Bとの噛合いによって、プッシュロッド19が回転することになるが、プッシュロッド19の軸方向位置は直動プレート30が当接するまで変わらないようになっている。
このように構成されたボールアンドランプ機構28においては、ピストン保持機構34の作動時にピストン12を制動位置に保持する必要がないため、ねじ機構52の機械効率よりも高い機械効率(例えば、機械効率ηが80〜90程度)が設定されている。したがって、本実施形態のように、機械効率が低いねじ機構52と機械効率の高いボールアンドランプ機構28とを組み合わせたピストン保持機構34の全体の機械効率が比較的高い(例えば、機械効率ηが20〜30程度)ものとなり、ディスクブレーキのピストン保持機構34の良好な作動効率を確保することができる。また、上記ボールアンドランプ機構28においては、機械効率が高いことから逆作動性がよくなっており、モータ38の駆動を停止したときに、スプリング27の付勢力により直動プレート30が初期位置(回転プレート29に近い位置)に戻るようになっている。なお、本実施形態においては、ボールアンドランプ機構28により、他方の回転直動変換機構が構成されている。
上述のように、本実施形態においては、リテーナ26によりねじ機構52とボールアンドランプ機構28とが組立体として構成されているので、この組立体をシリンダ10内に挿入して、Cリング10Bを固着させるだけで、シリンダ10内での部品の組立工数を削減できるため、ディスクブレーキ1aの製造効率が向上する。
次に、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aの作用を説明する。まず、ブレーキペダルの操作による通常の液圧ブレーキとしてのディスクブレーキ1aの制動時における作用を説明する。運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキペダルの踏力に応じた液圧がマスタシリンダ(図示しない)から液圧回路を経てキャリパ4内の液圧室13に供給される。これにより、ピストン12がピストンシール11を撓ませながら前進(図1の左方向に移動)してインナブレーキパッド2がディスクロータ150に押し付けられ、その反力によりキャリパ4がキャリア5に対して図1における右方向に移動して、爪部8に取り付けられたアウタブレーキパッド3がディスクロータ150に押し付けられる。この結果、ディスクロータ150が一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3により挟みつけられて車両の制動力が発生する。
そして、運転者がブレーキペダルを解放すると、マスタシリンダからの液圧の供給が途絶えて液圧室13内の液圧が低下する。これにより、ピストンシール11の弾性によってピストン12が原位置まで後退して制動力が解除される。ちなみに、インナ及びアウタブレーキパッド2、3の摩耗に伴いピストン12の移動量が増大すると、ピストン12とピストンシール11との間に滑りが生じることによって、ピストン12の原位置を移動させて、パッドクリアランスを一定に調整するようになっている。
次に、車両の停止状態を維持するための作用の一例である、駐車ブレーキとしての作用を説明する。図1は、駐車ブレーキが解除されている状態を示している。この状態からパーキングスイッチ71が操作されて駐車ブレーキを作動させる時には、ECU70によってモータ38が駆動されて、平歯多段減速機構37を介して遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bが回転する。このとき、遊星歯車減速機構36のキャリア48とインターナルギヤ46とには、所定の比率(減速比)で互いに逆方向へ回転するように回転トルクが付与される。
そこで、ボールアンドランプ機構28はスプリング27による付勢力のため、直動プレート30を前進(図1中左方向へ移動)させるためにはある一定以上のトルクが必要となっている。これに対して、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力(押圧力)が発生していない状態では、スピンドル55を回転させるためのトルクは十分小さくなっている。このため、図3に示すように、遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bからの回転力は、各プラネタリギヤ45を介してキャリア48に伝達され、ねじ機構52が作動し始める。このとき、ボールアンドランプ機構28が作動しないため、インターナルギヤ46は回転しないため、モータ38の回転力は、機会損失分を除いた殆どがねじ機構52に伝達されるため、機械効率が良い状態でねじ機構52が作動することになる。そして、該ねじ機構52では、キャリア48からの回転力によりスピンドル55が回転してナット53及びフランジ54が前進(図1中左方向へ移動)し、フランジ54の傾斜面54Bがピストン12の傾斜面12Dに当接して押圧することでピストン12も前進することになる。このとき、ナット53はプッシュロッド19と螺合しているため、プッシュロッド19も共に前進しようとするが、プッシュロッド19の軸方向の位置は、スプリング24の付勢力により、図1の状態から変わらず、その場で回転することで互いの位置関係が調整、すなわち、ナット53、フランジ54及びプッシュロッド19の軸方向の全長が伸びるように調整される。
次に、さらにモータ38を回転させて、ねじ機構52の作用によりディスクロータ150への制動力が発生し始めると、今度は、スピンドル55を回転させるための回転トルクが増大して、ボールアンドランプ機構28を作動させるための回転トルクより大きくなる。この結果、図4に示すように、遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bからの回転力は各プラネタリギヤ45を介してインターナルギヤ46に伝達され、ボールアンドランプ機構28が作動し始める。そして、該ボールアンドランプ機構28では、インターナルギヤ46からの回転力によりインプットシャフト31及び回転プレート29が回転して直動プレート30が前進し、直動プレート30の傾斜面30Bとプッシュロッド19の摩擦面19Cとが当接してプッシュロッド19を押圧する。前述のように、直動プレート30の傾斜面30Bはプッシュロッド19の摩擦面19Cと摩擦係合するためにプッシュロッド19は回転できなくなる。これにより、プッシュロッド19(ボールアンドランプ機構28)からの押圧力が多条ねじを介してナット53及びフランジ54に伝達されて、ディスクロータ150への制動力が増大する。なお、本実施の形態では、最初に、ねじ機構52によりナット53及びフランジ54が前進することでピストン12を前進させてディスクロータ150への制動力を得るので、ねじ機構52の作動により一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3の経時的な摩耗を補償することができる。
次に、ボールアンドランプ機構28によるディスクロータ150への制動力(押圧力)が大きくなり、インプットシャフト31を回転させるためのトルクが大きくなると、今度は、遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bからの回転力が各プラネタリギヤ45を介してキャリア48に伝達され、該キャリア48からの回転力によりねじ機構52が作動、すなわち、スピンドル55が回転してナット53及びフランジ54が前進されることでディスクロータ150への制動力がさらに増大する。このように、所定の比率を保持しながら、ねじ機構52及びボールアンドランプ機構28の両方にてピストン12を前進させて、ディスクロータ150への制動力を増大させることができる。
そして、ECU70は、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力が所定値に到達するまでモータ38を駆動させる。
そして、ECU70は、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力が所定値に到達するまでモータ38を駆動させる。
以上のように、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aでは、駐車ブレーキのようなピストン12を制動位置に保持させるときに、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150へ制動力を付加するのに際して、機械効率が低いねじ機構52と機械効率の高いボールアンドランプ機構28とを組み合わせたピストン保持機構34の全体の機械効率が比較的高い(例えば、機械効率ηが20〜30程度)ものとなり、ディスクブレーキのピストン保持機構34の良好な作動効率を確保することができる。また、ピストン12には、ねじ機構52からの押圧力だけでなく、ボールアンドランプ機構28からの押圧力も作用するため、モータ38を小型化しても所望の制動力を得ることができる。さらに、モータ38を小型化(低トルク化)することで、平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36に付与されるトルクも低く抑えることができるので、作動音や寿命の点で有利となる。
次に、ディスクロータ150への制動力が所定値に到達すると、ECU70は、モータ38への通電を停止してモータ38を駆動停止させる。すると、ディスクロータ150への押圧力からの反力及びスプリング27の付勢力により、ボールアンドランプ機構28だけが入力時とは逆方向に動作され、初期位置(図3に示す位置)まで復帰する。しかしながら、ねじ機構52は押圧力からの反力により動作しないのでそのまま制動力が保持されることになり、駐車ブレーキの作動が完了する。
なお、モータ38が駆動停止してボールアンドランプ機構28によるディスクロータ150への押圧力がなくなると、その分、ねじ機構52への反力が増大して、結果としてねじ機構52が弾性変形する。このことにより、ディスクロータ150に付与される押圧力が減少することなる。このため、ねじ機構52の弾性変形増加分も加味した押圧力(制動力)が発生するまで、モータ38を駆動停止しないように、モータ38の到達電流値やモータ38の駆動時間を設定する必要がある。
また、平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36を逆方向に動作させるためのトルクが大きく、押圧力からの反力及びスプリング27の付勢力だけではボールアンドランプ機構28が逆方向に動作しない場合には、モータ38の駆動停止後にモータ38へピストン12を戻す方向へ通電するようにしてもよい。この場合、ボールアンド機構28が初期位置まで戻った時点でねじ機構52が作動するが、このときには、比較的大きなトルクが必要であるためモータ38の電流値が急増するようになる。このため、ボールアンドランプ機構28が初期位置に戻ったか否かは電流値の急激な変化を検知することで認知して、それに基づいてモータ38への通電を停止すればよい。
次に、駐車ブレーキを解除する際には、パーキングスイッチ71のパーキング解除操作に基づいて、ECU70によってモータ38がピストン12を戻す方向へ作動し、平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36がピストン12を戻す方向へ作動する。ここで、ボールアンドランプ機構28は、既に駐車ブレーキの作動が完了した時点で、初期位置まで戻っているため、インプットシャフト31にスプライン係合された遊星歯車減速機構36のインターナルギヤ46は回転しない。よって、遊星歯車減速機構36はキャリア48のみが回転する。したがって、モータ38の回転量は、全てキャリア48の回転量となり、ボールアンドランプ機構28を初期位置に戻す回転量が不要であるため、ピストン12を前進させるときに比べて、ピストン12を早く戻すことができる。また、ねじ機構52は増力方向より減力方向のほうが小さなトルクで作動させることができる(ねじを締めるときよりも緩めるときの方が必要な力が少ない)ため、ボールアンドランプ機構28の補助がなくてもスピンドル55を遊星歯車減速機構36のキャリア48を介してピストン12を戻す方向に回転させて、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力を解除することができる。このように、駐車ブレーキの解除時は、ねじ機構52のみを作動させることになるので、モータ38の総回転量を減少させることができ、ディスクブレーキのピストン保持機構34の応答性や作動効率が向上する。
なお、本実施形態では、ねじ機構52及びボールアンドランプ機構28を作動させる減速機構として遊星歯車減速機構36を採用したが、サイクロイド減速機や波動減速機等、同軸3軸で構成される他の公知な減速機を採用してもよい。
また、本実施形態では、車両の停止状態を維持するための作用の一例である、駐車ブレーキを例に、ピストン保持機構34の作動を説明したが、駐車ブレーキ以外の場合、例えば、坂道での車両の発進を補助するためのヒルスタートアシストやヒルダウンアシスト、アクセルオフしたときのオートストップ時等の場合にピストン保持機構34を作動させるようにしてもよい。
次に、第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bを図5〜図7に基づいて詳細に説明する。なお、第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bの説明に際しては、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aとの相違点のみを説明する。その際、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aで採用した同じ部材または相当する部材については同じ符号を使用して説明する。
第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bでは、図5に示すように、キャリパ本体6に、ピストン保持機構34の構成として、シリンダ10内に配置された一方の回転直動変換機構としてのねじ機構52と、シリンダ10とは別の位置に設けられた他方の回転直動変換機構としてのプランジャポンプ機構90とを備えている。
第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bでは、図5に示すように、キャリパ本体6に、ピストン保持機構34の構成として、シリンダ10内に配置された一方の回転直動変換機構としてのねじ機構52と、シリンダ10とは別の位置に設けられた他方の回転直動変換機構としてのプランジャポンプ機構90とを備えている。
ねじ機構52は、互いに螺合するナット80とスピンドル81とから構成される。ナット80の外周には凸部80Aが周方向に沿って複数形成される。ナット80の各凸部80Aはピストン12の内周面に軸方向に沿って延び周方向に沿って複数形成された溝部12Aに係合している。この結果、ナット80はピストン12に対して軸方向には移動可能であるが回転方向の移動は規制されるようになっている。また、ナット80の先端(図5中左端)に形成された傾斜面80Bは、ピストン12の底部に形成される傾斜面12Dに当接することで、推力を伝達または保持することができる。
スピンドル81は、その鍔部81Cがスラストワッシャ82、スラストベアリング83及びスラストワッシャ84を介してシリンダ10の底壁9に支持される。また、スピンドル81の後端はシリンダ10の底壁9を貫通する穴部9A’を挿通して、遊星歯車減速機構36のキャリア48にスプライン係合される。なお、スピンドル81とシリンダ10の底壁9との間には、シール85が設けられており、このシール85によって液圧室13の液密性が保持されている。
プランジャポンプ機構90は、ピストン91と、キャリパ本体6に形成された小シリンダ92と、ナット99と、ポンプスピンドル100とから概略構成される。ピストン91は、小シリンダ92内に画成される液圧室94に配置されたリターンスプリング97により、カバー39側(図5中右側)へ常時付勢されている。ピストン91の先端(図5中左端)の外周にはカップシール93が取り付けられている。これにより、図7に示すように、ピストン91が液圧室94側(図7中左側)へ移動し、マスタシリンダなどの図示しない液圧源と接続されたポート95をカップシール93が通過すると、ピストン91と小シリンダ92とにより画成された液圧室94内からポート95との連通が閉鎖される。また、液圧室94は、ポート98により液圧室13に連通している。図5の符号106はブレーキ液配管のプラグである。なお、図7に示すように、カップシール93がポート95の左側にある際には、液圧源に接続されたポート95からのブレーキ液は、シール96によって遊星歯車減速機構36側には漏れないようになっている。
ピストン91の後端側(図5中右端)には、ナット99がポンプスピンドル100と螺合して配置される。ナット99の外周には凸部99Aが形成され、キャリパ本体6内に形成された溝部101と係合している。これにより、ナット99は、軸方向には移動可能であるが回転方向への移動は規制される。ポンプスピンドル100は、スラストワッシャ102、スラストボールベアリング103及びスラスト受けカバー104によって回転支持されている。なお、スラスト受けカバー104は、図示しないがキャリパ本体6にボルト固定されている。また、ポンプスピンドル100には小歯車100Aが一体形成されており、該小歯車100Aが遊星歯車減速機構36のインターナルギヤ46の外周に形成された大歯車105に噛合している。この構成により、インターナルギヤ46の回転に伴いスピンドル100が回転して、ナット99が液圧室94側(図5中左側)へ前進してピストン91を押圧するようになっている。ここでナット99とスピンドル100とのねじ部は、ピストン保持機構34の作動時にピストン12を制動位置に保持する必要がないため、ねじ機構52の機械効率よりも高い機械効率(例えば、機械効率ηが80〜90程度)の多条ねじにより構成されている。したがって、本実施形態のように、機械効率が低いねじ機構52と機械効率の高いプランジャポンプ機構90とを組み合わせたピストン保持機構34の全体の機械効率が比較的高い(例えば、機械効率ηが20〜30程度)ものとなり、ディスクブレーキのピストン保持機構の良好な作動効率を確保することができる。なお、本実施形態においては、ピストン91とナット99とを別体に設けたが、これらを一体に構成しても良い。
次に、第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bの作用を説明するが、この説明においても第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aの作用との相違点のみを説明する。
第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bの車両の停止状態を維持するための作用の一例である、駐車ブレーキとしての作用を説明する。
図5は駐車ブレーキが解除されている状態を示している。駐車ブレーキを作動させる際には、モータ38に通電すると、ディスクロータ150への制動力(押圧力)が発生していない状態では、リターンスプリング97による付勢力がピストン91に作用しているため、インターナルギヤ46は回転せずプランジャポンプ機構90は作動しない。このため、図6に示すように、遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bからの回転力は各プラネタリギヤ45を介してキャリア48に伝達され、ねじ機構52が作動し始める。そして、該ねじ機構52では、キャリア48からの回転力によりスピンドル81が回転してナット80が前進し、ナット80の傾斜面80Bがピストン12の傾斜面12Dに当接して押圧することでピストン12が前進する。
第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bの車両の停止状態を維持するための作用の一例である、駐車ブレーキとしての作用を説明する。
図5は駐車ブレーキが解除されている状態を示している。駐車ブレーキを作動させる際には、モータ38に通電すると、ディスクロータ150への制動力(押圧力)が発生していない状態では、リターンスプリング97による付勢力がピストン91に作用しているため、インターナルギヤ46は回転せずプランジャポンプ機構90は作動しない。このため、図6に示すように、遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bからの回転力は各プラネタリギヤ45を介してキャリア48に伝達され、ねじ機構52が作動し始める。そして、該ねじ機構52では、キャリア48からの回転力によりスピンドル81が回転してナット80が前進し、ナット80の傾斜面80Bがピストン12の傾斜面12Dに当接して押圧することでピストン12が前進する。
次に、さらにモータ38を回転させて、ねじ機構52の作用によりディスクロータ150への制動力が発生し始めると、今度は、スピンドル81を回転させるためのトルクが増大して、プランジャポンプ機構90を作動させるためのトルクより大きくなる。この結果、図7に示すように、遊星歯車減速機構36のサンギヤ44Bからの回転力は各プラネタリギヤ45を介してインターナルギヤ46に伝達され、プランジャポンプ機構90が作動し始める。そして、該プランジャポンプ機構90では、インターナルギヤ46からの回転力によりポンプスピンドル100が回転して、ナット99と共にピストン91が前進する。そして、カップシール93がポート95を通過するまでピストン91が前進すると、液圧室94及び液圧室13は図示しない液圧源から隔てられるため、以降、ピストン91の前進に伴って液圧室94及び液圧室13内の液圧が上昇して、シリンダ10内のピストン12がさらに前進する。これにより、ねじ機構52からの押圧力に加えて、プランジャポンプ機構90からの液圧による押圧力が作用されることで、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力が増大する。
そして、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力が所定値に到達するまでモータ38を回転させる。
そして、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力が所定値に到達するまでモータ38を回転させる。
次に、ディスクロータ150への制動力が所定値に到達した後モータ38への通電が停止される。すると、液圧室94、13内の液圧(ディスクロータ150への押圧力からの反力)及びリターンスプリング97の付勢力により、プランジャポンプ機構90だけが入力時とは逆方向に動作され、初期位置(図6に示す位置)まで復帰する。しかしながら、ねじ機構52は押圧力からの反力により動作しないのでそのまま制動力が保持される。なお、液圧室94、13内の液圧及びリターンスプリング97の付勢力だけではプランジャポンプ機構90が逆方向に動作しない場合には、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aと同様にモータ38へピストン12を戻す方向へ通電してもよい。
次に、パーキングスイッチ71が操作され、駐車ブレーキを解除する際にはECU70の制御に基づきモータ38がピストン12を戻す方向へ作動し、平歯多段減速機構37及び遊星歯車減速機構36がピストン12を戻す方向へ作動する。ここで、プランジャポンプ機構90は既に初期位置まで戻っているため、ポンプスピンドル100に噛合された遊星歯車減速機構36のインターナルギヤ46は回転せず、キャリア48からの回転力によりねじ機構52のスピンドル81がピストン12を戻す方向に回転されて、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力が解除される。第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aと同様に、駐車ブレーキの解除時には、ねじ機構52のみを作動させることになるので、モータ38の総回転量を減少させることができ、応答性が向上する。
以上のように、第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bでは、駐車ブレーキの作動時、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータ150への制動力に対して、ねじ機構52からの押圧力だけでなく、プランジャポンプ機構90からの液圧による押圧力も作用するため、第1の実施形態に係るディスクブレーキ1aと同様の効果を奏することができる。
しかも、第2の実施形態に係るディスクブレーキ1bでは、例えば、運転者がブレーキペダルを踏むなどして、液圧室13及び液圧室94内の液圧が元々高い状態から駐車ブレーキを作動させた場合、その液圧に応じてプランジャポンプ機構90の作動量(インターナルギヤ46の回転量)が減少するため、応答性、消費電力で有利となる。
ここで、ピストンの推力保持のために低い機械効率(換言すれば、大きい機械損失)に設定されたウォーム減速機を用いる特許文献1のようなディスクブレーキでは、ウォーム減速機の機械効率を低く設定すると、駐車ブレーキ機能を達成するための機構の作動効率が下がってしまい、下がった作動効率を補ってピストンに所望の推力を発生させるためにモータを大型化しなければならないという問題があった。しかし、上述した実施形態においては、機械効率が低い一の回転直動変換機構と機械効率の高い他の回転直動変換機構とを組み合わせたピストン保持機構の全体の機械効率が比較的高くなり、ディスクブレーキのピストン保持機構の良好な作動効率を確保することができる。したがって、モータを大型化させる必要がなく、ディスクブレーキ全体の小型化が可能となる。
上述した第1、第2の実施形態のディスクブレーキにおいては、ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうち一方をディスクに押し付ける一つのピストンと、該ピストンが移動可能に納められるシリンダを有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられる電動モータと、前記キャリパ本体に設けられ、前記ピストンを制動位置に保持させるピストン保持機構と、を備えたディスクブレーキにおいて、前記ピストン保持機構は、前記電動モータによる回転を増力する減速機構と、該減速機構の回転を直動に変換して前記一つのピストンを並列に推進する第1と第2の回転直動変換機構と、を有し、前記減速機構は、前記第1の回転直動変換機構に前記電動モータの入力を増力した回転出力を伝達し、前記第2の回転直動変換機構に該回転出力の反力を伝達し、前記第1と第2の回転直動変換機構のうち少なくとも一方は、伝達力の付与が停止されたときに停止状態を維持するようになっている。
上記のような構成によれば、駐車ブレーキのようなピストンを制動位置に保持させるときに、一対のパッドからディスクへ制動力を付加するのに際して、一つのピストンに第1の回転直動変換機構からの伝達力だけでなく、第2の回転直動変換機構からの伝達力も作用させることができるため、良好な作動効率を確保することができる。また、電動モータを小型化しても所望の制動力を得ることが可能となる。
上述した第1、第2の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記減速機構は、前記電動モータの回転を入力する入力部と、前記2つの回転直動変換機構のうち一方に回転出力を伝達する第1出力部と、前記2つの回転直動変換機構のうち他方に前記回転出力の反力を伝達する第2出力部と、が同心状に配置されるようになっている。
上記のような構成によれば、1つの入力から2つの出力を得る減速機構を比較的コンパクトに構成することができ、ディスクブレーキの小型化を図ることができる。
上述した第1、第2の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記減速機構は、遊星歯車減速機構からなっている。
上記のような構成によれば、減速機構として構成が簡易な遊星歯車減速機構を用いることで、ディスクブレーキの設計の自由度を確保することができる。なお、減速機構としては、遊星歯車減速機構に限ることなく、サイクロイド減速機や波動減速機等、同軸3軸で構成される他の公知な減速機を用いることができる。
上述した第1、第2の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記2つの回転直動変換機構のうち少なくとも一方は、ねじ機構となっている。
上記のような構成によれば、比較的簡易な構成のねじ機構を用いるので、ディスクブレーキの製造効率が向上する。
上述した第1の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記2つの回転直動変換機構のうち他方は、ボールアンドランプ機構となっている。
上記のような構成によれば、ボールアンドランプ機構を用いるので、ピストン保持機構の作動効率が向上する。また、ピストンが制動位置まで到達させた状態で電動モータの駆動を停止したときに、初期位置に戻るようにすることが可能であるため、ピストンを初期位置まで戻すときの作動効率が向上する。なお、2つの回転直動変換機構のうちの他方の回転直動変換機構としては、ボールアンドランプ機構に限ることなく、ローラランドランプ機構等の機械効率が高く、少ない回転量で大きな軸力を発生する機構を用いることができる。
上述した第1の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記ねじ機構の直動部材と前記ボールアンドランプ機構の直動部材との間には、前記ねじ機構の直動部材に連結され、前記ねじ機構の直動部材の前記ピストンへ近づく方向への直動により回転して前記ボールアンドランプ機構の直動部材に近づく方向に移動する調整機構が設けられ、該調整機構および前記ねじ機構の直動部材を介して前記ボールアンドランプ機構が前記ピストンを推進するようになっている。
上述した第1の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記ボールアンドランプ機構は、前記減速機構により回動する回動部材と、該回動部材により転動部材を介して直動する直動部材とを備え、該直動部材は、前記キャリパ本体側に支持される付勢手段により前記回動部材側に付勢されている。
上記のような構成によれば、前記ボールアンドランプ機構においては、機械効率が高いことから逆作動性がよくなっており、モータの駆動を停止したときに、付勢手段の付勢力により直動部材が初期位置(回動部材に近い位置)に戻るようになっている。このため、ピストン保持の解除時は、ねじ機構のみを作動させることになるので、モータの総回転量を減少させることができ、ディスクブレーキのピストン保持機構の応答性や作動効率が向上する。
上述した第1の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記2つの回転直動変換機構は、前記キャリパ本体に取り付けられる前に、一つの組立体として構成されている。
上記のような構成によれば、前記組立体をキャリパ本体内に挿入して、保持させるだけで、キャリパ本体内での部品の組立工数を削減できるため、ディスクブレーキの製造効率が向上する。
上述した第2の実施形態のディスクブレーキにおいては、前記2つの回転直動変換機構のうち他方は、液圧を発生するプランジャポンプ機構となっている。
1a、1b ディスクブレーキ,2 インナブレーキパッド,3 アウタブレーキパッド,4 キャリパ,6 キャリパ本体,7 シリンダ部,10 シリンダ,12 ピストン,13 液圧室,19 プッシュロッド(調整機構),27 スプリング(付勢手段),28 ボールアンドランプ機構(他方の回転直動変換機構),29 回転プレート(回動部材),29A、30A ボール溝,30 直動プレート(直動部材),31 インプットシャフト,32 ボール(転動部材),34 ピストン保持機構,36 遊星歯車減速機構,37 平歯多段減速機構,38 モータ(電動モータ),44B サンギヤ(入力部),46 インターナルギヤ(第1または第2出力部),48 キャリア(第1または第2出力部),52 ねじ機構(一方の回転直動変換機構),53 ナット(直動部材),54 フランジ(直動部材),55 スピンドル,80 ナット,81 スピンドル,90 プランジャポンプ機構(他方の回転直動変換機構),91 ピストン,92 シリンダ,94 液圧室,95 ポート,99 ナット,100 スピンドル,100A 小歯車,105 大歯車,150 ディスクロータ
Claims (9)
- ディスクを挟んでその両側に配置される一対のパッドと、
該一対のパッドのうち一方をディスクに押し付ける一つのピストンと、
該ピストンが移動可能に納められるシリンダを有するキャリパ本体と、
該キャリパ本体に設けられる電動モータと、
前記キャリパ本体に設けられ、前記ピストンを制動位置に保持させるピストン保持機構と、を備えたディスクブレーキにおいて、
前記ピストン保持機構は、
前記電動モータによる回転を増力する減速機構と、
該減速機構の回転を直動に変換して前記一つのピストンを並列に推進する第1と第2の回転直動変換機構と、を有し、
前記減速機構は、前記第1の回転直動変換機構に前記電動モータの入力を増力した回転出力を伝達し、前記第2の回転直動変換機構に該回転出力の反力を伝達し、
前記第1と第2の回転直動変換機構のうち少なくとも一方は、伝達力の付与が停止されたときに停止状態を維持することを特徴とするディスクブレーキ。 - 前記減速機構は、前記電動モータの回転を入力する入力部と、
前記2つの回転直動変換機構のうち一方に回転出力を伝達する第1出力部と、
前記2つの回転直動変換機構のうち他方に前記回転出力の反力を伝達する第2出力部と、
が同心状に配置されることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。 - 前記減速機構は、遊星歯車減速機構からなることを特徴とする請求項2に記載のディスクブレーキ。
- 前記2つの回転直動変換機構のうち少なくとも一方は、ねじ機構であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のディスクブレーキ。
- 前記2つの回転直動変換機構のうち他方は、ボールアンドランプ機構であることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
- 前記ねじ機構の直動部材と前記ボールアンドランプ機構の直動部材との間には、前記ねじ機構の直動部材に連結され、前記ねじ機構の直動部材の前記ピストンへ近づく方向への直動により回転して前記ボールアンドランプ機構の直動部材に近づく方向に移動する調整機構が設けられ、
該調整機構および前記ねじ機構の直動部材を介して前記ボールアンドランプ機構が前記ピストンを推進することを特徴とする請求項5に記載のディスクブレーキ。 - 前記ボールアンドランプ機構は、前記減速機構により回動する回動部材と、
該回動部材により転動部材を介して直動する直動部材とを備え、
該直動部材は、前記キャリパ本体側に支持される付勢手段により前記回動部材側に付勢されていることを特徴とする請求項5に記載のディスクブレーキ。 - 前記2つの回転直動変換機構は、前記キャリパ本体に取り付けられる前に、一つの組立体として構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のディスクブレーキ。
- 前記2つの回転直動変換機構のうち他方は、液圧を発生するプランジャポンプ機構であることを特徴とする請求項4に記載のディスクブレーキ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010144262A JP2012007674A (ja) | 2010-06-24 | 2010-06-24 | ディスクブレーキ |
US13/164,067 US20110315492A1 (en) | 2010-06-24 | 2011-06-20 | Disk brake |
DE102011077979A DE102011077979A1 (de) | 2010-06-24 | 2011-06-22 | Scheibenbremse |
CN201110171826A CN102297223A (zh) | 2010-06-24 | 2011-06-24 | 盘式制动器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010144262A JP2012007674A (ja) | 2010-06-24 | 2010-06-24 | ディスクブレーキ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012007674A true JP2012007674A (ja) | 2012-01-12 |
Family
ID=45115918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010144262A Pending JP2012007674A (ja) | 2010-06-24 | 2010-06-24 | ディスクブレーキ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20110315492A1 (ja) |
JP (1) | JP2012007674A (ja) |
CN (1) | CN102297223A (ja) |
DE (1) | DE102011077979A1 (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014017609A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 曙ブレーキ工業株式会社 | 電動式ディスクブレーキ装置 |
WO2014034680A1 (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-06 | 株式会社アドヴィックス | 電動パーキングブレーキ用駆動装置および電動パーキングブレーキ装置 |
JP2014092165A (ja) * | 2012-10-31 | 2014-05-19 | Hitachi Automotive Systems Ltd | ディスクブレーキ |
JP2015146676A (ja) * | 2014-02-03 | 2015-08-13 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 減速駆動装置 |
JP2016125549A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ディスクブレーキ |
DE102017202726A1 (de) | 2016-02-29 | 2017-08-31 | Mabuchi Motor Co., Ltd. | Stromversorgungsteil und Motor |
KR101853779B1 (ko) | 2014-04-28 | 2018-05-02 | 주식회사 만도 | 디스크 브레이크 |
US10184536B2 (en) | 2016-09-23 | 2019-01-22 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Brake piston |
Families Citing this family (20)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5943628B2 (ja) * | 2011-04-13 | 2016-07-05 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ディスクブレーキ |
JP5761373B2 (ja) * | 2011-12-14 | 2015-08-12 | トヨタ自動車株式会社 | ブレーキ装置および制動制御装置 |
JP6029373B2 (ja) * | 2012-07-31 | 2016-11-24 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ディスクブレーキ |
TWI485336B (zh) * | 2012-10-29 | 2015-05-21 | Lioho Machine Works Ltd | Disc Brake Brake |
KR101761593B1 (ko) | 2013-08-26 | 2017-07-27 | 주식회사 만도 | 디스크 브레이크 |
KR102228030B1 (ko) * | 2014-07-31 | 2021-03-15 | 히다치 아스테모 가부시키가이샤 | 디스크 브레이크 |
KR102446044B1 (ko) * | 2015-05-12 | 2022-09-23 | 주식회사 만도 | 전동식 디스크 브레이크 |
FR3038678B1 (fr) * | 2015-12-31 | 2019-04-12 | Chassis Brakes International B.V. | Actionneur de frein a double demultiplication, etrier et frein, et procede d'actionnement |
CN105439026B (zh) * | 2016-01-15 | 2018-01-16 | 湖南远扬煤机制造有限公司 | 一种浮动式盘形制动装置 |
US10421446B2 (en) * | 2016-03-10 | 2019-09-24 | Lucas Automotive Gmbh | Spindle nut assembly having multiple stop cams |
KR101816397B1 (ko) * | 2016-05-04 | 2018-01-08 | 현대자동차주식회사 | 전동식 브레이크 |
CN107289043A (zh) * | 2017-08-08 | 2017-10-24 | 吉林大学 | 一种自锁式电子机械制动装置 |
KR20200094377A (ko) * | 2019-01-30 | 2020-08-07 | 주식회사 만도 | 엑츄에이터 및 이를 갖는 전기 기계식 디스크 브레이크 |
CN110395237A (zh) * | 2019-07-24 | 2019-11-01 | 南京经纬达汽车科技有限公司 | 具有驻车制动功能的双回路自主制动系统及制动方法 |
CN112664440B (zh) * | 2019-10-16 | 2022-04-15 | 比亚迪股份有限公司 | 一种用于制动系统的活塞泵组及其控制方法 |
CN111503188B (zh) * | 2019-11-28 | 2021-10-01 | 河北埃克斯福动力科技有限公司 | 一种用于车辆全盘式制动器的执行机构 |
US11193547B2 (en) * | 2020-03-31 | 2021-12-07 | ZF Active Safety US Inc. | Electromechanical brake apparatus and system with planetary gear |
CN111873967B (zh) * | 2020-07-31 | 2021-10-29 | 中车青岛四方车辆研究所有限公司 | 制动动力装置、液压制动系统及轨道列车 |
CN114148306B (zh) * | 2020-09-08 | 2023-03-10 | 蜂巢智能转向系统(江苏)有限公司 | 汽车制动系统及汽车制动系统的控制方法 |
CN112833120B (zh) * | 2020-12-30 | 2022-07-12 | 重庆奥特比汽车制动系统有限公司 | 一种陶瓷刹车片结构及其配方 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006177532A (ja) | 2004-12-24 | 2006-07-06 | Hitachi Ltd | ディスクブレーキ |
-
2010
- 2010-06-24 JP JP2010144262A patent/JP2012007674A/ja active Pending
-
2011
- 2011-06-20 US US13/164,067 patent/US20110315492A1/en not_active Abandoned
- 2011-06-22 DE DE102011077979A patent/DE102011077979A1/de not_active Withdrawn
- 2011-06-24 CN CN201110171826A patent/CN102297223A/zh active Pending
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014017609A1 (ja) * | 2012-07-26 | 2014-01-30 | 曙ブレーキ工業株式会社 | 電動式ディスクブレーキ装置 |
JP2014040902A (ja) * | 2012-07-26 | 2014-03-06 | Akebono Brake Ind Co Ltd | 電動式ディスクブレーキ装置 |
WO2014034680A1 (ja) * | 2012-08-28 | 2014-03-06 | 株式会社アドヴィックス | 電動パーキングブレーキ用駆動装置および電動パーキングブレーキ装置 |
JP2014062639A (ja) * | 2012-08-28 | 2014-04-10 | Advics Co Ltd | 電動パーキングブレーキ用駆動装置および電動パーキングブレーキ装置 |
US9689443B2 (en) | 2012-08-28 | 2017-06-27 | Advics Co., Ltd. | Electric parking brake driving device and electric parking brake device |
JP2014092165A (ja) * | 2012-10-31 | 2014-05-19 | Hitachi Automotive Systems Ltd | ディスクブレーキ |
JP2015146676A (ja) * | 2014-02-03 | 2015-08-13 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 減速駆動装置 |
KR101853779B1 (ko) | 2014-04-28 | 2018-05-02 | 주식회사 만도 | 디스크 브레이크 |
JP2016125549A (ja) * | 2014-12-26 | 2016-07-11 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ディスクブレーキ |
DE102017202726A1 (de) | 2016-02-29 | 2017-08-31 | Mabuchi Motor Co., Ltd. | Stromversorgungsteil und Motor |
US10184536B2 (en) | 2016-09-23 | 2019-01-22 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Brake piston |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN102297223A (zh) | 2011-12-28 |
DE102011077979A1 (de) | 2011-12-29 |
US20110315492A1 (en) | 2011-12-29 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012007674A (ja) | ディスクブレーキ | |
US9086108B2 (en) | Disk brake | |
KR102228030B1 (ko) | 디스크 브레이크 | |
JP6276133B2 (ja) | 電動パーキングブレーキ装置 | |
JP2013072511A (ja) | ディスクブレーキ | |
US20140090933A1 (en) | Disc brake | |
US11453374B2 (en) | Disc brake and planetary gear reduction mechanism | |
US10626941B2 (en) | Disc brake | |
JP6376883B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
JP5968192B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
JP2016125544A (ja) | ディスクブレーキ | |
JP2018017300A (ja) | ディスクブレーキ | |
JP5633797B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
JP2020008134A (ja) | ディスクブレーキ | |
JP2017133584A (ja) | ディスクブレーキ | |
JP2016125547A (ja) | ディスクブレーキ | |
JP6305264B2 (ja) | ディスクブレーキ | |
KR20230040037A (ko) | 전자식 주차 브레이크 및 이의 작동 방법 | |
JP2019100352A (ja) | ディスクブレーキ | |
JP2019132294A (ja) | ディスクブレーキ |