JP2019132294A - ディスクブレーキ - Google Patents

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Daisuke Hibi
大介 日比
隆志 三ツ木
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Abstract

【課題】遊星歯車減速機構における円滑な作動を確保するディスクブレーキを提供する。【解決手段】本ディスクブレーキでは、電動モータ200と遊星歯車減速機構45とを支持するホルダ205と、を備え、遊星歯車減速機構45のインターナルギヤ61は、ホルダ205に、相対回転不能に支持されている。これにより、インターナルギヤ61とサンギヤ57とを略同心状に配置でき、径方向に沿う両者61、57の相対変位量を最小限に抑えることができる。その結果、サンギヤ57と各プラネタリギヤ60との間、及び各プラネタリギヤ60とインターナルギヤ61との間において、作動中における各ギヤへの負担が小さくなり、各ギヤの摩耗を抑制でき耐久性を向上させることができ、作動音も抑制することができる。そして、本ディスクブレーキでは、遊星歯車減速機構45における円滑な作動を確保することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、車両の制動に用いられるディスクブレーキに関する。
例えば、特許文献1に開示されたディスクブレーキは、ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうち一方を前記ロータに押し付けるピストンと、該ピストンが移動可能に収められるシリンダを有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられるモータと、該モータからの回転力を増力して伝達する遊星歯車減速機構を含む減速機構と、前記遊星歯車減速機構のキャリアからの回転力が伝達されて、前記ピストンを制動位置に推進させるピストン推進機構と、を備えている。
特開2016−125544号公報
上述した特許文献1に開示されたディスクブレーキにおいては、モータを支持するモータ支持部と、遊星歯車減速機構のインターナルギヤが挿通されるリング状支持部と、を有するホルダが備えられている。また、インターナルギヤは、ハウジングに対して回転不能に、且つ軸方向に移動不能にハウジングに支持されている。他方、サンギヤを含む第2減速歯車は、ホルダに支持されている。
このように、特許文献1に開示されたディスクブレーキでは、インターナルギヤを支持する支持部材(ハウジング)と、サンギヤを含む第2減速歯車を支持する支持部材(ホルダ)とが相違するために、インターナルギヤとサンギヤとが、組立誤差等により同心状に配置されにくく、径方向に沿う相対変位量が大きくなる虞がある。この結果、サンギヤと各プラネタリギヤとの間、及び各プラネタリギヤとインターナルギヤとの間において、作動中における各ギヤの摩擦が増加し、作動音増加などの問題が発生する。
そして、本発明は、遊星歯車減速機構における円滑な作動を確保するディスクブレーキを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、該一対のパッドのうち一方を前記ロータに押し付けるピストンと、該ピストンが移動可能に収められるシリンダ部を有するキャリパ本体と、該キャリパ本体に設けられる電動モータと、前記電動モータからの回転力を増力して伝達する、遊星歯車減速機構を含む減速機構と、該減速機構からの回転力が伝達されて、前記ピストンを推進するピストン推進機構と、前記電動モータと前記遊星歯車減速機構とを支持するホルダと、を備え、
前記遊星歯車減速機構は、前記電動モータからの回転が伝達されるサンギヤと、該サンギヤにそれぞれ噛み合い、該サンギヤの周方向に沿って複数配置されるプラネタリギヤと、各プラネタリギヤに内歯が噛み合い、該各プラネタリギヤを囲むように配置される円筒状のインターナルギヤと、を有し、前記ホルダは、前記インターナルギヤを相対回転不能に支持することを特徴とするものである。
本発明のディスクブレーキによれば、遊星歯車減速機構において、円滑な作動を確保することができる。
本実施形態に係るディスクブレーキを示す断面図。 ハウジング内の断面図。 ハウジング内の構成部材の分解斜視図。 回転直動変換機構の断面図。 回転直動変換機構を構成する構成部材の分解斜視図。
以下、本実施形態を図1乃至図5に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、本ディスクブレーキ1には、車両の回転部に取り付けられたディスクロータDを挟んで軸方向両側に配置された一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4とが設けられている。本ディスクブレーキ1は、キャリパ浮動型として構成されている。なお、一対のインナブレーキパッド2及びアウタブレーキパッド3と、キャリパ4とは、車両のナックル等の非回転部に固定されたブラケット5にディスクロータDの軸方向へ移動可能に支持されている。
なお、以下の説明において、説明の便宜上、図1、図2及び図4の右方を一端側として、左方を他端側として適宜説明する。
図1及び図4に示すように、キャリパ4の主体であるキャリパ本体6は、車両内側のインナブレーキパッド2に対向する基端側に配置されるシリンダ部7と、車両外側のアウタブレーキパッド3に対向する先端側に配置される爪部8とを有している。シリンダ部7には、インナブレーキパッド2側が開口される大径開口部9Aとなり、その反対側が孔部10を有する底壁11により閉じられた有底のシリンダボア15が形成されている。該シリンダボア15内の底壁11側には、大径開口部9Aと連設され該大径開口部9Aよりも小径となる小径開口部9Bが形成される。シリンダボア15の大径開口部9Aの内周面にピストンシール16が配置されている。シリンダ部7の底壁11側の一端が、ハウジング30との嵌合部12として作用する。嵌合部12は、孔部10を径方向中心に有する円板状に形成される。嵌合部12の外周面には、環状溝部が形成され、該環状溝部にシール部材37としてのOリングが嵌合される。
ピストン18は、底部19と円筒部20とからなる有底のカップ状に形成される。該ピストン18は、その底部19がインナブレーキパッド2に対向するようにシリンダボア15内に収められている。ピストン18は、ピストンシール16に接触した状態で軸方向に移動可能にシリンダボア15の大径開口部9Aに内装されている。このピストン18とシリンダボア15の底壁11との間は、液圧室21としてピストンシール16により画成されている。この液圧室21には、シリンダ部7に設けた図示しないポートを通じて、マスタシリンダや液圧制御ユニットなどの図示しない液圧源から液圧が供給されるようになっている。
ピストン18の内周面には、周方向に沿って複数の回転規制用縦溝22(図5参照)が形成される。ピストン18の底部19の、インナブレーキパッド2に対向する他端面の外周側に周方向に間隔を置いて複数の凹部25(図5参照)が設けられている。これら凹部25に、インナブレーキパッド2の背面に形成されている凸部(図示略)が係合している。この係合によってピストン18は、シリンダ部7、ひいてはキャリパ本体6に対して相対回転不能に構成される。また、ピストン18の底部19側の外周面と、シリンダボア15の大径開口部9Aの内周面との間には、該シリンダボア15内への異物の進入を防ぐダストブーツ27が介装されている。
図1〜図3に示すように、シリンダ部7の底壁11側の嵌合部12がハウジング30(第1ハウジング部31)に嵌合される。当該ハウジング30内にモータギヤアッシ29が収容される。当該モータギヤアッシ29の具体的な構成は後述する。ハウジング30の一端にはカバー部材36が気密的に取り付けられている。ハウジング30及びカバー部材36は、合成樹脂で構成される。ハウジング30は、シリンダ部7の嵌合部12が嵌合され、モータギヤアッシ29の構成である、後述する平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45を収容する第1ハウジング部31と、第1ハウジング部31から一体的に有底円筒状に突設され、モータギヤアッシ29の構成である、電動モータ200を収容する第2ハウジング部32と、から構成されている。このように、ハウジング30は、有底円筒状の第2ハウジング部32によって、キャリパ本体6と並ぶように配置した電動モータ200を収容するように構成される。
第1ハウジング部31は、図3から解るように、後述する平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45を収容する収容室31Aをカバー部材36と共に囲む外壁部31B及び底壁部31Cと、シリンダ部7の嵌合部12が嵌合される嵌合孔部31Dと、嵌合孔部31Dを形成する支持環状壁部31Eを有している。図1及び図3に示すように、第1ハウジング部31の嵌合孔部31Dに、シリンダ部7の嵌合部12がシール部材37を介して嵌合される。これにより、第1ハウジング部31の嵌合孔部31Dの支持環状壁部31Eと、シリンダ部7の嵌合部12の外壁面との間が、シール部材37によって気密的にシールされる。
図1に示すように、キャリパ本体6には、電動モータ200からの回転力を増強する平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45と、ピストン18を推進すると共に推進したピストン18を制動位置に保持するピストン推進機構としての回転直動変換機構43と、が備えられている。平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45は、第1ハウジング部31内となる収容室31Aに収容されている。
図1〜図3に示すように、平歯多段減速機構44は、ピニオンギヤ46と、第1減速歯車47と、非減速平歯車48と、第2減速歯車49と、を有している。第1減速歯車47、非減速平歯車48及び第2減速歯車49は、金属、あるいは、繊維強化樹脂等の樹脂で構成される。ピニオンギヤ46は、筒状に形成されて、電動モータ200の回転軸201に圧入固定される孔部50と、外周に形成される歯車51とを有している。第1減速歯車47は、軸方向に延びるシャフト用孔47Aを有し、ピニオンギヤ46の歯車51に噛合する大径の大歯車53と、該大歯車53から軸方向に延出される小径の小歯車54とが一体的に形成されている。第1減速歯車47のシャフト用孔47Aにシャフト52が一体的に固定される。該シャフト52は、その一端がカバー部材36に近接した支持プレート59の孔部59Aに回転自在に支持され、その他端がホルダ205の孔部206Aに回転自在に支持される。
第1減速歯車47の小歯車54は非減速平歯車48と噛合している。該非減速平歯車48はシャフト55により回転自在に支持される。該シャフト55は、その一端が支持プレート59の孔部59Bに圧入固定され、その他端がホルダ205の孔部206Bに圧入固定される。第2減速歯車49は、非減速平歯車48に噛合する大径の大歯車56と、大歯車56から軸方向に延出して形成される小径のサンギヤ57とが同心状に一体的に形成される。大歯車56の軸方向一端と、サンギヤ47の軸方向一端とは、環状接続壁部56Aによって接続されている。当該環状接続壁部56Aには、他端に向かって突出する環状のストッパ部56Bが形成されている。サンギヤ57は、後述する遊星歯車減速機構45の一部として構成される。第2減速歯車49は、その中心に孔49Aが形成され、シャフト58が挿通される。シャフト58は、一端が支持プレート59の孔部59Cに圧入固定される。第2減速歯車49は、シャフト58により回転自在に支持される。
遊星歯車減速機構45は、第2減速歯車49のサンギヤ57と、複数個(本実施形態では4個)のプラネタリギヤ60と、インターナルギヤ61と、キャリア62と、を有する。各プラネタリギヤ60は、第2減速歯車49のサンギヤ57に噛合される歯車63と、キャリア62から立設されるピン65が回転自在に挿通される孔部64と、を有している。各プラネタリギヤ60は、サンギヤ57の外周を周方向に沿って等間隔に配置される。遊星歯車減速機構45の、プラネタリギヤ60、インターナルギヤ61及びキャリア62は、金属、あるいは、繊維強化樹脂等の樹脂で構成される。
キャリア62は、径方向中心に多角形孔68を有する連結軸部69と、該連結軸部69の一端側外周面から一体的に延びる円環状板部70と、から構成される。円環状板部70には、周方向に沿って間隔を置いて複数のピン用孔部70Aが形成されている。各ピン用孔部70Aにピン65がそれぞれ圧入固定されている。各ピン65は、各プラネタリギヤ60の孔部64に回転自在にそれぞれ挿通されている。各ピン65の一端面が、第2減速歯車49の環状接続壁部56Aに設けた環状のストッパ部56Bに当接される。そして、キャリア62の連結軸部69の多角形孔68と、後述する回転直動変換機構43のベースナット75の多角形軸部81(図5参照)とが嵌合することで、キャリア62とベースナット75とで互いに回転トルクを伝達できるようになっている。
インターナルギヤ61は、円筒状に形成されている。該インターナルギヤ61は、各プラネタリギヤ60の歯車63がそれぞれ噛合される内歯71と、該内歯71のシリンダ部7側の他端から連続して径方向中心に向かって延びる環状壁部72と、を備えている。インターナルギヤ61の外径は、第2減速歯車49の大歯車56よりも小径となる。環状壁部72は、各ピン65の他端面よりも他端側に位置して、その内周端が、各ピン65と軸方向で重なるようになる。これにより、各プラネタリギヤ60は、インターナルギヤ61の環状壁部72と第2減速歯車49の環状接続壁部56Aとの間に配置され、その軸方向の移動が規制される。図1及び図3から解るように、インターナルギヤ61の外周面の他端寄りには、周方向に間隔を置いて複数配置された突起部74が突設される。本実施形態では、突起部74は120°ピッチで3箇所形成される。各突起部74はその外形が直方体状を呈し、外方に向かって突設されている。各突起部74は、後述するホルダ205のリング状支持部207に設けた各係合凹部209にそれぞれ係合される。
図1〜図3に示すように、電動モータ200は、ホルダ205のモータ支持部206により支持される。ホルダ205は、モータ支持部206とリング状支持部207とが一体的に接続されて構成される。該ホルダ205は、ハウジング30の第1ハウジング部31の収容室31A内に支持される。モータ支持部206には、締結孔216が2箇所形成される。そして、各取付ボルト215、215が、電動モータ200のフランジ部202の各貫通孔202A、202Aを介してモータ支持部206の各締結孔216、216に締結されて、電動モータ200が、ホルダ205のモータ支持部206の他端側に支持される。
モータ支持部206には、シャフト52の他端が回転自在に支持される孔部206Aが形成される。該モータ支持部206には、シャフト55の他端が圧入固定される孔部206Bが形成される。モータ支持部206には、電動モータ200の回転軸201に圧入固定されたピニオンギヤ46が挿通される回転軸用挿通孔208が形成される。該回転軸用挿通孔208の周りには、電動モータ200の各モータ端子203が挿通される端子用挿通孔210、210が2箇所形成される。各端子用挿通孔210、210は、回転軸用挿通孔208の径方向両側に一対形成される。電動モータ200の各モータ端子203は、各端子用挿通孔210に挿通されて、それぞれハーネス250、251に接続される。また、モータ支持部206の、回転軸用挿通孔208からリング状支持部206とは反対側の位置におけるカバー部材36側(一端側)の面に、ラバー部材230が一体的に組み込まれている。該ラバー部材230は、ホルダ205とカバー部材36との間に介装されることになる。モータ支持部206のカバー部材36側(一端側)に、平歯多段減速機構44の第1減速歯車47及び非減速平歯車48が支持される。
リング状支持部207は、その内径が遊星歯車減速機構45のインターナルギヤ61より小径であり、このリング状支持部207内にインターナルギヤ61が支持される。リング状支持部207の上面には、インターナルギヤ61の各突起部74と対応する位置に係合凹部209がそれぞれ形成される。係合凹部209は径方向から見てコ字状に形成される。本実施形態では、係合凹部209は120°ピッチで3箇所形成される。そして、ホルダ205のリング支持部207内に遊星歯車減速機構45のインターナルギヤ61が支持され、該インターナルギヤ61の各突起部74がリング支持部207の各係合凹部209にそれぞれ係合されて、インターナルギヤ61がホルダ205のリング支持部207に相対回転不能に支持される。インターナルギヤ61の一端側の径方向外方で、リング状支持部207の一端側に第2減速歯車49の大歯車56が配置される。
図3から解るように、ホルダ205には、モータ支持部206とリング状支持部207との間に円筒状支持部217、217が間隔を置いて2箇所一体的に形成される。なお、本実施形態では、各係合凹部209のうちの1つが、円筒状支持部217、217の間に配置されている。各円筒状支持部217、217上に支持プレート59が配置されて、各取付ボルト218、218が支持プレート59の孔部59D、59Dを介してホルダ205の各円筒状支持部217、217に締結されることで、支持プレート59がホルダ205上に間隔を置いて支持されるようになる。
図1及び図3に示すように、本実施形態では、ハウジング30内に、上述したラバー230部材とは別の複数種類のラバー部材282、283が設けられている。すなわち、図3に示すように、ホルダ205のリング状支持部207で、各円筒状支持部217に近接する位置に、第1ハウジング部31の内壁面との間に配置されるブロック状のラバー部材282が一対設けられている。また、図1に示すように、電動モータ200と第2ハウジング部32の底壁部との間に円筒状のラバー部材283が設けられている。
このように、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、電動モータ200が、ホルダ205のモータ支持部206に他端側から取付ボルト215により固定され、且つ平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45が、ホルダ205のリング状支持部207に支持プレート59により支持され、ユニット化されたモータギヤアッシ29として構成される。このようにユニット化されたモータギヤアッシ29がハウジング30内に組み込まれ、該モータギヤアッシ29は、ラバー部材230、282、283によってハウジング30及びカバー部材36に対してフローティング状態で取り付けられる。このように、モータギヤアッシ29が、ラバー部材230、282、283を介してハウジング30及びカバー部材36に支持されることで、電動モータ200、平歯多段減速機構44、及び遊星歯車減速機構45で発生する振動が、ハウジング30またはカバー部材36へ伝達されるのを抑制でき、振動に伴う音の発生を抑制することができる。
なお、本実施形態では、ピストン25を推進する回転力を得るために、電動モータ200による駆動力を増強する減速機構としての平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45を採用したが、遊星歯車減速機構45だけで構成しても良い。また、サイクロイド減速機構や波動減速機等、他の公知技術による減速機を遊星歯車減速機構45と組み合せても良い。
次に、回転直動変換機構43(ピストン推進機構)を、図1、図4及び図5に基づいて具体的に説明する。
該回転直動変換機構43は、平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45からの回転運動、すなわち電動モータ200からの回転を直線方向の運動(以下、便宜上直動という。)に変換し、ピストン18に推力を付与して、該ピストン18を制動位置で保持するものである。該回転直動変換機構43は、平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45からの回転運動が伝達されるベースナット75と、該ベースナット75の雌ねじ部97にねじ嵌合され、ベースナット75の回転によって回転可能に、且つ直動可能に支持されるプッシュロッド102と、該プッシュロッド102にねじ嵌合されて、該プッシュロッド102の回転によってピストン18へ軸方向への推力を付与するボールアンドランプ機構127と、を備えている。該回転直動変換機構43は、キャリパ本体6のシリンダボア15の底壁11側から、ピストン18の内部に至る範囲に配置される。
図4及び図5に示すように、ベースナット75は、円柱部76と、該円柱部76の他端部に一体的に設けられるナット部77とから構成される。シリンダボア15内には、底壁11に当接するようにワッシャ80が配置されている。ベースナット75の円柱部76は、ワッシャ80の挿通孔80A及びシリンダボア15の底壁11に設けた孔部10のそれぞれに挿通される。該円柱部76の先端には、多角形軸部81が一体的に接続されている。該多角形軸部81が、第1ハウジング部31内のキャリア62の多角形孔68に嵌合される。ベースナット75のナット部77は有底円筒状に形成される。該ナット部77は、円形状壁部82と、該円形状壁部82の他端面から一体的に突設される円筒部83と、から構成される。円形状壁部82の外周面が、シリンダボア15の小径開口部9Bの内壁面に近接する。円形状壁部82の一端面の径方向中央部から小径円形状壁部84が一体的に突設される。該小径円形状壁部84の一端面から円柱部76が一端側に向かって一体的に突設される。円柱部76の外径は、ナット部77の円筒部83の外径よりも小径に形成される。
ベースナット75のナット部77に設けた小径円形状壁部84周りの円形状壁部82と、ワッシャ80との間にスラストベアリング87が配置される。そして、ベースナット75は、スラストベアリング87により回転自在にシリンダボア15の底壁11に支持される。ベースナット75の円柱部76の外周面と、シリンダボア15の底壁11の孔部10との間には、シール部材88及びスリーブ89がそれぞれ設けられる。これにより、液圧室21の液密性が保持される。ベースナット75の円柱部76と多角形軸部81との間に設けた環状溝に、止め輪90が装着されている。該止め輪90により、ベースナット75は、軸方向への移動が規制される。
ベースナット75のナット部77の円筒部83は、一端側に配置される大径円筒部91と、他端側に配置される小径円筒部92とから構成される。大径円筒部91の一端が、円形状壁部82に一体的に接続される。大径円筒部91の周壁部には、径方向に延びる貫通孔95が複数形成される。貫通孔95は周方向に間隔を置いて複数形成される。ナット部77の小径円筒部92の内周面に雌ねじ部97が形成される。小径円筒部92の周壁部の他端面には、周方向に間隔を置いて複数の係止溝98がそれぞれ形成される。本実施形態では、係止溝98は4箇所形成される。
ベースナット75の小径円筒部92の各係止溝98のいずれかに、一方向へ回転に対して回転抵抗を付与する第1スプリングクラッチ100の先端部100Aが嵌合される。該第1スプリングクラッチ100は、径方向外方に向いた先端部100Aと、該先端部100から連続して一重に巻かれたコイル部100Bとから構成される。そして、第1スプリングクラッチ100の先端部100Aが、ベースナット75の小径円筒部92の各係止溝98のいずれかに嵌合され、コイル部100Bは、後述するプッシュロッド102の雄ねじ部103の他端側に巻き付けられる。該第1スプリングクラッチ100は、プッシュロッド102がベースナット75に対してシリンダボア15の底壁11側へ移動するときの回転方向(リリース時の回転方向)に対して回転抵抗トルクを付与する一方、プッシュロッド102がベースナット75に対してピストン18の底部19側に移動するときの回転方向(アプライ時の回転方向)への回転は許容するように構成されている。
ベースナット75のナット部77内に、プッシュロッド102の一端側が挿入される。プッシュロッド102の一端側には、ベースナット75の小径円筒部92の雌ねじ部97にねじ嵌合される雄ねじ部103が形成される。該プッシュロッド102の雄ねじ部103と、ベースナット75の小径円筒部92の雌ねじ部97との間の第1のねじ嵌合部105は、ピストン18からプッシュロッド102への軸方向荷重によってベースナット75が回転しないように、その逆効率が0以下になるように、すなわち、不可逆性が大きなねじ嵌合部として構成されている。
一方、プッシュロッド102の他端側には、後述するボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151に設けた雌ねじ部162にねじ嵌合する雄ねじ部104が形成される。ここでも、プッシュロッド102の雄ねじ部104と、回転直動ランプ151に設けた雌ねじ部162との間の第2のねじ嵌合部106は、ピストン18から回転直動ランプ151への軸方向荷重によってプッシュロッド102が回転しないように、その逆効率が0以下になるように、すなわち、不可逆性が大きなねじ嵌合部として構成されている。
プッシュロッド102には、一端側の雄ねじ部103と他端側の雄ねじ部104との間にスプライン軸108が設けられる。一端側の雄ねじ部103の外径は、他端側の雄ねじ部104の外径よりも大径に形成される。一端側の雄ねじ部103の外径は、スプライン軸108の外径よりも大径に形成される。プッシュロッド102の雄ねじ部104から他端側には、小径の円柱部107が連続して形成される。該円柱部107の外周面には、ローレット加工が施されている。該プッシュロッド102の円柱部107に、ストッパ部材172が圧入により一体的に固定される。該ストッパ部材172により、回転直動ランプ151のプッシュロッド102に対する相対回転範囲を定めるようにしている。プッシュロッド102の円柱部107の他端面が、ピストン18の底部19に対向する。
ベースナット75のナット部77を構成する大径円筒部91と小径円筒部92との段差からピストン18の底部19に至る範囲に亘って、ピストン18の円筒部20の内側に、リテーナ110が軸方向に移動自在に支持される。リテーナ110は、一端側に径方向中心に向かって突設される円環状壁部111を有し、全体が略円筒状に構成される。リテーナ110の外周壁には複数の貫通孔114、115が形成される。リテーナ110内には、一端側から順に、コイルばね121、ワッシャ122、支持プレート123、第2スプリングクラッチ124、回転部材125、スラストベアリング126、ボールアンドランプ機構127、スラストベアリング128及び環状押圧プレート129が配置されている。
リテーナ110の円環状壁部111とワッシャ122との間に、コイルばね121が介装される。該コイルばね121は、リテーナ110の円環状壁部111とワッシャ122とを離間させる方向に付勢している。リテーナ110の周壁部の他端面には、所定深さの係止溝132が周方向に間隔を置いて複数形成される。各係止溝132は、一端側に位置する幅狭係止溝133と、他端側に位置する幅広係止溝134とが連続して構成される。係止溝132は、本実施形態では3箇所形成される。リテーナ110の他端部には、ピストン18の底部19に向かう複数のツメ部136が形成されている。該リテーナ110内に、コイルばね121、ワッシャ122、支持プレート123、第2スプリングクラッチ124、回転部材125、スラストベアリング126、ボールアンドランプ機構127、スラストベアリング128及び環状押圧プレート129を収容した後、リテーナ110の各ツメ部136を、後述する環状押圧プレート129の収容凹部171に向かって折り込むことで、上述した多数の構成部材をリテーナ110内に一体的に配置してユニット化している。
ワッシャ122の他端面に、環状の支持プレート123が当接するように配置される。該支持プレート123の外周面には、周方向に沿って間隔を置いて複数の突起片137が設けられる。本実施形態では、突起片137は等間隔で3箇所形成される。該支持プレート123の各突起片137が、リテーナ110の各幅狭係止溝133及びピストン18の内周面に設けた各回転規制用縦溝22にそれぞれ嵌合される。この結果、リテーナ110は、コイルばね121、ワッシャ122及び支持プレート123と共に、ピストン18に対して相対回転不能に、且つ軸方向へ相対移動可能に支持される。
リテーナ110内において、支持プレート123の他端側には、回転部材125が回転自在に支持される。該回転部材125は、スプライン孔140を有する大径円環状部141と、大径円環状部141の一端面から一体的に突設される小径円筒状部142とから構成される。小径円筒状部142の一端部が、支持プレート123の他端面に当接される。回転部材125内にプッシュロッド102が挿通されて、回転部材125の大径円環状部141のスプライン孔140と、プッシュロッド102のスプライン軸108とがスプライン結合される。これにより、回転部材125とプッシュロッド102とは、相互の回転トルクが伝達されるようになる。
回転部材125の小径円筒状部142の外周面に、一方向の回転に対して回転抵抗を付与する第2スプリングクラッチ124が巻回される。該第2スプリングクラッチ124は、第1スプリングクラッチ100と同様に、径方向外方に向いた先端部124Aと、該先端部124Aから連続して一重に巻かれたコイル部124Bとから構成される。そして、第2スプリングクラッチ124の先端部124Aが、リテーナ110の各幅狭係止溝133のいずれかに嵌合され、コイル部124Bが回転部材125の小径円筒状部142の外周面に巻き付けられる。該第2スプリングクラッチ124は、回転部材125(プッシュロッド102)がリテーナ110に対してピストン18の底部19側へ移動するときの回転方向(アプライ時の回転方向)に対して回転抵抗トルクを付与する一方、シリンダボア15の底壁11側に移動するときの回転方向(リリース時の回転方向)への回転は許容するように構成されている。
なお、第2スプリングクラッチ124のアプライ時における回転抵抗トルクは、プッシュロッド102の雄ねじ部103と、ベースナット75の雌ねじ部97との間の第1のねじ嵌合部105の回転抵抗トルクよりも大きくなるように設定される。該回転部材125の他端側には、スラストベアリング126を介してボールアンドランプ機構127が配置される。該回転部材125は、ボールアンドランプ機構127に対してスラストベアリング126を介して回転自在に支持される。
ボールアンドランプ機構127は、固定ランプ150と、回転直動ランプ151と、固定ランプ150と回転直動ランプ151との間に介装される各ボール152とを備えている。固定ランプ150は、回転部材125の他端側にスラストベアリング126を介して配置される。固定ランプ150は、円板状の固定プレート154と、該固定プレート154の外周面から周方向に沿って間隔を置いて複数突設された凸部155とから構成される。本実施形態では、凸部155は3箇所形成される。固定プレート154の径方向中央には、プッシュロッド102が挿通される挿通孔156が形成される。固定ランプ150は、その各凸部155が、リテーナ110の各幅広係止溝134に嵌合されると共にピストン18の内周面に設けた各回転規制用縦溝22に嵌合することで、ピストン18に対して相対回転不能に、且つ軸方向に移動自在に支持される。固定プレート154の他端面には、周方向に沿って所定の傾斜角を有して円弧状に延びるとともに径方向において円弧状断面を有する複数、本実施形態においては3つのボール溝157が形成されている。
回転直動ランプ151は、円環状の回転直動プレート160と、該回転直動プレート160の他端面の径方向中央部分から一体的に突設される円筒部161とから構成される。回転直動プレート160から円筒部161に至る内周面には、プッシュロッド102の雄ねじ部104がねじ嵌合される雌ねじ部162が形成される。回転直動プレート160の、固定ランプ150の固定プレート154との対向面には、周方向に沿って所定の傾斜角を有して円弧状に延びるとともに径方向において円弧状断面を有する複数、本実施形態においては3つのボール溝163が形成されている。
図4及び図5に示すように、ボール152は、回転直動ランプ151(回転直動プレート160)の各ボール溝163と、固定ランプ150(固定プレート154)の各ボール溝157との間にそれぞれ介装されている。そして、回転直動ランプ151に回転トルクを加えると、回転直動プレート160の各ボール溝163と固定プレート154の各ボール溝157との間の各ボール152が転動することで、回転直動プレート160と固定プレート154との間の回転差により、回転直動プレート160と固定プレート154との間の軸方向の相対距離が変動するようになっている。
回転直動プレート160の円筒部161周りの他端面には、スラストベアリング128を介して環状押圧プレート129が配置される。環状押圧プレート129の外周面には、周方向に沿って間隔を置いて複数の凸部168が突設される。本実施形態では、凸部168は3箇所形成される。環状押圧プレート129は、その各凸部168が、リテーナ110の各幅広係止溝134に嵌合されると共にピストン18の内周面に設けた各回転規制用縦溝22に嵌合することでピストン18に対して相対回転不能に、且つ軸方向に移動自在に支持される。
ボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151は、スラストベアリング128を介して回転自在に環状押圧プレート129により支持される。環状押圧プレート129の他端面が、ピストン18の底部19に当接することで、ピストン18を押圧するようになる。環状押圧プレート129の他端面には、各凸部168間の外周部に、リテーナ110の、内方に折り込まれた各ツメ部136を収容する収容凹部171がそれぞれ形成される。
さらに、図1に示すように、電動モータ200には、該電動モータ200を駆動制御する電子制御装置からなるECU175が電気的に接続されている。ECU175には、駐車ブレーキの作動・解除を指示すべく操作されるパーキングスイッチ176が接続されている。また、ECU175には、図示しない車両側からの信号に基づきパーキングスイッチ176の操作によらずに作動することもできる。
次に、本実施形態に係るディスクブレーキ1の作用を説明する。
まず、ブレーキペダル(図示略)の操作による通常の液圧ブレーキとしてのディスクブレーキ1の制動時における作用を説明する。
運転者によりブレーキペダルが踏み込まれると、ブレーキペダルの踏力に応じた液圧がマスタシリンダから液圧回路(共に図示略)を経てキャリパ4内の液圧室21に供給される。これにより、ピストン18がピストンシール16を弾性変形させながら非制動時の原位置から前進(図1の左方向に移動)して、インナブレーキパッド2をディスクロータDに押し付ける。そして、キャリパ本体6は、ピストン18の押圧力の反力により、ブラケット5に対して図1における右方向に移動して、爪部8に取り付けられたアウタブレーキパッド3をディスクロータDに押し付ける。この結果、ディスクロータDが一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3により挟みつけられて摩擦力が発生し、ひいては、車両の制動力が発生することになる。
そして、運転者がブレーキペダルを解放すると、マスタシリンダからの液圧の供給が途絶えて液圧室21内の液圧が低下する。これにより、ピストン18は、ピストンシール16の弾性変形の復元力によって原位置まで後退して、制動力が解除される。ちなみに、インナ及びアウタブレーキパッド2、3の摩耗に伴いピストン18の移動量が増大して、ピストンシール16の弾性変形の限界を越えると、ピストン18とピストンシール16との間に滑りが生じる。この滑りによってキャリパ本体6に対するピストン18の原位置が移動して、パッドクリアランスが一定に調整されるようになっている。
次に、車両の停止状態を維持するための一例である駐車ブレーキとしての作用を説明する。
まず、駐車ブレーキの解除状態からパーキングスイッチ176が操作されて駐車ブレーキを作動(アプライ)させる際に、ECU175は、電動モータ200を駆動させ、平歯多段減速機構44を介して遊星歯車減速機構45のサンギヤ57を回転させる。このサンギヤ57の回転により、各プラネタリギヤ60を介してキャリア62が回転する。そして、キャリア62からの回転トルクがベースナット75に伝達される。
次に、第2スプリングクラッチ124による回転部材125(プッシュロッド102)のリテーナ110(ピストン18)に対するアプライ方向への回転抵抗トルクが、プッシュロッド102とベースナット75との間の第1のねじ嵌合部105による回転抵抗トルクよりも大きくなるように設定されており、第1スプリングクラッチ100による、プッシュロッド102のベースナット75に対するアプライ方向への回転が許容される。このため、ベースナット75のアプライ方向への回転により、第1のねじ嵌合部105が相対的に回転、すなわちベースナット75だけがアプライ方向に回転する一方、プッシュロッド102が軸方向に沿ってピストン18の底部19側に向かって前進する。
その結果、プッシュロッド102と共にリテーナ110を含むリテーナ110内のコイルばね121、ワッシャ122、支持プレート123、第2スプリングクラッチ124、回転部材125、スラストベアリング126、ボールアンドランプ機構127、スラストベアリング128及び環状押圧プレート129の各構成部材が一体となって軸方向に沿ってピストン18の底部19側に向かって前進する。これら構成部品の前進によって、環状押圧プレート129がピストン18の底部19に当接して、ピストン18が前進してピストン18の底部19の一端面がインナブレーキパッド2に当接する。
さらに電動モータ200のアプライ方向への回転駆動が継続されると、ピストン18は、プッシュロッド102の移動によりインナ及びアウタブレーキパッド2、3を介してディスクロータDを押圧し始める。この押圧力が発生し始めると、今度は、その押圧力に対する反力となる軸力によって、プッシュロッド102とベースナット75との間の第1のねじ嵌合部105における回転抵抗トルクが増大して、第2スプリングクラッチ124の回転抵抗トルクよりも大きくなる。この結果、ベースナット75の回転に伴ってプッシュロッド102が、回転部材125と共にアプライ方向へ回転し始める。すると、ディスクロータDの押圧力からの反力によりプッシュロッド102とボールアンドランプ機構127との間の第2のねじ嵌合部106における回転抵抗トルクもディスクロータDの押圧力の反力により増大しているために、プッシュロッド102のアプライ方向への回転トルクが、第2のねじ嵌合部106を介してボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151に伝達される。
このとき、プッシュロッド102のアプライ方向への回転トルクは、第2のねじ嵌合部106にて相対回転差(回転直動ランプ151が、プッシュロッド102よりも若干遅れて回転する)を生じながら、ボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151に伝達されるようになる。そして、ボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151が、アプライ方向に回転しつつ各ボール152が転動して、回転直動ランプ151と固定ランプ150とが、コイルばね121の付勢力に抗して離間することで、環状押圧プレート129が、ピストン18の底部19をさらに押圧する。これにより、インナ及びアウタブレーキパッド2、3によるディスクロータDを押圧力が増大する。
なお、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、最初に、プッシュロッド102とベースナット75との間の第1のねじ嵌合部105が相対回転して、プッシュロッド102が前進し、ピストン18を前進させてディスクロータDへの押圧力を得る。このため、第1のねじ嵌合部105の作動により、インナ及びアウタブレーキパッド2、3の経時的な摩耗によって変化するピストン18に対するプッシュロッド102の原位置を調整することができる。
そして、ECU175は、一対のインナ及びアウタブレーキパッド2、3からディスクロータDへの押圧力が所定値に到達するまで、例えば、電動モータ200の電流値が所定値に達するまで電動モータ200を駆動する。その後、ECU175は、ディスクロータDへの押圧力が所定値に到達したことを電動モータ200の電流値が所定値に達したことによって検出すると、電動モータ200への通電を停止する。すると、ボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151の回転に伴う直動が停止される。
最終的に、回転直動ランプ151に対して、ディスクロータDからの押圧力の反力が作用するが、プッシュロッド102とボールアンドランプ機構127との間の第2のねじ嵌合部106は、互いに逆作動しないねじ嵌合部として構成され、また、プッシュロッド102とベースナット75との間の第1のねじ嵌合部105も、互いに逆作動しないねじ嵌合部で構成され、さらには、第1スプリングクラッチ100により、プッシュロッド102にはベースナット75に対してリリース方向への回転抵抗トルクが付与されているので、ピストン18が制動位置に保持される。これにより、制動力の保持がなされて駐車ブレーキの作動が完了する。
次に、駐車ブレーキを解除(リリース)する際には、パーキングスイッチ176のパーキング解除操作に基づいて、ECU175により、電動モータ200がピストン18をディスクロータDから離間させるリリース方向に回転駆動される。これにより、平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45が、ピストン18を戻すリリース方向へ回転駆動して、キャリア62を介してベースナット75へそのリリース方向への回転駆動が伝達される。
このとき、プッシュロッド102には、ディスクロータDからの押圧力の反力が作用している、言い換えれば、プッシュロッド102には、プッシュロッド102とボールアンドランプ機構127との間の第2のねじ嵌合部106の回転抵抗トルクと、プッシュロッド102とベースナット75との間の第1のねじ嵌合部105の回転抵抗トルクと、第1スプリングクラッチ100による、プッシュロッド102のベースナット75に対するリリース方向への回転抵抗トルクとが付与されている。このため、ベースナット75からのリリース方向の回転トルクは、プッシュロッド102(回転部材125含む)に伝達されると共にボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151に伝達される。その結果、回転直動ランプ151はリリース方向に回転だけして、回転方向の初期位置まで戻る。
次に、プッシュロッド102への反力が減少して、プッシュロッド102とボールアンドランプ機構127との間の第2のねじ嵌合部106の回転抵抗トルクが、第1スプリングクラッチ100によるベースナット75に対するプッシュロッド102のリリース方向への回転抵抗トルクに、プッシュロッド102とベースナット75との間の第1のねじ嵌合部105の回転抵抗トルクを加えた回転抵抗よりも小さくなり、回転直動ランプ151はこれ以上リリース方向には回転できないために、第2のねじ嵌合部106だけが相対回転して、ボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151が、リテーナ110と共に軸方向に沿ってシリンダボア15の底壁11側(リリース方向)に移動して軸方向の初期位置に戻る。
さらに電動モータ200がリリース方向へ回転駆動されて、ベースナット75のリリース方向への回転が継続されると、ボールアンドランプ機構127の回転直動ランプ151が軸方向の初期位置に戻りつつ、プッシュロッド102とボールアンドランプ機構127との間の第2のねじ嵌合部106が初期の螺合位置まで戻り、プッシュロッド102のリリース方向への回転が停止される。
さらにベースナット75のリリース方向への回転が継続されると、プッシュロッド102が、第1スプリングクラッチ100によるベースナット75に対するプッシュロッド102のリリース方向への回転抵抗トルクに抗して、軸方向に沿ってシリンダボア15の底壁11側(リリース方向)に向かって後退する。その結果、プッシュロッド102と共にリテーナ110を含むリテーナ110内のコイルばね121、ワッシャ122、支持プレート123、第2スプリングクラッチ124、回転部材125、スラストベアリング126、ボールアンドランプ機構127、スラストベアリング128及び環状押圧プレート129の各構成部材が一体となって軸方向に沿ってシリンダボア15の底壁11側(リリース方向)に向かって後退する。そして、ピストン18は、ピストンシール16の弾性変形の復元力によって原位置まで後退して制動力が完全に解除される。
以上のように、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、インターナルギヤ61の外周面に径方向外方に突設する突起部74が設けられ、このインターナルギヤ61の突起部74は、ホルダ205のリング状支持部207に設けた係合凹部209に係合されることで、インターナルギヤ61は、ホルダ205により相対回転不能に支持されて、且つ、サンギヤ57を有する第2減速歯車49は、支持プレート59を介してホルダ205により支持されている。これにより、インターナルギヤ61を支持する支持部材(ホルダ205)と、サンギヤ57を含む第2減速歯車49を支持する支持部材(ホルダ205)とが同じであるために、インターナルギヤ61とサンギヤ57とを略同心状に配置でき、径方向に沿う両者61、57の相対変位量を最小限に抑えることができる。その結果、サンギヤ57と各プラネタリギヤ60との間、及び各プラネタリギヤ60とインターナルギヤ61との間において、作動中における各ギヤへの負担が小さくなり、各ギヤの摩耗を抑制でき耐久性を向上させることができ、作動音も抑制することができる。そして、本ディスクブレーキ1では、遊星歯車減速機構45における円滑な作動を確保することができる。
また、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、上述した構成としたことにより、小型化を期待でき、小型化による車両への搭載性を向上することができる。しかも、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、電動モータ200を、ホルダ205のモータ支持部206に取付ボルト215により固定して、且つ平歯多段減速機構44及び遊星歯車減速機構45を、ホルダ205のリング状支持部207に支持プレート59により支持させて、ユニット化されたモータギヤアッシ29としてハウジング30内に組み込む。これにより、作業者による組立工数を削減することができ、組立工程の自動化を期待できる。
さらに、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、インターナルギヤ61は、その外周壁の軸方向他端から径方向中心に向かって延設される環状壁部72を有し、サンギヤ57には、同心状にサンギヤ57よりも大径の大歯車56が一体的に形成され、サンギヤ57の軸方向一端と、大歯車56の軸方向一端とを一体的に接続する環状接続壁部56Aが形成され、環状壁部72と環状接続壁部56Aとの間に各プラネタリギヤ60が配置されている。これにより、各プラネタリギヤ60の軸方向への移動が規制されるので、遊星歯車減速機構45における、さらなる円滑な作動を確保することができる。
なお、本実施形態に係るディスクブレーキ1では、インターナルギヤ61は、ホルダ205と別体に構成され、その外周面に複数の突起部74が一体的に設けられているだけで、複雑な形状ではないので、内歯71の成形精度を向上させることができる。
1 ディスクブレーキ,2 インナブレーキパッド,3 アウタブレーキパッド,4 キャリパ,6 キャリパ本体,7 シリンダ部,18 ピストン,30 ハウジング,31 第1ハウジング部,31C 嵌合孔部,43 回転直動変換機構(ピストン推進機構),44 平歯多段減速機構,45 遊星歯車減速機構,56 大歯車,56A 環状接続壁部,57 サンギヤ,60 プラネタリギヤ,61 インターナルギヤ,71 内歯,72 環状壁部,74 突起部,200 電動モータ,205 ホルダ,207 リング状支持部,209 係合凹部,D ディスクロータ

Claims (3)

  1. ロータを挟んで該ロータの軸方向両側に配置される一対のパッドと、
    該一対のパッドのうち一方を前記ロータに押し付けるピストンと、
    該ピストンが移動可能に収められるシリンダ部を有するキャリパ本体と、
    該キャリパ本体に設けられる電動モータと、
    前記電動モータからの回転力を増力して伝達する、遊星歯車減速機構を含む減速機構と、
    該減速機構からの回転力が伝達されて、前記ピストンを推進するピストン推進機構と、
    前記電動モータと前記遊星歯車減速機構とを支持するホルダと、を備え、
    前記遊星歯車減速機構は、
    前記電動モータからの回転が伝達されるサンギヤと、
    該サンギヤにそれぞれ噛み合い、該サンギヤの周方向に沿って複数配置されるプラネタリギヤと、
    各プラネタリギヤに内歯が噛み合い、該各プラネタリギヤを囲むように配置される円筒状のインターナルギヤと、を有し、
    前記ホルダは、前記インターナルギヤを相対回転不能に支持することを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記インターナルギヤは、その外周面から径方向外方に突設される突起部を有し、
    前記ホルダは、前記インターナルギヤを支持するリング状支持部を有し、該リング状支持部に、前記インターナルギヤの突起部が係合する係合凹部が形成されることを特徴とする請求項1に記載のディスクブレーキ。
  3. 前記インターナルギヤは、その外周壁の軸方向端部から径方向中心に向かって延設される環状壁部を有し、
    前記サンギヤには、同心状に前記サンギヤよりも大径の大歯車が一体的に形成され、前記サンギヤの軸方向端部と、前記大歯車の軸方向端部とを一体的に接続する環状接続壁部が形成され、
    前記環状壁部と前記環状接続壁部との間に前記各プラネタリギヤが配置されることを特徴とする請求項1または2に記載のディスクブレーキ。
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