JP2012005628A - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】鍋に振動を加える際に、米と水をほぐすための最適な振動や回転動作を与えないと米と水の水分分布むらが生じ炊きむらの原因となること。
【解決手段】米と水を入れた鍋2を加熱する鍋加熱手段4と、鍋2を回転させる回転手段17とを有し、回転手段17は、炊飯時に鍋2を第1の所定時間に第1の回転数で回転する第1の回転と、第1の所定時間より短い第2の所定時間に第1の回転数より小さい第2の回転数で回転する第1の回転と反対方向に回転する第2の回転を少なくとも1回ずつ行うことで米と水を加熱しながら遠心方向および回転方向に撹拌し、米の遠心方向への移動と回転方向への移動が組み合わさることで効率よく米を掻き混ぜることができ、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることができ、味むらがなく甘みのあるご飯を提供することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は炊きむらや味むらの少ない良食味のご飯を炊飯する炊飯器に関するものである。
一般的な炊飯工程は、主として、前炊き工程、炊き上げ工程、沸騰維持工程、追い炊き工程から成り、前炊き工程で米の温度を60℃前後に維持することで吸水を促進させたり、米の温度を63℃〜70℃範囲内にすることで白米の酵素の活性化を図り、甘みの増したご飯を得るといった炊飯制御を行っており、その後強火で加熱することで鍋内の水を沸騰させる。
しかしながら、60℃〜70℃付近から強火で加熱する際に、米の糊化が急激に促進され、米粒同士が癒着して大きな塊となる。そうすると、沸騰しても米粒同士が癒着して大きな塊のままであり、鍋側面付近の米は過加熱によって硬めのご飯となり、鍋中心付近の米は水っぽいご飯となりこれが炊きむらの原因となっていた。加熱工程では水を沸騰し続けることで米と水を撹拌し米の吸水と糊化促進を行うが、沸騰中に米粒同士が癒着したままでは、米が水と接触する機会が減ることで吸水と糊化が阻害される。
そこで、従来、この種の炊飯器は、炊飯工程での昇温速度を遅くしたり、鍋に振動や回転動作を加えたり加減圧を繰り返すことで米粒を動かし、鍋内の米と水を撹拌することで炊きむらを低減させる手法が提案されている(例えば、特許文献1、2、3参照)。
図11は、特許文献1〜3に記載された従来の炊飯器の横断面図を示すものである。図11に示すように、本体1と、鍋2と、鍋加熱手段4と、回転手段17と(から構成されている。
本体1に内装された鍋2に米と水を入れて炊飯を開始すると、鍋加熱手段4たる誘導コイルが通電して鍋2が誘導加熱されると同時に、回転手段17の回転用のモータが駆動されて鍋2がゆっくり間欠回転を始め、この鍋2の間欠回転に伴い内部の水と米が流動を開始する。鍋2内の水と米の流動で、加熱された鍋2の熱が鍋2の各部分に行き渡って水と米の温度は均一に上昇するものである。これによって炊飯量の多少によっても炊き上りにムラがなくなり、美味しい御飯を炊くことのできる炊飯器を実現することを目的としている。
特開平5−115355号公報 特開平7−23851号公報 特開平6−225832号公報
しかしながら、前記従来の構成では、種々の課題を有していた。昇温速度を遅くすると炊飯時間が長くなったり、食味が低下するという課題があり、加減圧を繰り返して米と水を撹拌できるのは沸騰してからであり、前炊き工程では困難である。また、鍋に振動や回転動作を加えることで米粒同士の癒着を回避できるが、米と水をほぐすための最適な振動や回転動作を与えないと、米と水の水分分布むらが生じ、炊きむらの原因となる。
特に、回転動作の場合には遠心方向に米が偏るため、炊飯開始から炊飯終了まで米が主に遠心方向に力を受け続けるほどの回転動作をさせた場合には、炊き上がりの中央部が凹状となり、該凹部に水分が残ることで、炊き上がりの中央上部付近のご飯が水っぽい食味となる。
よって、中央上部付近のご飯とその他の部位とのご飯では炊き上がりの食感や味にばらつきが生じ、むらのあるご飯となり、ユーザーが炊き上がったご飯をほぐした場合に、食感や味の悪い部位が全体に行きわたることで総合的に美味しくないご飯という食味評価結果となる。
以上の現象は、各工程の時間が短くなる短時間炊飯において特に顕著となる。言い換えれば、以上の課題を解決することによって短時間炊飯しても炊きむらのない美味しいご飯を炊くことができるものである。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、鍋内の米と水を効率的に攪拌させることで、米の糊化によって米粒同士が癒着して大きな塊となり吸水を阻害したり、沸騰によって米と水が撹拌され難くなるという課題を解消し、加熱むらを無くして、美味しさが大幅に向上したご飯を炊飯する炊飯器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の炊飯器は、鍋と、米と水を入れた前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋を回転させる回転手段とを有し、前記回転手段は、炊飯時に前記鍋を第1の所定時間に第1の回転数で回転する第1の回転と、前記鍋を第2の所定時間に第2の回転数で回転する第2の回転を少なくとも1回ずつ行うことで米と水を加熱しながら遠心方向および回転方向に撹拌し、前記第1の所定時間は前記第2の所定時間より長く、前記第1の回転数は前記第2の回転数より大きく、前記第1の回転は前記第2の回転と反対方向に回転させるようにしたものである。
これによって、一粒の米に着目した場合、米の遠心方向への移動と回転方向への移動が組み合わさることで3次元的な軌跡をたどることになり、より攪拌が促進され効率よく米を掻き混ぜることができ、米が癒着して大きな塊となることがなく、米一粒一粒に均等に吸水が促進され、米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化を促進させることができる。
従って、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることができ、味むらがなく甘みのあるご飯を提供することができる。また、短時間炊飯において各工程の時間が短くなることで、加熱量の増加に起因して各工程の設定温度に達するまでの鍋内温度のさらなる不均一化と、各工程の設定温度に達してから保持する時間が短いことに起因して温度差の緩和が十分でないことによる炊きむらの増大に対しても、炊きむらと味むらのない美味しいご飯を炊くことができるものである。
本発明の炊飯器は、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることができ、味むらがなく甘みのあるご飯を提供することができる。また、短時間炊飯においても炊きむらと味むらのない美味しいご飯を炊くことができるものである。よって、ユーザーは美味しいご飯を炊飯条件に依存することなく確実に食することができる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図 本発明の実施の形態1における鍋の断面図 炊飯工程シーケンスにおける(a)は鍋検知温度遷移図(b)は米飯温度の遷移図 米粒群の周りを水が通る様子を示す模式説明図 米粒間を水が通る様子を示す模式説明図 本発明の実施の形態1における炊飯器の鍋内の米と水の状態を示す(a)は模式説明上面図(b)は模式説明断面図 本発明の実施の形態1における別態様の炊飯器の鍋内の米と水の状態を示す(a)は模式説明上面図(b)は模式説明断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器の炊き上げ工程の鍋内の米の温度上昇と従来の早炊きコースによる炊飯工程の鍋内の米の温度上昇を比較したグラフ 本発明の実施の形態1における炊飯器の炊飯終了後の鍋内の米と水の状態を示す(a)は模式説明上面図(b)は模式説明断面図 本発明の実施の形態1における沸騰維持工程での糊化度と従来の早炊きコースによる炊飯工程での糊化度の経時変化を比較したグラフ 従来の炊飯器の横断面図
第1の発明は鍋と、米と水を入れた前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋を回転させる回転手段とを有し、前記回転手段は、炊飯時に前記鍋を第1の所定時間に第1の回転数で回転する第1の回転と、前記鍋を第2の所定時間に第2の回転数で回転する第2の回転を少なくとも1回ずつ行うことで米と水を加熱しながら遠心方向および回転方向に撹拌し、前記第1の所定時間は前記第2の所定時間より長く、前記第1の回転数は前記第2の回転数より大きく、前記第1の回転は前記第2の回転と反対方向に回転させるようにしたことにより、一粒の米に着目した場合、米の遠心方向への移動と回転方向への移動が組み合わさることで3次元的な軌跡をたどることになり、より攪拌が促進され効率よく米を掻き混ぜることができ、米が癒着して大きな塊となることがなく、米一粒一粒に均等に吸水が促進され、米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化を促進させることができる。従って、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることができ、味むらがなく甘みのあるご飯を提供することができる。また、短時間炊飯において各工程の時間が短くなることで、加熱量の増加に起因して各工程の設定温度に達するまでの鍋内温度のさらなる不均一化と、各工程の設定温度に達してから保持する時間が短いことに起因して温度差の緩和が十分でないことによる炊きむらの増大に対しても、炊きむらと味むらのない美味しいご飯を炊くことができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の前記第1の所定時間および前記第2の所定時間を可変とすることにより、炊飯工程が進むにつれて米の状態が変化するのに応じて、遠心方向および回転方向に最適な撹拌によって効率よく米と米をほぐすことができ、3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の前記第1の回転数および前記第2の回転数を可変とすることにより、炊飯工程が進むにつれて米の状態が変化するのに応じて、遠心方向および回転方向に最適な撹拌によって効率よく米と米をほぐすことができ、3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の前記第1の回転から前記第2の
回転に切り替わる際に、前記鍋を一定時間停止させるようにしたことにより、3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明の炊飯量に応じて回転状態を変化させるようにしたことにより、鍋表面と米との摩擦力および米全体の慣性力が炊飯量によって変化することに対し最適な撹拌によって効率よく米と米をほぐすことができ、米がより効率よく攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明の前記鍋の回転により、共振によるスロッシングを起こして、米と水を攪拌するようにしたことにより、より少ないエネルギーで米と水を攪拌し、小さい回転振幅でも強い水流を引き起こすことができるので、回転動作による振動や騒音、耐久性などの品質課題に対してより信頼性を向上させることができる。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明の前記鍋は、底面と側面を繋ぐ緩やかな曲面形状を有し、かつ内周面は前記鍋の開口部に向かって径が拡大する形状としたことにより、回転させた場合に鍋内の米がより均一に攪拌されるようにすることができ、遠心力によって鍋中心部から鍋側面部に向かう米の動きの中で、緩やかな曲面形状に沿って米が移動しながら上昇することで効率よく攪拌される。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明の炊飯工程は、前炊き工程と、前記前炊き工程終了から水と米を沸騰温度まで加熱する炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する沸騰維持工程と、米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる追い炊き工程からなり、前記前炊き工程と前記炊き上げ工程において米と水を遠心方向に攪拌し、前記沸騰維持工程と前記追い炊き工程において、前記鍋の回転速度を前記前炊き工程及び前記炊き上げ工程における前記鍋の回転速度より遅くしたことにより、それぞれの炊飯工程において水と米の攪拌効果を効果的に作用させることができ、炊飯工程別に鍋の回転数や動作と非動作の程度を設定することでユーザーの望みどおりに炊飯を行うことで、炊飯時間の短縮、ユーザー好みの美味しさを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の断面図、図2は、本発明の第1の実施の形態における鍋の断面図を示すものである。
図1及び図2において、炊飯器の本体1は、着脱自在の鍋2を内装する。鍋2は内底面と内周面を繋ぐ緩やかな曲面形状Rを有し、かつ内周面は鍋開口部に向かって径が拡大する形状である。図2に示すように、鍋開口部近傍の内径Aは鍋底近傍の内径Bより大きくなっている。
本体1には、その上面を覆う蓋3が開閉自在に配設されている。本実施の形態の炊飯器は後述する方法で鍋2を誘導加熱し、鍋2内の米と水を加熱調理する。本体1は、鍋2の底部を誘導加熱する鍋加熱手段4(誘導加熱コイルである)、鍋2の温度を検知する鍋温度検知手段5、および制御手段6を有する。蓋3は更に、鍋2の開口部を覆う加熱板7、
加熱板7を誘導加熱する加熱板加熱手段8(誘導加熱コイルである)、加熱板7の温度を検知する加熱板温度検知手段9を有する。
加熱板7は、加熱板シールパッキン10が付いた着脱式の加熱板であり、蓋3の下面に取り付けられる。加熱板7は、中心部に蒸気孔11を有する。加熱板温度検知手段9は、加熱板7に圧接される。加熱板シールパッキン10は、摩擦抵抗の小さいフッ素樹脂製とした。
また、本体1は鍋2を収納する保護枠12を有し、鍋2を回転させるためのモータ13が保護枠12に取り付けられている。鍋2は、モータ13の回転動力をゴムローラ14を介して伝達され回転する。鍋2の中心軸に対しゴムローラ14と対向する部位には受けローラ15が保護枠12に取り付けられ、鍋2の回転による軸方向への振れを防止している。
また、鍋2の動作を滑らかにするために、保護枠12に支持ローラ16が取り付けられ鍋2の底部に当接し、鍋2の回転に伴う振動や騒音の発生を防止している。鍋2の回転数は、モータ13への入力を可変させることによってゴムローラ14の回転数を変えることで任意の回転数を得ることができる。本実施の形態における回転手段17は、モータ13、ゴムローラ14、受けローラ15、支持ローラ16から構成されている。
制御手段6は、回路基板(図示しない)に搭載されたマイクロコンピュータを有する。制御手段6(マイクロコンピュータ)はソフトウェアにより、ユーザーが操作パネル(図示しない)を介して入力する操作指令、鍋温度検知手段5、加熱板温度検知手段9から入力される信号に基づき、あらかじめマイクロコンピュータに記憶された炊飯プログラムにより、鍋2、加熱板7の加熱制御およびモータ13の動作制御を行う。
制御手段6は、鍋加熱手段4、加熱板加熱手段8の加熱量およびモータ13の動作を、各加熱手段およびモータの通電率及び/又は通電量によって制御する。本実施の形態では、鍋2、加熱板7を加熱することによって、被調理物たる米と水を加熱調理しており、鍋加熱手段4や加熱板加熱手段8を鍋内に入れられた被調理物を加熱する加熱装置として利用している。
以上のように構成された炊飯器について、以下その動作、作用を説明する。
ユーザーが、炊飯を行う米とその米量に対応する水とを鍋2に入れ、本体1に内装する。更にユーザーが目的とする炊飯メニューを選び、炊飯開始スイッチ(図示しない)を操作すると、炊飯工程が実施される。
炊飯工程は、時間順に前炊き、炊き上げ、沸騰維持、追い炊きに大分される。
図3は、炊飯工程シーケンスにおける(a)は鍋検知温度遷移図、(b)は米飯温度の遷移図を示すものである。
図3に示すように、鍋検知温度と米飯温度には相関関係があり、鍋温度の検知によって米飯温度を検知することができる。従って、本実施の形態では、鍋温度検知手段5が鍋内の被調理物の温度を検知する温度検知部として作用するものである。
前炊き工程Aにおいて、米の温度を糊化温度よりも低温の60℃前後に維持することで吸水を促進させて、以降の工程で米の中心部まで十分に糊化させたり、米の温度を63℃〜70℃範囲内にすることで白米の酵素の活性化を図り、甘みの増したご飯を得るといった炊飯制御を行う。本実施の形態では、米の吸水に適した第一の所定温度T1(60℃)
になるように、鍋温度検知手段5、加熱板温度検知手段9で検知した温度値信号に基づき、制御手段6は鍋加熱手段4を制御し、鍋内の米と水とを加熱する。
次に、炊き上げ工程Bにおいて、鍋2の温度が第二の所定温度T2(水の沸点。通常100℃近傍)になるまで鍋加熱手段4によって鍋2を所定の熱量で加熱し、鍋2内の水を沸騰させる。この時の温度上昇速度(加熱板温度検知手段9から入力される信号)によって、炊飯量の判定も行う。
沸騰維持工程Cにおいて、図3(a)に示すように、鍋2に水が有る間は、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(水の沸点。通常100℃近傍)で沸騰状態を維持するように、制御手段6が鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段8を制御し、鍋加熱手段4が鍋2を加熱して米と水を加熱する。そして、沸騰維持工程Cが経過していくと、鍋2内の水が蒸発して、鍋2内に水がなくなると、鍋2の温度が上昇する。鍋温度検知手段5の検知温度Taが、第三の所定温度T3(水の沸点以上)に到達すると、鍋2内に水がなくなったと判断し工程の終了とする。この工程は、米澱粉を糊化させる工程であり、炊飯後の飯の糊化度は100%近くに達するが、この工程終了時には糊化度は50〜60%程度となる。
最後に追い炊き工程Dにおいて、図3(a)に示すように、第二の所定時間t2(通常15分前後)になるまで、鍋温度検知手段5の検知温度Taが第二の所定温度T2(通常100℃近傍)で維持するように、制御手段6が、炊飯量に応じて鍋加熱手段4及び加熱板加熱手段8を制御し、鍋加熱手段4による加熱(追い炊き)と加熱の停止(休止)を繰り返す。追い炊き工程は沸騰維持工程に引き続き、米澱粉の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる工程であり、追い炊き工程の開始時には糊化度は50〜60%程度であったものが、追い炊き工程終了時、すなわち、炊飯終了時には、糊化度は100%近くに達するのである。
このような炊飯工程を実行すると、鍋温度検知手段5の検知温度Taが図3(a)に、鍋2内の温度Tb、すなわち、米の温度が図3(b)に示すように温度推移する。
通常、前炊き工程の60℃〜70℃付近から強火で加熱する際に、米の糊化が急激に促進され米粒同士が癒着して米粒群となり、沸騰時に米粒同士が癒着して米粒群のままで加熱されるために、鍋側面付近の米は過加熱によって硬めのご飯となり、鍋中心付近の米は水っぽいご飯となりこれが炊きむらの原因となっていた。また、加熱工程では水を沸騰し続けることで米と水を撹拌し米の吸水と糊化促進を行うが、沸騰中に米粒同士が癒着したままでは、米粒群の内部の米は水と接触する機会が減ることで吸水と糊化が阻害される。
図4は、米粒群の周りを水が通る様子を示す模式説明図を示すものである。
図4に示すように、複数の米粒R1が互いに付着して米粒群RG1が形成されているとき、水W1は、図4の点線矢印で示すように、米粒群RG1の外側を移動する。このため、1つの米粒R1当たりの水W1の接触面積が小さくなり、米R1の吸水が悪くなる。
本実施の形態では、前炊き、炊き上げ、沸騰維持、追い炊きの各工程別に、ユーザーが目的とする米の炊き上がり状態になるようにモータ13を制御し、鍋2を所定時間に所定回転数で所定の回転を行い、鍋2内の米と水に最適な動きを与える。
図5は、米粒間を水が通る様子を示す模式説明図である。図5に示すように、鍋2内の米と水に最適な動きが与えられることで、米に分散力が付与されて米粒集合体の形成が阻害され、米粒R1,R1同士が互いに付着せずにバラバラの状態となる。従って、鍋2内の水W1は、図5の点線矢印で示すように、互いに隣接する米粒R1,R1間を移動し、
1つの米粒R1当たりの水W1の接触面積が大きくなる。
図6は、本発明の第1の実施の形態の炊飯器の鍋内の米と水の状態を示す(a)は模式説明上面図、(b)は模式説明断面図を示すものである。
前炊き工程において、鍋2が正転と反転をそれぞれ所定時間に所定の回転数繰り返し行い、かつ正転時間は反転時間より長く、正転回転数は反転回転数より大きくする(本実施の形態では60rpmで右回りに1秒間正転し、その後14rpmで左回りに0.8秒間反転)ことにより、図6に示すように3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、炊き上げ、沸騰維持工程において米粒同士が癒着していないため、沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
すなわち、60rpmで右回りに正転させることで、遠心力によって鍋中心部から鍋側面に向かった米が1秒間経過後に、左回りに転じる際に遠心力が低下し、鍋側面から鍋中心部に戻される。
回転の方向が正転から反転に切り替わる際に、回転方向の加速度が変化するとともに、鍋表面に近い部位の米は摩擦力によって反転方向に移動しようとするが、その他の部位の米は慣性力によって正転方向に回転し続けようとするために、回転方向に米の攪拌が生じる。
このとき、鍋表面は通常平滑であるため、鍋表面と米との間の摩擦力は小さく、米全体の慣性力の方が大きいため、同じ回転数で正反転させた場合には、第1の所定時間および第2の所定時間を長くする必要があり、効率的に掻き混ぜることができない。第1の所定時間および第2の所定時間が短い場合には、米と鍋表面がスリップして米を思うように撹拌することが困難である。
よって、効率的に掻き混ぜるためには、第1の所定時間と第2の所定時間を足し合わせた時間を出来るだけ短くする必要があり、第1の所定時間は第2の所定時間より長くし、かつ第1の回転数と第2の回転数の最適条件を考える必要がある。
次に、第1の回転数と第2の回転数が共に高速回転の場合には、米と鍋表面がスリップして米を思うように撹拌することが困難であり、第1の回転数と第2の回転数が共に低速回転の場合には、米と鍋表面の摩擦力の方が米全体の慣性力よりも大きく米を思うように撹拌することが困難である。
よって、第1の回転数を第2の回転数より大きくすることで、第1の回転(正転)から第2の回転(反転)に転じる際に慣性力を徐々に低下させつつ、第2の回転(反転)に転じると、鍋表面に近い部位の米の摩擦力を攪拌に利用することが有効となる。
従って、第1の所定時間は第2の所定時間より長く、第1の回転数は第2の回転数より大きくすることで、より効率的に米を撹拌させることが出来るようになる。本実施の形態では、60rpmで右回りに1秒間回転(正転)し、その後14rpmで左回りに0.8秒間回転(反転)する動作を繰り返し行っており、効率的に米を攪拌させることが出来るものである。
即ち、一粒の米に着目した場合、米の遠心方向への移動と回転方向への移動が組み合わさることで3次元的な軌跡をたどることになり、より攪拌が促進され効率よく米を掻き混ぜることができ、米が癒着して大きな塊となることがなく、米一粒一粒に均等に吸水が促
進され、米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化を促進させることができる。
以上の動作により、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることができ、味むらがなく甘みのあるご飯を提供することができる。また、短時間炊飯において各工程の時間が短くなることで、加熱量の増加に起因して各工程の設定温度に達するまでの鍋内温度のさらなる不均一化と、各工程の設定温度に達してから保持する時間が短いことに起因して温度差の緩和が十分でないことによる炊きむらの増大に対しても、炊きむらと味むらのない美味しいご飯を炊くことができるものである。
また、第1の所定時間および第2の所定時間を可変させながら米と水を遠心方向および回転方向に撹拌することにより、炊飯工程が進むにつれて米の状態が変化することに対し最適な撹拌によって効率よく米と米をほぐすことができる。
例えば、炊飯工程において、米の吸水に適した温度に温度調整する前炊き工程に至るまでは、米は十分に吸水しておらず米の糊化も進んでいないため、おねばの溶出による米表面の粘りもない状態である。この米の状態では鍋表面と米との間の摩擦力は大きくないため、第1の所定時間および第2の所定時間を長くすることで、第1の回転が第2の回転に転じる際に軸方向への米の撹拌を促進し効率よく米と米をほぐすことができる。
また、前炊き工程の後半では、米の吸水が進み米の表面の糊化も進み始めているため、おねばの溶出による米表面の粘りが出てきている状態である。この米の状態では鍋表面と米との間の摩擦力は大きくなってきているため、第1の所定時間および第2の所定時間を短くすることで、第1の回転が第2の回転に転じる際に軸方向への米の撹拌を促進し効率よく米と米をほぐすことができる。
よって、3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
同様に、第1の回転数および第2の回転数を可変させながら米と水を遠心方向および回転方向に撹拌することにより、炊飯工程が進むにつれて米の状態が変化することに対し、最適な撹拌によっても効率よく米と米をほぐすことができる。
例えば、炊飯工程において米の吸水に適した温度に温度調整する前炊き工程に至るまでは、米は十分に吸水しておらず米の糊化も進んでいないため、おねばの溶出による米表面の粘りもない状態である。この米の状態では鍋表面と米との間の摩擦力は大きくないため、第1の回転数および第2の回転数を小さくすることで、第1の回転が第2の回転に転じる際に軸方向への米の撹拌を促進し効率よく米と米をほぐすことができる。
また、前炊き工程の後半では、米の吸水が進み米の表面の糊化も進み始めているため、おねばの溶出による米表面の粘りが出てきている状態である。この米の状態では鍋表面と米との間の摩擦力は大きくなってきているため、第1の回転数および第2の回転数を大きくすることで、第1の回転が第2の回転に転じる際に軸方向への米の撹拌を促進し効率よく米と米をほぐすことができる。
よって、3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
回転数を可変させながら撹拌することにより、鍋2内の水は共振によるスロッシングを起こし、より少ないエネルギーで米と水を攪拌でき、小さい回転振幅でも強い水流を引き起こすことができる。例えば、鍋2が第1の回転において一定の周期(例えば30回転と50回転の繰り返し)で揺すられると、鍋2内の水が波立つ。この現象は、スロッシング現象として良く知られている。
スロッシングとは、タンクのような液体を入れた容器に周期的な振動を与えた場合に,タンク内の液面が大きくうねる現象を言い、著しく大きなスロッシングが発生した場合には,構造物の破壊等に繋がることがある。スロッシング現象が発生すると、液体の液面は通常の状態では想定できない高さに達し米が攪拌される。よって、米と水の攪拌のために回転数を高める必要が無く、少ないエネルギーで効果的な米の攪拌を行うことができる。
従って、回転動作による振動や騒音、耐久性などの品質課題に対して、より信頼性を向上させることができる。
ところで、図2に示したように、鍋2は内底面と内周面を繋ぐ緩やかな曲面形状Rを有し、かつ内周面は鍋開口部に向かって径が拡大する形状であるので、回転させた場合に鍋内の米がより均一に攪拌されるようにすることができ、遠心力によって鍋中心部から鍋側面部に向かう米の動きの中で、緩やかな曲面形状に沿って米が移動しながら上昇することで3次元的に米が攪拌されることをより効率よく促進するようになっている。
図7は、本発明の第1の実施の形態の別態様の炊飯器の鍋内の米と水の状態を示す(a)は模式説明上面図、(b)は模式説明断面図を示すものである。
図7に示すように、鍋2の正転と反転の切り替え時に、鍋2を一定時間停止することにより、3次元的に米が攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことができ、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
例えば第1の回転(正転)を開始し、遠心力によって鍋中心部から鍋側面に向かった米が、回転が停止することで遠心力が低下し、鍋側面から鍋中心部に戻される時に、第2の回転(反転)に転じると、回転方向の加速度が変化することで米が回転方向へ移動する。
よって、一粒の米に着目した場合、米の遠心方向への移動と回転方向への移動が組み合わさることで、3次元的な軌跡をたどり、移動方向が周期的に変化するとともに回転周期毎の移動距離が長くなることになり、より攪拌が促進されるものである。
また、炊飯量に応じて回転状態を変化させることにより、鍋表面と米との摩擦力および米全体の慣性力が、炊飯量によって変化することに対し最適な撹拌によって効率よく米と米をほぐすことができる。
例えば、炊飯量1合の場合には、鍋表面と米との摩擦力および米全体の慣性力が共に小さいため、第1の所定時間および第2の所定時間を短く設定し、かつ第1の回転数および第2の回転数を小さく設定することで効率よく米と米をほぐすことができる。
また、炊飯量5合の場合には、鍋表面と米との摩擦力および米全体の慣性力が共に大きいため、第1の所定時間および第2の所定時間を長く設定し、かつ第1の回転数および第2の回転数を大きく設定することで効率よく米と米をほぐすことができる。
よって、米がより効率よく攪拌されることで前炊き工程で米と米の癒着を無くすことが
でき、より吸水を促進し、加熱工程において米粒同士が癒着していないため沸騰による米と水の撹拌によって米の吸水と糊化をさらに促進させることができる。
3次元的に米を攪拌させることで、より鍋内温度の均一化を図ることができるが、このことは、攪拌により米と米が癒着することなく、ほぐれた状態であることを示すものである。なぜなら、米と米が癒着した状態であれば、鍋2底からの伝熱は、米粒群を大きな米の塊と見なした熱伝導が主となり、非常に温度差の大きな温度分布を示すからである。以上のことは図8に示す鍋内温度の分布比較より明らかである。
図8は、本発明の実施の形態1における炊飯器の炊き上げ工程の鍋内の米の温度上昇と従来の早炊きコースによる炊飯工程の鍋内の米の温度上昇を比較したグラフである。
図8に示すように、本実施の形態における鍋中心と鍋底付近のご飯の温度差は、従来の早炊きコースでのそれよりも短時間に大幅に小さくなっており、より早く温度が均一化していることが判る。従来の早炊きでは、鍋加熱手段4に近接した鍋底のご飯は、急激な温度上昇によって、米の内部まで十分に吸水していない状態で一気に米の表面のみ糊化が進んでしまうとともに、糊化によって米と米の癒着が促進され、いっそう米一粒に与えられる熱量に違いができるため米の糊化度の差となり炊きむらと味むらにつながるという問題があることが分かる。
前炊き工程において鍋2を回転させることにより、米と米が癒着することを防止し、水を常時、米と接触させることで、米と水の接触効率を向上させ、吸水性能を向上することができる。よって、前炊き工程において、短時間で十分に米に吸水させることができるため、従来のように吸水不足に起因して米の中心部まで糊化が進展していない炊き上がりのご飯になることが無い。
炊き上げ工程において鍋2を回転させることにより、炊きむらが生じ易い工程の一つである炊き上げ工程での炊きむらを無くし食味低下を防ぐことができる。すなわち、鍋への入力電力が大きい炊き上げ工程において米が急激な温度上昇によって、米の内部まで十分に吸水していない状態で一気に米の表面のみ糊化が進んでしまい米と米が癒着して吸水を阻害することにより、芯が残ったご飯が炊き上がり、これが炊きむらの原因の一つとなっていた。
そこで、鍋2の回転による米と水の攪拌によって、米を3次元的に掻き混ぜて、常時同じ米が密着している状態を回避することで炊きむらを無くすとともに、米と水の接触効率を向上させることで吸水を促進することができる。
また、沸騰維持工程において、鍋2を米と水が遠心方向へ偏らない程度の低速回転をさせることにより、より吸水促進と糊化促進することができる。
すなわち、前炊き工程及び炊き上げ工程において鍋2を回転させることによって、米粒同士が癒着しておらず、沸騰による米と水の撹拌による米の吸水と糊化を促進させることができる。また、鍋を回転させることによって、鍋底から沸騰を万遍なく起こすことで加熱むらを少なくすることができる。さらに、沸騰維持工程では、沸騰による水の蒸発と米の吸水によって、鍋内の水分が減少してくるが、この時に鍋はゆっくりと回転しているため、米が遠心方向に偏って中央部に水分が多くなる偏在がなく、鍋内の水分分布が均一であるため、非常にむらの少ない炊きあがりとなる。また、炊き上がりのご飯表面はフラットで品位が良いものである。図9に炊飯器の炊飯終了後の鍋内の米と水の状態を示す模式説明図を示す。
したがって、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることができ、味むらがなく甘みのあるご飯を提供することができる。
更に、短時間炊飯において各工程の時間が短くなることで、加熱量の増加に起因して各工程の設定温度に達するまでの鍋内温度のさらなる不均一化と、各工程の設定温度に達してから保持する時間が短いことに起因して温度差の緩和が十分でないことによる炊きむらの増大に対しても、本実施の形態では、炊きむらと味むらのない美味しいご飯を炊くことができる。
図10は、本発明の第1の実施の形態における沸騰維持工程での糊化度と従来の早炊きコースによる炊飯工程での糊化度の経時変化を比較したグラフである。
図10に示すように、本実施の形態では約10分で糊化度95%まで上昇しているが、従来の早炊きでは10分でも80%に達していないため糊化不足による食味低下が懸念される。これは、早炊き(短時間炊飯)では、短時間に加熱を行うために、米の内部まで十分に吸水していない状態で一気に米の表面のみ糊化が進んでしまい、更に表面の糊化により米と米が癒着して鍋の中で大きな米の塊になることで、沸騰維持工程初期において米への吸水が阻害され、糊化不足となっている現象を示している。
本実施の形態では、前炊き工程及び炊き上げ工程において鍋の回転による米と水の攪拌によって、米を3次元的に掻き混ぜて、常時同じ米が密着している状態を回避することで、炊きむらを無くすとともに、米と水の接触効率を向上させることで、短時間に米内部まで吸水を促進することができ、更に沸騰維持工程において鍋の低速回転によって、沸騰による水の蒸発及び米の吸水に伴う鍋内の水分減少に関わらず、米と水分の偏在がなく、鍋内の水分分布が均一であるため、非常にむらの少ない炊きあがりとなり、且つ、炊き上がりのご飯表面はフラットで品位が良いものとなる。
以上のように、本発明にかかる炊飯器は、鍋内のご飯全体において芯や水っぽさがなく炊きむらのないご飯とすることが可能となるので、他の加熱調理機器等の用途にも適用できる。
1 本体
2 鍋
3 蓋
4 鍋加熱手段
5 鍋温度検知手段
6 制御手段
7 加熱板
8 加熱板加熱手段
9 加熱板温度検知手段
10 加熱板シールパッキン
11 蒸気孔
12 保護枠
13 モータ
14 ゴムローラ
15 受けローラ
16 支持ローラ
17 回転手段

Claims (8)

  1. 鍋と、米と水を入れた前記鍋を加熱する鍋加熱手段と、前記鍋を回転させる回転手段とを有し、前記回転手段は、炊飯時に前記鍋を第1の所定時間に第1の回転数で回転する第1の回転と、前記鍋を第2の所定時間に第2の回転数で回転する第2の回転を少なくとも1回ずつ行うことで米と水を加熱しながら遠心方向および回転方向に撹拌し、前記第1の所定時間は前記第2の所定時間より長く、前記第1の回転数は前記第2の回転数より大きく、前記第1の回転は前記第2の回転と反対方向に回転させるようにした炊飯器。
  2. 前記第1の所定時間および前記第2の所定時間を可変とする請求項1に記載の炊飯器。
  3. 前記第1の回転数および前記第2の回転数を可変とする請求項1または2に記載の炊飯器。
  4. 前記第1の回転から前記第2の回転に切り替わる際に、前記鍋を一定時間停止させるようにした請求項1〜3のいずれか1項に記載の炊飯器。
  5. 炊飯量に応じて回転状態を変化させるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の炊飯器。
  6. 前記鍋の回転により、共振によるスロッシングを起こして、米と水を攪拌するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の炊飯器。
  7. 前記鍋は、底面と側面を繋ぐ緩やかな曲面形状を有し、かつ内周面は前記鍋の開口部に向かって径が拡大する形状とした請求項1〜6のいずれか1項に記載の炊飯器。
  8. 炊飯工程は、前炊き工程と、前記前炊き工程終了から水と米を沸騰温度まで加熱する炊き上げ工程と、沸騰から沸騰温度より高い温度に加熱する沸騰維持工程と、米の糊化をさらに促進し余分な水分を蒸発させる追い炊き工程からなり、前記前炊き工程と前記炊き上げ工程において米と水を遠心方向に攪拌し、前記沸騰維持工程と前記追い炊き工程において、前記鍋の回転速度を前記前炊き工程及び前記炊き上げ工程における前記鍋の回転速度より遅くした請求項1〜7のいずれか1項に記載の炊飯器。
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