JP2012004068A - 電極の製造方法、電極構造および電池 - Google Patents

電極の製造方法、電極構造および電池 Download PDF

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Abstract

【課題】電池の高容量化を図りつつも、乾燥時間を短縮でき、かつ電極層の集電体との密着性の低下や内部抵抗の増大を抑制できる電極の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】本発明に係る電極の製造方法は、集電体11に電極層13が重ねられて形成される電極の製造方法であり、電極スラリーを非導電性の多孔質体31に含浸させた後、含浸させた電極スラリーを乾燥させて電極層13を形成することで、電極を製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の電極の製造方法、電極構造および電池に関する。
近年、大型のリチウムイオン二次電池の開発が盛んに行われており、電池の高容量化が図られている。リチウムイオン二次電池は、一般に、正極活物質および負極活物質の各々が集電体に塗布されて正極および負極が形成され、正極と負極が電解質を解して重ねられて構成される。電池を高容量化するには、例えば、集電体に活物質を含む電極層を厚く形成する必要がある。しかしながら、電極層を厚く形成するには、電極材料を溶剤で希釈した電極スラリーを厚塗りした後、蒸発させる溶剤が多いために乾燥時間が長くなり、工程の費用が増大する。そのため、例えば特許文献1では、電磁誘導方式を利用して高温で乾燥させることで、電極の乾燥時間を短縮している。
特開平9−245947号公報
しかしながら、溶剤の乾燥時間を短くするために乾燥温度を上げると、対流が大きくなることで材料が移動しやすいため、電極層の電極材料である助剤やバインダーが偏析しやすくなって集電体との密着性が低下し、電極の内部抵抗が増大しやすくなる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、電極スラリーを高温で乾燥させても、電極材料の偏析を抑制して内部抵抗の増大を抑制できる電極の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明に係る電極の製造方法は、集電体に電極層が重ねられて形成される電極の製造方法である。当該製造方法では、まず、電極スラリーを非導電性の多孔質体に含浸させた後、含浸させた電極スラリーを乾燥させて電極層を形成する。
上記のように構成した電極の製造方法によれば、電極スラリーを非導電性の多孔質体に含浸させるため、電極スラリー内の電極材料が、表面自由エネルギーが高い非導電性の多孔質体に吸着される。この結果、電極スラリーを高温で乾燥させても、電極材料の流動が抑制されるため、電極材料の偏析が抑制されて電極層の集電体との密着性が向上され、電極の内部抵抗の増大を抑制できる。
本発明の第1実施形態に係る電極構造を示す概略側面図である。 リチウムイオン電池の代表的な一実施形態を模式的に表した概略断面図である。 リチウムイオン電池の代表的な形態である積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る電極構造の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る電極構造を製造するための装置を示す概略断面図である。 本発明の第1実施形態に係る電極構造の製造方法の他の例を示すフローチャートである。 不織布を用いない電極構造の一例を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極構造を示す概略平面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極構造を示す概略断面図である。 図9の10−10線に沿う概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極構造の他の例を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極構造の更に他の例を示す概略平面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極構造の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る電極構造を製造するための装置を示す概略断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電極構造を製造する際の電極スラリーを掻き落とす際を示す概略断面図である。 本発明の第3実施形態に係る電極構造を示す概略平面図である。 本発明の第3実施形態に係る電極構造を示す概略断面図である。 図17の18−18線に沿う概略断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るリチウムイオン電池の電極構造は、例えば、形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。
また、リチウムイオン電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、双極型でない(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。
リチウムイオン電池内の電解質の種類で区別した場合には、電解質に非水系の電解液等の溶液電解質を用いた溶液電解質型電池、電解質に高分子電解質を用いたポリマー電池など従来公知のいずれの電解質のタイプにも適用し得るものである。電解質に高分子電解質を用いたポリマー電池に好ましく適用される。該ポリマー電池は、更に高分子ゲル電解質(単にゲル電解質ともいう)を用いたゲル電解質型電池、高分子固体電解質(単にポリマー電解質ともいう)を用いた固体高分子(全固体)型電池に分けられる。
以下の説明では、本発明の双極型でない(内部並列接続タイプ)リチウムイオン電池につき図面を用いて説明するが、決してこれらに制限されるべきものではない。
本実施形態のリチウムイオン電池10は、図2に示すように、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素(電池要素)21が、外装であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。詳しくは、高分子−金属複合ラミネートシートを電池の外装として用いて、その周辺部の全部を熱融着にて接合することにより、発電要素21を収納し密封した構成を有している。
発電要素21は、正極集電体11の両面に正極活物質を含む正極層13(電極層)が配置された正極と、電解質層17と、負極集電体12の両面に負極層15(電極層)が配置された負極とを積層した構成を有している(なお、以下では、正極層13および負極層15を総じて電極層と称する場合がある)。具体的には、1つの正極層13とこれに隣接する負極層15とが、電解質層17を介して対向するようにして、正極、電解質層および負極がこの順に積層されている。これにより、隣接する正極、電解質層および負極は、1つの単電池層19を構成する。従って、本実施形態のリチウムイオン電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。また、単電池層19の外周には、隣接する正極集電体11と負極集電体12との間を絶縁するためのシール部(絶縁層)(図示せず)が設けられていてもよい。発電要素21の両最外層に位置する最外層正極集電体には、いずれも片面のみに正極層13が配置されているが、両面に電極層が設けられてもよい。なお、図2とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層負極集電体が位置するようにし、該最外層負極集電体の片面のみに負極層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体11および負極集電体12は、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板25および負極集電板27がそれぞれ取り付けられ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出される構造を有している。正極集電板25および負極集電板27はそれぞれ、必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体11および負極集電体12に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
正極層13は、図1に示すように、非導電性の多孔質体である不織布31に、粒状の活物質32と導電助剤33が保持されて形成されている。不織布31は、正極層13の3次元的な骨格として機能しつつ、活物質32および導電助剤33を保持している。
不織布31には、樹脂製の非導電性材料が使用されており、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポエチレンテレフタレート、セルロース、ナイロン等の繊維が適用されえる。不織布31は、繊維が異方向に重なっており、かつ不織布の線径が不織布の厚さ以下となっている。なお、多孔質体として、不織布以外の形態が適用されてもよい。不織布の繊維の表面自由エネルギーは38mJ/m以上であることが好ましい。
次に、第1実施形態に係る電極構造の製造方法について、図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
上述した第1実施形態に係る電極構造を製造するには、まず、図5に示すように、不織布31をガイドロール41、42、43により搬送し、活物質、支持塩、導電助剤、および溶媒を含む電極スラリーSを貯めた含浸槽45を通過させて、不織布31に電極スラリーSを含浸させる(工程S1)。次に、ギャップ調整した2本のロール44の間を通過させて、余剰に付着した電極スラリーSを掻き落とす(工程S2)。この後、乾燥炉内にて乾燥させ、圧延によって密度を調整し、電極層が形成される(工程S3)。このように、含浸槽45を通過させて不織布31に電極スラリーSを含浸させることで、設備コストを抑えつつ製造速度を高速にすることができ、最小限のコストアップで発明に係る電極構造を製造できる。
また、本実施形態では、電極スラリーSを不織布31に保持させた状態で乾燥させるため、両面乾燥が可能となり、乾燥時間が短縮される。また、多孔質体として不織布31を用いることで、多孔質体のコストを最小限に抑えることができ、最小限のコストアップで本発明に係る電極構造を製造できる。
なお、不織布31に電極スラリーSを含浸させるには、図6に示すフローチャートのように、例えば両面ダイコーター等を用いて、不織布31の両面から電極スラリーSを塗布する(工程S1’)ことも可能である。これにより、精度の高い電極層を作成でき、電池性能を向上させることができる。
また、電極スラリーSを非導電性の不織布31に保持させた状態で乾燥させるため、高温乾燥を行なっても電極構成材料の偏在が抑制され、電池の性能低下を引き起こすことなしに乾燥時間を短縮することができる。
すなわち、不織布を用いずに電極スラリーSを高温乾燥させると、電極構成材料が偏在しやすくなり、特に導電助剤33であるカーボン粒子が偏在すると、図7に示すように、導電助剤33の少なくなった領域の電子抵抗が増大し、製造される電池の性能低下が生じやすい。
しかしながら、下表のように、一般的に、非導電性材料である樹脂材料の表面自由エネルギーは、他の電極材料より大きい。表面自由エネルギーの大きい材料は他の物質が付着しやすいため、電極スラリーSが不織布31に含浸されると、電極を構成する材料(活物質32、導電助剤33等)が優先的に不織布31の繊維に付着する。このため、例えば乾燥初期に比較的低温(例えば80度以下)で時間をかけて乾燥させた後、高温(例えば120度以上)で加熱することで残留溶媒を除去することで、電極材料の偏在を抑制する必要がない。したがって、例えば130℃以上の高温乾燥時においても電極構成材料の移動が抑制され、製造される電池の性能低下を低減できる。なお、不織布31の繊維の表面自由エネルギーは38mJ/m以上であることが好ましい。表面自由エネルギーが38mJ/m以上であれば、電極を構成する材料を効果的に付着させることができる。
Figure 2012004068
なお、本実施形態では、正極層13が不織布31を備える構造となっているが、負極層15が不織布を備える構造とすることも可能である。
本明細書において、「電解質」とは、溶媒中に溶解した際に、陽イオンと陰イオンに電離する物質を意味する。なお、下記に詳述するが、電解質が全固体電解質である場合には、「電解質(1)」または「電解質(2)」は、全固体型電解質のみを意味する。また、電解質がゲル電解質である場合には、「電解質(1)」または「電解質(2)」は、マトリックスポリマー中に電解液を保持させたゲル電解質(高分子ゲル電解質)を意味する。
<正極/負極層>
本発明において、負極層および正極層で使用される電解質の形態は特に制限されず、電解質は、液体、ゲル、または固体のいずれの形態であってもよい。ここで、「固体高分子電解質」とは、詳しくは、後述するが、高分子ゲル電解質、固体高分子型電解質、無機固体型電解質すべてを含めるものとする。
電解質としては、具体的には、従来公知の材料として、(a)ゲル電解質(高分子ゲル電解質)、(b)全固体高分子電解質(高分子固体電解質、無機固体型電解質)、(c)液体電解質(電解液)などが好ましく挙げられる。以下、これらの電解質について詳述する。
(a)ゲル電解質(高分子ゲル電解質)
ゲル電解質(高分子ゲル電解質)とは、マトリックスポリマー(ホストポリマー)中に電解液を保持させたものをいう。電解質としてゲル電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、集電体への電解質の流出をおさえ、各層間のイオン伝導性を遮断することが容易になる点で優れている。
上記ゲル電解質(高分子ゲル電解質)は、下記に詳述するように、PEO、PPOなどの全固体型高分子電解質に、通常リチウムイオン電池で用いられる電解液を含ませることにより作製される。また、PVDF、PAN、PMMAなど、リチウムイオン伝導性をもたない高分子の骨格中に、電解液を保持させたものも、ゲル電解質(高分子ゲル電解質)に含まれる。ゲル電解質を構成するポリマーと電解液との比率は、特に限定されない。ポリマー100%を全固体高分子電解質、電解液100%を液体電解質とすると、その中間体はすべてゲル電解質(高分子ゲル電解質)の概念に含まれる。また、セラミックなどの無機固体などイオン伝導性を持つ無機固体型電解質も全固体型電解質にあたる。よって、上記高分子ゲル電解質、固体高分子型電解質、無機固体型電解質すべてを含めて固体電解質とする。
ゲル電解質として用いるマトリックスポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PEO)、ポリプロピレンオキシドを主鎖または側鎖に持つポリマー(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリル酸エステル、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体(PVDF−HFP)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリ(メチルアクリレート)(PMA)、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)などが挙げられる。また、上記のポリマー等の混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体なども使用できる。これらのうち、PEO、PPOおよびそれらの共重合体、PVDF、PVDF−HFPを用いることが望ましい。
また、電解液(可塑剤)としては通常リチウムイオン電池に用いられる電解液を用いることが可能である。かかる電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものであり、電解質塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiSbF、LiAlCl、Li10Cl10、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSONとも記載)等の有機酸陰イオン塩などが挙げられる。これらの電解質塩は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、スルホラン、アセトニトリルなどが挙げられる。これらのうち、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートが好ましい。これらの溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、電解液中のリチウム塩の濃度は、特に制限されないが、通常、0.5〜2.5モル/リットル程度が好ましい。
本発明におけるゲル電解質中の電解液の割合としては、特に制限されるべきものではない。通常、マトリックスポリマーの含量は、マトリックスポリマーと電解液との合計に対して、0.1〜50質量%であり、より好ましくは1〜30質量%である。特に、PVDFをマトリックスポリマーとして使用する場合には、PVDFの含量は、マトリックスポリマーと電解液との合計に対して、1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。
ここで、電解質(1)または(2)がゲル電解質である場合に、ゲル電解質を含む電極層の形成方法は、特に制限されず、従来公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。例えば、(ア)冷却によってゲル化可能なポリマーが含有された電解液を加温状態で使用して常温までポリマーを冷却する方法、(イ)モノマーが含有された電解液を使用してモノマーを重合させる方法などを採用することができる。
上記方法のうち、(ア)の方法では、通常、電極層表面に電解液を塗付して適度の時間放置するだけで十分であるが、電極層の空隙に電解液が含浸する速度を高めるため、圧入や真空含浸などの操作を行ってもよい。ゲル電解質は、電極層内の空隙を完全に充填して形成されることが好ましいが、ある程度の空隙が残留しても電池特性に大きな支障はない。電池特性が低下する程の空隙が生じる場合は、上述の様な含浸速度を高める方法を採用するのが好ましい。なお、上記(ア)で使用されるゲル化可能なポリマーは、上記マトリックスポリマーから適宜選択される。具体的には、PMMA、PEMA、PMA、PEA、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、PVDF、PVDF−HFP、PANなどが挙げられる。
また、上記(イ)の方法は、電解液の粘度が低いため、電極層の空隙中に電解液を含浸させるのが容易である。電極層の厚さは通常1mm以下であるため、電解液の含浸は速やかに完了する。また、いずれの方法による場合も塗膜にカレンダー処理を加えることにより、塗膜を圧密し活物質の充填量を高めることができる。なお、上記(イ)で使用されるモノマーは、所望のゲル電解質の種類によって適宜選択される。重合の制御が容易で且つ重合時に副生成物が発生しない付加重合により生成される高分子が好適である。特に、反応性不飽和基含有モノマーの付加重合により生成される高分子は、その生産性にも優れる。具体的には、反応性不飽和基含有モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロニトリル等が挙げられる。また、上記モノマーの重合方法としては、熱、紫外線、電子線などによる公知の方法が適用できる。生産性の観点から紫外線による方法が好ましい。この場合、反応を効果的に進行させるため、電解液に紫外線に反応する重合開始剤を配合することも出来る。紫外線重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキザイド等が挙げられる。
より具体的には、溶媒に電解質塩を溶解させて、電解液を調製する。この電解液に、マトリクスポリマーおよび重合開始剤を添加して、電解質前駆体溶液を調製する。次に、電極層を上記電解質前駆体溶液に浸漬した後、余分な電解質前駆体溶液を除去することにより、含浸電極層を得る。さらに、電極層の電解質を重合する。ここで、電極層の電解質前駆体溶液への浸漬条件は、電極層に電解質前駆体溶液が十分染み込むような条件であれば特に制限されない。具体的には、電極層を、電解質前駆体溶液中に、15〜60℃、より好ましくは20〜50℃の温度で、1〜120分間、より好ましくは5〜60分間、浸漬することが好ましい。また、所定条件で浸漬した後は、余分な電解質前駆体溶液を除去するが、この際に使用できる方法としては、特に制限されず、公知の方法が使用できる。例えば、電解質前駆体溶液が染み込んだ電極層を、履形フィルムで挟んだ後、ロールなどで軽くしごく方法;電解質前駆体溶液が染み込んだセパレータ基材を軽く絞る方法などが好ましく使用できる。
(b)全固体型電解質(高分子固体電解質、無機固体型電解質)
電解質として全固体型電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、集電体層への電解質の流出がなくなり各層間のイオン伝導性を遮断することが可能になる点で優れている。
全固体型電解質としては、例えば、PEO、PPO、これらの共重合体などの公知の高分子固体電解質、セラミックなどのイオン伝導性を持つ無機固体型電解質が挙げられる。高分子固体電解質中には、イオン伝導性を確保するためにリチウム塩が含まれる。リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiSbF、LiAlCl、Li10Cl10、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSONとも記載)等の有機酸陰イオン塩などが挙げられる。好ましくは、LiBF、LiPF、LiN(SOCF、LiN(SOが使用できる。なお、上記リチウム塩は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
(c)液体電解質(電解液)
電解液とは、電解質塩を溶媒に溶かしたものが挙げられる。ここで、電解質塩としては、特に制限されない。具体的には、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiSbF、LiAlCl、Li10Cl10、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、Li(CFSON、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)、LiBETI(リチウムビス(パーフルオロエチレンスルホニルイミド);Li(CSONとも記載)等の有機酸陰イオン塩などが挙げられる。これらの電解質塩は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、溶媒もまた、特に制限されない。具体的には、溶媒としては、EC、PC、GBL、DMC、DECなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上述したように、電極層は、集電体上に形成され、充放電反応の中心を担う活物質を含む層である。
ここで、正極活物質は、放電時にイオンを吸蔵し、充電時にイオンを放出する組成を有する。好ましい一例としては、遷移金属とリチウムとの複合酸化物であるリチウム−遷移金属複合酸化物が挙げられる。具体的には、LiCoOなどのLi・Co系複合酸化物、LiNiOなどのLi・Ni系複合酸化物、スピネルLiMnなどのLi・Mn系複合酸化物、LiFeOなどのLi・Fe系複合酸化物およびこれらの遷移金属の一部を他の元素により置換したものなどが使用できる。これらリチウム−遷移金属複合酸化物は、反応性、サイクル特性に優れ、低コストな材料である。そのためこれらの材料を電極に用いることにより、出力特性に優れた電池を形成することが可能である。この他、前記正極活物質としては、LiFePOなどの遷移金属とリチウムのリン酸化合物や硫酸化合物;V、MnO、TiS、MoS、MoOなどの遷移金属酸化物や硫化物;PbO、AgO、NiOOHなど、を用いることもできる。上記正極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。正極活物質の平均粒子径は、特に制限されないが、正極活物質の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。このような範囲であれば、二次電池は、高出力条件下での充放電時における電池の内部抵抗の増大が抑制され、充分な電流を取り出しうる。なお、正極活物質が2次粒子である場合には該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であるのが望ましいといえるが、本発明では、必ずしも上記範囲に制限されるものではない。ただし、製造方法にもよるが、正極活物質が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくても良いことはいうまでもない。かかる正極活物質の粒径および1次粒子の粒径は、レーザー回折法を用いて得られたメディアン径を使用できる。なお、正極活物質の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。
また、負極活物質は、放電時にイオンを放出し、充電時にイオンを吸蔵できる組成を有する。負極活物質は、リチウムを可逆的に吸蔵および放出できるものであれば特に制限されないが、負極活物質の例としては、SiやSnなどの金属、或いはTiO、Ti、TiO、もしくはSiO、SiO、SnOなどの金属酸化物、Li4/3Ti5/3もしくはLiMnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Li、または天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどの炭素材料などが好ましく挙げられる。また、負極活物質は、リチウムと合金化する元素を含むことが好ましい。リチウムと合金化する元素を用いることにより、従来の炭素系材料に比べて高いエネルギー密度を有する高容量及び優れた出力特性の電池を得ることが可能となる。上記負極活物質は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
上記のリチウムと合金化する元素としては、以下に制限されることはないが、具体的には、Si、Ge、Sn、Pb、Al、In、Zn、H、Ca、Sr、Ba、Ru、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Cd、Hg、Ga、Tl、C、N、Sb、Bi、O、S、Se、Te、Cl等が挙げられる。これらの中でも、容量およびエネルギー密度に優れた電池を構成できる観点から、炭素材料、ならびに/またはSi、Ge、Sn、Pb、Al、In、およびZnからなる群より選択される少なくとも1種以上の元素を含むことが好ましく、炭素材料、Si、またはSnの元素を含むことが特に好ましい。これらは1種単独で使用しても良いし、2種以上を併用してもよい。
負極活物質の平均粒子径は、特に制限されないが、負極活物質の高容量化、反応性、サイクル耐久性の観点からは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは1〜20μmである。このような範囲であれば、二次電池は、高出力条件下での充放電時における電池の内部抵抗の増大が抑制され、充分な電流を取り出しうる。なお、負極活物質が2次粒子である場合には該2次粒子を構成する1次粒子の平均粒子径が10nm〜1μmの範囲であるのが望ましいといえるが、本発明では、必ずしも上記範囲に制限されるものではない。ただし、製造方法にもよるが、負極活物質が凝集、塊状などにより2次粒子化したものでなくても良いことはいうまでもない。かかる負極活物質の粒径および1次粒子の粒径は、レーザー回折法を用いて得られたメディアン径を使用できる。なお、負極活物質の形状は、その種類や製造方法等によって取り得る形状が異なり、例えば、球状(粉末状)、板状、針状、柱状、角状などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、いずれの形状であれ問題なく使用できる。好ましくは、充放電特性などの電池特性を向上し得る最適の形状を適宜選択するのが望ましい。
電極層には、必要であれば、その他の物質が含まれてもよい。例えば、導電助剤、バインダー等が含まれうる。また、イオン伝導性ポリマーが含まれる場合には、前記ポリマーを重合させるための重合開始剤が含まれてもよい。
導電助剤とは、電極層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、グラファイト等のカーボン粉末や、気相成長炭素繊維(VGCF;登録商標)等の種々の炭素繊維、膨張黒鉛などが挙げられる。しかし、導電助剤がこれらに限定されないことは言うまでもない。
バインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリイミド、PTFE、SBR、合成ゴム系バインダー等が挙げられる。しかし、バインダーがこれらに限定されないことはいうまでもない。また、バインダーとゲル電解質として用いるマトリックスポリマーとが同じ場合には、バインダーを使用する必要はない。
電極層に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、リチウムイオン二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
<集電体>
本発明において、集電体の材質は、特に限定されないが、具体的な例としては、例えば、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、チタン、モリブデン、バナジウム、ニオブ、アルミニウム、銅、銀、金、白金およびカーボンよりなる群から選ばれてなる少なくとも1種類の集電体材料、より好ましくはアルミニウム、チタン、銅、ニッケル、銀、またはステンレス(SUS)よりなる群から選ばれてなる少なくとも1種類の集電体材料などが好ましく挙げられ、これらは単層構造(例えば、箔の形態)で用いてもよいし、異なる種類の層で構成された多層構造で用いてもよいし、これらで被覆されたクラッド材(例えば、ニッケルとアルミニウムのクラッド材、銅とアルミニウムのクラッド材)を用いてもよい。あるいは、これらの集電体材料の組み合わせのめっき材なども好ましく使える。また、上記集電体材料である金属(アルミニウムを除く)表面に、他の集電体材料であるアルミニウムを被覆させた集電体であってもよい。また、場合によっては、2つ以上の上記集電体材料である金属箔を張り合わせた集電体を用いてもよい。上述の材質は、耐食性、導電性、または加工性などに優れる。集電体の一般的な厚さは、5〜50μmである。ただし、この範囲を外れる厚さの集電体を用いてもよい。
集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
電極スラリーSは、正極活物質(または負極活物質)、ならびに必要であれば、イオン伝導性を高めるための電解質塩、電子伝導性を高めるための導電助剤、および結着剤を、適当な溶剤に分散、溶解などして、正極活物質液(または負極活物質液)を調製する。これを集電体上に塗布、乾燥して溶剤を除去した後、プレスすることによって、正極層(または負極層)が集電体上に形成される。この際、溶剤としては、特に制限されないが、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルホルムアミド、シクロヘキサン、ヘキサンなどが用いられうる。結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)を採用する場合には、NMPを溶媒として用いるとよい。
<電解質層>
本発明の非水電解質二次電池においては、正極と負極との間に電解質層が設けられる。ここで、電解質層は、セパレータを有することが好ましい。
また、セパレータの構造は特に制限されず、1層のみ(セパレータ自体が電解質層を構成する)であっても、あるいは2層以上の積層体であってもよい。
ここで、セパレータとしては、特に制限されず、公知のセパレータ基材が使用できる。例えば、微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフィルム、微孔性エチレン−プロピレンコポリマーフィルムなどのポリオレフィン系樹脂、ならびにアラミド、ポリイミド、セルロースなどの多孔膜または不織布、これらの積層体などが挙げられる。これらは、電解質(電解液)との反応性を低く抑えることができるという優れた効果を有する。他に、ポリオレフィン系樹脂不織布またはポリオレフィン系樹脂多孔膜を補強材層に用い、前記補強材層中にフッ化ビニリデン樹脂化合物を充填した複合樹脂膜なども挙げられる。
セパレータ基材の厚さは、使用用途に応じて適宜決定すればよいが、自動車等のモータ駆動用二次電池などの用途においては、1〜100μm程度とすればよい。また、セパレータ基材の多孔度、大きさなどは、得られる二次電池の特性を考慮して、適宜決定すればよい。例えば、セパレータ基材の空孔率は、好ましくは30〜80%、より好ましくは40〜70%である。また、セパレータ基材の曲路率は、好ましくは1.2〜2.8である。このような多孔度を有するセパレータ基材であれば、電解液及びセパレータ層の電解質を十分量導入することができ、かつセパレータ層の強度も十分維持できる。
また、セパレータに含浸する電解質は、特に制限されず、公知の電解質が使用できる。具体的な電解質としては、上記負極層/正極層で記載したのと同様のものが使用できるため、ここでは説明を省略する。
<リチウムイオン二次電池の外観構成>
積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50は、図3に示すように、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ58、負極タブ59が引き出されている。発電要素(電池要素)57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素(電池要素)57は、正極タブ58及び負極タブ59を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素(電池要素)57は、先に説明した図2に示すリチウムイオン二次電池10の発電要素(電池要素)21に相当するものであり、正極(正極層)13、電解質層17および負極(負極層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、本発明のリチウムイオン電池は、図2に示すような積層型の扁平な形状のものに制限されるものではなく、巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のものであってもよいし、こうした円筒型形状のものを変形させて、長方形状の扁平な形状にしたようなものであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素(電池要素)がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図3に示すタブ58、59の取り出しに関しても、特に制限されるものではなく、正極タブ58と負極タブ59とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ58と負極タブ59をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出しようにしてもよいなど、図3に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、タブに変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
本発明のリチウムイオン電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
第1実施形態によれば、電極スラリーSを非導電性の多孔質体(不織布31)に含浸させた後、電極スラリーSを乾燥させて電極層を形成するため、表面自由エネルギーの大きい多孔質体に電極構成材料が吸着され、高温乾燥を行なっても、電極層における電極構成材料の偏在が抑制される。このため、電池の性能低下を引き起こすことなしに乾燥時間を短縮できる。
また、電極スラリーSを多孔質体(不織布31)の両面から塗布して含浸させれば、精度の高い電極層を作成でき、電池性能を向上させることができる。
また、電極スラリーSを含浸させた多孔質体(不織布31)を130度以上で乾燥させれば、電極構成材料の偏在を抑制して電池の性能低下を抑えつつも、高温乾燥によって乾燥時間を短縮できる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る電極構造は、後述する厚さ調整手段を備える点で、第1実施形態と異なる。なお、第1の実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
第2実施形態に係る電極構造の正極層60は、図8〜10に示すように、非導電性の不織布31の両面の面外方向外側に、厚さ調整手段である枠体61A,61Bが配置されている。また、不織布31には、活物質、導電助材およびバインダー等を含む電極材料62が含まれている。
枠体61A,61Bはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたはポリスチレン等の熱可塑性樹脂で形成される。枠体61A,61Bの体積低効率は、1Ω・cm以上であることが好ましい。
枠体61A,61Bは、不織布31の面に沿って延在する複数の長尺部63A,63Bで構成され、長尺部63A,63Bの延在方向と垂直な断面の形状が、図9に示すように、不織布31の面外方向に向かって突出する曲線で形成されている。長尺部63A,63Bの面外方向へ突出する曲線の最先端部は、長尺部63A,63Bの延在方向に延びる線状の稜線部64A,64Bとして形成される。図10に示すように、稜線部64Aは、不織布31の一方面側において同一平面上に位置し、稜線部64Bは、不織布31の他方面側において同一平面上に位置することが好ましい。枠体61A,61Bの幅、すなわち互いに反対面に位置する稜線部64Aと稜線部64Bの間の間隔は、均一に形成される。なお、厚さ調整手段は、図11に示すように、延在方向と垂直な断面の形状が、不織布31の面外方向に向かって鋭角に突出する長尺部66A,66Bにより形成されてもよい。また、厚さ調整手段は、枠体ではなく、図12に示すように、ストライプ状に延びる複数の長尺部67で形成されてもよい。また、厚さ調整手段を構成する長尺部は、かならずしも直線的に平行に並んで延在する必要はなく、曲線部や屈曲部を有してもよい。また、厚さ調整手段は、不織布31の両面ではなく一方面のみに設けられてもよい。
正極層60の電極材料62は、枠体61A,61Bの稜線部64A,64Bよりも内側に位置している。
次に、第2実施形態に係る電極構造の製造方法について、図13に示すフローチャートに基づいて説明する。
上述した第2実施形態に係る電極構造を製造するには、まず、不織布31の表面の両側(または片側)に厚さ調整手段である枠体61A,61Bを配置し、熱プレス機で融着すると同時に複合体を形成する(工程S11)。この際、枠体61A,61Bが熱可塑性樹脂製であることから、熱成形が可能であり、かつ硬度が低いため、熱プレス等によって不織布31に融着が可能であるとともに所望の厚さへの形成が容易である。
次に、図14、15に示すように、不織布31の両面に枠体61A,61Bが固定された複合体Fをガイドロール71,72,73により搬送し、活物質、支持塩、導電助剤、および溶媒を含む電極スラリーSを貯めた含浸槽75を通過させて、複合体Fに電極スラリーSを含浸させる(工程S12)。次に、枠体61A,61Bと接するように隙間を調整した2本のロールからなる掻き落とし治具74の間を通過させて、余剰に付着した電極スラリーSを掻き落とす(工程S13)。複合体Fに電極スラリーSを含浸させた工程S12の直後の状態では、含浸された電極スラリーSの厚みが不織布31同様に不均一であるが、図15に示すように、厚さの均一な枠体61A,61Bをガイドとして掻き落とし治具74で掻き落とすことで、表面が均一となる。特に、枠体61A,61Bが面外方向へ突出して形成されており、かつ稜線部64A,64Bが同一平面で形成されているため、掻き落とし治具74と枠体61A,61Bが線接触してシール性が確保される。このため、電極スラリーSが枠体61A,61Bよりも外側に付着していても、枠体61A,61Bよりも外側の電極スラリーSが掻き落とし治具74により掻き落とされる。電極スラリーSが枠体61A,61Bよりも外側に付着すると、後述する圧延プレスにおいて均一な荷重がかからず、電極層の厚みや密度が不均一になりやすくなるが、掻き落としによって電極スラリーSが枠体61A,61Bよりも外側に付着しないため、電極層の厚みや密度が均一となる。このため、電極層の面内での充放電のばらつきや、リチウムデンドライト(樹枝状析出物)等の発生が抑制され、安定した充放電性能を得ることができる。また、枠体61A,61Bが樹脂製であるため、硬度が低く、電極スラリーSの掻き落とし時に掻き落とし治具74が摩耗され難い。
この後、乾燥炉内にて乾燥させ、圧延プレスによって密度を調整し、電極層が形成される(工程S14)。
第2実施形態によれば、厚さ調整手段である枠体61A,61Bが設けられた不織布31に電極スラリーSを含浸させた後、掻き落とし治具74間を通過させて余分な電極スラリーSを掻き落とすため、枠体61A,61Bよりも外側の電極スラリーSが掻き落とされる。このため、電極層の厚みや密度が均一となり、電極層の面内での充放電のばらつきや、リチウムデンドライト等の発生が抑制され、安定した充放電性能を得ることができる。
また、厚さ調整手段である枠体61A,61Bの延在方向と垂直な断面の形状が、多孔質体の面外方向に向かって突出した曲線(または鋭角)に形成されるため、電極スラリーSを掻き落とす際に、掻き落とし治具と枠体61A,61Bが線接触してシール性が確保される。このため、電極スラリーSが枠体61A,61Bよりも外側に付着せず、後工程の圧延プレスにおいて形成される電極層の厚みや密度が均一となり、安定した充放電性能を得ることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る電極構造は、厚さ調整手段の構造のみが、第2実施形態と異なる。なお、第1,第2の実施形態と同様の機能を有する部位については同一の符号を使用し、重複を避けるため、その説明を省略する。
第3実施形態に係る電極構造の正極層80は、枠体81が非導電性の不織布31の両面に貫通して設けられる。すなわち、不織布31が存在する層において、枠体81が、不織布31の隙間を埋めるようにして両側に達して形成されている。不織布31には、活物質、導電助材およびバインダー等を含む電極材料62が含浸されている。枠体は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルまたはポリスチレン等の熱可塑性樹脂で形成される。
このような正極層80を製造するために、枠体81と不織布31からなる複合体を用いるが、不織布31に枠体81が貫通した複合体は、熱プレス機で融着することで容易に形成できる。熱プレスでは、不織布31の材料よりも枠体61A,61Bの材料の融点を低くなるように材料を選定し、両者を重ねて熱プレスすることで枠体61A,61Bのみを溶融させて、不織布31の隙間に枠体61A,61Bの材料を含浸させることが可能である。なお、枠体61A,61Bの厚さは、熱プレス機の間にスペーサーを配置することで容易に調整できる。
複合体を形成した後の電極構造の製造方法は、第2実施形態と同様である。
第3実施形態によれば、非導電性の枠体81が不織布31の両面に貫通しているため、非導電性の枠体81により、電極層が面方向に区画化され、区画内での電気容量を所望の量に限定することができる。すわなち、本実施形態に示すような枠体81が電極層に設けられない場合、内部短絡等が発生した際には、電極層の不具合部分に電池全体の電気容量分の電流が集中し、温度が上昇する。しかしながら、本実施形態では、非導電性の枠体81が不織布31の両面に貫通しているため、区画化内の電気容量分しか電流が流れず、温度が上昇し難くなり、内部短絡等における安全性を向上させることができる。特に、電極層が高容量化し、または大面積化する場合において、内部短絡等での電流集中による温度上昇が大きくなることから、非導電性の枠体81を不織布31の両面に貫通させることが、安全性を向上させる上で効果的である。
また、このような非導電性の枠体81が不織布31の両面に貫通する電極構造を有する電池であれば、内部短絡等における安全性を向上させることができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
(1−1)正極の作成
(1−1−a)電極スラリーの作成
正極活物質としてのマンガン酸リチウム粉末(LiMn)と、導電助剤としてのカーボン粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを、重量比90:5:5で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に分散させて正極スラリーを作成した。
(1−1−b)正極層の作成
ポリプロピレン製の不織布(厚み100μm、目付け20g/m)を、(1−1−a)で作成した電極スラリーを収容した含浸槽を通過させて、不織布に電極スラリーを含浸させた。次に、ギャップ調整した2本のロールの間を通過させて余剰に付着した電極スラリーを掻き落とした。この後、乾燥炉内にて電極スラリーを乾燥させ、圧延による密度調整を経て、正極層を作成した。
(1−1−c)正極板の作成
正極集電体となるアルミ箔に導電性接着剤(接着剤樹脂:オレフィン、導電フィラー:カーボン)を塗布し、上記(1−1−b)で作成した正極層を重ね合わせ、ホットプレス機にて5MPaの圧力で1分間の熱プレスを行ない、正極層と正極集電体(アルミ箔)を接合して正極板とした。
(1−2)負極の作成
(1−2−a)電極スラリーの作成
負極活物質としてのグラファイト粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを重量比95:5で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に分散させて負極スラリーを作成した。
(1−2−b)負極層の作成
ポリプロピレン製の不織布(厚み100μm、目付け20g/m)を、(1−2−a)で作成した負極スラリーを収容した含浸槽を通過させ、不織布に電極スラリーを含浸させた。次に、ギャップ調整した2本のロールの間を通過させて余剰に付着した電極スラリーを掻き落とした。この後、乾燥炉内にて乾燥させ、圧延による密度調整を経て電極層を作成した。
(1−2−c)負極板の作成
負極集電体となる銅箔に導電性接着剤(接着剤樹脂:オレフィン、導電フィラー:カーボン)を塗布し、上記(1−2−b)で作成した負極層を重ね合わせ、熱プレス機にて5MPaの圧力で1分間の熱プレスを行ない、負極層と負極集電体(銅箔)を接合して負極板とした。
(1−3)電池の作成
上記(1−1)、(1−2)で作成した正極板および負極板を、セパレータ(ポリエチレン多孔膜)を介して積層し、この積層体をアルミラミネート袋に入れ、炭酸エチレン・炭酸ジエチル混合溶媒に1mol/LのLiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)を溶解させて作成した電解液を注入後、袋の口を封止して電池を作成した。
(実施例2)
(2−1)正極の作成
(2−1−a)電極スラリーの作成
正極活物質としてのマンガン酸リチウム粉末(LiMn)と、導電助剤としてのカーボン粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを、重量比90:5:5で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に分散させて正極スラリーを作成した。
(2−1−b)正極層の作成
ポリプロピレン製の不織布(厚み100μm、目付け20g/m)の両面に、両面ダイコーターを用いて(2−1−a)で作成した正極スラリーを塗工し、乾燥炉内にて乾燥させ、圧延による密度調整を経て正極層を作成した。
(2−1−c)正極板の作成
正極集電体となるアルミ箔に導電性接着剤(接着剤樹脂:オレフィン、導電フィラー:カーボン)を塗布し、上記(2−1−b)で作成した正極層を重ね合わせ、熱プレス機にて5MPaの圧力で1分間の熱プレスを行ない、正極層と正極集電体(アルミ箔)を接合して正極板とした。
(2−2)負極の作成
(2−2−a)電極スラリーの作成
負極活物質としてのグラファイト粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを重量比95:5で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に分散させて負極スラリーを作成した。
(2−2−b)負極層の作成
ポリプロピレン製の不織布(厚み100μm、目付け20g/m)に両面ダイコーターを用いて(2−2−a)で作成した負極スラリーを塗工し、乾燥炉内にて乾燥させ、圧延による密度調整を経て電極層を作成した。
(2−2−c)負極板の作成
負極集電体となる銅箔に導電性接着剤(接着剤樹脂:オレフィン、導電フィラー:カーボン)を塗布し、上記(2−2−b)で作成した負極層を重ね合わせ、熱プレス機にて5MPaの圧力で1分間の熱プレスを行ない、負極層と負極集電体(銅箔)を接合して負極板とした。
(2−3)電池の作成
上記(2−1)、(2−2)で作成した正極板および負極板を、セパレータ(ポリエチレン多孔膜)を介して積層し、この積層体をアルミラミネート袋に入れ、炭酸エチレン・炭酸ジエチル混合溶媒に1mol/LのLiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)を溶解させて作成した電解液を注入後、袋の口を封止して電池を作成した。
(比較例1)
(3−1)正極の作成
正極活物質としてのマンガン酸リチウム粉末(LiMn)と、導電助剤としてのカーボン粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを、重量比90:5:5で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に分散させて正極スラリーを作成した。この正極スラリーを、正極集電体となるアルミ箔にダイコーターにて塗布し、乾燥させた後に圧延して、正極板とした。
(3−2)負極の作成
負極活物質としてのグラファイト粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを重量比95:5で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に分散させて負極スラリーを作成した。この負極スラリーを、負極集電体となる銅箔にダイコーターにて塗布し、乾燥させた後に圧延して、負極板とした。
(3−3)電池の作成
上記(3−1)、(3−2)で作成した正極板および負極板を、セパレータ(ポリエチレン多孔膜)を介して積層し、この積層体をアルミラミネート袋に入れ、炭酸エチレン・炭酸ジエチル混合溶媒に1mol/LのLiPF(ヘキサフルオロリン酸リチウム)を溶解させて作成した電解液を注入後、袋の口を封止して電池を作成した。
(4)評価試験結果
上述の実施例1、実施例2および比較例1の電池により計測されたセル抵抗値(Ω・cm)を、下の表に示す。
Figure 2012004068
上記の表のように、不織布を使用しない電極(比較例1)では、乾燥温度を上げるとセル抵抗が大きく上昇するが、不織布を使用した電極(実施例1、実施例2)では乾燥温度を上げてもセル抵抗の大きな上昇は見られなかった。
(実施例3)
活物質としての黒鉛と、導電助剤としてのカーボン粉末と、バインダーとしてのPVDF(ポリフッ化ビニリデン)とを、重量比90:4:6で配合し、溶媒としてのNMP(N−メチル−ピロリドン)に固形分率50%で分散させて電極スラリーを作成した。
ナイロン(PA)製の不織布(厚み90μm)の表面の両側に、厚さ調整手段としてポリエチレン(PE)製の格子状の枠体(1つの格子の辺の長さ3mm、格子の梁の幅0.5mm、格子の梁の厚さ145μm)を配置し、熱プレスで融着して複合体を形成した。不織布の材料のナイロンに比べ枠体の材料のポリエチレンの方が融点が低いため、両者を重ねて熱プレスを行うことで、ポリエチレン製である格子のみを溶融させ、不織布の隙間に枠体の材料を含浸させた。なお、枠体の厚さは、熱プレス間にスペーサーを配置することで調整した。枠体の延在方向と垂直な断面の形状は、不織布の面外方向に向かって突出する曲線で形成した(図9参照)。
次に、複合体を、電極スラリーを収容した含浸槽を通過させて、複合体に電極スラリーを含浸させた。そして、ギャップ調整した2本のロールの間を通過させて、余剰に付着した電極スラリーを掻き落とした。この後、乾燥炉内にて乾燥させ、圧延プレスによって密度を調整し、電極層を形成した。
(比較例2)
比較例2として、実施例3と同様の方法で、同様の不織布および電極スラリーを用いて電極層を作成した。ただし、厚さ調整手段は用いなかった。
(5)評価試験結果
上述の実施例3および比較例2の電池により計測された電極層の厚さを、面内の異なる3箇所で計測した結果を下の表に示す。
Figure 2012004068
結果として、実施例3は、電極層の厚さのばらつきが、比較例2よりも低いことが確認された。
また、上述の実施例3および比較例2の電極層により抵抗値を計測した結果を下の表に示す。
Figure 2012004068
面内抵抗は、面に沿う方向の抵抗であり、面直抵抗は、面の厚さ方向の抵抗である。面直抵抗は、電池の充放電性能にかかわる。
なお、電極層の厚さが比較例2よりも実施例2に対して約1.5倍であることから、面直抵抗値は、比較例2よりも実施例3が大きくなっているが、同一厚さに換算すれば実質的に同程度であり、厚さ調整手段の有無による違いは殆どなく、厚さ調整手段が存在することにより充放電性能が悪化しないことが確認された。
また、面に沿う方向の面内抵抗値は、比較例2に対して実施例3が約10倍以上となった。したがって、実施例3では、比較例2に対して、内部短絡等が起きた際に集中する電流値を低減する能力が高く、安全性が向上することが確認された。なお、実施例3において、厚さ調整手段である枠体が不織布を貫通しているため、理論上は抵抗値が無限大になるが、本評価では枠体上に電極層が多少載っており、多少の導電性が確認された。
11 正極集電体、
12 負極集電体、
13,60,80 正極層(電極層)、
15 負極層(電極層)、
31 不織布(多孔質体)、
61A,61B,81 枠体(厚さ調整手段)、
74 掻き落とし治具、
S 電極スラリー。

Claims (7)

  1. 集電体に電極層が重ねられて形成される電極の製造方法であって、
    電極スラリーを非導電性の多孔質体に含浸させる工程と、
    含浸させた前記電極スラリーを乾燥させて電極層を形成する工程と、を有する電極の製造方法。
  2. 前記電極スラリーを前記多孔質体の両面から塗布して含浸させる、請求項1に記載の電極の製造方法。
  3. 前記電極スラリーを含浸させた前記多孔質体を130℃以上で乾燥させる、請求項1または2に記載の電極の製造方法。
  4. 前記多孔質体の表面の少なくとも一方面に沿って延在して厚さ調整手段が設けられており、
    当該厚さ調整手段が設けられた多孔質体に電極スラリーを含浸させた後、前記厚さ調整手段と接するように隙間を調整した治具間を通過させて余分な電極スラリーを掻き落とす工程を有する、請求項1〜3に記載の電極の製造方法。
  5. 前記厚さ調整手段は、当該厚さ調整手段の延在方向と垂直な断面の形状が、前記多孔質体の面外方向に向かって鋭角または曲線で形成されている、請求項4に記載の電極の製造方法。
  6. 集電体に電極層が重ねられて形成される電極構造であって、
    非導電性の多孔質体と、
    前記多孔質体の両面に沿って延在して設けられ、かつ前記多孔質体を貫通する厚さ調整手段と、
    前記多孔質体の内部に少なくとも一部が保持され、前記厚さ調整手段の面外方向先端部よりも内側に位置する活物質と、を有する電極構造。
  7. 請求項6に記載の電極構造を用いた電池。
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