JP2012003963A - 回路遮断器 - Google Patents

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Abstract

【課題】アーク転流板に転流したアークの駆動力を高めることができる回路遮断器を提供する。
【解決手段】第1の固定接触子1及び第2の固定接触子2と、これらを橋絡する可動接触子3と、前記可動接触子3の反固定接触子1、2側に配置されたコ字状の磁性体8と、接点間に発生したアークを消弧する消弧室5と、前記接点間に発生したアークを転流させるアーク転流板7とを備えた回路遮断器において、前記アーク転流板7の前記消弧室5と対応する位置に、前記アーク転流板7に転流したアークを前記消弧室5側へ駆動する第1の磁気ヨーク9を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、互いに対向する一対の固定接触子とこれらの間を橋絡する可動接触子とからなる電流遮断部を各相ごとに備える回路遮断器に関する。
この種の回路遮断器として、特許文献1に開示された構成が知られている。図5は、従来例を示す回路遮断器の電流遮断部の側面図である。
図において、回路遮断器の電流遮断部は、第1の固定接点1aを有するU字状からなる第1の固定接触子1と、第2の固定接点2aを有するL字状からなる第2の固定接触子2と、前記固定接点1a、2aと接触する可動接点3a、3aを両端に有する可動接触子3と、U字状の磁性体からなる複数枚のグリッド4を有する消弧室5からなり、前記可動接触子3は接触スプリング6により前記第1及び第2の固定接触子1、2に押圧されている。
また、前後の消弧室5、5の間にはアーク転流板7が両消弧室5、5間に跨がるように配置されており、このアーク転流板7は接触スプリング6の受板にもなっている。さらに、前記可動接触子3の反固定接触子1,2側には前後一対のコ字状の磁性体8が配置され、その両脚部の先端は閉極状態の可動接触子3を両側から隙間を介して挟んでいる。
上述した構成において、電流は、図示しない電源側端子から第一の固定接触子1、可動接触子3、第二の固定接触子2、図示しない過電流引外し装置を経て図示しない負荷側端子に流れる。
このような回路遮断器において、通電経路に短絡電流などの大電流が流れると、固定接触子1、2と可動接触子3の平行導体間に働く電磁反発力により、可動接触子3は接触スプリング6に抗して開離し、このとき接点1a、3a間と2a、3a間にアークが発生する。このアークは、アーク自身を流れる電流による電磁力や、グリッド4の働きにより消弧室5側に引き伸ばされる。その際、アークの可動接触子3側の足はアーク転流板7に転流した後、消弧室5の方向へ駆動される。そして、アークはグリッド4により分断され、陰極・陽極降下および冷却効果により消滅する。
また、前記可動接点3aの近傍にはコ字状の磁性体8が設けられており、大電流が流れた際に、可動接触子3を流れる電流の磁束をコ字状の磁性体8に集束させることにより、可動接触子3の開極速度を高めて遮断性能を向上させることができる。

特許第2965025号公報
ところで、従来の回路遮断器において、遮断性能を向上させるには、接点間に発生したアークをより速く消弧室側へ駆動することが必要である。このためには、アーク自身による電磁力を利用して消弧室側へのアークの駆動力を増加させることが有効である。従来の回路遮断器では、可動接点の近傍にコ字状の磁性体を配置し、該コ字状の磁性体により可動接触子の開極速度を高めることにより遮断性能を向上させている。
しかしながら、アークがアーク転流板に転流した後では、上記コ字状の磁性体だけではアークの駆動力を高めることができず、これによって遮断性能が低下してしまうという欠点があった。
そこで、本発明の課題は、アークがアーク転流板に転流した後も消弧室側へのアークの駆動力を高めることができる回路遮断器を提供することにある。
上記課題を達成するために、本発明によれば、第1の固定接点を有する第1の固定接触子と、第2の固定接点を有する第2の固定接触子と、前記第1および第2の固定接点と接触する可動接点を両端に有する可動接触子と、前記可動接触子の反固定接触子側に配置されたコ字状の磁性体と、前記可動接触子の両端に配置され、前記第1および第2の固定接点と可動接点との間に発生したアークを消弧する消弧室と、前記消弧室間に跨るように配設され、前記接点間に発生したアークを転流させるアーク転流板とを備えた回路遮断器において、前記アーク転流板の前記消弧室と対応する位置に、前記アーク転流板に転流したアークを前記消弧室側へ駆動する第1の磁気ヨークを設けるようにする。
上記回路遮断器において、前記第1の磁気ヨークと前記コ字状の磁性体との間に第2の磁気ヨークを設けることが好ましい。また、前記アーク転流板に傾斜部を設け、この傾斜部に前記第2の磁気ヨークを設けるようにしてもよい。更に、前記第1の磁気ヨークと前記第2の磁気ヨークと前記コ字状の磁性体を一体に形成してもよい。
また、上記回路遮断器において、前記第1及び第2の磁気ヨークはコ字状からなり、前記アーク転流板に一体形成することが好ましい。更に、前記第1及び第2の磁気ヨークに絶縁カバーを設けるようにしてもよい。
本発明によれば、アーク転流板の消弧室と対応する位置に、前記アーク転流板に転流したアークを前記消弧室側へ駆動する第1の磁気ヨークを設けたので、アークがアーク転流板に転流した後もアークの駆動力を高めることができ、遮断性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態を示す回路遮断器のオフ状態を示す要部断面図 図1に示す回路遮断器の要部斜視図 図1に示す電流遮断部の斜視図 図3に示す接点部周辺の斜視図 従来例を示す回路遮断器の電流遮断部の側面図
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す回路遮断器のオフ状態を示す要部断面図、図2は、図1に示す回路遮断器の要部斜視図、図3は、図1に示す電流遮断部の斜視図、図4は、図3に示す接点部周辺の斜視図である。なお、実施例の図中で図5に対応する部材には同じ符号を付して説明する。
図において、本実施形態の回路遮断器の電流遮断部は、第1の固定接点1aを有するU字状からなる第1の固定接触子1と、第2の固定接点2aを有するU字状からなる第2の固定接触子2と、前記固定接点1a、2aと接触する可動接点3a、3aを両端に有する可動接触子3と、接点間に発生したアークを消弧する消弧室5等から構成されている。
前記電流遮断部は、ケース12aとカバー12bからなる本体ケース内に、図2に示すように、各相ごとに収納されている。
前記第1の固定接触子1と前記第2の固定接触子2は前後に対向して配置されており、前記可動接触子3は、両端がへ字状に屈曲された短冊状からなり、閉極状態で図示しない接触スプリングにより第1および第2の固定接触子1、2に押圧され、それらの間を橋絡している。開極時には可動接触子3は図示しないホルダ等を介して開閉機構により接触スプリングに抗して押し下げられる。
また、前記第1の固定接触子1の第1の固定接点1aの先端にはアークランナ1bが形成されており、前記第2の固定接触子2の第2の固定接点2aの先端にはアークランナ2bが形成されている。そして、前記第1の固定接触子1は図示しない電源側端子に接続され、第2の固定接触子2は図示しない過電流引外し装置を経て図示しない負荷側端子に接続されている。
前記消弧室5は、図3に示すように、可動接触子3の両端にそれぞれ配置されており、U字状の磁性体からなる複数枚のグリッド4と、該グリッド4を支持するコ字状の絶縁物からなる支持体5aとから構成されている。
また、前記消弧室5,5の間には、両消弧室5,5間に跨がるように鉄あるいは鋼板などの高抵抗材からなるアーク転流板7が設けられており、接点間に発生した可動接点3a側のアークの足を前記アーク転流板7に転流させることにより、大電流による可動接触子3や可動接点3aの損傷を防止する。なお、防錆のために、前記アーク転流板7の表面をメッキ等により表面処理するようにしてもよい。
更に、前記アーク転流板7の可動接点3a、3aと対応する位置には、前後一対のコ字状の磁性体8が配置されており、その両脚部の先端は閉極状態の可動接触子3を両側から隙間を介して挟んでいる。前記磁性体8はアーク転流板7と一体形成されている。なお、前記コの字状の磁性体8をアーク転流板7とは別部材で形成するようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、前記アーク転流板7の前記消弧室5、5と対応する位置に、前記アーク転流板7に転流したアークを前記消弧室5、5側へ駆動するコ字状からなる第1の磁気ヨーク9が前記アーク転流板7と一体に形成されている。
また、前記第1の磁気ヨーク9と前記コ字状の磁性体8との間には、コ字状からなる第2の磁気ヨーク10が前記アーク転流板7と一体に形成されている。
前記第1の磁気ヨーク9は、アーク転流板7に転流したアークを前記消弧室5、5側へ駆動できるように、アーク転流板7の全域に渡って設けられている。また、前記第2の磁気ヨーク10は、アーク転流板7に転流したアークを第1の磁気ヨーク9側に駆動できるように、アーク転流板7のアークが転流する部分の近傍、すなわち、アーク転流板7の可動接触子3の先端と対応する位置に設けられている。このように、第2の磁気ヨーク10をアーク転流板7のアークが転流する部分の近傍に設けることにより、アークがアーク転流板7に転流した後のアークの移動をスムーズに行うことができる。
また、前記第1の磁気ヨーク9は、図4に示すように、アーク転流板7の両端から固定接触子1、2側に突出する一対の平板部9a、9aを有しており、該平板部9aはアーク転流板7と一体に形成されている。
更に、前記第2の磁気ヨーク10も、アーク転流板7の両端から突出する一対の平板部10a、10aを有しており、該平板部10aは、前記第1の磁気ヨーク9と前記磁性板8との間に設けられており、アーク転流板7と一体に形成されている。
前記第1の磁気ヨーク9と前記第2の磁気ヨーク10と前記コ字状の磁性体8は、図4に示すように前記アーク転流板7に連続して形成することが好ましい。
また、前記アーク転流板7の第2の磁気ヨーク10が設けられている部分には、可動接触子3の先端側に突出するように傾斜させた傾斜部7aが設けられている。これにより、アークがアーク転流板7に転流した際に、傾斜部7aでの磁束が密になるので、通電経路を流れる電流による電磁力がより強力となり、アークがアーク転流板7に転流した後のアークの移動がよりスムーズとなり、アークの駆動力を高めることができる。
なお、前記第1の磁気ヨーク9と前記第2の磁気ヨーク10を別々に形成するようにしたが、前記第1の磁気ヨーク9と前記第2の磁気ヨーク10を一体に形成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、前記第1および第2の磁気ヨーク9、10を前記アーク転流板7と一体に形成するようにしたが、前記第1および第2の磁気ヨーク9、10を前記アーク転流板7とは別部材で形成し、コの字状からなる第1および第2の磁気ヨーク9、10を前記アーク転流板7に配置するようにしてもよい。
更に、本実施形態では、第1および第2の磁気ヨーク9、10と、前記磁性体8とを別々に形成するようにしたが、前記第1および第2の磁気ヨーク9、10と前記磁性体8とを一体に形成してもよい。
次に本発明の作用について説明する。
上述した構成において、通電経路に短絡電流などの大電流が流れると、第1および第2の固定接触子1、2と可動接触子3との間に電磁反発力が発生し、図1に示すように、可動接触子3が第1および第2の固定接触子1、2から開極し、第1の固定接点1aと可動接点3aの間と、第2の固定接点2aと可動接点3aの間にアーク11が発生する。
ここで、前記アーク転流板7にはコ字状の磁性体8が設けられており、可動接触子3を流れる電流の磁束がコ字状の磁性体8に集束されるので、可動接触子の開極速度が速くなる。
また、第1の固定接点1aと可動接点3aとの間に発生したアーク11は、固定接点側のアークの足が固定接点1aからアークランナ1bに転流し、可動接点3a側のアークの足が可動接点3aから可動接触子3の先端を経由してアーク転流板7に転流する。同様に、第2の固定接点2aと可動接点3aとの間に発生したアーク11も、固定接点側のアークの足は固定接点2aからアークランナ2bに転流し、可動接点3a側のアークの足は可動接点3aから可動接触子3の先端を経由してアーク転流板7に転流する。このようにして、アークが継続している間は、転流した電流がアーク転流板7に流れる。
ここで、アーク転流板7に転流したアークは、前記コ字状の磁性体8の作用により、第2の磁気ヨーク10側に駆動される。
また、アーク転流板7には、第2の磁気ヨーク10が設けられており、アーク転流板7を流れる電流による磁束が第2の磁気ヨーク10に集束されるので、アーク転流板7に転流したアーク11は、前記第2の磁気ヨーク10により第1の磁気ヨーク9側に駆動される。
更に、アーク転流板7には、第1の磁気ヨーク9が設けられており、アーク転流板7を流れる電流による磁束が第1の磁気ヨーク9に集束されるので、前記第2の磁気ヨーク10から第1の磁気ヨーク9側に駆動された前記アーク11は、前記第2の磁気ヨーク9により、消弧室5側に駆動される。
そして、前記消弧室側に駆動されたアーク11は、グリッド4により分断され、陰極・陽極降下および冷却効果により消滅する。
このように本実施形態によれば、前記アーク転流板7に第1および第2の磁気ヨーク9、10を設けたので、前記アーク転流板7に転流したアークに作用する電磁力を高めることができる。これにより、アークを消弧室側へ高速に駆動することができ、遮断性能が向上する。
なお、前記磁性体8と前記第1及び第2の磁気ヨーク9、10において、前記磁性体8の両側面、前記第1の磁気ヨーク9の両平板部9a、前記第2の磁気ヨーク10の両平板部10aを絶縁カバーで覆うようにすれば、前記接点間に発生した可動接点側のアークが前記磁性体8の両側面や第1および第2の磁気ヨーク9、10の両平板部9a、10aに点弧することを防止でき、可動接点側のアークをより確実にアーク転流板7に転流させることができる。
1 第1の固定接触子
1a 第1の固定接点
2 第2の固定接触子
2a 第2の固定接点
3 可動接触子
3a 可動接点
5 消弧室
7 アーク転流板
8 磁性体
9 第1の磁気ヨーク
10 第2の磁気ヨーク
11 アーク

Claims (6)

  1. 第1の固定接点を有する第1の固定接触子と、第2の固定接点を有する第2の固定接触子と、前記第1および第2の固定接点と接触する可動接点を両端に有する可動接触子と、前記可動接触子の反固定接触子側に配置されたコ字状の磁性体と、前記可動接触子の両端に配置され、前記第1および第2の固定接点と可動接点との間に発生したアークを消弧する消弧室と、前記消弧室間に跨るように配設され、前記接点間に発生したアークを転流させるアーク転流板とを備えた回路遮断器において、
    前記アーク転流板の前記消弧室と対応する位置に、前記アーク転流板に転流したアークを前記消弧室側へ駆動する第1の磁気ヨークを設けたことを特徴とする回路遮断器。
  2. 前記第1の磁気ヨークと前記コ字状の磁性体との間に第2の磁気ヨークを設けたことを特徴とする請求項1に記載の回路遮断器。
  3. 前記アーク転流板に傾斜部を設け、この傾斜部に前記第2の磁気ヨークを設けたことを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
  4. 前記第1の磁気ヨークと前記第2の磁気ヨークと前記コ字状の磁性体を一体に形成したことを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
  5. 前記第1及び第2の磁気ヨークはコ字状からなり、前記アーク転流板に一体形成されていることを特徴とする請求項2に記載の回路遮断器。
  6. 前記第1及び第2の磁気ヨークに絶縁カバーを設けたことを特徴とする請求項5に記載の回路遮断器。
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