JP2012003432A - 曲面生成装置及び曲面生成プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】曲面生成装置1は、N辺形領域に基づいて局所座標系を設定し、生成する曲面の範囲を規定する4つの境界平面を作成する平面生成部10と、N辺形領域の境界稜線上の複数の点から境界平面へ延びる横断線分を生成する線分生成部20と、判定事項を判定する判定部30と、判定事項に関連する境界稜線に属する横断線分を削除し、当該境界稜線についてオフセット曲線を設定し、このオフセット曲線と当該境界稜線とで新たな横断線分を再生成する線分再構成部40と、横断線分とその境界平面との交点からN辺形領域にあてはめる曲面の境界曲線を生成する境界曲線生成部50と、境界曲線と各横断線分上の各点からN辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成部60と、を備えている。
【選択図】図1
Description
図22(a)に示すように、境界稜線B11〜B14を囲む4つの境界平面221,222,223,224を求める。N辺形領域210の境界稜線列の中心と境界稜線列から算出した単位法線ベクトルnを用いて平面を生成する。そして、その平面上に境界稜線列を射影し、XY平面上にバウンディングボックス230を得る。単位法線ベクトルnをZ軸とし、バウンディングボックス230からZ軸に平行な4つの境界平面221,222,223,224を得る。
境界稜線B11〜B14上のサンプル点とその点における境界横断導関数(非特許文献9)から、境界を横断する方向に直線を生成し、直線と境界平面221,222,223,224の交点241,242,243,244を算出する。図22(b)に示すように、境界稜線B11〜B14上のサンプル点と、直線と境界平面の交点241,242,243,244を両端点とする線分を横断線分251,252,253,254とする。
図22(c)に示すように、各境界平面221,222,223,224に乗る複数の横断線分の端点をB-spline曲線で補間し(非特許文献8)、N辺形領域210を囲む4辺形領域210Aを生成する。生成した4辺形領域210Aは、当てはめるB-spline曲面の境界曲線261,262,263,264となる。
図22(d)に示すように、横断線分251,252,253,254上に複数の点271,272,273,274(以下、点群と呼ぶ。)を発生する。発生した点群は、境界稜線上のサンプル点における接平面上に乗る。
Step 3で生成したB-spline曲面の境界曲線261,262,263,264と、Step 4で生成した点群を利用し、最小二乗法によりB-spline曲面の内部制御点を導出する(非特許文献8)。
また、非特許文献6の手法を、穴を含む形状に適用すると、内部にN辺形パッチを生成できず、その結果、曲面が生成できないという問題がある。
(I)横断線分(図22の符号251〜254参照)から発生した点群(図22の符号271〜274参照)が、凹頂点近傍では領域の内側に生成されること。
(II)B-spline曲面の境界稜線の生成方法が限定的であり、凹形状を含んだN辺形領域に対応されていないこと。
G1:前記境界稜線が、前記N辺形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:前記線分生成部に基づいて生成された境界稜線上の点から延びた横断線分同士が交差している。
なお、本明細書では切欠部分,穴、また後述する凹頂点、凹稜線を1つでも含む形状を総称して凹形状と定義する。
G1:前記境界稜線が、前記N辺形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:前記線分生成部に基づいて生成された境界稜線上の点から延びた横断線分同士が交差している。
曲面生成装置1は、平面生成部10と線分生成部20と判定部30と線分再構成部40と境界曲線生成部50と曲面生成部60とを備えている。
以下、構成別に説明する。
本実施形態では、平面生成部10は、形状データ等の3次元モデルが存在する3次元空間上の姿勢に依存しない4つの境界平面111〜114を生成する。本実施形態の平面生成部10は、先ず局所座標系(dx軸、dy軸、dz軸)を設定し、その後に4つの境界平面111〜114を生成する。
(A1)N辺形領域Rの境界稜線B1〜B6の列の中心と境界稜線列から算出した単位法線ベクトルnを用いて、平均平面110を生成する(非特許文献10)。平均平面110はdx軸とdy軸とにそれぞれ平行な平面である。
(A2)境界稜線列を平均平面110に射影して、射影境界稜線列を生成する。
(A3)射影境界稜線列から一番長い稜線を選択する。式(1)に示すように、選択した稜線の始点p0と終点p1を利用し、X軸(図2中のdx軸)を決定する。
(A4)下記式(2)に示すように、ベクトルXとnの外積ベクトルを計算し、Y軸(図2中のdy軸)を決定する。これにより、平均平面上に局所座標系のXY座標軸を設定する。
(A5)設定したXY座標軸と、単位平均法線ベクトルnをZ軸(図2中のdz軸)として、XYZ軸からなる局所座標系を設定する。
得られた4つの境界平面111〜114は、境界曲線列の3次元空間上の姿勢と独立したものとなる。すなわち、境界平面111〜114の求め方はアフィン不変となる。
線分生成部20は、図3に示すように、N辺形領域Rの境界稜線B1〜B6上の複数の点から上記境界平面111〜114へ延びる横断線分115を生成する。具体的には、線分生成部20は、従来技術と同様に、各境界稜線B1〜B6上に複数のサンプル点SPを設定し、各サンプル点SPにおける境界横断導関数(非特許文献9)から、境界、つまり境界稜線B1〜B6を横断する方向に直線を生成し、直線と境界平面111〜114の交点111B〜114Bを算出する。図3に示すように、境界稜線上のサンプル点SPと、直線と境界平面の交点111B〜114Bを両端点とする線分を横断線分115とする。
また、線分生成部20は、図4に示すように、各横断線分115を例えば4分割した点群をサンプル点SP′として生成する。このサンプル点SP′は曲面当てはめに利用される。
判定部30は、以下の事項G1及びG2の何れに該当するかを判定する。
G1:境界稜線B1〜B6がN辺形領域Rの内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:線分生成部20に基づいて生成された境界稜線B1〜B6のサンプル点SPから延びた直線、つまり横断線分115同士が交差している。
例えば、図5(a)に示すように、注目する頂点をPとする。
頂点Pを共有する2本の稜線B5、B5における頂点Pの単位接線ベクトルを、図5(b)に示すように、v1,v2とする。v1,v2の外積ベクトルVを式(3)のように求める。式(4)に示すように、ベクトルVとN辺形領域Rの境界稜線列の平均法線ベクトルnとの内積を計算し、内積値が正の場合は凸頂点とし、それ以外ならば凹頂点とする。
このように、境界稜線B1〜B6中に一つでも凹頂点がある場合、その境界稜線をイレギュラーラインと判定する。図2に示すN辺形領域に関しては、境界稜線B5、B6がイレギュラーラインと判断される。
例えば、境界平面111〜114を求めた局所座標軸で定義されるXY平面、つまり図2の平面110に、全ての境界稜線B1〜B6と横断線分115を射影する。次に、全ての横断線分同士の干渉点を得る。
ここで、図6(A)に示すN辺形領域R1を例に説明する。N辺形領域R1は、内側へ入り込むように湾曲した凹形状の境界稜線B7を備えている。このような凹形状の境界稜線B7に、サンプル点SPを設定し、横断線分115を生成した状態が、図6(b)である。この図6(b)に矢印αで示すように、N辺形領域R1の凹形状の境界稜線B7から生成される複数の横断線分115上には、干渉点Kが1点以上存在することになる。判定部30は、このような干渉点Kを有する横断線分115が属する境界稜線B7も、イレギュラーラインと判定する。
図2に示すN辺形領域Rに関しては、境界稜線B5、B6がイレギュラーラインとみなされるため、これらの境界稜線B5、B6に属する全ての横断線分115、詳細には図3中のβ1〜β4の各横断線分115が全て削除され、線分再構成部40によって横断線分が再生成される。
以上の操作を図8に示す凹形状を有するN辺形領域R,R1,R2に対して適用すると、各N辺形領域R,R1,R2のイレギュラーラインに属する横断線分が図9のように再生成される。
図10に示すように、境界稜線B5、B6の端点の一方が凹頂点400の場合、Tangent Ribbon(非特許文献11)はねじれた状態、つまり非特許文献9の境界横断導関数はある位置から逆向きに導出される。図10のN辺形領域Rの場合、図10で符号β2、β4で示すように、凹頂点400近傍部分の境界横断導関数a0がN辺形領域Rの内部に向かって生成されている。そこで、凹頂点400を含む境界稜線B5、B6上の任意のサンプル点SPから、境界横断導関数を領域の外部へ向かって生成するために、本実施形態では基礎パッチ法(非特許文献9)を用いる。
境界稜線上の点から得られる境界横断導関数は、式(6)を満たす必要がある。
ただし、k(v)、h(v)はvのスカラー関数、S2 uは曲面S2におけるu方向の微分ベクトル、S1 uは曲面S1におけるu方向の微分ベクトル、S1 vは曲面S1におけるv方向の微分ベクトルである。
式(6)にv=0、v=1をそれぞれ代入すると式(7)が得られる。
ただし、k0、k1、h0、h1は実数である。本手法では、h0=0、h1=0と仮定すると式(8)が得られる。
ここで、式(7)を満たすためにvに関するスカラー関数k(v)を式(9)に示すように1次式と仮定する。
式(6)、式(9)より次式(10)が得られる。
式(10)は、図11に表す曲面制御点間のベクトルを用い、次式(11)のように書き換えることができる。ただし、B3 i(v)は、Bernstein基底関数である。
式(11)の右辺は4次式になるので、aiの部分の次数を2次に制限する。具体的には、a0、a2は境界から、a1は次式(12)で求める。
式(13)にv=0を代入すると、式(14)が得られる。
境界曲線生成部50は、B-spline曲面の4本の境界曲線を生成する。境界曲線生成部50は、凹形状を画する境界稜線に属する横断線分を利用しない。境界曲線生成部50は、外側へ膨らむ線(以下、凸稜線と呼ぶ。)から得られる横断線分のみを利用して境界曲線を生成する。つまり、判定部30でイレギュラーラインと判断された境界稜線に属する横断線分は、本実施形態では利用しない。これは、非特許文献7の手法が、凹頂点を含む稜線や凹稜線から生成する横断線分が互いに交差やねじれの関係になり、このような横断線分と境界平面の交差により得られる点列が波打ったり、ループしたりするため、境界曲線が歪む問題があるためである。
そこで、本実施形態では、凸稜線から得られる横断線分のみを利用することで、境界曲線の歪みを回避する。
ここで、4本のB-spline曲線151〜154はそれぞれ独立した曲線であるため、各曲線151〜154の端部を、各境界平面同士が交差するコーナー部160で一致させて、閉じた領域を生成する必要がある。
曲面生成部60は、境界曲線生成部50によって生成されたB-spline曲面の境界稜線151〜154と、線分生成部20によって生成された横断線分上のサンプル点及び線分再構成部40によって再生成された横断線分上のサンプル点を利用して、最小二乗法によりB-spline曲面の内部制御点を導出し、B-spline曲面を生成する。
先ず、N辺形領域を指定する(ステップS1)。この指定はユーザーによって行われる。例えば、コンピュータがプログラムを実行させて、ディスプレイに対象とする3次元モデルを表示し、ユーザーがマウスなどを操作してN辺形領域を指定する。指定されたN辺形領域のデータはRAMやハードディスクなどの格納部に保存される。
先ず、平面生成部10が、デフォルトのXYZ座標系中に配置されているN辺形領域のデータに基づいて、局所座標系を設定する(ステップS2)。
G1:各境界稜線が、角形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:線分生成部20に基づいて生成された境界稜線のサンプル点から延びた直線同士が交差している。
(1)図8(a)の形状のように、境界稜線の端点のいずれかが凹頂点の場合は、その境界稜線に属する横断線分をオフセット曲線に基づいて生成する。
(2)図8(b)の形状のように境界稜線が凹稜線の場合、又は図8(c)の形状のように複数の境界稜線の横断線分同士が干渉する場合、その境界稜線に属する横断線分をオフセット曲線に基づいて生成する。
一方、本発明の実施形態に係る曲面生成装置1によれば、凹形状を有するN辺形領域の曲面生成に当たり、例えば凹頂点近傍の横断線分を再生する。これにより、N辺形領域に適切にフィットして内挿可能な曲面を生成することができる。
本手法を、凹形状を含む切欠形状を表すN辺形領域へ適用した。
下記の表1は、標準規格部品から得られた切欠形状を含む9種類の曲面形状に対して形状評価をした結果である。
生成した曲面と元の曲面の距離の平均である平均誤差値、距離の最大である最大誤差値、バウンディングボックスの大きさと最大距離の割合を示した。また、生成した曲面と元の境界稜線の距離の平均である平均誤差値、距離の最大である最大誤差値、バウンディングボックスの大きさと最大距離の割合を示した。表1から分かるように、トリム曲面を良い精度で近似できている。
N辺形領域の形状は、図示例に限定されるものではない。
10 平面生成部
20 線分生成部
30 判定部
40 線分再構成部
50 境界曲線生成部
60 曲面生成部
Claims (4)
- 3次元モデル表面の凹形状を含むN辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成装置であって、
上記N辺形領域に基づいて局所座標系を設定し、生成する曲面の範囲を規定する境界平面を作成する平面生成部と、
上記N辺形領域の境界稜線上の複数の点から上記境界平面へ延びる横断線分を生成する線分生成部と、
下記の事項(G1)及び(G2)の何れに該当するかを判定する判定部と、
上記判定部で上記事項(G1)又は(G2)に該当すると判断された場合に、事項(G1)又は(G2)に関連する境界稜線に属する横断線分を削除し、当該境界稜線についてオフセット曲線を設定し、このオフセット曲線と当該境界稜線とで新たな横断線分を再生成する線分再構成部と、
上記横断線分とその境界平面との交点からN辺形領域にあてはめる曲面の境界曲線を生成する境界曲線生成部と、
上記境界曲線と上記横断線分上の各点から上記N辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成部と、
を備えたことを特徴とする、曲面生成装置。
G1:前記境界稜線が、前記N辺形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:前記線分生成部に基づいて生成された境界稜線上の点から延びた横断線分同士が交差している。 - 前記境界曲線生成部が、前記事項(G1),(G2)に関連しない境界稜線に属する横断線分に基づいて前記境界曲線を生成することを特徴とする、請求項1に記載の曲面生成装置。
- 3次元モデル表面の凹形状を含むN辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成プログラムであって、
コンピュータを、
上記N辺形領域に基づいて局所座標系を設定し、生成する曲面の範囲を規定する境界平面を作成する平面生成部、
上記N辺形領域の境界稜線上の複数の点から上記境界平面へ延びる横断線分を生成する線分生成部、
下記の事項(G1)及び(G2)の何れに該当するかを判定する判定部、
上記判定部で上記事項(G1)又は(G2)に該当すると判断された場合に、事項(G1)又は(G2)に関連する境界稜線に属する横断線分を削除し、当該境界稜線についてオフセット曲線を設定し、このオフセット曲線と当該境界稜線とで新たな横断線分を再生成する線分再構成部、
上記横断線分とその境界平面との交点からN辺形領域にあてはめる曲面の境界曲線を生成する境界曲線生成部、
上記境界曲線と上記横断線分上の各点から上記N辺形領域にあてはめる曲面を生成する曲面生成部、
として機能させることを特徴とする、曲面生成プログラム。
G1:前記境界稜線が、前記N辺形領域内側へ入り込む角部を構成する縁である。
G2:前記線分生成部に基づいて生成された境界稜線上の点から延びた横断線分同士が交差している。 - 前記境界曲線生成部が、前記事項(G1),(G2)に関連しない境界稜線に属する横断線分に基づいて前記境界曲線を生成することを特徴とする、請求項3に記載の曲面生成プログラム。
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