JP2012003430A - コインの自動移送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】受入口に受け入れたコインは、前下がりに傾斜するコイン通路を転動する。コイン通路に配置したゲート装置110がコインの通過位相にある場合、当該転動コインはゲート装置に転動を阻止されることなく螺旋体104に達する。螺旋体に達したコインは螺旋突起118の傾斜押動面によって押し上げられる。この際、コインはガイド通路によって案内されることにより螺旋体の回転方向には回転せず、螺旋体に沿った伸長方向にのみ移動される。螺旋体の回転によって移動されたコインは、送出通路に相対すると、重力により送出通路を転動し、出口から次の装置へ送り出される。
【選択図】図2
Description
詳しくは、コインジャムを生じることのない、回転する螺旋体により所定の方向にコインを移送するコインの自動移送装置に関する。
なお、本明細書における「コイン」には、通貨であるコインの他、遊技用のメダル、トークン等円板状の媒体を含んでいる。
第2の従来技術においては、送出ロータと導入部材とによって棒状螺旋体の間にコイン状部材を送り込むため、駆動源が必要になり、駆動エネルギーのムダを生じる問題がある。また、送出ロータと導入部材とが必要なため構造が複雑化し、大型化、並びにコスト高となる問題がある。
しかし、無造作にコインを供給した場合、螺旋状体周縁とコインを案内するためのガイドレール間にコインが噛み込まれ、コインジャムを生じる問題があり、俄に採用できない。
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、コインが棒状螺旋体の周縁と他の構成部材との間に噛み込まれないコインの自動移送装置を提供することである。
コインの直径よりも大きいピッチを有し、かつ回転する螺旋体及び当該螺旋体の傾斜押動面によって押されているコインを前記螺旋体回りに回動不能にしつつ前記螺旋体の軸線方向に案内する固定案内体を有し、コインを1つずつ区分けして前記螺旋体に受け渡し、前記螺旋体の回転により前記傾斜押動面によってコインを押動して前記螺旋体に沿って前記固定案内体に案内させて所定方向へ搬送するようにしたコインの自動移送装置において、前記螺旋体に向かって下向きに傾斜し、コインが一枚ずつ自重により転動する転動通路を設け、前記転動通路においてコインの通過を許容する許容位置とコインの通過を阻止する阻止位置をとることができるゲート装置を設け、前記ゲート装置は、当該ゲート装置を通過したコインが前記螺旋体の周縁に接触しないタイミングにおいて前記転動通路を転動して前記螺旋体に到達するよう所定のタイミングで前記阻止位置から前記許容位置へ切り替わることを特徴とするコインの自動移送装置である。
請求項2の発明は、請求項1のコインの自動移送装置において、前記ゲート装置に相対して配置され、前記転動通路を画定する壁面が弾性的に前記転動通路から離れることが可能である移動壁により構成されていることを特徴とするコインの自動移送装置である。
請求項3の発明は、請求項2のコインの自動移送装置において、前記移動壁は、前記転動通路の延在方向に対して直角をなし、かつ前記転動通路に対して前記移動壁の上流側端において支軸に対し回動自在に取付けられた板体により構成され、当該板体は弾性体によって前記転動通路に向かうよう付勢されていることを特徴とするコインの自動移送装置である。
請求項4の発明は、請求項3のコインの自動移送装置において、前記ゲート装置は、前記転動通路の延在方向に対し直角をなすように配置された軸線を中心に回転する逆転ローラであり、前記逆転ローラは、前記軸線から第1半径によって形成され、前記移動壁との距離が最厚コインの厚みよりも大である小径部、及び、前記第1半径よりも大径であって、前記移動壁との距離が最薄コインの厚みよりも小である大径部を有することを特徴とするコインの移送装置である。
この構成によって、コインが転動通路を転動中に、ゲート装置が阻止位置になって当該ゲート装置と対面する壁面との間に挟まれた場合、移動壁面が転動通路から遠ざかり、退避運動を行う。換言すれば、それらの間に挟まれたコインが転動通路から逃げることができるので、ゲート装置に過負荷が加わらない。
よって、装置を破損せず、耐久性を向上させることができる利点がある。
これにより、コインが阻止位置に位置するゲート装置により、移動壁とゲート装置との間に挟まれた場合、当該移動壁は当該支軸を支点に回動して退避動する。
斜めになった移動壁とゲート装置との間に挟まれたコインは、前記傾斜によって上流方向には比較的容易に移動できるので、これによってもゲート装置に過負荷が作用せず、装置の耐久性を向上させることができる。
前記螺旋体に向かって下向きに傾斜し、コインが一枚ずつ自重により転動する転動通路を設け、前記転動通路においてコインの通過を許容する許容位置とコインの通過を阻止する阻止位置をとることができるゲート装置を設け、
前記ゲート装置は、前記転動通路の延在方向に対し直角をなすように配置された軸線を中心に回転する逆転ローラであり、前記逆転ローラは、前記軸線から第1半径によって形成され、前記移動壁との距離が最厚コインの厚みよりも大である小径部、及び、前記第1半径よりも大径であって、前記移動壁との距離が最薄コインの厚みよりも小である大径部を有し、
前記逆転ローラは、当該逆転ローラを通過したコインが前記螺旋体の周縁に接触しないタイミングにおいて前記転動通路を転動して前記螺旋体に到達するよう所定のタイミングで前記阻止位置から前記許容位置へ切り替わり、
前記逆転ローラに相対して配置され、前記転動通路を画定する壁面が弾性的に前記転動通路から離れることが可能である移動壁により構成され、
前記移動壁は、前記転動通路の延在方向に対して直角をなし、かつ前記転動通路に対して前記移動壁の上流側端において支軸に対し回動自在に取付けられた板体により構成され、当該板体は弾性体によって前記転動通路に向かうよう付勢されることを特徴とするコインの自動移送装置である。
リフト装置102は、コインCを上方へ1つずつ移送し、所定の位置で他の装置に受け渡す機能を有する。
リフト装置102は、棒状の螺旋体104、固定案内体106、転動通路108、ゲート装置110、送出通路112及び駆動装置114を含んでいる。
螺旋体104は、コイン、メダル等をその回転によって所定方向へ移動させる機能を有する。本実施例において螺旋体104はコインCを垂直上方へ揚送する機能を有する。
螺旋体104は、中心に円柱又は円筒状の軸部116を有し、その周囲に周方向に所定長さで突出すると共に螺旋状をなす螺旋突起118を含んでいる。
螺旋突起118のピッチPは、移送されるコインCのうちの最大直径よりも大きい。本実施例では500円コインの直径よりも大きく設定されている。好ましくは、ピッチPは、最大直径コインの約20%増の間隔に設定される。
螺旋突起118の上面が傾斜押動面122であり、固定案内体106によって螺旋体104の軸線回りに不動にされ、螺旋体104の軸線方向、本実施例では上下方向に移動可能なコインCに対しては前上がりの上り坂として相対する。
したがって、螺旋体104の正回転動によって、コインCは傾斜押動面122によって固定案内体106によって案内されつつ押し上げられる。
螺旋体104は、移送距離よりも僅かに長く設定される。本実施例では、コインCを揚送するため、コインCの最終的なリフト量よりも僅かに長く設定される。後述のように、リフト装置102から送り出されたコインCは重力を利用した送出通路112を転動しつつ所定位置へ案内されるためである。
単位螺旋体124は、本実施例では螺旋突起118が2ピッチ分形成され、大凡150ミリの長さを有する。
単位螺旋体124の(上)端面126A及び(下)端面126Bには、連結体128又は軸部材132を嵌め込むための嵌合穴134が形成されている。
図6(B)に示すように、嵌合穴134は平面視大凡紡錘形をしており、所定の深さを有する。
嵌合穴134は、第1幅W1及び第1長さL1を有する平面視長方形の連結体保持穴136と、第1幅W1よりも幅広の第2幅W2及び第1長さL1よりも短い第2長さL2を有する大凡矩形の軸保持穴138とが複合形成された穴である。
具体的に説明すれば、軸保持穴138は連結体保持穴136の長手方向における中間に形成され、軸保持穴138の長手方向両端部に連続して連結体保持穴136の端部が形成される。
また、連結体保持穴136は軸保持穴138の幅方向の中間に形成され、連結体保持穴136の幅方向両端部に軸保持穴138の端部が形成されている。
軸保持穴138の対面する保持面138Aと138Bの端部と連結体保持穴136との接続部140は、弧状に形成される。応力集中を防止し、不測の破損を防止するためである。
連結体128は、単位螺旋体124を軸線方向に連結して一体化する機能を有する。換言すれば、連結体保持穴136には連結体128の一部が挿入され圧接状態で嵌合される。しかし、圧接状態でなくとも単位螺旋体124の一体状態を維持できる場合、それらの間に僅かな遊びがあってもよい。
連結体128は、第1幅W1よりも僅かに肉厚の金属板により大凡矩形に形成され、その第3長さL3は第1幅L1よりも僅かに大きい。
連結体保持穴136の深さは、連結体128の第1高さH1の二分の一よりも僅かに深い寸法に形成されている。
連結体128の大凡下側半分は、下方の単位螺旋体124の嵌合穴134に圧入され、上側半分は上方の単位螺旋体124に圧入され、上下の単位螺旋体124の端面どうしが密接させられ、かつ、螺旋突起118が連続するように組み合わされる。
換言すれば、下側及び上側の単位螺旋体124の軸部116が一本の円柱状を呈し、下側及び上側の螺旋突起118は連続して1つの螺旋突起118を形成する。
連結体128は、連結体保持穴136に嵌合しやすいよう、角部に面取130が形成されている。
軸部材132は、螺旋体104の両端部端面において、螺旋体104の軸線上に配置され、螺旋体104の回転軸142としての機能を有する。したがって、螺旋体104と一体に形成しても良い。
本実施例においては、軸部材132は螺旋体104とは別体に形成され、嵌合部132Aと軸132Bとを有する。
嵌合部132Aは軸保持穴138に嵌合され、軸部材132は螺旋体104の回転軸142として機能する。
従って嵌合部132Aは、軸保持穴138よりも僅かに大きく形成され、圧入される。
軸部材132は、螺旋体104の両端部、本実施例では上下端部に配置される。
軸132Bは、円柱状に形成され、後述の軸支装置146に回転自在に保持される。
上端部の軸支装置146は、後述のガイドプレート152に固定されたチャンネル形のブラケット148である。
ブラケット148と軸132Bとの間には玉軸受を介在させ、回転抵抗を減じることが好ましい。
下端部の軸支装置146は、後述の基板184に支持された玉軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。
固定案内体106は、螺旋体104に対しコインCを螺旋体104回りに回転不能かつ螺旋体104の軸線方向に沿って移動可能に案内する機能を有する。
固定案内体106は、ガイドプレート152、スペーサ154及びサブガイドプレート156を含んでいる。
ガイドプレート152は、逆L字形の垂立する細長板状体であり、板金、樹脂等により製造される。しかし、コインCの移送姿勢を確認可能にするため、透明樹脂板によって形成することが好ましい。
ガイドプレート152の上端部の横向き部は送出通路112を構成するので別体に設けてもよい。
ガイドプレート152は、後述の基板184に対し垂立状態に固定されている。
スペーサ154は、耐摩耗性の観点から金属で作ることが好ましいが、耐摩耗性を有する樹脂によって成形することもできる。
スペーサ154は、ガイドプレート152のほぼ全長に相対する長さを有し、ガイドプレートの両側端部の一方の側縁に沿って配置された第1スペーサ154A他方の側縁に沿って配置された第2スペーサ154Bを含んでいる。
第1スペーサ154Aと第2スペーサ154Bは相対する端縁の距離は最大直径コインLCの直径よりも僅かに大きい間隔で平行に垂立されている。
第1スペーサ154Aと第2スペーサ154Bとの間に凹溝162が配置される。
コインCは、その下端部周面が傾斜押動面122に接した状態において、その側方周面が第1スペーサ154Aに接触した状態に保たれる関係に設定される。
したがって、螺旋体104の回転方向前位側に位置する第1スペーサ154Aのみ配置して達成することができる。
サブガイドプレート156は、第1スペーサ154A、第2スペーサ154Bに対し反ガイドプレート152側に配置され、ガイド通路164を画定する。本実施例において、サブガイドプレート156は螺旋体104のカバー166の機能をも有している。
具体的には、カバー166は第1カバー166A及び第2カバー166Bを含んでいる、
第1平行部168Aは、第1スペーサ154Aにあてがわれ、貫通するスクリュウ176によってガイドプレート152に固定される。
これにより、ガイドプレート152と第1平行部168Aとの間に最大厚みのコインよりも僅かに大きい厚みを有し、かつ、螺旋体104の軸線と平行に垂立するガイド通路164の一端部が形成される。
第1離隔部172Aは螺旋体104の周縁に近接した位置においてガイドプレート152に対し直角をなし、かつ離れる方向に延在するよう配置され、第2平行部174Aは螺旋体104を挟んで反ガイドプレート152側において、ガイドプレート152と平行に配置される。
第3平行部168Bは第2スペーサ154Bの反ガイドプレート152側にあてがわれ、スクリュウ178によってガイドプレート152に固定される。
したがって、螺旋体104は、ガイドプレート152、第1カバー166A及び第2カバー166Bとで囲われた断面矩形であって、縦長の空間に配置される。
ガイドプレート152と第3平行部168Bとの間に最大厚みのコインよりも僅かに大きい厚みを有するガイド通路164が形成される。
しかし、コインCは第1スペーサ154Aによって左方への移動を阻止される。また、ガイドプレート152及び第1平行部168AによってコインCのガイド通路164における面方向の移動が規制される。
換言すれば、コインCは螺旋体104に対し、その軸線回りに回動することができない。
したがって、ガイド通路164においてコインCは傾斜押動面122の連続する上方動によって押し上げられる。
なお、螺旋突起118の傾斜角、又は螺旋体104の回転速度を替えることにより、コインCの移送速度を変更することができる。
軸支装置146は、螺旋体104を回転自在に支持する機能を有する。
軸支装置146は、螺旋体104の上端部の軸132Bを回転自在に支持する上軸支装置148Aと下端部の軸132Bを回転自在に支持する下軸支装置148Bを含んでいる。
上軸支装置148Aは、門形に形成された軸受体178の脚部を第1カバー166Aおよび第2カバー166Bの上端部に固定し、水平部に固定した玉軸受182Aに上端部の軸132Bを回転自在に支持されている。
下軸支装置148Bは、通路側板154を固定するための基板184に固定され、上軸支装置148Aと同様に玉軸受(図示せず)により回転自在に支持されている。
転動通路108は、供給されたコインCがリフト装置102に向かって重力によって転動可能とする機能を有する。
したがって、螺旋体104へ向かって前下がりに形成された通路が転動通路108である。
転動通路108は、前述のように第1通路側板158A及び第2通路側板158Bによって形成される。
すなわち、基板184に下端部を固定され、利用される最大厚みコインの厚みよりも僅かに広い間隔で平行に立設されている。しかし、最も薄いコインの厚みの二枚未満の間隔である。最薄コインが二枚同時に供給されるのを防止するためである。
換言すれば、第1通路側板158Aの内壁はガイドプレート152の内壁と面一に形成され、第2通路側板158Bの内壁は、第1平行部168A及び第3平行部168Bとの内壁と面一に形成されている。
さらに換言すれば、第1スペーサ154A、及び第2スペーサ154Bの厚みと第1通路側板158A及び第2通路側板158Bの間隔は同一である。
したがって、転動通路108は第1通路側板158A及び第2通路側板158B間、螺旋突起118が位置しない場合のガイドプレート152と軸部116との間、及びガイド通路164の下端部によって転動通路108が構成される。
換言すれば、ガイドレール体186の傾斜する上面が転動レール186Aである。
したがって、転動レール186Aは、コインCが重力によって自然に傾斜の下方へ向かって転がる角度で傾斜している。
図4に示すように、コインCが転動レール186Aの先端及び第1スペーサ154Aの側面に接触した状態において、コインCの下端が基板184に接しないように構成されている。当該コインCの下端が螺旋突起118によって必ず押し上げられるようにするためである。
さらに、コインCが基板184に接しないように、第1スペーサ154Aの下端部をガイドレール体186側に弧状154Cに形成してある。
転動通路108において、コインCがジャムした場合、当該コインジャムを解消するためである。
第1通路側板158Aが、反リフト装置102側の端部に所定の間隔で水平方向に突出形成された第1軸受板188A及び第2軸受板188Bに垂立状態に上下端部をそれぞれ支持された支持軸192に回転自在に支持されている。
また、支軸192に巻き付けたスプリング194A、194Bによって第2通路側板158Bに向かって近づくように付勢され、第1通路側板158Aと第2通路側板158Bの向かい合う内壁が平行になった位置において、ストッパ(図示せず)に係止されている。
換言すれば、本実施例において第2通路側板158Bは基板184に対し固定されている。
受入口194は、例えば自動販売機のコイン投入口にシュート(図示せず)を介して接続される。
したがって、コイン投入口に投入されたコインCは、図示しないシュートに案内されて受入口194に達した後、転動レール186A上を第1通路側板158A及び第2通路側板158Bによって対応する面を支えられてリフト装置102へ向かって重力によって転動する。
コインCがジャムしてガイド通路164に滞留した場合、第1通路側板158Aが支持軸192回りに回動され、第1通路側板158Aを第2通路側板158Bから離すことにより、転動レール186Aと第1通路側板158Aとの間に隙間を空け、ジャムしたコインCを当該隙間から落下させてコインジャムを解消する。
ゲート装置110は、転動通路108を転動するコインCがリフト装置102、すなわち、螺旋体104の螺旋突起118に衝突しない位相で螺旋体104に到達するようコインCの転動タイミングを調整する機能を有する。
換言すれば、コインCが螺旋突起118の周縁に接触してガイドプレート152と螺旋突起118の周縁との間に噛み込まれ、コインジャムを生じること防止する機能を有する。
ゲート装置110は、ガイド通路164に進出してコインCの転動を阻止する阻止位置SPとガイド通路164から退出してコインCの転動を可能とする許容位置APを取ることができれば実施例に限らず採用することができる。
しかし、本実施例のように、逆転ローラ装置200を用いた場合、構成が簡単であり、装置の小型化、及び低コスト化に有利である。
本実施例に係る逆転ローラ装置200を説明する。
逆転ローラ装置200は、逆転ローラ202、軸受204、及び駆動装置206を含んでいる。
逆転ローラ202は、ゴム製の円筒形であって、第1半径R1にて形成された大径部208A及び第1半径R1よりも小さな半径R2により形成された小径部208Bを有する。換言すれば、逆転ローラ202は大径部208Aと小径部208Bとが段差210で接続された二段ローラである。
換言すれば、大径部208Aが転動通路108に位置する場合、換言すれば阻止位置APに位置する場合、転動通路108を転動するコインCは最薄コインであっても逆転ローラ202によって阻止され、通過することができない。
小径部208Bが第1開口212に相対した場合、換言すれば許容位置APに位置する場合、当該小径部208Bは図5、8に示すように転動通路164には進行しない。
換言すれば、小径部208Bが第1開口212に相対した場合、転動通路108を転動するコインCは逆転ローラ202に阻止されることなく転動レール186A上を螺旋体104側へ転動することができる。
投入される最小径から最大径のコインの転動通路108における転動を阻止させることができれば良いからである。
逆転ローラ202は、図2に示すようにリフト装置102と平行に配置された回転軸214の上端部に固定されている。換言すれば、逆転ローラ202は、垂立する軸線回りに回転される。
このタイミングは、転動レール186Aの傾斜角度、逆転ローラ202から螺旋体104までの距離、螺旋体104の回転速度、及びコインCの重量によって決定されるので、使用条件に応じてそれらが適宜設定される。
軸受204は、逆転ローラ202を貫通する回転軸214の上端を回転自在に支持する機能を有する。
本実施例において、軸受204は、第2通路側板208Bに固定された板状の軸受である。
コインCがガイド通路164を転動中に逆転ローラ202の大径部208Aが転動通路108に進入し、当該コインCが大径部208Aと第1通路側板158Aとの間に挟まれて逆転ローラ202がロックし、ロックに伴う破損等の問題が発生することを防止する機能を有する。
換言すれば、逆転ローラ202と第1通路側板158Aとの間にコインCが挟まれた場合であっても、第1通路側板158Aが逃げ動をすることにより、逆転ローラ202がロックしないようにしたものである。
第2開口218は矩形であるがコインCの転動方向Dに対して平行に設けられている。すなわち、第2開口218の下縁218Aは、転動レール186Aと面一に形成されている。第2開口218の上縁218Bは、下縁218Aからガイド通路164を転動する最大径コインCの直径よりも僅かに離れて平行に形成されている。また、コインCの転動方向の長さは、最大径コインCの直径よりも僅かに大きく形成されている。最大径コインCが逆転ローラ202の大径部208Aによって押された場合、転動通路108の外に押し出されることができるようにするためである。
第2開口218のコインCの転動方向Dにおける上流側端部の上下であって、ガイド通路164に対し外向きに上軸支板222A、下軸支板222Bが配置されている。当該上軸支板222A、及び下軸支板222Bに第2支軸224の上下端部がそれぞれ支持されている。
移動壁216は、通常は静止状態に保持され、転動通路108の一側壁、すなわち第1通路側板158Aを構成するが、転動通路108を転動しているコインCが逆転ローラ202の大径部208Aによって第2開口218に向かって押された場合、転動通路108から退避動し、逆転ローラ202による圧接力を緩和する機能を有する。
したがって、同様の機能を有する装置に変更することができる。例えば、板に替えてローラを使用することもできる。
本実施例の移動壁216は、第2開口218よりも一回り小さい矩形に形成された板状であって、そのコインCの転動方向Dにおける上流側端部の上下において、転動通路108に対し外向きに突出した上軸受板224A、及び下軸受板224Bを設け、それら上軸受板224A、及び下軸受板224Bをそれぞれ上軸支板222A、下軸支板222Bで上下から規制することにより、移動壁216の転動通路108の上下方向の移動を規制し、移動壁216が第2開口218に位置するよう規制されている。
移動壁216のコインCの転動方向Dの上流側は、転動通路108から斜めに離れる方向に折り曲げた端部案内部226に形成され、転動通路108を転動するコインCを転動通路108内に誘導するようにしている。
移動壁216の下流端は、クランク状に折り曲げ、係止片228に形成されている。
移動壁216は、回転軸214に巻き付けられたスプリング232によってガイド通路164へ近づくように付勢されている。
係止片228は、第1通路側板158Aの一部に係止され、その内面が第1通路側板158Aと面一になるよう設定されている。
これにより、ガイド通路164におけるコインCの重力に基づくスムーズな転動を達成できる。
移動壁216の中央には転動通路108覗き用の覗き窓230が形成されている。
駆動装置114は、螺旋体104及び逆転ローラ202を所定方向に所定の速度で駆動する機能を有する。したがって、逆転ローラ202の駆動装置206も含んでいる。
本実施例において、駆動装置114は電気モータ232、減速装置234及び伝達装置236を含んでいる。
減速装置234は、リフト装置102及び逆転ローラ202の側方において、基板184の上面に固定されている。電気モータ232は減速装置234に倒立状態に固定されている。
基板184の下方へ突出した減速装置234の出力軸237の下端部には、駆動ギヤ238が固定されている。
第1被動ギヤ242は回転軸214の下端部に固定され、駆動ギヤ238に噛み合っている。
第2駆動ギヤ244は螺旋体104の下側の軸132Bに固定され、第1被動ギヤ242に噛み合っている。
第1被動ギヤ242と第2被動ギヤ244とは同一直径にて成形されているので、同期して逆方向に回転される。
換言すれば、逆転ローラ202と螺旋体104とは1対1の比率で同期回転される。
第2被動ギヤ244と一体に検知孔246付き円板248が設けられ、検知孔246の検知センサ252と共に回転センサ254を構成している。検知孔246は、円板248の回転中心に対し等角度で複数形成され、検知センサ252の検知光が検知孔246を透過することにより、円板148の回転を検知できる。
電気モータ232が回転する場合、必ず円板148は回転駆動される。したがって、検知センサ252は、所定周期で検知孔246を検知するので、周期的に検知センサ252からの検知信号が出力されない場合、異常状態であると判別できる。
この状態で受入口194に投入されたコインCは、ガイド通路164において、転動レール186A上を転動し、逆転ローラ202に到達する。
この到達タイミングにおいて、図8に示すように逆転ローラ202の小径部208Bが転動通路108に相対している場合、当該コインCは小径部208Bと移動壁216との間を転動し、逆転ローラ202によって転動を阻止されずに通過して螺旋体104の螺旋突起118の傾斜押動面122上に達する。
そして、螺旋体104の回転によって、コインCの端部はガイド通路164において螺旋体104回りの回転を阻止されるので、螺旋突起118の傾斜押動面122の上昇動と共に押し上げられる。
逆転ローラ202の引き続く回転によって、小径部208Bが転動通路108に相対した場合、コインCは重力によって転動を開始し、前述のように逆転ローラ202の小径部208Aと移動壁216との間を通過して螺旋体104の螺旋突起118の傾斜押動面122上に達する。
これにより、移動壁216はスプリング232の付勢力に反して転動通路108から離れる方向へ待避動する。よって、移動壁216との間に挟み込んだコインCとの間の圧接力が軽減されるので、逆転ローラ202の回転に対する負荷が著しく減少し、コインCの挟み込みによるトラブルを未然に防止できる。
この場合、挟み込まれたコインCに対し逆転ローラ202はスリップし、小径部208Bが転動通路108に相対した場合、逆転ローラ202は許容位置APになるので、前述のようにコインCは重力によって転動を開始し、逆転ローラ202の小径部208Aと移動壁216との間を通過して螺旋体104の螺旋突起118の傾斜押動面122上に達する。
送出通路112は、螺旋体104によって揚送されたコインCを所定位置へ重力によって案内する機能を有する。
送出通路112は、リフト装置102の上端部においてガイド通路164に連通し、螺旋体104から離れる方向に向かって前下がりに傾斜する通路である。
本実施例において、送出通路112は、スペーサ154に一体的に形成された三角形の下側送出通路ガイド256、当該下側送出通路ガイド256に対し平行に当該ガイド256の上方において最大コインCの直径よりも僅かに離れて配置された上側送出通路ガイド258によって画定された下向きの通路である。
第2側壁244は、下側送出通路ガイド256、上側送出通路ガイド258の反第1側壁242側に密接固定されている。
したがって、送出通路112は、その厚みが最大厚みコインCの厚みよりも僅かに厚く、高さが最大径コインCの直径よりも僅かに大きな断面縦長矩形の通路である。
送出通路112の端部が出口260である。
螺旋突起118によって押し上げられたコインCは、送出通路112に相対すると、スペーサ154によって転動を阻止されないことから下側送出通路ガイド256上へ転がり、その上を転動して出口260から落下し、次の装置、例えばコイン選別装置に供給される。
第1スペーサ154の上端部261は、図2に示すように下流側ほど通路を拡大するよう傾斜させることが好ましい。また、上側送出通路ガイド258も彎曲させて通路を拡大することが好ましい。高速で移動するコインCが螺旋突起118によってジャムしないようにするためである。
コインジャム検知装置265は、受入口194から送り出し口までのコインの移送通路において、コインがジャムしたことを検知する機能を有する。
本実施例のコインジャム検知装置265は、所定位置を通過したコインCが所定時間の間に次のセンサから検知信号が出力されない場合、コインジャムが生じたものと判別する。
ガイド通路164の受入口194の近傍に第1コインセンサ266、リフト装置102の下端部のガイド通路164に相対して第2コインセンサ268、リフト装置102の上端部のガイド通路164に相対して第3コインセンサ272、送出通路112の先端に第4コインセンサ274が設けられている。
これらセンサは、例えば透過形の光電センサが使用される。
また、コインの搬送装置の他、遊技機のメダルの自動移送装置としても用いることができる。
AP 許容位置
SP 阻止位置
R1 第1半径
R2 第2半径
104 螺旋体
106 固定案内体
108 転動通路
110 ゲート装置
122 傾斜押動面
202 逆転ローラ
208A 小径部
208B 小径部
216 移動壁
224 支軸
232 弾性体
Claims (4)
- コイン(C)の直径よりも大きいピッチを有し、かつ回転する螺旋体(104)及び当該螺旋体の傾斜押動面(122)によって押されているコインを前記螺旋体回りに回動不能にしつつ前記螺旋体の軸線方向に案内する固定案内体(106)を有し、
コインを1つずつ区分けして前記螺旋体に受け渡し、前記螺旋体の回転により前記傾斜押動面によって前記コインを押動して前記螺旋体に沿って前記固定案内体に案内させて所定方向へ搬送するようにしたコインの自動移送装置において、
前記螺旋体に向かって下向きに傾斜し、前記コインが一枚ずつ自重により転動する転動通路(108)を設け、
前記転動通路において前記コインの通過を許容する許容位置(AP)とコインの通過を阻止する阻止位置(SP)をとることができるゲート装置(110)を設け、
前記ゲート装置は、当該ゲート装置を通過したコインが前記螺旋体の周縁に接触しないタイミングにおいて前記転動通路を転動して前記螺旋体に到達するよう所定のタイミングで前記阻止位置から前記許容位置へ切り替わることを特徴とするコインの自動移送装置。 - 請求項1のコインの自動移送装置において、
前記ゲート装置に相対して配置され、前記転動通路を画定する壁面が弾性的に前記転動通路から離れることが可能である移動壁(216)により構成されていることを特徴とする。 - 請求項2のコインの自動移送装置において、
前記移動壁は、前記転動通路の延在方向に対して直角をなし、かつ前記転動通路に対して前記移動壁の上流側端において支軸(224)に対し回動自在に取付けられた板体により構成され、当該板体は弾性体(232)によって前記転動通路に向かうよう付勢されていることを特徴とする。 - 請求項3のコインの自動移送装置において、
前記ゲート装置は、前記転動通路の延在方向に対し直角をなすように配置された軸線を中心に回転する逆転ローラ(202)であり、前記逆転ローラは、前記軸線から第1半径(R1)によって形成され、前記移動壁との距離が最厚コインの厚みよりも大である小径部(208A)、及び、前記第1半径よりも大径であって、前記移動壁との距離が最薄コインの厚みよりも小である小径部(208B)を有することを特徴とする。
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