JP4463354B2 - 硬貨分離装置及び硬貨処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚投入された硬貨を、一枚ずつ繰り出す硬貨分離装置、及び当該硬貨分離装置を備えた硬貨処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、商品等を購入するための自動販売機が普及している。これらの自動販売機では、硬貨を一枚ずつ識別するので、硬貨を一枚ずつ投入する必要があった。
【0003】
しかし、硬貨を一枚ずつ投入するのは煩わしさに耐えないという理由で、複数枚の硬貨を一度に投入できる自動販売機が提案され、実用に供されている。これらの自動販売機であっても、硬貨を一枚ずつ識別するので、一括して投入された硬貨は、硬貨の詰まりを発生することなく一枚ずつ分離して識別部に繰り出す必要がある。
【0004】
硬貨を一枚ずつ分離して識別部に繰り出す硬貨分離装置として、硬貨を一旦傾斜円盤型のホッパーに収納した後に硬貨を一枚ずつ繰り出すもの、通路内に設けられたローラを逆転させて複数枚の硬貨が識別装置を同時に通過しないように規制したものが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような従来の硬貨分離装置によれば、一旦傾斜円盤形のホッパーに収納した後に硬貨を一枚ずつ繰り出すものは、機械構成が複雑なものとなり、高価なものとなる。また、通路内に設けられたローラを逆転させて複数枚の硬貨が識別装置を同時に通過しないように規制したものはローラ上方で硬貨詰まりを発生しやすい。
【0006】
そこで本発明は、安価で簡易な構成であり、複数枚の硬貨が投入された場合、硬貨の詰まりを発生することなく一枚ずつ分離して供給する硬貨分離装置、及び当該硬貨分離装置を備えた硬貨処理装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の態様に係る発明による硬貨分離装置10は、例えば図1に示すように、螺旋状に形成された回転部材23と;硬貨2A〜Eを回転部材23に案内する案内部3と;回転部材23に沿って配置されたガイド部材31とを備え;案内部3は、複数の硬貨2A〜Eを貯留するように構成され;回転部材23は、前記螺旋の軸を中心に回転し、硬貨2A〜Eを前記螺旋の間に保持して、ガイド部材31に案内させて一枚ずつ繰り出すよう構成されたことを特徴とする。
【0008】
このように構成すると、螺旋状に形成された回転部材を備えるので、回転部材に向かって案内され回転部材に行き着いた硬貨は、螺旋の軸を中心に回転する回転部材の螺旋の間に保持され、ガイド部材によって案内されるので、一枚ずつ繰り出される。
【0009】
硬貨分離装置によって扱いたい最大厚さの硬貨が保持され、最小厚さの硬貨を2枚重ねた仮想の硬貨が保持されないように螺旋の形状を形成することが好ましい。また、複数の硬貨が案内部によって案内された場合、硬貨は案内部に一時的に貯留され一枚ずつ回転部材によって保持され、ガイド部材に案内されて繰り出される。
【0010】
第2の態様に係る発明による硬貨分離装置は、第1の態様の硬貨分離装置において、前記ガイド部材は、前記保持された硬貨の、前記螺旋の軸回りの回転を規制し、前記螺旋の軸方向の移動を許容するように構成されている。
【0011】
螺旋の間に保持された硬貨は、回転部材によって螺旋の軸回りを回転する回転力が与えられるが、硬貨の螺旋の軸回りの回転はガイド部材によって規制されている。よって、回転力は硬貨を螺旋の軸方向に移動させる力に変わるが、この方向の硬貨の移動はガイド部材によって規制されず、許容されているので、硬貨はガイド部材に案内されてこの方向に繰り出される。
【0012】
第3の態様に係る発明による硬貨分離装置は、第1の態様または第2の態様に記載の硬貨分離装置において、前記案内部は案内床を有し、前記案内される硬貨のうち前記案内床に対して立った姿勢の立ち硬貨を転倒させるよう構成された転倒部材を有する。
【0013】
転倒部材を備えるので、案内部に案内された立ち硬貨を転倒させることができる。よって、全ての硬貨は転倒した状態で、即ち案内床に硬貨の表面または裏面が接した状態で、または表面あるいは裏面が案内床に接した他の硬貨の案内床に接していない裏面または表面に接した状態で回転部材に案内され、スムーズに螺旋間に保持され、ガイド部材に案内されて繰り出される。
【0014】
第4の態様に係る発明による硬貨分離装置は、第1の態様から第3の態様のいずれか1の態様に記載の硬貨分離装置において、前記ガイド部材の一部の移動、または前記案内部の一部の移動を可能とし、前記一部の移動によって前記ガイド部材、または前記案内部に開口部が形成されるように構成されている。
【0015】
ガイド部材の一部、または案内部の一部を移動可能とし、この一部の移動によって開口部を形成し、ゴミ、残留異物等を開口部から排除することができる。ここで、開口部とは切欠き部を含む概念である。
【0016】
第5の態様に係る発明による硬貨処理装置は、第1の態様から第4の態様のいずれか1の態様に記載の硬貨分離装置と;投入された硬貨を受け入れ、受け入れた該硬貨を前記案内部に導く硬貨投入口と;前記繰り出された硬貨を一枚ずつ処理する入金処理部と;前記処理された硬貨を送り出す送出部と;前記送り出された硬貨を投出する硬貨投出口を備える。
【0017】
硬貨分離装置により、硬貨を一枚ずつ繰り出して、硬貨を一枚ずつ確実に処理することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において互いに同一あるいは相当する部材には同一符号を付し、重複した説明は省略する。
【0019】
図1は、本発明の実施の形態の硬貨分離装置10を鉛直方向に対して、図中後述のモータ45側に30度傾いた方向から見下ろした図、図2は図1のA−A矢視図であり、後述の回転部材23、羽根車32を省略し、案内床板11より上の部分を表した図である。
【0020】
以下図1を参照して説明する。硬貨分離装置10は、案内部3を備え、案内部3は、以下に説明する、本発明の案内床としての案内床板11、前壁板14、案内壁板19、20、案内壁板41を含んで構成されている。案内床板11は水平面に対してある角度α例えば30度傾いて、図中下側を図中上側より鉛直方向に高く配置されている(図3参照)。案内床板11は平面板状である。案内床板11は、鉛直に配置された側壁板12、13によって、図中左右両側から挟まれて配置されている。案内床板11の、図中下側(利用者側)には前壁板14が配置されている。
【0021】
案内床板11は、側壁板12に隣接し、利用者側に突出した導入部15を有する。導入部15と、案内床板11に平行であって案内床板11より上側に離れて配置された上板16(図2参照)と、導入部15の側壁板12とは反対側に、導入部15を挟んで鉛直に配置された前側板17と、側壁板12の一部とを含んで開口部としての硬貨投入口18が形成されている。硬貨投入口18は利用者が複数の硬貨を一括して投入できる大きさを有する。
【0022】
案内床板11に対して直角に、硬貨の投入方向Lに対して約45度の角度をなす案内壁板19、20が、案内床板11の、投入方向Lから見て左側側部に配置されている。硬貨投入口18から投入された硬貨2A(図中二点鎖線で表示)は重力によって硬貨投入口18から離れる方向に案内壁板19に沿って案内されて、さらに案内壁板20に沿って案内されて移動する(移動中の貨幣を2B、2Cとして二点鎖線で表示)。案内壁板19は案内床板11に固定されて取り付けられ、案内壁板20は後述の移動板21の一部であり移動板21の移動により、案内床板11に対して略直角上方であって案内床板11から離れる方向(図2にX方向として表示)に移動可能に取り付けられている。なお、案内壁板20の大きさは、排除したい異物の大きさ、最大硬貨の大きさより大きくするとよい。
【0023】
案内床板11の水平面に対する傾斜角度α(図3参照)は、表面または裏面を案内床板11に接触させている硬貨が案内床板11上を重力によって滑って移動する角度であり、案内壁板19、20、及び後述の回転部材23、羽根車32に接当した硬貨が案内床板11に対して立ち上がることのない角度とすることが好ましい。
【0024】
案内床板11の、案内壁板20の硬貨の移動に対して下流側の端部近傍には円弧形状の切欠き部22が形成され、切欠き部22を埋めるように、図中Y方向(反時計方向)に回転する回転部材23が案内床板11に対して直角に配置されている。
【0025】
図3に示すように回転部材23は2枚の平行なリング部材24A、Bとバネ25(左巻き)によって構成されている。図中下側の一方のリング部材24Bにはプーリ軸28が結合され、プーリ軸28には従動プーリ29が固着されている。図中上側のリング部材24Aの、バネ25と反対側の端部は、固定板27に取り付けられたベアリング26によって軸支され、プーリ軸28は固定板40に取り付けられたベアリング26によって軸支されている。したがって、従動プーリ29と回転部材23は一体に回転する。
【0026】
さらに、図1を参照して説明する。回転部材23より下流側には、回転部材23に隣接して、回転部材23に沿って、ガイド部材としての規制板31が、案内床板11に対して垂直に取り付けられている。規制板31は案内壁板19、20に対して直角に設置されている。規制板31は、案内床板11に平行な方向に細長く形成され、長手方向の長さは最大貨幣の直径より少し大きい。規制板31の案内床板11からの高さはバネ25のリードの2倍以上約3倍に形成されている。
【0027】
規制板31の、回転部材23に隣接する一端とは反対側の他端の近傍には、転倒部材としての羽根車32が、その回転軸を案内床板11に対して直角になるように取り付けられている。
【0028】
図3に示すように、羽根車32は羽根板33を有する羽根車本体34とスリーブ35が一体にゴムによって形成され、羽根車本体34とスリーブ35は回転軸36に軸止されている。回転軸36にはさらにベアリング37、従動プーリ38、ベアリング39が取り付けられている。羽根板33の枚数は4である(図1参照)。
【0029】
案内床板11には不図示の孔が形成され、この孔にベアリング37が嵌合されている。案内床板11の下側には案内床板11に固定された固定板40が配置されている。固定板40には不図示の孔が形成され、この孔にベアリング39が嵌合されている。羽根車32の回転軸36は、ベアリング37及びベアリング39によって軸支されている。
【0030】
硬貨が案内側板19、20、回転部材23に当たった結果、案内床板11にほぼ直角に立ち上がり立ち硬貨となった場合は、回転する羽根板33に弾かれることにより転倒する。羽根板33の下側の側辺33Aの案内床板11からの高さHは、本硬貨分離装置10が取り扱う硬貨の内で最小の硬貨が立ち硬貨となった場合に、羽根板33にぶつかるように決めることが望ましい。Hの値は最小硬貨の直径より少し小さくするとよい。
【0031】
羽根板33は羽根車32の回転に伴い、回転部材23にぶつかるが、羽根板33が弾性部材としてのゴムで出来ているので曲がり、回転部材23の表面部を擦って通過し、通過直後に真っ直ぐな形状を回復する。したがって、円33B(図1に一点鎖線で示す)の内部の立ち硬貨(不図示)を転倒させることができる。羽根車32は、バネ25に保持された最大硬貨が通過できるよう、回転部材23から所定の距離離れて配置されている。硬貨がバネ25に保持されるとは、螺旋の軸を中心に回転するバネ25の螺旋の間に硬貨が入り込み、入り込んだ硬貨が螺旋と螺旋の間に、ある程度の隙間を持って挟まれ保たれることをいう。
【0032】
図1に示すように、規制板31の長手方向で、羽根車32を越えた先の箇所には案内壁板41が案内床板11に直角に設けられ、硬貨が、案内床板11の外部に出ないようにしている(案内壁板20は前述のように移動することがあるが、ここでは移動していないとする。)。
案内部3は高さ、床面積ともに、複数の硬貨が案内部3に導入されてから回転部材23によって繰り出されるまでの間、一時的に貯留できる大きさを有するように形成するとよい。
【0033】
案内床板11から規制板31の高さだけ上に離れて(図2参照)、送出床板42が案内床板11に平行に、規制板31に接続されて配置されている。送出床板42は平面板状である。回転部材23によって規制板31の高さだけ繰り上げられた硬貨2F(図中二点鎖線で表示)は、回転部材23から離れ送出床板42の上を重力によって滑って移動し、送出部70から送出される。
【0034】
送出床板42には、側板43が直角に取り付けられている。側板43は、案内壁板19、20に平行である。送出床板42は、側板43と、案内壁板41と、側壁板13と、側壁板13を送出部70側に延長した箇所近傍に設置された側板44とによって周囲を囲まれている。なお、側板44も送出床板42に直角である。
【0035】
側板43の近傍には図中M方向(反時計方向)に回転するモータ45が、回転軸46を案内床板11と、送出床板42とに対して直角に、取り付けられている。
図3に示すように、モータ45が取り付けられている取付板47は、固定板40に固定されている。回転軸46の先端には原動プーリ48が取り付けられ、原動プーリ48と従動プーリ29、38にはタイミングベルト30が掛けられている。タイミングベルト30の巻き掛け角度を大きくして歯飛びを防止するために、原動プーリ48と従動プーリ29との間には自由プーリ49が回転可能に取り付けられている。よって、モータ45の回転によって、回転部材23と、羽根車32とがスムーズに回転する。
【0036】
次に図4を参照して、案内壁板20が移動可能な機構について説明する。側壁板12(図2参照)の最下部で、導入部15(図1参照)とは反対側に収納板50(図2参照)が水平に設けられ、収納板50上にはソレノイド51(図1参照)が設置されている。収納板50の、側壁板12側の側部とは反対側の側部には、側壁板12に平行に収納側板52(図2参照)が取り付けられている。ソレノイド51は、通電することによりS1方向にプランジャ53が移動する。プランジャ53には、溝54が形成され、溝54に垂直に貫通孔55が形成されている。
【0037】
リンク58の両端部近傍にはそれぞれ孔56、57が加工されている。リンク58の孔56が加工された方の端部が溝54に挿入され、プランジャ53の貫通孔55と孔56を貫通するピン71が貫通孔55に挿入され、プランジャ53とリンク58とが結合される。
【0038】
固定ピン73が、収納側板52のソレノイド51側の表面及び、側壁板12のソレノイド51側の表面の間に挟まれて固定されている。固定ピン73には回動ブッシュ59が回動可能にはめ込まれ、回動ブッシュ59はアーム62に固定して取り付けられているので、アーム62は固定ピン73を中心に回動可能である。アーム62には、さらに係合ピン60が固定して取り付けられ、長孔61が加工されている。係合ピン60が孔57に挿入されるので、リンク58とアーム62とが係合する。
【0039】
不図示の固定ピンが、側壁板12のソレノイド51側とは反対側の表面に垂直に固定して取り付けられ、この固定ピンには、回動ブッシュ63が回転可能にはめ込まれている。回動ブッシュ63は、移動板21に固定して取り付けられているので、移動板21は前述の不図示の固定ピンを中心に回動可能である。移動板21には、さらに係合ピン64が固定して取り付けられ、係合ピン64は、長孔61に係合するので、アーム62と移動板21とが係合する。移動板21の回動ブッシュ63が付いている端部とは反対の端部には案内壁板20が一体に接続されている。
【0040】
図1に示すように、収納側板52にはバネ固定ピン65が取り付けられ、バネ固定ピン65とピン71には、引っ張りバネ66が取り付けられ、ソレノイド51のプランジャ53は通常時の非通電状態のときプランジャ53が最も突き出た状態になるようにプランジャ53を付勢している。ソレノイド51が非通電となることにより引っ張りバネ66の付勢力により、案内壁板20は元の箇所に戻り案内壁板として作用するようになる。
【0041】
案内壁板20の真下には排出板67が配置され、排出板67は案内床板11に平行であり平面板状である。案内壁板20が移動して上昇することにより、案内壁板20があった箇所に排出口が形成される。案内壁板19、案内床板11によって案内された異物は、案内壁板20が上昇前の箇所には存在せず排出口となっているので、重力により排出口を経て排出板67に排出される。異物は、傾いている排出板67の下側の側部に設けられた排出側板68に案内されて、排出板67の端部である排出部69から排出される。
【0042】
次に、図1を参照し、本発明の実施の形態の硬貨分離装置10の作用を説明する。硬貨の投入前には、モータ45がM方向に回転し、ソレノイド51は非通電の状態にある。したがって、モータ45の回転力は原動プーリ48から、タイミングベルト30によって従動プーリ29(図3参照)、従動プーリ38(図3参照)に伝えられるので、回転部材23はY方向へ、羽根車32はZ方向に回転している。また、案内壁板20は上昇前の位置にあり案内壁板として作用している。
【0043】
次に利用者によって、硬貨投入口18から硬貨が一括に投入される。案内床板11が下に向かって水平面に対し30度の角度で傾き、案内壁板19、20は硬貨の投入方向Lに対して約45度傾いて配置されているので、硬貨2B、Cは重力により案内床板11上を滑り案内壁板19、20によって投入方向Lに対し約45度方向を変えられ、案内壁板19、20に沿って回転部材23の方へ案内される。ほとんどの硬貨は案内床板11に面を接触させて(硬貨の上に硬貨が乗る場合は上の硬貨はその下側の面を、下側の硬貨の上側の面に接触させて)移動するが、なかには案内床板11に対して垂直の状態、または角度を持った立ち硬貨(図示せず)が出現する場合がある。この立ち硬貨は羽根車32の羽根板33にぶつかり転倒される。
【0044】
回転部材23まで案内された硬貨2D(図中二点鎖線で表示)は、回転部材23のバネ25にぶつかり、あるいはバネ25の螺旋の間に入り込み保持され、Y方向に回転させられる。バネ25にぶつかった硬貨はバネ25がさらに回転すると螺旋の間に入り込み保持され、同様にY方向に回転させられる。バネ25の螺旋の幅(リードからバネの線部の直径を引いた値にほぼ等しい)は、硬貨分離装置10によって扱われる最大厚さの硬貨が入り込むことができ、最小厚さの硬貨を2枚重ねた仮想の硬貨が入り込めないように、すなわち硬貨が一枚ずつ分離されて繰り出されるよう螺旋の形状を形成する。繰り出される硬貨は、連続して繰り出される場合は、回転部材23の回転周期に等しい間隔をおいて繰り出される。また、バネ25の直径は、本硬貨分離装置10が取り扱う最小硬貨の直径よりわずかに小さくすることが望ましい。
【0045】
硬貨が回転部材23に向かって積層されて案内されて来た場合、何層目の硬貨が最初にバネ25の螺旋の間に入り込むかは、硬貨の厚さとバネ25のリードの関係、バネ25の回転角度状態により様々である。最上層にない硬貨がバネ25の螺旋の間に保持されて繰り出され、繰り出された硬貨より上にある硬貨が繰り出された硬貨により立ち上げられ、一点が案内床板11(又は転倒状態にある硬貨の表面)に接触し、他点がバネ25に接触した硬貨は、羽根車32の羽根板33に当たることにより弾かれて転倒させられる。
【0046】
回転部材23に入り込んで螺旋の軸回りに回転させられた硬貨は規制板31にぶつかり螺旋の軸回りの回転が規制される。硬貨2E(図中二点鎖線で表示)は螺旋の軸回りの回転を停止させられるので、螺旋の軸に沿った方向へ規制板31に接触しながら、規制板31に案内されて下から上へ移動する。バネ25が左巻きであり、Y方向に回転しているので、硬貨は案内床板11から離れて上方向へ移動する。
【0047】
次に、硬貨は規制板31の幅方向の長さ(高さ)より高く(案内床板11に垂直な方向)移動させられると規制板31による支えを失い、重力によってバネ25から離脱し、送出床板42面上を滑って送出部70より出る。規制板31の高さはバネ25のリードの2倍以上約3倍に形成されているので、硬貨がバネ25に保持された後、回転部材23が2回転以上約3回転(N倍のときは、約N回転)することによりバネ25から離脱する。
【0048】
硬貨が繰り出され、所定の時間が経過すると、モータ45の回転が停止され、ソレノイド51が通電される。ソレノイド51が通電されると、プランジャ53はS1方向に移動し、リンク58がS2方向に移動する。その結果、アーム62は回動ブッシュ59を中心にS3方向に回動し、長孔61はS4方向に回動する。よって、係合ピン64はS5方向に、案内壁板20がS6方向に回動し、案内壁板20の箇所に排出口が形成される。そして、ゴミ、残留異物等はこの排出口から排出板67の下側の側部に形成された排出側板68に案内されて、排出板67の端部である排出部69から排出される。ここで、モータ45を図1中時計方向(図1中Mと反対方向)に回転させると、回転部材23の螺旋上に残留した異物を積極的に排出することもできる。
【0049】
さらに、所定時間が経過すると、ソレノイド51は通電を停止し、モータ45は一旦停止した後、図1中反時計方向(図1中M方向)に回転し、初期状態に復帰する。そして、再び硬貨を受け入れることができるようになる。
【0050】
バネの断面形状は、円形であってもよく、楕円形、または矩形であってもよい。また螺旋の直径の半分の幅の帯状の鋼板を螺旋階段のように螺旋状に加工したものであってもよい。バネの螺旋の軸とは、バネの外側に接する面が形成する円筒形状の中心軸をいう。
【0051】
また、バネの代わりに螺旋面を有するネジ形状を備えた回転部材とすることもできる。この場合、硬貨を案内する案内床面を水平面に対して角度α例えば30度傾け、硬貨が徐々に自重により下がって回転部材に向かって案内されるようにする。回転部材を鉛直軸に対して角度α、即ち30度傾けて案内床面に対して直角に配置し、硬貨を水平面に対して60度の傾きで上方向に繰り上げるようにするとよい。
【0052】
内径が回転部材の直径より僅かに大きい半円筒状、または同様の直径を有する円筒の、周方向の一部を形成する案内板を、中心軸を回転部材の中心軸に一致させて回転部材の下側に沿うように配置する。硬貨は自重により回転部材の螺旋の軸回りの回転に対抗し、螺旋の軸方向に案内板の内壁上を案内されて移動し繰り上げられる。案内板の断面形状は半円状、または円弧状に限らず、楔型状であってもよい。なお、案内板は本発明のガイド部材として作用する。
【0053】
図5に本発明の硬貨分離装置としての分離部110を備えた硬貨処理装置1の概略構成を表すブロック図を示す。
【0054】
硬貨処理装置1は、利用者が複数の硬貨(図5に不図示)を一括して投入することができる硬貨投入口118と、硬貨投入口118から案内部に導かれた複数の硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す分離部110を備える。硬貨処理装置1は、繰り出された硬貨を一枚ずつ真偽、及び種類を識別する識別部181と、識別された硬貨を種類ごとに振り分ける振分部182と、振り分けられた硬貨を収納する収納部183を有する入金処理部184を備える。硬貨処理装置1は、さらに以下に説明する制御手段185、硬貨投出口191、受皿186、オーバーフロー金庫187、出金部188、送出部189を備える。
【0055】
識別された硬貨、振り分けられた硬貨、収納された硬貨の情報は制御手段185に送られる。偽硬貨と判定された硬貨は識別部181から硬貨投出口191を経て受皿186に送られる。収納部が満杯のため収納しきれない硬貨は、収納部183からオーバーフロー金庫187に送られる。
【0056】
商品(図示せず)の発売後、釣銭の支払いが必要なときは制御手段185により収納部183に出金の指示が出される。収納部183に収納されていない硬貨の出金が必要な場合は、制御手段185により出金部188に必要な硬貨を出金するように指示が出される。出金部188には予め全ての種類の十分な枚数の硬貨が貯留されている。
【0057】
収納部183、または出金部188から繰り出された硬貨は送出部189に搬送され、送出部189から硬貨投出口191を経て受皿186に送り出される。送出部189に硬貨が繰り出されたとき、硬貨処理装置1にトラブルが生じた場合は、利用者への釣銭の払い出しは禁止され硬貨は硬貨投出口191には送り出されず、オーバーフロー金庫187に送り出される。
【0058】
分離部は、異物、残留物等を排出する排出部169を有し、排出された異物、残留物等は排出物貯留部190に送られ、排出物貯留部190から適宜取り出される。
【0059】
硬貨処理装置1は、一括して投入された硬貨を一枚ずつ分離して繰り出す分離部110を有するので、識別、振り分け、収納を一枚ずつ行うことができ、硬貨の詰まりを発生させず硬貨を確実に処理することができる。分離部110を簡易な構造とし安価とすることができるので、硬貨処理装置1を取り扱いが容易で安価なものとすることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、螺旋状に形成され、螺旋の軸を中心に回転する回転部材と、複数の硬貨を貯留する案内部であって、該硬貨を回転部材に案内する案内部と、螺旋の軸に沿って配置されたガイド部材とを設け、回転部材は、案内された硬貨を螺旋の間に保持して、硬貨をガイド部材に案内させて一枚ずつ繰り出すよう構成したので、安価で簡易な構成であり、複数枚の硬貨が投入された場合、硬貨の詰まりを発生することなく一枚ずつ分離して繰り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の硬貨分離装置の鉛直線から30度傾いた方向(案内床面に垂直な方向)から見た図面である。
【図2】図1の硬貨分離装置のA−A断面図である。
【図3】図1の硬貨分離装置の側面断面図である。
【図4】図1の硬貨分離装置の案内壁板の移動を可能とする機構の分解図である.
【図5】硬貨処理装置の概略構成を表すブロック図である。
【符号の説明】
1 硬貨処理装置
2A、B、C、D、E、F 硬貨
3 案内部
10 硬貨分離装置
11 案内床板
18 硬貨投入口
19、20 案内壁板
21 移動板
23 回転部材
25 バネ
29 従動プーリ
30 タイミングベルト
31 規制板
32 羽根車
33 羽根板
35 スリーブ
36 回転軸
38 従動プーリ
41 案内壁板
42 送出床板
45 モータ
46 回転軸
48 原動プーリ
49 自由プーリ
51 ソレノイド
53 プランジャ
58 リンク
59 回動ブッシュ
60 係合ピン
62 アーム
63 回動ブッシュ
64 係合ピン
66 引っ張りバネ
69 排出部
70 送出部
110 分離部
118 硬貨投入口
169 排出部
184 入金処理部
185 制御手段
188 出金部
189 送出部
190 排出物貯留部
191 硬貨投出口

Claims (4)

  1. 螺旋状に形成されたバネによって構成された回転部材と;
    硬貨を前記回転部材に案内する案内床を有する案内部と;
    前記回転部材に沿って配置され、前記硬貨を前記案内床に対し垂直に移動するようガイドするガイド部材とを備え;
    前記案内部は、複数の前記硬貨を貯留するように構成され;
    前記回転部材は、前記螺旋の軸を中心に回転し、前記硬貨を前記螺旋の間に保持して、前記硬貨を前記ガイド部材に案内させて一枚ずつ繰り出すよう構成され;
    前記ガイド部材は、前記保持された硬貨の、前記螺旋の軸回りの回転を規制し、前記螺旋の軸方向の移動を許容するように構成され
    前記回転部材により前記ガイド部材の高さだけ繰り上げられた前記硬貨は、前記回転部材から離れ送出床板上を移動するように構成され;
    前記送出床板は、前記案内床から前記ガイド部材の前記高さだけ離れて、前記ガイド部材に接続されて配置され;
    前記回転部材の直径は、取り扱う硬貨のうち最小硬貨の直径よりも小さく形成されていることを特徴とする;
    硬貨分離装置。
  2. 前記案内される硬貨のうち前記案内床に対して立った姿勢の立ち硬貨を転倒させるよう構成された転倒部材を有し;
    前記転倒部材は、回転する羽根板を有し
    前記羽根板の下側の側辺の前記案内床からの高さが、取り扱う硬貨のうち最小硬貨の直径よりも小さく形成され
    前記羽根板が、前記回転に伴い、前記回転部材にぶつかって曲がり、前記回転部材の表面部を擦って通過し、該通過直後に形状を回復するよう弾性部材で形成された
    請求項1に記載の硬貨分離装置。
  3. 前記ガイド部材の一部の移動、または前記案内部の一部の移動を可能とし、前記一部の移動によって前記ガイド部材、または前記案内部に開口部形成し;
    前記案内部が水平面に対して傾いて配置され、前記案内部に案内された異物が自重により前記開口部に排出されるように構成された;
    請求項1または請求項2に記載の硬貨分離装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の硬貨分離装置と;
    投入された硬貨を受け入れ、受け入れた該硬貨を前記案内部に導く硬貨投入口と;
    前記繰り出された硬貨を一枚ずつ処理する入金処理部と;
    前記処理された硬貨を送り出す送出部と;
    前記送り出された硬貨を投出する硬貨投出口を備えた;
    硬貨処理装置。
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