JP2012002348A - 配管材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金型6のキャビティ61内に複合管1の管端部を臨ませた状態で、熱可塑性樹脂をキャビティ61内に射出充填して継手本体21を成形すると同時に、少なくとも複合管1の内層12と、継手本体21とをその界面で周方向に連続して融着することによって複合管1と継手本体21とを一体化した。
【選択図】 図4
Description
このような複合管は、従来、かしめ継手(特許文献1参照)、ワンタッチ継手(特許文献2参照)、袋ナットを締め付ける方式の継手(特許文献3参照)等の管継手を用いて他の金属製の配管材と接続されるようになっている。
(1)金属価格の変動によりコストが高く、また安定供給のリスクが高い。
(2)重量が重くなる。
(3)腐食の発生リスクがある。
(4)継手を構成する部材の点数が多く、それらの組立が必要なため、組立工数、時間を要し、コストアップの要因となっている。
(5)組立時に不良部材を間違って使用するおそれや、組立間違いなどの製品不良が発生するおそれがある。
(6)管継手に抜け止めや止水の構造を持たせるため、管継手全体が大きくなり、狭い場所での配管ができないという問題がある。
(7)管の端面に流体が触れるため、上記複合管の場合、中間層の金属が腐食し、管の寿命を低下させるおそれがある。
しかしながら、バット融着は、接合しようとする配管材の端面を熱板等で溶融したのち、端面同士を突き合わせて接合するようになっている。したがって、バット融着では、上記中間層に溶融しない金属層を備えている複合管の場合、他の配管材の管端面を複合管の管端面に押し付けた際に、溶融樹脂に面圧を加えることが難しく、うまく融着できないとい問題がある。
また、上記インコアは、複合管の内周面に接する鍔部を備えていることが好ましい。
インコアの材質としては、継手本体を射出成形する際に、射出樹脂の熱によって溶融しなければ特に限定されないが、例えば、砲金など銅合金、ステンレス鋼等の金属、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PPSU(ポリフェニルサルフォン)などのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
連結保持具としては、係合部に係合して配管材の継手と、他の継手との連結状態を保持できれば、特に限定されないが、例えば、両継手の接合部を弾性的にクリップする対向して設けられた2つのクリップ部を有するとともに、両クリップ部に設けられたスリット状の係合孔内に、本発明の配管材の係合部を、他の継手の係合部とともに、挿入してクリップ部に係合状態として連結状態を保持するようにした、ファスナークリップやクイックファスナーと称されるものが用いられる。
また、上記係合部は、その連結保持具接触面が継手本体より高強度の材料からなる補強部材で形成されていることが好ましい。
また、内層及び外層が複層になっているものでも構わないし、内層と外層とが異なる熱可塑性樹脂で形成されていても構わない。
上記複合管の管端部の少なくとも一部が継手本体内に内包されている構成とする場合、継手本体と複合管とがより強固に一体化されるように、複合管の継手本体内に内包された部分に複合管の管壁を貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を介して継手本体に一部が連通している構成とすることが好ましい。
すなわち、一つの貫通孔の面積が複合管の断面積の10%未満の場合、継手本体を射出成形する際に射出樹脂が貫通孔内にうまく流入しないなどの成形上の問題に加え、貫通孔を介して射出樹脂がうまく一体化せず、管軸方向に対するスラスト荷重に対して引抜防止力が低下して、漏水の危険性が生じるおそれがある。
また、上記貫通孔は、特に限定されないが、管の同一円周上に均等に配置されることが好ましく、同一円周上に並ぶすべての貫通孔の直径の和は管円周の30%未満とすることが好ましい。
すなわち、管の同一円周上に均等に配置されない場合、管の同一円周上の引張強度に偏りが生じるため、管軸方向に対するスラスト荷重に対して応力集中が起こり、管破壊等による漏水の危険性が生じるおそれがある。
また、同一円周上に並ぶ全ての貫通孔の直径の和が管円周の30%より大きい場合、複合管の軸方向の引張強度が低下するため、管軸方向に対するスラスト荷重に対して引抜防止力が低下し、漏水の危険性が生じるおそれがある。
しかも、複合管の内層と継手本体とが界面で周方向に連続して融着されているので、通水部を流れる水が中間層の金属に接触することがない。したがって、中間層が配管内部を流れる接触することによる中間層を構成する金属の腐食がない。
そして、継手本体を成形すると同時に複合管が継手本体と融着状態で接続されるので、迅速、安価に本発明の配管材を得ることができる。
図1は、本発明にかかる配管材の第1の実施の形態をあらわしている。
複合管1は、ポリエチレンからなる外層11及び内層12と、アルミニウムからなる中間層13とを備えている。
複合管連結部21aは、継手本体21の一端部に設けられていて、複合管1の管端部内外周面及び管端面を覆った状態で、そのほぼ全界面で複合管1の外層11及び内層12と融着一体化されている。すなわち、内層12と継手本体21とは、周方向に連続して融着されている。
台座部21cは、その外径が係合部20の外径より、後述する補強部材22の肉厚の2倍分小径になっている。
また、補強部材22は、Lの字の縦辺部分22aが、台座部21cの複合管1側の壁面に沿うとともに、縦辺の上端部分が継手本体21内に埋設され、Lの字の横片部分22bが台座部21cの外周面に沿うように継手本体21に一体化されている。
筒状本体部23aは、その外径が補強部材22のリング内径より小さい。したがって、補強部材22と複合管1とは、継手本体21を介して完全に縁切りされている。
他方の第2鍔部23cは、継手本体21の差口部21bの外径とほぼ同じ外径をしていて、継手本体21の他方の端面に密着するとともに、継手本体21の切欠段部21eとによってリング状の凹溝を形成している。
すなわち、この継手3は、一方に受口31を備え、他方にねじ筒部32を備えている。
受口31は、継手2aの差口部21bとほぼ同じ形状をした筒状をしていて、外側に鍔状に張り出す係合部31aをその先端に備えている。
係合部31aは、係合部20とほぼ同じ外径をしている。
この状態で、継手2aの係合部20と、係合部31aの端面同士がほぼ密着状態となる。
つぎに、両係合部20,31aの一部が連結保持具4の対向するクリップ部41(図2,3では片側しかあらわれていない)にそれぞれ設けられた係合孔41a内に入り込むように、連結保持具4を取り付けて、継手2aと継手3との接合部両側を両クリップ部41によって弾性的にクリップしたのち、両クリップ部41の開放端41bを、連結保持具4の離脱防止部材42に対向して設けられた係止爪42aに係止させる。
この配管材Aの製造方法は、まず、補強部材22をインコア23の筒状本体部23aに遊嵌状態となるようにセットしたのち、第1鍔部23bが複合管1の管端から所定位置まで入り込むように、インコア23の一端部を複合管1内に挿入して複合管1と、補強部材22と、インコア23とを予備組み立てする。
この、予備組み立てによって第1鍔部23bの外周面が複合管1の内周面に密着した状態となる。
このセットによって、補強部材22は、リングの中心が、インコア23の筒状本体部23aの中心軸と一致するとともに、筒状本体23aとの間にリング状の隙間が保持した状態となる。すなわち、補強部材22とインコア23とが直接接触しない状態に保持される。
そして、複合管1と継手本体21とが、継手本体21を射出成形すると同時に融着一体化されて、継手2aと複合管1とが予め一体となっているので、組立時に不良部材を間違って使用するおそれや、組立間違いなどの製品不良が発生するおそれがないとともに、継手2aに複合管1からの抜け止めや止水の構造を持たせる必要がないため、継手2a部分の大きさを小さくすることができ、狭い場所での配管施工を容易に行うことができる。
また、この配管材Aは、係合部20の連結保持具4に接触する部分が継手本体21より強度が高い材料で形成されているので、連結保持具4の着脱の際に継手2aが傷みにくいとともに、配管材Aと継手3とを高い接続強度で接続することができる。
したがって、インコア23と継手本体21との間に水みちが形成されないように、射出成形の際にインコア23の周面にパッキンや接着剤等のシール部材を配置する必要がない。
また、製造工程においては、インコア23が第1鍔部23bを備え、この第1鍔部23bが継手本体21の射出樹脂の複合管1内への必要以上の流入を止める堰となるため、金型6に入れ子等を設ける必要がなく、金型構造を簡易にすることができ、金型コストを低減できる。
一方、図5に示すように、キャビティ61の複合管連結部21aを形成する部分を臨む位置にゲート63を設けた場合、複合管1と継手本体21とがより融着しやすいという利点がある。
図6に示すように、この配管材Bは、継手2bがインコア23を備えていない以外は、上記配管材Aと同様になっている。
この配管材Bは、継手2bがインコア23を備えていないので、上記配管材Aに比べ、部品点数が少なくなり、コストダウンを図るとともに、作業工数も少なくなる。
図7に示すように、この配管材Cは、継手2cが補強部材22を備えておらず、係合部20が継手本体21に直接設けられている以外は、上記配管材Aと同様になっている。
この配管材Cは、補強部材22を備えていないので、上記配管材Aに比べ、部品点数が少なくなり、コストダウンを図るとともに、作業工数も少なくなる。
図8に示すように、この配管材Dは、以下の構成以外は、配管材Aと同様になっている。
すなわち、この配管材Dは、継手2dを構成する複合管1dの先端部に、複合管1dの原管の先端部を外側に略直角に折り曲げることによって形成したフランジ部14を備えている。
すなわち、まず、図9(a)に示すように、原管100の一端に拡径治具(テーパコア)200を臨ませたのち、図9(b)に示すように、拡径治具200を原管100内に押し込んで原管100の一端をテーパ状に一旦拡径した一次加工品110を形成する。なお、テーパ角は、60〜70°程度でよい。
図11及び図12に示すように、この配管材Eは、以下の構成以外は、配管材Aと同様になっている。
さらに、射出成形時、切れ目16部分に射出樹脂が完全充填されるので、管端部に周方向の強度低下がない。
なお、切れ目16の総面積は、特に限定されないが、折り曲げた管端部の総面積の30%未満とすることが好ましい。30%以上とすると、管の強度を担保する金属層の割合が減少し管軸方向のスラスト荷重に対する引抜防止力が低下し、漏水の危険性が生じるおそれがある。
図13に示すように、この配管材Fは、以下の構成以外は、配管材Aと同様になっている。
図14に示すように、この配管材Gは、継手2gを構成する複合管1gの先端に上記配管材Dと同様にフランジ部18を備えるとともに、複合管1gの継手本体21内に内包される部分に、周方向に等ピッチで貫通孔18aが穿設されていて、継手本体21を構成する樹脂がこの貫通孔18aを介して連通している以外は、上記配管材Dと同様になっている。
図15に示すように、この配管材Hは、以下の構成以外は、上記配管材Dと同様になっている。
そして、複合管1hの継手2hを構成する部分は、複合管1hの内層12のみが、継手本体21と接触して融着されているとともに、補強部材22を設けず、複合管1hのフランジ部18が、補強部材を兼ねるようになっている。
図16に示すように、この配管材Iは、以下の構成以外は、上記配管材Aと同様になっている。
フランジ部10は、その先端部が継手本体21内に内包されておらず、先端部の内層12部分のみが継手本体21に融着状態になっている。
さらに、この配管材Iは、補強部材22を設けず、フランジ部10が、補強部材を兼ねるようになっている。
しかも、複合管1hの継手2を構成する部分がフランジ部10の先端部を除き大部分が継手本体21に内包されているので、複合管1iの継手本体21からの引き抜き方向の力がフランジ部10の基端部で受けられて強度的に優れたものとなる。また、貫通孔18aを備え、継手本体21を構成する樹脂がこの貫通孔18aを介して連通しているので、複合管1iに周方向のねじれが加わっても融着部が剥離して漏水が起きるという事故も防止できる。
上記の実施の形態では、金型のキャビティが1つであったが、多数個取りするために、金型内に複数のキャビティを設けるようにしても構わない。
上記の実施の形態では、Oリングを2つ備えていたが、1つでも構わないし、3つ以上でも構わない。
上記の実施の形態では、継手本体を射出成形すると同時に複合管の内層と継手本体とが融着されるようになっていたが、継手本体を予め成形し、複合管を継手本体に設けられたリング状をした溝内に挿入し、超音波融着するようにしても構わない。
1,1d,1e,1f,1g,1h,1i 複合管
10 フランジ部
10a 貫通孔
15 折れ曲がり部
16 切れ目
17 抜け止め部
18 フランジ部
18a 貫通孔
19 フランジ部
2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h,2i 継手
20 係合部
21 継手本体
21a 複合管連結部
21b 差口部
22 補強部材
23 インコア
23a 筒状本体部(通水部)
23b 第1鍔部
23c 第2鍔部
24 Oリング
4 連結保持具
6 射出成形金型
61 キャビティ
Claims (10)
- 熱可塑性樹脂製の外層及び内層と、金属製の中間層とを備えた複合管の管端部に、継手の継手本体が一体化されてなる配管材であって、
前記複合管の内層と、前記継手本体との界面で周方向に連続して融着されて一体化されていることを特徴とする配管材。 - 通水部を形成するとともに、継手本体を補強するインコアを継手本体の内側に備えている請求項1に記載の配管材。
- インコアが、複合管の内周面に接する鍔部を備えている請求項2に記載の配管材。
- 鍔状に外側に張り出し、他の継手との連結保持具の一部が係合する係合部を有する請求項1〜請求項3のいずれかに記載の配管材。
- 係合部の連結保持具接触面が継手本体より高強度の材料からなる補強部材で形成されている請求項4に記載の配管材。
- 複合管の内層が継手本体と融着される部分の少なくとも先端部が、外側に広がるように拡径加工されあるいは折り曲げ加工されている請求項1に記載の配管材。
- 複合管の管端部の少なくとも一部が継手本体内に内包されている請求項1に記載の配管材。
- 複合管の継手本体内に内包された部分に複合管の管壁を貫通する貫通孔が設けられ、この貫通孔を介して継手本体に一部が連通している請求項7に記載の配管材。
- 射出成形金型のキャビティ内に複合管の管端部が臨むように複合管を配置した状態で、キャビティ内に射出樹脂を射出充填して、継手本体を成形することを特徴とする請求項1〜請求項8にいずれかに記載の配管材の製造方法。
- 継手本体と別部材からなるインコア及び連結保持具の係合部の補強部材の少なくともいずれか一方を、複合管の管端部とともに、キャビティ内に配置した状態で、キャビティ内に射出樹脂を射出充填して、継手本体を成形する請求項9に記載の配管材の製造方法。
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