JP2012001654A - 水系ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いた塗料 - Google Patents

水系ポリウレタン樹脂組成物及び該組成物を用いた塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】耐水性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)及び基材との密着性等に優れ、表面処理鋼板塗料に好適に使用できる水系ウレタン樹脂組成物の提供。
【解決手段】ウレタンプレポリマーに鎖伸長剤を反応させて得られる水系ポリウレタン樹脂を含有する水系ポリウレタン樹脂組成物。ポリオール成分の5〜35質量%が、炭素原子数10〜32の長鎖アルキレンジオール化合物(a)であると供に、鎖伸長剤が、下記一般式(1)で表されるポリアルキレンポリアミン化合物(b)を含有し、(b)成分の含有量が、全鎖伸長剤中のアミノ基の当量を1とした場合における、前記ポリアルキレンポリアミン化合物のアミノ基の当量が0.2〜1.0となる量であると供に、全鎖伸長剤の含有量が、前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基1当量に対する全鎖伸長剤のアミノ基の当量が0.5〜0.9となる量であることを特徴とする。
Figure 2012001654

【選択図】なし

Description

本発明は水系ポリウレタン樹脂組成物に関し、特に、耐水性及び耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性に優れる水系ポリウレタン樹脂組成物、該水系ポリウレタン樹脂組成物を含有する塗料、及び、該水系ポリウレタン樹脂組成物を板状材料表面に塗布してなる塗装品に関する。
ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性、接着性、非粘着性、及びゴム弾性を有することから、塗料、接着剤、バインダー、及びコーティング剤等として広く用いられている。
しかしながら、近年、対環境汚染や労働衛生等の安全性の面から、水系ポリウレタン樹脂組成物の報告が多数なされているが、水系ポリウレタン樹脂組成物は、溶剤系或いは無溶剤系のものに比べて、耐水性、耐薬品性、耐熱性、及び引張特性等の物性に劣るという問題点がある。
例えば、表面処理鋼板の塗装に用いる塗料には、特に耐水性及び耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性を有することが必須条件とされるが、現状の水系ポリウレタン樹脂組成物には、未だこれらの物性を満足できるものは知られていない。
また、多官能イソシアネートとフッ素化アルコールとの反応生成物にポリオキシアルキレン含有物質を反応させたフッ素ポリマーが提案されている(特許文献1)が、このフッ素化ポリマーは、繊維基材の撥水性及び撥油性を向上させたものであるが、鋼板との密着性が良好でないため、鋼板用塗料として使用することは適当でない。
また、耐水性、耐薬品性、耐熱性等が改善された水系ポリウレタン樹脂として、側鎖に長鎖アルキル基を含有する水系ポリウレタン樹脂が開示されている。しかしながら、この水系ポリウレタン樹脂は、主鎖として短い分岐ジオールを使用してウレタン化した場合(特許文献2〜4)、凝集エネルギーが高いウレタン結合が互いに近接するので、生成したウレタンプレポリマーが凝集し、粘度が上昇するために、水分散が困難となる。
また、主鎖が長い分岐ジオールを使用した場合(特許文献5)には、ウレタン主鎖中に組み込まれた長鎖アルキレン基によって疎水性が高くなり、水分散性が低下する。
更に、長鎖アルキル基を有するイソシアヌレート化合物とポリオール及び水からなる水分散型ポリウレタン組成物が開示されているが(特許文献6及び7)、耐水性及び耐薬品性が充分なものではなかった。
特開2003−000000号公報 特開2000−007909号公報 特表2005−510600号公報 特開2005−068228号公報 特表2004−502000号公報 WO06/038466号公報 特開2009−203316号公報
本発明者等は、前記した従来の欠点を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ウレタン樹脂骨格内に一定量の長鎖アルキレンジオール化合物が組み込まれたウレタンプレポリマーを、特定のアルキレンポリアミン化合物を必須成分としたアミン化合物を一定量添加して鎖伸長させることにより、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性及び基材との密着性等に優れた水系ウレタン樹脂組成物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
従って、本発明の目的は、耐水性、耐薬品性(耐酸性、耐アルカリ性)及び基材との密着性等に優れ、表面処理鋼板塗料用途に好適に使用できる水系ウレタン樹脂組成物及び該水系ウレタン樹脂を塗布してなる板状塗装品を提供することにある。
即ち本発明は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られたウレタンプレポリマーに、鎖伸長剤を反応させて得られる水系ポリウレタン樹脂を含有する水系ポリウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール成分の5〜35質量%が、炭素原子数10〜32の長鎖アルキレンジオール化合物(a)であると供に、前記鎖伸長剤が、下記一般式(1)で表されるポリアルキレンポリアミン化合物(b)を含有し、該(b)成分の含有量が、全鎖伸長剤中のアミノ基の当量を1とした場合における、前記ポリアルキレンポリアミン化合物のアミノ基の当量が0.2〜1.0となる量であると供に、全鎖伸長剤の含有量が、前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基1当量に対する全鎖伸長剤のアミノ基の当量が0.5〜0.9となる量であることを特徴とする、水系ポリウレタン樹脂組成物、該水系ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とする塗料及び該塗料を板状材料に塗布してなることを特徴とする塗装品である。
Figure 2012001654

但し、式(1)中のRは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、nは2〜4の数である。
前記水系ポリウレタン樹脂組成物において、前記(a)成分は、炭素原子数12〜18の長鎖アルキレンジオール化合物であることが好ましく、前記一般式(1)において、Rがエチレン(−CHCH−)基であると共に、nが2又は3であることが好ましい。
また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物は、表面処理鋼板の塗装に有用である。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を、特に、表面処理鋼板に塗装することにより、耐水性及び耐薬品性等に優れた塗膜を有する塗装品を得ることができる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物に含有される水系ポリウレタン樹脂は、ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られたウレタンプレポリマーに、鎖伸長剤を反応させて得られる。
上記ウレタンプレポリマーの合成に使用されるポリイソシアネートは特に限定されるものではなく、ジイソシアネート化合物及びイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートを使用することができる。
前記ジイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トランス及び/又はシス−1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート類;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4及び/又は(2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類等;及びこれらの混合物が挙げられる。
また、イソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートとしては、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネート、これらの混合物等の3官能以上のイソシアネート、これらの3官能以上のイソシアネートのカルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性等の変性物、これらを各種のブロッキング剤によってブロックしたブロックイソシアネート、前述したジイソシアネートのイソシアヌレート三量体及びビウレット三量体等が挙げられる。
これらの中でも、密着性、耐性、及び強度などに優れた水系ポリウレタン樹脂組成物が得られることから、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートを使用することが特に好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の製造に使用されるポリオールは、炭素原子数10〜32の長鎖アルキレンジオール化合物(a)を必須成分として含有する。
該(a)成分の含有量は、ポリオール成分の5〜35質量%であることが必要であり、10〜30質量%であることが好ましく、15〜25%であることがより好ましい。5質量%未満であると、水系ポリウレタン樹脂組成物の耐水性及び耐薬品性が低くなり、35質量%を超えると、ウレタンプレポリマーの水への分散性が低下し、水系ポリウレタン樹脂の製造が困難となる。
(a)成分として使用される炭素原子数10〜32の長鎖アルキレンジオール化合物としては、例えば、デカンジオール、ウンデカンジオール、ドデカンジオール、トリデカンジオール、テトラデカンジオール、ペンタデカンジオール、ヘキサデカンジオール、ヘプタデカンジオール、オクタデカンジオール、ノナデカンジオール、イコサンジオール、ヘンイコサンジオール、ドコサンジオール、トリコサンジオール、テトラコサンジオール、ペンタコサンジオール、ヘキサコサンジオール、ヘプタコサンジオール、オクタコサンジオール、ノナコサンジオール、トリアコンタンジオール、ヘントリアコンタンジオール、ドトリアコンタンジオール等の直鎖又は分岐のジオールが挙げられる。
これらの中でも、耐水性及び耐薬品性に優れた水系ポリウレタン樹脂組成物が得られることから、(a)成分は炭素原子数12〜18の長鎖アルキレンジオールであることが好ましく、1,12−ドデカンジオール又は1,12−オクタデカンジオールであることが特に好ましい。
前記(a)成分以外のポリオールは特に限定されるものではなく、例えば、数平均分子量200未満の低分子ポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエステルポリカーボネートポリオール類、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類等が挙げられる。
前記低分子ポリオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等脂環式ジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の3価以上のポリオールが挙げられる。
前記ポリエーテルポリオール類としては、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール等の前記低分子ポリオールの他、ビスフェノールA、エチレンジアミン等のアミン化合物等へのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;ポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の製造に使用されるポリエーテルポリオール類の数平均分子量は、300〜5000であることが好ましく、特に1000〜3000であることが好ましい。
前記ポリエステルポリオール類としては、前述した低分子ポリオール等のポリオールと、その化学量論量より少ない量の多価カルボン酸、又は、そのエステル、無水物、カルボン酸ハライド等のエステル形成性誘導体との直接エステル化反応又はエステル交換反応によって得られるポリエステルポリオール;及び、前記ポリオールと、ラクトン類又はその加水分解開環反応によって得られるヒドロキシカルボン酸との直接エステル化反応によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
上記多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、2−メチルコハク酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−メチルペンタン二酸、2−メチルオクタン二酸、3,8−ジメチルデカン二酸、3,7−ジメチルデカン二酸、水添ダイマー酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸類;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸類;トリメリト酸、トリメシン酸、ひまし油脂肪酸の三量体等のトリカルボン酸類;ピロメリット酸等の4価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記多価カルボン酸のエステル形成性誘導体としては、上述した多価カルボン酸の、無水物、或いはクロライド、ブロマイド等のカルボン酸ハライド;上記多価カルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、アミルエステル等の低級脂肪族エステル等が挙げられる。
前記ラクトン類としては、γ−カプロラクトン、δ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、ジメチル−ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられる。
ポリエステルポリカーボネートポリオール類としては、例えば、ポリカプロラクトンポリオール等のポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応生成物、エチレンカーボネートと多価アルコールとの反応生成物に有機ジカルボン酸と反応させて得られた反応生成物が挙げられる。
また、結晶性又は非結晶性のポリカーボネートポリオール類としては、
1,3‐プロパンジオール、1,4‐ブタンジオール、1,6‐ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、及び/又はポリテトラメチレングリコール等のジオールとホスゲン、ジアリルカーボネート(例えばジフェニルカーボネート)若しくは環式カーボネート(例えばプロピレンカーボネート)との反応生成物等が挙げられる。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の製造に使用されるポリエステルポリオール類の数平均分子量は、300〜5000であることが好ましく、500〜3000であることが特に好ましい。
前記鎖伸長剤は、前記一般式(1)で表されるポリアルキレンポリアミン化合物(b)を必須成分として含有する。前記一般式(1)のRは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、耐水性及び耐薬品性の観点から、炭素原子数2又は3のアルキレン基であることが好ましく、特にエチレン基であることが好ましい。
また、nは2〜4の数であり、耐水性及び耐薬品性の観点から、nが2又は3であることが好ましい。
上記成分(b)のポリアルキルポリアミン化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミン等が挙げられる。これらの中でも、耐水性及び耐薬品性の観点から、ジエチレントリアミン又はトリエチレンテトラミンを使用することが好ましく、ジエチレントリアミンを使用することが特に好ましい。
鎖伸長剤中の前記(b)成分のポリアルキレンポリアミン化合物の配合量は、全鎖伸長剤中のアミノ基の当量を1とした場合における、前記ポリアルキレンポリアミン化合物(b)のアミノ基(−NH又は−NH−)の当量が0.2〜1.0となる量であり、0.3〜0.8となる量であることが好ましく、0.4〜0.6となる量であることがより好ましい。
成分(b)のアミノ基の当量が0.2未満であると、耐水性及び耐薬品性が不十分となる。
水系ウレタン樹脂を製造するに際して、鎖伸長反応前のウレタンプレポリマーのイソシアネート基の1当量に対する全鎖伸長剤のアミノ基の当量比(−NH/−NCO、但しXは1又は2)が過少だと、得られる水系ポリウレタン樹脂の数平均分子量が比較的低くなり、塗膜強度等の塗膜物性に劣るばかりでなく、耐水性及び耐薬品性も劣る傾向にある。
一方、水中におけるウレタンプレポリマーの末端イソシアネート基は、水と反応して他のイソシアネート基と結合するため、減少する。そのため、全鎖伸長剤のアミノ基の当量をイソシアネート基の当量と等しくした場合、一部の鎖伸長剤モノマーが未反応のまま残存して、塗膜を白化させたり、基材との接着性を低下させたりする等、塗膜の物性の低下の原因となる場合がある。
このような観点から、前記成分(b)を含めた全鎖伸長剤の配合量は、鎖伸長反応前のウレタンプレポリマーのイソシアネート基の1当量に対する全鎖伸長剤のアミノ基の当量比(−NH/−NCO、但しXは1又は2)が0.5〜0.9となる量であり、0.6〜0.8となる量であることが好ましい。
本発明においては、前記(b)ポリアルキレンポリアミンの他に、前述した(b)成分の配合量及び伸長剤の配合量の要件を満たす範囲で、他の伸長剤を1種又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記(b)成分以外の鎖伸長剤は特に限定されるものではなく、例えば、数平均分子量200未満の低分子量ポリオール化合物及び低分子ポリアミン化合物等、通常用いられる鎖伸長剤の中から適宜選択して使用することができる。
低分子量ポリオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、3,5−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール等の脂肪族ジオール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオール等脂環式ジオール;トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキシトール類、ペンチトール類、グリセリン、ポリグリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、テトラメチロールプロパン等の3価以上のポリオールが挙げられる。
また、低分子ポリアミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン等の低分子ジアミン類、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンジアミン等のポリエーテルジアミン類、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルネンジアミン、アミノエチルエミノエタノール、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン等の脂環式ジアミン類、m−キシレンジアミン、α−(m/pアミノフェニル)エチルアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ジアミン類などのポリアミン、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバチン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、水加ヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビス(N,N−ジメチルセミカルバジド)、1,1,1’,1’−テトラメチル−4,4’−(メチレン−ジ−パラ−フェニレン)ジセミカルバジド等のヒドラジン類及び水等が挙げられる。
また、ウレタンプレポリマーの合成において、必要に応じてポリイソシアネート及びポリオールを不活性な溶媒中で反応させてもよく、必要に応じてポリイソシアネート及びポリオールと供に、イオン性基導入剤を加えて、イオン性基が導入された末端イソシアネートプレポリマーとしてもよい。
また、必要に応じてプレポリマーをイオン性基中和剤及び/又は乳化剤を含む水中に分散させてから、鎖伸長剤を加えて高分子量化反応させてもよい。
前記不活性な溶媒として好適なものは、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。これらの溶媒は、通常、プレポリマーを製造するために用いられる前記原料の合計量100質量部に対して、3〜100質量部となるように用いられる。これら溶媒として、沸点100℃以下の溶媒を使用する場合には、水系ポリウレタン樹脂を合成した後、その溶媒を減圧留去等によって除去することが好ましい。
前記イオン性基導入剤としては、アニオン性基を導入するものとカチオン性基を導入するものが挙げられる。アニオン性基を導入するものとしては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のカルボキシル基を含有するポリオール類、1,4−ブタンジオール−2−スルホン酸等のスルホン酸基を含有するポリオール類が挙げられる。
また、カチオン性基を導入するものとしては、例えば、N,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、N−ブチル−N,N−ジエタノールアミン等のN−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリアルカノールアミン類が挙げられる。
前記イオン性基導入剤、ポリイソシアネート及びポリオールの配合比は、これらを反応させる段階で、ポリオールの水酸基1当量に対して、ポリイソシアネートのイソシアネート基当量が0.5〜5となるように配合することが好ましく、0.9〜3.0、特に1.0〜2.0となるように配合することがより好ましい。
また、イオン性基導入剤を使用する場合は、イオン性基導入剤のイソシアネート反応性基及びポリオールの水酸基の総量1当量に対して、ポリイソシアネートのイソシアネート基当量が前述した当量となるように配合する。
前記イオン性基導入剤の使用量は、用いるポリオール及びポリイソシアネートの種類や乳化剤の使用との関係にもよるが、イオン性基導入剤を用いた自己乳化系においては、通常、水系ポリウレタン樹脂を構成する全ての反応成分100質量部に対して、0.5〜50質量部であり、1〜30質量部であることが好ましい。0.5質量部未満では保存安定性に劣り、50質量部を超えるとウレタンプレポリマーの水分散性やウレタン塗膜の物性に悪影響を及ぼすことがある。
前記イオン性基中和剤としては、アニオン性基の中和剤として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等のトリアルキルアミン類、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、1−ジメチルアミノ−2−メチル−2−プロパノール等のN,N−ジアルキルアルカノールアミン類、N−アルキル−N,N−ジアルカノールアミン類、トリエタノールアミン等のトリアルカノールアミン類等の3級アミン化合物;アンモニア、トリメチルアンモニウムヒドロキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等塩基性化合物が挙げられる
また、カチオン性基の中和剤としては、蟻酸、酢酸、乳酸、コハク酸、グルタル酸、クエン酸等の有機カルボン酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン酸アルキル等の有機スルホン酸、塩酸、リン酸、硝酸、スルホン酸等の無機酸、エピハロヒドリン等エポキシ化合物の他、ジアルキル硫酸、ハロゲン化アルキル等の4級化剤が挙げられる。
これらの中和剤の使用量は、イオン性基1当量に対して0.5〜2.0当量であることが好ましく、0.8〜1.5当量であることがより好ましい。
中和剤の使用量の過不足が大きいと水系ポリウレタン樹脂から得られる塗膜等の耐水性、強度、伸び等の物性が低下するおそれがある。
前記乳化剤は特に限定されるものではなく、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、第一アミン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、第四級アミン塩及びピリジニウム塩等のカチオン系界面活性剤、及び、ベタイン型、硫酸エステル型及びスルホン酸型等の両性界面活性剤等の公知のものを使用することができる。
前記アニオン性界面活性剤としては、ナトリウムドデシルサルフェート、カリウムドデシルサルフェート、アンモニウムドデシルサルフェート等のアルキルサルフェート類;ナトリウムドデシルポリグリコールエーテルサルフェート、アンモニウムポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート等のポリオキシエチレンエーテルサルフェート類;ナトリウムスルホリシノレート;スルホン化パラフィンのアルカリ金属塩、スルホン化パラフィンのアンモニウム塩等のアルキルスルホネート;ナトリウムラウレート、トリエタノールアミンオレート、トルエタノールアミンアビエテート等の脂肪酸塩;ナトリウムベンゼンスルホネート、アルカリフェノールヒドロキシエチレンのアルカリ金属サルフェート等のアルキルアリールスルホネート;高アルキルナフタレンスルホン酸塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ポリオキシエチレンエーテルリン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;N−アシルアミノ酸塩;N−アシルメチルタウリン塩等が挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレート等の多価アルコールの脂肪酸部分エステル類;ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル類;ポリグリセリン脂肪酸エステル類;炭素数1〜18のアルコールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;アルキルフェノールのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物;アルキレングリコール及び/又はアルキレンジアミンのエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。これらのノニオン性界面活性剤を構成する炭素数1〜18のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、2−ブタノール、第3ブタノール、アミルアルコール、イソアミルアルコール、第3アミルアルコール、ヘキサノール、オクタノール、デカンアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げられる。
前記アルキルフェノールとしては、フェノール、メチルフェノール、2,4−ジ第3ブチルフェノール、2,5−ジ第3ブチルフェノール、3,5−ジ第3ブチルフェノール、4−(1,3−テトラメチルブチル)フェノール、4−イソオクチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−第3オクチルフェノール、4−ドデシルフェノール、2−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、4−(3,5−ジメチルヘプチル)フェノール、ナフトール、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
前記アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられ、アルキレンジアミンとしては、これらのアルキレングリコールのアルコール性水酸基がアミノ基に置換されたもの等が挙げられる。また、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド付加物は、ランダム付加物であってもブロック付加物であってもよい。
カチオン系界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルベンジルジメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウム類;アルキルピリジニウムブロマイド等のピリジン類及びイミダゾリニウムラウレート等のイミダゾール類が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチル酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酸ベタイン、
2‐アルキル‐N‐カルボキシメチル‐N‐ヒドロキシメチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタイン
、ヒドロキシプロピルリン酸の金属塩等のベタイン型、β‐ラウリルアミノプロピオン酸の金属塩等のアミノ酸型、硫酸エステル型及びスルホン酸型等が挙げられる。
前記乳化剤の使用量は特に制限されるものではないが、水系ポリウレタン樹脂組成物を塗布して得られる塗膜等の耐水性、強度、伸び等の物性的観点から、ポリウレタン樹脂100質量部に対して1〜30質量部であることが好ましく、特に5〜20質量部であることがより好ましい。1質量部より小さいと充分な分散性が得られない場合があり、30質量部を超えると前記した塗膜等の物性が低下するおそれがある。
また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物においては、必要に応じて、ポリウレタン分子に架橋構造を与えるために、ウレタンプレポリマーに伸長剤を添加する前に、通常用いられる架橋剤を更に配合してもよい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物に好適な架橋剤としては、メラミン、モノメチロールメラミン、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、ブチル化メチロールメラミン、メラミン樹脂等を挙げることができる。本発明においては、これらの中から、ポリウレタンへの分散性が優れた安価なメラミンを、適宜選択して使用することが好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物は適宜希釈して使用することができ、その固形分濃度は特に制限されることはない。分散性や塗膜、成形体を得るための操作性等の観点から、固形分は1〜65質量%であることが好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。
また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、通常用いられる各種添加剤を添加してもよい。このような添加剤としては、例えば、顔料;染料;造膜助剤;硬化剤;外部架橋剤;粘度調整剤;レベリング剤;消泡剤;ゲル化防止剤;界面活性剤等の分散安定剤;ヒンダードアミン等の光安定剤;フェノール系化合物、リン系化合物、硫黄系化合物等の酸化防止剤;トリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール系化合物からなる紫外線吸収剤;ラジカル捕捉剤;耐熱性付与剤;無機及び有機充填剤;可塑剤;滑剤;帯電防止剤;補強剤;触媒;揺変剤;抗菌剤;防カビ剤;防腐触剤;及び防錆剤等が挙げられる。
また、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を塗料やコーティング剤に用いる場合には、基材に対して特に強固な密着性を与えるシランカップリング剤、コロイダルシリカ、テトラアルコキシシラン及びその縮重合物、キレート剤、及びエポキシ化合物を用いてもよい。
前記各種添加剤の中でも、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を屋外で曝される塗膜や塗装に用いる場合には、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤(リン系、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤)を使用することが好ましい。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1−オクトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメチルメタクリレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルメチルメタクリレート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ビス(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第3−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第3オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、1,6,11−トリス[2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ]ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−[トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ]エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第3オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第3ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第3オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第3ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第3アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜C13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)‐4,6‐ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5‐トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール‐1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第3ブチルフェニル−3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩又は金属キレート、特にニッケル又はクロムの塩又はキレート類等が挙げられる。
前記リン系抗酸化剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,5−ジ第3ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第3ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、ジフェニルオクチルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,5−ジ第3ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第3ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12−15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルホスファイト、ビス[2,2’−メチレンビス(4,6−ジアミルフェニル)]・イソプロピリデンジフェニルホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第3ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第3ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、トリス(2−〔(2,4,7,9−テトラキス第3ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−(1,1−ジメチルエチル)−6−メチル−4−[3−[[2,4,8,10−トラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン−6−イル]オキシ]プロピル]フェノール2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第3ブチルフェノールモノホスファイト等が挙げられる。
前記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第3ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル・3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第3ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第3ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第3ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第3ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第3ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第3ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第3ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第3ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第3ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第3ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第3ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第3ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第3ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第3ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第3ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]、トコフェノール等が挙げられる。
前記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等の、ポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
前記ヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、及び酸化防止剤のそれぞれの使用量は、本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の固形分100質量部に対して0.001〜10質量部であることが好ましく、特に0.01〜5質量部であることがより好ましい。0.001質量部より少ないと充分な添加効果を得られない場合があり、10質量部より多い場合には分散性や塗装物性に影響を及ぼすおそれがある。
これらのヒンダードアミン系光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤を添加する方法としては、ポリオールに添加する方法、プレポリマーに添加する方法、水分散時に水相に添加する方法、水分散後に添加する方法の何れでもよいが、操作が容易であるという観点から、ポリオール成分に添加する方法及びプレポリマーに添加する方法が好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物の用途としては、塗料、接着剤、表面改質剤、有機及び/又は無機粉体のバインダー、成形体等が挙げられる。
具体的には、ガラス繊維集束剤、感熱紙コート剤、インクジェット紙コート剤、印刷インクのバインダー剤、鋼板用コート剤、農業用フィルム用コート剤、ガラス、スレート、コンクリート等無機系構造材用塗料、木工塗料、繊維処理剤、スポンジ、パフ、手袋、コンドーム等が挙げられる。これらの中でも、塗料、木材、紙、繊維、ガラス、電子材料部品及び鋼板へのコーティング材料として使用することが好ましく、特に表面処理鋼板用の塗料として使用することが好ましい。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物を塗料として用いる場合には、例えば、ハケ塗り、ローラーコート、スプレーコート、グラビアコート、リバースロールコート、エアナイフコート、バーコート、カーテンロールコート、ディップコート、ロッドコート、ドクターブレートコート等の、適宜選択した方法により基材に塗布することができる。
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔ウレタンプレポリマー(PP−1)の製造〕
(a)成分として1,12−ドデカンジオール28g(0.098モル)、その他のポリオールとして1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸及びイソフタル酸(アジピン酸/イソフタル酸質量比は50/50)から得られたポリエステルポリオール(数平均分子量1750)158g(0.090モル)及びジメチロールプロピオン酸15.8g(0.118モル)、ポリイソシアネートとして、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)128g(0.489モル)を反応フラスコに仕込んだ。
このときのNCOインデックス(NCO/OH当量比)は1.6であり、酸価は20mgKOH/gである。
更に、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン170gを加えて、窒素気流下の90〜110℃で2.5〜3.5時間反応させて、NCO%が3.1%以下となったことを確認し、固形分が66質量%のウレタンプレポリマー(PP−1)を得た。
〔ウレタンプレポリマーPP−2〜PP−7の製造〕
下記表1に示した化合物を使用した以外は、NCOインデックス(NCO/OH当量比)、酸価、固形分及びその他の条件を前記ウレタンプレポリマーPP−1の製造と同様にして、ウレタンプレポリマーPP−2〜PP−7を製造した。
Figure 2012001654
[実施例1]
水522g中に消泡剤((株)ADEKA製、B1016)0.5g、及び、前記PP−1との中和率が1.0となるように、トリエチルアミン10.7g(0.106モル)を加え、攪拌して得られた水溶液の中に、前記ウレタンプレポリマーPP−1を450g加え、20〜40℃で15分間攪拌を行った後、(b)成分としてジエチレントリアミン/水(1/3)混合液13.6g(0.033モル)を滴下し、20〜40℃で10分間攪拌した。
更に、その他の鎖伸長剤としてアジピン酸ジヒドラジド/水(1/3)混合液34.4g(0.050モル)を添加し、20〜40℃で1〜2時間、NCO基が消失するまで攪拌し、固形分30%の水系ポリウレタン樹脂組成物を得た。
[実施例2〜4]
下記表2に示した化合物を使用した以外は、固形分、中和率、消泡剤の量及びその他の条件を実施例1と同様にして、水系ポリウレタン樹脂を製造した。
[比較例1〜7]
下記表3に示した化合物を使用した以外は、固形分、中和率、消泡剤の量及びその他の条件を実施例1と同様にして、水系ポリウレタン樹脂を製造した。
尚、比較例−3においては水分散性が悪く、塗膜の性能評価を行うことができなかった。
<性能評価>
前記実施例1〜4及び比較例1〜8により得られた水系ポリウレタン樹脂組成物の塗膜の耐水性、耐酸性、耐アルカリ性及び密着性の評価を下記の通り行った。
これらの結果を表1又は表2に示した。
〔試験体作成〕
基材として電気亜鉛メッキ鋼板を使用し、pH11〜13の脱脂剤を用いて60℃/5分間脱脂を行った後、脱脂処理した電気亜鉛メッキ鋼板上に、前記実施例1〜5及び比較例1〜4により得られた水系ポリウレタン樹脂組成物を1μm厚で塗布して、300℃雰囲気下で4秒、鋼板の板温が75℃になるように加熱乾燥させ、試験体を作成した。
〔耐水性試験〕
前記試験体を使用し、65℃/95%相対湿度の下で24時間の耐水スポット試験を行い、試験後の塗膜の状態を、下記の基準で目視評価した。
5:塗膜に異常なし。
4:塗膜の浮きが全面積の5%以下である。
3:塗膜の浮きが全面積の6〜20%である。
2:塗膜の浮きが全面積の21%以上である。
1:塗膜が完全に剥がれる。
〔耐酸性試験〕
前記試験体を使用し、1%HSO水溶液(25℃)に24時間浸漬した後の塗膜の状態を、下記の基準で目視評価した。
5:塗膜に異常なし。
4:塗膜の浮きが全面積の5%以下である。
3:塗膜の浮きが全面積の6〜20%である。
2:塗膜の浮きが全面積の21%以上である。
1:塗膜が完全に剥がれる。
〔耐アルカリ性試験〕
前記試験体を使用し、1%NaOH水溶液(25℃)に1時間浸漬した後の塗膜の状態を、下記の基準で目視評価した。
5:塗膜に異常なし。
4:塗膜の浮きが全面積の5%以下である。
3:塗膜の浮きが全面積の6〜20%である。
2:塗膜の浮きが全面積の21%以上である。
1:塗膜が完全に剥がれる。
〔密着性〕
水系ポリウレタン樹脂組成物を未処理の電気亜鉛メッキ鋼板上に1μm厚に塗布した後、300℃の雰囲気下で15秒、鋼板の板温が150℃になるように加熱乾燥して、試験片を得た。該試験片の塗膜をクロスカットし、テープでの剥がれ具合を下記基準にて評価した。
5:塗膜に異常なし。
4:塗膜にわずかに(5%以下の面積)浮きが見られる。
3:塗膜に少し(5%超、20%以下の面積)浮きが見られる。
2:塗膜に多く(20%超の面積)浮きが見られる。
1:塗膜が完全に剥がれる。
Figure 2012001654
Figure 2012001654
前記実施例及び比較例の結果から、本発明の水系ポリウレタン組成物のみが、耐水性、耐薬品性及び密着性すべてにおいて良好な結果を得ていることが確認された。
また、(a)炭素原子数10〜32の長鎖アルキレンジオール化合物の配合比、鎖伸長剤中の特定のポリアルキレンポリアミン化合物(b)の配合比、及び鎖伸長剤の配合比のいずれか1つでも本発明の要件を満たしていないと、耐水性及び耐薬品性が供に低下することが確認された。
本発明の水系ポリウレタン樹脂組成物は、水系であるから環境を破壊しないきるばかりでなく、作業性も良好である上、耐水性及び耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性に優れた塗膜を形成するので、木材、紙、繊維、ガラス、電子材料部品及び鋼板等の表面に塗装することによって、耐水性、耐薬品性に優れた材料や成形品を製造するのに好適である。

Claims (6)

  1. ポリイソシアネートとポリオールとを反応させて得られたウレタンプレポリマーに、鎖伸長剤を反応させて得られる水系ポリウレタン樹脂を含有する水系ポリウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール成分の5〜35質量%が、炭素原子数10〜32の長鎖アルキレンジオール化合物(a)であると供に、前記鎖伸長剤が、下記一般式(1)で表されるポリアルキレンポリアミン化合物(b)を含有し、前記(b)成分の含有量が、全鎖伸長剤中のアミノ基の当量を1とした場合における、前記ポリアルキレンポリアミン化合物のアミノ基の当量が0.2〜1.0となる量であると供に、全鎖伸長剤の含有量が、前記ウレタンプレポリマーのイソシアネート基1当量に対する全鎖伸長剤のアミノ基の当量が0.5〜0.9となる量であることを特徴とする、水系ポリウレタン樹脂組成物;
    Figure 2012001654

    但し、式(1)中のRは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、nは2〜4の数である。
  2. 前記(a)成分が、炭素原子数12〜18の長鎖アルキレンジオール化合物である、請求項1に記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 前記一般式(1)において、Rがエチレン(−CHCH−)基であると共に、nが2又は3である、請求項1又は2に記載された水系ポリウレタン樹脂組成物。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載された水系ポリウレタン樹脂組成物を含有することを特徴とする塗料。
  5. 請求項4に記載された塗料を板状材料に塗布してなることを特徴とする塗装品。
  6. 前記板状材料が表面処理鋼板である、請求項5に記載された塗装品。
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