JP2011530627A - テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を有する溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーならびに溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの層を含む多層物品 - Google Patents

テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を有する溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーならびに溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの層を含む多層物品 Download PDF

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Abstract

開示されているのは、(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、および(c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーである。この溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは燃料不透性であり、石油燃料管のライニングとして、ならびにフルオロポリマーと他のポリマー、金属および無機物と間の耐化学性コーティングまたは接着剤として有用である。

Description

本開示内容は、概して、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を有する溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーならびに溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの層を含む多層物品に関する。
フッ素含有ポリマーは、それらの低表面エネルギーおよび高耐熱および耐化学性のために、重要な商業製品である。しかしながら、それらの低表面エネルギーによって、基材への接着力が乏しくなることがよくある。
特定の官能基が、部分フッ素化ポリマーの接着特性を改質することが知られている。望ましいポリマー特性を大幅に犠牲にすることなく、部分フッ素化ポリマーの重合中にかかる基を組み込むことは、これまである程度の成果が得られてきた。官能基を含むモノマーは、フッ素化モノマーと共重合しなかったり、共重合において他の望ましくない影響を生じたりする可能性がある。さらに、官能基を含むモノマーを組み込むと、得られるポリマーの熱安定性または耐化学性に悪影響を及ぼす可能性がある。
このように、接着特性も有するポリマーを含む熱安定性のある、耐化学性フッ素含有ポリマーが必要とされている。
部分フッ素化ポリマーコーティングは、公知のプロセスにより、金属基材上に形成することができる。該プロセス中、金属表面が粗面化され、プライマーがコートされた後、部分フッ素化ポリマーの粒子を上に付着させてから溶融する。かかる金属粗面化およびプライマーの使用は、工業プロセスを複雑にし、コストも増大する。
このように、プライマーまたは金属表面粗面化を必要とせずに、金属に対する接着特性も有する耐熱および耐化学性フルオロポリマーが必要とされている。
ある商業的な方法には、化学試薬、コロナ放電処理またはプラズマ放電処理により表面処理をフルオロポリマー管に施すことが含まれ、この後、接着剤でコーティングされることが多い。ポリアミド等の非フッ素化ポリマーを、改質したフルオロポリマー管の外側表面に押出す。かかる接着方法だと、工業プロセスが複雑なものとなり、かつコストが増大し、生産性が減じる。
このように、かかる表面処理を必要とせず、共押出し等の溶融処理法により、適度な処理温度で、非フッ素化ポリマーで多層物品を形成できるフルオロポリマーが必要とされている。
非フッ素化ポリマーおよびフッ素化ポリマーの層を有する多層物品には、耐熱性、化学薬品透過防止性等のフッ素化ポリマー特性、および高強度、高靭性、軽量、良好な処理性、可撓性および対応可能性等の非フッ素化ポリマー特性による利点がある。フッ素化ポリマーおよびポリアミドの層を有する多層物品には、内燃エンジンにより動力を供給される装置における燃料供給という用途がある。かかる物品においては、フッ素化ポリマーおよびポリアミドの近接する層が互いに接着する必要がある。
しかしながら、非フッ素化ポリマーおよびフッ素化ポリマーの層を有する多層物品は、一般に、界面接着力が乏しく、使用すると層間剥離および構造上の不具合につながる可能性がある。
かかる物品において、ブレンドにより、層間接着力を強化する試みがなされてきた。フッ素化ポリマーとポリアミドの接着力が必要な場合には、ポリアミドとフッ素化ポリマーのブレンドが接着剤として開示されてきた。しかしながら、このやり方では、接着剤の形態が、ブレンド中の構成樹脂間の本質的に乏しい相溶性のために、成形条件によって変わる。形態変化はまた、接着層自体の結合強度および他の層との接着力に悪影響も及ぼす。さらに、この技術は、フッ素化ポリマー自体の接着力を増大するものでなく、ブレンドの接着力を利用しているだけである。かかるポリマーブレンドを用いると、フッ素化ポリマーの望ましい特性を損なう結果となる。
フッ素化ポリマーを改質することにより、かかる物品の層間接着力を強化する試みがなされてきた。フッ素化ポリマーとポリアミドの接着が必要な場合に、フッ素化ポリマーを、例えば、グラフト化や共重合により改質して、酸無水物基を含めてきた。しかしながら、このやり方では、改質フッ素化ポリマーは、例えば、ポリアミドを溶融処理するのに必要な温度での溶融処理性の欠如、共押出し等の溶融処理技術に不適な結晶融点の欠如およびアモルファスおよびエラストマー性があること、酸無水物基の量が比較的多く、熱不安定性で、化学薬品透過防止性が減じる、等の様々な欠点を生じる。
このように、(1)非フッ素化ポリマーおよびフッ素化ポリマーが互いに強く接着し、(2)共押出し等の従来の溶融処理法により物品が容易に形成され、かつ(3)物品が、耐熱性、化学薬品透過防止性等のフッ素化ポリマー特性、および高強度、高靭性、軽量、良好な処理性、可撓性および対応可能性等の非フッ素化ポリマー特性を有する、非フッ素化ポリマーおよびフッ素化ポリマーの層を有する多層物品が必要とされている。
様々な基材に強く接合することにより、適度な処理条件下で溶融処理可能とすることにより、かつ、商業的な用途に有用な耐熱および耐化学性のある、業界のニーズに適合する溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが本明細書に記載されている。
本明細書に記載されているのは、(a)ヘキサフルオロプロピレン(本明細書においてはHFPとも称す)から生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマー(本明細書においては官能基モノマーまたはFGとも称す)から生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、(c)テトラフルオロエチレン(本明細書においてはTFEとも称す)から生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーである。
前述の概要および以下の詳細な説明は、例示および説明のためのみであり、添付の請求項に定義される本発明を限定するものではない。
本明細書に示した概念をさらに理解するために、実施形態を添付の図面により例示する。
2層の本発明の多層物品の断面図を示す。 3層の本発明の多層物品の断面図を示す。 2層の本発明の多層管の断面図を示す。 3層の本発明の多層管の断面図を示す。
当業者であれば、図面の対象物は、簡略かつ明瞭に示されており、寸法通りに描かれていないことが分かる。図面の層のいくつかの寸法は、理解を促すために、他の層よりも誇張されている。
本発明を、その好ましい実施形態に関して説明していくが、本発明をその実施形態に限定しようとするものとは考えられない。反対に、添付の請求項により定義される本発明の精神および範囲に含まれるであろう変形、修正および等価物の全てが包含されるものとする。
溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの一実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、(c)パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位を約0.5〜約10重量パーセント、および(d)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含み、ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位の重量パーセントと、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位の重量パーセントの合計が、約4重量パーセントを超え、約20重量パーセント未満である。
他の実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約4〜約14重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、ジカルボン酸無水物基またはジカルボン酸基を含有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、(c)パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位を約0.5〜約3重量パーセント、および(d)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本明細書に記載されているのは、ポリマーと溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーとを含む溶融ブレンド混合物であって、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、および(c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本明細書に記載されているのは、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む多層物品であって、該溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、および(c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本明細書に記載されているのは、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属および無機物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む第1の層と、(B)溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む第2の層とを含み、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、および(c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含み、(A)および(B)が隣接接触している多層物品である。
上記した実施形態は、単に例示であり、限定ではない。本明細書を読めば、本発明の範囲を逸脱することなく、他の態様および実施形態が可能であることが、当業者には理解される。
実施形態の任意の1つ以上のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項から明らかとなろう。詳細な説明は、まず、1.用語の定義および説明で始まり、2.パーフルオロモノマー、3.官能基モノマー(FG)、4.FG−フルオロポリマー融点およびメルトフローレート、5.FG−フルオロポリマーフッ素含量、6.FG−フルオロポリマー燃料蒸気透過速度、7.パーフルオロモノマーおよびFGを含むFG−フルオロポリマー、8.TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマー、9.TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマー、10.任意のモノマー、11.FG−フルオロポリマーの製造プロセス、12.FG−フルオロポリマー用途、13.多層物品、14.多層物品の第1の層(A)−極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、15.多層物品の第1の層(A)−アミン官能基を有する熱可塑材、16.多層物品の第1の層(A)−金属、17.多層物品の第1の層(A)−無機物、18.多層物品の任意の第3の層(B1)−パーフルオロポリマー、19.多層物品の層の厚さ、20.多層物品の製造方法が続く。
1.用語の定義および説明
後述する実施形態の詳細を説明する前に、いくつかの用語を定義または明確にしておく。
半結晶とは、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、ある程度の結晶度を有しており、ASTM D4501に従って測定すると検出可能な融点があることを特徴とし、融解吸熱は少なくとも約3J/gである。半結晶フルオロポリマーは、アモルファスフルオロポリマーとは区別される。
溶融処理可能とは、溶融押出し等の従来のプラスチック処理技術を用いてポリマーを処理できることを意味している。
(a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、(c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む本明細書に記載した溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、「FG−フルオロポリマー」とも呼ばれる。
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「持つ」、「持っている」またはその他変形の用語は、非排他的な包括を規定するものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素に必ずしも限定されず、明示的にリストされていない、またはかかるプロセス、方法、物品または装置に固有の他の要素も含まれる。さらに、明示的にそれには反するとした場合を除き、「または」は、包括的なまたはであり、排他的なまたはでない。例えば、条件AまたはBを満足するのは次のうちのいずれかである。Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)。
また、単数形(「a」または「an」)の使用は、本発明の要素および成分を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、かつ本発明の一般的な意味を与えるために使用される。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、他の意味であることが明白でない限り、単数形には複数形も含まれる。
別記されない限り、本明細書で用いる技術および科学用語は全て、請求項の属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有している。本明細書に記載したものと同様または等価の方法および材料は、開示された実施形態の実施または試験に用いることができるが、好適な方法および材料は後述する。本明細書で言及した文献、特許出願、特許およびその他参考文献は全て、特に別記されない限り、その全内容が参考文献として援用される。矛盾がある場合には、定義を含めた本明細書が優先される。また、材料、方法および実施例は例示のみであり、限定しようとするものではない。
本明細書に記載のないものについては、特定の材料および処理に関する多くの詳細は、従来通り機能し、ポリマー業界のテキストブックおよびその他源で見られるはずである。
2.パーフルオロモノマー
パーフルオロモノマーは、元素炭素およびフッ素と、炭素−炭素不飽和を含有する化合物として本明細書で定義される。パーフルオロモノマーにおいて炭素に結合した一価の原子は全てフッ素である。一実施形態において、パーフルオロモノマーは、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子をさらに含有する。
一実施形態において、有用なパーフルオロモノマーは、2〜8個の炭素原子を有するパーフルオロアルケンおよびパーフッ素化ビニルエーテルを含む。他の実施形態において、パーフッ素化ビニルエーテルは、式CF=CFORまたはCF=CFOR’ORにより表わされ、式中、Rは、1〜5個の炭素原子を含有するパーフッ素化鎖状または分岐アルキル基であり、R’は、1〜5個の炭素原子を含有するパーフッ素化鎖状または分岐アルキレン基である。他の実施形態において、R基は、1〜4個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、R’基は、2〜4個の炭素原子を含有する。
パーフルオロモノマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)、パーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)、フッ化パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニル(PSEPVE)およびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)およびパーフルオロ(ブチルビニルエーテル)(PBVE)が例示される。
一実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、パーフルオロモノマーおよび官能基モノマーから生じる繰り返し単位を含み、官能基モノマーから生じる繰り返し単位以外は、パーフッ素化されている。
3.官能基モノマー(FG)
官能基モノマー(FG)は、カルボキシル基(−C(=O)O−)および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有している。FGは、フッ素を含有していない。
一実施形態において、FGは、ジカルボン酸無水物基(−C(=O)OC(=O)−)および重合可能な二重結合を含有している。
他の実施形態において、FGは、ジカルボン酸基および重合可能な二重結合を含有している。他の実施形態において、FGは、1,2−または1,3−ジカルボン酸基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有している。
他の実施形態において、FGは、重合可能な炭素−炭素二重結合を含有するC〜C10のジカルボン酸およびジカルボン酸無水物を含む。例えば、無水マレイン酸、無水ジクロロマレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物および5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸が挙げられる。
一実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント含む。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.5重量パーセント含む。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.3重量パーセント含む。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.1重量パーセント含む。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.01重量パーセント含む。
4.FG−フルオロポリマー融点およびメルトフローレート
FG−フルオロポリマーの融点は、ASTM方法D4591−01「示差走査熱量測定によるフルオロポリマー転移の温度および熱の標準試験法(Standard Test Method for Determining Temperatures and Heats of Transitions of Fluoropolymers by Differential Scanning Calorimetry)」により求めることができる。
一実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約265℃未満である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約260℃未満である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約250℃未満である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約240℃未満である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約230℃未満である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約225℃未満である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーの融点は、約220℃未満である。
FG−フルオロポリマーのメルトフローレート(MFR)は、ASTM方法D1238−04cにより求めることができる。FG−フルオロポリマーのMFRは、特に有用な値に調整する、例えば、FG−フルオロポリマーと共押出しされる他のポリマーのMFRと同様にすることができる。
一実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約1〜約400g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約10〜約300g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約1〜約100g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約20〜約90g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約1〜約50g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約5〜約40g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約10〜約30g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約15〜約30g/10分である。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのMFRは、約20〜約30g/10分である。
5.FG−フルオロポリマーフッ素含量
FG−フルオロポリマーのフッ素含量は、FG−フルオロポリマーを作製するのに用いる重合プロセスにおいて消費されるモノマーの量に基づいた物質収支により求めることができる。一実施形態において、FG−フルオロポリマーのフッ素含量は、少なくとも約65重量パーセントである。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのフッ素含量は、少なくとも約70重量パーセントである。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーのフッ素含量は、少なくとも約75重量パーセントである。
6.FG−フルオロポリマー燃料蒸気透過速度
FG−フルオロポリマーは、液体燃料および液体石油製品、例えば、ガソリン、CE10(10容積パーセントのエタノールと残りのガソリンの混合物(10重量%のエタノール、45重量%のイソ−オクタン、45重量%のトルエン))、CE85(85容積パーセントのエタノールと残りのガソリンの混合物)、ディーゼル燃料、灯油、バイオ燃料およびバイオディーゼルによる透過に抵抗性がある。FG−フルオロポリマーはまた、工業用溶媒、例えば、アルコール、ケトンおよびエステルによる透過にも抵抗性がある。
一実施形態において、SAE J2659−03に記載された手順により測定される40℃でのCE10燃料蒸気透過速度は、約0.1g・mm/m・日以下である。他の実施形態において、SAE J2659−03に記載された手順により測定される40℃でのCE10燃料蒸気透過速度は、約0.05g・mm/m・日以下である。他の実施形態において、SAE J2659−03に記載された手順により測定される40℃でのCE10燃料蒸気透過速度は、約0.04g・mm/m・日以下である。
7.パーフルオロモノマーおよびFGを含むFG−フルオロポリマー
一実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、(a)パーフルオロモノマーと、(b)約0.001〜約1重量パーセントのFGとから生じる繰り返し単位を含み、該溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの融点は、約265℃未満、フッ素含量は、少なくとも約69重量パーセントである。
8.TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマー
一実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、(c)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約20重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約14重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約8〜約12重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約10〜約12重量パーセント含む。
TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーにおけるFGから生じる繰り返し単位の量の様々な実施形態が予測され、セクション3の官能基モノマー(FG)に前述してある。
9.TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマー
一実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)から生じる繰り返し単位をさらに含む。
他の実施形態において、溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約0.5〜約10重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含み、HFPから生じる繰り返し単位の重量パーセントと、PAVEから生じる繰り返し単位の重量パーセントの合計が、約4重量パーセントを超え、約20重量パーセント未満である。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約20重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約16重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約8〜約16重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約9〜約14重量パーセント含む。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約0.5〜約3重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約1〜約10重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約2〜約8重量パーセント含む。他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約3〜約7重量パーセント含む。
TFE/HFP/PAVE/FG溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーにおけるFGから生じる繰り返し単位の量の様々な実施形態が予測され、セクション3の官能基モノマー(FG)に前述してある。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約12重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約0.75重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約12重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約1.5重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約6重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約2重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約5重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約5重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約5〜約6重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位を約6〜約7重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を約86〜約89重量パーセント含む。
10.任意のモノマー
一実施形態において、FG−フルオロポリマーは、任意で、非パーフッ素化モノマー、例えば、エチレン、プロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフルオロエチレンおよびメチルパーフルオロ−4,7−ジオキサ−5−メチル−8−ノネノエート(EVE)を含有する。かかる非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位が、FG−フルオロポリマーに含まれる場合には、FG−フルオロポリマーの耐燃料透過性および/または他の利点(例えば、接着力)特性を減じない低レベルでそれらは存在する。
一実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FG以外の非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位を約0.1〜約5重量パーセントさらに含有する。
一実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FG以外の非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位を約1重量パーセント以下さらに含有する。
11.FG−フルオロポリマーの製造プロセス
一実施形態において、FG−フルオロポリマーは、米国特許第6,107,423号明細書に開示されているような超臨界二酸化炭素における重合のような公知のプロセスにより製造することができる。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、本実施例2および3に記載したような水性分散重合プロセスにより製造することができる。
12.FG−フルオロポリマー用途
FG−フルオロポリマーは、パーフルオロポリマー(例えば、PTFE、FEP、PFA)とポリマー、金属または無機基材を接着する接着剤として有用である。パーフルオロポリマーは、FG−フルオロポリマーに強く接着し、FG−フルオロポリマーは、多くのポリマー、金属および無機物に強く接着する。
一実施形態において、FG−フルオロポリマーを用いて、石油燃料供給用パーフルオロポリマーライニングポリアミド管等の物品において、パーフルオロポリマーとアミン官能基を有する熱可塑材を接着することができる。かかる物品を形成するには、FG−フルオロポリマーの層を、パーフルオロポリマーの溶融押出し層と、ポリアミドの溶融押出し層間の中間層として溶融押出しすることができる。
一実施形態において、基材は、FG−フルオロポリマーのカルボキシル基と反応するまたはそうでなければ強く結び付く官能基(例えば、アミン)を含有しており、FG−フルオロポリマーとかかる基材間が強く接着される。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマー水性分散液を、他のポリマー水性分散液とブレンドしてから、分散ブレンドポリマーを分離して、例えば、接着剤として用いることができる。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーを、他のポリマーと溶融ブレンドして、得られる溶融ブレンドを、例えば、接着剤として用いることができる。本明細書に含まれるのは、FG−フルオロポリマーと他のポリマーを含む溶融ブレンド混合物を含む組成物である。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、接着される2つの他のポリマー層間で接着層として共押出しされる。
FG−フルオロポリマーは、同様の方法を用いて同じ目的を達成する他の種類のポリマーについて当該技術分野において知られているとおりに接着剤として用いることができる。例えば、スクリュー押出し機等の機器を用いたポリマーの溶融混合が知られている。同様に、接着剤またはタイ層を用いる多層フィルム押出しも知られている。
13.多層物品
本明細書に含まれるのは、FG−フルオロポリマーを含む層を有する多層物品である。一実施形態において、多層物品は、少なくとも2つの異なる結合層でできた材料のシートを含むラミネートである。他の実施形態において、多層物品は、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属および無機物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む第1の層と、(B)FG−フルオロポリマーを含む第2の層とを含み、(A)と(B)は隣接接触している。
一実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを含む少なくとも1つの層を有する多層管である。他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを含む少なくとも1つの層を有する絶縁ワイヤである。他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーでコートされた流路を有する溶融押出しダイである。他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを含む少なくとも1つの層を有する電子デバイスである。他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを含む少なくとも1つの層を有する光ファイバーである。
図1に、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属および無機物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む第1の層と、(B)FG−フルオロポリマーを含む第2の層とを含む2層を有する多層物品である本発明の一実施形態の断面図を示す。第2の層(B)の一面は、第1の層(A)の一面と隣接接触している。
図2に、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属および無機物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む第1の層と、(B)FG−フルオロポリマーを含む第2の層と、(B1)パーフルオロポリマーを含む第3の層とを含む3層を有する多層物品である本発明の一実施形態の断面図を示す。第3の層(B1)の一面は、第2の層(B)の第1の面と隣接接触しており、第1の層(A)の一面は、第2の層(B)の第1の面と反対の第2の層(B)の第2の面と隣接接触している。
図3に、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマーを含む第1の層と、(B)FG−フルオロポリマーを含む第2の層とを含み、層が同心円状に配置されて、第1の層(A)が、第2の層(B)の外側にある、2層を有する多層物品である本発明の一実施形態の断面図を示す。第2の層(B)の外側面は、第1の層(A)の内側面と隣接接触している。
図4に、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマーを含む第1の層と、(B)FG−フルオロポリマーを含む第2の層と、(B1)パーフルオロポリマーを含む第3の層とを含み、層が同心円状に配置されて、第2の層(B)が、第3の層(B1)の外側にあり、第1の層(A)が、第2の層(B)の外側にある、3層を有する多層管である本発明の一実施形態の断面図を示す。第3の層(B1)の外側面は、第2の層(B)の内側面と隣接接触しており、第2の層(B)の外側面は、第1の層(A)の内側面と隣接接触している。
14.多層物品の第1の層(A)−極性官能基を有する非フッ素化ポリマー
一実施形態において、第1の層(A)は、極性官能基を有する非フッ素化ポリマーを含む。極性官能基は、アミン、アミド、イミド、ニトリル、ウレタン、塩化物、エーテル、エステル、ヒドロキシル、カーボネートおよびカルボキシルからなる群から選択される少なくとも1つである。極性官能基を有する非フッ素化ポリマーとしては、EEA(エチレン−エチルアクリレート)、EMA(エチレン−メチルアクリレート)、EVOH(ポリエチレン−ビニルアルコールコポリマー)、PA(ポリアミド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、PVA(ポリ酢酸ビニル)、PVAL(ポリビニルアルコール)、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリウレタン(PU)、ポリアクリロニトリル(PAN)およびPVC(ポリ塩化ビニル)からなる群から選択される少なくとも1つが例示される。
15.多層物品の第1の層(A)−アミン官能基を有する熱可塑材
一実施形態において、第1の層(A)の非フッ素化ポリマーは、アミン官能基を有する熱可塑材を含む。アミン官能基を有する有用な熱可塑材は、(i)ASTM D789により測定される相対粘度(rV)が約50以下であり、(ii)アミン官能基を有する熱可塑材1kg当たり約10以上、好ましくは、20以上のmeqアミン端部を有する。アミン端部は、Melvin L.Kohanによる「Nylon Plastics Handbook」に規定されるとおりであり、過塩素酸による滴定等の既知の方法により求めることができる。
アミン官能基を有する熱可塑材としては、ポリアミド、ポリ(エチレンイミン)(PEI)、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリジアリルジメチル塩化アンモニウムおよび米国特許第5,128,405号明細書に開示されているような懸垂アミン官能基を有するアミンポリマーを含有するポリオキシメチレン組成物からなる群から選択される少なくとも1つが例示される。
典型的な熱可塑性ポリアミドは、溶融押出し可能で、通常、少なくとも約5,000の数平均分子量を有する。ポリアミドとしては、等モルの4〜14個の炭素原子を含有する少なくとも1つの飽和ジカルボン酸と、4〜14個の炭素原子を含有する少なくとも1つのジアミンの縮合により作製されたものが例示される。しかしながら、過剰のジアミンを用いて、過剰のアミン末端基を、ポリアミドのカルボキシル末端基に与えることができる。具体例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(66ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラアミド(69ナイロン)、ポリヘキサメチレンセバカミド(610ナイロン)、ポリヘキサメチレンドデカノアミド(612ナイロン)およびポリカプロラクタム(6ナイロン)が挙げられる。溶融押出し可能な芳香族ポリアミド(例えば、ポリアラミドでなく脂肪族−芳香族ポリアミド)が有用である。かかる半芳香族ポリアミドとしては、Amodel(登録商標)A1000および2−メチルペンタメチレンジアミンテレフタレートとZytel(登録商標)HTN501(E.I.du Pont de Nemours&Co.,Wilmington,DE製)等のヘキサメチレンテレフタルアミドのコポリマーが例示される。例えば、Amodel(登録商標)ET1000HSNT(Amoco)等のかかる脂肪族および芳香族ポリアミドのエラストマー改質したものも有用である。ポリアミドは、当該技術分野において周知されているポリマーである。例えば、Kirk−Othmer,Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、19巻、454頁(1996年)を参照のこと。
16.多層物品の第1の層(A)−金属
一実施形態において、第1の層(A)は、元素周期表のIB、IIB、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB、VIIIB、IIIAおよびIVA族の金属からなる群から選択される少なくとも1つの金属を含む。これらの金属としては、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ルビジウム、ストロンチウム、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、錫、アンチモン、セシウム、バリウム、ランタン、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、タリウム、鉛およびビスマスが挙げられる。本発明の一実施形態において、金属は、アルミニウム、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、レニウム、鋼、タンタル、チタン、タングステンおよびジルコニウムからなる群から選択される少なくとも1つの金属である。他の実施形態において、金属は、例えば、Inconel(登録商標)およびHastelloy(登録商標)等の合金をはじめとする上述したものの混合物を含む。
他の実施形態において、金属は、非金属をさらに含有する。本実施形態の一例は、鉄と炭素を含む鋼である。
17.多層物品の第1の層(A)−無機物
一実施形態において、第1の層(A)は無機物を含む。無機物または無機基材とは、炭酸塩、炭化物、シアン化物およびシアン酸塩を除く、主要元素として炭素を含有しない材料を意味する。無機基材としては、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酸化物または硫化物を含む、合成化合物、天然鉱物および岩石が例示される。無機基材としては、ガラス、パーライト、石膏、バーミキュライト、ゼオライト、セラミックス、クレイ、セメント、コンクリート、モルタル、石、レンガ、シリカ、ホスフェート、アルミナ、塩化ナトリウムおよび炭酸カルシウムが例示される。
18.多層物品の任意の第3の層(B1)−パーフルオロポリマー
有用なパーフルオロポリマーは、溶融押出し可能である。一実施形態において、特定のパーフルオロポリマーについて通常に測定すると、パーフルオロポリマーは、0.5×10〜60×10Pa・sの範囲の溶融粘度を有する。パーフルオロポリマーは、公知の方法により、少なくとも1つのパーフッ素化モノマーの重合により作製される。パーフルオロポリマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)と、1つ以上の重合可能なパーフッ素化コモノマー、例えば、3〜8個の炭素原子を有するパーフルオロオレフィン(例えば、ヘキサフルオロプロピレン(HFP))および/またはパーフルオロアルキル基が、1〜5個の炭素原子を含有し、鎖状または分岐しているパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)とのコポリマーが挙げられる。有用なPAVEモノマーは、式CF=CFORまたはCF=CFOR’ORにより表わすことができ、式中、Rは、1〜5個の炭素原子を有するパーフッ素化鎖状または分岐アルキル基であり、R’は、1〜5個の炭素原子を有するパーフッ素化鎖状または分岐アルキレン基である。他の実施形態において、R基は、1〜4個の炭素原子を有する。他の実施形態において、R’は、2〜4個の炭素原子を有する。他の実施形態において、PAVEモノマーとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)およびパーフルオロ(ブチルビニルエーテル)(PBVE)が挙げられる。コポリマーは、いくつかのPAVEモノマー、例えば、製造業者にはMFAと呼ばれることのあるTFE/PMVE/PPVEコポリマーを用いて作製することができる。
他の実施形態において、パーフルオロポリマーは、HFP含量が、約5〜17重量パーセントであるTFE/HFPコポリマーを含む。他の実施形態において、パーフルオロポリマーは、TFE/HFP/PAVEであり、PAVEは、PEVEまたはPPVEであり、HFP含量は、約5〜17重量パーセントであり、PAVE含量は、約0.2〜4重量パーセントであり、残りがTFEで、コポリマーについて合計100重量パーセントとなる。TFE/HFPコポリマーは、第3のコポリマーが存在していてもいなくても、FEPとして一般的に知られている。他の実施形態において、パーフルオロポリマーは、PAVEが、PPVEまたはPEVEであるときを含め、合計重量パーセントの少なくとも約2重量パーセントのPAVEを有し、典型的には、約2〜15重量パーセントのPAVEを含有するPFAとして一般的に知られているTFE/PAVEコポリマーである。他の実施形態において、パーフルオロポリマー中のPAVEは、PMVEを有し、組成は、約0.5〜13重量パーセントのパーフルオロ(メチルビニルエーテル)および約0.5〜3重量パーセントのPPVE、残りは合計で100重量パーセントとなるTFEであり、上述したとおり、MFAとも呼ばれる。
有用な市販のパーフルオロポリマーとしては、Teflon(登録商標)FEP等級100、TE9494および100JならびにTeflon(登録商標)PFA等級340n(これらパーフルオロポリマーは全て、E.I.du Pont de Nemours&Co.,Wilmington,DE.製である)が例示される。
19.多層物品の層の厚さ
多層物品を含む各層の厚さは限定されず、物品を用いる用途の種類に基づいて、過度の実験をすることなく、当業者であれば判断することができる。
本発明の多層物品は、多くのサイズおよび構成とすることができる。第1の層(A)は、厚くする、または薄くする、剛性にする、または可撓性にする、平坦にする、または輪郭に合わせる等することができる。第1の層(A)は、剛性シート、可撓性シート、または容器(例えば、タンク)またはパイプ、ファイバー、電子デバイス(例えば、印刷回路板)等の構造等とすることができる。
多層管が燃料供給に用いられる他の実施形態において、管の内径は、約3〜約20mmの範囲、管の厚さは、約0.5〜約2mmの範囲とすることができる。
多層管を燃料供給に用いる他の実施形態において、多層管は、(A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマーを含む第1の層と、(B)FG−フルオロポリマーを含む第2の層と、(B1)パーフルオロポリマーを含む第3の層とを含み、(B1)層の厚さは、約0.05mm〜約0.5mmとすることができ、(B)層の厚さは、約0.05mm〜約0.5mmとすることができ、(A)層の厚さは、約0.05mm〜約1.5mmとすることができる。
20.多層物品の製造方法
一実施形態において、多層物品は、第1の層(A)のシートと、FG−フルオロポリマーを含む第2の層(B)のシートのラミネーションを含むプロセスにより製造することができる。
他の実施形態において、多層物品は、第1の層(A)を、FG−フルオロポリマーを含む第2の層(B)のシートに蒸着することを含むプロセスにより製造することができる。
他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを、基材(例えば、極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属または無機物)に、静電粉体塗装して、粉体塗装基材を形成し、粉体塗装基材を加熱して、多層物品を形成することを含むプロセスにより製造することができる。
他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを、基材(例えば、極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属または無機物)に、粉体分散液体塗装して、液体塗装基材を加熱して、該多層物品を形成することを含むプロセスにより製造することができる。本実施形態において、Hagiwaraらによる欧州特許第0789728 B1号明細書に開示されているような粉体分散液体塗装の公知のプロセスを用いることができる。
他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを、基材(例えば、極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属または無機物)に、水性分散塗装して、分散塗装基材を加熱して、該多層物品を形成することを含むプロセスにより製造することができる。本実施形態において、Holmesによる米国特許第3,925,292号明細書に開示されているような水性分散塗装プロセスの公知のプロセスを用いることができる。
他の実施形態において、多層物品は、FG−フルオロポリマーを、基材(例えば、極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属または無機物)に、ロトライニングして、該ロトライニングした基材を加熱して、該多層物品を形成することを含むプロセスにより製造することができる。本実施形態において、Nishioらによる米国特許第6,287,632号明細書に開示されているような公知のロトライニングプロセスを用いることができる。
他の実施形態において、多層物品は、シート押出しの後、シートを高温で一緒にプレスして、ラミネートを形成することにより形成することができる。かかるラミネートを、公知の方法により、ホース、パイプ、管、シート、シール、ガスケット、パッキング、フィルム、タンク、ローラ、ボトルおよび容器等の商業的に有用な様々な形状へと成形することができる。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーを含む第2の層(B)およびパーフルオロポリマーを含む任意の第3の層(B1)は、金属を含む第1の層(A)に共押出しすることができ、金属を含む第1の層(A)と、FG−フルオロポリマーを含む第2の層(B)間に隣接接触が得られ、第1の層(A)と第2の層(B)が、十分な永久薄層接着により接着し、例えば、絶縁ワイヤが形成される。
他の実施形態において、多層物品は、シート押出しして、層(A)、(B)および任意で層(B1)のシートを形成した後、シートを高温で一緒にプレスして、ラミネートを形成することにより形成することができる。かかるラミネートを、公知の方法により、ホース、パイプ、管、シート、シール、ガスケット、パッキング、フィルム、タンク、ローラ、ボトルおよび容器等の商業的に有用な様々な形状へと成形することができる。
他の実施形態において、極性官能基を有する非フッ素化ポリマーを含む第1の層(A)、FG−フルオロポリマーを含む第2の層(B)およびパーフルオロポリマーを含む任意の第3の層(B1)は、共押出しすることができ、層(A)と層(B)および層(A)と層(B1)間に隣接接触が得られ、層(A)と層(B)が、十分な永久薄層接着により接着し、積層管が形成される。
当業者であれば認識されるとおり、かかる十分に永久的な薄層接着力は、押出し条件および異なる層を構成する材料の具体的な構成によって決まる。かかる条件としては、温度、押出し速度、ドローダウン比、延伸比バランス、界面圧力、冷却速度、冷却条件(冷却中の圧力の維持等)等を挙げることができ、マンドレル長、ランド長を含むダイ設計特徴等の機器の選択に影響され得る。
一実施形態において、層(A)と層(B)の接着となる十分に永久的な薄層接着力とは、層(A)および層(B)を含む多層物品(例えば、共押出しにより形成された)について、層(A)および層(B)が互いに接着して、層(A)および/または層(B)の降伏強さ未満では層間剥離が生じないことを意味する。
第1の層(A)が金属を含む実施形態において、金属を含む第1の層(A)とFG−フルオロポリマーを含む第2の層(B)の接着となる十分に永久的な薄層接着力とは、金属とFG−フルオロポリマーを含む多層物品について、金属層およびFG−フルオロポリマー層が互いに接着して、多層物品の剥離強度が、約50g/インチを超えることを意味する。
本明細書に記載した概念を、請求項に記載した本発明の範囲を限定しない以下の実施例にさらに記載する。
実施例1−TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸を含むFG−フルオロポリマー
FG−フルオロポリマーの調製
本実施例は、連続プロセスにより、TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸から生じる繰り返し単位を含むFG−フルオロポリマーの調製を例示するものである。
反応系は、以下の追加を行って、米国特許第6,051,682号明細書の図1に記載したとおりにして構成する。高圧ピストンポンプを、垂直攪拌オートクレーブへの直接の液体の正確なポンピングがなされるように構成する。ポンピングされた流体は、溶媒と溶解した無水マレイン酸の混合物である。無水マレイン酸を溶解可能で、過剰にテロゲン性でない任意の流体が、この目的には好適である。かかる溶媒としては、これらに限られるものではないが、酢酸エチル、アセトンおよび氷酢酸が挙げられる。本実施例において、無水マレイン酸混合物は、100グラムの酢酸エチルに溶解した20グラムの無水マレイン酸からなる。
垂直攪拌オートクレーブおよび全て結合した供給、ろ過および再生システムは、純粋なCOで洗い流して、全ての水分および空気を除去する。モノマー供給フローは、その組成が、定常状態の運転中、リアクタから出る組成と、略等しくなるように設定する。モノマーおよびCOと、TFEの重量比は、CO/TFE=0.95〜1.0、HFP/TFE=4.7〜4.8およびPMVE/TFE=0.75〜0.8である。この混合物中のTFE含量は、約13.2重量%である。リアクタ内容物を、65℃の操作温度まで加熱して、このモノマー混合物の添加により、リアクタを8.3MPaの操作圧力まで上げる。操作圧力になったら、リアクタ出口を通るリアクタ内容物のフローを開始し、ろ過システムに送って、供給システムに再生して戻す。リアクタ流出物は、リアクタ中の材料の滞留時間が約45分となるように制御する。リアクタ圧力は、リアクタのモノマー供給流量により制御する。この重合に用いる開始剤は、Vertrel(登録商標)XF(2,3−ジヒドロパーフルオロペンタン、E.I.du Pont de Nemoursより入手可能)中HFPOダイマー過酸化物(CFCFCFOCF(CF)(C=O)OO(C=O)(CF)CFOCFCFCF、例えば、米国特許第6,395,937号明細書のプロセスにより製造されたもの)の公称10重量%混合物である。反応は、リアクタ容積1リットル当たり、5mlの開始剤溶液のプレチャージを注入することにより開始され、反応は、リアクタ容積1リットル当たり、4ml/時の開始剤溶液の連続注入により維持される。開始剤フローが始まると、供給物組成は、モノマーおよびCO対TFEの重量比が、CO/TFE=0.5、HFP/TFE=2.9〜3.0、PMVE/TFE=0.47〜0.48となるようにシフトされる。この混合物のTFE含量は、約20.2重量%である。開始剤フロー開始時に、無水マレイン酸溶液のリアクタへのポンピングも、リアクタ容積1リットル当たり、0.5ml/時の速度で開始される。重合が定常状態に達すると、FG−フルオロポリマーが、リアクタ容積1リットル当たり、85〜100グラム/時の速度で生成される。FG−フルオロポリマー粘度は、開始剤流量を変えることにより制御される。
生成されたFG−フルオロポリマーの示差走査熱量計(DSC)により測定される融点は245℃である。FTIRにより測定されるポリマー組成のHFP含量は5.3重量%、PMVE含量は6.3重量%、無水マレイン酸含量は0.035重量%である。ASTM法D1238−04cにより、297℃、5kgの重りで求めたMFRは22g/10分である。
特性
A)燃料蒸気透過速度
最小直径が36mmの円形試料を、公称厚さ0.35mmのフィルムから切断し、透過試験に用いた。透過データは、SAE J2659−03に記載された手順を用いて得られた。スペシエーションによるポリマー材料の流体透過を特性する試験方法の詳細は以下のとおりである。
透過試験セルは、ガラス製の2つの燃料カップであり、試験フィルムにより分離されていた。試験フィルムを、フルオロポリマーフィルムにカプセル化されたフルオロエラストマー製の2つのO−リングタイプのガスケットを用いて2つのカップ間に装着し、燃料カップフランジの溝に置いた。
試験液体は、フィルム下に蒸気空間のある底部カップに配置されたCE10燃料(10重量%エタノール、45重量%イソ−オクタン、45重量%トルエン)であった。(FG−フルオロポリマー燃料蒸気透過速度に関する前のセクション6を参照のこと。)試験セルを、40℃プラスマイナス1℃に制御されたチャンバに入れた。103〜122日の異なるコンディショニング期間として、透過測定を開始する前、試料が燃料と確実に平衡するようにした。コンディショニング期間の変動は、フィルム材料およびフィルム厚さにより変わる。コンディショニング期間をとって、透過測定開始前に、定常状態または一定フラックス速度にフィルムが達するようにした。CE10燃料は、燃料組成を維持するために、コンディショニング期間中、回復させた。(コンディショニング期間は、透過種フラックス速度が一定になったときに決めた。フラックス速度は、フィルム厚さおよびポリマータイプに影響され、各フィルムに異なるコンディショニング期間が必要となる。複製試料を、40℃のコンディショニングでCE10燃料に入れた。複製試料のコンディショニング期間を以下の表1に示す。)
Hewlett Packard製HP5890モデルガスクロマトグラフィー装置を用いて、パージガス中の燃料の様々な成分を分離および分析した。
各燃料成分の定常状態フラックスは、透過物/パージガス混合物のサンプリングにより決まり、フィルムを透過した合計フラックスは、異なる燃料成分全てからの寄与を合計することにより得られた。蒸気透過速度、VTRは、フィルムの厚さに、定常状態フラックスを乗算することにより得られた。
試料を、複製して測定し、個々の成分および合計蒸気透過速度は、2回の測定の平均として、以下の表1に記録してある。
Figure 2011530627
B)共押出し管/ラミネートの接着結果
幅1インチの片を、長手方向に、共押出し管構造から切断した。層を、層界面で分離または分離を試み、分離速度12インチ/分(約30cm/分)で、「T−剥離」構成で、室温および50%湿度で引張試験機において引っ張った。層を分離する平均の力を、片の幅で除算して、g/インチで記録される剥離強度を得た。3または5つの層剥離を行って、平均として記録した。層が、試験開始時に分離できなかった場合には、結果は「CNS」または「分離できない」と記録し、最高レベルの接着結合を示している。680g/インチより高い剥離強度は、接着性と考えられる。表2の結果によれば、実施例1のポリマー組成物が、ポリアミドまたはDuPont(登録商標)ETPV EX23等のアミン官能基を備えた熱可塑材に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530627
表3の結果によれば、実施例2Aのポリマー組成物は、ポリアミド等のアミン官能基を有する熱可塑材に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530627
表4の結果によれば、実施例3(A〜E)のポリマー組成物は、ポリアミド等のアミン官能基を有する熱可塑材に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有することが分かる。
Figure 2011530627
実施例2−TFE、HFP、PEVEおよびイタコン酸を含むFG−フルオロポリマー
FG−フルオロポリマーの調製
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および5グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを46rpmで攪拌し、リアクタを60℃まで加熱し、通気し、TFEで3回パージした。次に、リアクタ温度を103℃まで上げた。温度が103℃で一定になった後、圧力が444psig(3.16MPa)になるまで、HFPをリアクタに徐々に添加した。92mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、645psig(4.55MPa)の最終圧力を得た。次に、1.63重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する40mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、10mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、24.5ポンド(11.1kg)/125分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、1.0mL/分の速度で添加した。重合開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、1重量%のイタコン酸(ITA)の水溶液を、5mL/分で開始し、バッチの残りについて続けた。24.4ポンド(11.1kg)のTFEを125分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFE供給、PEVE供給および開始剤供給を停止し、攪拌を続けながら、リアクタを冷やした。リアクタ内容物の温度が90℃に達したら、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから70℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーの、ASTM法D1238−04cにより、372℃、5kgの重りで求めたメルトフローレートは34.7g/10分であり、融点は234℃、HFP含量は13.9重量%、PEVE含量は1.69重量%、イタコン酸含量は0.05重量%であった。
4つのFG−フルオロポリマー試料を、上記の手順により作製した。ただし、イタコン酸(ITA)の注入速度は、試料毎に変え、表5に示すとおり、異なる重量パーセントのITAとした。
Figure 2011530627
実施例3−FG−フルオロポリマー:TFE/HFP/PEVE/メサコン酸
FG−フルオロポリマーの調製
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、500mLの0.1N硝酸、260mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および2グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを46rpmで攪拌し、リアクタを60℃まで加熱し、通気し、TFEで3回パージした。次に、リアクタ温度を103℃まで上げた。温度が103℃で一定になった後、圧力が444psig(3.16MPa)になるまで、HFPをリアクタに徐々に添加した。92mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、645psig(4.55MPa)の最終圧力を得た。次に、2.38重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する50mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、10mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、15ポンド(6.8kg)/125分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、1.0mL/分の速度で添加した。重合開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、1重量%のメサコン酸(MAS)の水溶液を、5mL/分で開始し、バッチの残りについて続けた。15ポンド(6.8kg)のTFEを125分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFE、PEVE、開始剤溶液およびメタコン酸溶液供給を停止し、攪拌を続けながら、リアクタを冷やした。リアクタ内容物の温度が90℃に達したら、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから70℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーの、ASTM法D1238−04cにより、372℃、5kgの重りで求めたメルトフローレートは79.6g/10分であり、融点は224℃、HFP含量は16.5重量%、PEVE含量は1.19重量%、メサコン酸含量は0.031重量%であった。
4つのFG−フルオロポリマー試料を、上記の手順により作製した。ただし、TFEの供給速度は、表6に示す結果を得るために、TFE圧力を調整することにより、約36〜約76g/分まで変えた。
Figure 2011530627
実施例4−実施例1のFG−フルオロポリマーのKAPTON(登録商標)への接着力
実施例1のFG−フルオロポリマー(TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸から生じる繰り返し単位を含む)およびKapton(登録商標)への接着力を次のようにして調べた。
同量のポリマーペレットを、5cm(2インチ)平方の2枚のポリイミドフィルムシート間に入れた。ポリマーペレットを含有するポリイミドフィルムを、20cm(8インチ)平方の金属プレスプレート間に入れた。プレスプレートを、310℃か360℃に予熱したプレスに入れた。プレスプレートを、圧力を全く加えずに、3分間、加熱したプレスに静置した。137MPa(20,000psi)の圧力を、プレスプレートに2分間加えた。圧力を緩め、プレスプレートをプレスから取り出し、室温まで冷やした。ポリイミドフィルムを、剥離して剥がし、接着力を、1〜10の相対的な基準で評価した。10は、ポリイミドフィルムシートを分離するのに必要な相対力が最も高く、1は、ポリイミドフィルムシートを分離するのに必要な力が最も低い。結果を以下の表7に示す。
Figure 2011530627
実施例5−実施例1のFG−フルオロポリマーの銅、アルミニウムおよびMONEL(登録商標)への接着力
実施例1のFG−フルオロポリマー(TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸から生じる繰り返し単位を含む)および様々な金属の接着力を次のようにして調べた。
同量のポリマーペレットを、5cm(2インチ)平方の2枚の金属ホイルシート間に入れた。ポリマーペレットを含有する金属ホイルを、20cm(8インチ)平方の金属プレスプレート間に入れた。プレスプレートを、310℃か360℃に予熱したプレスに入れた。プレスプレートを、圧力を全く加えずに、3分間、加熱したプレスに静置した。137MPa(20,000psi)の圧力を、プレスプレートに2分間加えた。圧力を緩め、プレスプレートをプレスから取り出し、室温まで冷やした。金属ホイルを、剥離して剥がし、接着力を、1〜9の相対的な基準で評価した。9は、ホイルシートを分離するのに必要な相対力が最も高く、1は、金属ホイルシートを分離するのに必要な力が最も低い。結果を表8に示す。
Figure 2011530627
実施例1のFG−フルオロポリマーは、FGを含有しないFEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ−プロピレン)ポリマーよりも全ての試験金属に対して優れた接着力を示す。
実施例6−実施例1のFG−フルオロポリマーのアルミニウムへの接着力
実施例1のFG−フルオロポリマー(TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸から生じる繰り返し単位を含む)およびアルミニウムの接着力を次のようにして調べた。
10cm(4インチ)平方の同一の厚さのポリマーフィルムを、15cm(10インチ)平方の2枚のアルミニウムホイルシート間に入れた。ポリマーシートを含有する金属ホイルを、金属プレスプレート間に入れた。プレスプレートを、選択した温度まで予熱したプレスに入れた。プレスプレートを、17MPa(2,500psi)の圧力を加えて、5分間、加熱したプレスに静置した。圧力を緩め、プレスプレートをプレスから取り出し、室温まで冷やした。金属ホイルを、剥離して剥がし、接着力を、1〜4の相対的な基準で評価した。1は、接着力がなく、シートがポリマーから容易に剥がれることを示し、2はある程度接着力があることを示し、3は、強い接着力があるのを示し、4は、シートが分離できないことを示す。結果を表9に示す。
Figure 2011530627
実施例1のFG−フルオロポリマーは、かなり低温で、優れた接着力の結果を示す。
実施例7−実施例1のFG−フルオロポリマー粉体塗装のアルミニウム、冷延鋼およびステンレス鋼に対する接着力
Nordson VersasprayII静電粉体塗装ガンを用いて、作製した金属パネル上にポリマーを静電粉体塗装し、平滑なコーティングが得られるまで、熱風滞留オーブンで加熱した。金属パネルは、アルミニウム、冷延鋼およびステンレス鋼であり、粉体塗装前に、溶媒で清浄にし、1/2グリットブラストした。15分間にわたって、274℃と288℃の加熱温度で2回の試験を行った。得られたコーティング厚さは、1.5〜3.5ミルであった。
ASTM D3359方法Bの手順により、コーティングの接着力を試験した。コーティングは、水中での15分間の沸騰前にクロスカットした。
実施例1のFG−フルオロポリマー(TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸から生じる繰り返し単位を含む)のコーティングは、平滑またはグリットブラストのいずれについて、かつ両硬化温度で、試験した全ての金属について、5Bの等級(0%除去)を与えた。
比較のポリマー532−8000低溶融FEP粉体(E.I.du Pont de Nemours&Co.,Wilmington,DEより入手可能なパーフッ素化エチレン−プロピレンポリマー)のコーティングは、平滑なグリットブラストしていない金属で、0B(65%を超える除去)の接着力試験結果、グリットブラストした金属で、5B(0%除去)の接着力結果を与えた。両硬化温度で、全ての金属について同じ結果が得られた。
実施例1のFG−フルオロポリマーは、平滑な未処理の金属表面に対して優れた接着力結果を示す。
実施例8−実施例1のFG−フルオロポリマーでコートした押出しダイヘッド
溶融Teflon(登録商標)FEP樹脂は、高速押出しプロセス中、メルトフラクチャーを生じることが知られている。メルトフラクチャーはまた、Teflon(登録商標)PFAおよび高分子量ポリエチレンでも観察されている。メルトフラクチャーは、キャピラリレオメータで観察することのできる望ましくない現象である。
直径0.03インチ、長さ対直径比が20のDynisco Y300−20円形ダイを有するKayenessキャピラリレオメータ、Dynisco型番LCR6000を用いて、ポリマー試料を押出した。
一実施形態において、まず、ダイを、アッシュオーブン(ash oven)において、570℃で加熱することにより、清浄にした。試料チャンバを清浄にし、380℃に設定して、実施例1のFG−フルオロポリマー(TFE、HFP、PMVEおよび無水マレイン酸から生じる繰り返し単位を含む)を入れた。流路がFG−フルオロポリマーの層でコートされるまで、FG−フルオロポリマーを、ダイ流路に通過させた。FG−フルオロポリマーを、試料チャンバから取り出し、試料チャンバに、FEP TE9494(E.I.du Pont de Nemours&Co.,Wilmington,DE.より入手可能なFGを含有しないパーフッ素化エチレン−プロピレン(FEP)コポリマー)を入れた。FEP TE9494試料を、6分間、試料チャンバで加熱した。13.9 1/s〜1,413 1/sの剪断速度範囲で分析を行った。FEP TE9494の押出しストランドを集め、ストランド表面でメルトフラクチャーについて調べた。
比較実験では、まず、ダイを、アッシュオーブンにおいて、570℃で加熱することにより、清浄にした。試料チャンバを清浄にし、380℃に設定して、FEP TE9494(E.I.du Pont de Nemours&Co.,Wilmington,DE.より入手可能なFGを含有しないパーフッ素化エチレン−プロピレン(FEP)コポリマー)を入れた。FEP TE9494試料を、6分間、試料チャンバで加熱した。13.9 1/s〜1,413 1/sの剪断速度範囲で分析を行った。FEP TE9494の押出しストランドを集め、ストランド表面でメルトフラクチャーについて調べた。
各実験について、2回の連続分析を行ったところ、メルトフラクチャーの生じる条件が、明らかに特定された。FG−フルオロポリマーによるダイ前処理後、FEP TE9494押出しを、5時間の間隔で、5回行った。その期間中、メルトフラクチャーの改善が続いたことが観察された。得られた結果を表10に示す。
Figure 2011530627
本実施例によれば、FG−フルオロポリマーでコートされた溶融押出しダイによって、メルトフラクチャーを形成することなく、Teflon(登録商標)FEP押出し物が、高速処理速度に耐えられることが分かる。
概要または実施例に上述した動作の全てが必要ではなく、具体的な動作の一部は必要ないこともあり、1つ以上のさらなる動作を、説明したものに加えて実施してもよいことに留意する。さらに、動作を示した順番は、必ずしも、実施する順番ではない。
上述の明細書において、特定の実施形態を参照して、概念を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の請求項に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができる。従って、明細書は、限定的な意味でなく、例示と考えられ、かかる修正は全て、本発明の範囲内に含まれるものとされる。
利益、その他利点および問題解決策を、特定の実施形態に関して上述してきた。しかしながら、生じる、またはより顕著となる利益、利点、問題解決策、および何らかの利益、利点または解決策を生じるであろう何らかの特徴は、請求項のいずれかまたは全ての重要、必要または不可欠な特徴とは解釈されない。
特定の特徴はまた、明瞭にするために、別個の実施形態で記載されているが、単一の実施形態において組み合わせで提供されてもよいものと考えられる。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態で記載された様々な特徴は、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で示された値を示すとき、その範囲内のあらゆる値が含まれる。

Claims (21)

  1. (a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、
    (b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、および
    (c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント
    含む溶融処理可能な半結晶フルオロポリマー。
  2. (a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、
    (b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、
    (c)パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位を約0.5〜約10重量パーセント、
    (d)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント
    含み、ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位の重量パーセントと、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位の重量パーセントとの合計が、約4重量パーセントを超え、約20重量パーセント未満である請求項1に記載の溶融処理可能な半結晶フルオロポリマー。
  3. (a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約4〜約14重量パーセント、
    (b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、かつジカルボン酸無水物基またはジカルボン酸基を含有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、
    (c)パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位を約0.5〜約3重量パーセント、および
    (d)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント
    含む請求項1に記載の溶融処理可能な半結晶フルオロポリマー。
  4. カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する前記炭化水素モノマーが、ジカルボン酸無水物基またはジカルボン酸基を含有する請求項1または2に記載の溶融処理可能な半結晶フルオロポリマー。
  5. ポリマーと溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーとを含む溶融ブレンド混合物であって、前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、
    (a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、
    (b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、および
    (c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント
    含む溶融ブレンド混合物。
  6. 溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む層を有する多層物品であって、前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、
    (a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、
    (b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、
    (c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント
    含む多層物品。
  7. 前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの層と、基材層とを含み、前記基材層を構成する材料が、カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する前記炭化水素モノマーの前記カルボキシル基と結びつく、または結合する官能基を含有する請求項6に記載の多層物品。
  8. (A)極性官能基を有する非フッ素化ポリマー、金属および無機物からなる群から選択される少なくとも1つの材料を含む第1の層と、
    (B)溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む第2の層とを含み、前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーが、
    (a)ヘキサフルオロプロピレンから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、
    (b)カルボキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント、
    (c)テトラフルオロエチレンから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含み、
    前記(A)および(B)が隣接接触している多層物品。
  9. 前記第1の層が、極性官能基を有する非フッ素化ポリマーを含み、前記極性官能基が、アミン、アミド、イミド、ニトリル、ウレタン、塩化物、エーテル、エステル、ヒドロキシル、カーボネートおよびカルボキシルからなる群から選択される少なくとも1つである請求項8に記載の多層物品。
  10. 極性官能基を有する前記非フッ素化ポリマーが、エチレン−エチルアクリレート、エチレン−メチルアクリレート、ポリエチレン−ビニルアルコールコポリマー、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリアクリロニトリルおよびポリ塩化ビニルからなる群から選択される少なくとも1つである請求項8に記載の多層物品。
  11. 前記第1の層が、金属を含み、前記金属が、アルミニウム、クロム、コバルト、銅、鉄、マンガン、モリブデン、ニッケル、ニオブ、レニウム、鋼、タンタル、チタン、タングステンおよびジルコニウムからなる群から選択される請求項8に記載の多層物品。
  12. 前記第1の層が、無機物を含み、前記無機物が、ケイ酸塩、炭酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物、酸化物および硫化物からなる群から選択される請求項8に記載の多層物品。
  13. 前記第1の層(A)および/または前記第2の層(B)の降伏強さ未満では層間剥離が生じない請求項8に記載の多層物品。
  14. 前記第1の層が金属を含み、前記多層物品の剥離強度が約50g/インチを超える請求項8に記載の多層物品。
  15. パーフルオロポリマーを含む第3の層(B1)をさらに含み、前記第3の層(B1)が、前記第2の層(B)と隣接接触している請求項8に記載の多層物品。
  16. 前記多層物品が、多層管であり、
    (A)極性官能基を有する前記非フッ素化ポリマーを含み、(B)と隣接接触している第1の層と、
    (B)前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む第2の層とを含み、
    前記層が同心円状に配置されて、前記第1の層(A)が、前記第2の層(B)の外側にあり、前記第2の層(B)の外側面が、前記第1の層(A)の内側面と隣接接触している請求項8に記載の多層物品。
  17. 前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーの、SAE J2659−03に記載された手順により測定される、40℃でのCE10燃料蒸気透過速度が、約0.1g・mm/m・日以下である請求項16に記載の多層物品。
  18. パーフルオロポリマーを含む第3の層(B1)をさらに含み、前記層が同心円状に配置されて、前記第3の層(B1)が、前記第2の層(B)の内側にあり、前記第3の層(B1)の前記外側面が、前記第2の層(B)の前記内側面と隣接接触している請求項16に記載の多層物品。
  19. (A)金属を含むワイヤと、
    (B)前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む層とを含む絶縁ワイヤであり、
    (A)および(B)が隣接接触している請求項8に記載の多層物品。
  20. 前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む組成物でコートされた流路を有する金属を含む溶融押出しダイである請求項8に記載の多層物品。
  21. (A)無機基材を含む繊維と、
    (B)前記溶融処理可能な半結晶フルオロポリマーを含む層とを含む光ファイバーであり、
    (A)および(B)が隣接接触している請求項8に記載の多層物品。
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