JP2011530628A - パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーとから生じる繰り返し単位を含むフルオロポリマーを製造する水性重合方法 - Google Patents

パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーとから生じる繰り返し単位を含むフルオロポリマーを製造する水性重合方法 Download PDF

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Abstract

開示されているのは、パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーとから生じる繰り返し単位を含むフルオロポリマーを製造する水性重合方法であり、(A)水とパーフルオロモノマーを混合して反応混合物を形成し、(B)パーフルオロモノマーの重合を開始し、(C)パーフルオロモノマーの一部を重合して、反応混合物中に重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、(D)反応混合物に、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーを添加し、(E)パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーとを、重合したパーフルオロモノマーの粒子の存在下に重合して、フルオロポリマーを形成することを含む。フルオロポリマーは、接着剤およびコーティングとして有用である。

Description

本開示内容は、概して、パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーとから生じる繰り返し単位を含むフルオロポリマーを製造する水性重合方法に関する。
フッ素含有ポリマーは、それらの低表面エネルギーおよび高耐熱および耐化学性のために、重要な商業製品である。しかしながら、それらの低表面エネルギーによって、基材への接着力が乏しくなることがよくある。
特定の官能基が、部分フッ素化ポリマーの接着特性を改質することが知られている。望ましいポリマー特性を大幅に犠牲にすることなく、部分フッ素化ポリマーの重合中にかかる基を組み込むことは、これまである程度の成果が得られてきた。官能基を含むモノマーは、フッ素化モノマーと共重合しなかったり、共重合において他の望ましくない影響を生じたりする可能性がある。
水性重合プロセスは、パーフルオロポリマーの製造に商業的に用いられている。かかるプロセスは、水が再生可能な費用効率の高い重合媒体であるため、工業的に好ましいものであり、工業的に有用な空時収量で、様々な望ましい特性を有するパーフルオロポリマーの形成に関して微調整を行うことができる。しかしながら当技術分野では、接着性を有するパーフルオロポリマーが得られる官能基を有する繰り返し単位を含有するパーフルオロポリマーを製造するための水性重合プロセスに関する発表はなかった。
従って、かかるプロセスが必要とされている。
業界のニーズに適合する、官能基を有するフルオロポリマーを製造する水性重合方法が本明細書に記載されている。
本明細書に記載されているのは、パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーとから生じる繰り返し単位を含むフルオロポリマーを製造する水性重合方法であり、
(A)水とパーフルオロモノマーを混合して反応混合物を形成し、
(B)パーフルオロモノマーの重合を開始し、
(C)パーフルオロモノマーの一部を重合して、反応混合物中に重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、
(D)反応混合物に、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、一価の原子が全て水素であるモノマーを添加し、
(E)パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーを、重合したパーフルオロモノマーの粒子の存在下に重合して、フルオロポリマーを形成すること
を含む。
前述の概要および以下の詳細な説明は、例示および説明のためのみであり、添付の請求項に定義される本発明を限定するものではない。
水性重合方法の一実施形態において、界面活性剤が反応混合物に添加され、反応混合物は水性分散液を含む。
水性重合方法の他の実施形態において、反応混合物が加熱される。
水性重合方法の他の実施形態において、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーの官能基は、カルボキシル基である。
水性重合方法の他の実施形態において、25℃で測定される反応混合物のpHは、カルボキシル官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーに対応するカルボン酸のpK未満である。
水性重合方法の他の実施形態において、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーは、環状ジカルボン酸無水物を形成可能なジカルボン酸基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含み、25℃で測定される反応混合物のpHは、環状ジカルボン酸無水物を形成可能なジカルボン酸基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーのpKa1未満である。
水性重合方法の他の実施形態において、反応混合物は強酸をさらに含む。
水性重合方法の他の実施形態において、反応混合物は酸性バッファをさらに含む。
他の実施形態において、フルオロポリマーは、水性重合方法により製造され、パーフルオロモノマーは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロ(アルキルビニルエーエル)から生じる少なくとも1つの繰り返し単位を含み、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーの官能基が、カルボキシル、アミン、アミド、ヒドロキシル、ホスホネート、スルホネート、ニトリル、ボロネートおよびエポキシドからなる群から選択される少なくとも1つである。
他の実施形態において、水性重合方法により製造されたフルオロポリマーが、溶融処理可能である。
上記した実施形態は、単に例示であり、限定ではない。本明細書を読めば、本発明の範囲を逸脱することなく、他の態様および実施形態が可能であることが、当業者には理解される。
実施形態の任意の1つ以上のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および請求項から明らかとなろう。詳細な説明はまず、
1.用語の定義および説明で始まり、
2.パーフルオロモノマー、
3.官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー(FG)、
4.FG−フルオロポリマー融点およびメルトフローレート、
5.反応混合物(A)を形成するための水とパーフルオロモノマーの混合、
6.パーフルオロモノマーの重合の開始(B)、
7.重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成するパーフルオロモノマーの一部の重合(C)、
8.反応混合物の官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーへの添加(D)、
9.反応混合物のpH、
10.本方法により製造されるFG−フルオロポリマー、
11.任意のモノマー、
12.本方法により製造されるFG−フルオロポリマーの有用性、および実施例が続く。
1.用語の定義および説明
これらの実施形態のさらなる詳細を説明する前に、いくつかの用語を定義または明確にしておく。
半結晶とは、フルオロポリマーが、ある程度の結晶度を有しており、ASTM D4501に従って測定すると検出可能な融点があることを特徴とし、融解吸熱は少なくとも約3J/gである。半結晶フルオロポリマーは、アモルファスフルオロポリマーとは区別される。
溶融処理可能とは、溶融押出し等の従来のプラスチック処理技術を用いてフルオロポリマーを処理できることを意味している。
パーフルオロモノマーから生じる繰り返し単位と、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーとから生じる繰り返し単位を含有するものとして本明細書に記載したポリマーは、「FG−フルオロポリマー」とも呼ばれる。
本明細書で用いる「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、「持つ」、「持っている」またはその他変形の用語は、非排他的な包括を規定するものである。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品または装置は、それらの要素に必ずしも限定されず、明示的にリストされていない、またはかかるプロセス、方法、物品または装置に固有の他の要素も含まれる。さらに、明示的にそれには反するとした場合を除き、「または」は、包括的なまたはであり、排他的なまたはでない。例えば、条件AまたはBを満足するのは次のうちのいずれかである。Aが真(または存在する)でBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)でBが真(または存在する)、およびAとBの両方が真(または存在する)。
また、単数形(「a」または「an」)の使用は、本発明の要素および成分を記載するために使用される。これは、単に便宜上のために、かつ本発明の一般的な意味を与えるために使用される。この説明は、1つまたは少なくとも1つを含めるように読まれるべきであり、他の意味であることが明白でない限り、単数形には複数形も含まれる。
別記されない限り、本明細書で用いる技術および科学用語は全て、請求項の属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有している。本明細書に記載したものと同様または等価の方法および材料は、開示された実施形態の実施または試験に用いることができるが、好適な方法および材料は後述する。本明細書で言及した文献、特許出願、特許およびその他参考文献は全て、特に別記されない限り、その全内容が参考文献として援用される。矛盾がある場合には、定義を含めた本明細書が優先される。また、材料、方法および実施例は例示のみであり、限定しようとするものではない。
本明細書に記載のないものについては、特定の材料および処理に関する多くの詳細は、従来通り機能し、フルオロポリマー業界のテキストブックおよびその他源で見られるはずである。
2.パーフルオロモノマー
パーフルオロモノマーは、元素炭素およびフッ素と、炭素−炭素不飽和を含有する化合物として本明細書で定義される。パーフルオロモノマーにおいて炭素に結合した一価の原子は全てフッ素である。別の実施形態において、パーフルオロモノマーは、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択されるヘテロ原子をさらに含有する。
別の実施形態において、有用なパーフルオロモノマーは、2〜8個の炭素原子を有するパーフルオロアルケンおよびパーフッ素化ビニルエーテルを含む。他の実施形態において、パーフッ素化ビニルエーテルは、式CF=CFORまたはCF=CFOR’ORにより表わされ、式中、Rは、1〜5個の炭素原子を含有するパーフッ素化鎖状または分岐アルキル基であり、R’は、1〜5個の炭素原子を含有するパーフッ素化鎖状または分岐アルキレン基である。他の実施形態において、R基は、1〜4個の炭素原子を含有する。他の実施形態において、R’基は、2〜4個の炭素原子を含有する。
パーフルオロモノマーとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール(PDD)、パーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン(PMD)、フッ化パーフルオロ−3,6−ジオキサ−4−メチル−7−オクテンスルホニル(PSEPVE)およびパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)およびパーフルオロ(ブチルビニルエーテル)(PBVE)が例示される。
3.官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー(FG)
官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーは、本明細書においては、官能基モノマーまたはFGとも呼ばれる。重合可能な炭素−炭素二重結合は、本重合方法中、官能基モノマーから生じる繰り返し単位を、フルオロポリマー炭素−炭素鎖骨格に組み込む機能を果たす。官能基は、フルオロポリマーと、ある基材の接着力を増大する機能を果たし、例えば、接触すると、FG−フルオロポリマーの層とポリアミドの層間に強い接着力が得られる。ポリアミドと、フッ素を含有するが、FGを含有しないポリマーとは、通常、互いの接着力が最小である。
官能基モノマーの全ての一価の原子は、水素であるが、官能基モノマーに、それ以上の構造上の制限はない。官能基モノマーは、概して、上述した基準に適合する官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物を含む。他の実施形態において、官能基モノマーは、元素炭素、水素および酸素を含む。他の実施形態において、官能基モノマーは、元素炭素、水素および酸素を含み、窒素、りん、硫黄およびホウ素からなる群から選択される元素をさらに含む。
官能基によって、フルオロポリマーが接触するある基材との接着力が増大するのであれば、有用な官能基は、限定されない。概して、官能基は、アミン、アミド、ヒドロキシル、ホスホネート、スルホネート、ニトリル、ボロネートおよびエポキシドからなる群から選択される少なくとも1つを含む。
他の実施形態において、FGは、カルボキシル基(−C(=O)O−)および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有している。他の実施形態において、FGは、ジカルボン酸無水物基(−C(=O)OC(=O)−)および重合可能な二重結合を含有している。他の実施形態において、FGは、環状ジカルボン酸無水物および重合可能な炭素−炭素二重結合を形成することのできるジカルボン酸基を含有している。他の実施形態において、FGは、1,2−または1,3−ジカルボン酸基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有している。他の実施形態において、FGは、重合可能な炭素−炭素二重結合を含有するC〜C10のジカルボン酸およびジカルボン酸無水物を含む。カルボキシル基を含有するFGとしては、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、無水イタコン酸、イタコン酸、無水シトラコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物および5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸が例示される。
他の実施形態において、FGは、アミン基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アミノエチルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテルおよびビニルアミノアセテートが例示される。
他の実施形態において、FGは、アミド基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。N−メチル−N−ビニルアセトアミド、アクリルアミドおよびN−ビニルホルムアミドが例示される。
他の実施形態において、FGは、ヒドロキシル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。2−ヒドロキシエチルビニルエーテルおよびオメガ−ヒドロキシブチルビニルエーテルが例示される。
他の実施形態において、FGは、ホスホネート基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。ジエチルビニルホスホネートが例示される。
他の実施形態において、FGは、スルホネート基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。アンモニウムビニルスルホネートが例示される。
他の実施形態において、FGは、ニトリル基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。アクリロニトリルが例示される。
他の実施形態において、FGは、ボロネート基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。ビニルボロン酸ジブチルエステル、4−ビニルフェニルボロン酸および4−ベンテニルボロン酸が例示される。
他の実施形態において、FGは、エポキシド基および重合可能な炭素−炭素二重結合を含有する。アリルグリシジルエーテル(AGE)が例示される。
他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約25重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約20重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約15重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約10重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約5重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約2重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約1重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.5重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.3重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.1重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約0.01重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約2重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約1重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.5重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、FGから生じる繰り返し単位を約0.03〜約0.3重量パーセント含む。ここで参照されるFGから生じる繰り返し単位の重量パーセントは、FG−フルオロポリマー中のFGから生じる繰り返し単位とパーフルオロモノマーの重量の合計に対するものである。
4.FG−フルオロポリマー融点およびメルトフローレート
FG−フルオロポリマーの融点は、ASTM方法D4591−01「示差走査熱量測定によるフルオロポリマー転移の温度および熱の標準試験法(Standard Test Method for Determining Temperatures and Heats of Transitions of Fluoropolymers by Differential Scanning Calorimetry)」により求めることができる。
一実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーの融点は、約265℃未満である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーの融点は、約260℃未満である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーの融点は、約250℃未満である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーの融点は、約240℃未満である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーの融点は、約230℃未満である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーの融点は、約220℃未満である。
FG−フルオロポリマーのメルトフローレート(MFR)は、ASTM方法D1238−04cにより求めることができる。本方法により、特に有用な所望のMFRのFG−フルオロポリマーを、例えば、FG−フルオロポリマーと共押出しされる他のポリマーのMFRと実質的に同様のFG−フルオロポリマーMFRを生成することができる。
他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約1〜約400g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約10〜約300g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約1〜約100g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約20〜約90g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約1〜約50g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約5〜約40g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約10〜約30g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約15〜約30g/10分である。他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーのMFRは、約20〜約30g/10分である。
5.反応混合物(A)を形成するための水とパーフルオロモノマーの混合
本方法には、(A)水とパーフルオロモノマーを混合して、反応混合物を形成することが含まれる。
5.1 界面活性剤
一実施形態において、界面活性剤を反応混合物にさらに添加し、反応混合物は水性分散液を含む。テトラフルオロエチレンコポリマーの分散重合に用いるのに一般に好適な界面活性剤が、本方法において有用である。かかる界面活性剤としては、例えば、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニウムおよびパーフルオロアルキルエタンスルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。
5.2 連鎖移動剤(CTA)
一実施形態において、CTAを、反応混合物にさらに添加する。様々な範囲の化合物をCTAとして用いることができる。かかる化合物としては、例えば、分子水素、低級アルカンおよびハロゲン原子で置換された低級アルカン等の水素含有化合物が挙げられる。本方法に用いると、かかる化合物の連鎖移動活性により、−CFH末端基を有するFG−フルオロポリマーが得られる。CTAは、CTAの固有性に応じて、他の末端基に寄与し得る。CTAとしては、メタン、エタンおよび置換炭化水素、例えば、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホルムおよび四塩化炭素が例示される。所望の分子量を得るのに用いるCTAの量は、特定の重合条件について、用いる開始剤の量および選択したCTAの連鎖効率に応じて異なる。連鎖移動効率は、化合物によって大きく変わる可能性があり、温度によって変わる。所望の重合を得るのに必要なCTAの量は、過度の実験なしに当業者であれば判断することができる。
6.パーフルオロモノマーの重合の開始(B)
本方法には、(B)パーフルオロモノマーの重合を開始することが含まれる。
水、パーフルオロモノマーおよび任意の成分(例えば、界面活性剤、CTA)を混合して反応混合物を形成する(A)に続いて、反応混合物を、選択した温度まで任意で加熱してから、攪拌を開始し、開始剤を所望の比率で添加して、パーフルオロモノマーの重合を開始する。
パーフルオロモノマー添加を開始し、重合を規制するために選択したスキームに従って制御する。用いる第1の開始剤と同じ、または異なるものとすることのできる開始剤は、通常、反応の間中、添加される。
6.1 開始剤
本方法に有用な開始剤は、テトラフルオロエチレンコポリマーの乳化(分散)重合に一般的に用いられるものである。例えば、過硫酸アンモニウム(APS)、過硫酸カリウム(KPS)または過酸化ジコハク酸等の水溶性遊離基開始剤、または過マンガン酸カリウムをベースとするもの等の酸化還元系。用いる開始剤の量は、用いる連鎖移動剤(CTA)の量に応じて異なる。開始効率が高温(例えば、100℃)で100%に達するAPSおよびKPSについては、形成されるFG−フルオロポリマーの量に対する開始剤の量は、通常、0.5モル/モル未満、望ましくは、0.35モル/モル以下、好ましくは、0.2モル/モル以下である。APSまたはKPS等、低温での開始剤の開始効率が低いとき、これらの開始剤の量は、開始剤により開始(作製)されるポリマー分子の割合のことを指す。両状況共、作製されたポリマー1モル当たりの有効開始剤量で説明することができる。
6.2 温度
本水性重合方法が、水性分散重合を含む実施形態においては、広い温度範囲が有用である。熱伝達の考慮および熱活性開始剤の使用のため、約50〜100℃といった範囲の高温が有利である。他の実施形態においては、70〜90℃の温度範囲を用いる。乳化重合に用いる界面活性剤は、分散安定性を失う傾向があるため、103〜108℃より高い温度ではあまり効率的ではないものと考えられる。
6.3 圧力
任意の実行可能な圧力を、本重合方法に用いることができる。高圧だと、高反応速度で、低圧よりも利点が与えられる。しかしながら、TFEの重合は、極めて発熱性であるため、高反応速度によって、熱が増す。これは、温度が上がるにつれて、除去または調整しなければならない。用いることのできる圧力はまた、機器の設計により、およびTFE取扱いの安全性に対する懸念によっても判断することができる。一実施形態において、約0.3〜7MPaの範囲の圧力を用いる。他の実施形態において、0.7〜3.5MPaの圧力を用いる。リアクタにおいては定圧を維持することが一般的であるが、他の実施形態においては、圧力は変えることができる。
7.重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成するパーフルオロモノマーの一部の重合(C)
本方法には、(C)パーフルオロモノマーの一部を重合して、反応混合物中に重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成する工程が含まれる。(C)において、パーフルオロモノマーの一部を重合するとは、反応混合物を形成するのに(A)における水と混合される合計量よりも少ないパーフルオロモノマーの量を意味する。
一実施形態において、パーフルオロモノマーの一部が重合して、反応混合物中に重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成したことを判断するために、反応混合物を含有する容器内の合計圧力をモニターする。開始(B)後のパーフルオロモノマーの圧力降下は、パーフルオロモノマーの重合が開始され、重合したパーフルオロモノマーの粒子が形成されたことを示すものである。他の実施形態において、圧力降下は、少なくとも約35Kappa(5psi)である。他の実施形態において、圧力降下は、少なくとも約70Kappa(10psi)である。他の実施形態において、パーフルオロモノマーの一部の重合がなされた証拠は、リアクタが、パーフルオロモノマーを消費続けていることであり、例えば、フィードバック制御ループにより取り付けられたパーフルオロモノマー供給バルブの起動により観察される。
他の実施形態において、圧力降下は、反応混合物の水相に基づいて、約0.1重量パーセントの固体の重合フルオロポリマーを表わす。この固体レベルより低いと、(D)反応混合物への官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーの添加により、急冷されないようにするのに十分な重合がなされたどうか不確かである。他の実施形態において、(C)パーフルオロモノマーの一部を重合して、重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成することは、反応混合物の水相に基づいて、約1重量パーセントの固体ポリマーが形成されるまで、実施される。これは、最終フルオロポリマーバッチサイズのごく一部、典型的に、作製される合計フルオロポリマーの約5パーセント未満を表わす。高レベルのポリマーが(C)において形成されるまで待っても、重合を行うのにさらなる利点を与えるわけでなく、徒に不均一な反応混合物を作製し始めてしまう。
懸濁または「顆粒」TFE型重合の実施形態において、約0.1〜約2重量パーセント固体の重合したパーフルオロモノマーは、直接ポリマー−蒸気空間重合に利用できる、中間体サイズおよび形状の、水で湿潤されておらず、反応混合物の表面に浮く不規則なスポンジ状ポリマー小粒子の形態にある。重合プロセスが進むにつれて、より多くのポリマー粒子が形成され、既に存在していたものは大きくなる。ポリマー粒子のサイズおよび形状は、重合の詳細に応じて異なる。他の実施形態において、バッチで早期に形成された懸濁重合粒子は、手で丸めて砕いた破裂したポップコーンのサイズおよび形状を有する。他の実施形態において、バッチで早期に形成された懸濁重合粒子は、雑貨店にある刻んだココナッツのサイズおよび形状を有する。他の実施形態において、バッチで早期に形成された懸濁重合粒子は、粉末砂糖の外観および手触りを有している。
分散重合実施形態においては、界面活性剤が反応混合物にさらに添加され、反応混合物は、コロイド的に安定な水性分散液を含み、約0.1〜約2重量パーセントの重合したパーフルオロモノマーが、重合開始の際に作製される初期粒子の形態にある。開始後のパーフルオロモノマー圧力降下後、コロイド的に安定な粒子の存在によって、コロイド的に安定となるだけ十分に成長する機会を前駆体が持つ前に、コロイド的に不安定な前駆体粒子の水性反応混合物相がスイープされることにより、さらなる粒子の形成が阻害される。
パーフルオロモノマーの一部を重合して、重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成するこの工程(C)の他の実施形態において、反応混合物中に、水1グラム当たり約1012の重合したパーフルオロモノマーの粒子がある。それより少ない粒子およびその粒子だと、低すぎるパーセント固体で大きくなりすぎて、コロイド的に安定しなくなり、凝塊の問題となるので望ましくない。反応混合物中の水1グラム当たり1012粒子の値は、工業的実用性の下限として、10%固体で400nmのRDPSでの重合について計算される。他の実施形態において、粒子は、20%以上の固体で、300nm以下のRDPSを有する。
7.1 重合速度の規制
重合速度を規制するにはいくつかの代替手段がある。最も多くの代替手段では、TFE(例えば、HFP、PAVE)(本明細書においては「調整剤」とも呼ばれる)以外のパーフルオロモノマーの少なくとも一部をまず予熱してから、TFEを所望の全圧とするのが一般的である。追加のTFEを、開始および重合開始後に添加して、選択した圧力を維持し、追加の調整剤を添加してもよい。TFEは、定速で添加してもよく、実際の重合速度を増減して、一定の全圧を維持するために、必要に応じて、攪拌器の速度を変える。この代替手段の変形において、圧力を変えて、一定のTFE供給速度および一定の攪拌器速度で、一定の反応速度を維持してもよい。他の代替手段としては、全圧および攪拌速度を両方共一定に保持して、定圧を維持するために、必要に応じて、TFEを添加してもよい。第3の代替手段は、可変の攪拌器速度であるが、TFE供給速度を一定に増大しながら、段階で重合を行うものである。調整剤を、反応中に添加するときは、調整剤を、定速で注入するのが便利である。他の実施形態において、調整剤添加速度は、重合の特定のフェーズ中一定である。しかしながら、当業者であれば、様々な調整剤添加プログラムを用いることができることが分かるであろう。このように、例えば、一連の不連続な調整剤添加を用いることができる。かかる不連続な添加は、等量または異なる量、等間隔または異なる間隔とすることができる。調整剤の添加については、他に一様でないプログラムを用いることができる。
8.反応混合物の官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーへの添加(D)
反応混合物上の全圧をモニターする。開始後に生じる少なくとも約35KPa(5psi)、通常、少なくとも約70KPa(10psi)の圧力降下は、パーフルオロモノマーの重合が開始され、重合したパーフルオロモノマーの粒子が形成されたことを示す。
パーフルオロモノマーの重合が開始され、重合したパーフルオロモノマーの粒子が形成されたことを示す圧力降下後、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合(官能基モノマーまたはFG)を有するモノマーを反応混合物に添加する。他の実施形態において、FGは、アリコートで反応混合物に添加される。他の実施形態において、FGは、重合の全期間にわたって、連続的または周期的に反応混合物に添加される。
FGの重合水性反応混合物への添加に続いて、圧力降下が、パーフルオロモノマーの重合が開始され、重合したパーフルオロモノマーの粒子が形成されたことを示すことで、FGから生じる繰り返し単位のフルオロポリマーの炭素−炭素骨格の生産的かつ制御可能な組み込みとなることが知見された。
FGの重合水性反高混合物への再充填では、FGから生じる繰り返し単位のフルオロポリマーの炭素−炭素骨格の生産的な組み込みとはならないことが知見された。
9.反応混合物のpH
本方法の他の実施形態において、FGは、カルボン酸および/またはカルボン酸無水物を形成することのできるカルボキシル基を含有し、25℃で測定される反応混合物のpHは、(C)パーフルオロモノマーを重合して、重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、(D)FGを反応混合物に添加する間、FGのカルボン酸のpKより少ない、またはそれに等しい。
本方法の他の実施形態において、FGは、環状ジカルボン酸無水物を形成することのできる環状カルボン酸無水物および/またはジカルボン酸を含有し、25℃で測定される反応混合物のpHは、(C)パーフルオロモノマーを重合して、重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、(D)FGを反応混合物に添加する間、FGのジカルボン酸のpKa1より少ない、またはそれに等しい。
水性重合プロセス反応混合物のpHを制御することで、FGから生じる繰り返し単位のフルオロポリマーの炭素−炭素骨格の生産的な組み込みとなることが知見された。理論に拘束されることは望むところではないが、水性重合プロセス反応混合物のpHをこのように制御すると、反応性フルオロポリマー鎖ラジカルを含有する反応混合物の相に存在するFGが十分な濃度となるものと考えられる。
本方法の他の実施形態において、反応混合物は、(C)パーフルオロモノマーを重合して、重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、(D)FGを反応混合物に添加する間、25℃で測定される反応混合物のpHを、FGのカルボン酸のpKより少ない、またはそれに等しく制御するために、強酸をさらに含む。有用な強酸としては、無機または鉱酸(例えば、硝酸)および有機酸(例えば、シュウ酸)をはじめとする重合プロセスを阻害しないものであれば何でもよい。他の実施形態において、強酸は、pKが約1以下の酸を含む。
本方法の他の実施形態において、反応混合物は、(C)パーフルオロモノマーを重合して、重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、(D)FGを反応混合物に添加する間、25℃で測定される反応混合物のpHを、FGのカルボン酸のpKより少ない、またはそれに等しく制御するために、酸性バッファをさらに含む。有用な酸性バッファとしては、重合プロセスを阻害しないものであれば何でもよく、例えば、ホスフェートバッファがある。
反応混合物pHとカルボン酸のpK(またはpKa1)とのこれらの比較のために、pHは25℃で測定する。
10.本方法により製造されるFG−フルオロポリマー
他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、パーフルオロモノマーとFGから生じる繰り返し単位を含み、FGから生じる繰り返し単位を除いてパーフッ素化されている。
10.1 TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマー
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約25重量パーセント、および(c)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本発明により生成されるTFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約20重量パーセント含む。他の実施形態において、本発明により生成されるTFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約14重量パーセント含む。他の実施形態において、本発明により生成されるTFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約14重量パーセント含む。他の実施形態において、本発明により生成されるTFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約10〜約12重量パーセント含む。
TFE、HFPおよびFGを含むFG−フルオロポリマーにおいてFGから生じる繰り返し単位の量の様々な実施形態が予測され、本明細書のセクション「3.官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー(FG)」に前述してある。
TFE、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマー
他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、(a)PAVEから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約25重量パーセント、および(c)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約2〜約18重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約3〜約18重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約7〜約18重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約9〜約15重量パーセント含む。
TFE、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーにおいてFGから生じる繰り返し単位の量の様々な実施形態が予測され、本明細書のセクション3の「官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー(FG)」に前述してある。
TFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマー
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、TFE、HFP、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)およびFGから生じる繰り返し単位を含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約2〜約20重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.001〜約10重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約2〜約10重量パーセントおよび(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。HFPおよびPAVEから生じる繰り返し単位の重量パーセントの合計は、約4重量パーセントを超え、約20重量パーセント未満である。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約20重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約4〜約16重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約8〜約16重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、HFPから生じる繰り返し単位を約9〜約14重量パーセント含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約1〜約10重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約2〜約8重量パーセント含む。他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、PAVEから生じる繰り返し単位を約3〜約7重量パーセント含む。
TFE/HFP/PAVE/FG溶融処理可能半結晶フルオロポリマーにおいてFGから生じる繰り返し単位の量の様々な実施形態が予測され、本明細書のセクション3の「官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマー(FG)」に前述してある。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約12重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約0.75重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約12重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約1.5重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約6重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約2重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約5重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)PAVEから生じる繰り返し単位を約5重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を残りの重量パーセント含む。
他の実施形態において、本方法により生成されるTFE、HFP、PAVEおよびFGを含むFG−フルオロポリマーは、(a)HFPから生じる繰り返し単位を約5〜約6重量パーセント、(b)FGから生じる繰り返し単位を約0.01〜約0.1重量パーセント、(c)パーフルオロ(メチルビニルエーテル)から生じる繰り返し単位を約6〜約7重量パーセント、(d)TFEから生じる繰り返し単位を約86〜約89重量パーセント含む。
11.任意のモノマー
他の実施形態において、本方法により生成されるFG−フルオロポリマーは、エチレン、プロピレン、フッ化ビニリデンおよびフッ化ビニル等の非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位を含む。かかる非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位が、FG−フルオロポリマーに含まれている場合、それらは、FG−フルオロポリマーの所望の特性に影響を与えない低レベルで存在している。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FG以外の非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位を約0.1〜約5重量パーセント含有する。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FG以外の非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位を約2重量パーセント以下含有する。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、FG以外の非パーフッ素化モノマーから生じる繰り返し単位を約1重量パーセント以下含有する。
12.本方法により製造されるFG−フルオロポリマーの有用性
本方法により製造されるFG−フルオロポリマーは、パーフルオロポリマー(例えば、PTFE、FEP、PFA)とポリマー、金属または無機基材を接着する接着剤として有用である。パーフルオロポリマーは、FG−フルオロポリマーに強く接着し、FG−フルオロポリマーは、多くのポリマー、金属および無機物に強く接着する。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーを用いて、石油燃料供給用パーフルオロポリマーライニングポリアミド管等の多層物品において、パーフルオロポリマーとアミン官能基を有する熱可塑材を接着することができる。かかる物品を形成するには、FG−フルオロポリマーの層を、パーフルオロポリマーの溶融押出し層と、ポリアミドの溶融押出し層間の中間層として溶融押出しすることができる。
他の実施形態において、基材は、FG−フルオロポリマーの官能基と反応するまたはそうでなければ強く結び付く官能基(例えば、アミン)を含有しており、FG−フルオロポリマーとかかる基材間が強く接着される。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーと他のポリマーのブレンドは、ポリマー合成中に作製することができる。他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、他のポリマーとブレンドまたは溶融ブレンドすることができ、得られるブレンドは接着剤として用いられる。
他の実施形態において、FG−フルオロポリマーは、接着される2つの他のポリマー層間で接着層として共押出しされる。
FG−フルオロポリマーは、同様の方法を用いて同じ目的を達成する他の種類のポリマーについて当該技術分野において知られているとおりに接着剤として用いることができる。例えば、スクリュー押出し機等の機器を用いたポリマーの溶融混合が知られている。同様に、接着剤またはタイ層を用いる多層フィルム押出しも知られている。
本明細書に記載した概念を、請求項に記載した本発明の範囲を限定しない以下の実施例にさらに記載する。
方法
MFR:メルトフローレート(MFR)は、ASTM方法D1238−04cにより測定され、次のように修正してある。シリンダ、オリフィスおよびピストン先端は、耐食合金、Haynes Stellite Co.製のHaynes Stellite19でできている。5.0gの試料を、372±1℃に維持された内径が9.53mm(0.375インチ)のシリンダに詰める。試料をシリンダに入れてから5分後に、5000グラムの荷重(ピストンプラス重量)下で、直径2.10mm(0.0825インチ)、長さ8.00mm(0.315インチ)の四角端部のオリフィスから押出す。
実施例1−TFE、HFP、PEVEおよびイタコン酸を含むFG−フルオロポリマー
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および5グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを46rpmで攪拌し、リアクタを60℃まで加熱し、通気し、TFEで3回パージした。次に、リアクタ温度を103℃まで上げた。温度が103℃で一定になった後、圧力が444psig(3.16MPa)になるまで、HFPをリアクタに徐々に添加した。92mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、645psig(4.55MPa)の最終圧力を得た。次に、1.63重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する40mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、10mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、24.5ポンド(11.1kg)/125分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、1.0mL/分の速度で添加した。重合開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、1重量%のイタコン酸の水溶液を、5mL/分で開始し、バッチの残りについて続けた。24.4ポンド(11.1kg)のTFEを125分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFE供給、PEVE供給および開始剤供給を停止し、攪拌を続けながら、リアクタを冷やした。リアクタ内容物の温度が90℃に達したら、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから70℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーの、ASTM法D1238−04cにより、372℃、5kgの重りで求めたメルトフローレートは34.7g/10分であり、融点は234℃、HFP含量は13.90重量%、PEVE含量は1.69重量%、イタコン酸含量は0.05重量%であった。
4つのFG−フルオロポリマー試料を、上記の手順により作製した。ただし、イタコン酸(ITA)の注入速度は、試料毎に変え、表1に示すとおり、異なる重量パーセントのITAとした。
Figure 2011530628
実施例2−FG−フルオロポリマー:TFE/HFP/PEVE/メサコン酸
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、500mLの0.1N硝酸、260mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および2グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを46rpmで攪拌し、リアクタを60℃まで加熱し、通気し、TFEで3回パージした。次に、リアクタ温度を103℃まで上げた。温度が103℃で一定になった後、圧力が444psig(3.16MPa)になるまで、HFPをリアクタに徐々に添加した。92mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、645psig(4.55MPa)の最終圧力を得た。次に、2.38重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する50mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、10mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、15ポンド(6.8kg)/125分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、1.0mL/分の速度で添加した。重合開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、1重量%のメサコン酸の水溶液を、5mL/分で開始し、バッチの残りについて続けた。15ポンド(6.8kg)のTFEを125分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFE、PEVE、開始剤溶液およびメタコン酸溶液供給を停止し、攪拌を続けながら、リアクタを冷やした。リアクタ内容物の温度が90℃に達したら、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから70℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーのメルトフローレートは79.6g/10分であり、融点は224℃、HFP含量は16.5重量%、PEVE含量は1.19重量%、メサコン酸含量は0.031重量%であった。
5つのFG−フルオロポリマー試料を、上記の手順により作製した。ただし、TFEの供給速度は、表2に示す結果を得るために、TFE圧力を調整することにより、約36〜約76g/分まで変えた。
Figure 2011530628
実施例3−FG−フルオロポリマー:TFE/PEVE/イタコン酸
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、260mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および2グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを50rpmで攪拌し、リアクタを25℃まで加熱し、排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)で3回パージした。次に、リアクタに、8インチHg(27KPa)まで、エタンを入れた。次に、リアクタ温度を75℃まで上げた。次に、400mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、300psig(2.17MPa)の最終圧力を得た。次に、1.83重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する400mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、2mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、20ポンド(9.1kg)/120分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、5.0mL/分の速度で添加した。開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、1重量%のイタコン酸の水溶液を、5mL/分で開始し、バッチの残りについて続けた。20ポンド(9.1kg)のTFEを120分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFE、PEVE、開始剤溶液およびイタコン酸溶液供給を停止し、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから60℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーのメルトフローレートは42.0g/10分であり、融点は257℃、PEVE含量は9.0重量%およびイタコン酸含量は0.076重量%であった。
実施例4−FG−フルオロポリマー:TFE/PEVE/アリルグリシジルエーテル
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、15.4グラムの第二リン酸アンモニウム、17.5グラムの第一リン酸アンモニウム、580mLの水中パーフルオロ−2−プロポキシプロピオネートアンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および4.5グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを50rpmで攪拌し、リアクタを25℃まで加熱し、排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)で3回パージした。次に、リアクタに、8インチHg(27KPa)まで、エタンを入れた。次に、リアクタ温度を75℃まで上げた。次に、400mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、200psig(1.48MPa)の最終圧力を得た。次に、1.83重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する400mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、2mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、12ポンド(5.4kg)/120分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、5.0mL/分の速度で添加した。開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、1重量%のアリルグリシジルエーテルの水溶液を、5mL/分で開始し、バッチの残りについて続けた。12ポンド(5.4kg)のTFEを120分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFE、PEVE、開始剤およびアリルグリシジルエーテル溶液供給を停止し、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから60℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーのメルトフローレートは12.2g/10分であり、融点は244℃、PEVE含量は15.1重量%およびアリルグリシジルエーテル含量は0.088重量%であった。
実施例5−FG−フルオロポリマー:TFE/HFP/ヒドロキシブチルビニルエーテル
長さ対直径比が約1.5、水容量が10ガロン(37.9L)の円柱、水平、水ジャケット、パドル攪拌、ステンレス鋼リアクタに、50ポンド(22.7kg)の脱イオン水、330mLの水中パーフルオロオクタン酸アンモニウム界面活性剤の20重量%溶液および5.9グラムのKrytox(登録商標)157FSLパーフルオロポリマーカルボン酸を入れた。リアクタパドルを46rpmで攪拌し、リアクタを60℃まで加熱し、排気し、テトラフルオロエチレン(TFE)で3回パージした。次に、リアクタ温度を103℃まで上げた。温度が103℃で一定になった後、圧力が444psig(3.16MPa)になるまで、HFPを徐々にリアクタに添加した。次に、92mLの液体PEVEをリアクタに注入した。次に、TFEをリアクタに添加して、645psig(4.55MPa)の最終圧力を得た。次に、1.83重量%の過硫酸アンモニウム(APS)を含有する40mLの新たに調製した水性開始剤溶液を、リアクタに入れた。次に、この同じ開始剤溶液を、10mL/分で、重合の残りについて、リアクタにポンピングした。リアクタ圧力における10psi(70KPa)降下により示される重合の開始後、追加のTFEを、24.5ポンド(11.1kg)/125分の速度で、リアクタに添加した。さらに、液体PEVEは、反応の間、1.0mL/分の速度で添加した。開始後、1ポンド(0.45kg)のTFEを供給したら、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE、密度0.939g/mL)を、0.05mL/分の速度で110分にわたって注入した。この時点で、バッチの終わりの約10分前に、PEVE供給も停止した。24.5ポンド(11.1kg)のTFEを125分の反応期間にわたって注入した後、反応を終了した。反応期間の終了の際に、TFEおよび開始剤供給を停止し、攪拌を維持しながら、リアクタを冷やした。リアクタ内容物の温度が90℃に達したら、リアクタを徐々に通気した。ほぼ大気圧まで通気した後、リアクタを窒素でパージして、残渣モノマーを除去した。さらに冷却した後、分散液をリアクタから70℃未満で放出した。凝固後、ポリマーを、ろ過により単離してから、150℃の対流空気オーブンで乾燥した。ポリマーのメルトフローレートは100g/10分であり、融点は228℃、HFP含量は13.57重量%、PEVE含量は1.36重量%およびHBVE含量は0.040重量%であった。
実施例6−接着力または剥離強度
幅1インチの片を、長手方向に、共押出し管構造から切断した。層を、層界面で分離または分離を試み、分離速度12インチ/分(約30cm/分)で、「T−剥離」構成で、室温および50%湿度で引張試験機において引っ張った。層を分離する平均の力を、片の幅で除算して、g/インチで記録される剥離強度を得た。3または5つの層剥離を行って、平均として記録した。層が、試験開始時に分離できなかった場合には、結果は「CNS」または「分離できない」と記録してある。これは、最高レベルの接着結合を示している。680g/インチより高い剥離強度は、接着性と考えられる。
表3の結果によれば、実施例1AのFG−フルオロポリマー組成物が、ポリアミド等のアミン官能基を備えた熱可塑材に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530628
表4の結果によれば、実施例2のFG−フルオロポリマー組成物が、ポリアミド等のアミン官能基を備えた熱可塑材に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530628
表5の結果によれば、実施例3のFG−フルオロポリマー組成物が、ポリアミド等のアミン官能基を備えた熱可塑材に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530628
表6の結果によれば、実施例4のFG−フルオロポリマー組成物が、ポリエステルに対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530628
表7の結果によれば、実施例5のFG−フルオロポリマー組成物が、アルミニウム等の金属表面に対して良好な接着力(すなわち、剥離強度)を有していることが分かる。
Figure 2011530628
概要または実施例に上述した動作の全てが必要ではなく、具体的な動作の一部は必要ないこともあり、1つ以上のさらなる動作を、説明したものに加えて実施してもよいことに留意する。さらに、動作を示した順番は、必ずしも、実施する順番ではない。
上述の明細書において、特定の実施形態を参照して、概念を説明してきた。しかしながら、当業者であれば、以下の請求項に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができる。従って、明細書は、限定的な意味でなく、例示と考えられ、かかる修正は全て、本発明の範囲内に含まれるものとされる。
利益、その他利点および問題解決策を、特定の実施形態に関して上述してきた。しかしながら、生じる、またはより顕著となる利益、利点、問題解決策、および何らかの利益、利点または解決策を生じるであろう何らかの特徴は、請求項のいずれかまたは全ての重要、必要または不可欠な特徴とは解釈されない。
特定の特徴はまた、明瞭にするために、別個の実施形態で記載されているが、単一の実施形態において組み合わせで提供されてもよいものと考えられる。反対に、簡潔にするために、単一の実施形態で記載された様々な特徴は、別個に、または任意のサブコンビネーションで提供されてもよい。さらに、範囲で示された値を示すとき、その範囲内のあらゆる値が含まれる。

Claims (10)

  1. パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する炭化水素モノマーとから生じる繰り返し単位を含むフルオロポリマーを製造する水性重合方法であって、
    (A)水とパーフルオロモノマーを混合して反応混合物を形成し、
    (B)前記パーフルオロモノマーの重合を開始し、
    (C)前記パーフルオロモノマーの一部を重合して、前記反応混合物中に重合したパーフルオロモノマーの粒子を形成し、
    (D)前記反応混合物に、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有し、一価の原子が全て水素であるモノマーを添加し、
    (E)前記パーフルオロモノマーと、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する前記炭化水素モノマーとを、重合したパーフルオロモノマーの前記粒子の存在下に重合して、前記フルオロポリマーを形成することを含む方法。
  2. 界面活性剤が前記反応混合物にさらに添加され、前記反応混合物が水性分散液を含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記反応混合物を加熱することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  4. 前記官能基がカルボキシル基である請求項1に記載の方法。
  5. 25℃で測定される前記反応混合物のpHが、官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する前記モノマーに対応するカルボン酸のpK未満である請求項4に記載の方法。
  6. 官能基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する前記モノマーが、環状ジカルボン酸無水物を形成可能なジカルボン酸基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有するモノマーを含み、25℃で測定される前記反応混合物のpHが、環状ジカルボン酸無水物を形成可能なジカルボン酸基および重合可能な炭素−炭素二重結合を有する前記モノマーのpKa1未満である請求項4に記載の方法。
  7. 前記反応混合物が強酸をさらに含む請求項4に記載の方法。
  8. 前記反応混合物が酸性バッファをさらに含む請求項4に記載の方法。
  9. 前記パーフルオロモノマーが、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびパーフルオロ(アルキルビニルエーエル)から生じる少なくとも1つの繰り返し単位を含み、
    前記官能基が、カルボキシル、アミン、アミド、ヒドロキシル、ホスホネート、スルホネート、ニトリル、ボロネートおよびエポキシドからなる群から選択される少なくとも1つである請求項1に記載の方法により作製されたフルオロポリマー。
  10. 前記フルオロポリマーが、半結晶および溶融処理可能である請求項9に記載のフルオロポリマー。
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