JP2011527508A - プラズマ処理チャンバ内のプラズマ不安定性を検出するための受動型容量結合静電(cce)プローブ構成 - Google Patents

プラズマ処理チャンバ内のプラズマ不安定性を検出するための受動型容量結合静電(cce)プローブ構成 Download PDF

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Abstract

【解決手段】基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内のプラズマ不安定性を検出するための構成が提供される。該構成は、処理チャンバの表面上に配され、少なくとも1つのプラズマプロセスパラメータを測定するように構成される、プローブ構成を含む。プローブ構成は、プラズマ対向センサ及び測定コンデンサを含み、プラズマ対向センサは、測定コンデンサの第1の板に接続される。プローブ構成は、また、測定コンデンサの第2の板に接続される検出構成も含む。該検出構成は、測定コンデンサを流れる誘起電流を、プラズマ不安定性を検出するために処理されるデジタル信号の集合に変換するように構成される。
【選択図】図1

Description

プラズマ処理チャンバ内における基板の処理において、満足のいく結果を得るには、多くの場合、プロセスパラメータの厳格な管理が必要とされる。これは、最新の高密度集積回路を製造するために用いられる蒸着、エッチング、洗浄などのプロセスの場合に特に当てはまる。(バイアス電圧、RF電力、イオン束、プラズマ密度、圧力などの)プロセスパラメータが狭い所定の窓を超えると、プロセス逸脱が生じると言われている。これらのプロセス逸脱は、望ましくない処理結果(例えばエッチングプロフィールが劣る、感度が低いなど)をしばしばもたらす望ましくない事象を表わす。したがって、プロセス逸脱の検出、特性化、及び回避は、集積回路の製造に携わるプロセス技術者にとって重要な任務である。
プロセス逸脱の検出は、多くの場合、種々のプロセスパラメータを監視することを通じて実施される。プロセスパラメータには、直接的に測定されえるもの(バイアス電圧、反射電力など)と、測定されたパラメータから推測されえるものとがある。
例えばしばしば遷移及びアース送電障害によって引き起こされるプラズマ不安定性は、歩留まりを低下させる、基板を損傷させる、及び/又はチャンバ部品を損傷させる可能性がある一タイプのプロセス逸脱である。更に、歩留まりに悪影響を及ぼすとともにチャンバ部品の予想寿命を短くする傾向がある非閉じ込めプラズマの発生も、多くの場合、プラズマ不安定性から始まる。
したがって、プラズマ不安定性の検出は、プロセス結果及びプロセス歩留まりを向上させるための、並びに基板及び/又はチャンバ部品に対する損傷を回避するための、診断及びレシピ調整の目的にとって重要である。
本発明は、一実施形態では、基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内のプラズマ不安定性を検出するための構成に関する。該構成は、処理チャンバの表面上に配され、少なくとも1つのプラズマプロセスパラメータを測定するように構成されるプローブ構成を含む。プローブ構成は、プラズマ対向センサ及び測定コンデンサを含み、プラズマ対向センサは、測定コンデンサの第1の板に接続される。プローブ構成は、また、測定コンデンサの第2の板に接続される検出構成も含む。該検出構成は、測定コンデンサを流れる誘起電流を、プラズマ不安定性を検出するために処理されるデジタル信号の集合に変換するように構成される。
上記の概要は、本明細書において開示される発明の多くの実施形態の1つに関するに過ぎず、特許請求の範囲において定められる発明の範囲を限定することを意図しない。本発明のこれらの及びその他の特徴は、発明の詳細な説明において以下の図面との関連のもとで更に詳しく下記に説明される。
本発明は、添付の図面において限定としてではなく例として示され、図中、類似の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
本発明の一実施形態にしたがった、受動型CCEプローブアーキテクチャを用いたプラズマ不安定性事象検出構成を示している。
代替又は追加として、測定コンデンサの板に電圧測定器が接続され、この板がプローブヘッドにも接続された図である。
本発明の一実施形態にしたがった、幾つかのプラズマ不安定性事象を示す振動パターンのプロットを示している。 本発明の一実施形態にしたがった、幾つかのプラズマ不安定性事象を示す振動パターンのプロットを示している。
本発明の一実施形態にしたがった、プラズマ非閉じ込め事象に先立つ及び同事象につながるプラズマ不安定性を示す振動パターンのプロットを示している。 本発明の一実施形態にしたがった、プラズマ非閉じ込め事象に先立つ及び同事象につながるプラズマ不安定性を示す振動パターンのプロットを示している。
プラズマを発生させるために高周波(RF)源をリアクタチャンバに容量結合されたプラズマシステムの一部分の簡単な配線図を示している。
RF充電後における電圧対時間のグラフを示している。
RF充電後における収集された電流データのグラフを示している。
RFバースト間の一時間区間について簡単な電流対電圧グラフを示している。
発明の一実施形態における、基板処理中にプラズマを自動的に特性化するための全工程を説明した簡単なフローチャートを示している。
発明の一実施形態における、関連性範囲及びシード値を決定するための簡単なアルゴリズムを示している。
RFバースト後における電流対時間の一例を示している。
RFバースト後における電圧対時間の一例を示している。
変曲点の一例を示している。
電流対電圧グラフに適用される曲線適合の一例を示している。
添付の図面に例示される幾つかの実施形態を参照にして、本発明が詳細に説明される。以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部又は全部の詳細を特定しなくても実施されえる。また、本発明が不必要に不明瞭にされないように、周知のプロセス工程及び/又は構造は詳細に説明されていない。
発明の実施形態は、プラズマ不安定性事象を検出するために容量結合静電(CCE)プローブ構成又はその一部分を使用することに関する。背景として、CCEプローブは、長い間、イオン束、電子温度、浮遊電位、薄膜厚さなどのプラズマプロセスパラメータを測定するために利用されてきた。CCEプローブは、当該分野において既知であり、その詳細は、例えば引用によって本明細書に組み込まれる「Method and Device For Measuring An Ion Flow In A Plasma(プラズマ内のイオン流動を測定するための方法及び装置)」(1999年8月10日)と題された米国特許第5,936,413号を含む、公表されている文献から得ることができる。CCEプローブは、例えば検出感度が向上される、センサのサイズが小さいゆえにプラズマに対する摂動が最小である、チャンバ壁への取り付けが容易である、センサヘッド上のポリマの付着に反応しにくい、などの多くの利点を提供する。更に、センサのプラズマ対向表面は、多くの場合、周辺のチャンバ壁と同じ材料で作成することができるので、それによって、プラズマに対する摂動を更に最小にすることができる。これらの利点は、CCEプローブを、プロセスパラメータの感知における使用にとって非常に望ましいものにする。
概して、CCEプローブ構成は、測定コンデンサの一方の板につながれるプラズマ対向センサを伴う。測定用センサのもう一方の板は、RF電圧源に接続される。RF電圧源は、RF振動列を周期的に供給し、測定コンデンサの両端では、各振動列の終わりの直後におけるコンデンサ電流放電率を決定するために測定が実施される。CCEプローブの構成及び動作に関する詳細は、上記の米国特許第5,936,413号において論じられており、本明細書ではこれ以上論じないものとする。
しかしながら、CCEプローブは、これまで、イオン束、電子温度、浮遊電位測定値などのパラメータを測定するために利用されてきた。更に、CCEプローブは、従来は、RF電圧源によって測定コンデンサを充電し、RF振動列間におけるコンデンサの減衰電流を測定することによって、測定を実施するものである。これまで、CCEプローブ構成又はその一部分をプラズマ不安定性事象の測定に適用させようとする試みは、なされてこなかった。
本発明の1つ又は複数の実施形態にしたがって、プラズマ不安定性事象の検出を可能にするための革新的な受動型CCEプローブ構成が提案される。発明の実施形態にしたがったCCEプローブ構成は、受動型であるが、本明細書における例及び考察は、たとえCCE構成が(振動列の間に測定コンデンサを流れる減衰電流を測定するために先行技術においてなされたように)外部RF電圧源によって能動的に励起される場合でも、プラズマ不安定性事象の検出を可能にするように提供される。したがって、1つ又は複数の実施形態では、測定は、従来のCCEプローブ構成においてなされたように外部RF電圧源を使用して測定コンデンサを充電させる必要がないという意味で、受動的に実施される。
ここで、発明者らは、プローブ表面が浮遊電位にあるときに、プローブとプラズマとの間の正味電流がゼロであることに気付いた。換言すると、プローブへはプラズマからの電子束及び陽イオン束があるが、プローブヘッドとプラズマとの間で交換される正味電荷はゼロであり、その結果、正味電流はゼロになる。しかしながら、もしプローブヘッドとプラズマとの間の電位差が変化すると、電流の均衡が一時的に乱され、その結果、測定コンデンサを一時的に非ゼロの誘起電流が流れる。プローブヘッドとプラズマとの間の電位差は、例えば、プラズマの電位が変化したときに変化しえる。プラズマ不安定性事象は、プラズマ電位を変化させる能力を有するような事象である。測定コンデンサを流れるこの一時的な非ゼロの誘起電流を検出することによって、プラズマ不安定性事象が検出されえる。
ここで、発明者らは、プラズマ不安定性事象の検出において従来のCCEプローブアーキテクチャのRF励起源の必要性を排除することが可能であることにも気付いた。その代わり、監視は、プラズマ不安定性事象によって発生され測定コンデンサを流れる誘起電流を監視することによって受動的に実施されてよい。このように、受動型CCEプローブのアーキテクチャは、先行技術のCCEプローブアーキテクチャと異なってよく、且つ先行技術のCCEプローブアーキテクチャよりも大幅に簡略化されえる。
更に、検出のアルゴリズム及び戦略もまた、パターンの検出及びタイミングに関して異なってよい。概括的に言うと、先ず、プラズマ不安定性「サイン」信号のライブラリが取得される。例えば、プロセス技術者は、テスト基板を処理する間に、特定の不安定性事象を強制的に発生させてよい。そして、測定コンデンサを流れる電流が監視される。電流信号におけるあらゆる振動又は変動が監視され記録される。記録された信号は、発生した特定の不安定性についてのサインであると考えられる。プラズマ不安定性「サイン」信号のライブラリを作成するために、様々なタイプのプラズマ不安定性が発生されてよい。続く生産基板に対する生産処理の間、測定コンデンサを流れる電流が監視される。もし測定された電流が、格納されたプラズマ不安定性サイン信号に一致する場合は、その格納された信号に関連付けられた不安定性が突き止められる。
プラズマ不安定性を突き止めることによって、プラズマ技術者は、整合のためにチャンバパラメータの調整を行うことができる。上記のように、プラズマ不安定性には、プラズマ非閉じ込めなどの、より深刻で有害な事象の前触れになるものがある。プラズマ不安定性を早期に検出することによって、プラズマ技術者は、チャンバ障害に対して、より効果的で且つ積極的に対処できるようになり、それによって、深刻なシステム損傷の可能性を最小限に抑える、又は少なくとも低減させることができる。
本発明の実施形態の特徴及び利点は、以下の図面及び考察を参照にして、更によく理解されえる。図1は、本発明の一実施形態にしたがった、受動型CCEプローブアーキテクチャを用いたプラズマ不安定性事象検出構成を示している。チャンバ102は、従来のものであり、基板処理の目的のためにその内部においてプラズマ104を発生させるために利用される。図1の例では、プラズマ104は、RF源106(図1の例ではCCEプローブ構成を励起させるためには利用されない)によって発生され維持される。プローブヘッド110は、上部電極内に配されているが、チャンバ壁上のその他の場所に配されてもよい。プローブヘッド110は、例えば、従来のCCEプローブヘッドを表わしてよい。プローブヘッド110は、測定コンデンサ112の一方の板と直列につながれる。測定コンデンサ112のもう一方の板は、検出構成120に接続される。
上記のように、チャンバの表面内に、伝導性材料で作成されたプローブヘッドが取り付けられる。プローブには、短いRF列が印加され、これは、コンデンサ(Cm)を充電させるとともに、プローブの表面に負電位(接地電位に対して数十ボルトの負である)を持たせる。RFパルスの終わりに続いて、プローブの電位は、Cmの放電とともに減衰して浮遊電位に戻る。電位が変化する率は、プラズマ特性によって決定される。この放電中、プローブの電位Vfは、電圧測定器によって測定され、プローブにそしてコンデンサCmを流れる電流は、電流測定器によって測定される。曲線V(t)及びI(t)は、電流電圧特性VIを構成するために使用され、該特性VIは、次いで、信号プロセッサによって解析される。これらのデータ点に対して、モデル関数が適用され、浮遊電位Vf、イオン飽和電流Isat、及び電子温度Teの推定値が生成される。更なる詳細については、「Methods for Automatically Characterizing a Plasma(プラズマを自動的に特性化するための方法)」と題され、2008年6月26日付けで米国特許局に出願された同時係属出願(出願番号61/075,948号)及び2009年6月2日付けで米国特許庁に出願された同時係属出願(出願番号第12/477,007号)に見いだされ、本明細書における「考察」に含まれる。
別の実施形態では、CCEプローブによる監視は、外部RF源を介した測定コンデンサの外部RF励起を必要とすることなく受動的に実施されてよい。
図1の例では、検出構成120は、測定コンデンサ112を流れる誘起電流を解析用にデジタル信号に変換するように構成される。したがって、測定コンデンサ112を流れる誘起電流をアナログ電圧に変換するように構成される電流・電圧変換器130がある。アナログ・デジタル変換器132は、電流・電圧変換器130からのアナログ電圧信号を、次いで信号プロセッサ108に提供されるデジタル信号に変換する。信号プロセッサ108は、デジタル信号に対して信号処理を実施してプラズマ不安定性事象の高周波変動特性を検出するために利用されるハードウェア及び/又はソフトウェアを表わしてよい。
厳密な変動は、チャンバごとに、そしてプラズマ不安定性事象のタイプごとに異なる可能性がある。それでもなお、これらの変動は、結果としてセンサ信号において固有な信号サインを生じる傾向がある。変動は、周期的又は無秩序でありえる。センサ信号をプラズマ不安定性サイン信号のライブラリと比較することによって、プラズマ不安定性事象が検出されえる。プラズマ不安定性事象の検出は、次いで、例えばプロセスパラメータを変更すること及び/又は更なる損傷を阻止するためにプラズマ処理システムを停止させることを含む修正措置を促すために、ツール制御回路140に提供されてよい。
代替又は追加として、図2に示されるように、測定コンデンサの板204に電圧測定器202が接続されてよく、この板は、プローブヘッド206にも接続される。電圧測定器202は、プローブヘッドの電位の変動を検出するために利用される。電圧測定結果もやはり、プラズマ不安定性事象を表わす高周波変動パターンについて解析されてよい。もし所望であれば、電圧測定結果は、デジタル解析技術を使用してプローブ電圧の高周波変動を検出するために、信号処理の目的のためにデジタル信号に変換されてよい。
代替又は追加として、測定コンデンサを流れる電流の変動の検出を促すために、プローブヘッドに接続されていない側のコンデンサの板に、変換器が接続されてよい。当業者ならば、電流信号又は電圧信号における高周波遷移を検出するためのその他の技術も存在すること、そしてそれらの技術もプラズマ不安定性事象の検出を促すために同様に利用されてよいことが容易にわかる。
プラズマ不安定性事象の検出は、センサ信号における特定のパターンの検出に依存するので、測定コンデンサが従来のCCEプローブ構成でなされるように周期的RFパルス列によっても充電されるような、二重機能のCCEプローブを実装することが可能である。例えば、この検出は、RF励起パルスが測定コンデンサに印加されていない間に、(プローブヘッドの誘起電流又は電位のいずれかに対して)実施することが可能である。例えば、この検出は、プローブヘッドが比較的安定した浮遊電位にあるときに、又は不安定性信号が測定コンデンサの比較的ゆっくりした放電率よりも高周波である傾向があるゆえにコンデンサが放電中であるときに、隣り合う励起RF振動列間の期間内に実施することが可能である。当業者ならば以上の考察からわかるように、誘起電流信号又は電圧信号における特定のパターンの検出は、測定コンデンサの外部RF励起を伴って又は伴わずに実施されえる。
図3A及び図3Bは、本発明の一実施形態にしたがった、幾つかのプラズマ不安定性事象を示す振動パターンのプロットを示している。記録302は、プラズマ処理中に測定コンデンサを流れる誘起電流を追跡している。図3Bは、記録302の部分304の拡大図を示している。図3Bでは、センサの電流信号は、約4KHzの周期にあり、二重ピークの形状を有する。プラズマ不安定性信号のライブラリとの比較は、プラズマ不安定性に関連付けられた特性をセンサ電流信号が呈すること、そして更にその不安定性が高チャンバ圧力に関連付けられることを明らかにする。実際は、チャンバ圧力は、実験中は約750ミリトールである。このように、プラズマ不安定性が検出され分類されることによって、プロセス技術者及び/又はツール制御コンピュータは、より迅速に且つ効率的に応答することが可能になる。
図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態にしたがった、プラズマ非閉じ込め事象に先立つ及び同事象につながるプラズマ不安定性を示す振動パターンのプロットを示している。記録402は、プラズマ処理中の飽和電流を追跡している。図4Bは、記録402の部分404の拡大図を示している。図4Aでは、非閉じ込め事象の概ね1.5秒前にセンサ電流信号が約260Hzで振動していることがわかる。非閉じ込め事象自体は、図4Aの点410(図4Bの参照符号412)から始まる。
図4Aからわかるように、非閉じ込め事象前(図4の点410よりも前)のセンサ電流信号は、特定の周波数範囲での特徴的振動を有する。センサ電流信号をプラズマ不安定性サイン信号のライブラリと比較することによって、このパターンを、プラズマ非閉じ込め事象に先立つプラズマ不安定性を表わす格納されたプラズマ不安定性サイン信号と相関付けることができる。非閉じ込めプラズマ事象に一般的につながるタイプの不安定性にプラズマが見舞われていることを突き止めることによって、ツール制御コンピュータ又は人間のオペレータは、プラズマ非閉じ込め事象が基板及び/又はチャンバ部品に対して引き起こすと考えられる損傷を回避するための、(プロセスパラメータを変更する又は単純にツールを停止させるなどの)修正措置をとることができるであろう。
ESCチャック上における電圧及び/又は順RF電力及び/又は反射RF電力を測定するなどの、先行技術のプラズマ不安定性検出技術とは対照的に、発明による受動型CCEプローブをベースにしたプラズマ不安定性検出技術は、高感度である。また、CCEプローブヘッドは、小さい傾向があり、プラズマ処理チャンバの周辺プラズマ対向構造と同一面になるように取り付けられ、チャンバのプラズマ対向部品と同じ材料で形成されるプラズマ対向プローブ表面を有することが可能であるゆえに、プラズマに対する摂動が最小である。更に、電流は、プラズマ上に形成されえるあらゆる付着を通して容量結合されるので、発明による受動型CCEプローブをベースにしたプラズマ不安定性検出技術は、プラズマ対向プローブヘッド上のポリマの付着に反応しにくい。
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されているが、本発明の範囲内に入るものとして、代替形態、置換形態、及び均等物がある。また、本発明の方法及び装置を実現する多くの代替的手法があることも留意されるべきである。本明細書では、種々の例が提供されるが、これらの例は、例示的であって、発明に対して限定的であることを意図されない。
また、名称及び要約は、便宜のために本明細書に提供されており、特許請求の範囲の範囲を解釈するために用いられるべきでない。更に、要約は、極めて短縮された形で記載され、便宜のために本明細書に提供されており、したがって、特許請求の範囲に述べられた発明全体を解釈する又は制限するために用いられるべきでない。もし本明細書において「集合」という用語が用いられる場合は、このような用語は、ゼロ、1つ、又は2つ以上の要素を含む普通に理解される数学的意味を有することを意図される。また、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとしてこのようなあらゆる代替形態、置換形態、及び均等物を含むと解釈されることを意図される。
「考察」は、「Methods for Automatically Characterizing a Plasma(プラズマを自動的に特性化するための方法)」と題され、2008年6月26日付けで米国特許局に出願された同時係属出願(出願番号61/075,948号)及び2009年6月2日付けで米国特許庁に出願された同時係属出願(出願番号第12/477,007号)にも見いだされ、引用によって本明細書に組み込まれる。
「プラズマを自動的に特性化するための方法の考察」
プラズマ処理の進歩は、半導体産業の成長を導いてきた。標準的な一電子製品のチップを供給するには、幾百又は幾千の基板(半導体ウエハなど)が処理されると考えられる。競争力を有するために、メーカは、最短の処理時間で基板を処理して高品質の半導体素子に仕上げられる必要がある。
通常、プラズマ処理中は、基板に悪影響を及ぼす可能性がある問題が発生しえる。処理されている基板の品質を変える可能性がある重要な要因は、1つには、プラズマ自体である。プラズマを解析するのに十分なデータを得るためには、各基板に関する処理データを収集するためのセンサが用いられてよい。収集されたデータは、問題の原因を突き止めるために解析されてよい。
考察を進めるため、図5−Aは、プラズマシステムA−100の一部におけるデータ収集プローブの簡単な配線図を示している。プラズマシステムA−100は、プラズマA−106を発生させるためにリアクタチャンバA−104に容量結合される、パルス状RF周波発生器などの高周波(RF)源A−102を含んでよい。RF源A−102がオンにされると、外部コンデンサA−108にバイアス電圧がかけられ、これは、約26.2ナノファラッド(nF)でありえる。一例では、RF源A−102は、数ミリ秒(例えば約5ミリ秒)ごとに小さな電力バースト(例えば11.5メガヘルツ)を提供して外部コンデンサA−108を充電させてよい。RF源A−102がオフにされると、外部コンデンサA−108には、極性を持つバイアス電圧が残るので、プローブA−110は、バイアスをかけられてイオンを収集する。バイアス電圧が減衰するにつれて、図5−B1、図5−B2、及び図5−Cに示されるような曲線が描かれると考えられる。
当業者ならば、プローブA−110が大抵は、リアクタチャンバA−104の壁を背にして位置決め可能な伝導性の平面を持つ電気プローブであることを承知している。プローブA−110は、したがって、リアクタチャンバA−104環境に直接曝される。プローブA−110によって収集された電流データ及び電圧データは、解析されてよい。レシピによっては、プローブA−110上に非伝導性の付着層A−116を付着させる可能性があるので、全てのプローブが、信頼できる測定結果を収集できるとは限らない。しかしながら、当業者ならば、PIF(平面イオン束)プローブが、測定の実施のために直流(DC)を引き込む必要がないその方式ゆえに、非伝導性の付着層にもかかわらずデータを収集可能であることを承知している。
プラズマシステムA−100内における電流信号及び電圧信号は、他のセンサによって測定される。例において、RF源A−102がオフに切り替えられると、電流及び電圧をそれぞれ測定するために、電流センサA−112及び高インピーダンス電圧センサA−114が用いられる。電流センサA−112及び電圧センサA−114から収集された測定データは、次いで、プロットされて電流グラフ及び電圧グラフに作成されえる。データは、手作業でプロットされてグラフに作成されてもよいし、又はソフトウェアプログラムに入力されてグラフに作成されてもよい。
図5−B1は、RF充電サイクル後における電圧対時間のグラフを示している。データ点B1−202において、RF源A−102は、RF充電がなされた後にオフに切り替えられている(即ち、RFバースト)。この例では、データ点B1−202において、プローブA−110にかかる電圧は、約マイナス57ボルトである。プラズマシステムA−100が、休止状態(データ点B1−204とB1−206との間の区間)に戻るにつれて、電圧は、大抵は浮遊電圧電位に達する。この例では、浮遊電圧電位は、約マイナス57ボルトから約ゼロボルトに上昇する。しかしながら、浮遊電圧電位は、ゼロである必要はなく、マイナス又はプラスのバイアス電圧電位であってもよい。
同様に、図5−B2は、RF充電後における収集された電流データのグラフを示している。データ点B2−252において、RF源A−102は、RF充電がなされた後にオフに切り替えられている。減衰期間B2−254中に、外部コンデンサA−108における戻り電流は、放電されるであろう。一例では、満充電のときに(データ点B2−252)、電流は、約0.86mA/cm2である。しかしながら、電流は、完全に放電されたときに(データ点B2−256)、ゼロに戻っている。このグラフに基づくと、放電は、約75ミリ秒かかる。データ点B2−256からデータ点B2−258までの間、コンデンサは、放電された状態にとどまる。
電流データ及び電圧データは、一定期間にわたって収集されるので、電流対電圧グラフは、時間で統合して時間変数を排除することによって作成されえる。換言すると、収集された電流データは、収集された電圧データに対応付けられてよい。図5−Cは、RFバースト間の一時間区間に及ぶ簡単な電流対電圧グラフを示している。データ点C−302において、RF源A−102は、RF充電がなされた後にオフに切り替えられている。
各RFバースト中に収集されたデータに対して非線形適合を適用することによって、プラズマA−106が特性化されてよい。換言すると、プラズマA−106を特性化しえるパラメータ(例えば、イオン飽和、イオン飽和の傾き、電子温度、浮遊電圧電位など)が決定されてよい。プラズマA−106は、収集されたデータによって特性化されてよいが、パラメータを計算するプロセスは、人による介在を必要とする単調な手作業のプロセスである。一例では、各RFバースト後(即ち、RF充電がなされ、次いでオフにされたとき)に収集されたデータを、ソフトウェア解析プログラムに取り込んでよい。ソフトウェア解析プログラムは、プラズマを特性化しえるパラメータを決定するために、非線形適合を実施してよい。プラズマを特性化することによって、技術者は、基板の低水準処理を最小限に抑えるためにどのようにレシピを調整すればよいかを決定できると考えられる。
あいにく、各RFバーストについてデータを解析する先行技術の方法は、完了までに数秒の、又は数分もの時間を必要する可能性がある。解析されるべきRFバーストは、幾百万まではいかなくても通常幾千はあるので、レシピのためにプラズマを特性化するには、計算のために合計で幾時間も費やされると考えられる。ゆえに、先行技術の方法は、プロセス制御目的で時宜に即した関連データを提供するのに効果的な方法ではない。
添付の図面に例示される幾つかの実施形態を参照にして、本発明が詳細に説明される。以下の説明では、本発明の完全な理解を可能にするために、多くの詳細が特定されている。しかしながら、当業者ならば明らかなように、本発明は、これらの一部又は全部の詳細を特定しなくても実施されえる。また、本発明が不必要に不明瞭にされないように、周知のプロセス工程及び/又は構造は詳細に説明されていない。
以下では、方法及び技術を含む、種々の実施形態が説明される。発明は、発明技術の実施形態を実施するためのコンピュータ可読命令を格納されたコンピュータ可読媒体を含む製造品も対象としえることを、念頭に置かれるべきである。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読コードを格納するための、例えば半導体、磁気、光磁気、光、又はその他の形態のコンピュータ可読媒体を含みえる。更に、発明は、発明の実施形態を実施するための装置も対象としえる。このような装置は、発明の実施形態にかかわるタスクを実施するための、専用の及び/又はプログラム可能な回路を含みえる。このような装置の例は、適切にプログラムされたときの汎用コンピュータ及び/又は専用計算装置を含み、コンピュータ/計算装置と、発明の実施形態にかかわる種々のタスクに適応された専用の/プログラム可能な回路との組み合わせを含みえる。
上記のように、プラズマに関するデータを収集するためにPIFプローブ法が用いられ、リアクタチャンバ環境内に位置決めされてよい。センサ(例えばPIFプローブ)から収集されたデータは、リアクタチャンバ内のプラズマを特性化するために用いられてよい。また、センサは、図5−Aに示されるように収集表面を用いるので、チャンバの表面に関するデータも決定されえる。先行技術では、PSDによって収集されたデータが、解析に利用可能な即座のデータ源を提供する。あいにく、収集されえるデータの甚大な量が、時宜に即したデータの解析を困難にしている。幾千の、又は幾百万ものデータ点が収集されえるので、プラズマを正確に特性化するために関連区間を測定する作業は、とりわけデータが大抵は手作業で解析されるゆえに、気の遠くなる作業になるであろう。結果的に、収集されたデータは、時宜に即したプラズマの特性化をプラズマ処理システムに提供するのに有用ではなかった。
しかしながら、もし、プラズマの特性化に必要とされる関連のデータ点が、収集されえる幾千/幾百万のデータ点から特定されるならば、プラズマの特性化に必要とされる時間は、大幅に短縮されるであろう。発明の実施形態にしたがって、比較的短期間でプラズマを自動的に特性化するための方法が提供される。本明細書において説明される発明の実施形態は、プラズマを特性化するための解析を必要としえるデータ点を減らすために関連性範囲を特定するためのアルゴリズムを提供する。本明細書において論じられるように、関連性範囲は、各RFバースト間に収集されえる幾千又は幾百万のデータ点のなかの、より小さいデータ点の集合を言う。発明の実施形態は、更に、プラズマを特性化するための値を計算する数学モデルに適用されえるシード値を推定することも提供する。関連性範囲に対して曲線適合を実施することによって、プラズマを特性化するために利用されえるパラメータが計算されえる。
本発明の特徴及び利点は、以下の図面及び議論を参照にして更に良く理解されるであろう。
図5−Dは、発明の一実施形態における、基板処理中にプラズマを自動的に特性化するための工程を説明した簡単なフローチャートを示している。基板処理中にRF充電が提供された状況を考える。
第1の工程D−402では、電流データ及び電圧データが収集される。一例では、RF源がオンにされた後に、RF充電(パルス)が提供される。RF充電がオフにされた後は、リアクタチャンバのチャンバ壁に取り付け可能な平面イオン束プローブなどのプローブでデータを収集するために、電流センサ及び電圧センサが用いられてよい。上記のように、センサによって収集されえるデータ点の数は、幾千又は幾百万に及ぶであろう。一部のケースでは、各RFバースト間において幾千から幾万のデータ点が収集されることがあり、これは、先行技術によるリアルタイムに近い解析をほぼ不可能にする。
先行技術では、半導体基板処理中に収集される測定データを解析するために、数時間の時間が充てられることがある。ここで、発明の一態様では、発明者らは、プラズマの特性化のために各RFバースト間における測定データを解析する必要はないことに気付いた。その代わりに、もし、データ集合の関連性範囲に対して曲線適合が適用されるならば、プラズマの特性化に利用されえるパラメータが決定されるであろう。
次の工程D−404では、関連性範囲が決定される。上記のように、関連性範囲は、各RFバースト間に収集されたデータ集合のなかの小集合を言う。先行技術では、データは手作業で解析されているので、収集されたデータの甚大な量は、関連性範囲の計算を困難な作業にする。多くの場合、関連性範囲は、視覚的に推定されえる。関連性範囲を特定するにあたっては、データ集合のなかの小集合から、存在しえるノイズが実質的に排除されてよい。一例では、複雑な基板処理中に、プローブ上にポリマが蓄積され、収集されたデータの一部を歪曲させることがある。例えば、影響を受けるデータの一部は、コンデンサが完全に放電された時点で収集されえるデータである傾向がある。関連性範囲を特定するにあたっては、ポリマの蓄積に関連したデータが、解析から取り除かれてよい。換言すると、関連性範囲の決定は、プラズマの特性化が不規則ノイズに見舞われることなく行われることを可能にしえる。一例として、関連性範囲がどのように決定されえるかに関しては、下記の図5−Eの考察において論じられる。
関連性範囲を特定することに加えて、次の工程D−406では、シード値も決定されてよい。本明細書において論じられるように、シード値は、傾き、電子温度、イオン飽和値、浮遊電圧電位などの推定値を言う。例えばシード値がどのように推定されえるかに関しては、図5−Eの考察において提供される。
関連性範囲及びシード値は、曲線適合を実施するために用いられる。曲線適合は、次のRFバースト前に実施される必要があるので、関連性範囲及び/又はシード値を決定するために用いられる方法は、最小限のオーバーヘッドで最終適合値に近い値を生成することによって、急速な収束を達成するために必要とされえる曲線適合の反復回数を減らす必要がある。
関連性範囲及びシード値によって、次の工程D−408では、非線形適合(例えば曲線適合)が実施されることによって、高価な高性能のコンピュータを必要とすることなく短期間でプラズマが特性化されることを可能にしてよい。先行技術と異なり、この方法は、処理のために数分、又は数時間もの時間を必要とする代わりに、一RFバーストに起因する減衰区間からの結果がおよそ20ミリ秒内に特性化されることを可能にする。リアルタイムに近い解析能力によって、この方法は、自動制御システムの一部として適用されて、プラズマ処理中に技術者に関連データを提供しえる。
図5−Eは、発明の一実施形態における、関連性範囲及びシード値を決定するための簡単なアルゴリズムを示している。図5−Eは、図5−F1、図5−F2、図5−F3、及び図5−F4との関連で論じられる。
第1の工程E−502では、各RFバースト中に収集されたデータが、自動的にプロットされる。一例では、電流センサによって収集される電流データがプロットされ、図5−F1に示されるような電流対時間グラフF1−600に作成される。別の例では、収集された電圧データがプロットされ、図5−F2に示されるような電圧対時間グラフF2−650に作成されてよい。データは、先行技術の場合と同様のグラフを生じえるが、先行技術と異なり、収集されたデータは、人による介在を必要とすることなく自動的に解析プログラムに取り込まれる。或いは、収集された測定データは、プロットされる必要がなく、その代わりに、解析プログラムに直接取り込まれてよい。その代わりに、グラフは、アルゴリズムを説明するための視覚的な例として提供される。
先行技術と異なり、プラズマを特性化するためにデータ集合全体が解析されるのではなく、その代わりに、関連性範囲が決定される。関連性範囲を決定するために、次の工程E−504では、先ず、パーセント減衰点が決定されてよい。本明細書において論じられるように、パーセント減衰点は、初めの値がその一定のパーセントまで減衰したところのデータ点を言う。一実施形態では、パーセント減衰点は、解析されるべきデータ区間の終わりを表わしてよい。一例において、RF源がオフに切り換えられたとき、電流値は、約0.86mA/cm2である。値は、図5−F1のグラフF1−600上のデータ点F1−602によって表わされる。もしパーセント減衰点が、初めの値の10パーセントに設定されるならば、パーセント減衰点は、データ点F1−604にあり、約0.086mA/cm2である。換言すると、パーセント減衰点は、RF源がオフに切り換えられシステムが平衡状態に戻っていくときの電荷の値である初めの値の所定のパーセントをとることによって決定されてよい。一実施形態では、パーセントは、経験的に決定される。一実施形態では、データ区間の終わりを決定するためにパーセント減衰点を用いる代わりに、各RFバーストについて収集されたデータの一次微分のピークが計算されてよい。
次の工程E−506では、アルゴリズムは、初めの値と第2の減衰点との間のデータ小集合であるイオン飽和区間を決定してよい。本明細書において論じられるイオン飽和区間は、プローブへの電子束が無視できるようにプローブ電位が浮遊電位に対して十分に負であるような電流電圧(IV)曲線の領域を言う。この領域では、プローブへの電流は、電位の負の度合いが増すにつれて緩やかに線形に増加する。また、イオン飽和区間は、プローブがシステム内における利用可能イオンを全て収集できるようにバイアス電圧が浮遊電位に対して十分に負であるようなレジームである。換言すると、収集される電流は、バイアス電圧が十分高く上昇されるにつれて「飽和」する。また、本明細書において論じられるように、「利用可能イオン」は、「シース境界」に衝突するイオン束を言い、これは、バイアス電圧が更に増加されるにつれて拡大するであろう。
換言すると、イオン飽和区間は、図5−F1のデータ点F1−602からF1−606までの区間である。一実施形態では、第2の減衰点は、初めの値(即ち、データ点F1−602)のパーセントをとることによって決定されてよい。一例において、もし第2の減衰点が、初めの値の約95パーセントであるならば、第2の減衰点は、約0.81mA/cm2(即ち、データ点F1−606)である。したがって、イオン飽和区間は、初めの値(データ点F1−602)から第2の減衰点(データ点F1−606)までである。なお、第2の減衰点は、初めの値(データ点F1−602)とパーセント減衰点(データ点F1−604)との間であることがわかる。パーセント減衰点と同様に、第2の減衰点もまた、一実施形態では所定の閾値に基づいてよい。一実施形態では、パーセントは、経験的に決定される。
イオン飽和区間が決定されたら、次の工程E−508では、傾き(s)及びイオン飽和(i0)が推定されてよい。上記のように、傾き(s)及びイオン飽和(i0)は、プラズマを特性化するパラメータを決定するために数学モデル(下記の式2)に適用されえる4つのシード値のうちの2つである。一例では、傾き(s)は、線形回帰を実施することによって決定されてよい。別の実施形態では、アルゴリズムは、データ点F1−602とF1−606との間のデータ値の平均をとることによってイオン飽和(i0)も決定してよい。
次の工程E−510では、アルゴリズムは、一次微分が符号を変える点である変曲点を決定してよい。一実施形態では、変曲点は、パーセント減衰点と第2の減衰点との間の電流値の一次微分の最小値を特定することによって計算されてよい。説明のため、図5−F3は、電流信号F3−660のパーセント減衰点(F3−664)と初めの点(F3−662)との間の値の一次微分を示している。変曲点は、一次微分(F3−670)の最小データ点であり、(データ点F3−666によって示されるように)−0.012mA/cm2の値と226の指標値とを有する。変曲値を決定するために、指標値は、電流信号プロットF3−660に対してマッピングされている。この例において、一次微分の指標値が、電流信号F3−660に対してマッピングされているとき、変曲値は、データ点F3−668によって示されるように、0.4714mA/cm2である。
一実施形態では、関連性範囲は、初めの値と変曲点との間の範囲として定義される。その追加として又は代わりとして、変曲点を計算する代わりに(例えば35パーセントの)パーセント減衰閾値が設定されてよい。一例において、経験的に決定されえる35パーセントのパーセント減衰点を使用すると、関連性範囲は、図5−F1の点F1−602とF1−604との間に入るであろう。
Figure 2011527508
Figure 2011527508
変曲点を特定されたら、次の工程E−512では、電子温度が推定されてよい。電子温度は、上記の式1を用いて推定されてよい。電子温度を計算するために用いられる電流データ及び電圧データは、プローブが引き込む電流が大抵はイオン飽和電流よりも少ないときである推移区間内にある。一実施形態では、電流データ及び電圧データが測定される時刻は、変曲点に対応していてよい。或いは、電流電圧(I−V)曲線の変曲点が用いられてもよい。電子温度は、電流電圧曲線上の変曲点に対応する時刻における、一RFバーストについて収集されたデータの一次微分(パーセント減衰点を計算するにあたって決定される)の率であるので、その数字を生成するために必要とされえる計算のオーバーヘッドは、最小限である。
次の工程E−514では、アルゴリズムは、浮遊電圧電位を決定してよい。浮遊電圧電位は、収集された電圧データに基づいて決定されるので、浮遊電圧電位は、工程E1−504〜E−512において計算されるような値を最初に決定する必要なく決定されえる。当業者ならば、浮遊電圧電位が、外部コンデンサが完全に放電された後にプローブが浮遊する電位であることを承知している。通常、浮遊電圧電位は、次のRFバーストの直前に生じる信号を見ることによって決定されてよい。しかしながら、ポリマの蓄積が歪みを引き起こす可能性ゆえに、誤ったデータ(即ち、ノイズ)が収集されることがあり、したがって、浮遊電圧電位は、収集期間の終わり頃に収集される電圧値を平均化することによって計算されてよい。一実施形態では、浮遊電圧電位は、図5−F2に示されるように、データ点F2−652(電圧がその浮遊電位に最初に到達するデータ点)からデータ点F2−654(次のRFバーストの直前のデータ点)にかけて計算されてよい。別の実施形態では、浮遊電圧電位は、図5−F2に示されるようにデータ点F2−652とF2−654との間に位置する窓F2−656内の電圧値に基づいてよい。一実施形態では、窓F2−656は、先のパルスが99パーセントを超えて減衰する前に始まって次のパルスが始まる前に終わる限り、任意のサイズであってよい。一実施形態では、浮遊電圧電位は、標準偏差(誤差)の小さい平均値を提供する窓から決定されてよい。
以上からわかるように、関連性範囲及びシード値を決定するための方法は、電流、電圧、及び/又は電流電圧(I−V)曲線に生じえる異常を打ち消す。一例では、RFバーストの終わりにポリマの蓄積が発生しえる。しかしながら、上記のアルゴリズムを適用することによって、関連性範囲及びシード値は、処理中に発生しえる予想外のアーチファクトに影響されなくなる。
関連性範囲が決定されシード値が計算されると、次の工程E−516では、図5−F4のグラフF4−680を作成するために、電流値が電圧値に対してプロットされ曲線適合が適用されてよい。一例では、曲線適合を実施するために、レベンバーグ・マーカード(Levenberg-Marquardt)アルゴリズムが適用されてよい。曲線適合グラフを作成すること、及び下記の式2のような数学モデルにシード値を適用することによって、プラズマを特性化するために利用されえる4つのパラメータが決定されえる。
Figure 2011527508
Figure 2011527508
本発明の1つ又は複数の実施形態からわかるように、プラズマ処理中にプラズマを特性化するための自動化された方法が提供される。関連性範囲及びシード値の集合を決定することによって、一RFバースト後に大抵収集される幾千又は幾百万のデータ点を処理する必要なくプラズマの特性化が生じえる。自動化されたこの方法は、手作業によるこれまでの単調なプロセスを、迅速に且つ効率良く実施されえる自動的な作業に転換する。データ解析を数分(又は数時間)から数ミリ秒に大幅に短縮されたことによって、プラズマ特性化は、製造プロセス後の代わりにプラズマ処理中に実施されえる。したがって、関連性データは、現時点のプラズマ環境を明らかにすることによって、レシピ及び/又はツールの調整を行うこと並びに廃棄を最小限に抑えることを可能にしえる。
本発明は、幾つかの好ましい実施形態の観点から説明されているが、本発明の範囲内に入るものとして、代替形態、置換形態、及び均等物がある。また、本発明の方法及び装置を実現する多くの代替的手法があることも留意されるべきである。本明細書では、種々の例が提供されるが、これらの例は、例示的であって、発明に対して限定的であることを意図されない。
また、名称及び要約は、便宜のために本明細書に提供されており、特許請求の範囲の範囲を解釈するために用いられるべきでない。更に、要約は、極めて短縮された形で記載され、便宜のために本明細書に提供されており、したがって、特許請求の範囲に述べられた発明全体を解釈する又は制限するために用いられるべきでない。もし本明細書において、「集合」という用語が用いられる場合は、このような用語は、ゼロ、1つ、又は2つ以上の要素を含む普通に理解される数学的意味を有することを意図される。また、以下の添付の特許請求の範囲は、本発明の真の趣旨及び範囲に含まれるものとしてこのようなあらゆる代替形態、置換形態、及び均等物を含むと解釈されることを意図される。

Claims (20)

  1. 基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内のプラズマ不安定性を検出するための構成であって、
    前記処理チャンバの表面上に配され、少なくとも1つのプラズマプロセスパラメータを測定するように構成されたプローブ構成であって、
    プラズマ対向センサと、
    測定コンデンサと、
    を含み、前記プラズマ対向センサは、前記測定コンデンサの第1の板に接続されたプローブ構成と、
    前記測定コンデンサの第2の板に接続され、前記測定コンデンサを流れる誘起電流を、前記プラズマ不安定性を検出するために処理されるデジタル信号の集合に変換するように構成された検出構成と、
    を備える構成。
  2. 請求項1に記載の構成であって、
    前記プラズマ対向センサは、上部電極内に配される、構成。
  3. 請求項1に記載の構成であって、
    前記プラズマ対向センサは、前記処理チャンバのチャンバ壁上に配される、構成。
  4. 請求項1に記載の構成であって、
    前記プラズマ対向センサは、伝導性材料で作成される、構成。
  5. 請求項1に記載の構成であって、
    前記プラズマ対向センサは、容量結合静電(CCE)プローブヘッドである、構成。
  6. 請求項1に記載の構成であって、
    前記検出構成は、
    少なくとも、前記プローブ構成を流れる前記誘起電流をアナログ電圧信号の集合に変換するように構成された電流・電圧変換器と、
    少なくとも、前記アナログ電圧信号の集合を前記デジタル信号の集合に変換するように構成されたアナログ・デジタル変換器と、
    前記プラズマ不安定性を示す高周波変動を検出するために、少なくとも、前記デジタル信号の集合を処理するように構成された信号プロセッサと、
    を含む、構成。
  7. 請求項1に記載の構成であって、更に、
    前記プラズマ不安定性が検出されたときに前記検出構成からメッセージを受信するように構成され、前記プラズマ不安定性を解消するために修正措置をとるように構成されたツール制御回路を備える構成。
  8. 請求項1に記載の構成であって、更に、
    前記測定コンデンサの前記第1の板に接続され、少なくとも、電圧測定結果を収集するように及び前記プラズマ対向センサの電位変化を測定するように構成された電圧測定器を備える構成。
  9. 請求項8に記載の構成であって、
    前記電圧測定器によって収集された電圧測定結果は、前記プラズマ不安定性を検出するために信号処理用にデジタル信号に変換される、構成。
  10. 請求項1に記載の構成であって、更に、
    前記測定コンデンサの前記第2の板に接続され、少なくとも、前記誘起電流における変動を特定するように構成された変換器を備える構成。
  11. 基板処理中にプラズマ処理システムの処理チャンバ内のプラズマ不安定性を検出するための方法であって、
    測定コンデンサを流れる誘起電流信号を含むプロセスデータの集合を収集することと、
    前記誘起電流信号をアナログ電圧信号の集合に変換することと、
    前記アナログ電圧信号の集合をデジタル信号の集合に変換することと、
    前記プラズマ不安定性を示す高周波変動を検出するために、前記デジタル信号の集合を解析することと、
    を備える方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、更に、
    前記電流信号の変化率を所定の閾値と比較することを備え、
    前記プラズマ不安定性は、前記変化率が前記所定の閾値の外である場合に存在する、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、更に、
    前記プラズマ不安定性が検出されたときに、前記プラズマ不安定性を解消するために修正措置をとるように構成されたツールコントローラ回路に、メッセージを送信することを備える方法。
  14. 請求項11に記載の方法であって、更に、
    処理中における電位変化を決定するために、プラズマ対向センサからの電圧測定データを収集することを備える方法。
  15. 請求項14に記載の方法であって、更に、
    前記電圧測定データをデジタル信号の集合に変換することを備える方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、更に、
    前記プラズマ不安定性を示す前記高周波変動を検出するために、前記デジタル信号の集合を解析することを備える方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、更に、
    前記電圧信号の変化率を所定の閾値と比較することを備え、
    前記プラズマ不安定性は、前記変化率が前記所定の閾値の外である場合に存在する、方法。
  18. 請求項11に記載の方法であって、更に、
    周期的高周波(RF)パルス列の集合を前記測定コンデンサに印加することと、
    前記測定コンデンサの電流減衰信号を測定することと、
    を備える方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、更に、
    前記所定の閾値を上回る前記高周波変動を検出するために、前記前記測定コンデンサの電流減衰信号に対してアーク放電検出アルゴリズムを適用することを備える方法。
  20. 請求項19に記載の方法であって、更に、
    前記電流減衰信号の変化率を所定の閾値と比較することを備え、
    前記プラズマ不安定性は、前記変化率が前記所定の閾値の外である場合に存在する、方法。
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