JP2011526000A - 非電気堆積法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電層に被覆された支持体上におけるエレクトロクロミック化合物の堆積法を提案する。
【解決手段】本発明は化合物、好ましくはエレクトロクロミック化合物の非電気堆積法に関する。上記化合物の非電気堆積法は、以下の連続工程を含む:
(a)非導電性の固体基板上に導電層を堆積する工程,
(b)上記導電層における領域は、上記導電層の表面の一部のみに亘っており、上記領域に還元剤または酸化剤(=酸化還元剤)を堆積させる工程,
(c)酸化還元剤の酸化還元電位よりも高いまたは低い酸化還元電位を有し、酸化還元反応後、堆積される化合物の前駆体の溶液において不溶な化合物を形成する物質から上記化合物の前駆体は選ばれ、上記酸化還元剤によって被覆されていない、上記導電層の表面の少なくとも一部と、酸化還元剤との両方に接触させて、上記化合物の前駆体の溶液を配置する工程。

Description

発明の詳細な説明
〔技術分野〕
本発明は、化合物の非電気堆積法に係る新規な方法に関する。特に、非導電性の固体基板上のエレクトロクロミック化合物に関する。
〔背景技術〕
エレクトロクロミックデバイスは、通常、少なくとも5つの層から構成されている。すなわち、2層の透明外部層の内面に2層の導電層が形成されており、上記導電層同士の間に電解質が配置されている。上記透明外部層は、例えば、有機のまたは無機のガラスプレートであり、上記導電層は、例えば、スズがドープされたインジウム酸化物(インジウムスズ酸化物,ITO)で形成された層である。エレクトロクロミック化合物は、上記電解質に導入されていてもよく、上記導電層の一方もしくは他方または両方に導入されていてもよい。
導電層に被覆された基板上には、少なくとも1種類のエレクトロクロミック化合物が薄層にて堆積されている。例えば、電気メッキによって、すなわち、導電層を電極に接続し、その後、堆積されるエレクトロクロミック化合物の前駆体を収容した槽に目的物を浸すことによって堆積されている。導電層に接続された電極と、エレクトロクロミック化合物の前駆体を収容した槽に接触した対電極との間の電位差を利用することにより、上記導電層の表面にエレクトロクロミック化合物の前駆体の酸化還元反応(還元または酸化)を生じさせ、上記表面にエレクトロクロミック化合物を堆積させることができる。
電気メッキのような形成法を行う装置は、比較的複雑であり、被覆される対象物の大きさに応じて、上記電気メッキデバイスの様々な装置の相対配置に適応させる必要がある。特に対象物が大きいと、対象物上で均一な堆積を行うことが困難であるという問題が生じる。電極の接続点に対する距離が増加すると、ITOフィルムの面積抵抗が比較的高く、プラスチック基板上で少なくとも60Ω/□ (ohms/square)であるため、特にエレクトロクロミック堆積物の厚さの減少に反映される。
〔発明の概要〕
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、導電層に被覆された支持体上におけるエレクトロクロミック化合物の堆積法を提案することである。また、上記堆積法は、対象物の大きさに対する電気メッキデバイスの寸法への適応問題を同時に解決することができる。上記対象物は被覆されるものであり、より広範囲の領域上において均一な厚さでの堆積法を円滑にするものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らによって改良された本方法によれば、簡便かつ安価な手法で両問題を解決することができる。本発明に係る方法の操作原理は、本質的に、導電層の限定領域上に配置された十分な量の還元剤と共に電気メッキデバイスの2つの電極を交換することにある。還元剤に接触している導電層はその後、堆積されるエレクトロクロミック化合物の適切な前駆体溶液に接触させられ、導電層を介して堆積を行う還元剤と溶液中の前駆体との間で、間接的に還元反応が行われる。
導電層の表面に接触するまで、溶液中の前駆体は還元または酸化され、不溶性の化合物を形成している。上記不溶性の化合物は、導電層の表面に堆積される。この酸化還元反応は、酸化還元剤(還元剤または酸化剤)および溶液中の前駆体を使用することによって生じ、導電層を介して間接的に電子交換がなされる。
この原理は、エレクトロクロミックデバイス、すなわち、透明基板、透明導電層およびエレクトロクロミック化合物を使用するデバイスを作製する目的で発明者により改良されたものである。しかしながら、非導電性基板および不透明な導電層に応用することもでき、非導電性の化合物に適用することもできる。非導電性堆積法の適用法により、以下に示すエレクトロクロミックデバイスの製造方法が説明され、結果として、上記エレクトロクロミックデバイスの製造方法は、本発明に係る方法の好ましい例となるものである。
したがって、本発明の主題は化合物の非電気堆積法であり、以下の連続工程を含む:
(a)非導電性の固体基板上に導電層を堆積する工程,
(b)上記導電層における領域は、上記導電層の表面の一部のみに亘っており、上記領域に還元剤または酸化剤(=酸化還元剤)を堆積させる工程,
(c)酸化還元剤の酸化還元電位よりも高いまたは低い酸化還元電位を有し、酸化還元反応後、堆積される化合物の前駆体の溶液において不溶な化合物を形成する物質から上記化合物の前駆体は選ばれ、上記酸化還元剤によって被覆されていない、上記導電層の表面の少なくとも一部と、酸化還元剤との両方に接触させて、上記化合物の前駆体の溶液を配置する工程。
発明者らは、上記工程(c)において、酸化還元反応を生じさせる3つの剤、すなわち還元剤、導電層および堆積される化合物の前駆体溶液のそれぞれが、他の2つと接触することが必要であることを見出した。この3つの剤の接触により、上記前駆体溶液の電気的中性が保たれる。したがって以下のような場合、所望の反応(上記前駆体の還元または酸化)がなされない。
−導電層を備えた基板を浸漬する前駆体溶液に、酸化還元剤のワイヤが単に浸漬された場合(酸化還元剤と導電層との間に接触がない)、または、
−上記前駆体溶液の孤立した液滴が一部の導電層上に堆積され、酸化還元剤によって被覆されない場合(上記溶液と酸化還元剤との間に接触がない)。
導入部にて示したように、堆積される上記化合物はエレクトロクロミック化合物であることが好ましい。したがって、溶液中の前駆体は還元または酸化の後、エレクトロクロミック化合物を形成する化合物であることが好ましい。上記エレクトロクロミック化合物は上記溶液中にて不溶である。
公知のエレクトロクロミック化合物の中で、2つの呈色状態のうち1つが実質的に無色状態であるものが特に好ましい。記載可能なこのような好ましいエレクトロクロミック化合物の例には、鉄、バナジウム、ルテニウム、カドミウム、クロム、パラジウムまたは白金などのヘキサシアノ金属酸塩;ベンジルビオロゲンなどのアリールビオロゲンおよびアリールアルキルビオロゲン;ヘプチルビオロゲンなどの(C−C10アルキル)ビオロゲンが含まれる。
有利なエレクトロクロミック的挙動をするにもかかわらず、(C−Cアルキル)ビオロゲンは水溶性化合物であり、堆積される化合物の前駆体を含む溶液が、通常のケースの水性溶液である場合、本発明に係る方法に不適である。
本発明に係る方法の特に好ましい一実施形態として、エレクトロクロミック化合物が、MFeIIFeIII(CN)のヘキサシアノ鉄酸鉄(プルシアンブルー)が挙げられ、上記Mは例えばKまたは1/3Fe3+である。ヘキサシアノ鉄酸鉄は、完全な酸化状態(FeIIIClおよびKFeIII(CN))では黄色がかっており、水溶性である。そして、混合原子価状態(MFeIIFeIII(CN))では青色の層を形成し、水に不溶である。上記溶液中に存在する前駆体を還元することによって後者の状態となる。上記層の形成は、自身がM'FeIIFeII(CN)に還元されることによりなされ、その後、無色となる。上記M' はカチオンであり、例えば、LiまたはKである。したがって、プルシアンブルーはエレクトロクロミック性を有し、M'FeIIFeII(CN)の完全に無色な透明状態と、MFeIIFeIII(CN)の青色状態とを有する。
導入部にて示したように、導電層上に堆積される非導電性の基板は、透明または半透明の基板であることが好ましい。上記基板は、無機ガラス基板または透明な有機基板とすることができ、例えば、以下の材料、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルフォン、ポリ(メチルメタクリレート);エチレンテレフタレートとカーボネートとの共重合体;ポリオレフィン、特にポリノルボルネン、;ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)のホモポリマーおよび共重合体;(メタ)アクリル酸のホモポリマーおよび共重合体、特に(メタ)アクリル酸のホモポリマーおよび共重合体を基礎とするビスフェノール−A;チオ(メタ)アクリル酸のホモポリマーおよび共重合体;ウレタンおよびチオウレタンのホモポリマーおよび共重合体;エポキシドのホモポリマーおよび共重合体;エピスルフィドのホモポリマーおよび共重合体が例示される。
上記基板は、ロールトゥロール(roll-to-roll)プリント法によって、エレクトロクロミック化合物の堆積が可能な比較的柔軟な材料からなっていてもよい。
上記基板が、透明なまたは半透明な基板から形成されている場合、その上に堆積される導電層は、透明なまたは半透明な基板から好ましく形成される。有機のまたは無機の透明な導電体のいくつかは技術的に知られている。最も広く知られており、最も広く使用されている無機材料は、透明な導電性酸化物であり、TCOの略語で知られている。TCOは、酸化スズ誘導体、酸化インジウム誘導体および酸化亜鉛誘導体を材料とすることができる。特に、フッ素がドープされた酸化スズ(FTO,フッ化酸化スズ)、スズがドープされた酸化インジウム(ITO,インジウムスズ酸化物)、アンチモンがドープされた酸化スズおよびアルミニウムがドープされた亜鉛酸化物が挙げられる。スズがドープされた酸化インジウム(ITO)が特に好ましい。
有機導電層の透明材料として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)が好ましいものとして挙げられる。このポリマーは、可視領域での透明性およびその固有の電子伝導性にて広く知られている。また、上記ポリマーは、融解することなく、主要な有機溶媒に不溶である点で欠点があり、薄層フィルムの形状にして使用および利用することが困難である。したがって、PEDOTは、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)およびポリ(スチレンスルホネート)(PSS)の混合物である水分散液の形態にて通常販売される。本発明に係る一実施形態において、導電層はPEDOTを含む有機層であり、PEDOTにPSSを結合させた有機層であることが好ましい。
透明基板上に形成される透明導電層の厚さは、10nm以上、10000nm以下であることが好ましく、100nm以上、300nm以下であることが特に好ましい。
導電層を形成した後、非導電性基板の一表面の全面にまたは実質的に全面において、酸化還元剤が導電層の限定された領域に堆積されることが好ましい。もちろん、この酸化還元剤は導電層を形成する材料とは異なる。後者の説明は、特にPEDOTの場合、とりわけ酸化状態のPEDOTの場合に適用される。還元状態での上記透明導電性ポリマーは、還元剤として作用し得る。本発明では、PEDOTは結果として、導電層または還元剤として作用し得る。しかし、同時に両方の作用を示さない。
工程(b)にて導電層上に堆積された酸化還元剤は、堆積される化合物の前駆体に対する還元剤であることが好ましい。換言すると、化合物の酸化還元電位は、対で堆積される前駆体/化合物の酸化還元電位よりも低い。
好ましい一実施形態において、上記還元剤は、0.7V(=FeIIIFeIII(CN)/MFeIIFeIII(CN)対)未満の酸化還元電位を有する金属状態(酸化状態が0)中の金属である。この金属は好ましくは、Ni、Mo、Cu、Co、In、Fe、Zn、Si、Ag、Ti、およびAlからなる群から選ばれることが好ましい。特に、Ni、Ag、Ti、およびAlからなる群から選ばれることがより好ましく、Ni、AgおよびAlからなる群から選ばれることが最も好ましい。
他の実施形態において、還元剤は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含む層であり、通常、PSSと結合している。このような高分子還元剤を使用することにより、塗布を簡便に行うことができる。特に、PEDOT/PSS水分散液は、ブラシによる手作業または印刷により塗布され得る。金属層の堆積は、通常、物理蒸着法(PVD)および特に蒸着堆積法等のより複雑な技術を必要とする。
酸化還元剤によって被覆される導電層の表面における領域の範囲は、上記導電層の表面に対して比較的小さい。導電層の表面における領域の範囲は、好ましくは10%未満であり、特に好ましくは5%未満であり、理想的には2%未満である。酸化還元剤がニッケルの場合、この表面は、0.5%未満またはさらには0.2%未満であるということができる。
堆積される酸化還元剤の量は、形成を所望する堆積厚さに依存する。本発明の方法において、金属のまたは高分子(PEDOT)の還元剤は、具体的には利用可能な電子の‘蓄積部’として機能する。また、上記還元剤は、導電層を介して溶液中で酸化状態である前駆体の還元を目的として作用する。この貯蓄部の性能が向上するほど、導電層の表面において、最終的に固体層状にて堆積される還元型の前駆体分子の数が増加する。
発明者らは本発明に係る方法の優れた経済性を示したいと考えている。特に、堆積される化合物の還元または酸化は、溶液中よりもむしろ非常に局在化された態様である導電層−溶液の界面にてなされる。したがって、実質的に、溶液を収容する収容部の壁に堆積は観測されず、溶液中に沈殿物の形成も観測されない。従って、(1)堆積され、(2)処理される大量の試料用の槽を使用する、化合物の前駆体を大量に含む溶液を調製することが可能である。実質上、前駆体の全てが、処理を受ける表面にて酸化還元反応を受けることとなり、この表面に堆積されることとなる。この状況は、堆積される化合物が貴金属を含む場合、非常に重要である。上記貴金属は、その後、装置の壁上に不要な堆積を生じさせ得るものであるため、損失なく実質上使用され得る。
上記溶液中の堆積される化合物の前駆体の濃度は、通常、10−3M以上、10−1M以下である。
工程(c)は、室温、すなわち15℃以上、30℃以下の温度にてなされることが好ましい。
導入部にて説明したように、導電層が透明な導電性酸化物(TCO)またはPEDOTである場合、導電層の面積抵抗は、プラスチック基板上にて60Ω/□オーダーであり比較的高い。被覆される上記表面の範囲が増加する場合、上記面積抵抗により欠点を改善し得る。この問題は、酸化還元剤の堆積を適切に配置することにより、本発明と関連して非常に容易に解決される。電気メッキ法に関連して、使用される電極の大きさおよび形状を変更することは困難である。一方、対照的に本発明に係る非電気堆積法によれば、上記領域上に、エレクトロクロミック化合物の均一な堆積物を製造が許容される量にて、酸化還元剤を堆積することが非常に容易である。
通常、処理を受ける表面の大きさが比較的小さく、均一でない堆積がなされるおそれがある場合、酸化還元剤が導電層の表面の端部に堆積されることが好ましい。そして、酸化還元剤が導電層の表面の全外周に亘って堆積されることが特に好ましい態様である。
上記表面をより広くするため、工程(b)において酸化還元剤の堆積が好ましくなされる。さらに、導電層の全表面上に広がっているが、導電層の全表面の一部のみを覆う規則正しいパターンに従って、上記堆積を行うことができる。換言すると、酸化還元剤の堆積は、例えば、導電層の表面において、規則正しい格子形状、等距離線の集合形状および均一に配置された点の集合形状を有している。上記領域のそれぞれは、電子供与体または電子受容体の独自の蓄積部を構成する酸化還元剤で被覆されているので、互いに接触するような多様な堆積がなされる必要はない。公知のフォトリソグラフィー技術によって、そのような酸化還元剤の規則正しいパターンが堆積されてもよい。上記フォトリソグラフィー技術は、(a)光架橋層の形成、(b)架橋された上記領域への光照射、(c)非光照射領域(架橋されていない)の除去、(d)架橋マスクによって被覆されていない上記領域での酸化還元剤の堆積、(e)架橋マスクの取り外し、の工程を含む。
フォトリソグラフィーに加えて、インクジェット堆積法、蒸着堆積法、スクリーン印刷法またはパッド印刷法を酸化還元剤の堆積に使用することも可能である。
酸化還元剤が、酸化還元反応によって消費される層を形成する場合、例えば、Ni2+イオンに酸化される金属ニッケルが挙げられる。上記Ni2+イオンは、前駆体の溶液に溶解する。導電層に塗布される規則正しいパターンは、可能な限り微細であることが好ましい。これは、酸化還元剤が剥がれた後、被覆されていない領域によって外観不良が生じることを最小限に留めるためである。
工程(c)における、堆積される化合物の前駆体を含む溶液と、導電層の表面との接触時間は、形成を所望する堆積厚さ、堆積される化合物の性質、導電層の導電性、温度、溶液の濃度などに依存する。非常に驚くべきことに、とりわけ発明者は、導電層の表面での固体の析出比率が、ニッケルの堆積厚さに依存することを見出した。このニッケルの堆積厚さが厚くなるほど、析出(堆積)はより速くなり、上記接触時間をより短くすることができる。
通常、導電性フィルムと前駆体溶液との接触時間は、数十秒以上、約10分以下であり、例えば、30秒以上、8分以下であり、好ましくは、1分以上、5分以下である。
上記溶液と導電層の表面との接触は、公知の手法によってなされてもよい。例えば、浸漬法、遠心分離法による堆積、噴霧法による堆積、ロールによる塗布またはドクターブレードによる被覆を挙げることができる。基板が十分に柔軟であれば、上記接触をロールトゥロール印刷法によって行うことが好ましい。上述したように、これら全ての技術では、酸化還元剤および導電層の両方が前駆体溶液に直接接触できるように配慮される必要がある。
電気メッキに関する本発明に係る方法の好ましい一実施形態は、ある事実を有しており、原則的に、前駆体剤を含む溶液中に、導電層を生じさせる基板を浸漬する必要はない。他の脆弱な堆積物が予め基板上または基板下に形成されている場合(例えば、接着により堆積物を取り付ける場合)、上記利点は非常に重要である。
本発明に係る方法の好ましい一実施形態では、非電気堆積法は、以下の連続工程を含んでいる:
(a)透明な非導電性の固体基板上に透明な導電層を堆積する工程,
(b)上記導電層における領域は、上記導電層の表面の一部のみに亘っており、上記透明な導電層の領域上に金属の還元剤を堆積する工程,
(c)上記透明な導電層の表面にヘキサシアノ鉄酸の可視可能な固体堆積物を形成する十分な時間、ヘキサシアノ鉄酸−金属の酸化された前駆体の溶液を、上記還元剤によって被覆されていない上記透明な導電層の表面の少なくとも一部と、還元剤との両方に接触させる工程。
この好ましい実施形態は、以下の実施例1の手法によって説明される。実施例2は、ITO層上における還元剤としてのPEDOTの使用に関する。
〔実施例1〕
約200nm厚のITO層を、円形(直径6.7cm)の透明なポリ(ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))(CR−39、PPGインダストリーズ製)基板上に堆積させた。そして、得られた試料の端部に金属ニッケルを蒸着堆積法によって付着させた。
その後、この部材(CR39−ITO−Ni)の全体を10−2MのFeClおよび10−2MのKFe(CN)を含む水性溶液に浸漬した。約3分後、この部材を上記溶液から取り出し、均一な青色の堆積物が形成されているか観察した。上記ニッケルの堆積物は消失し、上記端部上に無色の領域が残された。
上記部材を上記溶液に4分間以上、時間をかけて浸漬することによって同様の試験を繰り返すと、色の変化が観察された。
〔実施例2〕
透明なポリ(エチレンテレフタレート)(PET)基板上に約200nm厚の透明な導電性のITOフィルムを堆積させた。このフィルムの外周上に手作業でPEDOT/PSS(HC Starck 社製のBaytron (登録商標)PH500 ,Clevios (登録商標)PH500 )の水分散液を堆積させた。乾燥後、約150nm厚のフィルムを得た。このようにして得られた部材を、10−2MのFeClおよび10−2MのKFe(CN)を含む水性溶液に3分間浸漬させた。この後、上記部材を溶液から取り出し、均一な青色が観察された。PEDOT/PSSフィルムは、金属ニッケルの堆積物と異なるが、上記部材上に固着しており、同様に青色である。
〔実施例3〕
透明な基板としてCR39の代わりにPETを使用して、実施例1の手法を行った。3分後、上記溶液から部材を取り出し、均一な青色の堆積物が形成されていることが観察された。
〔実施例4〕
酸化還元剤として金属ニッケルの堆積物の代わりに、銀をベースとする粘着物を堆積ささせて、実施例1の手法を行った。3分後、上記溶液から部材を取り出し、均一な青色の堆積物が形成されていることが観察された。
〔実施例5〕
透明なPET基板上に約200nm厚の透明な導電性のITO層を堆積させた。蒸着堆積法によって、このフィルムの外周上にアルミニウムの金属層を堆積させた。このようにして得られた部材を、5×10−3Mのヘプチルビオロゲンジブロミドおよび10−1Mのテトラブチル過塩素酸アンモニウムを含む水性溶液に3分間浸漬させた。この後、上記部材を溶液から取り出した。ヘプチルビオロゲンダイマーのピンク色の堆積物がITO/PET層上に形成されていた。金属アルミニウムの堆積物は溶解していた。

Claims (12)

  1. 化合物の非電気堆積法であって、以下の連続工程(a)〜(c):
    (a)非導電性の固体基板上に導電層を堆積する工程,
    (b)上記導電層における領域は、上記導電層の表面の一部のみに亘っており、上記領域に還元剤または酸化剤(酸化還元剤)を堆積させる工程,
    (c)酸化還元剤の酸化還元電位よりも高いまたは低い酸化還元電位を有し、酸化還元反応後、堆積される化合物の前駆体の溶液において不溶な化合物を形成する物質から上記化合物の前駆体は選ばれ、上記酸化還元剤によって被覆されていない、上記導電層の表面の少なくとも一部と、酸化還元剤との両方に接触させて、上記化合物の前駆体の溶液を配置する工程,
    を含む、化合物の非電気堆積法。
  2. 上記堆積される化合物が、エレクトロクロミック化合物であることを特徴とする請求項1に記載の化合物の非電気堆積法。
  3. 上記非導電性の固体基板および上記基板上の導電層がそれぞれ独立して、透明材料または半透明材料から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の化合物の非電気堆積法。
  4. 上記導電層は、スズがドープされた酸化インジウム(ITO)層、スズがドープされたフッ化酸化物(FTO)層またはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
  5. 上記工程(b)において堆積される酸化還元剤が、上記堆積される化合物に対する前駆体の還元剤であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
  6. 上記還元剤が、Ni、Mo、Cu、Co、In、Fe、Zn、Si、Ag、Ti、およびAlからなる群から選ばれ、好ましくはNi、Ag、Ti、およびAlからなる群から選ばれ、特に好ましくはNi、AgおよびAlからなる群から選ばれ、上記全ての金属は金属状態であることを特徴とする請求項5に記載の化合物の非電気堆積法。
  7. 上記還元剤がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)を含むフィルムであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
  8. 上記エレクトロクロミック化合物が、ヘキサシアノ金属酸塩、アリールビオロゲン、アリールアルキルビオロゲンおよび(C−C10 アルキル)ビオロゲンから選ばれることを特徴とする請求項2〜7の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
  9. 上記エレクトロクロミック化合物がヘキサシアノ鉄酸鉄(プルシアンブルー)であることを特徴とする請求項8に記載の化合物の非電気堆積法。
  10. 上記工程(b)における上記酸化還元剤の堆積が、上記導電層の表面の外周にてなされることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
  11. 導電層の全表面上に広がっているが、導電層の全表面の一部のみを覆う規則正しいパターンに従って、上記工程(b)において、酸化還元剤の堆積がなされることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
  12. 上記工程(c)において、上記堆積される化合物の前駆体を含む溶液と、酸化還元剤および導電層の表面の両方との接触時間が、30秒以上、8分以下であり、好ましくは1分以上、5分以下であることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の化合物の非電気堆積法。
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