JP2011522690A - 液体を浄化する、特にバラスト水を浄化する装置 - Google Patents

液体を浄化する、特にバラスト水を浄化する装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、液体、特にバラスト水を浄化する装置であって、
少なくとも2つのフィルターモジュール(10)と、
少なくとも1つの紫外線源(44)を有する反応器(40)と、
を備え、該フィルターモジュール(10)はそれぞれ、浄化すべき液体用の入口(12)、第1の出口(14)、フィルター(18)、及び濾液用の第2の出口(16)を備え、該入口(12)を通って流入する液体のために、該第1の出口(14)は該フィルター(18)の前に位置決めされ、該第2の出口(16)は該フィルター(18)の後に位置決めされ、
該反応器(40)は、第1のライン(34)を介して該第1の出口(14)に接続され、第2のライン(50)を介して該第2の出口(16)に接続され、
該反応器(40)は、該第1のライン(34)を通って該反応器(40)に到達する第1の体積流及び該第2のライン(50)を通って該反応器(40)に到達する第2の体積流を該紫外線源(44)からの紫外線に暴露するように構成される、液体を浄化する装置。
【選択図】なし

Description

本発明は、液体を浄化する、特にバラスト水を浄化する装置に関する。
バラスト水は、船を安定させると共に無積載航行時の耐航性を確保するために航洋船によって吸い上げられる。このために、特定のバラスト水タンクに、又は現在一般的な二重船殻の場合には船殻の両外板間の空洞に、海水又は河川水が吸い上げられる。第1の場所でバラスト水を吸い上げて第2の場所でこれを放出することによって、通常は外国の生態系への生物の移入が起こる(新生代問題(neozoic problem))。
この問題に対処するために、航洋船には一般に、吸い上げられたバラスト水を濾過するための粗目のメカニカルフィルター(coarse mechanic filters)が設けられる。この場合、例えば金網状グリッドから成るフィルターが定期的な保守及び洗浄を必要とすることが不利である。
場合によっては、一部が数週間にわたって貯蔵される場合があるバラスト水は、その排出時に殺菌のために紫外線で処理される。この場合、例えばバラスト水タンクに幼動物又は幼生として導入された、例えば魚又は蟹等のタンク内の生物が、そのような紫外線処理でも比較的無傷で生存する成動物に成長し得ることが不利である。さらに、数週間で一部が激増した微生物及び藻類の個体群には、高い紫外線強度、したがって高いエネルギー入力が必要である。紫外線処理の代替案として、場合によっては、塩素でのバラスト水の処理が行われる。しかしながら、高度に塩素が混入した水を放出することも、地域の生態系への非常に危機的な干渉となる。
したがって、現行の技術水準で知られているようなバラスト水を浄化する方法及び設備は、バラスト水の処理時に低い柔軟性、信頼性、及び/又は環境的安全性しか提供しない。さらに、既知のバラスト水処理の方法及び設備には、比較的大きな保守努力が必要ではあるものの、外国の生態系への生物の移入に対して十分な保護を与えない。
したがって、少ない費用及び高い柔軟性で確実に動作させることができ、かつ貯蔵された液体の十分な純度を確保できる、液体を浄化する、特にバラスト水を浄化する装置を提供することが、本発明の目的である。
この目的は、請求項1に記載の特徴の組み合わせによって解決される。好ましい実施の形態は、従属請求項に記載されている。
本発明による、液体を浄化する、特にバラスト水を浄化する装置は、少なくとも2つのフィルターモジュールと、少なくとも1つの紫外線源を有する反応器とを備える。フィルターモジュールはそれぞれ、浄化すべき液体用の入口、第1の出口、フィルター、及び濾液用の第2の出口を備え、入口を通って流入する液体のために、第1の出口はフィルターの前に位置決めされ、第2の出口はフィルターの後に位置決めされる。したがって、第1の出口及び第2の出口は、フィルターの異なる側に位置決めされる。
したがって、入口を通って各フィルターモジュールに流入している浄化すべき液体は、フィルターを通過せずに第1の出口を通ってフィルターモジュールから流出することができる。また、入口を通って流入している浄化すべき液体は、フィルターを通過して第2の出口を通ってフィルターモジュールから出ることができる。
本装置の反応器は、第1のラインを介して第1の出口に接続され、第1のラインを通して第1の体積流(volume flow)を反応器へ導くことができる。反応器は、第2のラインを介して第2の出口に接続され、第2のラインを通して第2の体積流を反応器へ導くことができる。さらに、反応器は、第1の体積流及び第2の体積流の両方を紫外線源の照射に暴露するように構成される。
本装置の利点はその高い柔軟性にあり、これは特に、液体、したがって特にバラスト水の浄化に関して以下の3つの可能性があるからである。
第1に、本装置は、浄化すべき液体が第1の出口を通してフィルターモジュールから未濾過のまま流出し、続いて第1の体積流として紫外線処理(のみ)に供給され得ることを可能にする。
さらに、本装置は、浄化すべき液体中の動物、生物、及び他の粒子状物質(particular matter、Schwebstoffen)を、後続の紫外線処理前にすでにフィルターモジュールでの濾過によって特定のサイズまで減少させることを可能にする。この場合、(空間的及び時間的の両方で)直後の紫外線処理に負担がかからないため、より少ないエネルギー費用でこれを動作させることができる。
さらに、第3の可能性では、他の両方の可能性の利点を組み合わせることができる。第1の体積流中の、浄化すべき液体のうち第1の出口を通って対応のフィルターモジュールから出る部分は、反応器に到達して紫外線で処理される。同時に、第2の体積流中で、浄化すべき液体のうち第2の出口を通って各フィルターモジュールから流出する残りの部分は、第2の体積流の形態で反応器へ導かれ、第1の体積流とは別個に紫外線で処理され得る。
したがって、別個の体積流を提供することによって、例えば、各体積流が紫外線照射を受ける接触時間を互いに柔軟に独立して調整することができる。したがって、達成すべき液体の不純度及び/又は純度に応じた、第1及び/又は第2の体積流中の浄化すべき液体の柔軟な処理が可能である。
好ましくは、このために、第1の体積流及び第2の体積流は、互いに別個に反応器内へ導かれる。好ましくは、さらに、それぞれが別個に導かれる第1の体積流及び第2の体積流は、反応器の紫外線源にできる限り近くに通される。
好ましい実施の形態では、第2の出口同士は、一方のフィルターモジュールのフィルターの逆洗を他方のフィルターモジュールの濾液を用いて行うことができるように、逆洗ラインを介して接続される。本装置の利点は、動作中に一方のフィルターモジュールが正常に機能し続けている間に他方のフィルターモジュールの逆洗を行うことができることにある。これにより、確実な連続動作が可能になる。
好ましくは、各フィルターモジュールの入口はベントを有する。同じく好ましくは、各フィルターモジュールの第1の出口は独自のベントを有する。この場合、それぞれのフィルターモジュールへの流入流及び流出流の制御された柔軟な調節が可能になる。一方のフィルターモジュールのフィルターの上述の逆洗のためには、その入口ベントが閉じられ、その第1の出口のベントが開かれる。さらに、第2の出口のそれぞれに、制御可能なベントが設けられ得る。
好ましくは、本装置は、一方のフィルターモジュールのフィルターを通して逆洗された液体が第1の体積流として第1のラインを通して反応器へ導かれるように構成される。したがって、本発明による装置は、逆洗液が第1のラインを通して反応器に別個に導かれ、第2のラインを通して反応器に流れ得る濾液とは別個の処理に暴露することができるという利点を有する。
好ましくは、本装置は、入口に接続される、浄化すべき液体を貯蔵する第1の容器を有する。特に好ましくは、本装置はさらに、第1のラインに位置決めされる第2の容器を有し、液体を一時貯留する(buffer)ように構成される。この場合、(逆洗された)液体を一時貯留し、かつ例えば非常に低いスループットで反応器を通して導くことで、逆洗(すなわち、より一層汚濁及び汚染された)液体の接触時間を増やすことが可能になる。
特に好ましくは、反応器は、第1の体積流及び第2の体積流に超音波を入射させるための超音波源をさらに備える。超音波によって引き起こされるキャビテーションによって、その前の濾過で除去されなかった浄化すべき液体中に溶解又は懸濁している微生物及び他の有機物/無機物の破壊及び死滅が達成される。この場合、達成され得る液体の純度レベルと装置の性能とがさらに向上し、装置全体の柔軟性が改善される。
特に好ましい実施の形態では、反応器は、反応器内部に通じる入口と、反応器内部から外に通じる出口とを備える。好ましくは、紫外線源及び/又は超音波源は、反応器内部に位置決めされる。反応器内部で得られる超音波の入射が、通される液体(複数可)の浄化に加えて、液体(複数可)と接触する表面におけるあらゆる種類の付着物の持続的な浄化を確保することにより、確実な連続動作が保証される。
特に好ましい実施の形態では、第2のラインは、第2の体積流が反応器の入口を通って反応器内部に流入して出口を通って反応器内部から流出するように、入口に接続される。したがって、反応器の寸法に応じて、反応器内部を通して濾液の比較的高いスループットを得ることができる。特に好ましくは、反応器は、反応器の内部を通過する液体用ラインをさらに備え、これは特に反応器内部で、反応器内部から液密に密閉される。したがって、液体用ラインは、浄化すべき液体の一定の体積流を、反応器内部又はその中にある液体と直接接触させることなく、反応器内部を通して反応器内部から隔てて導くことを可能にする。
このために、反応器を通過する液体用ラインは、第1の体積流が反応器内部を通る液体用ラインを通って流れるように、第1のラインと接続されることが特に好ましい。この場合、第1の体積流が反応器内部及び紫外線源を通して導かれ、場合によっては、第2の体積流とは別個に超音波源に通されることにより、第2の体積流とは別個の第1の体積流の処理が可能であり、反応器内で第1の体積流と第2の体積流とが混ざることが回避される。
特に好ましくは、液体用ラインは紫外線透過性材料でできている。具体的には、液体用ラインは、1つ又は複数の石英管を含み得る。
特に、石英管は並列に配列され得る。代替的に、石英管は、直列に配列されるように別の石英管と接続され得る。並列に配列された石英管の場合、比較的高いスループットを得ることができるという利点がある。直列に配列された石英管の場合、石英管内、したがって反応器内部を流れている液体が、複数回浄化されるという利点がある。
好ましくは、反応器に少なくとも1つの石英管を横切らせることもでき、石英管内には、紫外線源、複数の紫外線源の場合は各紫外線源が配置される。
特に好ましい実施の形態では、各フィルターモジュールのフィルターは膜を含む。好ましくは、各フィルターモジュールは、膜に超音波を照射するための超音波源をさらに備える。このために、膜は、超音波処理に耐える材料、例えばステンレス鋼又は他の合金から形成される。膜の動作時及び逆洗時の両方での超音波の照射によって、膜に付着物が詰まることが回避される。好ましくは、フィルターモジュールに流入する液体用の超音波源は、フィルターの前に、すなわち、フィルターの通常はより汚染されている側に位置決めされる。
膜は、1000μm未満、好ましくは100μm未満、最も好ましくは約50μm未満の孔を有し得る。バラスト水の調整のためには、最大で約30μmの孔径が有利である。精密濾過のためには、最小0.1μmの孔径を有する孔を用いることもできる。
特に、本装置は、上記の意味で逆洗のために互いに接続される3つ以上のフィルターモジュールを備えることもできる。
さらに、2つのフィルターモジュール(それぞれ)が、第1のフィルターモジュール(それぞれ)の第1の出口が第2のフィルターモジュール(それぞれ)の入口と接続されるように、互いに直列に接続されることもできる。特に、浄化すべき高度に汚染された液体の場合、第1のフィルターモジュールで予備浄化を、第2のフィルターモジュールで主浄化/濾過を行うことができる。
特に好ましくは、本装置全体は、含塩水、特に海水を処理するように構成される。
液体の浄化のための本発明による上述の装置の1つの特定の用途は、バラスト水の処理である。この場合、さらにフィルターモジュールのそれぞれが逆洗され得る。
本発明のさらなる特徴及び利点は、添付図面に基づく実施の形態の以下の説明と、特許請求の範囲とに記載されている。
液体の浄化のための本発明による装置の概略図を示す。 本発明による装置の実施形態の詳細図を示す。 バラスト水の処理時の、図2に示す本発明による装置の実施形態の使用を示す。 バラスト水の処理時の、図2に示す本発明による装置の実施形態の使用を示す。 バラスト水の処理時の、図2に示す本発明による装置の実施形態の使用を示す。 バラスト水の処理時の、図2に示す本発明による装置の実施形態の使用を示す。 バラスト水の処理時の、図2に示す本発明による装置の実施形態の使用を示す。 フィルターモジュールが2つ1組で直列に整列している実施形態を示す。
図1は、液体を浄化する装置の実施形態を概略的に示す。
装置100は、2つのフィルターモジュール10を備え、これらはそれぞれが中空円形シリンダーの形状を有し、両端が閉じられるステンレス鋼管から形成される。各フィルターモジュールの上端には、浄化すべき液体用の入口12が設けられ、下端には、液体用の第1の出口14が設けられる。さらに、フィルターモジュール10の管のマンテル(mantel)の上端付近に、第2の出口16が設けられる。
フィルターモジュール10の内部には、約30μmの孔を有するステンレス鋼膜が設けられる。ステンレス鋼膜18も、フィルターモジュール10のステンレス鋼管内に本質的に同軸上に(すなわち断面が同心状に)位置決めされる中空円形シリンダーの形態を有し、ステンレス鋼膜の直径は、フィルターモジュール10の直径よりも小さい。入口12及び第1の出口14は、フィルターモジュール10の円形の上端又は下端(すなわち、蓋又は底部)の中央付近に位置付けられる。したがって、入口12を通ってフィルターモジュール10の内部に流入する液体は、円筒形フィルター膜18を通過せずにフィルターモジュール10から第1の出口14を通って流出することができる。したがって、この意味で、第1の出口14は、フィルター膜18の前に位置決めされる。これとは対照的に、入口12を通ってフィルターモジュール10に流入する液体は、フィルター膜18を予め通過する場合、フィルターモジュール10から第2の出口16を通ってしか流出できない。この意味で、第2の出口16はそれぞれ、フィルター膜18の後に位置決めされる。
第2の出口16同士は、液体の交換用の逆洗ライン20を介して互いに接続される。
図1に示すように、各フィルターモジュール10は、その上端が入口12を介して液体供給源30に接続され、液体供給源30は、バラスト水タンク(図1には図示せず。図2を参照)の形態を有する第1の容器32から供給を受ける。
反対端では、各フィルターモジュール10は、第1の出口14を介して第1のライン34に接続される。第1のライン34には、第2の容器36が液体用のバッファ(buffer、Zwischenspeicher:一時貯留部)として設けられる。
第1のライン34は、反応器内部41を密閉する細長い反応器40に通じる。反応器内部41には、石英管から形成される液体用ライン42が長手方向に横切る。さらに、石英管が本質的に反応器40の長手方向軸と平行に配置されているのと同じように、細長い紫外線源44が反応器内部41内に延びている。第1のライン34は、反応器40の長手方向下端で石英管の形態の液体用ライン42に合流する。液体用ライン42は、反応器40の他端で反応器内部41から外に通じ、例えば石英又はガラス繊維でできているさらなる液体用ラインに合流する。実際には、図中では直線状の細長い実施形態のみが示されているが、特に液体用ライン42に関しては、渦巻き状の又は螺旋状に絡み合った構成が考えられ、例えば、液体用ライン42はそれぞれ、石英管内に位置決めされる紫外線源44を非常に近接して囲む(図示せず)。
反応器40は、本質的に中空円形シリンダーの形態であり、そのマンテル表面には、底端の近くに入口46が設けられ、その上端の近くに出口48が設けられる。フィルターモジュール10の第2の出口16は、第2のライン50を介して、反応器内部41に通じる入口46と接続される。
各フィルターモジュール10には、本質的にロッド形の超音波源60がさらに設けられ、超音波源60は、中空円筒形態のフィルターモジュール10内にその長手方向軸からわずかにずれて(すなわち偏心的に)位置決めされる。同様に、偏心超音波源が反応器内部41内に配置される(図示せず)。超音波源はそれぞれ、液体の浄化、及びフィルターモジュール10の、特にフィルター18又は反応器40の浄化を行う。
次に、装置100及び装置100の各要素の機能及び効果のさらなる詳細を、図2〜図7に基づいて個別及び組み合わせの両方で説明する。
図2は、バラスト水を浄化する装置としての役割を果たす装置100の実施形態を示す。図2に示すように、海又はバラスト水タンク32からフィルターモジュールの入口12へ水を圧送するために、液体供給源30にバラスト水ポンプ70が設けられる。図示される4つのフィルターモジュール10の各入口12は、各フィルターモジュール10への流入量を制御するための入口ベント72を備える。さらに、各第1の出口14は、第1の出口14から流出する液体の流れを制御するためのベント74を有する。図2に示される実施形態は、第1のバイパスライン76及び第2のバイパスライン78をさらに有する。第1のバイパスラインは、液体供給源30を第2のライン50に接続する。したがって、すべてのフィルターモジュール10の入口ベント72が閉じている場合、処理すべき液体は、事前に濾過されることなくバイパスを通して反応器40へ導かれ得る。第2のバイパスライン78は、液体供給源30を反応器40の出口48に接続されている液体用ラインに接続する。したがって、すべてのフィルターモジュール10の入口ベント72が閉じており、第1のバイパスライン76に位置決めされている第1のバイパスベント77が閉じている場合、液体は、フィルターモジュール10も紫外線反応器40も通って流れることなく、海中に圧送し戻され得る。
図2に示されるように、反応器40は、その下端にキャビテーション室80を有し、キャビテーション室80は、反応器40の上方部分よりも小さな直径を有し、反応器40の液体入口46がそこに集束する。反応器内部41には、反応器40の全長にわたって、すなわちキャビテーション室80及び反応器40に取り付けられているその上方部分を通ってロッド形の超音波源82が延び、これは、反応器40の長手方向軸からわずかにずれて、すなわち断面図で偏心的に位置決めされる。さらに、反応器40の上方部分で反応器内部41を2本の石英管が横切り(図2には図示せず)、図2に示されるようにそれぞれが紫外線源44の1つを収容する。さらに、液体用ライン42を形成するさらに2本の石英管84が、反応器内部41を横切り、石英管84の一方は、その下端が第1のライン34に接続される。この石英管84は、他端が管接続部86を介して第2の石英管84の対応の端に接続される。したがって、第1のライン34を通って反応器40に到達する液体、例えば高度に汚染された逆洗液は、反応器内部41を通して2度、すなわち第1の石英管84内の上昇時及び第2の石英管84内の下降時に導かれ得る。ケーシング内部の各通過時に、液体は、石英が紫外線放射を透過可能であるため紫外線放射に暴露されると共に、石英管がその中を流れる流体に超音波を送るため超音波にも暴露される。この場合、第1のライン34を通って反応器に到達する第1の体積流の非常に効果的な浄化を確保することができる。したがって、直列に配置される石英管84の数に応じて、設けられている石英管84の数に応じた液体の多処理を達成することができる。本発明は、2本の石英管84に限定されず、達成すべき結果に応じて任意の数の石英管84を備えることができる。さらに、紫外線源44の1つの周りでの、石英管84の形態の液体用ライン42の上述の渦巻き状の又は螺旋状に絡み合った構成によって、浄化力を高めることができる。
第2の体積流(主流)は、第2のライン50と反応器40のキャビテーション室80に通じる入口46とを通過して反応器内部41に入る。キャビテーション室80において、第2の体積流の流入液体が、超音波源82からの超音波にのみ暴露される。反応器内部41内の第2の体積流は、入口46から出口48に、したがってキャビテーション室80から反応器40の上方部分に流れ込む。この上方部分において、第2の体積流は、超音波にさらに暴露され、さらに石英管内に位置決めされている紫外線源44から発生する紫外線に暴露される。第2の体積流は、続いて出口48を通って反応器40から出て再循環ライン90に給送される。石英管84を通過した第1の体積流も、インジェクターノズルを通して再循環ライン90に給送される。再循環ライン90を通して、第1の体積流及び/又は第2の体積流の適宜処理された浄化液は、バラスト水タンク32内又は海中に戻る(図2に示すような再循環ライン90のベントの調整に従って)。
図3は、バラスト水の吸い上げ時の装置100の実施形態を示す。
図3に示される最初の3つの(左から)フィルターモジュール10の入口ベント72は、全開されている。さらに、最初の3つのフィルターモジュール10の各第1の出口14の各ベント74は、少なくとも部分的に開いている。4番目のフィルターモジュール10(すなわち、右側のフィルターモジュール)の入口ベント72及び第1の出口のベント74は、両方が閉じている。海中に通じる液体供給源30のアーム(arm)の矢印で示されるように、バラスト水ポンプ70が、海から最初の3つのフィルターモジュール10のそれぞれに水を確実に到達させる。最初の3つのフィルターモジュール10のそれぞれにおいて、水の第1の部分が、フィルター18を通過せずにフィルターモジュールの下端に到達し、各フィルターモジュール10の第1の出口14を通過することにより、この水の第1の部分は、水中に存在する大きな物体及び生物を各フィルターモジュール10から図3に示される第1のライン34の分岐を通して海中に即座に流し戻す。各フィルターモジュール10に進入している水の第2の部分は、フィルター18を通過し、各第2の出口16及び第2のライン50を通って反応器40の内部に到達する。反応器40の内部41において、液体に、超音波源82からの超音波(フィルターモジュール10の超音波源60からの超音波にすでに予め暴露された後)と、図3に示されていない紫外線源44からの紫外線放射とが照射される。反応器内部41から出口48を通って流れる水は、再循環ライン90を通ってバラスト水タンク32に流入する。吸い上げられてバラスト水タンク32へ導かれる水は、こうして、紫外線放射及び超音波の両方を用いて濾過、殺菌、及び浄化される。
図4には、バラスト水タンク32内に存在する水の循環時の装置100の実施形態が示されている。
図示の4つのフィルターモジュール10のうち、右側の3つは、供給源30に接続されており(すなわち、各入口ベント72が開いており)、濾過動作中である。左側のフィルターモジュール10は、切断されており(入口ベント72が閉じており)、浄化モード中で、水が充填されたフィルターモジュールをフィルター膜18の浄化のために超音波源60からの超音波で動作させる。
バラスト水タンク32からの水は、バラスト水用ポンプ70によって右側の3つのフィルターモジュール10へ導かれ、そこで水が濾過される。続いて、このようにして濾過された水は、反応器40に流入し、超音波及び紫外線での処理に暴露される。浄水は、再循環ライン90を通ってバラスト水タンク32内に流れ戻る。
代替的に、図4に示す実施形態では、フィルターモジュール10は、バイパスベント77を通ってバイパスさせてもよく、反応器40による殺菌のみが用いられてもよい。
図5は、図4による浄化と類似のバラスト水タンク32からの水の浄化時の、装置100の実施形態を示す。
図4による実施形態のように、右側のフィルターモジュール10は濾過モードであり、左側のフィルターモジュール10は浄化モードである。図5には、第1のフィルターモジュール10の逆洗がさらに示されている。図4とは対照的に、第1のフィルターモジュール10(すなわち、左側のフィルターモジュール)の第1の出口14のベント74が少なくとも部分的に開いているため、濾液は、図示の4つのフィルターモジュールの第2の出口16を接続する逆洗ライン20を通って第1のフィルターモジュール10の第2の出口16を通り、第1のフィルターモジュール10のフィルター膜18を流れ戻り、第1のフィルターモジュール10の第1の出口14を通って海中に送り戻される。逆洗液の純度が海中に即座に排出し戻すのに不十分である場合、代替的に、逆洗水のさらなる浄化を行うために、ライン34を通して反応器40に、そして液体用ライン42を通して反応器内部41に、逆洗液を導くこともできる(図7に示す)。この場合、第2の容器36を逆洗水体積用のバッファとして用いることができるため、例えば、より低いスループットレートで、したがってより長い接触時間で、反応器40の内部41を通して逆洗液を導くことができる。
図6は、タンク32からのバラスト水の浄化及びその後の海中への排出し戻し時の、装置100の実施形態を示す。
このために、タンク32からの水は、ポンプ70によって右側の3つのフィルターモジュール10内に圧送される。右側の3つのモジュールの各第1の出口14のベント74が閉じている場合、バラスト水は、各フィルター膜18を通過し、第2のライン50を通って反応器内部41に到達して濾過される。反応器内部41における紫外線及び超音波での処理後に、バラスト水は、第2の出口16及び出口48を通って反応器40から流出し、浄水として海中に排出することができる。
図7は、貯蔵されているバラスト水の排出及びフィルターモジュール10の同時逆洗時の、装置100の実施形態を示す。
図示の4つのフィルターモジュール10のうち右から3つは、濾過モードであり、左側のフィルターモジュール10は、供給源30から切断されており逆洗モードである。第1のライン34及びそこに位置決めされている第2の容器36を通って、第1の体積流としての逆洗水が、第1のモジュールを経て反応器40に到達し、反応器内部41内で上述のように2本の石英管84でできている液体用ライン42を通して2回導かれて浄化される。第2のライン50を通して、右側の3つのモジュールからの濾水が反応器40に到達し、反応器内部41に即座に流入してその中を流れることにより、この第2の体積流も浄化される。
したがって、第1のフィルターモジュール10からの逆洗水の第1の体積流及び他の3つのフィルターモジュール10からの濾水の第2の体積流は、反応器40内で互いに別個にかつ異なる流量で殺菌され、続いて何ら問題なく海中に排出することができる。
図8は、装置100のさらなる実施形態を示す。第1の(左から)フィルターモジュールは、第1の出口14からの分岐92を有する。この分岐92は、第2の(左から)フィルターモジュールの入口12に接続されるため、第1のフィルターモジュールからの未濾過液を第2のフィルターモジュールで処理及び濾過することができる。第3及び第4のフィルターモジュールは、同様に直列に配置される。
図8に示されるベント74、74’を用いて、第1の出口14を通過する液体を第1のライン34にかつ/又は分岐92を通して導くことができる。
さらに、ベント72’を有する任意のラインを介して、第2のフィルターモジュールの入口を液体供給源に接続することもできる。したがって、ベント74’を閉じると、図8に示される装置100は、図1〜図7を参照して上述したように動作させることもできる。
上記の説明、特許請求の範囲、及び図面に開示されている特徴は、個別及び任意の組み合わせの両方で、本発明を異なる実施形態で実施するのに重要であり得る。
100 液体を浄化する装置
10 フィルターモジュール
12 入口
14 第1の出口
16 第2の出口
18 フィルター膜
20 逆洗ライン
30 液体供給源
32 第1の容器
34 第1のライン
36 第2の容器
40 反応器
41 反応器内部
42 液体用ライン
44 紫外線源
46 反応器入口
48 反応器出口
50 第2のライン
60 超音波源
70 バラスト水ポンプ
72、72’ 入口ベント
74、74’ 第1の出口のベント
76 第1のバイパスライン
77 第1のバイパスベント
78 第2のバイパスライン
80 キャビテーション室
82 超音波(反応器)
84 石英管
86 管接続部
90 再循環ライン
92 分岐

Claims (26)

  1. 液体を浄化する装置であって、
    少なくとも2つのフィルターモジュール(10)と、
    少なくとも1つの紫外線源(44)を有する反応器(40)と、
    を備え、該フィルターモジュール(10)はそれぞれ、浄化すべき液体用の入口(12)、第1の出口(14)、フィルター(18)、及び濾液用の第2の出口(16)を備え、該入口(12)を通って流入する液体のために、該第1の出口(14)は該フィルター(18)の前に位置決めされ、該第2の出口(16)は該フィルター(18)の後に位置決めされ、
    該反応器(40)は、第1のライン(34)を介して該第1の出口(14)に接続され、第2のライン(50)を介して該第2の出口(16)に接続され、
    該反応器(40)は、該第1のライン(34)を通って該反応器(40)に到達する第1の体積流及び該第2のライン(50)を通って該反応器(40)に到達する第2の体積流を該紫外線源(44)からの紫外線に暴露するように構成される、液体を浄化する装置。
  2. 反応器を通して該第1の体積流及び該第2の体積流を別個に導くように構成される、請求項1に記載の装置。
  3. 第2の出口(16)は、一方の該フィルターモジュール(10)の該フィルター(18)の逆洗を他方の該フィルターモジュール(10)からの濾液で実行できるように、逆洗ライン(20)を介して接続される、請求項1又は2に記載の装置。
  4. フィルターモジュール(10)それぞれの該入口(12)は、入口ベント(72)を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
  5. フィルターモジュール(10)それぞれの該第1の出口(14)は、出口ベント(74)を備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の装置。
  6. 一方のフィルターモジュール(10)の該入口(12)の該入口ベント(72)を閉じ、該一方のフィルターモジュール(10)の該第1の出口(14)の該出口ベント(74)を開くと、該一方のフィルターモジュール(10)の該フィルター(18)の逆洗を他方の該フィルターモジュール(10)の濾液で実行できるように、該第2の出口(16)は、逆洗ライン(20)を介して互いに接続される、請求項5に記載の装置。
  7. 一方のフィルターモジュール(10)の該フィルター(18)を通して逆洗された液体を第1の体積流として該第1のライン(34)を通して該反応器(40)へ導くように構成される、請求項3〜6のいずれか1項に記載の装置。
  8. フィルターモジュール(10)の該入口(12)に接続される、浄化すべき液体を貯蔵する第1の容器(32)をさらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の装置。
  9. 第1のライン(34)に位置決めされ、液体、特に逆洗液を一時貯留する(latch)ように構成される第2の容器(36)をさらに備える、請求項1〜8のいずれか1項に記載の装置。
  10. 反応器(40)は、該第1の体積流及び該第2の体積流を超音波に暴露する超音波源(82)をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 反応器(40)は、反応器内部(41)に通じる入口(46)と、該反応器内部(41)から外に通じる出口(48)とを備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 紫外線源(44)及び超音波源(82)は、該反応器内部(41)に位置決めされる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 第2のライン(50)は、該第2の体積流が該入口(46)を通って該反応器内部(41)に流入できると共に該反応器の該出口(48)を通して該反応器内部から流出できるように、該反応器の該入口(46)に接続される、請求項11又は12に記載の装置。
  14. 反応器(40)は、液体用ライン(42)を備え、該液体用ライン(42)は、該反応器内部(41)を貫通し、該反応器内部(41)で該反応器内部に対して内蔵型(self-contained)である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 液体用ライン(42)は、該第1の体積流が該液体用ライン(42)を通って該反応器内部(41)を流れるように、該第1のライン(34)に接続される、請求項14に記載の装置。
  16. 液体用ライン(42)は、紫外線透過性材料から形成される、請求項14又は15に記載の装置。
  17. 液体用ライン(42)は、該反応器内部(41)を横切って並列又は直列に配置される1つ又は複数の石英管(84)を含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の装置。
  18. 反応器内部(41)を少なくとも1つの石英管が横切り、該紫外線源(44)、又は該紫外線源(44)のそれぞれは、該石英管内に位置決めされる、請求項1〜17のいずれか1項に記載の装置。
  19. フィルターモジュール(10)それぞれの該フィルター(18)は膜を含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の装置。
  20. フィルターモジュール(10)はそれぞれ、該フィルター(18)に超音波を照射するための超音波源(60)を備える、請求項1〜19のいずれか1項に記載の装置。
  21. フィルター(18)は、1000μm未満、好ましくは100μm未満、最も好ましくは50μm未満の孔を有する、請求項1〜20のいずれか1項に記載の装置。
  22. フィルター(18)は、最小0.1μmの孔を備える、請求項1〜21のいずれか1項に記載の装置。
  23. バラスト水を浄化するように構成される、請求項1〜22のいずれか1項に記載の装置。
  24. 第1のフィルターモジュールの該第1の出口(14)を該第2のフィルターモジュールの該入口(12)に接続することによって、2つのフィルターモジュール(10)が並列に接続される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の装置。
  25. バラスト水の処理のための、請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置の使用。
  26. フィルターモジュール(10)が1つずつ順に逆洗される、バラスト水の処理のための請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置の使用。
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