JP2011522012A - ペプチドトキシンAPETx2の鎮痛作用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ASIC3陽イオンチャネルを阻害する、アンソプレウラ エレガンティシマ(Anthopleura elegantissima)イソギンチャク由来のペプチドトキシンAPETx2、ならびにその類似体および誘導体の薬剤としての利用に関し、特に、ASIC3(Acid Sensing Ion Channel 3:酸感受性イオンチャネル3)の活性と関連のある痛み(具体的には、炎症時、また、場合により組織アシドーシス(虚血、骨折、血腫、浮腫、疱疹、フリクテン、局所感染、組織損傷、眼障害、腫瘍など)を伴う任意の痛みのある状態の時)に対する鎮痛剤としての利用に関する。

Description

本発明は、ASIC3陽イオンチャネルを阻害する、アンソプレウラ エレガンティシマ(Anthopleura elegantissima)イソギンチャク由来のAPETx2ペプチドの、痛みの鎮痛作用のための利用に関し、当該痛みは、炎症時、また、場合により組織アシドーシス(虚血、骨折、血腫、浮腫、疱疹、局所感染、組織損傷、眼障害および腫瘍など)に伴う任意の痛みのある状態の時の、同位体ASIC3(Acid Sensing Ion Channel 3:酸感受性イオンチャネル3)の活性と関連がある。
痛み(特に、炎症性の痛み)の検討および治療では、患者のクオリティ・オブ・ライフを向上させることが基本的な捉え方であり、実質的には、抗炎症剤(非ステロイド系の抗炎症剤(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAID’s)またはステロイド系の抗炎症剤のいずれであれ)の処方を基盤としている。NSAID’sおよび/またはコルチコステロイドが炎症性の痛みの緩和に適当でない場合、処方者は抗炎症性鎮痛剤(パラセタモールなど)と、弱いまたは強いオピオイドとを組み合わせる。しかしながら、現在の治療手段の多様性にも関わらず、NSAID’sに関するケースのように、多くのタイプの痛みは、望ましくない副作用をさらに引き起こし得る既知の薬に対してわずかな反応しか示さない。そのため、この状況では、新規の鎮痛ターゲットの発見が本当の発展を意味することになる。イオンチャネルは、侵害受容繊維による痛みシグナルの検出および伝達に直接関与するため、過去数年間に特定された分子ターゲットのうち特に重要な位置を占める。
ASIC’s(Acid Sensing Ion Channels:酸感受性イオンチャネル)は、細胞外アシドーシスによって活性化される陽イオンチャネルである(参照1および2を参照のこと)。今日では、哺乳類において、少なくとも7つのサブユニット(ASIC1a、ASIC1b、ASIC1b2、ASIC2a、ASIC2b、ASIC3およびASIC4)をコードする4つの遺伝子が特定されている。機能性ASICチャネルは三量体の異なるASICサブユニットの連携から生じ(参照3)、ホモマーチャネルまたはヘテロマーチャネルになる(参照4、5および6)。ASICチャネルは神経チャネルの大部分を占めるため、中枢神経系および末梢神経系の両方に発現する。ASIC1aチャネルおよびASIC2チャネルが中枢神経系および末梢神経系に広く現れるのに対して、ASIC1bチャネルおよびASIC3チャネルの発現は感覚ニューロンに限定される(参照7、57および8)。
ASIC’sは、虚血、炎症、血腫、骨折、障害、外科手術(術後痛)またはいくつかの腫瘍発達の間に生じる傾向にある細胞外酸性化を検出する能力があると仮定されている(参照9)。ここ数年、細胞外アシドーシスが痛みを生み出すことが実際にわかるようになっており(参照11および12)、健康なヒト志願者にて行なった実験(参照13および14)では、アミロリドを用いた酸性皮膚痛覚におけるASIC’sの関与、およびいくつかのNSAID’s(ASIC’sの非特異的インヒビター)の関与が証明されている(参照15および17)。
感覚ニューロンに発現するすべてのASICサブユニットのうち、ASIC3は侵害受容性ニューロンにおいて広く発現し(上記で引用されている参照7、参照17および18)、適度な酸性化(約pH7.0)を受けて、持続性の非不活性化電流を生み出すこと(参照19)を考えると、特有の影響力がある。ASIC3電流は実際に2つの成分を有する:(1)高いpH感受性(pH0.5=6.5−6.7)(上記で引用されている参照7、参照20)のある一過性の成分であって、急速に活性化したり(t0.5<5msec)不活性化したり(t0.5=0.32msec)する(上記で引用されている参照20)成分、ならびに(2)持続成分であって、適度な酸性化である場合、チャネルの活性曲線および不活性曲線の部分的な重なりに起因する窓電流(window current)から生じ、また、さらに酸性のpH値(pH<6.0)の場合、明らかに異なる機構から生じる成分。一過性の電流は、pHが中性に戻った後(t0.5=0.58msec)の不活性化に続いて急速に元に戻る(上記で引用されている参照20)。比較として、ASIC1aは非常に長い回復期間(t0.5=13msec)が必要になる(上記で引用されている参照20)。安定時のpHが酸性であるとき、一過性の電流は急速に不活性化される。反対に、pHが安定時のpHの相対的な酸性度よりも低い(<pH6)とき、持続電流は活性化されたままであり、また、細胞外のpHが徐々に下がるときにも、同様に活性化される(上記で引用されている参照7)。近年のノックアウトマウスにおける研究は、炎症によって、または筋肉内へ酸を繰り返し注入することによって誘発される二次機械的な疼痛過敏のモデルにおいて、筋肉および関節の組織アシドーシスを検出したときのASIC3の役割を示す(参照21、22、23または60)。また、広範囲の感覚ニューロンの機械感受性におけるASIC3の関与が主張された(参照21)。一方、正常マウスとノックアウトマウスとの比較では、酸性皮膚痛覚または皮膚感受性における、炎症に付随する痛みに対するASIC3の重要な役割は示されていなかった(上記で引用されている参照21、および参照25)。
したがって、過去の研究ではせいぜいASIC3活性の阻害が直ちに痛みを及ぼすに違いないと予測することはできるが、酸に対する侵害受容器のインビボ感受性における、および正常状態または炎症状態の酸性皮膚痛覚における、ASIC’sの実際の関与、ならびに感覚ニューロン(特にASIC3)に存在する様々なイソ型の相対的な関与は、さらに今後示されることになる。また、痛覚過敏または無痛核、すなわちASIC’s(特にASIC3)活性の阻害がいかにして痛みに作用する可能性があるかは、まだ実証されていない。しかしながら、要求される追加の分析には、選り抜きの薬理手段が必要になる。
最近まで、ASIC3の阻害能を有する活性リガンドのレパートリーは、主に、アミロリドおよび非ステロイド抗炎症剤(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NASID's)に限られていた(上記で引用されている参照7および参照17)。しかしこれらの薬は、ASICチャネルに対して、またはASICチャネルの特定のタイプ(具体的にはASIC3)に対して確実に特有であるわけではない。
ここ数年間、動物毒は、電位依存性Ca2+、K+およびNa+電流(参照28、29、30、31、32、33)、Ca2+依存性カリウムチャネル(参照34および35)、ならびに機械感受性カリウムチャネル(参照58)を高い親和性で特異的に改変する能力のある、数多くのトキシンを産生している。ASIC1aチャネル(参照36)およびASIC3チャネル(参照38)をそれぞれ特異的に阻害する能力のある2つの動物トキシン(PcTx1およびAPETx2)が近年特定されている。
非常に多くの数のサソリ、ハチ、クモ、ヘビおよびイソギンチャクの毒(1/1000希釈物)またはペプチド画分(0.1mg/ml)が、ASIC3チャネルの特異エフェクターを特定する目的で、ゼノパス卵母細胞に発現されるASIC3チャネルに関してスクリーニングされている。アンソプレウラ エレガンティシマ イソギンチャクのペプチド分画はpH6で刺激されるラットASCI3の電流の80%以上を阻害することが実証されている。活性ペプチドを逆相クロマトグラフィーおよび陽イオン交換クロマトグラフィーで均一に精製し、ASIC3上の活性な分画を観察して判断することによって、APETx2を特定する(参照38)。
APETx2は、電位感受性カリウムチャネルおよび電位感受性ナトリウムチャネルを阻害する他のイソギンチャクトキシンの構造機構と類似する構造機構を有する、3つのジスルフィド結合を含む42個のアミノ酸を含むペプチドである。APETx2の完全な配列はエドマンズN末端分解によって確定され、測定されたモノアイソトピック質量(4557.96Da)は遊離C末端を示す配列データ(4557.88Da、精度17.5ppm)に基づいて算出された質量と完全に一致する。APETx2は、APETx1と64%の配列同一性(76%相同)を示し(参照40)、また、イソギンチャクのトキシンBDS−IおよびBDS−IIとわずか34%の配列同一性(それぞれ57%および55%の相同)を示す。このAPETx2は、電位依存性カリウム電流kv3.4を阻害する(参照41)。ナトリウム電流を活性化するペプチド(アンソプレウラsp.からのAP−A、AP−B、AP−C、APE1−1およびAPE−2など(参照39))との配列同一性は、わずか25〜29%である(41〜47%相同)。さらに、APETx2は、イソ型ASIC1aの特異的インヒビターであるPcTx1と、いかなる配列相同性も示さない(上記で引用されている参照36)。
APETx2はASIC3の外部で作用することによってASIC3を直接阻害し、また、そのチャネルのユニットコンダクタンスを修飾しない。今のところ、APETx2はASIC1a、ASIC1bおよびASIC2aのイソ型に対していかなる影響も及ぼさないが、APETx2は持続電流に影響を与えることなく、一過性の電流(IC50=63nM)を遮断することによってASIC3を可逆的に阻害する。また、APETx2はヘテロマーASIC2b+3の電流を阻害するのに対し、ヘテロマーASIC1b+3およびヘテロマーASIC1a+3に対する親和性はほとんどなく、ヘテロマーASIC2a+3にはいかなる作用も有していない(上記で引用されている参照38)。
驚くことに、発明者らは、今日、APETx2ペプチドトキシンの末梢注射(特に、皮下注射)が、痛みのラットモデルにおけるイソ型ASIC3の活性化に関連する痛みを緩和することができる(鎮痛作用)ことを示している。当該ラットモデルにおける痛みは、炎症に伴う、および組織アシドーシス(虚血、骨折、組織損傷および腫瘍など)に関連するすべての痛みのある状態を模倣する酸性溶液の皮下注射に伴うものである。
本発明は、従来技術の問題を解決することを目的としており、特に、望ましくない副作用をほとんどまたは全く有さず、使用、具体的には末梢投与(皮下投与、筋内投与、経皮投与、皮膚投与など)での使用が容易である、標的に特異的な新規の鎮痛分子を提供する。
本発明の第1の態様は、薬剤を得るための、イソギンチャク アンソプレウラ エレガンティシマのAPETx2ペプチドトキシン、ならびにその類似体および誘導体の利用に関する。
用語“APETx2ペプチドトキシンの類似体”とは、他のイソギンチャク毒、またはASIC3様チャネルを阻害するという同一の性質を示す同じファミリーの他の海洋生物種から単離したペプチドを意味する。例えば、当該用語には、APETx2ペプチドトキシンの42個のアミノ酸配列と60〜99%の配列同一性を有するペプチドを含む。
用語“APETx2ペプチドトキシンの誘導体”は、APETx2ペプチドトキシンの42個のアミノ酸配列のうち、1つまたは数個のアミノ酸が欠失および/もしくは付加されており、ならびに/またはASIC3様チャネルを阻害する性質が抑制されたまま保っている、同一の毒から単離したペプチドを意味する。例えば、当該用語には、APETx2ペプチドトキシンの42個のアミノ酸配列における3位、5位、8位、9位、10位、15位、16位、17位、23位、31位、32位、33位、36位、39位および/または41位での置換を示すペプチドバリアントを含む。また、APETx2ペプチドトキシンの配列のうち、N末端またはC末端において1つもしくは数個のアミノ酸の伸張を示すペプチドバリアントも含み得る。
本発明の具体的な実施形態によれば、上記薬剤は、ASIC3様チャネルに関連する疾患の予防または治療を目的とする。例えば、上記病的状態は、胃炎、虚血(筋肉、心臓、腸間膜など)、骨折、血腫、浮腫、フリクテン(または疱疹もしくは水疱)、局所感染、組織損傷(外科手術に関連する切開など)、眼障害、掻痒、および腫瘍(骨腫瘍および骨転移を含む)を含む炎症からなる群において選択される。
具体的に、上記薬剤は鎮痛剤であり、好ましくはASIC3様チャネルの活性化によって誘発される痛みの予防または治療を目的とした鎮痛剤であり、より好ましくは炎症によってもたらされる痛みの予防または治療を目的とした鎮痛剤である。
本発明の別の具体的な実施形態によれば、上記鎮痛剤は、ASIC3様チャネルの活性化に関連する酸性の痛みの予防または治療を目的とする。例えば、組織アシドーシスに関連する痛みある状態は、虚血(筋肉、心臓、腸間膜など)、骨折、血腫、浮腫、フリクテン(または疱疹もしくは水疱)、局所感染、組織損傷(外科手術に関連する切開など)、眼障害、および腫瘍(骨腫瘍および骨転移を含む)よりなる群の中から選択される。
本発明のさらに別の実施形態によれば、ASIC3様チャネルの活性化に関連のある痛みと同様の感覚経路(参照61)に影響を及ぼす病的な過程が原因の治療である場合、上記鎮痛剤は掻痒の予防および治療を目的とする。
本発明の具体的な実施形態によれば、上記薬剤は、例えば皮下経路、筋肉経路、経皮経路または皮膚経路などの末梢経路を介して投与される。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、以下の説明の記載から理解されたい。
逆行性標識された脊髄神経節の皮膚ニューロン、およびこれらニューロンにおいて記録されたASIC電流の蛍光画像である。 pH7.0で誘発される野生型ASIC電流における、浸透圧(高浸透圧)およびアラキドン酸の影響を示す。 組み換え型ASIC1aの高浸透圧による増強作用、および適度な酸性化により誘発されるASIC3電流を示す。 炎症性メディエーター(アラキドン酸(arachidonic acid:AA))による活性化されていないASIC3窓電流の増加、ならびにこのアラキドン酸電流および高浸透圧における、緩慢なアシドーシス時の相乗効果を示す。 酸性皮膚痛覚におけるASIC3のインビボでの役割、炎症性ファクター(アラキドン酸および高浸透圧)によるASIC3のポジティブ調節、および炎症性温熱痛覚過敏における炎症性ファクターの役割を表す。 ASICチャネルの各レベルにおけるASIC3メッセンジャーRNAおよび脊髄神経節のTRPV1チャネルメッセンジャーRNAsに対して方向づけて髄膜注射される干渉RNA(interfering RNA:iRNA)の特異的な作用、ならびにこのiRNAの炎症性の痛みモデルにおける鎮痛作用を表す。 感覚ニューロン系F11に発現する、ヒトASIC3チャネルの活性化におけるAPETx2トキシンの作用を表す。
〔実施例〕
<実施例1:材料および方法>
(イソギンチャク アンソプレウラ エレガンティシマのAPETx2ペプチドトキシンの精製)
イソギンチャク アンソプレウラ エレガンティシマ(上記で引用されている参照39)の水アルコール粗抽出物(水とメタノールの混合液)から、QAE Sephadex A−25(4.5×400nm)における陽イオン交換クロマトグラフィーによって酢酸アンモニウム(pH8.3)で溶出させて、続いてSephadex G50(12×140nm)における1M酢酸での排除拡散クロマトグラフィーによって、ポリペプチドプールを単離した。
6つの分画を、ゼノパス卵母細胞(上記で引用されている参照41)中に発現するASIC3チャネルで試験した。80%以上のASIC3電流が抑制されている1つの分画を逆相高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography:HPLC)(ウォーターズ シンメトリー C18、4.6×250nm)で、線形グラジエント10〜40%の溶液B(アセトニトリル/0.1%TEA)により30分間(1ml/分)精製した。分離は、220nmおよび280nmでUV吸収度を読み取るダイオードアレイ検出器に結合されるHP1100システム(ヒューレットパッカード、米国)で実施した。
次に、活性ペプチド分画を陽イオン交換カラムTSK−SP5PW(7.5×75mm)(東ソー、日本)で、線形グラジエント0〜100%の1M酢酸アンモニウムを用いて50分間(1ml/分)水/1%酢酸の混合物で均衡化させて、精製した。APETx2の最終精製は、同じ逆相HPLCカラムにおいて、線形グラジエント20〜30%を10分間用いた後、線形グラジエント30〜40%の溶液Bを20分間用いて行なった。
APETx2ペプチドトキシンを2メルカプトエタノールで還元し、4−ビニルピリジンでアルキル化した後に、自動エドマンズN末端シーケンシング(477A、バイオシステム(米国)を使用)によってシーケンスした。トリプシンで分解した後、ペプチドC末端の配列をアルギニン残基のシトラコニル化によって確認した。トリプシン残留物をHPLC(ウォーターズ C18、2×150mm)によって分離した。このとき、水/0.1%TFA混合液において、200μl/分で40分間、線形グラジエント5〜50%のアセトニトリル/0.1%を用いた。配列相同はBLASTプログラムによって決定した。分子量の決定は、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸の充填剤(シグマ−アルドリッチ、米国)を含み、国内標準規格である、反射モードのVoyager DE−PRO system(バイオシステム(米国)を使用)におけるMALDI−TOF質量分光測定によって行なった。質量スペクトルはデータ探索ソフトによって分析し、理論上の分子量はGPMAWソフトウェアを用いた配列データに基づいて算出した。
APETx2ペプチドトキシンのジスルフィド結合の配列は、シアニル化による部分的な還元および開裂のプロセス(参照42および56)によって決定した。
APETx2ペプチドトキシンの分子モデルは、上述したAPETx1座標(上記で引用されている参照40)に基づき、Deep−View Swiss−PDB viewer v3.7ソフトウェアを用いて算出した。このモデルをSwissモデルサーバによって最適化した。BDS−I座標(1BDS)はPDBデータベースから得た。最後に、APETx2ペプチドトキシンの空間的構造を核磁気共鳴によって決定し、その結果、4つのらせん構造βシートからなる小型のジスルフィド結合を本質的に含む(参照43)。
(F−11細胞株の培養および導入)
F−11細胞(参照文献44、45、46、47)は、5%のCO2において、35mmのペトリ皿毎に50,000セルの密度で培養した。HAM F−12培地(インビトロジェン)を含む培養培地に、15%ウシ胎児血清(ICN バイオメディカルズ)、1×HAT(ナトリウムヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン)、200μg/mlのアロ−4−ヒドロキシ−L−プロリン(シグマ−アルドリッチ)および1%の抗生物質を加えた。接種してから1日後、ベクターpCI−ASIC1ar+pIRES2−EGFP(比率1:2)またはpCI−ASIC3r+pIRES2−EGFP(比率1:10)(上記で引用されている参照36)を使用し、製造業者の指示に従ってリポフェクタミン(登録商標)(インビトロジェン)を用いて、細胞にASIC1a DNAcまたはASIC3 DNAc(ラットクローン)を導入した。ヒトASIC3クローンについて実験するために(ヒト型のASIC3チャネルにおけるAPETx2トキシンの作用の実験に関する)、ベクターpASIC3h−IRES−EGFPの補助を伴って、製造業者の指示に従い導入剤JetPEI(ポリプス トランスフェクション)を使用し、細胞にヒトASIC3のDNAcを導入した。導入から2〜4日後、当該細胞をパッチクランプ実験(電気生理学的な方法であり、細胞膜を介して移動するイオンの流れを記録するための方法である)のために使用した。
(皮膚求心性神経の逆行性標識)
ラットの後足背面に5×1μlのディル蛍光色素(5%DMSO、分子プローブ)を皮下注射することによって、表皮を刺激する後根神経節(脊髄神経節またはDRG(dorsal root ganglion))のニューロンを標識した。この色素を2週間注射した後、ラットを屠殺して後根神経節の第1培養組織を調製した。
(標識された後根神経節からのニューロンの第1培養組織)
ウィスターラット(8〜11週齢)の腰椎後根神経節を左右対称に解剖し、0.1%コラゲナーゼによって酵素分解した。次に、コラーゲンで覆われた35mmのペトリ皿に細胞を設置し、5%のウシ胎児血清を含むDMEM培地において37℃(95%空気/5%CO2)で培養した。接種して1〜8日後に、電気生理学的実験を行なった。
(電気生理学)
パッチクランプ法の細胞構成全体を用いて(参照48)、膜電流(付加電圧)または膜電位(付加電流)を測定した。記録は、室温で、3kHzローパスフィルター(クローン−ハイト)を備えるRK−400増幅器(バイオ−ロジック サイエンス インストラメンツ)を用いて行なった。データは10kHzで採取し、デジデータ1322A A−D/D−Aコンバータ(アクソン インストラメンツ)を用いてデジタル化し、pClampソフトウェア(バージョン9.2.0.11、アクソン インストラメンツ)によってハードディスクに記録した。記録プローブ(1−4MOhms)には:13KCl、2.5Na2−ATP、2MgCl2、2.1CaCl2、5EGTA、10HEPES(KOHによりpH7.25)が含まれる(mMにおいて)。導入された細胞に、多様な異なるバッファおよび関連のある薬剤を加えた。この細胞を、国内で開発され、溶液を急速に交換させるマイクロインフュージョンシステム(マイクロエレクトロウェーブ(シライ、イタリア)によって制御される)を用いて個別に考察した。コントロール浴液は:145NaCl、5KCl、2MgCl2、2CaCl2、10HEPES(NaOHによりpH7.4)が含まれる(mMにおいて)。HEPES培地の代わりにMES培地を使用してpH6〜5の範囲に溶液を中和し、マイクロインフュージョンシステムを用いてpH7.4でコントロール溶液から酸性試験溶液に急速に交換することによって、ASIC電流を誘発した。DRGニューロンにおいて行なう実験のため、コントロール浴液にグルコース(10mM)を加えた。テキストに示されるように、マンニトールまたはスクロースを外部の浴液に加えることによって、高浸透圧状態にした。
(ラットの侵害受容行動)
7〜8週齢の成体の雄ウィスターラット(カールスリバー、フランス)をプラスチック製のケージに収容した。暗期間は12時間(点灯は午前8時から午後8時)とし、餌および水は自由に入手させた。実験前に、少なくとも1週間ラットを順応させるために放置した。行動実験のために、透明な観察室にラットを20〜30分間収納して順応させた。続いて、ラットを固定し、その間に、20μlの食塩水(0.9%または2%のNaCl+20mMのHEPES、10μMのアラキドン酸および/または10μMのAPETx2トキシンもしくは60nMのPcTx1トキシンを加えて、またはなしで7.4≦pH≦6.6)を、100μlハミルトンシリンジに接続した30G針によって右の後足背面に皮下注射した。注射後すぐに記録を開始して、侵害受容行動(すなわち、後足が震える数)を5分間記録した(参照59)。
(炎症を誘発するラットの温熱痛覚過敏)
成体の雄ウィスターラット(カールスリバー、フランス)の熱に対する感受性を試験した。試験は、50℃のホットプレート(バイオセブ、フランス)に乗せたときに、動物が一方の後足を引っ込めるために要した時間を、完全フロインドアジュバント溶液(CFA(Freund's complete adjuvant)、シグマ−アルドリッチ、フランス)の皮下注射による炎症の誘発前後に測定することによって行なった。ラットを少なくとも30分間実験室に馴れさせて、各測定を繰り返し行なった。最初の測定は、炎症を誘発させる前に行なった。次に、ラットを麻酔し、その間に、トキシン(PcTx1またはAPETx2、それぞれ120nMおよび20μM)または媒体のいずれかを含む食塩水(0.9%NaCl)によって1:1に希釈したCFA150μlを一方の後足底面に皮下注射した(1mlシリンジに26G針を取付けた)。そして、CFAの注射後2時間、4時間および25時間に、注射した後足を持ち上げるのに動物が要した時間を50℃で測定した。
(ラットにおける干渉RNAの髄膜注射)
ASIC3チャネルに特異的なiRNA(番号1121;CTACACGCTATGCCAAGGA、SEQ ID NO:1)およびそのコントロール(番号1121s;GCTCACACTACGCAGAGAT、SEQ ID NO:2)を実験室で設計し、MWGバイオテック カンパニー(ドイツ)によって合成した。ASIC3に特異的なiRNAを、ASICチャネルおよびTRPV1チャネルそれぞれのために、定量RT−PCRによるメッセンジャーRNAレベルの定量化によって確認した後、3日間連続して1日1注射の割合でラットの脊髄の要部に髄膜注射してから動物を屠殺した。同様の手順を、CFAによって炎症を誘発する前に行なった。各注射は容積10μlであり、1対4の比率で誘導試薬i−Fect(ニューロミクス)と混合した2μgのiRNAを含んでいた。
(化学製品)
HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)1−ピペラジンエタンスルホン酸)およびMES培地(2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸;C613NO4S・H2O)、マンニトール、カプサゼピン、ならびにアラキドン酸はシグマから購入した。
(データの分析)
マイクロカル(登録商標)オリジン6.0(商標登録)およびグラフパッドプリズム4.03ソフトウェアを用いてデータを分析した。当該データを平均±標準誤差として表し、スチューデントのt検定、または一元配置分散分析(one−way ANOVA)(必要であればポストホック試験の後に)のいずれかを用いて、一連のデータ間の統計に基づく差分を算出した。
<実施例2:表皮を刺激する脊髄神経節のニューロンにおけるASIC3型電流>
ラットの表皮を刺激する脊髄神経節のニューロンにおいて、細胞外の適度な酸性化によって活性化されたASIC電流を記録し、ディル蛍光色素を使用して逆行性標識することによって同定した(図1)。
これら実験に用いられる適度なpHの値(すなわち、pH6.6〜pH7.0)を選択してASIC1型電流およびASIC3型電流を主に活性化させた。これは、ASIC2型電流およびTRPV1型電流がより激しい酸性化によって活性化されるとして説明されている実情のためである(上記で引用されている参照49および参照2)
図1Aは、パッチクランプ法のために細胞構成全体において用いられる脊髄神経節の典型的なディル−陽性皮膚ニューロン(矢印)を示す。これらのニューロンは、−55.0±1.8mVの静止膜電位、および39.6±1.8pFの膜容量を有している(n=42および43ニューロン、それぞれ、4つの異なる培養組織からのデータである)。
図1Bは、試験した骨髄神経節の皮膚ニューロン(4/7、8/11、8/10、および8/15、4つの異なる培養組織からのデータ)のうち65.8±6.3%が、pH6.6で平均振幅−60.3±16.0pA/pF(n=28)にて誘発される、一過性のASIC型電流を見せることを示す。骨髄神経節の皮膚ニューロンの残り(34.2±6.3%)のうちpH6.6の外部利用は、いかなる電流も誘発しないか(n=11)、わずかに維持電流を誘発するか(−1.2±0.5pA/pF、n=4)である。
骨髄神経節の皮膚ニューロンにおいてpH6.6で誘発されるASIC型電流の間で区別するため、ホモマーチャネルASIC1aの選択的インヒビターとして、ASIC1aに特異的なPcTx1トキシンを用いた(上記で引用されている参照36)。
図1B(右のパネル)から、これらニューロンの4.7%(2/43)が上記トキシンによって広範囲に阻害される電流(>90%阻害;すなわち、ASIC1aホモマー電流)を示し、23.3%(10/43)がトキシンに対して電流感受性(阻害<10%;すなわち、ASIC13型電流)を示し、37.2%(16/43)が部分的に阻害された電流(10%≦阻害≦90%;すなわち、ASIC3型およびASIC1aホモマー電流の混合)を示すことがわかる。図1Cでは、これらの電流において、APETx2ペプチドトキシン(イソ型ASIC3を含むチャネルを特異的に阻害する)に対する部分的な感受性によるSIC3の関与を確認している(上記で引用されている参照38)。
さらに、骨髄神経節の皮膚ニューロンにASIC電流を誘発させるために適度な酸性化(pH6.6)を用いることは、ASIC2型電流およびTRPV1電流のすべてではないが、その大多数の排除を可能にした。よって、骨髄神経節の皮膚ニューロンにおいて適度な酸性化によって活性化される最も多くのASIC電流は、60.5%(26/43)のスコアを有するSAIC3型電流であった。
<実施例3:適度な酸性化によって活性化される骨髄神経節の皮膚ニューロンのASIC電流の2つの炎症性刺激(浸透圧およびアラキドン酸)による増強作用>
損傷した組織または炎症を起こした組織において、いくつかの電位緩衝液が間質液に含まれており、その中身が酸と高浸透圧とである(参照51)、炎症性の浸出液になっている(参照50)。そのため、適度な酸性化により活性化される脊髄神経節の皮膚ニューロンのASIC電流における高浸透圧の作用を研究した。
図2A、2Dおよび2Eは、高浸透圧(hyperosmolarity)(外液の適度な酸性化に同時に適用される(pH7.0、図2Eの矢印を参照))が、これらニューロンにおいてpH7.0で誘発されるASIC型電流を著しく増加させることが可能であり(95%±35%の増加、n=8、p<0.01、対応のあるスチューデントのt検定)、より多く活動電位を誘発することによって神経細胞の興奮を増加させる結果になることを示す(図2B)。
ASIC電流における炎症性メディエーター(アラキドン酸(AA))のポジティブ作用についてはすでに説明した(参照52および53)。この作用を、骨髄神経節の皮膚ニューロンにおいて、本来のpH7.0で誘発されたASIC電流によって確認した(図2D;172±65%で増加、n=6、p=0.06、対応のあるスチューデントのt検定)。重要なことに、図2Cでは、このアラキドン酸の作用は、活動電位のトリガーを増加させることによって、結果として骨髄神経節の皮膚ニューロンの興奮もまた増加させることを示す。
双方の作用の反応速度は異なる。実際、図2Eには、天然のASIC電流の高浸透圧によって誘発される増強作用が瞬時(pHの急上昇による同時利用)であるのに対し、ASIC電流におけるアラキドン酸の作用は、十分に使用可能になるために数分を要することを示す。さらに、同じ細胞に対する高浸透圧の繰り返しの利用は上記増強作用を低減させることにつながるが(矢印で示す)、一方、アラキドン酸の作用は細胞に利用される限り最大まで増加する(灰色に塗られた四角)。したがって、双方を考慮して、これらの結果は、(i)骨髄神経節の皮膚ニューロンにおいて適度な酸性化(pH7.0)によって活性化されるASIC電流は、膜浸透圧を活動電位のトリガー閾値まで達するのに十分なレベルであり、(ii)アラキドン酸の高浸透圧など2つの炎症性シグナルは、適度な酸性化によって活性化されるASIC電流における増強作用によって神経細胞の興奮を高めることを示す。
<実施例4:脊髄神経節由来のF−11細胞における浸透圧に対する、組換えASIC3チャネルの感受性>
様々なイソ型ASICにおける浸透圧の作用をより正確に分析するため、ASIC1aおよびASIC3チャネルをF−11細胞株において非相同的に発現させた(上記で引用されている参照44、45、46、47)。
ASIC1aおよびASIC3チャネルは(i)ラットの骨髄神経節のニューロンに現れる典型的なASIC電流であり(上記で引用されている参照54および参照55)(また、図1にて示す)、(ii)興奮に対するそれらの閾値pHがpH7.0に近いため(上記で引用されている参照2)に使用した。
図3Aは、高浸透圧(マンニトールを有する600mオスモル.kg-1)がpH7.2で活性化されるASIC3電流を著しく増強させる能力があることを示す(148±20%の上昇、n=20、p<0.001、対応のあるスチューデントのt検定)。一方、pH7.2までの外液の酸性化はASIC1aによって導入される細胞からのASIC1a電流を目立って産生することはなく、高浸透圧は影響がない。面白いことに、図3Bは、pH6.6で活性化されるASIC1a電流に影響がない高浸透圧(600mオスモル.kg-1)は、pH6.6で活性化されるASIC3電流を増強させないことを示す。このことは、不活性化しない、すなわち持続するASIC3窓電流における作用を示唆する(上記で引用されている参照19)。
ASIC3電流が高浸透圧の衝撃による増強作用があることを確認するため、続いて、導入したF−11細胞から記録された、pH7.2で誘発される電流のI/V曲線をプロットした(図3C、上部パネル)。pH7.2のコントロールによって誘発される電流と(等浸透圧環境にて測定)、増強される電流と(高浸透圧環境にて測定)は、実際に高浸透圧がASIC3電流を増強させることを示す、同じ逆電位を有する(それぞれ49.4±0.7mVおよび45.9±3.4mV、対応のあるスチューデントのt検定)(図3C、下部パネル)。
図3Dは、pH7.2で誘発されるASIC3電流の増加率が、外液の浸透圧が600mオスモル.kg-1に達するときに略最大であることを示す。さらに、高浸透圧の外液がスクロースによって調整されている場合、振幅がわずかであるにも関わらず、観察される範囲において、高浸透圧がこの作用の第一のファクターである(図3D)。
これらの結果は、高浸透圧が、おそらくASIC3窓電流における作用によって、中程のpH範囲内(すなわち、pH7.2付近)においてASIC3電流を増強させることを示す。
<実施例5:アラキドン酸による非不活性化ASIC3窓電流の増強作用>
ASIC型電流におけるアラキドン酸(AA)の増強作用を検討するために、アラキドン酸(AA)の作用を、ASIC1aおよびASIC3を導入したF−11細胞において観察した。
ASICチャネルの活性におけるアラキドン酸の作用は、その作用メカニズムは未だよく理解されていないが、既に説明している(上記で引用されている参照52および参照53)。
図4Aは、アラキドン酸が、pH7.2で活性化されるASIC3電流に大幅な可逆的増加をもたらし、一方、同じpHでのASIC1aでは全く作用しないことを示す。アラキドン酸はpH7.2およびpH7.0で活性化されるASIC3電流を著しく増強させるが(547±103%の増加、p<0.0001、n=23、および493±84%の増加、p<0.0001、n=9、それぞれウィルコクソン検定)、一方、pH6.6で活性化されるASIC3電流ではわずかに増強させるのみである(+40±22%、n=7、p=0.45、対応のあるスチューデントのt検定)(図4B参照)。前の結果に続いて(上記で引用されている参照53)、アラキドン酸はpH7.0(+183±54%、n=5、p=0.06、ウィルコクソン検定)でASIC1a電流を同様に増加させて、また、pH6.6(+21±15%、n=2)ではより低い値にさせる。しかし、その作用はASIC3に関するよりも未だ明白ではない(図4B)。
図4Cには、ASIC3電流におけるアラキドン酸の強力な作用が、より生理的な値に向かう活性化pHに対する依存度の変化を生み、一方、特筆すべきでない作用がpH依存性不活性化曲線において観察されることを示す。
結果として、不活性化していないASIC3窓電流は、アラキドン酸の存在下で明らかに増加し(図4D、上部パネル)、残りの生理的pHに近いpH値でチャネルの活性化を生じる(図4D、下部パネル)。
これらの結果は、不活性化していない窓電流に対する強い影響によって、適度な酸性化により活性化されるASIC3電流を、アラキドン酸が選択的に増強させることを示す。極めて重要なことに、図4Eはこのアラキドン酸の作用が同じASIC3電流における高浸透圧の作用に追加されることを示す。この結果は、ASIC3が異なる炎症性シグナル(適度な酸性化、高浸透圧およびアラキドン酸など)を組み込み得ることを強く示唆する。
<実施例6:適度な酸性化によって誘発される皮膚の痛みに対するASIC3の寄与>
脊髄神経節の皮膚ニューロンにおけるASIC3の高い発現、および炎症刺激(高浸透圧およびアラキドン酸など)による適度なpH値での調節は、正常状態および炎症状態での皮膚酸性痛覚におけるASIC3の役割を研究することにつながる。
図5Aは、一方の後足に適度な酸性溶液(pH7.4、pH7.2、pH6.9およびpH6.6)を皮下注射した後の、痛みに対するラットの行動を示す。痛みに応じた顕著な行動はpH6.9で見られる(振動スコアはpH7.4で2.11±0.67からpH6.9で11.11±2.54へ増加、それぞれn=14および22、p<0.05、この後にダン検定が続くクラスカリ・ワリス検定)。この痛み行動は、APETx2トキシンの存在下において抑制されるため、それによって皮下酸性痛覚の検出におけるASIC3の関与を証明する。
骨髄神経節の皮膚ニューロン、および組換えチャネルに存在するF−11細胞の双方において、高浸透圧およびアラキドン酸が、適度なpHでのASIC3チャネルの強力な共同作用アクチベーターに見えるという点で(図2、3および4を参照)、これらの炎症性シグナルは適度なpHにおいて同時に注入される(2%NaCl、〜600mオスモル.kg-1および10mM AA)(図5A)。炎症性カクテルのこれら3つの必須要素の組み合わせは、pH6.8とだけ関連のあるラットの振動スコアを上昇させる(11.1±2.54(n=22)〜20.42±2.53(n=25)、P<0.05、クラスカリ・ワリス検定、その後にダン検定)(図5A)。
この酸性痛覚に応じた行動は、APETx2ペプチドトキシン(ASIC3の特異的なインヒビター(上記で引用されている参照38))によって明らかに減少するが、一方PcTx1トキシン(ASIC1aの特異的なインヒビター)は有意な影響が全くない(図5A)。
双方を考慮すると、これらの結果は、ASIC3が適度な酸性化によって誘発される皮膚の痛みの主なレセプターであり、ラットにおける炎症性の痛みに関与することを強く示唆する。
<実施例7:完全フロインドアジュバント(CFA)によってもたらされる炎症で誘発されて、ラットにおいて発現する温熱痛覚過敏に対するASIC3の寄与>
ペプチドトキシンAPETx2(ASIC3イソ型を含むチャネルのインヒビター)およびPcTx1(ASIC1aホモマーチャネルのインヒビター)の作用を、ラットの皮膚痛覚モデル(CFAによって誘発される温熱痛覚過敏)において試験して、炎症性の痛みにおけるASIC3の特異的な役割を確認した。
図5Bは、有意な温熱痛覚過敏が、CFAを後足に注射して炎症を誘発してから4時間後に現れることを示す。
これに対し、CFAと共にAPETx2ペプチドトキシンを注射した場合、温熱痛覚過敏は発現しないが、CFAと共にPcTx1トキシンを注射した場合、有意な影響が全くない。
CFAを注射して20時間後、APETx2ペプチドトキシンによって処理された動物は、温熱痛覚過敏に関する媒体を注射されたコントロール動物とは異なり、たいていトキシンの作用が時間をかけて段階的に衰えることを示し、いずれの行動も示さない。
これらの結果は、ASICaではなく、ASIC3がラットの末梢レベルでの炎症性の痛みの認識に重要な役割を果たすことを示す。
<実施例8:インビボでのAPETx2トキシンの特異的な阻害作用>
細胞レベルでのAPETx2トキシンによるASIC3チャネル阻害の特異性を実証すること(培養されたニューロンおよび導入されたF−11細胞株において)は、ラットで観察されるAPETx2の鎮痛作用が、独占的に、ASIC3型チャネル活性を阻害する結果となることの1つの証明につながる。ASIC3チャネルの遺伝的阻害に関連するアプローチがこの目的のために適用され、ラットのASIC3チャネルにて特異的に方向づけられる干渉RNA(iRNA)の髄膜注射の作用を観察することを含む。
図6Aは、後足に神経を分布するラットの感覚ニューロンにおける様々なイオンチャネルの発現レベルにおいて、ASIC3チャネルに特異的であるiRNAの髄膜注射の影響を示す。この結果は、ASIC3チャネル特異的iRNAの髄膜注射が、ラットの感覚ニューロンにおけるASIC3チャネルの発現において際立った、また、独占的に減少させることを示す(黒矢印で示す)。
図6Bには、ASIC3チャネルに特異的なiRNAを3日間髄膜注射した後に完全フロイドアジュバント(CFA)で炎症を起こさせた(挿入部分で示す)ラットは、同じ組成のiRNA(任意の配列ではないが)で処理されたコントロールラット(コントロール、白塗りの柱)に比べて、少しも炎症性温熱痛覚過敏を発現しないことを示す(iRNA、黒塗りの柱)。この結果は、APETx2トキシンによって処理された動物で得られる結果と同じである(実施例7を参照)。
これらの結果は、ASIC3チャネルが炎症性痛覚のメディエーターであること、および、APETx2トキシンの鎮痛作用が、動物のこれらチャネルを阻害することにもっぱら起因することを証明する。
<実施例9:ヒトASIC3クローンにおけるAPETx2トキシンの阻害作用>
APETx2ペプチドトキシンの阻害作用をヒトASIC3チャネルにおいて試験した。この目的のため、ヒトASIC3電流の振幅を上述したパッチクランプ法によって記録した。このとき、上述した方法に従いヒトASIC3クローンを導入したF−11感覚ニューロンからの細胞外培地を、APETx2トキシン1μMの非存在下または存在下において酸性化(pH8.0〜pH7.0、二方向の矢印で示す)してから行なった。
図7は、ヒトASIC3チャネル由来の電流の振幅が、APETx2トキシンの存在下で有意に減少することを示す(左から始めて第3ピークから第5ピーク)。
これらの結果は、APETx2トキシンがヒトASIC3チャネルの活性を阻害する能力があり、ヒトに対する新規の鎮痛剤としてのAPETx2トキシンおよびその誘導体の利用可能性が認められることを明白に示す。
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Claims (11)

  1. 鎮痛剤を調製するための、アンソプレウラ エレガンティシマ イソギンチャクのAPETx2ペプチドトキシン、その類似体および誘導体の利用。
  2. ASIC3型チャネルの活性化によって誘発される痛みの予防または治療を対象とした鎮痛剤を調製するための、請求項1に記載の利用。
  3. 上記痛みが炎症に起因する、請求項2に記載の利用。
  4. 上記痛みが組織アシドーシスに起因する、請求項2に記載の利用。
  5. 上記痛みのある状態が、虚血(筋肉、心臓、腸間膜など)、骨折、血腫、浮腫、フリクテン(または疱疹もしくは水疱)、局所感染、組織損傷(外科手術に伴う切開を含む)、眼障害ならびに腫瘍(骨腫瘍および骨転移を含む)よりなる群から選択される、請求項4に記載の利用。
  6. 掻痒の予防または治療を対象とした鎮痛剤を調製するための、請求項1に記載の利用。
  7. 上記鎮痛剤が末梢経路で投与される、請求項1〜6のいずれかに記載の利用。
  8. 上記鎮痛剤が皮下経路で投与される、請求項7に記載の利用。
  9. 上記鎮痛剤が筋内経路で投与される、請求項7に記載の利用。
  10. 上記鎮痛剤が経皮経路で投与される、請求項7に記載の利用。
  11. 上記鎮痛剤が皮膚経路で投与される、請求項7に記載の利用。
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