JP2011521007A - 鏡像異性的に純粋な(s)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造方法は、好ましくは3.3:1から1:1までの体積比の、メタノール及び水からなる溶媒系中で、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンをD−(−)−酒石酸と反応させ、生成混合物を結晶化のために放置し、そして(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを常法にしたがって結晶性ジアステレオ異性体塩から分離することを特徴とする。(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、ソリフェナシンの鏡像異性的な合成における中間体である。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
本発明は、ソリフェナシンを含む、重要な調剤上の物質の合成における中間体である、鏡像異性的に純粋な(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造方法に関する。
ソリフェナシン、すなわち(R)−3−キヌクリジノール(1S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カーボネート(IUPAC名:1−アザビシクロ[2.2.2]オクト−8−イル(1S)−1−フェニル−3,4−ジヒドロイソキノリン−2−カルボキシレート)は、競争的な選択的M3ムスカリン性受容体拮抗薬(antagonist)である。ソリフェナシン・スクシネート(コハク酸ソリフェナシン)は、切迫した尿を我慢できないこと、緊急及び頻尿を示す、過活動膀胱症候群の治療のために認可されたベシケア(登録商標)の活性物質である。
ラセミ混合体または活性鏡像異性体(1S,3R’)としてのソリフェナシンの製造は、2つの可能な合成方法のうちの1つの使われなくなった方法(out)にしたがって成し遂げることができる。最初の合成アプローチは、キヌクリジノール及び1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンのカルバモイル誘導体の良い脱離基との反応に基づいている。2つ目は、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの活性化されたキヌクリジノール誘導体、例えばクロロフォルメートまたはカーボネート誘導体、との濃縮を含む。EP0801067B1(特許文献1)及びWO2005/105795(特許文献2)においては、良い脱離基として、クロライド陰イオン、低級アルコキシド、フェノキシド、1H−イミダゾール−1−イル、2,5−ジオキソピロリジン−1−イロキシ、及び3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム−1−イルが記載されている。
J.Med.Chem.,2005,48(21),6597−6606(非特許文献1)においては、ソリフェナシンは(R)−キヌクリジノール及びエチル−(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−2−カルボキシレートのトランセストリフィケーション(transestrification)反応の中で製造された。この光学活性中間体は、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン及びエチルクロロフォルメートの炭酸カリウムの存在下における前段階において得られた。
選ばれた方法論に関わらず、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン(図1(a))は、ソリフェナシン(図1(b))の立体選択的な合成における決定的な中間体である。
L−(+)−酒石酸(タータリック酸、タルタル酸)とのラセミ混合物の鏡像異性分解を経由する鏡像異性的に純粋な(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造は、文献(Monach.Chem.1929,5354,956−962)(非特許文献2)から知られている。
J.Med.Chem.,2005,48(21),6597−6606(非特許文献1)においては、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンのラセミ混合物の純粋な鏡像異性体への分離が述べられている。この方法は、エタノール中におけるL−(+)−酒石酸とのジアステレオ異性的な塩の形成と、それに続く水から得られた(−)−タータレートの再結晶化を含む。(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、水酸化ナトリウム水溶液との処理、酢酸エチルでの抽出、有機層の濃縮、及びヘキサンからの集められた結晶の再結晶化で、ジアステレオ異性的な塩から遊離される。得られた製造物の鏡像異性的な純度は、与えられなかった。
以上述べられた、L−(+)−酒石酸の補助によるエタノール中における鏡像異性的な分解の手続を用いた実験的な試みは、不成功であった。結果として、異なる比率の異性的な混合物または純粋な(R)鏡像異性体のいずれかが得られた。
国際特許公開公報WO2008/019055(特許文献3)は、イソプロパノール中、随意には水との混合物中、または酢酸エチル中における、D−(−)−酒石酸によるラセミ体1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの分離について、開示している。
J.Med.Chem.,2005,48(21),6597−6606
Monach.Chem.1929,5354,956−962
特許文献3の実施例は、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン・タータレートの形成段階のみを含んでおり、(S)異性体の分離手法も、このプロセスの総収率も示されていなかった。この公報の著者らは少なくとも98%とクレームしているにも関わらず、得られた(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの光学的純度は、実験的に証明されていない。鏡像異性的な純度の公表された水準の中間体は、ソリフェナシンの合成において用いられるのに適しておらず、それらのパラメータは認可された薬品のための要求に適合しなければならない。更に、基本的な条件の下でその塩から取り出される光学的に活性な塩基のプロセスの間において、キラル中心でのラセミ化が起きるという危険もあり、最終製品の光学的純度の減少に影響を与える。この手順にしたがって、高い鏡像異性的な純度の光学活性な製品を得るためには、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを(S)鏡像異性体で富ませるための、追加的な工程が要求されるものである。
上述した鏡像異性的な分離方法の工業的な規模の製造プロセスの限界は、低い選択性、高価な光学活性の酸及び高税が課される溶剤(例えば、エチルアルコール)の使用、加えて、ラセミ化及び塩形成段階への再使用からもたらされる出発物質の部分的損失である。
それ故に、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを製造するための、理論的なそれに近い高い鏡像異性的な純度と高い化学的収率によって特徴付けられる、再現性があり選択性があるプロセスを開発することが要請されていた。これらを引き受けるには、大きな実験室的なまたは工業的な規模で用いることができる、ラセミ体1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの、光学的分離方法の確立を達成する必要がある。本発明は、これらの要求に応えることを目的とする。
これらの目的は、本発明にしたがう特別に選択された溶媒系の中での、D−(−)−酒石酸とのジアステレオ異性的な塩の形成による、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンのラセミ混合物の分離によって、到達できることが証明された。
本発明の背景は、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの分離のプロセスにおいて、(S)−鏡像異性体に富んだ塩が形成され、それが、上昇した温度においてさえも、アルコール及び水に対して非常に低い溶解性を示した、という現象の発見に関係している。鏡像異性的な純度の増加のために必要な、所望の追加的な結晶化は、その鏡像異性的に富んだ塩からのアミンの放出、及び結果として、塩形成のためのD−(−)−酒石酸の追加的な量の使用の必要性を伴うものである。
本発明者らは、思いがけないことに、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの、D−(−)−酒石酸とのジアステレオ異性的な塩の高い結晶化選択性は、共溶媒(溶解共力剤)との組み合わせの中で選択された主溶媒として、メタノールを含有する溶媒系において達成されることを発見した。前記溶媒/共溶媒系を使用する限り、求められる(S)−鏡像異性体からなるジアステレオ異性的な塩の結晶化選択性は増加し、そして高い化学的収率で純粋な化合物が得られる。
本発明は、光学的に活性なジアステレオ異性的な塩の分離による、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造方法に関する。本製造方法は、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを、D−(−)−酒石酸と、メタノール及び水からなる溶媒系の中で反応させて、生成混合物を結晶化のために放置し、そして(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを結晶性のジアステレオ異性的な塩から、常法にしたがって分離することで特徴付けられる。
本発明の好ましい実施の形態においては、少なくとも50%(体積/体積)のメタノールからなる溶媒の混合物が用いられ、より好ましくは、メタノールと水が3.3:1から2:1までの体積比の溶媒の混合物が用いられた。最も好ましくは、2:1の体積比のメタノールと水の混合物が用いられる。溶液における水の量の増加は、望まれる(S)鏡像異性体を高い選択性と収率で得るのに貢献する。
温度は、結晶化プロセスの重大なパラメータである。結晶化用の混合物を常度、20−25℃の範囲内に維持することによって、高い結晶化選択性が達成される。溶液が5℃で4−5時間放置されたときには、得られた自由塩基は、8.70%(HPLC(高速液体クロマトグラフィー)分析に基づく)の(R)鏡像異性体によって汚染された。
得られたジアステレオ異性的な塩の結晶的な固体は、常法、例えば濾過または傾瀉によって、反応混合物から分離される。
(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンとD−(−)−酒石酸との結晶的な塩は、実質的に図2に呈示されるようなX線粉末回折パターン(XRPD)によって、特徴付けられる。
X線回折パターンにおいては、格子面間隔d(Å)、回折角2θ(°)、及び最も強い回折ピークに対する比強度、I/I0(%)との関係を表すように、表に描かれるように、特徴的なピークが観測される。
表:(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン・D−(−)−タータレートのX線粉末回折
d,[Å] 2θ,[°] I/I0,[%]
14.403 6.13 100
7.658 11.55 1
7.235 12.22 3
7.083 12.49 3
6.487 13.64 3
6.237 14.19 1
5.368 16.50 5
5.167 17.15 4
4.813 18.42 49
4.448 19.95 10
4.231 20.98 7
3.924 22.64 11
3.763 23.62 25
3.613 24.62 7
3.517 25.30 7
2.890 30.92 8
2.437 36.85 4
d,[Å] 2θ,[°] I/I0,[%]
14.403 6.13 100
7.658 11.55 1
7.235 12.22 3
7.083 12.49 3
6.487 13.64 3
6.237 14.19 1
5.368 16.50 5
5.167 17.15 4
4.813 18.42 49
4.448 19.95 10
4.231 20.98 7
3.924 22.64 11
3.763 23.62 25
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3.517 25.30 7
2.890 30.92 8
2.437 36.85 4
(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、ジアステレオ異性的な塩から、常法、例えば水性水酸化ナトリウム溶液による有機溶媒、例えば酢酸エチル、との混合物中における処理、によって取り出される。相が分離したときは、水性の層は同じ有機溶媒によって抽出され、混合された有機抽出物は水で洗われ、乾くまで真空下で乾燥及び濃縮される。
適切な溶媒系であるメタノール/水の、1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの鏡像異性的な分離における使用は、望ましい(S)鏡像異性体の分離を可能にし、1つの結晶化段階において、何らの追加的な鏡像異性的富裕化を伴うことなく、99.6%を超える、好ましくは99.8%から100%までの高い鏡像異性的な純度によって特徴付けられる。
本発明の方法は、高い鏡像異性的な純度(HPLC分析によって決定される)及び、ラセミ体基質について計算して30から37%までの範囲内の、高い総化学的収率によって特徴付けられる、(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造方法を提供する。
以下の非限定的実施例は、本発明の好ましい実施の形態の単なる例であり、本発明を限定するものと解釈されるべきではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって決定される。
〔実施例〕
〔実施例〕
[分析方法]
鏡像異性的な純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)技術によって決定され、HPLC装置はダイセル化学工業(株)のキラルカラム、キラルセル型OD(250×50)×4.6mm、10μm、移動相:ヘキサン+プロパン−2−オール(90+10体積/体積、流速1mL/分、UV検出器、波長220nm)を備えたもので、鏡像異性的過剰分(ee)として、次式にしたがって計算される。
/S/−/R/
ee=───────×100%
/S/+/R/
ここで、/S/及び/R/は相当する異性体、保持時間およそ11分の(S)と、保持時間およそ19分の(R)との、表された占有範囲である。
鏡像異性的な純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)技術によって決定され、HPLC装置はダイセル化学工業(株)のキラルカラム、キラルセル型OD(250×50)×4.6mm、10μm、移動相:ヘキサン+プロパン−2−オール(90+10体積/体積、流速1mL/分、UV検出器、波長220nm)を備えたもので、鏡像異性的過剰分(ee)として、次式にしたがって計算される。
/S/−/R/
ee=───────×100%
/S/+/R/
ここで、/S/及び/R/は相当する異性体、保持時間およそ11分の(S)と、保持時間およそ19分の(R)との、表された占有範囲である。
融点は、メトラー・トレド DSC 822装置を用いた示差走査熱量測定(DSC)によって測定され、アルミニウム融解壺(メルティング・ポット)を用いて、加熱速度10℃/分で行った。融点の値は、「オンセット」として決定された。これは、基準線(ベースライン)と曲線の切線との交点として求められるものである。
X線粉末回折データは、λ=1.54056ÅのCuKα検出器を備えた理学・X線粉末回折装置・ミニフレックス型を用いて得られ、以下の測定パラメータが用いられた。
走査範囲2θ、3°から40°まで
走査速度Δω、0.5°/分
走査ステップ、0.03°
検出器−シンチレーション・カウンター
走査範囲2θ、3°から40°まで
走査速度Δω、0.5°/分
走査ステップ、0.03°
検出器−シンチレーション・カウンター
得られたデータは、集成され、DHn−PDSプログラムを用いて分析された。
1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンのラセミ混合物(40g、191mmol)と、D−(−)−酒石酸(28.61g、191mmol、ee99%)とが、メタノール(240mL)中に懸濁される。溶液は、固体の全量が完全に溶けるまで、加熱沸騰される。加熱浴が除去され、透明な溶液に水(120mL)が加えられる。得られた混合物は、室温(24℃)で24時間放置される。結晶固体が濾過分離される(21.45g)。
T(onset)=186.2℃;[α]25 D=−17.02°(c=1%,H2O)であった。
T(onset)=186.2℃;[α]25 D=−17.02°(c=1%,H2O)であった。
得られた結晶固体は、10%NaOHaq(120mL)と酢酸エチル(50mL)の混合物中に懸濁され、溶液は室温(24℃)で約10分間、固体の全量が溶解するまで攪拌される。反応混合物は、分離フラスコ中に移動させられ、有機層は分離され、水相は酢酸エチル(2×30mL)で抽出される。混合された有機抽出物は、水(1×40mL)で洗浄され、真空下で乾燥物になるまで乾燥及び濃縮される。(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンが結晶固体(12g,30%)として得られ、鏡像異性的過剰量ee=100%であった。化学的純度(HPLC):99.96%、[α]25 D=38.20°(c=1%,CH2Cl2)であった。
実施例1で述べられた手順にしたがって、ラセミ体(1g)のD−(−)−酒石酸による鏡像異性的分離が、異なる溶媒混合物及び結晶化時間を用いて行われた。結果は、下の表にまとめられる。
実施例1で述べられた手順にしたがって、ラセミ体(20g)のD−(−)−酒石酸による、メタノール中における鏡像異性的分離が行われた。結晶(ee=99.8%)の第I収分の分離の後に、母液は24℃で16時間放置され、結晶固体(ee=99.25%)の第II収分が得られ、同じ温度で次の16時間後に第III収分(ee=98.4%)が得られた。最後の二回の収分から集められた結晶固体は、混合されメタノール−水混合液から再結晶化されて、鏡像異性的過剰量ee=100%の結晶化生成物が得られた。
Claims (8)
- メタノール及び水からなる溶媒系中で1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンとD−(−)−酒石酸とを反応させ、生成混合物を結晶化のために放置し、そして(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンを常法にしたがって結晶性ジアステレオ異性体塩から分離することを特徴とする(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンの製造方法。
- メタノール及び水からなる溶媒系は、3.3:1から1:1までの体積比であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- メタノール及び水からなる溶媒系は、2:1の体積比であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製造方法。
- 結晶化用の混合物温度は、20〜25℃の範囲内であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の製造方法。
- (S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、鏡像異性的純度が99.5%を上回り、好ましくは99.8%から100%の範囲内で得られることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
- (S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、化学的純度(HPLCで分析される)が99.5%を上回り、好ましくは99.8%を上回って得られることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 格子面間隔d(Å)、回折角2θ(°)、及び最も強い回折ピークに対する比強度、I/I0(%)の関係で表されるX線粉末回折パターンは、以下に示されるものであることを特徴とする結晶性(S)−1−フェニル−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン・D−(−)−タータレート。
d,[Å] 2θ,[°] I/I0,[%]
14.403 6.13 100
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2008
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