JP2011519376A - メラニン形成修飾剤としてのステロイド化合物およびその使用 - Google Patents

メラニン形成修飾剤としてのステロイド化合物およびその使用 Download PDF

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Abstract

メラニン合成(メラニン形成)をコントロールする化合物の識別方法、およびそのような化合物の製造と使用、ならびにメラニン産生を修飾する(例えば、阻害する)ためのその組成物と製剤が開示される。本発明の代表的な化合物は、式I:Me Iによって定義される。化合物は、医薬用および化粧用の組成物として調製されることができ、そして、一つの実施形態では、互いに、そして他のメラニン形成阻害製剤と組み合わせて調製されうる。本発明の化合物、組成物、および製剤は、非限定的な例として、色素沈着過度やその他を含む異常なメラニン形成活性に原因として関係する状態の予防と治療のために使用することが可能である。
【選択図】図1A、図1B

Description

本発明は、メラニン合成(メラニン形成)を調整する化合物の同定およびメラニン産生を修飾する(例えば、阻害する)ためのそのような化合物の使用と組成物に関するものである。本発明は、また、本発明の化合物を使用して、色素沈着異常や色素沈着過度などを含む(これに限定されないが)異常なメラニン形成活性が原因として関係する状態を予防および/または治療するための方法に関する。そのような化合物は、単独で、または本明細書に記載される活性を有する他の化合物との組み合わせで使用されてもよいことを理解すべきである。
(連邦政府の権利)
本発明の一部は、米国国立衛生研究所(NIH)によって授与された助成金番号AR41880号の下で合衆国政府の支援を受けてなされた。したがって、合衆国政府は、本発明に特定の権利を有する。
いくつかの刊行物と特許文献が、本発明が関係する技術水準をより完全に記述するために、本出願中に引用される。これらの刊行物および文献の各々の開示は、引用により本明細書に取り込まれる。
メラニン形成細胞は、メラノソームと呼ばれる特定の細胞小器官の内部でメラニンを合成する(Orlow(1998年)、The Pigmentary System:Physiology and Pathophysiology 97,Oxford University Press,New York,Nordlundら,編集)。メラノソームは、二つのタイプの小胞が融合して形成される。メラニンは、紫外線放射に対しての保護を与える、多くの動物の皮膚、毛髪、羽、鱗、目およびいくつかの内部の膜で見られる暗い生物学的色素(生体色素)である。黒色症は、生きている動物組織でのメラニン沈着を指し、その化学的性質はアミノ酸チロシンの代謝に依存する。より詳しくは、メラニンは、アミノ酸チロシンの代謝過程の最終産物として形成される。メラニン産生とメラニン沈着(すなわち、黒色症)の欠陥は、白皮症などの色素形成不全をもたらす場合がある。
メラニンの合成をコントロールする能力は、今度は皮膚の色素沈着を変更し、美用上の目的と同様に、さまざまな健康関連の状態に対処するのに有利に使用されうる。減少した色素沈着は、黒皮症、肝斑、炎症後色素沈着過度、日光黒子などの障害の治療の望ましい結果である。
皮膚着色を修飾する能力は、多くの文化でかなりの関心を生み出した。メラニンの不適切な産生または過剰生産は、多くの個人が美容上の問題とみなしている。特に、色素沈着過度(例えば、一般に老人性斑点、そばかすまたは老化皮膚に見られるものなど)を取り除く能力は、均一な顔色を希望している個人にとって関心がある。さらに、肝斑、そばかす、および日光への過度の曝露の後に現れる色素沈着が、中年および高齢の人で起こる傾向または頻度が増加する傾向があるので、そのような関心は老人で増幅される。確かに、年を取るにつれて、これらの色素沈着は、消失するには一般的により長い時間がかかり、永久的なものになる可能性が高くなる。世界の特定の地域では、全身の美白が、また、望まれる。
皮膚の色素形成を減少させる効果を持つ生成物が数多く開発されている。米国特許第6,139,854号に記載されているように、このような生成物の一つは皮膚の脱色に関して周知の活性物質であるヒドロキノンを含んでいる。しかし、ヒドロキノンは、長期間使用すると深刻な副作用を起こすことがある。例えば、ヒドロキノンを皮膚に使用した場合、永久的な色素脱失を起こし、そのために紫外線曝露時の皮膚の光感受性が高くなることがある。ヒドロキノンは、ヒドロキノンの効能を増やすために、コーチゾン(それは皮膚を薄くし、顔に投与後に他の問題を引き起こす場合がある)、レチノイン酸(刺激物)、またはグリコール酸(刺激物)と組み合わせて投与することができる。
様々なその他の物質が、皮膚の色素形成の制御剤としての使用に関して提案されている。これら物質のほとんど全てのものが、既存の色素を漂白するか、またはメラニン産生の主要な律速酵素であるチロシナーゼの活性を阻害することにより新規の色素合成を阻止して機能する。例えば、米国特許第6,123,959号は、リポソームと、メラニン合成に関与する少なくとも一種類の酵素の競合的阻害剤とを含む水性組成物の用途について記載している。米国特許第5,132,740号は、皮膚美白剤としてのある種のレゾルシノール誘導体の用途を記載している。WO99/64025は、カナダ原産の双子葉植物種由来のチロシナーゼ阻害抽出物を含む皮膚美白用組成物を記載している。米国特許第5,580,549号は、チロシナーゼ阻害剤として2−ヒドロキシ安息香酸誘導体とその塩を含む皮膚美白用外用剤を記載している。WO99/09011は、少なくとも一つのカルボスチリル誘導体およびその塩を含む、皮膚紅班および/または皮膚色素沈着を阻害するための薬剤を記載している。米国特許第5,214,028号および米国特許第5,389,611号は、ラクトフェリン水解物のチロシナーゼ阻害剤としての用途を記載している。
WO02/98347において、Mangaはメラニン形成細胞でのメラニン形成を変える化合物、より詳しくは、Pタンパク質機能を阻害または強化する化合物を特定する方法を記述している。Pタンパク質機能がチロシナーゼや他のメラノソームタンパク質の適切な細胞局在化のために必要であり、メラニン形成細胞タイプでの完全なチロシナーゼ活性とメラニン形成の両方に必要であるという観察にこの方法の一部は基づく。
Orlowらは、メラニン形成細胞でのメラニン形成を阻害または増加する化合物を特定するスクリーニングを記述する。WO01/1131を参照されたい。これらの研究は、メラニン形成を阻害するいくつかの化合物が、チロシナーゼ(メラニン合成の鍵となる酵素)の誤局在を引き起こすことによってメラニン形成を阻害するという発見に基づく。また、WO2007/110415は、メラニン合成と濃度を減少させるための、皮膚を美白にするための、特定のジアセチル三量体の製剤とそれらの美容用または治療用の使用に向けられている。
他の研究は、メラニン形成を増やす方法と組成物に向けられる。例えば、米国特許第5,352,440号は、メラニン形成細胞におけるメラニン合成の増加と、特定のジアシルグリセロール化合物の投与による色素沈着の増加に向けられる。米国特許第5,532,001号は、特定のDNA断片の投与により哺乳動物の皮膚の色素沈着を増やすことに向けられる。米国特許第5,554,359号は、リソゾーム作用薬の投与によってメラニン形成細胞でのメラニンのレベルを上昇させることに向けられる。米国特許第6,750,229号と第6,995,804号は、それぞれ、プロテアーゼ活性化受容体−2(PAR−2)経路と一酸化窒素合成モジュレータの識別、および色素沈着レベルの調整における使用に向けられる。
先に述べたように、多くの方法が、皮膚の望ましい色素沈着レベルを達成するために提案されてきた。そのような方法は、色素脱失目的のためのコウジ酸、ヒドロキノン、レチノイド類および他の化学的化合物を含んでいた。しかしながら、これらの化合物とその組成物の多くの価値は、疑わしかった。皮膚の処置領域と非処置領域の間の境界の明白な線がしばしば明らかであるので、これらのすべての化合物の正確な使用が望ましい結果を達成するために必要である。そのうえ、これらの化合物の多くが、皮膚刺激を引き起こし、したがって、そのような化合物の特に長期間の使用には、望ましくない副作用がある。
米国特許第6,139,854号 米国特許第6,123,959号 米国特許第5,132,740号 WO99/64025 米国特許第5,580,549号 WO99/09011 米国特許第5,214,028号 米国特許第5,389,611号 WO02/98347 WO01/1131 WO2007/110415 米国特許第5,352,440号 米国特許第5,532,001号 米国特許第5,554,359号 米国特許第6,750,229号 米国特許第6,995,804号
Orlow(1998年)、The Pigmentary System:Physiology and Pathophysiology 97,Oxford University Press,New York,Nordlundら,編集
本明細書に記述されるように、本発明はメラニン形成を調節することができる新規薬剤の必要性について述べる。
第1の態様では、本発明は細胞ベースのアッセイによって特定されうる化合物に向けられ、該化合物は、メラニン形成をコントロールする。簡潔に言えば、化合物が細胞ベースのアッセイでスクリーニングされて、メラニン形成をコントロールすることができる、特に、メラニン形成を阻害することができる化合物が特定された。スクリーニングアッセイに関連する詳細は、下記の実施例で記述された。スクリーニングアッセイの結果は、メラニン形成を修飾する(すなわち、阻害する)複数の化合物を特定し、そのいくつかはそのような活性を示す事は以前には知られていなかったし、その他は、メラニン形成に影響を及ぼす事が知られている。特に、本スクリーニングにおけるメラニン形成の既知の修飾剤の活性の確認は、技術と実験的なアプローチの有効性を裏付ける。
したがって、本発明は、以前に未同定のステロイドのメラニン形成阻害剤の同定およびインビトロとインビボでの適用における色素沈着をコントロール(例えば、減少させる)する際のそれらの使用に向けられる。本発明の新規なメラニン形成修飾剤は、式I:
Figure 2011519376
またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくはそのプロドラッグ、ならびにその立体異性体、互変異性体および同位体変異体によって表わされる。
インビトロでの適用に関して、試験管ベースの、およびさらなる細胞ベースのアッセイは、メラニン形成を変えるための修飾バージョンおよび/またはステロイド化合物の能力を試験するのに用いることが可能である。インビボでの適用は、特に、予防、治療および/または美容の目的のために色素沈着レベルをコントロールし、特に減少させるために、少なくとも一つの新規ステロイドのメラニン形成修飾剤化合物を、それを望む、またはそれを必要とする対象への投与に向けられる。
したがって、本発明によれば、哺乳動物の皮膚に少なくとも一つのステロイド化合物またはその組成物の局所適用から成る、哺乳動物の皮膚の色素沈着の変化をもたらす方法が提示される。本発明の組成物は、メラニン形成の修飾剤として特定されたステロイド化合物の一つ以上を含むことが可能である。
より具体的には、そして、メラニン形成を減らすか、または阻害することができるそれらの化合物に関して、本発明は、哺乳動物の皮膚、毛髪または羊毛での色素沈着を減少させる、および/またはそれの明色化を増強する方法を包含し、それは、哺乳動物にメラニン形成修飾剤として本明細書に記述される有効量の一つ以上の化合物を局所的に投与することを含む。
本発明の別の態様は、メラニン産生と結果として起こるメラニンレベルの異常または不必要な増加を伴う状態、特に、異常なメラニン形成に特有の疾患(その色素沈着過度、にきび、脂漏性角化症、黒皮症および肝斑が、特定のそのような疾患または状態である)の治療に役立つ、治療法における本発明の化合物の使用、医薬品組成物、およびそのような組成物の製造に関する。
特定の実施形態において、本発明のメラニン形成修飾剤またはその組成物は、限定されるものではないが、しみ、そばかす、薬物誘発性色素沈着過度、ニキビなどで見られる炎症後色素沈着過度、脂漏性角化症、黒皮症および肝斑を含む色素沈着過度の部位に適用しうる。一部の個人にとって、皮膚のより大きな領域の体の美白は、望ましく、本発明のメラニン形成阻害剤またはその組成物のより全般的な適用により達成することが可能である。
さらなる態様では、本発明は化粧品製剤を含む組成物を提供し、そして、それは本発明の化合物または複数の化合物と、適切な生体適合性または生体不活性な担体、賦形剤または希釈剤とを含む。本発明のこの態様では、化粧品または医薬組成物は、本明細書に記述された化合物の一つ以上を含むことができる。さらに、本明細書に開示された、化粧品または医薬品組成物および治療方法に有用な本発明の化合物は、調製されて、使用されるようにすべて医薬的に許容される。
さらなる態様では、本発明は、本発明の化合物と、メラニン形成に関して同様の効果を有しうる様々な化合物または薬剤、例えば、他の皮膚明色化剤、または皮膚美白剤などとの組み合わせを含む組成物を提供する。本発明のこの態様では、医薬組成物は、本明細書に記述される化合物の一つ以上を、個別にまたは互いに組み合わせて含むことができる。
他の目的と利点は、以下の詳細な説明を考慮すれば当業者に明らかとなり、それは、以下の実例となる図面を参照して進行する。
本発明の化合物で処置されたMelanoDerm MEL−Bのサンプルについて撮られた一連の顕微鏡写真を示す。写真の全ては、同一の条件下で撮られた。 図1Aで示される画像の定量分析の結果を示している棒グラフである。分析は、Adobe Photoshop CS2を使用して実行された。メラニン顆粒の領域が選択され、そして、メラニン含量が以下のように計算された: メラニン含量=(黒色/灰色ピクセル×平均密度)/全画像ピクセル最終結果は、対照のパーセンテージとして示された。 Fontana−Masson染色後に生じるサンプルを表す顕微鏡写真である。定量分析は、図1Aと1Bに関して示されるように、Adobe Photoshop CS2を使用して実行された。これらのサンプルの染色の結果は、アフリカ系アメリカ人の皮膚等価物のメラニン含量が、本発明の化合物で処置した後では、50〜60%に減少することを示す。 Fontana−Masson染色後に生じるサンプルを表す顕微鏡写真である。定量分析は、図1Aと1Bに関して示されるように、Adobe Photoshop CS2を使用して実行された。これらのサンプルの染色の結果は、アフリカ系アメリカ人の皮膚等価物のメラニン含量が、本発明の化合物で処置した後では、50〜60%に減少することを示す。 図2Aおよび図2Bの結果をグラフに表し、ここでC=対照、L201=コネッシン、Arb=アルブチンである。この図において、各々の条件下の一つの画像は、10日目の処置に対して示され、2つの画像は、13日目の処置に対して示される(13日目のための定量的データは、両方の画像の平均である。 アフリカ系アメリカ人の皮膚等価物によるメラニンアッセイにおける本発明化合物の試験の全体的な結果を表すグラフである。結果は、アフリカ系アメリカ人の皮膚等価物のメラニン含量が本発明の化合物の処置により、30〜40%に減少することを示している。データは、各々の条件下で処置された2つの組織の平均であり、そして、各々の組織のメラニン含量は、個別に決定された。 対照および本発明で処置された、10日目と13日目におけるアフリカ系アメリカ人の皮膚等価物(MEL−B細胞の異なるロット)を撮った顕微鏡写真(平面図)の二組を含む。本発明組成物の濃度は、1.0mM(356.6μg/mlに相当)であった。 対照および本発明で処置された、10日目と13日目におけるアフリカ系アメリカ人の皮膚等価物(図4の場合と同じロット)の重複サンプルのFontana−Masson染色結果を表す一連の顕微鏡写真から成る。染色されたサンプルは、メラニン含量の明白な減少を表す。 図4および5の中で表された試験結果を示し、そして、アフリカ系アメリカ人の皮膚等価物のメラニン含量が本発明の化合物の処置により、30〜40%に減少することを示しているグラフである。 対照および本発明で処置された、13日目と16日目におけるアジア人の皮膚等価物(MEL−A)を撮った一連の顕微鏡写真(平面図)である。サンプルの外観は、本発明での処置が皮膚を美白にすることを証明している。 対照および本発明で処置された、13日目と16日目におけるアジア人の皮膚等価物の最初の試験からの重複サンプルのFontana−Masson染色結果を表す一連の顕微鏡写真である。MEL−Bサンプルの場合と同様に、本試験の染色されたMEL−Aサンプルは、メラニン含量の明白な減少を表す。 対照および本発明で処置された、13日目と16日目におけるアジア人の皮膚等価物の第2試験からの重複サンプルのFontana−Masson染色結果を表す一連の顕微鏡写真である。図9に示される最初の試験からのサンプルと同様に、本試験の染色されたMEL−Aサンプルは、同様にメラニン含量の明白な減少を表す。 図8および9で表された試験結果を示し、そして、アジア人の皮膚等価物のメラニン含量が本発明の化合物の処置により、40%に減少することを示しているグラフである。 図8および9で表された試験結果を示し、そして、アジア人の皮膚等価物のメラニン含量が本発明の化合物の処置により、40%に減少することを示しているグラフである。
(定義)
化合物、そのような化合物を含む医薬組成物、ならびにそのような化合物および組成物を使用する方法を記載する場合、以下の用語は、他に示されない限り、以下の意味を有する。以下に定義される任意の部分は、種々の置換基で置換され得ること、およびそれぞれの定義はそれらの範囲内でそのような置換された部分を含むことを意図することも、理解されるべきである。
本明細書と添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の「一つの」、「一つ」、および「その」は、文脈が別に明確に指示しない限り、複数の言及を含む。したがって、例えば、「方法」への言及は、一つ以上の方法、および/または本明細書に記述されるタイプのステップおよび/または本開示を読めば当業者に明らかとなるものを含む。
「アシル」とは、−C(O)R20の基またはラジカルを指し、ここで、R20は本明細書中に定義されるように、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルである。代表的な例としては、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アシルアミノ」とは、−NR21C(O)R22の基またはラジカルを指し、ここで、R21は、本明細書中に定義されるように、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルであり、そして、R22は、水素、アルキル、アルコキシ、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、またはヘテロアリールアルキルである。代表的な例としては、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、シクロヘキシルメチル−カルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ベンジルカルボニルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アシルオキシ」とは、−OC(O)R23の基またはラジカルを指し、ここで、R23は、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルである。
「置換されたアルケニル」とは、本明細書中の「置換された」の定義で記載される基を含み、そして、特にアシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するアルケニル基を指す。
「アルコキシ」とは、−OR24の基を指し、ここで、R24は、アルキルである。具体的なアルコキシ基としては、例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシなどが挙げられる。
「置換されたアルコキシ」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヘテロアリール、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するアルコキシ基を指す。
「アルコキシカルボニルアミノ」とは、−NR25C(O)OR26の基を指し、ここでR25は、水素、アルキル、アリールまたはシクロアルキルであり、そしてR26は、アルキルまたはシクロアルキルである。
「アルキル」は、特に約11個以下の炭素原子を有し、低級アルキルの場合、より特定すると1個から8個の炭素原子を、そしてさらにより特定すると1個から6個の炭素原子を有する、一価の飽和アルカンラジカル基を指す。この炭化水素鎖は、直鎖状または分枝状のいずれであってもよい。この用語は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチルなどの基によって例示される。用語「低級アルキル」とは、1から6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。用語「アルキル」はまた、以下に定義される「シクロアルキル」を含む。
「置換されたアルキル」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ヘテロアリール、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−、およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するアルキル基を指す。
「アルキレン」とは、特に1から11個の炭素原子、より特定すると1から6個の炭素原子を有する、二価の飽和アルケンラジカル基を指し、これは直鎖状または分枝状であってもよい。この用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−および−CH(CH)CH−)などの基により例示される。
「置換されたアルキレン」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するアルキレン基を指す。
「アルケニル」とは、好ましくは2から11個の炭素原子(特に、2から8個の炭素原子、そしてより特定すると、2から6個の炭素原子)を有する、一価のオレフィン型不飽和ヒドロカルビル基を指し、これは、直鎖状または分枝状であってもよく、そして少なくとも1個、そして特に1から2個のオレフィン型不飽和部位を有する。特定のアルケニル基としては、エテニル(−CH=CH)、n−プロペニル(−CHCH=CH)、イソプロペニル(−C(CH)=CH)、ビニルおよび置換されたビニルなどが挙げられる。
「アルケニレン」とは、特に約11個以下の炭素原子、そしてより特定すると2〜6個の炭素原子を有する、二価のオレフィン型不飽和ヒドロカルビル基を指し、これは、直鎖状または分枝状であってもよく、そして少なくとも1個、そして特に1から2個のオレフィン型不飽和部位を有する。この用語は、エテニレン(−CH=CH−)、プロペニレン異性体(例えば、−CH=CHCH−および−C(CH)=CH−および−CH=C(CH)−)などの基により例示される。
「アルキニル」とは、特に2から11個の炭素原子を有し、そしてより特定すると、2から6個の炭素原子を有する、アセチレン型またはアルキン型の不飽和ヒドロカルビル基を指し、これは直鎖状または分枝状であってもよく、そして少なくとも1個、そして特に1から2個のアルキニル不飽和部位を有する。アルキニル基の特定の非限定的な例としては、アセチレン型、エチニル(−C≡CH)、プロパギル(−CHC≡CH)などが挙げられる。
「置換されたアルキニル」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そしてより特定すると、1から3個の置換基)を有するアルキニル基をいう。
「アルカノイル」または「アシル」とは、本明細書中で使用される場合、R27−C(O)−の基を指し、ここでR27は上記で定義したとおりの水素またはアルキルである。
「アリール」とは、親の芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、一価の芳香族炭化水素基を指す。代表的なアリール基としては、アセアンスリレンから誘導される基、アセナフチレンから誘導される基、アセフェナンスリレンから誘導される基、アントラセンから誘導される基、アズレンから誘導される基、ベンゼンから誘導される基、クリセンから誘導される基、コロネンから誘導される基、フルオランセンから誘導される基、フルオレンから誘導される基、ヘキサセンから誘導される基、ヘキサフェンから誘導される基、ヘキサレンから誘導される基、as−インダセンから誘導される基、s−インダセンから誘導される基、インダンから誘導される基、インデンから誘導される基、ナフタレンから誘導される基、オクタセンから誘導される基、オクタフェンから誘導される基、オクタレンから誘導される基、オバレンから誘導される基、ペンタ−2,4−ジエンから誘導される基、ペンタセンから誘導される基、ペンタレンから誘導される基、ペンタフェンから誘導される基、ペリレンから誘導される基、フェナレンから誘導される基、フェナントレンから誘導される基、ピセンから誘導される基、プレイアデンから誘導される基、ピレンから誘導される基、ピラントレンから誘導される基、ルビセンから誘導される基、トリフェニレンから誘導される基、トリナフタレンから誘導される基などが挙げられるが、これらに限定されない。特に、アリール基は6から14個の炭素原子を含む。
「置換されたアリール」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルケニル、置換されたアルケニル、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキル、置換されたアルキル、アルキニル、置換されたアルキニル、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、特に1から3個の置換基)で場合に依りより置換されるアリール基を指す。
「縮合アリール」とは、第2のアリール環または脂肪族環と共通した二つの環炭素を有するアリールを指す。
「アルカリル」とは、上記に定義した一つ以上のアルキル基で置換された、上記に定義されたアリール基を指す。
「アラルキル」または「アリールアルキル」とは、上記に定義した一つ以上のアリール基で置換された、上記に定義されたアルキル基を指す。
「アリールオキシ」とは、−O−アリール基を指し、ここで「アリール」は上記に定義したとおりである。
「アルキルアミノ」とは、基アルキル−NR2829を指し、ここでR28およびR29の各々は独立して、水素およびアルキルから選択される。
「アリールアミノ」とは、基アリール−NR3031を指し、ここでR30およびR31の各々は独立して、水素、アリールおよびヘテロアリールから選択される。
「アルコキシアミノ」とは、ラジカル−N(H)OR32を指し、ここでR32は、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基を表す。
「アルコキシカルボニル」とは、ラジカル−C(O)−アルコキシを指し、ここでアルコキシは本明細書中に定義されるとおりである。
「アルキルアリールアミノ」とは、ラジカル−NR3334を指し、ここでR33はアルキル基またはシクロアルキル基を表し、そしてR34は本明細書中に定義されるアリールである。
「アルキルスルホニル」とは、ラジカル−S(O)35を指し、ここでR35は、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基である。代表的な例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルスルフィニル」とは、ラジカル−S(O)R35をいい、ここでR35は、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基である。代表的な例としては、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキルチオ」とは、ラジカル−SR35を指し、ここでR35は、本明細書中に定義されるアルキル基またはシクロアルキル基であり、これらは場合により本明細書中に定義されるように置換されてもよい。代表的な例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アミノ」とは、ラジカル−NH2を指す。
「置換されたアミノ」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に基−N(R36を指し、ここで各々のR36は独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アルケニル、置換されたアルケニル、アルキニル、置換されたアルキニル、アリール、シクロアルキル、置換されたシクロアルキルからなる群より選択され、そしてここで両方のR基は一緒になってアルキレン基を形成する。両方のR基が水素である場合、−N(R36はアミノ基である。
「アミノカルボニル」とは、基−C(O)NR3737を指し、ここで各々のR37は独立して、水素、アルキル、アリールおよびシクロアルキルであるか、またはここでこれらR37基は一緒になってアルキレン基を形成する。
「アミノカルボニルアミノ」とは、基−NR38C(O)NR3838を指し、ここで各々のR38は、独立して水素、アルキル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、またはここで2つのR基は一緒になってアルキレン基を形成する。
「アミノカルボニルオキシ」とは、基−OC(O)NR3939を指し、ここで各々のR39は、独立して水素、アルキル、アリールもしくはシクロアルキルであるか、またはここでこれらR基は一緒になってアルキレン基を形成する。
「アリールアルキルオキシ」とは、−O−アリールアルキルラジカルを指し、ここでアリールアルキルは本明細書中に定義したとおりである。
「アリールアミノ」とは、ラジカル−NHR40を意味し、ここでR40は本明細書中に定義されるアリール基を表す。
「アリールオキシカルボニル」とは、ラジカル−C(O)−O−アリールを指し、ここでアリールは本明細書中に定義されるとおりである。
「アリールスルホニル」とは、ラジカル−S(O)41をいい、ここでR41は、本明細書中に定義されるアリール基またはヘテロアリール基である。
「アジド」とは、ラジカル−Nを指す。
「ビシクロアリール」は、親のビシクロ芳香族環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、一価の芳香族炭化水素基を指す。典型的なビシクロアリール基は、インダン、インデン、ナフタレン、テトラヒドロナフタレンなどに由来した基を含むが、これらに限定されるものではない。特にアリール基は、8から11個の炭素原子を含む。
「ビシクロヘテロアリール」は、親のビシクロ複素環式芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を除去することによって誘導される、一価のビシクロ複素環式芳香族基を指す。典型的なビシクロヘテロアリール基は、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾインダゾール、ベンゾジオキサン、クロメン、クロマン、シンノリン、フタラジン、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、ナフチリジン、ベンゾオキサジアゾール、プテリジン、プリン、ベンゾピラン、ベンゾピラジン、ピリドピリミジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、ベンゾモルファン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロキノリンなどに由来する基を含むが、これらに限定されるものではない。好ましくは、ビシクロヘテロアリール基は、9〜11員のビシクロヘテロアリールであり、5〜10員のヘテロアリールが、特に好ましい。特定のビシクロヘテロアリール基は、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾチアゾール、インドール、キノリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、およびベンゾジオキサンに由来した基である。
「カルバモイル」とは、ラジカル−C(O)N(R42を指し、ここで各々のR42基は、独立して、本明細書中に定義される水素、アルキル、シクロアルキルまたはアリールであり、これらは場合により本明細書中に定義されるように置換されてもよい。
「カルボキシ」とは、ラジカル−C(O)OHを指す。
「カルボキシアミノ」とは、ラジカル−N(H)C(O)OHを指す。
「シクロアルキル」とは、3個から約10個の炭素原子を有し、そして単環または多環縮合環(縮合環系および架橋環系を含む)を有する環状ヒドロカルビル基を指し、この環状ヒドロカルビル基は、場合により1から3個のアルキル基で置換されてもよい。このようなシクロアルキル基としては、例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなどの単環構造、およびアダマンタニルなどの多環構造が挙げられる。
「置換されたシクロアルキル」とは、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するシクロアルキル基を指す。
「シクロアルコキシ」とは、基−OR43を指し、ここでR43はシクロアルキルである。このようなシクロアルキル基としては、例として、シクロペントキシ、シクロヘキソキシなどが挙げられる。
「シクロアルケニル」とは、3から10個の炭素原子を有し、そして単環または多環縮合環(縮合環系および架橋環系を含む)を有し、そして少なくとも1個のそして特に1から2個のオレフィン型不飽和部位を有する、環式ヒドロカルビル基を指す。このようなシクロアルケニル基としては、例として、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、シクロプロペニルなどの単環構造が挙げられる。
「置換されたシクロアルケニル」は、明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するシクロアルケニル基を指す。
「縮合シクロアルケニル」とは、第2の脂肪族環または第2の芳香環と共通した二つの環炭素原子を有し、そしてこのシクロアルケニル環に芳香族性を与えるように位置するオレフィン型不飽和を有するシクロアルケニルを指す。
「シアナト」とは、ラジカル−OCNを指す。
「シアノ」とは、ラジカル−CNを指す。
「ジアルキルアミノ」は、基−NR4445を意味し、ここで、R44およびR45は独立して、本明細書中に定義される、アルキル基、置換されたアルキル基、アリール基、置換されたアリール基、シクロアルキル基、置換されたシクロアルキル基、シクロヘテロアルキル基、置換されたシクロヘテロアルキル基、ヘテロアリール基、または置換されたヘテロアリール基を表す。
「エテニル」とは、置換または非置換の−(C≡C)−を指す。
「エチレン」とは、置換または非置換の−(C−C)−を指す。
「エチニル」とは、−(C≡C)−を指す。
「ハロ」または「ハロゲン」とは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指す。好ましいハロ基は、フルオロまたはクロロのいずれかである。
「ヒドロキシ」とは、ラジカル−OHを指す。
「ニトロ」とは、ラジカル−NOを指す。
「置換された」とは、1個以上の水素原子が各々独立して、同じまたは異なる置換基(単数または複数)と置き換えられる基を指す。代表的な置換基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:−X、−R46、−O、=O、−OR46、−SR46、−S、=S、−NR4647、=NR46、−CX、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N,−S(O)、−S(O)OH、−S(O)46、−OS(O)O、−OS(O)46、−P(O)(O、−P(O)(OR46)(O)、−OP(O)(OR46)(OR47)、−C(O)R46、−C(S)R46、−C(O)OR46、−C(O)NR4647、−C(O)O、−C(S)OR46、−NR48C(O)NR4647、−NR48C(S)NR4647、−NR49C(NR48)NR4647および−C(NR48)NR4647、ここで、各Xは、独立してハロゲンであり、各々R46、R47、R48およびR49は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアルキル、アリールアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換されたヘテロアリールアルキル、−NR5051、−C(O)R50もしくは−S(O)50であるか、または場合により、R50とR51は、それらの両方が結合する原子と一緒になって、シクロヘテロアルキル環もしくは置換されたシクロヘテロアルキル環を形成し、そしてR50およびR51は、独立して、水素、アルキル、置換されたアルキル、アリール、置換されたアルキル、アリールアルキル、置換されたアルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、シクロヘテロアルキル、置換されたシクロヘテロアルキル、ヘテロアルキル、置換されたヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換されたヘテロアリールアルキルである。
置換されたアリールの代表的な例としては、以下が挙げられる。
Figure 2011519376
これらの式において、R52およびR53のうちの一つは、水素であってもよく、そしてR52およびR53のうちの少なくとも一つは、各々独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロヘテロアルキル、アルカノイル、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、NR54COR55、NR54SOR55、NR54SO57、COOアルキル、COOアリール、CONR5455、CONR54OR55、NR5455、SONR5455、S−アルキル、S−アルキル、SOアルキル、SOアルキル、Sアリール、SOアリール、SOアリールから選択されるか、またはR52およびR53は、一緒になって5から8個の原子の環式環(飽和または不飽和の)を形成することが可能であり、場合により、N、OもしくはSの群から選択される一つ以上のヘテロ原子を含む。R54、R55およびR56は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、パーフルオロアルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、置換されたアリール、ヘテロアリール、置換されたアルキルまたはヘテロアルキルなどである。
「ヘテロ」とは、化合物、または化合物上に存在する基を記載するために使用される場合、化合物または基のうちの一つ以上の炭素原子が、窒素ヘテロ原子、酸素ヘテロ原子または硫黄ヘテロ原子によって置換されていることを意味する。ヘテロは、上記の任意のヒドロカルビル基(例えば、アルキル(例えば、ヘテロアルキル)、シクロアルキル(例えば、シクロヘテロアルキル)、アリール(例えば、ヘテロアリール)、シクロアルケニル、シクロヘテロアルケニル、など)に適用される場合があり、これは1から5個のヘテロ原子、特に1から3個のヘテロ原子を有する。
「ヘテロアリール」とは、親のヘテロ芳香環系のうちの単一の原子からの1個の水素原子を除去することによって誘導される、一価のヘテロ芳香族基を指す。代表的なヘテロアリール基としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アクリジンから誘導される基、アルシンドールから誘導される基、カルバゾールから誘導される基、β−カルボリンから誘導される基、クロマンから誘導される基、クロメンから誘導される基、シンノリンから誘導される基、フランから誘導される基、イミダゾールから誘導される基、インダゾールから誘導される基、インドールから誘導される基、インドリンから誘導される基、インドリジンから誘導される基、イソベンゾフランから誘導される基、イソクロメンから誘導される基、イソインドールから誘導される基、イソインドリンから誘導される基、イソキノリンから誘導される基、イソチアゾールから誘導される基、イソオキサゾールから誘導される基、ナフチリジンから誘導される基、オキサジアゾールから誘導される基、オキサゾールから誘導される基、ペリミジンから誘導される基、フェナントリジンから誘導される基、フェナントロリンから誘導される基、フェナジンから誘導される基、フタラジンから誘導される基、プテリジンから誘導される基、プリンから誘導される基、ピランから誘導される基、ピラジンから誘導される基、ピラゾールから誘導される基、ピリダジンから誘導される基、ピリジンから誘導される基、ピリミジンから誘導される基、ピロールから誘導される基、ピロリジンから誘導される基、キナゾリンから誘導される基、キノリンから誘導される基、キノリジンから誘導される基、キノキサリンから誘導される基、テトラゾールから誘導される基、チアジアゾールから誘導される基、チアゾールから誘導される基、チオフェンから誘導される基、トリアゾールから誘導される基、キサンテンから誘導される基など。好ましくは、ヘテロアリール基は、5〜15員の間のヘテロアリールであり、5〜10員のヘテロアリールが特に好ましい。特定のヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾール、およびピラジンから誘導される基である。
代表的なヘテロアリールの例としては、以下に挙げられる:
Figure 2011519376
式中、各々のYは、カルボニル、N、NR58、OおよびSから選択され、R58は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキルなどである。
本明細書中で使用されるように、用語「シクロヘテロアルキル」とは、N、OおよびSから独立して選択される一つ以上のヘテロ原子を含む、安定な複素環式非芳香環および複素環式縮合環を指す。縮合複素環式環系は、炭素環式環を含むことができ、そして複素環式環を一つのみ含んでいればよい。複素環式環の例としては、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペリジニルおよびモルホリニルが挙げられるが、これらに限定されず、そして以下:
Figure 2011519376
の例示的な例において示され、ここで、各Xは、CR58、CR58 、NR58、OおよびSから選択され、そして、各Yは、NR58、OおよびSから選択され、そして、R58は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキルなどである。これらのヘテロシクロアルキル環は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される、一つ以上の基で場合により置換されうる。置換する基としては、カルボニルまたはチオカルボニルが挙げられ、これらは例えば、ラクタム誘導体およびウレア誘導体を提供する。
代表的なシクロヘテロアルキルの例としては、以下:
Figure 2011519376
が挙げられ、式中、各Xは、CR58、CR58 、NR58、OおよびSから選択され、そして各Yは、カルボニル、N、NR58、OおよびSから選択され、そしてR58は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキルなどである。
置換基を含むヘテロ原子を有する代表的なアリールの例としては、以下が挙げられる:
Figure 2011519376
式中、各Xは、CR58 、NR58、OおよびSから選択され、そして各Yは、カルボニル、NR58、OおよびSから選択され、そしてR58は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロアルキルなどである。
「ヘテロ置換基」とは、ハロ原子を含む官能基、O原子を含む官能基、S原子を含む官能基またはN原子を含む官能基をいい、これらは、本発明の化合物の環(1個または複数の)に対する直接的な置換基として存在する、RC基におけるRとして存在し得るか、またはこの化合物において存在する「置換された」アリール基および「置換された」脂肪族基における置換基として存在し得る。
ヘテロ置換基の例としては、以下が挙げられる:
−ハロ、
−NO、−NH、−NHR59、−N(R59
−NRCOR,−NR59SOR59,−NR59SO59、OH、CN、
−COH、
−R59−OH、−O−R59、−COOR59
−CON(R59、−CONROR59
−SOH、−R59−S、−SON(R59
−S(O)R59、−S(O)59
式中、各R59は独立して、場合により置換を有するアリールまたは脂肪族である。R59基を含むヘテロ置換基のなかでも、本明細書中に定義されたアリールR59基およびアルキルR59基を有する物質が好ましい。好ましいヘテロ置換基は、上記に列挙した置換基である。
「ジヒドロキシホスホリル」とは、ラジカル−PO(OH)を指す。
「置換されたジヒドロキシホスホリル」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、ヒドロキシル基のうちの一方または両方が置換されたジヒドロキシホスホリルラジカルを指す。適切な置換基は、以下に詳細に記載される。
「アミノヒドロキシホスホリル」とは、ラジカル−PO(OH)NHを指す。
「置換されたアミノヒドロキシホスホリル」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、アミノヒドロキシホスホリルを指し、ここでそのアミノ基は一つまたは二つの置換基で置換されている。適切な置換基は、以下に詳細に記載される。特定の実施形態において、ヒドロキシル基もまた置換されてもよい。
「チオアルコキシ」とは、基−SR60をいい、ここでR60はアルキルである。
「置換されたチオアルコキシ」は、本明細書中で「置換された」の定義で記載される基を含み、そして特に、1個以上の置換基(例えば、1から5個の置換基、そして特に1から3個の置換基)を有するチオアルコキシ基をいい、この置換基は、アシル、アシルアミノ、アシルオキシ、アルコキシ、置換されたアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアミノ、アミノ、置換されたアミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換されたシクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換されたチオアルコキシ、チオアリールオキシ、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−およびアリール−S(O)−からなる群より選択される。
「スルファニル」とは、ラジカルHS−を指す。「置換されたスルファニル」とは、RS−などのラジカルを指し、ここでRは本明細書中に記載される任意の置換基である。
「スルホニル」とは、二価ラジカル−S(O)−を指す。「置換されたスルホニル」とは、R61−(O)S−などのラジカルを指し、ここでR61は、本明細書中に記載される任意の置換基である。「アミノスルホニル」または「スルホンアミド」とは、ラジカルHN(O)S−をいい、そして、「置換されたアミノスルホニル」「置換されたスルホンアミド」とは、R62 N(O)S−などのラジカルを指し、ここで各R62は、独立して、本明細書中に記載される任意の置換基である。
「スルホン」とは、基−SO63を指す。特定の実施形態において、R63はH、低級アルキル、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから選択される。
「チオアリールオキシ」とは、基−SR64を指し、ここでR64はアリールである。
「チオケト」とは、基=Sを指す。
「チオール」とは、基−SHを指す。
有機合成分野の当業者は、安定で化学的に実施可能な複素環式環におけるヘテロ原子の最大数が、芳香族性であれ非芳香族性であれ、環の大きさ、不飽和度およびヘテロ原子の原子価によって決定されることを理解する。一般に、複素環式環は、そのヘテロ芳香環が化学的に実現可能かつ安定である限り、1から4個のヘテロ原子を有し得る。
本明細書で使用されるように、「哺乳動物」は、ヒト(これに限定されない)を含む哺乳綱のクラスからなる高等脊椎動物の任意の一員を指す。
本明細書で使用されるように、「メラニン形成阻害剤」という用語は、メラニン形成細胞でのメラニン形成を阻害する能力を備えているとして既知であるか、あるいは本明細書で確認される、化合物または薬剤、天然材料の抽出物、もしくは同様のものについて説明するために使用される。
本明細書で使用されるように、「有効量」は、色素沈着の変化が望まれる皮膚、毛髪、毛皮、または羊毛の表面の領域をカバーするのに十分な量を意味する。
「医薬的に許容される」とは、連邦もしくは州政府の管理機関によって認可されるか、または米国薬局方に掲載されるかもしくは他の一般に認識される、動物における使用(そして特にヒトにおける使用)のための薬局方に掲載されることを意味する。
「医薬的に許容される塩」とは、医薬的に許容され、そして親化合物の所望される薬理学的活性を有する、本発明の化合物の塩を指す。このような塩としては、以下が挙げられる:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸と形成される酸付加塩、または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプタン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第3級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸と形成される酸付加塩、または(2)親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンもしくはアルミニウムイオン)によって置換される場合に形成される塩、もしくはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位する場合に形成される塩。塩としてはさらに、単なる例として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキルアンモニウムなどを含む、そして化合物が塩基性官能基を含む場合、無毒性の有機酸または無機酸の塩(例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、シュウ酸塩など)が挙げられる。
用語「医薬的に許容されるカチオン」とは、無毒性の許容される、酸性官能基のカチオン性対イオンを指す。このようなカチオンは、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、カルシウムカチオン、マグネシウムカチオン、アンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムカチオンなどによって例示される。
「医薬的に許容されるビヒクル」とは、希釈剤、アジュバント、賦形剤または担体を指し、これらと共に本発明の化合物が投与される。
「予防すること」または「予防」とは、疾患または障害を得る危険性の軽減(すなわち、疾患の臨床学的症状のうちの少なくとも一つを、疾患に未だ曝されておらずまたはその疾患に罹患しやすい傾向がなく、未だにその疾患の症状を体験も提示もしない対象において、進行させないこと)を指す。
「プロドラッグ」とは、本発明の化合物の誘導体を含み、切断可能な基を有し、そして加溶媒分解によって、または生理学的条件下においてインビボで医薬的に活性である本発明の化合物になる化合物を指す。このような例としては、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルホリンエステルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「溶媒和物」とは、通常は加溶媒分解反応によって、溶媒と結合された化合物の形態を指す。慣用的な溶媒としては、水、エタノール、酢酸などが挙げられる。本発明の化合物は、例えば、結晶形態で調製されることができ、そして溶媒和または水和され得る。適切な溶媒和物としては、医薬的に許容される溶媒和物(例えば、水和物)が挙げられ、そしてさらに、化学量論的溶媒和物および非化学量論的溶媒和物の両方が挙げられる。
「対象」は、ヒトを含む。用語「ヒト」、「患者」および「対象」は、本明細書中で互換的に使用される。
「治療有効量」は、疾患または状態を処置するために対象に投与される場合、その疾患または状態の処置を達成するのに十分である、化合物の量を意味する。この「治療有効量」は、化合物、疾患または状態およびその重篤度、ならびに処置される対象の年齢、体重などに依存して変動し得る。
任意の疾患または障害についての「処置/治療すること」または「処置/治療」とは、一つの実施形態において、疾患または障害を改善させること(すなわち、その疾患またはその臨床学的症状のうちの少なくとも一つの進行を抑止するかまたは軽減すること)を指す。別の実施形態において、「処置/治療すること」または「処置/治療」とは、少なくとも一つの物理的パラメータを改善することを指し、このことは対象によって識別可能でなくてもよい。なお別の実施形態において、「処置/治療すること」または「処置/治療」とは、物理的に(識別可能な症状の安定化)、生理学的に(物理的パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで、疾患または障害を調節することを指す。なお別の実施形態において、「処置/治療すること」または「処置/治療」とは、疾患または障害の発症を遅延させること、あるいはそれらを予防することさえを意味する。さらなる実施形態において、「処置/治療すること」または「処置/治療」とは、美容目的のために本発明の化合物または組成物を投与することを意味する。
本発明の化合物の他の誘導体は、それらの酸形態および酸誘導体形態の両方において活性を有するが、酸感受性形態において、哺乳動物生体における溶解性、組織適合性または遅延放出性という利点を与える場合が多い(Bundgard,H.,Design ofProdrugs,pp.7〜9,21〜24,Elsevier,Amsterdam 1985を参照)。プロドラッグは、当業者に周知の酸誘導体、例えば、親の酸と適切なアルコールとの反応によって調製されるエステル、または親の酸化合物と置換または非置換アミンとの反応によって調製されるアミド、または酸無水物、または混合無水物を包含する。本発明の化合物上の酸性基側鎖から誘導される単純脂肪族または芳香族エステル、アミドおよび無水物は、好適なプロドラッグである。ある場合に、ダブルエステル型プロドラッグ、例えば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを調製することが望ましい。本発明化合物の、C〜Cアルキルエステル、C〜Cアルケニルエステル、アリールエステル、C〜C12置換アリールエステル、およびC〜C12アリールアルキルエステルが好ましい。
本明細書で使用されるように、「同位体変異体」という用語は、そのような化合物を構成する原子の一つ以上において、非天然比率の同位体を含有する化合物を指す。例えば、化合物の「同位体変異体」は、一つ以上の非放射性同位体、例えば、重水素(HまたはD)、炭素−13(13C)、窒素−15(15N)などを含むことができる。そのような同位体置換がなされている化合物において、以下の原子が存在する場合、それらは変化する場合があり、従って、例えば、任意の水素がH/Dであり、任意の炭素が13Cであり、または任意の窒素が15Nである場合があり、かつ、そのような原子の存在および配置は当分野の技術範囲内で決定しうることが理解される。同様に、例えば、得られる化合物を薬物および/または基質組織分布試験に使用できる場合に、本発明は、放射性同位体を有する同位体変異体の調製を含みうる。放射性同位体トリチウム、即ちH、および炭素−14、即ち14Cは、それらの組み込みやすさおよび容易検出手段に鑑みて、この目的に特に有用である。さらに、陽電子放射同位体、例えば11C、18F、15Oおよび13Nで置換された化合物も調製でき、基質受容体占有率を調べる陽電子断層撮影法(PET)試験に有用である。
本明細書で提供されるすべての同位体変異体(放射性または非放射性)は、本発明の範囲に包含されるものとする。
同じ分子式を有するが、原子の結合の性質または配列、原子の空間配置が異なる化合物を「異性体」と称することも理解すべきである。原子の空間配置が異なる異性体を「立体異性体」と称する。
互いに鏡像でない立体異性体は、「ジアステレオマー」と称され、そして互いに重ね合わせることができない鏡像である立体異性体は、「エナンチオマー」と称される。化合物が不斉中心を有する場合、例えば、この不斉中心は四個の異なる基と結合し、一対のエナンチオマーが存在し得る。エナンチオマーは、その不斉中心の絶対配置によって特徴付けることができ、そしてCahnおよびPrelogのR−順位則およびS−順位則によって記述されるか、またはこの分子が偏光面を回転させる様式によって特徴付けられ、右旋性または左旋性(即ち、それぞれ(+)または(−)−異性体)と称される。キラル化合物は、個々のエナンチオマーとして、またはそれらの混合物としてのいずれかで存在しうる。等比率のエナンチオマーを含む混合物は、「ラセミ混合物」と称される。
「互変異性体」は、特定化合物構造の互換性の形態であって、水素原子および電子の置換において異なる化合物を意味する。従って、二つの構造が、π電子および原子(一般にH)の移動によって平衡となりうる。例えば、エノールおよびケトンは、酸または塩基での処理によって急速に相互変換されるので、互変異性体である。互変異性の他の例は、フェニルニトロメタンのaci−型およびニトロ−型であり、それらも同様に酸または塩基での処理によって形成される。
互変異性形態は、関心対象の化合物の最適化学反応性および生物学的活性の達成に関係しうる。
本発明の化合物は、一つ以上の不斉中心を有する場合があり、従って、そのような化合物は、個々の(R)−または(S)−立体異性体として、またはそれらの混合物として生成しうる。特に指定しない限り、明細書および特許請求の範囲における特定化合物の記載または命名は、それらの個々のエナンチオマー、および混合物(ラセミ体またはその他)の両方を包含するものとする。立体化学の決定および立体異性体の分離の方法は、当該分野において周知である。
(化合物)
本明細書で記述されるように、本発明はメラニン合成(メラニン形成)をコントロールする化合物の識別およびメラニン生産を修飾する(例えば、妨げる)ためのそのような化合物の使用およびその組成物に関する。本発明は、また、本発明の化合物と組成物を使用して、すべての病因の色素沈着過度、むらのある色素沈着などを含む異常な色素沈着(これに限定されない)からなる異常なメラニン形成活性の原因と関連する状態を予防および/または治療する方法に関する。
本発明によれば、メラニン形成をコントロールし、特に阻害することができる複数の化合物が同定された。これらの化合物(それらは、そのような能力を備えていると以前に確認されなかった)は、本明細書に掲載されて、新規なメラニン形成修飾剤として言及される。したがって、本発明は、インビトロおよびインビボでの適用で色素沈着を修飾する際のそれらの使用に向けられる。インビトロでの適用に関して、試験管ベースおよびさらなる細胞ベースのアッセイは、メラニン形成を変えるために本明細書に掲載される化合物の修飾バージョンおよび/または誘導体の能力を試すのに使用されうる。インビボでの適用は、本明細書で掲載された新規なメラニン形成阻害化合物の少なくとも一つを、予防上、治療上および/または美容上の目的のために色素沈着レベルを減少させるように、それを必要とする患者に投与することに向けられる。
したがって、本発明の一つの態様では、哺乳動物細胞で効果的かつ効率的にメラニン形成を阻害することができる化合物(本明細書ではメラニン形成阻害剤と称する)が同定された。メラニン形成を減少または阻害するそのような化合物の能力は、メラニン形成細胞のメラニン含量を減少させる利点に用いることができ、それは、今度は、皮膚、毛髪、羊毛、または毛皮の色の色素沈着の減少または美白をもたらす。上記から見て、本発明の新規メラニン形成阻害剤は、皮膚、毛髪、羊毛、または毛皮に局所適用してそれらの色を薄くすることが可能である。
本発明の一つの実施形態では、メラニン形成修飾剤、例えば、式(I):
Figure 2011519376
を有する阻害剤、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、ならびにその立体異性体、互変異性体および同位体変異体であるステロイド化合物が開示される。
本発明の一つの特定の実施形態では、式Iに関して、化合物はコネッシンである。
本発明の別の実施形態では、メラニン形成修飾剤、例えば、式(II):
Figure 2011519376
を有する阻害剤、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、ならびにその立体異性体、互変異性体および同位体変異体であるステロイド化合物が開示される。
本発明のさらなる実施形態では、メラニン形成修飾剤、例えば、式(III):
Figure 2011519376
を有する阻害剤、またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、ならびにその立体異性体、互変異性体および同位体変異体であるステロイド化合物が開示される。
本発明の一つの特定の実施形態では、式I〜IIIに関して、化合物は遊離の塩基である。
本発明の一つの特定の実施形態では、式I〜IIIに関して、化合物はモノ塩酸塩である。
本発明の一つの特定の実施形態では、式I〜IIIに関して、化合物はジ塩酸塩である。
本発明の一つの特定の実施形態では、式I〜IIIに関して、化合物は水和物塩である。
本発明のさらなる態様は、式I〜IIIに関する化合物および同様の作用をする薬剤の組み合わせを含む製剤に及ぶ。特定の実施形態において、同様の作用をする薬剤は、化粧用の成分および薬理学的活性薬剤から選択される。より詳しくは、化粧用の成分は、皮膚美白剤であり、そして、薬理学的活性薬剤は、別のメラニン形成阻害剤から選択される。
いま記述した組み合わせの特定の実施形態では、メラニン形成阻害剤が適応される疾患を治療するために有用な医薬品組成物が調製され、そして、それは組み合わせの治療的に有効な量を含み、そこでは、同様の作用をする薬剤は、薬理学的活性薬剤である。より詳しくは、同様の作用をする薬剤は、皮膚美白化合物である。
上記の組み合わせのさらなる実施形態では、化粧用または皮膚用の組成物を含む局所用製剤が調製され、その組成物は、上記の組み合わせの美容的および/または皮膚科学的に有効な量から成り、そこでは、同様の作用をする薬剤は、美用的に活性な薬剤である。より詳しくは、同様の作用をする薬剤は、皮膚美白化合物である。
本発明のさらなる態様では、本発明は、望ましくないまたは異常なメラニン形成を含む疾患または状態を予防、治療、改善または管理するための方法に及び、その方法は、そのような予防、治療、改善または管理を必要とする、あるいは希望する患者に、上に述べられ、説明された組み合わせの予防的または治療的に有効なメラニン形成阻害量を含む医薬組成物を投与することを含み、ここで、同様の作用をする薬剤は、薬理学的活性薬剤である。より詳しくは、同様の作用をする薬剤は、皮膚美白化合物である。
哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛、または毛皮での色素沈着を変更または回復するための方法は、哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛、または毛皮に、上に述べられ、説明された組み合わせの色素沈着の回復または変更に有効なメラニン形成阻害量を含む医薬組成物の量を投与することを含み、ここで、同様の作用をする薬剤が、美用的に活性な薬剤である。より詳しくは、同様の作用をする薬剤は、皮膚美白化合物である。
本発明の方法と組成物は、いろいろな用途のための活性成分としてここに掲載された化合物の一つ以上の使用が考えられる。特定の実施形態において、活性成分(複数可)は、許容できる担体と配合されて、例えば、美容的および/または治療的な皮膚病用途のために、皮膚への適用のための局所用製剤を形成する。局所用製剤は、軟膏、ローション、ペースト、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、シャンプー、粉末およびトランス経皮パッチを含むことが可能である。増粘剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤または結合剤が、必要に応じて使用されてもよい。好ましくは、担体の一つの機能は、活性成分の皮膚浸透性を強化することであり、インビボの条件下で活性成分をメラニン形成細胞に送達することができなければならない。適切な担体は、当業者に周知であり、リポソーム、エタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ワセリン(ペトロラタム)、鉱油(流動ワセリン)、水、ジメチルホルムアミド、デカオキシエチレン−オレイルエーテル、オレイン酸、2−ピロリドンおよびAzone(登録商標)ブランド浸透増強剤(Upjohn)を含む。特定の組成物は、表1に記載されるように、水、エタノール、プロパノールおよび/またはプロピレングリコールの基剤に溶解された、2−ピロリドン、オレイン酸および/またはAzone(登録商標)(浸透を高めるために添加される)の一つを用いて、有効成分を含むように製剤化されうる。
上で示されるように、リポソームを含むビヒクルは、本発明の組成物のいくつかの局所的な送達のために使用されうる。組成物に依存して、そして当業者の裁量に従い、そのようなリポソームは、非イオン性であってよく、そして、a)ジラウリン酸グリセリン(好ましくは、約5重量%と約70重量%の間の量で)、b)コレステロールに見られるステロイド骨格を有する化合物(好ましくは、約5重量%と約45重量%の間の量で)、およびc)好ましくは、まとめて約5重量%と約70重量%の間の量の、約12から約18の炭素原子を有する一つ以上の脂肪酸エーテルを含むことができ、そこでは、リポソームの構成化合物が、好ましくは、約37.5:12.5:33.3:16.7の比率である。いくつかの組成物に対して、ジラウリン酸グリセリン/コレステロール/ポリオキシエチレン−10−ステアリルエーテル/ポリオキシエチレン−9−ラウリルエーテル(GDLリポソーム)から成るリポソームが、好ましく使用される。リポソームは、組成物の全容量に基づき、約10mg/mLから約100mg/mL、より好ましくは、約20mg/mLから約50mg/mLの量で存在しうる。約37.5:12.5:33.3:16.7の比率は、特定の利点に使用されうる。適切なリポソームは、当該分野で一般に使われる標準的な方法に従って調製されうる。
上記の組成物は、適切な容器中で望ましい成分を配合し、Niemiecら(Pharm.Res.12:1184−88(1995)に開示された製剤などの非イオン性リポソーム製剤に関して当該分野で周知の任意の従来の高剪断混合手段で周囲条件下、それらを混合することにより調製することが可能であり、前記文献は、引用することによりその全体が本明細書に取り込まれる。そのようなリポソームの存在は、いくつかの組成物の色素脱失能を強化する。
他の製剤は、例えば、豆類または他の適切な植物から直接由来する大豆ミルクまたは他の液体の製剤を含んでもよい。そのような製剤は、例えば、大量の大豆ミルク、大豆ミルクの物理的安定性を維持する乳化剤、および場合により、キレート化剤、防腐剤、緩和剤、湿潤剤および/または増粘剤もしくはゲル化剤を含んでもよい。
当該分野で当業者に既知の、水中油型乳剤、油中水型乳剤、溶剤ベース製剤および水性ゲル剤もまた、本発明の組成物の送達用ビヒクルとして利用されてもよい。
特定の適用に依存して、本発明の組成物は、また、不活性または非活性な成分と同様に、他の活性成分を含んでもよい。そのような代替の実施形態では、局所的に活性な医薬または化粧用組成物は、場合により、保湿剤、化粧品アジュバント、界面活性剤、発泡剤、コンディショナー、湿潤剤、芳香剤、粘度付与剤、緩衝剤、防腐剤、日焼け止め剤および同様のものなどの他の成分と配合されてもよい。
特定の製剤は、少なくとも一つの活性成分(例えば、本明細書に記述される新規メラニン形成修飾剤)または以前に認識されて、そして、当該分野の当業者に公知でありうる、特に同様の作用を有する薬剤(例えば、皮膚美白剤および皮膚明色化剤)を含むことが可能である。同様の活性および/または特性を有することが知られている薬剤は、限定されるものではないが、漂白剤、チロシナーゼ阻害剤、α−ヒドロキシ酸、その塩および誘導体、α−ケト酸、その塩および誘導体、β−ヒドロキシ酸、その塩および誘導体、レチノイド、その塩および誘導体、ビタミンAおよび関連化合物、酸、フェノール、メトキシプロピル−グルコンアミド、副腎皮質ステロイド、例えば大豆抽出物で見られることがある、角化細胞へのメラノソームの移動を妨害する薬剤、コウジ酸、甘草抽出物、その他が挙げられる。
皮膚美白剤および皮膚明色化剤のさらなる非限定的な例としては、コウジ酸(5−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−4−ピラノン)、コウジ酸誘導体、例えばコウジ酸ジパルミテート、アルブチン、デオキシアルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、硫黄含有分子、例えばグルタチオンまたはシステイン、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびそれらの誘導体、N−アセチルチロシンおよび誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、4−アルキルレゾルシノール、4−(1−フェニルエチル)−1,3ジヒドロキシベンゼン、クロモン誘導体、例えばアロエシン、フラボノイド、チモール誘導体、1−アミノエチルホスフィン酸、チオ尿素誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド(ニアシンアミド)、亜鉛塩、例えば塩化亜鉛など、またはグルコン酸塩、ツジャプリシンおよび誘導体、トリテルペン、例えばマスリン酸、ステロール、例えばエルゴステロール、ベンゾフラノン、例えばセンキュノリド、ビニルおよびエチルグアヤコール、ジオン酸、例えばオクトデセンジオン酸およびアゼライン酸、窒素酸化物合成阻害剤、例えばL−ニトロアルギニンおよびそれらの誘導体、2,7ジニトロインダゾールまたはチオシトルリンなど、金属キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体)、レチノイド、豆乳と抽出物、セリンプロテアーゼ阻害剤またはリポ酸、または皮膚および毛髪の美白のための他の合成もしくは天然の活性成分であり、ここで後者は植物からの抽出物、例えばクマコケモモ抽出物、コメ抽出物、パパイヤ抽出物、および甘草根抽出物など、またはそれら抽出物から濃縮された構成成分、例えばグラブリジンまたはリコカルコンA、パンノキ抽出物、ルメクスおよびラムルス種由来抽出物、マツ種(マツ属)由来抽出物およびヴィティス種由来抽出物、またはそれらから濃縮されたスチルベン誘導体、ユキノシタ、クワ、スクテラリアおよび/またはブドウの抽出物が挙げられる。
本発明による製剤における、皮膚と毛髪の美白または明色化のため(一つ以上の化合物)のさらなる活性成分の前記の例の量は、製剤の総重量に基づき、約0.01重量%から約30重量%、特に約0.01重量%から約20重量%、そしてより特別には、約0.01重量%から約5重量%であってよい。前記の範囲は、制限のためではなく、説明するために示される。
服用療法は、数日から数カ月続く治療期間で、あるいは適用に依存して、治療が実施されるか、または病状の減少を達成するか、または美容上、望みの程度のメラニン形成の修飾(例えば、色素沈着の減少)が達成されるまで、容易に決定されうるいくつかの要因(例えば、治療すべき状態の重症度や応答性)に依存して通常、一日につき一回以上の服用量である。当業者は、最適の投薬量、服用方法論および繰り返し率を容易に決定することが可能である。一般に、局所用製剤(例えば、クリーム、ローション、溶液、その他)は、0.01%から約50%、好ましくは、約0.1%から約10%の活性成分の濃度を有すると考えられる。一般に、本発明による単位投薬量形態の組成物は、約0.01mgから約100mgの活性成分、好ましくは、0.1mgから約10mgの活性成分を含むと考えられる。
一般に、哺乳動物でのメラニン産生と色素沈着を減少または抑制するメラニン形成阻害剤または化合物は、例えば、美容目的の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮の美白および/または明色化のために、あるいは白斑、そばかす、ほくろ、真皮メラノサイトーシス、カフェオレ斑、炎症後色素沈着過度、その他などの色素沈着過度またはむらのある色素沈着障害の治療のために、有用である。そのような色素脱失の適用に対しては、製剤および服用量は、上述したとおりである。
特定の態様では、本発明は、本発明化合物のプロドラッグと誘導体を提供する。プロドラッグは、本発明化合物の誘導体であり、それは、代謝的に切断可能な基を有し、加溶媒分解によって、または、生理的条件下で本発明の化合物となり、それらは、インビボで医薬的に活性である。そのような例としては、コリンエステル誘導体など、N−アルキルモルホリンエステルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物の他の誘導体は、それらの酸型および酸誘導体型の両方で活性を有するが、酸感受性型は、哺乳動物器官での可溶性、組織適合性または遅延型放出の利点を提供する(参照:Bundgard,H.,Design of Prodrugs,pp.7〜9,21〜24,Elsevier,Amsterdam 1985)。プロドラッグは、例えば、親の酸の適切なアルコールとの反応によって調製されたエステル類、あるいは親の酸性化合物と置換または非置換のアミンとの反応によって調製されたアミド類、または酸無水物、または混合酸無水物などの、当業者に周知の酸誘導体をしばしば含む。本発明の化合物上の酸性基側基に由来する単純な脂肪族または芳香族のエステル類、アミド類および無水物は、好ましいプロドラッグである。場合によっては、(アシルオキシ)アルキルエステル類または((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステル類などの二重エステル型プロドラッグを調製することが望ましい。本発明化合物のC〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、アリール、C〜C12置換アリール、およびC〜C12アリールアルキルのエステル類が好ましい。
本発明は、また、式I〜IIIの前記化合物のいずれかの医薬的に許容される酸付加塩および塩基塩に関する。本発明の前記塩基化合物の医薬的に許容される酸付加塩を調製するために使用する酸は、非毒性酸付加塩、すなわち、薬理学的に許容されるアニオンを含有する塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、酒石酸水素塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩(すなわち、1,1−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))である。
本発明による有用な本質的に塩基性の化合物は、各種無機酸および有機酸と広範囲の塩を形成することができる。それらの塩は、動物投与のために医薬的に許容されなければならないが、実際には最初は反応混合物から医薬的に許容されない塩として式Iの化合物を単離し、次にこれをアルカリ試薬で処理して遊離塩基化合物に簡単に変換し、続いてこの遊離塩基を医薬的に許容される酸付加塩に変換するのがしばしば望ましい。本発明の活性塩基化合物の酸付加塩は、その塩基化合物を実質的に等量の選択した鉱酸または有機酸で水性溶媒中またはメタノール、エタノールなどの適切な有機溶媒中で処理することにより容易に調製される。溶媒を慎重に蒸発させれば、所望の固形塩が容易に得られる。
本発明による有用な本質的に酸性のこれらの化合物は、各種の医薬的に許容されるカチオンと塩基塩を形成することができる。そのような塩の例には、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、特にナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。これらの塩は従来技術により調製できる。本発明の医薬的に許容される塩基塩を調製するために試薬として使用される化学的塩基は、式Iの酸性化合物と非毒性の塩基塩を形成するものである。そのような非毒性の塩基塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウムおよびマグネシウムなどの医薬的に許容されるカチオンから誘導されたものが挙げられる。これらの塩は、対応する酸性化合物を所望の医薬的に許容されるカチオンを含有する水溶液で処理し、次に得られた溶液を好ましくは減圧下で蒸発乾固することにより容易に調製することができる。あるいはまた、酸性化合物の低級アルカノール溶液と所望のアルカリ金属アルコキシドを一緒に混合し、次に得られた溶液を上記のごとく蒸発乾固することによっても調製することができる。いずれの場合も反応の完結および所望の最終生成物の最大収率を確実にするために化学量論的な量の試薬を使用するのが好ましい。
本発明による有用な化合物、およびそれらの医薬的に許容される塩は、ヒトの色素沈着障害、例えば日光黒子および単純黒子(しみ/褐色斑を含む)、黒皮症/肝斑および炎症後の色素沈着過度の治療に有用である。このような化合物は、メラニン産生が構成性であるかUV照射(例えば日光曝露)への応答であるかに関係なく、メラニン産生を阻害することにより皮膚のメラニンレベルを減少させる。したがって、本発明で使用されるある活性化合物を使用すれば、病的状態ではない皮膚のメラニン量を減少させ、その結果ユーザが所望するような皮膚のより白い色調を誘起したり、UV照射に曝露された皮膚にメラニンが蓄積するのを防止したりすることができる。皮膚剥離剤(例えば、グリコール酸またはトリクロロ酢酸顔面剥離剤)と組み合わせて使用すると、皮膚の色調を白くし、再色素沈着を防止することができる。
適切な投与レジメ、投与される各服用量、および活性化合物の具体的な服用間隔は、使用する特定の活性化合物、治療中の患者の状態、および治療中の疾患または状態の性質および重篤度に応じて変化する。好ましくは、活性化合物は、治療中の疾患または状態の望ましい処置または改善をもたらす投薬量と間隔で投与される。
皮膚白色化のために、本発明で使用する活性化合物を日焼け止め(UVAまたはUVB遮断剤)と組み合わせて使用することにより、再色素沈着を予防し、太陽またはUVで誘起される皮膚の黒色化を防止し、あるいは活性化合物の皮膚メラニン減少能および皮膚漂白作用を高めることができる。皮膚白色化のために、また、本発明で使用する活性化合物をレチノイン酸もしくはその誘導体またはレチノイン酸受容体と相互作用する化合物と組み合わせて使用することにより、本発明の皮膚メラニン減少能および皮膚漂白作用を促進または高めることができ、あるいは本発明の皮膚メラニン蓄積防止能を高めることができる。また、皮膚白色化のために、本発明で使用する活性化合物を4−ヒドロキシアニソールと組み合わせて使用することができる。皮膚白色化のために、本発明で使用する活性化合物は、また、アスコルビン酸、その誘導体およびアスコルビン酸を基礎とする生成物(例えばアスコルビン酸マグネシウム)または抗酸化メカニズムを有する他の生成物(例えばレスベラトロール)と組み合わせて使用することにより、活性化合物の皮膚メラニン減少能および皮膚漂白作用を促進または高めることができる。
本発明は、また、メラニン産生を減少させるか、皮膚色素沈着を減らすために有用な化合物を提供し、それは式I〜IIIの化合物、ならびにそのプロドラッグおよび類似体に相当し、そして、それらを含む医薬組成物に相当し、それらの任意の医薬的に許容される塩または溶媒和物を含む。
本明細書に記述されるものと類似または均等な方法と材料は、本発明の実施または試験に使用することができるが、好ましい方法と材料が以下に記載される。材料、方法、および実施例は、説明のためだけであり、制限する意図ではない。本発明の他の特徴および利点は、発明を実施するための形態、実施例、および特許請求の範囲から明らかとなる。
(合理的なドラッグデザイン)
本発明方法で同定された化合物または本明細書に開示された化合物は、より有効な化学的類似体を設計する分子モデリング技法の基礎として役立ちうる。例えば、本明細書に掲載された任意の化合物の化学的類似体をこれらの、または他のモデリング技法を使用して作製することができる。分子モデリングシステムの例は、CHARM(Polygen Corporation,Waltham,Mass)およびQUANTA(Molecular Simulations Inc.,San Diego,Calif.)のプログラムである。CHARMは、エネルギーの最小化および分子動力学機能を実行する。QUANTAは、構造、グラフィックモデリング、および分子構造分析を実行する。QUANTAによって、相互作用構造、修飾、視覚化、および分子相互の挙動解析が可能である。
例えば、本発明化合物は、さらに、Ludi、Insight II、C−Minimizer and Affinity(Molecular Simulations Inc.,San Diego,Calif.)などのモデリングパッケージを使用して、より有効な類似体を設計するために使用することができる。特に好ましいモデリングパッケージはMacroModel(Columbia University,New York,N.Y.)である。
本発明化合物は、合理的なコンビナトリアルライブラリを開発する基礎としてさらに使用することができる。そのようなライブラリは、また、より有効な化合物を同定するためにスクリーニングされることができる。そのコンビナトリアルライブラリの特性は各種の要因、例えばライブラリの基礎を形成するために本発明の好ましい化合物から選択した特定の化合物、および樹脂を使用してライブラリを合成する意図といった要因に依存するが、本発明化合物は、C−QSAR(Molecular Simulations Inc.,San Diego,Calif.)などのコンビナトリアルデザインプログラムに適した必要なデータを提供することが認められるであろう。
(メラニン形成を阻害する方法)
上記のように、本発明の化合物は、動物または望ましくは、メラニンの産生または生産過剰によって引き起こされる疾患、状態または障害を有するヒトを治療するのに用いることができる。そのような疾患、状態または障害としては、皮膚または毛髪の変色、例えば、炎症が原因の、または黒皮症などの疾患由来の色素沈着過度、または「カフェオレ」斑などの褐色斑によって特徴づけることができるものが挙げられる。あるいはまた、対象は、毛髪または皮膚白色化を望む場合もある。
本出願の目的上、「治療」、「治療的使用」、「医療的使用」の用語は、いかなる方法によってでも、疾患状態または一つ以上の症状を治癒するか、または疾患または一つ以上の他の望ましくない症状の進行を予防、抑止、遅延または逆転する本発明組成物の任意のあらゆる使用を言うものとする。
さらに、本発明は、皮膚色素沈着を阻害する方法および医薬組成物を提供し、それは、単独で、または他の同様の薬剤との組み合わせで本発明の化合物を使用することを含む。例えば、そのようなさらなる薬剤は、P−タンパク質機能を模倣または増大することにより、および/または後期エンドソーム/リソソーム輸送を修飾することにより、機能すると考えられる薬剤を含みうる。そのような医薬組成物およびそれらの対応する方法は、メラニン産生の減少および/または阻害に、したがって皮膚色素沈着の減少に有用である。これら薬剤は単独で、相互の組み合わせで、あるいは色素沈着を阻害する他の薬物との組み合わせで使用してよい。非制限的な例として、色素沈着を阻害する他の薬物にはチロシナーゼ阻害剤が挙げられる。本発明の方法および医薬組成物の投与対象は、脊椎動物が好ましく、さらに好ましくは哺乳動物であり、最も好ましくはヒトである。
「約」の用語は、「おおよそ」、「大雑把に」、「およそ」、あるいは、「ほぼ」を意味するように本明細書では使用されている。「約」の用語が数値範囲に結合して使用されている場合には、その範囲はその境界が設定されている数値の上および下に拡張されて修正される。一般に、本明細書では「約」の用語は記述されている値の上下20パーセントの偏差で数値を修正するように使用されている。
「メラニン産生が減少」の句は、本発明化合物に曝されたメラニン形成細胞が新たに合成するメラニン量が、コントロールによる無処理メラニン形成細胞が新たに合成するメラニン量に比べて、検出可能な程度に低下することを意味する。現に使用されている「低下する」の用語は、新たに合成されるメラニン量が、第1の場合、少なくとも約10%減少することを、さらなる場合、少なくとも約25%減少することを、そして、なおさらなる場合、少なくとも約50%減少することを言う。
「後期エンドソーム/リソソーム輸送」の用語は、タンパク質、脂質、または他の化合物が異なる細胞区画の間を移動することを言うように本明細書では使用されている。これらの移動には、これら化合物が後期エンドソームからリソソームへ、リソソームから後期エンドソームへ、後期エンドソームまたはリソソームからトランスゴルジ網へ、およびトランスゴルジ網から後期エンドソームまたはリソソームへ移動することが挙げられる。
後期エンドソーム/リソソーム輸送の変質は、メラニン形成細胞を化合物、例えばプロゲステロン、疎水性アミン、スフィンゴシン、後期エンドソーム/リソソーム輸送のアンタゴニスト、あるいは本明細書に記述された式(I)〜(IV)の化合物のいずれかに接触させることにより実施されてよい。
当業者が本開示を見れば分かるように、本発明方法で使用する化合物は、単独でも相互に組み合わせて使用してもよい。さらに本発明方法には、チロシナーゼ阻害剤などのメラニン合成に作用する当該分野で既知の他の化合物のさらなる使用も含まれる。そのような阻害剤は当業者には公知であり、レゾルシノール、ヒドロキノン、コウジ酸、およびメラミンの種々の誘導体、ならびに、なかでも、各種タイプの植物抽出物が挙げられる。
したがって、本発明は、本発明に従って使用する活性化合物またはその医薬的に許容される塩および上に言及された一つ以上の他の活性成分を共に同一の医薬組成物の一部として投与して皮膚の色素沈着を修飾、特に阻害する方法、および併用治療の利益を得るように設計された適切な投与レジメの一部として別々に投与する方法の両方に関する。適切な投与レジメ、各投薬量および各活性薬剤の特定の投与間隔は、使用する活性薬剤の特定の組み合わせ、治療中の患者の状態、および治療中の疾患や状態の性質および重篤度に応じて変化する。このような追加活性成分の一般的な投薬量は、それらが単一の局所治療剤として有効となる量より少ないか同量である。ヒトへの投与についてFDAの承認を得ているこれら活性薬剤のFDA承認投薬量は一般に入手可能である。
例えば、本発明の皮膚白色化方法により使用される任意の化合物は、当該分野で現在既知のあるいは将来開発されるチロシナーゼ阻害剤または他の皮膚白色剤および/または皮膚明色化剤、例えば以下の特許刊行物に記載の一つ以上の薬剤と組み合わせて使用してもよい:なかでも、米国特許第4,278,656号(Nagaiら、発行日:1981年7月14日)、米国特許第4,369,174号(Nagaiら、発行日:1983年1月18日)、米国特許第4,959,393号(Toriharaら、発行日:1990年9月25日)、米国特許第5,580,549号(Fukudaら、発行日:1996年12月3日)、米国特許第6,123,959号(Jonesら、発行日:2000年9月26日)、米国特許第6,132,740号(Hu、発行日:2000年10月17日)、米国特許第6,159,482号(Tuloupら、発行日:2000年12月12日)、WO99/32077(L’Oreal、公開日:1999年7月1日)、WO99/64025(Fytokem Prod.Inc.、公開日:1999年12月16日)、WO00/56702(Pfizer.Inc.、公開日:2000年9月28日)、WO00/76473(Shiseido Co.Ltd.、公開日:2000年12月12日)、EP997140(L’Oreal SA、公開日:2000年5月3日)、特開平5−221846号(Kunimasa Tomoji、公開日:1993年8月31日)、特開平7−242687号(Shiseido Co.Ltd.、公開日:1995年9月19日)、特開平7−324023号(Itogawa H、公開日:1995年12月12日)、特開平8−012552号(Shiseido Co.Ltd.,公開日:1996年1月16日)、特開平8−012554号(Shiseido Co.Ltd.、公開日:1996年1月16日)、特開平8−012557号(Shiseido Co.Ltd.、公開日1996年1月16日)、特開平8−012560号(Shiseido Co.Ltd.、公開日:1996年1月16日)、特開平8−012561号(Shiseido Co.Ltd.、公開日:1996年1月16日)、特開平8−134090号(Fujisawa、公開日:1996年5月28日)、特開平8−168378号(Kirinjo KK、公開日:1996年7月2日)、特開平8−277225号(Kansai Koso KK、公開日:1996年10月22日)、特開平9−002967号(Sanki Shoji KK、公開日:1997年1月7日)、特開平9−295927号(Yagi Akira、公開日:1997年11月18日)、特開平10−072330号(Kansai Kouso、公開日:1998年3月17日)、特開平10−081626号(Kamiyama KK、公開日:1998年3月31日)、特開平10−101543号(Kansai Kouso KK、公開日:1998年4月21日)、特開平11−071231号(Maruzen Pharm.、公開日:1999年3月16日)、特開平11−079934号(Kyodo Nyugyo、公開日:1999年3月23日)、特開平11−246347号(Shiseido Co.Ltd.、公開日:1999年9月14日)、特開平11−246344号(Shiseido Co.Ltd.、公開日:1999年9月14日)、特開2000−080023号(Kanebo Ltd.、公開日:2000年3月21日)、特開2000−095663号(Kose KK、公開日:2000年4月4日)、特開2000−159681号(Hai Tai Confectionary Co.Ltd.、公開日:2000年6月13日)、特開2000−247907号(Kanebo Ltd.、公開日:2000年9月12日)、特開平9−002967号(Sanki Shoji KK、公開日:1997年1月7日)、特開平7−206753号(Nikken Food KK、公開日:1995年8月8日)、特開平5−320025号(Kunimasa T、公開日:1993年12月3日)、特開昭59−157009号(Yakurigaku Chuou KE、公開日:1984年9月6日)、およびWO2007/110415(Symrise GmbH & Co.,KG、公開日:2007年10月4日)、これら特許刊行物は引用によりその全体が本明細書に取り込まれる。
後期エンドソーム/リソソーム輸送の変更を引き起こす化合物の非限定的な例は、本明細書の式I〜IIIの化合物を単独で、または互いに組み合わせて含む。特定の誘導体は、本明細書に記述されてきた。
別の態様として、本発明は、皮膚色素沈着の減少方法の提供である。この方法では、後期エンドソーム/リソソーム輸送に変化をもたらす医薬的に有効量の化合物に皮膚を接触させ、後期エンドソーム/リソソーム輸送の変化の結果、皮膚色素沈着が減少する。
「皮膚色素沈着が減少」の句は、皮膚のメラニン量が検出可能な程度に低下し、好ましくは新たに合成されるメラニン量が低下する結果として皮膚の白色化をもたらすことを意味する。現に使用されている「低下する」の用語は、新たに合成されるメラニン量が、第1の場合、少なくとも約10%減少することを、さらなる場合、少なくとも約25%減少することを、そして、なおさらなる場合、少なくとも約50%減少することを言う。新たに合成されるメラニンの低下は、肉眼によって視覚的に識別可能であること、すなわちその生起を検出するのに顕微鏡または他の手段を必要としないのが好ましい。
また本発明は、皮膚の後期エンドソーム/リソソーム輸送に変質をもたらす化合物の有効量に皮膚を局所的に接触させることにより皮膚色素沈着の減少を可能にする。本発明のこれら方法に有用な化合物に上記の化合物が挙げられる。
(医薬適用)
医薬的使用のためには、本発明化合物は、医薬組成物の一部であるのが好ましい。そのような化合物の有効量を医薬的に許容される担体中に含有する医薬組成物は、メラニンを産生または過剰産生するタイプの疾患、障害、または状態を有する患者、ヒトまたは動物に投与することができる。
特定の疾患、障害、または状態を治療するのに有効な化合物量は、疾患、障害、または状態の性質に応じて変化し、標準的な臨床技術により決定することができる。可能であるならば、治療する組織型に対する化合物の細胞毒性をインビトロで、次に有用な動物モデル系で決定してからヒトで試験および使用するのが望ましい。
化合物は、メラニン合成を減少または増進するために哺乳動物の体の作用部位への活性薬剤の接触をもたらすどのような手段によっても投与することが可能である。化合物の投与は、医薬品とともに使用する通常の手段が可能であって、各個別の治療剤としてでも治療薬剤の組み合わせでもよい。各々は単独でも投与できるが、選択した投与経路および標準的な医薬実務に基づいて選択した医薬用担体と共に投与するのが好ましい。本発明の医薬組成物は、経口投与、非経口投与、経腸投与、および好ましくは局所投与に適合させることができ、そして医薬分野の当業者に周知の方法で単位剤形により投与できる。非経口投与には、皮下、静脈内、腹腔内、または筋肉内注射が挙げられるが、これらに限定されない。しかし、局所投与が好ましい。
(化粧品適用)
医薬的使用に加え、本発明方法は化粧目的に有用である。本発明方法の化粧適用には、皮膚または毛髪の視覚的外観を向上または変化させる一つ以上の化合物を含む組成物の局所適用が挙げられる。メラニンの産生、過剰産生または過少産生の結果、皮膚または毛髪に顕著で望ましくない色素沈着が生起しても、本発明方法で処理することができる。このように、そして上記したように、本発明の化合物と組成物は、皮膚または毛髪の外観を明るくし、光沢などを与え、または増強するようにして、皮膚または毛髪の外観の改善を達成するために使用することができる。これらの目的のための適切な製剤は、当業者によって調製されることができ、そして、そのような製剤の詳細は、本発明の範囲内であると考えられる。
(終点および投薬量)
有効な投薬量および治療のプロトコルは、従来手段で決定することができ、実験動物において先ず低投薬量で開始し、そして次にその効果をモニターしながら投薬量を増量し、そして投与レジメもまた系統的に変化させる。通常は、動物試験、好ましくは哺乳動物試験を利用して生物活性薬剤の体重キログラム当りの最大耐用量MTDが決定される。当業者はヒトを含む他の種に対する有効性の投薬量および毒性の回避をするための投薬量を推定することができる。
ヒトで有効性の試験を行う前に、正常対象での第I相臨床試験が、安全投薬量の確立に助けとなる。臨床家は多数の要因を考慮して所定の対象のための最適投薬量を決定することができる。それら要因の中で、Pタンパク質機能に影響を及ぼす、もしくは模倣する、または後期エンドソーム/リソソーム輸送を阻害する選択された化合物の毒性と半減期が主要である。追加の要因には、患者の大きさ、患者の年齢、患者の一般的な状態、治療中の特定の疾患、状態または障害、治療中の疾患、状態または障害の重篤度、患者における他の薬物の存在、所望する効果、などが挙げられる。動物試験の結果と臨床文献を考慮した上で、試用投薬量が選択される。
当業者は理解することであるが、特定事例で選択した終点は治療中の疾患、状態または障害、患者、対象または担当医師が所望する成果、および他の要因に従って変化する。組成物を美容目的で使用して、例えば炎症または黒皮症などの疾患が原因の色素沈着過度を逆転させて皮膚の色を白色化したり、あるいは毛髪の色を修正したりする場合、多数の終点のいずれか1つを選択することができる。
そのような場合、例えば、対象が治療の結果に単純に「満足」している場合などと終点を主観的に定義することができる。薬理学的な適用のために、終点は、治療結果に対する患者または担当医師の満足度によって決定することができる。あるいはまた、終点は客観的に定義することができる。例えば、患者または対象の処置区域における皮膚または毛髪を色見本と比較することができる。処置区域の皮膚または毛髪の色が見本の色に外観上類似する時点で処置は終了できる。あるいはまた、処置した皮膚または毛髪の反射率は測定でき、処置した皮膚または毛髪が特定の反射率を獲得した時点で処置は終了できる。あるいはまた、処置した皮膚または毛髪のメラニン含量を測定することができる。処置した皮膚または毛髪のメラニン含量が特定の値に到達した時点で処置は終了する。メラニン含量は当該分野に公知の方法で、例えば、組織学的な方法で決定することができ、メラニンに対する染色による増強をしてもしなくてもよい。
(投与方法)
本発明の化合物は、例えばパッチ、軟膏、クリーム、ゲル、ローション、溶液、泡、マスクまたは経皮投与により局所的に投与することができる。また、化合物は、例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル、錠剤、粉末などの固形または半固形の投与剤形、またはエリキシル、シロップ、懸濁液などの液状投与剤形で経口的に投与することができる。さらに、化合物は、滅菌液体投与剤形あるいは坐薬剤形で非経口的に投与することができる。
インビボでの使用を意図しているので、組成物は、例えば、少なくとも食品(NF)グレードで、一般的には少なくとも分析用グレードで、および好ましくは少なくとも医薬グレードで高純度であり、かつ有害の恐れのある不純物を実質的に含まないのが好ましい。所定の化合物を使用する前に合成する必要がある程度に応じて、その合成またはそれに続く精製は、合成または精製の過程で使用されたかもしれない任意の潜在的に混入する恐れのある毒性薬剤を実質的に含まない生成物をもたらすのが好ましい。
本発明化合物の投与に有用な医薬投与剤形を以下に説明する。
医薬組成物を皮膚に直接適用することができる。あるいはまた、それらは、各種の経皮薬物送達システム、例えば、当分野に既知の経皮パッチにより送達することができる。例えば、局所投与のために、当該分野で周知の方法によって、活性成分を溶液、ゲル、ローション、軟膏、クリーム、懸濁液、泡、マスク、ペースト、リニメント、粉末、チンキ、エアロゾル、パッチなど、医薬品または化粧品で許容される形態に製剤化することができる。組成物は、動物またはヒトに局所投与するための医薬品または化粧品分野で一般的な各種形態、例えば、以下に説明する溶液、ローション、スプレー、クリーム、軟膏、サルベ、ゲルなどのいずれかとすることができる。好ましい薬剤は、処置区域に残存するのに十分な粘性があるもの、容易に蒸発しないもの、および/または、場合により石鹸、クレンザーおよび/またはシャンプーを援用して水で濯ぐと容易に除去されるものである。局所用製剤の実際の製造方法は、当業者に既知または明瞭であり、Remington’s Pharmaceutical Sciences,1990(前掲)、およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,6th ed.,Williams & Wilkins(1995)に詳細に記述されている。
活性成分の経皮吸収を増進するために、局所用製剤に一つ以上の多数の薬剤、例えば、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン、アルコール、アセトン、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(ただし、これらに限定されない)を加えることができる。さらに、イオン導入または超音波導入などの物理的な方法をまた使用して経皮透過を増進することができる。あるいはまた、さらにリポソームを利用してもよい。
局所投与される本発明組成物には、本明細書で記述された医薬的に有効量の少なくとも一つの本発明化合物が含まれ、そして担体、例えば、乳剤、クリーム、軟膏、眼軟膏、水溶液、ローション、またはエアロゾルとして使用するのに必要な成分が含有される。これら担体の非制限的な例は、以下に詳細に説明され、そして国際特許出願公開WO00/62742(公開日:2000年10月26日)、米国特許第5,691,380号(Masonら、発行日:1997年11月25日)、米国特許第5,968,528号(Decknerら、発行日:1999年10月19日)、米国特許第4,139,619号(Chidsey,III、発行日:1979年2月13日)および米国特許第4,684,635号(Orentreichら、発行日:1987年8月4日)に見ることが可能であり、これらは引用により本明細書に取り込まれる。適切な医薬用担体は、さらにこの分野の標準的な参考書Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,PA(1990)に記載されている。
本発明の医薬品組成物はまた、その他の任意の成分を含んでもよい。このような任意の成分は、角質組織への適用に好適でなければならず、換言すれば、組成物内に取り込んだとき、それら成分は、十分な医学的判断の範囲内にある過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などがなく、ヒト角質組織と接触させて使用するのに適している。さらにこのような任意の成分は、本発明の活性化合物の利益を容認しがたい形で変化させない限り、有用である。The CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、Second Edition(1992年)は、スキンケア産業で一般的に使用されている様々な非限定的な化粧用および医薬品用成分を記載しているが、これらは本発明の組成物での使用に好適である。これら成分クラスの例としては、研磨成分、吸湿成分、エステティック成分(芳香剤、顔料(pigents)、染料/着色剤、エッセンシャルオイル、皮膚知覚成分、収斂剤など(例えば、丁子油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、アメリカマンサク蒸留エキス))、ニキビ治療薬、凝固防止剤、消泡剤、抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカルバメート)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、増量剤、キレート剤、化学添加剤、着色剤、化粧品用収斂剤、化粧品用殺菌剤、変性剤、薬用収斂剤、外用鎮痛剤、組成物(例えば、エイコセンとビニルピロリドンのコポリマー)の膜形成特性と持続性を助けるための塗膜形成剤または塗膜材料(例えばポリマー)、不透明化剤、pH調整剤、推進剤、還元剤、金属イオン捕捉剤、皮膚コンディショニング剤(例えば、湿潤剤、種々雑多のものおよび閉鎖型のものを含む)、皮膚軟化剤および/または治癒剤(例えば、パンテノールと誘導体(例えば、エチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸とその誘導体、アラントイン、ビサボロール、およびグリチルリチン酸(glycyffhizinate)二カリウム)、皮膚処理剤、増粘剤、ならびにビタミンとその誘導体が挙げられる。
薬学的有効量の本明細書に開示された薬剤に加え、本発明の局所組成物は、さらに皮膚科学的に許容される担体を含む。本明細書で用いる句「皮膚科学的に許容される担体」とは、この担体が皮膚、即ち角質組織への局所適用に好適であること、良好な審美特性を有すること、本発明の活性作用物質およびその他成分に適合していること、ならびに安全性または毒性に関する問題を起こさないことを意味する。担体の安全有効量は、組成物の約50%から約99.99%、好ましくは約80%から約99.9%、より好ましくは約90%から約98%、そして最も好ましくは約90%から約95%である。
本発明の組成物で利用される担体は、様々な形態が可能である。そのような形態としては、水中油型、油中水型、水中油中水型、およびシリコン中水中油型の乳剤担体、クリーム、軟膏、水溶液、ローションまたはエアゾールを含むがこれらに限定されない。当業者により理解される様に、加えられた成分は組成物中のその成分が持つ水溶性/分散性に従って主として水または油/シリコン相のいずれかに分配される。
本発明による乳剤は、一般には薬学的有効量の本明細書に開示された薬剤と脂質または油を含む。脂質および油は、動物、植物または石油に由来するものでよく、そして天然または合成(即ち人工)のいずれのものでもよい。好ましい乳剤はグリセリンなどの保湿剤も含む。好ましくは、乳剤はさらに担体重量をベースとして約1%から約10%、より好ましくは約2%から約5%の乳化剤を含むであろう。乳化剤は、非イオン性でも、アニオン性でも、あるいはカチオン性でもよい。好適な乳化剤は、例えば1973年8月28日発行の米国特許第3、755、560号(Dickertら)、1983年12月20日発行の米国特許第4,421,769号、およびMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,pages 317〜324(1986)に開示されている。
乳剤はさらに角質組織に適用した時に、泡の形成を最小限にするための消泡剤を含んでもよい。消泡剤としては高分子量シリコンおよびその使用について当該分野で周知のその他の物質を挙げることができる。
適切な乳剤は、所望の製品形態に応じて広範囲の粘度を有しうる。好ましい低粘度乳剤例は、約50センチストークス以下、より好ましくは約10センチストークス以下、最も好ましくは約5センチストークス以下の粘度を有する。乳剤はまた、角質組織に用いた時に泡の形成を最小限にするための消泡剤を含んでもよい。消泡剤としては高分子量シリコンおよびその使用について当該分野で周知のその他の物質を挙げることができる。
乳剤のタイプの1つは、シリコン中水型乳剤である。シリコン中水型乳剤は、連続シリコン相と分散水性相を含む。好ましい本発明のシリコン中水型乳剤は、約1重量%から約60重量%、好ましくは約5重量%から約40重量%、より好ましくは約10重量%から約20重量%の連続シリコン相を含む。連続シリコン相は、以下に記載の不連続水性相を含む、または取り囲む外相として存在する。
連続シリコン相は、ポリオルガノシロキサン油を含んでもよい。好ましいシリコン中水型乳剤系は、薬学的有効量の本明細書に開示された薬剤を送達するための酸化的に安定したビヒクルを提供するように製剤化される。これら好適な乳剤の連続シリコン相は、約50重量%から約99.9重量%のオルガノポリシロキサン油と、約50重量%未満の非シリコン油を含む。特に好ましい実施形態では、連続シリコン相は、連続シリコン相の重量の少なくとも約50%、好ましくは約60%から約99.9%、より好ましくは約70%から約99.9%、さらにより好ましくは約80%から約99.9%のポリオルガノシロキサン油と、連続シリコン相の重量の最大約50%、好ましくは約40%未満、より好ましくは約30%未満、さらにより好ましくは約10%未満、そして最も好ましくは約2%未満の非シリコン油を含む。これら有益な乳剤系は、より低濃度のポリオルガノシロキサン油を含む同等の油中水型乳剤に比べてより長期間、より高い酸化安定性を提供しうる。組成物中の本発明の活性化合物の酸化安定性をさらに高め得るように、連続シリコン相内の非シリコン油の濃度は、最小限にされるか、あるいはすべて回避される。このタイプのシリコン中水型乳剤は、米国特許第5,691,380号(Masonら、1997年11月25日発行)に記載されている。
組成物内での使用に適したオルガノポリシロキサン油は、揮発性シリコン、不揮発性シリコン、または揮発性シリコンと不揮発性シリコンの混合物のいずれでもよい。この文脈の中で用いられる場合、用語「不揮発性」は、室温条件下で液体であり、約100℃より上の引火点を有する(一気圧下において)シリコン類を指す。この文脈の中で用いられる場合、用語「揮発性」はその他全てのシリコン油を表す。好適なオルガノポリシロキサン油は広範囲の揮発性と粘度を有する多様なシリコン類から選ぶことができる。好適なオルガノポリシロキサン油の例としては、ポリアルキルシロキサン類、環式ポリアルキルシロキサン類、およびポリアルキルアリールシロキサン類が挙げられるが、これらは当業者に既知であり、そして市販されている。
連続シリコン相は、一つ以上の非シリコン油を含んでもよい。連続シリコン相内の非シリコン油濃度は、組成物中の薬学的有効薬剤の酸化安定性をさらに高めるために、最低限にするかまたは完全に排除することが望ましい。好適な非シリコン油は、1気圧下で約25℃以下の融点を有する。連続シリコン相内での使用に好適な非シリコン油の例は、油中水型乳剤の形態で局所用パーソナルケア製品の化学分野では周知であり、例えば、鉱油、植物油、合成油、半合成油などである。
本発明の有用な局所用組成物は、約30%から約90%、より好ましくは約50%から約85%、そして最も好ましくは約70%から約80%の分散水相を含む。乳剤技術分野では、用語「分散相」は、当業者に周知な用語であり、その相が小さい粒子または液滴として連続相中に懸濁し取り囲まれて存在していることを意味する。分散相は内相または不連続相ともいう。分散水相は上記の連続シリコン相内に懸濁され、取り囲まれている小さな水性粒子または液滴の分散である。水性相は水、または水と一つ以上の水溶性もしくは分散性成分の組み合わせとすることができる。このような任意の成分の非限定的な例としては、増粘剤、酸、塩基、塩、キレート剤、ガム、水溶性もしくは分散性アルコールおよびポリオール、緩衝剤、保存剤、日焼け止め剤、着色剤などを挙げることができる。
本発明の局所用組成物は、通常、組成物重量の約25%から約90%、好ましくは約40%から約80%、より好ましくは約60%から約80%の水を分散水相内に含む。
本発明のシリコン中水型乳剤は、乳化剤を含むことが好ましい。好適な実施形態では、組成物は、組成物重量の約0.1%から約10%の乳化剤を、より好ましくは約0.5%から約7.5%、最も好ましくは約1%から約5%の乳化剤を含む。乳化剤は連続シリコン相内での水性相の分散および懸濁を助ける。
本発明では様々な乳化剤を用いて好ましいシリコン中水型乳剤を作ることができる。選択した乳化剤が組成物の必須成分に化学的および物理的に適合している限りにおいて、そして所望の分散特性が得られる限りにおいて、組成物には既知または従来の乳化剤を使用できる。適切な乳化剤としては、当業者にはシリコン界面活性剤としても知られるシリコン乳化剤、例えば有機修飾型オルガノポリシロキサン類や、シリコン非含有乳化剤、およびその混合物が挙げられるが、これらは局所用パーソナルケア製品への使用に関し当業者に既知である。
有用な乳化剤には、多種多様のシリコン乳化剤が含まれる。これらシリコン乳化剤は、通常、有機修飾型オルガノポリシロキサン類であるが、これらは当業者にはシリコン界面活性剤としても知られている。適切な乳化剤は、例えば、McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、North American Edition(1986)、発行元:Allured Publishing Corporation、米国特許第5,011,681号(Ciottiら、1991年4月30日発行)、米国特許第4,421,769号(Dixonら、1983年12月20日発行)、および米国特許第3,755,560号(Dickertら、1973年8月28日発行)に記載されている。
その他の好ましい局所用担体としては、連続水性相およびその中に分散した疎水性の水不溶性相(「油相」)を有する水中油型乳剤が挙げられる。水中油型乳剤を含む適切な担体の例は、米国特許第5,073,371号(Turner D.J.ら、1991年12月17日発行)、および米国特許第5,073,372号(Turner D.J.ら、1991年12月17日発行)に記載されている。特に好ましい水中油型乳剤は、構造化剤、親水性界面活性剤および水を含み、詳しく後述される。
好ましい水中油型乳剤は、液晶性ゲル網構造の形成を補助する構造化剤を含む。理論による限定ではないが、構造化剤は、組成物の安定性に寄与するレオロジー特性を組成物に付与するのを助けると考えられる。構造化剤はまた、乳化剤または界面活性剤としても機能しうる。本発明の好ましい組成物は、組成物重量の約0.5%から約20%、より好ましくは約1%から約10%、最も好ましくは約1%から約5%の構造化剤を含む。本発明の好ましい構造化剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均して約1から約21個のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、平均して約1から約5個のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、およびそれらの混合物から成る群より選択される。
好ましい水中油型乳剤は、約0.05%から約10%、好ましくは約1%から約6%、より好ましくは約1%から約3%(局所用担体の重量百分率として)の、水相中に疎水性物質を分散できる親水性界面活性剤を少なくとも一種類含む。界面活性剤は、最低限、水中に分散するのに十分な程度親水性でなければならない。適切な界面活性剤には、既知の各種カチオン性、アニオン性、両性イオン性、および両性界面活性剤が含まれる。McCutcheon’s Detergents and Emulsifiers、North American Edition(1986年)、発行元:Allured Publishing Corporation、米国特許第5,011,681号(Ciottiら、1991年4月30日発行)、米国特許第4,421,769号(Dixonら、1983年12月20日発行)、および米国特許第3,755,560号を参照。的確な界面活性剤の選択は、組成物および存在するその他の成分のpHに依存する。好ましい界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、特にジアルキル第4級アンモニウム化合物であり、その例は、米国特許第5,151,209号(McCallら、1992年9月29日発行)、第5,151,210号(Steuriら、1992年9月29日発行)、米国特許第5,120,532号、米国特許第4,387,090号、米国特許第3,155,591号、米国特許第3,929,678号、米国特許第3,959,461号、McCutcheon’s,Detergents & Emulsifiers(North American edition 1979)M.C.Publishing Co.、およびSchwartzら、Surface Active Agents,Their Chemistry and Technology、New York:Interscience Publishers、1949に記載されている。
あるいはまた、他の有用なカチオン性乳化剤は、アミノアミド類を含む。これらのカチオン性乳化剤の非限定的な例としては、ステアラミドプロピルPG−ジモニウムクロリドホスファート、ベヘナミドプロピルPG−ジモニウムクロリド、ステアラミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート、ステアラミドプロピルジメチル(ミリスチルアセタート)アンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウムトシラート、ステアラミドプロピルジメチルアンモニウムクロリド、ステアラミドプロピルジメチルアンモニウムラクテート、およびそれらの混合物が挙げられる。
本発明では、多種多様なアニオン性界面活性剤も有用である。例えば上記米国特許第3,929,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)を参照されたい。さらに両性および両イオン性界面活性剤も本発明では有用である。
好ましい水中油型乳剤は、局所用担体重量の約25重量%から約98重量%、好ましくは約65重量%から約95重量%、より好ましくは約70重量%から約90重量%の水を含む。
疎水相は連続水性相内に分散される。疎水相は水不溶性または部分的に水溶性である当業者に既知の物質を含むが、そのような物質としては、本明細書で水中シリコン型乳剤に関連して記載されているシリコン類ならびに乳剤に関連して記載された上記のような他の油および脂質が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ローションおよびクリームを含むがこれらに限定されない本発明の局所用組成物は、皮膚科学的に許容される皮膚軟化剤を含んでもよい。この様な組成物は、約2%から約50%の皮膚軟化剤を含むことが好ましい。本明細書で使用する場合、「皮膚軟化剤」とは乾燥防止または軽減に有用であると同時に皮膚の保護にも有用な物質を指す。多種多様な好適な皮膚軟化剤が既知であり、ここに用いることができる。Sagarin,Cosmetics,Science and Technology,2nd Edition,Vol.1,pp.3243(1972)を参照されたい。これには,皮膚軟化剤として適切な物質の例が数多く含まれている。好ましい皮膚軟化剤は、グリセリンである。グリセリンは、0.001%または約0.001%から20%または約20%、より好ましくは0.01%または約0.01%から10%または約10%、最も好ましくは0.1%または約0.1%から5%または約5%、例えば3%の量で用いられるのが好ましい。
本発明によるローションおよびクリームは、一般には溶液担体系および一つ以上の皮膚軟化剤を含む。ローションは、通常、約1%から約20%、好ましくは約5%から約10%の皮膚軟化剤、約50%から約90%、好ましくは約60%から約80%の水、および医薬的有効量の本明細書に記載の薬剤を含む。クリームは通常、約5%から約50%、好ましくは約10%から約20%の皮膚軟化剤、約45%から約85%、好ましくは約50%から約75%の水、および医薬的有効量の本明細書に記載の薬剤を含む。
本発明の軟膏は、動物もしくは植物油、または半固体炭化水素(油性)の単一担体基材、水を吸収して乳剤を形成する吸収軟膏基材、または水溶性担体、例えば、水溶性溶液担体を含むことが可能である。軟膏はさらに、Sagarin,Cosmetics,Science and Technology,2nd Edition,Vol.1,pp.72−73(1972)(これは引用により、本明細書に取り込まれる)に記載されているような増粘剤、および/または皮膚軟化剤を含んでもよい。例えば、軟膏は約2%から約10%の皮膚軟化剤、約0.1%から約2%の増粘剤、および医薬的有効量の本明細書に記載の薬剤を含みうる。
非限定的に例示すると、局所用クリーム1000gは、次のタイプと量の成分から調製される:医薬的有効量の本明細書に記載の薬剤、Tegacid Regular(150g)(Goldschmidt Chemical Corporation,New York,N.Y.製の自己乳化型モノステアリン酸グリセリル)、ポリソルベート80(50g)、鯨蝋(100g)、プロピレングリコール(50g)、メチルパラベン(1g)、および合計1000gになる十分な量の脱イオン水。Tegacidおよび鯨蝋を一緒に70〜80℃の温度で融解する。メチルパラベンを約500gの水に溶解し、次にプロピレングリコール、ポリソルベート80および6−アミノ−1,2−ジヒドロ−1−ヒドロキシ−2−イミノ−4−ピペリジノピリミジン遊離塩基を順に加え、75〜80℃の温度に保つ。メチルパラベン混合物をTegacidと鯨蝋の融解物に一定速度で攪拌しながらゆっくり加える。この添加は少なくとも30分かけて行い、さらに40〜45℃に温度が下がるまで攪拌を続ける。最後に最終重量が1000gになるのに十分な量の水を加え、冷めて凝固するまで調合物を攪拌し続け均質性を保つ。
非限定的に例示すると、局所用軟膏1000gは次のタイプと量の成分から調製される:医薬的有効量の本明細書に記載の薬剤、酸化亜鉛(50g)、カラミン(50g)、流動パラフィン(重流動性)(250g)、羊毛脂(200g)および合計1000gになるのに十分な量の白色ワセリン。簡単に述べると、白色ワセリンと羊毛脂を融解し、流動パラフィン100gをこれに加える。医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤、酸化亜鉛、カラミンを残りの流動パラフィンに加え、この混合物を粉末が微粉砕され、均一に分散するまでミルにかける。この混合物を前記白色ワセリン内で攪拌し、融解し、軟膏が固まるまで攪拌しながら冷やす。
非限定的に例示すると、1000gの軟膏、例えば、医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤を含む眼科用軟膏は、次のタイプと量の成分から調製される:医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤、軽流動パラフィン(250g)、羊毛脂(200g)、および合計1000gになるのに十分な量の白色ワセリン。簡単に述べると、医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤を微粉砕し、軽流動パラフィンに加える。羊毛脂と白色ワセリンを一緒に融解し、濾過し、温度を45〜50℃に調整する。流動パラフィンのスラリーを加え、軟膏を固まるまで攪拌する。
非限定的に例示すると、医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤を含む水溶液1000mlは、次のタイプと量の成分から調製される:医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤、ポリエチレングリコール4000(120g)ミリスチル−γ−ピコリニウムクロリド(0.2g)、ポリビニルピロリドン(1g)および合計1000mlにするのに十分な量の脱イオン水。簡単に述べると、これら成分を水に溶解し、得られた溶液を濾過滅菌する。
非限定的に例示すると、医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤を含むローション1000gは次のタイプと量の成分から調製される:医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤、N−メチルピロリドン(40g)および合計1000gにするのに十分な量のプロピレングリコール。
非限定的に例示すると、医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤を含むエアゾールは、次のタイプと量の成分から調製される:医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤、無水アルコール(4.37g)、ジクロロジフルオロエタン(1.43g)およびジクロロテトラフルオロエタン(5.70g)。簡単に述べると、医薬的有効量の本明細書に開示の薬剤を無水アルコールに溶解し、得られた溶液を濾過して粒子およびリントを除く。この溶液を約マイナス30℃まで冷却する。つぎにこの溶液にジクロロジフルオロメタンとジクロロテトラフルオロエタンの冷混合物を加える。
経口投与に関しては、ゼラチンカプセルまたは液体が充填された軟質ゼラチンカプセルは、活性成分および乳糖、レシチンデンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末または液体担体を含むことができる。同様の希釈剤を用いて圧縮錠剤を作製できる。錠剤およびカプセルは共に数時間の期間にわたり薬物を連続的に放出する持続性放出製品として製造できる。圧縮製剤に糖衣をかけるか、またはフィルムコーティングして不快な味を隠し、そして大気から錠剤を保護すること、あるいは腸溶コートを用い胃腸管内にて選択的な標的に合わせた崩壊を行うことができる。経口投与用の液体剤形は患者の受入れを高めるために、着色剤および/または風味剤を含むことができる。
一般に、滅菌水、油、生理食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液、ポリソルベートおよび関連糖溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール類は、非経口溶液に適切な担体である。非経口投与用の溶液または乳剤は、約5〜15%のポリソルベート80またはレシチン、適切な安定化剤、および必要に応じて緩衝物質を含むことが好ましい。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸など(これらに限定されない)の酸化防止剤は、単独または組み合わせのいずれでも適切な安定化剤である。また、クエン酸およびその塩、ならびにEDTAナトリウムも有用である。さらに非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル−またはプロピル−パラベンおよびクロロブタノール(これらに限定されない)を含む保存剤を含むことができる。
本開示から当業者には理解される様に、本発明の組成物および医薬組成物は、キットの形態で提供されてもよい。本発明のキットは、本発明の一つ以上の、特異的組成物および/または医薬組成物を含む。場合により、キットはさらに、特定の含まれる組成物に対する、皮膚の色素沈着を修飾する、すなわち皮膚を適切に白くするそのような試薬の使用方法を指示するラベルまたは添付文書としての印刷された取扱説明書を含んでもよい。これらの化合物は、汚染を防止し、組成物の蒸発または乾燥などを最小限にとどめるよう設計された容器内に提供される。化合物は事前に設定された投薬量または使用量で提供されても、提供されなくてもよい。
以下の製剤の実施例は、本発明に従って調製されうる代表的な医薬組成物を例示する。しかし、本発明は、以下の医薬組成物に限定されない。
<製剤1−錠剤>
本発明の化合物は、約1:2の重量比で乾燥ゼラチン結合剤と乾燥粉末として混合されうる。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として加えてもよい。混合物は、打錠機で、240〜270mgの錠剤(1錠剤当たり80〜90mgの活性化合物)に形成される。
<製剤2−カプセル>
本発明の化合物は、約1:1の重量比で澱粉希釈剤と乾燥粉末として混合されうる。混合物は、250mgのカプセル(1カプセル当たり125mgの活性化合物)に充填されうる。
<製剤3−液体>
本発明の化合物(125mg)をスクロース(1.75g)とキサンタンガム(4mg)と混合し、得られる混合物をブレンドし、No.10メッシュの米国篩を通過させ、それから、微結晶セルロース溶液とカルボキシメチルセルロースナトリウム(11:89、50mg)の水中で先に調製された溶液と混合させる。安息香酸ナトリウム(10mg)、風味料、および顔量を水で希釈し、攪拌しながら加えた。それから、十分な水を加えて、全量5mLとしてもよい。
<製剤4−錠剤>
本発明の化合物は、約1:2の重量比で乾燥ゼラチン結合剤と乾燥粉末として混合されうる。少量のステアリン酸マグネシウムを滑沢剤として加えてもよい。混合物は、打錠機で、450〜900mgの錠剤(150〜300mgの活性化合物)に形成される。
<製剤5−注射>
本発明の化合物を、緩衝無菌生理食塩水の注射用水性媒体中で約5mg/mLの濃度に溶解または懸濁する。
<製剤6−局所用>
ステアリルアルコール(250g)と白色ワセリン(250g)を約75℃で融解し、次いで、本発明の化合物(50g)、メチルパラベン(0.25g)、プロピルパラベン(0.15g)、ラウリル硫酸ナトリウム(10g)、およびプロピレングリコール(120g)を水(約370g)に溶かした混合物を加え、得られた混合物を固まるまで攪拌する。
(調製の一般的な方法)
特定の既知の薬物または薬物類似分子を含む本発明のステロイド化合物は、商業源から購入し、それらの活性について試験することができる。市販されていないステロイド化合物は、当該分野で知られている様々な一般的な方法と手順を使用して、容易に入手可能な出発材料から製造することができる。例えば、化合物は、従来の実験的手順とプロトコルによって既知の出発材料から合成的に調製することが可能である。同様に、既存の天然材料に見られうるそれらの化合物は、活性成分の必要な濃度と含量を達成するために、そして本発明に従って組成物に製剤化するときに有効となるように、既知の手順によって単離および/または精製されうる。そのような製剤は、また、本発明の特定の化合物のために富化される製剤または材料として記述される場合があり、本発明は、そのような製剤をその範囲内に包含する。
さらに、有機合成を含む本発明化合物の製造方法に関して当業者にとって明らかであるように、従来の保護基は、特定の官能基が望ましくない反応を受けるのを防ぐのに必要である場合がある。特定の官能基のための適切な保護基の選択のみならず、保護と脱保護の適切な条件は、当該分野で周知である。例えば、多数の保護基とそれらの導入と除去は、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protecting Groups in Organic Synthesis,Second Edition, Wiley,New York,1991および同文献で引用された引用文献に記述されている。
<培養されたネズミ・メラニン形成細胞での化合物のスクリーニング>
2000の薬物化合物または天然産物からなるSpectrum Collectionライブラリが、培養されたネズミ・メラニン形成細胞(メラン−a)での新規色素沈着阻害剤または刺激剤を同定するためにスクリーニングされた。化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中で10mMの最終濃度に溶解された。スクリーニングは、24−ウェルプレートでの培養メラニン形成細胞を用いて、続いてメラニンアッセイにより実施された(下記参照)。メラニン形成における50%の最小限の変化が、色素沈着阻害剤または刺激剤に対して有意であるとして確立された。DMSOは、陰性対照として使用され、そして、広く使われている脱色剤ヒドロキノンは、全プレート上の陽性対照として使用された。一次スクリーニングは、1μMの最終濃度で実行され、そして、一次スクリーニングからの潜在的候補は、1μMと5μMの最終濃度で重複して再確認された。
メラン−a細胞は、24−穴プレートの1ml培地でライブラリ化合物を加える前日にウェル当たり5×10個の細胞を培養した。すべての化合物は、示された最終濃度で添加された。細胞は、72時間の培養後に採取され、そして、メラニンアッセイが実施された。
さらなる試験と作用メカニズムの研究のために、化合物はSigmaまたはMicrosoureのどちらかから購入した。これらの化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)で10mMの最終濃度に溶解し、示された最終濃度でメラニン合成に対するそれらの効果を試験した。
(メラニンアッセイ)
一次および二次スクリーニングのために、細胞を採取して、20%DMSO中の200μlの2N NaOHに70℃で溶解した。得られた溶液の180μlアリコートを、490nmの吸光度で測定した。
アセチルコリンまたはセロトニン経路に関与している、あるいは、抗マラリア活性を示しうる被験化合物のために、細胞は完全プロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)を含んでいる抽出バッファ(1%のTritonX−100、50mMのTris、2mMのEDTA、150mMのNaCl、pH7.5)で採取される。細胞溶解液は、4℃で10分間14,000rpmで遠心分離した。BCAタンパク質アッセイキット(Pierce)は、上澄みのタンパク質濃度を測定するのに用いられ、そして、ウシ血清アルブミンが標準として使用された。残留ペレットは、室温で10分間、100μlのエタノール−エーテル(1:1)でインキュベーションした。エタノール−エーテルを除去した後に、ペレットを20%DMSO中の200μlの2N NaOHに70℃で溶解した。得られた溶液の180μlアリコートを、490nmの吸光度で測定した。メラニン含量は、タンパク質の総量に標準化された。
化合物、それらの構造、対照残存率(%)として表記される阻害データが、下記の表1に示される。
Figure 2011519376
(MelanoDerm色素沈着アッセイ)
本発明の化合物は、MelanoDerm色素沈着アッセイで試験されて、インビボ状件を複製するセッティングでの阻害剤としてそれらの活性を確認し、証明した。MelanoDerm(MatTek社製)は、アフリカ系アメリカ人(MEL−B)、アジア人(MEL−A)または白色人種(MEL−C)ドナーに由来する正常のメラニン形成細胞と角化細胞を含んでいる生存可能に再構成された三次元のヒトの皮膚等価物である。MEL−AおよびMEL−B組織の両方が、現在の試験において使われ、それらは、メーカによって推薦されるようにNMM−113媒体中で維持された。
コネッシン(Sigmaから)は、30%のエタノール:70%のプロピレングリコールに1.0mMの最終濃度(356.6μg/mlと等しい)となるように溶解され、これを一定に保ち、試験されるすべてのサンプルに用いた。そのアリコート25μlを局所的にMelanoDerm組織(MEL−B)に、0、1、3、6、8と10日目に適用した。MelanoDerm組織は、5mlの新鮮なNMM−113で1日おきに供給された。各々の適用の前に、いかなる残留試験化合物をも除去するために、組織は1mlのPBSで洗浄された。組織は、顕微鏡分析と組織学的評価のために10日目と13日目に固定された。さらに、複製組織がメラニンアッセイのために10日目と13日目に凍結された。
同様の実験が、アジア人の皮膚等価物(MEL−A)上で、以下を除き実行された:0、1、3、6、8、10と13日目に処置が適用された。組織は、いろいろなアッセイのために13日目と16日目に取り出された。30%のエタノール:70%のプロピレングリコールが、陰性対照として使われ、そして、周知の色素沈着阻害剤であるアルブチン(3mg/mlの濃度で)が、陽性対照として使われた。
実験は、結果が再現性があることを確認するために、異なるロットからのMEL−AとMEL−B組織の両方で二回繰り返された(試験1または2)。実験ごとに、六つの組織がコネッシンで処置され、そして、六つの組織が、小胞(30%のエタノール:70%のPEG)または適用できるならばアルブチンで処置された。MEL−Bに対して、10日目に、各々の処置条件下の三つの組織が取り出されて、そして、一つは組織学的研究のために使われ、そして、他の二つはメラニンアッセイのために使われた。同じプロトコルが、13日処置後のMEL−Bサンプルと13日または16日処置後のMEL−Aサンプルに適用された。
組織学的研究のために:
手順1:MEL−AまたはBのメラニン合成に対するコネッシンの効果は、光学顕微鏡検査(組織の上面からの概観)によって評価された。
手順2:処置されたMEL−AまたはBのメラニン分布は、Fontana−Masson染色組織学的切片(組織の側面からの概観)を用いる画像解析によってアクセスされた。
メラニン組織のために、個々の組織のメラニン含量が決定され、そして、最終的なデータは、同一の条件下で処理される2つの組織の平均メラニン含量を示す。
両方の皮膚等価物のアッセイ結果は、図1A〜10Bに説明されており、本発明の化合物が試験されるサンプルの全てで皮膚の美白を達成することを明らかに証明している。
本発明の好ましい実施形態が記述されて、そして、具体的に上に例証されているが、本発明はそのような実施形態に限られることを意図するものではない。以下の特許請求の範囲に記載されるように、本発明の範囲と精神を逸脱することなく、様々な改変が、それについてなされうる。
先の記載から、当業者によって、本発明の組成物および方法における種々の改変および変更が考えられるであろう。添付の特許請求の範囲に含まれる全てのそのような改変は、本発明に含まれるものとする。
特許および特許出願を含むがそれらに限定されない本明細書に引用されている全ての刊行物は、あたかも個々の刊行物の全内容が引用により本明細書に取り込まれることが具体的にかつ個別に示されているかのように、引用により本明細書に取り込まれる。
本出願で付与される本発明化合物の化学名は、MDL‘S ISIS Draw Autonom Softwareツールを含む商業的に入手可能な化学命名ソフトウェアツールを使用して生じたものであり、そして検証はされていない。特に矛盾する場合には、示されている構造が決める。

Claims (29)

  1. メラニン形成細胞に有効量の式I:
    Figure 2011519376
    の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ、ならびにその立体異性体、互変異性体および同位体変異体を投与することを含む、メラニン形成細胞によるメラニン形成を阻害する方法。
  2. 前記化合物が、コネッシンである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記メラニン形成細胞が、哺乳動物のメラニン形成細胞である、前掲請求項のいずれか1つに記載の方法。
  4. 請求項1または2のどちらかの化合物を含むメラニン形成阻害剤として使用するための化合物。
  5. 医薬的に許容される担体と、請求項1または2のどちらかに記載の医薬的に有効量の化合物とを含む組成物。
  6. 前記担体が、非経口用担体、経口用担体または局所用担体である、請求項5に記載の組成物。
  7. 化粧用または皮膚用の組成物を含む局所用製剤であって、前記組成物が、請求項1または2のどちらかに記載の化合物と許容される担体とを含む製剤。
  8. 望ましくないまたは異常なメラニン形成に関与する疾患または状態を予防、治療、改善または管理するための方法であって、そのような予防、治療、改善または管理の必要性のあるまたはそれを望む患者に、予防的または治療的にメラニン形成を阻害する有効量の、請求項1もしくは2に記載の化合物または請求項3〜7のいずれかの組成物を投与することを含む方法。
  9. 前記化合物または組成物が、色素沈着レベルを薄めるまたは減少させるために投与される、請求項8に記載の方法。
  10. 前記化合物または組成物が、皮膚の色素沈着過度部位の色素沈着レベルを薄めるまたは減少させるために投与される、請求項8に記載の方法。
  11. 哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮における色素沈着を変更するかまたは復元するための方法であって、
    a)哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮における色素沈着を変更するかまたは復元するために有効な量の請求項1もしくは2のどちらかに記載の一つ以上の化合物、または請求項5〜7のいずれかに記載の組成物、およびb)哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮における色素沈着を変更するかまたは復元するために有効な量の適切な担体
    を含む組成物の量を哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮に投与することを含む、方法。
  12. 前記化合物がメラニン形成阻害剤である、請求項10に記載の方法。
  13. 前記メラニン形成阻害剤が、哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮の色素沈着レベルを薄めるまたは減少させるために投与される、請求項11に記載の方法。
  14. 薬剤または医薬としての使用のための、請求項1または2のどちらかに記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩もしくはその溶媒和物。
  15. メラニン形成阻害剤の適応が必要である疾患または状態を治療するための医薬を製造するための、請求項1または2のどちらかで定義された化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくは組成物の使用。
  16. 疾患が、しみ、そばかす、薬物誘発性色素沈着過度、ニキビなどで見られる炎症後色素沈着過度、脂漏性角化症、黒皮症および肝斑などの、色素沈着過度またはむらのある色素沈着障害から選択される請求項14に記載の使用。
  17. メラニン形成阻害剤の適応が必要である疾患を治療するためのヒトを含む哺乳動物の治療方法であって、前記哺乳動物を請求項1〜4のいずれかで定義された有効量の化合物またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物もしくはその組成物で治療することを含む方法。
  18. 請求項1または2のどちらかで定義された化合物と、同様の作用をする薬剤との組み合わせ。
  19. 前記の同様の作用を有する薬剤が、化粧用成分および薬理学的に活性な薬剤から選択される請求項18に記載の組み合わせ。
  20. 化粧用成分が、皮膚美白剤である請求項19に記載の組み合わせ。
  21. 前記薬理学的に活性な薬剤が、別のメラニン形成阻害剤から選択される請求項20に記載の組み合わせ。
  22. メラニン形成阻害剤の適応が必要である疾患を治療するために有用な医薬組成物であって、請求項18〜21に記載のいずれか一つの組み合わせの治療的に有効な量を含み、そこで、同様の作用をする薬剤が薬理学的に活性な薬剤である、組成物。
  23. 前記同様の作用をする薬剤が、皮膚美白化合物である、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 化粧用または皮膚用の組成物を含む局所用製剤であって、前記組成物が、化粧学的および/または皮膚科学的に有効量の請求項18〜21に記載のいずれか一つの組み合わせを含み、そこで、前記同様の作用をする薬剤が化粧学的に活性な薬剤である、製剤。
  25. 前記同様の作用をする薬剤が、皮膚美白化合物である請求項24に記載の局所用製剤。
  26. 望ましくないまたは異常なメラニン形成に関与する疾患または状態を予防、治療、改善または管理するための方法であって、そのような予防、治療、改善または管理の必要性のあるまたはそれを望む患者に、請求項18〜21に記載のいずれか一つの組み合わせの予防的にまたは治療的にメラニン形成を阻害するのに有効な量を含む医薬組成物を投与することを含み、そこでは、前記同様の活性を有する薬剤が薬理学的に活性な薬剤である、方法。
  27. 前記同様の作用をする薬剤が、皮膚美白化合物である、請求項26に記載の方法。
  28. 哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮における色素沈着を変更または復元するための方法であって、請求項18〜21に記載のいずれか一つの組み合わせの、色素を復元または変更する有効量を含む組成物の量を哺乳動物の皮膚、毛髪、羊毛または毛皮に投与することを含み、そこで、前記同様の作用をする薬剤が、化粧学的に活性な薬剤である、方法。
  29. 前記同様の作用をする薬剤が、皮膚美白化合物である、請求項28に記載の方法。
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