JP2011518733A - プラスチック容器上に少なくとも１つの隆起部を作る方法 - Google Patents

Abstract

本方法によると、３０μｍ〜５０μｍ厚のフィルムから作られるＩＭＬラベル（１）が得られ、フィルムの少なくとも１面上に、１つ以上の領域がインクやニスで印刷され、成形型の空洞内に、フィルムが、１つ以上の印刷領域が前記モールドと接触しないように配置され、前記印刷領域が溶解したプラスチック材料に密着しないように、フィルムを備えるキャビティ内に、プラスチック材料（２）が膨張剤（Ｇ）と同時に射出され、前記膨張剤がラベルとプラスチック材料との間に閉じ込められ、前記印刷領域に隆起効果を作り出す。

Description

本発明は、固体または液体製品の提示および試食・試飲のための容器および包装材の技術分野に関する。

本発明の目的は、１つ以上の隆起部を有するプラスチックの包装材または容器を製造することである。一般的に、剛体または半剛体のプラスチックの包装材の技術分野では、隆起部は、熱成形によって得られる。当業者にはすっかり周知である方法における方法において、熱成形は、プラスチック材料が柔らかくなるまで加熱するステップと、求める１つ以上の隆起部を有する成形型空洞部内において隆起部を形成するようにこの柔軟性を利用するステップとから本質的になる。冷却効果下で材料が凝固し、隆起部が所望の形状を保持することを可能にする。

その結果として、この手法では、容器の外側に隆起が現れる領域には、例えば、前記容器の内側に陥没が現れるか、または逆側に材料の変形が生じる。言い換えると、この熱成形方法では、完全に平坦な内側と、求める１つ以上の隆起または陥没部を有する外側とを有する容器は実現できない。

欧州特許第０５８０７７７号明細書

本発明の目的は、これら欠点を簡単、確実、効果的かつ合理的な方法で克服することである。

本発明が解決しようする課題は、外側の全体または一部が、ロゴ、描図、文字などの形状の１つ以上の隆起部を有することができるのと同時に、容器の内側は完全に平坦である、任意の形状の容器を製造することである。

この目的を達成するために、所定方法が考案され完成され、この方法は、基本的に当業者にはすっかり周知であり、ＩＭＬと呼ばれる原理を利用しており、ＩＭＬによると、一般的にポリプロピレンで作られるラベルは、直接射出成形型に配置される。ラベルは、その内側面を部分的に溶解することによって包装材内に埋め込まれ、一般的には、包装材の全体または一部を装飾するのに用いられる。

解決すべき問題を考慮する、この既知のＩＭＬの原理を始めとして、本発明によると、任意の形状のプラスチック容器上に少なくとも１つの隆起部を作る方法は、以下の局面の組み合わせの故に優れている。
− ３０μｍ〜５０μｍの厚みのフィルムから作られた所定ＩＭＬラベルが得られる。
− フィルムの少なくとも１つの面上に、１つ以上の領域がインクまたはニスで印刷される。
− 成形型空洞内に、１つ以上の印刷領域が前記成形型に接触しないようにフィルムが配置される。
− フィルムを備える成形型空洞内に、前記印刷領域が溶解したプラスチック材料に密着しないように、プラスチック材料が膨張剤と同時に射出され、前記膨張剤が、ラベルとプラスチック材料との間に閉じ込められ、前記印刷領域に隆起効果を作り出す。

有利には、フィルムは、膨張した白色ポリプロピレンの複数の層からなる。

プラスチック材料のマイクロ泡状構造を得ることを目的とする隆起効果を取得するという課題を解決するために、プラスチック材料は、ＭＵＣＥＬＬ（登録商標）として知られる技術によって射出される。

約３８μｍ厚の約５５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有するフィルムによって有利な結果が得られている。

また、本発明は、本発明による方法を実施することによって得られる容器にも関し、この方法が、射出、熱成形、押し出しなどの方法を適用することによって製造される製品の任意のタイプの製造に適用されることが理解できるだろう。

本発明のさらなる詳細は、本発明による方法の基本原理を図示する１つの図から明らかになる。

本発明による方法の基本原理を示す。

本発明によると、任意のいかようの一般形状のプラスチックの容器上に求められる所望の隆起部は、ＩＭＬラベル（１）から得られる。このＩＭＬラベル（１）は、約５５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有する約３０μｍ〜５０μｍ厚のフィルムから作られる。約３８μｍ厚のフィルムで有利な結果が得られている。

本発明の一態様によると、ラベル（１）の少なくとも１面上、すなわちラベルの裏面に、インクまたはニスによって適切な文字が、隆起が現れる１つ以上の領域上に印刷される。印刷は、フレキソ印刷、写真製版法、オフセット印刷等の任意の既知の方法を採用することによって行われる。有利には、ラベルの表面及び裏面は、選択した領域に亘って高品質の装飾や隆起外観が得られるように印刷される。これらの隆起部を、描画、ロゴ、文字などで形成することができることが記憶にとどめられていることだろう。

このように準備されたＩＭＬラベルは、所望の用途に応じてカットされ、ロボットのような任意の既知で適切な方法によって移動され、求める容器に対応する１つ以上の成形型空洞内に配置される。

次いで、プラスチック材料（２）、例えばポリプロピレンが射出される。

意外にも、また思いがけなく、ＭＵＣＥＬＬ（登録商標）として知られる射出方法は、上記の特徴を有するＩＭＬラベルと一緒に、ラベルの１つ以上の印刷領域に亘って達成すべき隆起効果を可能にすることが明らかになった。

ＭＵＣＥＬＬ（登録商標）として知られるこの射出方法は、例えば特許文献１の教示によって開示されている。

この特許の教示によると、膨張剤（例えばガス（Ｇ））は、膨張剤が超臨界流体である第１加圧下において第１温度で射出される。材料と流体との混合物は、完全な単一相の溶体に転換される。次いで、温度と圧力とが、前記材料の内部で適切に分配される多数のボイドまたは胞を含む超微小孔性膨張材料が得られるように変えられる。

この特別な射出方法によって、微小胞または微小孔を有する内部構造が得られ、ＩＭＬラベルのインキ領域が、溶解したポリプロピレンに密着しないだけでなく、膨張剤が、容器の壁と、前記インク領域における所望の隆起効果を作り出すＩＭＬラベルとの間に閉じ込められるということが理解できるだろう。これは、特に魅力的な視覚効果をもたらす。

このように、本発明の要旨から逸脱することなく、これらの隆起部が、美的機能を有することができるだけでなく、技術的効果をも有することができることが分かるだろう。例えば、稜線または細い帯がＩＭＬラベルの裏に印刷されてもよく、ＩＭＬラベルは、示された状況下での射出および離型の後に、射出されるガスまたは別の膨張剤を考慮に入れると、熱障壁を作り出す隆起外観を有するだろう。

本発明によると、非常に順応性がありかつ非常に正確な方法で隆起効果を得、それによって、この方法によって部品上に点字を作り出すことも可能である。このように、本発明の要旨から逸脱することなく、本方法を、ＰＳ、ＰＥＴなどのＰＰとは異なる別の材料とともに利用することができる。

また、射出方法を、問題となっているプラスチック材料の熱成形または噴出方法に置き換えることができる。

利点は、特に以下を強調している説明から明確とされている：
− 使いやすさ
− コスト削減
− 得られる結果の品質
− 完全に平坦な内側と、外側だけに現われる１つ以上の隆起部を有する任意の全ての形状の容器が得られる可能性
− 断熱、特に等温特性、を有する容器が得られる可能性
− 図または他の所望の隆起部の簡単かつ迅速な変更の可能性

１ ＩＭＬラベル
２ ポリプロピレンが射出された容器の壁
Ｇ 膨張剤

Claims (6)

1. プラスチック容器上に少なくとも１つの隆起部を作る方法であって、
   − ３０μｍ〜５０μｍ厚のフィルムから作られるＩＭＬラベル（１）を得るステップと、
   − 前記フィルムの少なくとも１面上に、１つ以上の領域をインクまたはニスで印刷するステップと、
   − 成形型の空洞内に、前記フィルムを、１つ以上の印刷領域が前記成形型と接触しないように配置するステップと、
   − 前記フィルムを備える前記空洞内に、前記印刷領域が溶解したプラスチック材料（２）に密着しないように、前記フィルムを備える前記空洞内に、前記プラスチック材料（２）を膨張剤（Ｇ）と同時に射出するステップであって、前記膨張剤が前記ラベルと前記プラスチック材料との間に閉じ込められ、前記印刷領域に隆起効果を作り出すステップと、
   を備えることを特徴とするプラスチック容器上に少なくとも１つの隆起部を作る方法。
2. 前記フィルムは、膨張した白色ポリプロピレンの複数の層からなることを特徴とする請求項１に記載の方法。
3. 前記プラスチック材料は、ＭＵＣＥＬＬ（登録商標）として知られる技術によって射出されることを特徴とする請求項１に記載の方法。
4. 前記フィルムは、約３８μｍ厚であることを特徴とする請求項１に記載の方法。
5. 前記フィルムは、約５５０ｋｇ／ｍ^３の密度を有することを特徴とする請求項１に記載の方法。
6. 請求項１から５のいずれか一項に記載の方法を実施することによって得られる容器。