JP2011516433A - 過熱水の存在下でアミドを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、カルボン酸アミドを製造する方法であり、式(I)R−COOH(式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)のカルボン酸の少なくとも一種と、式(II)HNR(式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)のアミンの少なくとも一種を反応させてアンモニウム塩とし、このアンモニウム塩を過熱水の存在下でマイクロ波を照射することによりカルボン酸アミドに転化する方法である。

Description

本発明は、マイクロ波照射下でアミドを製造する方法であって、少なくとも1種のカルボン酸と、少なくとも1種のアミンとからなるアンモニウム塩を、過熱水の存在下で縮合してアミドにする方法に関する。
カルボン酸アミドは、化学原料として多方面にわたって用いられている。例えば、低分子量のカルボン酸アミドは、溶媒として優れた特性を有し、比較的長いアルキル残基を少なくとも1つ有するカルボン酸アミドは、界面活性である。このため、カルボン酸アミドは、とりわけ溶媒として、また洗剤および洗浄剤の成分として、さらには化粧品中で使用される。さらに、金属加工の補助材として、植物保護剤の調製の際に、ポリオレフィン用の静電防止剤として、並びに石油の採掘や処理の際の使用に成功している。加えて、カルボン酸アミドは、様々な薬品および農薬を製造するための重要な原料でもある。
カルボン酸アミド合成のためのより最近のアプローチとは、マイクロ波に支援された、カルボン酸とアミンからアミンへの直接反応によるものである。その場合、古典的な熱的方法とは対照的に、例えば酸塩化物、酸無水物、エステル、またはカップリング試薬によるカルボン酸の活性化が全く必要ではなく、このことにより、この方法は経済的に、また生態学的に非常に興味あるものとなっている。
Vazquez−Tato, Synlett 1993, 506(非特許文献1)は、カルボン酸とアリール脂肪族アミンから、アンモニウム塩を経由してアミドを製造するために、加熱源としてマイクロ波を使用することを開示している。
Gelens et al., Tetrahedron Letters 2005, 46(21), 3751−3754(非特許文献2)は、マイクロ波放射線の助けを借りて合成された多数のアミドが開示している。
Goretzki et.al., Macromol. Rapid Commun. 2004, 25, 513−516(非特許文献3)は、マイクロ波によって支援された、(メタ)アクリル酸と第一アミンからの様々な(メタ)アクリルアミドの直接合成を開示している。
上記のマイクロ波支援合成で達成されるカルボン酸とアミンからのアミドの転化率は、商業的利用にとって一般にまだ満足のゆくものではない。すなわち、特に転化されなかった原料を反応混合物から分離するために、追加の単離工程および処理工程を行わなければならない。アミド化は平衡反応であることから、平衡をアミドの方向へ移動する目的で、反応混合物の水含量、特に反応水の含量はできるだけ低く抑えられる。これは、バッチ法では、例えば縮合中に水を共沸剤によって追い出すか、あるいは真空をかけることによって達成される。しかしながら、連続法、特に高められた圧力下で行う方法では、反応水を分離することはほぼ不可能である。それに応じて、Katritzky et al. (Energy & Fuels 4 (1990), 555−561)(非特許文献4)は熱水法に関して、An et al. (J. Org. Chem. (1997), 62, 2505−2511)(非特許文献5)はマイクロ波支援法に関して、過熱水中での第三アミドのカルボン酸への加水分解を、部分的にそれに続く脱炭酸化と共に記載している。その際、各種のアミド類が、また各種のニトリル類がアミドの段階を経て、カルボン酸へと加水分解される。
Vazquez−Tato, Synlett 1993, 506 Gelens et al., Tetrahedron Letters 2005, 46(21), 3751−3754 Goretzki et.al., Macromol. Rapid Commun. 2004, 25, 513−516 Katritzky et al. (Energy & Fuels 4 (1990), 555−561) An et al. (J. Org. Chem. (1997), 62, 2505−2511) D. Bogdal, Microwave−assisted Organic Synthesis, Elsevier 2005
カルボン酸とアミンからアミドを合成する際の問題とは、使用される原料が揮発し易い場合が多々あり、その取扱いに大がかりな技術的処置が必要になることである。さらに、中間的に生成するアンモニウム塩の製造時に放出される中和熱のために、特に、揮発し易いアミンおよび/またはカルボン酸の場合に、集約的な冷却および/または長い混合時間もしくは反応時間が必要となる。したがって、本発明の課題は、カルボン酸とアミンとからマイクロ波支援によるアミド化を行う際の転化率を高めることができ、そして、追加的に、上述した従来技術の欠点が軽減される方法を開発することにある。
驚くべきことに、少なくとも1種のアミンと少なくとも1種のカルボン酸とを反応させてアンモニウム塩とし、次にマイクロ波の照射下でアミドへと転化させるアミド化反応において、過熱水の存在によって転化率を顕著に向上できることが見出された。水の分離下で進行する縮合反応が質量作用の法則に従い、そして反応生成物のうちの1つの濃度が上昇すると、通常、平衡が原料方向にシフトするだけに、これはなお一層驚くべきことである。加えて、この方法では、特に、沸点の低い原料の水溶液が使用されることにより、水溶液は加圧下および/または冷却した形態で取り扱う必要がない。さらに、アンモニウム塩製造の際に、水の存在により、向上された熱の除去が行われる。
本発明の対象は、カルボン酸アミドの製造方法であり、
次の式(I)で表されるカルボン酸の少なくとも一種、
−COOH (I)
(式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
次の式(II)で表されるアミンの少なくとも一種、
HNR (II)
(式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
を反応させてアンモニウム塩とし、そしてこのアンモニウム塩を過熱水の存在下で、マイクロ波照射の下でカルボン酸アミドに転化する、上記の方法である。
本発明のさらなる対象は、カルボン酸アミドの製造方法であり、
次の式Iで表されるカルボン酸の少なくとも一種、
−COOH (I)
(式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
次の式IIで表されるアミンの少なくとも一種、
HNR (II)
(式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
を、水の存在下で反応させてアンモニウム塩とし、こうして製造されたアンモニウム塩を、100℃を超える温度でマイクロ波照射の下でカルボン酸アミドに転化する、上記の方法である。
本発明のさらなる対象は、マイクロ波支援のアミド化反応の転化率を高める方法であり、その際に次の式Iで表されるカルボン酸の少なくとも一種、
−COOH (I)
(式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
次の式IIで表されるアミンの少なくとも一種、
HNR (II)
(式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
からなるアンモニウム塩に、マイクロ波照射の前に水を加える、上記の方法である。
上記式Iのカルボン酸としては、一般に、少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物が適している。したがって、本発明による方法は、例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれより多くのカルボキシル基を有するカルボン酸の反応にも同様に適している。これらのカルボン酸類は天然由来のものでも、合成由来のものでもよい。特に好ましくは、ギ酸の他に、1〜30個のC原子、および特に2〜24個のC原子を有する炭化水素残基Rを有するようなカルボン酸類である。炭化水素残基は、脂肪族、脂環式、芳香族、または芳香脂肪族であることが好ましい。炭化水素残基は、1つまたは複数の、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くの別の置換基、例えば、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、例えばメトキシ基、ポリ(アルコキシ)基、ポリ(アルコキシ)アルキル基、カルボキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、スルホン酸基、および/またはC〜C20アリール基、例えばフェニル基を、これらの置換基が反応条件下で安定であり、かつ、例えば脱離反応のような副反応を引き起こさない限り、有することができる。上記のC〜C20アリール基は、それ自体が、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、例えばメトキシ基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、および/またはニトロ基を有することができる。炭化水素残基Rは、例えば、酸素、窒素、リン、および/または硫黄のようなヘテロ原子を、好ましくは3個のC原子当たり1個以下のヘテロ原子を含むこともできる。本発明による方法に従ってポリカルボン酸をアンモニアまたは第一アミンと反応させる場合、イミドも生じさせることができる。
好ましいカルボン酸は、脂肪族炭化水素残基を有する。2〜24個、とりわけ3〜20個のC原子を有する脂肪族炭化水素残基が特に好ましい。これらの脂肪族炭化水素残基類は、直鎖状でも、分岐状でも、あるいは環状であってもよい。上記のカルボキシル基類は、第一、第二、または第三のいずれのC原子に結合していてもよい。炭化水素残基は、飽和された又は飽和されていないものであることができる。飽和されていない炭化水素残基は、1つまたは複数の、そして好ましくは1つ、2つ、または3つのC=C二重結合を含む。本発明による方法の反応条件下では不飽和脂肪酸の二重結合は攻撃されないため、本発明による方法は、飽和されていない、特に多価不飽和脂肪酸のアミド類の製造に有効であることが実証されている。好ましい一実施形態では、脂肪族炭化水素残基は、置換されていないアルキル残基またはアルケニル残基である。別の好ましい実施形態では、脂肪族炭化水素残基は、1つまたは複数の、例えば2つ、3つ、またはそれよりも多くの上述した置換基を有する。
好ましい脂環式炭化水素残基は、2〜24個、および特に3〜20個のC原子と、場合によっては1つまたは複数のヘテロ原子、例えば窒素、酸素、または硫黄を有する脂肪族炭化水素残基であり、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれよりも多くの環構成原子を有する少なくとも1つの環を有する。このとき、カルボキシル基は環の1つに結合されている。
適当な脂肪族あるいは脂環式カルボン酸類は、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ピバル酸、ヘキサン酸、シクロヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、ネオノナン酸、デカン酸、イソデカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ネオウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、12−メチルトリデカン酸、ペンタデカン酸、13−メチルテトラデカン酸、12−メチルテトラデカン酸、ヘキサデカン酸、14-メチルペンタデカン酸、ヘプタデカン酸、15−メチルヘキサデカン酸、14-メチルヘキサデカン酸、オクタデカン酸、イソオクタデカン酸、イコサン酸、ドコサン酸およびテトラコサン酸、ならびにミリストレイン酸、パルミトレイン酸、ヘキサデカジエン酸、δ−9−シス−ヘプタデセン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、ガドレイン酸、ゴンド酸、イコサジエン酸、アラキドン酸、セトレイン酸、エルカ酸、ドコサジエン酸、およびテトラコセン酸、ならびにマロン酸、コハク酸、ブタンテトラカルボン酸、ドデセニルコハク酸、およびオクタデセニルコハク酸である。さらに、天然の油脂、例えば綿実油、ココヤシ油、ピーナツ油、ベニバナ油、トウモロコシ油、パーム核油、菜種油、ヒマシ油、オリーブ油、カラシ油、大豆油、ヒマワリ油、ならびに獣脂油、骨油、および魚油から得られる脂肪酸混合物も適している。本発明による方法に用いる脂肪酸および/または脂肪酸混合物として、トール油脂肪酸、ならびに樹脂酸およびナフテン酸も同様に適している。
好ましい一実施形態において、本発明による方法は、エチレン性不飽和カルボン酸、すなわちカルボキシル基と共役状態にあるC=C二重結合を有するカルボン酸のアミド類を製造するのに特に適している。好ましいエチレン性不飽和カルボン酸の例は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2,2−ジメチルアクリル酸、セネシオ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ケイ皮酸、およびメトキシケイ皮酸である。
さらなる好ましい実施形態において、本発明による方法は、ヒドロキシカルボン酸、すなわち少なくとも1つのヒドロキシル基を脂肪族炭化水素残基Rに有するカルボン酸類のアミドを製造するのに特に適している。このとき、ヒドロキシル基は、第一、第二、または第三のC原子に結合されることができる。この方法は、第二のC原子に結合されたヒドロキシル基を含むヒドロキシカルボン酸のアミド化に特に有利であり、そしてヒドロキシル基が、カルボキシル基に対してα位またはβ位にある場合のヒドロキシカルボン酸のアミド化に有利である。カルボキシル基およびヒドロキシル基は、Rの同一または異なるC原子に結合することができる。本発明による方法は、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くのカルボキシル基を有するヒドロキシポリカルボン酸類のアミド化にも同様に適している。さらに、本発明による方法は、例えば2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多くのヒドロキシル基を有するポリヒドロキシカルボン酸類のアミド化にも適しているが、その際に上記のヒドロキシカルボン酸は、脂肪族炭化水素残基RのC原子1つ当たりに、ヒドロキシル基を1つだけ有するものでなくてはならない。このとき、脂肪族炭化水素残基Rが1〜30個のC原子、特に2〜24個のC原子、例えば3〜20個のC原子を有するヒドロキシカルボン酸が特に好ましい。本発明による方法に従ってヒドロキシカルボン酸を反応させる場合、そのヒドロキシル基のアミノ分解も脱離も起こらない。
適した脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、例えば、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプロピオン酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸、4−ヒドロキシペンタン酸、5−ヒドロキシペンタン酸、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオン酸、5−ヒドロキシヘキサン酸、2−ヒドロキシオクタン酸、2−ヒドロキシテトラデカン酸、15−ヒドロキシペンタデカン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸、12−ヒドロキシステアリン酸ならびにα−ヒドロキシフェニル酢酸、4−ヒドロキシマンデル酸、2−ヒドロキシ−2−フェニルプロピオン酸、および3−ヒドロキシ−3−フェニルプロピオン酸である。また、ヒドロキシポリカルボン酸、例えば、ヒドロキシコハク酸、クエン酸およびイソクエン酸、ポリヒドロキシカルボン酸、例えばグルコン酸、ならびにポリヒドロキシポリカルボン酸、例えば酒石酸も、本発明による方法を用いて高められた転化率でもって対応するアミドに転化される。
さらに好ましいカルボン酸は、芳香族炭化水素残基Rを有する。そのような芳香族カルボン酸とは、芳香族系(アリール残基)に結合した少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物であると解される。芳香族系とは、(4n+2)個のπ電子を有する環状に連続した共役系を意味し、ここでnは自然数であり、好ましくは1、2、3、4、または5である。芳香族系は、単環式のものでも、多環式、例えば2環式または3環式のものであることができる。芳香族系は、好ましくは炭素原子から形成される。別の好ましい実施形態では、該芳香族系は、炭素原子の他に、1つまたは複数のヘテロ原子、例えば窒素、酸素、および/または硫黄を含む。そのような芳香族系の例は、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、フラン、およびピリジンである。芳香族系は、カルボキシル基の他に、1つまたは複数の、例えば1つ、2つ、3つ、またはそれよりも多くの、同一または異なる、別の置換基を有することができる。適したさらなる置換基は、例えば、アルキル残基、アルケニル残基、およびハロゲン化アルキル残基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、および/またはスルホン酸基である。これらは、芳香族系の任意の位置に結合していてよい。しかし、アリール残基は、それが有する結合価とせいぜい同数の置換基しか有することができない。
特定の一実施形態では、アリール残基はさらなるカルボキシル基を有する。そのため、本発明による方法は、例えば2つまたはそれよりも多くのカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸の反応にも同様に適している。本発明による方法に従い、ポリカルボン酸をアンモニアまたは第一アミンと反応させるとき、特にカルボキシル基が芳香族系のオルト位にある場合には、イミドを生成させることもできる。
本発明による方法は、アルキルアリールカルボン酸、例えばアルキルフェニルカルボン酸のアミド化に特に適している。ここで、アルキルアリールカルボン酸とは、カルボキシル基を担持しているアリール残基が、アルキル残基またはアルキレン残基を少なくとも1つ、さらに有する芳香族カルボン酸を意味する。この方法は、1〜20個のC原子、とりわけ1〜12個のC原子、例えば1〜4個のC原子を有するアルキル残基を少なくとも1つ担持するアルキル安息香酸のアミド化に特に有利である。
さらに、本発明による方法は、アリール基が1つまたは複数の、例えば2つまたは3つのヒドロキシル基および/またはヒドロキシアルキル基を有する芳香族カルボン酸のアミド化に特に適している。ここで、少なくとも等モル量の上記の式IIで表されるアミンでアミド化することにより、カルボキシル基のアミド化が選択的に行われ、エステルおよび/またはポリエステルは全く形成されない。
適した芳香族カルボン酸は、例えば、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸;ナフタレンカルボン酸、ピリジンカルボン酸およびナフタレンジカルボン酸の各種異性体;ならびにトリメリト酸、トリメシン酸、ピロメリト酸、メリト酸;メトキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシメチル安息香酸、ヒドロキシメトキシ安息香酸、ヒドロキシジメトキシ安息香酸、ヒドロキシイソフタル酸、ヒドロキシナフタレンカルボン酸、ヒドロキシピリジンカルボン酸、ヒドロキシメチルピリジンカルボン酸、およびヒドロキシキノリンカルボン酸の各種異性体;ならびにo−トルイル酸、m−トルイル酸、p−トルイル酸、o−エチル安息香酸、m−エチル安息香酸、p−エチル安息香酸、o−プロピル安息香酸、m−プロピル安息香酸、p−プロピル安息香酸、および3,4−ジメチル安息香酸である。
さらなる好ましいカルボン酸は、芳香脂肪族炭化水素残基Rを有する。そのような芳香脂肪族カルボン酸は、アルキレン残基またはアルキレニル残基を介して芳香族系に結合された少なくとも1つのカルボキシル基を有する。その際、アルキレン残基またはアルケニレン残基は、好ましくは1〜10個のC原子、特に2〜5個のC原子を有する。これらの残基は直鎖状または分岐状であることができるが、好ましくは直鎖状である。好ましいアルキレニル残基は、1つまたは複数の、例えば1つ、2つ、または3つの二重結合を有する。芳香族系とは、上記で既に定義した芳香族系であると解され、これにカルボキシル基を少なくとも1つ担持するアルキル残基が結合されている。芳香族系は、それ自体が、例えばハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、例えばメトキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシアルキル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、および/またはニトロ基などの置換基を有することができる。好ましい芳香脂肪族カルボン酸の例は、フェニル酢酸、(2−ブロモフェニル)酢酸、3−(エトキシフェニル)酢酸、4−(メトキシフェニル)酢酸、(ジメトキシフェニル)酢酸、2−フェニルプロピオン酸、3−フェニルプロピオン酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、4−ヒドロキシフェノキシ酢酸、ケイ皮酸、およびそれらの混合物である。
様々なカルボン酸類の混合物も、本発明による方法において使用するのにも適している。
本発明による方法は、第二アミドの製造、すなわち、Rが1〜100個の炭素原子を有する炭化水素残基であり、かつ、Rが水素であるアミン類の転化に適していることが好ましい。
本発明による方法は、さらに、第三アミンを製造するのに適している、すなわち両方の残基RとRが、互いに独立して、1〜100個の炭素原子を有する炭化水素残基であるアミンと、カルボン酸とを反応させるのに適しているのが好ましい。このとき、残基RとRは、同一であるかまたは異なることができる。特に好ましい一実施形態では、RとRは同一である。
第1の好ましい実施形態では、Rおよび/またはRは、互いに独立して、脂肪族残基である。この残基は、1〜24個の、特に好ましくは2〜18個の、特に3〜6個のC原子を有することが好ましい。脂肪族残基は、直鎖状、分岐状鎖、または環状であることができる。さらに、該残基は、飽和されているか、または飽和されていなくてもよい。この脂肪族残基は飽和されていることが好ましい。この脂肪族残基は、置換基、例えばヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、および/またはC〜C20アリール基、例えばフェニル残基などの置換基を有することができる。C〜C20アリール残基は、それ自体が、場合によっては、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、ヒドロキシル基、C〜Cアルコキシ基、例えばメトキシ基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、および/またはニトロ基で置換されることができる。特に好ましい実施形態においては、Rおよび/またはRは、互いに独立して、水素、C〜Cアルキル残基、C〜Cアルケニル残基、またはC〜Cシクロアルキル残基、特に1個、2個、または3個のC原子を有するアルキル残基である。これらの残基は、3個までの置換基を有することができる。特に好ましい脂肪族残基Rおよび/またはRは、水素、メチル、エチル、ヒドロキシエチル、n−プロピル、イソプロピル、ヒドロキシプロピル、n−ブチル、イソブチルおよびtert−ブチル、ヒドロキシブチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、およびメチルフェニルである。
さらなる好ましい一実施形態において、RとRとが一緒に、これらが結合している窒素原子によって環を形成する。この環は、好ましくは4員またはそれより多くの員を有し、例えば4員環、5員環、6員環、またはそれよりも多くの員の環である。ここで、環を構成する好ましい別の員とは、炭素原子、窒素原子、酸素原子および硫黄原子である。該環はまた、それ自体が、例えばアルキル残基のような置換基を担持することができる。適当な環構造は、例えば、モルホリニル残基、ピロリジニル残基、ピペリジニル残基、イミダゾリル残基およびアゼパニル残基である。
さらなる好ましい一実施形態において、Rおよび/またはRは、互いに独立して、場合によっては置換されたC〜C12アリール基、または場合によっては置換された5〜12個の員の環を有するヘテロ芳香族基である。
さらなる好ましい一実施形態では、Rおよび/またはRは、互いに独立して、ヘテロ原子に割り込まれたアルキル残基である。特に好ましいヘテロ原子は、酸素および窒素である。
したがって、Rおよび/またはRは、互いに独立して、次の式IIIで表される残基、
−(R−O)−R (III)
(式中、
は、2〜6個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルキレン基、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、またはそれらの混合物を示し、
は、水素、1〜24個のC原子を有する炭化水素残基、または式−NR1011の基を示し、
nは、2〜50、好ましくは3〜25、特に4〜10の数を示し、
10、R11は、互いに独立して、水素、1〜24個のC原子、好ましくは2〜18個のC原子を有する脂肪族残基、5〜12員環のアリール基またはヘテロアリール基、1〜50個のポリ(オキシアルキレン)単位を有するポリ(オキシアルキレン)基を示し、ここで、ポリ(オキシアルキレン)単位は、2〜6個のC原子を有するアルキレンオキシド単位から誘導されるか、あるいはR10、R11が、これらが結合する窒素原子と共に、環員数が4、5、6、またはそれよりも多い環を形成する。)
を示す。
さらに、Rおよび/またはRは、好ましくは、互いに独立して、次の式IVで表される残基、
−[R−N(R)]−(R) (IV)
(式中、
は、2〜6個のC原子、好ましくは2〜4個のC原子を有するアルキレン基、例えばエチレン、プロピレン、またはそれらの混合物を示し、
各Rは、互いに独立して、水素、最大24個のC原子、例えば2〜20個のC原子を有するアルキル残基またはヒドロキシアルキル残基、ポリオキシアルキレン残基−(R−O)−R、またはポリイミノアルキレン残基−[R−N(R)]−(R)(式中、R、R、RおよびRは、上述の意味を有し、qとpは、互いに独立して、1〜50を示す。)を示し、
mは、1〜20の数、好ましくは2〜10の数、例えば3、4、5、または6を示す。)
を示す。この式IVの残基は、好ましくは1〜50個、特に2〜20個の窒素原子を含む。
芳香族カルボン酸(I)とポリアミン(IV)との間の化学量論的比率に応じて、いずれもが少なくとも1つの水素原子を有する1つまたは複数のアミノ基が、カルボン酸アミドへ変わる。ポリカルボン酸を上記の式IVのポリアミンと反応させるとき、特に第一アミノ基はイミドへと変わることもできる。
本発明に従って第一アミドを製造するには、アンモニアの代わりに、加熱するとアンモニアを分離させる窒素含有化合物を使用することが好ましい。そのような窒素含有化合物の例は、尿素およびホルムアミドである。
適したアミンの例は、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、プロピルアミン、プロパノールアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、エチルメチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ベンジルアミン、フェニルエチルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアミノプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、N,N−(2'−ヒドロキシエチル)−1,3−プロパンジアミン、および1−(3−アミノプロピル)ピロリジン、ならびにそれらの混合物である。このうち、特に好ましいのは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エチルメチルアミン、およびN,N−ジメチルアミノプロピルアミンである。
本発明による方法は、飽和されたC〜Cカルボン酸と第一アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、飽和されたC〜Cカルボン酸と第二アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、飽和されたC〜Cカルボン酸とヒドロキシル基担持のアミンとから、飽和されたC〜Cカルボン酸とポリエーテルアミンとから、飽和されたC〜Cカルボン酸とポリアミンとから、脂肪族ヒドロキシカルボン酸と第一アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、脂肪族ヒドロキシカルボン酸と第二アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、脂肪族ヒドロキシカルボン酸とポリアミンとから、C〜C50アルキルカルボン酸および/またはアルケニルカルボン酸とポリエーテルアミンとから、C〜C50アルキルカルボン酸および/またはアルケニルカルボン酸とポリアミンとから、C〜C50アルキルカルボン酸および/またはアルケニルカルボン酸と第一アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、C〜C50アルキルカルボン酸および/またはアルケニルカルボン酸と第二アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、C〜C50アルキルカルボン酸および/またはアルケニルカルボン酸とヒドロキシル基担持のアミンとから、C〜Cアルケニルカルボン酸と第一アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、C〜Cアルケニルカルボン酸と第二アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、C〜Cアルケニルカルボン酸とヒドロキシル基担持のアミンとから、C〜Cアルケニルカルボン酸とポリエーテルアミンとから、C〜Cアルケニルカルボン酸とポリアミンとから、場合によってはヒドロキシル基担持のアリールカルボン酸と第一アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、場合によってはヒドロキシル基担持のアリールカルボン酸と第二アルキルアミンおよび/またはアリールアミンとから、場合によってはヒドロキシル基担持のアリールカルボン酸とヒドロキシル基担持のアミンとから、場合によってはヒドロキシル基担持のアリールカルボン酸とポリエーテルアミンとから、ならびに場合によってはヒドロキシル基担持のアリールカルボン酸とポリアミンとから、アミド類を製造するのに特に適している。
本発明の方法は、N,N−ジメチルホルムアミド、N−オクチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルブチルアミド、N,N−ジメチル(フェニル)アセトアミド、N,N−ジメチルラクトアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−2−エチルヘキシルアクリルアミド、N−2−エチルヘキシルメタクリルアミド、N−メチルヤシ脂肪酸アミド、N,N−ジメチルヤシ脂肪酸アミド、N−メチルグリコール酸アミド、N−エチルマンデル酸アミド、N,N−ジメチルグリコール酸アミド、N,N−ジメチルラクトアミド、N,N−ジメチルリシノール酸アミド、オクタン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、トール油脂肪酸ジエタノールアミド、トール油脂肪酸モノエタノールアミド、N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジエチルベンズアミド、ニコチン酸アミド、N,N−ジメチルニコチン酸アミド、N,N−ジエチル−トルイル酸アミド、およびN,N'−二酢酸エチレンジアミドの製造に特に適している。
本発明による方法では、カルボン酸とアミンとは、一般に、相互に任意の比率で反応させることができる。好ましくは、カルボキシル基とアミノ基それぞれの当量に基づいて、カルボン酸とアミンのモル比10:1〜1:100、好ましくは2:1〜1:10、特に1.2:1〜1:3で反応を行う。特別な実施形態では、カルボン酸とアミンとが等モルで使用される。多くの場合、過剰のアミンで、すなわち、アミンのカルボン酸に対するモル比が、少なくとも1.01:1.00、特に1.02:1.00〜5.0:1.0、例えば2.5:1.0〜1.1:1.0でもって反応を遂行するのが有利であることが証明された。この方法は、使用されたアミンが揮発し易いか、あるいは水溶性であるときに特に有利である。ここで、揮発し易いとは、アミンの常圧での沸点が、好ましくは250℃未満、例えば150℃未満であり、そしてそれ故に、場合によっては水と共にアミドから分離させることができることを意味する。この分離は、例えば相分離、抽出、または蒸留によって行われる。
および/またはRが、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換された炭化水素残基である場合、カルボン酸(I)とアミン(II)との間の反応は、反応混合物中のカルボキシル基およびアミノ基それぞれのモル当量に基づいて、モル比1:1〜1:100、好ましくは1:1.001〜1:10、特に1:1.01〜1:5、例えば1:1.1〜1:2でもって遂行される。
カルボン酸(I)が、1つまたは複数のヒドロキシル基を有する場合、カルボン酸(I)とアミン(II)との間の反応は、反応混合物中のカルボキシル基およびアミノ基それぞれのモル当量に基づいて、モル比1:100〜1:1、好ましくは1:10〜1:1.001、特に1:5〜1:1.01、例えば1:2〜1:1.1でもって遂行される。
および/またはRが、1つまたは複数のヒドロキシル基で置換された炭化水素残基であり、かつカルボン酸が、1つまたは複数のヒドロキシル基を有する場合、カルボン酸(I)とアミン(II)との間の反応は、反応混合物中のカルボキシル基およびアミノ基のモル当量に基づく等モルでもって遂行される。
アミンとカルボン酸のアンモニウム塩への反応は、連続式、バッチ式、あるいは半バッチ式に実施できる。それ故、アンモニウム塩の製造は、直接、マイクロ波照射用に設けられた反応装置(照射容器)中で行うことができる。反応は、事前に行われる(半)バッチ工程中に、例えば別個の撹拌槽中で実施することもできる。アンモニウム塩は、好ましくは原位置(in situ)で生成され、そして単離されない。そのため、水の存在下におけるアミンとカルボン酸のアンモニウム塩への転化を混合域内で行い、そこから、水を含有するアンモニウム塩を、場合によっては中間冷却を行ってから、照射容器へ輸送することが、工業規模での方法として特に良好であることが実証されている。このとき、別の物質流として、または好ましくはアミンおよび/またはカルボン酸の溶媒あるいは分散媒として混合域中に水を供給できる。さらに、原料も、好ましくは液状で本発明の方法に供給される。このために、より高い融点および/またはより高い粘度の原料は、例えば溶融状態で、および/または水および/または別の溶媒と混合して、例えば溶液、分散液、または乳化液として使用することができる。触媒を使用するならば、照射容器中へ進入する前に、原料の1つに、あるいはまた原料混合物に加えることができる。固体、粉末状、および不均質な系も、本発明の方法に従って反応させることができ、この場合は反応物を輸送するための適応する技術装置だけを必要とする。
本発明において水の存在とは、カルボン酸とアミンとから生成されたアンモニウム塩にマイクロ波を照射する前に水を加えることを意味し、そしてそれ故アミドへのマイクロ波支援反応は水の存在下で行われる。したがって、反応生成物は、アミド生成の際に放出される反応水の量よりも多い量の水を含む。好ましくは、カルボン酸とアミンの全質量に基づいて、0.1〜5000重量%、特に好ましくは1〜1000重量%、とりわけ5〜100重量%、例えば10〜50重量%の水が反応混合物に加えられる。特に好ましい一実施形態では、原料であるカルボン酸および/またはアミンの少なくとも一方を水溶液としてアンモニウム塩の生成のために使用する。すなわち、例えば、特に沸点が室温を下回るアミン、例えばアンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、またはエチルアミンを、例えば40〜70%濃度の水溶液として、アンモニウム塩の製造のために使用することが良好であることが実証されている。次に、アンモニウム塩の水性調整物を、場合によってはさらに水を追加した後に、マイクロ波放射線にかける。
過熱水は、本発明よって、水が加圧下において100℃を超える温度で加熱されるという条件下で、マイクロ波照射を実施することで得られる。好ましくは、アミド化は、水の存在下で、150℃を超える温度、特に好ましくは180〜500℃、とりわけ200〜400℃、例えば220〜350℃で行われる。これらの温度は、マイクロ波照射中に達する最高温度である。ここで、圧力は、反応混合物が液体の状態であり、かつ沸騰しない高さに調節することが好ましい。1バールを超える圧力で、好ましくは3〜300バールの圧力で、特に好ましくは5〜200、とりわけ10〜100バール、例えば15〜50バールで作用させることが好ましい。
反応を速めるあるいは完遂させるには、脱水触媒の存在下で行うとよいことが、多くの事例で実証されている。脱水触媒とは、アミンとカルボン酸との縮合を速める補助物質を意味する。好ましくは、酸性の無機、有機金属、もしくは有機の触媒、または複数のそのような触媒の混合物の存在下で反応を行う。特に好ましい実施形態では、触媒なしで行う。
好ましい一実施形態では、追加の有機溶媒の存在下で行い、例えば反応媒体の粘度を低下させる、および/または不均質系であれば反応混合物を流動化させる。このために、基本的には、適用される反応条件下で不活性であり、そして原料または生成された生成物と反応しない全ての溶媒が使用できる。追加の溶媒の存在下で反応を行う限り、反応混合中でのその割合は、好ましくは1〜90重量%、特に5〜75重量%、とりわけ10〜60重量%、例えば20〜50重量%である。反応を追加の溶媒なしで実施することが特に好ましい。
マイクロ波の照射後、多くの場合、反応混合物じゃ直接さらなる使用に供される。水を含まない生成物を得るために、慣用的な分離方法、例えば、相分離、蒸留、凍結乾燥、または吸着によって原材料から水を分離することができる。その際、過剰量使用された原料、ならびに場合によっては反応しなかった原料の残量も、一緒に分離することができる。特別の要求がある場合には、原材料を、慣用的な精製方法、例えば蒸留、再結晶、ろ過、あるいはクロマトグラフ法でさらに精製できる。
マイクロ波の照射は、通常、マイクロ波に対して十分に透過性の材料からなる反応チャンバー(照射容器)を有し、マイクロ波発生器で発生したマイクロ波を反応チャンバー中で結合させる装置において行われる。例えば、マグネトロン、クライストロン、およびジャイロトロンなどのマイクロ波発生器が当業者には公知である。
本発明による方法を実施するために使用される照射容器は、好ましくはマイクロ波に対して十分に透過性の高融点材料で作製されているか、または少なくとも、この材料からなる部分、例えば窓を含んでいる。非金属の照射容器を使用することが特に好ましい。ここで、マイクロ波に対して十分に透過性であるというのは、マイクロ波エネルギーの吸収および熱への変換ができるだけ少ない材料を意味する。マイクロ波のエネルギーを吸収して熱に転換する物質の能力の尺度として、しばしば誘電損失係数tanδ=ε”/ε'が用いられる。この誘電損失係数tanδは、誘電損失ε”と比誘電率ε'との比と定義される。様々な材料のtanδ値の例は、例えばD. Bogdal, Microwave−assisted Organic Synthesis, Elsevier 2005(非特許文献6)に記載されている。本発明に適した照射容器には、2.45GHzにおいて25℃で測定したtanδ値が0.01未満、特に0.005未満、特に0.001未満である材料が好ましい。マイクロ波に対して透過性かつ耐熱性の好ましい材料として、まず鉱物をベースとする系統の原料、例えば石英、アルミニウム酸化物類、ジルコニウム酸化物類、および同様の材料が考慮される。また、耐熱性の合成樹脂類、例えば特にテフロンのようなフッ素樹脂、およびポリプロピレンのようなエンジニアリング樹脂、またはポリアリールエーテルケトン、例えばガラス繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)が、容器材料として適している。反応中の温度条件に耐えるためには、特にこれらの合成樹脂で被覆された石英や酸化アルミニウムなどの鉱物が反応器材料として良好であることが実証されている。
マイクロ波としては、約1cm〜1mの波長、及び約300MHz〜30GHzの周波数を有する電磁放射線である。この周波数領域は、基本的に本発明による方法に適している。好ましくは本発明による方法には、工業的、学術的、および医学的用途のために開放されている周波数、例えば周波数915MHz、2.45GHz、5.8GHz、または27.12GHzを有するマイクロ波放射線を利用する。アンモニウム塩のマイクロ波照射は、単モードないしは準単モードで作動するマイクロ波照射容器でも、マルチモードで作動する照射容器でも行うことができる。適した装置は当業者に公知である。
本発明による方法を実施するために照射容器に入射されるマイクロ波の出力は、特に、所望の反応温度、反応室の寸法形状、およびそれでもって反応体積に依存する。出力は、通常100W〜数百kW、特に200W〜100kW、例えば500W〜70kWの範囲にある。この出力は、照射容器の1か所または複数個所に加えることできる。出力は、1個または複数個のマイクロ波発生器で発生させることができる。
マイクロ波照射の時間は、反応体積、照射容器の寸法形状、反応温度での反応混合物の所望の滞留時間、および所望の転化率などの多様な因子に依存する。通常、マイクロ波の照射は、30分未満の期間、好ましくは0.01秒〜15分、特に好ましくは0.1秒〜10分、とりわけ1秒〜5分、例えば5秒〜2分の間行われる。その際、マイクロ波放射線の強さ(出力)は、反応物が、所望の反応温度にできるだけ短時間で達するように調節する。本発明による方法のさらなる好ましい一実施形態では、アンモニウム塩をマイクロ波照射の開始の前に良好に昇温させるのに、アンモニウム塩の生成時に発生する反応熱を自由に役立てることができることが実証されている。このとき、アンモニウム塩を約40〜約120℃の温度に加熱するのが特に良好であることが実証されているが、系の沸点より低い温度が好ましい。所望の反応温度に保つために、反応物を、低減された、および/またはパルス状の出力で引き続き照射するか、または別の方法で温度を維持することができる。好ましい一実施形態では、反応生成物は、マイクロ波照射の終了直後に、できるだけ早く120℃より低い温度、好ましくは100℃より低い温度、特に50℃より低い温度まで冷却する。
マイクロ波照射は、バッチ法で断続的に行うことができるが、例えば流管中で連続的に行うことが好ましい。また、半バッチ法で、例えば連続的に運転される撹拌反応器、またはカスケード反応器で行うことができる。好ましい一実施形態では、反応は、密封された、耐圧性で化学的に不活性な容器内で行われ、その際に水および場合によっては、原料が圧力を増大させる。反応の終了後、この過剰圧力は、これを抜くことにより、水および場合によっては過剰の原料を揮発および分離させるのに、および/または反応生成物を冷却するのに利用することができる。別の実施形態では、水は、冷却後および/または脱圧後、例えば相分離、蒸留、および/または吸着などの慣用の方法によって分離される。特に好ましい実施形態では、マイクロ波照射の終了後あるいは照射容器の開放後、できるだけ早く反応混合物から過剰のアミンと水を取り除いて、アミドの加水分解を防ぐ。これは、例えば、相分離、蒸留、または吸着など慣用の分離法によって行われる。多くの場合、アミンを中和する、あるいは過剰の酸を混合するのも有効であることが実証されている。このとき、好ましくはpH値を7未満、例えば1〜6.5、特に3〜6に調整する。
好ましい一実施形態では、本発明による方法は、バッチ式のマイクロ波反応器中で行われ、その場合、所定量の水性アンモニウム塩を照射容器に充填し、マイクロ波を照射し、そして引き続き処理を行う。このとき、マイクロ波の照射は、好ましくは耐圧性の撹拌される容器内で行われる。反応容器内へのマイクロ波の結合は、この反応容器が、マイクロ波に対して透過性の材料で作製されているか、またはマイクロ波に対して透過性の窓を有する限り、容器の壁を通して行うことができる。しかしながら、アンテナ、プローブ、あるいは導波管システムによってマイクロ波を反応容器内に結合させることも可能である。より大きな反応体積への照射のためには、ここで、マイクロ波をマルチモードで動作させることが好ましい。本発明による方法のバッチ式の実施形態では、マイクロ波の出力を変えることで、加熱速度を速くすることも遅くすることもでき、とりわけ温度を、より長時間にわたって、例えば数時間にわたって維持することができる。好ましい一実施形態では、水性の反応混合物を、マイクロ波の照射開始前に照射容器内に入れておく。このとき温度は100℃未満、例えば10〜50℃とすることが好ましい。さらなる好ましい実施形態では、反応原料と水、またはそれらの一部を、マイクロ波の照射中に初めて照射容器内に供給する。さらなる好ましい実施形態では、連続的に原料を供給し、同時に反応物を抜き出しながら、バッチ式マイクロ波反応器を半バッチ式反応器あるいはカスケード式反応器の形で動作させる。
特に好ましい一実施形態では、本発明による方法は、連続式マイクロ波反応器内で行われる。このために、反応混合物は、反応管中を連続的に流され、反応管は、耐圧性であり、反応原料に対して不活性であり、マイクロ波に対してほぼ透過性であり、マイクロ波照射容器内に組み込まれて、照射容器として働く。反応管の直径は、1mm〜約50cm、特に2mm〜35cm、例えば5mm〜15cmであることが好ましい。ここで、反応管とは、直径に対する長さの比が5よりも大きく、好ましくは10〜100000、特に好ましくは20〜10000、例えば30〜1000である照射容器を意味する。特別な実施形態では、反応管は二重管の形状に作られ、例えばこの方法の温度調節やエネルギー効率を高めるために、管の内腔および外腔を反応混合物が順次に向流で流れることができる。ここで、反応管の長さとは、反応混合物が流れる道程全体を意味する。反応管は、その長さにわたり、少なくとも1つの、好ましくは複数、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、またはそれよりも多くのマイクロ波放射器に囲まれている。マイクロ波の入射結合は管の外被を通して行うことが好ましい。さらなる好ましい実施形態では、マイクロ波の結合は、少なくも1つのアンテナを用いて管端を通して行われる。
反応管には通常、入口には供給ポンプならびに圧力計が、出口には定圧弁および熱交換器が設けられる。好ましくは、含水アンモニウム塩を、液状形態で、150℃未満、例えば10℃〜90℃の温度で反応管に供給する。さらなる好ましい実施形態では、少なくとも一方の成分が水を含む、アミンおよびカルボン酸を、反応管に入る直前に初めて混合する。さらに原料は、好ましくは、液状形態で、100℃未満、例えば10℃〜50℃の温度で、本発明による方法に供給する。そのために、より融点の高い原料を、例えば溶融状態で、または溶媒と混合して使用できる。
管の横断面、照射域の長さ(以下では、内部の反応物が、マイクロ波放射線に曝される、反応管の部分を意味する)、流速、マイクロ波放射器の形態、入射されるマイクロ波の出力ならびにそのとき到達する温度を変えることで、最高反応温度にできるだけ早く到達するように反応条件が調節される。好ましい一実施形態では、最高温度での滞留時間を短くして、副反応または後反応ができるだけ起きないようにする。好ましくは、連続式マイクロ波反応器は、単モードまたは準単モードで作動させる。このとき、反応管中の滞留時間は、一般に20分未満、好ましくは0.01秒〜10分、好ましくは0.1秒〜5分、例えば1秒〜3分である。反応を完全にするために、場合によっては中間冷却後に、反応物を反応管に複数回通すことができる。
特に好ましい一実施形態では、単モードマイクロ波照射容器内のマイクロ波伝播方向に長手軸を向けた反応管内で、水性アンモニウム塩にマイクロ波を照射する。特に、その際、マイクロ波発生器と接続されマイクロ波照射容器として働く導波管内にある、マイクロ波に対してほぼ透過性の反応管内で塩にマイクロ波を照射する。好ましくは、反応管を、この導波管の中心対称軸と同軸にする。導波管は、好ましくは空洞共振器として構成される。さらに、好ましくは、導波管内で吸収されなかったマイクロ波は、その端部で反射される。マイクロ波照射容器を反射型共振器として構成すると、発生器から供給される出力を変えずに電場強度を局所的に高くし、そして高められたエネルギー利用率を達成できる。
空洞共振器は好ましくはE01nモードで作動させる。ここで、nは整数であり、共振器の中心対称軸に沿ったマイクロ波の電場極大値の数を示す。この動作において、電場は空洞共振器の中心対称軸の方向に向けられる。電場は中心対称軸の領域で最大であり、外被面方向に向かって値0へと減少していく。この電場の形状は、中心対称軸の周りで回転対称である。反応管を通る反応物の所望の流速、所要の温度、および共振器中での所要の滞留時間に応じて、使用されるマイクロ波照射の波長に対する共振器の長さが選択される。好ましくは、nは、1〜200の整数、特に好ましくは2〜100、とりわけ4〜50、特には3〜20、例えば3、4、5、6、7、または8である。
マイクロ波照射容器として働く導波管中へのマイクロ波エネルギーの入射は、適切な大きさの穴またはスリットを通して行うことができる。本発明による方法の特別な実施形態では、同軸のマイクロ波遷移部を有する導波管内に位置する反応管内で、アンモニウム塩の照射はマイクロ波で行われる。この方法にとって特に好ましいマイクロ波機構は、空洞共振器と、マイクロ波電場を空洞共振器内に結合させる結合機構と、反応管を共振器に通すための、相対する2つの側端面にある各1つの穴とから構成される。空洞共振器内へのマイクロ波の結合は、好ましくは空洞共振器中に突出する結合ピンによって行われる。結合ピンは、好ましくは結合アンテナとして機能する好ましくは金属製の内部導体管として作られる。特に好ましい実施形態では、この結合ピンは、一方の側端面の穴を通して空洞共振器内に突出する。特に好ましくは、反応管は同軸状遷移部の内部導体管に接続し、特にその空洞を通って空洞共振器内に導かれる。好ましくは、反応管は、空洞共振器の中心対称軸と同軸であり、そうするために、空洞共振器は、2つの相対する側端壁に、反応管を通す各1つの中心穴を有することが好ましい。
結合ピンあるいは結合アンテナとして機能する内部導体管へのマイクロ波の導入は、例えば同軸接続ケーブルにより行うことができる。好ましい一実施形態では、マイクロ波場は導波管を通って共振器に供給されるが、このとき空洞共振器から突き出る結合ピンの先端が、導波管の壁にある穴から導波管に導入され、導波管からマイクロ波エネルギーが取り出され、そして共振器内に結合される。
特別な一実施形態では、マイクロ波による塩の照射は、マイクロ波の同軸的移行部を有するE01n円形導波管内に軸対称に位置する、マイクロ波に対して透過性の反応管内で行われる。その際、反応管は、結合アンテナとして機能する内部導体管の空洞を通って空洞共振器内に導かれる。さらなる好ましい一実施形態では、マイクロ波による塩の照射は、マイクロ波が軸方向で導入されるE01n空洞共振器内を案内されるマイクロ波に対して透過性の反応管内で行われる。このとき空洞共振器の長さは、n=2またはそれよりも大きいマイクロ波の電場極大値が生成されるように設定される。さらなる好ましい実施形態では、マイクロ波による塩の照射は、同軸のマイクロ波遷移部を有する円筒形のE01n空洞共振器内に軸対称に位置する、マイクロ波に対して透過性の反応管内で行われる。このとき空洞共振器の長さは、n=2またはそれよりも大きいマイクロ波の電場極大値が生成されるように設定される。
本発明による方法に特に適したE01空洞共振器は、好ましくは、使用されるマイクロ波放射線の少なくとも半波長に相当する直径を有する。好ましくは空洞共振器の直径は、使用されるマイクロ波放射線の半波長の1.0〜10倍、特に好ましくは1.1〜5倍、とりわけ2.1〜2.6倍である。好ましくは、E01空洞共振器は、円形の横断面を有し、E01円形導波管とも呼ばれる。特に好ましくは、筒状の形態、特に円筒状の形態を有する。
本発明の利点は、一つには、同様な条件下での反応で水を加えなかった場合と比べて、使用原料の転化率が高められることである。水の添加によって、転化率が、通常約1モル%超、多くの場合は約5モル%超、また場合により約10モル%超、例えば約20モル%超高められる。すなわち、反応混合物中には、分離および再生または廃棄しなければならない原料がより少量しか残留しない。多くの場合、本発明による操作により、水の存在下で、そのまま販売可能な品質のアミドを得ることにさえ成功した。さらに、水溶液の形での特に低沸点のカルボン酸および/またはアミンの取扱いは、対応するガスを用いた操作より、はるかに容易かつ安全である。さらに、カルボン酸およびアミンからアンモニウム塩を生成するときに発生する中和熱を、少なくとも部分的に水に吸収させ、有機溶媒からの場合よりも容易に除去することができる。加えて、水を溶媒として存在させることで、アンモニウム塩の結晶化を防止できる、したがって、マイクロ波の照射の前後で、反応混合物を含む配管および容器を、費用をかけて加熱する必要を排除できる。

マイクロ波の照射は、単モードマイクロ波反応装置であるBiotage社のタイプInitiator(登録商標)中で、2.45GHzの周波数で行う。温度測定はIRセンサによって行った。密封した耐圧性の5ml容量のガラスキュベット(耐圧性小ビン)を反応容器として用い、磁気撹拌器で均質化した。温度測定はIRセンサによって行う。
マイクロ波の出力は、実験期間中、所望の反応物温度にできるだけ早く到達し、それ以降は実験仕様書に示された期間にわたって一定に保たれるように、そのときどきに調節した。マイクロ波の照射終了後、ガラスキュベットを圧縮空気で冷却した。
反応生成物の分析は、H−NMR分光法により、CDCl中で500MHzで行った。
例1: N,N−ジメチルラクトアミドの製造
ガス導入管、撹拌器、内部温度計、圧調整器を備えた500mlの三口フラスコ中に、Lactol 90(登録商標)(乳酸1モル、90%濃度の水性調節物)100gを仕込んだ。氷冷しながらガス状のジメチルアミン45.1g(1モル)をゆっくりとフラスコ内に導入したところ、乳酸−N,N−ジメチルアンモニウム塩が激しい発熱反応において生成した。
この原液からアリコートを取り、水を加えて、表1に示される水分含量に調整した。これら溶液の2mlずつを、マイクロ波反応装置内で225℃の温度まで加熱し、その際に圧力を約20barに調整した。熱平衡に達した後(約1分後)、マイクロ波の照射を同じ温度、圧力でさらに2分間保持した。反応混合物中の原料および生成物の相対含量を、H−NMRシグナルの積分により求めた。転化率を表1の最終欄に示す。
Figure 2011516433
例2: 4−メトキシフェニル酢酸−N,N−ジメチルアミドの製造
ガス導入管、撹拌器、内部温度計、圧力調整器を備えた500mlの三口フラスコ中に、4−メトキシフェニル酢酸166.2g(1モル)を仕込み、冷却しながらジメチルアミン112.5g(40%濃度の水溶液として)でゆっくりと中和した。4−メトキシフェニル酢酸のN,N−ジメチルアンモニウム塩が、激しい発熱反応中で生成した。この塩の水溶液の固形分含量は76%であった。この溶液のアリコートにさらに水を加えて塩を50%に希釈した。
比較のため、この水溶液の他に、水を含まないアンモニウム塩を製造し、そして同じ条件下でマイクロ波照射を行った。このために、4−メトキシフェニル酢酸1.66gをドライアイスで冷却しながら耐圧性小ビン中に仕込み、続いてドライアイスで冷却したガラスピペットを用いて、凝縮したジメチルアミン0.45gと素早く混合した。小ビンをただちに閉じ、そして引き続きゆっくりと融解させ、その時に4−メトキシフェニル酢酸−N,N−ジメチルアンモニウム塩が発熱反応中で生成した。塩の生成を均一化するために、続いて激しく振り、そして磁気撹拌子で撹拌した。
アンモニウム塩またはその水溶液を2mlずつ、マイクロ波反応装置中で235℃の温度まで加熱し、その際に圧力を約20barに調整した。熱平衡に達した後(約1分後)、試料へのマイクロ波の照射を同じ温度、圧力でさらに10分間保持した。反応混合物内の原料および生成物の相対含量を、H-NMRシグナルの積分により求めた。得られた転化率を表2の最終欄に示す。
Figure 2011516433
例3: デカン酸−N,N−ジメチルアミドの製造
ガス導入管、撹拌器、内部温度計、圧力調整器を備えた500mlの三口フラスコ中に、デカン酸172g(1モル)を仕込み、ジメチルアミン112.5g(40%濃度の水溶液として)で慎重に中和した。デカン酸−N,N−ジメチルアンモニウム塩が、発熱反応中で生成した。ペースト状で水性形態のこの塩の固形分含量は76重量%であった。この溶液のアリコートにさらに水を加えて塩を55重量%に希釈した。
比較のため、この水溶液の他に、水を含まないアンモニウム塩を製造し、同じ条件下でマイクロ波照射を行った。デカン酸1.72g(0.01モル)をドライアイスで冷却しながら耐圧性小ビン中に仕込み、そして引き続きドライアイスで冷却したガラスピペットを用いて、凝縮したジメチルアミン0.45g(0.01モル)と素早く混合した。小ビンをただちに閉じ、そして引き続き水冷しながら慎重に融解し、その時にデカン酸−N,N−ジメチルアンモニウム塩が生成した。塩の生成を完全にするために激しく振った後、磁気撹拌子で撹拌した。
アンモニウム塩またはその水溶液を2mlずつ、マイクロ波反応装置内で240℃の温度まで加熱し、その際に圧力を約20barに調整した。熱平衡に達した後(約1分後)、試料にマイクロ波の照射を同じ温度、圧力でさらに10分間保持した。反応混合物中の原料および生成物の相対含量を、H−NMRシグナルの積分により求めた。得られた転化率を表3の最終欄に示す。
Figure 2011516433
例4: m−トルイル酸−ジエチルアミドの製造
ガス導入管、撹拌器、内部温度計、圧力調整器を備えた500mlの三口フラスコ中に、m−トルイル酸136.2g(1モル)を仕込み、ジエチルアミン109.71g(1.5モル)で慎重に中和した。m−トルイル酸−N,N−ジエチルアンモニウム塩が、激しい発熱反応中で生成した。この原液からアリコートを取り、水を加えて、表4に示される水分含量に調整した。
アンモニウム塩またはその水溶液を2mlずつ、マイクロ波反応装置内で250℃の温度まで加熱し、その際に圧力を約20barに調整した。熱平衡に達した後(約1分後)、試料にマイクロ波の照射を同じ温度、圧力でさらに20分間保持した。反応混合物中の原料および生成物の相対含量を、H−NMRシグナルの積分により求めた。得られた転化率を表4の最終欄に示す。
Figure 2011516433

Claims (21)

  1. カルボン酸アミドの製造方法であり、
    次の式(I)で表されるカルボン酸の少なくとも一種、
    −COOH (I)
    (式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
    次の式(II)で表されるアミンの少なくとも一種、
    HNR (II)
    (式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
    を反応させてアンモニウム塩とし、そしてこのアンモニウム塩を過熱水の存在下で、マイクロ波照射の下でカルボン酸アミドに転化する、上記の方法。
  2. カルボン酸アミドの製造方法であり、
    次の式Iで表されるカルボン酸の少なくとも一種、
    −COOH (I)
    (式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
    次の式IIで表されるアミンの少なくとも一種、
    HNR (II)
    (式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)と、
    を、水の存在下で反応させてアンモニウム塩とし、こうして製造されたアンモニウム塩を、100℃を超える温度でマイクロ波照射の下でカルボン酸アミドに転化する、上記の方法。
  3. マイクロ波支援のアミド化反応の転化率を高める方法であり、その際に次の式Iで表されるカルボン酸の少なくとも一種、
    −COOH (I)
    (式中、Rは、水素、または場合によっては置換されている1〜50個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)、および
    次の式IIで表されるアミンの少なくとも一種
    HNR (II)
    (式中、RとRは、互いに独立して、水素、または場合によっては置換されている1〜100個のC原子を有する炭化水素残基を示す。)
    からなるアンモニウム塩にマイクロ波照射の前に水を加える、上記の方法。
  4. マイクロ波の照射が、大気圧より高い圧力下で行われる、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. が、C〜Cアルコキシ基、ポリ(C〜Cアルコキシ)基、ポリ(C〜Cアルコキシ)アルキル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、スルホン酸基、および5〜20個の炭素原子を有するアリール基から選択される1つまたは複数の置換基を有する、1〜50個のC原子を有する炭化水素残基であり、その際に前記C〜C20アリール基が、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、エステル基、アミド基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、シアノ基、ニトリル基、およびニトロ基から選択される置換基を有することができる、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. が、脂肪族、脂環式、芳香族、または芳香脂肪族炭化水素を示す、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. が、1つまたは複数の二重結合を含む、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法。
  8. とRが、互いに独立して、1〜100個の炭素原子を有する炭化水素残基を示す、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
  9. が1〜100個の炭素原子を有する炭化水素残基を示し、そしてRが水素を示す、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. またはR、あるいは両方の残基が、互いに独立して、1〜24個のC原子を有する脂肪族残基を示す、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. またはR、あるいは両方の残基が、ヒドロキシ基、C〜Cアルコキシ基、シアノ基、ニトリル基、ニトロ基、およびC〜C20アリール基から選択される置換基を有する、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. またはR、あるいは両方の基が、C〜C20アリール基を有し、そしてこのアリール基が、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル残基、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜Cアルコキシ基、エステル基、アミド基、シアノ基、ニトリル基、およびニトロ基から選択される1つまたは複数の置換基を有する、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. とRとが、窒素原子で結合されて一緒に環を形成する、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. とRが、互いに独立して、式IIIで表される残基、
    −(R−O)−R (III)
    (式中、
    は、2〜6個のC原子を有するアルキレン基を表し、
    は、水素、または1〜24個のC原子を有する炭化水素残基を示し、
    nは、2〜50の数を示す。)
    を示す、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. とRが、互いに独立して、次の式IVで表される残基、
    −[R−N(R)]−(R) (IV)
    (式中、
    は、2〜6個のC原子を有するアルキレン基またはそれらの混合物を示し、
    各Rは、互いに独立して、水素、24個までのC原子を有するアルキル残基またはヒドロキシアルキル残基、ポリオキシアルキレン残基−(R−O)−R、またはポリイミノアルキレン残基−[R−N(R)]−(R)(式中、R、R、R、およびRは上述の意味を有し、qとpは、互いに独立して、1〜50を示す。)を示し、
    mは、1〜20、そして好ましくは2〜10の数、例えば3、4、5、または6を示す。)
    を示す、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
  16. マイクロ波による前記塩の照射が非連続のバッチ法で行われる、請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法。
  17. マイクロ波による前記塩の照射が連続法で行われる、請求項1〜16のいずれか一つに記載の方法。
  18. マイクロ波による前記塩の照射が、広範囲に及ぶマイクロ波透過反応管中で行われる、請求項17に記載の方法。
  19. マイクロ波による前記塩の照射が、単モード−マイクロ波照射容器のマイクロ波の伝播方向に長手軸がある反応管中で行われる、請求項17または18に記載の方法。
  20. マイクロ波の照射が、カルボン酸およびアミンの全質量に基づいて0.5〜200重量%の水の存在下で実施される、請求項1〜19のいずれか一つに記載の方法。
  21. マイクロ波の照射が、150℃を超える温度で実施される、請求項1〜20のいずれか一つに記載の方法。
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