JP2011516095A - 澱粉含有穀物から得られる蛋白質濃縮物、その組成、製造方法及び使用 - Google Patents

澱粉含有穀物から得られる蛋白質濃縮物、その組成、製造方法及び使用 Download PDF

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Abstract

本発明は澱粉含有穀物から蛋白質濃縮物を生産する方法及びその使用に関する。具体的実施形態では、生産された蛋白質濃縮物は水産養殖の飼料を調製するのに用いられる。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、澱粉含有穀物又は脂肪種子から蛋白質濃縮物を製造する方法及びその使用に関する。1つの具体的な実施形態では、本明細書に開示される製法を用いて製造される蛋白質濃縮物は、水産養殖飼料として使用するのに適した高品質な高可消化蛋白質を含む。
蛋白質は全家畜の食餌の必須成分であり、成長、肉体維持、繁殖及び肉や非肉製品(ミルク、卵、羊毛など)の産出に必要である。従って、蛋白質は営利畜産業にとって必要不可欠である。
蛋白質(従ってアミノ酸)が農業上重要なほとんどの動物にとって必要であることは、業界では周知である(例えば、非特許文献1を参照)。業界で周知の通り、必要性は動物の種類や年齢に応じて異なる。例えば、反芻動物の生物相はアミノ酸と蛋白質を新規に合成するので、反芻動物の蛋白質ニーズを満たす場合、牧草及び粗飼料が重要な役割を演じる場合がある。しかし、ある種(例えば魚)では、適切な栄養素、特に適切な蛋白質は、食餌から直接提供されなければならない。
水産養殖における魚の養殖は、農業用動物の間でユニークな栄養上の問題を提起する。特に、魚の餌に含まれる蛋白質所要量は、地上の温血動物の食餌に含まれる蛋白質所要量よりもかなり高い。従って、水産養殖の飼料は、家禽、豚、牛などを飼育するのに農業で使用される飼料よりも高い割合で蛋白質を含んでいるのが特徴である。しかし水産養殖の飼料をユニークなものにしているのは蛋白質の量だけではない。高品質の蛋白質も要求されている(例えば、非特許文献2を参照)。
水産養殖は世界で最も急速に成長している食品生産分野である。従って、水産養殖のニーズへの取り組みは、人類の将来にとって食物や栄養素の改善を約束することにつながる。水産養殖における最大のニーズは、十分高品質の蛋白質を美味な形で供給する飼料を提供することである。
水産養殖の飼料は、蛋白質源として通常魚粉を含んでいる。しかし残念なことに、最近、魚粉の値段が上がり、魚粉に含まれる残留性の毒性汚染物質(ダイオキシンなど)に関する関心が高まっており、孵化場の流出物に含まれる栄養素の規制が強化されており、魚粉が水産養殖飼料として維持可能であるかどうか疑問が提起されている。従って、単独で又は魚粉と組み合わせて使用して栄養価の高い水産養殖用食餌を提供可能な魚粉代替物を見出すことに関心が高まっている(例えば、非特許文献3を参照)。
水産養殖の蛋白質源は数多く存在する。食物蛋白質は植物源及び/又は動物源から得られるが、適切な量の高品質蛋白質を必須アミノ酸のバランスを適切に保って提供するには、蛋白質源の選択は適切に行わなければならない。蛋白質は可消化でなければならず、従って生物学的に魚が利用可能なものでなければならない。更に、魚は好き嫌いが激しいので、蛋白質源は美味である必要もある。
家畜に用いられる蛋白質源は数多く存在しており、当然、穀物及び植物由来の蛋白質は水産養殖用食餌において魚粉の代替物として考慮されている。しかし残念なことに、植物源の蛋白質濃度は一般的に魚粉よりも低く、必須アミノ酸は欠如しており、蛋白質の消化率は低く、植物由来の蛋白質で調製した餌は魚にとって美味でない場合がある。大豆及び大豆粉は、他の植物源と比べて蛋白質濃度が比較的高いので広範囲に評価されており、水産養殖用の飼料、特に肉食性の種類ではない養殖魚に現在使用されている(例えば、非特許文献4を参照)。しかし、大豆は反栄養素化合物(フィチン酸塩など)及び/又は非消化性の炭水化物(オリゴ糖類など)を含んでおり、かかる反栄養素化合物の故に、大豆由来の蛋白質は水産養殖用飼料として使用が制限されている。この点が、マスや鮭などの種類に用いられる餌の問題点である(例えば、非特許文献5を参照)。
The Encyclopedia of Farm Animal Nutrition, M.F.Fuller(ed)2004,Cabi Publishing. J.W.Hertrampf等(2000)Handbook on Ingredients for Aquaculture Feeds, Kluwer Academic Publishers;and Nutrition Requirements of Fish, Committee on Animal Nutrition, Board on Agriculture, National Research Council National Academy Press (1993). Hites,R.A.等(2004)Science 303:226−229;Naylor,R.L.等(2000)Nature 405:1017−1024. Hardy,R.W.(2003)Use of soybean meals in diets of salmon and trout.Technical review paper, Managed Aquaculture Program, United Soybean Board, Americal Soybean Association, 入手先:Americal Soybean Association Headquarters,12125 Woodcrest Executive Drive, Suite 100 St. Louis, MO 63141−5009. Knudsen,D等(2007)Journal of Agriculture and Food Chemistry 55:2261−2267;Knudsen,D等(2006)Journal of Agriculture and Food Chemistry 54:6428−6435.
従って、特に水産養殖用の飼料に適した高品質の蛋白質を提供できる植物源が、業界では必要とされている。幸いなことに、以下の開示によって明白なように、本発明はかかる必要性及び他のニーズのための方法を提供する。
1つの実施形態では、本発明は澱粉を含有する穀物又は脂肪種子から蛋白質濃縮物を生産する製法を提供し、当該方法は穀物の籾殻を除去する工程又は籾殻のない種類を使用する行程、澱粉含有穀物を粉砕し粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、粉砕された澱粉含有穀物を水でスラリー状にする工程、澱粉及びグルカンを酵素で可溶化する工程、スラリーに醗酵微生物を添加する工程、醗酵微生物を含むスラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ醗酵したスラリーを生産する工程、醗酵したスラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、固形物と液体の画分を回収する工程、及び回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ、蛋白質濃縮物を生産する工程を含む。
1つの具体的な実施形態では、酵素で澱粉及びグルカンを可溶化する工程がグルコースを生産する。
1つの具体的な実施形態では、製法は非加熱方式であり、ゼラチン化されていない生の澱粉顆粒をグルコースに加水分解する。別の具体的な実施形態では、製法は加熱方式であり、粉砕された澱粉スラリーを澱粉顆粒がゼラチン化される温度まで加熱する。
1つの具体的な実施形態では、回収された液体画分を蒸留して醗酵生成物を回収する工程をさらに含む。別の具体的な実施形態では、醗酵生成物はエタノールである。別の具体的な実施形態では、澱粉含有穀物は大麦、小麦、オート麦、トウモロコシ、ライ麦、ライコムギ、サトウモロコシ、大豆又は大豆粉、フラックス、カメリナ、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される。別の具体的な実施形態では、澱粉含有穀物は澱粉含有脂肪種子(大豆、フラックス、カメリナなど)である。従って、1つの具体的な実施形態では、澱粉含有穀物は加工された穀物(例えば大豆粉などの脂肪種子粉)である。別の具体的な実施形態では、澱粉含有穀物は大麦である。別の具体的な実施形態では、大麦には籾殻がない。別の具体的な実施形態では、大麦の籾殻は機械的に除去される。
別の具体的な実施形態では、本発明は、澱粉含有穀物から蛋白質濃縮物を生産する製法に従って生成される蛋白質濃縮物を提供する。当該製法は、澱粉含有穀物を粉砕し粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、粉砕された澱粉含有穀物を水でスラリー状にする工程、澱粉及びグルカンを酵素で可溶化する工程、スラリーに醗酵微生物を添加する工程、醗酵微生物を含むスラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ、醗酵したスラリーを生産する工程、醗酵したスラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、固形物と液体の画分を回収する工程、及び回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ、蛋白質濃縮物を生産する工程を含む。1つの具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は乾燥状態で約30%ないし約65%の蛋白質を含む。
別の具体的な実施形態では、本発明は、澱粉含有穀物から蛋白質濃縮物を生産する製法に従って生成される植物蛋白質を含む水産養殖飼料を提供する。当該製法は、澱粉含有穀物を粉砕し粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、粉砕された澱粉含有穀物を水でスラリー状にする工程、澱粉及びグルカンを酵素で可溶化する工程、スラリーに醗酵微生物を添加する工程、醗酵微生物を含むスラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ、醗酵したスラリーを生産する工程、醗酵したスラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、固形物と液体の画分を回収する工程、及び回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ、蛋白質濃縮物を生産する工程を含む。
別の具体的な実施形態では、本発明は、澱粉含有穀物又は脂肪種子から蛋白質濃縮物を増量させて生産する製法を提供し、当該方法は、穀物の籾殻を除去する工程又は籾殻のない種類を使用する行程、澱粉含有穀物を粉砕し粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、粉砕された澱粉含有穀物を水でスラリー状にする工程、澱粉及びグルカンを酵素で可溶化する工程、スラリーに醗酵微生物を添加する工程、醗酵微生物を含むスラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ、醗酵したスラリーを生産する工程、醗酵したスラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、固形物と液体の画分を回収する工程、回収した液体画分を含む培地で適切な微生物を培養し細胞集団を提供する工程、細胞集団を穀物固形物と一緒に回収する行程、及び回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ蛋白質濃縮物を生産する工程を含む。
1つの具体的な実施形態では、適切な微生物はリゾプス・オリーゼとリゾプス・ミクロスポラスとからなる群から選択される。
別の具体的な実施形態では、本発明は、澱粉含有穀物から蛋白質濃縮物を増量させて提供する方法を提供する。当該方法は、澱粉含有穀物を粉砕し粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、粉砕された澱粉含有穀物を水でスラリー状にする工程、澱粉及びグルカンを酵素で可溶化する工程、細胞集団生成用に選んだ適切な微生物を前記スラリーに添加する工程、当該微生物を含むスラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ、可溶性の糖を細胞集団に転化したスラリーを生産する工程、当該スラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、固形物と液体の画分を回収する工程、及び当該細胞集団を穀物の固形物と一緒に回収し、回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ、増量した蛋白質濃縮物を生産する工程を含む。1つの具体的な実施形態では、適切な微生物はリゾプス・オリーゼとリゾプス・ミクロスポラスとからなる群から選択される。別の具体的な実施形態では、本発明は上述の方法によって生成される蛋白質濃縮物を提供する。さらに別の具体的な実施形態では、上述の方法によって生成される蛋白質濃縮物は、フィチン酸塩を減少又は排除し、さらに反栄養素を減少又は排除した大豆蛋白質濃縮物である。
本発明の他の特徴、目的および利点は、以下の詳細な説明から明白であろう。
左側に標準的な商業用の乾式粉砕法を用いたエタノール生産を示すフローチャートである。フローチャートの左側は、従来の加熱加工を用いて澱粉を醗酵可能な糖へ転化する方法を示している。右側は従来の非加熱加工を示している。 左側に本明細書に開示の製法を用いて蛋白質濃縮物及びエタノール生産を示すフローチャートである。フローチャートの左側は加熱加工を示している。右側は従来の非加熱加工を示している。 魚粉又は大豆蛋白質濃縮物を大麦蛋白質濃縮物で置き換えた場合の効果を示している。
(定義)
本明細書で使用される場合、「蛋白質濃縮物」と言う用語は、元々の栄養源から単離された蛋白質、例えば、澱粉含有穀物又は脂肪種子から単離された蛋白質を意味する。一般的に、単離された蛋白質は元々の状態よりもさらに濃縮されている。
本明細書で使用される場合、「澱粉含有穀物」と言う用語は、炭水化物源を一般的に澱粉の形で提供する穀物を意味する。典型的な澱粉含有穀物には、限定されないが、セリアル用穀物及び種又は「非イネ科セリアル」が含まれる。本明細書では、「セリアル穀物」と言う用語が従来通り用いられ、それは一般的にイネ科の食用穀物を意味する。イネ科植物から得られる典型的なセリアル穀物には、限定されないが、オート麦、大麦、小麦、トウモロコシ、フラックス、ホップス、米、ライ麦、サトウモロコシ、雑穀、ライコムギなどが含まれる。種又は「非イネ科セリアル」から得られる典型的な「澱粉含有穀物」には、限定されないが、キノア、蕎麦、アマランスなどが含まれる。脂肪種子から得られる典型的な「澱粉含有穀物」には、限定されないが、大豆、フラックス、ヒマワリ、綿の種子、カメリナなどが含まれる。事実、本明細書で開示される方法を用いて調製される大豆及び大豆粉は高品質の大豆蛋白質を提供し、機械的方法で調製される大豆蛋白粉と比べて、反栄養素のオリゴ糖及びフィチン酸塩が減少又は排除されている。
本明細書で使用される場合、「脂肪種子」と言う用語は、容易に加工されて植物油を提供できるような比較的高い含有量の油を含む種子を意味する。大豆、アブラナ、ヒマワリ、フラックスなどの脂肪種子は植物油の生産に一般的に使用されるが、澱粉又は単糖の形で炭水化物も含んでいるので、本明細書の定義により「澱粉含有穀物」である。従って、脂肪種子は植物蛋白質濃縮物の調製に適している。
本明細書で使用される場合、「澱粉」と言う用語は、化学式(Cを有する化合物を意味し、式中、下付きのnはグルコース単量体単位の全数を意味する。一般的に、澱粉は多糖類のアミロースとアミロペクチンを含んでいる。多糖類のアミロースは主にグルコース単量体単位で構成され、アルファ−1,4結合で互いに連結されている。アミロースは一般的に直鎖分子と考えられているが、分岐状のアミロースが見出される場合もある。一般的にアミロースポリマーの長さは約500ないし約20,000単量体単位であるが、必ずしもこれに限定されない。アミロペクチンも主にグルコース単量体単位で構成されているが、厳密には直鎖分子であるとは通常考えられておらず、アルファ−1,4結合のグルコース単量体にグルコース単量体で形成されたアルファ−1,6結合の分岐鎖が散在している(例えば、Advance in Food and Nutrition Research, Vol.41:Starch:Basic Science to Biotechnology, Mirta Noemi Sivak and Jack Preiss ed. Academic Pressを参照。参照によりその全体が本明細書に援用される)。
澱粉中のアミロースとアミロペクチンの含有量は様々であり得る。一般的にアミロースは澱粉の約20%ないし約25%あるいは約30%を構成するが、それ以上の濃度で存在する場合もある。例えば、「高アミロースコーンスターチ」(HACS)は少なくとも40%のアミロースを含んでおり、いくつかの実施形態では約50%、約55%、約60%、約65%、約70%のアミロースを含んでおり、別の実施形態では約80%のアミロース又は約85%のアミロースを含んでいる。一方、アミロペクチンは澱粉の約70%ないし約75%あるいは約80%を構成するが、それ以上あるいはそれ以下の場合もあり得る。例えば、ワックス状コーンスターチは99%を超えるアミロペクチンを含んでいる場合もあるし、HACSはわずか15%あるいはそれ以下のアミロペクチンを含んでいる場合もある。
澱粉はほとんど全ての植物組織に見出される。その中には、限定されないが、果物、種子、茎、葉、根茎及び/又は塊茎が含まれる。従って、多くの澱粉は植物由来の澱粉、すなわち「植物澱粉」である。一般的に、米国で生産される澱粉はトウモロコシ、ジャガイモ、米及び小麦由来である。しかし、有用な澱粉の供給源はこれに限定されない。例えば、海草及び他の大型藻類、単細胞小型藻類、アロールート、グアールガム、イナゴマメ、タピオカ、アラカチャ、蕎麦、バナナ、大麦、カッサバ、コンニャク、葛、オキザリス、サゴ、サトウモロコシ、サツマイモ、タロイモ、ヤムイモ、大豆、豆(例えば、ソラマメ、レンズマメ、エンドウマメ)などからも得ることができる。
本明細書で使用される場合、「澱粉」と言う用語は、植物から抽出されたままの非修飾状態のものとは異なるように人の介入によって修飾された「修飾澱粉」をも意味している。例えば、澱粉は、特に化学的架橋形成及び/又は澱粉顆粒陰イオン基を導入することによる安定化など、業界で周知の方法により修飾できる。
本明細書で使用される場合、「水産養殖」と言う用語は、養殖過程において生産を促進するためにある種の介入をする(正規の放流、食餌、捕食者からの保護など)ことにより、水生生物(魚、軟体動物、甲殻類など)を養殖することを意味する。
本明細書で使用される場合、「スラリー状にする」と言う用語は、固形物又は半固形物を液体と組み合わせ、混合し、多少同質の混合物を形成することを意味する。従って、「粉砕された澱粉含有穀物をスラリー状にする」と言う句は、粉砕された澱粉含有穀物(大麦など)を液体(水など)と混合し、多少同質の混合物を形成することを意味する。
本明細書で使用される場合、「醗酵」と言う用語は、炭水化物(例えば、澱粉、糖など)などの「醗酵基質」を酸やアルコールなどの「醗酵産物」へ転化することを意味する。1つの具体的な実施形態では、醗酵は真菌を利用して糖をアルコールに転化する。別の具体的な実施形態では、醗酵は細菌を利用して糖を酸に転化する。別の具体的な実施形態では、醗酵は嫌気性の環境下で行われる。更に別の具体的な実施形態では、醗酵は好気性の環境下で行われる。
本明細書で使用される場合、「醗酵微生物」と言う用語は、適切な条件下(例えば、嫌気性の条件下)で醗酵基質(グルコースなど)を醗酵することのできる全ての微生物を意味する。1つの具体的な実施形態では、醗酵微生物はサッカロミセス・セレビシエ、ピティア・スティピティス、リゾプス・オリーゼ、リゾプス・ミクロスポラスなどの真菌である。別の具体的な実施形態では、醗酵微生物はジモモナス・モビリスなどの細菌である。
本明細書で使用される場合、「醗酵が完了するまで醗酵させる」と言う表現は、少なくともほとんどの醗酵基質が醗酵産物に転化されるまで醗酵させることを意味する。
本明細書で使用される場合、「蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させる」と言う表現は、蛋白質が変性することが知られている温度未満の温度を意味する。1つの具体的な実施形態では、「蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度」は約100℃未満の温度、例えば、約20℃、約25℃、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、あるいは約90℃である。別の具体的な実施形態では、「蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度」は約40℃から約100℃までの範囲の温度である。従って、いくつかの具体的な実施形態では、「蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度」は約40℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、あるいは約100℃の温度である。
本明細書で使用される場合、「醗酵産物」と言う用語は、醗酵により生産される物質又は産物を意味する。1つの具体的な実施形態では、醗酵産物はエタノール、メタノール、ブタノールなどのアルコールである。別の具体的な実施形態では、醗酵産物はペニシリンなどの抗生物質である。別の具体的な実施形態では、醗酵産物はアミノ酸である。別の具体的な実施形態では、醗酵産物は乳酸、酢酸、クエン酸などの有機酸である。
本明細書で使用される場合、「ベータグルカン」と言う用語は、化学式(Cを有する化合物を意味し、式中、下付きのnはグルコース単量体単位の全数を意味し、グルコース単量体単位はベータ1,3結合で連結されている。
(I.序論)
1つの具体的な実施形態では、本発明は澱粉含有穀物から蛋白質濃縮物を生産する製法を提供する。従って、1つの具体的な実施形態では、本発明は、水性養殖用飼料の調製に適した高品質な高可消化蛋白質濃縮物を提供する。
1つの具体的な実施形態では、製法は蛋白質生産用に最適化され、籾殻のない穀物を利用する。一般的に、籾殻のない穀物は粉砕し、水と混合してマッシュを生成し、次にマッシュを加熱又は非加熱方法で加工する。
マッシュは酵素的に処理して澱粉とベータグルカン(存在する場合)を加水分解し、それによって不溶性の蛋白質を遊離させ、醗酵可能な糖(主にグルコース)を生成する。同時に又はその後、酵素的に処理したマッシュを醗酵させエタノールを生成する。醗酵後、しかし蒸留の前に、液体画分と蛋白質を含む固形物の画分は遠心分離などの方法で分離する。蛋白質を含む固形物の画分は100℃を超えない温度で乾燥させる。1つの具体的な実施形態では、液体画分はエタノール生産のための醗酵原料として利用される。別の具体的な実施形態では、液体画分は他の醗酵産物(例えば、メタノール、クエン酸、アミノ酸など)の生成に使用される。従って、当該製法は醗酵原料及び蛋白質濃縮物を生成し、蛋白質濃縮物を含む蛋白質は水産養殖用飼料に適した高品質の高可消化蛋白質である。
(II.蛋白質濃縮物)
(A.穀物)
(大麦)
大麦は灌漑された環境と乾燥地の環境の両方で商業的に栽培されるシーズンの短い早熟成の作物である。大麦は旱魃、洪水及び霜に抵抗力があるので、様々な栽培環境に良く適応する。大麦はその適応能力と広範な環境条件への耐性能力の故に、他のセリアル穀物では栽培が困難あるいは不可能な世界の多くの地域でも栽培できる。
1つの具体的な実施形態では、本明細書に開示される蛋白質濃縮物を生産する方法は、大麦を澱粉含有穀物として利用する。籾殻付きあるいは籾殻のないあらゆる種類の大麦(例えば、Cereal Chemistry 76:589−599を参照)が利用可能である。
1つの具体的な実施形態では、当該製法は籾殻付きの大麦を利用する。「籾殻付き」あるいは同等に「覆われた」大麦は、食用に適しない頑丈な外殻を有する殻粒を生産する。一般的に、本明細書に開示される方法では、頑丈な外殻を使用前に除去する。「籾殻を除去した大麦」は業界で周知の方法(例えば、垂直シェラの使用)を用いて調製され、外殻は除去されているが胚芽と糠の外層は維持している大麦殻粒と呼ばれる。従って、1つの具体的な実施形態では、籾殻付きの大麦殻粒は、業界で周知の標準技術を用いてまず籾殻が除去される。
「籾殻を除去した」大麦は更に加工されて糠の層も除去され、業界で「精白玉麦」と呼ばれる更に籾殻を除去した大麦を提供する。1つの具体的な実施形態では、「精白玉麦」は本明細書開示の方法で加工される。しかし、この実施形態では、本明細書開示の方法を用いて回収可能な蛋白質のいくらかが精白工程で除去されることになる。
籾殻付きの大麦では籾殻は一般的に除去されるが、別の具体的な実施形態では、「籾殻付きの大麦」は、本明細書開示の方法に従って頑丈な外殻を除去することなく加工される。この実施形態では、更に繊維の多い蛋白質濃縮物が得られる。
1つの具体的な実施形態では、大麦は籾殻なしの種類の大麦である。籾殻なしの大麦は一般的に使用前に籾殻を除去することなく使用される。1つの具体的な実施形態では、籾殻なしの大麦はMerlinである。
従って、本明細書開示の方法で加工した大麦は水産養殖用飼料として有用な植物蛋白源である。事実、実施例6に開示するように、本明細書開示の方法で調製した大麦蛋白質濃縮物は魚(例えばマス)にとって美味である。更に、本明細書開示の方法で調製した大麦蛋白質濃縮物は、魚粉ベースの餌に匹敵する成長率をマスで示している(例えば、実施例7を参照)。
(他の澱粉含有穀物)
他の穀物も本明細書開示の方法で蛋白質濃縮物を調製するのに使用できる。1つの具体的な実施形態では、澱粉含有穀物はオート麦である。事実、1つの具体的な実施形態では、少なくとも約47%の蛋白質濃度を有するオート麦蛋白質濃縮物が当該製法に従って調製される。
別の具体的な実施形態では、澱粉含有穀物は小麦である。1つの具体的な実施形態では、少なくとも約31%の蛋白質を含む小麦蛋白質濃縮物が当該製法に従って調製される。
更に別の具体的な実施形態では、澱粉含有穀物は大豆である。本明細書開示の方法に従って調製される大豆蛋白質濃縮物は、他の方法で生産される大豆粉及び大豆濃縮物を構成する反栄養素オリゴ糖類及びフィチン酸塩を一般的に含んでいない。理論により拘束されるものではないが、当該製法で使用される選択された醗酵微生物の酵素活性がフィチン酸塩及び反栄養素オリゴ糖類の排除/減少に貢献していると考えられる。当該製法で使用され、フィチン酸塩の排除/減少を引き起こす典型的な微生物には、例えば、リゾプス・オリーゼとリゾプス・オリゴスポラスが含まれる。本明細書開示の方法は、大豆蛋白質濃縮物からある種の反栄養素化合物を排除するだけでなく、一般的な大豆粉の蛋白質濃度よりも高い濃度を有する大豆蛋白質濃縮物を提供する。事実、本明細書開示の方法に従って調製した大豆蛋白質濃縮物は、一般的に約54%ないし約62%の蛋白質を含む。1つの具体的な実施形態では、約57%の蛋白質を含む大豆蛋白質濃縮物が当該製法に従って調製される。
機械的分別方法では70%の蛋白質を含む大豆蛋白質濃縮物が生産できるが、酵素/生物学的製法によって高濃度(一般的に約54%ないし約62%)の蛋白質を有する大豆蛋白質濃縮物を生産できることはこれまで認められていない。本明細書開示の生物学的製法は業界で周知の他の方法より廉価なので、本明細書開示の製法は高い蛋白質濃度の大豆蛋白質濃縮物を低コストで提供できる。
一般的に、本明細書開示の蛋白質濃縮物を当該製法に従って調製するのに、あらゆる種類の澱粉含有穀物又は脂肪種子、例えば、大麦、小麦、トウモロコシ、ライコムギ、マイロ(グレインソルガム)、オート麦、ライ麦、雑穀、大豆などが使用可能である。
(B.澱粉含有穀物の調製)
(籾殻除去)
1つの具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物を生産する本明細書開示の製法は籾殻除去の工程も含んでいる。1つの具体的な実施形態では、籾殻除去には標準の商業用の籾殻除去装置を用いる(例えば、R.D.Reichert等(2006)Journal of Food Science 49(1):267−272を参照)。
籾殻を穀物の残りの部分から分離除去する製粉方法であれば、どのような方法でも本明細書開示の方法として適している。1つの具体的な実施形態では、籾殻の除去は製粉機中で回転砥石、抵抗バー及びスクリーンを用いて達成される。製粉工程で生じる籾殻と塵はスクリーニングにより除去され、真空下で吸塵装置に吸い取られる。当業者であれば理解できるように、籾殻除去又は精白の程度は、砥石のクリアランス、速度及びグリットの関数である。
澱粉含有穀物は籾殻を除去することなく加工して蛋白質濃縮物を提供することもできるが、籾殻を除去することにより蛋白質濃縮物の中に残留する可能性のある繊維が除去される。1つの具体的な実施形態では、本明細書開示の方法に従って調製される蛋白質濃縮物は水産養殖用の飼料の調製に使用される。一般的に魚は繊維を消化できないので、水産養殖用の飼料として蛋白質濃縮物を調製する前に、少なくとも籾殻を除去し糠が殻粒に付着する状態になる程度まで澱粉含有穀物(例えば、大麦の殻粒)の籾殻を除去するのが望ましい。
1つの具体的な実施形態では、籾殻の除去により籾殻の少なくとも約60%ないし約100%が穀物から除去される。別の具体的な実施形態では、籾殻の除去により籾殻の少なくとも約75%が穀物から除去される。別の具体的な実施形態では、籾殻の除去により籾殻の少なくとも約85%が穀物から除去される。更に別の具体的な実施形態では、籾殻の除去により籾殻の少なくとも約95%が穀物から除去される。
別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物を生産するための本明細書開示の方法は、籾殻のない種類の穀物(例えば、籾殻のない種類の大麦)を用いることにより、籾殻を除去する工程を省くことができる。
(粉砕)
穀物の粒度を減少させる業界で周知の方法であればどの方法でも、澱粉含有穀物又は脂肪種子を粉砕するのに使用できる。1つの具体的な実施形態では、穀物の粒度はハンマミルを用いて達成される。別の具体的な実施形態では、穀物の粒度はローラミルを用いて達成される。ハンマミル及びローラミルは業界で周知である(例えば、Kim Koch, Hammermilles and Roller mills, Kansas State University, 2002年5月を参照)。
1つの具体的な実施形態では、標準のハンマミルは、粉砕された穀物の少なくとも約50%又はそれ以上が20メッシュ米国標準篩を通過するまで穀物を粉砕する篩寸法を用いて操作される。しかし、いくつかの具体的な実施形態では、もっと粗めに粉砕された穀物が用いられる。1つの具体的な実施形態では、標準のハンマミルは、粉砕された穀物の少なくとも約50%又はそれ以上が16メッシュ米国標準篩を通過するまで穀物を粉砕する篩寸法を用いて操作される。別の具体的な実施形態では、粉砕された穀物の少なくとも約50%又はそれ以上が10メッシュ米国標準篩を通過する粗めに粉砕された穀物が用いられる。更に別の具体的な実施形態では、非常に細かく粉砕された粉、例えば、粉砕された穀物の少なくとも約50%又はそれ以上が20メッシュ米国標準篩よりも小さい開口部を有する篩を通過する粉が使用される。
(C.穀物を加工して穀物スラリーを調製)
穀物のスラリーは一般的に澱粉含有穀物から調製される。一般的に、粉砕された澱粉含有穀物は全固形物含量が約10%ないし約40%になるまで水でスラリー状にする。蛋白質濃縮物は、本明細書の以下に開示されるいくつかの製法の1つを用いてスラリーから調製される。
(マッシュ固形物含有量)
1つの具体的な実施形態では、製品収率又は転化効率を下げることなく出来るだけ多くの固形物含量を持つように調製される。一般的に、マッシュの粘度がマッシュ中の最大%の固形物を制限する要因である。固形物の含有量は穀物の種類により異なる。例えば、大麦は一般的にトウモロコシよりも粘度の高いマッシュとなる。一般的に、マッシュの粘度は約2500センチポイズ(cp)ないし約5000cpの上限を有している。当業者は特定の応用ごとに適切な固形物含量を認識するであろう。
1つの具体的な実施形態では、水中の固形物濃度(w/v)が約35%である大麦マッシュが調製される。別の具体的な実施形態では、最大濃度は入手可能な機器を用いて効果的な攪拌と熱交換を行うことにより達成できる。一般的に、大麦マッシュの範囲は約10%ないし約40%(w/v)である。大麦以外の澱粉含有穀物の固形物含有量は一般的に約10%ないし約50%(w/v)である。
しかし幸いなことにマッシュの調製にフェッドバッチシステムを使用すると、全固形物含有量は大麦の場合約40%超、他の澱粉含有穀物の場合50%超となる。事実、1つの具体的な実施形態では、約60%(w/v)の固形物含有量を含む大麦マッシュを提供するのにフェッドバッチシステムが利用される。理論により拘束されるものではないが、澱粉が可溶性の糖及びアルコールに転化されることにより、更に多くの澱粉含有穀物(例えば大麦)が追加できると考えられる。フェッドバッチシステムでは、酵素による加水分解が粘度を下げ、その結果追加の穀物がマッシュに添加できるようになる。
(D.スラリー状マッシュの加工)
(I.加熱加工)
1つの具体的な実施形態では、スラリーはpH5ないし7に調整される。次にスラリーを加熱し、約80℃ないし約125℃の温度に5分ないし24時間維持する。既知の穀物加工においてスラリーを加熱及び保持する手段であれば、どのような手段でも利用できる。例えば、蒸気注入又は熱交換により加熱される貯蔵タンク、ジェットクッカー、保持タンクに供給されるハイドロヒーター(hydroheaters)などである。澱粉を可溶性のデキストリンに加水分解するのに十分な量の耐熱性アルファアミラーゼ(例えば、バチルス‐リケニフォルミス由来)を添加する。可溶性デキストリンの測定方法は業界で周知である(例えば、L.Serre and C.Lauriere(1990)Analytical Biochemistry 186(2):312−315を参照)。
耐熱性アルファアミラーゼは商業用として入手可能であり、一般的に製造業者が勧める方法で使用される。1つの具体的な実施形態では、耐熱性アルファアミラーゼはノボザイムズ社のTermamyl(登録商標)SCであり、穀物重量の0.025%ないし0.05%に等しい量が添加される。時間又は粘度に整合したベースラインを確立するため、醗酵サンプルを分析して残留澱粉の量及び組成を決定する。
加熱後、スラリーを少なくとも約70℃又はそれ以下に冷却し、pHを約5ないし約7に調整する。可溶性デキストリンをグルコースに加水分解するのに十分な量のグルコアミラーゼを冷却した加熱マッシュに添加する。グルコアミラーゼは商業用に入手可能なものであればいずれでもよい。あるいは社内で製造してもよい。一般的に、商業用に入手可能なグルコアミラーゼは製造業者が勧める温度で、やはり製造業者が勧める量添加される。1つの具体的な実施形態では、ノボザイムズ社のグルコアミラーゼSpirizyme(登録商標)Fuelが穀物重量の0.04%ないし0.06%に等しい量添加される。
いくつかの具体的な実施形態では、澱粉含有穀物(例えば大麦)はベータグルカンを含んでいる。従って、いくつかの具体的な実施形態では、ベータグルコシダーゼ酵素も添加される。一般的に、実質的にすべてのベータグルカンが加水分解されるように、製造業者が勧める量のベータグルコシダーゼをやはり製造業者が勧める温度及びpH条件下で添加する。ベータグルカンの量を測定する方法は業界で周知である(例えば、Maximov,V.I.等(1975)Prikl Biokhim Mikrobiol. 11(3):455−459,EP0709681などを参照)。1つの具体的な実施形態では、ノボザイムズ社のベータグルカナーゼViscozyme(登録商標)Lが穀物重量の0.1%ないし0.3%の量添加される。
グルコアミラーゼとベータグルカナーゼ酵素を含むスラリーは一般的に約35℃ないし約70℃の温度で最高約12時間維持され、次に20℃ないし35℃に冷却される。あるいは約100cpないし約1000cpの粘度範囲が得られるまで維持される。100−1000cpの粘度はすべての澱粉が糖に転化される指標である。澱粉の加熱及び酵素によるグルコースへの加水分解は、高速液体クロマトグラフィなどの標準のアッセイ法によりグルコースをアッセイすることによりモニターできる。グルカナーゼ及びベータグルコシダーゼ酵素は商業的に入手可能な調製物であればいずれでもよい(例えば、ノボザイムズ社やジェネンコア社の酵素製剤)。一般的に、使用される酵素の量は固体負荷及び澱粉含有穀物(例えば大麦)の澱粉/グルカン含有量に基づいて推定される。一般的に、実質的にすべての澱粉及びグルカンを可溶化するのに十分な量の酵素が選択される。従って、当業者には特定の応用に適した酵素量は明白であろう。
(マッシュの加熱)
マッシュの加熱において、マッシュの温度を少なくとも穀物澱粉のゼラチン化点まで上昇させるシステムであれば、いずれのシステムでも適切に利用可能である。一般的に、澱粉のゼラチン化温度は澱粉の種類及び澱粉源により異なっており、業界で周知のいずれの方法で測定してもよい(例えば、Li F.D.等(2004)J. Food Eng.62(2):113−120を参照)。ほとんどの穀物由来の澱粉は一般的に約65℃近辺でゼラチン化を開始する。一方、ジャガイモの澱粉は一般的に約51℃近辺でゼラチン化を開始する。加熱工程では、温度範囲は65℃ないし140℃であってよい。当該製法の好ましい温度は90℃ないし120℃である。この温度は汚染微生物を阻止又は死滅させるのに十分高く、アミラーゼ酵素は依然有効であり、しかも蛋白質分子が改変されない程度に十分低い。「非加熱」工程では、澱粉をゼラチン化温度にまで加熱する必要はない。
加熱システムは貯蔵タンクあるいは「ジェットクッカー」を用いる連続フローであってよい。1つの具体的な実施形態では、大麦を利用する商業規模の製法は、乾式製粉エタノール生産に一般的に利用されるタイプのジェットクッカーを用いて加熱する。ジェットクッカーは80℃ないし120℃になるように操作される。又、保持タンク又は容器を少なくとも1時間80℃ないし100℃に保持するように操作される。製法開発では、マッシュを90℃に加熱するため、加熱及び攪拌用の蒸気コイルを装着した貯蔵タンクを利用した。
(加熱したマッシュの酵素による液状化)
1つの具体的な実施形態では、温度及び耐酸性アルファアミラーゼがゼラチン化した澱粉の可溶化及び/又は液状化に用いられる。温度及び耐酸性アルファアミラーゼ酵素は110℃まで耐性であり、一般的に約4ないし約6のpH最適範囲を有している。加熱穀物マッシュに適しているいくつかの典型的な温度及び耐酸性アルファアミラーゼ酵素には、ジェネンコア社のSPEZYME FRED及びノボザイム社のLiquozyme(登録商標)が含まれる。1つの具体的な実施形態では、大麦マッシュはpHを約5に調整し、90℃ないし105℃の範囲の温度まで加熱し、アルファアミラーゼを製造元の供与量率に関する推薦に一致する酵素対澱粉比で添加する。当該製法には、どのようなアルファアミラーゼ酵素を用いてもよい。その中には、選択された微生物の培養により現場又は他の場所で別個にしかし並行したプロセスによって調製される酵素(例えば、W/O1989・012679、米国特許4,5236,477、Aehle, Wolfgang ed.Enzymes in Industry:Production and Applications. Wilet−VCH, 2007を参照)又は商業用の供給会社から購入したアルファアミラーゼが含まれる。
(加熱した液状化マッシュの酵素による糖化)
1つの具体的な実施形態では、70℃まで活性であるグルコアミラーゼが用いられる。1つの具体的な実施形態では、ジェネンコア社のDistillase及びノボザイム社のSpiritzymeが当該製法に適した商業的に入手可能なグルコアミラーゼである。1つの具体的な実施形態では、加熱大麦マッシュは約65℃まで冷却し、pHを調整し、製造元の推薦に一致した供与量率で酵素を添加する。マッシュは約50℃ないし約70℃の温度で約数分ないし約24時間保持し、それから20℃ないし35℃の醗酵温度まで冷却する。当該製法ではどのようなグルコアミラーゼを用いてもよい。その中には、業界周知の方法を用い、蛋白質の生産場所で、選択された微生物を使って別個だが並行したプロセスにより生産されるグルコアミラーゼも含まれる(例えば、米国特許4,536,477を参照)。
(ベータグルカン加水分解)
1つの具体的な実施形態では、当該製法は大麦を用い、ベータグルカナーゼを使って大麦中のベータグルカンをグルコースに加水分解する。ベータグルカン加水分解は粘度を下げ炭水化物を可溶化するので、蛋白質濃縮物及びエタノール収率が上昇する。ベータグルカナーゼは製造元が勧める温度及びpHで添加される。典型的なベータグルカナーゼは、限定されないが、ジェネンコア社のOptimash及びノボザイム社のViscozymeである。しかし、当該製法ではどのようなベータグルカナーゼを用いてもよい。その中には、当業者に周知のように、蛋白質の生産場所又は他の場所で、選択された微生物を使って別個だが並行したプロセスにより生産されるベータグルカナーゼも含まれる。1つの具体的な実施形態では、ベータグルカナーゼは加熱マッシュを適切な温度に冷却したのちに添加される。別の具体的な実施形態では、ベータグルカナーゼは、マッシュの粘度を下げるため、加熱の前にマッシュに添加する。
(加熱した糖化マッシュの醗酵)
グルコアミラーゼとベータグルカナーゼを添加したのち、マッシュは更に35℃まで冷却し、醗酵を開始させるため酵母培養物を添加する。1つの具体的な実施形態では、醗酵温度は35℃である。別の具体的な実施形態では、醗酵温度は約15℃ないし約40℃の範囲である。1つの具体的な実施形態では、pHは約4.0である。別の具体的な実施形態では、pHは約3.3ないし約7の範囲で変化する。
いくつかの具体的な実施形態では、醗酵微生物は糖からエタノールを生産する酵母、例えばサッカロミセス・セレビシエである(例えば、Frelot,D.等(1982)Biotechnology Letters 4(ii):705−708を参照)。いくつかの具体的な実施形態では、醗酵微生物はグルコースからエタノール又は他の醗酵産物を生産する細菌、例えばザイモモナスである。1つの具体的な実施形態では、醗酵ビール中のエタノール耐性が最高12%w/wである迅速醗酵酵母が用いられる。1つの具体的な実施形態では、一般的に、酵母はマッシュ量約1%の接種培養物の中で調製される。接種培養物は普通ブイヨン中で24時間、細胞密度が1ml当たり約1億になるまで成長させる。糖化マッシュに添加する際、初期の酵母細胞密度は一般的に1ml当たり約100万である。しかし、当該製法では広範な酵母株と接種方法を用いてもよい。但し、選択される酵母と接種方法はグルコースを良好にエタノールに転化するものでなければならない。1つの具体的な実施形態では、商業的に入手可能な乾燥酵母製剤を用いて直接醗酵を開始させる。グルコース及び他の醗酵可能な糖のエタノールへの最大転化が完了するまで、醗酵は15℃ないし40℃、好ましくは35℃に維持される。醗酵の完了は業界周知の方法、例えば、醗酵したマッシュ中のエタノール濃度のサンプリング及びアッセイにより(例えば、Hyun−Beom Seo等(2009)J. Ind. Microbiol. Biotechnol. 36:285−292を参照)、あるいは残留澱粉及び可溶性の糖をアッセイすることにより(例えば、Vidal, Bernardo C.等(2009)Cereal Chemistry 86(2):133−135;Saglio, P.H. and Pradet, A.(1980)Plant Physiol.(1980)66:516−519を参照)モニターできる。醗酵時間は初期の穀物固体負荷及び入手可能な澱粉含有量により異なる。1つの具体的な実施形態では、35%固体の大麦、最終醗酵エタノール濃度が8ないし12%w/wの場合、醗酵時間は48時間ないし60時間である。一般的に、醗酵時間は約8時間ないし約72時間の範囲である。いくつかの具体的な実施形態では、加熱した糖化マッシュに転化される微生物は真菌、例えば、糖を細胞集団へ転化し蛋白質生産又は蛋白質濃度を高めるリゾプスである。
(非加熱加工)
1つの具体的な実施形態では、本発明が提供する穀物澱粉の加水分解及び糖の醗酵方法は非加熱加工である。非加熱加工では、マッシュの温度は澱粉のゼラチン化点未満の温度に維持される。非加熱加工は業界で周知である(例えば、米国特許7,037,704、米国特許出願公開20040234649、米国特許出願公開20050233030、米国特許出願公開20040219649を参照)。1つの具体的な非加熱加工では、大麦マッシュは約10%ないし約35%の固形物(w/v)を含むように調製される。マッシュはpHを約3.5ないし約4.0に調整し、その後、酵母培養物及びゼラチン化されていない生澱粉を加水分解する酵素調剤を添加する。1つの具体的な実施形態では、アルファアミラーゼとベータグルカナーゼを含む酵素製剤はこの製法に適している。別の具体的な非加熱加工では、商業用に入手可能な酵素製剤を澱粉のゼラチン化点未満の温度で非加熱加工に使用してもよい。酵素と酵母を含むマッシュは、好ましくは攪拌しながら、約30℃ないし70℃の範囲の温度から選択される温度で約48時間ないし約72時間培養して、同時に澱粉の加水分解と醗酵を行う。
(E.醗酵スラリーの加工による蛋白質濃縮物の調製)
(固形物と液体の分離)
醗酵完了後、蒸留前に、業界周知の方法、例えば遠心分離、濾過などで、固形物を液体から分離する。1つの具体的な実施形態では、シャープレス連続フロー遠心分離機が用いられる。しかし、適切な遠心分離機又は濾過システムであればいずれを用いてもよい。液体流は蒸留してエタノールを回収する。1つの具体的な実施形態では、蒸留残留物又はエタノール後の残留液体は除去し、それを「逆流」又はマッシュを形成するための補給水として使用するために再生してもよい。
可溶性の蛋白質は蒸発などの周知の方法により例えば蒸留残留物から回収し、固形物に加える。分離によって得られる固形物は約100℃未満の温度で空気乾燥する。いくつかの具体的な実施形態では、分離によって得られた固形物は約40℃ないし約100℃の範囲の温度で空気乾燥する。しかし、蛋白質を変質又は損傷しない温度であればいずれの温度でもよい。乾燥した固形物はハンマミル又は他の適切な装置で粉砕して粉状とし、穀物蛋白質濃縮物を形成する。
1つの具体的な実施形態では、得られる蛋白質濃縮物は少なくとも約53%の蛋白質を含む大麦蛋白質濃縮物である。別の具体的な実施形態では、得られる蛋白質濃縮物は大麦蛋白質濃縮物であり、蛋白質濃度は約30%の蛋白質ないし約70%の蛋白質の範囲から選択される。
1つの具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は80%超の蛋白質消化吸収率を有し、リン酸塩の入手可能性は約70%であり、しかもマスにとって美味であるので、マスの餌の蛋白質成分の1つとして利用される。
別の具体的な実施形態では、他の穀物蛋白質濃縮物が本明細書開示の製法により調製され、その蛋白質濃縮物は約36%の蛋白質ないし約75%の蛋白質の範囲から選択される濃度の蛋白質を含んでおり、水産養殖用の飼料として適切である。
(変形例)
1つの具体的な実施形態では、固形物画分と液体画分は遠心分離や濾過などの機械的手段により醗酵前に分離される。湿った固形物画分は回収し、水で再びスラリー状にして残留した糖を洗い流し、遠心分離や濾過などで再分離する。固形物は回収し乾燥させる。固形物画分は蛋白質濃縮物であり、一般的に30%ないし約70%の蛋白質を含んでいる。液体画分は上述した本明細書開示の醗酵微生物を添加して醗酵させ、それから蒸留する。
別の具体的な実施形態では、固形物画分と液体画分は遠心分離や濾過などの機械的手段により醗酵前に分離される。湿った固形物に真菌培養物を接種する。理論によって拘束されるものではないが、接種された真菌は残留した糖を利用することにより蛋白質濃縮物から糖を除去するものと考えられる。通常約24時間ないし約2時間の適切な培養期間の後、固形物を乾燥し粉砕して蛋白質濃縮物を調製する。液体流は醗酵させ、エタノール又は他の産物にする。真菌は可溶性の糖をより効率的に除去するので、この実施形態では洗浄工程が必要でなく、従って液体流の醗酵は希釈されることなくより効率的に行われる。
湿った固形物への接種に適した真菌は、限定されないが、糖を利用し、非毒性であり、病原菌でなく、動物の飼料として使用しても安全な真菌であればいずれでもよい。更に、1つの具体的な実施形態では、真菌は魚又は動物にとって美味である。1つの具体的な実施形態では、真菌はリゾプス・オリーゼである。別の具体的な実施形態では、真菌はリゾプス・ミクロスポラスである。この方法を用いた典型的な蛋白質濃度は約60%である。
別の具体的な実施形態では、蒸留残留物の可溶性蛋白質は当該蒸留残留物で酵母又は真菌を培養することにより回収される。炭素源を提供するため、約0.5%ないし1%の量の糖又は加水分解した穀物マッシュを添加する。微生物は可溶性蛋白質及び追加された糖を利用し、栄養素を不溶性の細胞集団に転化する。細胞集団は濾過又は遠心分離により回収し、固形物に加える。酵母菌はどの様な種類でも使用できる。但し、非毒性であり、病原菌でなく、動物の飼料として使用しても安全であり、魚又は動物にとって美味であり、好ましくは糖を利用するものでなければならない。リゾプス・オリーゼとリゾプス・ミクロスポラスがこの実施形態に適した2つの微生物である。
更に別の具体的な実施形態では、酵母又は他の醗酵微生物が固形物と液体を分離する前にスラリーに添加される。可溶性の糖がすべてエタノール又は他の醗酵産物に転化されるまで醗酵は進行する。通常約24時間ないし約72時間である。醗酵が完了したら、固形物画分と液体画分は遠心分離、濾過、あるいは他の適切な手段で分離する。固形物は回収し、乾燥する。乾燥工程で、すべての残留エタノール又は揮発性醗酵産物が蒸発する。液体画分は蒸留又は他の醗酵産物回収工程へ送られる。固形物を蒸留前に分離するという意味で、この方法は従来のエタノール工程とは異なる。蒸留は蛋白質を変質させ、消化吸収能力を低下させる場合がある。
別の具体的な実施形態では、スラリー中の可溶性の糖は適切な微生物を添加することによりエタノールではなく追加の蛋白質へ転化される。可溶性の糖は、最大細胞集団を生産するように設計した攪拌、通気、温度及びpHの条件下で成長する適切な酵母又は真菌を加えることにより、細胞集団へ転化される。細胞集団は穀物固形物と一緒に回収され、その結果、当該製法で回収される蛋白質濃縮物の量が増大する。適切な微生物には、限定されないが、非毒性であり、病原菌でなく、動物の飼料として使用しても安全であり、魚又は動物にとって美味であり、好ましくは糖を利用する真菌又は酵母がすべて含まれる。適切な微生物には、具体例として、例えばリゾプス・オリーゼとリゾプス・ミクロスポラスが含まれる。1つの具体的な実施形態では、少なくとも1つのリゾプス種が添加され、最終蛋白質濃縮物の蛋白質濃度を高める。一般的に、リゾプスは蛋白質濃度を高める3つの方法のうちいずれか1つを用いて添加される。1つの具体的な実施形態では、リゾプスは酵母醗酵の後、蒸留の前に添加され、可溶性蛋白質を利用して回収可能な蛋白質の量を増大させる。別の具体的な実施形態では、リゾプスは別の真菌(例えば、サッカロミセス・セレビシエなどの酵母)の代わりに添加される。この実施形態では、リゾプスは可溶性の糖及び可溶性の蛋白質を利用してエタノールの代わりに細胞集団を生産し、蛋白質の回収量を全体的に増大させる。更に別の具体的な実施形態では、粉砕した澱粉含有穀物をスラリー状にし、澱粉とグルカンを酵素で可溶化させる。次に液体画分に酵母を加え醗酵させて、可溶性の糖をエタノールにする。乾燥させる前に、遠心分離機からの湿った固形物画分にリゾプスを加える。湿った固形物は糖を含んでおり、それがリゾプスにより細胞集団に転化される。1つの具体的な実施形態では、この実施形態で使用される澱粉含有穀物は大豆である。この実施形態では、リゾプスは通常大豆に関連しているフィチン酸塩及び他の反栄養素化合物を減少又は排除するので、フィチン酸塩が減少又は排除され、反栄養素因子が減少又は排除された蛋白質濃縮物が提供される。
全ての実施形態において、乾燥工程は蛋白質が変質、酸化又は有害な状態に変化する温度未満の温度で行われる。1つの具体的な実施形態では、約50℃の空気乾燥が行われる。別の具体的な実施形態では、50℃以下の空気乾燥が行われる。
一般的に、蛋白質濃縮物は約30%ないし約70%あるいはそれ以上の蛋白質を含む清澄な茶色ないしオフホワイトの粉末である。1つの具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約35%の蛋白質を含む。別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約40%の蛋白質を含む。別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約45%の蛋白質を含む。別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約50%の蛋白質を含む。別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約55%の蛋白質を含む。別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約60%の蛋白質を含む。別の具体的な実施形態では、蛋白質濃縮物は約65%の蛋白質を含む。
(III.水産養殖)
上述した如く、水産養殖は世界で最も速く成長している食品生産部門である。例えば、米国の水産養殖生産の現在価額は約9億ドルであり、米国商務省は2025年までにその額が50億ドルに上昇するのを期待している。このように、貝、甲殻類及び魚製品の生産面で現在生じている偉大な変化の故に、水産養殖は正に次の農業革命である。
水産養殖が成長を続けるには、改善された植物ベースの蛋白源が求められている。魚の餌における第一目的は、魚の維持、成長、繁殖及び健康をサポートする栄養的にバランスの取れた混合栄養素を妥当な価格で提供することである。魚の栄養要求及び水産養殖の栄養の多くは業界で周知である(例えば、Nutrient Requirements of Fish, Committee on Animal Nutrition, Board on Agriculture, National Research Council, NATIONAL ACADEMY PRESS, Washington, D.C. 1993 National Academy of Scienceを参照)。
(1.水産養殖用飼料の加工)
業界で周知の通り、魚の餌は、魚による効率的な消費と水の汚染の最小化を考慮して、一般的に、水中で安定した粒子状(顆粒、ペレット)に加工される。製造された魚の餌の多くは圧縮ペレッティング又は押出しにより加工される。他の製造形には、湿った(又はやや湿った)餌、マイクロカプセル化された餌、微粉砕された餌などが含まれる。これらの加工は業界で周知である。
現在、マスの餌では魚粉が主な蛋白源である。今、魚粉の量と総合原価を低下させる変化が求められている。魚粉を植物蛋白質で置き換えるのが最初のステップであるが、植物ベースの食餌のアミノ酸含有量には限界がある。多くの新陳代謝機能にはアミノ酸が必要である。最大の必要性は蛋白質の増大と代謝燃料である。食餌中に適切なアミノ酸バランスを提供すれば、餌の原価及びアンモニアとして排出される窒素排出物の量が減少する。
現在多くの研究の目標は、成長を阻害することなく魚粉蛋白質を植物蛋白質で完全に置き換えることである(例えば、Adelizi P.D.等、前出を参照)。しかし、当業者には周知のように、蛋白源は成長率に影響を及ぼす(例えば、F.T. Borrows等(2007)Agriculture Research 38(16):1747−1758を参照)。
餌の許容性、美味性及び消化性は成分と餌の品質により異なる。養魚家は、餌の許容性を決定し、餌の転化率及び餌の効率を計算し、餌の原価をモニターし、餌の需要を追跡するため、一年中摂食活動に注意を払っている。
摂食率の表が通常のほとんどの養殖魚について出版されており、入手可能である。養魚家は、タンク、水路又は池の魚の平均サイズ(体長又は体重)及び数に基づいて、業界で周知の方法により最適摂食率を計算できる(Hinshaw 1999及びRobinson等1998を参照)。魚のサイズ、水の温度及び種類により異なるが、養殖魚は一般的に毎日体重の1−4%の餌を食している。
(水産養殖の摂食実態)
一般的に、魚のサイズや種類並びに水産養殖に用いられる様々な環境及び管理条件ごとに、要求される摂食戦術も異なってくる。栄養源(生餌又は死んだ餌)、粒度、キメ、密度、美味などの食餌の特徴は、魚のサイズや種類ごとに注意深く考慮しなければならない。餌の許容値及び摂食頻度は成長率及び摂食効果にとって重要である。使用される餌の種類(浮遊又は沈降)及び摂食方法は、魚の種類、養殖システム及び利用可能な装置や人材により異なってくる。
(IV.蛋白質濃縮物の他の使用方法)
本明細書開示の方法により生産される蛋白質濃縮物は、植物由来の高蛋白源が必要とされている(又は望まれている)水産養殖用の飼料及び他の動物の飼料の成分として適している。
(A.エタノール生産)
エタノールは業界周知の方法により液体醗酵流で生産される(例えば、Gyamerah, M. and Glover, J.(1996)J. of Chem. Tech. and Biotech. 66(2):145−152、Minier, M. and Coma, G(1981)Biotechnology Letters 3(8):405−408、P. Christen等(1990)Biotechnology and Bioengineering 36(2):116−123を参照)。1つの具体的な実施形態では、液体流と洗浄水は適当なタンクで組み合わされる。適切な醗酵微生物が添加され、液体流を醗酵させる。適切な微生物には、限定されないが、液体流を醗酵してエタノールにする酵母が含まれる。醗酵液体中のエタノール濃度は一般的に最初のスラリーの固形物含有量と大麦の炭水化物含有量により異なっているが、通常は約3%ないし15%の範囲にある。蛋白質固形物を分離した後、醗酵液体流は周知の方法により蒸留し、エタノールを水から分離する(例えば、Kister, Henry Z.(1992)Distillation Design (1st Edition ed.)McGraw−Hillを参照)。
以下の実施例は例示目的で提供されるものであり、本発明を限定するものではない。
以下の実施例は、大麦から蛋白質濃縮物を試験規模で生産する典型的な製法を例示するものである。
籾殻のない大麦(Merlin品種)を細目スクリーンを用いてハンマミルで粉砕した。粉砕した大麦は攪拌装置と熱交換器を装着した300リットルの貯蔵タンクで水と混合し、固形物含有量20%のマッシュを調製した。pHは約5.5であった。マッシュの加熱を開始し、マッシュの温度が50℃に達した時、アルファアミラーゼ(ジェネンコア社のSPEZYME FRED)を大麦1kg当たり3.3ml添加した。マッシュが90℃になるまで加熱を継続した。マッシュを2時間、90℃に保持した。次にマッシュを65℃に冷却した。グルコアミラーゼ(ジェネンコア社のDistillase 500L)を穀物1kg当たり1.6mlの速度で添加し、ベータグルカナーゼ(ジェネンコア社のOptimash BG)を穀物1kg当たり1.66mlの速度で添加した。マッシュを16時間かけて徐々に35℃まで冷却し、それから酵母培養物を添加した。初期の細胞密度はマッシュ1ml当たり約100万酵母であった。醗酵を35℃で攪拌しながら約52時間行った。次に醗酵ビールをシャープレス遠心分離機を用いて70,000rpmで遠心分離した。液体流のサンプリングを行い、エタノール濃度をガスクロマトグラフィで5%w/wであると確定した。遠心分離機から固形物を回収し、乾燥し、粉砕した。乾燥粉末の蛋白質濃度は総窒素NとしてLeco窒素分析器を用いて測定した。ここで、蛋白質濃度は%NX6.25に等しい。大麦蛋白質濃縮物の7つの生産バッチの蛋白質濃度の平均値は54%であった。この実施例で調製した蛋白質濃縮物は、実施例5及び6に記載したマスの食餌試験用の餌を配合するのに用いた。
以下の実施例は、オート麦から蛋白質濃縮物を実験室規模で生産する典型的な製法を例示するものである。
実施例1で開示したように、オート麦を細目スクリーンを用いてハンマミルで粉砕した。粉砕したオート麦は攪拌装置と熱交換器を装着した300リットルの貯蔵タンクで水と混合し、固形物含有量20%のマッシュを調製した。pHは約5.5であった。マッシュの加熱を開始し、マッシュの温度が50℃に達した時、アルファアミラーゼ(ジェネンコア社のSPEZYME FRED)を大麦1kg当たり3.3ml添加した。マッシュが107℃になるまで加熱を継続した。マッシュを7分間、107℃に保持した。次にマッシュを65℃に冷却した。グルコアミラーゼ(ジェネンコア社のDistillase 500L)を穀物1kg当たり1.6mlの速度で添加し、ベータグルカナーゼ(ジェネンコア社のOptimash BG)を穀物1kg当たり1.66mlの速度で添加した。マッシュを一晩かけて35℃まで冷却し、それから酵母培養物を添加した。初期の細胞密度はマッシュ1ml当たり約100万酵母であった。醗酵を35℃で攪拌しながら約52時間行った。次に醗酵ビールを70,000rpmで遠心分離した。液体流のサンプリングを行い、エタノール濃度をガスクロマトグラフィで5%w/wであると確定した。遠心分離機から固形物を回収し、乾燥し、粉砕した。乾燥粉末の蛋白質濃度は総窒素(N)としてLeco窒素分析器を用いて測定した。ここで、蛋白質濃度は%NX6.25に等しい。
実験室規模で処理したオート麦の蛋白質濃度は47.5%蛋白質であった。
標準の籾殻付き大麦(バロネッセ品種)の籾殻を除去し、実施例1で開示した方法で処理した。マッシュをハイドロヒーターを使って105℃で200ガロンのタンクにポンプ注入することにより加熱し、次にマッシュを90℃に冷却し、アルファアミラーゼを添加し、その状態で約2時間保持した。マッシュを更に65℃まで冷却し、グルコアミラーゼとベータグルカナーゼを添加し、その状態で約2時間保持した。マッシュを更に35℃まで冷却し、酵母を添加した。醗酵と蛋白質回収は実施例1に記載した通りである。籾殻を除去する前の大麦の初期蛋白質含有量は15.7%であったが、大麦蛋白質濃縮物の最終蛋白質含有量は53.1%であった。
以下の実施例は、大麦から蛋白質濃縮物を調製する非加熱加工を例示したものである。
典型的な製法ではMerlin品種の大麦を用いる。非加熱加工では、大麦マッシュを30%ないし35%固形物で調製し、pHを3.5ないし4.0に調整し、次に酵母培養物及び非ゼラチン化生澱粉を加水分解する酵素製剤を添加する。酵素製剤は2008年11月4日同時係属出願中の米国特許出願公開番号12/264,875(参照としてその全体が本明細書に援用される)に開示されるような固形基質培養で繁殖させるアスペルギルス属の選択種培養物を含む。適切な酵素混合物は商業的にも入手可能である。酵素と酵母を含むマッシュは好ましくは攪拌しながら30℃ないし35℃で48時間ないし72時間培養して、同時に澱粉の加水分解と醗酵を行う。
実施例2及び3に開示される「加熱」加工に関しては、醗酵完了後、蒸留前に、業界周知の方法(遠心分離、濾過など)で固形物を液体から分離する。
固形物と液体は、加熱加工に関して開示されている製法で処理される。
以下の実施例は、蛋白質濃縮物を大豆粉から実験室規模で生産する典型的な製法を例示する。溶媒抽出大豆粉を非加熱加工で処理した。粉砕した大豆粉を水で20%固形物含有量のスラリー状にした。スラリーをpH3.6に調整し、生澱粉活性アミラーゼ製剤と酵母を添加した。アミラーゼと酵母を含むスラリーを35℃で72時間培養して、同時に加水分解と醗酵を行った。固形物の画分と液体の画分を遠心分離で分離した。固形物の画分を約50℃で乾燥させ、粉砕した。大豆粉の初期蛋白質含有量は48%であった。実施例1の方法で測定した結果、当該製法で生成した蛋白質濃縮物の最終蛋白質濃度は57%であった。
以下の実施例は、可溶性の糖からエタノールではなく追加の蛋白質を生産する製法を例示する。籾殻のない大麦(Merlin品種)を実施例1に記載の方法に従って酵素で処理した。マッシュが35℃に冷却した時、酵母を添加する代わりに、マッシュにリゾプス・オリーゼを接種した。リゾプス・オリーゼ培養物は、貯蔵傾斜培養物を普通ブイヨンに移し49時間繁殖させることにより調製した。フラスコ培養を用いて、マッシュ1リットル当たり10mlのリゾプス・オリーゼ接種物を添加する速度でマッシュに接種した。接種したマッシュは35℃で72時間培養した。培養物を遠心分離して固形物を分離し、それを50℃で空気乾燥させて水分含有量10%未満にした。乾燥固形物は実施例1の方法に従ってアッセイし、蛋白質含有量を調べた。蛋白質濃度は58%であった。
以下の実施例は、魚粉、大豆蛋白質濃縮物及び本明細書開示の方法に従って大麦から生産した蛋白質濃縮物の美味性を比較したものである。
代替食餌成分の中には、食餌の美味性、すなわち魚の積極的摂食行動に悪影響を及ぼすものがある。消化性試験又は成長試験を行う前に、美味性の成分をスクリーニングするため、3週間の美味性試験を行った。
30%の試験蛋白質及び対照蛋白質を含む3種類の実験的食餌が与えられた(表1)。
Figure 2011516095
魚粉を含む食餌は陽性対照であり、大豆蛋白質濃縮物を含む食餌は長期摂食研究において優れた成長と飼料消費をサポートすることが証明されている植物ベースの参照食餌である。各食餌は2週間の条件付け期間の後、3週間、14℃の水を供給する75リットルの三重タンク内のニジマス(Oncorhynchus mykiss)30匹に与えられた。餌は見掛けの満足度まで手で魚に与えられ、摂食活動をモニターした。3週間後、飼料消費の平均値を出し、結果を1日当たり魚の体重1グラム当たりの餌のグラム数で表した。3種類の餌を与えられたマスは、飼料消費の面で有意な差を示した(表2)。
Figure 2011516095
表2に示されるように、植物ベースの対照を与えられたマスは魚粉対照食餌を与えられたマスの49.9%しか消費しなかった。大麦蛋白質濃縮物を含む餌を与えられたマスは魚粉対照を与えられたマスの56.8%消費した。この試験結果は植物対照あるいは大麦蛋白質濃縮物を含む餌を与えられたマスの餌摂食量が減少していることを示しているが、植物対照食餌を与えられたマスは9週間の摂食活動後初めて食餌に適応したことが確認されている。大麦蛋白質濃縮物は長期間マスにより拒絶されなかったし、最初の3週間の摂食期間中、大豆蛋白質濃縮物よりも美味であったと我々は結論した。
大麦蛋白質濃縮物の美味性試験が、現在、淡水性の雑食魚(サッカー)と海洋性の肉食魚(ギンダラ)で行われている。
以下の実施例は、本明細書開示の製法による蛋白質濃縮物で調製された水産養殖用飼料の消化性を例示したものである。
見掛けの消化係数(ADC)は、魚により消化される成分中のある栄養素の割合を推定するものである。これらの値は、成分の真の栄養価を化学組成よりも正確に表すものであり、正確な食餌配分にとって必要である。
燐、蛋白質及びアミノ酸についてADCを決定する研究を行った。ニジマス(Oncorhynchus mykiss)(約250g/魚)を300Lのファイバーグラスタンクに入れ、実験中ずっと15℃の水を6L/分で供給した。14:10時間の日周圏で光を維持した。参照食餌は、コーングルテンミール(37.42%)、小麦グルテンミール(7.61%)大豆粉(20.62%)、小麦粉(24.62%)、リジン−HCL(1.47%)、ビタミンプレミックス(0.80%)、微量ミネラルプレミックス(0.10%)、酸化イットリウム(0.01%)で構成した。加工前に各試験成分を30/70の割合で参照食餌と混合した。大麦蛋白質濃縮物を含む食餌は入手可能な材料の量が制限されていたので冷間押出で製造し、その他の食餌はすべて熱間押出で製造した。
餌を3つのグループの魚に与え、これをある期間反復した。餌は魚の入ったタンクにランダムに割り当てられ、魚は1日2回、見掛けの満足度まで餌を与えられた。糞便採集の前7日間、魚にはそれぞれの餌を与えた。糞便試料は摂食後16−18時間目に手剥離により一度に採集した。魚の手剥離は、タンク内のすべての魚を網で捕獲し麻酔をかけ、その後温和な条件下で乾燥してから下腹部を圧迫して糞便をプラスチック製の秤量皿に移すことにより行った。その後魚を除去し、新しい魚で置き換え、2回目及び3回目の食餌として餌を魚の入ったタンクにランダムに割り当てた。各タンクの糞便試料は一晩50℃で乾燥させ、化学分析が行われるまで−20℃で貯蔵した。試験食餌及び成分中の各栄養素の見掛けの消化係数(ADC)を以下の式に従って計算した(Kleiber 1961, Forster 1999)。
Figure 2011516095
醗酵BPCの蛋白質及びアミノ酸のADCはとても高く(表3)、標準の魚粉と等しいかそれよりも良かった。蛋白質のADCは、洗浄BPC及び醗酵BPCの両方により有意に増大した。
Figure 2011516095
以下の実施例は、大麦蛋白質濃縮物を用いて製造した魚の餌の成長及び栄養効率に及ぼす効果を例示したものである。
魚粉ベースの餌と植物粉ベースの餌の代わりに大麦蛋白質濃縮物を用いて、12週間の摂食研究を行った(表4)。
半矩形のポリタンク(200L)に15℃の水を流速8−12L/分(魚の成長に伴って流速を増大)で供給した。ハロゲン化金属ランプを用いた時間システムによって14時間の光と10時間の暗闇を提供することにより、昭光時間を一定に保った。平均15.5グラムの魚を3匹各タンクに入れ、満腹するまで実験的餌を与えた。
Figure 2011516095
実験的餌は3つのタンクの魚に合計21の実験単位でランダムに割り当てられた。
タンクは毎日清浄に保ち、1匹の魚も死亡することがなかった。魚は試験の始めと終わりにサンプリングし、蛋白質及びエネルギー保持効率を測定するため組成分析を行った。
図3は、魚粉又は大豆蛋白質濃縮物を大麦蛋白質濃縮物で置き換えた場合の効果を示している。図3が示すように、魚粉の1/3及び2/3を大麦蛋白質濃縮物で置き換えた餌を与えた場合、100%の魚粉を与えた場合と比べて成長率が増大した(各文字の平均値は有意差P<0.05)。魚粉を大麦蛋白質濃縮物で完全に置き換えた餌をマスに与えた場合、結果は同等の成長を示した。
栄養素保持効率は、魚にいずれの餌を与えた場合も同等であると我々は考える。
本明細書に記載の実施例及び実施形態は例示目的でのみ記載されたものであることは理解されている。従って、種々の修正あるいは変更は当業者に示唆されており、本出願の趣旨及び範囲並びに付帯の特許請求項の範囲に含まれるものであることも理解されている。

Claims (19)

  1. 澱粉を含有する穀物又は脂肪種子から蛋白質濃縮物を生産する製法であり、
    (i)澱粉含有穀物を粉砕し、粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、
    (ii)粉砕された澱粉含有穀物を水でスラリー状にし、澱粉およびグルカンを含むスラリーを調製する工程、
    (iii)前記スラリーを構成する澱粉及びグルカンを酵素で可溶化し、可溶性のスラリーを提供する工程、
    (iv)前記可溶性スラリーに醗酵微生物を添加する工程、
    (v)前記醗酵微生物を含む可溶性スラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ、醗酵したスラリーを生産する工程、
    (vi)前記醗酵したスラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、
    (vii)前記固形物と液体の画分を回収する工程、及び
    (viii)前記回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ、蛋白質濃縮物を生産する工程を含む、方法。
  2. 酵素で澱粉及びグルカンを可溶化する工程がグルコースを生産する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記製法が非加熱製法である、請求項1に記載の製法。
  4. 前記製法が加熱製法である、請求項1に記載の製法。
  5. 請求項1に記載の方法であり、
    (ix)前記液体画分を蒸留して醗酵生成物を回収する工程をさらに含む方法。
  6. 前記醗酵生成物がエタノールである、請求項5に記載の方法。
  7. 前記澱粉含有穀物が、大麦、小麦、オート麦、トウモロコシ、ライ麦、ライコムギ、サトウモロコシ、大豆又は大豆粉、フラックス、カメリナ、又はそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 前記澱粉含有穀物が大麦である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記大麦が籾殻のない大麦の種類から選ばれる、請求項8に記載の方法。
  10. 前記大麦の籾殻が工程(i)以前に除去される、請求項8に記載の方法。
  11. 請求項1に記載の方法によって生成される蛋白質濃縮物。
  12. 乾燥状態で約30%ないし約70%の蛋白質を含む、請求項11に記載の蛋白質濃縮物。
  13. 請求項12に記載の蛋白質濃縮物を含む水産養殖飼料。
  14. 請求項1に記載の方法であり、工程(viii)以前に、
    (a)工程(vii)で回収した液体画分を含む培地で適切な微生物を培養し、細胞集団を提供する工程、及び、
    (b)前記細胞集団を穀物固形物と一緒に回収し、蛋白質濃縮物を増量させて提供する工程をさらに含む、方法。
  15. 前記適切な微生物はリゾプス・オリーゼとリゾプス・ミクロスポラスとからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項14に記載の方法によって生成される蛋白質濃縮物。
  17. 澱粉含有穀物から蛋白質濃縮物を増量させて提供する方法であり、
    (i)澱粉含有穀物を粉砕し、粉砕された澱粉含有穀物を生産する工程、
    (ii)澱粉およびグルカンを含む穀物を水でスラリー状にする工程、
    (iii)澱粉及びグルカンを酵素で可溶化する工程、
    (iv)細胞集団生成用に選んだ適切な微生物を前記スラリーに添加する工程、
    (v)前記適切な微生物を含むスラリーを醗酵が完了するまで醗酵させ、可溶性の糖を細胞集団に転化したスラリーを生産する工程、
    (vi)前記可溶性の糖が細胞集団に転化したスラリーを固形物と液体の画分に分離する工程、
    (vii)前記固形物と液体の画分を回収する工程、及び
    (viii)前記細胞集団を前記固形物画分と一緒に回収し、前記回収した固形物の画分を蛋白質が変性又は損傷する温度未満の温度で乾燥させ、増量した蛋白質濃縮物を生産する工程を含む、方法。
  18. 前記適切な微生物はリゾプス・オリーゼとリゾプス・ミクロスポラスとからなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項17に記載の方法によって生成される蛋白質濃縮物。
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