JP2011513599A - 抄紙機のためのベルト及びベルトを形成する方法 - Google Patents
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Abstract
ベルト、及び抄紙機のためのベルトを形成する方法。ベルトは、上面(4)と、下面(5)と、縦方向(MD)で分離された2つの端部(2,3)とを有する平坦な織物を含む。平坦な織物に形成された折畳み部(6,7)は縦方向(MD)で分離されており、これにより、2つの端部(2,3)は、2つの端部(2,3)が下面(5)の下側に配置される。折畳み部(6,7)においてシームループ(6′,7′)が形成され、2つの端部(2,3)は、折畳み部(6,7)の間の中央からずれた領域において互いに隣接して配置されるか又は互いに重なり合っている。この要約は、この明細書に開示された発明を規定することを意図するものでも、発明の範囲を限定することを意図するものでもない。
Description
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、抄紙機のためのシール可能なベルト、特に、抄紙機のためのシーム可能なベルトベースを形成することに関する。
1.発明の分野
本発明は、抄紙機のためのシール可能なベルト、特に、抄紙機のためのシーム可能なベルトベースを形成することに関する。
2.背景情報の説明
プレスファブリックのためのシーム可能ベースは、織布のチューブを"折り畳み"、それぞれの端部における折畳み部において横方向(CD)の糸を除去することによって形成することができることが、国際公開第89/12717号パンフレットから公知である。この場合、これらの端部又は折畳み部における縦方向(MD)の糸は次いでシームループとして機能することができる。ベースの端部又はシームループは、整合させられ、ベルトのための無端ベースを形成するためにピントルと結合される。ベースは、あらゆる慣用の形式でニードル加工及び仕上げ加工することができ、これにより、通常のプレスシームファブリックを形成する。
プレスファブリックのためのシーム可能ベースは、織布のチューブを"折り畳み"、それぞれの端部における折畳み部において横方向(CD)の糸を除去することによって形成することができることが、国際公開第89/12717号パンフレットから公知である。この場合、これらの端部又は折畳み部における縦方向(MD)の糸は次いでシームループとして機能することができる。ベースの端部又はシームループは、整合させられ、ベルトのための無端ベースを形成するためにピントルと結合される。ベースは、あらゆる慣用の形式でニードル加工及び仕上げ加工することができ、これにより、通常のプレスシームファブリックを形成する。
別の方法において、ファブリックの上述のチューブは、らせん状の"多軸"方法を用いて構成することができる。しかしながら、上述の形式で無端の織られた又はらせん状のチューブを使用するために、チューブは、注文に基づく長さに製造されなければならない。さらに、これらのチューブは概して僅か約1〜1.5mの幅であるので、多数のこれらの折られたチューブは、抄紙機において一般的に使用される10〜12mの幅を達成するために、MD接合を用いて組み合わされなければならない。これらのチューブの端部は、CD糸を除去することによってMD糸ループを形成することによって接合することができる。
さらに、ニードル加工されたバット、樹脂、又はその他の不織布で"強化"された平行な糸の配列を、ベースのための前記チューブを形成するために使用することができるので、接合された領域上に、強い単層トッププライファブリック、又はニードル加工されたバット、付加された樹脂、熱可塑性"溶接"等を提供することができ、これにより、2つのファブリック端部における接合を処理のために未処理に保持する。さらに、ニットファブリックを使用することができ、この場合、ループがらせん状リンクとして提供される。
別の択一例において、例えば折り畳む前に、チューブ内に膜である"挿入体"を配置することが知られている。
発明の概要
本発明は、抄紙機のためのベルトを形成する方法に関する。ベルトは、織物若しくは織布から成るベース構造を有しており、ベース構造のMD端部は、織布のMD端部の折り返し部分によって形成されている。織布のMD端部の折り返された部分は、ベースの底側に取り付けることができる。シームループは、例えばCD糸の間に分離を形成することによって、好適にはCD糸を除去することなく、ベース構造のMD端部に形成することができる。織布は、無端織布又は平坦な織布であることができ、単層構造であることができる。
本発明は、抄紙機のためのベルトを形成する方法に関する。ベルトは、織物若しくは織布から成るベース構造を有しており、ベース構造のMD端部は、織布のMD端部の折り返し部分によって形成されている。織布のMD端部の折り返された部分は、ベースの底側に取り付けることができる。シームループは、例えばCD糸の間に分離を形成することによって、好適にはCD糸を除去することなく、ベース構造のMD端部に形成することができる。織布は、無端織布又は平坦な織布であることができ、単層構造であることができる。
発明の典型的な実施形態において、織布のMD端部の部分を折り返すことができ、これにより、織布のMD端部を、互いに近接して、好適には当接して配置することができるか、又は互いに重なり合って又は絡み合って配置することができる。織布のMD端部は、ベース構造の折畳み端部のうちの一方の近く、例えば4フィート(121.92cm)、好適には1〜36インチ(2.54cm〜91.44cm)、より好適には12〜36インチ(30.48cm〜91.44cm)以内において、互いに当接又は重なり合うように配置することができる。さらに、MD織布の折り畳まれた部分は、例えば織布のMD端部の領域におけるMDシーム及び/又は両MD端部を接合しているMDシームをベース構造の下側に縫い付けることによって、ベース構造の下側に取り付けることができる。
発明の別の態様によれば、ベース構造は、例えば、Voith Fabricsによって製造されたSPECTRA膜、又は好適にはエラストマを含む、別の非平坦織布、又はニット材料等の、成形されたポリウレタン複合材料不織布膜から成る、包囲された挿入体を有することができる。挿入体は、挿入体が、例えば低融点ファブリック又はスクリムの形式において、所望の剛性化及び/又は繊維結合を提供する限り、ベース構造の全幅よりも小さくてよい。
本発明は、上面と、下面と、縦方向に分離された2つの端部とを有する平坦な織布材料を含む抄紙機のためのベルトに関する。平坦な織物に形成された折畳み部は縦方向に分離されており、2つの端部は下面の下側に配置されている。シームループは折畳み部に配置されている。2つの端部は、互いに隣接して配置されており、折畳み部の間の中央からずれた領域において互いに重なり合っている。
発明の特徴によれば、2つの端部から折畳み部までの平坦な織物の部分は、下面に結合されることができる。
発明の別の特徴によれば、2つの端部は、下面に縫い付けられてよい。
さらに、中央からずれた2つの端部は、折畳み部のうちの一方から4フィート(121.92cm)以内に配置することができる。さらに、中央からずれた2つの端部は、折畳み部うちの一方から1〜36インチ(2.54cm〜91.44cm)に配置されてよい。
本発明のさらに別の特徴によれば、シームループの領域における横方向繊維の密度は、折畳み部の間の中央の近くの横方向繊維の密度よりも大きい。
別の特徴によれば、挿入体を、折畳み部と、下面と、互いに隣接して配置された2つの端部との間に配置することができる。さらに、挿入体は、ポリウレタンを含むことができ、不織布膜であることができる。
挿入体は、別の平坦な織布を含むこともでき、挿入体と、2つの端部と、下面とは、縫い合わされてよい。
本発明のさらに別の特徴によれば、ピントルをシームループに挿入可能であり、これにより、ベルトシームを形成する。
別の特徴によれば、バット層を、上面又は端部を含む面の少なくとも一方にニードル加工することができる。
本発明は、上面と、下面と、縦方向に分離された2つの端部とを有する平坦な織布から抄紙機のためのベルトを形成するための方法に関する。この方法は、2つの端部が下面の下側に位置決めされて互いに隣接しかつ互いに重なり合うように平坦な織布に折畳み部を形成し、折畳み部の間の中心からずれた領域において2つの端部と下面とを結合し、シームループを形成するように折畳み部における隣接した横方向糸を分離することを含む。
本発明の特徴によれば、前記結合は、端部と下面とを縫い合わせることを含む。
本発明の別の特徴によれば、折畳み部における隣接する横方向糸の分離は、折畳み部の間の中央の領域よりも、シームループの領域において横方向繊維のより高い密度を生じることができる。
本発明のさらに別の特徴によれば、2つの端部及び底側面は、折畳み部のうちの一方から4フィート(121.92cm)以内に結合することができる。さらに、2つの端部及び底側面は、折畳み部のうちの一方から1〜36インチ(2.54cm〜91.44cm)に結合される。
さらに、方法は、折畳み部と、下面と、互いに隣接して配置された2つの端部との間に挿入体を挿入することを含むことができる。挿入体は、ポリウレタン不織布膜を含んでいてよい。
この方法は、挿入体と、2つの端部と、下面とを縫い合わせることも含んでよい。
発明のさらに別の特徴によれば、方法は、シームループにピントルを挿入することを含むこともでき、これによりベルトシームを形成する。
発明のさらに別の特徴によれば、方法は、上面及び端部を含む面のうちの少なくとも一方にバット層をニードル加工することを含むことができる。
別の特徴によれば、方法は、さらに、2つの端部を房状にすることを含むことができる。房状になった端部は重なり合うように配置することができ、重なり合った房状になった端部は、少なくとも1つのステッチによって、下面に結合される。
本発明のさらに別の特徴によれば、方法は、上面及び端部を含む面のうちの一方に2層布ベルトを結合することを含むことができる。
本発明のその他の典型的な実施形態及び利点は、この開示及び添付図面を考察することによって確かめられる。
本発明はさらに、本発明の典型的な実施形態の制限しない例として複数の図面を参照した以下の詳細な説明においてさらに説明され、図面中、複数の図面を通じて同一の参照符号は同一の部材を表している。
本発明の詳細な説明
本明細書に示された詳細は、本発明の実施形態の例示的な説明のための例であり、本発明の原理及び概念の最も有効でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提供されている。つまり、本発明の基本的な理解のために必要である以上に、本発明の構造的な詳細をより詳細に示すことは意図されておらず、図面に関連した説明は、本発明の複数の態様が実際にどのように具体化されるかを当業者に明らかにする。
本明細書に示された詳細は、本発明の実施形態の例示的な説明のための例であり、本発明の原理及び概念の最も有効でかつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提供されている。つまり、本発明の基本的な理解のために必要である以上に、本発明の構造的な詳細をより詳細に示すことは意図されておらず、図面に関連した説明は、本発明の複数の態様が実際にどのように具体化されるかを当業者に明らかにする。
実施形態によれば、図1及び図2はそれぞれ、抄紙機のベルトのためのベース構造体を形成するために使用することができる、縦方向(MD)で分離された互いに反対側の端部2及び3を有する、織物1、例えば平坦な織物又は織布、の上面図及び側面図を示している。織物1は、所望の完成したベルトの長さ又は円周のほぼ2倍のMD長さを有しており、上面4及び下面5を有している。織物1は、ストックプリメイドファブリックであることができ、好適には、平坦な製造されたストック材料であってよい。このようなプリメイドファブリックは、所望の長さ又は円周を有するベルトを形成するために所望の又は注文されたサイズに切断することができる。例えば、実質的に完全に自動化されているか又はロボットである現代の織機は、オペレータを必要とせずに、停止時間等なしに、平坦なストックファブリックを連続的に織ることができる。さらに、典型的な実施形態における織物1は、単層織り構造として示されているが、本発明はこのような構造に限定されない。すなわち、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、空隙率及び圧縮抵抗を高めるために、二層又は三層の織布を使用することもできる。
限定しない例として、織布1は、幅広の織機、例えば、ロボット式の平坦なストックファブリック織りのための12m幅織機において製造することができる。12mは、既存の抄紙機のために十分な幅であるが、より小さなCD寸法を有するベルトの場合、廃棄物を低減又は回避するためにより小さな織機サイズを選択することは有利である。さらに、織布は、例えば、単層平織を用いて、0.50mmナイロン6であるMD糸の1インチごとの18エンドと、CD方向で同じ糸の1インチごとの18エンドとを用いて、形成することができる。織布は、注文を受けるとストックピースから所定の長さに切断される。さらに、切断された端部を融着するためにホットナイフを用いて切断を行うことは有利である。
さらに、織布1は、MD及びCDの織り合わされたテキスタイルヤーンシステムを備えるように選択することができる。なぜならば、これらの織布は、CD方向及び/又はMD方向でより安定しており、これにより、ランニングサイズの予測可能性、及びランニング中の伸長、広がり又は収縮の予測可能性を提供する。さらに、MDジョインが必要とされないように、全幅ストックファブリックを使用することも有利である。このように、ベルトは、次いで、例えばフェルトを洗浄すること、熱処理ボンディングをフェルトに提供すること等を含むことができるあらゆる慣用の形式で、完成したファブリックに容易に組み立てることができる。
図3に示したように、折畳み線6から端部2までの織布1の端部は、折り返すことができ、折畳み線7から端部3までの織布1の別の端部は、折り返すことができる。この場合、折畳み線6と折畳み線7との間の距離にほぼ相当する長さを有する無端ベルト又は無端ベルトのためのベルトベースは、折畳み線6及び7をシームによって接合することにより、完成した折り畳まれた織布から形成することができる。シームを形成するために、図3に示したように、シームループ端部6′及び7′を形成するためのMD糸を露出させるために、折畳み線6及び7における横方向(CD)糸を互いに分離させることができる。好適には、CD糸は除去されないが、その代わりに、ツール、例えばコーム又はその他の適切な装置を、折畳み線における隣接するCD糸の間に挿入することができ、隣接するCD糸をこれにより機械的に分離させることができる。その結果、分離部に隣接したCD糸は密集させられ、MD糸は露出させられる。制限しない例として、CD端部を密集させるために、CD糸を除去することなくCD糸をリフォームすることができ、これにより、ボディと比較して、1インチ(2.54cm)ごとに約25%以上多いエンドが、MD糸に形成されたシームループに隣接して配置される。
さらに、本発明は、機械的な力、温度、加えられたステッチング糸等を適切に使用して、糸をボディ織り内へ"スリッピング"することによって、シームループに隣接した実質的に増大したCD糸密度を生じることができる。これにより、シームにおける繊維結合を改善することができ、ループサイズをより一定にすることができる。さらに、CD糸を除去するための時間がかかる損傷しやすい作業を、使用される構成のタイプに応じて、縮減又は好適には排除することができる。
さらに、MD糸のループが形成されると、ループ6′及び7′のベースに沿って又はこのベースの近くでCD方向にステッチを縫うことができる。さらに、CD移動を回避しかつMD糸を整列させておくために、MD糸の間にステッチを形成することができる。
図3に示したように、折り畳まれると、端部2及び3を互いに近接又は隣接して配置することができ、互いに当接するように配置することができる。端部2及び3は、例えば各端部を縫うか又はステッチすることによって(Xで概略的に示されている)、点線6及び7の間の織布1の部分(ボディ)の底側面5に取り付けられる。端部に縫い込まれた糸は、抄紙機における接合部における確実な支持を提供するために接合部を補強する。付加的に又は択一的に、端部2及び3は接合部(図示せず)を横切って縫われることができる。実施形態において、端部は、丈夫な耐久性のある極めて小さな直径の糸を用いて縫われることができる。しかしながら、糸は、ベース構造ボディ又はシームループ領域と比較して、縫われた端部のこの領域の厚さ又は空隙率均一性を著しく変化させることはない。
隣接した、好適には当接した端部2及び3は、織布1の折畳み線6及び7の間のベース構造の中央に配置されているのではなく、中央からずれており、例えば、シームループ端部6′又は7′の一方に近接して、例えば、4フィート(121.92cm)以内、好適には1〜36インチ(2.54cm〜91.44cm)、より好適には12〜36インチ(30.48cm〜91.44cm)に配置されている。隣接した端部をシームループ端部6′又は7′のうちの一方の近傍に位置決めすることによって、各端部及び/又は接合部は、例えば、"慣用の"スロート深さを有する工業用ミシンを用いて横方向に縫うことができる。
有利な択一的な実施形態において、端部2及び3は、CD糸、例えば端部2及び3から約0.25インチのCD糸、を除去することによって、房状にすることができる。端部と折り畳まれた織布の底側面5とを接合する択一的な形式を示す図4において、図3に示したように端部2及び3を当接させる代わりに、端部2′及び3′を折り返し(かつ房状にした)後で、房状になった端部2′及び3′を重ね合わせ、縫うことができる(Xで概略的に示されている)。別の択一的な例では、(房状になった)端部2′及び3′が折り返された後、房状の端部2′及び3′は、絡み合わされてステッチされることができる。房状の部分は、端部のCD方向に概して延びていることが理解され、図4の例示は、発明のこの実施態様の説明及び理解を容易にするためにのみ意図されている。つまり、この実施形態も、例示も、あらゆる特定の実施形態又は構成に発明を限定するものとして見なされるべきではない。
図3及び図4のベース構造が形成された後、ベース構造のシーム可能な端部を、図5に示したように、無端ベルトを形成するように接合することができる。これに関して、MDループ6′及び7′を、MDループ6′及び7′を所定の位置に保持するピントル8を受容するための開口を形成するように互いに重なるように配置することができ、これにより、シーム9を形成する。最良のシーム品質及び一貫性のために、CD糸若しくはフィラメントを、中断なく織物の全幅にわたって延びるようにシームループ6′及び7′に隣接して配置することができる。さらに、このCD糸若しくはフィラメントは、織られた経糸と同じものであってよいが、ボディにおけるよりも、1インチごとの糸に関してより高い詰込み密度で織られている。CD糸若しくはフィラメントは異なる糸タイプであってよく、異なる形式で挿入されてよく、例えば、織物の上部プライ及び下部プライの間を通過するか、1つのプライのみにおいて通過するか、又は両方のプライを通過することも理解される。本発明はさらに、完成した織物におけるシーム9の領域における繊維結合を高めるために、マルチフィラメント、リボン状の糸及び/又は低融点糸から成るCD糸若しくはフィラメントを想定しているが、これらに限定されない。しかしながら、CD糸若しくはフィラメントが連続しており、織布のボディと比較して、ループに隣接したシーム端部において織物の密度を高めることが有利であると理解される。
さらに、本発明のベルト又はベース構造を、シームし、概して技術分野において知られるニードリング装置に配置することができる。シーム9における厚さの変化によるウェブの不都合なマーキングを回避するためにシーム9を覆うようにバット層10をシームされたベース構造にニードル加工することができる。バット層10における繊維は、ベルト又はベース構造を形成する折り畳まれた織布1の、少なくとも1つ、好適には2つのプライを通じてニードル加工又はパンチされることができ、これにより、さらなる安定性を提供する。もちろん、シーム9を形成する前にベルト又はベース構造にバット層10をニードル加工することができることも同様に理解される。このような場合、シームループ端部のうちの少なくとも一方の上に延びるように又はつり下がるように配置された適切な付加的な量の芯繊維10を提供することが有利であり、これにより、バット繊維のこの付加的な量は、ベルトのシーミングの後にシーム9上を覆う。
図6に示された択一的な実施形態において、圧縮抵抗、厚さ保持、振動減衰、定常状態の水の取扱い等の、ベルトの特性を高めるために、挿入体21の周囲に織布20を巻き付けることができる。折り畳まれた織布20のプライの間に挿入体21を位置決めした後、例えば、本発明に従って端部が互いに隣接しているか、当接しているか、重なり合っているか、又は絡み合っていることができる接合部において、プライ(及び挿入体を)縫い合わせることによって、プライを挿入体21に結合させることができる。例えば、挿入体21は、ポリウレタン複合不織布膜、例えば、織られたストックファブリック1のプライの間に挟持された、Voith Fabricsによって製造されたSPECTRA膜であることができる。別の択一的な態様では、挿入体21は、別の折り畳まれていない平坦な織布、ニット材料等であることもできる。このような挿入体21は、加えられた引張強さ、弾性率及び曲げ剛性により、接合領域が使用時の開放及び剥離に抵抗することを助けることができる。この挿入体21は、接合部及びシームフラップ耐久性を高めるために、ニードル加工されたバットを保持することを助けることができる。
挿入体21は、概して寸法安定性に関して信頼されない。なぜならば、このような安定性はむしろベース構造から得ることができるからであり、これにより、好適には2つの織られたプライの間の分離を維持するエラストマ含有ファブリックを用いて、水の取扱いのためにプレスニップにおける織物性能を高め、及びファブリック端部22及び23によって形成されたCD接合部のための補強を提供する。端部22及び23のCD接合部を補強するために、又はその他の性能の理由から、挿入体21は織布20の全幅に延びている必要はない。その代わりに、挿入体は、低融点ファブリック又はスクリム等の形態で、剛性化及び繊維結合を提供するためにシームエッジ又はシーム端部のすぐ近傍に位置することができる。
別の択一的な実施態様では、MD糸の織られていない平行な配列は、例えばニードル加工されたバット内へ溶け込む可溶性糸を使用して、平坦な織られたシームベースの底側に積層されることができる。この実施形態は、これらの加えられた糸が、平坦なベースの接合された端部を摩耗から保護し、抄紙機において接合部が破損する危険性を低減するので有利である。さらに、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、別の貼り合わせ布が使用されてもよいが、巻糸が有利な結果を提供する。さらに、これらの糸は上述の挿入体と組み合わされることができ、これにより、1つのシームを用いてピン加工することが容易でかつ極めて効率的に製造される極めて圧縮抵抗性の多層構造を達成する。
発明の別の実施形態において、本発明の特徴に従って形成された折り畳まれた布ベルト又はベルトベースは、シングルプライベルト又はベルトベース、ダブルプライベルト又はベルトベース、又は例えば本発明に従って形成された折り畳まれた布ベルト又はベルトベース等の別のベルトと組み合わされる、例えば積層されることができる。この形式では、1+2又は2+2のダブルシーム布ベルトを有利には形成することができる。もちろん、この説明は、発明の説明及び理解を容易にするためのものであり、あらゆる特定の実施形態又は構成に発明を限定しようとするものではない。したがって、発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明のベルト又はベルトベースを、別のベルト又はベルトベースと接合することができるということが理解される。
発明の上述の実施形態は、発明を説明し、発明の理解を容易にするために提供された。しかしながら、発明は、単層構造にも、MD又はCDにおける均一な糸選択にも限定されない。平坦な織りの別の利点は、2つのワープビーム(整経ビーム)から来る並んだMD糸システムを使用することができ、この場合、1つのシステムは、バットを保持しかつ密度を提供するためのケーブルフィラメントであり、もう1つのシステムは、強いシームループを提供するためのソリッドモノフィラメントである。さらに、シートトランスファを助けるために、中央と比較して布の縁部の近くにおいてMDケーブルヤーンの異なる密度を使用することが考えられる。また、CD糸は、特定の性能向上に合わせて、例えば幅安定性のための糸を有するように、選択されることができるが、発明の精神及び範囲から逸脱することなく、エラストマ糸、低融点ボンディングヤーンと組み合わされることもできる。
前記の例は、単に説明のために提供されており、本発明を限定すると解釈されるべきではない。本発明は典型的な実施形態に関して説明されたが、ここで用いられている用語は、説明及び例示の用語であり、限定する用語ではない。添付された請求項の範囲で、ここで述べられているように及び補正されたように、発明の態様において本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、変更が行われてよい。本発明は、特定の手段、材料、及び実施形態に関連してここでは説明されたが、本発明は、ここに開示された詳細に限定されると意図されていない。むしろ、本発明は、添付された請求の範囲に含まれる、全ての機能的に均等の構造、方法及び使用にまで拡張される。
Claims (25)
- 抄紙機のためのベルトにおいて、
上面と、下面と、縦方向で分離された2つの端部とを有する平坦な織物と、
縦方向で分離された、前記平坦な織物に形成された折畳み部とが設けられており、
前記2つの端部が、下面の下側に配置されており、
前記折畳み部に配置されたシームループが設けられており、
前記2つの端部が、折畳み部の間の中央からずれた領域において、互いに隣接して配置されているか又は互いに重なり合っていることを特徴とする、抄紙機のためのベルト。 - 平坦な織物の、2つの端部から折畳み部までの部分が、下面に結合されている、請求項1記載のベルト。
- 前記2つの端部が、下面に縫い付けられている、請求項1記載のベルト。
- 中央からずれた2つの端部が、折畳み部のうちの一方から121.92cm以内に配置されている、請求項1記載のベルト。
- 中央からずれた2つの端部が、折畳み部のうちの一方から2.54〜91.44cmに配置されている、請求項4記載のベルト。
- シームループの領域における横方向繊維の密度が、折畳み部の間の中央に近い横方向繊維の密度よりも大きい、請求項1記載のベルト。
- 折畳み部と、下面と、互いに隣接して配置された2つの端部との間に配置された挿入体が設けられている、請求項1記載のベルト。
- 前記挿入体が、ポリウレタンから成る、請求項7記載のベルト。
- 前記挿入体が、不織布膜から成る、請求項8記載のベルト。
- 前記挿入体が、別の平坦な織布から成る、請求項7記載のベルト。
- 前記挿入体と、前記2つの端部と、前記下面とが、縫い合わされている、請求項7記載のベルト。
- 前記シームループに挿入可能なピントルが設けられており、これによりベルトシームを形成している、請求項1記載のベルト。
- 上面と、端部を含む面との少なくとも一方に対してニードル加工されたバット層が設けられている、請求項1記載のベルト。
- 上面と、下面と、縦方向で分離された2つの端部とを有する平坦な織布から抄紙機のためのベルトを形成する方法において、
2つの端部が下面の下側に配置されかつ互いに隣接するか又は互いに重なり合うように、平坦な織布に折畳み部を形成し、
該折畳み部の間の中央からずれた領域において前記2つの端部と下面とを結合し、
シームループを形成するために前記折畳み部における互いに隣接する横方向の糸を互いに分離させることを特徴とする、平坦な織布から抄紙機のためのベルトを形成する方法。 - 前記結合が、端部と下面とを縫い合わせることを含む、請求項14記載の方法。
- 折畳み部における互いに隣接する横方向の糸を互いに分離させることが、折畳み部の間の中央の領域よりも、シームループの領域において、横方向繊維のより大きな密度を生ぜしめる、請求項14記載の方法。
- 前記2つの端部と、下面とが、折畳み部のうちの一方から121.92cm以内において結合される、請求項14記載の方法。
- 前記2つの端部と、下面とが、折畳み部のうちの一方から2.54〜91.44cmの位置において結合される、請求項17記載の方法。
- 折畳み部と、下面と、互いに隣接して配置された2つの端部との間に挿入体を挿入することを含む、請求項14記載の方法。
- 挿入体が、ポリウレタン不織布膜から成る、請求項19記載の方法。
- 前記挿入体と、前記2つの端部と、前記下面とを縫い合わせることを含む、請求項14記載の方法。
- シームループにピントルを挿入し、これにより、ベルトシームを形成することを含む、請求項14記載の方法。
- 上面と、端部を含む面との少なくとも一方にバット層をニードル加工することを含む、請求項14記載の方法。
- 前記2つの端部を房状にすることを含み、房状になった端部が、重なり合うように配置され、重なり合った房状の端部を、少なくとも1つのステッチによって下面に結合する、請求項14記載の方法。
- 二層布ベルトを、上面と、端部を含む面との一方に結合する、請求項14記載の方法。
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