JP2011511173A5 - - Google Patents
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本発明は織物構造体ならびにそのような構造体を具備する部材に関する。より詳細には本発明は、そのような構造体を備え膨張可能なタンクを形成する柔軟容器に関するものである。
偶発的に滑走路から逸脱した商業飛行機および軍用機の泥除去および回収を容易にするために設計された飛行機立て直し用エアバッグが知られている。
これらのエアバッグにより、滑走路からの飛行機の逸脱に直面した空港の緊急救助要員は飛行機を押し上げ、次にすばやくかつ安全に飛行機を牽引することができるので、飛行機に対し二次的損害が生じるのを防止することができる。
図1は、先行技術による持ち上げ用エアバッグの断面図である。通常このバッグは、防水性確保のため塗装され熱間加硫された2つの織布1、2を含む。これらの織布1、2は外周部においてゴム製余肉部3と結合6される。
これらの織布1、2はまた、バッグの膨張によりそれら織布が張力を受けた時、平行になりそれぞれ等間隔になるポリアミド糸4により相互に結合される。
この糸4は、織布1、2を平行な状態に保つよう、同一の長さである。これにより、このバッグがセットされた飛行機の構造体に均一な押し上げ圧力を加えることができる。
たとえば、飛行機の翼5など破損しやすい構成要素の持ち上げ時は、これらの構成要素上に構造上の破損が生じるのを防ぐには、この点はきわめて重要である(図2)。
ところで、製造の欠陥により生じるか、時間の経過とともに、持ち上げ用エアバッグの破断点のレベルにおいて発生するこれらエアバッグの空気損失がみられることがある。たとえば、製造の欠陥は、加硫不良、さらには加硫前のゴム製余肉部3の滑りを原因とすることがある。
そのような不良により、飛行機の構造体に加えられる持ち上げ力が不均一になり、場合によっては二次的損害の原因となる。
したがって、応力に対してより高い強度を有すよう単一部材で作製されるエアバッグに対する切迫したニーズが存在する。
より一般的には、ポリスチレンボールを充填したオットマン、肘掛け椅子カバーなど複雑な形状を有する多くの織物品は、当初は別々の織物部材を組み合わせることにより得られ、次に製品に最終的な形状を付与するために、たとえば縫製により結合される。
ところが、これらの製品は本来、このような組み合せゾーンにおいてはある構造的脆弱さを有する。
これらのゾーンにおいて製品が早期に摩耗し、その結果、製品の充填材の損失をきたすことがある。
最後に、複雑な形状を有するこれらの製品の組み付け時間は比較的長くなることがあり、有資格作業者を必要とすることがあるので、製品は高価になる。
したがって本発明の目的は、設計および使用方法が単純であって、ひと続きであり、縫製、接着、さらにはこれら2つの組み付け方法を組み合わせたものにより、当初別々であった構成要素を組み付けることにより得られる先行技術の既知の製品よりも高い機械的特性をもたらす単純な織物部材を提供することである。
本発明の別の目的は、円錐形または円筒形など複雑な形状を有し、ラドーム、飛行機の胴体部分、船体、さらには家具などの複合部品を作製するためにより高い機械的強度を有するひと続きの織物構造体である。
この目的のため、本発明は、織布の一部である少なくとも一本の連結糸により相互に結合された少なくとも2つの織布を備える織物構造体に関する。
本発明によれば、少なくとも一本の連結糸は複数の浮き出し部を含み、浮き出し部はそれぞれ少なくとも一本の連結糸の連続する2つのシンカ間で規定され、シンカはそれぞれ異なる織布の横糸によるライザに対応し、浮き出し部の長さは、縦糸方向においておよび/または横糸方向において構造体の少なくとも一部分上で連続的に変化する。
これら2つのシンカのそれぞれは、異なる織布の基本織りの一部である。別の言い方をすれば、これら2つのシンカのそれぞれは、1つのライザ又は異なる織布の横糸により結合された連結糸に対応するので、2つの織布は互いに連結糸により結合される。したがって2つの織布は縦糸の一部により確実に結合される。
この織物構造体は閉じていても、あるいは少なくとも部分的に開口していてもよい。この開口部は、織物構造体の任意の地点、すなわち織物構造体の端部のうちの少なくとも1つ、に設け、これらの織布の対応する縁同士は結合されなくなるようにするか、さらには織布のうちの少なくとも1つに孔を存在させることにより設けることもできる。
この織物構造体の断面は、必要のない縦糸を場合によっては切断した後、円形、正方形、直角形、菱形、T字形、U字形、L字形、H字形、I字形など任意の形状を有することができるのが有利である。
「連続的変化」とは、この変化が均一であり飛躍または段階を有さないことを意味する。
「織布の一部である連結糸」とは、織布を組み付けるための各織布の織り作業後に連結糸が付け加えられるのではなく、製織時にこれら織布の横糸に挿入されることを意味する。
したがって連結糸は、2つの織布の部分上においてこれら織布の織り目の必須部分となる。
このようにして得られる織物構造体はひと続きであるため、応力に対しより高い機械的強度が同構造体に付与される。
この織物構造体は単一部材によるものであっても、反対に異なる材料を含むものであってもよい。
「織物構造体は単一部材による」という表現は、この織物構造体がシングルピースであり、1つの材料で作製されることを意味する。しかしながら、使用する縦糸または横糸は異なる形態のものであってもよい、すなわち、たとえば、モノフィラメント糸であっても、マルチフィラメント糸であっても、平糸であっても、撚り繊維で形成された糸であっても、単純糸であっても、ロータであってもよく、異なる厚さまたは直径をもつことができる。
これらの糸はたとえば木綿糸、ポリエステル糸、ポリアミド糸、ポリプロピレン糸、アミドンベースの生分解性プラスチック材料、酸化分解性プラスチック材料、カーボンファイバ、グラファイト、ガラス、シリカ、アラミドで形成された糸とすることができる。
また織布は、織物構造体に関して想定する用途に応じて異なる寸法および/または異なる形状を有することができる。
したがって、もっぱら一例としては、両凸対称断面形状を有する飛行機の翼を製造するために、凸面上部織布と、平面中間織布と、中間織布を基準として凸面上部織布と対称な凸面下部織布とを含む織物構造体を使用することができる。平面凸面断面形状を有する翼を得る場合には、これらの該織布は、単一曲率の凸面上面を形成するための凸面部分と、平面下面を形成するための平面部分とを含むことになる。もちろんこれらの織布はそれらの端部で結合され、翼の前縁および後縁を形成する。いったん構造体が硬化すれば、連結糸の密度およびその組成により、上部および下部織布を支持することができ、翼が応力に耐えるのに必要な機械的剛性が確保される。
有利にはこの構造体は、上部織布と、中間織布と、下部織布とを含み、これら織布は重ねられ、少なくとも一本の第1連結糸が前記上部織布と中間織布を結合し、少なくとも一本の第2連結糸が前記下部織布と中間織布を結合し、これらの第1連結糸および第2連結糸のうちの少なくとも一方の連続する2つのシンカ間の浮き出し部の長さが、横糸方向および/または縦糸方向において前記構造体の少なくとも一部分上で連続的に変化し、シンカはそれぞれ異なる織布の横糸によるライザに対応する。
本発明は、織布の一部である少なくとも一本の連結糸により相互に結合された上部織物織布および下部織物織布を備える織物構造体にも関する。
本発明によれば、前記少なくとも一本の連結糸は横糸方向に少なくとも一本の連結糸の連続する2つのシンカ間に複数の浮き出し部を有し、これらの浮き出し部のそれぞれは、一方では上部織布の少なくとも二本の縦糸によって、他方では下部織布の少なくとも二本の縦糸によって結合された前記少なくとも一本の連結糸に対応し、前記浮き出し部の長さは、横糸方向および/または縦糸方向において前記構造体の少なくとも一部分上で連続的に変化する。
したがって2つの織物構造体は、先に説明したような縦糸の一部によってではなく、横糸の一部によって結合される。
この織物構造体の個別の様々な実施形態においては、各実施形態が特定の長所を有するとともに、多くの技術的組み合せが可能である:
‐ 連結糸は張力を受けるため、これら連結糸の浮き出し部の長さの少なくとも大部分は、等間隔または不等間隔に離間した直線である、
‐ 織布および/または連結糸は異なる材料で作製される。
‐ 連結糸は張力を受けるため、これら連結糸の浮き出し部の長さの少なくとも大部分は、等間隔または不等間隔に離間した直線である、
‐ 織布および/または連結糸は異なる材料で作製される。
織物構造体が複数の異なる機械的強度ゾーンを有するよう、連結糸は複数の異なる材料で作製できることが有利である。
もっぱら一例としては、構造体の他の連結糸よりも低い機械的強度、すなわち他の連結糸の破断閾値よりも低い破断閾値を有する連結糸で織られた構造体内にマーキングゾーンを生成することができる。
この織物構造体から製造される持ち上げ用柔軟容器を膨張させる際に、推奨最大圧力閾値を上回る圧力を加えることにより、低い強度を有するこれらの連結糸の破断を発生させることができるので、作業者は、破断圧力閾値を超えたことおよび容器の膨張を停止するための操作を行わなければならないことを、直接目で見ることができる。
このようにこのマーキングゾーンは、持ち上げ作業の際、の滑走路から逸脱した飛行機の構成要素に二次的損害が発生しないことを確認するための簡単かつ効果的な確認および安全手段を提供する。
‐ これらの織布は連続するか、連続しない。
もっぱら一例としては、これらの織布のうちの少なくとも1つは孔を含むことができる。したがって織物構造体は孔を含むことができ、リングを形成する。
‐ 織布の少なくとも一方の織布の縦糸および/または横糸の長さは他方の織布の縦糸および/または横糸の長さと異なる。
これはたとえば、異なる織り方を織布が有する場合に得ることができる。これらの織布は基本的に平織または綾織をもつことができる。
織布のうち、地面と接触するようになっている織布は、ロードホールディング力をこの織布に付与するために、突起部および凹部を含む表面起伏を有することもできる。
代替方法としては、構造体が重ねられた時、一方の構造体が他方に対し滑るのを防止するよう、織物構造体の第一織布が凹部で構成される表面起伏を有し、第二織布が第一織布の凹部と協動するようになっている突起部を有する。
これらの突起部および凹部はそれぞれオスくぼみ、メスくぼみとすることができる。一例としては、これらのくぼみはハニカムウィーブから得ることができる。
より一般的には、織布が同一の織り方を有していても、縦糸および/または横糸の長さは異なっていてもよく、これらの織布のうちの1つがより長くなる。
‐ 織物構造体が、これらの織布を結合する少なくとも1つの側面織布を含み、これらの縦糸および/または横糸の少なくとも何本かがこれらの織布のうちの少なくともいくつかの織布の中ならびに前記側面織布の中の双方にセットされ、前記糸は連続している。
この個別の実施形態においては、織物構造体は少なくとも部分的に閉じている。上側織布、下側織布および側面織布の全面または一部分にわたり縦糸および/または横糸が連続していることにより、上側織物構造体の機械的強度が確保される。
‐ 連結糸の密度は1本/10cm2より高い、
しかしながらこの連結糸の密度は、織物構造体に関して想定する適用例によって異なる。したがってこの連結糸の密度は1本/10cm2から数百本10cm2まで変化することがある。
‐ 連結糸は柔軟性を有する、
一例としては、これらの連結糸は、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、単純糸またはロータ糸、集塊化繊維を含む糸、平糸、柔軟性金属糸、外装補強糸、すなわち芯糸および熱可塑性材料で作製された外装をそれぞれ含む糸、ならびにこれらの要素の組み合せを含む群の中から選択される。
「平糸」とは、横断方向断面が、全長にわたりほぼ一定で、楕円、正方形、圧縮円および変形正方形または直角形、すなわち凸弧形状を有する2つの対辺と、直線で同じ長さで平行な他の二辺を有する形状のダイを通って押し出し成形、圧延または他の加工がされる製品を意味する。
さらにこれらの平糸は中空であってもよく、また、たとえば扁平管状断面を有してもよい。
本発明はまた柔軟容器にも関する。この容器は上で説明したような構造体を備える。
この構造体は防水であるのが好ましい。そのために、織布には、ポリ塩化ビニル(PVC)またはポリウレタンを基材とする材料、さらに好ましくは難燃化可塑化PVCを基材とする材料などの防水材料が塗布されていることがある。
たとえば、滑走路から逸脱した飛行機の翼の下に設置された持ち上げに使用可能なエアバッグの場合、容器は、耳と、容器が加圧されている時に円形部分を形成するようになっているゾーンと、エアバッグを形成するための中央平坦ゾーンとを含む。
本発明はまた、それぞれの間に間隔がとられた少なくとも2つの織布を備えるパネルにも関する。
本発明によれば、これら2つの織布は上で説明したような構造体によって形成される。
構造体全体は硬化樹脂内に埋め込むことができる。代替方法としては、連結糸および織布を構成する糸があらかじめ含浸され、織物構造体が重合化される。
たとえば、これらの糸は熱硬化または熱可塑性樹脂、特にポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)のファミリの樹脂などの熱安定熱可塑性樹脂であらかじめ含浸することができる。
重合化作業は先行技術のよく知られた工程であるのでここで改めて説明することはしない。ここでは単に例としてレジントランスファーモールディング(RTM)法またはリキッドレジン注入モールディング(LRI)法を挙げておく。
もちろん、重合中は直線連結糸の浮き出し部を維持するよう努めるものとする。そのためには、樹脂による織物構造体の含浸ステップの際、織物構造体を圧縮しないようにする。
本発明のパネルは、各織布の面内はもとより、これらの織布を結合する連結糸のためこれらの織布に対し直角な方向においても良好な機械的特性を有するのが有利である。
本発明は、上で説明したような少なくとも1つのパネルを備える船舶に関する。
本発明は、上で説明したような少なくとも1つのパネルを備える飛行機に関する。前記少なくとも1つのパネルは飛行機の胴体さらにはラドームの一部を構成することができる。
本発明は、ポリスチレンボールが充填されたシート、家具、スポンジまたはダウンが充填された掛布団などの内装材または外装材にも関する。
本発明によれば、この装材は上で説明したような構造体を含む。
より一般的には、本発明は、上で説明したような構造体を具備するあらゆる製造物に関する。
以下、添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。
図3は本発明の好ましい実施形態によるパネルの斜視図である。このパネルは、エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂の硬化基質内に埋め込まれた織物構造体10で構成される。
図4は、図3のパネルの製造に使用された織物構造体10の断面図である。織物構造体10はただ1つの部材であり、炭素ファイバで形成された糸で構成される。
この織物構造体10は、織布の一部である連結糸13により相互に結合された2つの織物織布11、12を含む。上部織布11は傾斜し、水平である下部織布12に対しある角度を形成する。
これら2つの織布11、12は連続し平坦である。これらは、重合後に円形または準円形を有するようになっている織物部分14,15により各端部に結合されるので、結果としてパネルは閉じた物体を形成する。
織物構造体の緊密性を確保するために、これら2つの織布11、12は、10本/cmを超える本数の縦糸と、6本/cmを超える本数の横糸とを有する1:1平織を有する。
図5は、ここではパネルの長さである縦糸方向(X軸、17)における2つの連続するシンカ間の連結糸の長さ(Y軸、16)の変化の略図である。
これら2つの連続するシンカはそれぞれ、異なる織布の横糸によるライザまたは連結糸に対応し、これらの織布は相互に結合される。これら2つの連続するシンカ間において、対応する連結糸13は浮いている、すなわち浮糸の部分を有する。
したがって縦糸方向のこの長さの変化(ΔL)は、縦糸方向に連続する同一の連結糸の2つの浮き出し部の長さの差を求めることにより計算される。
図5から、織物構造体の縦糸方向における2つの連続するシンカ間の連結糸の長さの変化は直線18を描くことがわかる。したがってこの変化は漸進的、すなわち連続的かつ一定である。
より一般的には、連結糸が縦糸の一部である場合において証明したことを、横糸の一部としても適用することができよう。同様に、織物構造体は縦糸方向または横糸方向に複数の連結糸を含むので、所与の方向に連続する浮き出し部の長さが連続的に変化することを証明することができ、これら浮き出し部のそれぞれが異なる連結糸に属する。これらの方向は横糸方向、縦糸方向、さらには対角線方向とすることができる。対角線の場合、浮き出し部は相互に変位させることができ、たとえば互い違いに配置することができる。
この織物構造体は以下に説明する製造方法により得られた。
最初に、各織布の基本織りに従って上部織布11および下部織布12を同時に織ることから始めるが、連結糸13は上部織布11の基本織りに結合されるだけである。上記少なくとも一本の連結糸13によりこれら2つの織布を結合する時点、すなわち、連結糸を下部織布内に結合する前に、織りを中断し、テンプルと呼ばれるロッド19を織りゾーンに挿入すると、前記少なくとも一本の連結糸13だけが引き出される。このようにして引き出された連結糸の長さ部分は上部織布11の上方にセットされる。
もちろん、対称的に作業を行い、連結糸を下部織布に挿入した後、連結糸を上部織布の基本織りに結合する前に、下部織布の下の連結糸を引き出すことも可能であろう。
図6では、垂直カラムにそれぞれ対面した5番および6番の連結糸を引き出すために織りゾーンにテンプルを挿入することにより、概略的には、織り目の列21が、横糸すなわち織り位相の置き換えに対応することが確認できる。1番および3番の縦糸は下部織布の縦糸に相当し、2番および4番の縦糸は上部織布の縦糸に相当する。
このようにして引き出された連結糸の長さ、ならびに上部織布と下部織布の距離は、前記少なくとも一本の連結糸による織布のこの結合における最終の織物構造体の織布間の距離に相当する。
連結糸が適当な長さまで引き出されたら、テンプルが織りゾーンが引き抜かれ、通常の織布の製造が再開され、この連結糸により織布が次回結合されるまで継続される。
したがってこれらの連結糸13は、織物構造体の上部織布11および下部織布12を形成する2つの織布の上方(あるいは対称的にその下方)で引き出され、したがって一部、織物構造体の外側にセットされる。
次にこれらの連結糸は、織布同士を遠ざけることにより織物構造体の中に戻される。
前記少なくとも一本の連結糸を引き出す段階において連結糸がロッド19の表面で滑らないようにするために、ロッド19は、粗面、あるいはそれぞれが連結糸を受け入れるようになっている垂直溝の網20をその端部のうちの1つに有することが有利である。さらにロッドは水平面21、22内で移動可能であるのが有利である。
織布11、12はここでは平面であるので、ロッド19は均一の直径を有し、表面の起伏は有さない(図7)。織物構造体の織布のうちの1つに特定の形状を付与することを所望する場合には、ロッドは粗面または溝の網を備える端部上に表面の起伏を含むことになり、この起伏は、このように引き出された連結糸の箇所で織布に付与すべき起伏の型を構成する。もちろん、織物構造体の織りが進行するに従い、この織布の最終形状を作成するために、連結糸を引き出す段階でテンプルを交換することが必要となることがある。
より一般的には、本発明は、少なくとも一本の連結糸により結合された少なくとも2枚の織布を織る方法に関する。本発明によれば、
a) 少なくとも一本の縦糸または少なくとも一本の横糸を第1織布の基本織りに挿入することによりこれらの織布の織りを開始し、この縦糸またはこの横糸が前記連結糸を構成し、
b) 前記少なくとも一本の連結糸を第2織布の基本織りに挿入する前に、これらの織布の織りを中断し、
c) 引き出された長さの少なくとも一部を、このようにして引き出されたこれらの織布で形成された一体物の外側にセットすることにより、前記少なくとも一本の連結糸を第2織布の側に引き、
d) 前記少なくとも一本の連結糸を第2織布の基本織りに挿入して織布の織りを再開し、
‐ これらの織布のうちの1つの織布の基本織りに前記少なくとも一本の連結糸を新しく挿入する毎に、以下のサイクルを反復する:
e) 織布の織りを中断する、
f) 引き出された長さの少なくとも一部を、このようにして引き出されたこれらの織布で形成された一体物の外側にセットすることにより、前記少なくとも一本の連結糸を引く、
g) 次に、前記少なくとも一本の連結糸を前記織布の基本織りに挿入して織布の織りを再開する。
a) 少なくとも一本の縦糸または少なくとも一本の横糸を第1織布の基本織りに挿入することによりこれらの織布の織りを開始し、この縦糸またはこの横糸が前記連結糸を構成し、
b) 前記少なくとも一本の連結糸を第2織布の基本織りに挿入する前に、これらの織布の織りを中断し、
c) 引き出された長さの少なくとも一部を、このようにして引き出されたこれらの織布で形成された一体物の外側にセットすることにより、前記少なくとも一本の連結糸を第2織布の側に引き、
d) 前記少なくとも一本の連結糸を第2織布の基本織りに挿入して織布の織りを再開し、
‐ これらの織布のうちの1つの織布の基本織りに前記少なくとも一本の連結糸を新しく挿入する毎に、以下のサイクルを反復する:
e) 織布の織りを中断する、
f) 引き出された長さの少なくとも一部を、このようにして引き出されたこれらの織布で形成された一体物の外側にセットすることにより、前記少なくとも一本の連結糸を引く、
g) 次に、前記少なくとも一本の連結糸を前記織布の基本織りに挿入して織布の織りを再開する。
前記少なくとも一本の連結糸を引き出す作業は把握要素を使用して行うことができるが、この要素は、上で説明したテンプル、あるいは端部にフックを具備するニードルアセンブリとすることができ、これらの各ニードルにより一本の連結糸のみを引き出すことができる。これらのニードルは電磁石あるいは油圧または空圧ピストンにより駆動される。さらにニードルは移動運動に適している。
本発明の方法は、複合板金部品、ならびに、たとえば胴体または飛行機の翼またはレードームなど胴体の一部分など、飛行機の製造に関わる構造部品の作製に適用することができる。また推進装置のタンクあるいはタンクのスカートを作製することも可能である。
たとえば船体、コンテナ、フロートの作製など、海事的応用も可能である。
10 織物構造体
11(上部)織布
12(下部)織布
13 (織布の一部である)連結糸
14、15 織物部分
16 Y軸
17 X軸
18 直線
19 ロッド
20 網
21、22 水平面
11(上部)織布
12(下部)織布
13 (織布の一部である)連結糸
14、15 織物部分
16 Y軸
17 X軸
18 直線
19 ロッド
20 網
21、22 水平面
Claims (18)
- 織布の一部である少なくとも一本の連結糸(13)により相互に結合された少なくとも2つの織布(11、12)を備える織物構造体において、前記少なくとも一本の連結糸(13)は複数の浮き出し部を含み、前記浮き出し部はそれぞれ前記少なくとも一本の連結糸(13)の連続する2つのシンカ間で規定され、前記シンカはそれぞれ異なる織布の横糸によるライザに対応し、前記浮き出し部の長さが、縦糸方向においておよび/または横糸方向において前記構造体の少なくとも一部分上で連続的に変化し、各連結糸は1つの材料で作製され、且つ各連結糸は製織時に前記少なくとも2つの織布のそれぞれの横糸に連続して織り込まれる縦糸の一部であることを特徴とする織物構造体。
- 上部織布(11)と、中間織布と、下部織布(12)とを含み、前記織布が重ねられ、少なくとも一本の第1連結糸が前記上部織布と中間織布を結合し、少なくとも一本の第2連結糸が前記下部織布と中間織布を結合し、前記第1連結糸および第2連結糸のうちの少なくとも一方の連続する2つのシンカ間の浮き出し部の長さが、横糸方向および/または縦糸方向において前記構造体の少なくとも一部分上で連続的に変化し、前記シンカはそれぞれ異なる織布の横糸によるライザに対応することを特徴とする請求項1に記載の構造体。
- 織布の一部である少なくとも一本の連結糸(13)により相互に結合された、少なくとも1つの上部織布(11)および下部織布(12)を備える織物構造体において、前記少なくとも一本の連結糸(13)が横糸方向に前記少なくとも一本の連結糸の連続する2つのシンカ間に複数の浮き出し部を有し、前記浮き出し部のそれぞれが、一方では前記上部織布の少なくとも二本の縦糸によって、他方では前記下部織布の少なくとも二本の縦糸によって結合された前記少なくとも一本の連結糸(13)に対応し、前記浮き出し部の長さが、横糸方向および/または縦糸方向において前記構造体の少なくとも一部分上で連続的に変化し、各連結糸は1つの材料で作製され、且つ各連結糸は製織時に前記少なくとも2つの織布のそれぞれの縦糸に連続して織り込まれる横糸の一部であることを特徴とする織物構造体。
- 前記連結糸(13)は張力を受けるため、前記連結糸(13)の前記浮き出し部の長さの少なくとも大部分が、等間隔または不等間隔に離間した直線であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記織布(11、12)の少なくとも一方の縦糸および/または横糸の長さが他方の織布(11、12)の縦糸および/または横糸の長さと異なることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記織布(11、12)が異なる織り方を有することを特徴とする請求項5に記載の構造体。
- 前記織布(11、12)が連続的または非連続的であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記構造体がただ1つの部材であることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記織布(11、12)および/または前記連結糸(13)が異なる材料で作製されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記連結糸(13)が、モノフィラメント糸、マルチフィラメント糸、集塊化繊維を含む糸、平糸、柔軟性金属糸、およびこれらの要素の組み合せを含む群の中から選択されることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の構造体。
- 前記織物構造体が、前記織布(11、12)を接続する少なくとも1つの側面織布(14、15)を含み、前記縦糸および/または横糸の少なくとも数本が、前記織布(11、12)のうちの少なくとも1つの中および前記側面織布(14、15)の中に組み込まれ、前記糸が連続していることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の構造体。
- 請求項1から11のいずれか1項に記載の構造体を備えることを特徴とする柔軟容器。
- 前記構造体がさらに防水であることを特徴とする請求項12に記載の容器。
- 耳と、容器が加圧されている時に円形部分を形成するようになっているゾーンと、エアバッグを形成するための中央平坦ゾーンとを含むことを特徴とする請求項13に記載の容器。
- 前記織布(11、12)が請求項1から11のいずれか1項に記載の構造で形成されることを特徴とするそれぞれの間に間隔がとられた少なくとも2つの織布を備えるパネル。
- 請求項15に記載の少なくとも1つのパネルを備えることを特徴とする船舶。
- 請求項15に記載の少なくとも1つのパネルを備える、織布の一部である少なくとも一本の連結糸(13)により相互に結合された上部織布(11)および下部織布(12)を備えることを特徴とする織物構造体飛行機。
- 請求項1から11のいずれか1項に記載の構造体を含むことを特徴とする内装材または外装材。
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