JP2005002490A - 特定の厚みを有する織布 - Google Patents
特定の厚みを有する織布 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005002490A JP2005002490A JP2003165528A JP2003165528A JP2005002490A JP 2005002490 A JP2005002490 A JP 2005002490A JP 2003165528 A JP2003165528 A JP 2003165528A JP 2003165528 A JP2003165528 A JP 2003165528A JP 2005002490 A JP2005002490 A JP 2005002490A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fabric
- yarn
- spacer
- woven fabric
- spacer yarn
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A47—FURNITURE; DOMESTIC ARTICLES OR APPLIANCES; COFFEE MILLS; SPICE MILLS; SUCTION CLEANERS IN GENERAL
- A47C—CHAIRS; SOFAS; BEDS
- A47C31/00—Details or accessories for chairs, beds, or the like, not provided for in other groups of this subclass, e.g. upholstery fasteners, mattress protectors, stretching devices for mattress nets
- A47C31/006—Use of three-dimensional fabrics
Landscapes
- Knitting Of Fabric (AREA)
Abstract
【解決手段】平坦面3側では地糸7が鎖編みに編み上げられ、それと重なるようにスペーサ糸6が鎖編み状に編まれてから凹凸面2側へ折り返している。凹凸面2側においては、地糸9が鎖編みに編み上げられ、スペーサ糸6は凸状部分5では平坦面3側と同様に、地糸9と重なるように鎖編み状に編まれてから平坦面3側へ折り返している。これに対して、凹状部分4においては、スペーサ糸6は地糸9のシンカーループをくぐらせただけで平坦面3側へ折り返している。このとき、コンピュータ制御によってスペーサ糸6の送り長さが短く調節され、これによって編み上がった部分のスペーサ糸6が平坦面3側へ引っ張られるため、スペーサ糸6の長さが短くなり、凹状部分4が形成される。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダブルラッシェル機、トリコット機等によって編み上げられた特定の厚みを有する織布の改良に関するものであり、特に、表面に立体模様または部分的に弾性を変化させることのできる特定の厚みを有する織布に関するものである。
【0002】
この所定の厚みを有する織布は、例えば、車椅子のシート、自動車の座席のシート、新幹線等の電車のシート、航空機のシート、介護用ベッド、普通のベッド等の敷布団の布地、車輌の天井または側面の内装材、家屋の壁・天井材等の内装材、ペット用品、靴の中敷等に使用されるものである。
【0003】
【従来の技術】
ダブルラッシェル機によって編み上げられた織布は、表(フロント)生地と裏(バック)生地とがスペーサ糸で接続された構造を有し、所定の厚みがあり、クッション性を有していたことから、主に、クッション材として使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のダブルラッシェル機によって編み上げられた織布のように特定の厚みを有する織布は、均一荷重の物品に対してはクッション材として機能していたが、人体の体重を受けると体圧分散性が悪く、人体の圧力が臀部の2箇所に集中し、長時間座っているとその部分が痛くなる可能性が高いものであった。また、介護用ベッドとしても、床ずれが起こるという可能性があった。
【0005】
そこで、本発明は、体圧分散性等の用途に合わせた諸特性を持たせることができる特定の厚みを有する織布を提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の特定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、前記フロント生地または前記バック生地にループ状に編み込んで折り返す部分と、編み込むことなく単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを形成してなるものである。
【0007】
従来のダブルラッシェル機等による特定の厚みを有する織布は、フロント生地とバック生地とがスペーサ糸で接続された構造を有し、通常スペーサ糸の長さは一定であるため、織布の厚さも一定であり、特定の厚みを有する織布の表面は平坦である。しかし、織布の部分によってスペーサ糸の長さを変化させれば、織布の厚さも部分によって変化し、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。特に、編み込まれなかった部分はスペーサ糸が固定されないので、反対側のバック生地またはフロント生地にスペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られ、編み込まれなかった部分のスペーサ糸の長さが短くなり、フロント生地またはバック生地のその部分が凹み、表面に凹凸が形成されることになる。なお、このとき、スペーサ糸の長さが急変しても、編み込まれないから糸切れが生じない。
【0008】
このようにして、従来のダブルラッシェル機等を用いてフロント生地とバック生地とをスペーサ糸で接続するときの編み方とは異なる編み方をすることによって、織布の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、スペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって凹凸立体模様形状を大きくすることも、小さくすることもできる織布となる。また、織布の縦方向及び横方向について周期的にスペーサ糸の長さを変化させることによって、表面の凹凸立体模様として表面の形状に表れない場合でも、特定の厚みを有する織布の部分的弾性を変化させることもできる。
【0009】
したがって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となる。
【0010】
請求項2の特定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間を、前記スペーサ糸の長さを指定長さ部分及びそれよりも短くした部分を形成してなるものである。
【0011】
したがって、織布の部分によってスペーサ糸の長さを変化させることにより、織布の厚さ及び/または弾性を部分的に変化し、必要に応じて、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。このように、従来のダブルラッシェル機等を用いてフロント生地とバック生地とをスペーサ糸で接続するときの編み方とは異なる編み方をすることによって、織布の厚さ及び/または弾性を部分的に変化し、必要に応じて、織布の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、かつ、スペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって織布の厚さ及び/または弾性を変化させる範囲を変えることができる。
【0012】
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となる。
【0013】
請求項3の特定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間の長さを変化させることによって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせたものである。
【0014】
したがって、織布の部分によってスペーサ糸の長さを変化させることにより、織布の厚さも部分的に変化し、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。このように、従来のダブルラッシェル機等を用いてフロント生地とバック生地とをスペーサ糸で接続するときの編み方とは異なる編み方をすることによって、織布の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、スペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって凹凸模様形状を大きくすることも、小さくすることもできる織布となる。また、織布の縦方向及び横方向について周期的にスペーサ糸の長さを変化させることによって、表面に任意の立体模様が形成でき、かつ、その弾性を変化させることもできる。
【0015】
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となる。
【0016】
請求項4の特定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸の長さは、連続的に変化させることによって前記表面に丸みのある凹凸を生じさせたものである。
【0017】
スペーサ糸の長さを断続的に変化させれば、織布の表面には立体的な凸凹形状が形成されるが、スペーサ糸の長さを少しずつ連続的に変化させれば、織布の厚さも少しずつ連続的に変化して、表面には滑らかなカーブからなる凹凸が形成される。これによって、織布の表面に人体により優しい丸みのある凹凸を生じさせることができる。凹凸の大きさをスペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって大きくすることも小さくすることもできる。故に、織布の表面に人体により優しい丸みのある凹凸を生じさせることができる織布となる。
【0018】
請求項5の前記スペーサ糸の長さは、急激に変化させることによって前記表面に立体模様形成したものである。
【0019】
スペーサ糸の長さを急激に変化させても、糸切れが発生しないから、織布の表面には立体的な任意の模様を形成することができる。これによって、織布の表面に所望の立体模様を形成でき、かつ、任意の弾性を持たせることができる織布となる。
【0020】
請求項6の特定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸は、前記スペーサ糸の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分は、反対側のバック生地またはフロント生地に前記スペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られて、前記スペーサ糸の長さが短くなることによって前記編み込まなかった部分が凹んで表面に凹凸を生じさせるものである。
【0021】
このように、フロント生地またはバック生地のいずれかにおいて、スペーサ糸をループ状に編み込んで折り返す部分と、スペーサ糸の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを形成するものであるから、編み込まれなかった部分はスペーサ糸が固定されないので、反対側のバック生地またはフロント生地にスペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られ、編み込まれなかった部分のスペーサ糸の長さが短くなり、弾性が変化し、フロント生地またはバック生地のその部分が凹み、表面に凹凸が形成されることになる。故に、織布のバック生地またはフロント生地の表面に、安定した凹凸、任意の弾性を生じさせることができる。
【0022】
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させ、織布のバック生地またはフロント生地の表面に安定した凹凸を生じさせることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させる織布となる。
【0023】
請求項7の特定の厚みを有する織布は、前記フロント生地またはバック生地のうち前記スペーサ糸を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを形成する側に前記編み糸を補強すると共に前記スペーサ糸の移動を拘束する補強糸を設けたものである。
【0024】
スペーサ糸を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを形成する側、即ち、表面に凹凸等の立体模様を形成する側においては、スペーサ糸が編み込まれないためループが1本少なくなる。そこで、ループ状に編み込んで行く補強糸を加えることによって編み糸を補って補強できるから、これによって、強度を増すことができる。
【0025】
請求項8の特定の厚みを有する織布は、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方のみ伸縮性を持たせ、他方を伸縮性を持たせないものとしたものである。
【0026】
このように、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方のみに伸縮性を持たせているから、特定の厚みを有する織布では縦方向または横方向の一方のみの延びがスムーズになり易いのに対して、他方の横方向または縦方向の一方には延びないので、指向性を高くすることができる。例えば、椅子またはベッド等の使用に好適となる。特に、遠心力の加わるシートに対して、遠心力の方向に延び難くすると座り心地がよくなる。
【0027】
請求項9の特定の厚みを有する織布は、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の横方向及び縦方向を共に伸縮性のある糸としたものである。
【0028】
このように、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地を伸縮性のある糸とすることにより、特定の厚みを有する織布では前記フロント生地または前記バック生地の一方のみの延びがスムーズになり易いので、弾性特性を大きくすることができる。
【0029】
請求項10の特定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸の長さの調節は、スペーサ糸の送り速度によって決定するものである。
【0030】
スペーサ糸の送り長さの調節を正確に調節することで、スペーサ糸の送り長さを短くする部分においても送り長さを正確に再現することができる。これによって、織布の表面の凹状になる部分の高さが織布全体に亘って均一になる。また、スペーサ糸の長さを少しずつ連続的に変化させる場合にも、極めて微小な送り長さの違いを実現することができ、織布の表面に滑らかなカーブからなる凹凸を形成させることができる。
【0031】
このようにして、スペーサ糸の送り長さを精密に正確に調節することができ、織布の表面に任意の立体模様または任意の部分に弾性を変化させることができる織布となる。
【0032】
請求項11の特定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸は、高収縮糸としたものである。したがって、反発力が小さいから、加わる荷重の分散性がよくなる。
【0033】
請求項12の特定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、弾性糸で形成し、過熱によって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせるものである。
【0034】
したがって、従来から存在する特定の厚みを有する織布であっても、請求項1乃至請求項11に記載の特定の厚みを有する織布であっても、弾性糸によって、加熱して所定の形状に変形させれば、加わる荷重の分散性を任意に変化させることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布について、図1乃至図12を用いて説明する。
【0036】
図1は本発明の実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布の凹凸のある面側を上にして示す斜視図である。図2は本発明の実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布の凹凸のある部分を取り出して示した部分拡大図である。図3は図2の一部を更に拡大したもので、図3(a)は凹状部分の編み方を示す説明図、(b)は凸状部分の編み方を示す説明図である。図4は図3の一部を更に拡大したもので、図4(a)は凹状部分の凹側の編み方を示す説明図、(b)は凸状部分の凸側の編み方を示す説明図である。
【0037】
また、図5(a)〜(e)及び図6(f)〜(j)は特定の厚みを有する織布製造機による凹状部分の編成過程を示す説明図である。図7(a)〜(e)及び図8(f)〜(j)は特定の厚みを有する織布製造機による凸状部分の編成過程を示す説明図である。図9は本発明の実施の形態の特定の厚みを有する織布製造機による各糸の供給制御を行う構成の概念図である。
【0038】
図1に示されるように、本実施の形態にかかる所定の厚みを有する織布製造機による織布1は、片面が凹凸を有する凹凸面2で、反対側の面は平坦な平坦面3である。凹凸を有する凹凸面2には、凹状の略正方形の部分(以下、単に「凹状部分」という)4と凸状の略正方形の部分(以下、単に「凸状部分」という)5とが縦方向及び横方向に交互に、即ち、市松模様的に配列形成されている。織布1の端面に見えるスペーサ糸6は、凸状部分5では長く、凹状部分4では短くなっている。本実施の形態にかかる対向するフロント側に位置するフロント生地またはバック側のバック生地は、片面が凹凸を有する凹凸面2と平坦面3のいずれにも対応させることができ、必要に応じて任意に設定できる。
【0039】
なお、本実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布製造機は、従来のダブルラッシェル機を改良して実現しているので、改良ダブルラッシェル機と見做すことができるが、トリコット機でも改良すれば実施可能である。何れにせよ既成の織機においても、その改良により実現できる。
【0040】
次に、このような織布1がどのような編み目構造を有しているかについて、図2乃至図4を用いて説明する。
【0041】
図2は図1の凹凸を有する織布1から、編み上げ方向に沿って部分的に示したものであって、実際には図2の想像線で示されるように、同様の編み目が挿入糸8,10(図3参照)によって互いに接続されながら連続して編み上げられている。
【0042】
図2に示されるように、平坦面3側では地糸7が鎖編みに編み上げられ、それと重なるようにスペーサ糸6が鎖編み状に編まれてから凹凸面2側へ移行している。凹凸面2側においては、地糸9が鎖編み状に編み上げられ、スペーサ糸6は凸状部分5では平坦面3側と同様に、地糸9と重なるように鎖編み状に編まれてから平坦面3側へ折り返している。
【0043】
これに対して、凹状部分4においては、スペーサ糸6は地糸9のシンカーループ(詳しくは後述)をくぐらせただけで平坦面3側へU字状に折り返している。このとき、コンピュータ制御によってスペーサ糸6の送り長さが短く(送り速度を遅く)調節され、これによって編み上がった部分のスペーサ糸6が平坦面3側へ引っ張られ、凹状部分4が形成される。
【0044】
また、凹状部分4及び凸状部分5を補強するため、図2には示されない補強糸(図4の11参照)が地糸9に沿って鎖編みに編み上げられ、補強されている。
【0045】
更に、詳しい編み目について、図2の一部を拡大した図3を用いて説明する。
【0046】
図3(a)に示される凹状部分4側においては、前述の如く地糸9が鎖編み状に編み上げられているが、この鎖編みは、針の周囲を巻回して鎖状を形成した部分のニードルループ9aと、直線的に送りを形成する部分のシンカーループ9bとからなる。そして、スペーサ糸6は平坦面3側においては、地糸7のニードルループ7aに沿って編み込まれてから凹状部分4側へ折り返しているが、凹状部分4側においては地糸9のシンカーループ9bをくぐらせただけで平坦面3側へUターンして折り返している。したがって、スペーサ糸6の動きが固定されないので、コンピュータ制御によって短く調節された送り長さまで引っ張られ、スペーサ糸6の長さが短くなって凹状部分4が形成される。また、スペーサ糸6の供給速度を徐々に変化させることによって、滑らかな変化を行うことができる。喩え、急峻な変化であっても、スペーサ糸6が固定されないので、スペーサ糸6の長さが短くなって糸切れするのが防止できる。
【0047】
一方、図3(b)に示される凸状部分5側においては、スペーサ糸6は地糸9のニードルループ9aに沿って編み込まれてから平坦面3側へ折り返しているために、凸状部分5側においても平坦面3側においても固定され、スペーサ糸6の長さは所定の長さに保たれるので、凸状部分5が形成される。
【0048】
更に、凹状部分4側を拡大した図4(a)においては、図2及び図3(a)において図示省略した補強糸11が示されている。図では編み目を分かり易くするために隙間が大きく描かれているが、実際の編み目のニードルループ9a,11aはずっと小さいものなので、地糸9,補強糸11,スペーサ糸6の3本の糸が編まれると、隙間が詰まってスペーサ糸6が短くなった状態で固定される。また、鎖編み状の部分が2本の糸、即ち、ニードルループ9a,11aから構成されることによって、編み込まずに折り返す部分とを形成する側、即ち、凹凸面2側の編み糸を補強すると共に、スペーサ糸6の移動を拘束する効果を奏する。しかし、その要求される凹凸面2側等の強度によっては、補強糸11を省略することもできる。
【0049】
一方、凸状部分5側を拡大した図4(b)においても、図2及び図3(b)において、図示省略した補強糸11が示されている。凸状部分5側ではスペーサ糸6が地糸9のニードルループ9aに沿って編み込まれているので、鎖編みの部分に更に補強糸11が加わることによって大きな補強の効果が得られる。また、実際の編み目のニードルループ9a,11aはずっと小さいものなので、スペーサ糸6の往復2本とシンカーループ9b,11bが通されると隙間が詰まってスペーサ糸6が長いままの状態で固定される。
【0050】
次に、このような編み目構造を形成できる特定の厚みを有する織布製造機15、即ち、改良ダブルラッシェル機において実際にどのようにして編まれるかについて、図5乃至図9を参照して説明する。
【0051】
まず、各供給される糸は、図9に示すように、公知の構成であり、モータMと、モータMに回転制御されたビームBと、ビームBの回転角度及び回転数を検出する回転計Nと、ビームBから供給される糸の量(長さ)を測定するエンコーダEと、それらを制御管理するマイクロプロセッサECUから構成されている。ここでは1本の糸の供給について説明するが、特定の厚みを有する織布製造機としては各種糸(6〜11)毎に、この構成を有している。
【0052】
ビームBに巻回されている各種糸(6〜11)を、ガイド群19に導くには、モータMによってビームBに巻回されている各種糸(6〜11)が順次供給されている。このとき、モータMは、糸の太さ及び長さ、巻数等をマイクロプロセッサECUに入力し、糸の巻き戻し位置に応じて、その回転速度を決定している。更に、エンコーダEで供給量を確認制御している。なお、本実施の形態の特定の厚みを有する織布製造機15は、ビームBと回転計NとモータMと一体になった構成を説明したが、回転計NにエンコーダEの機能を持たせることにより、エンコーダEを省略することができる。また、ビームBに対して回転計NとモータMを内蔵することもできる。
【0053】
ここで、ビームBに巻回されている各種糸(6〜11)の供給量を変化させることによって、凹凸面2を形成することができる。このとき、スペーサ糸6と平坦面3側の地糸7及び挿入糸8と、凹凸面2側の地糸9及び挿入糸10、補強糸11との強度・弾性によって平坦または凹凸に変化する。
【0054】
次に、本実施の形態の特定の厚みを有する製造機の基本構造について、図5(a)を用いて説明する。
【0055】
本実施の形態において用いられる特定の厚みを有する織布製造機15は、本体に固定された1対のトリックプレート17a,17b、上下動可能なフロントニードル18a及びバックニードル18b、そして上方から編み糸を供給する▲1▼〜▲8▼の本実施の形態においては8枚のガイド群19を中心に構成されている。なお、このガイド群19は特定の厚みを有する織布1の幅・密度によって決定され、この実施の形態に限っては8枚使用したものである。
【0056】
更に、トリックプレート17a,17bの上面に沿って水平方向に前後動可能な図示しない1対のステッチコームを有している。このステッチコームは、フロントニードル18aまたはバックニードル18bが上昇するときに前進して、生地20をトリックプレート17aまたは17bに押え付けて下方に残す働きをするものである。
【0057】
本実施の形態においては、▲1▼〜▲8▼の各ガイド板は紙面に垂直な方向に微小間隔で各18片のガイド片を備えており、一度に18本の編み糸が同じ動きをする。それに合わせて、フロントニードル18a及びバックニードル18bも紙面に垂直な方向に微小間隔で各18本を備えている。なお、この微小間隔で各18片のガイド片は、特定の厚みを有する織布1の幅・密度によって決定され、この実施の形態に限って使用するものである。
【0058】
次に、凹状部分4の編成過程について、図5及び図6を用いて説明する。なお、図5及び図6中の上下方向の矢印はフロントニードル18aまたはバックニードル18bの上昇または下降を表し、左右方向及び紙面に垂直方向の矢印はガイド群19の移動方向を表している。
【0059】
図5(a)はバックニードル18bにおいて1つの編み目が形成された直後の状態を示すもので、▲1▼〜▲8▼の8枚のガイド群19のうち▲4▼と▲6▼のガイド板には編み糸が供給されていない。したがって、以下の図5及び図6(a)〜(j)の工程において、▲4▼と▲6▼のガイド板は編成過程には関与しない。
【0060】
一方、▲1▼のガイド板には挿入糸10が、▲2▼のガイド板には地糸9が、▲3▼のガイド板にはスペーサ糸6が、▲5▼のガイド板には補強糸11が、▲7▼のガイド板には平坦面3側の地糸7が、▲8▼のガイド板には平坦面3側の挿入糸8が、それぞれ供給されている。
【0061】
図5(a)においては、フロントニードル18aが上昇を開始しており、▲1▼のガイド板がフロントニードル18aの背後側に位置するまでガイド群19が後方に移動し、続いて図5(b)に示されるようにガイド群19がフロントニードル18aの背後で紙面に垂直に向う側へ移動し(アンダーラップ)、同時に図示しないフロント側のステッチコームが前進して(図では左方へ水平移動して)編み糸間を貫き、フロント側のトリックプレート17a上に位置して、生地20をトリックプレート17aに押え付けて下方に残す。続いて、図5(c)に示されるように、編み糸9、挿入糸10、補強糸11をガイドするガイド板▲1▼▲2▼▲5▼がフロントニードル18aの前方へ出るまで、ガイド群19が大きく前方へ(図では右方へ)移動する。
【0062】
次に、図5(d)に示されるように、ガイド板▲1▼▲2▼▲5▼がフロントニードル18aの前方において紙面に垂直に手前側へ移動し(オーバーラップ)、更に、ガイド群19が斜めに手前側後方へ移動して、編み込まれる地糸9,補強糸11がフロントニードル18aのラッチに掛けられた状態になる(挿入糸10は編み込まれないのでフロントニードル18aの背後に位置する。)。同時に図示されないフロント側ステッチコームが、トリックプレート17a上から後退を開始する。
【0063】
ここで、スペーサ糸6をガイドしているガイド板▲3▼にはコンピュータ制御によって通常より短い長さのスペーサ糸6しか供給されないため、スペーサ糸6はフロントニードル18aまで届かず、挿入糸10と同様にフロントニードル18aの背後に位置する。続いて、フロントニードル18aが下降を開始し(この時点では図示されないフロント側ステッチコームは後退を完了している。)、フロントニードル18aのラッチが閉じられて、図5(e)に示されるように、地糸9、補強糸11によって新しい編み目が形成され、スペーサ糸6,挿入糸10は新しい編み目のシンカーループに掛けられる。
【0064】
次に、図6(f)に示されるように、今度はバックニードル18bが上昇を開始し、▲8▼のガイド板がバックニードル18bの背後側に位置するまでガイド群19が前方に移動し、続いて図6(g)に示されるようにガイド群19がバックニードル18bの背後で紙面に垂直に手前側へ移動し(アンダーラップ)、同時に図示しないバック側のステッチコームが前進して(図では右方へ水平移動して)編み糸間を貫き、バック側のトリックプレート17b上に位置して、生地20をトリックプレート17bに押え付けて下方に残す。続いて、図6(h)に示されるように、編み糸6、地糸7、挿入糸8をガイドするガイド板▲3▼▲7▼▲8▼がバックニードル18bの前方(ラッチ側)へ出るまで、ガイド群19が大きく後方へ(図では左方へ)移動する。
【0065】
次に、図6(i)に示されるように、ガイド板▲3▼▲7▼▲8▼がバックニードル18bの前方において紙面に垂直に向う側へ移動し(オーバーラップ)、更に、ガイド群19が斜めに向う側前方へ移動して、編み込まれるスペーサ糸6、地糸7がバックニードル18bのラッチに掛けられた状態になる(挿入糸8は編み込まれないのでバックニードル18bの背後に位置する。)。同時に図示されないバック側ステッチコームが、トリックプレート17b上から後退を開始する。
【0066】
ここで、スペーサ糸6をガイドしているガイド板▲3▼にはコンピュータ制御によって短い長さのスペーサ糸6が供給されているため、スペーサ糸6はバックニードル18bまで届く。続いて、バックニードル18bが下降を開始し(この時点では図示されないバック側ステッチコームは後退を完了している。)、バックニードル18bのラッチが閉じられて、図6(j)に示されるように、スペーサ糸6、地糸7によって新しい編み目が形成され、挿入糸8は新しい編み目のシンカーループに掛けられる。
【0067】
このように、図5及び図6(a)〜(j)の編成過程が所定回数繰り返されることによって、図2の凹状部分4が生地20として編成される。
【0068】
次に、凸状部分5の編成過程について、図7及び図8を参照して説明する。
【0069】
図7(a)はバックニードル18bにおいて1つの編み目が形成された直後の状態を示すもので、▲1▼〜▲8▼の8枚のガイド群19のうち▲3▼と▲5▼のガイド板には編み糸が供給されていない。したがって、以下の図7及び図8(a)〜(j)の工程において、▲3▼と▲5▼のガイド板は編成過程には関与しない。一方、▲1▼のガイド板には挿入糸10が、▲2▼のガイド板には地糸9が、▲4▼のガイド板にはスペーサ糸6が、▲6▼のガイド板には補強糸11が、▲7▼のガイド板には平坦面3側の地糸7が、▲8▼のガイド板には平坦面3側の挿入糸8が、それぞれ供給される。
【0070】
図7(a)においては、フロントニードル18aが上昇を開始しており、▲1▼のガイド板がフロントニードル18aの背後側に位置するまでガイド群19が後方に移動し、続いて図7(b)に示されるようにガイド群19がフロントニードル18aの背後で紙面に垂直に向う側へ移動し(アンダーラップ)、同時に図示しないフロント側のステッチコームが前進して(図では左方へ水平移動して)編み糸間を貫き、フロント側のトリックプレート17a上に位置して、生地20をトリックプレート17aに押え付けて下方に残す。続いて、図7(c)に示されるように、編み糸6、地糸9、挿入糸10、補強糸11をガイドするガイド板▲1▼▲2▼▲4▼▲6▼がフロントニードル18aの前方へ出るまで、ガイド群19が大きく前方へ(図では右方へ)移動する。
【0071】
次に、図7(d)に示されるように、ガイド板▲1▼▲2▼▲4▼▲6▼がフロントニードル18aの前方において紙面に垂直に手前側へ移動し(オーバーラップ)、更にガイド群19が斜めに手前側後方へ移動して、編み込まれるスペーサ糸6、地糸9、補強糸11がフロントニードル18aのラッチに掛けられた状態になる(挿入糸10は編み込まれないのでフロントニードル18aの背後に位置する。)。同時に図示されないフロント側ステッチコームが、トリックプレート17a上から後退を開始する。
【0072】
ここで、スペーサ糸6をガイドしているガイド板▲4▼にはコンピュータ制御によって通常の長さのスペーサ糸6が供給されるため、スペーサ糸6はフロントニードル18aまで届く。続いて、フロントニードル18aが下降を開始し(この時点では図示されないフロント側ステッチコームは後退を完了している。)、フロントニードル18aのラッチが閉じられて、図7(e)に示されるように、スペーサ糸6、地糸9、補強糸11によって新しい編み目が形成され、挿入糸10は新しい編み目のシンカーループに掛けられる。
【0073】
次に、図8(f)に示されるように、今度はバックニードル18bが上昇を開始し、▲8▼のガイド板がバックニードル18bの背後側に位置するまでガイド群19が前方に移動し、続いて図8(g)に示されるようにガイド群19がバックニードル18bの背後で紙面に垂直に手前側へ移動し(アンダーラップ)、同時に図示しないバック側のステッチコームが前進して(図では右方へ水平移動して)編み糸間を貫き、バック側のトリックプレート17b上に位置して、生地20をトリックプレート17bに押え付けて下方に残す。続いて、図8(h)に示されるように、スペーサ糸6、地糸7、挿入糸8をガイドするガイド板▲4▼▲7▼▲8▼がバックニードル18bの前方(ラッチ側)へ出るまで、ガイド群19が大きく後方へ(図では左方へ)移動する。
【0074】
次に、図8(i)に示されるように、ガイド板▲4▼▲7▼▲8▼がバックニードル18bの前方において紙面に垂直に向う側へ移動し(オーバーラップ)、更にガイド群19が斜めに向う側前方へ移動して、編み込まれるスペーサ糸6、地糸7がバックニードル18bのラッチに掛けられた状態になる(挿入糸8は編み込まれないのでバックニードル18bの背後に位置する。)。同時に図示されないバック側ステッチコームが、トリックプレート17b上から後退を開始する。
【0075】
ここで、スペーサ糸6をガイドしているガイド板▲4▼にはコンピュータ制御によって通常の長さのスペーサ糸6が供給されるため、スペーサ糸6はバックニードル18bまで届く。続いて、バックニードル18bが下降を開始し(この時点では図示されないバック側ステッチコームは後退を完了している。)、バックニードル18bのラッチが閉じられて、図8(j)に示されるように、スペーサ糸6,地糸7によって新しい編み目が形成され、挿入糸8は新しい編み目のシンカーループに掛けられる。
【0076】
このように、図7及び図8(a)〜(j)の編成過程が所定回数繰り返されることによって、図2の凸状部分5が生地20として編成される。
【0077】
ここで、前述の如く、▲1▼〜▲8▼の各ガイド板は紙面に垂直な方向に微小間隔で各18片のガイド片を備えており、それに合わせてフロントニードル18a及びバックニードル18bも紙面に垂直な方向に微小間隔で各18本を備えているので、図5及び図6(a)〜(j)の編成過程または図7及び図8(a)〜(j)の編成過程が1回行われるごとに、紙面に垂直な方向には18列の生地20が編まれることになる。したがって、図1に示されるような略正方形の凹状部分4及び凸状部分5が市松模様になった織布1を製造するためには、図5及び図6(a)〜(j)の編成過程及び図7及び図8(a)〜(j)の編成過程を18回程度繰り返した後、凹凸を入れ替える必要がある。
【0078】
即ち、図5(d)の段階でガイド板▲1▼▲2▼▲5▼に加えてスペーサ糸6をガイドするガイド板▲3▼がフロントニードル18aの前方において紙面に垂直に手前側へ移動し(オーバーラップ)、更にガイド群19が斜めに手前側後方へ移動して、編み込まれるスペーサ糸6、地糸9、補強糸11がフロントニードル18aのラッチに掛けられた状態になる(挿入糸10は編み込まれないのでフロントニードル18aの背後に位置する。)。ここで、今度はスペーサ糸6をガイドしているガイド板▲3▼にはコンピュータ制御によって通常の長さのスペーサ糸6が供給されるため、スペーサ糸6はフロントニードル18aまで届く。続いて、フロントニードル18aが下降を開始しラッチが閉じられて、スペーサ糸6、地糸9、補強糸11によって新しい編み目が形成され、挿入糸10は新しい編み目のシンカーループに掛けられる。
【0079】
このようにして、今度は図5及び図6に示されるガイド群19のガイド板▲3▼によってスペーサ糸6がフロント側でも生地20に編み込まれ、凸状部分5が編まれることになる。同時に、図7及び図8に示されるガイド群19のガイド板▲4▼によってスペーサ糸6がフロント側では生地20に編み込まれず、凹状部分4が編まれることになる。
【0080】
即ち、図7(d)の段階でガイド板▲1▼▲2▼▲6▼のみがフロントニードル18aの前方において紙面に垂直に手前側へ移動し(オーバーラップ)、更にガイド群19が斜めに手前側後方へ移動して、編み込まれる地糸9、補強糸11がフロントニードル18aのラッチに掛けられた状態になる(スペーサ糸6、挿入糸10は編み込まれないのでフロントニードル18aの背後に位置する。)。ここで、スペーサ糸6をガイドしているガイド板▲4▼にはコンピュータ制御によって通常より短い長さのスペーサ糸6しか供給されないため、スペーサ糸6はフロントニードル18aまで届かない。続いて、フロントニードル18aが下降を開始しラッチが閉じられて、地糸9、補強糸11によって新しい編み目が形成され、スペーサ糸6、挿入糸10は新しい編み目のシンカーループに掛けられる。
【0081】
このような凹凸逆転した編成過程が18回程度繰り返された後、再び凹凸が逆転して、図5及び図6に示されるガイド群19は図5及び図6(a)〜(j)に示される編成過程を繰り返し、図7及び図8に示されるガイド群19は図7及び図8(a)〜(j)に示される編成過程を繰り返す。そして、図5乃至図8の紙面に垂直な方向には、かかる18片のガイド片を有するガイド板▲1▼〜▲8▼からなるガイド群19が交互に並んでおり、これらガイド群19の数によって、図1に示される織布1の幅(即ち、幅方向の市松模様の数)が決定され、18回程度繰り返される編成過程を何度凹凸逆転させて続けるかによって織布1の長さ(即ち、長さ方向の市松模様の数)が決定される。
【0082】
このように、ガイド板▲3▼は常に凹状部分4に使われガイド板▲4▼は常に凸状部分5に使われるというように役割が固定されているわけではなく、ガイド板▲3▼とガイド板▲4▼に通されたスペーサ糸6によって交互に凹状部分4が形成される。
【0083】
このようにして編み上げられた特定の厚みを有する織布製造機15による織布1を供試体として、従来の編み方による厚さが一定の織布(ダブルラッシェル機による織布)と比較して、体圧分布測定試験を行った。
【0084】
図10は体圧分布の測定方法を示す模式図、図11は従来の厚さが一定のダブルラッシェル機による織布を供試体として測定した体圧分布の測定結果を示す図、図12は本実施の形態にかかる表面に凹凸を有する特定の厚みを有する織布を供試体として測定した体圧分布の測定結果を示す図である。
【0085】
体圧分布測定試験は、図10に示されるように、上から見ると略正方形の枠27に4本の脚28を付けた試験台26と、それより少し高さの低い足置き台29を用いて、略正方形の枠27に供試体Sを取付け、人25が臀部25aを供試体Sに、足25bを足置き台29に載せて、臀部25aと足25bで体重を支える。このとき、枠27に人25の身体が接触してはならない。
【0086】
このようにして測定した結果、図11に示されるように、通常の編み方による厚さが一定の織布1を供試体Sとした場合は、臀部の2箇所を中心として最高150mmHg以上の高い圧力が部分的に集中して生じており、体圧分散性が良くないことが示されている。
【0087】
一方、図12に示されるように、本実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布1を凹凸面2を上面として供試体とした場合は、83mmHg以上の圧力の部分が殆どなく、66mmHgの圧力の部分が点在し、あとは33mmHgの圧力の部分と16mmHgの圧力の部分が大きく拡がっており、体圧分散性に優れていることを表している。
【0088】
このようにして、本実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布製造機15による織布1は、スペーサ糸6の長さを変化させて表面に凹凸を生じさせることによって、体圧分散性に優れた織布1となる。これによって、車椅子のシートや自動車の座席のシートとして用いた場合、長時間同じ姿勢で座り続けても臀部が痛くなることがなく、また介護用ベッドの敷布団の布地として用いた場合でも、床ずれが起き難い快適なベッドとなる。更に、自動車用シート等の背もたれにかかる織布1を用いた場合には、表面に凹凸があるため背中が滑ることなくしっかり固定され、座り心地の良いシートとなる。
【0089】
本実施の形態においては、特定の厚みを有する織布製造機15による編成過程において、フロント生地とバック生地のいずれかで、スペーサ糸6をループ状に編み込んで折り返す部分と、スペーサ糸6の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを所定の周期で交互に形成することによって、スペーサ糸6の長さを変化させて表面に凹凸を生じさせているが、本発明を実施する場合には、これに限られずスペーサ糸6の長さを変化させて表面に凹凸を生じさせる方法であれば、どのような方法を用いても良い。
【0090】
特定の厚みを有する織布製造機15による織布1のその他の部分の構成、形状、数量、材質、大きさ、接続関係等についても、本実施の形態に限定されるものではない。
【0091】
ところで、上記実施の形態の所定の厚みを有する織布1については、平坦面3の対抗面側に市松模様状の立体模様について説明した。しかし、本発明を実施する場合の模様は、市松模様状の立体模様に限定されるものではない。具体的には、対向するフロント側に位置するフロント生地またはバック側のバック生地にループ状に編み込んで折り返す部分と、スペーサ糸6の長さを短くすることによって編み込むことなく、単にU字状に編み糸の間をくぐらせて、ニードルループ9a,11aとシンカーループ9b,11bで挟んで折り返す部分とを1目毎に交互に形成することができる。或いは、2以上の複数目毎に交互に形成することができる。なお、当然ながら、それらに対象性を持たせる必要性はないから、任意の模様を形成することができる。また、フロント生地とバック生地との糸の強度・張力によって、何れにも凹凸立体模様を形成することができる。
【0092】
即ち、本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸6からなる所定の厚みを有する織布1において、前記スペーサ糸6は、前記フロント生地または前記バック生地にU字状に編み込んで折り返す部分と、前記スペーサ糸6の長さを短くすることによって編み込むことなく単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを1目以上を、かつ、対象性を維持することに無関係に交互に形成してなる発明の構成とすることができる。
【0093】
したがって、従来のダブルラッシェル機等で製造した所定の厚みを有する織布1は、フロント生地とバック生地とがスペーサ糸6で接続された構造を有し、スペーサ糸6の長さは一定であるため、織布1の厚さも一定であり、所定の厚みを有する織布1の表面は平坦である。しかし、スペーサ糸6の長さを変化させれば、スペーサ糸6の長さの変化に応じて織布1の厚さも部分的に変化し、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。特に、鎖編み状等に編み込まれなかった空間部分はスペーサ糸6が固定されないので、反対側のバック生地またはフロント生地にスペーサ糸6が編み込まれるときに引っ張られ、編み込まれなかった部分のスペーサ糸6の長さが短くなり、フロント生地またはバック生地のその部分が凹み、表面に凹凸が形成されることになる。このとき、スペーサ糸6の長さが急変しても、編み込まれないから糸切れが生じない。
【0094】
このようにして、従来のダブルラッシェル機等を用いてフロント生地とバック生地とをスペーサ糸6で接続するときの編み方とは異なる編み方をすることによって、織布1の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、スペーサ糸6の長さを変化させる周期を変えることによって凹凸模様形状を大きくすることも、小さくすることもできる。また、織布1の縦方向及び横方向について周期的にスペーサ糸6の長さを変化させ、フロント生地とバック生地を同一厚みとすることによって、表面の凹凸模様以外にも、スペーサ糸6とフロント生地とバック生地の糸の相対的弾性変化によって弾性を順次変化させることもできる。
【0095】
したがって、織布1のスペーサ糸6の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布1となる。
【0096】
また、本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸6からなる所定の厚みを有する織布1において、前記スペーサ糸6は、前記フロント生地と前記バック生地との間を、前記スペーサ糸6の長さを長くした部分及び短くした部分を形成してなる発明の構成とすることができる。
【0097】
この場合には、織布1の部分によってスペーサ糸6の長さを変化させることにより、織布1の厚さ及び/または弾性を部分的に変化させ、必要に応じて、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。このように、従来のダブルラッシェル機等を用いてフロント生地とバック生地とをスペーサ糸6で接続するときの編み方とは異なる編み方をすることによって、織布1の厚さ及び/または弾性を部分的に変化し、必要に応じて、織布1の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、かつ、スペーサ糸6の長さを変化させる周期を変えることによって織布1の厚さ及び/または弾性を変化させる範囲を変えることができる。
【0098】
したがって、織布1のスペーサ糸6の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布1となる。
【0099】
そして、本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編みこまれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸6からなる所定の厚みを有する織布1において、前記スペーサ糸6は、前記フロント生地と前記バック生地との間の長さを変化させることによって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせる発明の構成とすることができる。
【0100】
したがって、織布1の部分によってスペーサ糸6の長さを変化させることにより、織布1の厚さも部分によって変化し、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。このように、従来のダブルラッシェル機等を用いてフロント生地とバック生地とをスペーサ糸6で接続するときの編み方とは異なる編み方をすることによって、織布1の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、スペーサ糸6の長さを変化させる周期を変えることによって凹凸模様形状を大きくすることも、小さくすることもできる所定の厚みを有する織布1となる。また、織布1の縦方向及び横方向について周期的にスペーサ糸6の長さを変化させることによって、表面の凹凸模様以外にも、弾性を変化させることもできる。
【0101】
したがって、織布1のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布1となる。
【0102】
上記実施の形態の所定の厚みを有する織布1の前記スペーサ糸6の長さは、徐々に連続的に変化させることによって、前記表面に丸みのある凹凸を生じさせたものである。
【0103】
スペーサ糸6の長さを断続的に変化させれば、織布1の表面には立体的な凸凹形状が形成されるが、スペーサ糸6の長さを少しずつ連続的に変化させれば織布1の厚さも少しずつ連続的に変化して、表面には滑らかなカーブからなる凹凸が形成される。これによって、織布1の表面に人体により優しい丸みのある凹凸を生じさせることができる。凹凸の大きさをスペーサ糸6の長さを変化させる周期を変えることによって、凹凸形状を大きくすることも小さくすることもできる。
【0104】
このようにして、織布1の表面に人体により優しい丸みのある凹凸を生じさせることができる織布1となる。
【0105】
本実施の形態の所定の厚みを有する織布1の前記スペーサ糸6は、前記フロント生地または前記バック生地にループ状に編み込んで折り返す部分と、前記スペーサ糸6の送り長さを短くすることによって編み込まずに、単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを交互に形成し、前記編み込まなかった部分は、反対側のバック生地またはフロント生地に前記スペーサ糸6が編み込まれるときに引っ張られて、前記スペーサ糸6の長さが短くなることによって前記編み込まれなかった部分が凹んで表面に凹凸を生じさせる発明の構成とすることができる。
【0106】
このように、フロント生地またはバック生地のいずれかにおいて、スペーサ糸6をループ状に編み込んで折り返す部分と、スペーサ糸6の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを所定の周期で交互に形成するものであるから、編み込まれなかった部分はスペーサ糸6が固定されないので、反対側のバック生地またはフロント生地にスペーサ糸6が編み込まれるときに引っ張られ、編み込まれなかった部分のスペーサ糸6の長さが短くなり、フロント生地またはバック生地のその部分が凹み、表面に凹凸が形成されることになる。故に、織布1のバック生地またはフロント生地の表面に、安定した凹凸を生じさせることができる。これにより、滑り難くなる。
【0107】
したがって、織布1のスペーサ糸6の長さを変化させ、織布1のバック生地またはフロント生地の表面に安定した凹凸を生じさせることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布1となる。
【0108】
本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、前記フロント生地またはバック生地のうち前記スペーサ糸6を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを形成する側にループ状に編み込む補強糸11を設けたものである。
【0109】
スペーサ糸6を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを交互に形成する側、即ち、表面に凹凸を生じる側においては、凹部においてスペーサ糸6が編み込まれないためループが1本少なくなる。そこで、前記編み糸を補強すると共に前記スペーサ糸の移動を拘束する補強糸11を加えることによって編み糸を補って補強するから、これによって、強度的にも通常の平坦な織布1と同等以上の強度を有し、織布1の表面に凹凸を生じさせることができる。
【0110】
なお、実施の形態を参照するとわかるように、編み糸を補強すると共に前記スペーサ糸6の移動を拘束する補強糸11は、凹凸面2側を形成する地糸9側を補強するものであるから、凹凸面2側が裏面となるような使用においては、或いは、機械的強度を強くする必要のない使用の場合には、補強糸11を省略することもできる。
【0111】
本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方のみに伸縮性を持たせ、他方に伸縮性を持たせない発明の構成とすることもできる。
【0112】
このように、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方に伸縮性を持たせることにより、所定の厚みを有する織布1では縦方向または横方向の一方の延びの影響がスムーズになり易いのに対して、他方の横方向または縦方向の一方が延びないので、その特定の厚みを有する織布1の指向性を高くすることができる。例えば、椅子またはベッド等の使用に好適となる。特に、遠心力の加わるシートに対して、遠心力の方向に延び難くするのが好適である。更に、滑り難くなる。
【0113】
本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の横方向及び縦方向を共に伸縮性を持たせ、他方に対しては伸縮性を持たせないことにした発明の構成とすることができる。
【0114】
このように、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地を伸縮性のある系とすることにより、所定の厚みを有する織布1では前記フロント生地または前記バック生地の一方は延びの影響がスムーズになり易いので、弾性特性を大きくすることができる。
【0115】
そして、本実施の形態の所定の厚みを有する織布1は、前記スペーサ糸6の長さの調節は、スペーサ糸6の送り速度によって決定する発明の構成とすることができる。
【0116】
例えば、コンピュータ制御等でスペーサ糸6の送り長さの調節を正確に調節することで、スペーサ糸6の送り長さを短くする部分においても送り長さを正確に再現することができる。これによって、織布1の表面の凹状になる部分の高さが織布1全体に亘って均一になる。また、スペーサ糸6の長さを少しずつ連続的に変化させる場合にも、極めて微小な送り長さの違いを実現することができ、織布1の表面に滑らかなカーブからなる凹凸を形成させることができる。
【0117】
このようにして、スペーサ糸6の送り長さを精密に正確に調節することができ、織布1の表面に均一な凹凸を生じさせることができる所定の厚みを有する織布1となる。
【0118】
本発明の所定の厚みを有する織布1は、自動車の座席のシートに使用したとき、その耐圧分散性をよくすることにより、疲れを感じ難くでき、その遠心力についても縦方向または横方向の強度の設定により任意に設定でき、ドライバビリティーのよいシートとすることができる。新幹線等の電車のシート、航空機のシートについても同様である。また、スペーサ糸6の部分が空気層を形成するから、通気性がよく、汗をかいたりすることがない。ペット用品、靴の中敷等に使用しても同様である。更に、自動車用シート、新幹線等の電車のシート等の背もたれに用いた場合には、任意の弾性特性にできるから、摩擦抵抗を大きくでき、座り心地を良くすることができる。
【0119】
また、車輌の内装に使用した場合には、空気層により断熱効果を得ることができる。そして、前記フロント生地と前記バック生地の弾性を任意に設定できるから、如何なる曲面にも対応させることができる。建造物の内装に使用した場合も同様である。
【0120】
そして、車椅子のシートとした場合には、水切れが良いことから、車椅子のまま入浴する場合の車椅子のシートとしても使用できる。
【0121】
更に、ベッドに使用した場合には、横方向の弾性を規制することにより、ベッドからの転げ落ちを防止することができる。
【0122】
ところで、上記実施の形態の特定の厚みを有する織布1については、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地とは、凹凸面2と平坦面3の事例を説明したが、本発明を実施する場合のフロント生地とバック生地は、上記凹凸面2と平坦面3に限定されるものではなく、両面が平坦面3としたり、両面を凹凸面2、即ち、凹凸立体模様とすることができる。また、上記実施の形態のフロント生地とバック生地は、縦糸のみで形成しているが、本発明を実施する場合には、上記凹凸面2と平坦面3を見ると理解できるように、スペーサ糸6を除き、通常の編み込みを行うものであるから、通常の縦糸及び横糸を使用する生地に使用することもでき、それらの縦糸及び横糸の弾性を変化させることもできるし、同一の素材とすることもできる。
【0123】
上記実施の形態の特定の厚みを有する織布におけるスペーサ糸6は、高収縮糸とすることができる。それによって、スペーサ糸6の反発力が小さくなるから、原理的には厚み方向に加わる荷重の分散性がよくなり、結果的に、それと独立した縦または横方向の加速度に対しても、諸特性を持たせることができる。
【0124】
上記実施の形態の特定の厚みを有する織布は、編み方に変化を持たせた事例で説明したが、特に、スペーサ糸6を弾性糸、即ち、熱硬化性樹脂からなる糸とすることにより、加熱した金型等によるプレス成形により、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせることができ、所定の形状に変形させれば、加わる荷重の分散性を任意に変化させることができる。
【0125】
即ち、この特定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸6からなる特定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸6は、弾性糸で形成し、加熱によって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせる構成の発明とすることもできる。
【0126】
したがって、従来から存在する特定の厚みを有する織布であっても、本実施の形態で説明した特定の厚みを有する織布であっても、熱硬化性樹脂からなる弾性糸をスペーサ糸6として使用し、加熱して所定の形状に変形させれば、加わる荷重の分散性を任意に変化させることができる。勿論、本実施の形態で説明した特定の厚みを有する織布の場合には、熱硬化性樹脂からなるスペーサ糸6の加熱により、所定の形状に変形させることができるから、容易に任意の形状のものが製造できる。よって、加熱して所定の形状に変形させれば、織布のスペーサ糸6の長さが変化することになり、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となる。
【0127】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の所定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる所定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、前記フロント生地または前記バック生地にループ状に編み込んで折り返す部分と、前記スペーサ糸を編み込むことなく単にU字状に編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを形成してなるものである。
【0128】
したがって、スペーサ糸の長さを変化させることにより、織布の厚さ、弾性が変化し、必要に応じて表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。特に、編み込まれなかった部分はスペーサ糸が固定されないので、反対側のバック生地またはフロント生地にスペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られ、編み込まれなかった部分のスペーサ糸の長さが短くなり、または張力が大きくなり、スペーサ糸の長さが急変しても、編み込まれないから糸切れが生じない。
【0129】
織布の表面に凹凸等の立体模様を変化させることができ、スペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって凹凸模様形状を大きくすることも、小さくすることもできる所定の厚みを有する織布となる。また、織布の縦方向及び横方向について、周期的にスペーサ糸の長さを変化させることによって、表面の凹凸模様以外にも、弾性を変化させることができる。
【0130】
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となる。
【0131】
請求項2の所定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる所定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間を、前記スペーサ糸の長さを所定の長さにした部分及びそれよりも短くした部分を形成してなるものである。
【0132】
したがって、織布の部分によってスペーサ糸の長さを変化させることにより、織布の厚さ及び/または弾性を部分的に変化し、必要に応じて、表面に凹凸等の立体模様を生じさせる。このように、織布の厚さ及び/または弾性を部分的に変化させ、必要に応じて、織布の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、かつ、スペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって織布の厚さ及び/または弾性を変化させる範囲を変えることができる。
【0133】
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となり、滑り難くなる。
【0134】
請求項3の所定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる所定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間の長さを変化させることによって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせるものである。
【0135】
したがって、織布の部分によってスペーサ糸の長さを変化させることにより、織布の厚さも部分的に変化し、表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができる。このように、織布の表面に凹凸等の立体模様を生じさせることができ、スペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって凹凸模様形状を大きくすることも、小さくすることもできる織布となる。また、織布の縦方向及び横方向について周期的にスペーサ糸の長さを変化させることによって、表面の凹凸模様以外にも、弾性を変化させることもできる。
【0136】
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となり、滑り難くなる。
【0137】
請求項4の所定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸の長さは、連続的に順次変化させることによって前記表面に丸みのある凹凸を生じさせたものである。
【0138】
したがって、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、スペーサ糸の長さを断続的に変化させれば、織布の表面には立体的な凸凹形状が形成されるが、スペーサ糸の長さを少しずつ連続的に変化させれば、織布の厚さも少しずつ連続的に変化して、表面には滑らかなカーブからなる凹凸が形成される。これによって、織布の表面に人体により優しい丸みのある凹凸を生じさせることができる。凹凸の大きさをスペーサ糸の長さを変化させる周期を変えることによって大きくすることも、小さくすることもできる織布となる。このようにして、織布の表面に人体により優しい丸みのある凹凸を生じさせることができる所定の厚みを有する織布となり、滑り難くなる。
【0139】
請求項5の所定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸の長さは、急激的に変化させることによって前記表面に立体模様形成したものである。
【0140】
したがって、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、スペーサ糸の長さを急激に変化させれば、織布の表面には急激に変化する凸凹形状、即ち、立体模様が形成される。これによって、織布の表面に任意の模様を形成することができる。このようにして、織布の表面に任意の模様を形成することにより、滑り難くなる。
【0141】
請求項6の所定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸は、前記フロント生地または前記バック生地にループ状に編み込んで折り返す部分と、前記スペーサ糸の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを形成し、前記編み込まなかった部分は、反対側のバック生地またはフロント生地に前記スペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られて、前記スペーサ糸の長さが短くなることによって前記編み込まなかった部分が凹んで表面に凹凸を生じさせるものである。
【0142】
したがって、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、フロント生地またはバック生地のいずれかにおいて、スペーサ糸をループ状に編み込んで折り返す部分と、スペーサ糸の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状の編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを所望の周期で交互に形成するものであるから、編み込まれなかった部分はスペーサ糸が固定されないので、反対側のバック生地またはフロント生地にスペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られ、編み込まれなかった部分のスペーサ糸の長さが短くなり、フロント生地またはバック生地のその部分が凹み、表面に凹凸が形成されることになる。故に、織布のバック生地またはフロント生地の表面に、安定した凹凸を生じさせることができ、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となり、滑り難くなる。
【0143】
請求項7の所定の厚みを有する織布は、前記フロント生地またはバック生地のうち前記スペーサ糸を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを形成する側に前記編み糸を補強すると共に前記スペーサ糸の移動を拘束する補強糸を設けたものである。
【0144】
したがって、請求項6に記載の効果に加えて、スペーサ糸を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを交互に形成する側、即ち、表面に凹凸を生じる側においては、凹部においてスペーサ糸が編み込まれないためループが1本少なくなるが、ループ状に編み込んで行く補強糸を加えることによって編み糸を補って補強するから、これによって、強度的にも通常の平坦な織布と同等以上の強度を有し、織布の表面に凹凸を生じさせることができる。
【0145】
請求項8の所定の厚みを有する織布は、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方のみに伸縮性を持たせ、他方を伸縮性を持たせないようにしたものである。
【0146】
したがって、請求項6または請求項7に記載の効果に加えて、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方のみに伸縮性を持たせていることにより、所定の厚みを有する織布では縦方向または横方向の一方の延びの影響がスムーズになり易いのに対して、他方の横方向または縦方向の一方が延びないので、指向性を高くすることができ、かつ、滑り難くなる。
【0147】
請求項9の所定の厚みを有する織布は、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の横方向及び縦方向に対して共に伸縮性を持たせ、他方の伸縮性を持たせないようにしている。
【0148】
したがって、請求項6または請求項7に記載の効果に加えて、前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地を伸縮自在とすることにより、所定の厚みを有する織布では前記フロント生地または前記バック生地の一方は延びの影響がスムーズになるので、弾性特性を大きくすることができる。
【0149】
請求項10の所定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸の長さの調節は、スペーサ糸の送り速度によって決定するものである。
【0150】
したがって、請求項2乃至請求項9の何れか1つに記載の効果に加えて、スペーサ糸の送り長さの調節を正確に調節することで、スペーサ糸の送り長さを短くする部分においても送り長さを正確に再現することができる。これによって、織布の表面の凹状になる部分の高さが織布全体に亘って均一になる。また、スペーサ糸の長さを少しずつ連続的に変化させる場合にも、極めて微小な送り長さの違いを実現することができ、織布の表面に滑らかなカーブからなる凹凸を形成させることができる。故に、スペーサ糸の送り長さを精密に正確に調節することができ、織布の表面に均一な凹凸を生じさせることができる所定の厚みを有する織布となる。
【0151】
請求項11の特定の厚みを有する織布の前記スペーサ糸は、高収縮糸としたものである。
【0152】
したがって、請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の効果に加えて、反発力が小さいから、加わる荷重の分散性がよくなり、結果的に、それと独立した縦または横方向の加速度に対しても、諸特性を持たせることができる。
【0153】
請求項12の特定の厚みを有する織布は、フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、前記スペーサ糸は、熱硬化性樹脂からなる弾性糸で形成し、加熱によって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせるものである。
【0154】
したがって、従来から存在する特定の厚みを有する織布であっても、請求項1乃至請求項11に記載の特定の厚みを有する織布であっても、熱硬化性樹脂からなる弾性糸によって、加熱して所定の形状に変形させれば、加わる荷重の分散性を任意に変化させることができる。
よって、織布のスペーサ糸の長さを変化させることにより、体圧分散性等の諸特性を向上させた織布となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布の凹凸のある面側を上にして示す斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる特定の厚みを有する織布の凹凸のある部分を1列取り出して示した部分拡大図である。
【図3】図3は図2の一部を更に拡大したもので、図3(a)は凹状部分の編み方を示す説明図、(b)は凸状部分の編み方を示す説明図である。
【図4】図4は図3の一部を更に拡大したもので、図4(a)は凹状部分の凹側の編み方を示す説明図、(b)は凸状部分の凸側の編み方を示す説明図である。
【図5】図5(a)〜(e)は特定の厚みを有する織布機による凹状部分の編成過程を示す説明図である。
【図6】図6(f)〜(j)は特定の厚みを有する織布機による凹状部分の他の編成過程を示す説明図である。
【図7】図7(a)〜(e)は特定の厚みを有する織布機による凸状部分の編成過程を示す説明図である。
【図8】図8(f)〜(j)は特定の厚みを有する織布機による凸状部分の他の編成過程を示す説明図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態の特定の厚みを有する織布の製造機による各糸の供給制御を行う構成の概念図である。
【図10】図10は体圧分布の測定方法を示す模式図である。
【図11】図11は従来の厚さが一定のダブルラッシェル機による織布を供試体として測定した体圧分布の測定結果を示す図である。
【図12】図12は本実施の形態にかかる表面に凹凸を有する特定の厚みを有する織布を供試体として測定した体圧分布の測定結果を示す図である。
【符号の説明】
1 特定の厚みを有する織布
2 凹凸面
3 平坦面
4 凹状部分
5 凸状部分
6 スペーサ糸
7,9 地糸
8,10 挿入糸
9a,11a ニードルループ
9b,11b シンカーループ
11 補強糸
15 織布製造機
Claims (12)
- フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、
前記スペーサ糸は、前記フロント生地または前記バック生地にループ状に編み込んで折り返す部分と、前記スペーサ糸の長さを短くすることによって編み込むことなく、単にU字状に編み糸の間をくぐらせて折り返す部分とを形成してなることを特徴とする特定の厚みを有する織布。 - フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、
前記スペーサ糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間を、前記スペーサ糸の長さを指定長さ部分及びそれよりも短くした部分を形成してなることを特徴とする特定の厚みを有する織布。 - フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、
前記スペーサ糸は、前記フロント生地と前記バック生地との間の長さを変化させることによって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせたことを特徴とする特定の厚みを有する織布。 - 前記スペーサ糸の長さは、連続的に順次変化させることによって前記表面に緩やかな凹凸を生じさせたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記スペーサ糸の長さは、急激に変化させることによって前記表面に立体模様形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記スペーサ糸の送り長さを短くすることによって編み込まずに単にU字状に編み糸の間をくぐらせて折り返した部分は、反対側のバック生地またはフロント生地に前記スペーサ糸が編み込まれるときに引っ張られて、前記スペーサ糸の長さが短くなることによって、前記編み込まなかった部分が凹んで表面に凹凸を生じさせることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記フロント生地またはバック生地のうち前記スペーサ糸を編み込んで折り返す部分と、編み込まずに折り返す部分とを形成する側に前記編み糸を補強すると共に前記スペーサ糸の移動を拘束する補強糸を設けたことを特徴とする請求項6に記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の縦方向または横方向の一方のみに伸縮性を与え、他方に伸縮性を付与しないものとしたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記フロント生地または前記バック生地の一方または両方の生地の横方向及び縦方向に対して共に伸縮性を持たせたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記スペーサ糸の長さの調節は、スペーサ糸の送り速度によって決定することを特徴とする請求項2乃至請求項9の何れか1つに記載の特定の厚みを有する織布。
- 前記スペーサ糸は、高収縮糸としたことを特徴とする請求項1乃至請求項10の何れか1つに記載の特定の厚みを有する織布。
- フロント側に位置するフロント生地と、前記フロント生地の対向する反対側に位置するバック側のバック生地と、前記フロント生地と前記バック生地との間に編み込まれ、両者間の厚みを形成するスペーサ糸からなる特定の厚みを有する織布において、
前記スペーサ糸は、弾性糸で形成し、過熱によって、前記フロント生地と前記バック生地の一方または両方の表面に凹凸を生じさせたことを特徴とする特定の厚みを有する織布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003165528A JP2005002490A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 特定の厚みを有する織布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003165528A JP2005002490A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 特定の厚みを有する織布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005002490A true JP2005002490A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34091980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003165528A Pending JP2005002490A (ja) | 2003-06-10 | 2003-06-10 | 特定の厚みを有する織布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005002490A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011511173A (ja) * | 2008-01-29 | 2011-04-07 | エ.ア.デシャンプ.エ.フィス | 織物構造体、ならびにそのような構造体を含むパネルまたは容器 |
JP2011511174A (ja) * | 2008-01-29 | 2011-04-07 | エ.ア.デシャンプ.エ.フィス | 製織方法、ならびにこの方法を実施するための織機 |
US9677209B2 (en) | 2014-06-26 | 2017-06-13 | Karl Mayer Textilmaschinenfabrik Gmbh | Knitted fabric, method for producing a knitted fabric, and warp knitting machine |
CN108221163A (zh) * | 2018-04-21 | 2018-06-29 | 福建瑞虹贾卡实业有限公司 | 一种具有凹凸间隔层的提花织物及其制作方法 |
EP3587641A1 (de) * | 2018-06-25 | 2020-01-01 | KARL MAYER Textilmaschinenfabrik GmbH | Abstandstextil |
-
2003
- 2003-06-10 JP JP2003165528A patent/JP2005002490A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011511173A (ja) * | 2008-01-29 | 2011-04-07 | エ.ア.デシャンプ.エ.フィス | 織物構造体、ならびにそのような構造体を含むパネルまたは容器 |
JP2011511174A (ja) * | 2008-01-29 | 2011-04-07 | エ.ア.デシャンプ.エ.フィス | 製織方法、ならびにこの方法を実施するための織機 |
US9677209B2 (en) | 2014-06-26 | 2017-06-13 | Karl Mayer Textilmaschinenfabrik Gmbh | Knitted fabric, method for producing a knitted fabric, and warp knitting machine |
KR101747897B1 (ko) * | 2014-06-26 | 2017-06-15 | 칼 마이어 텍스틸마쉰넨파브릭 게엠베하 | 편성포, 편성포의 제조방법, 및 경편기 |
CN108221163A (zh) * | 2018-04-21 | 2018-06-29 | 福建瑞虹贾卡实业有限公司 | 一种具有凹凸间隔层的提花织物及其制作方法 |
CN108221163B (zh) * | 2018-04-21 | 2019-11-08 | 福建瑞虹贾卡实业有限公司 | 一种具有凹凸间隔层的提花织物及其制作方法 |
EP3587641A1 (de) * | 2018-06-25 | 2020-01-01 | KARL MAYER Textilmaschinenfabrik GmbH | Abstandstextil |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100549771B1 (ko) | 좌석 시트용 입체 편물 | |
US6233976B1 (en) | Shaping/augmenting/diminishing knitted fabrics | |
KR101356976B1 (ko) | 스페이서 패브릭의 편성방법 및 스페이서 패브릭 | |
JP4398426B2 (ja) | 立体構造経編地 | |
CN113195813B (zh) | 具有可调整针床和可变厚度针织部件的针织机 | |
KR20080095891A (ko) | 점탄성 폼 매트리스용 덮개 | |
SE413070B (sv) | Textilt sitt- och liggunderlag | |
CN105442163A (zh) | 具有凹凸效应的不同厚度间隔织物的编织方法 | |
JP4972080B2 (ja) | 立体編物 | |
JPWO2005034684A1 (ja) | 座席用シート材 | |
CA2821706A1 (en) | Three-dimension fabric | |
JP2003113562A (ja) | 畝状ダブル・ラッシェル地 | |
CN110499572B (zh) | 一种双层经编间隔织物及一种经编机 | |
JP2005002490A (ja) | 特定の厚みを有する織布 | |
WO2006038465A1 (ja) | 立体構造経編地 | |
CN211645569U (zh) | 3d立体贾卡经编织物及其经编机 | |
JP4947521B2 (ja) | 身体支持用弾性経編地 | |
US6684461B1 (en) | Mattress handle formed of a textile web with cushioned edges | |
JP5762736B2 (ja) | 経編地及びその製造方法 | |
CN109881352B (zh) | 三维立体结构经编针织织物及其编织方法 | |
JP2007084965A (ja) | 凹凸を有する立体編物及びその製造方法 | |
JP2009052149A5 (ja) | ||
JP2013011034A (ja) | 形状追従性経編地 | |
CN114575025A (zh) | 用热收缩纱线制成的针织制品 | |
KR20180130704A (ko) | 다중직물의 제조방법 및 상기 제조방법에 의한 다중직물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060516 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090203 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20090406 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090421 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090811 |