以下図面を参照して実施形態について説明するが、以下の図面を通して同一の参照番号は同様の要素を参照するために用いられる。これらの図は必ずしも縮尺どおりではないことは理解されよう。
改善されたカメラシステム及びカメラの動作方法を示す種々の実施形態について添付の図面を参照して以下に説明する。例示の実施形態では、上記カメラシステムは移動電話機の一部を構成するデジタルカメラ装置として実現される。専用のカメラ、又は、(パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、メディアプレーヤ、ゲーム用装置、「ウェブ」カメラ、コンピュータなどの)カメラを装備した別のタイプの電子デバイス(但しこれらのみに限定されるわけではない)等のような他の動作状況においても上記カメラシステムの諸側面を適用できることは理解されよう。カメラ装置は、ピクチャ及び写真とも呼ばれる静止画像の形で画像データを取り込む(キャプチャする)ために用いることができるが、静止画像に加えて、ビデオ画像をキャプチャすることも可能であることは理解されよう。
まず図1〜図3を参照すると、電子デバイス10が示されている。例示の電子デバイス10は移動電話である。電子デバイス10はデジタル静止画像とデジタルビデオクリップの少なくともいずれかを撮影するためのカメラ装置12を含む。電子デバイス10は移動電話である必要はなく、専用のカメラ又は上記のような何らかの別の装置であってもよいことを強調しておく。
さらに図4を参照すると、カメラ装置12は一般的なカメラ装置として構成することが可能であり、このカメラ装置には、カメラ装置12の視野内のシーンから出る光をセンサ16上へ合焦する結像光学系14が含まれる。センサ16は入射光を画像データに変換する。結像光学系14は、レンズアセンブリと、該レンズアセンブリを補助する部品(保護ウィンドウ、フィルタ、プリズム、ミラーのうちの少なくともいずれかなど)のような種々の光学部品を含んでもよい。結像光学系14は、合焦用機械部、(マルチゾーンオートフォーカスアセンブリなどの)合焦制御用電子デバイス及び光学ズーム用機械部などに関連付けることができる。カメラ装置12の他の部品には、写真の画像データの取り込み中に補助光を提供するフラッシュ18、露出計20、電子ファインダとして、及び、インタラクティブなユーザインタフェースの一部として機能するディスプレイ22、ユーザ入力を受け付けるためのキーパッド24及びボタン26の少なくともいずれか、光学式ファインダ(図示せず)、及び、共通してカメラと接続された他の任意の部品を含んでもよい。キーパッド24から得られるキーのうちの1つ又はボタン26のうちの1つはシャッターキーであってもよく、ユーザはこのシャッターキーを押して写真撮影を指示することができる。
カメラ装置12の別の部品は、カメラ装置12の動作を制御する電子コントローラ28であってもよい。例えば、関連メモリによって記憶された論理演算命令を実行するプロセッサとして、ファームウェアとして、専用の回路部品から成る構成として、あるいは、上記の実施形態の組み合わせとしてコントローラ28を実現することができる。したがって、カメラ装置12の動作方法は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶された(ソフトウェアなどの)実行可能コードとして物理的に実現されてもよいし、あるいは、上記動作方法は電気回路の一部として物理的に実現されてもよい。別の実施形態では、電子コントローラ28の機能は、電子デバイス10の動作全体の制御を司る制御回路30によって実行されてもよい。このケースではコントローラ28を省いてもよい。別の実施形態では、カメラ装置12の制御機能はコントローラ28と制御回路30との間で分散されてもよい。
センサ16は所定のフレームレートでデータをキャプチャして、電子ファインダとして動作するディスプレイ22へ供給されるプレビュービデオ信号を生成できることは理解されよう。典型的には、ディスプレイ22は結像光学系14から見て電子デバイス10の反対側に設けられる。このようにして、ユーザ32は所望の方向にカメラ装置12を向け、ディスプレイ22でカメラ装置12の視野34の像を見ることができる。しかし、ユーザ32がカメラ装置の視野34に入るように電子デバイス10が回転された場合には、ディスプレイ22がユーザ32の目に見えなくなることがある。
ユーザ32が写されたパノラマ写真を構成する際にユーザ32を補助するために、カメラ装置12は、電子デバイス10のハウジング38の表面に設けられた複数の反射面36を有することができる。例示の実施形態では、個々の反射面36は独立したユニットである。別の実施形態では、反射面36は多面鏡(multifaceted mirror)のような単一の反射用ユニットの別個の部分であってもよい。反射面36は、反射フィルムで被膜された裏面を有するガラス又はプラスチックなどの半透明材料からつくられたミラーなどの任意の好適な構造を有してもよい。反射面36の他の例示の実装構成には、例えば、研磨された金属製のピース、反射特性を付与するために1層の材料層又は一重ねの材料層で被膜された基板、プリズム、などが含まれる。
例示の実施形態では、個々の反射面36は一般に、正方形として、かつ、カメラ装置12の光軸に関して(平らな面のような)平面として描かれている。これらの反射面36は別の物理的特徴を有してもよいし、また、個々の反射面36が同一の物理的特徴を有するか、他の反射面36とは異なる物理的特徴を有してもよいことは理解できよう。例えば、反射面36のうちの1つ以上は矩形であってもよいし、角丸を有してもよいし、円形であってもよいし、長円形であってもよいし、あるいは何らかの別の形状を有するものであってもよい。また、反射面36のうちの1つ以上は(凸曲線などの)非平面であってもよい。別例として、反射面36のうちの1つ以上がカメラ装置12に対して垂直な光軸であるか、反射面36の1つ以上がカメラ装置12の光軸に対して非垂直な角度で配置されるように「チルトされる」かの少なくともいずれかであってもよい。また、反射面36の相対的サイズを変動させるか、反射面36の間の間隔を変動させるかの少なくともいずれかを行うことも可能である。
図2に描かれている反射面36は、3つの列と4つの行とを有する(行列のような)グリッドの形で配列されている。別の実施形態では、異なる数の列と異なる数の行の少なくともいずれかが存在してもよい。例えば、2以上の反射面36を有する1列の反射面が存在してもよい。別の実施形態では、これらの列と行の少なくともいずれかが相互にオフセットされ、隣接する反射面36がずらされるようにしてもよい。図2の実施形態では、最も外側にある光学素子14の中を通って引かれた垂直中心線が反射面36の間に入る。別の実施形態では、及び、図6〜図9の実施形態に例示のように、最も外側にある光学素子14の中を通って引かれた垂直中心線が反射面36のうちの1つ以上を2等分する。反射面36は、反射面36の円形又は楕円形、1又は2以上の中心反射面36を取り囲む反射面の円形又は楕円形、反射面36の同心円などのように別様に配列できることはさらに理解されよう。
例示の実施形態では、反射面36はハウジング38から外側に出ている。別の実施形態では、ハウジング38の中へ凹みをつけて反射面36を入れたり、反射面36をハウジングと面一になるように装着してもよい。明瞭さを旨として、カメラ装置12の光学部品は(図3及び図6〜図9などの)各上面図には図示されていないが、光学部品や光学部品用ハウジングが電子デバイス10のハウジング38を突出するように設けられていてもよい。
ユーザは、合成画像を作成するための画像ステッチング用ソフトウェアを用いてつなぎ合わされた一連の画像をカメラ装置12で撮影することができる。画像ステッチング用ソフトウェアは当業では公知であるため詳述しない。ユーザが所望の画像に対応する反射面36の1つの反射像を見ながら個々の画像のキャプチャが可能となる。例えば、ユーザは反射面36のうちの第1の反射面に自分の反射像を観察することができ、次いで、シャッターレリーズキーを押すことによって対応する画像の撮影を行うことができる。上記のようにシャッターレリーズキーはキーパッド24又はボタン26の一部で形成することができる。セルフポートレートの撮影の便宜上、第2のシャッターレリーズキー39が反射面36と共に電子デバイス10の裏側に配置されてもよい。
第1の写真を撮影した後、ユーザは(例えばカメラ装置12の光軸の方向を回転させるように)電子デバイス10を回転させるか、(例えばカメラ装置12の光軸がシフトするように、しかも、その以前の方向に対して概ね平行な状態を維持するように)平行移動で電子デバイス10を移動させるかの少なくともいずれかの動きによってカメラ装置12を動かすことができる。次いで、ユーザは反射面36の別の反射面の反射像を観察し、第2の写真を撮影することができる。所望の数の反射面を用いてユーザが写真を撮影してしまうまでこの処理を続けてもよい。その後、ユーザの像を含んだパノラマ写真を形成するよう写真をつなぎ合わせることができる。カメラ装置12の視野がシーンの別の部分を含むように個々の画像を撮影することができる。また、ユーザを表現するパノラマ画像の一部は1又は2以上の画像から得られたものであってもよく、かつ、背景を表現するパノラマ画像の一部は、ユーザの像が取得された取得元の画像と同じ画像か、該画像とは異なる画像かの少なくともいずれかの画像である1又は2以上の画像から得られたものであってもよい。このようにして、ユーザが1つのミラーに映る自分の反射像を用いて構成した1つの画像からセルフポートレートが作成される場合よりも多くの背景をパノラマ画像の形で表現することが可能となる。また、これらの画像は(異なる焦点設定のような)異なる焦点距離で撮影されてもよい。この結果、従来の単一画像のセルフポートレートと比べて焦点の合った更に大きな量の合成パノラマセルフポートレートの作成につなげることができる場合もある。
一実施形態では、対応する画像を構成するためにユーザが反射面36の位置合わせを行う補助用として使われるアライメントマーク40のような目に見えるガイドが1又は2以上の反射面36の中に含まれてもよい。アライメントマーク40は、ガイダンスとフィードバック情報とをユーザ32に示して、電子デバイス10のシフト量と回転量の少なくともいずれかの量が隣接する画像間においてどれくらいあれば適切であるかを明示し、それによって、総量において複数の画像を首尾よくつなぎ合わせて、ユーザを含んだパノラマ表現の形成を可能にする。実施形態において、隣接する反射面36に対応する画像との若干のオーバラップ部分を設けることが望ましい。なお、ユーザ32又はユーザ32の一部が写される種々の画像の撮影中においては、ユーザはできるだけ動かない状態でいること(ユーザの頭部が回転しないようにすることを含む)が最も望ましい。
アライメントマーク40の可能な構成を示す一例として、図2の例示の実施形態では、反射面36のうちのいくつかに十字線が含まれ、次いで、十字線を持つ反射面36に対応する画像の構成時に、ユーザ32は、十字線がユーザの鼻又は目鼻立ちの他の部分とオーバラップするように自分の反射像の位置合わせを行うことができる。反射面36のうちの別の反射面は反射面36の左側に垂直方向のアライメントマークを有する。このアライメントマーク40はユーザ32をガイドして、ユーザの右眼又は右耳をアライメントマーク40と位置合わせすることができる。同様に、反射面36のうちの別の反射面は反射面36の右側に垂直方向のアライメントマークを有する。このアライメントマーク40はユーザ32をガイドして、ユーザの左眼又は左耳をアライメントマーク40と位置合わせすることができる。
別の実施形態では、反射面36は複数の別の識別子42を個々に有することができる。図2の実施形態では、1〜12の数字を用いて反射面36に番号が付されている。画像を構成するために反射面36の反射像を用いて画像を撮影した後、ディスプレイ22に画像を表示することができる。ユーザは、パノラマセルフポートレートの合成画像品質に寄与することになる露出、焦点、内容などの観点から若干のオーバラップ部分と所望の品質の少なくともいずれかを有するように画像が写されているかどうかの評価を行うことができる。これらの画像は対応する識別子と共に(例えば画像上にスーパーインポーズされた識別子と共に)表示することができ、それによって、ユーザが一連の画像から得たある特定の画像が気に入らなかった場合、ユーザは対応する識別子42を有する反射面36から得られる反射像を用いることによって写真を再度撮影することができる。これら複数の画像は、同時にすべて、一度に数個、又は一度に一個表示することができると共に、反射面36のレイアウトに対応するレイアウトで画像を表示することができる。一実施形態では、ユーザは、反射面36のレイアウトに対応するレイアウトで個々の画像が配置された画面をスクロールすることができる。例えば、電子デバイス10のユーザインタフェースは画像を通じてユーザをガイドし、ユーザによる1又は2以上の画像撮影の編集や、反復を可能にする。ユーザが画像を承認するとすぐに、画像はつなぎ合わされて、合成パノラマ画像を形成することができる。
一実施形態では、電子デバイス10はユーザをガイドして、反射面36の各々に対応する一連の画像をキャプチャすることができる。このようにして、ユーザは1又は2以上の反射面による画像のキャプチャを「忘れる」可能性を少なくすることができる。一実施形態では、個々の反射面36に関連付けられた視覚インジケータが存在してもよい。例えば、視覚インジケータは次の画像を構成するためにどの反射面36を用いるかについてユーザをガイドするように照明を行うLEDであってもよい。別の実施形態では、ユーザが次に使用すべき反射面の識別子42の値を示すためにディスプレイが存在してもよい。
一実施形態では、ユーザは、次の画像を構成するために使用することを意図した反射面36の識別子を電子デバイス10へ伝えることができる。例えば、個々の反射面36はタッチパネル式であってもよく、ユーザは反射面36を押圧して、対応する画像の構成に用いられている反射面36の識別子を伝えるようにすることができる。また、このタイプの入力機能によって、ユーザは画像のキャプチャの反復が可能になると共に、このキャプチャに応答して、カメラ装置12は、ユーザ指定の反射面36と関連付けられた以前にキャプチャされた画像の差し替えを行うことができる。
図6と図7の実施形態を参照すると、反射面36の5つの列が存在している。便宜上、中央反射面44、中間左反射面46、極左反射面48、中間右反射面50及び極右反射面52とこれらの反射面を呼ぶことにする。異なる数の反射面36又は異なる配列の反射面36が可能であることは理解できよう。本実施形態では、中央反射面44は、カメラ装置12の光軸に対して略垂線をなす(垂直な)平面内に存在する。カメラ装置12の視野の略中心部にユーザ32が置かれている間に、中央反射面44を用いてユーザの画像をキャプチャすることができる。
その他の反射面46〜52は中央反射面44に対して相対的にチルトされてもよい。例えば、反射面46〜52に対して垂直な方向が光軸へ向かって収束するようにしてもよい。反射面46がカメラ装置12の光軸から遠くに位置すればするほどチルト量は増加する。したがって、反射面48のチルト量が反射面46のチルト量よりも大きくなる場合がある。同様に、反射面52のチルト量が反射面50のチルト量よりも大きくなる場合もある。反射面46〜52の各々に対して垂直な方向とカメラ装置12の光軸との間の角度を選択して、図7に描かれているように軸のまわりに電子デバイス10を回転させることにより、ユーザによるカメラ装置の位置合わせを補助するようにしてもよい。別の実施形態では、視野の範囲外にある反射面46〜52は中央反射面44に対して相対的にチルトされないようにしてもよい。一実施形態では、ユーザ32は、反射面46〜52の反射像を用いる際のユーザの頭部の位置(ユーザの頭部を回転を含む)を、中央反射面44の反射像を用いる際のユーザの頭部の位置に対して相対的に維持するように努めることができる。図6と図7の点線の矢印はユーザの注視の焦点を表し、したがって、ユーザが観察しているのがどの反射面36であるかを示すものとなる。図7の実線の矢印は図6の電子デバイス10の位置に対する電子デバイス10の相対的な動きを表す。
図7の例図に、ユーザが中間左反射面46の反射像を見ながら、構成する対象画像のキャプチャを選択したところが描かれている。ユーザ32は、中央反射面44の反射像に対応する画像をキャプチャするために用いられる図6の位置に対して相対的に電子デバイス10を回転させて、反射面46の中にユーザ自身の像が見えるようにすることができる。この回転はカメラ装置12の視野34のシーンの部分を変えることになるが、中央反射面44に対して相対的な反射面46の傾きが選択されて、ユーザが反射面46から得られる反射像の中にユーザ自身の像を見る際にキャプチャされる画像と、ユーザが中央反射面44から得られる反射像の中にユーザ自身の像を見る際にキャプチャされる画像との間にオーバラップ部分を設けることが可能になる。電子デバイスの別の回転によって、ユーザは、中間左反射面46の反射像を用いてキャプチャされた画像とオーバラップする極左反射面48の反射像を用いて画像のキャプチャを行うことが可能になる。電子デバイス10の個々の漸進的逆時計回りの回転によって、ユーザ32の背後とユーザ32の右側とにあるシーンの部分を対応する画像の中にキャプチャすることが可能となる。逆方向の(時計回り方向への)回転の結果、反射面50と52から得られる反射像を用いて同様の画像のキャプチャ(但しユーザ32の左側の画像のキャプチャ)を行うことが可能となる。
図8と図9の実施形態を参照すると、反射面36の5つの列が存在している。便宜上、中央反射面44、中間左反射面46、極左反射面48、中間右反射面50及び極右反射面52が含まれている図6及び図7の実施形態の反射面の場合と同じ様にこれらの反射面を呼ぶことにする。異なる数の反射面36又は異なる配列の反射面36が可能であることは理解できよう。本実施形態では、中央反射面44はカメラ装置12の光軸に対して略垂線をなす(垂直な)平面内に存在する。カメラ装置12の視野の略中心部にユーザ32が置かれている間に、中央反射面44を用いてユーザの画像をキャプチャすることができる。
その他の反射面46〜52は中央反射面44に対して相対的にチルトされてもよい。例えば、反射面46〜52に対して垂直な方向が光軸と共に分岐するようにしてもよい。反射面46がカメラ装置12の光軸から遠くに位置すればするほどチルト量は増加する。したがって、反射面48のチルト量が反射面46のチルト量よりも大きくなる場合がある。同様に、反射面52のチルト量が反射面50のチルト量よりも大きくなる場合もある。反射面46〜52の各々に対して垂直な方向とカメラ装置12の光軸との間の角度を選択して、図9に描かれているように中央反射面44の平面に沿って電子デバイス10を平行移動させることにより、ユーザによるカメラ装置の位置合わせを補助するようにしてもよい。別の実施形態では、視野の範囲外にある反射面46〜52は中央反射面44に対して相対的にチルトされないようにしてもよい。一実施形態では、ユーザ32は、反射面46〜52の反射像を用いる際のユーザの頭部の位置(ユーザの頭部を回転を含む)を、中央反射面44の反射像を用いる際のユーザの頭部の位置に対して相対的に維持するように努めることができる。図8と図9の点線の矢印はユーザの注視の焦点を表し、したがって、ユーザが観察しているのがどの反射面36であるかを示すものとなる。図9の実線の矢印は図8の電子デバイス10の位置に対して相対的な電子デバイス10の動きを表す。
図9には、ユーザが中間左反射面46の反射像を見ながら、構成する対象画像のキャプチャを選択したところが描かれている。ユーザ32は、中央反射面44の反射像に対応する画像をキャプチャするために用いられる図8の位置に対して相対的に電子デバイス10を平行移動させて、反射面46の中にユーザ自身の像が見えるようにすることができる。例示の実施形態では、この横への動きはカメラ装置12の視野34のシーンの部分を変えることになるが、中央反射面44に対して相対的な反射面46の傾きが選択されて、ユーザが反射面46から得られる反射像の中にユーザ自身の像を見る際にキャプチャされる画像と、ユーザが中央反射面44から得られる反射像の中にユーザ自身の像を見る際にキャプチャされる画像との間にオーバラップ部分を設けることが可能になる。電子デバイスの別の平行移動によって、ユーザは、中間左反射面46の反射像を用いてキャプチャされた画像とオーバラップする極左反射面48の反射像を用いて画像のキャプチャを行うことが可能になる。ユーザ32の右方向への電子デバイス10のそれぞれの直進的な動きによって、ユーザ32の背後とユーザ32の右側とにあるシーンの部分を対応する画像の中に取り込むことが可能となる。逆方向の(ユーザの左側への)動きの結果、反射面50と52から得られる反射像を用いて同様の画像のキャプチャ(但しユーザ32の左側の画像のキャプチャ)を行うことが可能となる。
図6又は図8のいずれかの実施形態に関しては、電子デバイスの頂部と底部の少なくともいずれかの軸回転と平行移動の少なくともいずれかの動きによってシーンの追加部分をキャプチャすることができるように、角度をつけた反射面36を反射面44〜52のうちの1つ以上の反射面の上方とその反射面の下方の少なくともいずれかに配設してもよい。これらの動きは、図7と関連して説明した回転と図9と関連して説明した水平方向の平行移動の少なくともいずれかの動きと組み合わされてもよい。
カメラ装置12及び関連付けられた複数の反射面12の他に、電子デバイス10はカメラ装置12の視野に略対向する側に視野を有する(図1及び図4に図示の)第2のカメラ装置54を含んでもよい。第2のカメラ装置54を配設して(テレビ電話とも呼ばれる)テレビ電話コールを容易に利用できるようにしてもよい。カメラ装置と接続されて存在する反射面36に加えて、又は、該反射面36の代わりに、第2のカメラ装置54に対して反射面を配設して、第2のカメラ装置54を用いてキャプチャされた複数の画像の組み合わせからつくられるパノラマセルフポートレートの作成を容易にすることも可能である。
図示のように、例示の実施形態の電子デバイス10は移動電話機である。移動電話機として実現される場合の電子デバイス10の機能についてさらに図4を参照しながら説明する。電子デバイス10は「レンガ」又は「ブロック」フォームファクタのハウジングを有するものとして示されてはいるが、(シェル型ハウジングのような)「フリップ」オープン型フォームファクタハウジング、(「スライダ型ハウジング」のような)スライド型フォームファクタハウジング、あるいはピボットタイプの(スイベルなどの)フォームファクタのような別の種類のハウジングを利用してもよいことは理解できよう。
図示のように、電子デバイス10はディスプレイ22を含んでもよい。ディスプレイ22は動作状態、時刻、電話番号、連絡先情報、種々のメニューのような情報を表示する。このメニューによってユーザは電子デバイス10の種々の機能の利用が可能となる。ディスプレイ22を用いて、電子デバイス10が受信した内容と、電子デバイス10のメモリ56から取り出した内容の少なくともいずれかの内容を視覚的に表現することも可能である。ディスプレイ22を用いて、写真、移動体用テレビのコンテンツ及びゲームに関連付けられたビデオのような画像、ビデオ及び他のグラフィックをユーザに提示することが可能となる。
キーパッド24とボタン26の少なくともいずれかは多様なユーザ入力操作を提供する。例えば、キーパッド24は、電話番号、電話番号リスト、連絡先情報、覚え書き、テキストなどのような英数字情報を入力するための英数字キーを含んでいてもよい。さらに、キーパッド24とボタン26の少なくともいずれかは、呼を起動するか、呼に応答するかのいずれかを行うための「呼送信」キー、及び、呼を終了するための「呼終了」キー、又は呼の「停止」キーのような特別の機能キーを含んでいてもよい。特別のファンクションキーが、ディスプレイ22に表示されるメニューを通じてナビゲーションを容易にするメニューナビゲーションキー及び選択キーを含んでいてもよい。例えば、ポインティングデバイスとナビゲーションキーの少なくともいずれかを設けて、ユーザからの指向性入力を受け付けるようにしてもよい。特別のファンクションキーが、再生の開始、停止、及び中断と、トラックのスキップ又は反復などを行うための視聴覚コンテンツ再生キーを含んでもよい。移動電話機と関連付けられた他のキーには、音量キー、音声ミュートキー、電源オン/オフキー、ウェブブラウザ開始キーなどが含まれてもよい。キー又はキー様の機能はディスプレイ22に関連付けられたタッチスクリーンとして実現することも可能である。また、ソフトキー機能を実現するために、ディスプレイ22と、キーパッド24と、ボタン26とのうちの少なくともいずれかを互いに組み合わせて用いてもよい。したがって、カメラ装置12を制御するために、ディスプレイ22と、キーパッド24と、ボタン26とのうちの少なくともいずれかを用いてもよい。
電子デバイス10には、呼を確立するか、被呼/発呼装置と信号を交換するかの少なくともいずれかを電子デバイス10が実行できるようにする通話回路が含まれている。但し、上記被呼/発呼装置は一般に別の移動電話機又は地上回線電話機であってもよい。しかし、被呼/発呼装置は、別の電話機である必要はなく、インターネットウェブサーバ、コンテンツ提供サーバなどのような別の何らかのデバイスであってもよい。呼は任意の好適な形をとることが可能である。例えば、呼は、セルラ回線交換ネットワークを介して確立される従来方式の呼であってもよいし、あるいは、セルラネットワークのパケット交換機能を介して、又は、(IEEE802.11規格をベースとするネットワークなどの)WiFi、(802.16規格をベースとするネットワークなどの)WiMAXなどの別のパケット交換ネットワークを介して確立されるボイス・オーバ・インターネットプロトコル(VoIP)電話であってもよい。別例として、セルラネットワーク又は代替ネットワークを介して確立されるビデオイネーブルドコール(video enabled call)が含まれる。
移動電話機10は、テキストメッセージ、インスタントメッセージ、電子メールメッセージ、マルチメディアメッセージ、画像ファイル、ビデオファイル、オーディオファイル、着信音、シグナリングオーディオ、シグナリングビデオ、データフィード(ポッドキャスト及びRSS (Really simple syndication) データフィードを含む)などのデータの送信と、受信と、処理とのうちの少なくともいずれかを行うように構成されてもよい。テキストメッセージとは普通「SMS」(シンプルメッセージサービスを表す)と呼ぶ人もいるメッセージであることに留意されたい。SMSはテキストメッセージを交換するための代表的な規格である。同様に、マルチメディアメッセージのことを普通「MMS」(マルチメディアメッセージサービスを表す)と呼ぶ人もいる。MMSはマルチメディアメッセージを交換するための代表的な規格である。データ処理は、データをメモリ56に格納する処理と、このデータとのユーザインタラクションを可能にするアプリケーションを実行する処理と、データに関連付けられたビデオと画像の少なくともいずれかを表示する処理と、データに関連付けられた音声を出力する処理などを含んでもよい。
電子デバイス10は、電子デバイス10の機能及び動作の制御全体を実行するように構成された主制御回路30を含んでもよい。図示のように、制御回路30は、例えば、画像つなぎ合わせルーチンを用いて複数の画像からつくられるパノラマセルフポートレートの作成を含むカメラ装置12を制御する役割を果たすことができる。
制御回路30は中央演算処理装置(CPU)、マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサのような処理装置58を含んでもよい。処理装置58は電子デバイス10の種々の機能を実現するコードを実行することができる。電子デバイス10の動作を実行するために、制御回路30の内部にあるメモリ(図示せず)と、メモリ56のような独立のメモリとの少なくともいずれかのメモリの中に上記コードを格納してもよい。電子デバイス10をプログラムして、種々の論理機能を動作させ、かつ、これらの機能を実行する方法は、コンピュータプログラミングの当業者、及び、特に移動電話機や別の電子デバイス用のアプリケーションプログラミングの当業者には明らかである。
他のデータ記憶装置の役割の中で、メモリ56はカメラ装置12によりキャプチャされた写真とビデオクリップの少なくともいずれかを格納するために用いることができる。上記とは別に、独立のメモリに画像を格納してもよい。メモリ56は、例えば、1又は2以上のバッファ、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、取り外し可能な記憶媒体、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、又は他の好適な装置であってもよい。典型的な構成では、メモリ56は、長期データ格納用の(NAND構成又はNOR構成のフラッシュメモリのような)不揮発性メモリと、制御回路30用のシステムメモリとして機能する揮発性メモリとを含んでもよい。例えば、揮発性メモリは同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)を実装したRAMであってもよい。メモリ56はデータバスを介して制御回路30とデータの交換を行うことができる。メモリ56と制御回路30との間にある付随する制御ライン及びアドレスバスが存在していてもよい。
引き続き図1から図4を参照すると、電子デバイス10には無線回路62に結合されたアンテナ60が含まれている。無線回路62は、アンテナ60を介して信号の送受信を行う無線周波数送受信機を含む。無線回路62は、移動通信システムにおいて動作するように構成することができると共に、データと視聴覚コンテンツの少なくともいずれかの送受信を行うために用いることができる。移動無線ネットワークと放送ネットワークの少なくともいずれかのネットワークとインタラクションを行うための受信機のタイプには、例えば、移動通信用グローバルシステム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)、広帯域CDMA(WCDMA)、汎用パケット無線サービス(GPRS)、WiFi、WiMAX、携帯機器向けデジタルビデオ放送(DVB−H)、地上デジタルテレビジョン放送(ISDB)などのみならず、これらの規格の上位バージョンなども含まれる。但しこれらのみに限定されるわけではない。アンテナ60及び無線回路62が1又はそれ以上の無線トランシーバを表すものであってもよいことは理解できよう。
電子デバイス10には、無線回路62により送信され/無線回路62から受信されるオーディオ信号の処理を行う音声信号処理回路64もさらに含まれる。一般に行われているように、電子デバイス10を介してユーザが聴いたり、話したりすることができるようにするスピーカ66及びマイクロホン68が音声信号処理回路64と結合されている。無線回路62及び音声信号処理回路64は処理全体を実行できるように制御回路30と個別に結合されている。ユーザに対して再生を行うために、制御回路30から音声信号処理回路64へオーディオデータを渡すことができる。オーディオデータは、例えば、メモリ56により格納され、かつ、制御回路30により取り出される、オーディオファイルから得られるオーディオデータか、移動無線サービスから得られるシグナリングオーディオデータの形で受信されるオーディオデータを含んでもよい。音声信号処理回路64は任意の適切なバッファ、デコーダ、増幅器などを含んでもよい。
ディスプレイ22は、ビデオ処理回路70によって制御回路30との結合が可能であり、ビデオ処理回路70は、ディスプレイ22の駆動のために用いられるビデオ信号にビデオデータを変換する。ビデオ処理回路70は任意の適切なバッファ、デコーダ、ビデオデータプロセッサなどを含んでもよい。ビデオデータは、制御回路30によって生成されるか、メモリ56内に格納されているビデオファイルから取り出されるか、無線回路62によって受信された着信ビデオデータ信号から導き出されるか、あるいは別の任意の好適な方法によって取得されてもよい。また、(カメラ装置12用のファインダ機能を提供するプレビュービデオ信号のような)ビデオデータはカメラ装置12によって生成されてもよい。
電子デバイス10は1又は2以上のI/Oインタフェース72をさらに含んでもよい。I/Oインタフェース72は一般的な移動電話機用I/Oインタフェースの形のものであってもよく、1又は2以上の電気コネクタを含むものであってもよい。一般に行われているように、I/Oインタフェース72を用いて、電子デバイス10をバッテリ充電器に結合して、電子デバイス10の内部の電力供給装置(PSU)74のバッテリを充電するようにしてもよい。さらに加えて、あるいは代替例において、I/Oインタフェース72は、電子デバイス10との有線インタフェースを備えた(個人用ハンズフリー(PHF)デバイスなどの)ヘッドセットアセンブリと電子デバイス10とを接続する機能を果たすようにしてもよい。さらに、I/Oインタフェース72は、データ交換を行うためのデータケーブルを介して電子デバイス10をパーソナルコンピュータや他のデバイスと接続する役割を果たすようにしてもよい。電子デバイス10は、車両用電源アダプタや電気コンセントの電源アダプタに接続されているとき、I/Oインタフェース72を介して動作電力を受け取ることができる。外部電源が存在しない場合、PSU74は電子デバイス10を動作させるための電力を供給することができる。
電子デバイス10はまた、制御回路30及びメモリ56のような、電子デバイス10の種々の部品を計時するためのシステムクロック76を含んでもよい。
電子デバイス10は、全地球測位システム(GPS)受信機、ガリレオ衛星システム受信機などのような位置データ受信装置78を含むものであってもよい。
位置データ受信装置78は電子デバイス10の所在位置の検出に関与することができる。
電子デバイス10は、付属品、別の移動無線端末、コンピュータ、又は、別の装置との通信を確立するための、赤外線トランシーバと(ブルートゥースインタフェースなどの)RFインタフェースの少なくともいずれかのようなローカル無線インタフェース80を含むものであってもよい。例えば、ヘッドセットアセンブリが対応する無線インタフェースを有するある実施形態では、ローカル無線インタフェース80は電子デバイス10を(PHF装置などの)ヘッドセットアセンブリに作動的に結合することができる。
さらに図5を参照すると、電子デバイス10は、通信システム82の一部として動作するように構成することができる。システム82は、電子デバイス10による送信呼並びに電子デバイス10へ向けられた着信呼の管理と、データの送信と、他の任意のサポート機能の実行とのための(単複の)サーバ86を備えた通信ネットワーク84を含んでもよい。サーバ86は送信媒体を介して電子デバイス10と通信を行う。送信媒体は、例えば、(セルタワーなどの)通信タワー、他の移動電話機、無線アクセスポイント、衛星などを含む任意の適切な装置又はアセンブリであってもよい。上記ネットワークの一部は無線送信路を含むものであってもよい。ネットワーク84は複数の電子デバイス10と、別の種類のエンドユーザ装置との通信活動をサポートすることができる。理解されるように、サーバ86はサーバ機能を実行するために用いられる一般的なコンピュータシステムとして構成することが可能であり、さらに、サーバ86の機能を実現する論理演算命令を含むソフトウェアを実行するように構成されたプロセッサと、このようなソフトウェアを格納するメモリとを含むことが可能である。
好ましい実施形態を図示し、説明したが、本明細書を読み、理解すれば、本発明の技術的範囲に属する均等物及び変更が当業者には思い浮かぶことは理解されよう。