JP2011505467A - ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを製造する方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、溶剤の存在下で、1つ以上の酸性イオン交換樹脂触媒を用いて、非置換またはR置換トリメチレンカーボネートの重合により、非置換またはR置換ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを製造することに関する。形成された生成物は、これらの触媒を実質的に含まない。

Description

本発明は、溶剤の存在下で、1つ以上の酸性イオン交換樹脂触媒を用いて、トリメチレンカーボネートの重合により、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを製造する方法に関する。形成された生成物は、触媒を実質的に含まない。
ポリ(トリメチレンカーボネート)ジオールは、様々な材料に用いられる。これらのジオールは、Hyun,Hらによる非特許文献1に記載されているとおり、トリメチレンカーボネート(TMC、1,3−ジオキサン−2−オン)の重合により、通常、亜鉛、錫およびアルカリ金属化合物等の有機金属化合物を含有する触媒を用いて製造されてきた。また、TMCは、Shibasaki,Y.らによる非特許文献2および3に記載されているとおり、様々なアルコールおよびHCl開始剤系を介して重合できることが報告されている。これらの方法では、用いた触媒を除去する必要がある。得られるジオールを生物医学用途に用いるときは特にその必要がある。
Arigaらによる非特許文献4およびKricheldorfらによる非特許文献5に記載されているとおり、TMCのカチオン重合では、開始剤は、ポリマー端部に組み込まれる。
触媒を含まないポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを、トリメチレンカーボネート(TMC、1,3−ジオキサン−2−オン)の重合を介して、生成することが必要とされている。
J.Polym.Sci.Part A:Polym.Chem.:Vol.44(2006) Macromol.Rapid Commun.20,532(1999) Macromolecules 2000,33,4316 Macromolecules 1997,30,737−744 J.Macromol.Sci.−Chem A26(4),631−644(1989)
本発明の一態様は、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを製造する方法であって、非置換または置換トリメチレンカーボネートを、触媒として酸性イオン交換樹脂と、1つ以上の溶剤の存在下で、溶剤の凝固点から摂氏約30度までの範囲内の温度で接触させて、ポリ(トリメチレンカーボネート)ジオールを含む反応混合物を形成することを含む、方法である。
本発明は、非置換またはR置換トリメチレンカーボネート(TMC、1,3−ジオキサン−2−オン)から、溶剤の存在下で、酸性イオン交換樹脂を用いて、用いる溶剤の凝固点から室温(通常、摂氏約20〜30度、典型的に、摂氏約25度)間の温度での重合により非置換またはR置換ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコール(PTMC)を製造する方法に関する。反応は、下式により表わすことができる。
Figure 2011505467
上記の構造において、各R置換基は、独立に、H、C〜C20アルキル、特に、C〜Cアルキル、C〜C20環状アルキル、特に、C〜C環状アルキル、C〜C25アリール、特に、C〜C11アリール、C〜C20アルカリール、特に、C〜C11アルカリール、C〜C20アリールアルキル、特に、C〜C11アリールアルキルであり、各R置換基は、近接するR置換基と共に環状構造基を形成してよく、各nは、独立に2〜100、特に、2〜50である。各R置換基が、近接するR置換基と共に環状構造を形成する場合には、得られる環状構造基は、C〜C、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンから選択することができる。
トリメチレンカーボネートは、1,3−プロパンジオールから誘導することができる。TMCは、当業者に公知の様々な化学的または生化学的方法のいずれかにより調製され得る。TMCを調製する化学的な方法としては、これらに限られるものではないが、a)1,3−プロパンジオールとジエチルカーボネートの、亜鉛粉末、酸化亜鉛、錫粉末、ハロゲン化錫または有機錫の存在下での高温での反応、b)1,3−プロパンジオールおよびホスゲンまたはビス−クロロギ酸の反応による、後に、熱および、任意で、触媒を用いて解重合されるポリカーボネート中間体の生成、c)拭取り式膜蒸発器における真空下でのポリ(トリメチレンカーボネート)の解重合、d)1,3−プロパンジオールとウレアの、金属酸化物の存在下での反応、e)トリエチルアミンのTHF中1,3−プロパンジオールおよびエチルギ酸クロロの溶液への滴下による付加およびf)1,3−プロパンジオールとホスゲンまたはジエチルカーボネートの反応が挙げられる。TMC調製の生化学的方法としては、これらに限られるものではないが、a)ジエチルカーボネートまたはジメチルカーボネートと、1,3−プロパンジオールとの有機溶媒中でのリパーゼ触媒縮合、およびb)TMCを生成するポリ(トリメチレンカーボネート)のリパーゼ触媒解重合が挙げられる。1,3−プロパンジオールおよび/またはTMCは、新たな原料から生化学的に得ることができる(「生物学的に誘導された」1,3−プロパンジオール)。
好ましくは、反応物質として、または反応物質の成分として用いる1,3−プロパンジオールの純度は、ガスクロマトグラフィー分析により求めると、約99重量%を超える、より好ましくは、約99.9重量%を超える。1,3−プロパンジオールは以下の特徴を有するのが好ましい。
(1)紫外線吸収が、220nmで約0.200未満、250nmで約0.075nm未満、275nmで約0.075未満、および/または
(2)CIELAB「b」明度が、約0.15未満(ASTM D6290)、270nmでの吸光度が約0.075未満、および/または
(3)過酸化物組成物が、約10ppm未満、および/または
(4)合計有機不純物(1,3−プロパンジオール以外の有機化合物)の濃度が、ガスクロマトグラフィーにより測定すると、約400ppm未満、より好ましくは、約300ppm未満、さらにより好ましくは、約150ppm未満である。
PTMCGは、公知の方法を用いて分離することができる。
本明細書に開示された方法は、触媒として酸性イオン交換樹脂を用いる。本方法に用いるのに好適なイオン交換樹脂は、数多くの供給源から入手可能である。触媒を、通常、反応物質に添加して、反応混合物を形成する。以下の実施例に示すとおり、都合よく、少量のこれらの触媒で、約25時間以内に高変換率が得られる。
本方法に用いるのに好適な酸性イオン交換樹脂触媒としては、スルホン化テトラフルオロエチレンコポリマー、例えば、Nafion(登録商標)SAC−13またはNAFION(登録商標)NR50(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(4−メチル−3,6−ジオキサ−7−オクテン−1−スルホン酸)コポリマー、E.I.DuPont de Nemours Company(Wilmington,DE)より入手可能なイオノマー、およびジビニルベンゼンで架橋したポリ(スチレンスルホン酸)、例えば、DOWEX(登録商標)50WX8−200、DOWEX(登録商標)Marathon C、DOWEX(登録商標)HCR−W2、DIAION(登録商標)SK1B、DIAION(登録商標)PK228、Purolite(登録商標)C−100、IONAC(登録商標)C−250、Amberlyst(商標)70およびMonoplus S100Hの水素形態が例示される。
好ましいのは、スルホン化テトラフルオロエチレンコポリマー、例えば、NAFION(登録商標)NR50(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(4−メチル−3,6−ジオキサ−7−オクテン−1−スルホン酸)コポリマー、E.I.DuPont de Nemours and Company(Wilmington,DE)より入手可能なイオノマーおよびAcros Organics N.V.(Fair Lawn,NJ)より入手可能なDOWEX(登録商標)50WX8−200イオン交換樹脂である。
本方法では、1つ以上の溶剤を用いる。通常、反応物質および/または触媒と実質的に非反応性(すなわち、成分と反応して反応を妨げる部分を形成しない)である限りは、任意の溶剤を用いることができる。本明細書に記載した方法に有用な溶剤としては、これらに限られるものではないが、塩化メチレン、トルエンおよびジオキサンが例示される。以下の実施例に示すとおり、少量の溶剤で、通常、高変換速度が得られる。
本明細書に開示した方法は、周囲温度、通常、摂氏約20〜30度で実施されるが、用いる溶剤の凝固点ほどの低い温度でも行うことができる。反応物質を併せて添加したら、任意の通常の方法により混合してよい。本方法は、バッチ、半バッチまたは連続モードで行うことができ、通常、不活性雰囲気中(すなわち、窒素下)で実施される。
反応物質を、触媒と、1つ以上の溶剤の存在下で接触させたら、反応を所望の時間続ける。通常、少なくとも6パーセントのTMCを重合すると、約6時間後、所望のポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールが得られ、約75パーセントを超える変換率が、約25時間以内に達成される。以下の実施例に示すとおり、溶剤および触媒ならびにその量の選択により、100パーセントの変換率を達成することができる。溶剤および触媒ならびにその量の選択は、当業者の理解の範囲内である。
さらに、また、所望の重合度nは、溶剤および触媒ならびにその量の選択により達成することができる。以下の実施例に示すとおり、塩化メチレンおよびNAFION(登録商標)NR50コポリマーを用いると、nが約12のジオールオリゴマーが得られ、DOWEX(登録商標)50WX8−200イオン交換樹脂を用いると、nが約2.5のジオールオリゴマーが得られる。通常、nは2〜100であり、本発明においては、特に2〜50である。
得られるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールは、濃縮後ろ過をはじめとする、ろ過等の任意の便利な手段により、未反応の出発材料および触媒から分離することができる。
以下の実施例に示すとおり、用いる触媒は、何回も(すなわち、NAFION(登録商標)NR50コポリマーについては少なくとも12サイクル)再利用することもでき、それでも、所望の生成物に対して、反応物質の約100パーセントの変換率を与える。
本明細書に開示した方法によって、選択した溶剤および/または触媒、ならびに用いるこれらの材料の量に基づいて、重合度を選択することができる。本方法から得られる材料の特性を、粘度をはじめとして変えることができるため、これは有利である。ジオールは、生体材料、工業用ポリマー、パーソナルケア材料、コーティング、潤滑剤およびポリカーボネート/ポリウレタン(TPU)をはじめとする製品に広く用いることができる。
以下の実施例で行われる方法は、下式で表わすことができる。
Figure 2011505467
実施例1
本実施例は、Nafion(登録商標)NR50コポリマーを触媒として用いるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造を示すものである。
TMC(10.00g、0.098モル)、塩化メチレン(25g)およびNafion(登録商標)NR50(2.5g)を、攪拌器を備えた丸底フラスコに窒素下で入れた。反応混合物を室温で攪拌した。6時間後、一定分量を採り、減圧下で濃縮した。プロトンNMR分析によれば、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールへの約31%の変換が示された。24時間後、反応液を追加の塩化メチレンで希釈し、Nafion(登録商標)をろ去した。ろ液を減圧下で濃縮した。この材料のプロトンNMR分析によれば、約100%の変換率、n=約12を示した。
実施例2〜4
これらの実施例は、Nafion(登録商標)NR50コポリマーを触媒として用いたポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造に対する溶剤量の影響を示すものである。
TMC(10.00g、0.098モル)およびNafion(登録商標)NR50コポリマー(2.5g)を、攪拌器を備えた3つの丸底フラスコに窒素下で入れた。1番目のフラスコに、塩化メチレン25mLを添加し、2番目のフラスコに、塩化メチレン50mLを添加し、3番目のフラスコに、塩化メチレン100mLを添加した。反応混合物を室温で攪拌した。17時間および25時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮し、プロトンNMRにより分析した。以下の表に結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例5
本実施例は、Dowex(登録商標)50×8−200(Dowex(登録商標)50W−水素)イオン交換樹脂を触媒として用いるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造を示すものである。
TMC(10.00g、0.098モル)、トルエン(25g)およびDowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)(2.5g)を、攪拌器を備えた丸底フラスコに窒素下で入れた。反応混合物を室温で攪拌した。6時間後、一定分量を採り、減圧下で濃縮した。プロトンNMR分析によれば、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールへの約83%の変換が示された。24時間後、反応液を追加の塩化メチレンで希釈し、Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)をろ去した。ろ液を減圧下で濃縮した。この材料のプロトンNMR分析によれば、約100%の変換率、n=約3.8を示した。
実施例6〜8
これらの実施例は、Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)触媒を用いるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造に対する溶剤量の影響を示すものである。
TMC(10.00g、0.098モル)およびDowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)(2.5g)を、攪拌器を備えた3つの丸底フラスコに窒素下で入れた。1番目のフラスコに、塩化メチレン25mLを添加し、2番目のフラスコに、塩化メチレン50mLを添加し、3番目のフラスコに、塩化メチレン100mLを添加した。反応混合物を室温で攪拌した。17時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮し、プロトンNMRにより分析した。以下の表に結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例9〜11
これらの実施例は、Nafion(登録商標)NR50コポリマーを触媒として用いたポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造に対する触媒量の影響を示すものである。
TMC(10.00g、0.098モル)および塩化メチレン(25mL)を、攪拌器を備えた3つの丸底フラスコに窒素下で入れた。1番目のフラスコに、Nafion(登録商標)0.5gを添加し、2番目のフラスコに、Nafion(登録商標)1.0gを添加し、3番目のフラスコに、Nafion(登録商標)2.00gを添加した。反応混合物を室温で攪拌した。約6時間および約22時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮し、プロトンNMRにより分析した。以下の表に結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例12〜14
これらの実施例は、Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)を触媒として用いるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造に対する触媒量の影響を示すものである。
TMC(10.00g、0.098モル)および塩化メチレン(25mL)を、攪拌器を備えた3つの丸底フラスコに窒素下で入れた。1番目のフラスコに、Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)を0.5gを添加し、2番目のフラスコに、Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)1.0gを添加し、3番目のフラスコに
、Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(Dowex(登録商標)50W−水素)2.00gを添加した。反応混合物を室温で攪拌した。約5時間および約22時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮し、プロトンNMRにより分析した。以下の表に結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例15〜17
これらの実施例は、Nafion(登録商標)NR50コポリマーを触媒として用いるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造に対する触媒量の影響を示すものである。トルエンを溶剤として用いた。
TMC(10.00g、0.098モル)およびトルエン(25mL)を、攪拌器を備えた3つの丸底フラスコに窒素下で入れた。1番目のフラスコに、Nafion(登録商標)コポリマー0.5gを添加し、2番目のフラスコに、Nafion(登録商標)コポリマー1.0gを添加し、3番目のフラスコに、Nafion(登録商標)コポリマー2.00gを添加した。反応混合物を室温で攪拌した。約4時間および約20時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮し、プロトンNMRにより分析した。以下の表に結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例18〜20
これらの実施例は、Nafion(登録商標)NR50コポリマーを触媒として用いるポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造に対する触媒量の影響を示すものである。ジオキサンを溶剤として用いた。
TMC(10.00g、0.098モル)およびジオキサン(25mL)を、攪拌器を備えた3つの丸底フラスコに窒素下で入れた。1番目のフラスコに、Nafion(登録商標)0.5gを添加し、2番目のフラスコに、Nafion(登録商標)コポリマー1.0gを添加し、3番目のフラスコに、Nafion(登録商標)コポリマー2.00gを添加した。反応混合物を室温で攪拌した。約4時間および約20時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮し、プロトンNMRにより分析した。以下の表に結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例20および21(A〜J)
以下の実施例は、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造において触媒として用いるNafion(登録商標)NR50コポリマーの再利用を示すものである。
実施例20
塩化トリメチレン(136.0g)を含有し、塩化メチレンで400mLまで希釈された原液を調製した。これは、3.33M溶液であった。
実施例21A
Nafion(登録商標)コポリマー触媒サイクル:ナンバー1
上記の原液(実施例20、30mL)を、シリンジを介して、Nafion(登録商標)NR50(2.0g)を含む、攪拌器を備えた、オーブン乾燥した100mLの丸底フラスコに、窒素下で添加した。反応混合物を室温で攪拌した。3.5および22時間後に一定分量を採り、減圧で濃縮し、NMRにより分析した。22時間後、反応混合物をろ過し、回収したNafion(登録商標)触媒を塩化メチレン(2×約50mL)で洗った。ろ液を減圧下で濃縮し、窒素下で乾燥した。
実施例21B
Nafion(登録商標)コポリマー触媒サイクル:ナンバー2
回収した触媒を、攪拌器を備えた、オーブン乾燥した100mLのRBフラスコに、窒素下で入れた。この材料に、上記の原液(30mL)を、シリンジを介して、添加した。反応混合物を室温で攪拌した。6および22時間後に一定分量を採り、減圧で濃縮し、NMRにより分析した。22時間後、反応混合物をろ過し、回収したNafion(登録商標)触媒を塩化メチレン(2×約50mL)で洗った。この回収した触媒を次のサイクルに用いた。ろ液を減圧下で濃縮し、窒素下で乾燥した。
実施例21C〜J
Nafion(登録商標)コポリマー触媒サイクル:3〜10
ナンバー2の上記の手順の後、サイクルを連続数続け、プロトンNMRにより材料を分析した。以下の表にその結果の一覧を示す。
Figure 2011505467
実施例22A〜E
以下の実施例は、ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールの製造におけるDowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂触媒の再利用を示すものである。
実施例22A
Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂触媒サイクル:ナンバー1
TMC(10.00g、0.098モル)、塩化メチレン(25g)およびDowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂(2.5g)を、攪拌器を備えた丸底フラスコに窒素下で入れた。反応混合物を室温で攪拌した。17時間後、一定分量を採り、減圧下で濃縮した。プロトンNMR分析によれば、約97.54%の変換、n=約2.64が示された。反応混合物をろ過し、ろ液を追加の塩化メチレンで洗った。
実施例22B
Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂触媒サイクル:ナンバー2
上記の実施例22Aから回収した触媒を、攪拌器を備えた、オーブン乾燥した100mLの丸底フラスコに、窒素下で添加した。この材料に、トリメチレンカーボネート(10.00g、0.098モル)および塩化メチレン(25g)を添加した。反応物を室温で週末中攪拌した。約70時間後に一定分量を採り、減圧下で濃縮した。プロトンNMR分析によれば、約98.43%、n=約7.6を示した。
実施例22C〜E
Dowex(登録商標)50×8−200イオン交換樹脂触媒サイクル:ナンバー3〜5
ナンバー2(実施例22B)の上記の手順の後、サイクルを連続数続け、プロトンNMRにより材料を分析した。以下の表にその結果の一覧を示す。
Figure 2011505467

Claims (8)

  1. 非置換またはR置換ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを製造する方法であって、1つ以上の溶剤の存在下、非置換またはR置換トリメチレンカーボネートを、触媒としての酸性イオン交換樹脂と、溶剤の凝固点から摂氏約30度までの範囲内の温度で接触させて、非置換またはR置換ポリ(トリメチレンカーボネート)ジオールを含む反応混合物を形成させることを含む、上記方法。
  2. トリメチレンカーボネートが、非置換トリメチレンカーボネートである請求項1に記載の方法。
  3. イオン交換樹脂が、ジビニルベンゼンで架橋されたポリ(スチレンスルホン酸)を含むイオン交換樹脂からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  4. イオン交換樹脂が、(テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(4−メチル−3,6−ジオキサ−7−オクテン−1−スルホン酸)コポリマーである請求項1に記載の方法。
  5. 溶剤が、非置換またはR置換トリメチレンカーボネートおよびイオン交換樹脂と実質的に非反応性である請求項1に記載の方法。
  6. 実質的に非反応性の溶剤が、塩化メチレン、トルエンおよびジオキサンからなる群から選択される請求項5に記載の方法。
  7. 非置換またはR置換ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコールを単離することをさらに含む請求項1に記載の方法。
  8. 請求項1に記載の方法により製造される非置換またはR置換ポリ(トリメチレンカーボネート)グリコール。
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