JP2011504925A - 臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させる方法 - Google Patents

臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させる方法 Download PDF

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Abstract

臨床的に確実な多発性硬化症の発症のリスクを有する患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させ、多発性硬化症およびその症状の長期の進行を遅延させる方法であって、該方法は、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に投与することにより、前記患者において臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させ、多発性硬化症およびその症状の長期の進行を遅延させることを含む。
【選択図】 なし

Description

関連出願
本願は、2007年11月28日に提出された米国特許仮出願第61/004,710号、2007年12月3日に提出された第61/005,271号、2007年12月11日に提出された第61/007,141号および2008年9月17日に提出された第61/192,455号の利益を主張する。これらの内容は、その全体が本明細書の一部として援用される。
本願を通して、種々の出版物が括弧書きのアラビア数字により参照される。対応する参考文献の全体的な列挙は、特許請求の範囲の前の明細書の終わりに記載する。これらの出版物の開示は、本発明に関連する技術の状況をより完全に述べるためにその全体が本明細書の一部として援用される。
世界中で200万を超える人が苦しんでおり、多発性硬化症(MS)は、成人によくある慢性の神経疾患の1つである。MSは、脱髄により病理学的に特徴付けられる、慢性、炎症性の中枢神経系(CNS)の疾患である。MSは、自己免疫疾患としても分類される。
MS疾患活性は、頭蓋スキャンによりモニターすることができ、脳の磁気共鳴映像法(MRI)、能力障害の蓄積、ならびに再発の速度および重篤度が含まれる。Poser基準(1)により決定される臨床的に確実なMSの診断は、時間および場所を異にして、CNSにおける脱髄を示唆する少なくとも2の神経学的な事象を必要とする。最初の臨床症状(CIS)は、MSを示唆する単一症状の発作であり、例えば、視覚神経炎、脳幹症状、および部分的な脊髄炎である。第2の臨床発作を経験するCIS患者は、一般的に、臨床的に確実な多発性硬化症(CDMS)を有すると考えられる。80%を超える患者がCISおよびMSに発展するMRI領域を有する一方、約20%は、自己限定性のプロセスを有する(2,3)。
5つの異なる疾患段階および/またはMSの型がある:
1)良性型多発性硬化症;
2)再発−寛解型多発性硬化症(RRMS);
3)二次性進行型多発性硬化症(SPMS);
4)進行性再発型多発性硬化症(PEMS);および
5)一次性進行型多発性硬化症(PPMS)。
良性型多発性硬化症は、遡及的な診断であり、完全な回復を伴う1〜2の再燃、持続性の能力障害がないことおよび最初の発症後の10〜15年間疾患の進行がないことにより特徴付けられる。しかしながら、良性型多発性硬化症は、他の形態の多発性硬化症に進行し得る。
RRMSに罹患している患者は、散発性の憎悪または再発、ならびに寛解の期間を経験する。軸索損失の病変および証拠は、RRMSに罹患している患者に対するMRIにおいて目に見えても見えなくてもよい。
SPMSは、RRMSから進行し得る。SPMSに苦しんでいる患者は、再発、寛解の間のRRMS患者より少ない程度の回復、RRMS患者より少ない頻度の寛解およびRRMS患者より明白な神経の欠損を有する。脳梁、正中中枢(midline center)および脊髄の萎縮に対するマーカーである拡大された脳室は、SPMSに罹患した患者のMRIにおいて見られる。
PPMSは、明瞭な発作または寛解がなく、増加性の神経欠損の安定した進行により特徴付けられる。脳の病変、散在性の脊髄損傷および軸索損失の検出は、PPMSに罹患している患者のMRIにおいて明らかになる。PPMSは、寛解することなく増加性の神経損失の過程に沿って進行する間、急性憎悪の期間を有する。病巣は、PPMSに罹患している患者のMRIにおいて明らかになる(5)。
全てが同じアミノ酸配列を有するとは限らないポリペプチドの混合物であるグラチラマーアセテート(GA)は、商標名コパキソン(Copaxone:登録商標)として市販されている。GAは、L−グルタミン酸、L−アラニン、L−チロシンおよびL−リジンを、それぞれ0.141、0.427、0.095および0.338の平均モル分率で含有するポリペプチドの酢酸塩を含んでなる。コパキソン(登録商標)の平均モル重量は、5,000〜9,000ダルトンである(6)。化学的に、グラチラマーアセテートは、指定されたL−グルタミン酸、L−アラニン、L−リジン、およびL−チロシンのポリマーのアセテート(塩)である。その構造式を以下に示す:
(Glu,Ala,Lys,Tyr)・xCHCOOH
(CNO・CNO・C14・C11NO・xCHO
CAS−147245−92−9。
コパキソン(登録商標)(20mgグラチラマーアセテート注)は、RRMSに罹患している患者に対する承認された治療法である。コパキソン(登録商標)の合成は、例えば、米国特許第3,849,550号、6,939,539号、5,800,808号および7,199,098号に開示されている。40mgコパキソン(登録商標)の製剤は、米国特許公報US2007/0161566に開示されている。これらの出版物の全体の内容は、本明細書の一部として援用される。
RRMSに罹患している患者における再発頻度の減少におけるコパキソン(登録商標)の効果は、よく確立されている(7,8)。20および40mg/日の皮下用量は、MRIにより測定した場合に、MS患者において亢進している病巣の全数を減少させることが示されている(8,9)。しかしながら、コパキソン(登録商標)による治療がMSの初期段階に苦しんでいる患者において効果的であるかどうかは、結論の出ていない課題である。さらに、初期段階においてMS治療を開始することの利益に関して、医療および科学のコミュニティで論議されている。特に、初期の治療による利益が不都合よりまさるかどうか、コスト、治療の強力な副作用、および治療とは無関係に、無用な長期の治療によりさらなる事象に遭遇し得るという治療を受ける患者のリスクに関して課題が存在する(10、11および12)。
本発明は、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させる方法を提供し、該方法は、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を患者に対して定期的に投与することにより、前記患者において臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させることを含んでなる。
本発明はさらに、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、磁気共鳴映像法(MRI)によりモニターされる疾患活性を減少させる方法を提供し、該方法は、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を患者に対して定期的に投与することにより、前記患者においてMRIによりモニターされる疾患活性を減少させることを含んでなる。
本発明は、患者において多発性硬化症の症状の進行を低減させる方法も提供し、該方法は、患者における臨床的に確実な多発性硬化症の発症の前に、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に対して定期的に投与することにより、前記患者においてMSの症状の進行を低減させることを含んでなる。
本発明はさらに、多発性硬化症と一致する単一の臨床発作を経験し、多発性硬化症と一致する少なくとも1の病変を有する患者において、再発の頻度を減少させる方法も提供し、該方法は、患者において再発する時間を増大させるのに治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を、前記患者に定期的に投与することを含んでなる。
本発明は、多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象および少なくとも1の多発性硬化症の病変を示す患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させる方法を提供し、該方法は、臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させるのに治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を、前記患者に定期的に投与することを含んでなる。
本発明は、磁気共鳴映像法(MRI)によりモニターされる疾患活性の進行を減少させるため、または臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、多発性硬化症の症状の進行を低減させるための、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させる医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用も提供する。
本発明はさらに、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の高いリスクを有する患者の指標である、単一の脱髄事象および活性性の炎症性プロセスを経験した患者の治療のための医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用も提供する。
本発明はさらに、多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象を経験し、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者の治療において使用するためのグラチラマーアセテートを提供する。
本発明はさらに、多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象を経験し、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者の治療のための医薬の製造における、グラチラマーアセテートの使用も提供する。
図1は、カプラン−マイヤー(Kaplen−Meier)分析に基づいた、CDMSに移行する時間を示す。25%のところを見ると、グラチラマーアセテートは、プラセボにおける336日から772日にCDMSへの移行の時間を延長し、CDMSの発症を遅くすることにおいて2倍以上の延長を示した。 図2は、カプラン−マイヤー生存曲線およびコックスモデルに対する対立解析によるログランク検定を示し、比例ハザード仮説に反する場合である。 図3は、最後に観察される値(LOV)において検討した場合の、新規のT2病巣の全数を示す。 図4は、年1回比較した場合の新規のT2病巣の全数を示す。 図5は、年1回比較した場合のITTコホートにおける新規のT2病巣の全数を示す。 図6は、最後に観察される値(LOV)において検討した場合の、新規のT1 Gd増強病巣の全数を示す。 図7は、年1回比較した場合の新規のT1 Gd増強病巣の全数を示す。 図8は、年1回比較した場合のITTコホートにおける新規のT1 Gd増強病巣の全数を示す。 図9は、2年間にわたってMRSにより測定した場合の、ベースラインからのNAA/CR比の定量化を示す。
発明の詳細な説明
本発明は、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させる方法を提供し、該方法は、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を患者に対して定期的に投与することにより、前記患者において臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させることを含んでなる。
本発明はさらに、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、磁気共鳴映像法(MRI)によりモニターされる疾患活性を減少させる方法を提供し、該方法は、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を患者に対して定期的に投与することにより、前記患者においてMRIによりモニターされる疾患活性を減少させることを含んでなる。
本発明は、患者において多発性硬化症の症状の進行を低減させる方法も提供し、該方法は、患者における臨床的に確実な多発性硬化症の発症の前に、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に対して定期的に投与することにより、前記患者においてMSの症状の進行を低減させることを含んでなる。
前記方法の1つの実施形態において、発症は、50%〜115%、または60%〜115%、または70%〜115%、または80%〜115%、または90%〜115%、または100%〜115%、または115%遅延する。
前記方法のもう1つの実施形態において、投与の前に、患者は、多発性硬化症と一致する単巣性のまたは多巣性の神経学的な臨床エピソードを経験していない。
前記方法の1つの実施形態において、投与の前に、患者は、多発性硬化症を示唆する単一の臨床発作を経験している。
本発明はさらに、多発性硬化症を示唆する単一の臨床発作を経験し、多発性硬化症を示唆する少なくとも1の病変を有する患者において、再発の頻度を減少させる方法も提供し、該方法は、患者において再発する時間を増大させるのに治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を、前記患者に定期的に投与することを含んでなる。
前記方法の1つの実施形態において、再発までの時間は、50%〜115%、または60%〜115%、または70%〜115%、または80%〜115%、または90%〜115%、または100%〜115%、または115%増大する。
前記方法のもう1つの実施形態において、単一の臨床発作には、視神経炎の臨床エピソード、視覚のぶれ、複視、不随意性の早い目の動き、失明、平衡の欠如、振戦、運動失調、めまい、肢のおぼつかなさ、協調の欠如、1以上の四肢の虚弱、筋緊張の変化、筋硬直、攣縮、刺痛、感覚異常、焼けつくような感じ、筋肉の痛み、顔の痛み、三叉神経痛、刺すような鋭い痛み、焼けつくような三叉神経の痛み、発語の遅延、言語不明瞭、発語のリズムの変化、嚥下障害、疲労、膀胱の問題(切迫、頻尿、不完全な排尿および失禁が含まれる)、腸の問題(便秘、腸のコントロールの損失が含まれる)、インポテンス、性的欲求の低下、感覚の欠如、熱に対する敏感さ、短期記憶の損失、集中力の損失、または判断もしくは推論の損失が含まれる。
本発明は、多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象および少なくとも1の多発性硬化症の病変を示す患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させる方法も提供し、該方法は、臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させるのに治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を、前記患者に定期的に投与することを含んでなる。
前記方法のもう1つの実施形態において、投与の前に、患者は、MRIスキャンにより検出可能であり、多発性硬化症を示唆する少なくとも1の脳の病変を有する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記病変は、脳組織の炎症、髄鞘損傷または軸索損傷を伴う。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記病変は、脳のMRIにおいて見られる脱髄している白質病変である。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記白質病変は、少なくとも直径3mmである。
前記方法のもう1つの実施形態において、投与の前に、患者は、MRIスキャンにより検出可能な脳の病変を有していない。
前記方法のもう1つの実施形態において、定期的な投与は1日1回である。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記投与は皮下投与である。
前記方法のもう1つの実施形態において、グラチラマーアセテートの治療的に有効な量は、20mgである。
前記方法のもう1つの実施形態において、グラチラマーアセテートの治療的に有効な量は、40mgである。
もう1つの実施形態において、前記方法はさらに、コルチコステロイドの投与を含んでなる。
もう1つの実施形態において、前記方法はさらに、コルチコステロイドの静脈内投与を含んでなる。
前記方法のもう1つの実施形態において、症状の進行は、Kurtzkeの拡大機能障害状態尺度(Expanded Disability Status Scale)(EDSS)スコアにより測定される場合、患者における多発性硬化症に関連する機能障害により評価され、患者における再発速度により評価され、また、患者におけるMRIによりモニターされる疾患の活性の進行により評価される。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、患者の脳におけるT1 Gd増強病巣の平均累積数である。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、患者の脳におけるT1 Gd増強病巣の平均容積である。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、患者の脳におけるT1低強度病巣の平均累積数である。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、増強されたT1強調画像における低強度病巣の平均容積である。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、患者の脳における新規のT2病巣の平均数である。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、患者の脳における平均T2病巣容積である。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRIによりモニターされる疾患の活性は、患者においてSIENA技術により測定される脳萎縮の速度である。
前記方法のもう1つの実施形態において、グラチラマーアセテートは単剤療法として投与される。
前記方法のもう1つの実施形態について、軸索の損傷は、患者において減少する。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRSにより患者において測定される場合のNAA/CR比は、時間をかけて増大する。
前記方法のもう1つの実施形態において、MRSにより患者において測定される場合のNAA/CR比は、前記患者において測定されるベースライン比に対して0.13増大する。
前記方法のもう1つの実施形態において、確認された再発の頻度は、2〜3年の期間を超えて減少する。
前記方法のもう1つの実施形態において、疾患における能力障害の進行は、2〜3年の期間を超えて減少する。
前記方法のもう1つの実施形態において、新規のT2強調病巣の蓄積速度は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも50%減少する。さらなる実施形態において、新規のT2強調病巣の蓄積速度は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して50〜90%減少する。さらなる実施形態において、新規のT2強調病巣の蓄積速度は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して50〜60%減少する。さらなる実施形態において、新規のT2強調病巣の蓄積速度は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して58%減少する。
前記方法のもう1つの実施形態において、毎年発生する新規のT2病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して減少する。
前記方法のもう1つの実施形態において、新規のT1 Gd増強病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して、少なくとも50%減少する。さらなる実施形態において、新規のT1 Gd増強病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して、50〜90%減少する。さらなる実施形態において、新規のT1 Gd増強病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して、50〜65%減少する。さらにもう1つの実施形態において、新規のT1 Gd増強病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して、61%減少する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は女性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも40%低下する。さらなる実施形態において、前記患者は女性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して40〜60%低下する。さらなる実施形態において、前記患者は女性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して45〜55%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記患者は女性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して48%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は男性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも35%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は男性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して35〜60%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は男性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して40〜50%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は男性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して43%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は30歳未満であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも40%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は30歳未満であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して40〜60%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は30歳未満であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して50〜60%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は30歳未満であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して53%低下する。
本発明のもう1つの実施形態において、前記対象は30歳より高齢であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも25%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は30歳より高齢であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して25〜45%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は30歳より高齢であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して30〜45%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は30歳より高齢であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して37%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療され、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも30%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療され、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して30〜50%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療され、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して35〜50%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療され、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して39%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療されず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも45%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療されず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して45〜85%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療されず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して50〜60%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療されず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して54%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、単巣性の視覚症状を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも55%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、単巣性の視覚症状を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して55〜85%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、単巣性の視覚症状を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して55〜75%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、単巣性の視覚症状を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して66%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも60%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して60〜90%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して65〜80%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して71%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、9以上のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも50%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、9以上のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して50〜90%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、9以上のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して50〜60%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、9以上のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して58%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病変を呈さず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも35%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病変を呈さず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して35〜65%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病変を呈さず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して40〜50%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、T1 Gd増強病変を呈さず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して44%低下する。
前記方法のもう1つの実施形態において、前記対象は、9未満のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも55%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、9未満のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して55〜85%低下する。さらなる実施形態において、前記対象は、9未満のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して65〜75%低下する。さらにもう1つの実施形態において、前記対象は、9未満のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して67%低下する。
本発明は、磁気共鳴映像法(MRI)によりモニターされる疾患活性の進行を低減させるため、または臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、多発性硬化症の症状の進行を低減させるための、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させるための医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用も提供する。
本発明はさらに、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の高いリスクを有する患者の指標である、単一の脱髄事象および活性性の炎症性プロセスを経験した患者の治療のための医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用も提供する。
本発明はさらに、多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象を経験した患者、および臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者の治療において使用するためのグラチラマーアセテートを提供する。
本発明はさらに、多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象を経験した患者、および臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者の治療のための医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用も提供する。
ここに記載する種々の要素の全ての組み合わせは、本発明の範囲内である。
定義
ここで使用する場合、MS(すなわち、臨床的に確実なMS)の発症の危険にさらされている患者は、MSに対するいずれかの既知の危険因子を呈している患者である。MSに対する既知の危険因子には、最初の臨床症状(CIS)のいずれか1つ、病変なしにMSを示唆する単一の発作、臨床的な発作なしの病変の存在(CNS、PNS、または髄鞘のいずれかにおいて)、環境的な因子(地理的な位置、気候、食事、毒素、日光)(16,17,18)、遺伝的な要素(HLA−DRB1、IL7R−αおよびIL2R−αをコードする遺伝子の違い)(19,20)、および免疫学的な要素(例えばエプスタイン−バーウイルスによるウイルス感染、高い結合活性のCD4T細胞、CD8T細胞、抗NF−L、抗CSF114(Glc))(21,22,23)が含まれる。
ここで使用する場合、最初の臨床症状(CIS)は、
1)MSを示唆する単一の臨床発作(ここでは、「最初の臨床事象」および「最初の脱髄事象」と互換性に使用される)、例えば、視神経炎の臨床エピソード、視覚のぶれ、複視、不随意性の早い目の動き、失明、平衡の欠如、振戦、運動失調、めまい、肢のおぼつかなさ、協調の欠如、1以上の四肢の虚弱、筋緊張の変化、筋硬直、攣縮、刺痛、感覚異常、焼けつくような感じ、筋肉の痛み、顔の痛み、三叉神経痛、刺すような鋭い痛み、焼けつくような三叉神経の痛み、発語の遅延、言語不明瞭、発語のリズムの変化、嚥下障害、疲労、膀胱の問題(切迫、頻尿、不完全な排尿および失禁が含まれる)、腸の問題(便秘、腸のコントロールの損失が含まれる)、インポテンス、性的欲求の低下、感覚の欠如、熱に対する敏感さ、短期記憶の損失、集中力の損失、または判断もしくは推論の損失、ならびに
2)MSを示唆する少なくとも1の病変
を意味する。特別な例において、CISの診断は、単一の臨床発作および少なくとも2のMSを示唆する直径6mm以上の病巣に基づいてよい。
ここで使用する場合、対象が臨床的に確実なMS(CDMS)と一致する状態にあるかどうかを決定するために使用されるPoserらにより定義された基準(1)は、
・2つの発作および2つの別々の病巣の臨床的な証拠、または
・2つの発作;1つの病巣の臨床的な証拠およびもう1つの分離した病巣の副臨床的な証拠である。
発作(憎悪、再燃、または再発)は、客観的な確証があってもなくても、症状または神経性の機能障害の突然の出現または悪化として臨床的に定義される。
病変の臨床的な証拠は、神経学的な試験により実証できる神経性の機能障害の徴候として定義される。もはや存在しなくても、有能な試験官によって過去に記録された場合、異常な徴候は臨床的な証拠を構成する。
病変の副臨床的な証拠は、臨床的な徴候を生じないが、過去に症状を引き起こしたまたは引き起こしていないCNSの病巣の存在に対する種々の試験および方法による実証として定義される。そのような証拠は、温浴試験、誘発反応試験、神経画像処理、および専門的な神経学的評価に由来してよい。これらの試験は、神経学的な試験の拡張であり、実験室的な方法ではないと考えられる。(「副臨床的(paraclinical)」という用語は、補助的または付属的な立場と同列に、並んで、または対応付けられ、「準臨床的(subclinical)」の代わりに選択される)(13)。
ここで使用する場合、SIENA(Structural Image Evaluation of Normalized Atrophy;正規化された萎縮の構造的な画像評価)方法(14)は、患者における脳萎縮を測定するために使用される。脳萎縮は、軸索の傷害、脱髄および炎症により、MS患者において常に生じ、進行性に増大する。SIENAの長期的な方法において、頭蓋の外部表面は、連続的な画像における一様な拘束として使用され、通常、T1強調画像において明瞭に見える。脳は、脳表面に対する3Dの三角形のメッシュモデリング、局所的な拘束(local constraint)および全体的な拘束(global constraint)のバランスをとる方法ならびに局所しきい値(local threshold)および脳表面を確実に検出するための平滑因子の使用により、脳でない部分と区別される。一度、脳の表面が1回の走査において見つけられると、プログラムは、その後、通常のベクトルの相関を使用して、表面の点の位置をサブピクセルの正確さで見出す(2つの異なる時間点における走査の間で)。これは、その後、パーセント脳容積変化(PBVC)に変換される。PBVCの精度および正確さは、約0.2%であり;おそらく一連の取得時間がより短く、それにより動作の人為的影響が低減されるため、よりよい精度は、より厚い切片で達成される。
ここで使用する場合、Gd増強病巣という用語は、血液脳関門の崩壊の結果として生じる病変を意味し、ガドリニウム造影剤を使用した対比研究に現れる。Gd増強病巣は、典型的に、病巣形成の6週間以内に生じるため、ガドリニウム増強は、病巣の年齢に関する情報を提供する。
ここで使用する場合、T1強調MRI画像という用語は、病巣が可視化されることによりT1コントラストが強調されるMR画像を意味する。T1−MRI強調画像における異常な領域は、「低強度(hypointense)」であり、暗い点として現れる。これらの点は、一般的に、より古い病巣である。
ここで使用する場合、T2強調MRI画像という用語は、病巣が可視化されることによりT2コントラストが強調されるMR画像を意味する。T2病巣は、新規の炎症活性を意味する。
ここで使用する場合、神経学的な機能障害は、以下に示すもののいずれか1つを意味する(14):視覚のぶれ、複視、視覚神経炎、不随意性の早い目の動き、失明、平衡の欠如、振戦、運動失調、めまい、肢のおぼつかなさ、協調の欠如、1以上の四肢の虚弱、筋緊張の変化、筋硬直、攣縮、刺痛、感覚異常、焼けつくような感じ、筋肉の痛み、顔の痛み、三叉神経痛、刺すような鋭い痛み、焼けつくような三叉神経の痛み、発語の遅延、言語不明瞭、発語のリズムの変化、嚥下障害、疲労、膀胱の問題(切迫、頻尿、不完全な排尿および失禁が含まれる)、腸の問題(便秘、腸のコントロールの損失が含まれる)、インポテンス、性的欲求の低下、感覚の欠如、熱に対する敏感さ、短期記憶の損失、集中力の損失、または判断もしくは推論の損失。
本発明は、以下の実施例の節において説明される。この節は、本発明の理解を助けるために記載され、後に示す特許請求の範囲における発明に限定することを意図するものではなく、そのように解釈されるべきでもない。
例1:
最初の臨床症状(CIS)を示す患者をグラチラマーアセテート(GA)で治療した場合の、CDMSに移行する時間における効果の評価
臨床試験は、プラセボと比較して、Poserにより決定されたCDMSに移行する時間に対するGAによる治療の影響を評価するために、二重盲検で行われた。
方法
18歳〜45歳の481人の対象であって、MSを示唆する単一の明確な単巣性の神経学的事象を呈し、直径6mm以上を測定するスクリーニングMRIにおいて、MSが疑われる少なくとも2の大脳の病変を有する対象が含まれ、20mgのGAを投与される群とプラセボ群に等しい数でランダム化される。対象は、ベースラインにおいて、試験薬物の初回の投与を受ける。20mgGA製剤は、テバファーマシューティカルインダストリーズLtd.,イスラエルにより製造されたプレフィルドシリンジを用いて、皮下経路により1日1回投与される。対象は、研究センターにおいて、ベースライン、1ヶ月、3ヶ月、その後3ヶ月おきに評価される。
二重盲検相の期間は、36ヶ月(3年)または患者がCDMSに移行するまでのいずれか早い方である。
CDMSへの移行は、対象の症状が客観的に観察される神経学的な変化を伴った場合に記録され、以下と一致する:
a)EDSSスコアにおける少なくとも0.5の増加、または7の機能的な系(FS)における2以上のスコアの1グレードの増大
b)先行する評価と比較した場合に、FSの1つのスコアにおける2グレードの増大。
対象は、熱または他の医学的な異常のようないずれかの急性の代謝性の変化を経験しているべきではない。腸/膀胱機能における変化または認知機能における変化は、完全にEDSSまたはFSスコアにおける変化の原因というわけではない。
結果
試験期間の間、GA治療は、臨床的に明確なMSへの移行を遅延させた。特に、2つの試験群にランダム化された全481人の対象を含む試験は、CDMSへの四分位数時間(quartile time)の115%の延長を示し、プラセボが336日であるのに対し、GA治療群は722日であった。グラチラマーアセテートは、臨床的に確実なMS(CDMS)に発展するリスクを44%低下させた(危険率0.56)。詳細な実験データは、表1および2ならびに図1および2に示されている。図2は、カプラン−マイヤー生存曲線および対立解析によるコックスモデルに対するログランク検定を示し、比例ハザード仮説に反する場合である。
Figure 2011504925
コックス比例ハザード仮説検定のp値=0.33→比例ハザード仮説に反しない。
Figure 2011504925
結論
MSを示唆するCISを示す人をGAで治療した場合、臨床的に確実なMSの発症が有意に遅延した。
例2:
最初の臨床症状(CIS)を示す患者をグラチラマーアセテート(GA)で治療した場合の、臨床パラメータおよびMRIパラメータにおける効果の評価
臨床試験は、臨床パラメータおよびMRIパラメータにおけるGAの効果を評価するために、3年以内のプラセボ対照試験期間の時間枠で実施された。
方法
18歳〜45歳の481人の対象であって、MSを高度に示唆する単一の明確な単巣性の神経学的事象を呈し、直径6mm以上を測定するスクリーニングMRIにおいて、MSが高度に疑われる少なくとも2の大脳の病変を有する対象が含まれ、20mgのGAを投与される群とプラセボ群に等しい数でランダム化される。対象は、ベースラインにおいて、試験薬物の初回の投与を受ける。20mgGA製剤は、テバファーマシューティカルインダストリーズLtd.,イスラエルにより製造されたプレフィルドシリンジを用いて、皮下経路により1日1回投与された。二重盲検相の期間は、36ヶ月(3年)または対象がCDMSに移行するまでのいずれか早い方である。
臨床パラメータおよびMRIパラメータにおける二重盲検相の間の、プラセボに対するGA治療の効果は、以下のように評価される:CDMSに移行する患者の割合;プラセボ対照相の間に行われる最後のスキャンにおいて観察される新規のT2病巣の全数;毎年の新規のT2病巣の全数;ITTコホートにおける毎年の新規のT2病巣の全数;プラセボ対照相の間に行われる最後のスキャンにおいて観察される新規のT1 Gd増強病巣の全数;毎年の新規のT1 Gd増強病巣の全数;ITTコホートにおける毎年の新規のT1 Gd増強病巣の全数;SIENA技術(14)に従って測定される脳容積における、二重盲検相の間に行われる最後のスキャンに対するベースラインからの変化により定義される脳萎縮。
結果
試験期間の間に、GA治療は、臨床的に確実なMSの発症速度を減少させ、脳内のMRIにより検出される新規の病巣の蓄積を減少させ、脳萎縮のレベルを低下させた。特に、カプラン−マイヤー評価に基づいて、3年にわたるCDMSの発症の可能性は、プラセボ群における65%からGA群における36.4%まで、治療により減少した。2年の研究の終わりに、治療群における患者の25%がCDMSを発症したのに対し、プラセボ群では43%であった。さらに、MRIにより検出される新規の病巣の数は、以下に示すように、GA治療群において有意に低い。
新規のT2病巣(LOV)の全数
グラチラマーアセテートの投与を受けている患者は、プラセボ対照相の最後に観察される値(LOV)において検討した場合に、新規のT2強調病巣の累積数の有意な減少を経験した。結果は、グラチラマーアセテート治療による新規のT2病巣の速度の減少において、58%の治療効果を示す(プラセボ群1.8に対して、20mgグラチラマーアセテートで治療した患者は0.7;図3および表3を参照されたい)。
Figure 2011504925
年1回比較される新規のT2病巣の全数
新規のT2病巣の年1回の比較は、12ヶ月目に試験される場合、患者は、プラセボ群と比較して6倍の減少の利益を得たことを示す。24ヶ月目において、患者は、プラセボ群と比較して、新規のT2病巣の数が減少し続けた(4倍)(図4を参照されたい)。
年1回比較される新規のT2病巣の全数(ITTコホート)
ITTコホート内の新規のT2病巣の年1回の比較は、12ヶ月目に試験される場合、患者は、プラセボ群と比較して3倍を超える減少の利益を得たことを示す。24ヶ月目において、患者は、プラセボ群と比較して、新規のT2病巣の数が減少し続けた(約4倍)(図5を参照されたい)。
新規のT1 Gd増強病巣(LOV)の全数
グラチラマーアセテートは、プラセボ群と比較した場合、最後に観察される値(LOV)において、新規のT1 Gd増強病巣の累積数を61%減少させることにおいても有効であった(グラチラマーアセテートで治療された患者は0.46であり、プラセボ群は1.19であった;図6を参照されたい)。
年1回比較される新規のT1 Gd増強病巣の全数
新規のT1 Gd増強病巣の年1回の比較は、12ヶ月目に試験される場合、プラセボ群と比較して、患者は4.8倍を超える減少の利益を得たことを示す。24ヶ月目において、プラセボ群と比較して、患者は、新規のT2病巣の数が減少し続けた(約3.8倍)(図7を参照されたい)。
年1回比較される新規のT1 Gd増強病巣の全数(ITTコホート)
ITTコホート内の新規のT1 Gd増強病巣の年1回の比較は、12ヶ月目に試験される場合、患者は、プラセボ群と比較して4.5倍を超える減少の利益を得たことを示す。24ヶ月目において、患者は、プラセボ群と比較して、新規のT2病巣の数が減少し続けた(約3倍)(図8を参照されたい)。
結論
多発性硬化症を示唆するCISを呈する人における、GAを用いた3年を超える期間にわたる治療は、臨床的に確実なMSの発症の速度を有意に低下させ、脳内のMRIで検出可能な新規の病変の出現を減少させ、脳内の病巣領域の累積を減少させ、プラセボ患者と比較して脳萎縮を低下させた。これらの結果は、MSを発症するリスクの高い人におけるGA治療が、臨床的に確実なMSの出現を低下させ、これらの人における不可逆的な脳障害を防止する効果的な方法であることを示す。
例3:
異なる個体群統計および亜群を示す人におけるグラチラマーアセテート(GA)治療の効果の評価
有効性の主要評価項目に関する亜群分析は、最初の発作の発生時において、個体群統計およびCIS特性(性別、年齢、単巣性症状の型および最初の発作に対するステロイド治療)、ならびに試験ベースラインにおけるMRI所見(疾患蔓延度/活性)に関して行われた。
4年後、試験が開始され、仮の分析(IA)に対する統計分析計画(SAP)が終了する数ヶ月前に、欧州医薬局(EMEA)は、MSについて行っている研究が実施されたのに伴ってガイドラインを修正した(2007年6月)。修正版では、CIS集合における研究について、以下のように言及している:「CISにおいて、第2の臨床発作の発現の遅延は、機構的な観点から妥当であるが、限定された臨床的な妥当性である。2〜3年を超える期間、意味のある持続した再発比率により有効性を示す必要があり、能力障害の蓄積の減少を評価することを勧める。CISを伴う患者において、再発比率およびさらなる再発を生じない患者の割合は、第2の臨床事象の代わりに好ましい有効な項目である。他のMS形態の場合、能力障害の蓄積は、評価されるべき適切な効力パラメータが考慮される。」。
上記の観点から、ポスト−hoc分析は、以下の指標に対して行われた:
・確認された再発の数
・疾患傷害の進行。
以下のポスト−hoc分析のいずれに対しても、多様性に対する補正は行われなかった。
1.主要な指標の亜群分析:性別、年齢、単巣性症状の型および最初の発作に対するコルチコステロイドの使用は、主要な分析に関する限り、コックス比例ハザードモデルに使用された。ベースラインにおけるMRI活性に従って行われるCDMSに移行する対象の集合の亜群分析は、第4の2次的な指標における場合、ロジスティック回帰を用いて分析された。
2.再発の数:プラセボ対照相の間、試験全体の間および年1回の再発数の分析は、ポイズン回帰を用いて行われた。
3.慢性の拡張された能力障害状態の規模(EDSS)の進行までの時間:能力障害の進行は、少なくとも6ヶ月空けた2つの連続した測定にわたって持続するEDSSにおいて、少なくとも1点が悪化することとして定義された。慢性のEDSS進行までの時間の分析は、コックス比例ハザードモデルを用いて行われた。
試験設計によると、全てのプラセボ対象は、CDMSへの移行時(Poser)または試験の3年後に、積極的な治療に切り替えられるため、薬物に曝露される期間に依存する指標は、場合によっては偏りが生じる。それ故、この指標は、IAのカットオフデータにより入手可能な試験の全期間のデータについてのみ計算され、分析される(プラセボ対照およびオープンラベル相の組み合わせ)。
ベースライン個体群統計および疾患特性は、2つの群間で比較された。この試験は、女性65.4%および男性34.6%からなるコパキソン(登録商標)群と、女性68.5%および男性31.5%からなるプラセボ群で構成された。平均(SD)年齢は、コパキソン(登録商標)群について31.5(6.9)歳、プラセボ群について30.8(7.0)歳であった。治療群は、それらのCIS特性において比較可能である:第1の症状までの時間、第1の症状の結果の分布および最初の発作における単巣性症状の型の分布。各群の約1/3の対象について、単巣性症状は大脳に由来するものであり、1/3は視覚に由来するものであり、19%は脊髄に由来するものであり、12%以下は脊髄に由来するものであるか大脳に由来するものであるか未確定であった。ベースラインにおけるMRI測定は、2つの群について比較可能であった(表4を参照されたい)。ベースラインにおけるEDSSスコア(表4)は、両群について類似であった(中央値1.00;0.0〜5.0の範囲)。
Figure 2011504925
結果
481対象の試験集合(コパキソン(登録商標):n=243;プラセボ:n=238)は、ポスト−hocにおいて、主要な指標、3年間にCDMSに移行するリスクを分析するための亜群に分けられた。亜群は、発症時における個体群統計およびCIS特性(性別、年齢、単巣性症状の型および最初の発作に対するステロイド治療)、ならびに試験ベースラインにおけるMRI所見(疾患蔓延度/活性)に対して作られた。結果は、表4にまとめる。
脳または脊髄の臨床症状の亜群が少ないため、分析は、他の3つの亜群の単巣性症状に対してのみ行われた。
個体群統計および疾患ベースライン因子による、3年以内にCDMSに移行するリスクの亜群分析では、評価されたほとんどの亜群においてコパキソン(登録商標)の有意な効果が示された(表5および表6)。
Figure 2011504925
Figure 2011504925
主要な分析に関する限り、コックス比例ハザードモデルを使用することは、48%の有意なリスク低下が女性について示され、若い患者(30歳未満)については53%の軽減が示され;男性については43%、30歳を超える患者については37%のボーダーラインの有意なリスク低下が得られた。最初の発作に対してコルチコステロイド治療をしたまたはしない患者については、それぞれ39%および54%の有意なリスク低下が得られ、単巣性の視覚症状を呈する患者については66%のリスク低下を示した(表5)。
ベースラインにおけるMRI疾患活性に関して、コパキソン(登録商標)治療群とプラセボを比較したロジスティック回帰の結果(表6)は、MRI活性疾患を有する患者について、有意且つ明白なコパキソン(登録商標)の効果を示した。T1ガドリニウム(Gd)増強を有する患者について71%、9以上のT2病巣を有する患者について58%のリスク低下が得られた。コパキソン(登録商標)は、ランダム化においてMRI活性疾患がより少ない患者においても効果を有する。増強のない患者は、44%の有意なリスク低下を示し、9未満のT2病巣を有する患者は、67%のボーダーラインの有意なリスク低下を示した。
例4:
多発性硬化症(MS)に罹患している患者における軸索の完全性の分析および核磁気共鳴分光法(MRS)によるグラチラマーアセテートの治療の分析
核磁気共鳴分光法(MRS)は、拡散した軸索損傷を定量するための非侵襲性のインビボ方法を提供し、疾患測定基準の通常の病巣配向性の負荷によって捕捉されない。MRS試験は、疾患の初期の段階であっても、多発性硬化症(MS)の患者における軸索の完全性の損失を示す。MRS分析は、MSを示唆する最初の臨床症状(CIS)を有する対象においてグラチラマーアセテートによる治療が軸索傷害を減少または遅延させることができるかどうかに関して調べることが可能である。
単一ピクセル核磁気共鳴分光法(MRS)試験は、ベースラインにおいて、およびその後の年1回行われた。スキャンは、局所的に定量され、MRSユニット(モントリオール)に送られ、受け入れ可能であると判断されるか、または再度行う必要がある(取得または分析)。MRS指標は、時間に対するN−アセチルアスパラギン酸/クレアチン(NAA/Cr)比の変化である。NAAは、ニューロン組織においてのみ見られ、ニューロン完全性のマーカーであり;脳に対するほとんどの型の傷害により減少する。Crは、相対的に安定であるため、内標準としてよく使用される。
MRSスキャンは、T2強調高速スピン時間エコー(FSE/TSE)スキャンの後、およびガドリニウム注入の前に行われた。MRSデータは、9−180−180(PRESS)容積選択シーケンスを用いて中枢の白質領域から得られ、長いエコー時間(TR2000,TE272)を用いて、脳梁体上の中心に位置する100mm×100mm×20mm(80〜100mm×80〜100mm×20mmの範囲)の容積を励起させる。取得領域の回転は、主要な画像シリーズに関しては同じであった。切片領域は、脳梁の上部を通るT2強調FSE/TSE切片に位置し、最も上部の切片より上の1つの切片には、側脳室が見える。脳の中心線が前記領域の中心を通るように、前記領域は、左右の中心であった。前記領域は、前端および後端は頭蓋から等距離になるように前後に位置する。
結果
時間に対するベースラインからのNAA/CR比の定量は、グラチラマーアセテートの保護性および修復性の効果を示す。グラチラマーアセテートでの治療は、疾患の早期の段階においても、軸索損傷を減少させ、脳におけるニューロンの保存を助ける。グラチラマーアセテートで治療された患者は、12および24ヶ月目のNCAA/Cr比に関して有意な増大(約0.15)を示した一方、プラセボ群は、ベースライン値からの時間に対するNCAA/Crにおいて著しい減少を示した(12および24ヶ月目においてそれぞれ−0.35および−0.25、図9を参照されたい)。
例5:
MSの長期の進行において最初の臨床症状(CIS)を示す患者におけるグラチラマーアセテート(GA)治療の効果
臨床試験は、5年の時間枠の中で、早いまたは遅いGAでの治療の神経保護の効果を評価するために行われ、集積された不可逆的な脳組織障害を測定する臨床的パラメータおよびMRIパラメータにより示された。
方法
18歳〜45歳の481人の対象であって、MSを示唆する単一の明確な単巣性の神経学的事象を呈し、直径6mm以上を測定するスクリーニングMRIにおいて、MSが高度に疑われる少なくとも2の大脳の病変を示す対象が含まれ、20mgのGAを投与される群とプラセボ群に等しい数でランダム化される。
CDMSへの移行後または治療開始3年後のいずれか早い方において、試験における全ての対象は、積極的な治療に移行する。既に20mgGAを投与されている対象は、続けて積極的な治療を行い、プラセボの対象は20mgGAに切り換えられ、全治療期間を60ヶ月(5年)とした。対象は、ベースライン、1ヶ月目、3ヶ月目およびその後3ヶ月おきに研究センターにおいて評価される。T1およびT2項目のMRI評価は、スクリーニング、ベースライン、3ヶ月目、およびCDMSに移行するまでまたは3年経過するまでのその後の3ヶ月おきに評価される。付加的なMRI評価は、その前の月にMRIが行われなかった場合にのみ、CDMSへの移行と同時に行われる。MRIはその後、次の予定された来診日およびその後の6ヶ月おきに行われる。3年後に移行しない対象については、積極的な治療への切り換えと同時に6ヶ月おきに行われる。
正規化された萎縮の構造的な画像評価(SIENA)技術によって脳容積の変化により測定される脳萎縮は、ベースライン、12ヶ月おきおよびCDMSに移行するときに評価される。
ブラックホールの容積は、ベースラインおよび6ヶ月ごとに評価される。
新規のT1強調低強度病巣の数は、6ヶ月ごとに評価される。
試験的な指標は、臨床パラメータおよびMRIパラメータにより示される神経保護性の効果を評価するために定義され、最初にGA治療を指定された群とプラセボ治療を受けるようにランダム化された群(GAでの治療を遅く開始する)とを比較する。5年のデータのコホートは、予測のために使用され得る。
試験的な指標のリストを以下に示す:
1)5年間の期間におけるランダム化からCDMSに移行するまでの時間;
2)5年間の治療期間にCDMSへ移行する患者の割合;
3)5年の再発割合;5年間の期間の各来診時に新規のT2領域の繰り返し測定分析;
4)各来診時におけるT2病巣容積のベースラインからの変化の繰り返し測定分析;
5)脳萎縮:各来診時における脳容積のベースラインからの変化の繰り返し測定;
6)5年の期間の各来診時における新規のT1ガドリニウム増強病巣の全数の繰り返し測定分析;
7)5年の期間の各来診時におけるT1ガドリニウム増強病巣のベースラインからの変化の繰り返し測定分析;
8)5年の期間の各来診時における増強されたT1強調画像における低強度病巣の容積(「ブラックホール」)のベースラインからの変化の繰り返し測定分析;
9)5年の期間の各来診時における新規のT1低強度病巣の全数の繰り返し測定分析;
10)各来診時におけるMSFCスコアのベースラインからの変化の繰り返し測定;
11)各来診時におけるEDSSスコアのベースラインからの変化の繰り返し測定;
12)プラセボ対照期間の間または5年間の期間にランダム化からCDMSに移行するまでの時間;
また、2成分の共変動としての抗MBP抗体およびベースライン抗MOGも測定される。
結果
早く治療した群は、GAでの治療を遅く開始した群と比較して、5年の期間におけるランダム化からCDMSに移行するまでの時間は増大し;5年の治療期間の間にCDMSへ移行する患者の割合は減少し;5年の再発速度は減少し;脳萎縮のレベルは低下し;機能障害のレベルは低下する(EDSSスコアにより測定した場合)。
結論
最初にGA治療群に割り当てられた群をプラセボ治療を受けるようにランダム化された(GAでの治療を遅く開始した)群と比較すると、早くGA治療を受けた場合は、臨床パラメータおよびMRIパラメータにより示されるように、有意な神経保護効果が認められる。これらの結果は、早い、診断前すなわちpre−CDMSのGA治療は、MS症状および機能障害の進行において長期の利益を与えることを示す。
考察
ここで示される結論は、MSを示唆する単一の最初の臨床症状(CIS)を呈する患者にGAを投与した場合、臨床的に確実な多発性硬化症(CDMS)の発症を遅延させることを示す。MSは進行性の疾患であり、単一のCISは、単一のCISを生じる前に始まった疾患の症状である。それ故、単一のCISは、記載した臨床試験における参照の有用な点であるが、疾患の開始ではない。MSに対する既知の危険因子があり、これらには、最初の臨床症状(CIS)、病変なくMSを示唆する単一の発作、臨床的な発作なしの病変の存在(CNS、PNS、または髄鞘)、環境的な因子(16、17、18)、遺伝的な要素(19、20)および免疫学的な要素(21、22、23)が含まれる。
それ故、ここでの結論は、既知の危険因子のいずれかを有する対象に対するGAの投与が、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させ、多発性硬化症の進行およびその症状を長期にわたって遅延させることを示す。GAでの早い治療は、CDMSへの移行に対する保護を示した。それ故、結果は、MSを示唆する第1の臨床事象を有する患者のGA治療の有効性を示す。
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Claims (53)

  1. 臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させる方法であって、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に定期的に投与することにより、前記患者において臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させることを含む方法。
  2. 臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、磁気共鳴映像法(MRI)によりモニターされる疾患の活性の進行を低減させる方法であって、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に対して定期的に投与することにより、前記患者においてMRIによりモニターされる疾患活性の進行を低減させることを含む方法。
  3. 患者において多発性硬化症の症状の進行を低減させる方法であって、患者における臨床的に確実な多発性硬化症の発症の前に、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に対して定期的に投与することにより、前記患者においてMSの症状の進行を低減させることを含む方法。
  4. 請求項1に記載の方法であって、前記発症は50%遅延する方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、投与の前に、前記患者は、多発性硬化症を示唆する単巣性または多巣性の神経学的な臨床エピソードを経験していない方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、投与の前に、前記患者は、多発性硬化症を示唆する単一の臨床発作を経験している方法。
  7. 多発性硬化症を示唆する単一の臨床発作を経験し、多発性硬化症を示唆する少なくとも1の病変を有する患者において、再発の頻度を減少させる方法であって、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に定期的に投与することにより、前記患者において再発するまでの時間を増大させることを含む方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記再発するまでの時間は50%増大する方法。
  9. 請求項6〜8のいずれか1項に記載の方法であって、前記単一の臨床発作には、視神経炎の臨床エピソード、視覚のぶれ、複視、不随意性の早い目の動き、失明、平衡の欠如、振戦、運動失調、めまい、肢のおぼつかなさ、協調の欠如、1以上の四肢の虚弱、筋緊張の変化、筋硬直、攣縮、刺痛、感覚異常、焼けつくような感じ、筋肉の痛み、顔の痛み、三叉神経痛、刺すような鋭い痛み、焼けつくような三叉神経の痛み、発語の遅延、言語不明瞭、発語のリズムの変化、嚥下障害、疲労、膀胱の問題(切迫、頻尿、不完全な排尿および失禁が含まれる)、腸の問題(便秘、腸のコントロールの損失が含まれる)、インポテンス、性的欲求の低下、感覚の欠如、熱に対する敏感さ、短期記憶の損失、集中力の損失、または判断もしくは推論の損失が含まれる方法。
  10. 多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象および少なくとも1の多発性硬化症の病変を示す患者において、臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させる方法であって、治療的に有効な量のグラチラマーアセテートを含んでなる医薬組成物を前記患者に定期的に投与することにより、臨床的に確実な多発性硬化症の進行を遅延させること含む方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、投与の前に、前記患者は、MRIスキャンにより検出可能であり、多発性硬化症を示唆する少なくとも1の脳の病変を有する方法。
  12. 請求項11に記載の方法であって、前記病変は、脳組織の炎症、髄鞘損傷または軸索損傷を伴う方法。
  13. 請求項11に記載の方法であって、前記病変は、脳のMRIにおいて見られる脱髄している白質病変である方法。
  14. 請求項13に記載の方法であって、前記白質病変は少なくとも直径3mmである方法。
  15. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、投与の前に、前記患者は、MRIスキャンにより検出可能な脳の病変を有していない方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、前記定期的な投与は1日1回である方法。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、前記投与は皮下投与である方法。
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法であって、前記グラチラマーアセテートの治療的に有効な量は20mgである方法。
  19. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法であって、前記グラチラマーアセテートの治療的に有効な量は40mgである方法。
  20. 請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法であって、コルチコステロイドの投与をさらに含んでなる方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記コルチコステロイドは静脈内に投与される方法。
  22. 請求項3に記載の方法であって、症状の進行は、Kurtzkeの拡大機能障害状態尺度(Expanded Disability Status Scale)(EDSS)スコアにより測定される場合、患者における多発性硬化症に関連する機能障害により評価され、患者における再発速度により評価され、または、患者におけるMRIによりモニターされる疾患の活性の進行により評価される方法。
  23. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、前記患者の脳におけるT1 Gd増強病巣の平均累積数である方法。
  24. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、前記患者の脳におけるT1 Gd増強病巣の平均容積である方法。
  25. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、前記患者の脳におけるT1低強度病巣の平均累積数である方法。
  26. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、増強されたT1強調画像における低強度病巣の平均容積である方法。
  27. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、前記患者の脳における新規のT2病巣の平均数である方法。
  28. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、前記患者の脳における平均T2病巣容積である方法。
  29. 請求項2または22に記載の方法であって、前記MRIによりモニターされる疾患の活性は、前記患者においてSIENA技術により測定される脳萎縮の速度である方法。
  30. 請求項1〜19および22〜29のいずれか1項に記載の方法であって、前記グラチラマーアセテートは単剤療法として投与される方法。
  31. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法であって、軸索の損傷が対象において減少する方法。
  32. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法であって、MRSにより対象において測定される場合のNAA/CR比は、時間をかけて増大する方法
  33. 請求項1〜30のいずれか1項に記載の方法であって、MRSにより対象において測定される場合のNAA/CR比は、前記対象において測定されるベースライン比に対して0.13増大する方法。
  34. 請求項3〜22または30のいずれか1項に記載の方法であって、確認された再発の頻度は、2〜3年の期間を超えて減少する方法。
  35. 請求項3〜22または30のいずれか1項に記載の方法であって、疾患における能力障害の進行は、2〜3年の期間を超えて減少する方法。
  36. 請求項27に記載の方法であって、新規のT2強調病巣の蓄積速度は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも50%減少する方法。
  37. 請求項27に記載の方法であって、毎年発生する新規のT2病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して減少する方法。
  38. 請求項25に記載の方法であって、新規のT1 Gd増強病巣の数は、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも50%減少する方法。
  39. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は女性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも40%低下する方法。
  40. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は男性であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも35%低下する方法。
  41. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は30歳未満であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも40%低下する方法。
  42. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は30歳より高齢であり、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも25%低下する方法。
  43. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療され、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも30%低下する方法。
  44. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、最初の発作に対してコルチコステロイドで治療されず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも45%低下する方法。
  45. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、単巣性の視覚症状を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも55%低下する方法。
  46. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、T1 Gd増強病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも60%低下する方法。
  47. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、9以上のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも50%低下する方法。
  48. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、T1 Gd増強病変を呈さず、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも35%低下する方法。
  49. 請求項1〜38のいずれか1項に記載の方法であって、前記対象は、9未満のT2病巣を呈し、CDMSに移行するリスクは、グラチラマーアセテートで治療しない対象と比較して少なくとも55%低下する方法。
  50. 磁気共鳴映像法(MRI)によりモニターされる疾患活性の進行を低減させるため、または臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者において、多発性硬化症の症状の進行を低減させるための、臨床的に確実な多発性硬化症の発症を遅延させるための医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用。
  51. 臨床的に確実な多発性硬化症の発症の高いリスクを有する患者の指標である、単一の脱髄事象および活性性の炎症性プロセスを経験した患者の治療のための医薬の製造におけるグラチラマーアセテートの使用。
  52. 多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象を経験し、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者の治療において使用するためのグラチラマーアセテート。
  53. 多発性硬化症を示唆する第1の臨床的な事象を経験し、臨床的に確実な多発性硬化症の発症の危険にさらされている患者の治療のための医薬の製造における、グラチラマーアセテートの使用。
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