JP2011503586A - 間接免疫蛍光測定法による最終抗体価の測定方法およびその評価方法 - Google Patents

間接免疫蛍光測定法による最終抗体価の測定方法およびその評価方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、間接免疫蛍光測定法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における最終抗体価の測定方法に関する。本発明はさらに、前記方法の構成内の最終抗体価の評価および判定のための間接免疫蛍光測定法およびコンピュータプログラムによる、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体を測定するためのインビトロ診断に用いられるキットに関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、間接免疫蛍光測定法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における最終抗体価の測定方法に関する。本発明はさらに、前記方法の構成内の最終抗体価の評価および判定のための間接免疫蛍光測定法およびコンピュータプログラムによる、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体を測定するためのインビトロ診断に用いられるキットに関する。
自己免疫疾患は、体内の自己組織に対する免疫システムの過剰反応により引き起こされる疾患である。免疫システムは、誤って体内の自己組織を攻撃対象である異物として検出する。これにより、患部臓器に損傷を与える可能性がある深刻な炎症反応が起きる。T細胞は、異物の検出に関与する。T細胞は、MHC分子だけに結合し、体内の自己物質に対しては耐性となるよう胸腺で成熟する。自己免疫疾患では、これらの細胞が本来の自然体に対して行動する。侵入した異物に対する防御の代わりにこれらの細胞は、体内の自己構造を攻撃する。生物体の生命に不可欠な臓器および組織が、異物として免疫システムに認識される。免疫システムは、細胞性および体液性防御反応を含め、前記構造に対して全勢力を向けることで、その結果、自己抗体が生産される。それにより、前記臓器および組織は、時と共にその機能を失う。従って、本発明は、自己免疫疾患の診断および予後治療に関する。
原則として、自己免疫性疾患の血清学的特性解析は、自己抗体プロファイルの検出を介して実施される。これらの抗体の大部分は、核抗原および細胞抗原を標的とする。抗核抗体(ANA)は、主にリウマチ性疾患に関連する。いくつかのこれらのANAは、疾患特異的であり、診断マーカーとして使用される。そのような抗体は、例えば、以下のものに対する抗体を含む、
・全身性エリテマトーデスにおける二本鎖DMA(ds−DNA)およびSm抗原
・強皮症におけるフィブリラリン、全身強皮症におけるトポイソメラーゼI(ScI−70)、クレスト疾患における動原体(ACA)
・多発性筋炎におけるヒスチジルtRNA合成酵素(Jo−1)
・多発性筋炎と強皮症との間の重複部におけるPM−ScI。
多様な有病率を有するANAは、いくつかの疾患にみられる。これらは、SLE、薬物誘発性ループスおよび慢性栄養的肝臓中毒症における抗ヒストン抗体、SLEおよびシャープ症候群(MCTD、混合性結合組織疾患)における抗RNP抗体、ならびにSLEおよびシェーグレン症候群における抗SS−A(Ro)および抗SS−B(La)抗体を含む。抗M2型の抗ミトコンドリア抗体(AMA)は、ミトコンドリアのαケト酸デヒドロゲナーゼ複合体のタンパク質に反応し、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、慢性胆汁うっ滞性肝疾患の特徴的マーカーである。
ANAおよびAMAの検出に用いられる最も早期の方法は、基質として凍結組織切片又は単一細胞が用いられる免疫蛍光検査法(IFT)である。当該方法において、検出される抗体の異なる種特異性が基本的な基準である。いくつかのヒト抗体において、それらはヒト又は霊長類の組織のみに排他的に反応し、対して、他の自己抗体はラット、マウス、ウサギ又はモルモットからの組織切片に種非特異的な方法で反応することが見られる。それぞれの抗原は、各々の系統発生に関して異なる。より種非特異的な抗原は、より堅調に進化の道で保存され、それ故により遠縁種で見られる。全ての動物細胞が特異的自己抗体の検出に適しているわけではないという欠点は、HEp−2細胞を用いることで無視出来る。
いわゆるHEp−2細胞は、核抗原(ANA/ENA)を標的とするほとんどのヒト自己抗体に対して高い特異性を示すヒト喉頭上皮細胞系統に関係する(Hollingworth他、Clin.Diagn.Lab.Immunol.Vol.3、1996年、374−377ページ)。全身性リウマチ炎症性疾患、例えば、全身性エリテマトーデス(SLE)およびそれらの変形体、進行性全身性硬化症(PSS)、原発性シェーグレン症候群、皮膚筋炎、シャープ症候群(混合性結合組織疾患−MCTD)又はリウマチ様関節炎(RA)は、細胞核および細胞質の成分を標的とする多くの自己抗体の出現により、特徴づけられる。これらの自己抗体の未知の抗原に対する異常な組織反応(the aetiopathogenetic role of these autoantibodies)は完全に解明されていないが、それらは、活動パラメータに加え各種臨床プロファイルのためのマーカーとして利用出来る(Tan E.M.,Adv Immunol.1982年、33、167−240ページ、Tan E.M.,Adv Immunol.1989年,44、93−151ページ)。
現時点の自己抗体診断の適切な方法は、いわゆる間接免疫蛍光検査法である。HEp−2細胞に関する免疫蛍光検査法は、抗核抗体(ANA)の測定のための高感度スクリーニングアッセイである。当該試験は、蛍光分布の認識に加えて、特異的基礎抗原(specific underlying antigens)および関連疾患を立証する証拠を提供する(Moore他、Cancer Res.1955年、15、998−602ページ、Weller他、Proc.Soc.Exp.Biol.Med.1954年、86、789−794ページ)。間接免疫蛍光測定法において、ヒト上皮細胞系統のHEp−2細胞は、核抗原(ANA/ENA)を標的とするほとんどのヒトの自己抗体に対して高感度を有する基質として用いられる。HEp−2細胞(ヒト上皮細胞)は現時点で、様々なメーカー(例えば、INOVA Diagnostics、サンディエゴ、米国、Kallestadt、チャスカ、米国、Immuno Concepts、サクラメント、米国)により提供される。
定量的および半定量的ANA測定のための間接ANA HEp−2免疫蛍光測定法は、以下のように行われる。第1の反応工程で、患者のサンプル及びコントロール中に希釈された抗体と、スライドに固定されたHEp−2細胞の抗原とを特異的に反応させる。未結合の成分は、室温で30分間保温した後の洗浄工程で除去される。第2の反応工程で、結合された抗体と、フルオレセイン・イソチオシアネート(FITC)に連結された抗ヒト抗体(IgGおよび軽鎖特異的)とを特異的に反応させる。余分な接合分子は、室温で30分間保温した後の追加の洗浄工程により、固相に結合した免疫複合体から除去される。スライドは、カバーされた後、蛍光顕微鏡(励起波長490nm、発光波長520nm)により手動で読み取られる。HEp−2細胞における抗原の組織学的構成により特異的な蛍光分布が検出される。
間接免疫蛍光試測定法における最も重大な問題の1つは、自己抗体診断でのHEp−2細胞に関する蛍光光学画像の評価である。自己抗体診断の現状の技術において、HEp2細胞を用いた自動化法は、基本的に以下の特徴を示す。すなわち、自動画像解析および蛍光分布の表記特徴部の決定を含む蛍光顕微鏡およびデジタルカメラによる画像取得用のシステム、研究データシステムにおける蛍光分布および認識分布の出力の自動分類である。例えば、カメラを有する蛍光顕微鏡と標準的PCが、入力ユニットとして機能する。測定で得られる蛍光分布は、現時点で7の異なる基本分布を認識出来る(均一的な分布、核小体での分布、細かい斑点状の分布、荒い斑点状の分布、動原体での分布、末梢部位での分布、多核部位での分布)。
このようなシステムは、例えば、ドイツ公開特許出願第DE19801400C1号で見られる。ドイツ公開特許出願第DE19801400C1号は、HEp−2細胞分布の自動認識、特性の表示および解釈の方法およびシステムを説明する。当該方法および対応するシステムは、HEp−2細胞の解釈が、2次元画像の取得およびデジタル化、背景画像内で区分されたHEp−2細胞の分配、多数の個別の画像クラスへの分類、個別の対象物へのピクセルの加算、前記対象物の特徴部の決定、細胞分布の比較および細胞分布および割り当てられたクラス系列の表示および/又は保存により行われることで、自己免疫疾患の検出に役立つ。ドイツ公開特許出願第DE19801400C1号によるシステムは、記録装置および画像セグメント化装置、クラス画像分類装置、特徴−特性解析装置および細胞分布比較装置で構成される。前記装置は、情報処理コンピューター内に収容および順次連結される。また、同様のシステムは、ヨーロッパ公開特許出願第EP1733333B1号に記述される。
上記の方法は、血清中の抗体量の半定量的測定方法である、終点抗体価測定(end point titration)の原則に基づく。当該方法において、血清およびそれによる抗体の連続希釈は、一定容積で試験される。結果は、免疫蛍光分布が常に観察出来る最も高い希釈係数の逆数として示される。当該手法の問題は、定量的陽性試験の結果のみでは、実証された診断の記載として提供又は可能にされないことである。終点抗体価の規格値を伴う血清の抗体価測定を意味する、半定量的測定のみが診断に関連する記載に至る。
しかし、臨床診断は問題がないとは言われない。これは、一般人口の10%以下は、ANAを示す可能性があるためである。ANAの出現は、患者の年齢と性別に依存し、それにより、加齢と共に頻度は増加する。従って、臨床症状のない低抗体価を伴う陽性の結果は、高齢者にとっては正常と評価されることが出来る。健常の若年者は通常、ANA陰性である。また、副腎皮質ホルモン療法を受けているSLE患者は、ANA陰性である可能性がある。また、ANAは、結合組織疾患を有する患者の親族で出現する可能性があり、当該ANAの出現があるものは、後に病気となる可能性がある。
現在、個々の蛍光対象物の異なる蛍光強度に基づいた蛍光分布の評価は、米国疾病対策予防センター(CDC)、アトランタ、米国の以下の推奨事項に従い分類される(ウイルス学による免疫蛍光法(Immunofluorescence methods in virology)、USDHHS、ジョージア州、1979年、71−81ページ内に記載されるLyerlaおよびForrester、免疫蛍光(IF)検査法)、
4+=最大蛍光、鮮やかな黄緑
3+=鮮さの少ない黄緑の蛍光
2+=明りょうであるが、光沢のない黄緑の蛍光
1+=非常に弱い抑制された蛍光。
しかし、蛍光強度は、抗体濃度を反映しない。各種顕微鏡での光学、フィルタおよび光源の差は、一段階を越える蛍光強度の差をもたらす可能性がある。この点は、いわゆる「陰性」および「陽性」の結果にまで及ぶ。HEp−2細胞が1+より低い蛍光を示し、判定可能な分布が欠如する場合、サンプル希釈は、「ANA陰性」として評価される。HEp−2細胞が明確に判定可能な分布と共に1+以上の蛍光を示す場合、サンプル希釈は、「ANA陽性」として評価される。
従って、抗体価測定の終点の決定はさらに、観察者の主観的な判断に加え、蛍光顕微鏡の型および状態及び対物レンズの拡大に依存する。細菌に汚染されたサンプル又は洗浄緩衝液は、細胞基質の非特異的染色につながる可能性がある。
半定量的抗体価測定において、1+の蛍光シグナルが見られる最終的な希釈係数が結果として与えられる。次に、当該抗体価測定の係数は、血清の終点抗体価として与えられる。抗体価は、希釈係数の逆数である。米国疾病対策予防センター(CDC)が推奨する4倍の希釈系列において、抗体価測定の終点は以下のように推定されることが出来る、
1:40=3+
1:160=2+
1:640=+/−
1:2560=−
従って、前記推定される抗体価測定は1:320である。
この評価の結果、40および80の抗体価は、低い陽性として、臨床的に無関係と見なされるが、160および320は、臨床的に関係する可能性がある中程度の抗体価として見なされ、一方で、640以上の抗体価は、非常に陽性であり、臨床的に関連すると見なされる。しかし、この種の希釈系列の生産および各試験の実施は、時間がかかり、また、費用が増大する。従って、実際には4倍の希釈系列が断念され、前記分析は1又は2の希釈度(例えば、1:80および1:320)に限定されることが通常である。
例えば、以下のシステムが、抗体価測定の実施に用いられる従来技術で使用される。適用されるシステムは、調査対象物の調製に加え、コントロール可能なカメラおよび対応するソフトおよびデータバンクへのアクセスを備えたパソコンを含め、電動X−Y標本台、(z軸コントロールを伴う)電動蛍光顕微鏡の使用が含まれる。
1日目、1:80(+1:320)での初期スクリーニング−医療技術アシスタント(MTA)による最終抗体価の目測での希釈、
2日目、1:640、1:1280、および任意でさらに予想抗体価より1以内で超えるか又は予想抗体価より1以内で低い値での希釈工程による希釈。
最終抗体価を決定出来なかった場合、蛍光分布がそれ以上目視できなくなるまで、さらに希釈が必要となる。
当該方法における顕著な問題は、調製物の蛍光強度が多くの要因、例えば、適用される所定のカメラの感度、染色手順、抗漂白培地、励起光等に依存することである。さらに、前記励起光は、光源および対物レンズやフィルタセット等の適用される光部材の年数に依存する。
現行の技術で使用される方法の欠点は、次に要約出来る、
・蛍光分布の評価は、いまだに観察者による全くの主観的な方法で行われる、
・蛍光分布の強度は、前記分布が多くの技術パラメータ、例えば、適用される所定のカメラの感度、染色手順、抗漂白培地、励起光等に依存するに伴ない、大きく変動する。さらに、前記励起光は、光源および光学的分析で使用される光部材の年数に依存する。最後に、蛍光分布の強度および「輝度」は、全ての観察者により異なって知覚される。従って、「輝度の評価」への主観の影響は、無視されるべきではない、
・評価自体は、研究所の能力に制限され、大部分において、必要であると思われる最小限に制限される。これは、不完全な測定又は不完全な希釈系列でしか実施されず、次に、精密な値としては程度の差はあるが、個々の使用者の経験に準じて抗体価測定の終点が推定されることを意味する。従って、当該終点は、実際の最終抗体価の上下にある可能性がある。時に、「正確な」結果が、成り行き任せにされることがある、
・表現型特性を通じた蛍光分布の主観的評価はエラー率の増加となり、それにより、評価される画像の誤った解釈さえももたらす。診断の実施において、これは自己免疫疾患が認識されないか、又は、偽陽性の結果が判定および評価されるかのいずれかにつながる可能性がある。診断の実施および臨床の場において、これは怠慢又は未熟な治療に至る可能性があり、両方のシナリオは患者にとって不満足以上の状況を与えることを示す。
従来技術に照らして解決されるべき技術的課題は、間接免疫蛍光測定法による自己抗体診断における蛍光分布の客観的かつ再現性のある評価を提供することである。
この問題は、独立請求項に加え、それぞれの従属請求項の特徴を通じて解決される。
本発明に係る、間接免疫蛍光測定法によるヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における最終抗体価の測定方法は、複数の作業工程を含むことが意図される。ここで、HEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、および/又はスライドに固定された組織切片由来の抗原への、患者の血清内に含まれる自己抗体の反応および結合が起こる。結合された自己抗原の特定の蛍光標識が行われ、スライドに結合した蛍光標識された自己抗体の蛍光顕微鏡分析に加え、評価システムにおいて蛍光強度を利用した蛍光光学画像の光学的記録および評価が続く。後者の評価システムは、HEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、および/又はスライドに固定された組織切片由来の抗原に患者血清内に含まれる自己抗体が結合する前に、希釈系列の構築のため、既定の抗体価を伴う少なくとも2のコントロール血清により較正される。ここで、励起光の強度も計測される。記録された蛍光光学画像の蛍光強度は、コントロール血清の抗体価との関連で設定され、それにより、調査される患者血清の最終抗体価を提供する。調査される患者血清の最終抗体価は、分布又は分布の組み合わせに依存し、直線又は直線でないことが出来る、較正されたシステムの決められた基準関数から生じる。
本発明に係る、最終抗体価の測定方法は、較正段階に加え、励起光の強度の測定を特徴とする。さらに、最大の有効な露光時間(最終露光時間)に加え、患者血清の初期抗体価およびカメラの露光時間が関連する。
本発明の基本的な特徴は、蛍光分布を評価するために用いられる光学機具の較正過程である。これは、蛍光励起光を測定し、また、本発明に係るスライドを用いて、その表面に既定の抗体価を伴う複数のコントロール血清を提示させ、それにより、光学システムが較正されることにより達成される。較正において、複数の画像に係る平均露光時間の測定が、全ての既定のコントロール血清について行われる。また、続いて、カメラの終点(飽和点)が決定される。この終点は、コントロール血清の最終抗体価の露光時間に対応する最大の有効な露光時間に起因する。従って、調査される患者血清の最終抗体価は、最終露光時間、患者血清の初期抗体価、およびカメラの露光時間から、好ましくは最も単純な直線の場合に、以下の方程式によって計算されることが出来る、決められた較正関数に従って与えられる。
Figure 2011503586
さらに、間接免疫蛍光測定法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原を標的とした抗体の測定に用いられるインビトロ診断のためのキットは、本発明の対象であり、少なくとも以下を含む、
a.コントロール血清および患者血清の適用に用いられる、HEp−2細胞で被覆した複数の投与部位があるスライド、
b.免疫蛍光顕微鏡測定および評価システムの光学システムの較正のための、既定の抗体価を伴うコントロール血清、
c.HEp−2細胞に結合する抗体の特異的結合のための、蛍光で標識された抗ヒト抗体。
前記キットで適用される抗ヒト抗体は、抗ヒト免疫グロブリンであり、任意でフルオレセイン・イソチオシアネートと結合出来る。
本発明に係る、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原を標的とする抗体の測定における最終抗体価の測定方法の実施に適したキットが、本明細書で説明される。前記キットは追加的に、試薬、洗浄溶液、および目的の遂行のために調整される、その他の溶液を有利に含む。また、前記キットは、インビトロ診断における全ての必要な工程の作業手順に加え、任意に、与えられた基準値表および較正情報を好ましくは提供する。前記キットはさらに、キット内容の組み合わせに関する情報を含む。
本発明はさらに、抗核抗体(ANA)の測定のための高感度スクリーニングアッセイとして、HEp−2細胞に関する免疫蛍光測定法も提供する。前記免疫蛍光測定法は、蛍光分布の認識を通して、基礎的な抗原および関連疾患についての記述を可能にする。前記キットは、自動評価法による、ヒト血清中のHEp2細胞の細胞核および細胞質における抗原を標的とする抗体の定量的および半定量的測定のための試薬のセットを包含する。
さらに、本発明は、アクティブコンピュータ操作の際に、本発明に係る方法を実施するように、コンピュータを指示するコンピュータプログラムを提供する。このプログラムは、コンピュータによる読み取り可能なデータ(プログラムコード)を含むコンピュータによる読み取りが可能な媒体に保存される。コンピュータプログラムにより、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における最終抗体価の測定方法は、自己抗体診断における蛍光光学画像の評価を通じた間接免疫蛍光測定法により、電子的に制御および評価されることが出来る。
また、本発明は、間接免疫蛍光測定法により、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原を標的とした抗体の測定における自己抗体診断における最終抗体価の測定のための本発明に係る装置であって、
a.カメラを備えた蛍光顕微鏡による画像取得のためのシステム、
b.患者血清由来の結合された自己抗体について取得した蛍光分布および蛍光強度の自動画像解析および測定のためのシステムであって、前記自己抗体がHEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、およびスライドに固定された組織切片の抗原と反応し、これと結合するように設けられる、前記システム
を含む、前記装置を包含する。
当該装置は、画像取得と同時自動画像解析の両方を提供するという利点を有する。特にこれは、データの分析不足に関する従来技術の既知の欠点を減らす。
本発明に係る方法および前記方法に基づくキットは、前記分布および潜在的な抗体価が自動的に読み取られる、細胞ベースの分析に適する。前記方法は、自動評価法による、HEp2細胞の細胞核および細胞質内の抗原を標的としたヒト血清中の抗体の定量的および半定量的測定に適する。同時に、HEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、および組織切片もまた好ましい。
蛍光シグナルは多様に変動し、これは、抗漂白試薬、例えば、2,3,5,6テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン(C1016)の添加が有利であることが立証されている理由である。
特に、キットおよび基礎的方法の、本発明の基本的な要素は、検討する単位の「細胞+接合体」が一定に保たれることである。接合体(=着色剤+抗体)は、着色剤が色あせるのを防ぐ(抗漂白)基質を通して安定に保たれる。好ましくは、基質2,3,5,6テトラメチル−1,4−フェニレンジアミン(C1016)が使用される。また、基本的な技術パラメータ(蛍光フィルタ、カメラ、対物レンズ)も一定である。それにより、露光強度のみ、変動する可能性があり、従って、抗体価の予測において、露光強度のみが測定される(=励起光の測定)。従って、当該技術の唯一の可変要素は、光源であり、また蛍光励起および蛍光発光が互いに相関するので、なぜ蛍光の励起光が測定されるのかが説明される。抗体濃度(抗体価)は、それにより血清画像の露光時間に起因する。
従って、本発明の利点は、最終抗体価の客観的決定に加え、血清の最終抗体価の早期およびコスト効率的な取得である。本発明に係るシステムを各種測定システムに普遍的に適用することは可能である。さらに、異なる種類の調製物が使用されることが出来る(前記システムは、細胞、単細胞又は組織切片のような異なる調製物に普遍的に適用されることが出来る)。さらに、技術的資源および財務資源が本発明を通じて節約されることが出来る。
さらに有利な要素が、従属請求項に記載される。また、本発明は、本明細書で開示される実施例により制限されることを意図しないが、実施例および図面を通しても本発明はより明確に記載される。図1乃至4は、異なる較正曲線を示す。
本発明は、本明細書で開示される実施例により制限されることを意図しないが、実施例を示す図面に照らして本発明はより明確に記載されることが意図される。
I.測定の準備および実施
以下の方法が適用される、
1.蛍光光学部品を、いくつかのコントロール血清で較正する、
2.患者血清を室温でコーティングスライドの目的の投与部位に滴下し、高湿度インキュベート室において室温で30分間保温する、
3.スライドを、PBS溶液で洗浄し、新しいPBSで2×5分間、染色トレイ内で洗浄する、
4.スライドを複合体溶液で被覆し、紫外線防護のある高湿度インキュベート室において室温で30分間保温する、
5.手順3を繰り返す、
6.スライドを泡が入らないようにカバースリップで覆い、蛍光顕微鏡で測定する。
II.較正
図2は、第1基準血清1による較正を示し、それにより終点がわかる(640)。抗体価が測定された血清を用いた露光時間の測定の回帰は、最も単純な場合において直線(Y=m×+b)である。ここで、mは傾き、bはY軸との交点である。より複雑な曲線は、次の算式により計算出来る。
Figure 2011503586
基準血清の終点は既知であり、組織の自己蛍光のみが当該点を超えて測定されることから、回帰の終点までの測定点のみが較正に含まれるべきである。
図3は、終点がまた既知(1280)である第2基準血清2(点分布)との相関における既知の終点(640)を伴う(均一な)基準血清1を示す。各種基準血清に対する異なる曲線形が、分布および特異性(線形勾配又は指数関数的又はS字状)に依存し生じる可能性がある。全ての基準血清は、異なる抗体特異性(均質的な分布、動原体での分布、点分布等(以下参照))を有する。実際には測定中において、前記分布を決定し、較正曲線を選択し、さらに、前記血清の最終抗体価点を、較正曲線へ希釈抗体価を導入して計算する。
III.血清の抗体価の推定
1:80の初期抗体価でHEp−2最終抗体価の推定を実施した。
「較正スライド」を以下のように較正した(実施例1、ポイント1参照)。1:640の既知の抗体価を伴う第1血清を、8段階の希釈度でスライド上の8ウェルに適用し、蛍光顕微鏡で露光および測定した。蛍光強度を、異なる露光時間で測定した。これにより、以下の一連の測定結果がもたらされた。
Figure 2011503586
関数の真の形状は、1ウェル乃至5ウェルの値からの回帰により決定した(図1参照、Y軸:光強度、X軸:希釈度)。当該実施例において、最大の有効な露光時間は5000msであり、露光時間が5000msを超える場合、調製物の自己蛍光が起こり、それにより結果が歪められた。前述のスライドによる較正(較正スライド)の結果、当該実施例における前記較正されたシステムの終点は、5000msであることが分かった。
しかし、患者サンプルを有するスライド(患者スライド)は、異なる希釈度を示すことが出来る。この場合において、前記ウェル内の血清の希釈度は、1:80である。画像は自動的に露光されることで、免疫蛍光の信号は完全にカメラのセンサーにより取得される(Hiemann他、Cytometry Part A 69A(2005年)参照)。500msのカメラの平均露光時間を測定する。これは、前記ウェルの単一画像の露光時間を平均化することでもたらされる。かくて、残る唯一の質問は、血清の予想最終抗体価はいくらかということである。
本発明に基づく溶液は、線形関係のある、目的の最終抗体価が較正されたシステムの決められた基準関数に従って計算されることが出来るという結果をもたらす。上記の実施例に従って、これは、以下の数式により実施される。
Figure 2011503586
図4は、終点が未知である、点分布を伴う患者血清の追加の測定を示す。80の既知の希釈抗体価を使用した。測定された露光時間は、200msであった。これにより、400以下の最終抗体価を、較正関数へ前記値を挿入することで計算した。
以下の表2は、本発明に係る第2試験系(直線較正関数)の測定結果を提供する。
Figure 2011503586
「血清」は、内部参照番号と共に提供される血清について示す。
「抗体価−ソフトウェア」は、既知の初期抗体価、使用される露光時間および最終的な露光時間から上述のように比例性を利用して本発明に係るソフトウェアにより測定される抗体価について示す。
「抗体価−個人」は、現在において通常の手段による蛍光強度の主観的知覚を根拠に測定された抗体価について示す。
「偏差」は、主観的に決定された抗体価の段階における偏差について示す。それにより、+/−1段階の抗体価の偏差(上記参照)は、重要とは見なされず、実際には、適用される技術において所期の役割を果たさない。
従って、本発明に係る技術を用いると、最終抗体価の測定において、より正確かつ間違いのない結果に達する可能性があるという意外な結果が出る。
本発明に係る方法、前記方法に基づく本発明に係るキットに加え、前記試験の原則は、次のように詳細に説明される。
a.本発明に係るキットは、少なくとも以下の内容を含む、
−任意で、保護ガスでシールされる、HEp−2細胞で被覆された投与部位のあるスライド、
−洗浄緩衝液/サンプル希釈PBS緩衝液、pH7.4±0.1、
固体物質として、
−FITCと結合した、抗ヒト免疫グロブリン(IgGおよび軽鎖特異的)を含む接合体、
−抗退色試薬を伴う、リン酸緩衝化された不変性グリセリン溶液の被覆培地、
−カバースリップ、
−陽性コントロール、抗体特異性がある陽性ヒト血清、
−陰性コントロール、陰性ヒト血清、
−蛍光分布を読み取り評価するための測定システム。
さらに、追加的な一般的補助器具、例えば、ユーザー定義のマイクロピペット(10、100、1000μl)、ピペット・チップ、サンプル希釈チューブ、計量シリンダ又はメスフラスコ、高湿度培養室、プラスチック洗浄ボトルおよび/又は染色槽等も含まれることが意図される。
b.希釈された患者サンプル中又はコントロール血清中の抗体は、第1反応工程において、特に、スライドに固定されたHEp2−細胞の抗原と反応する。未結合成分は、室温での30分間の保温後、洗浄工程により除去される。結合抗体は、第2反応工程において、特に、フルオレセイン・イソチオシアネート(FITC)と結合した抗ヒト抗体(IgGおよび軽鎖特異的)と反応する。余分な接合分子を、次に室温での30分間の保温後の追加の洗浄工程により固相に結合された免疫複合体から分離する。HEp−2細胞における抗原の組織学的構成による特異的な蛍光分布が観測される。スライドは、カバーされた後、自動測定システムを備えた蛍光顕微鏡(励起波長490nm、発光波長520nm)により読み取られる。
c.サンプルを抽出するために、静脈穿刺により患者から採取された血液を凝固させ、血清をその後、遠心分離により分離した。測定法への適用の前に、前記血清を室温に置き、適切な均一性を確実にするために、任意に軽く振盪した。本発明に係る測定法に用いられる患者サンプルをPBS緩衝液で1:80(v/v)の割合に希釈した。このスクリーニング希釈に加え、抗体価予測の安全対策のため、あるいは、より良い評価のために、混合分布の可能性がある場合、1:320の希釈度を適用することが出来る(EASI推奨)。1:80(v/v)の希釈度から始め、サンプルはさらに、例えば、100μlのサンプル希釈液+300μlのPBS緩衝液のように、PBS緩衝液で4倍に希釈した。
d.以下のように、本発明に係る測定法を実施した、
d.1.測定試薬を室温(RT、20−25℃)に置いた。スライドをパッケージから出し、使用する前に、汚染を避けるため、直接ラベルを付けた、
d.2.25μlのコントロール(25μlの希釈患者血清)を滴下した、
d.3.スライドを室温の高湿度インキュベート室で30分間保温した、
d.4.スライドをPBS溶液で洗浄した、
d.5.スライドを染色槽内の新しいPBS溶液で各々2×5分間洗浄した、
d.6.スライドを一枚ずつ移動させ、PBSを滴下させた。1滴の接合体を全ての投与部位に乗せ、投与部位が完全に覆われるようにした、
d.7.スライドを室温の高湿度インキュベート室で30分間保温した。スライドは直射光から遮断された、
d.8.工程d.4.およびd.5.を繰り返した、
d.9.スライドを一枚ずつ移動させ、PBSを滴下させた。被覆培地の小滴1滴を各々投与部位の端に乗せた。次に、カバースリップを慎重にスライドの上に置き、被覆培地で泡のない、密閉された層を形成した、
d.10.スライドを自動システムで読み取った。スライドの底面は、よく拭かれるべきである。
e.結果の評価
本発明に係る自動化評価システムは、各投与部位の判断(陽性又は陰性)に加え、主要な蛍光分布に関する結果および最終抗体価(抗体の濃度)の提案を提供する。システムにより陽性と評価されたサンプルは、PCに保存した画像を使用して、調整出来る。
1:80の希釈度における蛍光強度がソフトウェアの既定の閾値より小さい場合、サンプルは、ANA陰性と評価される。1:80の希釈度における蛍光強度がソフトウェアの既定の閾値より大きい場合、サンプルは、ANA陽性と評価される。
陽性ANAの結果について、ソフトウェアがさらに、以下のグループへ蛍光分布の分類を実施することは、本発明の別の側面である。すなわち、前記蛍光分布は、均一的な分布、斑点状分布、核小体分布、動原体分布、核点分布、有糸分裂分布、細胞質分布等に分類される。
HEp−2細胞の細胞核の染色により様々な分布が区別されることが出来る。
e.1.均一的−核小体が隠れているかいないかに関わりなく、全体の細胞核に分散した染色。当該分布は、いくつかのサンプル、特に終点近傍のサンプルで、斑点のように見える可能性がある。有糸分裂期の細胞の染色体領域で強い陽性の蛍光が表示される。抗原−DNA、ヒストン。臨床関連性−SLE特異的な高い抗体価、また、関節リウマチ特異的なより低い抗体価。ヒストン抗体は、薬剤誘発性ループスと非常に強く関連する。
e.2.末梢−細胞核より外側の領域での滑らかな染色、内側の領域でのより弱い蛍光であって、全ての投与部位の細胞でこの末梢の染色が見られる必要はなく、いくつかの細胞は、均一な分布を示す可能性がある。有糸分裂期の細胞の染色体領域で強い陽性蛍光が示される(有糸分裂期の細胞の染色体領域で陰性を示す薄いリング状の染色は、抗体が核膜を標的としていることを示唆する)。抗原−DNA、ヒストン。臨床関連性−SLEの活性期における高い抗体価、また、他の結合組織疾患における低い抗体価。
e.3.斑点−全体の細胞核にかけての蛍光斑。抗体の型に依存して、極めて細かい斑点から極めて粗いものの可能性がある。有糸分裂期の細胞の染色体領域は通常、陰性反応を示す。
a)SmおよびnRNP−粗い斑点。核小体を除き、有糸分裂期の細胞の染色体領域は、陰性である。臨床関連性−Sm抗体は、SLEに特異性の高いマーカーである。高い抗nRNP抗体価は、SLE、RA、PSSにおける他のANAとともに、MCTDによる特徴がある。
b)SS−AおよびSS−B−均一に分散した小さい一様な斑点。有糸分裂期の細胞の染色体領域は、陰性である。臨床関連性−初期シェーグレン症候群で極めて一般的であり、SLE、抗SS−Sではまれであり、新生児ループスおよび先天性心ブロックで極めて一般的である。
c)ScI−70−核小体の蛍光を伴う細かい密度の斑点。有糸分裂期の細胞の染色体領域は、陽性である。臨床関連性−抗Scl−70は、PSS用のマーカーとして有効である。
d)PCNA−細胞の30−60%で見られる多様な細い斑点および粗い斑点。有糸分裂期の細胞は、陽性又は陰性の可能性がある。臨床関連性−抗PCNAは、少ない割合のSLE患者で起こる。
e.4.動原体−全体の細胞核にかけての離散的な斑点。その数は、単一の又は複数の染色体の組み合わせに対応する。有糸分裂期の細胞の蛍光分布は、染色体の分布、つまり、分裂中期の赤道面における一対のワイズポイント(pair wise points)、分裂後期の中心体に向かって離れるような移動に従う。ここで有糸分裂期の細胞の染色体領域は陰性のままであるが、類似の分布(複数の核の点)がNSP−1(SP100)抗体により引き起こされる。抗原−染色体の動原体タンパク質。臨床関連性−クレスト症候群のマーカー、よりまれに、強皮症およびレイノー現象のマーカー。
e.5.核小体−細胞核内の核小体の蛍光。染色されていない核プラズマから明確に定められる。核小体の蛍光は、均一又は斑点(「塊」)の可能性がある。時に、斑点のある分布を伴う。抗原−PMScI、RNAポリメラーゼI、フィブリリン。臨床関連性−PSS、多発性筋炎と皮膚筋炎との重複部分に特異的な高い抗体価、SLE、シェーグレン症候群、レイノー現象に特異的な低い抗体価。
e.6.紡錘体−有糸分裂を受ける細胞内の片方の中心体と他方を互いに接続する細い糸のネットワーク。抗原−有糸分裂中の細胞の紡錘体。臨床関連性−多くの自己免疫疾患および他の疾患(RA、SLE、PBC、手根管症候群)においてはまれな分布。
e.7.細胞質−細胞質中の斑点状又は糸状の蛍光、
a)リボソームRNP−全体の細胞質中で細かく斑点のある蛍光。時に、核小体の分布を伴う(他の組織部分での確認が推奨される)。臨床関連性−SLEのいくつかの症例による特徴がある。
b)Jo−1(PL−7、PL−12)−主に核周辺領域での一般に弱い蛍光の細かい斑点。臨床関連性−多発性筋炎、皮膚筋炎。
c)ミトコンドリア−糸状の配置での小さい均一な斑点。核付近の領域ではより密度が高い(他の組織部分での確認が推奨される)。臨床関連性−原発性胆汁性肝硬変(PBC)に対するマーカー。
d)細胞骨格−アクチンおよび細胞骨格の他の成分(ビメンチン、チューブリン)を標的とする抗体により引き起こされる、細胞質にかけての糸状、クモの巣状の蛍光。他の組織部分での確認が推奨される。臨床関連性−自己免疫性肝炎および感染症で共通するいくつかの抗アクチン。
自動評価システムは、各投与部位の判定(陽性又は陰性)に加えて、主な蛍光分布に関する結果および最終抗体価(抗体の濃度)の提案を提供する。システムにより陽性と評価されたサンプルは、PCに保存した画像を使用して、調整出来る。
原文に無し。

Claims (12)

  1. 間接免疫蛍光測定法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における最終抗体価の測定方法であって、
    a.HEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、およびスライドに固定された組織切片の抗原に対する患者血清に含まれる自己抗体の反応および結合を行う工程、
    b.結合された自己抗原を特異的蛍光標識する工程、及び
    c.スライドに結合され、蛍光標識された自己抗体の蛍光顕微鏡分析に加え、評価システムでの蛍光強度を用いた蛍光光学画像の光学的記録および評価を行う工程を有する測定方法で、
    d.前記方法工程を実施する前に、前記評価システムは、a)希釈系列の作成のための既定の抗体価を伴う少なくとも2のコントロール血清により較正され、b)前記システムの蛍光励起光が測定され、さらに
    e.記録された蛍光光学画像の蛍光強度が、コントロール血清の抗体価との関連で設定され、それにより、調査される患者血清の最終抗体価を提供することを特徴とする、
    前記方法。
  2. 蛍光標識された抗ヒト抗体を用いて特異的蛍光標識を行う、請求項1に記載の方法。
  3. 抗漂白剤が蛍光シグナルの安定化のために添加される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記抗漂白剤が2,3,5,6テトラメチル−1,4−フェニレンジアミンである、請求項3に記載の方法。
  5. 調査される患者血清の前記最終抗体価が、最終露光時間、患者血清の初期抗体価、およびカメラの露光時間から、好ましくは最も単純な直線の場合に、以下の方程式によって計算されることが出来る、既定の較正関数で与えられる、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
    Figure 2011503586
  6. 間接免疫蛍光測定法、好ましくは、請求項1乃至5に記載の方法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における自己抗体診断での最終抗体価の測定のための装置であって
    a.カメラを用いた蛍光顕微鏡による画像取得のためのシステム、
    b.患者血清由来の結合された自己抗体の自動画像解析および取得された蛍光分布の判定および蛍光強度の測定のためのシステムであって、前記自己抗体が、HEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、およびスライドに固定された組織切片の抗原に反応および結合する前記システム
    を含む、前記装置。
  7. 間接免疫蛍光測定法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定に用いられるインビトロ診断のためのキットであって、
    a.コントロールおよび患者血清の適用で用いられるHEp−2細胞で被覆された、複数の投与部位があるスライド
    b.免疫蛍光顕微鏡測定および評価システムの光学システムの較正に用いられる異なる既定の抗体価を伴うコントロール血清、
    c.HEp−2細胞に結合した抗体の特異的結合に用いられる蛍光標識された抗ヒト抗体
    を少なくとも含む、前記キット。
  8. 表面に既定の抗体価を伴う複数のコントロール血清が提示された較正スライドがキットの内容物である、請求項7に記載のキット。
  9. 抗ヒト抗体が抗ヒト免疫グロブリンである、請求項7に記載のキット。
  10. 抗ヒト抗体がフルオレセイン・イソチオシアネートと結合する、請求項9に記載のキット。
  11. コンピュータによる読み取り可能なデータとしてのプログラムコードを含むコンピュータによる読み取り可能な媒体に保存され、アクティブコンピュータ操作の際に、コンピュータを指示するように設けられたコンピュータプログラムであって、請求項1乃至5に記載された間接免疫蛍光測定法による、ヒト血清中の核抗原および細胞質抗原に対する抗体の測定における最終抗体価の測定方法に基づいた最終抗体価の測定のための実行可能なコンピュータ・プログラム。
  12. HEp−2細胞、白血球、Crithidia luciliae、およびスライドに固定された組織切片の抗原に反応および結合する患者血清由来の結合された自己抗体の自動画像解析および取得された蛍光分布の判定および蛍光強度の測定に適した、好ましくは請求項11に記載のコンピュータプログラムとして用いられる、コンピュータプログラム。
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