JPH09281108A - 光学検査装置 - Google Patents

光学検査装置

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JPH09281108A
JPH09281108A JP8519096A JP8519096A JPH09281108A JP H09281108 A JPH09281108 A JP H09281108A JP 8519096 A JP8519096 A JP 8519096A JP 8519096 A JP8519096 A JP 8519096A JP H09281108 A JPH09281108 A JP H09281108A
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JP8519096A
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Tetsuya Ono
哲也 小野
Takashi Kuroda
隆 黒田
Masahide Kawamura
雅英 川村
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Original Assignee
Nippon DPC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スライドプレートを用いた検査に適した光学
検査装置を提供する。 【解決手段】 複数のウェルを有するスライドプレート
が保持される電動の試料ステージ20を備えた蛍光顕微
鏡15に、CCDカメラ16を接続し、蛍光顕微鏡15
の観察像がディスプレイ17上に表示されるようにする
とともに、フロッピディスク装置等によって構成される
記憶装置28を介して、スライドプレートの各ウェルに
セットされている検体に関する情報を与えておき、蛍光
顕微鏡15の観察対象となっているウェルに設定されて
いる検体に関する情報が、その観察像とともに、ディス
プレイ17に表示されるように、制御装置18を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学検査装置に関
し、例えば、間接蛍光抗体法や間接酵素抗体法によって
抗体の有無や濃度を検査するために用いられる光学検査
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗核抗体、抗DNA抗体(ク
リシディア法)、抗胃壁細胞抗体、抗平滑筋抗体、抗ミ
トコンドリア抗体、抗好中球細胞質抗体等の自己免疫性
疾患検査や、HTLV-I抗体、EBウィルス抗体、風疹ウィ
ルス抗体、ヘルペスウィルス抗体、サイトメガロウィル
ス抗体、クラミジア−トラコマティス抗体、クラミジア
−シッタシ抗体、トキソプラズマ抗体、FTA−ABS
等の感染症検査などを行うために、間接蛍光抗体法と呼
ばれる検査法や間接酵素抗体法と呼ばれる検査法が用い
られている。
【0003】これらの検査法では、検査対象である抗体
に応じた抗原(細胞や組織等)を、スライドプレート上
に予め固定しておき、被験サンプル中のこの抗原に対す
る抗体を反応させた上で、さらに、蛍光または酵素また
はビオチンなどで標識された抗体を反応させる。そし
て、その免疫的染色像の顕微鏡観察によって、被験サン
プル中の目的抗体の存在を検出する。
【0004】たとえば、間接蛍光抗体法による抗核抗体
検査では、次のような手順で検査が行われる。図18
に、抗核抗体検査に用いられるスライドプレートの一例
を示す。図示したように、スライドプレート33には、
複数のウェル34が設けられている。スライドプレート
33自体は、ガラスで形成されており、ウェル34を除
くスライドプレート33表面には、テフロンコートが施
されている。ウェル34の底面はガラスがむき出しにな
っており、また、ウェル周辺はテフロンコートされてい
るので、ウェル34には、水溶液を盛り上げて乗せるこ
とが可能となっている。
【0005】このようなウェルに、ヒト癌細胞であるHe
p2細胞の懸濁液を乗せるとHep2細胞はガラスに接着する
ので、これをアセトン等で固定し、抗原とする。次い
で、被験サンプルである血清またはその稀釈液をのせ、
被験サンプル中の特異抗体を固定細胞中の抗原物質と反
応させる。そして、その結合した抗体に、蛍光標識され
た抗イムノグロブリン(標識抗体)を反応させた後、そ
の染色像を蛍光顕微鏡で観察することによって抗核抗体
の判定を行う。なお、この場合、蛍光標識としては、FI
TC、ローダミン、フィコエリスリンなどが使用される。
【0006】抗核抗体の判定は、通常、定性試験と定量
試験に分けて行われる。このうち、定性試験では、蛍光
の存在の有無の観察により、「陰性」であるか「陽性」
であるかの判定が行われる。たとえば、抗核抗体検査に
用いられる代表的な蛍光標識物質であるFITCは、蛍光顕
微鏡下で緑色に発色するので、「陽性」である場合には
緑色が観察される。逆に「陰性」である場合には、対比
染色の赤色が観察される。なお、定性試験時には、被験
サンプルとして、血清を20倍稀釈したものを用いるこ
とが多い。
【0007】このような定性試験に引き続いて、定量試
験が行われる。定量試験では、一般に限界稀釈法が用い
られている。限界稀釈法では、被験サンプルを2倍ずつ
に稀釈することによって、目的抗体の濃度が2分の1ず
つ下がっていく数種類の稀釈サンプルが用意される。そ
して、各稀釈サンプルに対して陰陽性の判定が行われ、
陽性と判定された最大稀釈倍率が、その被験サンプルに
対する定量的なデータ(「力価」あるいは「抗体価」と
呼ばれる)とされる。なお、定量試験を行う際には、定
性試験時における蛍光強度の観察結果を基に、被験サン
プルの力価がおおまかに推測され、推定した力価を中心
とした数種類の希釈サンプルが用意される。
【0008】たとえば、定性試験の結果、20倍稀釈で
は、中程度の陽性であることが判明した被験サンプルに
対しては、80倍、160倍、320倍、640倍、1
280倍といった稀釈サンプルが用意され、それぞれの
希釈サンプルに関して陰陽性の判定が行われる。この
際、320倍までの希釈サンプルが陽性であり、640
倍の稀釈サンプルが陰性であった場合には、限界の稀釈
倍率は320倍ということになり、この稀釈倍率が力価
として記録される。
【0009】間接酵素抗体法では、上述の間接蛍光抗体
法における蛍光標識物質の代わりに、ペルオキシダ−
ゼ、アルカリ性フォスファタ−ゼなどの酵素標識物質が
用いられる点と、蛍光顕微鏡の代わりに通常の光学顕微
鏡が用いられる点を除けば、間接蛍光抗体法における、
検査手順とほとんど同じ手順で検査が行われる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
間接酵素抗体法や間接蛍光抗体法による検査では、顕微
鏡像の光量に基づき、陰性、陽性の判別が行われる。し
かしながら、目視による判別では、光量の判定基準に個
人差があるため、陰性であるか陽性であるかを明確に判
別できるとは限らない。たとえば、間接蛍光抗体法によ
る定量試験における限界稀釈率付近の2つの稀釈サンプ
ルからの蛍光量の差はわずかであり、いずれの希釈サン
プルの希釈率を力価とすべきかが、誰の目にも明かであ
るケースは存在しないといっても良い。
【0011】このため、正確な判定を行うために、従来
より、各希釈サンプルを繰り返し観察することが行われ
ている。例えば、観察者は、640倍を陰性と判定した
場合、本当に640倍を陰性と判定して良いのか確認す
るため、1280倍のサンプルが確実に陰性と判定でき
ることを確認する。そして、再度、640倍のサンプル
を観察する。再度の観察においても陰性であると判定さ
れた場合には、更に、320倍のサンプルを観察し直
し、そのサンプルが陽性と判定できることを再確認す
る。次いで、640倍のサンプルを再度観察し、陰性と
判定できることを確認してから最終的に抗体価320倍
という判定を下す。
【0012】このように、間接蛍光抗体法における限界
稀釈法による定量時には、たとえば、80→160→3
20→640→1280倍といった順で各希釈サンプル
を観察した後、微妙な蛍光強度の稀釈サンプル(たとえ
ば、320倍と640倍)を中心とした幾つかの希釈サ
ンプルを繰返し観察して、力価の判定を下すことが多
い。
【0013】これらの作業は、外部からの光が判定結果
に影響しないように、通常、暗室内で行われる。しか
し、暗室でこの観察作業を長時間続けていると、観察者
が次第に微弱光量に慣れていき、観察作業開始時に陰性
と判定していた光量を、陽性と判定するようになってし
まうこともある。また、疲労などによって視力が低下
し、逆に、陽性と判定していた光量を、陰性と判定する
ようになってしまうこともある。さらに、1カ所の観察
を長く続けていると、励起光の照射による観察対象物の
蛍光の減衰が起こり、益々、判定が困難になってしま
う。
【0014】また、観察対象とするウェルを変更した際
などに、どの被験サンプルを観察しているのか確認する
ときや、判定結果を記述するときには、顕微鏡を覗いて
いるときとは比較にならないほど大きな光量の下で作業
を行うことになる。この過程の繰り返しも、陰陽性の判
定基準をさらに不安定なものとしてしまう。
【0015】このため、判定基準をより一定化させるた
めに、各検査施設では様々な工夫がなされている。たと
えば、観察途中に観察対象のプレートをわざわざ交換し
て、予め設けた基準蛍光で判定基準を再確認することも
行われている。しかし、このような作業は、所詮、記憶
に頼った作業であるため、判断基準を一定に維持するこ
とはできないし、疲労による判定・記録ミスも起こりや
すい。そこで、判定結果をより確実なものにするため、
1度観察・判定を行った検体を、本人あるいは第三者
が、再度、観察・判定し直したりすることも行われてい
る。
【0016】このように、顕微鏡を用いた間接蛍光抗体
法及び間接酵素抗体法では、観察者の記憶に頼った判定
が行われているので、観察者の主観が入りやすく、判定
が不正確になりやすい。また、一つのウェルを一度ずつ
見るだけでは判定できないので、複数のウェルを往復し
て観察することが必要であり、判定に時間がかかってい
た。更に長時間の顕微鏡観察は、作業者に対して、眼精
疲労ひいては視力の低下をもたらすなどの報告もあり、
労働災害問題にもなりつつある。また、疲労によって、
観察を行っているウェル(検体)を誤認識してしまうこ
とや、紙面等への判定結果の記入を誤ってしまうことが
しばしば生じていた。
【0017】なお、特開平6−167453号公報、特
開平6−148186号公報などには、CCDカメラを
用いてコンピュータ内に蛍光画像を取り込み、取り込ん
だ蛍光画像を画像処理することによって染色パターンな
どを自動的に判定する装置も提案されている。これらの
公報に記載の技術によれば、観察者の個人差の影響を受
けずに、典型的な染色パターンに関しては、正確な判定
を行えることになる。ただし、染色パターンにはさまざ
まなパターンが存在しているので、これらの技術によっ
ても、全ての染色パターンに対する判定を正確に行うこ
とできず、最終的には、CCDカメラによって取り込ま
れた画像を、目視によって判定するといった作業が必要
であった。このため、これらの技術でも、顕微鏡の直接
観察時と同様に、観察を行っているウェル(検体)を誤
認識してしまうことや、紙面等への判定結果の記入を誤
ってしまうことがしばしば生じていた。
【0018】そこで、本発明の目的は、スライドプレー
トを用いた検査に適した、作業者の視覚的負担が少な
く、しかも、判定対象の認識ミスが生ずることがない光
学検査装置を提供することにある。
【0019】また、本発明の他の目的は、判定結果の記
録ミスが生ずることが少ない光学検査装置を提供するこ
とにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の光学検査
装置は、画像情報および文字情報を表示するための表示
手段と、所定の観察位置に存在する物体の拡大像に応じ
た画像情報を出力する観測手段と、複数個のウェルが設
けられたスライドプレートを保持するとともに、そのス
ライドプレートの各ウェルを、観測手段の観測位置に移
動させるための保持移動手段と、この保持移動手段に保
持されたスライドプレートのウェル内に用意された検体
に関する文字情報である検体情報をウェル毎に記憶する
検体情報記憶手段と、観測手段の観測位置に存在するス
ライドプレートのウェルを指定するウェル指定手段と、
観測手段によって出力される画像情報と、ウェル指定手
段によって特定されたウェルに関した検体情報記憶手段
に記憶されている検体情報とを表示手段に表示する表示
制御手段とを備える。
【0021】すなわち、本発明の第1の光学検査装置で
は、たとえば、顕微鏡とCCDカメラから構成される観
察手段によって出力された検体の拡大像とその検体に関
する検体情報が、たとえば、CRTによって構成される
表示手段に同時に表示される。なお、表示手段に表示さ
れる検体情報の特定は、たとえば、移動保持手段の基準
位置からの隔たりを検出する位置センサなどによって構
成されるウェル指定手段によって行われる。
【0022】本光学検査装置によれば、観察者は、表示
手段に表示される内容を観察するだけで検査を行うこと
ができるので、観察者の視覚的負担が少ない状態で、蛍
光抗体法などによる検査を実現できることになる。ま
た、複数の観察者による同時判定が可能であるため、従
来、ひとりの観察者の主観に頼っていた判定を、より客
観化することができる。さらに、観察者は、現在観察中
の検体に関する情報(例えば患者名、検体稀釈率、採血
日など)を確認しつつ、検体の染色パターンなどの判別
が行えるので、検体がどのようなサンプルであるのか
を、別の記録紙などと照らし合わせる必要が無い。従っ
て、この第1の光学検査装置によれば、観察が極めて効
率的に行えることになる。
【0023】本発明の第2の光学検査装置は、画像情報
および文字情報を表示するための表示手段と、所定の観
察位置に存在する物体の拡大像に応じた画像情報を出力
する観測手段と、複数個のウェルが設けられたスライド
プレートを保持するとともに、そのスライドプレートの
一領域を、観測手段の観測位置に移動させるための保持
移動手段と、この保持移動手段に保持されたスライドプ
レートのウェル内に用意された検体に関する文字情報で
ある検体情報をウェル毎に記憶する検体情報記憶手段
と、観測を行うウェルを指定するウェル指定手段と、こ
のウェル指定手段によって指定されたウェルが観測手段
の観測位置に移動するように、保持移動手段を制御する
移動制御手段と、観測手段によって出力される画像情報
と、ウェル指定手段によって指定されたウェルに関して
検体情報記憶手段に記憶されている検体情報とを表示手
段に表示する表示制御手段とを備える。
【0024】すなわち、本発明の第2の光学検査装置で
は、たとえば、顕微鏡とCCDカメラから構成される観
察手段によって出力された検体の拡大像と、その検体に
関する検体情報が、たとえば、CRTによって構成され
る表示手段に同時に表示される。また、観察者は、ウェ
ル指定手段を用いて観察を行うウェルを指定するだけ
で、表示手段にそのウェル内の検体の拡大像を表示させ
ることができる。すなわち、観察者は、保持移動手段を
操作することなく、観察対象とするウェルを変更するこ
とができる。
【0025】このため、第2の光学検査装置によれば、
第1の光学検査装置と同様に、観察者の視覚的負担が少
ない状態で、蛍光抗体法などによる検査を実現できるこ
とになる。また、複数の観察者による同時判定が可能で
あるため、従来、ひとりの観察者の主観に頼っていた判
定を、より客観化することができる。そして、観察者
は、現在観察中の検体に関する情報(例えば患者名、検
体稀釈率、採血日など)を確認しつつ、検体の染色パタ
ーンなどの判別が行えるので、検体がどのようなサンプ
ルであるのかを、別の記録紙などと照らし合わせる必要
が無い。さらに、第2の光学検査装置によれば、観察対
象の変更を、保持移動手段を操作することなく行えるの
で、検体の観察が、第1の光学検査装置に比して、より
効率的に行えることになる。
【0026】本発明の第3の光学検査装置は、画像情報
および文字情報を表示するための表示手段と、所定の観
察位置に存在する物体の拡大像に応じた画像情報を出力
する観測手段と、複数個のウェルと、バーコードが表示
された領域とを有するスライドプレートを保持するとと
もに、そのスライドプレートの各ウェルを、観測手段の
観測位置に移動させるための保持移動手段と、それぞ
れ、1つのスライドプレートの各ウェルに用意されてい
る検体に関する検体情報がウェル毎に記憶された複数の
検体情報ファイルを、対象とするスライドプレートに表
示されているバーコードに対応づけて記憶する検体情報
ファイル記憶手段と、保持移動手段に保持されるスライ
ドプレートに表示されたバーコードの内容を読みとるバ
ーコード読取手段と、観測を行うウェルを指定するウェ
ル指定手段と、このウェル指定手段によって指定された
ウェルが観測手段の観測位置に移動するように、保持移
動手段を制御する移動制御手段と、観測手段によって出
力される画像情報と、バーコード読取手段によって読み
とられたバーコードに対応して検体情報ファイル記憶手
段に記憶されている検体情報ファイル中に、ウェル指定
手段によって指定されたウェルに関して記憶されている
検体情報とを表示手段に表示する表示制御手段とを備え
る。
【0027】すなわち、本発明の第3の光学検査装置
は、複数の検体情報ファイルを記憶する検体情報ファイ
ル記憶手段を有し、検査対象となるスライドプレートに
は、検体情報ファイル記憶手段に記憶された検体情報フ
ァイルとスライドプレートとを対応づけるバーコードが
表示される。
【0028】本装置の使用者は、たとえば、バーコード
ラベルを貼付した複数のスライドプレートを用意すると
ともに、各スライドプレートに対する検体情報ファイル
を、バーコードに対応づけて検体情報ファイル記憶手段
内に用意しておく。その後、使用者は、用意しておいた
複数のスライドプレートの中から、1つのスライドプレ
ートを選択する。次いで、そのスライドプレートに貼付
されたバーコードラベルの内容を、バーコード読取手段
を用いて読取り、そのスライドプレートを保持移動手段
にセットする。そして、ウェル指定手段を用いて、観察
を行うウェルを指定していく。
【0029】ウェル指定手段によるウェルの指定が行わ
れた場合、移動制御手段によって、そのウェルが、観測
手段の観測位置に移動される。また、表示制御手段によ
って、観測手段によって出力される画像情報と、バーコ
ード読取手段によって読みとられたバーコードに対応す
る検体情報ファイル中の観察対象となっているウェルの
検体情報とがCRT等の表示手段に表示される。
【0030】このように、第3の光学検査装置では、ス
ライドプレート上に表示されたバーコードを読みとるだ
けで、そのスライドプレートに関する検体情報ファイル
が、表示手段への表示対象であることが認識される。従
って、第3の光学検査装置によれば、多数のスライドプ
レートの検査が容易に行えることになる。
【0031】本発明の第1ないし第3の光学検査装置
に、観測手段によって出力される画像情報をウェル毎に
記憶する画像情報記憶手段と、この画像情報記憶手段内
に記憶されている画像情報を指定する画像情報指定手段
を付加するとともに、表示制御手段として、観測手段に
よって出力される画像情報と検体情報と、画像情報記憶
手段内に記憶されている、画像情報指定手段によって指
定された画像情報とを表示手段に表示する手段を用いて
も良い。
【0032】このように光学検査装置を構成した場合に
は、過去に観測を行った検体に関する画像情報と、判定
を行うべき画像情報とが、並列的に表示されるので、過
去に測定を行った検体に関する画像情報を基準として、
新たな検体の判定を行えることになる。このため、この
光学検査装置によれば、光量の判定基準を一定にするこ
とができるので、誤った判定が行われることを防止でき
る。
【0033】本発明の第1ないし第3の光学検査装置
に、観測手段によって出力される画像情報をウェル毎に
記憶する画像情報記憶手段を付加するとともに、表示制
御手段として、観測手段によって出力される画像情報と
検体情報に加えて、画像情報記憶手段内に記憶されてい
る、観測手段によって前回観測されたウェルに関する画
像情報を表示手段に表示する手段を用いても良い。
【0034】このように光学検査装置を構成した場合に
は、前回観測行った検体に関する画像情報と、判定を行
うべき画像情報とが、並列的に表示されるので、限界希
釈法のような陰性、陽性の境界を定める判定が確実に行
えることになる。
【0035】なお、本発明の光学検査装置には、観測手
段によって出力される画像情報に関する判定結果を入力
する入力手段と、この入力手段によって入力された判定
結果を検体情報と関係づけて記憶する判定結果記憶手段
とを付加することが望ましい。このように光学検査装置
を構成した場合には、判定結果の入力を紙面上で行なう
必要が無くなるので、検査が著しく容易に行えることに
なる。また、判定結果を誤った検体に関連づけて記録し
てしまうといった単純なミスの発生を防止できることに
もなる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
よる光学検査装置を具体的に説明する。図1に、本発明
の一実施形態による光学検査装置の構成を示す。実施形
態の光学検査装置は、蛍光抗体法による検査を行うため
の装置である。図示してあるように、実施形態の光学検
査装置は、マウス11とキーボード12とバーコードリ
ーダ13とプリンタ14と蛍光顕微鏡15とCCDカメ
ラ16とディスプレイ17と制御装置18とから構成さ
れている。制御装置18は、ステージ用インタフェース
21とCPU(central processing unit)22とディス
プレイコントローラ23と画像処理回路24と入力機器
用インタフェース25とROM(read onlymemory)26
とRAM(random access memory)27と記憶装置28と
プリンタ用インタフェース29と、各部を相互に接続す
るバス30とから構成されている。
【0037】まず、この図を用いて、実施形態の光学検
査装置を構成する各部の用途・機能を説明する。マウス
11とキーボード12とバーコードリーダ13は、本装
置の使用者が、情報入力を行うための入力機器であり、
制御装置18内の入力機器用インタフェース25に接続
されている。プリンタ14は、プリンタ用インタフェー
ス29に接続されており、判定結果等を印刷するために
用いられる。
【0038】蛍光顕微鏡15は、蛍光観察を行うための
光学機器であり、複数のウェルを有するスライドプレー
トを保持するための試料ステージ20を備えている。試
料ステージ20は、電動のXYステージであり、制御装
置18内のステージ用インタフェース21と電気的に接
続されている。
【0039】CCDカメラ16は、蛍光顕微鏡15と光
学的に接続されており、顕微鏡像に応じたNTSC信号
を生成する。ディスプレイ17は、NTSC信号に応じ
た画像と、RGB信号に応じた画像とを並列的に表示で
きる機能を有する。ディスプレイ17には、CCDカメ
ラ16が出力するNTSC信号と、ディスプレイコント
ローラ23が出力するRGB信号が入力されており、図
2に模式的に示したように、CCDカメラ16からのN
TSC信号に応じた画像31と、ディスプレイコントロ
ーラ23からのRGB信号に応じた画像32とが表示さ
れる。また、ディスプレイ17は、CCDカメラ16か
らのNTSC信号がそのまま出力される端子を備えてお
り、その端子を介して制御装置18内の画像処理回路2
4に接続されている。
【0040】制御装置18内のディスプレイコントロー
ラ23は、VRAM(video RAM)を備え、VRAMに記
憶されたRGB形式の画像情報に応じたRGB信号を生
成して、ディスプレイ17に出力する。なお、VRAM
への画像情報の書込は、CPU22と画像処理回路24
によって行われる。
【0041】画像処理回路24は、RGB形式の画像情
報を記憶するための画像メモリを備える。画像処理回路
24は、CPU22から所定の指示が与えられたとき
に、ディスプレイ17を介してCCDカメラ16からの
1画面分のNTSC信号を受け取り、そのNTSC信号
を画像情報に変換して画像メモリに記憶する。また、画
像処理回路24は、画像メモリに記憶している画像情報
を、ディスプレイコントローラ23内のVRAMや記憶
装置28に転送する機能も有する。
【0042】記憶装置28は、ハードディスク装置とM
O(magneto-optic)ディスク装置とフロッピディスク装
置とから構成されている。ハードディスク装置には、C
PU22の動作手順を定めるプログラムや、CPU22
がその動作時に参照する第1および第2環境情報ファイ
ル(詳細は後述)が記憶されている。また、ハードディ
スク装置は、観測した画像を記憶するためなどにも用い
られている。本光学検査装置は、その動作時に、検体情
報ファイル(詳細は後述)を参照するように構成されて
おり、フロッピディスク装置には、検体情報ファイルが
格納されたフロッピディスクがセットされる。また、検
査結果は、フロッピディスク装置内のフロッピディスク
とMOディスク装置に書き込まれる。
【0043】CPU22は、電源投入時、まず、ROM
26に記憶されているブートストラップローダに従って
動作し、メモリのチェック等を行った後、補助記憶装置
28(ハードディスク装置)に記憶されているオペレー
ションシステムをRAM27上に読み込む。さらに、C
PU22は、そのオペレーティングシステム上で動作す
るプログラムをハードディスク装置からRAM27上の
他の記憶領域に読み出す。その後、CPU22は、その
プログラムに従った制御を開始し、その結果、各部は光
学検査装置としての動作を開始する。
【0044】本光学検査装置の総合的な動作を説明する
前に、検体情報ファイルの構成を説明する。まず、図3
ないし図5を用いて、検体情報ファイルの構成、作成手
順を説明する。なお、図3は、本装置で使用されるスラ
イドプレートの形状を示した図であり、図4は、検体情
報ファイルの構成を模式的に示した図である。また、図
5は、検体情報ファイル作成用のエディタプログラムの
動作内容を説明するための図である。
【0045】図3に示したように、本装置で使用される
スライドプレート33は、規則的に配置された8×12
個のウェル34を備える。各ウェル34には、図の左方
あるいは上方に示してある“A”〜“H”、“1”〜
“12”という記号を組み合わせたウェル番号が与えら
れている。たとえば、左上隅のウェル340には、ウェ
ル番号“A−1”が与えられており、そのウェル番号に
よって他のウェルと識別される。
【0046】検体情報ファイルには、図4に模式的に示
したように、各ウェルにセットされた検体に関する20
個の項目別の要素情報からなる検体情報37が、そのウ
ェルのウェル番号36に対応づけられて記憶される。本
装置では、検体情報ファイルとして、各情報間をデリミ
タ“,”で区切り、ウェル毎のデータ(図において1行
分のデータ)を改行記号で区切ったファイルを用いてい
る。すなわち、検体情報ファイルとして、一般的なコン
ピュータにインストールされているワープロソフトや、
ワードプロセッサ(の一部)で作成できるファイルを用
いている。なお、このようなデータ形式をとっているの
は、スライドプレートへの検体のセット作業は、光学検
査装置が設置される場所とは別の場所で行われることが
多いためである。
【0047】また、実施形態の光学検査装置内の記憶装
置内には、通常のコンピュータ上で単独で走らせること
ができる検体情報ファイル作成用のエディタプログラム
も用意されており、スライドプレートの準備を行う場所
でコンピュータが利用可能な場合には、当該エディタプ
ログラムをそのコンピュータにインストールして、検体
情報ファイルを作成する。
【0048】以下、図5を用いて、検体情報ファイル作
成用のエディタプログラムの動作を簡単に説明するとと
もに、検体情報ファイルの構成をさらに詳細に説明す
る。図5に示したように、検体情報ファイル作成用のエ
ディタプログラムを実行させた際、コンピュータの画面
上には、ウェル番号入力・表示欄41と、検体情報入力
・表示欄421〜4220と、プレートコード入力・表示
欄43と、ウェル番号選択入力領域44と、ボタン45
1〜458と、マウスカーソル50が表示される。
【0049】検体情報ファイルの作成者は、まず、キー
ボードを操作することによって、プレートコード入力・
表示欄43内にプレートコードを入力する。プレートコ
ードは、スライドプレートを識別するための情報であ
り、検体情報ファイルのファイル名の一部としても使用
される。具体的には、プレートコードに所定の拡張子を
付けたデータが、検体情報ファイルのファイル名として
使用される。
【0050】その後、作成者は、マウスを操作して、検
体をセットした(あるいはセットする)ウェルに対応す
るウェル番号選択入力領域44内のウェル上にマウスカ
ーソル50を移動し、マウスボタンをクリックする(以
下、説明の便宜上、マウスカーソルの移動とマウスボタ
ンのクリック操作を「選択」と表記する)。そして、作
成者は、検体情報入力・表示欄421〜4220に、その
ウェルにセットした検体に関する情報(以下、検体情報
要素と表記する)を入力する。作成者は、このような手
順で、検体情報の入力を各ウェルについて行った後に、
“保存”ボタン452を選択する。
【0051】このような操作が行われた場合、コンピュ
ータは、ウェル番号入力・表示欄41、検体情報入力・
表示欄421〜4220に、選択されたウェルのウェル番
号、入力された検体情報要素を表示するとともに、各検
体情報要素をウェル番号に対応づけて記憶していく。そ
して、“保存”ボタン452が選択されたことを検出し
た際には、フロッピディスクに、プレートコードをファ
イル名の一部として有し、ウェル番号と検体情報がその
入力順で記憶された検体情報ファイルを作成する。
【0052】また、作成者は、さらに、他のスライドプ
レートに関する検体情報ファイルを作成する場合、“新
規作成”ボタン451を選択する。この操作により、コ
ンピュータは、エディタプログラム起動時の状態に戻
る。
【0053】作成者は、最後に、“バーコード印刷”ボ
タン456を選択する。このボタンが選択されると、コ
ンピュータは、フロッピディスク内に存在している検体
情報ファイルのリストを画面上に表示する。そして、バ
ーコード印刷を行うべき検体情報ファイルが作成者によ
って指定されると、それらの検体情報ファイルのプレー
トコード(ファイル名の一部)に対応するバーコードが
表示されたバーコードラベルを印刷する。作成者は、そ
のバーコードラベルを、図3に示してあるように、スラ
イドプレート33上の一領域35に貼付し、準備作業を
終える。
【0054】図5に示した画面上に表示されている他の
ボタンは、検体情報ファイルの作成が容易に行えるよう
に設けたものである。たとえば、“前ウェル”ボタン4
3が選択された場合、コンピュータは、そのときに検
体情報の入力対象となっているウェルの、1つ前に検体
情報を入力したウェルを検体情報の入力(修正)対象と
する。“次ウェル”ボタン454が選択された場合、コ
ンピュータは、そのときに検体情報の入力対象となって
いるウェルが奇数番号(上側に示してある数値)のウェ
ルであった場合には、そのウェルの下のウェルを検体情
報の入力対象とする。ただし、下のウェルが存在しない
場合、1段右の下端のウェルを検体情報の入力対象とす
る。一方、そのときに検体情報の入力対象となっている
ウェルが偶数番号のウェルであった場合には、そのウェ
ルの上のウェルを検体情報の入力対象とし、上のウェル
が存在しない場合には、1段右の上端のウェルを検体情
報の入力対象とする。すなわち、“H−1”の次には、
“H−2”を検体情報の入力対象とし、“A−2”の次
には、“A−3”を入力対象とする。
【0055】また、“前データ複写”ボタン455が選
択された場合、コンピュータは、前回入力した検体情報
の内容を、各検体情報入力・表示欄42に表示する。希
釈率だけが異なる検体情報など、類似した検体情報を入
力する場合には、このボタンを用いる。
【0056】なお、実施形態の光学検査装置では、検体
情報ファイル内でのウェル番号の格納順に従ってウェル
の移動が行われるように構成されている(詳細は後述す
る)。このため、本エディタプログラムを用いて検体情
報ファイルを作成する際には、検査順に即してウェル番
号及び検体情報を入力しておく。また、他のワープロソ
フトを用いる場合には、検査順に即した順番でウェル番
号および検体情報を記憶された検体情報ファイルを作成
しておく。
【0057】以下、実施形態の光学検査装置の総合的な
動作を説明する。光学検査装置の起動時、CPU22
は、第1および第2環境情報ファイルの内容を参照しつ
つ、情報入力・表示画面をディスプレイ17上に表示す
る。
【0058】図6に、情報入力・表示画面の概要を示
す。図示したように、情報入力・表示画面は、その機能
によって幾つかの領域に分類されている。各領域のう
ち、保存画像表示領域51と検体情報表示領域53と判
定結果入力・表示領域54と動作環境表示領域56に
は、2つの環境情報ファイルの内容に応じた情報が表示
される。
【0059】図7及び図8に、それぞれ、第1環境情報
ファイル、第2環境情報ファイルの概要を示す。第1環
境情報ファイルには、図7に模式的に示したように、判
定結果用文字列と、検体情報用文字列とが記憶されてい
る。判定結果用文字列は、判定結果入力・表示領域54
内に表示される文字列であり、検体情報用文字列は、検
体情報ファイル内の各検体情報要素がどのような情報で
あるかを示す文字列である。この第1環境情報ファイル
は、光学検査装置の使用を開始する際に作成されるファ
イルであり、原則として内容の変更は行われない。
【0060】これに対して、第2環境情報ファイルは、
必要に応じてその内容が変更されるファイルとなってい
る。第2環境情報ファイルには、図8に模式的に示した
ように、画像情報ファイルディレクトリ、判定結果ファ
イルディレクトリ、画像指定情報A、B、画像用表示要
素指定情報A、B、10個の表示要素指定情報1〜1
0、プリンタ指定情報が記憶されている。
【0061】画像情報ファイルディレクトリは、画像情
報ファイルを格納するディレクトリの指定情報であり、
判定結果ファイルディレクトリは、判定結果ファイルを
格納するディレクトリの指定情報である。画像指定情報
は、保存画像表示領域51に表示する画像の指定情報で
ある。なお、詳細は後述するが、本装置では、画像指定
情報として、特定の画像情報を指定する情報と、前ウェ
ルあるいは前々ウェルに関する画像情報を指定する情報
が設定できるようになっている。画像用表示要素指定情
報は、保存画像表示領域51内に保存画像を表示する際
に、その画像の関する20個の検体情報要素のうち、ど
の検体情報要素を表示するかを指定する情報である。
【0062】表示要素指定情報は、検体情報表示領域5
3に表示する検体情報要素を指定する情報である。表示
要素指定情報としては、それぞれ、数値情報が記憶され
ている。プリンタ指定情報は、光学検査装置に組み込ま
れているプリンタの機種を指定する情報である。CPU
22は、情報入力・表示画面を表示する際に、これら第
1及び第2環境情報ファイルの内容を読み出し、RAM
27上に記憶するとともに、RAM27上に記憶した各
判定結果用文字列を判定結果入力・表示領域54内に表
示する。また、各表示要素指定情報に応じた検体情報用
文字列を検体情報表示領域53内に表示する。たとえ
ば、最初の表示要素指定情報に、K(=1〜20)が記
憶されていた場合、CPU22は、動作環境表示領域5
6内の最初の部分に、第2環境情報ファイル内のK番目
の検体情報用文字列を表示する。さらに、画像指定情報
が特定の画像情報を指定する情報であった場合には、そ
の画像情報を、画像情報ファイルディレクトリから読み
出して、保存画像表示領域51に表示するとともに、そ
の画像に関する、画像用表示要素指定情報で指定されて
いる検体情報要素を表示する。前ウェルあるいは前々ウ
ェルに関する画像情報を指定する情報が設定されていた
場合の動作等、保存画像表示領域51に画像を表示する
際のCPU22の動作内容の詳細については後述するこ
とにする。
【0063】このような手順によって、情報入力・表示
画面を表示した後、CPU22は、マウス11とキーボ
ード12からの信号入力を監視する状態に移行する。そ
して、信号が入力された場合、入力された信号に応じた
処理を実行する。たとえば、マウス11が移動されたこ
とを検出した場合には、その移動量および移動方向に応
じて、マウスカーソル50の表示位置を変更する。ま
た、マウスの左ボタンが押下されたことを検出した場合
には、その時点におけるにマウスカーソル50の位置
と、各ボタン等の表示位置とを比較することによって、
実行すべき処理を認識する。
【0064】以下、実際の操作手順に即して、各ボタン
が押下されたことを検出した際に、CPU22が実行す
る処理を説明する。検査者は、用意した幾つかのスライ
ドプレートとそれらに関する検体情報ファイルが記憶さ
れたフロッピディスクを用意した後、マウスを操作する
ことによって、領域55内の“プレートコード入力”ボ
タンを選択する。
【0065】CPU22は、“プレートコード入力”ボ
タンが選択されたことを検出した場合、プレートコード
入力処理を実行する。プレートコード入力処理の開始
時、CPU22は、各部を制御することによって、プレ
ートコード入力用ダイアログボックスをディスプレイ1
7上に表示する。
【0066】図9に、プレートコード入力用ダイアログ
ボックスの概要を示す。図示したように、プレートコー
ド入力用ダイアログボックス64内には、検査者に対す
るメッセージと、プレートコード入力・表示領域65
と、ドライブ入力・表示領域66と“中止”ボタン67
と“入力完了”ボタン68が表示される。なお、ドライ
ブ入力・表示領域66に示してある“B”は、デフォル
トのドライブであるフロッピディスク装置を示す情報で
ある。
【0067】検査者は、このダイアログボックス内の表
示内容に従い、検体情報ファイルが記憶されているフロ
ッピディスクをセットする。そして、バーコードラベル
を付けてあるスライドプレートの検査を行う際には、そ
のラベル上に、バーコードリーダ13を配置する。ま
た、バーコードラベルを付けてないスライドプレートの
検査を行う際には、キーボード12を用いて、そのスラ
イドプレートのプレートコードを入力する。検査者は、
いずれかの方法によって、プレートコードを入力した後
に、“入力完了”ボタン68(あるいは“中止”ボタン
67)を選択する。
【0068】CPU22は、プレートコード入力用ダイ
アログボックス64の表示後、各入力機器からの信号を
監視する状態に移行しており、バーコードリーダ13が
操作されたことを検出した場合には、バーコードリーダ
13からの信号をプレートコードに変換する。そして、
そのプレートコードを、プレートコード入力・表示領域
65に表示する。
【0069】また、キーボード12から英数字キーに応
じた信号が入力された場合、CPU22は、その信号に
応じた英数字をプレートコード入力・表示領域65内に
表示する。なお、マウスによってドライブ入力・表示領
域66が選択された後に、キーボード12から英文字キ
ーに応じた信号が入力された場合、CPU22は、その
信号に応じた英文字をドライブ入力・表示領域66内に
表示する。
【0070】CPU22は、“中止”ボタン67が選択
されたことを検出した場合には、ディスプレイ17の表
示内容を、図6に示したものに戻して(プレートコード
入力用ダイアログボックス64を消去して)、プレート
コード入力処理を終了する。
【0071】一方、“入力完了”ボタン68がクリック
されたことを検出した場合、CPU22は、プレートコ
ードが確定したことを認識し、バーコード入力あるいは
キーボード入力されたプレートコードに対応する検体情
報ファイルがドライブ入力・表示領域66に設定されて
いるドライブ内のフロッピディスクに記憶されているか
否かを判断する。そして、当該ドライブ内のフロッピデ
ィスクに、入力されたプレートコードに対応する検体情
報ファイルが記憶されていることを確認した後、CPU
22は、プレートコード入力用ダイアログボックス64
を消去し、図10に示した確認用ダイアログボックスを
表示する。
【0072】検査者は、この確認用ダイアログボックス
で示されている指示に従い、プレートコードを入力した
スライドプレートを試料ホルダ20上の所定位置に設定
し、“セット完了”ボタンを選択する。なお、何らかの
理由で処理を中止する場合、検査者は、“中止”ボタン
を選択する。“中止”ボタンが選択されたことを検出し
た場合、CPU22は、ディスプレイ17の表示内容
を、図6に示したものに戻して(確認用ダイアログボッ
クスを消去して)、プレートコード入力処理を終了す
る。
【0073】CPU22は、“セット完了”ボタンが選
択されたことを検出すると、まず、プレートコードに対
応する検体情報ファイルの内容をフロッピディスクから
読み出し、図11に模式的に示したような作業用テーブ
ルをRAM27上に作成する。図示したように、作業用
テーブルは、検体情報ファイルの内容に、第1ないし第
3判定結果用の記憶領域と画像情報ファイル名用の記憶
領域とを付加した構造を有する。詳細は後述するが、第
1判定結果記憶領域内には、判定結果入力表示領域54
内の左側に示してある10個のボタン61のそれぞれの
選択、非選択を“1”、“0”で表した10個のデータ
からなる第1判定結果が記憶される。第2判定結果記憶
領域には、ボタン62のうち、何番目のボタンが選択さ
れているかを示す数値データが第2判定結果として記憶
される。また、第3判定結果記憶領域内には、所見入力
・表示領域63に入力された文字列が第3判定結果とし
て記憶される。画像情報ファイル名記憶領域は、対応す
るウェル番号のウェルの観測結果である画像情報ファイ
ルの識別情報を記憶するために用いられる。
【0074】作業用テーブルを作成した後、CPU22
は、その作業用テーブルの先頭に記憶されているウェル
番号(検体情報ファイルの先頭に記憶されていたウェル
番号)のウェルが蛍光顕微鏡14の観測対象となるよう
に、ステージ用インタフェース21を介して試料ステー
ジ20に対して移動命令を出す。また、そのウェル番号
をウェル番号表示領域52に表示するとともに、そのウ
ェルにセットされている検体に関する検体情報を作業用
テーブルから読み出して検体情報表示領域53に表示す
る。この際、CPU22は、第2環境情報ファイル内
で、表示することが指定されている検体情報だけを表示
する。
【0075】このような動作の結果、ディスプレイ17
のNTSC画像表示領域には、あるウェル番号のウェル
内の検体の蛍光像が表示され、RGB画像表示領域内の
被検情報表示領域内には、そのウェル番号と、そのウェ
ルにセットされている検体に関する検体情報が表示され
ることになる。
【0076】検査者は、NTSC画像表示領域に表示さ
れた像を観察することによって染色パターン等を判別す
る。そして、判定結果入力・表示領域54内の、該当す
る判定結果が対応づけられているボタン61あるいはボ
タン62を選択する。また、必要である場合には、キー
ボード12を操作することによって、所見入力・表示領
域63内に文字列を入力する。
【0077】一方、CPU22は、検体情報の表示を行
った後、各入力機器からの信号入力を環視する状態に移
行しており、いずれかのボタン61が選択されたことを
検出した場合には、そのボタン61の内部に、選択され
ていることを示すマークを表示する。また、既に選択さ
れているボタン61が再度選択された場合、CPU22
は、そのボタン61内のマークを消去する。そして、C
PU22は、いずれかのボタン62が選択されたことを
検出した場合には、そのボタン62の内部に、選択され
ていることを示すマークを表示するとともに、既に選択
されているボタン62が存在していた場合には、そのボ
タン62内のマークを消去する。また、CPU22は、
キーボード12から文字が入力されたときには、その文
字を所見入力・表示領域63内に表示する。
【0078】このような表示に関する処理と並行して、
CPU22は、選択されたボタン、入力された文字列
を、作業用テーブル(図11)内に、ウェル番号表示領
域52に表示しているウェル番号と関連づけて記憶する
処理も行う。たとえば、ウェル番号“A−1”のウェル
が観測対象となっているときに、1番上のボタン61が
選択された場合には、ウェル番号“A−1”に対応する
第1判定結果記憶領域内の1番目のデータとして“1”
を記憶する。また、3番目のボタン62が選択された場
合には、ウェル番号“A−1”に対応する第2判定結果
記憶領域に“3”を記憶する。
【0079】さらに、CPU22は、このような処理を
行った際に作業用テーブル中に希釈率だけが異なる1つ
以上の検体情報が存在していた場合には、選択されたボ
タン及び入力された文字列を、それらの検体情報に対応
するウェル番号に関連づけて記憶する処理も行う。
【0080】CCDカメラによる蛍光像の観測結果を保
存したい場合、検査者は、領域58内に示してある“画
像情報保存”ボタンを選択する。CPU22は、“画像
情報保存”ボタンが選択されたことを検出した際、所定
の指示を出すことによって、画像処理回路24に、CC
Dカメラ16が出力しているNTSC信号に基づき、1
画面分のRGB形式の画像情報の作成させる。その後、
CPU22は、ディスプレイコントローラ23および画
像処理回路24を制御することによって、ディスプレイ
17上に、図12に示したようなダイアログボックスを
表示する。すなわち、CPU22は、ディスプレイコン
トローラ23内のVRAMの所定の記憶領域に“中止”
ボタンや“決定”ボタン等に関するデータを書き込むと
ともに、画像処理回路24内の画像メモリの内容を、V
RAMの所定の記憶領域に転送させる。また、画像が保
存される範囲を示す枠70を表示する。
【0081】その後、CPU22は、枠70近傍にマウ
スカーソル50が位置している状態で、マウスボタンが
押下され、そのまま移動されていることを検出した場合
には、マウスボタンの押下が解除されるまで、マウスの
移動量および移動方向に応じて枠70の表示位置を移動
する処理を行う。
【0082】そして、“決定”ボタンが選択されたこと
を検出した場合には、その画像情報用のファイル名を所
定の規則に従って自動生成し、自動生成したファイル名
を持ち、枠70で囲まれた領域内の画像情報を有する画
像情報ファイルを、ハードディスク装置内の画像情報フ
ァイルディレクトリで指定されるディレクトリに作成す
る。また、そのファイル名を、そのときに対象としてい
るウェル番号に対応づけて作業用テーブル内に記憶し、
ダイアログボックスを消去する。
【0083】一方、“中止”ボタンが選択されたことを
検出した際には、ハードディスク装置への記憶を行わ
ず、ダイアログボックスの消去のみを行う。検査者は、
検査対象とするウェルを変更する際には、領域58内の
“次に進む”、“前に戻る”、“ダイレクトウェル指
定”といったボタンのいずれかを選択する。
【0084】“次に進む”ボタンが選択されたことを検
出した際、CPU22は、作業用テーブル内で、現在観
測対象となっているウェルのウェル番号の次に記憶され
ているウェル番号のウェルへの移動命令を試料ステージ
20に対して出力する。また、“前に戻る”ボタンが選
択されたことを検出した際、CPU22は、作業用テー
ブル内で、現在のウェル番号の前に記憶されているウェ
ル番号のウェルへの移動命令を試料ステージ20に出
す。“ダイレクトウェル指定”ボタンが選択された場
合、CPU22は、図13に示したようなダイアログボ
ックスを表示する。そして、マウスによって選択された
ウェルへの移動命令を試料ステージ20に対して出力す
る。
【0085】このような移動命令を出した後、既に説明
したような手順で、CPU22は、ウェル番号表示領域
52、検体情報表示領域53内に、移動後のウェルに関
する情報を表示する。また、作業用テーブル内に、移動
後のウェルに対する第1ないし第3判定結果が記憶され
ていた場合には、判定結果表示領域54内の表示内容を
その内容に応じて変更する。
【0086】検査者は、上述のような処理を繰り返すこ
とによって、検査が必要な全てのウェルの観測を行った
後、“判定結果保存”ボタンを選択する。CPU22
は、“判定結果保存”ボタンが選択されたことを検出し
た際、フロッピディスク装置内のフロッピディスク上
に、作業用テーブル内の検体情報と、第1ないし第3判
定結果を含む判定結果ファイルを作成する。ただし、
“1”、“0”データからなる第1判定結果は、判定結
果用文字列に基づき文字列に変換されて判定結果ファイ
ルに記憶される。第2判定結果も同様に文字列に変換さ
れて判定結果ファイルに記憶される。また、CPU22
は、同じ内容のファイルをMOディスク装置内のMOデ
ィスク上にも作成する。
【0087】また、CPU22は、フロッピディスク上
への判定結果ファイルの作成と並行して、ハードディス
ク装置内の判定結果ファイルに、今回の判定結果を追加
する。なお、ハードディスク装置内の判定結果ファイル
には、作業用テーブルに記憶されているウェル番号を除
く全てのデータが記憶される。
【0088】以下、保存画像表示領域51に画像を表示
する際のCPU22の動作内容の詳細を説明する。既に
概要を説明したように、CPU22は、保存画像表示領
域51に、第2環境情報ファイルに記憶されている画像
指定情報に応じた画像を表示する。この際、画像指定情
報A、B共に、特定の画像情報を表示することが指示さ
れていた場合には、保存画像表示領域51への画像の表
示は、図6に示した情報入力・表示画面を最初に表示す
る際だけに行われる。これに対して、画像指定情報A、
Bいずれかに対して前ウェルあるいは前々ウェルに関す
る画像情報を表示することが指示されていた場合、CP
U22は、ウェルの移動が指示される度に、保存画像を
保存画像表示領域51に表示する処理を実行する。ここ
では、画像指定情報Aとして、前ウェルの画像情報を表
示することを指示する情報が与えられており、画像指定
情報Bとして、前々ウェルの画像情報を表示することを
指示する情報が与えられていた場合を例に、CPU22
の動作を説明する。なお、説明の便宜上、ウェル番号
“A−1”、“A−2”のウェルに関する画像情報ファ
イルは既に作成されており、作業用テーブルには、“A
−1”、“A−2”、“A−3”の順でウェル番号が記
憶されているものとする。
【0089】ウェル“A−3”への移動指示を受けたC
PU22は、既に説明した一連の処理を行うとともに、
作業用テーブルから、移動後のウェル番号“A−3”の
一つ前に記憶されているウェル番号“A−2”に対応す
る画像情報ファイル名を取得する。そして、その画像情
報ファイルをハードディスク装置から読み出し、読み出
した画像情報ファイルを保存画像Aとして、保存画像表
記領域51内に表示する。また、ウェル番号“A−2”
に関する検体情報要素のうち、画像用表示要素指定情報
Aによって指定されている要素を、作業用テーブルから
読み出す。そして、読み出した情報を、検体情報要素A
として表示する。
【0090】次いで、ウェル番号“A−3”の二つ前に
記憶されているウェル番号、すなわち、“A−1”に対
応する画像情報ファイル名を取得する。そして、その画
像情報ファイルをハードディスク装置から読み出し、保
存画像Bとして表示するとともに、画像用表示要素指定
情報Bによって指定されている検体情報要素を、検体情
報要素Bとして表示する。
【0091】このように、第2環境情報ファイル内で、
前ウェルと前々ウェルに関する画像の表示を指定してお
いた場合、CPU22は、保存画像表示領域51内に、
そのときに観測対象となっている検体の前に観測した2
つの検体に関する画像を表示する。また、第2環境情報
ファイル内で、特定の画像情報の表示を指示しておいた
場合には、常に(第2環境情報ファイルの内容が変更さ
れるまで)、同じ画像が保存画像表示領域51内に表示
される。すなわち、検査者は、定量試験を行う際には、
第2環境情報ファイル内で前ウェルと前々ウェルに関す
る画像の表示を指定しておけば、希釈率の異なる3種の
画像を相互に比較して判定を行えることになる。また、
定性試験を行う場合には、第2環境情報ファイル内で、
陰陽性判定あるいはパターン判定の基準として使用でき
る代表的な画像の表示を指定しておけば、それらの画像
と判定対象画像とを比較して判定が行えることになる。
【0092】以下、残りのボタンが選択されたときの、
CPU22の動作を簡単に説明する。まず、領域57内
の“保存画像表示”ボタンが選択されたときの動作を説
明する。“保存画像表示”ボタンは、ハードディスク装
置内に記憶されている画像情報をディスプレイ17上に
表示させるためのボタンであり、“保存画像表示”ボタ
ンが選択されたことを検出した際、CPU22は、検索
条件入力用ダイアログボックスをディスプレイ17に表
示する。
【0093】検索条件入力用ダイアログボックスには、
図14に模式的に示してあるように、20個の検体情報
用文字列にそれぞれ対応づけられた20個のキーワード
入力領域72と表示要素名入力表示領域73と“検索実
行”ボタン74と“終了”ボタン75が設けられてい
る。
【0094】観察者は、表示させたい画像情報を検索す
るためのキーワードを、幾つかのキーワード入力・表示
領域72に入力する。たとえば、○○○○氏に関する画
像情報を表示させたい場合には、患者氏名に対応するキ
ーワード入力表示領域72内に○○○○を入力する。ま
た、画像情報とともに表示させたい検体情報の要素名
(例えば採血日)を表示項目名入力表示領域73に入力
する。そして、“検索実行”ボタン74を選択する。
【0095】“検索実行”ボタン74が選択されたこと
を検出した場合、CPU22は、入力されたキーワード
およびそのキーワードの入力箇所に基づき検索条件を認
識し、認識した検索条件に従った検索を実行する。上述
のケースでは、CPU22は、患者氏名が○○○○であ
る画像情報を検索することを認識し、第2判定結果ファ
イルから、患者氏名(1番目の情報)が○○○○である
検体情報に対応づけられている画像情報ファイル名およ
び表示要素名入力表示領域73で指定されている要素に
対応する検体情報要素を抽出する。
【0096】その後、CPU22は、抽出した画像情報
ファイル名が6個以上であった場合には、6個の画像情
報ファイルを読み出して、図15に示したような画面を
ディスプレイ17上に表示する。そして、入力機器から
の信号入力を環視する状態に移行し、“次を表示”ボタ
ンが選択されたことを検出した際には、抽出した画像情
報ファイル名の中から、表示を行っていない6個のファ
イル名に対応する画像情報ファイルを読み出して、ディ
スプレイ17上に表示する。“前を表示”ボタンが選択
されたことを検出した場合には、前回表示した画像を再
び表示する。そして、“終了”ボタンが選択されたこと
を検出した場合には、ディスプレイ17の表示内容を図
6に示したものに戻す。
【0097】次に、“環境設定”ボタンが選択された場
合の、CPU22の動作を説明する。“環境設定”ボタ
ンは、第2環境情報ファイルの内容を変更するためのボ
タンであり、このボタンが選択されたことを検出した
際、CPU22は、まず、環境設定用ダイアログボック
スをディスプレイ17上に表示する。
【0098】図16に模式的に示したように、環境設定
用ダイアログボックスには、第2環境情報ファイルに記
憶されるべき各データを入力できるデータ入力表示領域
が設けられており、検査者は、キーボードを用いて、各
データを入力し、“終了”ボタンを選択する。“終了”
ボタンが選択されたことを検出した場合、CPU22
は、入力された各データに基づき、第2環境情報ファイ
ルの内容を書き換えて、以後、その内容に従って動作す
る。
【0099】次に、“判定結果・保存画像印刷”ボタン
が選択された場合の、CPU22の動作を説明する。
“判定結果・保存画像印刷”ボタンが選択された際、C
PU22は、図14に示した検索条件入力用ダイアログ
ボックスを表示する。その後、“検索実行”ボタンが選
択されたことを検出した際に、判定結果を印刷するのか
保存画像を印刷するのかを選択させるためのダイアログ
ボックスを表示する。そして、判定結果を印刷すること
を指示された場合には、第2判定結果ファイル中の検索
条件に合致するデータを抽出して、プリンタ14に出力
する。一方、保存画像を印刷することが指示された際に
は、図17に示す画面をディスプレイ17上に表示す
る。
【0100】検査者は、“次を表示”、“前を表示”ボ
タンを選択しながら、印刷すべき画像に対応するチェッ
クボックス80をマウスでクリックしていく。そして、
印刷すべき画像に対応するチェックボックス80をマー
クした後に、“印刷実行”ボタンを選択する。“印刷実
行”ボタンが選択されたことを検出したCPU22は、
マークされたチェックボックス80に対応する画像情報
だけをプリンタ14に出力する。
【0101】このように、実施形態の光学検査装置は、
顕微鏡の対物レンズをのぞく作業と、机の上で判定結果
を入力する作業を同一画面上で処理できるので、作業者
の視覚的負担が著しく軽減することになる。また、検体
情報とともに出力された画像を見ながら同時に判定結果
の入力が行えるため、単純な入力ミスが生ずることがな
い。また、複数の作業者が代わる代わる顕微鏡を覗くと
いったことを行わなくとも、複数の作業者による判定が
可能である。したがって、2重チェックをする必要が無
くなる分だけ、作業時間は短くなる。
【0102】そして、比較するための画像を、判定すべ
き画像と同時に表示させることができるので、従来、正
確な判定が困難であった限界希釈法などの定量作業を、
正確に行うことができる。また、記憶に頼ることなく判
定が行えるため、複数のウェル内の検体を繰返し観測す
るといった作業も不要である。このため、判定時間が大
幅に短縮される。その結果として、判定作業に要する労
力を大幅に省けるだけではなく、励起光による検体の減
光も抑えられることになり、極めて再現性良く蛍光量を
定量することが可能となる。しかも、実施形態の光学検
査装置は、顕微鏡に、コンピュータシステムとCCDカ
メラとその周辺機器を付加するだけで構成することがで
きるので、比較的安価に製造できる。
【0103】なお、実施形態の光学検査装置では、8×
12個のウェルを備えたスライドプレートを使用する装
置として構成してあるが、他の形状のスライドプレート
をも使用できるようにしても良いことは当然である。こ
の場合、使用する各スライドプレートの形状を記憶させ
ておくとともに、プレートコードにそのスライドプレー
トの形状を表す情報を含ませておくか、スライドプレー
トの形状を表す情報を別途与えられるように装置を構成
する。
【0104】また、実施例の光学検査装置は、通常、2
個の保存画像と、CCDカメラからのNTSC信号に応
じた画像が表示されるように構成してある。しかし、保
存画像の表示サイズを小さくするか、使用頻度の少ない
ボタンを画面上に表示させないようにすることによっ
て、3個以上の保存画像がディスプレイ上に表示される
ようにしても良い。さらに、NTSC信号に応じた画像
の代わりに、NTSC信号に基づき生成されたRGB画
像が、ディスプレイ上に表示されるようにすることもで
きる。また、電動の試料ステージの代わりに、手動の試
料ステージに位置を検出するためのセンサを設けたもの
を用い、そのセンサからのデータに応じて検体情報が表
示されるように光学検査装置を構成することもできる。
また、蛍光顕微鏡の代わりに、通常の顕微鏡を用いて間
接酵素抗体法による検査を行う装置としても良いことは
当然である。
【0105】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の光
学検査装置では、検体の拡大像とその検体に関する検体
情報が、たとえば、CRTなどに同時に表示される。従
って、本光学検査装置によれば、CRTなどに表示され
る内容を観察するだけで検査を行うことができるので、
観察者の視覚的負担が少ない状態で、蛍光抗体法などに
よる検査を実現できることになる。また、複数の観察者
による同時判定が可能であるため、従来、ひとりの観察
者の主観に頼っていた判定を、より客観化することがで
きる。また、観察者は、現在観察中の検体に関する情報
(例えば患者名、検体稀釈率、採血日など)を確認しつ
つ、検体の染色パターンなどの判別が行えるので、検体
がどのようなサンプルであるのかを、別の記録紙などと
照らし合わせる必要が無い。従って、スライドプレート
を用いた観察が極めて効率的に行えることになる。
【0106】また、過去に観測を行った検体に関する画
像情報と、判定を行うべき画像情報とが、並列的に表示
されるように光学検査装置を構成した場合には、過去に
測定を行った検体に関する画像情報を基準として、新た
な検体の判定を行えることになる。このため、この光学
検査装置によれば、判定ミスが生ずることを防止できる
ことになる。
【0107】さらに、判定結果が検体情報と関係づけて
記憶されるように光学検査装置を構成した場合には、判
定結果の入力を紙面上で行なう必要が無くなるので、検
査が著しく容易に行えることになる。また、判定結果を
誤った検体に関連づけて記録してしまうといった単純な
ミスの発生を防止できることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による光学検査装置の構成
図である。
【図2】実施形態の光学検査装置が備えるディスプレイ
の動作内容を説明するための模式図である。
【図3】実施形態の光学検査装置で用いられるスライド
プレートの形状を示す図である。
【図4】実施形態の光学検査装置が動作時に参照する検
体情報ファイルの構成を示す模式図である。
【図5】検体情報ファイル作成用のエディタプログラム
の動作を説明するための図である。
【図6】実施形態の光学検査装置が表示する情報入力・
表示画面を示した図である。
【図7】実施形態の光学検査装置が動作時に参照する第
1環境情報ファイルの構成を示した模式図である。
【図8】実施形態の光学検査装置が動作時に参照する第
2環境情報ファイルの構成を示した模式図である。
【図9】実施形態の光学検査装置において表示されるプ
レートコード入力用ダイアログボックスの概要を示した
図である。
【図10】実施形態の光学検査装置において表示される
確認用ダイアログボックスの概要を示した図である。
【図11】実施形態の光学検査装置が作成する作業用テ
ーブルの概要を示した図である。
【図12】実施形態の光学検査装置において画像保存を
選択した際に表示されるダイアログボックスの概要を示
した図である。
【図13】実施形態の光学検査装置においてダイレクト
ウェル指定を選択した際に表示されるダイアログボック
スの概要を示した図である。
【図14】実施形態の光学検査装置において表示される
検索条件入力用ダイアログボックスの概要を示した図で
ある。
【図15】実施形態の光学検査装置において、検索実行
を指示した際に表示される画面を示した図である。
【図16】実施形態の光学検査装置において表示される
環境設定用ダイアログボックスを示した図である。
【図17】実施形態の光学検査装置において、判定結果
・保存画像印刷を指示した際に表示される画面を示した
図である。
【図18】スライドプレートの斜視図である。
【符号の説明】
11 マウス 12 キーボード 13 バーコードリーダ 14 プリンタ 15 蛍光顕微鏡 16 CCDカメラ 17 ディスプレイ 18 制御装置 20 試料ステージ 21 ステージ用インタフェース 22 CPU 23 ディスプレイコントローラ 24 画像処理回路 25 入力機器用インタフェース 26 ROM 27 RAM 28 記憶装置 29 プリンタ用インタフェース

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報および文字情報を表示するため
    の表示手段と、 所定の観察位置に存在する物体の拡大像に応じた画像情
    報を出力する観測手段と、 複数個のウェルが設けられたスライドプレートを保持す
    るとともに、そのスライドプレートの各ウェルを、前記
    観測手段の観測位置に移動させるための保持移動手段
    と、 この保持移動手段に保持された前記スライドプレートの
    ウェル内に用意された検体に関する文字情報である検体
    情報をウェル毎に記憶する検体情報記憶手段と、 前記観測手段の観測位置に存在する前記スライドプレー
    トのウェルを指定するウェル指定手段と、 前記観測手段によって出力される画像情報と、前記ウェ
    ル指定手段によって指定されたウェルに関した前記検体
    情報記憶手段に記憶されている検体情報とを前記表示手
    段に表示する表示制御手段とを備える光学検査装置。
  2. 【請求項2】 画像情報および文字情報を表示するため
    の表示手段と、 所定の観察位置に存在する物体の拡大像に応じた画像情
    報を出力する観測手段と、 複数個のウェルを有するスライドプレートを保持すると
    ともに、そのスライドプレートの各ウェルを、前記観測
    手段の観測位置に移動させるための保持移動手段と、 この保持移動手段に保持された前記スライドプレートの
    ウェル内に用意された検体に関する文字情報である検体
    情報をウェル毎に記憶する検体情報記憶手段と、 観測を行うウェルを指定するウェル指定手段と、 このウェル指定手段によって指定されたウェルが前記観
    測手段の観測位置に移動するように、前記保持移動手段
    を制御する移動制御手段と、 前記観測手段によって出力される画像情報と、前記ウェ
    ル指定手段によって指定されたウェルに関して前記検体
    情報記憶手段に記憶されている検体情報とを前記表示手
    段に表示する表示制御手段とを備える光学検査装置。
  3. 【請求項3】 画像情報および文字情報を表示するため
    の表示手段と、 所定の観察位置に存在する物体の拡大像に応じた画像情
    報を出力する観測手段と、 複数個のウェルと、バーコードが表示された領域とを有
    するスライドプレートを保持するとともに、そのスライ
    ドプレートの各ウェルを、前記観測手段の観測位置に移
    動させるための保持移動手段と、 それぞれ、1つのスライドプレートの各ウェルに用意さ
    れている検体に関する検体情報がウェル毎に記憶された
    複数の検体情報ファイルを、対象とするスライドプレー
    トに表示されているバーコードに対応づけて記憶する検
    体情報ファイル記憶手段と、 前記保持移動手段に保持されるスライドプレートに表示
    されたバーコードの内容を読みとるバーコード読取手段
    と、 観測を行うウェルを指定するウェル指定手段と、 このウェル指定手段によって指定されたウェルが前記観
    測手段の観測位置に移動するように、前記保持移動手段
    を制御する移動制御手段と、 前記観測手段によって出力される画像情報と、前記バー
    コード読取手段によって読みとられたバーコードに対応
    して前記検体情報ファイル記憶手段に記憶されている検
    体情報ファイル中に、前記ウェル指定手段によって指定
    されたウェルに関して記憶されている検体情報とを前記
    表示手段に表示する表示制御手段とを備える光学検査装
    置。
  4. 【請求項4】 さらに、前記観測手段によって出力され
    る画像情報をウェル毎に記憶する画像情報記憶手段と、 この画像情報記憶手段内に記憶されている画像情報を指
    定する画像情報指定手段を備え、 前記表示制御手段は、前記観測手段によって出力される
    画像情報と、前記検体情報と、前記画像情報記憶手段内
    に記憶されている、前記画像情報指定手段によって指定
    された画像情報とを前記表示手段に表示することを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の光学
    検査装置。
  5. 【請求項5】 さらに、前記観測手段によって出力され
    る画像情報をウェル毎に記憶する画像情報記憶手段を備
    え、 前記表示制御手段は、前記観測手段によって出力される
    画像情報と、前記検体情報と、前記画像情報記憶手段内
    に記憶されている、前記観測手段によって前回観測され
    たウェルに関する画像情報とを前記表示手段に表示する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の光学検査装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記観測手段によって出力され
    る画像情報に関する判定結果を入力する入力手段と、 この入力手段によって入力された判定結果を、前記観測
    手段の観測対象となっている検体に関する検体情報と関
    係づけて記憶する判定結果記憶手段とを備えることを特
    徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光
    学検査装置。
  7. 【請求項7】 前記観測手段は、物体の拡大像を出力す
    る顕微鏡と、その拡大像に応じた画像情報を出力するカ
    メラとからなることを特徴とする請求項1ないし請求項
    6のいずれかに記載の光学検査装置。
  8. 【請求項8】 前記顕微鏡が、蛍光顕微鏡であることを
    特徴とする請求項7記載の光学検査装置。
JP8519096A 1996-04-08 1996-04-08 光学検査装置 Pending JPH09281108A (ja)

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