JP2011503108A - 医療グレードシアノアクリレートの単一バイアル製剤 - Google Patents

医療グレードシアノアクリレートの単一バイアル製剤 Download PDF

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Abstract

アルキルシアノアクリレート組成物、ならびに、高純度モノマー出発原料を用い、より粘性の高いオリゴマーを形成し、可塑剤および抑制剤と組み合わせて、単一容器の貯蔵安定性のよい医療用シアノアクリレートを得る、これらの組成物の製造方法。

Description

(関連出願の相互参照)
この出願は、2007年11月12日出願の「Single Vial Formulation For Medical Grade Cyanoacrylate」という名称の米国仮出願第60/987,349号の優先権を主張するものである。
本発明は、4個以上のアルキル炭素原子のアルキル鎖長を有するアルキルシアノアクリレートを用いた、血管の動脈瘤の塞栓を形成するか、あるいは体腔または身体管腔を閉塞するのに有用な貯蔵安定性のよいシアノアクリレートに関する。本発明は、また、in vivoで有用なシアノアクリレートの単一バイアル製剤、および、そのような単一バイアル製剤に適したシアノアクリレートモノマーの製造方法にも関する。
脳動脈瘤は、脳内血管の壁の風船状の膨らみである。このように血管の壁が弱まると、しばしば、それが破裂し、出血して死に至る結果となる。脳動脈瘤は65才以上の人において起こることが多く、それは、人口の5%にも達する。喫煙や高血圧は、脳動脈瘤を発症する可能性を著しく増大させるようである。米国では毎年約30,000人が脳動脈瘤と診断されている。しかしながら、表に出ない、そうとは診断されてない脳動脈瘤を有する人が4500万人も米国にいると推定される。この数は、年齢とともに増大すると予想される。
動脈瘤は、直接(頭蓋)手術または血管内アプローチにより治療することができる。全身麻酔下での直接手術は、頭蓋骨を切開し、動脈瘤の頚部を特定することによって実施される。この頚部は、正常な血管と弱い風船状になった動脈瘤との接点である。可能であれば、この領域に渡って留め具を配置する。この処置は頭蓋手術を伴うが、それには時間がかかり、数日の入院を必要とする。
やはり全身麻酔の下で行われる血管内手術は、X線誘導下、脚の動脈の血管から動脈瘤中へ細い管、すなわちカテーテルを入れることによって実施される。動脈瘤に充填するために、小さい白金コイルが使用される。患者の選定は、個々の患者および動脈瘤の解剖学的構造に基づく。血管内にコイルを配置するのに最大で3〜5時間かかることがあり、多数(6〜12個)のコイルを配置することが必要になることがある。
本明細書で開示される組成物および方法の登場によって、シアノアクリレート組成物による塞栓は、チタンコイルの配置に対する実用的な代替手段となり、これによって、手術時間が短縮され、より良好な結果が得られる。
米国特許第6,037,366号(この全体を本明細書に組み込む)は、2つの別個の成分を投与直前に混合することを含む、シアノアクリレート組成物を開示している。
成分Iは、高純度リン酸(250ppm)、ハイドロキノン(100ppm)および4−メトキシフェノール(1200ppm)を含むシアノアクリレート液体モノマーからなる。この成分は安定であり、2年以上変化しない。長期間保存しても安定であるが、そのような安定性を実現できるためには、成分Iを保存する容器は、洗浄し、準備する必要がある。成分Iで使用するのに好ましい液体モノマーは2−ヘキシルシアノアクリレートである。
成分IIは、高純度の粉金、少量の同じシアノアクリレートの部分ポリマーおよび可塑剤からなる。好ましい可塑剤はミリスチン酸エチルであるが、この製剤では、どの液状長鎖脂肪酸エステルでも機能する。この特許は、シアノアクリレートの部分ポリマーは不安定であり、固体状態であっても、その構造や特性が変化することを開示している。さらに、この特許は、その変化が指数関数的であり、劣化が起きる前の限られた時間内にポリマーを使用しなければならないことを開示している。
米国特許第6,476,069号(この全体を本明細書に組み込む)は、モノマー成分および第2の成分として調製され、保持されるシアノアクリレート組成物を開示している。この2つの成分は、使用時に混合される。
モノマー成分は、アルキルシアノアクリレートと少なくとも1つの抑制剤であることができる。開示されているモノマー成分の例は、シアノアクリレートモノマーと少なくとも1つの抑制剤からなるものである。一例では、モノマー成分は、2−ヘキシルシアノアクリレート、ハイドロキノン、4−メトキシフェノールおよびリン酸を含む。
第2の成分は、アルキルシアノアクリレートポリマー材料と混合された、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムなどの不透明化物質、およびミリスチン酸エチルなどのエステル化脂肪酸を含む組成物であることができる。モノマー成分および第2の成分は別々の容器に入れられ、塞栓剤として使用する直前に混合される。
米国特許第6,476,070号(この全体を本明細書に組み込む)は、Neuracryl Mという名称で知られる発明を開示している。このNeuracryl M1はモノマー成分に対応し、Neuracryl M2は金コーティングした2−ヘキシルアクリレートを構成する第2の成分に対応する。Neuracryl Mは、1.25mlのNeuracryl M1のガラスアンプルと、Neuracryl M2(2−ヘキシルシアノアクリレート、エステル化脂肪酸および金粒子の混合物)のゴム栓付きガラスバイアルとからなる二液型の塞栓剤である。使用前に、Neuracryl M1バイアルの内容物をNeuracryl M2を含むバイアルに注入し、混合するまで、その2つを一緒に徹底的に振り混ぜる。金粒子とエステル化脂肪酸を使用して、重合を抑制し、放射線不透過性にする。成分の分離や汚染を回避するために、使用直前まで2つの成分は混合しなかった。
米国特許第RE39,150号(この全体を本明細書に組み込む)は、2つの別々の容器の材料を、それを投与する直前に混合することを含むシアノアクリレート組成物を開示している。その組成物は、2つのパートに分かれた7つの成分を含んでおり、これを混合して使用する。
上記特許に開示されている塞栓剤は、2つのバイアル製剤を必要とする。臨床使用直前に、2つのバイアルの内容物を混合して、塞栓剤を形成する。2つのバイアル製剤から形成した塞栓剤は直ちに使用しなければならない。あるいは、一部の人は、溶媒中に溶解した、完全に重合した材料(シアノアクリレートを含む)からなる塞栓治療のための組成物を提案している。これらの液剤は、使用部位でポリマーを析出させるために、注入後に溶媒(例えば、DMSO)を分散させることが必要である。使用時の混合には、通常、約30分必要である。患者には相当な量の溶媒が施され(これにはリスクが伴う)、析出プロセスは十分に制御することができず、析出した生成物は満足できるものではない。
本発明者らは、今、血管塞栓および他の関連する使用のための重合性シアノアクリレート剤に関する組成物および方法を開発した。これらは、少なくともある実施形態では、以下の望ましい特性、すなわち、適切な凝集性、堅牢なゴム状の成形物、放射線不透過性、被験者が十分に許容できるものであること、および/または、貯蔵安定性のよい単一バイアル製剤として製造し、パッケージできることの1つ以上を有する。
本明細書で開示される一実施形態は、人体に、または人体中に適用するのに適した医療グレード組成物であって、
(a)重合性アルキルシアノアクリレートモノマーまたはオリゴマーと、(b)少なくとも1つの重合抑制剤と、(c)造影剤と、(d)可塑剤との混合物を含み、
この組成物が単一容器中に封入されており、室温で1カ月以上安定であり、in vivoで重合するようにされている医療グレード組成物を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、式(I):
Figure 2011503108
(式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルである。)
のアルキルシアノアクリレートモノマーを調製する方法であって、
(a)触媒の存在下、ホルムアルデヒドと式(1−A):
Figure 2011503108
(式中、Rは、式Iにおいて上記に定義した通りである。)
の化合物とを反応させて、アルキルシアノアクリレート部分ポリマーを生成するステップと、
(b)4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第1の抑制剤をアルキルシアノアクリレート部分ポリマーに加えるステップと、
(c)このアルキルシアノアクリレート部分ポリマーをクラッキングして、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第2の抑制剤が入っている容器中に、クラッキングされたアルキルシアノアクリレートを得るステップと、
(d)(c)のクラッキングされたアルキルシアノアクリレートを蒸留して、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第3の抑制剤が入っている容器中に、アルキルシアノアクリレートモノマー留出物を得るステップと、
(e)アルキルシアノアクリレートモノマー留出物から第3の抑制剤を除去するステップと
を含む方法を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、
(a)アルキルシアノアクリレートモノマーを光化学的に処理して、約5センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを生成するステップと、
(b)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを、可塑剤および抑制剤を含む可塑剤溶液と組み合わせて、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を得るステップと
を含む単一容器中の医療グレードアルキルシアノアクリレート組成物を調製する方法を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤を調製する方法であって、
(a)約3センチポアズ〜約5センチポアズの粘度を有する、式(I):
Figure 2011503108
(式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルである。)
のアルキルシアノアクリレートモノマーに放射線を照射して、モノマーを部分重合することによって形成した、約10センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを準備するステップと、
(b)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤および抑制剤と組み合わせて、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を得るステップと、
(c)得られる単一容器アルキルシアノアクリレート製剤が、室温で1カ月以上安定であり、in vivoで重合するようになるように、得られたアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を単一容器中に入れるステップと
を含む方法を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、(a)アルキルシアノアクリレートオリゴマーと、(b)少なくとも1つの抑制剤と、(c)不透明化剤と、(d)可塑剤とを含む組成物であって、
アルキルシアノアクリレートオリゴマーがアルキルシアノアクリレートモノマーから調製されており、
この組成物が単一容器中にあって、1カ月以上安定であり、
この組成物がアニオン性環境と接触すると、重合して凝集構造を形成する組成物を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、
(a)組成物の30重量%〜50重量%を占める、約15センチポアズ〜約500センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーと、
(b)組成物の10重量%〜30重量%を占める可塑剤混合物と、
(c)組成物の30重量%〜50重量%を占める不透明化剤と
を含み、
この組成物が単一容器中にあって、1カ月以上安定である組成物を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、塞栓剤を調製する方法であって、
(a)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤溶液と混合して、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤溶液を得るステップと、
(b)このアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤溶液を、単一容器中で、不透明化剤と組み合わせて、滅菌前の混合物を得るステップと、
(c)この滅菌前の混合物を不活性雰囲気下で貯蔵するステップと、
(d)この滅菌前の混合物が入っている単一容器を、滅菌前の混合物を滅菌するのに十分な温度に加熱するステップと
を含み、
前記アルキルシアノアクリレートオリゴマーが約15センチポアズ〜約500センチポアズの粘度を有し、
この塞栓剤が1カ月以上安定である方法を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、体腔を再形成するための製剤であって、
最大で約50重量%の量のアルキルシアノアクリレートと、
最大で約30重量%の量の、アシルトリアルキルシトレート、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄およびそれらの組合せからなる可塑剤混合物と、
最大で50重量%の量の不透明化剤、但し、この造影剤は、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムからなる群から選択される、
を含み、
単一バイアル中、室温で少なくとも30日間貯蔵した時に化学的および物理的に安定である製剤を含む。
本明細書で開示される一実施形態は、単一容器中の体腔を再形成するための製剤、および、この塞栓治療薬を身体管腔内に導入するように構成されたカテーテルまたはシリンジを含む、身体管腔に塞栓を形成するためのキットであって、書面による説明書または資料を含むキットを含む。
過去において、動脈瘤を塞栓するための、また、体内の他の空間に充填するためのアルキルシアノアクリレートが提案されているが、このような従来の研究努力によっても、そのような生成物および方法の一般的な臨床治療への利用可能性はもたらされていない。これは、一部は、2つの成分を使用前に、その場で混合しなければならないこと、または、相当な量の溶媒に溶解させたシアノアクリレートポリマーを注入しなければならないことなどの製剤の欠点のためである。当業界での予想および一般的な理解に反して、本発明者らは、医学的に有用な重合性アルキルシアノアクリレートの製剤を単一バイアル中に調製して、1カ月以上保存できることを見出した。本発明のある実施形態は、少なくとも1つのアルキルシアノアクリレートモノマーのオリゴマー、少なくとも1つの抑制剤、不透明化剤および可塑剤を含む単一バイアル製剤を含む組成物を提供する。
ある実施形態では、そのオリゴマー成分は、1つまたは複数のアルキルシアノアクリレートオリゴマー、および少なくとも1つの抑制剤であってよい。好ましい実施形態では、そのオリゴマー成分は、n−ヘキシルシアノアクリレートであってよい。好ましい実施形態では、その組成物は複数(例えば、3つ)の抑制剤を含むことができ、例えば、その抑制剤は、ハイドロキノン、4−メトキシフェノールおよびリン酸であってよい。典型的な実施形態では、その抑制剤は、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、4−メトキシフェノールおよび二酸化硫黄(SO)であってよい。
ある実施形態は、アルキルシアノアクリレートモノマーを結晶形に精製する方法を含むことができる。ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートを精製する方法は、約95%以上の純度を有するアルキルシアノアクリレートモノマーを提供することができる。好ましい実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーは約97%以上の純度を有する。より好ましい実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーは約98%以上の純度を有する。特に好ましい実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーは少なくとも99%の純度である。
ある実施形態は、実質的に純粋なアルキルシアノアクリレートモノマーまたはオリゴマーを含む。例えば、アルキルシアノアクリレートモノマーは、約95%以上の純度に精製したメチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、2−ヘキシルシアノアクリレートまたは2−オクチルシアノアクリレートであってよい。好ましい実施形態では、メチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、2−ヘキシルシアノアクリレートまたは2−オクチルシアノアクリレートを約97%以上の純度まで精製することができる。より好ましい実施形態では、メチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、2−ヘキシルシアノアクリレートまたは2−オクチルシアノアクリレートを約98%以上の純度まで精製することができる。最も好ましい実施形態では、メチルシアノアクリレート、n−ブチルシアノアクリレート、イソブチルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、2−ヘキシルシアノアクリレートまたは2−オクチルシアノアクリレートを約99%以上の純度まで精製することができる。ある一態様では、アルキルシアノアクリレートモノマーをその結晶形で単離することができる。
アルキルシアノアクリレートモノマーから製造される製剤の安定性は、使用するモノマーの純度と関連することがある。これらの特性としては、これらに限定されないが、重合速度、および貯蔵中のモノマーの安定性が挙げられる。実質的に純粋なアルキルシアノアクリレートの利点は、実質的に純粋なアルキルシアノアクリレートを含む組成物が、そうでない場合は同じ添加剤をより多量に必要とするであろう、所望の結果を得るために、必要とする添加剤、例えば抑制剤、安定剤などがより少量でよい場合があることである。この利点による利益は、使用する材料をより少なくできることによるコスト削減である。他の利益は、その組成物が、量的により少量の添加剤を含むことになることである。これは、製品を市場に出す前に、米国食品医薬品局、または同様の政府機関による規制認可を受けようとする、あらゆる組成物にとって望ましい結果である。この生成物が貯蔵安定性のよい製剤を形成できることは、非常に重要である。
従来技術が、アルキルシアノアクリレートの単一バイアル製剤、特に、アルキル鎖中に4個、5個、6個、またはそれ以上の炭素を有するアルキルシアノアクリレートモノマー(または、本発明の一部の実施形態の場合ではオリゴマー)を含む製剤を提供することができないのは、アルキルシアノアクリレートモノマーの安定性のためであると考えられる。したがって、本発明のある一態様は、適当な高純度のモノマー、および、そのモノマーのオリゴマーを含む、または、それから製造された単一バイアル製剤を提供する。
ある実施形態は、部分的に重合されたシアノアクリレートオリゴマーを含む組成物を含む。本発明者らは、アルキルシアノアクリレートモノマーを部分重合させるために紫外線を使用すると、貯蔵寿命が長い単一バイアル製剤に特に適した有利な生成物プロファイルが得られることを見出した。
ある実施形態は、その重合速度が予測可能であり、未反応モノマー(「プレポリマー」)組成物がより安定であるアルキルシアノアクリレートモノマーを提供することができる。当業者であれば、所望の用途のため、または、所望の重合特性を有するモノマー組成物を調製するために、適切な重合特性を有するモノマーを選択することができる。従来の化学的方法を用いて精製することが困難であるため、これまで、アルキルシアノアクリレート(特に4個、5個、6個、またはそれ以上の炭素からなるアルキル鎖を有するもの)は実質的に純粋な形態で得ることはできなかった。さらに、これらの方法の大部分は、アルキルシアノアクリレートを分解させるか、または自然重合させる条件を必要とする。従来、そのような所望の鎖長(例えば4個、5個、特に6個の炭素のアルキル基)を有する実質的に純粋なアルキルシアノアクリレートモノマーは、通常、得ることができなかった。
本発明の他の実施形態は、in vivoで、充填されていない体積または空間を充填する、閉塞させる、部分的に充填する、または部分的に閉塞させる方法を提供することができる。本明細書で開示される組成物を動脈瘤に充填するための塞栓剤として使用することが特に好ましい。
定義
本明細書で用いる「アルキルシアノアクリレート」という用語は、式I:
Figure 2011503108
のシアノアクリレートモノマーをベースとした粘着性化合物またはその混合物を指す。
式中、Rは、1〜16個の炭素原子を含有するアルキルからなる群から選択される。そのようなシアノアクリレートの部分ポリマー(すなわち、オリゴマー)もこの定義に包含される。好ましいRアルキル基は4〜8個の炭素原子であり、例として、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、n−オクチルおよび2−オクチルが挙げられる。より好ましくは、Rはn−ヘキシル、2−ヘキシル、イソブチル、2−ヘプチルおよび2−オクチルであり、最も好ましくは、Rはn−ヘキシルである。
本明細書で用いる「部分ポリマー」または「オリゴマー」という用語は、二量体、三量体、四量体などの数個のモノマー単位だけからなるポリマー、またはそれらの混合物を表す。部分ポリマー中の平均モノマー数は、一般に、最大で約10であってよく、または、重合を続ける場合、モノマー単位の数は、有利には、10〜100であってよい。「部分ポリマー」または「オリゴマー」はさらに重合してポリマーを形成することができる。
本明細書で用いる「ポリマー」という用語は、繰り返し構造単位またはモノマーからなる高分子量を有する分子からなる物質を表す。「ポリマー」は、重合が起こった特定の製剤において重合の限界に一般にあり、重合が実質的に完了しているものと定義される。これは、組成物を部分重合させて調製することができ、実質的にさらなる重合が可能である「部分ポリマー」または「オリゴマー」とは異なるものである。
本明細書で用いる「アルキル」という用語は、炭素原子が直鎖状または分岐状であってよい1〜16個の炭素原子を含有する炭素鎖を指す。
本明細書で用いる「低級アルキル」という用語は、炭素原子が直鎖状または分岐状であってよい1〜8個の炭素原子を含有する炭素鎖を指す。低級アルキル基の例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、n−オクチルおよび2−オクチルが含まれる。
本明細書で用いる「分岐アルキル」という用語は、その炭素鎖が少なくとも1つの第二級または第三級置換炭素原子を含む1〜16個の炭素原子を含有する炭素鎖を指す。
本明細書で用いる「分岐低級アルキル」という用語は、その炭素鎖が少なくとも1つの第二級または第三級置換炭素原子を含む1〜8個の炭素原子を含有する炭素鎖を指し、例えば2−ヘキシル、イソブチル、2−ヘプチルおよび2−オクチルである。
本明細書で用いる「生体適合性可塑剤」という用語は、アルキルシアノアクリレートに溶解できるか、または分散できるものであり、得られる皮膚表面上のポリマーコーティングの可撓性を向上させ、かつ、皮膚の炎症がないことで判定される、皮膚に対する適合性がある材料すべてを指す。適切な可塑剤は当業界で周知であり、米国特許第2,784,127号、同第4,444,933号に開示されているものが挙げられる。この両方の特許の開示は、その全体を参照により本明細書に組み込む。具体的な可塑剤としては、単なる例としてであるが、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリアルキルアシルシトレート、ジ−およびポリ−ヒドロキシ分岐脂肪族化合物の安息香酸エステル、トリ(p−クレシル)ホスフェートなどが挙げられる。使用される可塑剤は、有利には、皮膚の炎症を起こさないように選択される。本発明で使用するのに好ましい可塑剤は、各アルキル基において1〜10個の炭素原子を独立に有するアシルトリアルキルシトレートである。例えば、アシルトリアルキルアシルシトレートとしては、これらに限定されないが、トリメチルO−アセチルシトレート、トリエチルO−アセチルシトレート、トリ−n−プロピルO−アセチルシトレート、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ペンチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−アセチルシトレート、トリ−メチルO−プロピオニルシトレート、トリ−エチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−プロピルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ブチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ペンチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−プロピオニルシトレート、トリ−メチルO−ブチリルシトレート、トリ−エチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−プロピルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ブチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ペンチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−ブチリルシトレートなどが挙げられる。典型的な可塑剤はトリ−n−ブチルO−アセチルシトレートである。
本明細書で用いる「アニオン性環境」という用語は、OH−などの遊離アニオンを有する環境を指す。水や、血液などの他の水性媒体中のアニオンは、シアノアクリレートの重合に触媒作用を及ぼすことがある。
本明細書で用いる「粘着(癒着)」または「粘着性」という用語は、ある材料が第2の材料の表面に引き付けられる特徴または傾向を意味する。粘着は、2つの材料間の相互作用の結果として生じる。第1の材料に対する第2の材料の特徴によって、粘着が起こることもあり、起こらないこともある。
本明細書で用いる「凝集」または「凝集性」という用語は、1つの材料が互いに粘着する特徴または傾向を意味する。例えば、静止流体、または血液などの動いている流体の中に導入されたとき、単一の塊としてそのまま残存する材料または組成物がこの特徴を示す。凝集結合性が無いと、組成物が多くの小さいサブユニットに分裂してしまうことになる。
本明細書で用いる「微粒子」という用語は、200メッシュ(0.075mm)以下、好ましくは400メッシュ以下の小さい粒子を意味する。
本明細書で用いる「アルキルエステル化脂肪酸」という用語は、ミリスチン酸エチルなど、アルキル基を有するエステル官能基を形成するように誘導体化された脂肪酸を意味する。これらの化合物は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチルなどのアルキル基、および1個の炭素(すなわち酢酸)から17個の炭素原子までの長さのアルキル側鎖を有するカルボン酸、例えばプロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などで形成される。
本明細書で用いる「不透明化剤」という用語は、放射線を選択的に吸収または反射し、X線、またはMRIや超音波などの他のタイプの画像診断技術において材料を可視化する化合物または組成物である。一般に、X線造影剤としては、ヨード化油および臭素化油、ならびにPantopaque、LipiodolおよびEthiodolなどの市販されている組成物が挙げられる。これらの市販の組成物は、不透明化剤として作用し、また、液体モノマーの量を希釈し、それによって重合速度を低下させる。さらに、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムなどの特定の金属は、それらが不透明化剤として作用できるようにする特性を有する。これらの不透明化剤、特に金属は、滑らかで、規則正しい、好ましくは球状の形態を有することが好ましい。これによって、最終生成物の粘度および流動性を向上することができる。
本明細書で用いる「重合」という用語は、モノマー単位または部分ポリマー単位が他のモノマー単位または部分ポリマー単位と化学的に反応して、そのモノマー単位または部分ポリマー単位を含むより大きな集合体を形成する化学的プロセスを指す。
本明細書で用いる「完全重合」という用語は、モノマー単位、部分ポリマー単位またはオリゴマーが化学的に反応して、実質的にさらに炭素鎖伸長重合しないポリマーを形成する化学的プロセスを指す。
本明細書で用いる「ポリマー」という用語は、共有結合により結合した繰り返し構造単位またはモノマーからなる高分子量を有する分子からなる物質を指す。
本明細書で用いる「部分ポリマー」という用語は、共有結合により結合した繰り返し構造単位またはモノマーからなる物質であって、その物質がさらに炭素鎖伸長重合してポリマーを形成することができる物質を指す。
本明細書で用いる「空間」という用語は、患者の体内の充填されていない体積または空隙を指す。
本明細書で用いる「安定性」という用語は、化合物または製剤が、調製後、使用前に、分解または重合しない能力を指す。
本明細書で用いる「抑制剤」という用語は、重合を抑制することによって、アルキルシアノアクリレートモノマーまたはアルキルシアノアクリレート単一バイアル製剤を安定化させる薬剤を指す。本発明の関連においては、この用語は、少なくとも1つのメカニズムによって、重合を安定化または抑制する固有の薬剤を指す。1つまたは複数の抑制剤の量を変えることによって、重合速度を制御することができる。抑制剤は様々な形式の活性を有する。例えば、ハイドロキノンは主に高エネルギーラジカルを抑制するように作用し、4−メトキシフェノールは主に低エネルギーラジカルを抑制するように作用し、リン酸はアニオン重合の速度に影響を及ぼす。
ある実施形態では、本発明の組成物は、メチル、n−ブチル、イソブチル、n−ヘキシルおよび2−ヘキシルシアノアクリレートなどのアルキルシアノアクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー単位と、ハイドロキノン、4−メトキシフェノールおよびリン酸などの少なくとも1つの抑制剤から形成することができる。好ましい実施形態では、組成物は、血液または組織などのアニオン性環境と接触したときに、ポリマーを形成することができる。
本発明の組成物は、有利には、以下の特性の幾つか、または全てを有することができる。
1)組成物を、単一バイアル中で、重合性成分と不透明化剤の組合せで調製し、相当な長期間保持することができる。
2)組成物は、in vivoで液体状態から固体状態に確実に、かつ予測通りに変化することができる。
3)組成物は、シリンジ、カテーテル、カニューレ、チューブまたは他の同様の機器による投与を可能にするのに十分な低い粘度を有する。
4)組成物は、凝集特性を有しており、血液などの水性流体環境中に投与されたとき、この組成物は単一の重合した構造体(異成分から成る構造体を含む)を形成する。
5)組成物の重合中に放出される熱の速度が十分に小さく、その発熱が、熱に弱いことがある周囲の組織に悪影響を及ぼすことがない。
6)組成物およびその生分解生成物が十分に非組織毒性、かつ非細胞毒性であり、体内に存在していても十分に許容される。
モノマー形態からオリゴマーまたはポリマー形態に変化する時に、シアノアクリレートは熱を発生することがある。放出される熱の量および速度は、過剰な場合、血管に近接する生体組織に対して有害な影響を及ぼすことがある。重合中に放出される熱の量および速度の制御は、この技術の一部の応用分野において重要である。
モノマー成分の調製
本発明のモノマー成分は、スキームAに示すように、対応するアルキルアルコールおよびシアノ酢酸から所望の前駆体エステルを生成させて、所望のアルキルシアノアセテートを得ることによって調製する。この反応の出発原料は、例えば、Sigma−Aldrich Chemical Company、VWR、Fisher、Lancaster、またはFluka Chemical Companyから市販されており、また、当業者に周知の方法にしたがって調製することができる。
Figure 2011503108
式2の化合物は、Rが1〜16個の炭素である、任意のアルキルアルコールであってよい。この化合物としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デカ、ウンデカ、ドデカ、トリデカ、テトラデカ、ペンタデカおよびヘキサデカなどのアルキル基をベースとしたアルコールが挙げられ、上記のアルキル基は直鎖状(例えば、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシル)、または、例えばsec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、イソプロピル、2−ブチル、2−ペンチル、2−ヘキシル、2−ヘプチル、2−オクチルなどの分岐状である。特に有利なアルコールは、「Cyanoacrylate Adhesive Compositions」という名称の米国特許第3,728,375号(この全体を本明細書に組み込む)に開示されているものである。特に好ましいアルコールは、メチルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコールおよび2−ヘキシルアルコールからなる群から選択することができる。
ある実施形態では、約1モル当量の式1の化合物と式2の化合物を、約100ml/モル当量のトルエンなどの溶媒中で混合する。この混合物に、触媒量(約1.0×10−4モル当量)のp−トルエンスルホン酸を加える。混合物を撹拌し、加熱還流する。この調製により、理想的には、約95%の純度レベルで所望のアルキルシアノアセテートを得ることができる。当業者であれば、本発明から逸脱することなく、実験条件を容易に変更することができる。溶媒の選択、反応時間、温度および試薬の選択などの面は十分に当業者の理解の範囲内である。必要であれば、その物質を、多段蒸留や、水抽出、真空蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの当業者に周知の精製技術および方法を用いてさらに精製することができる。アルキルシアノアセテートは、不純物を実質的に含まないことが好ましい。一実施形態では、シアノアセテートは約95%〜約100%の純度を有する。
アルキルシアノアクリレートの調製
所望の本発明のアルキルシアノアクリレートモノマー成分は、スキームBに示すように、アルキルシアノアセテートをクネーベナーゲル反応で反応させて合成することができる。
Figure 2011503108
ある実施形態では、約1モル当量のホルムアルデヒド(式4)(パラホルムアルデヒドから調製される)とピペリジン(約0.33ml/モル当量)を、メタノールなどの溶媒(約166ml/モル当量)中で混合する。この混合物に、約1モル当量のアルキルシアノアセテート(式3)を滴下する。撹拌しながら反応混合物を還流させて、アルキルシアノアクリレートを得る。クラッキングと蒸留により、アルキルシアノアクリレートをモノマーの形態に転換させる。反応混合物を約0.2〜0.7モル当量、好ましくは約0.2〜0.6モル当量の五酸化リンでさらに処理して、所望の精製アルキルシアノアクリレートを得る。式(5)の化合物が重合しないように、この精製ステップは注意深く実施することが望ましい。この目的のために、この系を微量の二酸化硫黄で処理することができ、受け取りフラスコを4−メトキシフェノールで処理することができる。最初のクラッキングおよび蒸留の後、所望のアルキルシアノアクリレートモノマーを、多段蒸留や、真空蒸留、回転バンド蒸留塔などの当業者に周知の他の精製技術を用いてさらに精製することができる。
好ましい一実施形態では、式Iの精製アルキルシアノアクリレートを製造するために、以下の方法を用いることができる。
Figure 2011503108
(式中、Rは4〜10個の炭素原子、好ましくは5〜10個、または5〜8個の炭素原子、最も好ましくは6個の炭素原子を含有するアルキルである。)
合成は、医学的用途のための重合性アルキルシアノアクリレートの単一容器(例えば、単一バイアル)製剤を製造するために使用することができる高純度のアルキルシアノアクリレートが製造されるように行う。反応混合物および生成物を適切な非反応性雰囲気下または真空下に保持し、注意深い実験技術を用いることによって、生成物の汚染、重合および分解を回避するように注意すべきである。
1つの適切な合成スキームは、以下のステップの一部、または全てを含む。
(a)反応器中でパラホルムアルデヒドのプリル(小球)、触媒のアミンおよび第1の溶媒(例えば、メタノール)を混合する。例えば、触媒のアミンは、ピペリジンまたはジエチルアミンなどの第二アミンであってよい。
(b)反応器の内容物を加熱、撹拌して、高純度ホルムアルデヒドを得る(好ましくは約65〜80℃の温度で加熱する)。
(c)反応器に加える熱を低下させる(好ましくは約55℃にする)。
(d)式(1−A):
Figure 2011503108
(式中、Rは、式Iにおいて上記に定義した通りである。)
のシアノアセテート化合物を反応器に加える。
(e)反応器に加える熱を増大させ、ホルムアルデヒドとシアノアセテートとを反応させて、アルキルシアノアクリレートを生成させる(好ましくは約72℃〜約78℃で反応させる)。
(f)蒸留して反応器内にある液体の体積の75%〜95%を留去することにより、アルキルシアノアクリレートから溶媒(例えば、メタノール)を除去し、その後、反応器とその内容物を冷却する。
(g)第1の溶媒を除去した後、第2の溶媒(例えば、トルエン)をフラスコに加えて、フラスコの内容物との混合物を形成する。
(h)残留する第1の溶媒と触媒のアミンの共沸蒸留を含めて、フラスコ内にある溶媒の体積の約85%〜約100%を除去し、その後、反応器とその内容物を冷却する。
(i)4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノンまたはそれらの任意の組合せなどの抑制剤が入っている受け取りフラスコ中に、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーを留出物として回収する。
(j)反応器を真空下に置く。真空度は、好ましくは約5mmHg〜約0.1mmHg、より好ましくは約2mmHg〜約0.5mmHgである。
(k)好ましくは約150℃未満の温度で反応器を加熱して、真空蒸留により残留溶媒を除去する。
(l)反応器の加熱を停止し、反応器とその内容物を冷却する。
(m)アルゴン、窒素、二酸化硫黄およびそれらの組合せなどの非反応性ガスを真空中に導入する。
(n)SOで反応装置を満たす。
(o)反応器を真空下に置く。真空度は、好ましくは約5mmHg〜約0.1mmHg、より好ましくは約2mmHg〜約0.5mmHgである。
(p)反応器を、アルキルシアノアクリレートを気化させるのに十分な高温に加熱する。その温度は、好ましくは200℃以下であり、好ましくは約170℃〜約190℃である。
(q)4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノンまたはそれらの任意の組合せなどの抑制剤が入っている受け取りフラスコ中に、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーを留出物として回収する。
(r)加熱を停止する。
(s)アルゴン、窒素およびそれらの組合せなどの非反応性ガスを真空中に導入する。
(t)SOで反応装置を満たす。
(u)蒸留したアルキルシアノアクリレートを回収した後、例えばAldrich 311332などの抑制剤除去剤を用いて安定剤を除去して、約3センチポアズ〜約8センチポアズ、典型的には約4センチポアズの粘度を有する式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーを得る。
(v)アルキルシアノアクリレート中に、アルゴン、窒素またはそれらの組合せなどの非反応性ガスをバブリングまたはパージして、SOを除去する。
一実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーを処理して、アルキルシアノアクリレートモノマーよりも高い粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを生成することができる。例えば、n−ヘキシルシアノアクリレートモノマーを処理して、n−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーを生成することができる。好ましいオリゴマーは、アルキルシアノアクリレートモノマーを光化学的に処理して、部分的に重合したシアノアクリレートを含み、原料のアルキルシアノアクリレートモノマーより高い粘度を有する混合物を生成することによって得られる。例えば、レオメーターで測定して、有利には、アルキルシアノアクリレートオリゴマーの粘度は、約10センチポアズ〜約1000センチポアズであることができ、そのアルキルシアノアクリレートオリゴマーの原料であるアルキルシアノアクリレートモノマーの粘度は約2センチポアズ〜約5センチポアズであることができる。一般に、オリゴマーは約10センチポアズ〜約50センチポアズの粘度を有する。
典型的な実施形態では、約4センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートモノマーを処理して、約15センチポアズ〜約50センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーを生成する。例示の実施形態では、約4センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートモノマーを処理して、約25センチポアズ〜約30センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーを生成することができる。ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーを光化学的に処理して、アルキルシアノアクリレートオリゴマーを得ることができる。典型的な実施形態では、光化学的処理のために紫外線を用いることができる。例示の実施形態では、紫外線は、さらに重合可能なアルキルシアノアクリレートオリゴマーを生成する、アルキルシアノアクリレートモノマーの非常に制御された重合を可能にする。放射線照射を用いてシアノアクリレートモノマーを重合する幾つかの方法は、米国特許出願公開第20050197421号に開示されている。その全体を参照により本明細書に組み込む。典型的な実施形態では、約4センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートモノマーを紫外線照射により処理して、約15センチポアズ〜約50センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーを生成することができる。他の例示的実施形態では、約4センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートモノマーを紫外線照射により処理して、約25センチポアズ〜約30センチポアズの粘度を有するn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーを生成することができる。ある実施形態では、その紫外線源は水銀灯であってよい。典型的な実施形態では、光化学的処理のために、Ace Glass Incorporatedの光化学反応器中の550ワットの水銀灯が使用される。
製剤
ある実施形態では、本発明のアルキルシアノアクリレート成分を少なくとも1つの抑制剤と混合する。例えば、アルキルシアノアクリレートに適した典型的な抑制剤は、例えば、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、高純度リン酸、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄(SO)、アルキルカルボン酸などであってよい。抑制剤の混合物も使用できる。典型的な実施形態では、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールおよび二酸化硫黄(SO)の2つ以上を、個別に、または組み合わせて使用することができる。
異なる抑制剤は異なる物理的特徴を有しており、その結果、組成物の最終的な特性を変えるように機能する。例えば、ハイドロキノンは高エネルギーラジカルのための抑制剤として用いることができ、4−メトキシフェノールは低エネルギーラジカルのための抑制剤として用いることができ、リン酸は、アニオン重合およびアニオン重合の速度を制御する、または抑制するように作用することができる。
使用する抑制剤の量は、アルキルシアノアクリレートのppm単位であることができる。例えば、n−ヘキシルシアノアクリレートのためには、ハイドロキノンは約50ppm〜約500ppmの範囲であることができ、4−メトキシフェノールは約50ppm〜約500ppmの範囲であることができ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールは約50ppm〜約500ppmの範囲であることができ、SOは約25ppm〜約300ppmの範囲であることができ、リン酸は約125ppm〜約375ppmの範囲であることができる。典型的な実施形態では、ハイドロキノンは約100ppm〜約350ppmの範囲であることができ、4−メトキシフェノールは約100ppm〜約350ppmの範囲であることができ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールは約100ppm〜約350ppmの範囲であることができ、SOは約50ppm〜約250ppmの範囲であることができ、リン酸は約185ppm〜約300ppmの範囲であることができる。より典型的な実施形態では、4−メトキシフェノールは約200ppm〜約300ppmの範囲であることができ、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールは約200ppm〜約300ppmの範囲であることができ、SOは約75ppm〜約125ppmの範囲であることができる。
ある実施形態では、組成物は、金、白金、タンタル、チタン、タングステン、硫酸バリウムなどの不透明化物質、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、および可塑剤を含むことができる。適切な不透明化剤、すなわち造影剤は、例えば米国特許出願公開第20050287216号にさらに開示されている。その全体を参照により本明細書に組み込む。ある実施形態では、可塑剤は、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリアルキルアシルシトレート、ジ−およびポリ−ヒドロキシ分岐脂肪族化合物の安息香酸エステル、トリ(p−クレシル)ホスフェート、およびそれらの組合せなどであってよい。例示の実施形態では、可塑剤は、各アルキル基において1〜10個の炭素原子を独立に有するアシルトリアルキルシトレートであってよい。例えば、アシルトリアルキルアシルシトレートは、トリメチルO−アセチルシトレート、トリエチルO−アセチルシトレート、トリ−n−プロピルO−アセチルシトレート、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ペンチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−アセチルシトレート、トリ−メチルO−プロピオニルシトレート、トリ−エチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−プロピルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ブチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ペンチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−プロピオニルシトレート、トリ−メチルO−ブチリルシトレート、トリ−エチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−プロピルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ブチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ペンチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−ブチリルシトレートなどであってよい。典型的な実施形態では、可塑剤はトリ−n−ブチルO−アセチルシトレートであってよい。
ある実施形態では、不透明化剤は、アルキルシアノアクリレートに懸濁させた液体または固体の造影剤のミクロ粒子またはナノ粒子である。典型的な実施形態では、不透明化剤は、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムなどの固体の造影剤であってよい。より典型的な実施形態では、固体の造影剤は、アルキルシアノアクリレートオリゴマーに懸濁させた金であってよい。例えば、金はn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーに懸濁されていてよい。不透明化剤の量に影響を及ぼすファクターには、蛍光透視法による検出に必要な不透明化剤の量が含まれうる。
ある実施形態では、密封貯蔵容器は、Disinfection,Sterilization,and Preservation,Seymour S Block ed.,Lippincott Williams & Wilkins,2000年(この全体を本明細書に組み込む)に開示されているようにして加熱滅菌することができる。例えば、密封貯蔵容器は、約120℃〜約190℃で加熱滅菌することができる。典型的な実施形態では、密封貯蔵容器は、180℃で約3〜約15分間加熱滅菌することができる。より典型的な実施形態では、密封貯蔵容器は、180℃で約4〜約6分間加熱滅菌することができる。
アルキルシアノアクリレートポリマーを含む従来技術の組成物は、一般に、アルキルシアノアクリレートポリマーを可溶化するために、溶媒またはアルキルシアノアルキレートモノマーを使用するが、特に、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、アルキルシアノアクリレートモノマー、安定剤および造影剤を溶媒の定義から除外した場合、本明細書で想定される組成物の少なくとも幾つかは実質的に溶媒を含まない。
ある実施形態では、組成物は、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、抑制剤および透明化剤を含み、溶媒を含まない。一実施形態では、溶媒の量は、組成物の約10重量%未満であってよく、典型的には、溶媒の量は、約5重量%未満であってよく、より典型的には、溶媒の量は、約3重量%、1重量%または0.5重量%未満であってよい。
一実施形態では、組成物は、シアノアクリレートモノマーをほとんど、または実質的に含まない(モノマーが一部分は重合してオリゴマーを生成した場合に、付随的に残存する、そのようなモノマーを除いて)。あるいは、モノマーの量は十分に少なく、粘度調整剤として使用されるシアノアクリレートポリマーを可溶化するのに不十分であろう量であってもよい。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレート製剤は、塊の中の充填されていない体積または空間(「空間」)を充填する、閉塞させる、部分的に充填する、または部分的に閉塞させるのに有用であることができる。特に、組成物は動脈瘤に充填するのに有用である。組成物は、血液と接触した場合などの水性環境と接触した場合、あるいは、体内の他の多数の空隙または空間にin situで展開された場合に、重合する特性を有する。
本明細書で開示される材料は、多くの場合、モノマー成分または単一バイアル製剤として調製し、必要なときまで保存することができる。これらは、液体状態から固体状態へ確実に、かつ予測通りに変化することができ、これは、カテーテル、カニューレ、シリンジなどによって投与するのに重要である。
ある実施形態では、組成物を血液などの水性流体環境中に投与することができ、そこで、組成物は単一の凝集構造体を形成する。言い換えれば、それは、in vivoでの重合前、重合中および重合後において十分に凝集性であり、崩壊、分解および分離が最小になるか、または無くなる。本発明の重合中の熱の放出速度は十分に小さく、その発熱が、熱に弱いことがある周囲の組織に悪影響を及ぼすことはない。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートポリマーは、十分に非組織毒性、かつ非細胞毒性であり、体内に存在していても十分に許容されることができる。ある実施形態では、本発明の組成物は、塊の中の充填されていない体積または空間を充填する、閉塞させる、部分的に充填する、または部分的に閉塞させるのに有用であることができる。
投与
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレート製剤は、これらに限定されないが、脳動脈瘤の治療、動静脈奇形の治療、子宮筋腫の治療、腹大動脈瘤の治療、および血管ステント留置による内部漏れの治療などの様々な医療処置において使用することができる。
一実施形態では、例えば、脳動脈瘤を治療する際、蛍光透視法により直接観察しながら、マイクロカテーテルを動脈瘤の位置まで前進させる。所望により、閉塞バルーンを用いた処置中、血流を抑える。医療グレードアルキルシアノアクリレート製剤からなる単一バイアル製剤を、動脈瘤が充填されるまで、カテーテルを通して動脈瘤中に送り込む。埋め込んだ塊から粒子や断片が分離しないように、埋め込んだ材料がばらばらにならず、一体構造を保つように注意する。シアノアクリレートは、送り込まれると、血液との接触により重合する。バルーンまたは他のツールを用いて配置している間、およびその後、層流の血流を生じるように努力して、動脈瘤部位を通過する血流のために滑らかな表面を形成するように、重合シアノアクリレートは形作られる。これは、血栓形成、および、それに起因する脳卒中のリスクを大幅に低減する。動脈瘤が血管の分岐部にある場合、V字形の分流部を生じるように、シアノアクリレートを形作ることができる。V字形の分流点は、血流の反対方向に延び、血流を下流の血管それぞれにスムーズに導き、分ける。
典型的な実施形態では、シアノアクリレートのアルキル基は、4個超、より典型的には5〜10個または5〜7個、最も典型的には6個のアルキル鎖長を有する。製剤の他の成分と組み合わせたときに、望ましい形態、粘度および生体適合性が得られるので、N−ヘキシルシアノアクリレートが特に好ましい。これらの特性には、埋め込まれた材料の塊から断片が分離しないような凝集性の構造;注入すると1つの塊として残るが、マイクロカテーテルにより注入可能である粘度;低い毒性;in vivoでの良好な耐性;最適な血流が形成されるようにする処置中の作業性が含まれる。
本明細書で開示されるある実施形態は、人体に、または人体中に適用するのに適した医療グレード組成物であって、
(a)重合性アルキルシアノアクリレートモノマーまたはオリゴマーと、(b)少なくとも1つの重合抑制剤と、(c)造影剤と、(d)可塑剤との混合物を含み、
この組成物が単一容器中に封入されており、室温で1カ月以上安定であり、in vivoで重合するようにされている医療グレード組成物を含む。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートは、オリゴマーであってよい。例えば、オリゴマーは2−ヘキシルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、ペンチルシアノアクリレート、ヘプチルシアノアクリレート、オクチルシアノアクリレートなどであってよい。例示の実施形態では、オリゴマーはn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーであってよい。
ある実施形態では、医療グレード組成物は可塑剤を含むことができる。例えば、可塑剤はブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリアルキルアシルシトレート、ジ−およびポリ−ヒドロキシ分岐脂肪族化合物の安息香酸エステル、トリ(p−クレシル)ホスフェートなどであってよい。ある実施形態では、可塑剤は、各アルキル基において1〜10個の炭素原子を独立に有するアシルトリアルキルシトレートであってよい。例えば、アシルトリアルキルアシルシトレートとしては、これらに限定されないが、トリメチルO−アセチルシトレート、トリエチルO−アセチルシトレート、トリ−n−プロピルO−アセチルシトレート、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ペンチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−アセチルシトレート、トリ−メチルO−プロピオニルシトレート、トリ−エチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−プロピルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ブチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ペンチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−プロピオニルシトレート、トリ−メチルO−ブチリルシトレート、トリ−エチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−プロピルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ブチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ペンチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−ブチリルシトレートなどが挙げられる。典型的な実施形態では、可塑剤はトリ−n−ブチルO−アセチルシトレートであってよい。
ある実施形態では、医療グレード組成物は抑制剤を含むことができる。例えば、抑制剤は4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノン、リン酸、二酸化硫黄(SO)およびそれらの任意の組合せなどであってよい。典型的な実施形態では、抑制剤は4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄およびそれらの任意の組合せであってよい。
ある実施形態では、医療グレード組成物は造影剤を含むことができる。例えば、造影剤は金、白金、タンタル、チタン、タングステン、硫酸バリウムおよびそれらの任意の組合せなどであってよい。典型的な実施形態では、造影剤は金であってよい。
ある実施形態では、医療グレード組成物は、アルキルシアノアクリレートモノマーとアルキルシアノアクリレートオリゴマーの両方を含むことができる。ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマーは、約5センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有することができる。典型的な実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマーは、約10センチポアズ〜約100センチポアズの粘度を有することができる。より典型的な実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマーは、約15センチポアズ〜約35センチポアズの粘度を有することができる。
ある実施形態では、医療グレード組成物は、粘度を変える量のアルキルシアノアクリレートポリマーを実質的に含まないことができる。
ある実施形態では、医療グレード組成物は、紫外線および/または可視光に対して実質的に不透明な単一容器中にあってよい。これは、容器が完全に不透明であることを必ずしも必要とせず、その代わりに、完全な不透明性に加えて、不完全に不透明なバイアル(例えば、茶色のガラス)を用いることができる。あるいは、ある実施形態では、医療グレード組成物は、可視光に対して透明または半透明の単一容器中に存在してもよい。
本明細書で開示されるある実施形態は、式(I):
Figure 2011503108
(式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルである。)
のアルキルシアノアクリレートモノマーを調製する方法であって、
(a)触媒の存在下、ホルムアルデヒドと式(1−A):
Figure 2011503108
(式中、Rは、式Iにおいて上記に定義した通りである。)
の化合物とを反応させて、アルキルシアノアクリレート部分ポリマーを生成するステップと、
(b)4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第1の抑制剤をアルキルシアノアクリレート部分ポリマーに加えるステップと、
(c)このアルキルシアノアクリレート部分ポリマーをクラッキングして、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第2の抑制剤が入っている容器中に、クラッキングされたアルキルシアノアクリレートを得るステップと、
(d)(c)のクラッキングされたアルキルシアノアクリレートを蒸留して、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第3の抑制剤が入っている容器中に、アルキルシアノアクリレートモノマー留出物を得るステップと、
(f)アルキルシアノアクリレートモノマー留出物から第3の抑制剤を除去するステップと
を含む方法を含む。
ある実施形態では、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーの純度は95%〜100%であってよい。典型的な実施形態では、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーの純度は98%〜100%であってよい。より典型的な実施形態では、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーの純度は99%〜100%であってよい。
本明細書で開示されるある実施形態は、単一容器中の医療グレードアルキルシアノアクリレート組成物を調製する方法であって、
(a)アルキルシアノアクリレートモノマーを光化学的に処理して、約5センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを生成するステップと、
(b)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤および抑制剤を含む可塑剤溶液と混合して、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を得るステップと
を含む方法を含む。
ある実施形態では、医療グレード組成物の可塑剤溶液の可塑剤は、ブチルベンジルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリアルキルアシルシトレート、ジ−およびポリ−ヒドロキシ分岐脂肪族化合物の安息香酸エステル、トリ(p−クレシル)ホスフェート、ならびにそれらの任意の組合せなどを含むことができる。ある実施形態では、可塑剤は、各アルキル基において1〜10個の炭素原子を独立に有するアシルトリアルキルシトレートであってよい。例えば、アシルトリアルキルアシルシトレートとしては、トリメチルO−アセチルシトレート、トリエチルO−アセチルシトレート、トリ−n−プロピルO−アセチルシトレート、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ペンチルO−アセチルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−アセチルシトレート、トリ−メチルO−プロピオニルシトレート、トリ−エチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−プロピルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ブチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ペンチルO−プロピオニルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−プロピオニルシトレート、トリ−メチルO−ブチリルシトレート、トリ−エチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−プロピルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ブチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ペンチルO−ブチリルシトレート、トリ−n−ヘキシルO−ブチリルシトレートおよびそれらの任意の組合せなどが挙げられる。典型的な実施形態では、可塑剤はトリ−n−ブチルO−アセチルシトレートであってよい。
ある実施形態では、医療グレード組成物の可塑剤溶液の可塑剤は、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノン、リン酸、二酸化硫黄(SO)およびそれらの任意の組合せなどであってよい。
ある実施形態では、医療グレード組成物は、不透明化剤とアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物の組合せを含むことができる。ある実施形態では、不透明化剤は金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウム、ならびにそれらの任意の組合せなどであってよい。典型的な実施形態では、不透明化剤は金であってよい。
ある実施形態では、単一容器医療グレード組成物は、可視光に対して不透明な単一容器中に保存することができる。あるいは、ある実施形態では、医療グレード組成物は、可視光に対して透明または半透明な単一容器中に保存することができる。
本明細書で開示されるある実施形態は、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤を調製する方法であって、
(a)約3センチポアズ〜約5センチポアズの粘度を有する、式(I):
Figure 2011503108
(式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルである。)
のアルキルシアノアクリレートモノマーに紫外線を照射することによって形成した、約10センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを準備するステップと、
(b)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤および抑制剤と組み合わせて、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を得るステップと、
(c)得られたアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を単一容器中に入れるステップと
を含み、得られる単一容器アルキルシアノアクリレート製剤が、室温で1カ月以上安定であり、in vivoで重合するようにされている方法を含む。
ある実施形態では、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤の可塑剤はアシルトリアルキルシトレートであってよい。ある実施形態では、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤の抑制剤は4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノン、リン酸、二酸化硫黄(SO)およびそれらの任意の組合せであってよい。
ある実施形態では、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤は不透明化剤を含むことができる。例えば、不透明化剤は、金、白金、タンタル、チタン、タングステン、ヨウ素化合物、硫酸バリウムなどからなる群から選択されることができる。
ある実施形態では、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤の単一容器は可視光に対して不透明であってよい。あるいは、ある実施形態では、単一容器アルキルシアノアクリレート製剤の単一容器は、可視光に対して透明または半透明であってよい。
本明細書で開示されるある実施形態は、(a)アルキルシアノアクリレートオリゴマーと、(b)少なくとも1つの抑制剤と、(c)不透明化剤と、(d)可塑剤とを含む組成物であって、
アルキルシアノアクリレートオリゴマーがアルキルシアノアクリレートモノマーから調製されており、
この組成物が単一容器中にあり、1カ月以上安定であり、
この組成物がアニオン性環境と接触すると、重合して凝集構造を形成する組成物を含む。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、少なくとも1つの抑制剤、不透明化剤および可塑剤を含む組成物において、アルキルシアノアクリレートオリゴマーはn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーであってよい。典型的な実施形態では、n−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーは5センチポアズ〜1000センチポアズの粘度を有することができる。より典型的な実施形態では、n−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーは15センチポアズ〜100センチポアズの粘度を有することができる。最も典型的な実施形態では、n−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーは20センチポアズ〜35センチポアズの粘度を有することができる。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、少なくとも1つの抑制剤、不透明化剤および可塑剤を含む組成物において、抑制剤は4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄(SO)、ハイドロキノン、リン酸およびそれらの任意の組合せなどであってよい。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、少なくとも1つの抑制剤、不透明化剤および可塑剤を含む組成物において、不透明化剤は、金、白金、タンタル、チタン、タングステン、硫酸バリウムなどからなる群から選択することができる。典型的な実施形態では、不透明化剤は金であってよい。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、少なくとも1つの抑制剤、不透明化剤および可塑剤を含む組成物において、単一容器は可視光に対して不透明であってよい。あるいは、ある実施形態では、単一容器は可視光に対して透明または半透明であってよい。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートオリゴマー、少なくとも1つの抑制剤、不透明化剤および可塑剤を含む組成物において、単一容器は二酸化硫黄を含むことができる。典型的な実施形態では、組成物中の二酸化硫黄の量は5ppm〜500ppmであってよい。より典型的な実施形態では、組成物中の二酸化硫黄の量は10ppm〜100ppmであってよい。
本明細書で開示されるある実施形態は、塞栓剤を調製する方法であって、
(a)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤溶液と混合して、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤溶液を得るステップと、
(b)このアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤溶液を、単一容器中で、不透明化剤と組み合わせて、滅菌前の混合物を得るステップと、
(c)この滅菌前の混合物を不活性雰囲気下で貯蔵するステップと、
(d)この滅菌前の混合物が入っている単一容器を、滅菌前の混合物を滅菌するのに十分な温度に加熱するステップと
を含み、
前記アルキルシアノアクリレートオリゴマーが約15センチポアズ〜約500センチポアズの粘度を有し、
この塞栓剤が1カ月以上安定である方法を含む。
ある実施形態では、塞栓剤の可塑剤溶液は、アシルトリアルキルシトレート、1つまたは複数の抑制剤およびそれらの任意の組合せから選択することができる。典型的な実施形態では、可塑剤溶液は、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレート、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄およびそれらの任意の組合せから選択することができる。
ある実施形態では、塞栓剤の不透明化剤は金、白金、タンタル、チタン、タングステン、硫酸バリウムおよびそれらの任意の組合せであってよい。典型的な実施形態では、不透明化剤は金であってよい。
ある実施形態では、滅菌前の混合物は滅菌することができる。例えば、滅菌前の混合物は、放射線照射または加熱により滅菌することができる。典型的な実施形態では、滅菌前の混合物は加熱により滅菌することができる。例えば、例示的実施形態では、滅菌前の混合物を滅菌するのに十分な温度は約150℃〜約200℃である。
ある実施形態では、塞栓剤が入っている単一容器は可視光に対して不透明であってよい。あるいは、ある実施形態では、単一容器は可視光に対して透明または半透明であってよい。
本明細書で開示されるある実施形態は、体腔を再形成するための製剤であって、
最大で約50重量%の量のアルキルシアノアクリレートと、
最大で約30重量%の量の、アシルトリアルキルシトレート、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄およびそれらの組合せからなる可塑剤混合物と、
最大で50重量%の量の、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムからなる群から選択される不透明化剤、
を含み、
単一バイアル中、室温で少なくとも30日間貯蔵した時に化学的および物理的に安定である製剤を含む。好ましい実施形態では、製剤は、室温で少なくとも約45日間、好ましくは2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間または6カ月間、最も好ましくは1年間、18カ月間または2年間安定である。
ある実施形態では、体腔を再形成するための製剤のアルキルシアノアクリレートはn−ヘキシルシアノアクリレートであってよい。典型的な実施形態では、n−ヘキシルシアノアクリレートはn−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーであってよい。
ある実施形態では、体腔を再形成するための製剤のアシルトリアルキルシトレートはトリ−n−ブチルO−アセチルシトレートであってよい。
ある実施形態では、体腔を再形成するための製剤の不透明化剤は金であってよい。
本明細書で開示されるある実施形態は、単一容器中の体腔を再形成するための製剤、および、この塞栓治療薬を身体管腔内に導入するように構成されたカテーテルまたはシリンジを含む、身体管腔に塞栓を形成するためのキットであって、書面による説明書または資料を含むキットを含む。
ある実施形態は、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーを調製する方法を含むことができる。
Figure 2011503108
(式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルであることができる。)
典型的な実施形態では、式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーは、溶媒中、第二アミンの存在下、ホルムアルデヒドと式(1−A):
Figure 2011503108
(式中、Rは、式Iにおいて上記に定義した通りである。)
の化合物とを反応させて、アルキルシアノアクリレートを生成させることによって調製することができる。例えば、第二アミンはピペリジン、ジエチルアミンなどであってよい。ある実施形態では、次いで、溶媒を蒸留により除去して、アルキルシアノアクリレート残留物を得ることができる。例えば、アルキルシアノアクリレート残留物は部分ポリマー、ポリマーなどであってよい。
ある実施形態では、溶媒をアルキルシアノアクリレート残留物に加えて、アルキルシアノアクリレート溶媒混合物を形成することができる。一般に、この溶媒は、第1の溶媒を除去した後に残ることがある残留溶媒と共沸混合物を形成する溶媒であってよい。例えば、溶媒はトルエン、ベンゼンなどの溶媒であってよい。ある実施形態では、溶媒は除去することができる。例えば、溶媒を共沸蒸留により除去して、粗アルキルシアノアクリレート部分ポリマー、粗アルキルシアノアクリレートポリマー、およびそれらの組合せなどの粗アルキルシアノアクリレートを得ることができる。
ある実施形態では、ポリリン酸および抑制剤を、アルキルシアノアクリレートに加えることができる。典型的な実施形態では、抑制剤は、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せなどであってよい。さらに、ある実施形態では、すべての残留溶媒を真空下で除去することができる。例えば、残留溶媒を、真空蒸留により除去することができる。
ある実施形態では、粗アルキルシアノアクリレートを加熱して、アルキルシアノアクリレートモノマーを得ることができる。例えば、粗アルキルシアノアクリレートを解重合して、ガス状のアルキルシアノアクリレートモノマーを、抑制剤が入っている容器中に回収することができる。典型的な実施形態では、粗アルキルシアノアクリレートをクラッキングにより解重合することができる。例えば、粗アルキルシアノアクリレートを、約5mmHg〜約0.1mmHgの真空下で、約150℃〜約210℃に加熱することができる。ガス状のアルキルシアノアクリレートモノマーを、凝縮により、抑制剤が入っている容器中に回収することができる。一実施形態では、その真空は200℃を超えず、その真空度は5mmHg〜約1mmHgである。ある実施形態では、不活性ガス、例えばアルゴンまたは窒素を真空中に導入し、その系にSOを導入することができる。
ある実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーは、蒸留、例えば、真空蒸留により、さらに精製することができる。典型的な実施形態では、アルキルシアノアクリレートモノマーを真空下で蒸留し、抑制剤が入っている容器中に回収することができる。例えば、抑制剤は、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せなどであってよい。例示の実施形態では、真空度は5mmHg〜約0.1mmHgであってよい。最も典型的な実施形態では、真空度は5mmHg〜約1mmHgであってよく、抑制剤は4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せなどであってよい。さらに、ある実施形態では、アルゴン、窒素などの不活性ガスを真空中に導入することができる。ある実施形態では、次いで、その系をSOで満たして、高純度アルキルシアノアクリレートモノマー抑制剤混合物を得ることができる。
ある実施形態では、抑制剤の除去剤で抑制剤を除去し、高純度アルキルシアノアクリレートモノマー溶液中に不活性ガスをバブリングさせることによってSOを除去して、抑制剤を含まない高純度アルキルシアノアクリレートモノマーを得ることができる。
当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるようにするために、以下の実施例を示す。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではなく、単にそれを例示し、代表するに過ぎない。
<実施例1>
安定化n−ヘキシルシアノアクリレートの調製
ステップ(a)最初の反応
ディーン・スターク蒸留装置を備えた3000mL三ッ口反応器にホルムアルデヒド・プリル(290g、9.7モル)を加え、続いて650mLメタノール、最後に4.8mLピペリジンを加えた。反応混合物をオーバーヘッドスターラーを用いて撹拌し、加熱を開始した。混合物を65℃〜80℃に加熱し、45分間、その温度に保持した。その間に溶液は「乳状」になった。温度を約55℃に下げ、n−ヘキシルシアノアセテート(1600g、8.8モル)を徐々に加えた。n−ヘキシルシアノアセテートを添加している間、温度は68℃〜75℃に保持した。添加が完了に向かうにつれて、反応混合物の色は黄色がかってきた。追加のメタノール100mlを用いて、添加漏斗によって、残留するn−ヘキシルシアノアセテートを反応混合物中にすすぎ落とした。
反応生成物を加熱還流し、ディーン・スターク蒸留装置で約1時間かけて約610mlのメタノールを除去した(その間に反応生成物の温度は72℃から78℃に上昇した)。その時点で、n−ヘキシルシアノアクリレートが生成した。続いて、添加漏斗によって、630mlのトルエンを加えた。n−ヘキシルシアノアクリレートを含む混合物を加熱して、共沸蒸留により残留するメタノールおよびピペリジンを除去した。共沸蒸留は84℃〜115℃で起こった(温度調節はしていない)。温度が115℃に上昇したときに、蒸留を停止した。系を室温にまで冷却させた。
ステップ(b)クラッキング工程
ディーン・スターク蒸留装置をビグリュー蒸留カラムで置き換えるために、反応装置を組み立て直した。受け取りフラスコを備えた冷却凝縮器を蒸留カラムに取り付けた。この系を、必要に応じて真空にできるように組み立てた。反応器に、50mgのポリリン酸および0.8gの4−メトキシフェノールを加え、次いで、系をシールした。
受け取りフラスコを液体窒素で冷却し、次いで、混合物を撹拌し、系を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置いた。アルゴン中でガス抜きすることによって、真空度を調節した。反応器を150℃未満に保持し、加えたトルエンすべてを含む液体留分を蒸留により回収した。アルゴンを真空中に導入し、次いで、系をSOで3秒間満たした。トルエンが入っている受け取りフラスコを、4−メトキシフェノールが入っている風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ、例えば1L容器中に100mgの4−メトキシフェノールが入っている)で置き換えた。装置を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置き、反応器を約170℃〜約190℃(200℃を超えない)に加熱して、ポリマーのクラッキングを開始させ、上記真空度、80℃〜95℃で、n−ヘキシルシアノアクリレートモノマーが留出する。50mL〜100mLのn−ヘキシルシアノアクリレートの初留分を集めて廃棄し、アルゴンを真空中に導入し、系をSOで3秒間満たした。初留分が入っている受け取りフラスコを、4−メトキシフェノールが入っている風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ、例えば1L容器中に100mgの4−メトキシフェノールが入っている)で置き換えた。装置を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置き、反応器を約170℃〜約190℃(200℃を超えない)に加熱して、ポリマーのクラッキングを開始させ、上記真空度、80℃〜95℃で、モノマーが留出する。淡黄色のn−ヘキシルシアノアクリレートモノマーがそれ以上留出しなくなったら、加熱を停止し、アルゴンを真空中に導入し、系をSOで3秒間満たした。モノマーの回収速度は、回収容器を交換する段階を含めて約1L/日である。上記のプロセスにおいて、反応混合物および得られた生成物の周囲を非反応性雰囲気に保って、望ましくない重合および分解反応を防止するように注意したことに留意されたい。これによって、最終生成物の特性と純度が向上し、単一バイアル製剤中において安定なものになる。
ステップ(c)蒸留工程
2Lフラスコ(三ッ口丸底フラスコ)、マグネチックスターラーおよびビグリューカラムを備える真空蒸留装置を構成した。蒸留装置をアルゴン雰囲気下に置き、次いで、クラッキングステップからの淡黄色n−ヘキシルシアノアクリレート留出物を蒸留フラスコに加えた。装置をアルゴン雰囲気下で保持し、SOで3秒間満たし、蒸留フラスコ中の液体の撹拌を開始した。受け取りフラスコを液体窒素で冷却し、次いで、蒸留装置を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置いた。淡黄色のn−ヘキシルシアノアクリレートを、蒸留が開始されるまで、撹拌しながら徐々に加熱した。毎分1滴の速度で留出物を回収した。約50mlの初留分が集まった後、アルゴンを真空中に導入し、続いて、SOで満たした。初留分は廃棄し、4−メトキシフェノールが入っている第2の受け取りフラスコ((10mg/100mL容器のサイズ)を留出物を受けるために配置した。幾つかの留出物の留分を集め、最後の100mLの留出物を廃棄できるようにした。各フラスコを交換する間は、アルゴンを真空中に導入し、系をSOで満たした。次のステップで使用するために、4−メトキシフェノールおよびSOを含む高純度n−ヘキシルシアノアクリレートを回収した。
<実施例2>
n−ヘキシルシアノアクリレートモノマーの光化学的粘度調整
実施例1からの4−メトキシフェノールを含む精製n−ヘキシルシアノアクリレートモノマーをAldrich HQ & MEHQ抑制剤除去剤、Sigma−Aldrich,Inc.、St.Louis、Mo.、USA(2005−2006カタログ番号306320)で処理してp−メトキシフェノールを除去し、続いてn−ヘキシルシアノアクリレートモノマー中にアルゴンをバブリングさせてSOを除去した。4−メトキシフェノールおよびSOを含まない精製n−ヘキシルシアノアクリレートの粘度は約4センチポアズであった。
次いで、精製n−ヘキシルシアノアクリレート(500g)を、中圧石英水銀灯を備えたAce glass 光化学反応器中に導入した。液体の粘度が約20センチポアズ〜約35センチポアズになるまで、n−ヘキシルシアノアクリレートに放射線を照射した。得られたオリゴマー材料を成分Aと言う。この粘度調整によって、注入された組成物が配置されたところに1つの塊としてそのまま残ることを可能にするのに十分な高い粘度を有し、同時に、マイクロカテーテルにより注入することを可能にするのに十分な低い粘度を有する、患者の血管系において用いる最終製品が製造される。
<実施例3>
可塑剤成分の調製
4−メトキシフェノールおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含むトリ−n−ブチルO−アセチルシトレートの原液を以下のようにして調製した。アルゴン雰囲気下で、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレート(500g、1.24モル)に、4−メトキシフェノール(750ppm)および2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(750ppm)を加えた。均一になるまで、混合物を撹拌した。4−メトキシフェノールおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールを含むトリ−n−ブチルO−アセチルシトレート溶液中に二酸化硫黄(SO、600ppm)をバブリングさせた。得られた材料を成分Bと言う。
<実施例4>
成分C:成分Aと成分Bを用いた製剤
UV処理したn−ヘキシルシアノアクリレート(成分A、500g)を成分B(250g)と室温で組合せ、均一になるまで混合した。得られた生成物の粘度は約20センチポアズ〜約35センチポアズであった。上記の成分Aと成分Bの組合せにより、成分Cを得た。
<実施例5>
単一バイアル製剤の調製
成分C(1.5mL)を微細メッシュの金(0.9g)を含む5mLバイアルに加え、バイアルをアルゴン雰囲気下に置いた。次いで、バイアルを密封し、加熱して滅菌する。この単一バイアル製剤は1年間以上安定である。
<実施例6>
2−ヘキシルシアノアクリレートの調製
この予期される手順は、上記の実施例で示した、n−ヘキシルシアノアクリレートを調製するために用いられるように開発された手順を基にしている。
5L加熱マントル中で、5Lの三ッ口フラスコに、還流冷却器、ディーン・スターク・トラップ、添加漏斗およびガラスパドル付きメカニカルスターラーを取り付ける。このフラスコに、以下の成分、パラホルムアルデヒド・プリル(136g、4.5モル)、メタノール(300mL)およびピリジン(2.2mL)を加える。反応混合物を撹拌し、65℃〜80℃で45分間加熱する。加熱した物を約55℃に冷却し、添加漏斗によって2−ヘキシルシアノアセテート(736g、4.1モル)を滴下する。反応は発熱反応であり、反応混合物の温度を68℃〜75℃に保持するために添加速度を調節しなければならない。追加のメタノール46mLを用いて、添加漏斗をすすぎ洗いする。反応フラスコからディーン・スターク・トラップを通ってメタノールを留出させ、これを回収する。回収した量を計量する。メタノールの当初の量の80%以上が回収されるまで1時間以上蒸留を続ける。続いて、添加漏斗によってトルエン(290mL)を加える。混合物を加熱して、共沸蒸留により残留するメタノールおよびピペリジンを除去する。蒸留は84℃〜115℃(温度調節はせず)で行う。温度が115℃に達したら、蒸留を停止する。系を室温に冷却し、続いて反応装置を次のステップ用に組み立て直す。
ディーン・スターク蒸留装置を、凝縮器を備えたビグリュー蒸留カラムおよび受け取りフラスコで置き換えるために、反応装置を組み立て直す。この系を、必要に応じて真空にできるように組み立てる。反応器に、ポリリン酸(23mg)および4−メトキシフェノール(0.37g)を加え、次いで系をシールする。
受け取りフラスコを液体窒素で冷却し、次いで混合物を撹拌し、系を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置く。アルゴン中でガス抜きすることによって、真空度を調節する。反応器を150℃未満に保持し、残留トルエンを含む液体留分を回収する。系を真空から切り離し、アルゴンを真空中に導入する。続いて、系をSOで3秒間満たす。
アルゴンを真空中に導入し、次いで系をSO雰囲気下に3秒間置いた。留出物が入っている回収容器を、4−メトキシフェノールが入っている風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ、例えば1L容器中に100mgの4−メトキシフェノールが入っている)で置き換える。反応装置を真空下(0.1〜0.5mmHg)に置き、反応器を約170℃〜約190℃(200℃を超えない)に加熱してポリマーのクラッキングを開始させる。50mL〜100mLの2−ヘキシルシアノアクリレートの初留分を集めて廃棄し、アルゴンを真空中に導入し、系をSOで3秒間満たした。初留分が入っている受け取りフラスコを、4−メトキシフェノールが入っている風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ、例えば1L容器中に100mgの4−メトキシフェノールが入っている)で置き換えた。装置を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置き、反応器を約170℃〜約190℃(200℃を超えない)に加熱してポリマーのクラッキングを開始させ、上記真空度で、80℃〜95℃でモノマーが留出する。2−ヘキシルシアノアクリレートモノマーが入っている回収容器を、4−メトキシフェノールが入っている別の空で風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ)で置き換え、上記工程を、2−ヘキシルシアノアクリレートモノマーの大部分が回収されるまで繰り返す(各フラスコ交換時には二酸化硫黄で満たす)。モノマーの回収速度は、回収容器を交換する段階を含めて約1L/日である。
<実施例7>
n−ペンチルシアノアクリレートの調製
この予期される手順は、上記の実施例で示した、n−ヘキシルシアノアクリレートを調製するために用いられるように開発された手順を基にしている。
10Lの三ッ口フラスコに、還流冷却器、ディーン・スターク・トラップ、添加漏斗およびメカニカルスターラーを取り付ける。このフラスコに、以下の成分、パラホルムアルデヒド・プリル(272g、9モル)、メタノール(600mL)およびピリジン(4.4mL)を加える。反応混合物を撹拌し、65℃〜80℃で45分間加熱する。加熱をやめ、混合物を約55℃に冷却し、次いで、添加漏斗によってn−ペンチルシアノアセテート(1372g、8.2モル)を滴下する。反応は発熱反応であり、反応混合物の温度を68℃〜75℃に保持するために添加速度を調節しなければならない。追加のメタノール92mLを用いて、添加漏斗をすすぎ洗いする。反応フラスコからディーン・スターク・トラップを通ってメタノールを留出させ、これを回収する。メタノールの当初の量の80%以上が回収されるまで1時間以上蒸留を続ける。続いて、添加漏斗によってトルエン(580mL)を加える。混合物を加熱して、共沸蒸留により残留するメタノールおよびピペリジンを除去する。蒸留は84℃〜115℃(温度調節はせず)で行う。温度が115℃に達したら、蒸留を停止する。系を室温に冷却し、続いて反応装置を次のステップ用に組み立て直す。
ディーン・スターク蒸留装置を、凝縮器を備えたビグリュー蒸留カラムおよび受け取りフラスコで置き換えるために、反応装置を組み立て直す。この系を、必要に応じて真空にできるように組み立てる。反応器に、ポリリン酸(46mg)および4−メトキシフェノール(0.74g)を加え、次いで系をシールする。
受け取りフラスコを液体窒素で冷却し、次いで混合物を撹拌し、系を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置く。アルゴン中でガス抜きすることによって、真空度を調節する。反応器を150℃未満に保持し、残留トルエンを含む液体留分を回収する。系を真空から切り離し、アルゴンを真空中に導入する。続いて、系をSOで3秒間満たした。
アルゴンを真空中に導入し、次いで系をSO雰囲気下に3秒間置いた。留出物が入っている回収容器を、4−メトキシフェノールが入っている風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ、例えば1L容器中に100mgの4−メトキシフェノールが入っている)で置き換える。反応装置を真空下(0.1〜0.5mmHg)に置き、反応器を約170℃〜約190℃(200℃を超えない)に加熱してポリマーのクラッキングを開始させる。50mL〜100mLのn−ペンチルシアノアクリレートの初留分を集めて廃棄し、アルゴンを真空中に導入し、系をSOで3秒間満たした。初留分が入っている受け取りフラスコを、4−メトキシフェノールが入っている風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ、例えば1L容器中に100mgの4−メトキシフェノールが入っている)で置き換えた。装置を真空下(5mmHg〜1mmHg)に置き、反応器を約170℃〜約190℃(200℃を超えない)に加熱してポリマーのクラッキングを開始させ、上記真空度で、80℃〜95℃でモノマーが留出する。n−ペンチルシアノアクリレートモノマーが入っている回収容器を、4−メトキシフェノールが入っている別の空で風袋測定した回収容器(10mg/100mL容器のサイズ)で置き換え、上記工程を、n−ペンチルシアノアクリレートモノマーの大部分が回収されるまで繰り返す(各フラスコ交換時には二酸化硫黄で満たす)。モノマーの回収速度は、回収容器を交換する段階を含めて約1L/日である。

Claims (42)

  1. 人体に、または人体中に適用するのに適した医療グレード組成物であって、
    (a)重合性アルキルシアノアクリレートモノマーまたはオリゴマーと、(b)少なくとも1つの重合抑制剤と、(c)造影剤と、(d)可塑剤との混合物を含み、
    この組成物が単一容器中に封入されており、室温で1カ月以上安定であり、in vivoで重合するようにされている医療グレード組成物。
  2. 前記アルキルシアノアクリレートがオリゴマーであり、2−ヘキシルシアノアクリレート、n−ヘキシルシアノアクリレート、ペンチルシアノアクリレート、ヘプチルシアノアクリレートおよびオクチルシアノアクリレートからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記アルキルシアノアクリレートが、n−ヘキシルシアノアクリレートのオリゴマーである、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記抑制剤が、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノン、リン酸、二酸化硫黄(SO)およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記抑制剤が、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、および二酸化硫黄である、請求項4に記載の組成物。
  6. 前記可塑剤が、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレートである、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記造影剤が、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウム、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記造影剤が、金である、請求項7に記載の組成物。
  9. アルキルシアノアクリレートモノマーとアルキルシアノアクリレートオリゴマーの両方を含む、請求項1に記載の組成物。
  10. 約15センチポアズ〜約35センチポアズの粘度を有する、請求項1に記載の組成物。
  11. 粘度を変える量のアルキルシアノアクリレートポリマーが実質的に存在しない、請求項1に記載の組成物。
  12. 前記単一容器が、紫外線に対して実質的に不透明である、請求項1に記載の組成物。
  13. 式(I):
    Figure 2011503108
    (式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルである。)
    のアルキルシアノアクリレートモノマーを調製する方法であって、
    (a)触媒の存在下、ホルムアルデヒドと式(1−A):
    Figure 2011503108
    の化合物とを反応させて、アルキルシアノアクリレート部分ポリマーを生成するステップと、
    (b)4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第1の抑制剤をアルキルシアノアクリレート部分ポリマーに加えるステップと、
    (c)このアルキルシアノアクリレート部分ポリマーをクラッキングして、クラッキングされたアルキルシアノアクリレートを、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第2の抑制剤と共に得るステップと、
    (d)(c)のクラッキングされたアルキルシアノアクリレートを蒸留して、アルキルシアノアクリレートモノマー留出物を、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、SOおよびそれらの任意の組合せからなる群から選択される第3の抑制剤と共に得るステップと、
    (e)アルキルシアノアクリレートモノマー留出物から第3の抑制剤を除去するステップと
    を含む方法。
  14. 前記式(I)のアルキルシアノアクリレートモノマーの純度が98%〜100%である、請求項13に記載の方法。
  15. 単一容器中の医療グレードアルキルシアノアクリレート組成物を調製する方法であって、
    (a)アルキルシアノアクリレートモノマーを光化学的に処理して、約5センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを生成するステップと、
    (b)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤および抑制剤と組み合わせて、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を得るステップと
    を含む方法。
  16. 前記可塑剤が、アシルトリアルキルシトレートであり、
    前記抑制剤が、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノン、リン酸、二酸化硫黄(SO)、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 不透明化剤をアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物と組み合わせるステップをさらに含み、この不透明化剤が、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウム、ならびにそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記単一容器が、紫外線に対して実質的に不透明である、請求項15に記載の方法。
  19. 単一容器アルキルシアノアクリレート製剤を調製する方法であって、
    (a)式(I):
    Figure 2011503108
    (式中、Rは4〜10個の炭素原子を含有するアルキルであり、このモノマーは、オリゴマー化の前に約3センチポアズ〜約5センチポアズの粘度を有する。)
    のモノマーのオリゴマーであって、約10センチポアズ〜約1000センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーを準備するステップと、
    (b)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤および抑制剤と組み合わせて、アルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を得るステップと、
    (c)得られる単一容器アルキルシアノアクリレート製剤が、室温で1カ月以上安定であり、in vivoで重合するようになるように、得られたアルキルシアノアクリレートオリゴマー可塑剤混合物を単一容器中に入れるステップと
    を含む方法。
  20. 前記可塑剤が、アシルトリアルキルシトレートであり、
    前記抑制剤が、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、ハイドロキノン、リン酸、二酸化硫黄(SO)、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  21. アルキルシアノアクリレートオリゴマーを不透明化剤と組み合わせるステップをさらに含み、この不透明化剤が、金、白金、タンタル、チタン、タングステン、ヨウ素化合物および硫酸バリウムからなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
  22. 前記単一容器が、紫外線に対して不透明である、請求項18に記載の方法。
  23. (a)アルキルシアノアクリレートオリゴマーと、(b)少なくとも1つの抑制剤と、(c)不透明化剤と、(d)可塑剤とを含む組成物であって、
    アルキルシアノアクリレートオリゴマーが請求項13に記載のアルキルシアノアクリレートモノマーから調製されており、
    この組成物が単一容器中にあって、1カ月以上安定であり、
    この組成物がアニオン性環境と接触すると、重合して凝集構造を形成する組成物。
  24. 前記アルキルシアノアクリレートオリゴマーが、n−ヘキシルシアノアクリレートのオリゴマーである、請求項23に記載の組成物。
  25. 前記n−ヘキシルシアノアクリレートオリゴマーが、15センチポアズ〜500センチポアズの粘度を有する、請求項24に記載の組成物。
  26. 前記抑制剤が、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄(SO)、ハイドロキノン、リン酸およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。
  27. 前記不透明化剤が、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムからなる群から選択される、請求項23に記載の組成物。
  28. 前記不透明化剤が、金である、請求項27に記載の組成物。
  29. 前記単一容器が、紫外線に対して実質的に不透明である、請求項23に記載の組成物。
  30. (a)組成物の約30重量%〜約50重量%を占める、約15センチポアズ〜約500センチポアズの粘度を有するアルキルシアノアクリレートオリゴマーと、
    (b)組成物の10重量%〜30重量%を占める可塑剤混合物と、
    (c)組成物の30重量%〜50重量%を占める不透明化剤と
    を含み、
    この組成物が単一容器中にあり、その容器中において室温で少なくとも約1カ月間安定に貯蔵される組成物。
  31. 前記可塑剤混合物が、トリブチル2−アセチルシトレート、4−メトキシフェノールおよび2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールからなり、
    4−メトキシフェノールの量が約100ppm〜約500ppmであり、
    2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの量が約100ppm〜約500ppmである、請求項30に記載の組成物。
  32. 二酸化硫黄をさらに含む、請求項30に記載の組成物。
  33. 前記単一容器が可視光に対して不透明である、請求項30に記載の組成物。
  34. 塞栓剤を調製する方法であって、
    (a)アルキルシアノアクリレートオリゴマーを可塑剤溶液および不透明化剤と組み合わせて、混合物を形成するステップと、
    (b)この混合物を不活性雰囲気下で単一容器中に封入するステップと、
    (c)この混合物が入っている単一容器を、混合物を滅菌するのに十分な温度に加熱するステップと
    を含み、
    前記アルキルシアノアクリレートオリゴマーが約15センチポアズ〜約500センチポアズの粘度を有し、
    前記滅菌された混合物が室温で少なくとも約1カ月間安定に貯蔵される方法。
  35. 前記可塑剤溶液が、トリブチル2−アセチルシトレート、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記不透明化剤が、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
  37. 前記不透明化剤が、金である、請求項36に記載の方法。
  38. 滅菌前の混合物を滅菌するのに十分な温度が約150℃〜約200℃である、請求項34に記載の方法。
  39. 前記単一容器が、紫外線に対して実質的に不透明である、請求項34に記載の方法。
  40. 体腔を再形成するための製剤であって、
    最大で約50重量%の量のアルキルシアノアクリレートと、
    最大で約30重量%の量の、アシルトリアルキルシトレート、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、二酸化硫黄およびそれらの組合せからなる可塑剤混合物と、
    最大で50重量%の量の不透明化剤、但し、この造影剤は、金、白金、タンタル、チタン、タングステンおよび硫酸バリウムからなる群から選択される、
    を含み、
    単一の密封容器中、室温で少なくとも30日間貯蔵した時に化学的および物理的に安定である製剤。
  41. 前記アルキルシアノアクリレートが、n−ヘキシルシアノアクリレートであり、
    前記アシルトリアルキルシトレートが、トリ−n−ブチルO−アセチルシトレートであり、
    前記不透明化剤が、金である、請求項40に記載の製剤。
  42. 請求項40に記載の製剤、および、この製剤を身体管腔内に導入するように構成されたカテーテルまたはシリンジを含む、身体管腔に塞栓を形成するためのキット。
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