JP2002535065A - 阻害剤及び不透明化剤を含むシアノアクリル酸 - Google Patents

阻害剤及び不透明化剤を含むシアノアクリル酸

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Abstract

(57)【要約】 シアノアクリル酸アルキル及び少なくとも1つの阻害剤を含むモノマー成分と、シアノアクリル酸アルキルモノマー、アルキルエステル化脂肪酸、及び不透明化剤から形成された結果的な凝集体構造を含む第2成分とを含む組成物であって、アニオン性環境と接触した際に結果的な凝集体構造を形成する、組成物。該組成物は、既存の空間、例えば、血管の内腔、一時的に設置された外的装置、例えば、カテーテル等の装置により作出された空間、方法、例えば、切開等の方法、もしくは物体、例えば、ステント等の移植により作出された空間を充填するために有用である。該組成物は、組織と組織の接着、又は組織と装置の接着にも有用である。該組成物は、アニオン性環境と接触するようになった際に、又は既存の空間にインサイチューで配備された際に、重合するという特性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の領域 本発明は、医用装置として有用なシアノアクリル酸組成物に関する。
【0002】 発明の背景 シアノアクリル酸組織接着剤は、1970年代から、血管内に臨床使用されている
。液体アクリル樹脂は、永久的な血管閉塞を作出しうるため、血管内塞栓剤とし
て極めて有用である。しかしながら、ヨウ素化油又は氷酢酸のいずれかとのアク
リル樹脂混合物の作業者の選択に基づく重合時間は、変動しやすく、時には予測
不可能であるため、それらを技術的に使用するのは難しい。重合時間の適切な選
択は、塞栓標的における動脈要素と静脈要素の間の移動時間、標的の容積、相対
的な血管内の乱れに影響を与える標的の構成、例えばフィステル対病巣、並びに
注射の方法(ボーラス、フルカラム(full column)、又はウェッジ・フロー・
アレスト(wedge-flow arrest))を含む、多数の変数に依存する。塞栓のため
の液体アクリル樹脂の使用と関連した典型的な合併症は、正常な動脈枝の閉塞、
又は重要な静脈流出チャネルへのアクリル樹脂の浸透が存在する場合に、発生す
る。さらに、輸送カテーテルチップ周囲のアクリル樹脂の逆流が、永久的なカテ
ーテル移植が必要となるかもしれない、永久的な血管内カテーテル接着を引き起
こす場合がある。無理に撤去しようとした場合には、カテーテルの破砕(及び、
流動可能な遠位のカテーテル破片の結果的な塞栓)、結果的な切開/閉塞による
血管の損傷、又は関与した血管茎の剥離(結果的な、くも膜下出血と共に)が生
じうる。
【0003】 アルキルアルファシアノアクリル酸は、重合する有機分子の同族系列であり、
水分のある生存組織に接着することができる。メチルホモログは、1960年から止
血及び非縫合閉鎖において使用されているが、その組織毒性のために臨床上の有
用性は大きく制限されている。より長いアルキル鎖ホモログの合成、及び様々な
動物種におけるこれらの評価により、止血特性及び組織結合特性を犠牲にするこ
となく、シアノアクリル酸の組織毒性を消失させうることが示された。n−ブチ
ルホモログ及びイソブチルホモログを使用した拡張的な動物研究が完了し、予備
的なヒト試験が実施されているところである。
【0004】 重合スピードが、鎖長のもう一つの関数である。アルキル鎖に6個以上の炭素
原子を有するホモログは、水分のある組織と接触すると、ほぼ即座に重合するこ
とが報告されている。n−ブチルモノマー及びイソブチルモノマーは、4〜15秒
を必要とするが、メチルホモログは、30〜55秒間、モノマーのままである。水分
を吸収し、血液凝固阻止の処理を施した血液フィルム表面に容易に拡散する能力
は、4個以上の炭素原子を含有するアルキル鎖を有するホモログに共通している
。エチル誘導体及びプロピル誘導体の、水分を吸収し、拡散する能力は低く、メ
チルには全くない。
【0005】 NBCA(n-ブチル-2-シアノアクリル酸)の出現以来、血管構造、主に動静脈奇
形(AVM)の「瞬間接着剤(superglue)」塞栓の科学は、ほとんど進歩していな
い。接着、液体状態から固体状態への転換能、及び迅速な重合のような、瞬間接
着剤のある種の特性は、塞栓にとって有利である。しかしながら、これらの特性
は、過剰な程度に存在する場合には有害となり、特に、そのような接着は永久的
なカテーテル固定を引き起こしうる。迅速な重合は、小さいチャネルから静脈構
造へと通過することなく、流動している血液中で材料が凝固することを可能にす
る。しかしながら、迅速な重合は、周囲の組織、例えば脳組織への損傷を引き起
こしうる量の熱を放出することもある。
【0006】 親水性コーティングされたカテーテルと接着剤との間の減少した結合強度によ
り、塞栓中の不慮の血管内カテーテル固定の危険性を減少させることを期待して
、親水性カテーテルコーティングが開発されている。しかし、マイクロカテーテ
ルのシアノアクリル酸接着は、依然として、血管内塞栓における問題である。カ
テーテルチップの動脈への不慮の接着は、よく認識されている、困難な合併症で
ある。血管の破裂又は取り外されたカテーテルチップの閉塞的塞栓は、カテーテ
ルを回収しようと試みて過剰な力が使用された場合に、起こりうる。幸いなこと
に、永久的な血管内カテーテル固定は、通常、さほど害を与えないが、それでも
なお、これはやはり極めて望ましくないイベントである。インビトロ研究により
、最近利用可能となった親水性マイクロカテーテルコーティングが、純粋な標準
(normal)ブチルシアノアクリル酸、及び標準ブチルシアノアクリル酸とエチオ
ド化(ethiodized)油との混合物の両方のカテーテル接着を減少させることが示
された。親水性コーティングを施されたカテーテルは、不慮の血管内カテーテル
固定の発生を減少させる可能性を有するが、作業者の熟達及び経験のレベルが、
そしておそらく最も重要なこととして、使用される実際の接着剤の組成が、やは
り、これらのイベントにおいて主要な役割を果たす。
【0007】 正確な量の粘着性を有し、強固なゴム状鋳物を生成させ、生体に害を与えず、
適切な量の組織炎症反応を誘発することができ、放射線不透過性である組成物が
、必要とされ続けている。
【0008】 驚くべきことに、粘着、安定性、生体無害性、低いカテーテル接着、及び放射
線不透過性の特性の必須の組み合わせを有する、そのような組成物が存在するこ
とが、本発明において見出された。
【0009】 発明の概要 シアノアクリル酸アルキル及び少なくとも1つの阻害剤を含むモノマー成分と
、シアノアクリル酸アルキルモノマー、アルキルエステル化脂肪酸、及び不透明
化剤から形成された結果的な凝集体構造を含む第2成分とを含む組成物であって
、アニオン性環境と接触した際に結果的な凝集体構造を形成する、組成物。該組
成物は、既存の空間、例えば、血管の内腔又は動脈瘤の嚢、一時的に設置された
外的装置、例えば、カテーテル等の装置により作出された空間、方法、例えば、
切開等の方法、もしくは物体、例えば、ステント等の装置の移植により作出され
た空間、又は組成物により作出された空間を充填するために有用であり、該組成
物は、組織と組織の接着、又は組織と装置の接着にも有用である。該組成物は、
アニオン性環境と接触するようになった際に、又は既存の空間、例えば、血管の
内腔又は動脈瘤の嚢、一時的に設置された外的装置、例えば、カテーテル等の装
置により作出された空間、方法、例えば、切開等の方法、もしくは物体、例えば
、ステント等の装置の移植により作出された空間、又は組成物により作出された
空間にインサイチューで配備された際に、重合するという特性を有する。
【0010】 発明の詳細な説明 本発明は、シアノアクリル酸アルキル、少なくとも1つの阻害剤を含むモノマ
ー成分と、不透明化剤及び重合遅延剤として機能する第2成分とを含む組成物を
提供する。該組成物は、マス(mass)中の未充填の容積又は空間(「空間」)を
充填、閉塞、部分充填、又は部分閉塞するために有用である。特に、該組成物は
、既存の空間、例えば、血管の内腔又は動脈瘤の嚢、一時的に設置された外的装
置、例えば、カテーテル等の装置により作出された空間、方法、例えば、切開等
の方法、もしくは物体、例えば、ステント等の装置の移植により作出された空間
、又は組成物により作出された空間を充填するために有用であり、該組成物は、
組織と組織の接着、又は組織と装置の接着にも有用である。該組成物は、アニオ
ン性環境と接触するようになった際に、又は既存の空間、例えば、血管の内腔又
は動脈瘤の嚢、一時的に設置された外的装置、例えば、カテーテル等の装置によ
り作出された空間、方法、例えば、切開等の方法、もしくは物体、例えば、ステ
ント等の装置の移植により作出された空間、又は組成物により作出された空間に
インサイチューで配備された際に、重合するという特性を有する。
【0011】 本態様のもう一つの面において、第2成分は、ハロゲン化油を含む。好ましい
のは、エチオドール(Ethiodol)、リピオドール(Lipiodol)及びパントペイク
(Pantopaque)のような、ヨウ素化油及び臭素化油である。最も好ましいのは、
エチオドールである。
【0012】 本発明の一つの態様において、第2成分は、エチオドールである。
【0013】 本態様のもう一つの面において、第2成分は、シアノアクリル酸アルキルモノ
マー、アルキルエステル化脂肪酸、及び不透明化剤の組成物から形成された、結
果的な凝集体構造、即ちオリゴマー又はポリマーを含む。
【0014】 本態様のもう一つの面において、モノマー成分は、シアノアクリル酸アルキル
モノマー及び少なくとも2つの阻害剤からなり、より好ましい面において、モノ
マー成分は、シアノアクリル酸アルキル及び少なくとも3つの阻害剤からなり、
特に好ましい面において、モノマー成分は、シアノアクリル酸2-ヘキシル及び少
なくとも1つの阻害剤を含む。特に好ましい面において、モノマー成分は、シア
ノアクリル酸2-ヘキシル及び少なくとも2つの阻害剤を含む。最も好ましい面に
おいて、モノマー成分は、シアノアクリル酸2-ヘキシル及び3つの阻害剤とから
なり、特に、最も好ましいのは、阻害剤の一つが、ヒドロキノン、p-メトキシフ
ェノール、又はリン酸から選択される面である。最も好ましい面において、モノ
マー成分は、シアノアクリル酸2-ヘキシル及び3つの阻害剤からなり、3つの阻害
剤は、ヒドロキノン、p-メトキシフェノール、及びリン酸である。使用される阻
害剤の質量は、シアノアクリル酸アルキルのパーツ・パー・ミリオン(parts pe
r million: PPM)として測定される。好ましくは、ヒドロキノンは約50〜150PPM
、p-メトキシフェノールは約50〜150PPM、リン酸は約125〜375PPMの範囲で存在
し、より好ましくは、ヒドロキノンは約75〜125PPM、p-メトキシフェノールは約
75〜125PPM、リン酸は約187.5〜312.5PPMの範囲で存在し、最も好ましくは、ヒ
ドロキノンは約95〜105PPM、p-メトキシフェノールは約95〜105PPM、リン酸は約
200〜300PPMの範囲で存在する。
【0015】 本発明の特に好ましい態様は、本モノマー成分と、シアノアクリル酸2-ヘキシ
ルモノマー、アルキルエステル化脂肪酸、及び不透明化剤から形成された結果的
な凝集体構造、即ちオリゴマー又はポリマーを含む第2成分とを含む組成物であ
り、アルキルエステル化脂肪酸がミリスチン酸エチルである態様が最も好ましく
、不透明化剤が金である態様も最も好ましい。
【0016】 本発明のもう一つの態様は、マス中の未充填の容積又は空間を充填、閉塞、部
分充填、又は部分閉塞する方法を提供する。本発明の範囲に含まれる未充填の容
積又は空間には、以下の例が含まれるが、これらに限定されない。
【0017】 例えば、本態様の一つの面は、体内通路、例えば血管、管、動脈瘤、又はフィ
ステルの内腔のような既存の空間を充填、閉塞、部分充填、又は部分閉塞する方
法である。この使用法に包含される治療型の例には、以下のものが含まれるが、
これらに限定されない。本発明は、動静脈奇形(AVM)に栄養供給する(1つ又は
複数の)血管を閉塞させ、それによりAVMへの血液供給を止める、AVMを治療する
方法として有用である。本発明は、組織の血液供給を止めることにより、罹患し
た、又は不要な組織を切除する方法として有用である。特に、本発明は、腫瘍に
栄養供給する(1つ又は複数の)血管を閉塞させ、それにより腫瘍への血液供給
を止め、腫瘍の増殖の減退又は死亡を引き起こす、分離した血液供給を有する腫
瘍を治療する方法として有用である。本発明は、動脈瘤の形成又は発達を軽減す
るため、血管内の体液動力学を修飾するため選択された血管内の位置に、部分的
な閉塞を作出することにより、動脈瘤の発達を防止又は軽減する方法として有用
である。本発明は、子宮動脈を塞栓/閉塞することにより、症候性子宮平滑筋腫
を治療する非外科的な方法として有用である。非シアノアクリル酸アルキル組成
物を使用した、この方法は、J.Vascular and Intervention Radioligy,10:891-8
94,1999年7〜8月に報告されている。本発明は、ファローピウス管を閉塞し、そ
れにより卵巣から子宮への卵の通過を防止することにより、雌性哺乳動物を不妊
化する方法として有用である。雌性哺乳動物を不妊化するための閉塞剤の使用は
、本明細書に参照として組み込まれる、米国特許第5,989,580号「雌性哺乳動物
を不妊化する方法(Method of Sterilizing Female Mammals)」に開示されてい
る。この特許に開示された方法は、本発明の組成物を使用して有利に応用するこ
とができ、本発明の範囲に含まれる。本発明は、左心耳を遮断するために有用で
ある。左心耳は、第1心房の左壁に由来している。心房細動を有する患者は、左
心耳に血栓が形成される素因を有する。この状態及び治療の現状の概説は、文献
「左心耳:構造、機能、及び血栓塞栓症における役割(Left Atrial Appendage:
structure,function,and role in thromboembolism)」N.M.Al-Saady et al.に
開示されている。本発明は、左心耳を遮断する有利な方法を提供する。
【0018】 本態様のもう一つの面は、カテーテルバルーンのような外的装置により作出さ
れた空間を、充填、閉塞、部分充填、又は部分閉塞する方法である。この使用法
に包含される治療型の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない
。本発明は、組成物が動脈瘤内の空間で重合するよう、本発明の組成物で動脈瘤
内の空間を充填し、それにより動脈瘤の破裂を防止することにより、動脈瘤を治
療する方法として有用である。この治療は、任意の数の市販のカテーテル、カテ
ーテルコイル、カテーテルワイヤ、又はカテーテルバルーンを用いて、本発明を
使用して実施されうる。そのような装置の例は、供給元から市販されている。例
えば、Micro Therapeutics,Inc.(2 Goodyear,Irvine,California 92618)は、
レバー(Rebar)(登録商標)マイクロカテーテル(Micro Catheter)、エキノ
ックス(Equinox)(登録商標)閉塞バルーンシステム(Occlusion Balloon Sys
tem)、及びシルバースピード(SilverSpeed)(登録商標)ガイドワイヤのよう
な医用装置のラインを販売している。同様に、参照として本明細書に組み込まれ
る、Target Therapeutics,Inc. に譲渡された米国特許第5,882,334号「バルーン
位置調整可能なバルーン/送達カテーテルアセンブリ(Balloon/delivery Cathet
er Assembly with Adjustable Balloon Positioning)」は、本発明の組成物の
ような組成物を送達するためのカテーテルアセンブリに関する。
【0019】 本態様のもう一つの面は、組織の切開又は通気のような方法により作出された
、又はそれらに起因する空間を、充填、閉塞、部分充填、又は部分閉塞する方法
である。この使用法に包含される治療型の例には、以下のものが含まれるが、こ
れらに限定されない。本発明は、毛細管滲出を治療又は軽減する方法として有用
である。
【0020】 本態様のもう一つの面は、医用装置のような物体の設置又は移植により作出さ
れた空間を、充填、閉塞、部分充填、又は部分閉塞する方法である。この使用法
に包含される治療型の例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない
。本発明は、ステントの移植により作出されたステントと内腔壁との間の空隙を
充填することにより、血管ステントの末梢端における正常な体液動力学を回復さ
せる方法として有用である。
【0021】 本態様のもう一つの面は、膨張剤として使用される組成物のような組成物その
ものにより作出された空間を、充填、閉塞、部分充填、又は部分閉塞する方法で
ある。この使用法に包含される使用の型の例には、以下のものが含まれるが、こ
れらに限定されない。例えば、物理的外傷のような有害イベントの後の皮膚に、
正常な輪郭を再現する方法である。
【0022】 本発明のもう一つの態様は、治療薬、化学療法剤、放射線輸送装置、遺伝子治
療組成物が所望の位置の近傍に有利に維持されるよう、それら活性薬剤を所望の
位置へと付着させる方法を提供する。次いで、活性薬剤は、生分解された本発明
の組成物から結果的な凝集体構造として徐々に放出される。又は、特定の輸送速
度を可能にするため、本発明の組成物を修飾することが可能である。この使用は
、化学療法又は放射線の局所的な投薬により理想的に治療される腫瘍の治療にお
いて特に有益である。この方法の利点は、治療薬又は放射線を全身投与した場合
に必要であろう用量ほど大きい用量の治療薬又は放射線を、患者が受けないであ
ろう点である。本発明のもう一つの有利な用途は、遺伝子治療において使用され
るDNA組成物の輸送である。遺伝子治療の分野における長年にわたる問題は、実
務者が、治療に最も理想的に適した体内の位置へDNA治療薬を輸送できない点で
あった。本発明は、本発明の組成物が生分解するにつれ、ある期間にわたり徐々
に活性薬剤が放出されるよう、DNA組成物を所望の部位へ付着させる方法を提供
する。又は、コントロールされた輸送様式で活性薬剤を放出させるため、本発明
の組成物を修飾することもできる。
【0023】 本発明のもう一つの態様は、所望の位置に組成物を配備するため、本発明の組
成物に埋め込まれた、磁気的にコントロールされた粒子を利用する方法を提供す
る(「頭蓋内動脈瘤の定位血栓症のための磁気プローブ(Magnetic Probe for t
he Stereotaxic Thrombosis of Intracranial Aneurysms)」Alksne,J.F.,et.al
,Journal of Neurology,Neurosurgery and Psychiatry,1967年4月,30(2):159-62
;「磁気的にコントロールされたイヌの焦点血管内血栓症(Magnetically contro
lled Focal Intravascular Thrombosis in Dogs)」Alksne,J.F.,et.al,Journal
of Neurosurgery,1966年11月,25(5):516-25;「頭蓋内動脈瘤の血栓症−磁気的
にコントロールされた鉄粒子を利用した実験的手法(Thrombosis of Intracrani
al Aneurysms - An experimental approach utilizing magnetically controlle
d iron particles)」Alksne,J.F.,et.al,Radiology 1966年2月,86(2):342-3)
【0024】 本発明のもう一つの態様は、第1の組織片を、第2の組織片へ接着、接合、接続
、又は付着させる方法を提供する。この方法に包含される使用の型の例には、以
下のものが含まれるが、これらに限定されない。本発明は、2つの血管を接着、
接合、又は接続する方法、例えば、縫合又はステープルを使用することなく、外
科的条件下で、血管を迅速かつ効率的に接着、接合又は接続する吻合の方法とし
て有用である。本発明は、蒸発による体液の損失を最小限に抑え、感染を軽減す
るため、創傷を一時的に閉鎖するために本発明の組成物を使用する、外傷のよう
な一次創傷又は即座の介入を必要とする創傷を治療する方法として有用である。
【0025】 本発明のもう一つの態様は、医用装置のような非組織表面へ組織を接着、接合
、接続、又は付着させる方法を提供する。この方法に包含される使用の型の例に
は、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。本発明は、静脈弁、置換
心臓弁、又はステントを所望の位置に移植又は固定化する方法として有用である
【0026】 前記の使用は、本発明の組成物が、投与装置から配備された後、1秒を超える
時間、コントロール可能な状態であり続けるために可能となる。この特性のため
、組成物が配備装置から遠位に部分的に配備された場合ですら、実務者は、その
最も理想的な位置への組成物の配備を操作することが可能である。
【0027】 例えば、本発明の組成物は、配備装置から排出された後、その連続性を維持す
るための適度の粘着性を有する。適度の粘着性が存在しなければ、組成物は、よ
り小さい凝集体へと破壊され、血流へと拡散するであろう。
【0028】 例えば、本発明の組成物は、必要に応じて、モノマーの結果的な凝集体が、所
望の位置に設置されるよう配備される隣接した位置に、配備された組成物が接着
することができるよう、適切な接着特性を有する。
【0029】 本発明の組成物は、実務者が、特定の型の空間への組成物の浸透を、所望の量
、実施することができるような重合速度を有する。あまりに迅速に重合する組成
物は、浸透を妨害し、反対に、あまりに緩徐に重合する組成物は、重合した組成
物、モノマーの結果的な凝集体を正確に設置することを困難にするであろう。
【0030】 本発明のもう一つの態様は、血管、管、フィステル等の体内通路の内腔に、選
択的に塞栓封鎖を作出するための方法を提供する。
【0031】 本発明のもう一つの態様は、動静脈奇形(AVM)を治療する方法を提供する。
【0032】 定義 本明細書において使用されるように、「接着」又は「接着性」という用語は、
ある材料が第2の材料の表面に誘引される特徴又は傾向を意味する。接着は、2つ
の材料間の相互作用の結果として起こる。第1材料と比較した第2材料の特徴に応
じて、接着が起こることもあるし、又は起こらないこともある。本発明の組成物
のような単一の材料の場合、接着の存在は、血管の内腔壁への材料の固着により
証明される。即ち、材料と内腔壁との間に接着が存在する。反対に、接着の欠如
は、同材料について、材料を配備するために使用されるマイクロカテーテルチッ
プが、材料から除去されうる場合、即ち、材料とマイクロカテーテルチップとの
間にほとんど接着が存在しない場合に、証明される。
【0033】 本明細書において使用されるように、「アルキル」という用語は、炭素原子が
直鎖状であっても、分岐状であってもよい、1〜16個の炭素原子の炭素鎖をさす
【0034】 本明細書において使用されるように、「アニオン性(anionic)環境」又は「
陰イオン性(an-ionic)環境」という用語は、非イオン性(non-ionic)である
環境をさす。これは、電荷を有するイオンが存在しないか、又は電荷を有するイ
オンが、その電荷を効率よく中和する他の分子と複合体化している環境である。
例えば、水及びデキストロースのような糖の溶液、並びに血液は、アニオン性環
境である。
【0035】 本明細書において使用されるように、「低級アルキル」という用語は、炭素原
子が直鎖状であっても、分岐状であってもよい、1〜8個の炭素原子の炭素鎖をさ
す。低級アルキル部分の例には、メチル、エチル、n-ブチル、イソブチル、ペン
チル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、n-オクチル、及び2-
オクチルが含まれるが、これらに限定されない。
【0036】 本明細書において使用されるように、「分岐状アルキル」という用語は、第二
級又は第三級置換された炭素原子を少なくとも1個、含有している、1〜16個の炭
素原子の炭素鎖をさす。
【0037】 本明細書において使用されるように、「分岐状低級アルキル」という用語は、
第二級又は第三級置換された炭素原子を少なくとも1個、含有している、1〜8個
の炭素原子の炭素鎖、例えば、2-ヘキシル、イソブチル、2-ヘプチル及び2-オク
チルをさす。
【0038】 本明細書において使用されるように、「粘着」又は「粘着性」という用語は、
そのもの同士が固着する材料の特徴又は傾向を意味する。例えば、この特徴は、
静止液体、又は血液のような運動している液流へ導入された場合に、単一の塊と
して無傷であり続ける材料又は組成物により証明される。粘着的完全性が存在し
なければ、組成物は、複数の、より小さいサブユニットへと破壊される。
【0039】 本明細書において使用されるように、「塞栓剤」という用語は、塞栓ブロック
を形成することを目的として、体腔、又は血管、管、フィルテル等の体内通路の
内腔へ導入される非天然の組成物をさす。
【0040】 本明細書において使用されるように、「塞栓ブロック」又は「塞栓封鎖」又は
閉塞という用語は、塞栓剤として有用な組成物の投与からの最終的な結果をさす
。得られた塞栓ブロックは、血管、管、フィルテル等の体内通路の内腔を完全又
は部分的に機械的に封鎖するか、又は、同様に、動脈瘤のような腔内に閉塞を形
成する。
【0041】 本明細書において使用されるように、「シアノアクリル酸アルキルモノマー」
という用語は、対応するシアノアクリル酸アルキルを形成しうるという物理的特
性を有する、一般構造式H2C=C(CN)-C(O)O-R[式中、Rは、直鎖状又は分岐状の、
飽和又は非飽和の、1〜16個の炭素原子のアルキル部分である]の化学的実体を
さす。
【0042】 本明細書において使用されるように、「シアノアクリル酸アルキルポリマー」
という用語は、シアノアクリル酸アルキルモノマーの重合に起因するオリゴマー
又はポリマーを意味する。
【0043】 本明細書において使用されるように、「アルキルエステル化脂肪酸」という
用語は、ミリスチン酸エチルのような、アルキル部分を有するエステル官能基を
形成するよう誘導体化された脂肪酸を意味する。これらの化合物は、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、及びオクチルのよう
なアルキル部分と、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバ
ル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸のような、
1(即ち、酢酸)〜17炭素原子長(両端を含む)のアルキル側鎖を有するカルボ
ン酸とから形成される。
【0044】 本明細書において使用されるように、「不透明化剤」という用語は、放射線を
選択的に吸収するか、又は偏向させ、x線又は任意の同様の画像技術の下で材料
が可視となるようにする、化合物又は組成物である。典型的には、そのような薬
剤には、ヨウ素化油、及び臭素化油、並びにパントペイク、リピオドール及びエ
チオドールのような市販の組成物が含まれる。これらの市販の組成物は、不透明
化剤として作用し、かつ液体モノマーの量を希釈することにより、重合速度を低
下させる。さらに、金、白金、タンタル、チタン、タングステン、及び硫酸バリ
ウム等のようなある種の金属が、それらを不透明化剤として作用しうる特性を有
する。
【0045】 本明細書において使用されるように、「重合」という用語は、同一のモノマー
単位が化学的に反応し、オリゴマー又はポリマーとして、より大きい該モノマー
単位の凝集体を形成する、化学的過程をさす。
【0046】 本明細書において使用されるように、「重合遅延剤」という用語は、重合を停
止させるか、又は速度を低下させうる薬剤を意味する。そのような薬剤の例は、
純粋なリン酸、及び85%リン酸である。パントペイク、リピオドール、及びエチ
オドールのような、ある種の不透明化剤は、液体モノマーの量を希釈し、従って
重合速度を低下させることにより重合遅延剤としても機能することができる。
【0047】 本明細書において使用されるように、「空間」という用語は、マス中の未充填
の容積又は腔をさす。そのような空間の例には、マス中の既存の空間、例えば血
管の内腔、動脈瘤の嚢、一時的に設置された外的装置、例えば、カテーテル等の
装置により作出された空間、方法、例えば切開等の方法により作出された空間、
物体、例えばステント等の装置の移植により作出された空間、又は組成物により
作出された空間が含まれるが、これらに限定されない。
【0048】 本明細書において使用されるように、「安定性」という用語は、調製後、使用
前に、分解又は重合に抵抗するモノマー成分の能力をさす。
【0049】 本明細書において使用されるように、「阻害剤」という用語は、重合を阻害す
ることによりモノマー組成物を安定化する薬剤をさす。本発明に関して、この用
語は、様々な機序により安定化し、重合を阻害する薬剤をさす。一つ又は複数の
阻害剤の量を変更することにより、重合速度をコントロールすることが可能であ
る。阻害剤は、異なる活性様式を有し、例えば、ヒドロキノンは主に高エネルギ
ーのフリーラジカルを阻害するよう作用し、p-メトキシフェノールは主に低エネ
ルギーのフリーラジカルを阻害するよう作用し、リン酸はアニオン重合の速度に
影響を与える。
【0050】 本明細書において使用されるように、「ノイラクリル(Neuracryl)M」という
用語は、シアノアクリル酸2-ヘキシル、ヒドロキノン、p-メトキシフェノール、
及びリン酸を含むモノマー成分(「M1」)と、シアノアクリル酸2-ヘキシルモノ
マー、ミリスチン酸エチル、及び金から形成された結果的な凝集体構造を含む第
2成分(「M2」)とを含む組成物をさす。前記のように、「M1」という用語はノ
イラクリルMのモノマー成分をさし、「M2」という用語はノイラクリルMの第2成
分をさす。
【0051】 本明細書において使用されるように、「配備装置」という用語は、本発明の組
成物のような組成物を配備するために使用される装置をさす。そのような装置の
例には、以下のものが含まれるが、これらに限定されない。Micro Therapeutics
,Inc.(2 Goodyear,Irvine,California 92618)は、レバー(Rebar)(登録商標
)マイクロカテーテル(Micro Catheter)、エキノックス(Equinox)(登録商
標)閉塞バルーンシステム(Occlusion Balloon System)、及びシルバースピー
ド(SilverSpeed)(登録商標)ガイドワイヤのような医用装置を販売しており
、これらは、本発明に含まれる状態のような状態を治療するために共に使用され
る。本発明に参照として組み込まれる米国特許第5,882,334号「バルーン位置調
整可能なバルーン/送達カテーテルアセンブリ(Balloon/delivery Catheter Ass
embly with Adjustable Balloon Positioning)」は、組成物を送達するための
カテーテルアセンブリに関する。
【0052】 命名 化合物シアノ酢酸2-ヘキシルは、以下のように図示され、スキームA及びBの式
3としても図示される。
【化1】
【0053】 化合物シアノアクリル酸2-ヘキシルは、以下のように図示され、スキームBの
式5としても図示される。
【化2】
【0054】 本発明は、n-ブチルシアノアクリル酸、イソブチルシアノアクリル酸、及びシ
アノアクリル酸2-ヘキシルのようなシアノアクリル酸アルキルモノマー単位と、
ヒドロキノン、p-メトキシフェノール、及びリン酸のような少なくとも1つの阻
害剤とから形成された組成物である。組成物は、血液又は組織のようなアニオン
性環境と接触するようになった際に、結果的な凝集体構造、即ちオリゴマー又は
ポリマーを形成する。結果的な凝集体組成物は、塞栓剤として特に適した特徴を
有する。
【0055】 本発明の組成物は、塞栓剤において望ましい、以下のような特性を保有する。
【0056】 1)組成物は、必要時まで、モノマー成分と第2成分として調製され、維持され
うる。
【0057】 2)組成物は、血管、管、フィルテル等の体内通路の内腔への導入及びコント
ロールされた設置にとって不可欠な、液体状態から固体状態へと、確実に、予測
可能に変化する能力を有する。
【0058】 3)組成物は、シリンジ及びマイクロカテーテル又はその他の同様の装置によ
る投与にとって不可欠な、低い粘性を有する。
【0059】 4)組成物は、血液のようなアニオン性体液環境へ投与された際に、単一の凝
集体構造を形成するような、粘着特徴を有する。
【0060】 5)組成物は、血管、管、フィルテル等の体内通路の内腔へと付着するような
接着特徴を有するが、組成物を配備する装置が、実務者がそれを除去しうる前に
固定されてしまう程度の接着特徴は有しない。
【0061】 6)組成物は、斑痕形成を引き起こすために十分な、穏和な組織炎症を引き起
こすが、膿形成を引き起こす程度の重度の炎症は引き起こさない。斑痕形成は、
組成物が生分解するか、又は内腔から排除された後の塞栓ブロックの機能性を維
持するために必要である。
【0062】 7)組成物は、斑痕形成の発生を可能にするために十分な、生分解に対する安
定性を有する。
【0063】 8)組成物は放射線不透過性である。放射線不透過性は、塞栓剤としての機能
にとっては必要ないが、X線又はその他のそのような画像技術による塞栓ブロッ
クの観察を可能にする。
【0064】 9)組成物の重合中の熱放出速度は、脳組織のような、熱感受性である可能性
がある周囲の組織に、熱が有害な効果を与えないよう、十分に低い。
【0065】 10)組成物及びその生分解生成物は、その存在が生体にさほどの害を与えない
よう、十分に非組織毒性であり、非細胞毒性である。
【0066】 本発明の組成物は、モノマー成分と第2成分とを混和することにより使用され
る。成分を混合した後、本発明は、血管、管、フィルテル等の体内通路の内腔へ
と投与される。本発明の特徴は、内腔における正確な設置を許容する。血液又は
組織のようなアニオン性環境との接触により、組成物の重合が引き起こされる。
形成された結果的な塞栓ブロックのサイズは、投与された組成物の量により決定
される。
【0067】 本発明の組成物の特徴は、塞栓剤を利用することが意図される特定の目的又は
環境のため修飾されうる。例えば、アルキル側鎖の長さ及び同位体配置の変化は
、シアノアクリル酸モノマーの結果的な凝集体の脆弱性を改変することができる
。より小さい凝集体の形成を引き起こすアルキル鎖の脆弱性は低い傾向があり、
より大きい凝集体は、柔軟性が低い傾向がある。さらに、モノマーを異なるアル
キル側鎖と混和することにより、結果的なポリマーの特徴を、所望の適用にとっ
て最適なものへと修飾することができる。
【0068】 シアノアクリル酸は、モノマー型からポリマー型へと変化する際に、熱を生成
させる。放出される熱の量及び速度は、過剰であれば、血管の近傍の生存組織に
有害な効果を及ぼしうる。重合中に放出される熱の量及び速度のコントロールは
、組成物の有益性にとって重要である。
【0069】 モノマー成分の調製 本発明のモノマー成分は、スキームAに図示されたように、対応するアルキル
アルコール及びシアノ酢酸から所望の前駆体エステルを形成させ、所望のシアノ
酢酸アルキルを得ることにより調製される。この反応の出発材料は、例えば、ア
ルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Company)、シグマ・ケ
ミカル・カンパニー(Sigma Chemical Company)、又はフルカ・ケミカル・カン
パニー(Fluka Chemical Company)から市販されており、又は当業者に既知の手
法に従い調製してもよい。
【化3】 式2の化合物は、Rが1〜16個の炭素である任意のアルキルアルコールであり、メ
チル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、ヘプチル、
オクチル、ノニル、デカ、ウンデカ、ドデカ、トリデカ、テトラデカ、ペンタデ
カ、ヘキサデカのようなアルキル基(これらの部分は、直鎖状(例えば、n-プロ
ピル、n-ブチル、n-ペンチル)であっても、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブ
チル、イソプロピル、2-ブチル、2-ペンチル、2-ヘキシル、2-ヘプチル、2-オク
チル等のような様々な分岐状であってもよい)に基づくアルコールを含むが、こ
れらに限定されない。特に有利なアルコールは、参照として本明細書に組み込ま
れる、「シアノアクリル酸接着組成物(Cyanoacrylate Adhesive Compositions
)」なる表題の米国特許第3,728,375号に開示されているものである。特に好ま
しいのは、n-ブチル、イソブチル、及び2-ヘキシルのアルコールである。
【0070】 式1の化合物と式2の化合物、約1モル当量を、トルエンのような溶媒約100ml/
モル当量中で混和する。この混合物に、触媒量(約1.0×10-4モル当量)のp-ト
ルエンスルホン酸を添加する。混合物を攪拌し、還流加熱する。調製物は、理想
的には、約95%という純度レベルで所望のシアノ酢酸アルキルを与える。実験条
件は、本発明を逸脱することなく、当業者により容易に修飾されうる。溶媒選択
、反応時間、温度、及び試薬選択のような面は、十分に当業者の技術の範囲内で
ある。必要であれば、複数の蒸留、並びに当業者に既知の精製技術及び手法、例
えば水抽出、真空蒸留、カラムクロマトグラフィ等を使用して、材料をさらに精
製してもよい。
【0071】 シアノアクリル酸アルキルの調製 シアノ酢酸アルキルをスキームBに図示されたようなクネベネーゲル(Knoeven
gel)型反応で反応させることにより、本発明の所望のシアノアクリル酸アルキ
ルモノマー成分を合成する。
【化4】 パラホルムアルデヒドから調製されるホルムアルデヒド(式4)約1モル当量、及
びピペリジン(約0.33ml/モル当量)を、メタノールのような溶媒(約166ml/モ
ル当量)中で混和する。この混合物に、先に調製したシアノ酢酸アルキル(式3
)約1モル当量を滴下により添加する。反応混合物を攪拌しながら還流し、所望
のシアノアクリル酸アルキルポリマー(式5)を得る。反応混合物を、五酸化リ
ン(phosphorus pentoxide)約0.2〜0.7モル当量、好ましくは約0.2〜0.6モル当
量で、さらに処理し、所望のシアノアクリル酸アルキルを得る。精製工程中、式
5の化合物が重合しないよう留意しなければならない。そのためには、系を微量
の二酸化硫黄で処理し、受容フラスコをヒドロキノン及び85%リン酸で処理する
。一次精製後、複数の蒸留、又は当業者に既知の精製技術、例えば真空蒸留、ス
ピニング・バンド・カラム(spinning band column)等を使用して、所望のシア
ノアクリル酸アルキルをさらに精製する。
【0072】 配合 本発明のモノマー成分は少なくとも1種のシアノアクリル酸アルキル及び少な
くとも1種の阻害剤を含む。シアノアクリル酸にふさわしい代表的な阻害剤とし
ては、例えば、ヒドロキノン、p−メトキシフェノール、純リン酸、及びアルキ
ル部分の鎖長が1個の炭素原子(例えば、酢酸)から15及び17個の炭素原子
(すなわち、それぞれパルミチン酸及びステアリン酸)であるアルキルカルボン
酸、及び様々な%濃度のリン酸溶液が挙げられる。好適にはヒドロキノン、p−
メトキシフェノール、及びリン酸が、単一でもしくは組み合わせて用いられる。
【0073】 異なる阻害剤は異なる物理的特徴を有しており、そのため組成物の最終的な性
質を変える働きがある。例えば、ヒドロキノンは、主に、高エネルギーフリーラ
ジカルの阻害剤であり、p−メトキシフェノール は、主に、低エネルギーフリ
ーラジカルの阻害剤である。またリン酸は、アニオン性の重合とその重合速度を
制御もしくは阻害する働きがある。
【0074】 用いる阻害剤の量は、シアノアクリル酸アルキルのPPMで測る。例えば、2-ヘ
キシルシアノアクリル酸に関しては、ヒドロキノンはPPMで約50〜150(P
PM)の範囲であり、p−メトキシフェノールは約50〜150PPMの範囲、
及びリン酸は約125〜375PPMの範囲であり、より好適なものは、約75
〜125PPMの範囲のヒドロキノン、約75〜125PPMの範囲のp−メト
キシフェノール、及び約187.5〜312.5PPMの範囲のリン酸、最も好
適なものは、約95〜105PPMの範囲のヒドロキノン、約95〜105PP
Mの範囲のp−メトキシフェノール、及び約200〜300PPMの範囲のリン
酸である。
【0075】 第2成分は不透明化剤及び重合遅延剤として働く。この目的のために、第2成分
は、エチオドール等のヨウ素化油、もしくは臭素化油を用いることができる。通
常、ヨウ素化油は、最終組成物の全容積のうちの数パーセント程度の量を混合す
る。用いるヨウ素化油の(%)溶液が、組成物の重合速度と不透明度に影響を与
える。 一般的に、好適な範囲は約17〜66%であり、好ましくは約33%で
ある。
【0076】 又は、第2成分は、以下の不透明化物質を含む組成物であり得る。すなわち、
不透明化物質とは、金、白金、タンタル、チタン、タングステン、及び硫酸バリ
ウム等;シアノアクリル酸アルキルポリマー材料、及びアルキルエステル化脂肪
酸、ここで脂肪酸は3(例えば、酪酸アルキル)〜17個の炭素(例えば、ステ
アリン酸アルキル、好適なものとしてはラウリン酸アルキル、ミリスチン酸アル
キル、パルミチン酸アルキル、及びステアリン酸アルキル、最も好適なものはミ
リスチン酸アルキルであり、特に最も好ましいのはミリスチン酸エチルである)
を有するものである。
【0077】 不透明化物質は細粒粉末の形態で用いられ、通常、個々の粒子のサイズは直径
約7ミクロン以下であり、好ましくは約5ミクロン、最も好適には約2ミクロン
、特に最も好適には1ミクロン以下である。
【0078】 シアノアクリル酸アルキルポリマーに対して用いられる不透明化物質の量は、
物質の種類に応じて変わる。その比の決定に影響を与える要因としては、シアノ
アクリル酸アルキルポリマーでコートされた粒子のサイズと量が挙げられる。例
えば、2−ヘキシルシアノアクリル酸と金に関しては、コートされる粉末状の金
(粒子サイズが約5±2ミクロン)100g当たり2-ヘキシルシアノアクリル
酸を2g 用いる。その量はシアノアクリル酸アルキルでコートされる不透明化物
質に応じて変わる。シアノアクリル酸アルキルを小粒子状に処理し、細粒粉末化
した不透明化物質と混合することによって、シアノアクリル酸アルキルと不透明
化物質を機械的に混合する。次に、シアノアクリル酸アルキルポリマーでコート
した物質を使用前に保存しておく媒体の役割を果たし、モノマー成分と接触させ
たときに組成物の重合を阻害しない媒体であるエステル化脂肪酸中にシアノアク
リル酸アルキルポリマーでコートした物質を貯蔵する。次に、シアノアクリル酸
ポリマーの懸濁液の入った非密閉保存容器、好ましくは適当に滅菌されたボトル
と蓋等をエチレンオキシド、又はケテンで処理する。この処理は、コーティング
工程の完了後約48時間以内、好ましくは24時間以内に実施すべきである。こ
の処理工程で、シアノアクリル酸アルキルポリマーでコートした物質は滅菌及び
安定化される。またこの処理工程は、エチレンオキシドを用いた標準的な方法(
すなわち、充分な時間ガスに充分暴露されるようにこの容器を配置する)に従っ
て実施する。
【0079】 ポリマーM 本発明の組成物の特徴は、その組成物を用いる特定の用途もしくは環境に合わ
せて改変することができる。例えば、アルキル側鎖の鎖長と異性構造を変化させ
ることによって、シアノアクリル酸モノマーから形成したポリマーの脆弱性を変
化させることができる。より小さな凝集体を形成するようなアルキル鎖の場合に
は、脆弱性は減少する傾向にあり、凝集体が大きくなる場合には柔軟性が減少す
る傾向にある。ポリマーの特徴を修飾する別の方法としては、2種類以上のシア
ノアクリル酸アルキルモノマーを含む組成物を適当な阻害剤と組み合わせて用い
る。
【0080】 例えば、2-ヘキシルシアノアクリル酸、ヒドロキノン、p−メトキシフェノ
ール、及びリン酸を含むモノマー成分を含み、さらに2-ヘキシルシアノアクリ
ル酸ポリマー、金、及びミリスチン酸エチルを含む第2成分を含む組成物でポリ
マーMを調製する。
【0081】 ポリマーMに関する定性的な評価を表Aに示す。このポリマーを利用する用途
に関係した当業者であれば容易に開示された物理的特徴を理解することができる
【表A】
【0082】 ポリマーMは優れた粘着性を有している。この組成物を血管もしくはその他の
通路等の内腔等の定常液又は流動液体中に導入した場合、そのまま自己会合して
単一の集塊又は凝集体となる傾向がある。これによって、組成物の一部が断片と
なって好ましくない場所に沈着するような危険性もなく、組成物を独立した場所
に配置、もしくは所望の位置に配置することができる。ポリマーMはその粘度に
関する性質から、過度の圧力を用いることなく液体組成物を血管、管、フィステ
ル、もしくは体内通路の内腔に注入することが可能である。
【0083】 これらの性質ゆえに、ポリマーMは、組成物が最終的な場所に到達する前にさ
らにアニオン性の環境を通り抜けなくてはならないような用途に対して理想的な
適合性を有するのである。好ましい用途としては、動静脈奇形(「AVM」とい
う名称でも知られている)に関する治療である。ポリマーMは、長期の尿フィス
テルの治療にも理想的な適合性を有しており、これは好適な治療には液体組成物
が腔内の空間により深く浸透することが必要であるという理由による。ポリマー
Mに適した他の用途としては、管閉塞、及び外科的癒合の実施が挙げられる。例
えば、本発明の組成物を腹腔内生組織に用い、その組織が自己もしくは他の組織
と癒着するのを防ぐ。
【0084】 投与 本発明の組成物は、市販の針、カテーテル装置、又は定位装置のいずれか、好
ましくは組成物の位置の指標を実務者に提供する画像技術と組み合わせたものを
用いて投与する。このような装置と方法は、当業者に公知である。例えば、参照
のために本明細書に組み入れられる米国特許第5,925,683号「液体塞栓剤(Liqui
d Embolic Agents)」には、液体塞栓剤/溶液を人体に導入して、沈降塞栓性閉
塞塊を形成させる方法、及び門脈塞栓を用いた肝腫瘍の治療に対するこの方法の
利用法が開示されている。参照のために本明細書に組み入れられる米国特許第5,
702,361号「血管閉塞の方法(Method for Embolizing Blood Vessels)」には、
患者の血管におけるある血管部位を閉塞させる方法が開示されている。この方法
は、閉塞させる血管部位においてカテーテルで非粒子性の薬剤又は多種類の同様
な薬剤を導入する工程、及び生体適合性ポリマー、生体適合性溶媒、及び造影剤
を含むポリマー組成物をカテーテルで該血管部位に送達する工程を含む。この送
達は、該血管部位においてインサイチューでポリマーの沈降物が形成し、その結
果血管閉塞をもたらす、及び沈降物内に非粒子性の薬剤が被包される条件下で実
施する。本発明に応用可能な他の装置としては、組成物送達のためのカテーテル
アセンブリを目的とした米国特許第5,882,334号「バルーン位置調整可能なバル
ーン/送達カテーテルアセンブリ(Balloon/delivery Catheter Assembly with A
djustable Balloon Positioning)」に開示されているものが挙げられる。これ
は参照のために本明細書に組み入れられる。さらに、マイクロセラピューティッ
クス社(Micro Therapeutics, Inc., 2 Goodyear、Irvine、California 92618)
は、本発明の範囲に該当する状態の治療において使用されることが米国食品医薬
品局によって認可されているRebarTM マイクロカテーテル、EquinoxTM 閉塞バル
ーンシステム、及びSilverSpeedTM ガイドワイヤ等の医療用装置を販売している
【0085】 本発明の組成物は、塞栓剤、閉塞剤、もしくは塞栓性ブロック又は閉塞を形成
する組成物を利用したいずれの塞栓形成法と組み合わせても好適に用いることが
できる。
【0086】 本発明の組成物は、充填を行う腔内に閉塞を形成させる、もしくは腫瘍への血
液供給元となる血管の閉塞を形成させる等の目的において、組成物の正確な沈着
を助ける市販の定位装置と組み合わせて特に好適に用いることができる。
【0087】 用途 本発明は、マスにおける未充填容積又は空間(「空間」)の充填、閉塞、部分
的な充填、もしくは部分的な閉塞を行う際に有用である。特に、組成物は、既存
の空間(例えば、血管内腔、又は動脈瘤小嚢)、一時的に設置された外部装置(
例えば、カテーテル又は同様な装置)で形成させた空間、ある方法(例えば、切
除法又は同様な方法、もしくはある物体(例えば、ステント又は同様の装置)の
移植法)で作出された空間、もしくは組成物で作出された空間を充填するために
有用であり、また組成物は、組織と組織、もしくは組織と装置を接着させるため
にも有用である。この組成物はアニオン性の環境に接触させた場合、もしくは既
存の空間(例えば、血管内腔、又は動脈瘤小嚢)、一時的に設置された外部装置
(例えば、カテーテル又は同様な装置)で形成させた空間、ある方法(例えば、
切除法又は同様な方法、もしくはある物体(例えば、ステント又は同様の装置)
の移植法)で作出された空間、もしくは組成物で作出された空間にインサイチュ
ーで配置した場合に、重合する性質を有している。
【0088】 本発明は、塞栓を形成させて、血管内腔、管、フィステルもしくはその他の体
内通路の塞栓性遮断を選択的に行う塞栓剤として有用である。
【0089】 使用前には、本発明をモノマー成分及び第2成分として調製及び保存すること
ができる。血管、管、フィステルもしくはその他の体内通路の内腔に導入し、目
的の場所に位置させるために必須である液体状態から固体状態への変化を、確実
かつ想定通りに起こさせることが可能である。この組成物は粘度が低いが、この
ことはシリンジ及びマイクロカテーテルもしくはその他の同様な装置で投与する
ために必須である。
【0090】 本発明の粘着性に関する特徴としては、組成物を血液等のアニオン性の液性環
境へ投与したときに、組成物が単一の会合構造物を形成することが挙げられる。
さらに、接着性に関する特徴としては、組成物が、血管、管、フィステルもしく
はその他の体内通路の内腔に接着するが、実務者が組成物を沈着させるための装
置を除去する前にそこに固定されてしまう程度の接着は起こらないことが挙げら
れる。
【0091】 本発明は、瘢痕化を起こすのには十分であるが、膿汁形成を起こすほど重度で
はないような軽度な組織の炎症を惹起するものである。組成物が生体内分解した
後、もしくは内腔から除去された後に塞栓性ブロックの機能性を維持するために
組織の瘢痕化が必要であるので、瘢痕形成が望ましい。この組成物は、生体内分
解に対し十分に安定であり、瘢痕化を起こすことが可能である。
【0092】 本発明は放射線不透過性である。この特徴は塞栓剤としての機能には不必要で
あるが、放射線不透過性によって塞栓性ブロックを、X線もしくはその他の画像
技術を用いて観察することが可能となる。
【0093】 本発明の重合反応における熱放出速度は充分遅いので、脳組織等の熱感受性の
周囲の組織に熱が有害な効果を与えるようなことはない。
【0094】 本発明及びその生体内分解産物は、組織毒性及び細胞毒性が十分に低く、生体
中にこれらが存在していても充分に寛容され得るものである。
【0095】 本発明の組成物は、マスにおける未充填容積又は空間(「空間」)の充填、閉
塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を行う際に有用である。
【0096】 本発明は、マスにおける未充填容積又は空間の充填、閉塞、部分的な充填、も
しくは部分的な閉塞を行う方法を提供する。本発明の範囲に該当する未充填の容
積又は空間の種類としては、次のような例が挙げられるが、これらのみに限定さ
れるものではない。
【0097】 例えば、本発明は体内通路(例えば、血管、管、動脈瘤、又はフィステル)の
内腔等の既存の空間の充填、閉塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を行う
方法として使用される。本法の使用による治療法の種類の例としては、次のよう
なものが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。本発明は、動静
脈奇形(AVM)の治療法として有用である。この方法では、AVMに栄養を与
える血管を閉塞し、これによってAVMへの血液の供給を止めるのである。本発
明は、組織への血液供給を停止することによって患部組織もしくは好ましくない
組織を除去する方法として有用である。特に本発明は、独立した血液供給を有す
る腫瘍の治療法として有用である。この方法では、腫瘍に栄養を与える血管を閉
塞することによって腫瘍への血液の供給を止め、腫瘍の増殖を減少させるもしく
は死滅させる。本発明は、動脈瘤の進展を予防する、もしくは緩和する方法とし
て有用である。この方法では、動脈瘤の形成もしくは進展を緩和する目的で、血
管内の液体流動を修飾するために選択された血管をある位置で部分的に閉塞する
。本発明は、子宮動脈の症候性子宮平滑筋腫の閉鎖・閉塞による非外科的治療法
として有用である。この方法についてシアノアクリル酸アルキル以外の組成物を
利用した方法が、「Journal of Vascular and Interventional Radiology (10:8
91-894、July-August 1999)」に報告されている。本発明は、雌性哺乳動物を不
妊にする方法として有用である。この方法では、ファローピウス管を閉塞し、卵
巣からの子宮への卵の通過を阻害する。雌性哺乳動物を不妊化するための閉塞剤
の使用については、参照のために本明細書に組み入れられる米国特許第5,989,58
0号「雌性哺乳動物を不妊化する方法(Method of Sterilizing Female Mammals
)」に開示されている。この特許において開示された方法は、本発明の組成物を
用いて好適に実施することが可能であり、また本発明の範囲に含まれるものであ
る。
【0098】 本発明は、血管、管、フィステルもしくはその他の体内通路の内腔に関してそ
の全体又は部分を機械的にブロックする塞栓性の遮断物を選択的に作出する、も
しくは設置する方法を提供する塞栓剤である。特に、本発明は、内腔を通る血流
を、全体的に又は部分的に遮断する、もしくは迂回させるために特に有用である
【0099】 本発明は、特定の組織又は部位への血流を遮断するために好適に用いることが
できる。例えば、本発明は動静脈奇形(AVM)を治療するために用いることが
できる。AVMは、動脈でも静脈でもない異常な血管の集合である。これらの血
管は互いに密着してかたまり、AVMの病巣中核を形成する。AVMの病巣中核
への血流は、厚みの薄くなって広がり蛇行した血管を通り、急速に排出静脈に流
れ込む。その理由は、この病巣中核が、強い抵抗を与える細動脈も毛細血管も含
まないからである。AVMに見られる臨床症状は、出血、正常構造付近からの血
液方向の変位、もしくは発作である。脳AVMに伴う主要な臨床的障害は、致死
性の出血の可能性である。現時点での標準的なAVM治療の方法は、外科的切除
、高エネルギー放射線、もしくは特定の装置による塞栓形成である。
【0100】 さらに、本発明は、腫瘍への血流の迂回もしくは遮断による癌治療に用いるこ
とができる。本発明は、例えば、脳腫瘍等の外科的介入を容易に受け得ない部位
における腫瘍の治療特に有用である。
【0101】 本発明のその他の好適な用途としては、大動脈肺動脈縫合、偽動脈瘤の治療、
肝動脈の血管閉塞及び細胞毒性薬剤の共役投与時における一時的血管閉塞、その
他のタイプの管についての治療が挙げられる。例えば、管閉塞、ファローピウス
管の閉塞、精管閉塞、及び尿管閉塞を実施するために該組成物を用いることがで
きる。
【0102】 本発明は、一時的に設置された外部装置(例えば、カテーテルバルーン)で形
成させた空間に充填、閉塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を行う方法を
提供する。本法の使用による治療の種類の例としては、次のものが挙げられるが
、これらのみに限定されるものではない。 本発明は、動脈瘤内の空間を本発明
の組成物で充填することによる動脈瘤の治療法として有用である。この方法では
、動脈瘤内の空間で組成物を重合し、動脈瘤破裂を予防する。この治療法は市販
の任意の本数のカテーテル、カテーテルコイル、カテーテルワイヤー、もしくは
カテーテルバルーンを本発明とともに用いて、効果的に実施することができる。
このような装置の例として、供給元より市販されているものを挙げることができ
る。例えば、マイクロセラピューティックス社(Micro Therapeutics、Inc., 2
Goodyear、Irvine、California 92618)は、RebarTM マイクロカテーテル、Equi
noxTM 閉塞バルーンシステム、及びSilverSpeedTM ガイドワイヤ等の一連の医療
用装置を販売している。同様に、参照のために本明細書に組み入れられる米国特
許第5,882,334号「バルーン位置調整可能なバルーン/送達カテーテルアセンブリ
(Balloon/delivery Catheter Assembly with Adjustable Balloon Positioning
)」は、ターゲットセラピューティックス社に帰属し、これは本発明の組成物等
の組成物を送達するためのカテーテルアセンブリを目的としたものである。
【0103】 本発明はまた組織切除、もしくは通気法等の方法で作出された、もしくはそれ
によって得られた空間の充填、閉塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を行
う方法を提供する。本法の使用による治療の種類の例としては、次のものが挙げ
られるが、これらのみに限定されるものではない。本発明は、切除処置後に毛細
血管の滲み出しを処置するための方法として有用である。
【0104】 本発明はさらに医療用装置等の物体の設置もしくは埋め込みによって作出され
る空間の充填、閉塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を行う方法を提供す
る。本法の使用による用途の種類の例としては、次のようなものが挙げられるが
、これらのみに限定されるものではない。本発明は、ステントの移植によって生
じるステントと内腔壁との間の空隙を充填することにより血管ステントの周辺端
で正常の液体流動を回復させる方法として有用である。
【0105】 さらにもう一つの好適な用途としては、ステント周辺の血流を制御し円滑にす
ることが挙げられる。バルーン脈管形成術及びステント使用による主な合併症は
、血液凝固の形成とそれに随伴する合併症を誘発しうるステントより後、及びス
テント周辺の円滑な血流の阻害である。本発明の組成物を用いて、ステント及び
近傍の血流を変化させ定常的にし、乱流の原因及び乱流による状態を緩和又は軽
減することができる。
【0106】 本発明はさらに、組成物を膨化剤として用いる場合のように組成物それ自身に
よって作出される空間の充填、閉塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を行
う方法を提供する。本法の使用による用途の種類の例としては、次のようなもの
が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。例えば、物理的傷害後
等に外観の正常な輪郭を再生させる方法である。
【0107】 投与 本発明のモノマー成分及び第2成分は使用直前に混合する。本発明の組成物は
、いずれかタイプの 配備装置を用いて投与する。「配備装置」なる用語は、本
発明のものに類似の液体もしくは組成物を配備するために用いる、針、カテーテ
ル装置、カテーテルバルーン、定位装置等の装置を意味する。当業者にとって、
これらの装置の使用法は公知であり、かかる装置は市販されている。このような
装置と方法は、当業者に公知である。 例えば、参照のために本明細書に組み入
れられる米国特許第5,925,683号「液体塞栓剤(Liquid Embolic Agents)」には
、液体塞栓剤/溶液を人体に導入して、沈降塞栓性閉塞塊を形成させる方法、及
び門脈塞栓を用いた肝腫瘍の治療に対するこの方法の利用法が開示されている。
参照のために本明細書に組み入れられる米国特許第5,702,361号「血管閉塞の方
法(Method for Embolizing Blood Vessels)」には患者の血管におけるある血
管部位を塞栓させる方法が開示されている。この方法は、塞栓させる血管部位に
おいてカテーテルで非粒子性の薬剤又は多種類の同様な薬剤を導入する工程、及
び生体適合性ポリマー、生体適合性溶媒、及び造影剤を含むポリマー組成物をカ
テーテルで該血管部位に送達する工程を含む。この送達は、該血管部位において
インサイチューでポリマーの沈降物が形成し、その結果血管閉塞をもたらし、及
び沈降物内に非粒子性の薬剤が被包される条件下で実施する。本発明に応用可能
な他の装置としては、組成物送達のためのカテーテルアセンブリを目的とした米
国特許第5,882,334号「バルーン位置調整可能なバルーン/送達カテーテルアセン
ブリ(Balloon/delivery Catheter Assembly with Adjustable Balloon Positio
ning)」に開示されているものが挙げられる。これは参照のために本明細書に組
み入れられる。さらに、マイクロセラピューティックス社(Micro Therapeutics
、Inc., 2 Goodyear、Irvine、California 92618)は、本発明の範囲に該当する
状態の治療において使用されることが米国食品医薬品局によって認可されている
RebarTM マイクロカテーテル、EquinoxTM 閉塞バルーンシステム、及びSilverSp
eedTM ガイドワイヤ等の医療用装置を販売している。
【0108】 本発明の組成物は、市販の針、カテーテル装置、又は定位装置のいずれか、好
ましくは組成物の位置の指標を実務者に提供する画像技術と組み合わせたものを
用いて投与する。本発明の組成物は、塞栓剤、閉塞剤、もしくは塞栓性ブロック
又は閉塞を形成する組成物を利用したいずれの塞栓形成法と組み合わせて好適に
用いることがでる、もしくはマスにおける未充填容積又は空間(「空間」)の充
填、閉塞、部分的な充填、もしくは部分的な閉塞を実施するために効果的に用い
ることができる。
【0109】 実施例 当業者が本発明をより明確に理解し、実践できるようにするために、以下の実
施例を挙げる。本実施例は本発明の範囲を限定すると見なされるべきではなく、
その例証及び代表として見なされるべきである。
【0110】 実施例1 シアノ酢酸2-ヘキシルの調製 24/40摺合わせガラス連結管付き5リットルフラスコに還流冷却器、ディーンス
ターク(Dean-Stark)トラップ、及びフットボールマグネット撹拌子を連結した
。反応容器を、シアノ酢酸1,275.0g(Aldrich Chemical社)、2-ヘキサノール1,
581.5g(Aldrich Chemical社)及びp-トルエンスルホン酸3.0g(Aldrich Chemic
al社)、ならびにトルエン1500(Aldrich Chemical社)で充填した。反応混合物
を撹拌し、加熱して還流させた。反応の副生成物として生成される水を反応過程
の間に回収した。水が生成されなくなる30分以上の間、反応を続けた。回収され
た水の量は230mlで、理論収量85.2%で反応が完了したことが示された。終了し
た反応混合物を室温になるまで冷却した。
【0111】 反応混合物を撹拌し、飽和重曹(炭酸水素ナトリウム)水溶液500mlを混合物
に徐々に加えた。泡立ちが止むまで反応混合物を激しく撹拌した。反応混合物を
6リットルの分液ロートに注ぎ、水500mlを更に加えた。ロートを激しく撹拌した
。水相が分離され、反応水(Reaction Water)として保存された。水層のpHを測
定し、pH8以上であることを保証した。分液ロート中の有機相反応混合物に、更
に水500mlを加えた。ロートの中身を再度振とうし、水相と有機相を定着させ、
分離された水相もまた反応処理水としてとっておいた。この洗浄段階を更に2回
繰返した。有機相を5リットルフラスコに移した。フラスコに蒸留冷却器を取付
けた。反応混合物を加熱して還流させ、残存する水を反応混合物から分離させて
捨てた。真空分留のために装置を再構成した。まず、装置の圧力を約5Torrに減
少させ、次に撹拌しながら60℃まで加熱したことにより、混合物中のトルエンと
2-ヘキサノールが除去された。溶媒を除去した後、圧力を更に1Torr未満に減少
させ、所望のシアノ酢酸2-ヘキシルが蒸留され始めるまで徐々に加熱した。加熱
を、生成物が2滴/秒の速度で回収されるように調節した。回収によりシアノ酢酸
2-ヘキシルが1921.1g(収率70.76%)回収され、蒸留ユニットから物質が留出物
が出て来なくなったら、蒸留を止めた。シアノ酢酸2-ヘキシルの純度のガスクロ
マトグラフィー分析により、産物の純度は98.3%で、次の段階に進むために必要
95%の純度を十分上回っていた。
【0112】 もしシアノ酢酸2-ヘキシルの純度が95%より低い場合、真空蒸留により、又は
当業者に公知の任意の類似した技法を用いて精製できると考えられる。
【0113】 実施例2 シアノアクリル酸2-ヘキシルの調製 5l加熱用マントル中で、5リットル三つ口フラスコに還流冷却器、ディーンス
タークトラップ、更なるロート及びガラスパドル付き機械的撹拌機を連結した。
パラホルムアルデヒド272.4g及びメタノール1,500mlをフラスコ中で混合した。
反応混合物を加熱して還流させ、溶液が透明になり始めるまで一時間の間撹拌し
た。ピペリジン3mlをメタノールと共に反応混合物に加えた後、シアノ酢酸2-ヘ
キシル1521.9gを滴下方式で加えた。もたらされた反応は発熱性で、加熱は反応
混合物が還流温度を維持するように調節された。添加終了後に、更に30分間反応
混合物の還流を続けた。反応混合物からメタノールを蒸留し、(蒸発分を補正し
て)最初のメタノールの1420ml(98%)を回収するまで、ディーンスタークトラ
ップにより回収した。反応混合物はこの時点で一晩停止された。
【0114】 反応容器に真空蒸留装置を連結して残留物を回収し、残りの揮発性物質を除去
するために高真空下に放置した。10Torr未満になるまで真空度を徐々に増加させ
た。すべての溶媒が除去されるまで、容器を加熱した。溶媒が除去されたら、空
気への暴露が最小限になるように気をつけて、混合物に五酸化リン75gを加えた
。加熱を中断して混合物を1時間撹拌した。その後、容器内を二酸化硫黄で満た
した。圧力を10Torr未満まで減少させてゆっくりと加熱し、二酸化硫黄の流れを
ガスが一定の低流速で容器内に流入するように調節した。
【0115】 1lフラスコを濃硫酸で洗浄し、水で3回濯ぎ、超純水で1回濯いだ。フラスコを
一時間、110℃で乾燥器乾燥し、室温まで冷却した。1lフラスコに85%リン酸10
滴及びハイドロキノン約25mg〜50mgを加えた。フラスコを、蒸留装置のレシーバ
フラスコとして連結した。蒸留圧を10Torr未満まで減少させた。蒸留を開始する
まで反応混合物を加熱し、撹拌した。シアノアクリル酸2-ヘキシル418gが25%収
率で回収された。温度が110℃以上になった時に、蒸留を終了した。
【0116】 実施例3 シアノアクリル酸2-ヘキシルの精製 シアノアクリル酸2-ヘキシルは2段階の方法で精製された。先ず、化合物は真
空蒸留され、次いで回転バンドカラムによって更に精製された。
【0117】 真空蒸留 真空蒸留装置は、2Lフラスコ、磁気スターラー、フラクションカッター、10″
Vigreuxカラム、クライゼン(clasien)ヘッド、冷却管、温度計及び100ml初留
(forecut)受け取り(receiving)フラスコから構成された。初留フラスコに85
%リン酸10滴及びハイドロキノン10mgを加えた。未精製シアノアクリル酸2-ヘキ
シルを蒸留フラスコに入れ、ユニットの圧力をちょうど1Torrまで減圧した。物
質を撹拌して、生成物が蒸留されてくるまで徐々に加熱し、1分あたり1滴の速度
で回収した。蒸留物35mlを回収した後、(酸洗浄により調製した後、85%リン酸
25滴及びハイドロキノン20mgを添加した)2番目のレシーバ2Lフラスコを設置し
て蒸留を受け取った。毎秒2滴〜3滴の速度で産物が回収されるまで蒸留速度を徐
々に増加させた。主要な画分を回収するのに用いたよりも、蒸留ヘッド温度が2
℃以上上昇したら、蒸留を終了させた。加熱を中止し、フラスコ内を、乾燥チュ
ーブを介して濾過された乾燥風下で冷却した。
【0118】 回転バンドカラム精製 回転バンドカラム(B/R Instrument社,9119 Centreville Road,Easton,Mar
yland 21601,9600型)は、底部に30/50ソケット連結部を備えた長く被覆された
銀色のカラムである。磁気スターラーバーを5lソケット連結フラスコに入れ、そ
の後、精製されるべき産物でこれを満たした。加熱用マントルは、カラムに密着
させるための実験用ジャッキを備えた、上下する磁気スターラーに支持された。
カラムの右上方に100mlレシーバフラスコ用の別の30/50雄ソケット連結部があっ
た。良好な真空密封を確実にするために、全てのフラスコ及び連結部に高真空グ
リースを塗布した。組み立てたら、ガラス温度検出器をフラスコの10/15連結部
に挿入し、ガラスの内側に金属テンポラ(Tempora)検出器を挿入した。ストッ
プコックを含む29/42連結管にグリースを塗ってフラスコ内に設置し、二酸化硫
黄ガス線に連結した。ちょうど1Torrまで、系の圧力を徐々に減少させた。
【0119】 回転バンドカラムの動作は、マイクロプロセッサーによって制御した。カラム
は、以下の条件下で作動するようにプログラムされており、水冷温度は15℃に設
定され、カラムのモーターは24℃で回転し、平衡時間は2分であり、開口(open
)温度28℃、閉鎖(close)温度90℃、マントル比24℃、還流比20:1及び末端ま
でのポット温度は90℃であった。蒸留開始直前に二酸化硫黄の小さな流れを系内
に漏出させた。蒸留中にフラスコの温度をモニターし、100℃以上にならないこ
とを保証した。蒸留終了時に留出液をレシーバフラスコに回収した。
【0120】 回転バンドカラムのフラスコ内容物を30分冷却した。本方法で最初に用いられ
た真空蒸留装置と同じように構成された第2の高真空蒸留装置を、2L丸底フラス
コを用いてセットアップした。このフラスコにハイドロキノン0.0269g、p-メト
キシフェノール0.0275g、及びリン酸0.0794gを加えた。回転バンドカラムのポッ
ト中の残査を真空蒸留装置の2L丸底フラスコに添加した。フラスコ内容物を撹拌
し、ユニットの圧力をちょうど1Torr未満に減少させた。蒸留が続くように、二
酸化硫黄の弱い流れを装置内に漏出させた。ハイドロキノン10mgと85%リン酸15
滴の添加によりレシーバフラスコ調製した。毎分2滴〜6滴の速度で初留画分86.3
gを回収した。また、主要な画分を、初留フラスコと同様に調製されたレシーバ
内に回収した。1620.1gの主要画分産物を、毎分20滴〜25滴の速度で回収したた
。その後前記条件下で回転バンドカラムを用いて材料を再蒸留した。
【0121】 シアノアクリル酸2-ヘキシルの純度はガスクロマトグラフィーによって決定さ
れた。ガスクロマトグラフィーは次のように設定された。 シアノアクリル酸2-ヘキシル1.0069gを1-ヘキサノール2滴(0.0044g)と完全に
混合して分析し、許容されうる不純物であることが見出された。得られたシアノ
アクリル酸2-ヘキシルは生成物として使用するのに十分な純度を保持していた。
【0122】 実施例4 モノマー成分の形成 モノマー成分を、次の物質を用いて調製した:シアノアクリル酸2-ヘキシル12
49.9g;ハイドロキノン0.0764g;p-メトキシフェノール0.0874g;及びリン酸0.1
693g。ハイドロキノン及びp-メトキシフェノールは、乾燥剤入りデシケーター中
で減圧下にて維持された。純リン酸は特に潮解性であり、水を混入させないよう
に注意する必要があった。各物質の計算されたモル量とPPMは以下の通りである
製剤の全体的純度が、内部基準として1-ヘキサノールを用いたガスクロマトグラ
フにより、1%未満と測定された。
【0123】 実施例5 シアノアクリル酸2-ヘキシルのポリマー成分(「第2成分」)の調製 アルドリッチケミカルカンパニー(Aldrich Cheminal Company)から、97%純
度のミリスチン酸エチルを購入した。使用前に、簡単な標準的化学操作をした後
に真空蒸留を行ない、ミリスチン酸エチルを更に99.8%純度にまで精製した。
【0124】 6本の3mlシリンジに精製シアノアクリル酸2-ヘキシルを充たした。ワーリング
ブレンダー内に炭酸水素ナトリウム500mg及び超純水250mlを入れた。ブレンダー
の蓋を、ブレンダーが撹拌する間にシリンジの内容物がブレンダー中央部に滴下
されるように調節した。高速に設定したスピードで、各シリンジが撹拌ブレンダ
ーへ滴下された。添加完了後、ブレンダーの蓋を閉めて混合物を更に1分間撹拌
した。ブレンダー内の固形物質を残したまま、溶液をブレンダーからデカントす
る。デカントされた溶液と共に不注意で除去された残留固形物質を濾過により回
収し、超純水で洗浄後ブレンダー内に戻した。ブレンダー内部に付着した固形物
質を、ブレンダー内の固体の残りと共に回収された超純水で洗浄した。ブレンダ
ー内に更に超純水250mlを加え、水と固体混合物を1分間撹拌した。最後の操作の
後、水溶液を大きな粗融解(fritted)ガラス濾斗フィルターを通してデカント
し、溶液中の固形物質を回収した。固形物質をメタノールで洗浄してから固形試
料の残留物に加えた。ブレンダー内壁をメタノールで洗浄し、ブレンダーに戻さ
れた全ての固形物質を回収した。ブレンダーにメタノール250mlを加えた。中の
固体を1分間撹拌した。固形物質をメタノールから濾過した。ブレンダー内の全
ての残余固形物質をメタノールで洗浄し、メタノールから濾過された固形物質と
混合した。フィルター上の固形物質を軽い真空下に置いて、残余メタノールを除
去した。固形物質を100ml丸底標準先尖フラスコに定量的に移した。フラスコを
減圧下に置き、残存メタノールを除去した。固形物質2gを金紛100gと混合した。
混合物を標準ラボラトリーブレンダーに入れ、1分間撹拌した。撹拌中に金が確
実に沈降しないように、撹拌中にブレンダーを常に振動させた。撹拌された物質
1.020g分を、予め洗浄し調製されたビンに移した。各ビンに99.8%純度のミリス
チン酸エチル500mgを加えた。充填されたビンを、層状の流出フード下で維持し
た。標準条件下で密封されていないビンを、シャープコロラド(Sharp Coronado
)病院による迅速エチレンオキサイド滅菌用の滅菌装置のトレイ上に並べた。
【0125】 実施例6 シアノアクリル酸2-ヘキシル(ノイラクリルM)組成物及びシアノアクリル酸n-
ブチル(ヒストアクリル)組成物のカテーテル付着力の比較 本発明はまたノイラクリルM(Neuracryl M)という名前でも知られており、ノ
イラクリルM1はモノマー成分に相当し、ノイラクリルM2は金被膜性アクリル酸2-
ヘキシルを含む第2成分に相当する。本実施例は、ノイラクリル及びヒストアク
リルの様々な組成物からカテーテルを引き抜くのに必要な力量を測定することに
より、2つのシアノアクリル酸エステル間の付着における差異を示す。ヒストア
クリルはブラウン(Braun)GmbHから市販されている。これも、シアノアクリル
酸n-ブチルのようなシアノアクリル酸エステル構造を基盤にしたポリマー組成物
であるという点で、ノイラクリルMと同様である。しかし、ヒストアクリルから
カテーテルを引抜くのに必要な力は、ノイラクルMに関して必要な力よりも大き
く、この重要な局面において、ノイラクリルMはヒストアクリルに勝る驚嘆に値
する予想外の利点を有している。
【0126】 カテーテル付着に由来する力を、ノイラクリルM1及びノイラクリルM2(混合)
、純粋ノイラクリルM1、33%エチオドール(Ethiodol)混合性ノイラクリルM1、
50%エチオドール混合性ノイラクリルM1、純粋ヒストアクリル、33%エチオドー
ル混合性ヒストアクリル、ならびに50%エチオドール混合性ヒストアクリルにつ
いて測定し、比較した。
【0127】 すべての混合物を、ターボトラッカー(TurboTracker)ミクロカテーテル装置
(Medi-tech/Boston Scientific社、Watertown、MA)を通して注入した。成分分
離又は汚染防止のために、すべての混合物を使用直前に迅速に調製した。カテー
テルチップを、ヘパリン処理されたヒト全血0.2mLで充填された直径5mmのウエル
の深さ10mmの底に置いた。ミクロカテーテルを通して、各塞栓性混合物0.15mlを
、ミクロカテーテルのチップを取囲んで、各ウエル中に注入した。ヒストアクリ
ルを含む混合物を1分間、ノイラクリルを含む混合物を3分間重合させた。その後
ミクロカテーテルを、重合化シアノアクリル酸エステルから8.3mm/秒の一定スピ
ードで引抜き(Materials Testing System1000型,Instron,Canton,MA)、引
抜きに必要な力を測定し記録した(小ビーム力トランスデューサー、25-lb容量
、Interface Advanced Force Measurement社、Scottsdale、AZ)。各混合物の5
試料を試験した。結果の比較を、スチューデント(Student)t 試験を用いて行
なった。
【0128】 重合化シアノアクリル酸エステルからのカテーテル引抜きに要するピーク力の
良好な測定が、試験した7種類の混合物のうち6種類について得られた。種々の混
合物からのミクロカテーテル引抜きには、広範囲のピーク引抜き力が必要であっ
た。ノイラクリルM1及び50%エチオドール混合物は0.05ニュートン未満で、厳密
な測定値を得るためには測定機の能力を越えていた。33%エチオドール混合性ヒ
ストアクリルからのミクロカテーテル引抜きに要するピーク力(1.44N±0.33)
は、純粋ノイラクリルM1のピーク力(1.00N±0.23)より有意に大きかった(P<0
.01;P<0.05)。50%エチオドール混合性ヒストアクリルの引抜き力(0.34N±0.
14)は純ノイラクリルM1未満であった(P<0.01)。
【0129】 ノイラクリルM1及びノイラクリルM2とが混合されたとき、ミクロカテーテル引
抜きに必要な力(0.41N±0.14)は、純粋ヒストアクリル(1.83N±0.21)、33%
エチオドール混合性ヒストアクリル(1.44N±0.33)、及び純粋ノイラクリルM1
のみ(1.00N±0.23)のいづれよりも有意に低かった(それぞれ、P<0.01;P<0.0
1;P<0.01)。しかし、ノイラクリルM1及びノイラクリルM2の混合物からミクロ
カテーテルを引抜くのに必要な力は、50%エチオドール混合性ヒストアクリルの
値と有意差がなかった(0.41N±0.14に対して0.34N±0.14)。
【0130】 ノイラクリルM1はエチオドールと混合するように設計されなかったが、33%エ
チオドール及び50%エチオドールと混合された場合、ノイラクリルM1は、ヒスト
アクリルと同様に、著しく減少したミクロカテーテルへの付着力を示した。ノイ
ラクリルM1を33%エチオドールと混合した場合、引抜き力は1.00N±0.23から0.2
8N±0.12へと有意に減少した(P<0.01)。33%エチオドール混合性ノイラクリル
M1ならびに、臨床的利用を意図したノイラクリルM1及びノイラクリルM2混合物の
ピーク引抜き力間には有意差はなかった(0.28N±0.12に対して0.42N±0.14)。
ノイラクリルM1を50%エチオドールと混合すると、引抜き力は0.05N未満となり
、精密測定の限度以下となった。他の混合物に関する値とは違って力が非常に小
さいので、カテーテルチップのシアノアクリル酸エステルからの引抜きに先立っ
て、カテーテルの微小自然曲線の影響消失は観察されなかった。
【0131】 実施例7 シアノアクリル酸2-ヘキシル及びシアノアクリル酸n-ブチルの血液との 相互作用の比較ならびに動静脈奇形モデルにおける比較 以下の実施例は、本発明のシアノアクリル酸2-ヘキシル組成物(2HCA)及び33
%シアノアクリル酸n-ブチル組成物ならびに臨床上の標準物質である66%エチオ
ドール(NBCA)の、血液との相互作用を比較する。
【0132】 ヘパリン処理ブタ血液中において、4つの条件下で2HCAをNBCAと比較した: (1)各組成物の液滴を血液表面に乗せて観察し、重合化過程の時間を測った; (2)22ゲージ針を静止血液表面下に置き、各組成物0.4mlを注入し、1分以上観
察した; (3)内径 4mmの塩化ポリビニルチューブを通して、血液を毎秒40cmで循環させ
た。中央スリップストリーム内に挿入された22ゲージ針は、Medrad mk4 圧力注
入器により、組成物を毎秒0.1mlから8.0mlまでの変動速度で注入した。挙動は蛍
光透視法によりSVHS T V上に記録した; (4)標準化動静脈奇形モデルを脈流血回路に置き、ヒトで使用されるのと同じ
技法を用いて、直接的蛍光透視制御下で、組成物をミクロカテーテルを介して導
入した。モデル系をその後開き、重合化組成物を除去してそれらの特徴を比較し
た。モデルから漏れ出たポリマーもまた下流で回収し、試験した。
【0133】 結果 (1)血液表面上への組成物の滴下は全体的に等しい重合化時間およそ2秒を示
した。
【0134】 (2)静止血表面下へ注入した場合、2HCAは針のチップに残存するゴム状弾性
塊を形成した。NBCA化合物は針からビーカー底に落下し、重合化して脆い塊を形
成した。
【0135】 (3)生理的速度の血流へ注入した場合、NBCA化合物は小さい個々の準球状小
滴を形成し、これは付着塊として残留せず、むしろ砕け散って下流に塞栓を引き
起こした。装置を塞栓しないよう維持する、又はチューブをブロックするように
それを形成する注入速度はなかった。逆に、2HCAが付着性重合化塊として残存す
ることを防止でき、注入時間の長さに応じてチューブを完全にブロックできる注
入速度もなかった。
【0136】 (4)AVMモデルに注入した場合、2HCAはNBCA化合物よりも有意に良好な貫通性
を示した。重合化組成物の特性には有意差があった:NBCA化合物は乾燥カッテー
ジチーズに非常に類似した、堅いが脆い塊を形成するのに対して、2HCA塊はチュ
ーインガムに非常に類似して、弾性的であった。
【0137】 要約すると、シアノアクリル酸エステル液滴の血液での標準試験は、予測的な
情報を示さなかった。しかしながら、シアノアクリル酸エステルをそれぞれ血液
下に注入した場合、著しく異なる結果が観察された。NBCAは直ちに針から落下し
てビーカー底に落ちるのに対して、2HCAは付着塊として針先に残存した。2HCAの
付着を阻害する注入速度はなかった。これとは逆に、NBCA組成物を付着塊として
残存させる注入速度はなかった。NBCA組成物の粒子が形成され、連続的に下流に
押し流された。2HCAの標準AVMモデルへの注入は、AVMの病巣(nidus)の貫通の
、一貫したより良い制御を示した。
【0138】 実施例15 ブタ血管網(rete)におけるノイラクリルMの挙動 本実施例はノイラクリルMの血管内挙動を、ブタ血管網における現在の臨床標
準物質40%シアノアクリル酸n-ブチルと比較する。
【0139】 方法及び材料 ノイラクリルMは、プロホールドテクノロジー(Prohold Technologies)社、E
l Cajon、CAより入手されうる。ノイラクリルMは、ノイラクリルM1 1.25mlのガ
ラスアンプルと、ノイラクリルM2の、ゴム密栓付きガラスバイアルからなる二部
性塞栓剤(シアノアクリル酸2-ヘキシル、エステル化脂肪酸、及び直径約5μmの
金粒子との混合物)である。使用前に、ノイラクリルM1バイアルの内容物をノイ
ラクリルM2を含むバイアル中に注入し、混じり合うまで2つをよく振った。金粒
子及びエステル化脂肪酸は、重合化の抑制及び放射線不透過性の提供のために使
用される。成分の分離又は汚染を避けるために、2つの内容物は使用直前まで混
合されない。NBCA(ヒストアクリルブルー)を、B.ブラウン(Braun社)、Melsu
ngen、ドイツから入手し、エチオドールと混合して40%溶液を調製した。
【0140】 9匹のバーンヤード(barnyard)研究用ブタを通常の麻酔下においた。滅菌技
法を用いてカテーテルを右大腿動脈にセットし、左頚動脈には誘導カテーテルを
置いた。ミクロカテーテルを全脳血が通る血管網領域に導入した。
【0141】 一般の気管内麻酔下のブタにおいて、滅菌技術を用いてカテーテルを9匹のブ
タの右大腿動脈に導入し、誘導カテーテルを左頚動脈内に置いた。ミクロカテー
テルを血管網領域に導入し、NBCA(シアノアクリル酸n-ブチル)又はノイラクリ
ルM0.1mlから0.3mlを血流停止させずに注入した。血管造影の追跡後、右頚動脈
と咽頭動脈にカテーテルを挿入し、もう一方の薬剤を注入した。1匹を直ちに殺
し、6匹を3週間後に殺し、そして2匹を3か月後に殺した。データを全体放射線学
的方法によって評価して血管網の放射線写真を撮り、試験した組成物の貫通の程
度に応じて等級分けした。
【0142】 結果 1匹のブタを、臨床的梗塞により直ちに殺した。NBCAの遠位塞栓が原因である
ことが見出された。
【0143】 1匹のブタ(臨床的梗塞のために直ちに殺害)において、NBCAの遠位塞栓が見
出された。他のブタにおいて、塞栓剤の血管網への貫通を以下のように等級分け
した:0、貫通なし;1、25%以下の貫通;2、25%〜50%の貫通;3、50%〜75%
の貫通;及び 4、75%〜100%の貫通。
【0144】 結果の概要 NBCAの平均貫通等級点1.8と比べ、ノイラクリルMは平均貫通等級点3.7点であっ
た。NBCAにより9匹のブタのうち4匹において付着塊によるカテーテルのトラッピ
ングが起きたが、ノイラクリルMで処理したブタにおいては起こらなかった。NBC
Aを注入された2匹のブタにおいて血管網に遠位で塞栓が起こり、1匹は結果とし
て死んだ。一方、ノイラクリルMを注入されたブタにおいては血管網に遠位な塞
栓は起こらなかった。 初期炎症応答は治癒段階の本質的なイニシエーターで、線維芽細胞の内部増殖を
もたらす。炎症応答が過剰な場合、膿が産生される。炎症応答が小さすぎると、
傷跡がないか一過性の閉塞が起こるのみである。ノイラクリルMは、現在の臨床
標準剤であるNBCAよりも一貫して大きい炎症応答を与えた。
【0145】 結論 ノイラクリルMはNBCAと拮抗し、ブタ血管網へより大きな貫通力を示す一方で
、カテーテルの目詰まり又は遠位塞栓を引き起こす可能性が小さかった。
【0146】 実施例17 ノイラクリルMとPVA発泡体とを比較する臨床試験 本実施例は、ノイラクリルMとPVA発泡体を比較する、12人の患者を用いた無作
為な臨床試験の結果を報告する。
【0147】 材料と方法 臨床研究の方法は、FDAの監督下で認可機関ガイドラインによって管理されて
いる。12名の術前患者が、試験に参加する基準を充たしていた。血管造影評価及
び無作為抽出(FDA認可基準にしたがって、ノイラクリルMに75%/PVA発泡体に25
%)後、10名の患者を標準的ミクロカテーテル技法を用いてノイラクリルMで治
療し、2名の患者をPVAで治療した。次いで患者を手術し、全ての残存病巣を除去
した。血管造影図は、治療前後両方におけるAP及び側面の両方の病巣範囲を比較
する、3名の独立したオブサーバーによって分析された。
【0148】 結果 臨床的に状態が悪くなった患者はいなかった。PVAに当った2名のうち、1名は
病巣の大きさが81%減少し、もう1名は病巣の大きさに有意変化がなかった。ノ
イラクリルMに当たった10名のうち、5名は血管造影的に閉塞しており(FDAに従
った測定基準を適用)、2名は病巣の大きさが50%〜99%減少しており、2名は50
%未満閉塞しており、1名の病巣の大きさは正確に25%増大していると判断され
た。カテーテルはその場に接着することはなかった。
【0149】 結論 ノイラクリルMは、歴史的標準剤であるPVA泡状粒子よりも良好な血管造影的閉
塞速度及びヒストアリル(Hystoaryl)治療患者の文献報告よりも良好な閉塞速
度を提供する。AVMの拡大を示した患者において、ノイラクリルMは患部を通る流
れを有意に遅くしてそれをより目立たせ、その結果測定を容易にした。
【0150】 実施例18 ヒト動静脈奇形症のノイラクリルM 治療後における最初の病理学的所見 本実施例は、右頭頂後頭部動静脈奇形(AVM)の急性出血後である34歳男性の
治療を報告する。ノイラクリルMによる塞栓形成後のAVMの特徴。
【0151】 材料と方法 新規の専売シアノアクリル酸エステル基盤性化合物であるノイラクリルMを用
いて、出血21日後にトランスカテーテル塞栓形成を実施した。塞栓4日後に、患
者は外科切除を受けた。
【0152】 結果 ノイラクリルMの分散焦点が完全に血管内に含まれているのが観察された。塞
栓性物質は薄膜状でスポンジ状の形状を形成し、非分極性で、ヘマトキシリン及
びエオシンによって好酸的に中程度に染色された。多くのAVM血管の周囲には、
明らかなネクローシス及びゴーム(gome)巨細胞異物反応を含む重大な急性炎症
応答が認められた。
【0153】 結論 ノイラクリルMは効果的な塞栓剤で、血管腔内に残留し、4日間で顕著な局所性
炎症反応を開始させた。本報告は、治療を受けた最初のヒト治験者におけるノイ
ラクリルMの初の病理学的所見を述べたものである。更なる検体が得られた時、
ヒト脳におけるノイラクリルMの挙動についてのより完全な記載が現れると考え
られる。
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月8日(2002.1.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の名称】 阻害剤及び不透明化剤を含むシアノアクリル酸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09J 5/00 C09K 3/10 C09K 3/10 A61L 25/00 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ノックス キンバリー アメリカ合衆国 カリフォルニア州 ラ メサ トパ トパ ドライブ 4444 Fターム(参考) 4C060 CC03 DD03 DD48 MM18 MM25 4C081 AB12 AB13 AC03 CA08 DA01 4H017 AB01 AB17 AD06 AE05 4J040 BA172 FA121 HA066 HA256 HA28 HB16 HB21 HB31 HB40 JA13 KA03 KA09 KA17 MB11

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアノアクリル酸アルキル及び少なくとも1つの阻害剤を含
    むモノマー成分と、シアノアクリル酸アルキルモノマー、アルキルエステル化脂
    肪酸、及び不透明化剤から形成された結果的な凝集体構造を含む第2成分とを含
    む組成物であって、アニオン性環境と接触した際に結果的な凝集体構造を形成す
    る、組成物。
  2. 【請求項2】 シアノアクリル酸アルキルがシアノアクリル酸2-ヘキシルで
    ある、請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】 モノマー成分が少なくとも2つの阻害剤を有する、請求項2記
    載の組成物。
  4. 【請求項4】 モノマー成分が少なくとも3つの阻害剤を有する、請求項2記
    載の組成物。
  5. 【請求項5】 阻害剤の1つがヒドロキノンである、請求項4記載の組成物。
  6. 【請求項6】 ヒドロキノンが約50〜150パーツ・パー・ミリオン(parts p
    er million: PPM)の範囲である、請求項5記載の組成物。
  7. 【請求項7】 阻害剤の1つがp-メトキシフェノールである、請求項4記載の
    組成物。
  8. 【請求項8】 p-メトキシフェノールが約50〜150PPMの範囲である、請求項
    7記載の組成物。
  9. 【請求項9】 阻害剤の1つがリン酸である、請求項4記載の組成物。
  10. 【請求項10】 リン酸が約125〜375PPMの範囲である、請求項9記載の組成
    物。
  11. 【請求項11】 ヒドロキノンが約50〜150PPMの範囲である、請求項5記載
    の組成物。
  12. 【請求項12】 p-メトキシフェノールが約75〜125PPMの範囲である、請求
    項7記載の組成物。
  13. 【請求項13】 リン酸が約187.5〜312.5PPMの範囲である、請求項9記載の
    組成物。
  14. 【請求項14】 ヒドロキノンが約95〜105PPMの範囲である、請求項5記載
    の組成物。
  15. 【請求項15】 p-メトキシフェノールが約95〜105PPMの範囲である、請
    求項7記載の組成物。
  16. 【請求項16】 リン酸が約200〜300PPMの範囲である、請求項9記載の組成
    物。
  17. 【請求項17】 3つの阻害剤がヒドロキノン、p-メトキシフェノール、及
    びリン酸である、請求項4記載の組成物。
  18. 【請求項18】 結果的な凝集体構造がシアノアクリル酸2-ヘキシルから形
    成される、請求項2記載の組成物。
  19. 【請求項19】 アルキルエステル化脂肪酸が、ラウリン酸アルキル、パル
    ミチン酸アルキル、及びミリスチン酸ステアリックアルキル(stearic alkyl my
    ristate)からなる群より選択される、請求項18記載の組成物。
  20. 【請求項20】 アルキルエステル化脂肪酸が、ミリスチン酸エチルである
    、請求項19記載の組成物。
  21. 【請求項21】 不透明化剤が、金、白金、タンタル、チタン、タングステ
    ン、及び硫酸バリウムからなる群より選択される、請求項18記載の組成物。
  22. 【請求項22】 不透明化剤が金である、請求項21記載の組成物。
  23. 【請求項23】 金が、各粒子の直径が約7ミクロン以下の微細な粉末であ
    る、請求項21記載の組成物。
  24. 【請求項24】 金が、各粒子の直径が約5ミクロン以下の微細な粉末であ
    る、請求項21記載の組成物。
  25. 【請求項25】 金が、各粒子の直径が約2ミクロン以下の微細な粉末であ
    る、請求項21記載の組成物。
  26. 【請求項26】 金が、各粒子の直径が約1ミクロン以下の微細な粉末であ
    る、請求項21記載の組成物。
  27. 【請求項27】 シアノアクリル酸2-ヘキシル、並びにヒドロキノン、p-メ
    トキシフェノール、及びリン酸を含むモノマー成分と、シアノアクリル酸2-ヘキ
    シル、ミリスチン酸エチル、及び金から形成された結果的な凝集体構造を含む第
    2成分とを含む組成物であって、アニオン性環境と接触した際に結果的な凝集体
    構造を形成する、組成物。
  28. 【請求項28】 シアノアクリル酸アルキル及び少なくとも1つの阻害剤を
    含むモノマー成分と、不透明化剤及び重合遅延剤として機能する第2成分とを含
    む組成物であって、アニオン性環境と接触した際に結果的な凝集体構造を形成す
    る、組成物。
  29. 【請求項29】 第2成分がハロゲン化油である、請求項27記載の組成物。
  30. 【請求項30】 第2成分がエチオドール(Ethiodol)である、請求項27記
    載の組成物。
  31. 【請求項31】 シアノアクリル酸2-ヘキシル、並びにヒドロキノン、p-メ
    トキシフェノール、及びリン酸を含むモノマー成分と、エチオドールとを含む組
    成物。
  32. 【請求項32】 請求項1又は28記載の組成物を投与することを含む、アニ
    オン性環境において、マス(mass)中の未充填の容積又は空間を充填、閉塞、部
    分充填、又は部分閉塞する方法。
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