JP2011502509A - ハイブリッド融合レポーター及びその使用 - Google Patents
ハイブリッド融合レポーター及びその使用 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011502509A JP2011502509A JP2010533089A JP2010533089A JP2011502509A JP 2011502509 A JP2011502509 A JP 2011502509A JP 2010533089 A JP2010533089 A JP 2010533089A JP 2010533089 A JP2010533089 A JP 2010533089A JP 2011502509 A JP2011502509 A JP 2011502509A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- protein
- amino acid
- dehalogenase
- fragment
- residues
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Ceased
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/66—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving luciferase
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C12—BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
- C12Q—MEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
- C12Q1/00—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
- C12Q1/68—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
- C12Q1/6897—Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids involving reporter genes operably linked to promoters
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Wood Science & Technology (AREA)
- Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
- Zoology (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Genetics & Genomics (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Biochemistry (AREA)
- Molecular Biology (AREA)
- Analytical Chemistry (AREA)
- Immunology (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Microbiology (AREA)
- Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
- Biotechnology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Biophysics (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
- Enzymes And Modification Thereof (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
本発明は、例えばタンパク質 相補性 アッセイに有用な、ハイブリッド融合タンパク質をコードするベクター及び異なるハイブリッド融合タンパク質をコードするベクターセットを提供する。
【選択図】 図9
【選択図】 図9
Description
関連出願の相互参照
本願は、2007年11月5日に出願された米国特許出願第60/985,585号の出願日に基づく利益を主張する(その開示は、参照により本願に組み込まれる)。
本願は、2007年11月5日に出願された米国特許出願第60/985,585号の出願日に基づく利益を主張する(その開示は、参照により本願に組み込まれる)。
ルシフェラーゼバイオセンサーは記載されている。例えば、Sala-Newbyら(1991年)は、フォチナス・フィラリス(Photinus pyralis)ルシフェラーゼcDNAをin vitroで増幅し、サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼリン酸化部位を作成したことを開示している。特に、位置217のバリンをアルギニンに変化させて部位RRFSを作成し、ルシフェラーゼのN末端又はC末端にブタピルビン酸キナーゼのリン酸化部位であるヘプタペプチドケンプチドを付加した。Sala-Newbyらは、リン酸化部位を有するタンパク質は、比活性、pI、放出光の色に対するpHの影響及びATPの存在下でのプロテインキナーゼAの触媒サブユニットの効果により特徴づけられたことを述べている。組換えタンパク質の1つ(RRFS)のみが野生型ルシフェラーゼとはかなり異なり、RRFS変異体は、低い比活性、低い最適pHを有し、低いpHでより緑色の濃い光を放出し、リン酸化されるとき、その活性は80%まで低下することを彼らは見出した。後者の効果はホスファターゼにより取り消されたことが開示されている。
Waudら(1996年)は、フォチナス・フィラリスルシフェラーゼcDNAにプロテインキナーゼ認識配列及びプロテイナーゼ部位を導入した。Waudらによりルシフェラーゼの2つのドメインが修飾された。1つはアミノ酸209〜227であり、もう1つはC末端のアミノ酸537〜550である。Waudらは、残基209〜227のアミノ酸の変異は、野生型組換え体の1%未満に生物発光活性を低下させたが、C末端で操作されたペプチド配列は、比活性が野生型組換えルシフェラーゼの0.06%〜120%になったことを開示している。Waudらはまた、アミノ酸位置543にセリンを有するキナーゼ認識配列、LRRASLG(配列番号81)を組み込んだ変異型ルシフェラーゼにサイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ触媒サブユニットを付加させることにより30%の活性低下をもたらしたことを開示している。アルカリホスファターゼ処理により活性は回復した。Waudらは更に、アミノ酸542と543の間に位置する切断部位を有するトロンビン認識配列、LVPRES(配列番号82)を含む変異型ルシフェラーゼの生物発光活性が、トロンビンの存在下でインキュベートしたとき50%低下したことを開示している。
Ozawaら(2001年)は、合理的にデザインされたホタルルシフェラーゼのフラグメントのタンパク質スプライシング誘導相補性に基づくバイオセンサーを記載している。タンパク質スプライシングは、インテイン(内部タンパク質)を前駆体融合タンパク質から切除し、隣接するエクステイン(外部タンパク質)を連結して連続したポリペプチドにするタンパク質翻訳後修飾である。シネコシスティス(Synechocystis)種PCC6803からのN末端及びC末端インテインDnaEを、それぞれ、ルシフェラーゼのN末端及びC末端フラグメントに融合させたことが開示されている。タンパク質-タンパク質相互作用はDnaEインテインのフォールディングを引き起こし、タンパク質のスプライシングをもたらし、それによって、連結したルシフェラーゼのエクステインはその酵素活性を回復する。Ozawaらは、既知の結合パートナーであるリン酸化したインスリン受容体基質1(IRS-1)とその標的であるPI3キナーゼのN末端SH2ドメインとの間の相互作用を、分割したルシフェラーゼを用いてインスリンの存在下でモニターしたことを開示している。
Paulmuruganら(2002年)は、相補性戦略及びインテイン媒介再構成戦略の両方を用いて、細胞培養物及びマウスにおいて、分割したホタルルシフェラーゼベースのアッセイを用いて、2つのタンパク質、すなわちMyoD及びIdの相互作用をモニターした。レポーター活性を保持するために、相補性戦略においては、融合タンパク質がタンパク質相互作用、すなわち、タンパク質パートナーMyoDとIdとの相互作用を必要とし、再構成戦略においては、インテイン媒介スプライシングにより生成される新しい完全甲虫ルシフェラーゼが、タンパク質パートナー間の継続する相互作用の非存在下であってもその活性を維持する。
タンパク質フラグメント相補性アッセイは、Michnickら(米国特許第6,270,964号、第6,294,330号及び第6,428,951号)に開示されている。特に、Michnickは、DHFRのN末端フラグメント及びDHFRのC末端フラグメントをそれぞれGCN4ロイシンジッパー配列に融合させた、分割されたマウスジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子に基づくアッセイを記載している。両方の融合タンパク質を発現した細胞において、DHFR活性が検出された。Michnickらはまた、アミノグリコシドキナーゼ(AK)遺伝子においてS1ヌクレアーゼで作成した欠失の入れ子セットをロイシンジッパー構築物に導入し、得られた構築物セットを細胞に導入し、AK活性についてスクリーニングする、他の相補性アプローチを記載している。
更に、特定の酵素は、循環置換されることができ、かつ活性を保持することができる(例えば、Cheltsovら(2003年)、Jougardら(2002年)及びNagaiら(2001)を参照のこと)。
このように、酵素は、例えばそのアミノ酸配列が循環置換されるか、又はその酵素が2つのフラグメントに分割されることにより、その構造が実質的に変換された場合であっても、触媒活性を維持できる。
融合タンパク質の対(ハイブリッドタンパク質システム)であって、例えば、1つの融合タンパク質が(第1)異種アミノ酸配列(他の(第2)異種アミノ酸配列と相互作用するか、相互作用することが推測されるように選択された異種アミノ酸配列)に融合させたレポータータンパク質の部分(フラグメント)を有し、他の融合タンパク質が、レポータータンパク質の部分の活性を補完し、第2異種アミノ酸配列に融合させた、機能的に異なるタンパク質の部分を有する前記融合タンパク質の対は、細胞内のタンパク質相互作用を明らかにし、分析するのに有用であることができる。フラグメントのN末端及び/又はC末端は、修飾に耐性を示す完全長・野生型(完全長野生型との言う)タンパク質配列における残基部位又は領域内にある。"機能的に異なるタンパク質"は、レポータータンパク質、例えば加水分解酵素変異体又は生物発光酵素(デハロゲナーゼ変異体もしくはルシフェラーゼなど)と比較して、異なる触媒類由来のものであるか、構造的に異なる非重複基質(単数又は複数)に作用する酵素であるか、異なる生理機能を有するか、約80%未満であり、約70%、60%、50%、40%、30%又はそれ未満を含むアミノ酸配列同一性を含むか、あるいはそれらの任意の組み合わせである。例えば、ハロアルカンデハロゲナーゼ及びレニラ(Renilla)ルシフェラーゼのアミノ酸配列のアラインメントにより、これらは約30%の同一性を有することが明らかであり、従ってこれらは機能的に異なる。更に、ハロアルカンデハロゲナーゼの生理機能は、ハロゲン基の切断によりハロアルカンを代謝することであるのに対し、レニラルシフェラーゼの生理機能は光を生成することである。ハロアルカンデハロゲナーゼは加水分解酵素の触媒類に属するのに対し、レニラルシフェラーゼはモノオキシゲナーゼの触媒類に属する。ハロアルカンデハロゲナーゼはハロゲン化炭化水素に作用するのに対し、レニラルシフェラーゼはセレンテラジンに作用する。これらの理由のそれぞれに関して、ハロアルカンデハロゲナーゼとレニラルシフェラーゼとは機能的に異なる。本明細書において、レポータータンパク質、例えば生物発光酵素などのタンパク質の"フラグメント"又は"部分"は、対応する野生型タンパク質の完全長配列より短い配列であり、レポーター活性が実質的に低下しているか、又はレポーター活性を実質的に有さないが、機能的に異なるタンパク質のフラグメントに近接近するとき、レポーター活性が実質的に増加する。一実施形態において、レポータータンパク質のフラグメント(部分)は、対応する完全長レポータータンパク質のうちの少なくとも20、例えば少なくとも50連続残基であり、必ずしも対応する完全長レポータータンパク質のN末端もしくはC末端残基又はN末端もしくはC末端配列を含む必要はない。例えば、300アミノ酸の完全長生物発光タンパク質のフラグメントであって、機能的に異なるタンパク質のフラグメントにより補完することができる前記フラグメントは、生物発光タンパク質の残基1〜225、5〜250、150〜300又は150〜295を含むことができる。なぜなら、生物発光タンパク質における残基1〜約10、約145〜約155、約220〜約230又は約290〜300に相当する領域における残基は修飾に耐性を示すからである。
一実施形態において、目的とするタンパク質は相互作用する(例えばそれらは互いに結合する)。他の実施形態において、目的とする第1タンパク質は、試料中で生理的分子と相互作用し、その相互作用は、目的とする第1タンパク質と目的とする第2タンパク質との相互作用を阻害又は促進する。他の実施形態において、薬剤(目的とする1以上の薬剤)又は特定の条件の存在は、目的とするタンパク質の相互作用を変える。
一実施形態において、本発明は、米国公開特許第20060024808号に開示されている加水分解酵素変異体の部分(その開示は参照により本願に組み込まれる)及び生物発光酵素の補完部分を有するハイブリッドタンパク質システムを提供する。加水分解酵素変異体は酵素ではないが、それに対する加水分解酵素基質の安定な結合は適切なタンパク質構造に依存し、2つの融合タンパク質が物理的に接近するときに生じる。他の実施形態において、本発明は、生物発光酵素の部分に加えて、機能的に異なるタンパク質、例えば脂肪族アシルリガーゼ、脂肪族アシルトランスフェラーゼ、親油性結合タンパク質など(例えば、NCBIアクセッション番号AAF56245、P02690、P02696及びP29498を参照のこと、その開示は参照により本願に組み込まれる)の補完部分を有するハイブリッドタンパク質システムを提供する。
加水分解酵素変異体の例として、デハロゲナーゼ変異体は、生細胞又はその溶解物内で効率的な標識を提供する。この標識は、タンパク質の発現及び標識基質の存在を条件とする。デハロゲナーゼ変異体の部分(フラグメント)を有する融合タンパク質の標識は、細胞又は溶解物内で生じる、その融合タンパク質と、対応する野生型加水分解酵素の標識基質である、機能的に異なるタンパク質の補完部分を有する第2融合タンパク質との間の特定のタンパク質相互作用に依存する。例えば、加水分解酵素変異体のC末端部分にβ-アレスチンを融合させることができ、機能的に異なるタンパク質の補完フラグメント、例えばレニラルシフェラーゼのN末端部分にG共役受容体を融合させることができる。標識デハロゲナーゼ基質の存在下で受容体刺激により、β-アレスチンは受容体に結合し、加水分解酵素変異体の部分の標識を引き起こす。
一実施形態において、本発明は複数の発現ベクターを提供する。前記ベクターは、レポータータンパク質のフラグメントであって、対応する完全長レポータータンパク質のうち少なくとも50連続アミノ酸残基を有するが、対応する完全長レポータータンパク質よりも少なくとも50少ないアミノ酸残基を有する前記フラグメント及び第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質のためのオープンリーディングフレームに作動可能に連結されたプロモーターを含む第1ポリヌクレオチドを含む第1発現ベクターを含む。第2発現ベクターは、レポータータンパク質に対して機能的に異なるタンパク質のフラグメントであって、対応する機能的に異なる完全長タンパク質のうち少なくとも50連続アミノ酸残基を有するが、対応する機能的に異なる完全長タンパク質よりも少なくとも50少ないアミノ酸残基を有する前記フラグメントを含む第2融合タンパク質のためのオープンリーディングフレームに作動可能に連結されたプロモーター及び第2異種アミノ酸配列を含む第2ポリヌクレオチドを含む。レポータータンパク質フラグメントのレポーター活性は、機能的に異なるタンパク質フラグメントの存在下で増加し、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用に依存する。一実施形態において、レポータータンパク質は加水分解酵素である。一実施形態において、レポータータンパク質は生物発光酵素である。一実施形態において、機能的に異なるタンパク質は花虫類(anthozoan)ルシフェラーゼ、例えば、レニラルシフェラーゼである。一実施形態において、機能的に異なるタンパク質はモノオキシゲナーゼである。一実施形態において、レポータータンパク質はオプロフォラス(Oplophorus)ルシフェラーゼであり、機能的に異なるタンパク質は生物発光タンパク質ではない。例えば、機能的に異なるタンパク質は親油性輸送タンパク質、レチノール結合タンパク質、脂肪酸結合タンパク質又はFABP様タンパク質ファミリーのタンパク質である。一実施形態において、第1及び第2発現ベクターは同じ核酸分子上にある。例えばこの核酸分子はプラスミドである。
一実施形態において、本発明は、分子相互作用又は分子相互作用を変えることができる薬剤もしくは条件を検出するアッセイを提供する。前記アッセイは、分子ドメインに別々に融合させた機能的に異なるタンパク質のフラグメントであって、別個のタンパク質の少なくとも1つの活性の再構成により分子ドメインの相互作用が検出される前記アッセイを含む。
本発明はまた、分子相互作用の試験方法を提供する。前記方法は、第1タンパク質のフラグメント及び第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質並びに第1タンパク質に対して機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第1異種アミノ酸配列と相互作用するか、相互作用することが推測される第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質を用意することを含む。第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列とを互いに接触させ、次いで、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用の結果として生じる第1タンパク質の活性及び/又は第2タンパク質の活性を測定する。
一実施形態において、本発明は組成物を提供する。前記組成物は、対応する完全長デハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250連続アミノ酸残基を有する第1フラグメント及び第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質のオープンリーディングフレームを含む第1ポリヌクレオチドを含む。対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも50、最大150連続アミノ酸残基を含む、デハロゲナーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメントの存在下で、デハロゲナーゼフラグメントは、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼのデハロゲナーゼ基質に安定に結合することができる。デハロゲナーゼフラグメントのN末端は、修飾に耐性を示す完全長・野生型デハロゲナーゼ配列の残基部位又は領域にあり、デハロゲナーゼフラグメントの配列は、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換であって、変異完全長デハロゲナーゼ(又は完全長デハロゲナーゼ変異体)が、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼとデハロゲナーゼ基質との間に形成される結合よりも安定なデハロゲナーゼ基質との結合を形成するのを可能にする前記置換を含む完全長デハロゲナーゼ変異体のフラグメントの配列に相当する。一実施形態において、前記組成物は、機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質であって、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、その相互作用がデハロゲナーゼフラグメントとデハロゲナーゼ基質との結合の増加をもたらし、機能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端が、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質における残基部位又は領域内にある前記第2融合タンパク質のオープンリーディングフレームを含む第2ポリヌクレオチドを含む。一実施形態において、第1又は第2異種アミノ酸配列は、長さ少なくとも5アミノ酸残基である。一実施形態において、第1異種アミノ酸配列はデハロゲナーゼフラグメントのN末端にある。一実施形態において、第1異種アミノ酸配列はデハロゲナーゼフラグメントのC末端にある。一実施形態において、第2異種アミノ酸配列は機能的に異なるタンパク質フラグメントのN末端にある。一実施形態において、第2異種アミノ酸配列は機能的に異なるフラグメントのC末端にある。一実施形態において、変異デハロゲナーゼ(又はデハロゲナーゼ変異体)は、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、第2置換は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある。一実施形態において、第2置換は、ロドコッカス・ロドクラウス(Rhodococcus rhodochrous)デハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にあり、例えば、アミノ酸残基175に相当する位置の置換アミノ酸は、メチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリン又はシステインであり、アミノ酸残基176に相当する位置の置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニン又はアルギニンであり、あるいはアミノ酸残基273に相当する位置の置換アミノ酸はロイシン、メチオニン又はシステインである。一実施形態において、変異体は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある第3置換及び場合により第4置換を更に含む。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体の配列は野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する。ポリヌクレオチド(単数又は複数)を含む単離された宿主細胞が更に提供される。一実施形態において、第1及び第2ポリヌクレオチドは、同じ核酸分子(例えばプラスミド)上にある。コードされる融合タンパク質(単数又は複数)の1以上を含む単離された宿主細胞もまた提供される。
一実施形態において、本発明は、対応する完全長デハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250連続アミノ酸残基を有する第1フラグメント及び第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質を含む組成物を提供する。対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも50、最大150連続アミノ酸残基を含む、デハロゲナーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメントの存在下で、デハロゲナーゼフラグメントは、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼのデハロゲナーゼ基質に安定に結合することができる。デハロゲナーゼフラグメントのN末端は、修飾に耐性を示す、完全長・野生型デハロゲナーゼ配列の残基部位又は領域にあり、デハロゲナーゼフラグメントの配列は、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む完全長デハロゲナーゼ変異体のフラグメントに相当する。前記置換は、完全長デハロゲナーゼ変異体が、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼとデハロゲナーゼ基質との間に形成される結合よりも安定なデハロゲナーゼ基質との結合を形成するのを可能にする。一実施形態において、前記組成物は、機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質であって、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、その相互作用がデハロゲナーゼフラグメントとデハロゲナーゼ基質との結合の増加をもたらし、機能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端が、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質における残基部位又は領域内にある前記第2融合タンパク質を更に含む。一実施形態において、第1又は第2異種アミノ酸配列は長さ少なくとも5アミノ酸残基である。一実施形態において、第1異種アミノ酸配列はデハロゲナーゼフラグメントのN末端にある。一実施形態において、第1異種アミノ酸配列はデハロゲナーゼフラグメントのC末端にある。一実施形態において、第2異種アミノ酸配列は機能的に異なるタンパク質フラグメントのN末端にある。一実施形態において、第2異種アミノ酸配列は能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端にある。一実施形態において、機能的に異なるタンパク質はレニラルシフェラーゼである。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体は、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、第2置換は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある。一実施形態において、第2置換は、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にあり、例えば、アミノ酸残基175に相当する位置の置換アミノ酸は、メチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリン又はシステインであり、アミノ酸残基176に相当する位置の置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニン又はアルギニンであり、あるいはアミノ酸残基273に相当する位置の置換アミノ酸はロイシン、メチオニン又はシステインである。一実施形態において、変異体は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある第3置換及び場合により第4置換を更に含む。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体の配列は野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する。ポリヌクレオチド(単数又は複数)を含む単離された宿主細胞が更に提供される。
一実施形態において、本発明は複数の発現ベクターを提供する。1つの発現ベクターは、対応する完全長デハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250連続アミノ酸残基を有する第1フラグメント及び第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質オープンリーディングフレームに作動可能に連結された第1プロモーターを含む。デハロゲナーゼフラグメントのN末端は、修飾に耐性を示す、完全長・野生型デハロゲナーゼ配列の残基部位又は領域にあり、デハロゲナーゼフラグメントの配列は、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む完全長デハロゲナーゼ変異体のフラグメントに相当する。前記置換は、完全長デハロゲナーゼ変異体が、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼとデハロゲナーゼ基質との間に形成される結合よりも安定なデハロゲナーゼ基質との結合を形成するのを可能にする。前記組成物はまた、対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも50、最大150連続アミノ酸残基を含むデハロゲナーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質のオープンリーディングフレームに作動可能に連結された第2プロモーターを含む第2発現ベクターを含む。機能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端は、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質の残基部位又は領域にあり、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用は検出でき、その相互作用はデハロゲナーゼフラグメントとデハロゲナーゼ基質との結合の増加をもたらす。一実施形態において、デハロゲナーゼは少なくとも2つのアミノ酸置換を含む。一実施形態において、第2置換は、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にある。
一実施形態において、本発明のハイブリッドシステムの2つの融合タンパク質をコードするベクターは、細胞、細胞溶解物、in vitro転写/翻訳混合物又は上清に導入される。一実施形態において、本発明は試料中で2つのタンパク質の相互作用を検出する方法を提供する。前記方法は、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との結合を可能にするのに有効な条件下で、本発明の複数の発現ベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、この細胞の溶解物又は複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物及び加水分解酵素などのレポータータンパク質の基質、例えば少なくとも1つの官能基を有するデハロゲナーゼ基質を有する試料を用意することを含む。試料中で、レポータータンパク質又は基質に結合している少なくとも1つの官能基の存在、量もしくは位置を検出し、それによって2つの異種配列が相互作用するかどうかを検出する。
一実施形態において、本発明は、2つのタンパク質の相互作用を変える薬剤を検出する方法を提供する。前記方法は、第1異種配列と第2異種配列との結合を可能にするのに有効な条件下で、本発明の複数の発現ベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、その溶解物又は複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物、レポータータンパク質、例えば少なくとも1つの官能基を有するデハロゲナーゼ基質の基質及び薬剤を含む試料を用意することを含む。薬剤は第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用を変えることが推測される。試料中で、薬剤を含まない試料と比較して、レポータータンパク質の存在もしくは量又は基質に結合している少なくとも1つの官能基を検出する。一実施形態において、薬剤は相互作用を促進する。一実施形態において、薬剤は相互作用を阻害する。一実施形態において、基質は式(I)の化合物:R-リンカー-A-X(式中、Rは1以上の官能基であり、リンカーはRとAを隔てる基であり、A-Xはデハロゲナーゼの基質であり、Xはハロゲンであり、ここでリンカーはC、N、SもしくはO又は1以上の環を含む基を含む多原子の直鎖又は分枝鎖である)である。一実施形態において、第1又は第2異種アミノ酸配列は、選択マーカータンパク質、膜タンパク質、サイトゾルタンパク質、核タンパク質、構造タンパク質、酵素、酵素基質、受容体タンパク質、輸送体タンパク質、転写因子、チャネルタンパク質、リンタンパク質、キナーゼ、シグナル伝達タンパク質、代謝タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、受容体結合タンパク質、核酸結合タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質、分泌タンパク質、受容体リガンド、血清タンパク質、免疫原性タンパク質、蛍光タンパク質又は反応性システインを有するタンパク質である。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体は、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、1つの置換は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある。一実施形態において、位置272の置換アミノ酸の1つはフェニルアラニン、グリシン、アラニン、グルタミン又はアスパラギンである。一実施形態において、位置106の置換アミノ酸の1つはシステイン又はグルタミンである。一実施形態において、第2置換はロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にある。例えば、アミノ酸残基175に相当する位置にある置換アミノ酸はメチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリン又はシステインであり、アミノ酸残基176に相当する位置にある置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニン又はアルギニンであり、あるいはアミノ酸残基273に相当する位置にある置換アミノ酸はロイシン、メチオニン又はシステインである。
一実施形態において、本発明は、2つのタンパク質の相互作用を変える条件を検出する方法を提供する。前記方法は、条件にさらす試料であって、本発明の複数の発現ベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、その溶解物又は複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物を含む前記試料を用意し、レポータータンパク質の基質、例えば、少なくとも1つの官能基を有するデハロゲナーゼ基質を試料に加えることを含む。次いで、試料中で、条件にさらさない試料と比較して、レポータータンパク質又は基質に結合している少なくとも1つの官能基の存在又は量を検出する。一実施形態において、条件は相互作用を促進する。一実施形態において、条件は反応を阻害する。一実施形態において、基質は式(I)の化合物:R-リンカー-A-X(式中、Rは1以上の官能基であり、リンカーはRとAを隔てる基であり、A-Xはデハロゲナーゼの基質であり、Xはハロゲンであり、ここでリンカーはC、N、SもしくはO又は1以上の環を含む基を含む多原子の直鎖又は分枝鎖である)である。一実施形態において、第1又は第2異種アミノ酸配列は、選択マーカータンパク質、膜タンパク質、サイトゾルタンパク質、核タンパク質、構造タンパク質、酵素、酵素基質、受容体タンパク質、輸送体タンパク質、転写因子、チャネルタンパク質、リンタンパク質、キナーゼ、シグナル伝達タンパク質、代謝タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、受容体結合タンパク質、核酸結合タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質、分泌タンパク質、受容体リガンド、血清タンパク質、免疫原性タンパク質、蛍光タンパク質又は反応性システインを有するタンパク質である。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体は、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、1つの置換は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある。一実施形態において、位置272の置換アミノ酸の1つはフェニルアラニン、グリシン、アラニン、グルタミン又はアスパラギンである。一実施形態において、位置106の置換アミノ酸の1つはシステイン又はグルタミンである。一実施形態において、第2置換はロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にある。例えば、アミノ酸残基175に相当する位置にある置換アミノ酸は、メチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリン又はシステインであり、アミノ酸残基176に相当する位置にある置換アミノ酸は、セリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニン又はアルギニンであり、あるいはアミノ酸残基273に相当する位置にある置換アミノ酸はロイシン、メチオニン又はシステインである。
一実施形態において、本発明は、試料中で2つのタンパク質の相互作用を検出する方法を提供する。前記方法は、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との結合を可能にするのに有効な条件下で、本発明ベクターの複数の発現ベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、この細胞の溶解物又は複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物を有する試料を用意することを含む。融合体の1つは生物発光レポータータンパク質のフラグメントを含み、他の融合体は機能的に異なるタンパク質の補完フラグメントを含む。次いで、生物発光を測定する。一実施形態において、基質は式(I)の化合物:R-リンカー-A-X(式中、Rは1以上の官能基であり、リンカーはRとAを隔てる基であり、A-Xはデハロゲナーゼの基質であり、Xはハロゲンであり、ここでリンカーはC、N、SもしくはO又は1以上の環を含む基を含む多原子の直鎖又は分枝鎖である)である。一実施形態において、第1又は第2異種アミノ酸配列は選択マーカータンパク質、膜タンパク質、サイトゾルタンパク質、核タンパク質、構造タンパク質、酵素、酵素基質、受容体タンパク質、輸送体タンパク質、転写因子、チャネルタンパク質、リンタンパク質、キナーゼ、シグナル伝達タンパク質、代謝タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、受容体結合タンパク質、核酸結合タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質、分泌タンパク質、受容体リガンド、血清タンパク質、免疫原性タンパク質、蛍光タンパク質又は反応性システインを有するタンパク質である。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体は、対応する完全長・野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、1つの置換は、完全長・野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある。一実施形態において、位置272の置換アミノ酸の1つはフェニルアラニン、グリシン、アラニン、グルタミン又はアスパラギンである。一実施形態において、位置106の置換アミノ酸の1つはシステイン又はグルタミンである。一実施形態において、第2置換はロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にある。例えば、アミノ酸残基175に相当する位置にある置換アミノ酸はメチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリン又はシステインであり、アミノ酸残基176に相当する位置にある置換アミノ酸はセリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニン又はアルギニンであり、あるいはアミノ酸残基273に相当する位置にある置換アミノ酸はロイシン、メチオニン又はシステインである。
一実施形態において、本発明は、2つのタンパク質の相互作用を変える薬剤を検出する方法を提供する。前記方法は、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との結合を可能にするのに有効な条件下で、本発明の複数の発現ベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、その溶解物又は複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物及び薬剤を有する試料を用意することを含む。融合体の1つは生物発光レポータータンパク質のフラグメントを含み、他の融合体は機能的に異なるタンパク質の補完フラグメントを含む。薬剤は、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用を変えることが推測される。次いで、生物発光を測定する。
一実施形態において、本発明は、2つのタンパク質の相互作用を変える条件を検出する方法を提供する。前記方法は、条件にさらす試料であって、本発明の複数の発現ベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、その溶解物又は複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物を含む前記試料を用意することを含む。融合体の1つは生物発光レポータータンパク質のフラグメントを含み、他の融合体は機能的に異なるタンパク質の補完フラグメントを含む。次いで、生物発光を測定する。
従って、別個のタンパク質の2つのフラグメントであって、その1つがレポータータンパク質である前記2つのフラグメントは、全体としてハイブリッドレポーターシステムを提供する。一実施形態において、レポータータンパク質フラグメントは、完全長・野生型(天然)生物発光酵素に構造的に関連する(配列が実質的に相当する)生物発光酵素のフラグメントである。一実施形態において、レポータータンパク質フラグメントは、完全長・野生型(天然)加水分解酵素に構造的に関連する(配列が実質的に相当する)加水分解酵素変異体のフラグメントであるが、対応する完全長・野生型加水分解酵素、に対して少なくとも1つのアミノ酸置換を含み、いくつかの実施形態において、少なくとも2つのアミノ酸置換を含む。完全長加水分解酵素変異体は、対応する完全長・野生型加水分解酵素と比較して触媒活性を欠くか又は触媒活性が低下しており、対応する完全長・野生型加水分解酵素が特異的に結合できる基質に特異的に結合する。しかしながら、対応する完全長・野生型加水分解酵素と基質との間の反応により産物生成をもたらす条件下で、加水分解酵素変異体と基質との間の相互作用により、産物は生成されないか、又は実質的に少ない産物、例えば、2倍、10倍、100倍又は1000倍少ない産物が生成される。加水分解酵素変異体による産物生成の欠如又は量の低下は、完全長加水分解酵素変異体における少なくとも1つの置換のためであり、その置換は、対応する完全長・野生型加水分解酵素と基質との間の結合よりも安定な基質との結合を形成する加水分解酵素変異体をもたらす。好ましくは、基質と完全長加水分解酵素変異体との間又は基質と互いに接近した2つの融合タンパク質(1つは加水分解酵素変異体フラグメント、他は機能的に異なるタンパク質の補完フラグメント)との間に形成される結合は、対応する完全長・野生型加水分解酵素により産物生成をもたらす条件下で、対応する完全長・野生型加水分解酵素と基質との間で形成される結合の半減期(すなわちt1/2)よりも、例えば少なくとも2倍以上、より好ましくは少なくとも4倍、あるいは更に10倍、100倍、1000倍又は10,000倍以上のt1/2を有する。好ましくは、基質と完全長加水分解酵素変異体との間又は基質と融合タンパク質との間に形成される結合は、少なくとも30分、好ましくは少なくとも4時間、更には少なくとも10時間のt1/2を有し、洗浄、タンパク質変性剤及び/又は高温による破壊に耐性を示す。例えば、前記結合はSDS中での煮沸に安定である。
本発明の加水分解酵素フラグメントの少なくとも1つの末端のアミノ酸配列は、修飾に耐性を示す、例えば挿入、欠失、円順列変異又はそれらの任意の組み合わせに耐性を示す部位(残基)又は領域にある。従って、一実施形態において、本発明は、デハロゲナーゼ、例えば配列番号1を有するDhaAの残基14〜24、残基25〜35、残基、52〜62、残基73〜83、残基93〜103、残基131〜141、残基149〜159、残基175〜185、残基190〜200、残基204〜220、残基230〜268又は残基289〜299を含む領域における残基に相当する残基部位にN末端又はC末端を有する加水分解酵素のフラグメントを有するシステムを含む。一実施形態において、本発明は、デハロゲナーゼ、例えばDhaAの残基73〜83、93〜103又は204〜220に相当する領域にある残基部位にN末端又はC末端を有する加水分解酵素のフラグメントを有するシステムを含む。対応する位置は、加水分解酵素配列をアラインメントすることにより同定できる。
本発明の一実施形態において、システムは、修飾に耐性を示す領域における残基部位、例えばレニラルシフェラーゼの残基2〜12、26〜47、残基64〜74、残基86〜116、残基146〜156、残基164〜174、残基188〜198、残基203〜213、残基218〜234、残基246〜264、残基269〜279又は残基301〜311、ガウシア(Gaussia)ルシフェラーゼの残基43〜53、残基63〜73、残基79〜89、残基95〜105、残基105〜115、残基109〜119、残基121〜131又は残基157〜168、オプロフォラスルシフェラーゼの残基45〜55、残基79〜89、残基108〜188又は残基130〜140、ホタルルシフェラーゼの残基2〜12、残基32〜53、残基70〜88、残基112〜126、残基139〜165、残基183〜203、残基220〜247、残基262〜273、残基303〜313、残基353〜408、残基485〜495又は残基535〜546に相当する残基部位又は領域にN末端又はC末端を有する生物発光酵素のフラグメントを有する。対応する位置は、ルシフェラーゼ配列をアラインメントすることにより同定できる。
一実施形態において、加水分解酵素フラグメントの1つの末端は、完全長・野生型加水分解酵素のN末端又はC末端の内部にある部位又は領域に相当し、他の末端は、完全長加水分解酵素配列のN末端又はC末端の部位又は近傍にあることができる。一実施形態において、加水分解酵素フラグメントは4以上、例えば、5、10、20、50、100、200、300以上であり、約1000未満、例えば、約700未満であるか、又は任意の中間の整数である異種アミノ酸残基に融合されている。一実施形態において、加水分解酵素フラグメントは、完全長加水分解酵素配列の5%、10%、15%、25%、33%又は50%以上を含み、例えば完全長加水分解酵素配列の1〜20残基、1〜50残基、1〜75残基、1〜100残基、1〜125残基又は1から50〜125の任意の整数の残基を含む。一実施形態において、デハロゲナーゼである加水分解酵素の1フラグメントは、完全長デハロゲナーゼのC末端の50、75、100、150、200もしくは250又は任意の中間の整数の残基に相当する。
一実施形態において、生物発光タンパク質フラグメントの1つの末端は、完全長・野生型生物発光タンパク質のN末端又はC末端の内部にある部位又は領域に相当し、他の末端は、完全長生物発光タンパク質配列のN末端又はC末端の部位又は近傍にあることができる。一実施形態において、生物発光タンパク質フラグメントは、4以上、例えば、5、10、20、50、100、200、300以上であり、約1000未満、例えば、約700未満であるか、又は任意の中間の整数である異種アミノ酸残基に融合されている。一実施形態において、生物発光タンパク質フラグメントは完全長生物発光タンパク質配列の5%、10%、15%、25%、33%又は50%以上を含み、例えば完全長生物発光タンパク質配列の1〜20残基、1〜50残基、1〜75残基、1〜100残基、1〜125残基又は1から50〜125の任意の整数の残基を含む。。一実施形態において、生物発光タンパク質である生物発光タンパク質の1フラグメントは、完全長生物発光タンパク質のC末端の50、75、100、150、200もしくは250又は任意の中間の整数の残基に相当する。
一実施形態において、異種配列は実質的に同じ配列であり、例えば場合により1以上の外因性薬剤の非存在下で互いに特異的に結合して二量体を形成する。他の実施形態において、異種配列は同じではなく、場合により1以上の外因性薬剤の非存在下で互いに特異的に結合する。一実施形態において、レポータータンパク質フラグメントは異種配列に融合されており、その異種配列は細胞分子と相互作用する。例えば、ラパマイシンの存在下で、ラパマイシン結合タンパク質(FRB)に融合させた加水分解酵素のフラグメントとFK506結合タンパク質(FKBP)に融合させた機能的に異なるタンパク質からの他のフラグメントは、2つの融合タンパク質の複合体を生じる。一実施形態において、外因性薬剤(単数又は複数)の存在下又は異なる条件下で、融合タンパク質の複合体は形成されない。一実施形態において、1つの異種配列は、他の異種配列のドメインと非共有結合的に相互作用する、場合により共有結合的な修飾、例えばリン酸化を受けていることができる例えば3以上のアミノ酸残基のドメインを含む。レポータータンパク質のフラグメント及び機能的に異なるタンパク質は、可逆的相互作用、例えば2以上の分子の結合、他のコンホメーション変化又は条件の変化(pH、温度又は溶媒疎水性など)あるいは不可逆的相互作用を検出するために用いることができる。
本発明に有用な異種配列は、限定するものではないが、in vitro及び/又はin vivoで相互作用する異種配列を含む。例えば、融合タンパク質は、加水分解酵素のフラグメント及び目的とする酵素、例えば、ルシフェラーゼ、RNasin又はRNアーゼ及び/又はチャネルタンパク質、受容体、膜タンパク質、サイトゾルタンパク質、核タンパク質、構造タンパク質、リン酸化タンパク質、キナーゼ、シグナル伝達タンパク質、代謝タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、受容体結合タンパク質、蛍光タンパク質、酵素基質、転写因子、輸送体タンパク質及び/又は加水分解酵素フラグメント、例えば、融合タンパク質を特定の位置に導くターゲティング配列、例えば、ミリスチレーション配列、ミトコンドリア局在化配列、又は核局在化配列を含むことができる。レポータータンパク質フラグメント又は補完タンパク質フラグメントに融合させた目的とするタンパク質は、野生型タンパク質のフラグメント、例えば、タンパク質の機能又は構造ドメイン、例えばキナーゼ、転写因子などのドメインであることができる。目的とするタンパク質は、レポータータンパク質フラグメント又は補完タンパク質フラグメントのN末端又はC末端に融合させることができる。場合により、融合体におけるタンパク質は、コネクタ配列、例えば、好ましくは少なくとも2アミノ酸残基を有するコネクタ配列、例えば13〜17アミノ酸残基を有するコネクタ配列により隔てられている。本発明の融合タンパク質におけるコネクタ配列の存在は、それぞれの個別のタンパク質の機能に対して、融合体におけるどちらのタンパク質の機能も実質的に変えない。融合体のタンパク質の特定の組み合わせに関して、さまざまなコネクタ配列を用いることができる。一実施形態において、コネクタ配列は、酵素により認識される配列、例えば切断性配列又は光切断性配列である。
典型的な異種配列は、限定するものではないが、FRB及びFKBPにおける異種配列、プロテインキナーゼ(PKa-R)調節サブユニット及びプロテインキナーゼ(PKa-C)触媒サブユニット、src相同性領域(SH2)及びリン酸化可能配列(例えばチロシン含有配列)、14-3-3のアイソフォーム、例えば、14-3-3t(Milsら(2000年)参照)及びリン酸化可能配列、WW領域を有するタンパク質(プロリンリッチ分子に結合するタンパク質における配列(Ilsleyら(2002年);及びEinbondら(1996年))及び異種リン酸化可能配列、例えばセリン及び/又はトレオニン含有配列、並びにジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)及びジャイレースB(GyrB)における配列などの配列を含む。
融合タンパク質をコードする発現ベクター並びにベクターの1以上を有する宿主細胞及び前記ベクターを含むキットもまた提供される。宿主細胞は、原核細胞又は真核細胞、例えば植物又は脊椎動物細胞、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、羊又はげっ歯類(例えば、ウサギ、ラット、フェレット又はマウス)細胞を限定せずに含む哺乳動物細胞を含む。好ましくは、発現ベクターは、プロモーター、例えば融合タンパク質の1つのコード領域に作動可能に連結された構成的又は調節性プロモーターを含む。一実施形態において、発現ベクターは誘導性プロモーターを含む。場合により、最適化核酸配列、例えば融合タンパク質をコードするヒトコドン最適化配列が本発明の核酸分子に用いられる。核酸配列の最適化は当該技術分野で公知である。例えばWO02/16944を参照のこと。一実施形態において、本発明の発現ベクターの1つを一過性に、調節可能に、構成的に又は安定に発現する宿主細胞が提供される。ベクター又はその遺伝子産物は、トランスフェクション、エレクトロポレーション、感染、細胞融合又は任意の他の手段により提供できる。
一実施形態において、加水分解酵素は、野生型デハロゲナーゼ、例えば配列番号1の5、11、20、30、32、47、58、60、65、78、80、87、88、94、109、113、117、118、124、128、134、136、150、151、155、157、160、167、172、175、176、187、195、204、221、224、227、231、250、256、257、263、264、273、277、282、291もしくは292又はそれらの複数に相当する位置における置換を有するデハロゲナーゼ変異体などの加水分解酵素変異体である。従って、デハロゲナーゼ変異体は、配列番号1の位置5、11、20、30、32、47、58、60、65、78、80、87、88、94、109、113、117、118、124、128、134、136、150、151、155、157、160、167、172、187、195、204、221、224、227、231、250、256、257、263、264、277、282、291又は292に相当する位置における複数の置換であって、その少なくとも1つが発現又は結合キネティクスの改善を付与する前記置換を含む複数の置換を有することができ、置換に耐性を示す位置におけるさらなる置換を含むことができる。一実施形態において、デハロゲナーゼ変異体は、配列番号1の位置5、7、11、12、20、30、32、47、54、55、56、58、60、65、78、80、82、87、88、94、96、109、113、116、117、118、121、124、128、131、134、136、144、147、150、151、155、157、160、161、164、165、167、172、175、176、180、182、183、187、195、197、204、218、221、224、227、231、233、250、256、257、263、264、273、277、280、282、288、291、292、及び/又は294に相当する位置における複数の置換を含む複数の置換を有することができる。
本発明のハイブリッド融合タンパク質システムは、種々の条件及び/又は目的とする分子を測定又は検出するために用いることができる。例えば、タンパク質-タンパク質相互作用は、遺伝子の転写、タンパク質翻訳、シグナル伝達並びに細胞分裂及び分化にわたる細胞生物学の事実上すべての側面に必須である。タンパク質相補性アッセイ(PCA)は、タンパク質-タンパク質相互作用をモニターするために用いられるいくつかの方法の1つである。PCAにおいて、タンパク質-タンパク質相互作用は、2つの非機能性酵素の片方を互いに物理的に接近させ、それにより機能性酵素へのリフォールディングが可能になる。従って、相互作用は酵素活性によりモニターされる。タンパク質相補性標識(PCL)において、例えばアシル-変異酵素中間体により基質をトラップするために、検出酵素を変異させる。従って、基質と再構成変異酵素とを共有結合させ、経時的蓄積標識が可能となり、このようにして、弱いタンパク質-タンパク質相互作用の検出感度が増す。
定義
本明細書において、"基質"は、反応性基及び場合により1以上の官能基を有する基質を含む。本明細書において、一般に、1以上の官能基を含む基質を本発明の基質と呼ぶ。基質、例えば本発明の基質は、場合により、基質における反応性基から1以上の官能基を物理的に隔てるリンカー、例えば切断性リンカーを含むこともできる。一実施形態において、リンカーは、好ましくは長さ12〜30原子である。リンカーは、必ずしも本発明の基質に存在するとは限らない。しかしながら、いくつかの実施形態において、反応性基が、加水分解酵素変異体における反応性残基と相互作用して共有結合を形成できるように、反応性基と官能基の物理的分離が必要な場合がある。存在する場合、好ましくは、リンカーは、加水分解酵素野生型又は変異体を有するリンカーを欠く対応する基質の特異性又は反応性と比較して、加水分解酵素野生型又は変異体を有するリンカーを有する基質の特異性又は反応性を実質的に変えない(例えば低下させない)。更にまた、リンカーの存在は、好ましくは、官能基の1以上の特性、例えば機能を実質的に変えない(例えば低下させない)。例えば、一部の加水分解酵素変異体に関して、すなわち深い触媒ポケットを有する加水分解酵素変異体に関して、本発明の基質は、本発明の基質の1以上の官能基が、対応するタンパク質、例えば、加水分解酵素タンパク質(野生型又は変異体)の3D構造を変えないように、十分な長さ及び構造のリンカーを含むことができる。
本明細書において、"基質"は、反応性基及び場合により1以上の官能基を有する基質を含む。本明細書において、一般に、1以上の官能基を含む基質を本発明の基質と呼ぶ。基質、例えば本発明の基質は、場合により、基質における反応性基から1以上の官能基を物理的に隔てるリンカー、例えば切断性リンカーを含むこともできる。一実施形態において、リンカーは、好ましくは長さ12〜30原子である。リンカーは、必ずしも本発明の基質に存在するとは限らない。しかしながら、いくつかの実施形態において、反応性基が、加水分解酵素変異体における反応性残基と相互作用して共有結合を形成できるように、反応性基と官能基の物理的分離が必要な場合がある。存在する場合、好ましくは、リンカーは、加水分解酵素野生型又は変異体を有するリンカーを欠く対応する基質の特異性又は反応性と比較して、加水分解酵素野生型又は変異体を有するリンカーを有する基質の特異性又は反応性を実質的に変えない(例えば低下させない)。更にまた、リンカーの存在は、好ましくは、官能基の1以上の特性、例えば機能を実質的に変えない(例えば低下させない)。例えば、一部の加水分解酵素変異体に関して、すなわち深い触媒ポケットを有する加水分解酵素変異体に関して、本発明の基質は、本発明の基質の1以上の官能基が、対応するタンパク質、例えば、加水分解酵素タンパク質(野生型又は変異体)の3D構造を変えないように、十分な長さ及び構造のリンカーを含むことができる。
本明細書において、"官能基"は、検出される、又は検出できる分子であり、例えば、直接又は間接的な手段により測定できる分子(例えば、光活性化分子、ジゴキシゲニン、ニッケルNTA(ニトリロ三酢酸)、発色団、蛍光発色団又は発光団)は、第2分子(例えばビオチン、ハプテン又は架橋基)に結合又は連結させることもできるし、それが固体担体であることもできる。官能基は2以上の特性、例えば検出できる特性又は他の分子に連結される特性を有することができる。
本明細書において、"反応性基"は、本発明の特定の加水分解酵素野生型又は変異体により特異的に認識される、基質における最小数の原子である。基質における反応性基と野生型加水分解酵素との相互作用は、産物の生成及び野生型加水分解酵素の再生をもたらす。
本明細書において、用語"異種"核酸配列又はタンパク質は、参照配列に対して異なる起源を有する配列、例えば外来種に由来する配列あるいは、同じ種由来の配列であっても、元の配列から実質的に修飾を受けた配列のことを言う。
用語"融合ポリペプチド"又は"融合タンパク質"は、N末端及び/又はC末端で1以上の異種配列に結合した参照タンパク質(例えば加水分解酵素又は生物発光タンパク質などのレポータータンパク質)を含むキメラタンパク質のことを言う。いくつかの実施形態において、外因性薬剤もしくは目的とする分子の非存在下で、又は特定の条件下で、融合ポリペプチドにおける異種配列は、異種配列に相当する対応する完全長(非融合)ポリペプチドと比較して少なくとも少しの又は実質的に同じ活性を保持することができる。他の実施形態において、外因性薬剤の存在下で、又はある条件下で、融合ポリペプチドにおける異種配列は、異種配列に相当する対応する完全長(非融合)ポリペプチドと比較して少なくとも少しの又は実質的に同じ活性を保持することができる。
“生物発光タンパク質”は、発光生物において見出される発光反応を媒介する酵素を含む。例には、甲虫ルシフェラーゼ(全部が甲虫ルシフェリンのATP媒介酸化を触媒する);花虫類ルシフェラーゼ(全部がセレンテラジンの酸化を触媒する);Ca(2+)調節性発光タンパク質(同様に、全部がセレンテラジンの酸化を触媒する)がある。ルシフェラーゼは、フォチナス・フィラリスのホタルルシフェラーゼ又はレニラ・レニフォルミス(Renilla reniformis)のレニラルシフェラーゼなどの種々の発光生物から単離又は入手することができる。本明細書において、"ルシフェラーゼ"は、限定するものではないがホタルであるフォチナス・フィラリスからのルシフェラーゼ又は他の甲虫ルシフェラーゼ(例えばコメツキムシ(例えばピロフォラス・ピラジオフタラマス(Pyrophorus plagiophthalamus))又はツチボタル(Pheogodidae種)から得られるルシフェラーゼ)、ウミシイタケであるレニラ・レニフォルミス、バルグラ(Vargula)種(例えばバルグラ・ヒルゲンドルヒ(Vargula hilgendorfii)、カイアシ(例えばガウシア又はメトリディア(Metridia)種)、十脚類(例えばオプロフォラス種)、カサガイであるラチア・ネリトイデス(Latia neritoides)及び発光細菌(例えばゼノラブダス・ルミネッセンス(Xenorhabdus luminescens)及びビブリオフィッシャリ(Vibrio fisherii)を含む、任意の天然、合成又は遺伝子改変供給源由来の任意の種類のルシフェラーゼを意味するものとする。
"求核剤"は、電子を供与する分子である。
本明細書において、"マーカー遺伝子"又は"レポーター遺伝子"は、その遺伝子を発現する細胞に別個の表現型を付与する遺伝子であり、従って、その遺伝子を有する細胞が、その遺伝子を有さない細胞と区別されるのを可能にする。マーカーが、化学的手段、すなわち選択剤(例えば除草剤、抗生物質など)の使用により'選択する'ことができる形質を付与するか、又はマーカーが、単に、観察又は試験、すなわち'スクリーニング'により同定することができる"レポーター"形質であるかどうかに応じて、このような遺伝子は選択又はスクリーニングマーカーのいずれかをコードすることができる。本開示の要素は、特定のマーカー遺伝子の使用により、詳細に例示される。もちろん、適切なマーカー遺伝子又はレポーター遺伝子の多くの例が当該技術分野で公知であり、発明の実施に用いることができる。従って、当然のことながら、以下の議論は、網羅的というよりはむしろ典型的である。本明細書に開示された技術及び当該技術分野で公知の一般的な組換え技術を考慮に入れると、本発明は、任意の遺伝子の改変を可能にする。典型的な修飾レポータータンパク質は、限定するものではないが、neo遺伝子、β-gal遺伝子、gus遺伝子、cat遺伝子、gpt遺伝子、hyg遺伝子、hisD遺伝子、ble遺伝子、mprt遺伝子、bar遺伝子、ニトリラーゼ遺伝子、ガラクトピラノシド遺伝子、キシロシダーゼ遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、アラビノシダーゼ遺伝子、アセト乳酸シンターゼ変異体遺伝子(ALS)もしくはアセトアシッドシンターゼ遺伝子(AAS)、メトトレキサート耐性dhfr遺伝子、ダラポンデハロゲナーゼ遺伝子、5-メチルトリプトファンに耐性を付与するアントラニル酸シンターゼ変異体遺伝子(WO97/26366)、R-遺伝子座遺伝子、β-ラクタマーゼ遺伝子、xylE遺伝子、α-アミラーゼ遺伝子、チロシナーゼ遺伝子、ルシフェラーゼ(luc)遺伝子、(例えば、レニラ・レニフォルミスルシフェラーゼ遺伝子、ホタルルシフェラーゼ遺伝子もしくはコメツキムシルシフェラーゼ(ピロフォラス・ピラジオフタラマス)遺伝子、イクオリン遺伝子、赤色蛍光タンパク質遺伝子又は緑色蛍光タンパク質遺伝子の修飾を含む修飾レポーター遺伝子を含む核酸分子によりコードされる。形質転換細胞を同定又は選択することにより分泌を検出することができる"選択マーカー"をコードする遺伝子もまた、用語選択又はスクリーニングマーカー遺伝子に含まれる。例には、抗体相互作用により同定できる分泌抗原をコードするマーカーを含み、あるいは触媒活性により検出できる分泌酵素であっても含む。分泌タンパク質には多くの種類があり、ELISAなどにより検出できる低分子量の拡散性タンパク質及び細胞膜内に挿入又はトラップされたタンパク質を含む。
"選択マーカータンパク質"は、それがなければ必須栄養素を欠くことになる培地において(例えば酵母細胞におけるTRPl遺伝子)、あるいは抗生物質又は他の薬物を含む培地において増殖する能力を細胞に付与する酵素活性をコードする。すなわち、選択マーカータンパク質をコードする遺伝子の細胞内での発現は、この遺伝子を有さない対応する細胞と比較して、その細胞へ抗生物質又は薬物に対する耐性を付与する。宿主細胞が、選択培地において増殖するための選択マーカーを発現する必要がある場合は、このマーカーは正の選択マーカーと呼ばれる(例えば、適切な抗生物質の存在下で増殖する能力を付与する抗生物質耐性遺伝子)。同様に、特定の遺伝子を有する宿主細胞に対して選択するために選択マーカーを用いることもできる(例えば、5%ショ糖を含有する培地中で増殖させるとき、発現されれば細菌宿主細胞を殺すsacB遺伝子)。このように用いられる選択マーカーは、負の選択マーカー又は逆選択マーカーと呼ばれる。一般の選択マーカー遺伝子配列は、アンピシリン、テトラサイクリン、カナマイシン、ピューロマイシン、ブレオマイシン、ストレプトマイシン、ハイグロマイシン、ネオマイシン、ゼオシン(登録商標)などの抗生物質への耐性のためのものを含む。栄養要求性選択遺伝子配列は、例えば、ヒスチジノールの存在下、ヒスチジンを含まない培地中で増殖させることができるhisDを含む。適切な選択マーカー遺伝子は、ブレオマイシン耐性遺伝子、メタロチオネイン遺伝子、ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子、AURI遺伝子、アデノシンデアミナーゼ遺伝子、アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子、チミジンキナーゼ遺伝子、キサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ遺伝子などを含む。
本明細書において、"核酸"は、1つのヌクレオチドのペントースの3’位置が、隣のペントースの5’位置にホスホジエステル基により結合されており、ヌクレオチド残基(塩基)が特定の配列、すなわち線形のヌクレオチドで連結されている、共有結合されたヌクレオチド配列であり、そのアナログ、例えば1以上の修飾塩基、糖類及び/又はリン酸骨格を有するものを含む。本明細書において、"ポリヌクレオチド"は、約100ヌクレオチド長を超える配列を含む核酸である。本明細書において、"オリゴヌクレオチド"又は"プライマー"は、短いポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドの一部である。本明細書において、用語"オリゴヌクレオチド"又は"オリゴ"は、2以上、好ましくは3を超え、通例10を超えるデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドであって、250未満、好ましくは200未満のデオキシリボヌクレオチド又はリボヌクレオチドで構成される分子として定義される。オリゴヌクレオチドは、化学合成、DNA複製、増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、逆転写(RT)、又はそれらの組み合わせを含む任意の方法により製造することができる。"プライマー"は、プライマー伸長法が開始される条件下におくとき、核酸合成の開始点としての機能を果たすことができるオリゴヌクレオチドである。プライマーは、その3’末端に、標的(鋳型)の特異的配列に実質的に相補的な領域を有するように選択される。標的にハイブリダイズしてプライマー伸長が起こるためには、プライマーは十分に相補的でなければならない。プライマー配列は、必ずしも標的の正確な配列を反映する必要はない。例えば、非相補的ヌクレオチドフラグメントをプライマーの5’末端に結合させ、プライマー配列の残りが標的に実質的に相補的であることができる。プライマー配列がハイブリダイズするするために、標的の配列と十分な相補性を有し、それによってプライマーの延長産物の合成のための複合体が形成されるという条件で、非相補的塩基又はより長い配列をプライマーに散在させることができる。遺伝子配列にマッチする、又はそれに相補的なプライマーを、増幅反応、RT-PCRなどに用いることができる。
核酸分子は"5’末端"(5’端)及び"3’末端"(3’端)を有すると述べられるが、これは、置換モノヌクレオチドのペントース環の5’炭素及び3’炭素に核酸ホスホジエステル結合が生じるからである。新しい結合が5’炭素への結合であるポリヌクレオチドの末端は、その5’末端ヌクレオチドである。新しい結合が3’炭素への結合であるポリヌクレオチドの末端は、3’末端ヌクレオチドである。本明細書において、末端ヌクレオチドは、3’又は5’末端の末端位置にあるヌクレオチドである。
DNA分子は"5’末端"及び"3’末端"を有すると述べられるが、これは、1つのモノヌクレオチドペントース環の5'リン酸が、ホスホジエステル結合により、その隣の3’酸素に1方向に結合するようにモノモノヌクレオチドが反応してオリゴヌクレオチドができるからである。従って、オリゴヌクレオチドの末端は、その5’リン酸がモノヌクレオチドペントース環の3’酸素に結合されていない場合、"5’末端"と呼ばれ、3’酸素が次のモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に結合されていない場合、"3’末端"と呼ばれる。
本明細書において、核酸配列は、より大きなオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの内部にある場合であっても、5’及び3’末端を有すると呼ぶことができる。直鎖又は環状DNA分子のいずれにおいても、離れた領域は、"下流"又は3’領域の"上流"又は5’にあるといわれる。この用語法は、転写がDNA鎖に沿って5’から3’に進行するという事実を反映している。一般的には、連結された遺伝子(例えば、オープンリーディングフレーム又はコード領域)の転写を指示するプロモーター及びエンハンサー領域は、一般にコード領域の5’又は上流に位置する。しかしながら、エンハンサー領域は、プロモーター領域及びコード領域の3’に位置する場合であっても、その効果を発揮することができる。転写終結シグナル及びポリアデニル化シグナルは、コード領域の3’又は下流に位置する。
本明細書において、用語"コドン"は、ポリペプチド鎖に取り込まれる特定のアミノ酸又は開始もしくは停止シグナルを指定する、3つのヌクレオチドの配列からなる基本的な遺伝コード単位である。構造遺伝子に関連して用いられる場合、用語"コード領域"は、mRNA分子の翻訳の結果として新生ポリペプチドに見出されるアミノ酸をコードするヌクレオチド配列のことを言う。一般的には、コード領域は、開始メチオニンをコードするヌクレオチドトリプレット"ATG"により5’側が結合され、終止コドン(例えばTAA、TAG、TGA)により3’側が結合される。場合によっては、コード領域が、ヌクレオチドトリプレット"TTG"により開始されることも知られている。
本明細書において、"単離された"とは、in vivo物質が付随しないような、核酸分子、ポリペプチド、ペプチド又はタンパク質のin vitro調製、単離及び/又は精製のことを言う。従って、"単離されたオリゴヌクレオチド"又は"単離されたポリヌクレオチド"のように核酸に関して用いられるとき、用語"単離された"とは、同定され、通常供給源に付随する少なくとも1つの夾雑物から分離された核酸配列のことを言う。単離された核酸は、自然界に見られるものとは異なる形態又は環境で存在する。対照的に、単離されていない核酸(例えばDNA及びRNA)は、それらが天然に存在する状態で見出される。例えば、所定のDNA配列(例えばある遺伝子)は、隣接する遺伝子に近接して宿主細胞の染色体上で見出され、RNA配列(例えば、特定のタンパク質をコードする特定のmRNA配列)は、多数のタンパク質をコードする多数の他のmRNAとの混合物として細胞内で見出される。従って、ゲノム起源、cDNA起源もしくは合成起源又はそれらの組み合わせのポリヌクレオチドを含む"単離された核酸分子"に関しては、(1)"単離された核酸分子"は、"単離された核酸分子"が自然界に見られるポリヌクレオチドの全部又は一部と関連しない、(2)"単離された核酸分子"は、天然においては結合されていないポリヌクレオチドに作動可能に連結されている、又は(3)"単離された核酸分子"は、より長い配列の一部として天然に存在しない。単離された核酸分子は、一本鎖型又は二本鎖型で存在できる。核酸分子がタンパク質を発現するために用いられる場合、その核酸は最小限でもセンス鎖又はコード鎖を含むが(すなわち、その核酸は一本鎖型であることができる)、センス鎖及びアンチセンス鎖の両方を含むこともできる(すなわち、その核酸は二本鎖型であることができる)。
"単離されたタンパク質"又は"単離されたポリペプチド"のように、ポリペプチドに関して用いられる場合、用語"単離された"とは、同定され、通常供給源に付随する少なくとも1つの夾雑物から分離されたポリペプチドのことを言う。従って、(1)単離されたポリペプチドは自然界に見られるタンパク質と関連しない、(2)単離されたポリペプチドは、同じ供給源からの他のタンパク質を含まず、例えば、ヒトタンパク質を含まない、(3)単離されたポリペプチドは、異なる種からの細胞により発現される、又は(4)単離されたポリペプチドは、天然に存在しない。従って、単離されたポリペプチドは、自然界に見られるものとは異なる形態又は環境で存在する。対照的に、単離されていない核酸(例えばタンパク質及び酵素)は、それらが天然に存在する状態で見出される。用語"単離されたポリペプチド"、"単離されたペプチド"又は"単離されたタンパク質"は、cDNAもしくは合成起源のものを含む組換えRNA又はそれらの組み合わせによりコードされるポリペプチド、ペプチド又はタンパク質を含む。
用語"遺伝子"は、コード配列及び場合によりDNA配列からのポリペプチドの生成に必要な調節配列を含むDNA配列のことを言う。
本明細書において、用語"野生型"は、天然に存在する供給源から単離された遺伝子又は遺伝子産物の特性を有する遺伝子又は遺伝子産物のことを言う。野生型遺伝子は、ある集団において最も高い頻度で観察される遺伝子であり、従って自由裁量によってその遺伝子の"野生型"と呼ばれる。対照的に、用語"変異体"は、野生型の遺伝子又は遺伝子産物と比較して、配列及び/又は機能的特性の修飾(すなわち、特性の改変)を示す遺伝子又は遺伝子産物のことを言う。天然に存在する変異体が単離される場合があるということに注意されたい。これらは、野生型遺伝子又は遺伝子産物と比較して改変された特性を有するという事実によって同定される。
核酸は、種々の変異を有することが知られている。"点"変異とは、野生型配列の1個の塩基位置でのヌクレオチド配列の改変のことを言う。変異は、それによって、参照配列、例えば野生型配列とは核酸配列が異なるような、1以上の塩基の挿入又は欠失を指すこともできる。
用語"組換えDNA分子"は、通常は天然で一緒に見出されることのない少なくとも2つのヌクレオチド配列を含むハイブリッドDNA配列を意味する。用語"ベクター"は、DNAフラグメントを挿入又はクローニングすることができ、細胞内にDNAセグメント(単数又は複数)を導入するために使用でき、細胞内で複製することができる核酸分子に関して用いられる。ベクターは、プラスミド、バクテリオファージ、ウイルス、コスミドなどに由来することができる。
本明細書において、用語"組換えベクター"、"発現ベクター"又は"構築物"は、所望のコード配列及び、特定の宿主生物内での作動可能に連結されたコード配列の発現に必要な適切なDNA又はRNA配列を含むDNA又はRNA配列を指す。原核発現ベクターは、プロモーター、リボソーム結合部位、宿主細胞における自律複製の複製起点及び場合により他の配列、例えば任意のオペレーター配列、任意の制限酵素部位を含む。プロモーターは、RNAポリメラーゼがDNAに結合し、RNA合成を開始するように指示するDNA配列として定義される。真核発現ベクターはプロモーターを含み、場合によりポリアデニル化シグナルを含み、場合によりエンハンサー配列を含む。
"ペプチド、タンパク質又はポリペプチドをコードする"ヌクレオチド配列を有するポリヌクレオチドは、ペプチド、タンパク質又はポリペプチドのコード領域を含む核酸配列を意味する。コード領域は、cDNA、ゲノムDNA又はRNAのいずれかの形で存在できる。DNA形で存在する場合、オリゴヌクレオチドは一本鎖(すなわちセンス鎖)又は二本鎖であることができる。適切な転写開始及び/又は一次RNA転写産物の正確なプロセシングを可能にするために、必要に応じて、適切な調節因子、例えばエンハンサー/プロモーター、スプライス部位、ポリアデニル化シグナルなどを遺伝子のコード領域に近接近して位置させることができる。あるいは、本発明の発現ベクターに用いられるコード領域は、内因性のエンハンサー/プロモーター、スプライス部位、介在配列、ポリアデニル化シグナルなどを含むことができる。さらなる実施形態において、コード領域は内因性及び外因性調節因子の両方の組み合わせを含むことができる。
用語"転写調節因子"又は"転写調節配列"は、核酸配列(単数又は複数)の発現の一部の側面を調節する遺伝因子又は配列のことを言う。例えば、プロモーターは、作動可能に連結されたコード領域の転写開始を促進する調節因子である。他の調節因子は、限定するものではないが、転写因子結合部位、スプライシングシグナル、ポリアデニル化シグナル、終結シグナル及びエンハンサー領域を含み、例えば、トランス制御因子の存在下で、連結された配列の転写を増加又は減少させる領域を含む。
真核生物における転写調節シグナルは、"プロモーター"及び"エンハンサー"領域を含む。プロモーター及びエンハンサーは、転写に関与する細胞タンパク質と特異的に相互作用するDNA配列の短いアレイからなる。プロモーター及びエンハンサー領域は、酵母、昆虫及び哺乳動物細胞の遺伝子を含む種々の真核供給源から単離されている。プロモーター及びエンハンサー領域は、ウイルスからも単離されており、類似する調節因子、例えばプロモーターは原核生物においても見出される。特定のプロモーター及びエンハンサーの選択は、目的とするタンパク質を発現するために用いられる細胞型によって決まる。広い宿主域を有する真核プロモーター及びエンハンサーもあり、限定された細胞型のサブセットにおいて機能を発揮するものもある。例えば、SV40初期遺伝子エンハンサーは、多くの哺乳動物種からのさまざまな細胞型において大変活性が高く、哺乳動物細胞におけるタンパク質の発現に広く使用されてきた。広範囲の哺乳動物細胞型に活性を有するプロモーター/エンハンサー領域の他の2つの例には、ヒト伸長因子1遺伝子由来のもの並びにラウス肉腫ウイルス及びヒトサイトメガロウイルスの長い末端反復配列がある。
用語"プロモーター/エンハンサー"は、プロモーター機能及びエンハンサー機能の両方(すなわち、前述のように、プロモーター領域及びエンハンサー領域により提供される機能)を提供できる配列を含むDNAセグメントを意味する。例えば、レトロウイルスの長い末端反復配列は、プロモーター機能及びエンハンサー機能の両方を含む。エンハンサー/プロモーターは、"内因性"又は"外因性"又は"異種"であることができる。"内因性"エンハンサー/プロモーターは、ゲノムの所定の遺伝子と天然に連結されているものである。"外因性"又は"異種"エンハンサー/プロモーターは、遺伝子の転写が連結されたエンハンサー/プロモーターにより指示されるように、遺伝子操作(すなわち分子生物学的技術)を用いて遺伝子に並置して挿入したものである。
発現ベクター上の"スプライシングシグナル"の存在により、多くの場合、真核宿主細胞における組換え転写産物のより高い発現レベルがもたらされる。スプライシングシグナルは、一次RNA転写産物からのイントロンの除去を媒介し、スプライスドナー部位及びスプライス供与部位(Sambrookら(1989年))からなる。一般的に用いられるスプライスドナー部位及びスプライス供与部位は、SV40の16S RNAからのスプライス部位である。
真核細胞における組換えDNA配列の効率的な発現は、得られた転写産物の効率的な終結及びポリアデニル化を指示するシグナルの発現を必要とする。転写終結シグナルは、一般にポリアデニル化シグナルの下流に見られ、数百ヌクレオチド長である。本明細書において、用語"ポリ(A)部位"又は"ポリ(A)配列"は、新生RNA転写産物の終結及びポリアデニル化の両方を指示するDNA配列を意味する。ポリ(A)テールを欠く転写産物は不安定であり、迅速に分解されるので、組換え転写産物の効率的なポリアデニル化が望ましい。発現ベクターに用いられるポリ(A)シグナルは、"異種"であることも"内因性"であることもできる。内因性ポリ(A)シグナルは、天然には、ゲノムにおける所定の遺伝子のコード領域の3’末端に見られるシグナルである。異種ポリ(A)シグナルは、ある遺伝子から単離され、他の遺伝子の3’に挿入されたシグナルである。一般的に用いられる異種ポリ(A)シグナルはSV40ポリ(A)シグナルである。SV40ポリ(A)シグナルは237bp BamH I/Bcl I制限フラグメントに含まれ、終結及びポリアデニル化の両方を指示する(Sambrookら(1989年))。
真核発現ベクターは、"ウイルスレプリコン"又は"ウイルス複製起点"を含むこともできる。ウイルスレプリコンは、適切な複製因子を発現する宿主細胞内でベクターの染色体外複製を可能にするウイルスDNA配列である。適切なウイルスT抗原を発現する細胞内で、SV40又はポリオーマウイルス複製起点のいずれかを含むベクターは、高コピー数(104コピー/細胞)まで複製される。対照的に、ウシパピローマウイルス又はエプスタイン・バーウイルスからのレプリコンを含むベクターは、染色体外で低コピー数(約100コピー/細胞)複製される。
用語"in vitro"とは、人為的環境及び人為的環境内で生じるプロセス又は反応のことを言う。in vitro環境は、限定するものではないが、試験管及び細胞溶解物を含む。用語"in situ"は、細胞培養のことを言う。用語"in vivo"は、自然環境(例えば動物又は細胞)及び自然環境内で生じるプロセス又は反応のことを言う。
用語"発現系"は、目的とする遺伝子の発現を測定(例えば検出)する任意のアッセイ又は系のことを言う。分子生物学分野の当業者には、さまざまな発現系のいずれも用いることができることは明らかであろう。広範囲の適切な哺乳動物細胞が、広範囲の供給源(例えば、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション、マサチューセッツ州ロックランド)から入手できる。形質転換又はトランスフェクションの方法及び発現ビヒクルの選択は、選択される宿主系によって決まる。形質転換及びトランスフェクション法は、例えばSambrookら(1989年)に記載されている。発現系は、目的とする遺伝子(例えばレポーター遺伝子)が調節配列に連結され、遺伝子の発現が、遺伝子の発現を阻害又は誘導する薬剤での処理後にモニターされるin vitro遺伝子発現アッセイを含む。遺伝子発現の検出は、限定するものではないが、発現されるmRNA又はタンパク質(例えば検出可能なレポーター遺伝子産物)の検出又は目的とする遺伝子を発現する細胞の表現型における検出可能な変化による任意の適切な手段により行うことができる。発現系は、切断事象又は他の核酸もしくは細胞変化が検出されるアッセイを含むこともできる。
本明細書において、用語"ハイブリダイズする"及び"ハイブリダイゼーション"は、標的核酸に対する相補配列のアニーリング、すなわち、相補配列を含む核酸(ポリヌクレオチド)の2つのポリマーの塩基対形成を介してアニールする能力を指す。用語"アニーリングされた"及び"ハイブリダイズされた"は完全に同義で使用され、部分的にのみ相補性を有する領域の結合を含む、標的核酸と相補配列との任意の特異的で再現性のある相互作用を含むものとする。通常は天然の核酸には見られない特定の塩基も本発明の核酸に含むことができ、例えば、イノシン及び7-デアザグアニンを含む。核酸技術の当業者は、例えば、相補配列の長さ、オリゴヌクレオチドの塩基組成及び配列、イオン強度並びにミスマッチ塩基対の発生率を含む多数の変数を考慮して、経験的に二本鎖の安定性を決定することができる。二本鎖核酸の安定性は、融解温度すなわち"Tm"により測定される。特定の条件下での特定の二本鎖核酸のTmは、平均して塩基対の半分が解離したときの温度である。
用語"ストリンジェンシー"は、核酸ハイブリダイゼーションが行われる、温度、イオン強度及び他の化合物の存在の条件に関連して用いられる。"高ストリンジェンシー"条件では、高頻度の相補的塩基配列を有する核酸フラグメント間でのみ核酸塩基対形成が起こる。従って、"中"又は"低"ストリンジェンシー条件は、多くの場合、互いに完全には相補的でない核酸をハイブリダイズ又はアニーリングさせることが望まれる場合に必要とされる。多数の同等な条件を用いて中又は低ストリンジェンシー条件を構成することができることは当業界に公知である。ハイブリダイゼーション条件の選択は、一般に当業者には明らかであり、通例、ハイブリダイゼーションの目的、ハイブリダイゼーションの種類(DNA-DNA又はDNA-RNA)及び配列間の所望の関連性のレベルによって導かれる。(例えば、この方法の一般論に関しては、Sambrook ら(1989年);Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach, IRL Press, Washington D.C., 1985 )。
二本鎖核酸の安定性は、ミスマッチ塩基数の増加に伴って低下し、二本鎖ハイブリッドのミスマッチの相対的位置に応じてより大きく又はより小さく更に低下することが知られている。従って、このような二本鎖の安定性を最大化又は最小化するために、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを用いることができる。ハイブリダイゼーションストリンジェンシーは、ハイブリダイゼーション温度を調節し;ハイブリダイゼーション混合物中のらせん不安定化剤、例えばホルムアミドの百分率を調節し、洗浄液の温度及び/又は塩濃度を調節することにより変えることができる。フィルターハイブリダイゼーションに関しては、ハイブリダイゼーションの最終ストリンジェンシーは、多くの場合、ハイブリダイゼーション後洗浄に用いられる塩濃度及び/又は温度により決定される。
核酸ハイブリダイゼーションに関連して用いられる場合、"高ストリンジェンシー条件"は、約500ヌクレオチド長のプローブが用いられるとき、5X SSPE(43.8 g/l NaCl、6.9 g/l NaH2PO4 H2O 及び1.85g/l EDTA、NaOHでpHを7.4に調節)、0.5%SDS、5X Denhardt試薬及び100μg/ml変性サケ精子DNAからなる溶液中42℃での結合又はハイブリダイゼーションと、それに続く0.1X SSPE、1.0%SDSを含む溶液中42℃での洗浄と同等な条件を含む。
核酸ハイブリダイゼーションに関連して用いられる場合、"中程度のストリンジェンシー条件"は、約500ヌクレオチド長のプローブが用いられるとき、5X SSPE(43.8g/l NaCl、6.9g/l NaH2PO4 H2O及び1.85g/l EDTA、NaOHでpHを7.4に調節)、0.5%SDS、5X Denhardt試薬及び100μg/ml変性サケ精子DNAからなる溶液中42℃での結合又はハイブリダイゼーションと、それに続く1.0X SSPE、1.0%SDSを含む溶液中42℃での洗浄と同等の条件を含む。
"低ストリンジェンシー条件"は、約500ヌクレオチド長のプローブが用いられるとき、5X SSPE(43.8g/l NaCl、6.9g/l NaH2PO4 H2O及び1.85g/l EDTA、NaOHでpHを7.4に調節)0.1%SDS、5X Denhardt試薬[50X Denhardt試薬は、500ml当たり、Ficoll(Type400、Pharmacia社)5g、BSA(Fraction V;Sigma社)5gを含む]及び100g/ml変性サケ精子DNAからなる溶液中42℃での結合又はハイブリダイゼーションと、それに続く5X SSPE、0.1%SDSを含む溶液中42℃での洗浄と同等の条件を含む。
"ペプチド"、"タンパク質"及び"ポリペプチド"は、長さ又は翻訳後修飾(例えば、グリコシル化又はリン酸化)にかかわらず、アミノ酸の任意の鎖を意味する。特記しない限り、これらの用語は交換可能である。本発明の核酸分子は、天然に存在する(野生型)タンパク質又は野生型タンパク質の変異型(変異体)の配列を含む加水分解酵素又は機能的に異なるタンパク質のフラグメントをコードする。これらは、対応する変異体又は野生型タンパク質のアミノ酸配列と実質的に同一であるアミノ酸配列を有し、例えば、少なくとも85%、好ましくは90%、最も好ましくは95%又は99%同一であるアミノ酸配列を有する。用語"相同性"は、相補性の程度のことを言う。部分的な相同性が存在する場合もあり、完全な相同性(すなわち、一致)が存在する場合もある。相同性は、多くの場合、配列分析ソフトウェアを用いて測定される(例えば、ウィスコンシン州53705マジソン、University Avenue 1710、ウィスコンシン大学バイオテクノロジーセンター、Genetics Computer GroupのSequence Analysis Software Package)。このようなソフトウェアは、種々の置換、欠失、挿入及び他の修飾に対する相同性の程度を代入することにより、類似する配列を見出す。保存的置換は、一般的には、以下の群:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジン、アルギニン;及びフェニルアラニン、チロシンの範囲内の置換を含む。
ポリペプチド分子は、ペプチド結合が第1アミノ酸残基の主鎖アミノ基と第2アミノ酸残基の主鎖カルボキシル基との間で生じるため、"アミノ末端"(N末端)及び"カルボキシ末端"(C末端)を有するといわれる。ポリペプチド配列に関連した用語"N末端"及び"C末端"は、それぞれ、ポリペプチドのN末端及びC末端領域の部分を含むポリペプチドの領域を指す。ポリペプチドのN末端領域の部分を含む配列は、主にポリペプチド鎖のN末端側からのアミノ酸を含むが、このような配列に限定するものではない。例えば、N末端配列は、ポリペプチドのN末端側及びC末端側の両方からの塩基を含むポリペプチド配列の内部部分を含むことができる。同じことがC末端領域に適用される。N末端及びC末端領域は、必ずしもではないが、ポリペプチドの最後のN末端及びC末端をそれぞれ規定するアミノ酸を含むことができる。
本明細書において、用語"組換えタンパク質"又は"組換えポリペプチド"は、組換えDNA分子から発現されたタンパク質分子のことを言う。対照的に、本明細書において、用語"天然タンパク質"は、天然に存在する(すなわち非組換え)供給源から単離されたタンパク質を示すために用いられる。分子生物学的技術を用いて、タンパク質の天然型と比較して同じ特性を有するタンパク質の組換え体を生成することができる。
本明細書において、用語"細胞"、"細胞株"、"宿主細胞"は同義で使用され、これらの名称はすべて、これらの名称の子孫又は潜在的子孫を含む。"形質転換細胞"は、その細胞(又はその細胞の祖先)に本発明の核酸分子が導入された細胞を意味する。場合により、本発明の核酸分子を適切な細胞株に導入して、核酸分子によりコードされるタンパク質又はポリペプチドを生成することができる安定的にトランスフェクトされた細胞株を作成することができる。このような細胞株を構築するためのベクター、細胞及び方法は当該分野で公知である。語句"形質転換体"又は"形質転換細胞"は、導入数にかかわらず、最初に転換された細胞に由来する一次形質転換細胞を含む。全ての子孫は、故意又は偶然の変異により、DNA含量が正確には同じではない場合がある。それにもかかわらず、最初に形質転換された細胞においてスクリーニングされた同じ機能性を有する変異体子孫は、形質転換体の定義に含まれる。
本明細書において、用語"作動可能に連結された"は、所定の遺伝子の転写及び/又は所望のタンパク質分子の合成を指示することができる核酸分子が生成される形での核酸配列の連結を指す。この用語はまた、機能的(例えば、酵素的に活性、結合パートナーに結合できる、阻害することができるなど)タンパク質もしくはポリペプチド又はそれらの前駆体、例えば、タンパク質又はポリペプチドのプレ体又はプレプロ体が生成される形でのアミノ酸をコードする配列の連結のことを言う。
用語"精製された"又は"精製した"は、目的とする成分、例えばタンパク質又は核酸から夾雑物の一部を除去する任意のプロセスの結果を意味する。それによって、試料中の精製された成分のパーセントは増加する。
本明細書において、"純粋な"は、目的とする種が主に存在する種である(すなわち、モルベースで、組成物中の任意の他の個別種よりもそれが豊富である)ことを意味し、好ましくは、実質的に精製された分画は、目的とする種が、すべての存在する高分子種の少なくとも約50パーセント(モルベースで)を含む組成物である。一般に、"実質的に純粋な"組成物は、組成物中に存在するすべての高分子種の約80パーセント以上を含み、より好ましくは約85%、約90%、約95%及び約99%以上を含む。最も好ましくは、目的とする種が本質的に均一になるまで精製され(従来の検出法では組成物中の夾雑物種が検出できない)、組成物は、本質的に単一の高分子種からなる。
そのフラグメントを調製するのに有用な加水分解酵素
本発明の範囲内の加水分解酵素は、限定するものではないが、部位特異的変異誘発又は再帰的変異誘発などの組換え技術により調製されるものを含み、対応する非変異体(野生型)加水分解酵素に対する基質、例えば1以上の官能基を含むように修飾された基質と安定な、例えば共有結合を形成できる加水分解酵素変異体が得られる1以上のアミノ酸置換を含み、その結合は、対応する野生型加水分解酵素と基質との間に形成される結合よりも結合が安定である。本発明の範囲内の加水分解酵素は、限定するものではないが、ペプチダーゼ、エステラーゼ(例えばコレステロールエステラーゼ)、グリコシダーゼ(例えばグルコサミラーゼ)、ホスファターゼ(例えばアルカリホスファターゼ)などを含む。例えば、限定するものではないが、加水分解酵素は、エステル結合に作用する酵素、例えばカルボン酸エステル加水分解酵素、チオールエステル加水分解酵素、リン酸モノエステル加水分解酵素、リン酸ジエステル加水分解酵素、三リン酸モノエステル加水分解酵素、硫酸エステル加水分解酵素、二リン酸モノエステル加水分解酵素、リン酸トリエステル加水分解酵素、5'-ホスホモノエステルを生成するエキソデオキシリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエキソリボヌクレアーゼ、3'-ホスホモノエステルを生成するエキソリボヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のいずれかに作用するエキソヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のいずれかに作用するエキソヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエンドデオキシリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエンドデオキシリボヌクレアーゼ、改変塩基に特異的な部位特異的エンドデオキシリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエンドリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステル以外を生成するエンドリボヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のいずれかに作用するエンドリボヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸グリコシダーゼのいずれかに作用するエンドリボヌクレアーゼ、グリコシダーゼ、例えばO-及びS-グリコシル化合物を加水分解する酵素並びにN-グリコシル化合物を加水分解する酵素;トリアルキルスルホニウム加水分解酵素又はエーテル加水分解酵素などのエーテル結合に作用する酵素;ペプチド結合に作用する酵素(ペプチド加水分解酵素)、例えばアミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ及びトリペプチジルペプチダーゼ、ペプチジルジペプチダーゼ、セリン型カルボキシペプチダーゼ、メタロカルボキシペプチダーゼ、システイン型カルボキシペプチダーゼ、オメガペプチターゼ、セリンエンドペプチダーゼ、システインエンドペプチダーゼ、アスパラギン酸エンドペプチダーゼ、メタロエンドペプチダーゼ、トレオニンエンドペプチダーゼ並びに未知の触媒機構のエンドペプチダーゼ;ペプチド結合以外の炭素-窒素結合、例えば鎖状アミド、環状アミド、直鎖アミジン、環状アミジン、ニトリル又は他の化合物における炭素-窒素結合に作用する酵素;酸無水物、例えばリン含有無水物及びスルホニル含有無水物に作用する酵素;酸無水物に作用する酵素(膜貫通移動を触媒する);酸無水物に作用する酵素又は細胞及び細胞内移動に関与する酵素;炭素-炭素結合(例えばケトン性物質における)に作用する酵素;ハロゲン化物結合(例えば、C-ハロゲン化物化合物における)に作用する酵素、リン-窒素結合に作用する酵素;硫黄-窒素結合に作用する酵素;炭素-リン結合に作用する酵素;並びに硫黄-硫黄結合に作用する酵素を含む。ハロゲン化物結合に作用する典型的な加水分解酵素は、限定するものではないが、アルキルハリダーゼ、2-ハロ酸デハロゲナーゼ、ハロ酢酸デハロゲナーゼ、チロキシンデヨージナーゼ、ハロアルカンデハロゲナーゼ、4-クロロ安息香酸デハロゲナーゼ、4-クロロベンゾイル-CoAデハロゲナーゼ及びアトラジンクロロヒドロラーゼを含む。環状アミドにおける炭素-窒素結合に作用する典型的な加水分解酵素は、限定するものではないが、バルビツラーゼ、ジヒドロピリミジナーゼ、ジヒドロオロターゼ、カルボキシメチルヒダントイナーゼ、アラントイナーゼ、ベータラクタマーゼ、イミダゾロンプロピオナーゼ、5-オキソプロリナーゼ(ATP-加水分解性)、クレアチナーゼ、L-リジンラクタマーゼ、6-アミノヘキサノン酸環状二量体加水分解酵素、2,5-ジオキソピペラジン加水分解酵素、N-メチルヒダントイナーゼ(ATP-加水分解性)、シアヌル酸アミドヒドロラーゼ、マレイミド加水分解酵素を含む。本明細書において、"ベータラクタマーゼ"は、クラスA、クラスC及びクラスDベータラクタマーゼに加えて、D-alaカルボキシペプチダーゼ/トランスペプチダーゼ、エステラーゼEstB、ペニシリン結合タンパク質2X、ペニシリン結合タンパク質5及びD-アミノペプチダーゼを含む。好ましくは、ベータラクタマーゼはセリンベータラクタマーゼであり、例えば黄色ブドウ球菌PC1のセリンベータラクタマーゼにおける残基70に相当する位置における触媒性セリン残基及び黄色ブドウ球菌PC1のセリンベータラクタマーゼにおける残基166に相当する位置におけるグルタミン酸残基を有し、場合により黄色ブドウ球菌PC1のベータラクタマーゼにおける残基73に相当する位置におけるリジン残基を有し、場合により黄色ブドウ球菌PC1のベータラクタマーゼにおける残基234に相当する位置におけるリジン残基を有するセリンベータラクタマーゼである。
本発明の範囲内の加水分解酵素は、限定するものではないが、部位特異的変異誘発又は再帰的変異誘発などの組換え技術により調製されるものを含み、対応する非変異体(野生型)加水分解酵素に対する基質、例えば1以上の官能基を含むように修飾された基質と安定な、例えば共有結合を形成できる加水分解酵素変異体が得られる1以上のアミノ酸置換を含み、その結合は、対応する野生型加水分解酵素と基質との間に形成される結合よりも結合が安定である。本発明の範囲内の加水分解酵素は、限定するものではないが、ペプチダーゼ、エステラーゼ(例えばコレステロールエステラーゼ)、グリコシダーゼ(例えばグルコサミラーゼ)、ホスファターゼ(例えばアルカリホスファターゼ)などを含む。例えば、限定するものではないが、加水分解酵素は、エステル結合に作用する酵素、例えばカルボン酸エステル加水分解酵素、チオールエステル加水分解酵素、リン酸モノエステル加水分解酵素、リン酸ジエステル加水分解酵素、三リン酸モノエステル加水分解酵素、硫酸エステル加水分解酵素、二リン酸モノエステル加水分解酵素、リン酸トリエステル加水分解酵素、5'-ホスホモノエステルを生成するエキソデオキシリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエキソリボヌクレアーゼ、3'-ホスホモノエステルを生成するエキソリボヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のいずれかに作用するエキソヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のいずれかに作用するエキソヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエンドデオキシリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエンドデオキシリボヌクレアーゼ、改変塩基に特異的な部位特異的エンドデオキシリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステルを生成するエンドリボヌクレアーゼ、5'-ホスホモノエステル以外を生成するエンドリボヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸のいずれかに作用するエンドリボヌクレアーゼ、リボ核酸又はデオキシリボ核酸グリコシダーゼのいずれかに作用するエンドリボヌクレアーゼ、グリコシダーゼ、例えばO-及びS-グリコシル化合物を加水分解する酵素並びにN-グリコシル化合物を加水分解する酵素;トリアルキルスルホニウム加水分解酵素又はエーテル加水分解酵素などのエーテル結合に作用する酵素;ペプチド結合に作用する酵素(ペプチド加水分解酵素)、例えばアミノペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ及びトリペプチジルペプチダーゼ、ペプチジルジペプチダーゼ、セリン型カルボキシペプチダーゼ、メタロカルボキシペプチダーゼ、システイン型カルボキシペプチダーゼ、オメガペプチターゼ、セリンエンドペプチダーゼ、システインエンドペプチダーゼ、アスパラギン酸エンドペプチダーゼ、メタロエンドペプチダーゼ、トレオニンエンドペプチダーゼ並びに未知の触媒機構のエンドペプチダーゼ;ペプチド結合以外の炭素-窒素結合、例えば鎖状アミド、環状アミド、直鎖アミジン、環状アミジン、ニトリル又は他の化合物における炭素-窒素結合に作用する酵素;酸無水物、例えばリン含有無水物及びスルホニル含有無水物に作用する酵素;酸無水物に作用する酵素(膜貫通移動を触媒する);酸無水物に作用する酵素又は細胞及び細胞内移動に関与する酵素;炭素-炭素結合(例えばケトン性物質における)に作用する酵素;ハロゲン化物結合(例えば、C-ハロゲン化物化合物における)に作用する酵素、リン-窒素結合に作用する酵素;硫黄-窒素結合に作用する酵素;炭素-リン結合に作用する酵素;並びに硫黄-硫黄結合に作用する酵素を含む。ハロゲン化物結合に作用する典型的な加水分解酵素は、限定するものではないが、アルキルハリダーゼ、2-ハロ酸デハロゲナーゼ、ハロ酢酸デハロゲナーゼ、チロキシンデヨージナーゼ、ハロアルカンデハロゲナーゼ、4-クロロ安息香酸デハロゲナーゼ、4-クロロベンゾイル-CoAデハロゲナーゼ及びアトラジンクロロヒドロラーゼを含む。環状アミドにおける炭素-窒素結合に作用する典型的な加水分解酵素は、限定するものではないが、バルビツラーゼ、ジヒドロピリミジナーゼ、ジヒドロオロターゼ、カルボキシメチルヒダントイナーゼ、アラントイナーゼ、ベータラクタマーゼ、イミダゾロンプロピオナーゼ、5-オキソプロリナーゼ(ATP-加水分解性)、クレアチナーゼ、L-リジンラクタマーゼ、6-アミノヘキサノン酸環状二量体加水分解酵素、2,5-ジオキソピペラジン加水分解酵素、N-メチルヒダントイナーゼ(ATP-加水分解性)、シアヌル酸アミドヒドロラーゼ、マレイミド加水分解酵素を含む。本明細書において、"ベータラクタマーゼ"は、クラスA、クラスC及びクラスDベータラクタマーゼに加えて、D-alaカルボキシペプチダーゼ/トランスペプチダーゼ、エステラーゼEstB、ペニシリン結合タンパク質2X、ペニシリン結合タンパク質5及びD-アミノペプチダーゼを含む。好ましくは、ベータラクタマーゼはセリンベータラクタマーゼであり、例えば黄色ブドウ球菌PC1のセリンベータラクタマーゼにおける残基70に相当する位置における触媒性セリン残基及び黄色ブドウ球菌PC1のセリンベータラクタマーゼにおける残基166に相当する位置におけるグルタミン酸残基を有し、場合により黄色ブドウ球菌PC1のベータラクタマーゼにおける残基73に相当する位置におけるリジン残基を有し、場合により黄色ブドウ球菌PC1のベータラクタマーゼにおける残基234に相当する位置におけるリジン残基を有するセリンベータラクタマーゼである。
一実施形態において、加水分解酵素変異体のフラグメントの配列は、野生型加水分解酵素において、触媒残基と加水分解酵素の基質の間に形成される結合を活性化水分子が切断する野生型加水分解酵素において水分子の活性化と関連する残基、例えば触媒三ツ組又は補助残基における残基における少なくとも1つの酸置換を有する加水分解酵素変異体の配列に実質的に相当する。本明細書において、"補助残基"は、他の残基の活性を変える残基であり、例えば、補助残基は水分子を活性化する残基の活性を促進する。本発明の範囲内の、水を活性化する残基は、限定するものではないが、酸塩基触媒作用に関与する残基、例えばヒスチジン、アスパラギン酸及びグルタミン酸を含む。他の実施形態において、野生型加水分解酵素における少なくとも1つのアミノ酸置換は、加水分解酵素の基質の求核攻撃によりエステル中間体を形成する残基におけるアミノ酸置換である。
更に他の実施形態において、加水分解酵素変異体のフラグメントの配列は、野生型加水分解酵素における少なくとも2つのアミノ酸置換、すなわち、水分子の活性化と関連する残基又は野生型加水分解酵素において、加水分解酵素の基質の求核攻撃によりエステル中間体を形成する残基における1つの置換及び野生型加水分解酵素において、加水分解酵素基質の結合部位(単数又は複数)又は近傍にある残基、例えば野生型加水分解酵素に結合している加水分解酵素基質の3〜5Å以内にあるが、対応する野生型加水分解酵素において、水分子の活性化と関連する残基又は基質とエステル中間体を形成しない残基におけるもう1つの置換を含む。一実施形態において、野生型加水分解酵素における第2置換は、加水分解酵素の触媒ポケットへの基質流入の部位(単数又は複数)における残基、例えば、活性部位空洞内にあり、野生型加水分解酵素に結合している加水分解酵素基質の3〜5Å以内にある残基、例えば水分子の活性化と関連し、基質とエステル中間体を形成する対応する野生型加水分解酵素の残基ではない、基質のためのトンネル内にある残基における置換である。さらなる置換(単数又は複数)は、好ましくは、対応する完全長・野生型加水分解酵素の基質へのこれらの変異体の安定な共有結合形成速度を増加させる。一実施形態において、1つの置換は、水分子を活性化する野生型加水分解酵素の残基部位、例えばヒスチジン残基部位にあり、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基272に相当する位置にあり、例えば、アミノ酸残基272に相当する位置にある置換アミノ酸はフェニルアラニン又はグリシンである。他の実施形態において、野生型加水分解酵素における1つの置換は、基質とエステル中間体を形成する残基部位、例えばアスパラギン酸残基部位にあり、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106に相当する位置にある。一実施形態において、第2置換は、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼの位置175、176又は273に相当するアミノ酸残基部位にあり、例えばアミノ酸残基175に相当する位置にある置換アミノ酸は、メチオニン、バリン、グルタミン酸、アスパラギン酸、アラニン、ロイシン、セリン又はシステインであり、アミノ酸残基176に相当する位置にある置換アミノ酸は、セリン、グリシン、アスパラギン、アスパラギン酸、トレオニン、アラニン又はアルギニンであり、かつ/又はアミノ酸残基273に相当する位置にある置換アミノ酸は、ロイシン、メチオニン又はシステインである。更に他の実施形態において、加水分解酵素変異体は、野生型加水分解酵素において、活性部位空洞内にあり、野生型加水分解酵素に結合している加水分解酵素基質の3〜5Å以内にあるアミノ酸残基部位での第3及び場合により第4置換を更に含み、例えば第3置換はロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にあり、第4置換はロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基175、176又は273に相当する位置にある。一実施形態において、本発明の加水分解酵素変異体は、少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、その少なくとも1つは、安定な結合形成と関連する、水分子を活性化する野生型加水分解酵素における残基、例えばヒスチジン残基であり、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基272に相当する位置にあり、例えば、置換アミノ酸はアスパラギン、グリシン又はフェニルアラニンであり、少なくとももう1つは、機能的発現、結合キネティクス又はFPシグナルの改善と関連し、例えば配列番号1の位置5、11、20、30、32、47、58、60、65、78、80、87、88、94、109、113、117、118、124、128、134、136、150、151、155、157、160、167、172、175、176、187、195、204、221、224、227、231、250、256、257、263、264、273、277、282、291又は292に相当する位置にある(図1B参照)。加水分解酵素変異体は、他の置換(単数又は複数)、例えば対応する遺伝子又はその部分のクローニングを容易にするために導入される置換及び/又はN末端及び/又はC末端部位又は近傍にあるさらなる残基(単数又は複数)、例えば対応する遺伝子又はその部分のクローニングを容易にするために導入されるが、必ずしも活性を有さない、例えば別々に検出されない残基を含むことができる。
例えば、野生型デハロゲナーゼDhaAは、ハロゲン化炭化水素(ハロC3〜ハロC10)における炭素-ハロゲン結合を切断する。DhaAの触媒中心は、求核剤、酸及びヒスチジン残基を含む典型的な触媒三ツ組である。三つ組におけるアミノ酸は、DhaAの触媒ポケットの奥深くに位置する(長さ約10Å、断面積約20Å2)。DhaAのハロゲン化基質におけるハロゲン原子、例えばCl-アルカン基質の塩素原子は、DhaAの触媒中心に近接近して位置する。DhaAは基質に結合し、恐らくはES複合体を形成し、DhaAのAsp106(番号付けはDhaAのタンパク質配列に基づく)による基質の求核攻撃によりエステル中間体が形成される。次いで、DhaAのHis272は水を活性化し、活性化された水は中間体を加水分解し、触媒中心から産物を放出する。DhaA変異体、例えばDhaA.H272F変異体(コンピュータモデリング研究及び野生型DhaA(DhaA.WT)の基本的物理化学的特性に基づいて、3D構造を保持していると推定される)は、野生型酵素の1以上の基質、例えばCl-アルカンを加水分解して、野生型酵素により放出される対応するアルコールを放出することができない。セリンベータラクタマーゼ変異体、例えばBlaZ.E166D変異体、BlaZ.N170Q変異体及びBlaZ.E166D:N170Q変異体は、野生型セリンベータラクタマーゼの1以上の基質を加水分解することができない。
一実施形態において、加水分解酵素フラグメントは、ハロアルカンデハロゲナーゼ変異体フラグメント、例えばグラム陰性ハロアルカン利用細菌(Keuningら(1985年))及びグラム陽性ハロアルカン利用細菌(Keuningら(1985年);Yokotaら(1987年);Scholtzら(1987年);Sallisら(1990年))において見られるハロアルカンデハロゲナーゼ変異体フラグメントである。キサントバクター・オートトロフィカス(Xanthobacter autotrophicus)GJ10からのDhlA(Janssenら(1988年、1989年))、ロドコッカス・ロドクラウスからのDhaA及びスフィンゴモナス・ポウシモビリス(Spingomonas paucimobilis)UT26(Nagataら(1997))からのLinBを含むハロアルカンデハロゲナーゼは、対応する炭化水素の加水分解的脱ハロゲン化を触媒する酵素である。変換されるハロゲン化脂肪族炭化水素は、1以上のハロゲン基が結合し、ハロゲンの少なくとも2つが隣接する炭素原子上にあるC2〜C10飽和脂肪族炭化水素を含む。このような脂肪族炭化水素は、揮発性塩素化脂肪族(VCA)炭化水素を含む。VCA炭化水素は、例えば、脂肪族炭化水素、例えばジクロロエタン、1,2-ジクロロプロパン、1,2-ジクロロブタン及び1,2,3-トリクロロプロパンを含む。本明細書において、用語"ハロゲン化炭化水素"はハロゲン化脂肪族炭化水素を意味する。本明細書において、用語"ハロゲン"は、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、アスタチンなどを含む。好ましいハロゲンは塩素である。
一実施形態において、本発明の加水分解酵素変異体フラグメントは、少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、その少なくとも1つは、安定な結合形成と関連する、水分子を活性化する野生型加水分解酵素における残基、例えばヒスチジン残基であり、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基272に相当する位置にあり、例えば、置換アミノ酸はアスパラギン、グリシン又はフェニルアラニンであり、少なくとももう1つは、機能的発現、結合キネティクス又はFPシグナルの改善と関連し、例えば配列番号1の位置5、11、20、30、32、47、58、60、65、78、80、87、88、94、109、113、117、118、124、128、134、136、150、151、155、157、160、167、172、175、176、187、195、204、221、224、227、231、250、256、257、263、264、273、277、282、291又は292に相当する位置にある。
本発明のフラグメントに有用な融合パートナー
加水分解酵素又は他のレポータータンパク質のフラグメントをコードする本発明のポリヌクレオチドは、他の核酸配列、例えばcDNAなどの天然配列又はin vitroで操作されたものと共に用いて、例えばN末端、C末端又はN末端及びC末端融合タンパク質を調製することができる。適切な融合パートナーの多くの例は当該技術分野で公知であり、本発明の実施に用いることができる。
加水分解酵素又は他のレポータータンパク質のフラグメントをコードする本発明のポリヌクレオチドは、他の核酸配列、例えばcDNAなどの天然配列又はin vitroで操作されたものと共に用いて、例えばN末端、C末端又はN末端及びC末端融合タンパク質を調製することができる。適切な融合パートナーの多くの例は当該技術分野で公知であり、本発明の実施に用いることができる。
例えば、本発明は、レポータータンパク質のフラグメントを含む融合タンパク質及び目的とするタンパク質又はペプチドのアミノ酸配列、例えば、目的とする酵素、例えばプロテアーゼ、核酸結合タンパク質、細胞外マトリックスタンパク質、分泌タンパク質、抗体又はその部分(例えばFc)、生物発光タンパク質、受容体リガンド、制御タンパク質、血清タンパク質、免疫原性タンパク質、蛍光タンパク質、反応性システインを有するタンパク質、受容体タンパク質、例えばNMDA受容体、チャネルタンパク質、例えばイオンチャネルタンパク質、例えばHERGチャネルタンパク質を含むナトリウム、カリウム又はカルシウム感受性チャネルタンパク質、膜タンパク質、サイトゾルタンパク質、核タンパク質、構造タンパク質、リン酸化タンパク質、キナーゼ、シグナル伝達タンパク質、代謝タンパク質、ミトコンドリアタンパク質、受容体結合タンパク質、蛍光タンパク質、酵素基質、例えばプロテアーゼ基質、転写因子、タンパク質不安定化配列又は輸送体タンパク質、例えば、EAAT1-4グルタミン酸輸送体に加えて、移行シグナル、例えば、プラスチド移行シグナル、例えばミトコンドリア局在化配列、核局在化シグナル又は特定の位置への融合を指令するミリスチレーション配列を提供する。
融合パートナーは、酵素活性を有するものを含むことができる。例えば、機能性タンパク質配列は、特定のアミノ酸にリン酸部分を酵素的に付加することができる融合タンパク質を生成するキナーゼ触媒ドメイン(Hanks及びHunter(1995年))をコードすることもでき、リン酸化チロシンに特異的に結合する融合タンパク質を生成するSrcホモロジー2(SH2)ドメイン(Sadowskiら(1986年);Mayer及びBaltimore(1993年))をコードすることもできる。
融合体はまた、結合パートナーと相互作用できるペプチド配列を含む親和性ドメイン、例えば同定又は精製に有用な固体担体上に固定化した親和性ドメインを含むこともできる。典型的な親和性ドメインは、HisV5(HHHHH)(配列番号62)、HisX6(HHHHHH)(配列番号63)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号64)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号65)、SteptTag(WSHPQFEK)(配列番号76)、ヘマグルチニン、例えばHAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号67)、GST、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、RYIRS(配列番号68)、Phe-His-His-Thr(配列番号69)、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、SH2ドメイン、WEAAAREACCRECCARA(配列番号70)、金属結合ドメイン、例えば、亜鉛結合ドメイン又はカルシウム結合ドメイン、例えばカルシウム結合タンパク質からのもの、例えば、カルモジュリン、トロポニンC、カルシニューリンB、ミオシンL鎖、リカバリン、S-モジュリン、ビシニン、VILIP、ニューロカルシン、ヒポカルシン、フリクエニン、カルトラクチン、カルパイン大サブユニット、S100タンパク質、パルブアルブミン、カルビンディンD9K、カルビンディンD28K及びカルレチニン、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン、MyoD、Id、ロイシンジッパー配並びにマルトース結合タンパク質を含む。
例えば、異種配列は、ErbB2のリン酸化を検出する、リン酸化チロシンを有するタンパク質ドメイン(例えば、Src、Ab1及びEGFRにおける)、Src、Ab1及びEGFRにおけるチロシンのリン酸化、MKA2の活性化(例えば、MK2を用いて)、PKAの活性化(例えばCREGのKIDを用いて)、CrkIIのリン酸化(例えば、SH2ドメインpTyrペプチドを用いて)、bZIP転写因子及びRELタンパク質の結合、例えば、bFos及びbJun ATF2及びJunもしくはp65NFkappaB又は微小管結合(例えば、キネシンを用いて)を含むことができる。一実施形態において、異種配列は、タンパク結合ドメイン、例えばIL-17RAに結合するもの(例えばIL-17A)もしくはIL-17RAのIL-17A結合ドメイン、ErgのJun結合ドメイン又はJunのEG結合ドメイン;カリウムチャネル電圧感知ドメイン、例えばタンパク質のコンホメーション変化を検出するのに有用なもの、Cdc42もしくはrac標的のGTPアーゼ結合ドメイン又は他のGTPアーゼ結合ドメイン、キナーゼ又はホスファターゼ活性と関連するドメイン、例えば、ミオシン制御軽鎖、PKCδ、PH及びDEPドメインを有するプレクストリン、他のリン酸化認識ドメイン及び基質;グルコース結合タンパク質ドメイン、グルタミン酸/アスパラギン酸結合タンパク質ドメイン、PKAもしくはcAMP依存性結合基質、InsP3受容体、GKI、PDE、エストロゲン受容体リガンド結合ドメイン、apoK1-er又はカルモジュリン結合ドメインを含むことができる。
一実施形態において、異種配列は、限定するものではないが、配列、例えばFRB及びFKBPにおける配列、プロテインキナーゼ(PKa-R)の調節サブユニット及びプロテインキナーゼ(PKa-C)の触媒サブユニット、src相同性領域(SH2)及びリン酸化可能配列、例えば、チロシン含有配列、14-3-3のアイソフォーム、例えば、14-3-3t及びリン酸化可能配列、WW領域を有するタンパク質(プロリンリッチ分子に結合するタンパク質における配列)及び異種リン酸化可能配列、例えば、セリン及び/又はトレオニン含有配列に加えて、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)における配列及びジャイレースB(GyrB)又はエストロゲン受容体(ER)における配列を含む。
最適化加水分解酵素配列及びその加水分解酵素をコードするベクター及び宿主細胞
加水分解酵素フラグメント又はその融合体をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)もまた提供される。一実施形態において、単離された核酸分子は、少なくとも1つの選択された宿主における発現に最適化された核酸配列を含む。最適化配列は、コドン最適化配列、すなわち他の生物、例えば遠縁の生物と比較して1つの生物においてより高頻度に用いられるコドンばかりでなく、コザック配列を付加又は修飾する修飾及び/又はイントロン及び/又は望ましくない配列、例えば潜在的転写因子結合部位の除去を含む。一実施形態において、ポリヌクレオチドは、選択された宿主細胞内での発現に最適化された、デハロゲナーゼをコードする核酸配列を含む。一実施形態において、最適化ポリヌクレオチドは、対応する非最適化配列にもはやハイブリダイズしない。例えば、最適化ポリヌクレオチドは、中程度又は高ストリンジェンシー条件下で非最適化配列にハイブリダイズしない。他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、対応する非最適化配列に対して90%未満、例えば80%未満の核酸配列同一性を有し、場合により、非最適化配列によりコードされるポリペプチドに対して、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%又はそれ以上のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする。構築物、例えば発現カセット及び単離された核酸分子を含むベクターに加えて、単離された核酸分子、構築物又はベクターを含むキットもまた提供される。
加水分解酵素フラグメント又はその融合体をコードする核酸配列を含む単離された核酸分子(ポリヌクレオチド)もまた提供される。一実施形態において、単離された核酸分子は、少なくとも1つの選択された宿主における発現に最適化された核酸配列を含む。最適化配列は、コドン最適化配列、すなわち他の生物、例えば遠縁の生物と比較して1つの生物においてより高頻度に用いられるコドンばかりでなく、コザック配列を付加又は修飾する修飾及び/又はイントロン及び/又は望ましくない配列、例えば潜在的転写因子結合部位の除去を含む。一実施形態において、ポリヌクレオチドは、選択された宿主細胞内での発現に最適化された、デハロゲナーゼをコードする核酸配列を含む。一実施形態において、最適化ポリヌクレオチドは、対応する非最適化配列にもはやハイブリダイズしない。例えば、最適化ポリヌクレオチドは、中程度又は高ストリンジェンシー条件下で非最適化配列にハイブリダイズしない。他の実施形態において、ポリヌクレオチドは、対応する非最適化配列に対して90%未満、例えば80%未満の核酸配列同一性を有し、場合により、非最適化配列によりコードされるポリペプチドに対して、少なくとも80%、例えば少なくとも85%、90%又はそれ以上のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする。構築物、例えば発現カセット及び単離された核酸分子を含むベクターに加えて、単離された核酸分子、構築物又はベクターを含むキットもまた提供される。
加水分解酵素フラグメント又は加水分解酵素フラグメントを含む融合体をコードする核酸配列を含む核酸分子は、場合により、特定の宿主細胞内での発現に最適化され、また場合により、転写調節配列、例えば1以上のエンハンサー、プロモーター、転写終結配列又はそれらの組み合わせに作動可能に連結され、発現カセットが作成される。
一実施形態において、加水分解酵素フラグメント又はその融合体をコードする核酸配列は、加水分解酵素野生型又は変異体配列におけるコドンと特定の(選択された)細胞において選択的に用いられるコドンとを置換することにより最適化される。好ましいコドンは、選択された細胞において比較的高いコドン使用頻度を有し、好ましくは、その導入により、選択された宿主細胞において転写因子の転写因子結合部位がほとんどなく、他の望ましくない構造属性がほとんどない。従って、最適化核酸生成物は、改善されたコドン使用頻度による改善された発現レベル及び、望ましくない転写調節配列の数の減少による不適切な転写行動のリスク低下を示す。
本発明の単離され最適化された核酸分子は、対応する野生型核酸配列のコドン組成と、コドンが30%、35%、40%又は45%以上、例えば、50%、55%、60%以上異なるコドン組成を有することができる。本発明に使用される好ましいコドンは、特定の生物において、同じアミノ酸の少なくとも1つの他のコドンよりも高頻度に用いられるコドンであり、またより好ましくは、その生物における低頻度コドンではなく、核酸分子のクローニング又はスクリーニングに用いられる生物における低頻度コドンではない。更に、特定のアミノ酸(すなわち、3以上のコドンを有するアミノ酸)の好ましいコドンは、他の(好ましくない)コドン(単数又は複数)よりも高頻度で用いられる2以上のコドンを含むことができる。他の生物よりもある生物においてより高頻度に用いられる核酸分子のコドンの存在は、これらのコドンをより高頻度に用いる生物の細胞に導入される場合、これらの細胞における野生型又は親核酸配列の発現を超えるレベルでこれらの細胞において発現される核酸分子をもたらす。
本発明の一実施形態において、異なるコドンは、哺乳動物においてより高頻度に用いられるコドンであり、他の実施形態において、異なるコドンは、植物においてより高頻度に用いられるコドンである。種々の生物の好ましいコドンは、当該技術分野で公知であり、例えば、www.kazusa.or.jp./codon/を参照のこと。特定の種類の哺乳動物、例えばヒトは、他の種類の哺乳動物とは異なる好ましいコドンの組を有する場合がある。同様に、特定の種類の植物は、他の種類の植物とは異なる好ましいコドンの組を有する場合がある。本発明の一実施形態において、異なるコドンの大部分は、所望の宿主細胞における好ましいコドンである異なるコドンである。哺乳動物(例えばヒト)及び植物を含む生物の好ましいコドンは当該技術分野で公知である(例えば、Wadaら(1990年);Ausubelら(1997年))。例えば、好ましいヒトコドンは、限定するものではないが、CGC(Arg)、CTG(Leu)、TCT(Ser)、AGC(Ser)、ACC(Thr)、CCA(Pro)、CCT(Pro)、GCC(Ala)、GGC(Gly)、GTG(Val)、ATC(Ile)、ATT(Ile)、AAG(Lys)、AAC(Asn)、CAG(Gln)、CAC(His)、GAG(Glu)、GAC(Asp)、TAC(Tyr)、TGC(Cys)及びTTC(Phe)を含む(Wadaら(1990年))。従って、一実施形態において、本発明の合成核酸分子は、好ましいヒトコドン、例えば、CGC、CTG、TCT、AGC、ACC、CCA、CCT、GCC、GGC、GTG、ATC、ATT、AAG、AAC、CAG、CAC、GAG、GAC、TAC、TGC、TTC又はそれらの任意の組み合わせの数の増加を有することにより野生型核酸配列とは異なるコドン組成を有する。例えば、本発明の核酸分子は、野生型核酸配列に対して、ロイシンをコードするコドンCTG又はTTG、バリンをコードするコドンGTG又はGTC、グリシンをコードするコドンGGC又はGGT、イソロイシンをコードするコドンATC又はATT、プロリンをコードするコドンCCA又はCCT、アルギニンをコードするコドンCGC又はCGT、セリンをコードするコドンAGC又はTCT、トレオニンをコードするコドンACC又はACT、アラニンをコードするコドンGCC又はGCTあるいはそれらの任意の組み合わせの数の増加を有することができる。他の実施形態において、好ましいC.エレガンス(C.elegans)コドンは、限定するものではないが、UUC(Phe)、UUU(Phe)、CUU(Leu)、UUG(Leu)、AUU(Ile)、GUU(Val)、GUG(Val)、UCA(Ser)、UCU(Ser)、CCA(Pro)、ACA(Thr)、ACU(Thr)、GCU(Ala)、GCA(Ala)、UAU(Tyr)、CAU(His)、CAA(Gln)、AAU(Asn)、AAA(Lys)、GAU(Asp)、GAA(Glu)、UGU(Cys)、AGA(Arg)、CGA(Arg)、CGU(Arg)、GGA(Gly)又はそれらの任意の組み合わせを含む。更に他の実施形態において、好ましいドロソフィラ(Drosophilia)コドンは、限定するものではないが、UUC(Phe)、CUG(Leu)、CUC(Leu)、AUC(Ile)、AUU(Ile)、GUG(Val)、GUC(Val)、AGC(Ser)、UCC(Ser)、CCC(Pro)、CCG(Pro)、ACC(Thr)、ACG(Thr)、GCC(Ala)、GCU(Ala)、UAC(Tyr)、CAC(His)、CAG(Gln)、AAC(Asn)、AAG(Lys)、GAU(Asp)、GAG(Glu)、UGC(Cys)、CGC(Arg)、GGC(Gly)、GGA(gly)又はそれらの任意の組み合わせを含む。好ましい酵母コドンは、限定するものではないが、UUU(Phe)、UUG(Leu)、UUA(Leu)、CCU(Leu)、AUU(Ile)、GUU(Val)、UCU(Ser)、UCA(Ser)、CCA(Pro)、CCU(Pro)、ACU(Thr)、ACA(Thr)、GCU(Ala)、GCA(Ala)、UAU(Tyr)、UAC(Tyr)、CAU(His)、CAA(Gln)、AAU(Asn)、AAC(Asn)、AAA(Lys)、AAG(Lys)、GAU(Asp)、GAA(Glu)、GAG(Glu)、UGU(Cys)、CGU(Trp)、AGA(Arg)、CGU(Arg)、GGU(Gly)、GGA(Gly)又はそれらの任意の組み合わせを含む。同様に、植物においてより高頻度に用いられるコドンの数が増した核酸分子は、限定するものではないが、CGC(Arg)、CTT(Leu)、TCT(Ser)、TCC(Ser)、ACC(Thr)、CCA(Pro)、CCT(Pro)、GCT(Ser)、GGA(Gly)、GTG(Val)、ATC(Ile)、ATT(Ile)、AAG(Lys)、AAC(Asn)、CAA(Gln)、CAC(His)、GAG(Glu)、GAC(Asp)、TAC(Tyr)、TGC(Cys)、TTC(Phe)又はそれらの任意の組み合わせ(Murrayら(1989年))を含む植物コドンの数が増したことにより野生型又は親核酸配列とは異なるコドン組成を有する。好ましいコドンは、種類の異なる植物に関して異なる場合がある(Wadaら(1990年))。
一実施形態において、加水分解酵素フラグメント又はその融合体をコードする最適化核酸配列は、対応する加水分解酵素フラグメント又はその融合体をコードする非最適化核酸配列に対して100%未満、例えば90%未満又は80%未満の核酸配列同一性を有する。例えば、DhaAをコードする最適化核酸配列は、対応するDhaAをコードする非最適化(野生型)核酸配列に対して約80%未満の核酸配列同一性を有し、最適化核酸配列によりコードされるDhaAは、場合により、対応する野生型DhaAに対して少なくとも85%のアミノ酸配列同一性を有する。一実施形態において、最適化核酸配列によりコードされるDhaAの活性は、非最適化配列によりコードされるDhaAの活性の少なくとも10%、例えば50%以上であり、例えば、最適化核酸配列によりコードされるDhaA変異体は、非最適化核酸配列によりコードされるDhaA変異体が同じ基質に結合するのと実質的に同じ効率、すなわち、少なくとも50%、80%、100%で基質に結合する。
典型的な最適化DhaA遺伝子は以下の配列を有する:
hDhaA.v2.1-6F(最終。隣接(フランキング)配列を有する)
NNNNGCTAGCCAGCTGGCgcgGATATCGCCACCATGGGATCCGAGATTGGGACAGGGTTcCCTTTTGATCCTCAcTATGTtGAaGTGCTGGGgGAaAGAATGCAcTAcGTGGATGTGGGGCCTAGAGATGGGACcCCaGTGCTGTTcCTcCAcGGGAAcCCTACATCTagcTAcCTGTGGAGaAAtATTATaCCTCATGTtGCTCCTagtCATAGgTGcATTGCTCCTGATCTGATcGGGATGGGGAAGTCTGATAAGCCTGActtaGAcTAcTTTTTTGATGAtCATGTtcGATActTGGATGCTTTcATTGAGGCTCTGGGGCTGGAGGAGGTGGTGCTGGTGATaCAcGAcTGGGGGTCTGCTCTGGGGTTTCAcTGGGCTAAaAGgAATCCgGAGAGAGTGAAGGGGATTGCTTGcATGGAgTTTATTcGACCTATTCCTACtTGGGAtGAaTGGCCaGAGTTTGCcAGAGAGACATTTCAaGCcTTTAGAACtGCcGATGTGGGcAGgGAGCTGATTATaGAcCAGAATGCTTTcATcGAGGGGGCTCTGCCTAAaTGTGTaGTcAGACCTCTcACtGAaGTaGAGATGGAcCATTATAGAGAGCCcTTTCTGAAGCCTGTGGATcGcGAGCCTCTGTGGAGgTTtCCaAATGAGCTGCCTATTGCTGGGGAGCCTGCTAATATTGTGGCTCTGGTGGAaGCcTATATGAAcTGGCTGCATCAGagTCCaGTGCCcAAGCTaCTcTTTTGGGGGACtCCgGGaGTtCTGATTCCTCCTGCcGAGGCTGCTAGACTGGCTGAaTCcCTGCCcAAtTGTAAGACcGTGGAcATcGGcCCtGGgCTGTTTTAcCTcCAaGAGGAcAAcCCTGATCTcATcGGGTCTGAGATcGCacGgTGGCTGCCCGGGCTGGCCGGCTAATAGTTAATTAAGTAgGCGGCCGCNNNN(配列番号1)。
hDhaA.v2.1-6F(最終。隣接(フランキング)配列を有する)
NNNNGCTAGCCAGCTGGCgcgGATATCGCCACCATGGGATCCGAGATTGGGACAGGGTTcCCTTTTGATCCTCAcTATGTtGAaGTGCTGGGgGAaAGAATGCAcTAcGTGGATGTGGGGCCTAGAGATGGGACcCCaGTGCTGTTcCTcCAcGGGAAcCCTACATCTagcTAcCTGTGGAGaAAtATTATaCCTCATGTtGCTCCTagtCATAGgTGcATTGCTCCTGATCTGATcGGGATGGGGAAGTCTGATAAGCCTGActtaGAcTAcTTTTTTGATGAtCATGTtcGATActTGGATGCTTTcATTGAGGCTCTGGGGCTGGAGGAGGTGGTGCTGGTGATaCAcGAcTGGGGGTCTGCTCTGGGGTTTCAcTGGGCTAAaAGgAATCCgGAGAGAGTGAAGGGGATTGCTTGcATGGAgTTTATTcGACCTATTCCTACtTGGGAtGAaTGGCCaGAGTTTGCcAGAGAGACATTTCAaGCcTTTAGAACtGCcGATGTGGGcAGgGAGCTGATTATaGAcCAGAATGCTTTcATcGAGGGGGCTCTGCCTAAaTGTGTaGTcAGACCTCTcACtGAaGTaGAGATGGAcCATTATAGAGAGCCcTTTCTGAAGCCTGTGGATcGcGAGCCTCTGTGGAGgTTtCCaAATGAGCTGCCTATTGCTGGGGAGCCTGCTAATATTGTGGCTCTGGTGGAaGCcTATATGAAcTGGCTGCATCAGagTCCaGTGCCcAAGCTaCTcTTTTGGGGGACtCCgGGaGTtCTGATTCCTCCTGCcGAGGCTGCTAGACTGGCTGAaTCcCTGCCcAAtTGTAAGACcGTGGAcATcGGcCCtGGgCTGTTTTAcCTcCAaGAGGAcAAcCCTGATCTcATcGGGTCTGAGATcGCacGgTGGCTGCCCGGGCTGGCCGGCTAATAGTTAATTAAGTAgGCGGCCGCNNNN(配列番号1)。
核酸分子又は発現カセットは、場合により選択マーカー遺伝子を含むベクター、例えばプラスミド又はウイルスベクターに導入されることができ、前記ベクターは、目的とする細胞、例えば原核細胞、例えば大腸菌(E.coli)、ストレプトミセス(Streptomyces)種、バチルス(Bacillus)種、スタフィロコッカス(Staphylococcus)種などに加えて、植物(双子葉植物又は単子葉植物)細胞、真菌細胞、酵母細胞、例えば、ピキア、サッカロミセスもしくはシゾサッカロミセス(Schizosaccharomyces)細胞又は哺乳動物細胞を含む真核細胞に導入されることができる。好ましい哺乳動物細胞は、ウシ、ヤギ、羊、イヌ、ネコ、非ヒト霊長類(例えばサル)及びヒト細胞を含む。好ましい哺乳動物細胞株は、、限定するものではないが、CHO、COS、293、Hela、CV-1、SH-SY5Y(ヒト神経芽細胞腫細胞)、HEK293、及びNIH3T3細胞を含む。
コードされる加水分解酵素フラグメントの発現は、原核細胞又は真核細胞において発現できる任意のプロモーターで調節することができる。好ましい原核プロモーターは、限定するものではないが、SP6、T7、T5、tac、bla、trp、gal、lac又はマルトースプロモーターを含む。好ましい真核プロモーターは、、限定するものではないが、構成的プロモーター、例えばウイルスプロモーター、例えばCMV、SV40及びRSVプロモーターに加えて、調節性プロモーター、例えば誘導性又は抑制プロモーター、例えばtetプロモーター、hsp70プロモーター及びCREにより調節される合成プロモーターを含む。細菌発現のために好ましいベクターは、pGEX-5X-3を含み、真核発現のためにはpCIneo-CMVを含む。
本発明の核酸分子、発現カセット及び/又はベクターは、限定するものではないが、カルシウム媒介形質転換、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、リポフェクション、粒子衝撃などを含む任意の方法により細胞に導入することができる。
加水分解酵素基質に用いる官能基
本発明の基質及び方法に有用な官能基は、検出可能な、又は検出できる分子である。本発明の範囲内の官能基は、二官能性リンカーの反応性置換基の1つ又は加水分解酵素の基質に共有結合されることができ、自然界に見られる基質に結合されていない官能基と実質的に活性を有し、加水分解酵素変異体と安定な複合体を形成できる。従って、官能基は、その官能基を有する基質と加水分解酵素変異体との間の安定な複合体の検出を容易にし、場合により単離を容易にする1以上の特性を有する。例えば、官能基は、特徴的な電磁スペクトル特性、例えば発光又は吸光度、磁気、電子スピン共鳴、電気容量、誘電率又は導電率を有する官能基に加えて、強磁性、常磁性、反磁性、発光性、電気化学発光性、蛍光性、燐光性、着色性、抗原性であるか、又は特有の分子量を有する官能基を含む。官能基は、限定するものではないが、核酸分子、すなわちDNA又はRNA、例えばオリゴヌクレオチド又はヌクレオチド、例えばヌクレオチドアナログを有するもの、タンパク質に結合できるDNA、目的とする遺伝子に相当する一本鎖DNA、目的とする遺伝子に相当するRNA、終止コドンを欠くmRNA、アミノアシル化された開始tRNA、アミノアシル化されたアンバー・サプレッサーtRNA、又はRNAiのための二本鎖RNA、タンパク質、例えば発光タンパク質、ペプチド、ペプチド核酸、リガンドにより認識されるエピトープ、例えば、ビオチン又はストレプトアビジン、ハプテン、アミノ酸、脂質、脂質二重層、固体担体、蛍光発色団、発色団、レポーター分子、放射性核種、例えば放射性測定などに使用する放射性同位体又は同位体コードアフィニティータグ(ICAT)などの方法に使用する安定同位体、低電子密度分子、X線造影剤、MRI造影剤、例えばマンガン、ガドリニウム(III)又は酸化鉄粒子などを含む。一実施形態において、官能基は、アミノ酸、タンパク質、糖タンパク質、多糖、三重項増感剤、例えばCALI、核酸分子、薬物、毒素、脂質、ビオチン又は固体担体、例えば自己組織化単分子膜(例えばKwonら(2004年)参照)であり、Ca2+に結合し、K+に結合し、Na+に結合し、pH感受性であり、低電子密度であり、発色団であり、MRI造影剤であり、NOの存在下で蛍光を発し、あるいは反応性酸素に感受性であり、ナノ粒子、酵素、酵素の基質、酵素阻害薬、例えば、自殺基質(例えば、Kwonら(2004年)参照)、補因子、例えばNADP、補酵素、サクシニミジルエステル又はアルデヒド、ルシフェリン、グルタチオン、NTA、ビオチン、cAMP、ホスファチジルイノシトール、cAMPのリガンド、金属、スピントラップとして使用するための窒素酸化物又はニトロン(電子スピン共鳴(ESR)により検出される)、金属キレート化剤、例えば造影剤として使用するための、時間分解蛍光に使用するための、又は金属を捕捉するための金属キレート化剤、光ケージ化合物、例えば照射により蛍光発色団などのケージ化合物を遊離するもの、インターカレーター、例えばDNAに結合するのに有用な、又は光活性化分子として有用なソラレン又は他のインターカレーター、三リン酸又はホスホロアミダイト、例えばDNA又はRNAへの基質の取り込みを可能にするもの、抗体、又はヘテロ二官能性クロスリンカー、タンパク質と他の分子を結合させるのに有用なもの、クロスリンカー、限定するものではないがヒドラジド、アリールアジド、マレイミド、ヨードアセトアミド/ブロモアセトアミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ピリジルジスルフィドなどの混合ジスルフィド、グリオキサール/フェニルグリオキサール、ビニルスルホン/ビニルスルホンアミド、アクリルアミド、ボロン酸エステル、ヒドロキサム酸、イミデートエステル、イソシアナート/イソチオシアナート又はクロロトリアジン/ジクロロトリアジンを含むクロスリンカーである。
本発明の基質及び方法に有用な官能基は、検出可能な、又は検出できる分子である。本発明の範囲内の官能基は、二官能性リンカーの反応性置換基の1つ又は加水分解酵素の基質に共有結合されることができ、自然界に見られる基質に結合されていない官能基と実質的に活性を有し、加水分解酵素変異体と安定な複合体を形成できる。従って、官能基は、その官能基を有する基質と加水分解酵素変異体との間の安定な複合体の検出を容易にし、場合により単離を容易にする1以上の特性を有する。例えば、官能基は、特徴的な電磁スペクトル特性、例えば発光又は吸光度、磁気、電子スピン共鳴、電気容量、誘電率又は導電率を有する官能基に加えて、強磁性、常磁性、反磁性、発光性、電気化学発光性、蛍光性、燐光性、着色性、抗原性であるか、又は特有の分子量を有する官能基を含む。官能基は、限定するものではないが、核酸分子、すなわちDNA又はRNA、例えばオリゴヌクレオチド又はヌクレオチド、例えばヌクレオチドアナログを有するもの、タンパク質に結合できるDNA、目的とする遺伝子に相当する一本鎖DNA、目的とする遺伝子に相当するRNA、終止コドンを欠くmRNA、アミノアシル化された開始tRNA、アミノアシル化されたアンバー・サプレッサーtRNA、又はRNAiのための二本鎖RNA、タンパク質、例えば発光タンパク質、ペプチド、ペプチド核酸、リガンドにより認識されるエピトープ、例えば、ビオチン又はストレプトアビジン、ハプテン、アミノ酸、脂質、脂質二重層、固体担体、蛍光発色団、発色団、レポーター分子、放射性核種、例えば放射性測定などに使用する放射性同位体又は同位体コードアフィニティータグ(ICAT)などの方法に使用する安定同位体、低電子密度分子、X線造影剤、MRI造影剤、例えばマンガン、ガドリニウム(III)又は酸化鉄粒子などを含む。一実施形態において、官能基は、アミノ酸、タンパク質、糖タンパク質、多糖、三重項増感剤、例えばCALI、核酸分子、薬物、毒素、脂質、ビオチン又は固体担体、例えば自己組織化単分子膜(例えばKwonら(2004年)参照)であり、Ca2+に結合し、K+に結合し、Na+に結合し、pH感受性であり、低電子密度であり、発色団であり、MRI造影剤であり、NOの存在下で蛍光を発し、あるいは反応性酸素に感受性であり、ナノ粒子、酵素、酵素の基質、酵素阻害薬、例えば、自殺基質(例えば、Kwonら(2004年)参照)、補因子、例えばNADP、補酵素、サクシニミジルエステル又はアルデヒド、ルシフェリン、グルタチオン、NTA、ビオチン、cAMP、ホスファチジルイノシトール、cAMPのリガンド、金属、スピントラップとして使用するための窒素酸化物又はニトロン(電子スピン共鳴(ESR)により検出される)、金属キレート化剤、例えば造影剤として使用するための、時間分解蛍光に使用するための、又は金属を捕捉するための金属キレート化剤、光ケージ化合物、例えば照射により蛍光発色団などのケージ化合物を遊離するもの、インターカレーター、例えばDNAに結合するのに有用な、又は光活性化分子として有用なソラレン又は他のインターカレーター、三リン酸又はホスホロアミダイト、例えばDNA又はRNAへの基質の取り込みを可能にするもの、抗体、又はヘテロ二官能性クロスリンカー、タンパク質と他の分子を結合させるのに有用なもの、クロスリンカー、限定するものではないがヒドラジド、アリールアジド、マレイミド、ヨードアセトアミド/ブロモアセトアミド、N-ヒドロキシスクシンイミジルエステル、ピリジルジスルフィドなどの混合ジスルフィド、グリオキサール/フェニルグリオキサール、ビニルスルホン/ビニルスルホンアミド、アクリルアミド、ボロン酸エステル、ヒドロキサム酸、イミデートエステル、イソシアナート/イソチオシアナート又はクロロトリアジン/ジクロロトリアジンを含むクロスリンカーである。
例えば、官能基は、限定するものではないが、1以上のアミノ酸、例えば、天然に存在するアミノ酸又は非天然型アミノ酸、抗体又はそのフラグメントを含むペプチド又はポリペプチド(タンパク質)、Hisタグ、FLAGタグ、Strepタグ、酵素、補因子、補酵素、酵素のペプチド又はタンパク質基質、例えば、分枝鎖ペプチド基質(例えば、Z-アミノベンゾイル(Abz)-Gly-Pro-Ala-Leu-Ala-4-ニトロベンジルアミド(NBA)、自殺基質又は受容体、そのアナログを含む1以上のヌクレオチド(例えば、ATP、ADP、AMP、GTP又はGDP)、例えばオリゴヌクレオチド、遺伝子又はその部分に相当する二本鎖又は一本鎖DNA、例えば転写因子などのタンパク質に結合できるDNA、遺伝子に相当するRNA、例えば終止コドン又はその部分を欠くmRNA、RNAiの二本鎖RNA又はそのベクター、糖タンパク質、多糖、ペプチド核酸(PNA)、脂質二重層を含む、又は固体担体である脂質、例えば磁性粒子などの堆積粒子、セファロース又はセルロースビーズ、膜、ガラス、例えばスライドガラス、セルロース、アルギン酸塩、プラスチック又は他の合成的に調製したポリマー、例えば、エッペンドルフチューブ又はマルチウェルプレートのウェル、自己組織化単分子膜、表面プラズモン共鳴チップ又は表面伝導型電子を有する固体担体を含み、薬物、例えばドキソルビシン、5-フルオロウラシル又はカンプトサール(CPT-11;イリノテカン)などの化学療法薬、アミノアシル化された開始tRNA又はアミノアシル化されたアンバー・サプレッサーtRNAなどのアミノアシル化されたtRNA、Ca2+に結合する分子、K+に結合する分子、Na+に結合する分子、pH感受性分子、放射性核種、低電子密度の分子、造影剤、例えばバリウム、ヨウ素又は他のMRIもしくはX線造影剤、NOの存在下で蛍光を発する分子、あるいは反応性酸素に感受性である分子、ナノ粒子、例えばイムノゴールド粒子、常磁性ナノ粒子、上方変換ナノ粒子又は量子ドット、酵素の非タンパク質基質、酵素阻害薬、可逆的又は不可逆的阻害薬のいずれか、薬剤キレート剤、架橋基、例えば、サクシニミジルエステル又はアルデヒド、グルタチオン、ビオチン又は他のアビジン結合分子、アビジン、ストレプトアビジン、cAMP、ホスファチジルイノシトール、ヘム、cAMPのリガンド、金属、NTAを含み、一実施形態において、1以上の色素、例えばキサンテン色素、カルシウム感受性色素、例えば1-[2-アミノ-5-(2,7-ジクロロ-6-ヒドロキシ-3-オキシ-9-キサンテニル)-フェノキシ]-2-(2(-アミノ-5(-メチルフェノキシ)エタン-N,N,N',N'-四酢酸(Fluo-3)、ナトリウム感受性色素、例えば1,3-ベンゼンジカルボン酸、4,4'-[1,4,10,13-テトラオキサ-7,16-ジアザシクロオクタデカン-7,16-ジイルビス(5-メトキシ-6,2-ベンゾフランジイル)]ビス(PBFI)、NO感受性色素、例えば、4-アミノ-5-メチルアミノ-2',7'-ジフルオレセイン又は他の蛍光発色団を含む。一実施形態において、官能基はハプテン又は免疫原性分子、すなわち、その分子に特異的な抗体に結合されるハプテン又は免疫原性分子である。一実施形態において、官能基は放射性核種ではない。他の実施形態において、官能基は放射性核種、例えば3H、14C、35S、125I、131Iであり、診断法に有用な分子を含む。
特定の官能基を検出する方法は当該技術分野で公知である。例えば、核酸分子は、ハイブリダイゼーション、増幅、核酸分子に特異的な核酸結合タンパク質への結合、酵素アッセイ(例えば核酸分子がリボザイムである場合)により検出することができ、核酸分子自身が検出される、あるいは検出可能な分子、例えば放射性標識又はビオチンを含む場合、その分子に適したアッセイにより検出できる。
典型的な官能基は、ハプテン、例えばキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)などの免疫原性を促進するのに有用な分子、切断可能標識、例えば、光切断性ビオチン、及び蛍光標識、、例えばN-ヒドロキシコハク酸イミド(NHS)修飾クマリン及びコハク酸イミド又はスルホンコハク酸イミド修飾BODIPY(UV及び/又は可視励起蛍光検出により検出できる)、ローダミン、例えばR110、ロドール、CRG6、テキサスメチルレッド(カルボキシテトラメチルローダミン)、5-カルボキシ-X-ローダミン又はフルオレセイン、クマリン誘導体、例えば、7アミノクマリン及び7-ヒドロキシクマリン、2-アミノ-4-メトキシナフタレン、1-ヒドロキシピレン、レゾルフィン、フェナレノン又はベンゾフェナレノン(米国特許第4,812,409号)、アクリジノン(米国特許第4,810,636号)、アントラセン及びα-及びβ-ナフトールの誘導体、フッ素化フルオレセイン及びロドールを含むフッ素化キサンテン誘導体(例えば、米国特許第6,162,931号)、生物発光分子、例えばルシフェリン、セレンテラジン、ルシフェラーゼ、化学発光分子、例えば安定化ジオキセタン及び電気化学発光分子を含む。対応する野生型加水分解酵素の基質に連結されていることに基づいて加水分解酵素変異体に連結されている蛍光性(又は発光性)官能基を、リン酸化のような系における変化をリアルタイムで検知することに使用することができる。更に、本発明の基質における蛍光分子、例えば金属イオンの化学受容器、例えばCu2+に対する9-カルボニルアントラセン修飾グリシル-ヒスチジル-リジン(GHK)を、基質に結合する標識タンパク質に用いることができる。発光性又は蛍光性官能基、例えばBODIPY、ローダミングリーン、GFP又は赤外色素もまた官能基として使用でき、例えば、BRET、FRET、LRET又は電気泳動などを用いて相互作用研究に用いることができる。
他の種類の官能基には、受容体基を含む分子("親和性"分子)と選択的に相互作用する分子である。従って、親和性分子を含む加水分解酵素の基質は、親和性分子と、生物起源又は非生物起源であることができる他の分子、例えば受容体分子との選択的相互作用により、このような基質及び加水分解酵素変異体を有する複合体の分離を促進することができる。例えば、親和性分子が相互作用する特定の分子(受容体分子と呼ばれる)は、小有機分子、スルフヒドリル基(-SH)などの化学基又は、親和性分子の抗体又は他の天然に存在するリガンドなどの巨大生体分子である。結合は、通常自然界における化学結合であり、共有結合又は非共有結合又は、イオン結合又は水素結合などの相互作用の形成を含むことができる。受容体分子は、溶液中遊離していることもでき、それ自身固体又は半固体表面、ポリマーマトリックスに結合していることもでき、あるいは固体又は半固体支持体の表面に位置することもできる。相互作用はまた、外部薬剤、例えば光、温度、圧力又は、触媒として作用する化学もしくは生物分子の添加により引き起こされることもできる。反応混合物からの複合体の検出及び/又は分離は、相互作用、通常は親和性分子と受容体分子との間のある種の結合により生じる。
親和性分子の例は、免疫原性分子などの分子、例えばタンパク質のエピトープ、ペプチド、炭水化物又は脂質であり、すなわち、その分子に特異的な抗体を調製するために有用な任意の分子;ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン及びそれらの誘導体;金属結合分子;並びにこれらの分子のフラグメント及び組み合わせを含む。典型的な親和性分子は、His5(HHHHH)(配列番号72)、HisX6(HHHHHH)(配列番号73)、C-myc(EQKLISEEDL)(配列番号74)、Flag(DYKDDDDK)(配列番号75)、SteptTag(WSHPQFEK)(配列番号76)、HAタグ(YPYDVPDYA)(配列番号77)、チオレドキシン、セルロース結合ドメイン、キチン結合ドメイン、S-ペプチド、T7ペプチド、カルモジュリン結合ペプチド、C末端RNAタグ、金属結合ドメイン、金属結合反応性基、アミノ酸反応性基、インテイン、ビオチン、ストレプトアビジン及びマルトース結合タンパク質を含む。加水分解酵素変異体と基質との間の複合体におけるビオチンの存在は、複合体とアビジン分子、例えば表面、例えば、ビーズ、マイクロウェル、ニトロセルロースなどにコーティングされたストレプトアビジン分子の選択的結合を可能にする。適切な表面は、クロマトグラフ分離用樹脂、組織培養表面又は結合プレートなどのプラスチック、マイクロタイターディッシュ及びビーズ、セラミックス及びガラス、磁性粒子を含む粒子、ポリマー並びに他のマトリックスを含む。処理表面を、例えばリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で洗浄してビオチンを欠く分子を除去し、ビオチンを含有する複合体を単離する。場合により、これらのマトリックスは、光ファイバ、chemfet及びプラズモン検出器などの生体分子感知装置の一部であることができる。
親和性分子の他の例には、ダンシルリジンがある。ダンシル環を相互作用する抗体は商業的に入手することもできるし(Sigma Chemical社;ミズーリ州セントルイス)、Antibodies:A Laboratory Manual(Harlow及びLane(1988年))に記載されている既知のプロトコルを用いて調製することもできる。例えば、抗ダンシル抗体は、クロマトグラフカラムの充填剤に固定化される。本方法、すなわち親和性カラムクロマトグラフィーは、固定化抗体との相互作用により、加水分解酵素変異体と本発明の基質との複合体をカラム上に保持し、他の分子をカラムに通過させることにより分離を達成する。次いで抗体-抗原相互作用を破壊することにより複合体を放出させることができる。イオン交換又は親和性セファロースなどの特定のクロマトグラフカラム材料、セファクリル、Sephadex及び他のクロマトグラフィー樹脂が市販されている(Sigma Chemical社;ミズーリ州セントルイス;Pharmacia Biotech社;ニュージャージー州ピスカタウェイ)。ダンシルリジンは、その蛍光特性により好都合に検出できる。
抗体を受容体分子として用いる場合、免疫沈降及び、ビーズ、プレート又は樹脂などのフィルター又は他の表面上への抗体の固定化などの他の生化学的分離法によっても分離を行うことができる。例えば、加水分解酵素変異体と本発明の基質の複合体は、親和性分子特異的又は加水分解酵素特異的抗体で磁性ビーズをコーティングすることにより単離することができる。ビーズは、しばしば、磁場を用いて混合物から分離される。
他の種類の機能性分子は、電磁放射を用いて検出できる分子を含み、限定するものではないが、キサンテン蛍光発色団、ダンシル蛍光発色団、クマリン及びクマリン誘導体、蛍光アクリジニウム部分、ベンゾピレンベース蛍光発色団に加えて7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール及び3-N-(7-ニトロベンゾ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル)-2,3-ジアミノ-プロピオン酸を含む。好ましくは、蛍光分子は、天然アミノ酸とは異なる波長で高い蛍光量子収量を有し、より好ましくは、スペクトルの可視部分又はUV及び可視部分の両方で励起できる高い蛍光量子収量を有する。事前選択された波長での励起により、視覚的に又は従来の蛍光検出方法を用いて、低濃度で分子を検出できる。ルテニウムキレート及びその誘導体又はニトロキシドアミノ酸及びその誘導体などの電気化学発光は、フェントモル域及びそれ以下で検出できる。
一実施形態において、光学的に検出できる官能基は、1以上の蛍光発色団、例えばキサンテン、クマリン、クロメン、インドール、イソインドール、オキサゾール、BODIPY、BODIPY誘導体、イミダゾール、ピリミジン、チオフェン、ピレン、ベンゾピレン、ベンゾフラン、フルオレセイン、ローダミン、ロドール、フェナレノン、アクリジノン、レゾルフィン、ナフタレン、アントラセン、アクリジニウム、α-ナフトール、β-ナフトール、ダンシル、シアニン、オキサジン、ニトロベンゾオキサゾール(NBD)、ダポキシル、ナフタレンイミド、スチリルなどを含む。
蛍光分子に加えて、電磁場及び放射線に対する分子の相互作用及び反応に基づく物理的特性を有する種々の分子を、加水分解酵素変異体又はそのフラグメントと基質との複合体を検出するために用いることができる。これらの特性は、電磁スペクトルのUV、可視及び赤外領域における吸収、ラマン活性である発色団の存在を含み、共鳴ラマン分光法、電子スピン共鳴活性及び核磁気共鳴並びに例えば質量分析計による分子量により更に高めることができる。
親和性分子を有する複合体を検出及び/又は単離する方法は、ゲル濾過、迅速圧力又は高圧液体クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー及びイオン交換クロマトグラフィーを含むクロマトグラフ技術を含む。タンパク質分離の他の方法、例えば電気泳動、等電点電気泳動及び質量分析法は、検出及びそれに続く加水分解酵素変異体又はそのフラグメントと基質との複合体の単離にも有用である。
加水分解酵素基質に使用する典型的なリンカー
用語"リンカー"は、記号>L=によっても確認されるが、反応性基を含む基質又は反応性基に1以上の官能基を共有結合させる基(単数又は複数)のことを言う。本明細書において、リンカーは1つの共有結合ではない。標的酵素に結合できる基質を生じる限りは、リンカーの構造はあまり重要ではない。一実施形態において、リンカーは、官能基(R)と反応性基とを長さ約5Å〜約1000Å(両端を含める)隔てる二価の基であることができる。他の適切なリンカーは、Rと反応性基とを約5Å〜約100Å隔てるリンカーを含み、更には、Rと基質とを約5Å〜約50Å、約5Å〜約25Å、約5Å〜約500Å又は約30Å〜約100Å隔てるリンカーを含む。
用語"リンカー"は、記号>L=によっても確認されるが、反応性基を含む基質又は反応性基に1以上の官能基を共有結合させる基(単数又は複数)のことを言う。本明細書において、リンカーは1つの共有結合ではない。標的酵素に結合できる基質を生じる限りは、リンカーの構造はあまり重要ではない。一実施形態において、リンカーは、官能基(R)と反応性基とを長さ約5Å〜約1000Å(両端を含める)隔てる二価の基であることができる。他の適切なリンカーは、Rと反応性基とを約5Å〜約100Å隔てるリンカーを含み、更には、Rと基質とを約5Å〜約50Å、約5Å〜約25Å、約5Å〜約500Å又は約30Å〜約100Å隔てるリンカーを含む。
一実施形態において、リンカーはアミノ酸である。
他の実施形態において、リンカーはペプチドである。
他の実施形態において、リンカーは約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよく、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、場合により、非過酸化物-O-、-S-又はNH-で置換されており、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子はアリール又はヘテロアリール環で置換されている。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基置換されていてもよく、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は非過酸化物-O-、-S-又はNH-で置換されており、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、1以上(例えば、1、2、3又は4)のアリール又はヘテロアリール環で置換されている。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよく、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、非過酸化物-O-、-S-又はNH-で置換されており、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、1以上(例えば、1、2、3又は4)のヘテロアリール環で置換されている。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は、1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよく、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、場合により、非過酸化物-O-、-S-又はNH-で置換されている。
他の実施形態において、リンカーは、式-W-F-W-(式中、Fは(C1〜C30)アルキル、(C2〜C30)アルケニル、(C2〜C30)アルキニル、(C3〜C8)シクロアルキル、又は(C6〜C10)であり、Wは-N(Q)C(=O)-、-C(=O)N(Q)-、-OC(=O)-、-C(=O)O-、-O-、-S-、-S(O)-、-S(O)2-、-N(Q)-、-C(=O)-又は直接結合であり、Qのそれぞれは、独立してH又は(C1〜C6)アルキルである)の二価の基である。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよい。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含む。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖である。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約20炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は、1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよい。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約20炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含む。
他の実施形態において、リンカーは、約2〜約20炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖である。
他の実施形態において、リンカーは-(CH2CH2O)-1~10である。
他の実施形態において、リンカーは、-C(=O)NH(CH2)3-;-C(=O)NH(CH2)5C(=O)NH(CH2)-;-CH2OC(=O)NH(CH2)2O(CH2)2O(CH2)-;-C(=O)NH(CH2)2O(CH2)2O(CH2)3-;-CH2OC(=O)NH(CH2)2O(CH2)2O(CH2)3-;-(CH2)4C(=O)NH(CH2)2O(CH2)2O(CH2)3-;-C(=O)NH(CH2)5C(=O)NH(CH2)2O(CH2)2O(CH2)3-である。
他の実施形態において、リンカーは1以上の二価のヘテロアリール基を含む。
具体的には、(C1〜C30)アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、ペンチル、3-ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル又はデシルであることができ;(C3〜C8)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであることができ;(C2〜C30)アルケニルは、ビニル、アリル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1,-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル又はデセニルであることができ;(C2〜C30)アルキニルは、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル、3-ペンチニル、4-ペンチニル、1-ヘキシニル、2-ヘキシニル、3-ヘキシニル、4-ヘキシニル、5-ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル又はデシニルであることができ;(C6〜C10)アリールは、フェニル、インデニル又はナフチルであることができ;ヘテロアリールはフリル、イミダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、オキサゾイル、イソオキサゾイル、チアゾリル、イソチアゾイル、ピラゾリル、ピロリル、ピラジニル、テトラゾリル、ピリジル、(又はそのN-オキシド)、チエニル、ピリミジニル(又はそのN-オキシド)、インドリル、イソキノリル(又はそのN-オキシド)又はキノリル(又はそのN-オキシド)であることができる。
用語芳香族は、アリール及びヘテロアリール基を含む。
アリールは、約9〜10環原子を有し、少なくとも1つの環が芳香族であるフェニル基又はオルト縮合二環式炭素環式基を意味する。
ヘテロアリールは、炭素及び、それぞれが非過酸化物酸素、硫黄及びN(X)(式中、Xは存在しないか又はH、O、(C1〜C4)アルキル、フェニル又はベンジルである)からなる群から選択される1〜4ヘテロ原子を含む5又は6環原子を含む単環式芳香環のA環炭素が結合した基に加えて、それから誘導される約8〜10環原子のオルト縮合二環式複素環基、特にベンゾ誘導体又はそれに対してプロピレン、トリメチレン又はテトラメチレンジラジカルを縮合させることにより誘導される基を含む。
用語"アミノ酸"は、リンカーに関連して用いられる場合、D体又はL体の天然アミノ酸(例えば、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Hyl、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr及びVal)に加えて、非天然アミノ酸(例えば、ホスホセリン、ホスホスレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、γ-カルボキシグルタミン酸;馬尿酸、オクタヒドロインドール-2-カルボン酸、スタチン、1,2,3,4,-テトラヒドロイソキノリン-3-カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、シトルリン、α-メチルアラニン、p-ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパルジルグリシン、サルコシン及びtert-ブチルグリシン)の残基を含む。この用語はまた、通常のアミノ保護基(例えば、アセチル又はベンジルオキシカルボニル)を有する天然及び非天然アミノ酸に加えて、カルボキシ末端で保護された(例えば(C1〜C6)アルキル、フェニル又はベンジルのエステル又はアミドとして)天然及び非天然アミノ酸も含む。他の適切なアミノ及びカルボキシ保護基は当業者に公知である(例えば、Greene, Protective Groups In Organic Synthesis; Wiley: New York, 1981 及びその引用文献を参照のこと)。アミノ酸は、カルボキシ末端、アミノ末端又は他の任意の便利な結合個所、例えばシステインの硫黄を介して他の分子に結合させることができる。
用語"ペプチド"は、リンカーに関連して用いられる場合、アミノ酸(例えば上記のもの)又はペプチジル残基2〜25個の配列を記述する。配列は直鎖又は環状であることができる。例えば、環状ペプチドは、配列中の2つのシステイン残基間のジスルフィド架橋の形成により調製することもできるし、生じさせることもできる。ペプチドは、カルボキシ末端、アミノ末端又は他の任意の便利な結合個所、例えばシステインの硫黄を介して他の分子に結合させることができる。好ましくは、ペプチドは、3〜25又は5〜21アミノ酸を含む。ペプチド誘導体は、米国特許第4,612,302号;第4,853,371号;及び第4,684,620号に開示されているように調製することができる。本明細書に記載のペプチド配列は、アミノ末端を左に、カルボキシ末端を右にして記載されている。
典型的な基質
一実施形態において、加水分解酵素基質は、式(I):R-リンカー-A-X(式中、Rは1以上の官能基であり、リンカーは、C、N、SもしくはO又は1以上の環、例えば、飽和又は不飽和の環、例えば1以上のアリール環、ヘテロアリール環又はそれらの任意の組み合わせを含む基を含む多原子の直鎖又は分枝鎖であり、A-Xは、デハロゲナーゼ、例えば、ハロアルカンデハロゲナーゼ又は、脂肪族もしくは芳香族ハロゲン化物基質、例えばロドコッカス(Rhodococcus)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スタフィロコッカス、シュードモナス(Pseudomonas)、バークホルデリア(Burkholderia)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)もしくはキサントバクター(Xanthobacter)デハロゲナーゼの基質において炭素-ハロゲン結合を切断するデハロゲナーゼの基質であり、ここでXはハロゲンである)の化合物を有する。一実施形態において、1以上の官能基が共有結合している基(単数又は複数)であるリンカー(L)にハロゲン化アルキルを共有結合させて、デハロゲナーゼの基質を合成する。
一実施形態において、加水分解酵素基質は、式(I):R-リンカー-A-X(式中、Rは1以上の官能基であり、リンカーは、C、N、SもしくはO又は1以上の環、例えば、飽和又は不飽和の環、例えば1以上のアリール環、ヘテロアリール環又はそれらの任意の組み合わせを含む基を含む多原子の直鎖又は分枝鎖であり、A-Xは、デハロゲナーゼ、例えば、ハロアルカンデハロゲナーゼ又は、脂肪族もしくは芳香族ハロゲン化物基質、例えばロドコッカス(Rhodococcus)、スフィンゴモナス(Sphingomonas)、スタフィロコッカス、シュードモナス(Pseudomonas)、バークホルデリア(Burkholderia)、アグロバクテリウム(Agrobacterium)もしくはキサントバクター(Xanthobacter)デハロゲナーゼの基質において炭素-ハロゲン結合を切断するデハロゲナーゼの基質であり、ここでXはハロゲンである)の化合物を有する。一実施形態において、1以上の官能基が共有結合している基(単数又は複数)であるリンカー(L)にハロゲン化アルキルを共有結合させて、デハロゲナーゼの基質を合成する。
一実施形態において、リンカーを有する、本発明のデハロゲナーゼ基質は式(I):
R−リンカー−A−X (I)
(式中、Rは1以上の官能基(例えば、蛍光発色団、ビオチン、発光団又は蛍光発生性もしくは発光性分子であり、あるいはマイクロスフェア、膜、ポリマープレート、ガラスビーズ、スライドガラスなどを含む固体担体である)であり、リンカーはC、N、S又はOを含む多原子の直鎖又は分枝鎖であり、A-Xはデハロゲナーゼ基質であり、ここでXはハロゲンである)を有する。一実施形態において、A-Xは、デハロゲナーゼのハロ脂肪族又はハロ芳香族基質である。一実施形態において、リンカーは、約12〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は、1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよく、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、場合により、非過酸化物-O-、-S-又はNH-で置換されている。一実施形態において、リンカーは、3〜30原子、例えば11〜30原子を含む。一実施形態において、リンカーは(CH2CH2O)yを含み、y=2〜8である。一実施形態において、Aは(CH2)nであり、n=2〜10、例えば4〜10である。一実施形態において、AはCH2CH2又はCH2CH2CH2である。他の実施形態において、Aはアリール又はヘテロアリール基を含む。一実施形態において、ロドコッカスデハロゲナーゼなどのデハロゲナーゼの基質におけるリンカーは、C、N、S又はOを含む多原子の直鎖又は分枝鎖であり、官能基Rが芳香環系を含むか、又は固体担体である場合、好ましくは11〜30原子である。
R−リンカー−A−X (I)
(式中、Rは1以上の官能基(例えば、蛍光発色団、ビオチン、発光団又は蛍光発生性もしくは発光性分子であり、あるいはマイクロスフェア、膜、ポリマープレート、ガラスビーズ、スライドガラスなどを含む固体担体である)であり、リンカーはC、N、S又はOを含む多原子の直鎖又は分枝鎖であり、A-Xはデハロゲナーゼ基質であり、ここでXはハロゲンである)を有する。一実施形態において、A-Xは、デハロゲナーゼのハロ脂肪族又はハロ芳香族基質である。一実施形態において、リンカーは、約12〜約30炭素原子を含む二価の分枝又は非分枝炭素鎖であり、その鎖は、場合により、1以上(例えば、1、2、3又は4)の二重又は三重結合を含み、その鎖は、1以上(例えば、2、3又は4)のヒドロキシ又はオキソ(=O)基で置換されていてもよく、鎖における1以上(例えば、1、2、3又は4)の炭素原子は、場合により、非過酸化物-O-、-S-又はNH-で置換されている。一実施形態において、リンカーは、3〜30原子、例えば11〜30原子を含む。一実施形態において、リンカーは(CH2CH2O)yを含み、y=2〜8である。一実施形態において、Aは(CH2)nであり、n=2〜10、例えば4〜10である。一実施形態において、AはCH2CH2又はCH2CH2CH2である。他の実施形態において、Aはアリール又はヘテロアリール基を含む。一実施形態において、ロドコッカスデハロゲナーゼなどのデハロゲナーゼの基質におけるリンカーは、C、N、S又はOを含む多原子の直鎖又は分枝鎖であり、官能基Rが芳香環系を含むか、又は固体担体である場合、好ましくは11〜30原子である。
他の実施形態において、リンカーを有する、本発明のデハロゲナーゼ基質は、式(II):
R−リンカー−CH2−CH2−CH2−X (II)
(式中、Xはハロゲンであり、好ましくは塩化物である)を有する。一実施形態において、Rは1以上の官能基、例えば蛍光発色団、ビオチン、発光団又は蛍光発生性もしくは発光性分子であり、あるいはマイクロスフェア、膜、ガラスビーズなどを含む固体担体である。Rが放射性標識であるか、又は分光学的に活性な同位体などの低原子量の検出可能な原子である場合、リンカーは0〜30原子であることができる。
R−リンカー−CH2−CH2−CH2−X (II)
(式中、Xはハロゲンであり、好ましくは塩化物である)を有する。一実施形態において、Rは1以上の官能基、例えば蛍光発色団、ビオチン、発光団又は蛍光発生性もしくは発光性分子であり、あるいはマイクロスフェア、膜、ガラスビーズなどを含む固体担体である。Rが放射性標識であるか、又は分光学的に活性な同位体などの低原子量の検出可能な原子である場合、リンカーは0〜30原子であることができる。
典型的なデハロゲナーゼ基質は米国公開特許第2006/0024808号及び第2005/0272114号に記載されている(これらは参照により本願に組み込まれる)
加水分解酵素融合体に使用する典型的なデハロゲナーゼ変異体
カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl、カルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl及び5-カルボキシ-X-ローダミン-C10H21NO2-Clは、DhaA.H272Fには結合したが、DhaA.WTには結合しなかった。ビオチン-C10H21NO2-ClはDhaA.H272Fには結合したが、DhaA.WTには結合しなかった。SDSで煮沸しても結合が壊れなかったので、基質とDhaA.H272Fとの結合は大変強力であった。
カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl、カルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl及び5-カルボキシ-X-ローダミン-C10H21NO2-Clは、DhaA.H272Fには結合したが、DhaA.WTには結合しなかった。ビオチン-C10H21NO2-ClはDhaA.H272Fには結合したが、DhaA.WTには結合しなかった。SDSで煮沸しても結合が壊れなかったので、基質とDhaA.H272Fとの結合は大変強力であった。
DhaA.H272変異体、すなわちH272F/G/A/Qは、カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Clに結合した。基質(ビオチン-C10H21NO2-Cl)の1つでの変異体の前処置により、他の基質(カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl)の結合が完全にブロックされるため、DhaA.H272変異体は、基質に高度に特異的に結合する。
野生型DhaAと基質との間に形成される結合よりも安定な基質との結合を形成できる、D以外の求核アミノ酸残基、例えば、C、Y及びEで、DhaAの残基106におけるDを置換した。特に、システインはシステインベースの酵素における既知の求核剤であり、これらの酵素は水を活性化することが知られていない。
対照変異体であるDhaA.D106Q、単一変異体であるDhaA.D106C、DhaA.D106Y及びDhaA.D106Eに加えて、二重変異体であるDhaA.D106C:H272F、DhaA.D106E:H272F、DhaA.D106Q:H272F及びDhaA.D106Y:H272Fのカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Clへの結合を分析した。カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-ClはDhaA.D106C、DhaA.D106C:H272F、DhaA.D106E及びDhaA.H272Fに結合した。従って、カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-ClとDhaA変異体の残基106におけるシステイン又はグルタミン酸との間に形成される結合は、カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-ClとDhaA.WTとの間に形成される結合と比較して安定である。位置106単独での他の置換あるいは、DhaAにおける他の残基部位での置換との組み合わせは、同様な結果を与える可能性がある。更にまた、位置106単独での特定の置換、あるいはDhaAにおける他の残基部位での置換との組み合わせは、特定の基質のみとの結合を形成するDhaA変異体をもたらす可能性がある。
一実施形態において、本発明のデハロゲナーゼ変異体は、少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、その少なくとも1つは、安定な結合形成と関連する、水分子を活性化する野生型加水分解酵素における残基、例えばヒスチジン残基であり、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基272に相当する位置にあり、例えば、置換アミノ酸はアスパラギン、グリシン又はフェニルアラニンであり、少なくとももう1つは、機能的発現、結合キネティクス又はFPシグナルの改善と関連し、例えば配列番号1の位置5、11、20、30、32、47、58、60、65、78、80、87、88、94、109、113、117、118、124、128、134、136、150、151、155、157、160、167、172、175、176、187、195、204、221、224、227、231、250、256、257、263、264、273、277、282、291又は292に相当する位置にある。
変異誘発のための残基の同定
残基番号付けは、DhaAの一次配列に基づいており、公表された結晶構造(1BN6.pdb)における番号付けとは異なる。DhaA基質モデルを用いて、結合基質の3Å及び5Å以内のデハロゲナーゼ残基を同定した。これらの残基が、変異誘発のための第1潜在的標的の代表であった。このリストから、置換されたとき、立体障害又は好ましくない相互作用が取り除かれるか、又は好ましい荷電、極性又は他の相互作用が導入されると考えられる残基を選択した。例えば、位置175におけるLys残基は、基質トンネル入口で、DhaAの表面上に位置するので、この大きな荷電側鎖の除去により、トンネルへの基質流入が改善されると考えられる。位置176でのCys残基は、基質トンネルの内側を覆い、そのかさ高い側鎖はトンネルにおける緊縮を引き起こすので、この側鎖の除去は、トンネルを広げ、基質流入を改善すると考えられる。位置245におけるVal残基は、基質トンネルの内側を覆い、結合基質の2つの酸素に近接近しているので、この残基のトレオニンによる置換は、水素結合の機会を増し、基質結合を改善すると考えられる。最後に、Bosmaら(2002年)は、アミノ酸置換Tyr273Pheを有するDhaAの触媒的に有効な変異体の単離を報告した。この変異は、Cys176Tyr置換と組み合わせたとき、1,2,3-トリクロロプロパン(TCP)の脱ハロゲン化において、野生型デハロゲナーゼよりもおよそ8倍効率的な酵素をもたらした。これらの構造解析に基づいて、位置175、176及び273におけるコドンを無作為化し、加えて、部位特異的V245T変異を作成した。蛍光基質(例えば、式VI又はVIIIの化合物)及びビオチン結合DhaA基質との共有結合形成の改善について得られた変異体をスクリーニングした。
残基番号付けは、DhaAの一次配列に基づいており、公表された結晶構造(1BN6.pdb)における番号付けとは異なる。DhaA基質モデルを用いて、結合基質の3Å及び5Å以内のデハロゲナーゼ残基を同定した。これらの残基が、変異誘発のための第1潜在的標的の代表であった。このリストから、置換されたとき、立体障害又は好ましくない相互作用が取り除かれるか、又は好ましい荷電、極性又は他の相互作用が導入されると考えられる残基を選択した。例えば、位置175におけるLys残基は、基質トンネル入口で、DhaAの表面上に位置するので、この大きな荷電側鎖の除去により、トンネルへの基質流入が改善されると考えられる。位置176でのCys残基は、基質トンネルの内側を覆い、そのかさ高い側鎖はトンネルにおける緊縮を引き起こすので、この側鎖の除去は、トンネルを広げ、基質流入を改善すると考えられる。位置245におけるVal残基は、基質トンネルの内側を覆い、結合基質の2つの酸素に近接近しているので、この残基のトレオニンによる置換は、水素結合の機会を増し、基質結合を改善すると考えられる。最後に、Bosmaら(2002年)は、アミノ酸置換Tyr273Pheを有するDhaAの触媒的に有効な変異体の単離を報告した。この変異は、Cys176Tyr置換と組み合わせたとき、1,2,3-トリクロロプロパン(TCP)の脱ハロゲン化において、野生型デハロゲナーゼよりもおよそ8倍効率的な酵素をもたらした。これらの構造解析に基づいて、位置175、176及び273におけるコドンを無作為化し、加えて、部位特異的V245T変異を作成した。蛍光基質(例えば、式VI又はVIIIの化合物)及びビオチン結合DhaA基質との共有結合形成の改善について得られた変異体をスクリーニングした。
ライブラリー作成及びスクリーニング
すべてのライブラリー及び変異体構築のための出発物質には、DhaA.H272F及びDhaA.D106Cをコードする遺伝子を含むpGEX5X3ベースプラスミドを用いた。これらのプラスミドは、ハロアルカンリガンドと安定な共有結合を形成することができる親のDhaA変異体をコードする遺伝子を含む。DhaA.H272F及びDhaA.D106C鋳型における位置175、176及び273のコドンを、NNK部位飽和変異誘発戦略を用いて無作為化した。これらの位置における単一部位ライブラリーに加えて、組み合わせ175/176NNKライブラリーもまた構築した。
すべてのライブラリー及び変異体構築のための出発物質には、DhaA.H272F及びDhaA.D106Cをコードする遺伝子を含むpGEX5X3ベースプラスミドを用いた。これらのプラスミドは、ハロアルカンリガンドと安定な共有結合を形成することができる親のDhaA変異体をコードする遺伝子を含む。DhaA.H272F及びDhaA.D106C鋳型における位置175、176及び273のコドンを、NNK部位飽和変異誘発戦略を用いて無作為化した。これらの位置における単一部位ライブラリーに加えて、組み合わせ175/176NNKライブラリーもまた構築した。
3つのアッセイを、DhaA変異体ライブラリーの一次スクリーニングツールとして評価した。第1のin vivo標識アッセイは、改善されたDhaA変異体は、大腸菌内で優れた標識特性を有するという仮説に基づいていた。カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Clでの短い標識期間及び細胞洗浄後に、優れたクローンは、575nmでより高いレベルの蛍光強度を示すと考えられる。DhaA.H272F175/176ライブラリーの96ウェルプレート1枚だけのスクリーニングで、いくつかの潜在的改良(すなわちヒット数)の同定に成功した。4つのクローンが、元のクローンよりも2倍高い強度レベルを示した。このアッセイの潜在的有用性にもかかわらず、自動化手順における問題点及び、活性DhaA変異体の単純な過剰発現が偽陽性を生じうるという事実により、このアッセイは一次スクリーニングとして選択されなかった。
一次スクリーニングとして考えられた第2アッセイは、96ウェルフォーマットにおける固定化抗FLAG抗体にDhaA変異体の飽和量を捕捉することにより、タンパク質濃度を効果的に正規化するin vitroアッセイであった。in vivoアッセイと同様に、このアッセイは、もとの活性の広範なバックグラウンドから、改善された潜在的DhaA変異体を明確に同定することができた。いくつかのクローンは、親DhaA.H272Fよりも4倍高いシグナルを生じた。しかしながら、このアッセイは、試薬の費用及びアッセイの調製時間並びに多数のインキュベーション及び洗浄ステップにより高価であった。加えて、このアッセイは、あらかじめ単離され、優れていると特徴づけられたいくつかの変異体を捕捉することができなかった。
DhaA変異タンパク質ライブラリーをスクリーニングするために、自動MagneGST(登録商標)ベースのアッセイを用いた。DhaA.H272F及びDhaA.D106Cベース175単一部位ライブラリーのスクリーニングでは、親クローンよりも著しく優れたヒットを明らかにすることができなかった。このスクリーニングにより、親対照と比較して優れた標識特性を有するいくつかのクローンが同定された。著しく高い標識特性を有する3つのクローンを、親DhaA.H272Fを含むバックグラウンドから明確に区別することができた。親DhaA.H272Fよりも少なくとも50%高い活性を有するクローンに関しては、試験したライブラリーの総ヒット率は1〜3%の範囲で変化した。DhaA.D106Cライブラリーについても、同様なスクリーニング結果が得られた(データは示さず)。最初の一次スクリーニングで同定されたヒットは、マスタープレートに配置し、一元管理し、再増殖させ、MagneGST(登録商標)アッセイを用いて再分析した。再分析において、親対照よりも少なくとも2倍高いシグナルを有するDhaA変異体のみを選択して配列分析を行った。
DhaAヒットの配列分析
図2Aは、DhaA.H272Fライブラリーのスクリーニング後に同定されたDhaA変異体のコドンを示す。この分析により、7つの176単一アミノ酸置換(C176G、C176N、C176S、C176D、C176T及びC176A、及びC176R)が同定された。興味深いことに、3つの異なるセリンコドンが単離された。位置175及び176における多数の二重アミノ酸置換もまた同定された(K175E/C176S、K175C/C176G、K175M/C176G、K175L/C176G、K175S/C176G、K175V/C176N、K175A/C176S及びK175M/C176N)。これらの二重変異体の175位置において、7つの異なるアミノ酸が見出されたが、位置176においては、3つの異なるアミノ酸(Ser、Gly及びAsn)のみが同定された。ライブラリー品質評価中に同定されたK175M単一変異を分析に含めた。加えて、いくつかの優れたY273単一置換(Y273C、Y273M、Y273L)もまた同定した。
図2Aは、DhaA.H272Fライブラリーのスクリーニング後に同定されたDhaA変異体のコドンを示す。この分析により、7つの176単一アミノ酸置換(C176G、C176N、C176S、C176D、C176T及びC176A、及びC176R)が同定された。興味深いことに、3つの異なるセリンコドンが単離された。位置175及び176における多数の二重アミノ酸置換もまた同定された(K175E/C176S、K175C/C176G、K175M/C176G、K175L/C176G、K175S/C176G、K175V/C176N、K175A/C176S及びK175M/C176N)。これらの二重変異体の175位置において、7つの異なるアミノ酸が見出されたが、位置176においては、3つの異なるアミノ酸(Ser、Gly及びAsn)のみが同定された。ライブラリー品質評価中に同定されたK175M単一変異を分析に含めた。加えて、いくつかの優れたY273単一置換(Y273C、Y273M、Y273L)もまた同定した。
図2Bは、DhaA.D106Cライブラリーに見られるDhaA変異体の変異コドンを示す。C176G単一変異を除けば、同定されたクローンの大部分は、175/176二重変異を含んでいた。位置175において、全部で11の異なるアミノ酸が同定された。対照的に、位置176において、3つのアミノ酸(Gly、Ala及びGln)のみが同定され、D106C二重変異体においてほぼ3/4においてGlyが出現した。
DhaA変異体の解析
本スクリーニング法により同定されたいくつかのDhaA.H272F及びD106Cベース変異体は、MagneGSTアッセイにおいて、親クローンよりも顕著に高いシグナルを生じた。DhaA.H272Fベース変異体A7及びH11に加えてDhaA.D106Cベース変異体D9は、それぞれの親よりもカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Clを用いて顕著に高いシグナルを生じた。加えて、位置273(Y273L"YL"、Y273M"YM"及びY273C"YC")において同定されたDhaA.H272Fベース変異体はすべて、ビオチン-PEG4-14-Cl基質を用いて、親クローンよりも顕著に改善されていることが明らかであった。これらの分析の結果は、SDS-PAGE蛍光イメージゲル分析を用いるタンパク質標識研究とも一致していた。DhaA.H272Fに見られる最良変異の組み合わせが相加的かどうかを決定する目的で、残基273における3つの変異をDhaA.H272F A7及びDhaA.H272F H11変異と組み合わせ直した。スクリーニング(第一世代)のラウンド1に見られる変異体からこれらの組み合わせ直した変異タンパク質を区別するために、これらを"第二世代"DhaA変異体と呼ぶ。
本スクリーニング法により同定されたいくつかのDhaA.H272F及びD106Cベース変異体は、MagneGSTアッセイにおいて、親クローンよりも顕著に高いシグナルを生じた。DhaA.H272Fベース変異体A7及びH11に加えてDhaA.D106Cベース変異体D9は、それぞれの親よりもカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Clを用いて顕著に高いシグナルを生じた。加えて、位置273(Y273L"YL"、Y273M"YM"及びY273C"YC")において同定されたDhaA.H272Fベース変異体はすべて、ビオチン-PEG4-14-Cl基質を用いて、親クローンよりも顕著に改善されていることが明らかであった。これらの分析の結果は、SDS-PAGE蛍光イメージゲル分析を用いるタンパク質標識研究とも一致していた。DhaA.H272Fに見られる最良変異の組み合わせが相加的かどうかを決定する目的で、残基273における3つの変異をDhaA.H272F A7及びDhaA.H272F H11変異と組み合わせ直した。スクリーニング(第一世代)のラウンド1に見られる変異体からこれらの組み合わせ直した変異タンパク質を区別するために、これらを"第二世代"DhaA変異体と呼ぶ。
比較速度論研究を容易にするために、グルタチオンセファロース4B樹脂を用いる精製のために、いくつかの改善されたDhaA変異体を選択した。一般に、大腸菌内でのDhaA.H272F及びDhaA.D106Cベース融合体の産生はロバストであったが、単一アミノ酸変化は、DhaAの産生にマイナスの結果をもたらす恐れがあった。タンパク質産生におけるこの変異性の結果として、DhaA変異体の全収率もまたかなり変化した(1〜15mg/mL)。いくつかのDhaA.H272F由来変異体を用いて、予備的速度論標識研究を行った。分析用に選択した変異体の多くは、全部ではないが、親H272Fよりも速い標識キネティクスを示した。実際、経時変化を詳細に検討してみると、第一世代変異体、YL及び2つの第二世代変異体、A7YM及びH11YL変異体を含むいくつかのDhaA変異体の標識は2分間で終了すると思われた。DhaA.H272F A7及び2つの第二世代DhaA.H272F変異体A7YM及びH11YLに関して、より拡大した経時変化分析を行った。2つの第二世代クローンの標識反応は、最初の時点(20秒間)で大部分完了する。他方では、A7変異体は、最後の時点(7分間)でやっと反応が完了すると思われる。ゲル状の蛍光バンドを定量し、産物生成の相対速度を測定した。標識速度を測定するために、H11YLの濃度を50ngから10ngに下げ、より精密な経時変化を行った。これらの標識条件下では、線形初期速度を測定できた。蛍光イメージ化ゲルデータの定量により、二次速度定数を算出できた。観察された勾配に基づいて、DhaA.H272F H11YLのカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl標識の二次速度定数は、5.0x105M-1sec-1であった。
蛍光偏光(FP)は、タンパク質に結合する小分子蛍光リガンドの研究に理想的である。結合基質/遊離基質比のほぼ即時の直接測定が得られるため、分子結合を分析するために用いられる方法の中で独特である。従って、精製DhaA変異体の蛍光イメージゲル分析に対する代替的アプローチとしてFPアッセイを開発した。用いた標識条件下では、第二世代DhaA変異体.H272F H11YLは、そのA7及びH272Fカウンターパートよりも有意に速かった。この速度の相関関係を見直すと、反応において測定可能速度を得るためには、A7及び親、すなわちDhaA.H272Fタンパク質それぞれに対し、おおよそ42倍及び420倍が必要であった。用いられた標識条件下では、H11YL変異体もまた、フルオレセインベースの基質では、A7及び親DhaA.H272Fタンパク質よりもかなり速かったことは明らかである。しかしながら、カルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-ClでのH11YLの標識は、対応するカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl基質での標識よりも著しく遅いと思われる。カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl反応(35nM)に対してカルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl反応(150nM)において4倍以上のH11YLタンパク質を用いたが、観察された速度は、観察されたカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl速度よりも定性的に遅いことが明らかであった。
このアッセイの感度及び厳密な均質性に基づいて、蛍光標識基質での精製DhaA変異体の標識特性を解析するためにFPを用いた。次いで、これらの研究からのデータを用いて、各DhaA変異体-基質対に対する二次速度定数を算出した。この研究に用いた2つの親タンパク質DhaA.H272F及びDhaA.D106Cは、カルボキシテトラメチルローダミン及びカルボキシフルオレセインベース基質で同等の速度を有することが見出された。しかしながら、いずれの場合にも、カルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl基質での標識は遅かった。FPで解析した第一世代DhaA変異体はすべて、対応する親タンパク質よりも7〜3555倍の速度を有していた。DhaA.H272Fバックグラウンドにおける位置273での3つの置換(Y273L、Y273M及びY273C)により、単一アミノ酸置換での標識速度に対する最大の影響が生じた。それにもかかわらず、試験された第一世代DhaA.H272F変異体のそれぞれにおいて、カルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl基質での標識は、常により低い速度(1.6〜46倍)で生じた。第二世代DhaA.H272F変異体の大部分は、最も改善された第一世代変異体と比べても有意に速かった。1変異体、特にH11YLは、親DhaA.H272Fよりも4桁速いカルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Clでの算出二次速度定数を有していた。H11YLの速度定数2.2x106M-1sec-1は、カルボキシテトラメチルローダミン結合ビオチン/ストレプトアビジン相互作用に関して算出された速度定数とほぼ同一であった。この値は、表面プラズモン共鳴分析(Qureshiら(2001年))を用いてビオチン-ストレプトアビジン相互作用に関して測定した結合速度5x106M-1sec-1と一致している。第二世代変異体のいくつかは、カルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl基質での改善された速度を有していた。しかしながら、すでに述べたように、これらの速度は、カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl基質の場合よりも常に低かった。例えば、DhaA.H272F H11YL変異体のカルボキシフルオレセイン-C10H21NO2-Cl標識速度は、カルボキシテトラメチルローダミン-C10H21NO2-Cl標識速度よりも100倍低かった。
典型的な方法
本発明は、細胞内の分子の発現、位置及び/又は輸送をモニターする方法並びに細胞内に存在しうる1以上の分子を撮像、同定、局在化、表示又は検出する方法であって、ハイブリッドタンパク質システムを用いる前記方法を提供する。本発明の方法に用いられる試薬は、好ましくは、水及び約6以上のpHを有する水溶液を含む水溶液又は主に水溶液に可溶性である。しかしながら、基質の原液は、水溶液又は緩衝液に希釈する前に有機溶媒に溶解することができる。好ましい有機溶媒は、DMSO、DMF、N-メチルピロリジノン、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性極性溶媒及び他のヒドロキシル基を含まない完全に水混和性の溶媒である。用いられる試薬の濃度は、実験条件及び所望の結果、例えば、妥当な時間内に結果を得ること、バックグラウンド又は、例えばPCL反応の望ましくない標識を最小にして結果を得ることなどによって決まる。例えば、加水分解酵素基質濃度は、一般的には、nM〜μMの範囲である。レポータータンパク質基質及び適切な融合タンパク質の所望濃度は、満足なシグナル、例えば標識が達成されるまで、基質及び/又は融合タンパク質量を体系的に変化させることにより決定することができる。開始範囲は、当該技術分野で公知の方法で容易に決定される。
本発明は、細胞内の分子の発現、位置及び/又は輸送をモニターする方法並びに細胞内に存在しうる1以上の分子を撮像、同定、局在化、表示又は検出する方法であって、ハイブリッドタンパク質システムを用いる前記方法を提供する。本発明の方法に用いられる試薬は、好ましくは、水及び約6以上のpHを有する水溶液を含む水溶液又は主に水溶液に可溶性である。しかしながら、基質の原液は、水溶液又は緩衝液に希釈する前に有機溶媒に溶解することができる。好ましい有機溶媒は、DMSO、DMF、N-メチルピロリジノン、アセトン、アセトニトリル、ジオキサン、テトラヒドロフランなどの非プロトン性極性溶媒及び他のヒドロキシル基を含まない完全に水混和性の溶媒である。用いられる試薬の濃度は、実験条件及び所望の結果、例えば、妥当な時間内に結果を得ること、バックグラウンド又は、例えばPCL反応の望ましくない標識を最小にして結果を得ることなどによって決まる。例えば、加水分解酵素基質濃度は、一般的には、nM〜μMの範囲である。レポータータンパク質基質及び適切な融合タンパク質の所望濃度は、満足なシグナル、例えば標識が達成されるまで、基質及び/又は融合タンパク質量を体系的に変化させることにより決定することができる。開始範囲は、当該技術分野で公知の方法で容易に決定される。
一実施形態において、異種配列間又は細胞分子などの分子と、加水分解酵素フラグメントを有する融合体を含む融合タンパク質を有する異種配列の1以上との間の相互作用を検出するための光学的特性を有する官能基を含む加水分解酵素基質が用いられる。このような基質は、異種配列が細胞分子と相互作用し、例えば結合し、加水分解酵素フラグメント/機能的に異なる補完タンパク質フラグメントが基質に結合するのに十分な期間、融合タンパク質を含む対象とする試料と混合され、その試料は選択された波長で照射され、官能基の光学的応答が誘導される。場合により、試料は洗浄されて、残存する過剰又は非結合基質が除去される。一実施形態において、光学的応答と標準又は予想される応答とを更に比較することにより、試料の特異的特性を決定するために標識が用いられる。例えば、試料中での空間的及び時間的分布に関して試料の特異的成分をモニターするために結合基質が用いられる。あるいは、特定の分子の存在又は量を測定又は検出するために、結合基質が用いられる。
一実施形態において、異種配列間又は細胞分子などの分子と、生物発光タンパク質フラグメントを有する融合体を含む融合タンパク質を有する異種配列の1以上との間の相互作用を検出するための生物発光タンパク質ベースのハイブリッドシステムが用いられる。生物発光タンパク質の基質は、異種配列が細胞分子と相互作用し、例えば結合し、生物発光タンパク質フラグメント/機能的に異なる補完タンパク質フラグメントが基質に結合するのに十分な期間、融合タンパク質を含む対象とする試料と混合され、その後、生物発光タンパク質により生成されたシグナルは検出又は測定される。場合により、試料は洗浄されて、残存する過剰又は非結合基質が除去される。一実施形態において、シグナルは標準品又は対照と比較される。
検出可能な光学的応答とは、直接又は機械による観測のいずれかにより認められうる、試験系におけるパラメータの変化又は発生を意味する。このような検出可能な応答は、色、生物発光、蛍光、反射率、化学発光、光分極、光散乱又はX線散乱の変化又は出現を含む。一実施形態において、検出可能な応答は、蛍光の変化、例えば強度、蛍光の励起又は発光波長分布、蛍光寿命、蛍光偏光又はそれらの組み合わせの変化である。検出可能な光学的応答は、試料全体又は試料の局部的な部分で生じることができる。標準又は予想される応答と光学的応答の程度を比較することにより、試料が特定の特性を有する有するかどうか、どの程度有するかを測定するために用いることができる。
本発明の融合タンパク質を含む試料は、一般的には、受動的手段、すなわち、基質とのインキュベーションにより標識される。しかしながら、基質を試料に導入するために、細胞又は細胞小器官への基質のマイクロインジェクションなどの、基質を試料に導入するための任意の方法を用いることができる。本発明の基質は、一般に、使用濃度の範囲内で、生細胞又は他の成体成分に無毒である。
本発明の融合タンパク質を含む試料は、本発明の基質との接触後に直ちに観測することができる。本発明の融合タンパク質を含む試料は、検出、例えば標識の過程で、場合により、洗浄液、浸透化及び/又は固定溶液並びにさらなる検出試薬を含む他の溶液を含む他の溶液と混合することができる。基質との接触後、洗浄することにより、洗浄後の非特異的バックグラウンドの低下により、光学的応答の検出を改善することができる。例えば、PCLベース反応に関して、より低い標識濃度を用いることにより、洗浄なしに満足な可視化が可能である。多くの固定剤及び固定条件が当該技術分野で公知であり、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ホルマリン、グルタルアルデヒド、冷メタノール及び3:1 メタノール:酢酸を含む。固定は、一般的には、細胞の形態を保護し、病原性試料を処理する場合にバイオハザードを抑制するために用いられる。基質の選択された実施形態、例えば官能基を有する加水分解酵素基質は、細胞内に十分に保持される。固定は、場合により、続いて又はそれに伴って、一般に当該技術分野で公知の方法に従って、かさ高い基質が細胞膜を横切るのを可能にするために、例えばアセトン、エタノール、DMSO又は種々の界面活性剤を用いる浸透化が行われる。場合により、基質の使用は、加水分解酵素変異体又はその融合体を含む試料中で、特定の細胞成分、細胞内物質又は細胞条件の存在により検出可能な応答を生じるさらなる検出試薬の使用と組み合わせることができる。さらなる検出試薬が、基質とは異なるスペクトル特性を有する場合、多色用途が可能である。
一実施形態において、光学的特性を有する官能基を有する加水分解酵素基質との接触後又はその最中のいつでも、融合タンパク質(複数)を含み、そのうちの1つが加水分解酵素フラグメントを含む試料は、検出可能な光学的応答を生じ、光学的応答を検出する手段で観察されるある波長の光で照射される。周囲光を用いて、比色計により検出可能な基質もあり、親蛍光発色団の蛍光特性により検出される基質もある。例えば紫外もしくは可視波長発光ランプ、アーク灯、レーザーによる照射により、あるいは太陽光又は普通の室内灯によっても、基質は、相補的特異的結合対メンバーに結合している基質を含めて、蛍光発光に加えて、強い可視光吸収を示す。本発明の基質を照射するのに有用な選択された装置は、限定するものではないが、手持ち紫外ランプ、水銀アーク灯、キセノンランプ、アルゴンレーザー、レーザーダイオード及びYAGレーザーを含む。これらの照射源は、場合により、レーザースキャナー、蛍光マイクロプレートリーダー、標準もしくは蛍光光度計又はクロマトグラフ検出器に組み込まれる。この比色定量吸光又は蛍光発光は、視覚検査により検出される場合もあり、以下の装置のいずれかを用いて検出される場合もある:CCDカメラ、ビデオカメラ、写真フィルム、レーザー走査装置、蛍光光度計、フォトダイオード、量子カウンター、落射蛍光顕微鏡、走査顕微鏡、フローサイトメーター、蛍光マイクロプレートリーダー、又は光電子増倍管などのシグナルを増幅する手段により。加水分解酵素変異体又はその融合体を含む試料が、フローサイトメーター、蛍光顕微鏡又は蛍光光度計を用いて試験される場合、その機械は、場合により、蛍光発色団である官能基を含む基質と、検出的に異なる光学的特性を有する第2蛍光発色団とを、一般的には、基質の蛍光応答と第2蛍光発色団の蛍光応答とを識別することにより、識別及び区別するために用いられる。フローサイトメーターを用いて試料が試験される場合、試料の試験は、場合により、ソーティング装置を用いる、蛍光応答に基づく試料内の粒子の単離を含む。
限定するものではない以下の実施例を用いて、本発明を更に詳しく説明する。
DhaA.H272F H11YL(図4;HT2)のDNAに以下の部位特異的変化を与えて、大腸菌内で機能的発現が改善されることが見出された(DhaA.H272F H11YLに対してD78G、F80S、P291A及びP291G)。
DhaA.H272F H11YLのコドン80、272及び273における部位飽和変異誘発を用いて、これらの位置のそれぞれにおける全ての可能なアミノ酸を含むライブラリーを作成した。このライブラリーを大腸菌内で過剰発現させ、カルボキシフルオレセイン(FAM)含有デハロゲナーゼ基質(C31H31ClNO8)及び蛍光偏光(FP)を用いて、機能的発現/改善されたキネティクスに関してスクリーニングした。このスクリーニングの性質は、改善された発現に加えて改善されたキネティクスを有するタンパク質の同定を可能にする。特に、このスクリーニングにより、より遅い固有のキネティクスを有する変異体が排除された。望ましい特性を示す置換には、以下が含まれた:F80Q、F80N、F80K、F80H、F80T、H272N、H272Y、Y273F、Y273M及びY273L。これらの中で、Y273Fが改善された固有のキネティクスを示した。
HT2の272におけるPheは、Glu-130と水素結合する能力を欠く。His-272とGlu-130との相互作用は、構造的役割を果たしていると考えられ、従ってこの結合の非存在はHT2を不安定化する可能性がある。更に、位置273におけるTyr->Leu変化に対するPheの近接は、これらの隣接残基の側鎖間の潜在的協同的相互作用を与える可能性がある。位置273におけるLeu又はPheのいずれかに関連して、位置272のより優れた残基としてAsnが同定された。Asn-272含有HT2の構造モデルを作成すると、1)AsnはHisと比較して同様な外形を有する空間を占め、2)AsnはGlu-130と水素結合できる、ことが明らかであった。位置272でAsnの置換を有するHT2は、大腸菌、無細胞系及び哺乳動物細胞において、高濃度の機能性タンパク質を産生することが見出されたが、これは、このタンパク質の全体的な安定性の改善の結果として考えられる。
2ラウンドの変異PCR(mutagenic PCR)を用いて、配列当たり1〜2アミノ酸置換の頻度でHT2のコード配列全体にわたって変異を導入した。このアプローチは、全配列のターゲッティングが可能であり、HT2構造/機能の事前知識になんら依存しなかった。変異誘発の第1ラウンドにおいて、鋳型として、ヒト化レニラルシフェラーゼへのN末端HT2融合体に関連して、Asn-272、Phe-273及びGly-78を固定した。FAMリガンドに対する改善されたFPシグナルに有益な6つの変異が同定され(S58T、A155T、A172T、A224E、P291S、A292T;V2)、A172Tを除く各置換は、大腸菌内でタンパク質産生の増加をもたらすことが測定された。しかしながら、A172T変化は、固有のキネティクスの改善をもたらした。次いで、6つの置換(Leu+/-273を含む)を組み合わせて、両方の配向で複数のパートナーに融合させたとき、顕著に改善されたタンパク質産生及び固有の標識キネティクスを与える複合配列(V3/V2)を得た。
変異誘発の第2ラウンドにおいて、6つの異なる鋳型を用いた:ヒト化レニラルシフェラーゼ(RL)、ホタルルシフェラーゼ又はIdのC末端にV3又はV2を融合させた。上記のように変異PCRを行い、3つのパートナーのうち少なくとも2に有益であると同定された変異を組み合わせてV6(Leu-273)を得た。変異PCRの第2ラウンドにおいて、熱安定性を付与する配列を選択する試みにおいて、高温(30℃)でタンパク質発現を誘導した。DhaA変異体融合体の固有の構造的安定性を増加させることは、より効率的なタンパク質産生をもたらす可能性がある。
望ましい特性と関連する無作為変異は、以下を含んだ:G5C、G5R、D11N、E20K、R30S、G32S、L47V、S58T、R60H、D65Y、Y87F、L88M、A94V、S109A、F113L、K117M、R118H、K124I、C128F、P134H、P136T、Q150H、A151T、A155T、V157I、E160K、A167V、A172T、D187G、K195N、R204S、L221M、A224E、N227E、N227S、N227D、Q231H、A250V、A256D、E257K、K263T、T264A、D277N、I282F、P291S、P291Q、A292T及びA292E。
上記置換に加えて、DhaA変異体と、その下流C末端パートナーであるレニラルシフェラーゼとのコネクタ配列における置換が同定された。親コネクタ配列(残基294〜320)は:QYSGGGGSGGGGSGGGGENLYFQAIEL(配列番号80)である。改善されたFPシグナルと関連するこのコネクタに見られる置換は、Y295N、G298C、G302D、G304D、G308D、G310D、L313P、L313Q及びA317Eであった。特に、9つの内5つは負電荷を有していた。
A172T及びY273F(H272Nに関連して)を除いては、N末端融合体として、上記の置換のすべては大腸菌内で改善された機能的発現を与えた。それにもかかわらず、A172T及びY273Fは標識に対する固有のキネティクスを改善した。
一般に改善された特性を有する、DhaA変異体における典型的な置換の組み合わせは、以下であった:
DhaA2.3(V3):S58T、D78G、A155T、A172T、A224E、F272N、P291S及びA292T。
DhaA2.4(V4):S58T、D78G、Y87F、A155T、A172T、A224E、N227D、F272N、Y273F、P291Q、及びA292E。
DhaA2.5(V5):G32S、S58T、D78G、Y87F、A155T、A172T、A224E、N227D、F272N、P291Q、及びA292E。
DhaA2.6(V6):L47V、S58T、D78G、Y87F、L88M、C128F、A155T、E160K、A167V、A172T、K195N、A224E、N227D、E257K、T264A、F272N、P291S及びA292T。
DhaA2.3(V3):S58T、D78G、A155T、A172T、A224E、F272N、P291S及びA292T。
DhaA2.4(V4):S58T、D78G、Y87F、A155T、A172T、A224E、N227D、F272N、Y273F、P291Q、及びA292E。
DhaA2.5(V5):G32S、S58T、D78G、Y87F、A155T、A172T、A224E、N227D、F272N、P291Q、及びA292E。
DhaA2.6(V6):L47V、S58T、D78G、Y87F、L88M、C128F、A155T、E160K、A167V、A172T、K195N、A224E、N227D、E257K、T264A、F272N、P291S及びA292T。
DhaA2.6において見られた置換の中で、A167Vを除いては、すべて大腸菌内での機能的発現が改善されたが、A167Vは固有のキネティクスを改善した。
図5は、大腸菌内で機能的発現を改善するさらなる置換を示す。
C末端での変異誘発の鋳型としてV6配列を用いた。Id-V6融合体(V6はC末端パートナーである)に関連して、無作為の2残基の伸長(テール)を含む変異体のライブラリーを調製し、FAMリガンドでスクリーニングした。改善されたタンパク質産生及びより少ない非特異的切断を示す変異体(TMRリガンド標識及びゲル分析により測定)を同定した。DhaA2.6("V6")における2つのC末端残基をGlu-Ile-Ser-Glyで置換してV7を得た。V7の発現を、IdへのN末端及びC末端融合体の両方としてのV6と比較した。大腸菌内で融合体を過剰発現させ、10μM TMRリガンドで標識を完了させ、次いでSDS-PAGE+蛍光画像化で解像した。データは、V7配列からのほうが、より機能的な融合タンパク質が得られたことを示している。加えて、V7に関する経時的なFAMリガンドでの標識キネティクスは、V6に関するものと同様であったが、精製非融合タンパク質を試験したとき、V7はV6よりも速いキネティクスを有していた。
in vivo標識を試験するために、HT2、V3、V7及びV7F(V7Fは、V7に対してアミノ酸1つ異なっている;V7Fは、位置273でLeuの代わりにPheを有する)に関するベクターでHeLa細胞をトランスフェクトしてから24時間後に、細胞をin vivoで0.2μM TMRリガンドを用いて5分、15分、30分又は2時間標識した。試料をSDS-PAGE/蛍光画像化で分析し、ImageQuantで定量化した。V7及びV7FはHT2及びV3よりも優れた機能的発現を引き起こし、V7、V7F及びV3は、哺乳動物細胞において、HT2と比較して改善されたキネティクスを示した。
更に、V7は、N末端又はC末端融合体として、改善された機能的発現を示し、プルダウンアッセイにおいて他のDhaA変異体よりも効率的であった。HaloLink(登録商標)固定化DhaA変異体-Id融合体を用いてプルダウンできるMyoDの量に関して、V7>V6>V3という結果が得られた。V7及びV7Fは改善された標識キネティクスを有していた。特に、V7Fは、V7よりも約1.5〜約3倍速い標識を示した。
更に、熱安定性に関してはV7>V6>V7F>V3>HT2であった。例えば、ある条件(48℃への30分間の暴露)下では、精製V7Fはその活性を50%失うのに対し、V7はなお80%の活性を維持している。この2つの熱安定性の相違は、V7及びV7Fが大腸菌内で発現され、溶解物として分析されるときにより劇的となる。
これらの変異体の末端は、置換に加えて、テール及びコネクタ配列を含む種々の配列に対応できることに注意されたい。例えば、DhaA変異体のN末端はM/GA/SETGであることができ、C末端は置換及び付加("テール")、例えば、P/S/QA/T/ELQ/EY/I、及び場合によりSGを含むことができる。例えば、C末端はえkEISG、EI、QY又はQのいずれかであることができる。Nベクターに関しては、N末端はMAEであることができ、Cベクターにおいて、N末端配列又はDhaA変異体はGSE又はMAEであることができる。テールは、限定するものではないが、QY及びEISGを含む。
レニラルシフェラーゼにおいて修飾に耐性を示す部位
修飾に耐性を示す部位、例えば、残基91/92、223/224又は229/230間に挿入されたRIIβBを有するレニラルシフェラーゼ構築物を調製した。それらは:hRL(1-91)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(92-311)、hRL(1-91)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸ペプチドリンカー-hRL992-311)、hRL(1-91)-10アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(92-311)、hRL(1-91)-42アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(92-311)、hRL(1-223)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-10アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-10アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-42アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(224-311)、hRL(1-229)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(230-311)、hRL(1-229)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸リンカー-hRL(230-311)、hRL(1-229)-42アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(230-311)であった。
修飾に耐性を示す部位、例えば、残基91/92、223/224又は229/230間に挿入されたRIIβBを有するレニラルシフェラーゼ構築物を調製した。それらは:hRL(1-91)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(92-311)、hRL(1-91)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸ペプチドリンカー-hRL992-311)、hRL(1-91)-10アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(92-311)、hRL(1-91)-42アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(92-311)、hRL(1-223)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-10アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-10アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸リンカー-hRL(224-311)、hRL(1-223)-42アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(224-311)、hRL(1-229)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-4アミノ酸リンカー-hRL(230-311)、hRL(1-229)-4アミノ酸ペプチドリンカー-RIIβB-20アミノ酸リンカー-hRL(230-311)、hRL(1-229)-42アミノ酸ペプチドリンカー-hRL(230-311)であった。
TnT T7 Coupled Wheat Germ Lysate Systemを用いて、タンパク質を構築物から発現させた。TNT反応物17μLを、3.4μLの1mM cAMP原液又はdH2Oを添加した17μLの300mM HEPES/200mMチオ尿素(pH約7.5)と混合した。反応物を室温でおおよそ10分間インキュベートした。96ウェルプレートウェルに3連で各試料10μLを加え、Glomaxルミノメーターでレニラルシフェラーゼアッセイ試薬100μLを用いて発光を測定した。hRL(1-91)-リンカー-RIIβB-リンカー-hRL(92-311)タンパク質は12〜23倍誘導され、hRL(1-223)-リンカーRIIβB-リンカー-hRL(224-311)タンパク質は誘導されず、hRL(1-229)-リンカー-RIIβB-(230-311)タンパク質は約2〜9倍誘導された。42アミノ酸リンカー構築物のいずれも誘導されず、完全長レニラルシフェラーゼ構築物も"無DNA"対照も誘導されなかった。
4つを除いたすべての構築物に関して、溶媒露出表面ループ内にあることを理由にして部位を選択した。レニラルシフェラーゼは、例えば、1BN6(ロドコッカス種)及び2DHD(キサントバクター・オートトロフィカス)ハロアルカンデハロゲナーゼ結晶構造を鋳型として用いるなど、デハロゲナーゼなどの他の加水分解酵素において修飾に耐性を示す部位のモデルとして用いることができる。タンパク質のコアに覆われる部位又はαもしくはβ構造に関与する部位に対して、溶媒露出表面ループは修飾により影響を受けやすい。従って、レニラルシフェラーゼにおいて修飾に耐性を示す領域に相当するデハロゲナーゼにおける領域、例えばレニラルシフェラーゼの残基86〜97、残基96〜116又は残基218〜235に相当する領域は、PCA又はPCLのための"分割された"デハロゲナーゼタンパク質を調製するために有用である。
PCLにおいて、ラパマイシン媒介FRB/FKBPタンパク質間相互作用及びDhaA変異体を用いた。ラパマイシンが存在するときにのみFRBとFKBPは相互作用する。従って、PCLが成功する場合、ラパマイシンの存在下で融合タンパク質が共にインキュベートされるときにのみ再構成レポーターは標識される。
FRB又はFKBP ORFのいずれかに加えてSgfI/PmeI部位の上流のリンカー配列(GlyGlyGlyGlySer)2を含む2つのpF9(Kan)ベクターを作成した。PCSのためのレニラルシフェラーゼフラグメントを調製するのに有用な位置に相当する位置(実施例2及び図7参照)でDhaA変異体遺伝子(HT2)とFRB-N末端及びFKBP-C末端融合体とを。HT2 N末端及びC末端側をPCRプライマーを用いて増幅し、SgfI/PmeI部位にクローニングした。各クローンをそれぞれRiboMaxを用いて発現し、次いでWheat Germ Plus反応(HT2)によりPCLを行った。FluoroTect(登録商標)の有り無しでタンパク質を発現させた。FluoroTect(登録商標)標識により、おおよそ等しい量ですべてのタンパク質が発現されることが確実にされた(データは示さず)。次いで、1μMラパマイシンの有り無しで、非標識タンパク質を単独又は適切なパートナーと共にインキュベートした。次いで、これらの産物10μlを、デハロゲナーゼ変異体のためのTMR標識リガンド0.1μMと共に暗所で2時間インキュベートした。次いで、すべての試料を1x SDS/50mM DTTローディング緩衝液で70℃5分間インキュベートし、次いで変性NuPAGE(登録商標)ゲル電気泳動を行った。図8Bに予想される結果を示す。
一過性トランスフェクションのために、6ウェルプレートにCHO細胞をプレーティングし、TransIT(登録商標)-CHOを用いて2連でトランスフェクトした。翌日、+/- 1μMラパマイシンで細胞を2.5時間インキュベートし、次いで、1.0μM HaloTag(登録商標)TMRリガンドで1時間インキュベートした。細胞をPBSで洗浄し、トリプシン処理し、ペレット化し、プロテアーゼインヒビター及びRQDNase Iを含むPBS200ul中で機械的に溶解した。正規化された量のタンパク質を30秒間マイクロ波で加熱し、変性NuPAGERゲルを作動させた。
結果
FRB-N末端(1-78)+FKBP-C末端(79-294)の共インキュベーションにより、ラパマイシンと共にインキュベートしたときにのみTMR標識は保持された。完全長HT2もまた、予想されたように標識された。FluoroTect(登録商標)標識により、すべてのタンパク質が等しく発現されたことが示された(データは示さず)。更に、CHO細胞内のPCL媒介タンパク質は、ラパマイシンの存在下で標識された(図8C)。少量のラパマイシン非依存性PCLもまた認められる。完全長HT2は、ラパマイシン添加にかかわらず標識された。
FRB-N末端(1-78)+FKBP-C末端(79-294)の共インキュベーションにより、ラパマイシンと共にインキュベートしたときにのみTMR標識は保持された。完全長HT2もまた、予想されたように標識された。FluoroTect(登録商標)標識により、すべてのタンパク質が等しく発現されたことが示された(データは示さず)。更に、CHO細胞内のPCL媒介タンパク質は、ラパマイシンの存在下で標識された(図8C)。少量のラパマイシン非依存性PCLもまた認められる。完全長HT2は、ラパマイシン添加にかかわらず標識された。
従って、この技術は、経時的に標識を蓄積することにより、弱いタンパク質-タンパク質相互作用の検出感度をより大きくする潜在性を有する。更に、この技術は、同じベクター構築物を用いて、in vitro、in vivo及びin situ画像検査間を容易に移行することができる。
FRB-N末端レポーターフラグメント+FKBP-C末端レポーターフラグメント配向におけるHTv7及びヒト化レニラルシフェラーゼ(hRL)を用いるタンパク質相補性
多くの細胞シグナルは、カスケードタンパク質-タンパク質相互作用のネットワークにより伝達され、実行される。最終的にこれらのシグナルの多くは遺伝的応答を引き起こし、それは遺伝子レポーターアッセイを用いてモニターできる。一次事象により近い細胞事象をアッセイすることが望ましいが、これは、それにより細胞応答のより"リアルタイム"の分析が可能となり、より遅れた、下流地点での交絡因子によるアーチファクトの可能性が低下するからである。
多くの細胞シグナルは、カスケードタンパク質-タンパク質相互作用のネットワークにより伝達され、実行される。最終的にこれらのシグナルの多くは遺伝的応答を引き起こし、それは遺伝子レポーターアッセイを用いてモニターできる。一次事象により近い細胞事象をアッセイすることが望ましいが、これは、それにより細胞応答のより"リアルタイム"の分析が可能となり、より遅れた、下流地点での交絡因子によるアーチファクトの可能性が低下するからである。
タンパク質-タンパク質相互作用をモニターするために、2つの融合タンパク質が調製される。1つの融合タンパク質は、レポータータンパク質及び目的とするタンパク質(他の(第2)異種配列と相互作用する、レポータータンパク質に対して異種の第1異種配列)の部分を含む。他の融合タンパク質は、第1融合体におけるレポータータンパク質の部分とは機能的に異なるが、それを補完するタンパク質の部分及び第2異種アミノ酸配列を含む。一実施形態において、1つの目的とするタンパク質は、レニラルシフェラーゼのN末端又はC末端部分のN末端又はC末端において融合され、他の目的とするタンパク質は、デハロゲナーゼ変異体、例えばHTv7と呼ばれるデハロゲナーゼ変異体のC末端又はN末端部分のN末端又はC末端において融合されている。目的とするタンパク質の相互作用は、レニラルシフェラーゼ及び/又はHTv7タンパク質の活性を再構成する。その活性は、触媒部位(HTv7の場合は元触媒部位)が位置するタンパク質の部分に依存して再構成される。
構造的類似性に基づくハイブリッド相補性システムのためのモデルとして、レニラルシフェラーゼ及びHTv7を選択した。ハロアルカンデハロゲナーゼ(ロドコッカス種;Swiss Prot#P59336)及び1BN6(ロドコッカス種)を用いるレニラルシフェラーゼの相同性モデル及び2DHD(キサントバクター・オートトロフィカス)ハロアルカンデハロゲナーゼ結晶構造を鋳型とする構造ベースの分析は約30%の同一性をもたらした。
材料及び方法
2つのタンパク質を、2つの位置:HTv7及びレニラルシフェラーゼに関して、それぞれ残基78/79又は98/99及び91/92又は111/112で分割した。レニラルシフェラーゼ"分割"位置は、以前に、レニラルシフェラーゼタンパク質相補性アッセイ(PCA)(Kaiharaら(2003年)及びRemyら(2005年))において成功したことが明らかにされている(実施例2も参照のこと)。加えて、HT2(HTv7に関連するデハロゲナーゼ変異体、実施例1参照)を用い、位置78/79において、タンパク質相補性標識(PCL)の成功が明らかにされている(実施例3)。更に、アミノ酸位置91/92及び111/112に相当する位置でレニラルシフェラーゼ遺伝子が循環置換された、循環置換されたレニラルシフェラーゼ-RIIβBバイオセンサーを用いる、cAMPによる誘導の成功が明らかにされた(米国特許出願第11/732,105号参照)。
2つのタンパク質を、2つの位置:HTv7及びレニラルシフェラーゼに関して、それぞれ残基78/79又は98/99及び91/92又は111/112で分割した。レニラルシフェラーゼ"分割"位置は、以前に、レニラルシフェラーゼタンパク質相補性アッセイ(PCA)(Kaiharaら(2003年)及びRemyら(2005年))において成功したことが明らかにされている(実施例2も参照のこと)。加えて、HT2(HTv7に関連するデハロゲナーゼ変異体、実施例1参照)を用い、位置78/79において、タンパク質相補性標識(PCL)の成功が明らかにされている(実施例3)。更に、アミノ酸位置91/92及び111/112に相当する位置でレニラルシフェラーゼ遺伝子が循環置換された、循環置換されたレニラルシフェラーゼ-RIIβBバイオセンサーを用いる、cAMPによる誘導の成功が明らかにされた(米国特許出願第11/732,105号参照)。
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。FRB-N末端レポーターフラグメント及びFKBP-C末端レポーターフラグメントという配向で融合タンパク質を作成した。部位特異的変異誘発(Stratagene社、QuickChange)を用いてpF3Aベクター(Promega社)にヌクレオチド"TA"を導入し、SgfI制限部位のすぐ上流にNheI制限部位を作成した(以下の表1で"pF3A(TA)"と称する)。次いで、以下の2つのカセットをNheI及びSgfI制限部位の間に挿入した:[FRB-AscI制限部位-GGGGSGGGGSリンカー]及び[FKBP-AscI制限部位-GGGGSGGGGSリンカー]。FRB構築物のSgfI及びPmeI制限部位の間に、以下のレポーターフラグメントを挿入した:HTv7(アミノ酸1〜78)、HTv7(アミノ酸1〜98)、hRL(アミノ酸1〜91)及びhRL(アミノ酸1〜111)。FKBP構築物のSgfI及びPmeI制限部位の間に、以下のレポーターフラグメントを挿入した:HTv7(アミノ酸79〜297)、HTv7(アミノ酸99〜297)、hRL(アミノ酸92〜311)及びhRL(アミノ酸112〜311)。加えて、pF3AベクターのSgfI及びPmeI制限部位の間に、HTv7(アミノ酸1〜297)及びhRL(アミノ酸1〜311)のコード領域全体を挿入した。表1に構築物のリストを示す。
TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いて、タンパク質を同時発現させた(又は、完全長HT及びレニラルシフェラーゼタンパク質、対照としてのみのFRB-N末端又はFKBP-C末端フラグメントを単独で発現させた)。製造業者のプロトコルに従って、FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLの有り無しで、1μMラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、得られた非FluoroTect標識溶解物5μLを、HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)1μMと共に、室温、暗所で2.5時間インキュベートした。次いで、全溶解物(FluoroTectの有り無しで、ラパマイシンの有り無しで)5μLを、RNase ONE Ribonuclease(Promega社)5〜10Uと共に室温で15分間インキュベートした。次いで、この溶解物に1X LDSローディングダイ(Invitrogen社)、60μM DTT及び水と混合し、全量を20μLにした。次いで、4〜12%Bis-Tris SDS PAGEゲル(Invitrogen社)で試料をサイズ分画した。
レニラルシフェラーゼ活性アッセイのために、溶解物10μL(ラパマイシンの有り無しで)を2X HEPES/チオ尿素で1:1に希釈し、96ウェルプレートウェルに3連で5μL入れた。注射器でレニラルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega社;R-LAR)100μLを添加し、発光を測定した。
結果
図9A及び9Bは、分割部位H78/H79及びH98/H99でのHTv7のN末端及びC末端レポーター部分が、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図9A、レーン2及び3;図9B、レーン3)。加えて、分割部位R91/H79及びR111/H99でのN末端hRLフラグメント+C末端HTv7フラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図9A、レーン7及び図9B、レーン7)。
図9A及び9Bは、分割部位H78/H79及びH98/H99でのHTv7のN末端及びC末端レポーター部分が、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図9A、レーン2及び3;図9B、レーン3)。加えて、分割部位R91/H79及びR111/H99でのN末端hRLフラグメント+C末端HTv7フラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図9A、レーン7及び図9B、レーン7)。
レニラルシフェラーゼアッセイの結果を図10A及び10Bに示す。FRB-R111+FKBP-R112の組み合わせを除けば、PCA構築物+ラパマイシンのいずれも有意のレニラルシフェラーゼ活性をもたらさなかった。この組み合わせは、無ラパマイシンと比較して、+ラパマイシンで5.3倍強いレニラルシフェラーゼ活性を示した。
N末端レポーターフラグメント-FRB+FKBP-C末端レポーターフラグメント配向における、HTv7及びヒト化レニラルシフェラーゼ(hRL)でのタンパク質相補性
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。"挿入様"配向を試験するために、N末端レポーターフラグメント-FRBという配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いてさらなる融合タンパク質の組を作成した。次いで、SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FRB]。以下のN末端レポーターフラグメントを挿入した:HTv7(アミノ酸1〜78)、HTv7(アミノ酸1〜98)、hRL(アミノ酸1〜91)及びhRL(アミノ酸1〜111)。表2に構築物のリストを示す。
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。"挿入様"配向を試験するために、N末端レポーターフラグメント-FRBという配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いてさらなる融合タンパク質の組を作成した。次いで、SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FRB]。以下のN末端レポーターフラグメントを挿入した:HTv7(アミノ酸1〜78)、HTv7(アミノ酸1〜98)、hRL(アミノ酸1〜91)及びhRL(アミノ酸1〜111)。表2に構築物のリストを示す。
TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いて、タンパク質を同時発現させた(又は、完全長HaloTag及びレニラルシフェラーゼタンパク質、を単独で発現させた)。製造業者のプロトコルに従って、FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLの有り無しで、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、1μMラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、得られた溶解物20μL(FluoroTectの有り無しで)を室温で15分間インキュベートした。次いで、非FluoroTect標識溶解物5μLを、1μM HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)と共に、氷上、暗所で約45分間インキュベートした。次いで、FluoroTect標識溶解物(ラパマイシンの有り無しで)5μLを、RNase ONE Ribonuclease(Promega社)5〜10Uと共に、室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解物を1X LDSローディングダイ(Invitrogen社)及び水と混合して全量を20μLとした。次いで、4〜20%ビス-HCl SDS PAGEゲル(Bio-Rad社)で試料をサイズ分画した。
レニラ活性アッセイのために、溶解物10μL(ラパマイシンの有り無しで)を2X HEPES/チオ尿素で1:1に希釈し、96ウェルプレートウェルに3連で5μL入れた。注射器でレニラルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega社;R-LAR)100μLを添加し、発光を測定した。
結果
図12は、"挿入様"配向における分割部位H78/H79及びH98/H99でのHTv7のN末端及びC末端フラグメントが、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図12、レーン2及び3)。加えて、"挿入様"配向における分割部位R91/H79及びR111/H99でのN末端hRLレポーターフラグメント+C末端HTv7レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図12、レーン9及び10)。R91/H79の組み合わせで少量のラパマイシン非依存性標識が認められる(図12、レーン9)。
図12は、"挿入様"配向における分割部位H78/H79及びH98/H99でのHTv7のN末端及びC末端フラグメントが、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図12、レーン2及び3)。加えて、"挿入様"配向における分割部位R91/H79及びR111/H99でのN末端hRLレポーターフラグメント+C末端HTv7レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図12、レーン9及び10)。R91/H79の組み合わせで少量のラパマイシン非依存性標識が認められる(図12、レーン9)。
R91-FRB+FKBP-R92及びR111-FRB+FKBP-R112の組み合わせを除けば、PCA構築物+ラパマイシンのいずれも有意のレニラルシフェラーゼ活性をもたらさなかった。これらの組み合わせは、それぞれ、無ラパマイシンと比較して、+ラパマイシンで8.6倍及び81倍強いレニラルシフェラーゼ活性を示した(図13)。
C末端フラグメント-FKBP+FRB-N末端フラグメント配向における、HTv7及びヒト化レニラルシフェラーゼ(hRL)でのタンパク質相補性
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。"CP様"配向を試験するために、C末端レポーターフラグメント-FKBPという配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いてさらなる融合タンパク質の組を作成した。SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[Met-C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FKBP]。以下のC末端レポーターフラグメントを挿入した:HTv7(Met-アミノ酸79〜297)、HTv7(Met-アミノ酸99〜297)、hRL(Met-アミノ酸92〜311)及びhRL(Met-アミノ酸112-311)。表3に構築物のリストを示す。
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。"CP様"配向を試験するために、C末端レポーターフラグメント-FKBPという配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いてさらなる融合タンパク質の組を作成した。SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[Met-C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FKBP]。以下のC末端レポーターフラグメントを挿入した:HTv7(Met-アミノ酸79〜297)、HTv7(Met-アミノ酸99〜297)、hRL(Met-アミノ酸92〜311)及びhRL(Met-アミノ酸112-311)。表3に構築物のリストを示す。
TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いて、タンパク質を同時発現させた(又は完全長HaloTag及びレニラタンパク質を単独で発現させた)。FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLの有り無しで、1μMラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、1μMラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、得られた溶解物20μL(FluoroTectの有り無しで)を室温で15分間インキュベートした。次いで、非FluoroTect標識溶解物5μLを、1μM HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)と共に、氷上、暗所で約45分間インキュベートした。次いで、FluoroTect標識溶解物(ラパマイシンの有り無しで)5μLを、RNase ONE Ribonuclease(Promega社)5〜10Uと共に室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解物を1X LDSローディングダイ(Invitrogen社)及び水と混合し、全量を20μLにした。次いで、4〜20%ビス-HCl SDS PAGEゲル(Bio-Rad社)で試料をサイズ分画した。
レニラルシフェラーゼ活性アッセイのために、溶解物(ラパマイシンの有り無しで)10μLを2X HEPES/チオ尿素で1:1に希釈し、96ウェルプレートウェルに3連で5μL入れた。注射器でレニラルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega社;R-LAR)100μLを添加し、発光を測定した。
結果
図14は、"CP様"配向における分割部位H79/H78及びH99/H98でのHTv7のN末端及びC末端レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図14、レーン2及び3)。加えて、"CP様"配向における分割部位H79/R91及びH99/R111でのN末端hRLレポーターフラグメント+C末端HTv7レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図14、レーン7及び8)。H79/R91の組み合わせで、少量のラパマイシン非依存性標識が認められる(図14、レーン7)。
図14は、"CP様"配向における分割部位H79/H78及びH99/H98でのHTv7のN末端及びC末端レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図14、レーン2及び3)。加えて、"CP様"配向における分割部位H79/R91及びH99/R111でのN末端hRLレポーターフラグメント+C末端HTv7レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図14、レーン7及び8)。H79/R91の組み合わせで、少量のラパマイシン非依存性標識が認められる(図14、レーン7)。
レニラルシフェラーゼ活性の結果を図15に示す。R92-FKBP+FRB-R91及びR111-FKBP+FRB-R112の組み合わせを除けば、PCA構築物+ラパマイシンのいずれも有意のレニラルシフェラーゼ活性をもたらさなかった。これらの組み合わせは、それぞれ、無ラパマイシンと比較して、+ラパマイシンで134倍及び46倍強いレニラルシフェラーゼ活性を示した(図15)。
末端レポーターフラグメント-FRB+FKBP-C末端レポーターフラグメント及びC末端レポーターフラグメント-FKBP+FRB-N末端レポーターフラグメントの両配向における、HTv7及び安定化レニラルシフェラーゼ(Rluc8)でのタンパク質相補性
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。この実施例のために、安定化レニラルシフェラーゼ(Rluc8、A55T、C124A、S130A、K136R、A143M、M185V、M253L及びS287L;Loeningら(2006年))を用いた。“挿入様”配向を試験するために、N末端レポーターフラグメント-FRBという配向で、pF3Aベクター(Promega社)を用いて2つの融合タンパク質を作成した。次いで、SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FRB]。以下のN末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(アミノ酸1〜91)及びRluc8(アミノ酸1〜111)。“CP様”配向を試験するために、C末端レポーターフラグメント-FKBPという配向で、pF3Aベクター(Promega社)を用いて、2つの融合タンパク質を作成した。SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[Met-C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FKBP]。以下のC末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(Met-アミノ酸92〜311)及びRluc8(Met-アミノ酸112〜311)。pF3Kベクター(Promega社)のSgfI及びPmeI制限部位の間にRluc8の完全長アミノ酸配列もまた挿入した。表4に構築物のリストを示す。
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いてPCAを行った。この実施例のために、安定化レニラルシフェラーゼ(Rluc8、A55T、C124A、S130A、K136R、A143M、M185V、M253L及びS287L;Loeningら(2006年))を用いた。“挿入様”配向を試験するために、N末端レポーターフラグメント-FRBという配向で、pF3Aベクター(Promega社)を用いて2つの融合タンパク質を作成した。次いで、SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FRB]。以下のN末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(アミノ酸1〜91)及びRluc8(アミノ酸1〜111)。“CP様”配向を試験するために、C末端レポーターフラグメント-FKBPという配向で、pF3Aベクター(Promega社)を用いて、2つの融合タンパク質を作成した。SgfI及びPmeI制限部位の間に以下のカセットを挿入した:[Met-C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FKBP]。以下のC末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(Met-アミノ酸92〜311)及びRluc8(Met-アミノ酸112〜311)。pF3Kベクター(Promega社)のSgfI及びPmeI制限部位の間にRluc8の完全長アミノ酸配列もまた挿入した。表4に構築物のリストを示す。
TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いてタンパク質を同時発現させた(又は完全長HaloTag及びレニラタンパク質を単独で発現させた)。製造業者のプロトコルに従って、FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLの有り無しで、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、1μMラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、得られた溶解物20μL(FluoroTectの有り無しで)を室温で15分間インキュベートした。次いで、非FluoroTect標識溶解物5μLを、1μM HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)と共に、氷上、暗所で約45分間インキュベートした。次いで、FluoroTect標識溶解物(ラパマイシンの有り無しで)5μLを、RNase ONE Ribonuclease(Promega社)5〜10Uと共に、室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解物を1X LDSローディングダイ(Invitrogen社)及び水と混合して全量を20μLとした。次いで、4〜20%ビス-HCl SDS PAGEゲル(Bio-Rad社;図16)で試料をサイズ分画した。
レニラルシフェラーゼ活性アッセイのために、溶解物10μL(ラパマイシンの有り無しで)を2X HEPES/チオ尿素で1:1に希釈し、96ウェルプレートウェルに3連で5μL入れた。注射器でレニラルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega社;R-LAR)100μLを添加し、発光を測定した。
結果
図16は、分割部位H78/H79及びH98/H99でのHTv7のN及びC末端レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図16、レーン2及び3)。加えて、"挿入様"配向における分割部位Rluc8(91)/H79及びRluc8(111)/H99でのN末端Rluc8レポーターフラグメント+the C末端HTv7レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図16、レーン6及び7)。Rluc8(91)/H79の組み合わせで少量のラパマイシン非依存性標識が認められる(図16、レーン6)。
図16は、分割部位H78/H79及びH98/H99でのHTv7のN及びC末端レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。少量のラパマイシン非依存性標識活性もまた認められる(図16、レーン2及び3)。加えて、"挿入様"配向における分割部位Rluc8(91)/H79及びRluc8(111)/H99でのN末端Rluc8レポーターフラグメント+the C末端HTv7レポーターフラグメントは、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できる(図16、レーン6及び7)。Rluc8(91)/H79の組み合わせで少量のラパマイシン非依存性標識が認められる(図16、レーン6)。
Rluc8(91)-FRB+Rluc8(92)-FKBP及びRluc8(111)-FRB+Rluc8(112)-FKBPの組み合わせを除けば、PCA構築物+ラパマイシンのいずれも有意のレニラルシフェラーゼ活性をもたらさなかった。これらの組み合わせは、それぞれ、無ラパマイシンと比較して+ラパマイシンで4.0倍及び17.0倍強いレニラルシフェラーゼ活性を示した(図17)。
N末端レポーターフラグメント-FRB+FKBP-C末端レポーターフラグメント及びC末端レポーターフラグメント-FKBP+FRB-N末端レポーターフラグメント配向の両方における、レニラルシフェラーゼ/HTv7ハイブリッド及びヒト化レニラルシフェラーゼでのタンパク質相補性
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いるPCAを行った。本実施例のために、HTv7N末端フラグメントにレニラルシフェラーゼの最初の13アミノ酸を付加させ、次いでそのハイブリッドタンパク質をFRB又はFKBPのいずれかに融合させ、次いでFRB又はFKBPに融合させたヒト化レニラルシフェラーゼC末端と共にFRB/FKBPモデル系に用い、レニラルシフェラーゼ活性を測定した。“挿入様”配向を試験するために、N末端レポーターフラグメント-FRBの配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いて2つの融合タンパク質を作成した。次いで、以下のカセットをSgfI及びPmeI制限部位の間に挿入した:[C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FRB]。以下のN末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(アミノ酸1〜91)及びRluc8(アミノ酸1〜111)。“CP様”配向を試験するために、C末端レポーターフラグメント-FKBP配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いて2つの融合タンパク質を作成した。以下のカセットをSgfI及びPmeI制限部位の間に挿入した:[Met-C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FKBP]。以下のC末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(Met-アミノ酸92〜311)及びRluc8(Met-アミノ酸112〜311)。Rluc8の完全長アミノ酸配列もまた、pF3Kベクター(Promega社)のSgfI及びPmeI制限部位の間に挿入した。表5に構築物のリストを示す。
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系を用いるPCAを行った。本実施例のために、HTv7N末端フラグメントにレニラルシフェラーゼの最初の13アミノ酸を付加させ、次いでそのハイブリッドタンパク質をFRB又はFKBPのいずれかに融合させ、次いでFRB又はFKBPに融合させたヒト化レニラルシフェラーゼC末端と共にFRB/FKBPモデル系に用い、レニラルシフェラーゼ活性を測定した。“挿入様”配向を試験するために、N末端レポーターフラグメント-FRBの配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いて2つの融合タンパク質を作成した。次いで、以下のカセットをSgfI及びPmeI制限部位の間に挿入した:[C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FRB]。以下のN末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(アミノ酸1〜91)及びRluc8(アミノ酸1〜111)。“CP様”配向を試験するために、C末端レポーターフラグメント-FKBP配向でpF3Aベクター(Promega社)を用いて2つの融合タンパク質を作成した。以下のカセットをSgfI及びPmeI制限部位の間に挿入した:[Met-C末端レポーターフラグメント-GGSSGGGSGGリンカー(SacI制限部位を含む)-FKBP]。以下のC末端レポーターフラグメントを挿入した:Rluc8(Met-アミノ酸92〜311)及びRluc8(Met-アミノ酸112〜311)。Rluc8の完全長アミノ酸配列もまた、pF3Kベクター(Promega社)のSgfI及びPmeI制限部位の間に挿入した。表5に構築物のリストを示す。
TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いて、タンパク質を同時発現させた(又は、完全長HaloTag及びレニラルシフェラーゼタンパク質を単独で発現させた)。製造業者のプロトコルに従って、FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLを用い、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、1μMラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、得られた溶解物20μLを室温で15分間インキュベートした。次いで、FluoroTect標識溶解物(ラパマイシンの有り無しで)5μLを、1μM HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)と共に、室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解物を1X LDSローディングダイ(Invitrogen社)及び水と混合し、全量を20μLにした。次いで、4〜20%ビス-HCl SDS PAGEゲル(Bio-Rad社;図18)で試料をサイズ分画した。
レニラルシフェラーゼ活性アッセイのために、溶解物(ラパマイシンの有り無しで)10μLを2X HEPES/チオ尿素で1:1に希釈し、96ウェルプレートウェルに5μLを3連で入れた。注射器でレニラルシフェラーゼアッセイ試薬(Promega社;R-LAR)100μLを添加し、発光を測定した。
結果
図18は、N及びC末端レポーターフラグメントが発現されたことを示す。R91-FRB+FKBP-R92、R111-FRB+FKBP-R112、R92-FKBP+FRB-R91及びR112-FKBP+FRB-R111の組み合わせを除けば、PCA構築物+ラパマイシンのいずれも、有意のレニラルシフェラーゼ活性をもたらさなかった。これらの組み合わせは、それぞれ、無ラパマイシンと比較して、+ラパマイシンでは、13.5倍、114倍、10.4倍及び51倍強いレニラルシフェラーゼ活性を示した(図19)。
図18は、N及びC末端レポーターフラグメントが発現されたことを示す。R91-FRB+FKBP-R92、R111-FRB+FKBP-R112、R92-FKBP+FRB-R91及びR112-FKBP+FRB-R111の組み合わせを除けば、PCA構築物+ラパマイシンのいずれも、有意のレニラルシフェラーゼ活性をもたらさなかった。これらの組み合わせは、それぞれ、無ラパマイシンと比較して、+ラパマイシンでは、13.5倍、114倍、10.4倍及び51倍強いレニラルシフェラーゼ活性を示した(図19)。
N末端レポーターフラグメント-FRB+FKBP-C末端レポーターフラグメント及びC末端レポーターフラグメント-FKBP+FRB-N末端レポーターフラグメントの配向の両方における、HaloTag(バージョン7)及びヒト化レニラルシフェラーゼ又は安定化レニラルシフェラーゼ(Rluc8)でのタンパク質相補性パーセントの測定
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系及び上で記述した構築物を用いるPCAを行った。表6に本実施例に用いた構築物のリストを示す。
材料及び方法
ラパマイシン依存FRB/FKBPモデル系及び上で記述した構築物を用いるPCAを行った。表6に本実施例に用いた構築物のリストを示す。
TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いて、タンパク質を同時発現させた(又は、完全長HaloTagを単独で発現させた)。製造業者のプロトコルに従って、FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLを用い、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、5μL(1uM)ラパマイシン(BioMol社)の有り無しで、得られた溶解物10μLを室温で15分間インキュベートした。次いで、非FluoroTect標識溶解物11μLを、5μL(1μM)HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)と共に室温、暗所で15分間インキュベートした。次いで、FluoroTect標識溶解物(ラパマイシンの有り無しで)11μLを、RNase ONE Ribonuclease(Promega社)1:5希釈(5〜10U)5μLと共に室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解物を4X(1X final)LDSローディングダイ(Invitrogen社)5μLと混合して全量を20μLにした。次いで、4〜20%ビス-HCl SDS PAGEゲル(Bio-Rad社;図20)で試料をサイズ分画した。
結果
図20は、N及びC末端レポーターフラグメントのすべてが、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることと示している。大部分が、少量のラパマイシン非依存性標識活性を有していた。SDS-PAGE像上のTMR標識産物の量を、ImageQuant(Molecular Dynamics社)を用いて定量し、容量に減算による補正(無DNA試料)を行い、FL HTv7で正規化した(図21参照)。
図20は、N及びC末端レポーターフラグメントのすべてが、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることと示している。大部分が、少量のラパマイシン非依存性標識活性を有していた。SDS-PAGE像上のTMR標識産物の量を、ImageQuant(Molecular Dynamics社)を用いて定量し、容量に減算による補正(無DNA試料)を行い、FL HTv7で正規化した(図21参照)。
図21に示した結果に基づいて、FL HTv7及び2つのHTv7N末端+HTv7C末端対照に加えて、最良の4つのレニラルシフェラーゼN末端+HTv7C末端対を選択した。実験を繰り返し、以下のずれがあった。TnT Sp6High-Yield Protein Expression System(Promega社)を用いて、タンパク質を単独で発現させ、ラパマイシン非依存性標識を低下させた。製造業者のプロトコルに従って、FluoroTect GreenLys in vitro Translation labeling System(Promega社)2μLの有り無しで、マスターミックスと共に、反応液50μL中、25℃で2時間全DNA2μgをインキュベートした。次いで、得られた溶解物(FluoroTectの有り無しで)10μLを、5μL(1μM)ラパマイシン(BioMol)の有り無しで、室温で15分間インキュベートした。次いで、得られた非FluoroTect標識溶解物11μLを、5μL(1μM)HaloTag(登録商標)TMRリガンド(Promega社)と共に室温、暗所で15分間インキュベートした。次いで、FluoroTect標識溶解物(ラパマイシンの有り無しで)11μLを、RNase ONE Ribonuclease(Promega社)1:5希釈(5〜10U)5μLと共に室温で15分間インキュベートした。次いで、溶解物を4X(1X final)LDSローディングダイ(Invitrogen社)5μLと混合し、全量を20μLにした。次いで、4〜20%ビス-HCl SDS PAGEゲル(Bio-Rad社;図22)で試料をサイズ分画した。
結果
図22は、N及びC末端レポーターフラグメントのすべてが、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。大部分の対は、ラパマイシン非依存性標識活性を示さない。SDS-PAGE像上のTMR標識産物の量を、ImageQuant(Molecular Dynamics社)を用いて定量し、容量に減算による補正(無DNA試料)を行い、FL HTv7で正規化した。図23にデータを示す。+ラパマイシン試料における標識産物の量は、レニラルシフェラーゼN末端+HTv7C末端対に対するFL HTv7の約20〜30%であった。HTv7N末端+HTv7C末端対は、+ラパマイシン試料において有意に多い標識産物を有し、FL HTv7の約75-85%であった。しかしながら、ラパマイシン非依存性バックグラウンドもまた有意に高かった(FL HTv7の約1〜8%に対して約16%)。バックグラウンドの増加は、レニラルシフェラーゼN末端+HTv7C末端及びHTv7N末端+HTv7C末端対に対して、1例を除いて、+/-ラパマイシン間の同様な倍差をもたらした。
図22は、N及びC末端レポーターフラグメントのすべてが、ラパマイシンの存在下で標識活性を再構成できることを示している。大部分の対は、ラパマイシン非依存性標識活性を示さない。SDS-PAGE像上のTMR標識産物の量を、ImageQuant(Molecular Dynamics社)を用いて定量し、容量に減算による補正(無DNA試料)を行い、FL HTv7で正規化した。図23にデータを示す。+ラパマイシン試料における標識産物の量は、レニラルシフェラーゼN末端+HTv7C末端対に対するFL HTv7の約20〜30%であった。HTv7N末端+HTv7C末端対は、+ラパマイシン試料において有意に多い標識産物を有し、FL HTv7の約75-85%であった。しかしながら、ラパマイシン非依存性バックグラウンドもまた有意に高かった(FL HTv7の約1〜8%に対して約16%)。バックグラウンドの増加は、レニラルシフェラーゼN末端+HTv7C末端及びHTv7N末端+HTv7C末端対に対して、1例を除いて、+/-ラパマイシン間の同様な倍差をもたらした。
従って、非特異的タンパク質-タンパク質相互作用が検出又はダイナミックレンジの限定要因である場合、分割されたレニラルシフェラーゼ/HaloTag対は、N末端(同じ)レポーター/C末端(同じ)レポーター対がタンパク質-タンパク質相互作用を検出できなくても、タンパク質-タンパク質相互作用を検出できる。
すべての刊行物、特許及び特許出願は、参照により本願に組み込まれる。本明細書において、特定の好ましい実施形態に関して本発明を説明し、説明のために多くの詳細を記載してきたが、本発明は、さらなる実施形態が可能であり、本明細書に記載の特定の詳細は、本発明の基本原理から逸脱することなく少なからず変えることができることは、当業者には明らかであろう。
Claims (38)
- 複数の発現ベクターであって、
i)レポータータンパク質のフラグメントであって、対応する完全長レポータータンパク質のうち少なくとも50連続アミノ酸残基を有するが、対応する完全長レポータータンパク質よりも少なくとも50少ないアミノ酸残基を有する前記フラグメント及びii)第1異種アミノ酸配列、を含む第1融合タンパク質のためのオープンリーディングフレームに作動可能に連結されたプロモーターを含む第1ポリヌクレオチドを含む第1発現ベクター、並びに
iii)前記レポータータンパク質に対して機能的に異なるタンパク質のフラグメントであって、対応する機能的に異なる完全長タンパク質のうち少なくとも50連続アミノ酸残基を有するが、対応する機能的に異なる完全長タンパク質よりも少なくとも50少ないアミノ酸残基を有する前記フラグメント及びiv)第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質のためのオープンリーディングフレームに作動可能に連結されたプロモーターを含む第2ポリヌクレオチドを含む第2発現ベクター、
を含み、前記レポータータンパク質フラグメントのレポーター活性が、機能的に異なるタンパク質フラグメントの存在下で増加し、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用に依存することを特徴とする複数の発現ベクター。 - 前記レポータータンパク質が、対応する非変異ハロアルカンデハロゲナーゼの基質に安定に結合する変異ハロアルカンデハロゲナーゼであり、前記変異ハロアルカンデハロゲナーゼが、ロドコッカスハロアルカンデハロゲナーゼの残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換を含む、請求項1記載の複数のベクター。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、花虫類ルシフェラーゼ又はモノオキシゲナーゼである、請求項2記載の複数のベクター。
- 前記変異ハロアルカンデハロゲナーゼのフラグメントが、対応する変異完全長ハロアルカンデハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250までの連続アミノ酸を含む、請求項2記載の複数のベクター。
- 前記変異ハロアルカンデハロゲナーゼフラグメントのN末端が、ロドコッカスデハロゲナーゼにおける残基73〜103に相当する領域の残基に相当する、請求項2記載の複数のベクター。
- 前記レポータータンパク質が、生物発光酵素又は加水分解酵素である、請求項1記載の複数のベクター。
- 前記レポータータンパク質が、甲虫ルシフェラーゼであり、機能的に異なるタンパク質が、生物発光しない、請求項1記載の複数のベクター。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、アシルCoAリガーゼ、アシルチオールリガーゼ又は脂肪族アシルCoA合成酵素である、請求項10記載の複数のベクター。
- 前記レポータータンパク質が、オプロフォラスルシフェラーゼであり、機能的に異なるタンパク質が、生物発光しない、請求項1記載の複数のベクター。
- 分子相互作用又は分子相互作用を変えることができる薬剤もしくは条件を検出するアッセイであって、分子ドメインに別々に融合させた機能的に異なるタンパク質のフラグメントであって、前記分子ドメインの相互作用が、前記異なるタンパク質の少なくとも1つの活性の再構成により検出されることを特徴とするアッセイ。
- 機能的に異なるタンパク質が、花虫類ルシフェラーゼ及び変異ハロアルカンデハロゲナーゼであるか、甲虫ルシフェラーゼ及びアシルCoAリガーゼ、アシルチオールリガーゼもしくは脂肪族アシルCoA合成酵素であるか、又はオプロフォラスルシフェラーゼ及び親油性輸送タンパク質、レチノール結合タンパク質、脂肪酸結合タンパク質もしくはFABP様タンパク質ファミリーの非生物発光タンパク質である、請求項10記載のアッセイ。
- 分子相互作用の試験方法であって、
a)第1タンパク質のフラグメント及び第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質を用意する工程、
b)第1タンパク質に対して機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第1異種アミノ酸配列と相互作用するか、相互作用することが推測されるように選択された第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質を用意する工程、
c)第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列とを互いに接触させる工程、
d)第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用の結果として生じる第1タンパク質又は第2タンパク質の活性を試験する工程、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記第1タンパク質が、対応する非変異デハロゲナーゼの基質に安定に結合する変異ハロアルカンデハロゲナーゼであるか、又は生物発光酵素である、請求項12記載の方法。
- 対応する完全長デハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250までの連続アミノ酸残基を有する第1フラグメント及び第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質であって、対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも50、最大150までの連続アミノ酸残基を含む、デハロゲナーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメントの存在下で、デハロゲナーゼフラグメントが、対応する完全長の野生型デハロゲナーゼのデハロゲナーゼ基質に安定に結合することができ、デハロゲナーゼフラグメントのN末端が、修飾に耐性を示す完全長の野生型デハロゲナーゼ配列の残基部位又は領域にあり、デハロゲナーゼフラグメントの配列が、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換であって、完全長変異デハロゲナーゼが、対応する完全長野生型デハロゲナーゼとデハロゲナーゼ基質との間に形成される結合よりも安定なデハロゲナーゼ基質との結合を形成するのを可能にする前記置換を含む完全長変異デハロゲナーゼのフラグメントの配列に相当する前記第1融合タンパク質のオープンリーディングフレームを含む第1ポリヌクレオチドを含む組成物。
- 機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質であって、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、その相互作用が、前記デハロゲナーゼフラグメントとデハロゲナーゼ基質との結合の増加をもたらし、前記機能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端が、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質における残基部位又は領域内にある前記第2融合タンパク質のオープンリーディングフレームを含む第2ポリヌクレオチドを更に含む、請求項14記載の組成物。
- 対応する完全長デハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250までの連続アミノ酸残基を有する第1フラグメント及び第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質であって、対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも50、最大150までの連続アミノ酸残基を含む、デハロゲナーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメントの存在下で、デハロゲナーゼフラグメントが、対応する完全長野生型デハロゲナーゼのデハロゲナーゼ基質に安定に結合することができ、デハロゲナーゼフラグメントのN末端が、修飾に耐性を示す完全長野生型デハロゲナーゼ配列の残基部位又は領域にあり、デハロゲナーゼフラグメントの配列が、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換であって、完全長デハロゲナーゼ変異体が、対応する完全長野生型デハロゲナーゼとデハロゲナーゼ基質との間に形成される結合よりも安定なデハロゲナーゼ基質との結合を形成するのを可能にする前記置換を含む完全長デハロゲナーゼ変異体のフラグメントの配列に相当する前記第1融合タンパク質を含む組成物。
- 機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質であって、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、その相互作用がデハロゲナーゼフラグメントとデハロゲナーゼ基質との結合の増加をもたらし、機能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端が、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質における残基部位又は領域内にある前記第2融合タンパク質を更に含む、請求項16記載の組成物。
- 機能的に異なるタンパク質の、修飾に耐性を示す領域が、レニラルシフェラーゼの残基64〜74、残基86〜116又は残基146〜156に相当する、請求項15又は17記載の組成物。
- 前記デハロゲナーゼの、修飾に耐性を示す領域が、ロドコッカスデハロゲナーゼの残基73〜83、残基93〜103又は残基204〜214に相当する、請求項14又は16記載の組成物。
- 請求項14記載の組成物における第1ポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項15記載の組成物における第2ポリヌクレオチドを含むベクター。
- 請求項14〜16のいずれか1つに記載の組成物を含む宿主細胞。
- 対応する完全長デハロゲナーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250までの連続アミノ酸残基を有する第1フラグメント及び第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質であって、デハロゲナーゼフラグメントのN末端が、修飾に耐性を示す完全長野生型デハロゲナーゼ配列の残基部位又は領域にあり、ロドコッカス・ロドクラウスデハロゲナーゼのアミノ酸残基106又は272に相当するアミノ酸残基部位での少なくとも1つのアミノ酸置換であって、完全長変異デハロゲナーゼが、対応する完全長野生型デハロゲナーゼとデハロゲナーゼ基質との間に形成される結合よりも安定なデハロゲナーゼ基質との結合を形成するのを可能にする前記置換をデハロゲナーゼフラグメントの配列が含む完全長変異デハロゲナーゼのフラグメントの配列に相当する前記第1融合タンパク質のオープンリーディングフレームに作動可能に連結された第1プロモーターを含む第1発現ベクター;並びに
対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも50、最大150までの連続アミノ酸残基を含む、デハロゲナーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質であって、機能的に異なるタンパク質フラグメントのC末端が、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質の残基部位又は領域にあり、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、その相互作用がデハロゲナーゼフラグメントとデハロゲナーゼ基質との結合の増加をもたらす前記第2融合タンパク質のオープンリーディングフレームに作動可能に連結された第2プロモーターを含む第2発現ベクター、
を含むことを特徴とする複数の発現ベクター。 - 前記変異デハロゲナーゼが、対応する完全長野生型デハロゲナーゼに対して少なくとも2つのアミノ酸置換を含み、第2置換が完全長野生型デハロゲナーゼの活性部位空洞内のアミノ酸残基部位にある、請求項23記載の複数のベクター。
- 試料中で2つのタンパク質の相互作用を検出する方法であって、
a)第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との結合を可能にするのに有効な条件下で、請求項23記載の複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、この細胞の溶解物又は請求項23記載の複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物及び少なくとも1つの官能基を有するデハロゲナーゼ基質を有する試料を用意する工程、
b)前記試料中で、デハロゲナーゼフラグメントに結合している少なくとも1つの官能基の存在、量又は位置を検出し、それによって2つの異種配列が相互作用するかどうかを検出する工程、
を含むことを特徴とする方法。 - 2つのタンパク質の相互作用を変える薬剤を検出する方法であって、
a)第1異種配列と第2異種配列との結合を可能にするのに有効な条件下で、請求項23記載の複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、その溶解物又は請求項23記載の複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物、少なくとも1つの官能基を有するデハロゲナーゼ基質及び薬剤を有する試料であって、この薬剤が第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用を変えることが推測される前記試料を用意する工程、
b)前記試料中で、薬剤を含まない試料と比較して、デハロゲナーゼフラグメントに結合している少なくとも1つの官能基の存在又は量を検出する工程、
を含むことを特徴とする方法。 - 2つのタンパク質の相互作用を変える条件を検出する方法であって、
a)試料を条件にさらす工程であって、請求項23記載の複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現する細胞、その溶解物又は請求項23記載の複数のベクターによりコードされる融合タンパク質を発現するin vitro転写/翻訳反応物を含む前記試料を用意する工程、
b)少なくとも1つの官能基を有するデハロゲナーゼ基質を試料に加える工程、
c)前記試料中で、条件にさらさない試料と比較して、デハロゲナーゼフラグメントに結合している少なくとも1つの官能基の存在又は量を検出する工程、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記試料を薬剤に接触させるか、又は第1及び/又は第2異種アミノ酸配列の立体配座を変える条件に試料をさらすことを更に含む、請求項25記載の方法。
- i)対応する完全長花虫類ルシフェラーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大250までの連続アミノ酸残基を含む花虫類ルシフェラーゼの第1フラグメント、対応する完全長甲虫ルシフェラーゼのC末端部分からの少なくとも50、最大450連続アミノ酸残基を含む甲虫ルシフェラーゼの第1フラグメント又は対応する完全長十脚類ルシフェラーゼのC末端の少なくとも40、最大150までの連続アミノ酸残基を含む十脚類ルシフェラーゼの第1フラグメントであって、花虫類ルシフェラーゼ、甲虫ルシフェラーゼ又は十脚類ルシフェラーゼフラグメントのN末端が、修飾に耐性を示す、完全長野生型花虫類ルシフェラーゼ、甲虫ルシフェラーゼ又は十脚類ルシフェラーゼ配列の残基部位又は領域にある前記フラグメント及びii)第2異種アミノ酸配列と直接又は間接に相互作用する第1異種アミノ酸配列を含む第1融合タンパク質のオープンリーディングフレームを含む第1ポリヌクレオチド、並びに
対応する機能的に異なる完全長タンパク質のN末端部分からの少なくとも40、最大250までの連続アミノ酸残基を含むルシフェラーゼに対して機能的に異なるタンパク質のフラグメント及び第2異種アミノ酸配列を含む第2融合タンパク質であって、機能的に異なるタンパク質のC末端が、修飾に耐性を示す、機能的に異なる完全長タンパク質の残基部位又は領域にあり、第1異種アミノ酸配列と第2異種アミノ酸配列との相互作用が検出でき、その相互作用がルシフェラーゼ活性の増加をもたらす前記第2融合タンパク質のオープンリーディングフレームを含む第2ポリヌクレオチド、
を含むことを特徴とする組成物。 - 前記甲虫ルシフェラーゼにおける修飾に耐性を示す領域が、ホタルルシフェラーゼの残基102〜126、残基139〜165、残基203〜193、残基220〜247、残基262〜273、残基303〜313、残基353〜408又は残基485〜495に相当する領域にある、請求項29記載の組成物。
- 前記第1フラグメントが、ホタルルシフェラーゼフラグメントである、請求項30記載の組成物。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、生物発光タンパク質ではない、請求項31記載の組成物。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、脂肪族アシルCoA合成酵素である、請求項32記載の組成物。
- 前記花虫類ルシフェラーゼにおける修飾に耐性を示す領域が、レニラルシフェラーゼの残基64〜74、残基86〜116又は残基146〜156に相当するか、又は十脚類ルシフェラーゼにおける修飾に耐性を示す領域が、オプロフォラスルシフェラーゼの残基45〜55又は残基79〜89に相当する、請求項29記載の組成物。
- 前記第1フラグメントが、オプロフォラスルシフェラーゼフラグメントである、請求項34記載の組成物。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、生物発光タンパク質ではない、請求項35記載の組成物。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、デハロゲナーゼである、請求項36記載の組成物。
- 前記機能的に異なるタンパク質が、親油性輸送タンパク質、レチノール結合タンパク質又は脂肪酸結合タンパク質である、請求項78記載の組成物。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US98558507P | 2007-11-05 | 2007-11-05 | |
PCT/US2008/012492 WO2009061413A2 (en) | 2007-11-05 | 2008-11-05 | Hybrid fusion reporter and uses thereof |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011502509A true JP2011502509A (ja) | 2011-01-27 |
Family
ID=40469849
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010533089A Ceased JP2011502509A (ja) | 2007-11-05 | 2008-11-05 | ハイブリッド融合レポーター及びその使用 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20090253131A1 (ja) |
EP (1) | EP2215227A2 (ja) |
JP (1) | JP2011502509A (ja) |
CN (1) | CN101849005A (ja) |
WO (1) | WO2009061413A2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160051180A (ko) * | 2014-10-31 | 2016-05-11 | 삼성바이오에피스 주식회사 | 지방산 결합 단백질 과발현에 의한 재조합 폴리펩타이드의 생산 |
Families Citing this family (28)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2308978B8 (en) * | 2003-10-10 | 2015-04-08 | Promega Corporation | Luciferase biosensor |
EP2004813B1 (en) | 2006-04-03 | 2015-06-03 | Promega Corporation | Permuted and nonpermuted luciferase biosensors binding cyclic nucleotides |
ATE542903T1 (de) * | 2008-05-19 | 2012-02-15 | Promega Corp | Luciferase-biosensoren für camp |
JP6038649B2 (ja) | 2009-05-01 | 2016-12-07 | プロメガ コーポレイションPromega Corporation | 増大した光出力を有する合成オプロフォルスルシフェラーゼ |
US8741591B2 (en) | 2009-10-09 | 2014-06-03 | The Research Foundation For The State University Of New York | pH-insensitive glucose indicator protein |
EP2990479B1 (en) | 2010-05-11 | 2019-03-27 | Promega Corporation | Mutant protease biosensors with enhanced detection characteristics |
US9290794B2 (en) | 2010-05-11 | 2016-03-22 | Promega Corporation | Mutant protease biosensors with enhanced detection characteristics |
CN101982778B (zh) * | 2010-09-17 | 2014-02-19 | 中国人民解放军军事医学科学院野战输血研究所 | 一种定量分析蛋白质间相互作用的方法及其应用 |
CA2817102C (en) | 2010-11-02 | 2020-07-28 | Promega Corporation | Oplophorus-derived luciferases, novel coelenterazine substrates, and methods of use |
PL2635583T3 (pl) | 2010-11-02 | 2015-11-30 | Promega Corp | Pochodne koelenterazyny i metody ich wykorzystania |
US10634668B2 (en) * | 2012-09-13 | 2020-04-28 | Takara Bio Usa, Inc. | Modifiable chemical inducers of proximity and methods of using the same |
DK2932267T3 (da) * | 2012-12-12 | 2020-07-20 | Promega Corp | Genkendelse af binding af cellulært mål ved hjælp af et bioaktivt stof under anvendelse af intracellulær bioluminescensresonans-energioverførsel |
CN103224950B (zh) * | 2013-05-16 | 2014-10-15 | 安徽农业大学 | 一种黄曲霉菌遗传转化表达载体的构建方法 |
EP3099691B1 (en) | 2014-01-29 | 2019-11-20 | Promega Corporation | Pro-substrates for live cell applications |
JP6703484B2 (ja) | 2014-01-29 | 2020-06-03 | プロメガ コーポレイションPromega Corporation | 細胞による取り込み測定のための、標識用試薬としての、キノンでマスクされたプローブ |
GB201509782D0 (en) * | 2015-06-05 | 2015-07-22 | Isis Innovation | Methods and products for fusion protein synthesis |
CN105296517B (zh) * | 2015-11-05 | 2018-12-28 | 盘古基因生物工程(南京)股份有限公司 | 一种伴侣样蛋白的融合蛋白表达载体 |
CN105543262B (zh) * | 2015-12-22 | 2018-11-23 | 盘古基因生物工程(南京)股份有限公司 | 一种人类金属硫蛋白-3融合蛋白表达载体 |
CN105385704B (zh) * | 2015-12-22 | 2018-11-23 | 盘古基因生物工程(南京)股份有限公司 | 一种人类金属硫蛋白-1融合蛋白表达载体 |
CN105483150B (zh) * | 2015-12-22 | 2018-11-23 | 盘古基因生物工程(南京)股份有限公司 | 一种人类金属硫蛋白-2a融合蛋白表达载体 |
CN105441472B (zh) * | 2015-12-22 | 2018-11-23 | 盘古基因生物工程(南京)股份有限公司 | 一种人类金属硫蛋白-4融合蛋白表达载体 |
AU2017268272C1 (en) * | 2016-05-16 | 2022-05-05 | The Board Of Regents Of The University Of Texas System | Compositions for the delivery of tRNA as nanoparticles and methods of use therewith |
US10316070B2 (en) | 2016-09-09 | 2019-06-11 | Promega Corporation | Dual protected pro-coelenterazine substrates |
WO2019133976A1 (en) * | 2017-12-29 | 2019-07-04 | Howard Hughes Medical Institute | Chemigenetic calcium indicators |
JP2022526907A (ja) | 2019-03-20 | 2022-05-27 | プロメガ コーポレイション | 光親和性プローブ |
US20240132859A1 (en) | 2022-05-04 | 2024-04-25 | Promega Corporation | Modified dehalogenase with extended surface loop regions |
WO2023215497A1 (en) | 2022-05-04 | 2023-11-09 | Promega Corporation | Photoactivatable compounds and uses thereof |
US20240174992A1 (en) | 2022-05-04 | 2024-05-30 | Promega Corporation | Split modified dehalogenase variants |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000007038A2 (en) * | 1998-07-30 | 2000-02-10 | Universite De Montreal | Protein fragment complementation assays |
EP2004813B1 (en) * | 2006-04-03 | 2015-06-03 | Promega Corporation | Permuted and nonpermuted luciferase biosensors binding cyclic nucleotides |
-
2008
- 2008-11-05 JP JP2010533089A patent/JP2011502509A/ja not_active Ceased
- 2008-11-05 US US12/265,558 patent/US20090253131A1/en not_active Abandoned
- 2008-11-05 CN CN200880115199A patent/CN101849005A/zh active Pending
- 2008-11-05 EP EP08847402A patent/EP2215227A2/en not_active Withdrawn
- 2008-11-05 WO PCT/US2008/012492 patent/WO2009061413A2/en active Application Filing
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160051180A (ko) * | 2014-10-31 | 2016-05-11 | 삼성바이오에피스 주식회사 | 지방산 결합 단백질 과발현에 의한 재조합 폴리펩타이드의 생산 |
KR102287725B1 (ko) | 2014-10-31 | 2021-08-06 | 삼성바이오에피스 주식회사 | 지방산 결합 단백질 과발현에 의한 재조합 폴리펩타이드의 생산 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP2215227A2 (en) | 2010-08-11 |
US20090253131A1 (en) | 2009-10-08 |
WO2009061413A3 (en) | 2009-06-25 |
CN101849005A (zh) | 2010-09-29 |
WO2009061413A2 (en) | 2009-05-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2011502509A (ja) | ハイブリッド融合レポーター及びその使用 | |
US10246690B2 (en) | Mutant hydrolase proteins with enhanced kinetics and functional expression | |
JP5214244B2 (ja) | タンパク質およびその基質への、共有結合による機能性基の係留 | |
JP7280842B2 (ja) | 構造的相補性による生物発光の活性化 | |
JP4748685B2 (ja) | タンパク質に対する官能基の共有結合的テザリング | |
US20100273186A1 (en) | Split mutant hydrolase fusion reporter and uses thereof | |
JP5758768B2 (ja) | タンパク質およびその基質への、共有結合による機能性基の係留 | |
JP2020099328A (ja) | 増強された発光を産生するために赤外発光基質を活用するルシフェラーゼ配列 | |
CN101595215A (zh) | 具有增强的动力学和功能性表达的突变水解酶蛋白 | |
JP2024073457A (ja) | 増強された発光を産生するために赤外発光基質を活用するルシフェラーゼ配列 | |
WO2010123096A1 (ja) | 分子間の相互作用の検出方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A045 | Written measure of dismissal of application [lapsed due to lack of payment] |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A043 Effective date: 20110707 |