JP2011259378A - 透明音響壁体 - Google Patents

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【課題】 広い周波数帯域に亘って安定した利得で音を再生可能な透明音響壁体の提供。
【解決手段】 筐体に固定された第1透明壁体(7)と、第1透明壁(7)との間に密閉空間を隔てて対向し第1透明壁体(7)に対して相対的に振動し得るよう弾性支持された第2透明壁体(6)と、第2透明壁体(6)の主面を法線方向に振動せしめる高音域ボイスコイルユニット(3)と、密閉空間内の空気場を圧力変動させる中音域スピーカーユニット(4)と、を含み、中音域スピーカーユニット(4)による周波数特性の利得を減衰させる減衰周波数を高音域ボイスコイルユニット(3)による周波数特性の利得を減衰させる減衰周波数よりも低周波側に位置させるように調整するデジタルアンプユニットを有することを特徴とする透明音響壁体(1)。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光を透過させる透明壁体であって音を発生させる透明音響壁体に関し、特に広い周波数帯域に亘って安定した利得で音を再生可能な透明音響壁体に関する。
パネルスピーカは、パネルをその法線方向に沿って振動させて指向性の強い平面波を空間に形成し、特定の聴取者のみに音を与え得る。また、パネルからの距離に関わらず音量を一定にできるといった特徴も有する。
このパネルの駆動方法において、パネルの背面にボイスコイルなどを含む励振器を取り付けてパネルを直接的に振動させて音を発生させるパネルスピーカが知られている。
例えば、特許文献1では、フラットパネルディスプレイなどの音声映像出力装置において、ディスプレイの保護扉であるパネルから音を発生させるパネルスピーカを開示している。保護扉は一般的に高い剛性を与えられるとともに、大きな縦横比を与えられる。これにより、「板鳴り」と称される強い共振現象が現れ、この共振周波数が可聴域の中低音域に対応するため、音質の劣化の原因となる。これに対して、励振器をパネルに複数装着するとともに、振動の際に形成される節の位置でパネルを支持する方法を開示している。
一方、他のパネルの駆動方法において、パネルの背面の空気場に圧力変動を与えてパネルを間接的に振動させて音を発生させるパネルスピーカが知られている。
例えば、特許文献2では、遊技機の構造物の前方に透明な振動板を設け、その背面の音響空間に圧力変動を与えて振動板を振動させ音を発生させる遊技機を開示している。構造物を前方から視覚的に認識させながら、同部分から音を放出するので、遊技者に対する音的演出をより効果的に与え得ると述べている。
特開2005−269423号公報 特開2004−089226号公報
光を透過させる透明壁体、例えば、硬質ガラスやアクリルパネルなどについて、これを上記したように直接的若しくは間接的に振動させると音を出す透明音響壁体を得ることが出来る。しかしながら、一般的に剛性の高い透明壁体の振動により発生される音は、その形状にも依存するが、高い周波数帯域の音に比較して、低い周波数帯域の音の利得効率が低く、利得も不安定である。
本発明は上記したような事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、広い周波数帯域に亘って安定した利得で音を再生可能な透明音響壁体を提供することである。
本発明による透明音響壁体は、筐体に固定された第1透明壁体と、前記第1透明壁との間に密閉空間を隔てて対向し前記第1透明壁体に対して相対的に振動し得るよう弾性支持された第2透明壁体と、前記第2透明壁体の主面を法線方向に振動せしめる高音域ボイスコイルユニットと、前記密閉空間内の空気場を圧力変動させる中音域スピーカーユニットと、を含み、前記中音域スピーカーユニットによる周波数特性の利得を減衰させる減衰周波数を前記高音域ボイスコイルユニットによる周波数特性の利得を減衰させる減衰周波数よりも低周波側に位置させるように調整するデジタルアンプユニットを有することを特徴とする。
かかる発明によれば、高音域及び中音域の周波数帯域におけるピークディップを補正して周波数特性をなだらかにフラットとした上で、中音域スピーカーユニットによって発生させる音の周波数特性の利得をなだらかでフラットな利得曲線から減衰させる減衰周波数を、高音域ボイスコイルユニットによって発生させる音の同様の減衰周波数よりも低周波数側に位置させるように調整配置することで広い周波数帯域に亘って安定した利得で音を再生可能となるのである。
上記した発明において、前記第1透明壁体及び第2透明壁体はガラス板からなることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、高い剛性を有しヤング率が大きく振動エネルギーの内部損失の少ないガラス板であっても、特に、高音域のピークディップを補正して周波数特性をフラットとした上で、中音域スピーカーユニットによって発生させる音の減衰周波数を、高音域ボイスコイルユニットによって発生させる音の減衰周波数よりも低周波側に位置させるように調整配置するので、広い周波数帯域に亘って安定した利得で音を再生可能となるのである。
上記した発明において、前記高音域ボイスコイルユニットは振動子を有し、前記振動子を前記第2透明壁体に固定されていることを特徴としてもよい。かかる発明によれば、振動子の振動を効率よく第2透明壁体に付与でき、より大きな音を得られるのである。
上記した発明において、前記密閉空間外の空気場を圧力変動させる低音域スピーカーユニットを更に含み、前記デジタルアンプユニットは、前記低音域スピーカーユニットによって発生させる音の減衰周波数のうち高音側の減衰周波数を前記中音域スピーカーユニットによって発生させる音の減衰周波数のうち低音側の減衰周波数より低周波側に位置させるように調整することを特徴としてもよい。かかる発明によれば、更に低音域までの広い周波数帯域に亘って安定した利得で音を再生可能となるのである。
本発明による透明音響壁体の斜視図である。 本発明による透明音響壁体の要部の斜視図である。 本発明による透明音響壁体の要部の断面図である。 本発明による透明音響壁体の要部の断面図である。 本発明による透明音響壁体の背面図である。 図5の矢印Yの方向から見た図である。 本発明による透明音響壁体に用いられる制御部のブロック図である。 発生させる音波の周波数特性に関する図である。
本発明の1つの実施例としての透明音響壁体1について、図1乃至図8を用いてその詳細を説明する。
図1に示すように、透明音響壁体1はエンクロージャ2によって自立可能な壁体であって、後面に取り付けられたカバー35内の高音域ボイスコイルユニット3及び中音域スピーカーユニット4、底部に取り付けられた低音域スピーカーユニット5、フレーム8に取り付けられた前面ガラス板6及び後面ガラス板7を含む。なお、以下において、図1の手前側を前方、その反対を後方と称することとする。
エンクロージャ2は、前面パネル部21、その背面側にある平面ステージ部22aを含む背面パネル部22、側面パネル部23、脚部24からなる一体又は分割可能な筐体である。背面パネル部22は、エンクロージャ2の全高の約半分の高さの位置において略水平に拡がる平面ステージ部22aを有する階段状に成型されている。平面ステージ部22aの上には、一対の対向する前面ガラス板6及び後面ガラス板7を保持するフレーム8が載置・固定されている。この詳細については後述する。脚部24は、前面パネル部21及び背面パネル部22の底面の四隅に設けられ、透明音響壁体1を自立可能としている。
前面ガラス板6及び後面ガラス板7は、共に略長方形の主面を有する平板状のガラス板である。前面ガラス板6及び後面ガラス板7は、互いにその上端及び左右端を揃えるよう前後方向に並んでいる。前面ガラス板6及び後面ガラス板7の表面には、必要な装飾(磨りガラス加工や模様の描画など)が施されていてもよい。
図2を参照すると、フレーム8は略長方形の組立式の枠体であり、上フレーム81、右フレーム82、左フレーム83及び下フレーム84を含む。下フレーム84から所定距離だけ上方に離間した位置には、右フレーム82及び左フレーム83の間を繋ぐ中間フレーム85が取り付けられている。さらに、フレーム8は、中間フレーム85と下フレーム84との間に渡される閉塞板86を含む。
図3を更に併せて参照すると、上フレーム81の内側には、突条81a及び81bが前方及び後方に離間しながら長手方向に沿って伸びて形成されている。突条81a及び81bの間には、前面ガラス板6が、その上先端部を上フレーム81と接触させないようにして配置されている。また、前面ガラス板6の上端部近傍における後方面と突条81bの前方面との間には、弾性接着剤61が隙間なく充填されて互いを接着している。弾性接着剤61は硬化後にゴム状の弾性を有する接着剤であり、これによって前面ガラス板6は上フレーム81に対して振動可能に保持される。また、後面ガラス板7の上端部近傍と突条81bの後方面の間には、接着剤71が隙間なく充填されて互いを接着している。
同様に、図示しないが、右フレーム82及び左フレーム83においてもこの長手方向に沿って伸びる2本の突条を有する。前面ガラス板6の側端部は2本の突条の間に挿入・配置され、隙間なく充填された弾性接着剤によって互いを接着されている。これによって前面ガラス板6は右フレーム82及び左フレーム83に対して振動可能に保持される。また、後面ガラス板7の側端部近傍と突条の後方面の間には、接着剤が与えられて互いを接着している。
図4を参照すると、下フレーム84は、その長手方向に沿って延び、フレーム8の内側に向けて開口する溝84cを有する。溝84cはフレーム84の前方側に位置し、フレーム81乃至83の2本の突条の間に形成される溝と空間を連続させている。溝84cには、前面ガラス板6の下先端部を下フレーム84に接触させないように位置させて、前面ガラス板6が配置されている。溝84cの内側面と前面ガラス板6の後方面との間には、弾性接着剤61が隙間なく充填されて互いを接着している。これによって前面ガラス板6は下フレーム84に対して振動可能に保持される。
中間フレーム85は、その長手方向に沿って延び、フレーム8の内側に向けて突出する突条85bを有する。突条85bはフレーム85の前方端に位置し、フレーム81乃至83の突条81b等に連続して縁取りを与えるよう形成されている。突条85bの後方側の面には、後面ガラス板7の下端が互いの間に隙間なく充填された接着剤71により接着されている。つまり、後面ガラス板7は、前面ガラス板6よりも上下方向の長さが短い。
以上により、前面ガラス板6は、その四辺を弾性接着剤61によってフレーム8に接着され、フレーム8に対して振動可能に保持されている。また、後面ガラス板7は、その四辺を接着剤71によってフレーム8に接着され、フレーム8に対して固定されている。つまり、前面ガラス板6と、後面ガラス板7及び閉塞板86とによって挟まれた空間Aは、フレーム8の周囲に対して密閉される。
図2及び図5を参照すると、中間フレーム85と下フレーム84との間の空間は、閉塞板86によって閉塞されている。閉塞板86の左右対象位置には、これを貫通する高音域ボイスコイルユニット用穴87aと、これを挟んでその左右に中音域スピーカーユニット用穴87bが一列に並べて設けられている。
図4(a)を併せて参照すると、高音域ボイスコイルユニット3は、閉塞板86の左右の3つの貫通穴の中央の高音域ボイスコイルユニット用穴87aに貫挿されて、これを閉塞するようにして固定されている。高音域ボイスコイルユニット3は、ダイナミック型スピーカと同様の原理で動作し、図示しない巻線を備える略円柱状の振動子33をケース31に収容された円筒状の永久磁石32の軸線方向に沿って移動せしめて直線往復運動を与える。永久磁石32から与えられる磁界と振動子33の巻線に流れる電流により生じる磁場との相互作用によって振動子33が振動するのである。振動子33は、その前方端部をパッキン63を間に介して前面ガラス板6の裏面に当接させ、その軸線方向を前面ガラス板6の裏面の法線方向と一致させるようにボルト62で前面ガラス板6に固定されている。このとき、振動子33の移動方向は前面ガラス板6の主面に対して略垂直である。なお、振動子33は、前面ガラス板6に接着剤によって固定されてもよい。
高音域ボイスコイルユニット3は、後述するように、出力制御部100(図7参照)に接続されて、高音域用の音声信号を与えられる。高音域ボイスコイルユニット3は、かかる信号に基づき、前面ガラス板6を直接的に振動させて、特に可聴域のなかでも高音域(例えば2kHz程度以上)の音波を安定した利得で発生させ得る。
図4(b)を併せて参照すると、中音域スピーカーユニット4は、閉塞板86の左右に2箇所ずつ設けられた中音域ボイスコイルユニット用穴87bに貫挿されて、これを閉塞するようにして固定されている。中音域スピーカーユニット4は、例えばダイナミック型スピーカであって、出力される音波を前面ガラス板6の裏面に与える。中音域スピーカーユニット4の裏面には、これを包囲するように、枠体43がパッキン44を介して閉塞板86に密着するようにして固定されて音波が裏面から漏洩しないようになっている。
中音域スピーカーユニット4は、後述するように、出力制御部100(図7参照)に接続され、中音域用の音声信号を与えられる。中音域スピーカーユニット4は、かかる信号に基づき、穴87bを介して、密閉された空間A内の空気に圧力変動を与える。これによって間接的に前面ガラス板6を振動させて、特に中音域(例えば、500Hz程度以上)の音波を安定した利得で発生させ得る。中音域スピーカーユニット4は、上記したように左右に2箇所ずつ計4箇所に配置され、空間A内の空気に十分な圧力変動を与える。
図5に示すように、平面ステージ部22aの上において、高音域ボイスコイルユニット3及び中音域スピーカーユニット4の後方を覆うようにカバー35が閉塞板86に取り付けられている。なお、高音域ボイスコイルユニット3及び中音域スピーカーユニット4を覆うカバー35の上端部は、エンクロージャ2の上端(中間フレーム85の上面)より下方に位置し、前方から見るとエンクロージャ2の前面パネル部21に隠れる。
図6を併せて参照すると、エンクロージャ2の底面には、低音域スピーカーユニット5が取り付けられてエンクロージャ2の内部空間を閉塞している。低音域スピーカーユニット5の支持板53には、その中央にサブウーハ51、その左右に1対のパッシブラジエータ52がそれぞれ下方(床面方向)を向くように固定されている。サブウーハ51は、後述するように、出力制御部100(図7参照)に接続され、低音域用の音声信号を与えられ、低音域(例えば200Hz程度以下)の音波を安定した利得で発生させ得る。一方、パッシブラジエータ52は、電気的な接続を有さず、サブウーハ51によるエンクロージャ2の内部の圧力変動により振動することで低音域の音波を発生させ得る。
図7に示すように、エンクロージャ2の内部には、出力制御部100が設けられている。出力制御部100は、デジタルアンプ101及びコントローラ102を備え、透明音響壁体1の外部から電源の供給を受けて動作する。
デジタルアンプ101は、入力端子101aに接続されるオーディオ機器等からの音声信号を高音域ボイスコイルユニット3、中音域スピーカーユニット4、及び、低音域スピーカーユニット5のそれぞれに対応した所定の周波数帯域毎にチャネル分けし、各チャネル毎に周波数特性を調整(補正)するイコライザ部101b1乃至3を含む。かかるイコライザ機能は、コントローラ102によって制御し得る。また、各イコライザ部101b1乃至3に対応して信号を増幅するパワー部101c1乃至3を含む。
コントローラ102は、シミュレーションや実験等に基づいてチャネル毎の周波数帯域を更に細かい周波数帯域に分割し、この周波数帯域毎に補正すべき増幅率を記憶している。かかる増幅率は、透明音響壁体1の使用者によっても適宜調整され得る。
詳細には、図8に示すように、デジタルアンプ101の入力端子101aに基準信号を入力したときの高音域ボイスコイルユニット3、中音域スピーカーユニット4、及び、低音域スピーカーユニット5のそれぞれ単独で動作させたときの音波の周波数特性図を203、204及び205に示す。つまり、各ユニット3乃至5の各周波数特性において、ピークディップを補正して、利得のなだらかでフラットな周波数帯域を少なくとも有するようにデジタルアンプ101のイコライザ部101b1乃至3をコントローラ102によって調整せしめる。その一方、コントローラ102は、周波数特性図203、204及び205の利得のなだらかでフラットな領域から高周波側及び低周波側に利得を減衰させる減衰周波数を互いにずらして位置させるようにイコライザ部101b1乃至3を制御する。具体的には、中音域スピーカーユニット4によって発生させる音波の周波数特性図204の低周波側の減衰周波数204Lを、高音域ボイスコイルユニット3によって発生させる音波の周波数特性図203の低周波側の減衰周波数203Lよりも低周波側に位置させる。また、低音域スピーカーユニット5によって発生させる音波の周波数特性図205の高周波側の減衰周波数205Hを、中音域スピーカーユニット4によって発生させる音波の周波数特性図204の低周波側の減衰周波数204Lより低周波側に位置させ、フラットな領域を分離させる。かかる場合、高音域ボイスコイルユニット3、中音域スピーカーユニット4、及び、低音域スピーカーユニット5を同時に動作させると、透明音響壁体1によって出力される音波の合成の再生特性は周波数特性図206に示すような広帯域に亘って安定した利得で音を得ることのできる周波数特性になるようになされている。
なお、透明音響壁体1の周囲の設置物の音の反射や、気温、湿度といった環境変化に合わせ、複数の補正すべき増幅率の組合せをコントローラ102に記憶させ、使用者に選択させるようになされていても良い。また、透明音響壁体1を図示しないマイクと組み合わせ、再生される音波をマイクで検出し、上記した複数の補正すべき増幅率の組合せの中から最適な組合せを自動選定し、又は使用者で選択できるようになっていてもよい。
ところで、本実施例のように2枚のガラス板で挟んだ密閉空間では内部の空気の圧力変動による共鳴現象が生ずるが、かかる周波数帯域の増幅率をイコライザ部101b1乃至3で低く修正してもよい。また、高音域ボイスコイルユニット3、中音域スピーカーユニット4をそれぞれ左右に独立して有しているから、ステレオ再生も可能である。
次に、透明音響壁体1の動作について図7及び図8を用いて説明する。
透明音響壁体1は、間仕切りとして床面に立設される。また、音楽等の再生したい音声信号を出力するオーディオ機器などにデジタルアンプ101の入力端子101aを接続する。
図7を参照すると、オーディオ機器などにより再生したい音声信号を出力させると、入力端子101aからデジタルアンプ101に音声信号が入力される。イコライザ部101b1乃至3は、この音声信号をコントローラ102に記憶されている周波数帯域毎の増幅率に従って増幅し、パワーを与えて、高音域ボイスコイルユニット3、中音域スピーカーユニット4及び低音域スピーカーユニット5に出力する。
高音域ボイスコイルユニット3は、高音域用の音声信号に従って、振動子33を前面ガラス板6の主面の法線方向に沿って振動させ、前面ガラス板6に撓み振動を与える。前面ガラス板6のこのような振動は、その前方の空気場に粗密波である音波を発生させる。
中音域スピーカーユニット4は、中音域用の音声信号に従って、密閉された空間A内の空気に圧力変動を与える。前面ガラス板6は、フレーム8によって弾性支持されているため、その法線に沿って前後に振動する。前面ガラス板6のこのような振動は、その前方の空気場に粗密波である音波を発生させる。特に平面波となるため、距離による減衰が小さいといった特徴がある。
低音域スピーカーユニット5は、低音域用の音声信号をサブウーハ51に入力し、エンクロージャ2の底面から下側の空気に粗密波である音波を発生させる。また、エンクロージャ2の内部に圧力変動を発生させ、パッシブラジエータ52を振動させる。パッシブラジエータ52はエンクロージャ2の内部の圧力変動を吸収するため、サブウーハ51は自らの発生させる圧力変動に阻害されることなく大きな振幅を得ることができる。
なお、前面ガラス板6には、高音域ボイスコイルユニット3及び中音域スピーカーユニット4からの異なる2つの振動が同時に与えられる。しかしながら、これらは互いに振動モードが異なるため、前面ガラス板6において互いに干渉しない。
以上のように、透明音響壁体1は、高音域及び中音域の周波数帯域におけるピークディップを補正して周波数特性をなだらかにフラットとした上で、互いの減衰周波数をずらして位置させるように調整配置することで広い周波数帯域の音を安定した利得で再生可能としたのである。
なお、コントローラ102の設定により、イコライザ部101b1乃至3を調整せしめることで、透明音響壁体1をノイズキャンセラーとしても使用し得る。
ここまで本発明による代表的実施例及びこれに基づく変形例を説明したが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができるだろう。
1 透明音響壁体
2 エンクロージャ
3 高音域ボイスコイルユニット
4 中音域スピーカーユニット
5 低音域スピーカーユニット
6 前面ガラス板
7 後面ガラス板
8 フレーム
101 デジタルアンプ
102 コントローラ
A 空間

Claims (4)

  1. 筐体に固定された第1透明壁体と、
    前記第1透明壁との間に密閉空間を隔てて対向し前記第1透明壁体に対して相対的に振動し得るよう弾性支持された第2透明壁体と、
    前記第2透明壁体の主面を法線方向に振動せしめる高音域ボイスコイルユニットと、
    前記密閉空間内の空気場を圧力変動させる中音域スピーカーユニットと、を含み、前記中音域スピーカーユニットによる周波数特性の利得を減衰させる減衰周波数を前記高音域ボイスコイルユニットによる周波数特性の利得を減衰させる減衰周波数よりも低周波側に位置させるように調整するデジタルアンプユニットを有することを特徴とする透明音響壁体。
  2. 前記第1透明壁体及び第2透明壁体はガラス板からなることを特徴とする請求項1記載の透明音響壁体。
  3. 前記高音域ボイスコイルユニットは振動子を有し、前記振動子を前記第2透明壁体に固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の透明音響壁体。
  4. 前記密閉空間外の空気場を圧力変動させる低音域スピーカーユニットを更に含み、前記デジタルアンプユニットは、前記低音域スピーカーユニットによる周波数特性の高周波数側の利得を減衰させる減衰周波数を前記中音域スピーカーユニットによる周波数特性の低周波数側の利得を減衰させる減衰周波数よりも低周波側に位置させるように調整することを特徴とする請求項1乃至3のうちの1つに記載の透明音響壁体。
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