JP2011259347A - DWA(Data−Weighted−Averaging)回路、それを用いたデルタシグマ変調器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のデジタル信号をシャッフリングした出力信号を、フィードバックDA104の複数の入力信号として出力するスイッチマトリクス101、スイッチマトリクス101を制御する素子選択信号を生成する素子選択信号生成回路102によってDWA回路100を構成する。スイッチマトリクス101は、複数のデジタル信号とフィードバックDA104の複数の入力信号とを全通り直接結合し、素子選択信号が、スイッチマトリクス101に入力されたデジタル信号のいずれか1つをスイッチマトリクス101の出力信号として選択する信号であり、素子選択信号生成回路102は、スイッチマトリクス101から出力される出力信号に基づいて素子選択信号を生成する。
【選択図】 図1
Description
しかし、近年、通信システム等の用途において、高速、広ダイナミックレンジのAD変換器が必要とされており、高速な信号処理が可能となる低いオーバーサンプリング比のデルタシグマ変調器への要求が高まっている。
フィードバックDAの非線形性を改善する手段として、複数のDA素子(フィードバックDAを構成する素子)を順番に選択することにより、各素子の使用回数を平均化する、DWA(Data Weighted Averageing:データ加重平均化)というアルゴリズムが知られている。
しかしながら、複数のDA素子を順番に使用するDWAアルゴリズムでは、素子選択信号生成に使用されるロジック回路における時間遅延のため、入力されたデジタル値が変化してからDA604の出力信号が変化するまでに時間を要してしまうという問題があった。
図10は、スイッチマトリクスを用いる従来技術に係るDWA回路700を説明するための図である。図10に示したDWA回路700は、スイッチマトリクス701、素子選択信号生成回路702を備えている。量子化器703とフィードバックDA704とは、間に挿入されたスイッチマトリクス701により、予め全ての接続がなされている。なお、ここで「全ての接続」とは、スイッチマトリクス701によって接続される量子化器703の内部配線と、フィードバックDA704の内部配線とが、全て1対1で接続された状態になっていることをいう。また、本明細書では、このような状態を、「全通り直接結合」とも記すことがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、より高速で動作する信号処理システムで利用可能なスイッチマトリクスを用いたDWA回路、このDWA回路を用いたデルタシグマ変調器を提供することを目的とする。
また、本発明のDWA回路は、前記素子選択信号生成回路が、前記スイッチマトリクスの出力信号が全てLまたは全てHのとき、前記素子選択信号を更新しないことが望ましい。
また、本発明のデルタシグマ変調器は、上記した発明において、前記ループフィルタは、連続時間ループフィルタであることが望ましい。
(実施形態1)
・DWA回路
図1は、本発明の実施形態1のDWA回路100を説明するための回路図であって、DWA回路100の他、量子化器103、フィードバックDA(DA変換器、以下、単にDAとも記す)104を含んでいる。
図1に示すように、実施形態1のDWA回路100は、複数のデジタル信号をシャッフリングするためのスイッチマトリクス101と、その出力信号を元にスイッチマトリクス101の制御信号を生成する素子選択信号生成回路102で構成されている。
素子選択信号生成回路102は、スイッチマトリクス101の制御信号である素子選択信号を生成する。素子選択信号は、スイッチマトリクス101に入力されたデジタル信号のいずれかひとつを、スイッチマトリクス101の出力信号として選択する信号である。
図2は、図1に示した実施形態1のスイッチマトリクス101を説明するための図である。実施形態1のスイッチマトリクス101は、図示したように、4×4個のスイッチ素子200によって構成されている。スイッチマトリクス101には、量子化器103からデジタル信号(Q[3:0])が入力され、素子選択信号生成回路102から素子選択信号(Pt[3:0])が入力される。スイッチマトリクス101からは、フィードバックDA104、素子選択信号生成回路102へ、デジタル信号(Mx[3:0])が出力される。
次に、図1に示した実施形態1の回路の素子選択信号生成回路102を説明する。
図3は、図1に示した実施形態1の素子選択信号生成回路102を説明するための図である。図示した素子選択信号生成回路102は、スイッチマトリクス101からデジタル信号を入力する4個の論理素子301、論理素子301から出力されたデジタル信号をラッチするラッチ回路106を備えている。論理素子301は、AND素子とインバータ素子とを組み合わせて構成される。
図4、図5は、図1に示したDWA回路100の具体的な動作を説明するための図である。図4は、DWA回路100に入力されるデジタル信号の入力サイクルNと、この入力サイクルNに入力されたデジタル信号(図4中に量子化器出力と記す)と、フィードバックDA104において使用される素子の番号(図4中にDAC素子番号と記す)と、素子選択信号とを示している。
また、図5は、入力サイクルNと、入力サイクルNに対応して使用されるフィードバックDAの素子との関係を示している。
実施形態1では、フィードバックDA104が4個の素子(0〜3)から構成されているものとする。このとき、図4に示したように、入力サイクルN=1(以下、入力サイクルN1と記す)で、量子化器103からDWA回路100に「2」の値のデジタル信号が入力されたものとする。このとき、量子化器103からはデジタル信号としてH、H、L、Lがスイッチマトリクス101に入力される。
このような実施形態1によれば、スイッチマトリクス101から出力されたデジタル信号を用いて素子選択信号が生成される。このため、スイッチマトリクス101後段のデジタル信号は、既にフィードバックDA101に含まれる素子を順番に選択するような信号となっている。このようなスイッチマトリクス101後段の信号には、現時点までのデジタル入力信号の積算情報が含まれていることになる。
また、実施形態1によれば、フィードバックDA104に含まれる素子のミスマッチに起因するDA出力信号の歪みが、信号成分とは無相関なミスマッチ雑音となる。また、この雑音は、1次のハイパス型にシェイピングされるため、信号成分近傍での低い周波数域でのSN比が向上される。
また、スイッチマトリクス101を通過する信号はLまたはHのデジタル信号である。このため、スイッチマトリクス101の手前でデジタル信号を出力するバッファの駆動力は、量子化器103から出力されるデジタル値の確定からフィードバックDA104から出力されるデジタル値の変化タイミングまでの時間に関しては問題とならない。
次に、本発明の実施形態2を説明する。実施形態2は、図1に示したスイッチマトリクス101の出力が全てL、または全てHにならないようにするためのものである。このため、実施形態2では、実施形態1において図2に示した素子選択信号生成回路102を、図7に示した素子選択信号生成回路702に代えている。
図7に示した素子選択信号生成回路702は、フルコードモニタ回路109を保有し、ラッチ回路106が、ラッチ素子107a〜107d及び、マルチプレクサ108a〜108dで構成されている。フルコードモニタ回路109は、スイッチマトリクス101の出力が全てLもしくは、全てHであることを検知する。そして、検知の結果に基づいて、フラグLまたはHを出力する。
なお、フルコードモニタ回路109については、デジタルビット数分の入力ポートを持つAND素子等で構成することが可能である。
次に、本発明の実施形態3を説明する。実施形態3は、実施形態1または実施形態2で説明したDWA回路を用いたデルタシグマ変調器を説明するものである。
図8は、実施形態3のデルタシグマ変調器を説明するための図である。図8に示すように、実施形態3のデルタシグマ変調器は、ループフィルタ105と、ループフィルタ105から出力されるアナログ信号を量子化して複数のデジタル信号を出力する量子化器103と、ループフィルタ105に複数のアナログ信号を出力するフィードバックDA104と、実施形態1または実施形態2で説明したDWA回路100と、で構成されている。
前記した実施形態1、実施形態2によれば、高速に動作するDWA回路を提供することが可能である。このようなDWA回路を用いることにより、実施形態3のデルタシグマ変調器は、時間遅延の少ないフィードバックループを構成できる。したがって、実施形態3によれば、デルタシグマ変調器の安定性が改善される他、高速信号処理が可能なため、高速動作可能なデルタシグマ変調器の提供が可能となる。
複数のアナログ出力をフィードバックする、マルチビット型連続時間デルタシグマ変調器の場合、DWA回路の存在がその高速化の妨げとなることが多い。したがって、実施形態3の連続時間デルタシグマ変調器に、実施形態1、2のDWA回路を適用することは、好ましい適用例であるといえる。
101 スイッチマトリクス
102、702 素子選択信号生成回路
103 量子化器
105 ループフィルタ
106 ラッチ回路
107a〜107d ラッチ素子
108a〜108d マルチプレクサ
109 フルコードモニタ回路
200 スイッチ素子
301 論理素子
Claims (6)
- 複数のデジタル信号を入力し、前記複数のデジタル信号をシャッフリングした出力信号を、デジタル/アナログ変換器の複数の入力信号として出力するスイッチマトリクスと、
前記スイッチマトリクスを制御する素子選択信号を生成する素子選択信号生成回路と、を備え、
前記スイッチマトリクスは、前記複数のデジタル信号と、前記デジタル/アナログ変換器の複数の入力信号とを、1対1で接続し得る全ての組み合わせによって直接接続し、複数のデジタル信号を出力できる複数のスイッチ素子を含み、
前記素子選択信号が、前記スイッチマトリクスに入力された前記デジタル信号のいずれか1つを、前記スイッチマトリクスからの出力信号として選択する信号であり、
前記素子選択信号生成回路は、前記スイッチマトリクスから出力される出力信号に基づいて、前記素子選択信号を生成することを特徴とするDWA回路。 - 前記素子選択信号生成回路は、0番目からN番目の、合計N+1個の論理素子を含み、
前記論理素子は、
正転入力端子と、反転入力端子とを備え、当該反転入力端子の各々に、前記スイッチマトリクスから出力される複数の前記出力信号が入力され、前記論理素子の正転入力端子は、各々直前の前記論理素子の反転入力端子に接続され、0番目の前記論理素子の正転入力端子が、N+1番目の前記論理素子の反転入力端子に接続されることを特徴とする請求項1に記載のDWA回路。 - 前記素子選択信号生成回路は、AND素子もしくはNAND素子と、インバータ素子との対を、少なくとも、前記複数のデジタル信号が示すデジタル値の数だけ備えることを特徴とする請求項1または2に記載のDWA回路。
- 前記素子選択信号生成回路は、前記スイッチマトリクスの出力信号が全てLまたは全てHのとき、前記素子選択信号を更新しないことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のDWA回路。
- ループフィルタと、
前記ループフィルタからの出力を量子化して複数のデジタル信号を出力する量子化器と、
前記複数のデジタル信号を入力してデジタル/アナログ変換器に出力する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のDWA回路と、
前記DWA回路から入力された複数のデジタル信号をアナログ信号に変換し、当該複数のアナログ値を前記ループフィルタにフィードバックする前記デジタル/アナログ変換器と、
を含むことを特徴とするデルタシグマ変調器。 - 前記ループフィルタは、連続時間ループフィルタであることを特徴とする請求項5に記載のデルタシグマ変調器。
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