〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(システムの構成)
まず、図2を用いて、本実施形態に係る電源連動システム1の概要について説明する。図2は、本実施形態に係る電源連動システム1の概略的構成を示すブロック図である。
図2に示すように電源連動システム1は、携帯電話機(電気機器)100および補聴器(対象機器)200を備える構成である。
ここで、図3および図4を用いて、携帯電話機100および補聴器200の外観について説明する。図3は、携帯電話機100の外観を示す図であり、図4は、補聴器200の外観を示すずである。
図3に示すように、携帯電話機100は、一例として折りたたみ式の筐体として構成しており、マイクロホン(以下、マイクと略称する)111、スピーカ115、およびキー121を備える構成である。
また、キー121は、携帯電話機100の電源をON/OFFするための電源キー122を含む。
そして、図4に示すように補聴器200は、マイク(不図示)にて集音した音波を増幅してスピーカ225から出力するものである。補聴器200は、耳の穴にフィットする形状に構成され、使用時には利用者の耳に装着される。
ここで、図5を用いて、携帯電話機100および補聴器200の連動設定について説明すると次のとおりである。図5は、2つの機器の電源ONおよびOFFを連動させる場合において、連動元機器における電源ON/OFFを、連動先機器における電源ON/OFFにどのように連動させるかを示す表である。
電源連動システム1では、携帯電話機100が連動元機器であり、補聴器200が連動先機器である。
電源連動システム1では、図5の『OFF設定1』に示す内容で携帯電話機100の電源OFFと、補聴器200の電源OFFとが連動している。すなわち、電源連動システム1は、携帯電話機100がタイマーにより電源ONから電源OFFになった場合、補聴器200が電源ONから電源OFFとなる構成である。
以下では、『OFF設定1』を実現するための携帯電話機100および補聴器200の構成についてそれぞれ説明する。
まず、携帯電話機100の構成について説明する。図2に示すように、携帯電話機100は、近距離無線部102、無線通信部103、マイク111、音声増幅部112、デジタル変換/信号処理部113、アナログ変換/可変増幅部114、スピーカ115、キー121、タイマー部123、電源制御部124、電池125、主制御部130および記憶部150を備える構成である。
近距離無線部102は、いわゆる近距離無線通信方式により、補聴器200との通信を確立するためのものである。この近距離無線通信方式には、例えば、Bluetooth(登録商標)を採用することができる。しかしながら、これに限られず、ZigBee(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)、IrDA、電磁界通信、無線LAN(IEEE802.11)などの無線通信方式を採用してもよい。また、他にもイーサネット(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)などの有線接続方式により携帯電話機100と、補聴器200とを接続し、通信を行ってもよい。
無線通信部103は、基地局105との通信を確立し、携帯電話網を介した通信を行うためものものである。
マイク111は、音波を電気信号に変換して出力するものである。
音声増幅部112は、マイク111から出力される電気信号を増幅するためのものである。
デジタル変換/信号処理部113は、音声増幅部112によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、信号処理を施すものである。
アナログ変換/可変増幅部114は、デジタル変換/信号処理部113によって、デジタル信号処理された音声信号をアナログ信号に変換し、適宜信号出力を増幅してスピーカ115に出力するものである。
スピーカ115は、アナログ変換/可変増幅部114から出力される電気信号を音波に変換して出力するものである。
キー121は、携帯電話機100の各種操作を行うためのものである。キー121は、電源ON/OFFを操作するための電源キー122を含む構成である。
タイマー部123は、時間を計測するためのものである。タイマー部123は、例えば、時刻計測用のリアルタイムクロック(RTC)IC(Integrated Circuit)により実現することができる。また、タイマー部123は、例示的に、タイマー設定機能を具備しており、設定された時刻になると、主制御部130および/または電源制御部124に割り込み信号(アラーム)を出力することができる。
電源制御部124は、電池125からの電源供給を制御するためのものである。すなわち、電源制御部124は、携帯電話機100の電源ONおよび電源OFFの制御を統括する。
電源制御部124は、電源ONの指示を受信して、携帯電話機100を電源OFFの状態から電源ONの状態にする。また、電源制御部124は、タイマー部123のタイマー設定により携帯電話機100を電源ONの状態にすることもできる。
また、電源制御部124は、電源OFFの指示を受信して、携帯電話機100を電源ONの状態から、電源OFFの状態にする。電源制御部124は、電源ONの状態では、タイマー部123を含む各部に電池125からの動作電源を供給する。一方、電源制御部124は、電源OFFの状態では、タイマー部123以外の各部に対する動作電源の供給を停止し、タイマー部123のみに電源を供給する。
電池125は、携帯電話機100の各部が動作するための電力を供給するための蓄電池である。
主制御部130は、携帯電話機100の各部を統括的に制御するためのものである。主制御部130の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。例えば、主制御部130は、携帯電話機100の通話処理を行う。すなわち、デジタル変換/信号処理部113からの信号を、無線通信部103を介して携帯電話網に送出する。また、無線通信部103が携帯電話網から受信した音声信号をアナログ変換/可変増幅部114に出力する。なお、主制御部130の詳細については後述する。
記憶部150は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部150は、例えば、不揮発性の記憶装置であるハードディスク、フラッシュメモリ、ROM等により構成することができる。なお、記憶部150の詳細については後述する。
さらに、補聴器200の構成について説明する。図2に示すように、補聴器200は、近距離無線部210、電源制御部211、電池212、マイク221、音声増幅部222、デジタル変換/イコライザ処理/信号処理部223、アナログ変換/可変増幅部224、スピーカ225を備える構成である。
近距離無線部210は、いわゆる近距離無線通信方式により、携帯電話機100との通信を確立するためのものである。上述した携帯電話機100が備える近距離無線部102と同様、各種の構成を採用することができる。また、近距離無線部210は、携帯電話機100から電源OFFコマンドを受信すると、電源制御部211に対して電源OFFの指示を行う。
電源制御部211は、電池212からの電源供給を制御するためのものである。電源制御部211の電源供給経路は、2通りある。1つは、音声増幅部222、デジタル変換/イコライザ処理/信号処理部223、およびアナログ変換/可変増幅部224のそれぞれの間における電源供給ラインBである。もう1つは、近距離無線部210との間における電源供給ラインAである。
電源制御部211は、電源OFFの指示を受信すると、補聴器200を電源ONの状態から、電源OFFの状態にする。すなわち、電源制御部211は、電源供給ラインBに対する電源供給を停止する。
電池212は、補聴器200の各部が動作するための電力を供給するための蓄電池である。
マイク221は、音波を電気信号に変換して出力するものである。
音声増幅部222は、マイク221から出力される電気信号を増幅するためのものである。
デジタル変換/イコライザ処理/信号処理部223は、音声増幅部222によって増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換し得られた音声信号を適宜補正するとともに、各種の信号処理を施すものである。
アナログ変換/可変増幅部224は、デジタル変換/イコライザ処理/信号処理部223によってデジタル信号処理された音声信号をアナログ信号に変換し、適宜信号出力を増幅してスピーカ225に出力するものである。
スピーカ225は、アナログ変換/可変増幅部224から出力される電気信号を音波に変換して出力するものである。
(携帯電話機の詳細構成)
次に、図1を用いて、携帯電話機100が備える主制御部130および記憶部150についてさらに詳しく説明する。図1は、携帯電話機100の主制御部130および記憶部150の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図1に示すように、記憶部150は、電源OFF設定記憶部151およびタイマー設定情報記憶部152を備える構成である。
電源OFF設定記憶部151は、補聴器200と電源OFFを連動させるべきイベントの種類を示すイベント種別を記憶するものである。
ここで、イベントとは電源OFFが生じる契機となった事象のことである。以下、このような事象のことを電源OFFイベントと称する。
携帯電話機100において電源OFFを引き起こす電源OFFイベントの種類は、例えば、次の3つが考えられる。すなわち、電源キー122が入力されたことによる“電源キーイベント”、タイマー部123における“電源OFFタイマー設定イベント”、および“エラー処理イベント”の3つである。これらについてより具体的に説明すれば次のとおりである。
電源キーイベントとは、携帯電話機100が電源ONの状態であるときに、電源キー122が押下されることにより発生するイベントのことである。
電源OFFタイマー設定イベントとは、タイマー部123に設定されている電源OFF予定時刻になったときに発生するイベントのことである。
3つのイベントすべてに補聴器200との電源OFFを連動させるべきである場合は、電源OFF設定記憶部151には、イベント種別として、“全て”が記憶される。
エラー処理イベントは、携帯電話機100において、動作継続が困難となるような深刻なエラーが生じたときに発生するイベントである。
なお、電源OFF設定記憶部151に設定されるイベント種別の初期設定は、例示的に“電源OFFタイマー設定イベント”としている。
また、電源OFF設定記憶部151では、イベント種別として、“電源OFFタイマー設定イベント”または“全て”のみが、択一的に設定できるようになっていてもよい。
タイマー設定情報記憶部152は、タイマー部123のタイマー設定機能として設定すべき時刻を示すタイマー設定情報を記憶するものである。タイマー設定情報記憶部152に記憶するタイマー設定情報には、次の2つの時刻のいずれかまたは両方を設定することができる。まず、1つめはタイマー設定により携帯電話機100を電源ONとすべき時刻を示す自動電源ON時刻である。もうひとつは、タイマー設定により携帯電話機100を電源OFFとすべき時刻を示す自動電源OFF時刻である。
また、図1に示すように、主制御部130は、より詳細には、イベント検知部(指示検知手段)131、判定部132、コマンド送信部(指示送信手段)133、制御指示部134、および設定部135を備える構成である。
イベント検知部131は、電源OFFイベントを検知するものである。例えば、イベント検知部131は、キー121に含まれる電源キー122が操作されたことによる電源OFFイベントを検知する。また、イベント検知部131は、タイマー部123における電源OFFタイマー設定による電源OFFイベントを検知する。さらには、イベント検知部131は、深刻なエラーが発生した場合、例えば、図示しないエラー処理部などによる電源OFFイベントを検知する。
イベント検知部131は、電源OFFイベントを検知すると、電源OFFイベントを検知した旨およびそのイベントのイベント種別を判定部132に通知する。
判定部132は、イベント検知部131からの通知に応じて、その電源OFFイベントのイベント種別が、補聴器200と電源OFFを連動させるべきものか否かを判定するものである。
具体的には、判定部132は、イベント検知部131から電源OFFイベントを検知した旨およびその電源OFFイベントのイベント種別の通知を受けると、電源OFF設定記憶部151に記憶されているイベント種別を読み出す。そして、判定部132は、イベント検知部131から通知されるイベント種別が、読み出したイベント種別と合致するか否かを判定する。
電源OFFイベントのイベント種別が、読み出したイベント種別と合致していれば、判定部132は、電源OFFを連動させるべきイベントと判定する。この場合、判定部132は、コマンド送信部133にその旨の通知を行うとともに、制御指示部134に電源OFFの指示を要求する。
なお、判定部132は、読み出したイベント種別が“全て”である場合は、どのような電源OFFイベントであっても、電源OFFを連動させるべきイベントと判定する。
一方、電源OFFイベントのイベント種別が、読み出したイベント種別と合致していなければ、判定部132は、電源OFFを連動させるべきイベントではない判定する。この場合、判定部132は、制御指示部134に電源OFFの指示を要求する。
コマンド送信部133は、判定部132からの通知を受けた場合、近距離無線部102を介して補聴器200に対して電源OFFコマンドを送信するものである。
制御指示部134は、判定部132からの要求に応じて、電源制御部124に電源OFFの指示を行うものである。
設定部135は、キー121における操作などにより、タイマー設定情報記憶部152に、自動電源ON時刻情報および自動電源OFF時刻情報を記憶したり、タイマー設定情報記憶部152に記憶されている自動電源ON時刻情報または自動電源OFF時刻情報を読み出して、タイマー部123に電源ONタイマー設定または電源OFF設定を行ったりするものである。
(携帯電話機における処理の流れ)
次に、図6を用いて、携帯電話機100における電源連動処理の流れについて説明する。図6は、携帯電話機100における電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図6に示すように、まず、携帯電話機100において、予め、電源OFF設定記憶部150にイベント種別が設定される(S101)。この設定は、例えば、設定する対象となるイベントを携帯電話機100の表示部(不図示)において表示し、キー121により利用者に選択させることで行うことができる。
イベント検知部131が電源OFFイベントを検知すると(S102)、判定部132が、電源OFF設定記憶部151に記憶されているイベント種別が“全て”であるか否かを判定する(S103)。
判定の結果、イベント種別が“全て”でない場合(S103においてNO)、判定部132は、さらに電源OFFイベントのイベント種別が“電源キーイベント”であるか否かを判定する(S104)。
判定の結果、電源OFFイベントのイベント種別が“電源キーイベント”である場合(S104においてYES)、判定部132が、制御指示部134に電源OFFの指示を要求し、その後、制御指示部134が、電源制御部124に電源OFFの指示を行う(S109)。
一方、判定の結果、電源OFFイベントのイベント種別が“電源キーイベント”でなかった場合(S104においてNO)、判定部132は、さらに電源OFFイベントのイベント種別が“電源OFFタイマー設定イベント”であるか否かを判定する(S105)。
判定の結果、電源OFFイベントのイベント種別が“電源OFFタイマー設定イベント”である場合、判定部132は、検知された電源OFFイベントが電源OFFを連動させるべきイベントであると判定する。そして、判定部132は、コマンド送信部133にその旨の通知を行う一方で、制御指示部134に電源OFFの指示を要求する。その後、コマンド送信部133は、上記通知に応じて、近距離無線部102を介して補聴器200に電源OFFコマンドを送信する(S106)。
そして、制御指示部134が、補聴器200からの電源OFFの応答を確認すると(S107)、タイマー部123において自動電源ON時刻が設定された後(S108)、制御指示部134が、電源制御部124に電源OFFの指示を行う(S109)。
一方、判定の結果、電源OFFイベントのイベント種別が“電源OFFタイマー設定イベント”でない場合、判定部132は、検知されたイベントが電源OFFを連動させるべきイベントでないと判定する。携帯電話機100では、コマンド送信部133が補聴器200に電源OFFコマンドを送信することなく、タイマー部123に自動電源ON時刻が設定された後(S108)、制御指示部134が、判定部132の要求に応じて、電源制御部124に電源OFFの指示を行う(S109)。
なお、S103において、電源OFF設定記憶部151に記憶されているイベント種別が“全て”である場合、携帯電話機100では上述のS106〜S109の処理が実行される。
(補聴器における処理の流れ)
次に、図7を用いて、補聴器200における電源連動処理の流れについて説明する。図7は、補聴器200における電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図7に示すように、補聴器200では、近距離無線部210が、携帯電話機100が上述のS106(図6)において送信する電源OFFコマンドを受信する(S201)。
続いて、補聴器200の近距離無線部210が、電源OFFコマンドを受信した旨の応答を携帯電話機100に送信する(S202)。
そして、補聴器200の近距離無線部210は、受信した電源OFFコマンドを電源制御部211に転送すると(S203)、これに応じて、電源制御部211は、電源供給ラインBへの電源供給を停止する(S204)。
(携帯電話機および補聴器の間の通信シーケンス)
次に、図8を用いて、携帯電話機100の近距離無線部102と、補聴器200の近距離無線部210との間の通信シーケンスについて説明すると次のとおりである。図8は、携帯電話機100および補聴器200の間の通信シーケンスについて示したシーケンス図である。なお、図8に示す例は、通信方式にBluetooth(登録商標)を採用した場合について示している。
図8に示すように、まず、携帯電話機100の近距離無線部102から、補聴器200の近距離無線部210に対して呼び出しを行うと(SEQ101)、これに対して、補聴器200の近距離無線部210が応答する(SEQ102)。
続いて、携帯電話機100の近距離無線部102と、補聴器200の近距離無線部210との間で認証処理が行われる(SEQ103)。認証処理が成功すると携帯電話機100の近距離無線部102と、補聴器200の近距離無線部210との間で接続処理が行われ(SEQ104)、これにより両者間における通信リンクが確立される(SEQ105)。
なお、携帯電話機100および補聴器200との間で通信リンクを確立するタイミングは、特に限定されず、携帯電話機100が電源をOFFにする直前であってよい。また、これに限られず、携帯電話機100が電源ONになったときに通信リンクを確立し、以後両者間で常時通信リンクが確立されている状態を維持してもよい。
続いて、携帯電話機100において所定の電源OFFイベントが発生することにより、携帯電話機100の近距離無線部102から、補聴器200の近距離無線部210に対して電源OFFコマンドが送信される(SEQ106)。
ここで、補聴器200の近距離無線部210から携帯電話機100の近距離無線部102に対して電源OFFコマンドを受信した旨の応答があると、両者間の通信リンクを切断し(SEQ108)、携帯電話機100および補聴器200のそれぞれにおいて電源OFFの処理がなされる。
(作用・効果)
以上のように、本実施形態に係る携帯電話機100は、利用者が使用する携帯電話機100において、自機器に対する電源オフまたは電源オンのイベントを検知するイベント検知部131と、イベント検知部131がイベントを検知すると、イベントが予めスケジュールされたものか否かに応じて、利用者が身に付けて使用する補聴器200に、電源オフまたは電源オンの指示を送信するコマンド送信部133と、を備える構成である。
携帯電話機100や、補聴器200といった機器は、ともに利用者が起きているときには機器を電源ON状態にし、寝ているときには機器を電源OFF状態にするという使い方をすることが考えられる。
このように、使用する場面が同じと考えられる機器について、一方の機器の電源があらかじめスケジュールされた動作、例えばタイマー設定によってOFFになったときは、他方の機器も使用されなくなると考えられる。この場合、他方の機器の電源を連動させてOFFにすることにより、電源の切り忘れを防止できる。ひいては、他方の機器の電源が無駄に使われることを防ぐことができる。
上記構成によれば、携帯電話機100が、タイマー設定により電源OFFとなると、補聴器200に、電源OFFコマンドを送信するので、補聴器200は電源OFFとなる。これにより、補聴器200の電源OFF操作の手間を省くとともに、電源OFF操作を失念し補聴器200の電池が浪費されてしまうことを防ぐ。
また、一方の機器の電源がボタン操作などその他の動作によって手動によりOFFになった場合は、何らかの周囲の状況の変化により、予定されていない動作を利用者が行ったと考えられる。この場合、他方の機器がどのように動作すべきかは、その周囲の状況によって変わる。そこで、このような場合、一方の機器の電源OFFに他方の機器の電源OFFを連動させず、他方の機器の電源の状態を、現状のままに保つことにより、利用者の意に反して他の機器が電源OFFとなることを防ぐ。
上記電源連動システム1によれば、携帯電話機100が、手動により電源OFFとなったときは、携帯電話機100が補聴器200に電源OFFコマンドを送信しないので、補聴器200は電源OFFとならない。
このため、病院などの中で携帯電話機10が手動により電源OFF状態にされても補聴器200の電源がきれず、普通の会話に支障が生じないという効果を得られる。
なお、図31を用いて、参考までに従来の電源OFFに係る連動設定と対比すると次のとおりである。すなわち、従来、図31に示す『OFF設定』のように、タイマー設定により電源OFFとする場合でも、手動により電源OFFする場合でも、区別なく連動先機器が電源OFFとなっていた。電源OFF設定記憶部151においてイベント種別を“全て”とすればこのような構成もサポート可能である。
なお、以上では、携帯電話機100の電源オフに、補聴器200の電源オフを連動させていたが、逆に、補聴器200の電源オフに、携帯電話機100の電源オフを連動させてもよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について図9〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(システムの構成)
まず、図9を用いて、本実施形態に係る電源連動システム2の概要について説明する。図9は、電源連動システム2の概略的構成を示すブロック図である。
図9に示すように電源連動システム2は、携帯電話機100Aおよび補聴器200Aを備える構成である。
携帯電話機100Aおよび補聴器200Aの連動設定は、図5に示した『OFF設定1』に示すとおりであり、これについては既に説明したとおりであるので、その説明を省略する。
電源連動システム2においても、上述の電源連動システム1と同様、携帯電話機100Aが連動元機器であり、補聴器200Aが連動先機器である。
まず、図9を参照しながら、携帯電話機100Aの構成について説明すると次のとおりである。
携帯電話機100Aは、上述の携帯電話機100において、主制御部130および記憶部150を、それぞれ主制御部130Aおよび記憶部150Aに置き換えた構成である。
記憶部150Aには、上述したタイマー設定情報が記憶される。
主制御部130Aは、携帯電話機100の各部を統括的に制御するためのものである。例えば、主制御部130Aは、主制御部130と同様、携帯電話機100Aの通話処理を行う。
また、主制御部130Aは、電源OFFイベントが発生した場合、近距離無線部102に対して、補聴器200Aとの間の通信リンクを切断するよう指示する。
さらには、主制御部130Aは、主制御部130の設定部135と同等の機能を備える。すなわち、主制御部130Aは、タイマー設定を行うことができる。また、主制御部130Aは、記憶部150Aのタイマー設定情報を設定・更新することができる。また、主制御部130Aは、設定したタイマー設定の内容を、近距離無線部102を介して補聴器200Aに通知することができ、タイマー設定に変更があった場合、その都度、変更後のタイマー設定の内容を、補聴器200Aに通知する。
(補聴器の構成)
図9を参照しながら、さらに、補聴器200Aの構成について説明すると次のとおりである。
補聴器200Aは、上述の補聴器200において、近距離無線部210を、近距離無線部210Aに置き換えるとともに、主制御部230、タイマー部240、および記憶部250をさらに追加した構成である。また、電源供給ラインBは、音声増幅部(聴覚補助部)222、デジタル変換/イコライザ処理/信号処理部(聴覚補助部)223、およびアナログ変換/可変増幅部(聴覚補助部)224に加えて、主制御部230および記憶部250にも接続される。また、電源供給ラインAは、近距離無線部210に加えて、タイマー部240にも接続される。
別の側面から見れば、補聴器200Aは、音声増幅部222、デジタル変換/イコライザ処理部/信号処理部223、およびアナログ変換/可変増幅部224と接続された電源供給ラインBに供給する電源を制御する電源制御装置260を備える構成である。電源制御装置260は、主制御部230、タイマー部240、記憶部250、近距離無線部210A、電源制御部211を備える構成である。
近距離無線部210Aは、いわゆる近距離無線通信方式により、携帯電話機100との通信を確立するためのものである。上述した携帯電話機100が備える近距離無線部102と同様、各種の構成を採用することができる。
上記近距離無線部210との相違点は、近距離無線部210が、直接、電源制御部211に電源OFFの指示を行っていたのに対して、近距離無線部210Aは、直接、携帯電話機100Aから切断コマンドを受信して、携帯電話機100Aの近距離無線部102との間で確立している通信を切断する点にある。
主制御部230は、補聴器200Aにおける電源連動処理を統括的に制御するものである。主制御部230の機能は、例えばRAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリなどの記憶装置に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。なお、主制御部230の詳細については後述する。
タイマー部240は、上記携帯電話機100が備えるタイマー部123と同様、時間を計測するためのものである。タイマー部240は、例えば、時刻計測用のリアルタイムクロックICにより実現することができる。また、タイマー部240は、例示的に、タイマー設定機能を具備しており、設定された時刻になると、主制御部230および/または電源制御部211に割り込み信号(アラーム)を出力することができる。
記憶部250は、各種データおよびプログラムを記憶するものである。記憶部250は、例えば、不揮発性の記憶装置であるフラッシュメモリ等により構成することができる。なお、記憶部250の詳細については後述する。
(補聴器の詳細構成)
次に、図10を用いて、補聴器200Aが備える主制御部230および記憶部250についてさらに詳しく説明する。図10は、補聴器200Aの主制御部230および記憶部250の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図10に示すように、記憶部250は、連動設定情報記憶部251およびタイマー設定情報記憶部252を備える構成である。
連動設定情報記憶部251は、携帯電話機100Aが電源OFFとなったと判断できるとき、補聴器200Aもこれに連動して電源OFFとすべきか否かを示す連動設定情報を記憶するものである。
連動設定情報としては、“全て”、または、“タイマー設定のみ”を設定することができる。
“全て”は、携帯電話機100Aが電源OFFとなったと判断できるときにはどのような理由であっても補聴器200Aもこれに連動して電源OFFとすべきことを示す設定である。
“タイマー設定のみ”は、携帯電話機100Aがタイマー設定によって電源OFFとなったと判断できるときにのみ補聴器200Aもこれに連動して電源OFFとすべきこと示す設定である。この設定によれば、補聴器200Aでは、携帯電話機100Aとの通信が切断されとき、この通信の切断が、予定されていたものか否かに応じて、自機器の電源OFFにする。このように電源連動処理を行うのは、予定された時刻に、携帯電話機100Aとの通信が切断さたときは、携帯電話機100Aが電源OFFとなったと判断できるからである。
タイマー設定情報記憶部252は、携帯電話機100Aから送信されるタイマー設定情報を記憶するものである。タイマー設定情報は、携帯電話機100Aがタイマー設定により電源OFFする予定時刻を含む情報である。
また、図10に示すように、主制御部230は、通信検知部(状況検知手段、動作判断手段)231、判定部232、制御指示部(供給制御手段)234、およびタイマー設定情報受信部235を備える構成である。
通信検知部231は、近距離無線部210Aにおける携帯電話機100Aとの通信が切断されたことを検知するものである。
判定部232は、通信検知部231が通信の切断を検知した場合において、補聴器200Aを電源OFFとすべきか否かを判定するものである。
判定部232は、通信検知部231が通信の切断を検知すると、連動設定情報記憶部251から連動設定情報を読み出す。
連動設定情報として“全て”が設定されていた場合、判定部232は、制御指示部234に電源OFFの指示を出すよう要求する。
また、連動設定情報として“タイマー設定のみ”が設定されていた場合、判定部232は、さらにタイマー設定情報記憶部252からタイマー設定情報を読み出す。そして、判定部232は、タイマー部240から現在時刻を取得し、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とを比較する。比較の結果、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とがほぼ同じであれば、判定部232は、制御指示部234に電源OFFの指示を出すよう要求する。
判定部232は、携帯電話機100Aおよび補聴器200Aとの間の通信の遅延時間を基準として、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とがほぼ同じであるかどうかを判定することができる。
制御指示部234は、判定部232の要求に応じて電源制御部211に電源OFFの指示を行うものである。
(携帯電話機における処理の流れ)
次に、図11を用いて、携帯電話機100Aにおける電源連動処理の流れについて説明する。図11は、携帯電話機100Aにおける電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図11に示すように、まず、携帯電話機100Aでは、近距離無線部102が、補聴器200Aの近距離無線部210Aとの通信リンクを確立する(S301)。
通信リンクが確立されると、主制御部130Aが、近距離無線部102を介して、タイマー設定情報を補聴器200Aに送信する(S302)。
ここで、タイマー設定情報を変更した場合(S303においてYES)、主制御部130Aは、変更後のタイマー設定情報を補聴器200Aに再送する(S302)。
その後、主制御部130Aは、電源OFFイベントを検知すると(S304)、近距離無線部102に対して、補聴器200Aとの間の通信リンクを切断するよう指示する(S305)。
そして、携帯電話機100Aでは、電源制御部124が電池からの電源供給を停止する(S306)。
(補聴器における処理の流れ)
次に、図12を用いて、補聴器200Aにおける電源連動処理について説明する。図12は、補聴器200Aにおける電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図12に示すように、まず、補聴器200Aでは、予め、連動設定情報記憶部251の連動設定情報にイベント種別が設定される(S401)。この設定は、例えば、補聴器200Aにディップスイッチを設け、ディップスイッチにおいて“全て”および“タイマー設定のみ”の何れかを選択できるようにすることで行えるようにしてもよい。
その後、近距離無線部210Aが、携帯電話機100Aとの通信リンクを確立する(S402)。そして、通信リンクが確立されると、タイマー設定情報受信部235が、近距離無線部210Aを介して、携帯電話機100Aからタイマー設定情報を受信し、タイマー設定情報記憶部252に記憶する(S403)。
ここで、携帯電話機100Aにおいてタイマー設定が変更されることにより、携帯電話機100Aから、さらに変更されたタイマー設定情報が送信された場合(S404においてYES)、変更後のタイマー設定情報をタイマー設定情報記憶部252に再度記憶する(S403)。
その後、通信検知部231は、携帯電話機100Aおよび補聴器200Aの間の通信リンクが切断されたか否かを継続的に監視する(S404)。
通信検知部231が、通信リンクの切断を検知すると(S404においてYES)、判定部232が、連動設定情報記憶部251から連動設定情報を読み出して、連動設定情報が“全て”であるか否かを判定する(S406)。
連動設定情報に“全て”が設定されていた場合(S406においてYES)、判定部232は、制御指示部234に電源OFFの指示を出すよう要求し、これに応じて制御指示部234が電源OFFの指示を電源制御部211に送信することにより、電源供給ラインBに対する電源供給が停止される(S408)。
一方、連動設定情報に“全て”が設定されていない場合(S406においてNO)、すなわち、連動設定情報に“タイマー設定のみ”が設定されている場合、判定部232は、タイマー部240から現時時刻を取得し、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とを比較する(S407)。
比較の結果、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とがほぼ同じであれば(S407においてYES)、判定部232は、制御指示部234に電源OFFの指示を出すよう要求し、これに応じて制御指示部234が電源OFFの指示を電源制御部211に送信することにより、電源供給ラインBに対する電源供給が停止される(S408)。
一方、比較の結果、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とがほぼ同じでなければ(S407においてNO)、そのまま補聴器200Aは、電源ONの状態を維持する(S409)。
(携帯電話機および補聴器の間の通信シーケンス)
次に、図13を用いて、携帯電話機100Aの近距離無線部102と、補聴器200Aの近距離無線部210Aとの間の通信シーケンスについて説明すると、次のとおりである。図13は、携帯電話機100Aおよび補聴器200Aの間の通信シーケンスについて示したシーケンス図である。なお、図13に示す例は、通信方式にBluetooth(登録商標)を採用した場合について示している。
図13に示すように、まず、携帯電話機100Aの近距離無線部102から、補聴器200Aの近距離無線部210Aに対して呼び出しを行うと(SEQ201)、これに対して、補聴器200Aの近距離無線部210Aが応答する(SEQ202)。
続いて、携帯電話機100Aの近距離無線部102と、補聴器200Aの近距離無線部210Aとの間で認証処理が行われる(SEQ203)。認証処理が成功すると携帯電話機100Aの近距離無線部102と、補聴器200Aの近距離無線部210Aとの間で接続処理が行われ(SEQ204)、これにより両者間における通信リンクが確立される(SEQ205)。
通信リンクが確立されると、携帯電話機100Aは、近距離無線部102を介して、タイマー設定情報を補聴器200Aに送信する(SEQ206)。これに対して補聴器200Aは、近距離無線部210Aを介して、タイマー設定情報を受信した旨の応答を携帯電話機100Aに返す(SEQ207)。
以下、通信リンクの確立中において、タイマー設定情報を変更した場合には、携帯電話機100Aは、近距離無線部102を介して、変更後のタイマー設定情報を補聴器200Aに送信し(SEQ208)、これに対して、補聴器200Aは、近距離無線部210Aを介して、タイマー設定情報を受信した旨の応答を携帯電話機100Aに返す(SEQ209)。
携帯電話機100Aの近距離無線部102から切断コマンドが、補聴器200Aに送信されると(SEQ210)、補聴器200Aは、近距離無線部210Aを介して、切断コマンドを受信した旨の応答を送信する(SEQ211)。
その後、両者間の通信リンクは切断される(SEQ212)。
(作用・効果)
以上のように、本実施形態に係る電源制御装置260は、電源供給ラインBに供給する電源制御装置260が、通信機能を有する携帯電話機100Aとの通信が確立または切断されたことを検知する近距離無線部210Aと、携帯電話機100Aとの通信の確立または切断が検知された時刻と、該他の電気機器から予め通知された通信の確立予定時刻または切断予定時刻とを比較した結果に応じて、電源供給ラインBに対する電源供給の開始または停止を行う電源制御部211と、を備える構成である。
携帯電話機100Aとの通信が切断された場合、携帯電話機100Aが電源OFF状態となったと考えることができる。
上記構成によれば、携帯電話機100Aとの通信が切断された場合、当該通信の切断が予定されていたものであれば、補聴器200Aは電源OFF状態になる。
一方、当該通信の切断が予定されたものでなければ補聴器200Aは、電源ON状態のままである。
通信の切断が予定されていたものであれば、通信の切断は、携帯電話機100Aが、タイマー設定により電源OFFとなったと判断することができる。
この場合、タイマー設定の時刻を、利用者の活動終了の時刻と考えて、補聴器200Aを電源OFFとすることができる。これにより、補聴器200Aの電源OFF操作の手間を省くことができるとともに、利用者が使用しない間に補聴器200Aにおいて電池が浪費されることを防ぐことができる。
一方、通信の切断が予定されたものでなければ、通信の切断は、携帯電話機100Aが、タイマー設定以外の理由により電源OFFとなったと判断することができる。
つまり、病院など携帯電話機100Aを電源OFF状態にすることが要求される施設内で携帯電話機100Aが手動により電源OFFとなったと判断することができる。このような場合でも、補聴器200Aは電源ONのままであるので、普通の会話に支障が生じないという効果を得られる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について図14〜図16に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(システムの構成)
まず、図14を用いて、本実施形態に係る電源連動システム3の概要について説明する。図14に示すように電源連動システム3は、照明機器セット300および補聴器200を備える構成である。また、照明機器セット300は、照明機器(電気機器)301と、照明機器301を操作するためのリモートコントローラ(以下、リモコンと略称する)310とを含む構成である。
ここで、再び図5を用いて、照明機器セット300の照明機器301および補聴器200の連動設定について説明すると次のとおりである。
電源連動システム3では、照明機器セット300の照明機器301が連動元機器であり、補聴器200が連動先機器である。
電源連動システム3では、図5の『OFF設定2』に示す内容で照明機器301の電源OFFと、補聴器200の電源OFFとが連動している。すなわち、電源連動システム3は、照明機器301が手動により電源ONから電源OFFになった場合、補聴器200が電源ONから電源OFFとなる構成である。
以下では、『OFF設定2』を実現するための照明機器セット300の構成についてれ説明する。なお、補聴器200の構成については、図2を用いて説明したとおりであるので、その説明を省略する。
図14を用いて、照明機器セット300に含まれる照明機器301およびリモコン310の構成について説明する。図14に示すように、照明機器301は、近距離無線部302、受信部321、スイッチ322、タイマー部323、電源制御部324、電源回路325、インバータ回路326、主制御部330、記憶部350を備える構成である。
近距離無線部302、タイマー部323、電源制御部324、それぞれ、図2において示した近距離無線部102、タイマー部123、電源制御部124に対応しているので、ここでは、その説明を省略する。
受信部321は、リモコン310から送信される光操作信号を受信するためのものである。照明機器301の電源ONおよび電源OFF等の各種操作は、利用者がリモコン310を操作することにより行うことができる。
スイッチ322は、電源回路325における家庭用電源との接続を切り替えるためのものである。
電源回路325は、家庭用電源からの電源供給を受けるためのものである。
インバータ回路326は、電源供給を受けることにより照明機器301のランプ(不図示)を点灯するためのものである。
主制御部330は、照明機器301の各種構成を統括的に制御するものであり、記憶部350は、照明機器301で用いられる各種データおよびプログラムを記憶するものである。これらの詳細については、以下に説明する。
また、図14に示すように、リモコン310は、電源キー312を含むキー311および送信部313を備える構成である。
キー311に含まれる電源キー312を押下することにより電源ON/OFFを切り替えるための光操作信号を、送信部313を介して送信することができる。
送信部313は、キー311における操作に応じて、赤外線などによる光操作信号を受信部321に送信するためのものである。
(照明機器の詳細構成)
次に、図15を用いて、照明機器301が備える主制御部330および記憶部350についてさらに詳しく説明する。図15は、照明機器301の主制御部330および記憶部350の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図15に示すように、記憶部350は、電源OFF設定記憶部351およびタイマー設定情報記憶部152を備える構成である。
電源OFF設定記憶部351は、補聴器200と電源OFFを連動させるべきイベントの種類を示すイベント種別を記憶するものである。
照明機器301における電源OFFイベントの種類としては、例えば、次の3つが考えられえる。
まず、電源キー312が押されたことによる“電源キーイベント”である。そして、タイマー部323に設定されている電源OFF予定時刻になったことによる“電源OFFタイマー設定イベント”である。最後に、スイッチ322を操作したことによる“スイッチ操作イベント”である。
なお、3つのイベントすべてに補聴器200との電源OFFを連動させるべきである場合は、電源OFF設定記憶部351には、イベント種別として、“全て”が記憶される。
また、電源OFF設定記憶部351に設定されるイベント種別の初期設定は、例示的に“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”としている。これは、言いかえれば、“電源キーイベント”および“スイッチ操作イベント”がイベント種別の初期設定として設定されているともいえる。
また、電源OFF設定記憶部351では、イベント種別として、“電源キーイベント”または“全て”のみが、択一的に設定できるようになっていてもよい。
タイマー設定情報記憶部352は、上記タイマー設定情報記憶部152と同様であるのでその説明を省略する。
また、図15に示すように、主制御部330は、より詳細には、イベント検知部(指示検知手段)331、判定部332、コマンド送信部(指示送信手段)333、制御指示部334、および設定部335を備える構成である。
イベント検知部331は、電源OFFイベントを検知するものである。例えば、イベント検知部331は、電源キー312が押されたことによる“電源キーイベント”を検知する。また、イベント検知部331は、タイマー部323に設定されている電源OFF予定時刻になったことによる“電源OFFタイマー設定イベント”を検知する。さらには、イベント検知部331は、スイッチ322を操作したことによる“スイッチ操作イベント”を検知する。
イベント検知部331は、電源OFFイベントを検知すると、電源OFFイベントを検知した旨およびその電源OFFイベントのイベント種別を判定部332に通知する。
判定部332は、イベント検知部331からの通知に応じて、その電源OFFイベントのイベント種別が、補聴器200と電源OFFを連動させるべきものか否かを判定するものである。
コマンド送信部333、制御指示部334、および設定部335は、それぞれ、上述のコマンド送信部133、制御指示部134、および設定部135と同様であるので、その説明を省略する。
(照明機器における処理の流れ)
次に、図16を用いて、照明機器301における電源連動処理の流れについて説明する。図16は、照明機器301における電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図16に示すように、まず、照明機器301において、予め、電源OFF設定記憶部151にイベント種別が設定される(S501)。この設定は、スイッチ322において、操作部(不図示)を設けて、操作部における操作によって“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”または“全て”のイベント種別が設定可能となっていてもよい。また、リモコン310のキー311から設定可能となっていてもよい。
イベント検知部331が電源OFFイベントを検知すると(S502)、判定部332が、電源OFF設定記憶部351に記憶されているイベント種別が“全て”であるか否かを判定する(S503)。
判定の結果、イベント種別が“全て”でない場合(S503においてNO)、判定部332は、さらに電源OFFイベントのイベント種別が“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”であるか否かを判定する(S504)。
判定の結果、電源OFFイベントのイベント種別が“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”である場合(S504においてYES)、判定部332は、検知された電源OFFイベントが電源OFFを連動させるべきイベントであると判定する。そして、判定部332は、コマンド送信部333にその旨の通知を行う一方、制御指示部334に電源OFFの指示を要求する。
その後、コマンド送信部333は、上記通知に応じて、近距離無線部302を介して補聴器200に電源OFFコマンドを送信する(S505)。
そして、制御指示部334が、補聴器200からの電源OFFの応答を確認すると(S506)、タイマー部323において自動電源ON時刻が設定された後(S507)、制御指示部334が、判定部332の要求に応じて、電源制御部324に電源OFFの指示を行う(S508)
一方、判定の結果、電源OFFイベントのイベント種別が、“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”でない場合(S504においてNO)、すなわち、“電源OFFタイマー設定イベント”である場合、判定部332が、制御指示部334に電源OFFの指示を要求し、その後、制御指示部334が、判定部332の要求に応じて、電源制御部324に電源OFFの指示を行う(S508)。
なお、S503において、電源OFF設定記憶部351に記憶されているイベント種別が“全て”である場合、照明機器301では、上述のS505〜S508の処理が実行される。
補聴器200における電源連動処理の流れについては、図7を用いて説明したものに準じているのでその説明を省略する。また、照明機器セット300および補聴器200の間の通信シーケンスについても図8を用いて説明したものに準じているのでその説明を省略する。
(作用・効果)
上記構成によれば、照明機器301が、タイマー設定により電源OFFになったときでも、補聴器200に電源OFFコマンドを送信しないので、補聴器200は電源OFFにならない。
一方で、照明機器301が、手動により電源OFFになったときは、補聴器200に電源OFFコマンドを送信するので、補聴器200は電源OFF状態となる。
照明機器301において、予め設定した時刻に自動的に電源OFF状態にするような場合でも、直ちに利用者が活動を終了しないこともある。タイマー設定以外の手法、例えば、手動により照明機器301を電源OFFにする場合のほうが、利用者が活動終了の意思を示していると判断できる場合もある。
照明機器301において、タイマー設定により電源OFFとなるよりも、利用者の操作に起因する動作(例えば利用者による手動操作)により電源OFFとなるほうが、より利用者の活動終了(例えば、夜寝る)の意思を示していると判断できる場合には、照明機器301が、タイマー設定以外の手法により電源OFFとなったことにより、利用者が活動終了したと判断できる。利用者が活動終了すれば、補聴器200も使用されなくなることが考えられる。
よって、照明機器301が、タイマー設定以外の手法により電源OFFとなったときに、補聴器200の電源OFFを連動させることが望ましい。
上記構成によれば、一方の機器において、より利用者による活動終了の意思を示していると判断できる操作に応じて電源OFFとなったときに、他方の機器を電源OFFとすることで、電源の切り忘れを防止できるとともに、利用者の意に反して他の機器が電源OFF状態となることを防ぐことができる。
具体的には、照明機器301における電源OFFが、タイマー設定等によりスケジュールされたものであるとき、補聴器200に電源OFFコマンドを送信しないので、タイマー設定によって照明機器301の電源OFFにともない、利用者が音楽を聴いたり、テレビを見たりするのに支障が出てしまうことを防ぐことができる。
なお、上記の説明において、照明機器301では、“電源キーイベント”、“電源OFFタイマー設定イベント”、および“スイッチ操作イベント”の3つを電源OFFイベントとしていたが、照明機器301に、さらに明るさセンサーを設けて、明るさに応じた電源がON/OFFを電源OFFイベントとして検知してもよい。この場合、照明機器301では、センサーの周囲が、(例えば日中屋外から差し込む光によって)明るいときには、電源OFF状態となり、暗いときには、電源ONとなる。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について図17〜図20に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(システムの構成)
まず、図17を用いて、本実施形態に係る電源連動システム3Aの概要について説明する。電源連動システム3Aは、照明機器301Aの電源ON/OFFを補聴器200Bに設けた光センサーにより検知し、これに応じて補聴器200Bの電源ON/OFFを制御する構成である。
図17に示すように電源連動システム3Aは、照明機器セット300Aおよび補聴器200Bを備える構成である。また、照明機器セット300Aは、照明機器301Aと、照明機器301Aを操作するためのリモコン310とを含む構成である。
照明機器301Aと、補聴器200Bとの連動設定は、図5に示した『OFF設定2』に示すとおりであり、これについては既に説明したとおりであるので、その説明を省略する。
また、電源連動システム3Aにおいても、上述の電源連動システム3と同様、照明機器セット300Aの照明機器301Aが連動元機器であり、補聴器200Bが連動先機器である。
まず、図17を参照しながら、照明機器301Aの構成について説明すると次のとおりである。
照明機器301Aは、図14で示した照明機器301において、近距離無線部302を取り除くとともに、主制御部330および記憶部350を、それぞれ主制御部330Aおよび記憶部350Aに置き換えた構成である。
記憶部350Aには、上述したタイマー設定情報が記憶される。
主制御部330Aは、電源OFFイベントを検出し、これに応じて、電源制御部324に電源OFFの指示を行う。
また、主制御部330Aは、主制御部330の設定部335と同等の機能を備える。すなわち、主制御部330Aは、タイマー設定を行うことができる。また、主制御部330Aは、記憶部350Aのタイマー設定情報を設定・更新することができる。
(補聴器の構成)
図17を参照しながら、さらに、補聴器200Bの構成について説明すると次のとおりである。
補聴器200Bは、上述の補聴器200において、近距離無線部210を取り除き、主制御部230A、タイマー部240、および記憶部250A、明るさ検知部270をさらに追加した構成である。
また、電源供給ラインBは、音声増幅部(聴覚補助部)222、デジタル変換/イコライザ処理/信号処理部(聴覚補助部)223、およびアナログ変換/可変増幅部(聴覚補助部)224に加えて、主制御部230Aおよび記憶部250Aにも接続される。
また、電源供給ラインAは、タイマー部240および明るさ検知部270に接続される。
別の側面から見れば、補聴器200Bは、音声増幅部222、デジタル変換/イコライザ処理部/信号処理部223、およびアナログ変換/可変増幅部224と接続された電源供給ラインBに供給する電源を制御する電源制御装置260Aを備える構成である。
電源制御装置260Aは、電源制御部211、主制御部230A、タイマー部240、記憶部250A、および明るさ検知部270を備える構成である。
主制御部230Aは、補聴器200Aにおける電源連動処理を統括的に制御するものであり、記憶部250Aは、各種データおよびプログラムを記憶するものである。主制御部230Aおよび記憶部250Aの詳細については後述する。
明るさ検知部270は、補聴器200Bの周辺の明るさを検知するためのものである。明るさ検知部270は、検知結果から明るさデータを生成して、生成した明るさデータを主制御部230Aに送信する。
(補聴器の詳細構成)
次に、図18を用いて、補聴器200Bが備える主制御部230Aおよび記憶部250Aについてさらに詳しく説明する。図18は、補聴器200Bの主制御部230Aおよび記憶部250Aの機能的構成を示す機能ブロック図である。
図18に示すように、記憶部250Aは、タイマー設定情報記憶部252、連動設定情報記憶部251A、および消灯判断情報記憶部255を備える構成である。
連動設定情報記憶部251Aは、照明機器301Aが電源OFFとなったと判断できるとき、補聴器200Bもこれに連動して電源OFFとすべきか否かを示す連動設定情報を記憶するものである。連動設定情報としては、“全て”、または、“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”を設定することができる。
消灯判断情報記憶部255は、照明機器301Aが消灯したか否かを判断するための条件を示す消灯判断情報を記憶する。
消灯判断情報は、具体的には、明るさデータが示す値の明るさ閾値、明るさデータが示す値が閾値以下である期間の期間閾値、および時間帯情報を含む。
明るさ閾値は、補聴器200Bの周囲が明るいか、それとも暗いかを判定するための閾値である。
期間閾値は、補聴器200Bの周囲が暗い場合、その補聴器200Bの周囲が暗い状態が所定期間継続しているか否かを判定するための閾値である。期間閾値には、例えば、“5分”といった所定の時間を示す値を設定しておく。
時間帯情報は、現在時間が、夜の時間帯に該当するか、それとも夜以外の他の時間帯に該当するかを判定するため情報である。時間帯情報には、例えば、“夜18時から、翌朝5:00”が「夜」の時間帯に該当することを示す情報を格納しておく。
なお、タイマー設定情報記憶部252は、図10を用いて示したものと同様である。タイマー設定情報記憶部252に記憶されるタイマー設定情報は、図10に示す補聴器200Aのように、近距離無線通信を介して照明機器301Aから取得する構成であってもよいし、補聴器200B側で設定可能になっていてもよい。
また、図18に示すように、主制御部230Aは、消灯判断部(状況検知手段、動作判断手段)236、判定部232および制御指示部234を備える構成である。
消灯判断部236は、照明機器301Aが消灯したか否かを判断するものである。消灯判断部236は、タイマー部240から現在時刻を、明るさ検知部270から明るさデータをそれぞれ取得するとともに、消灯判断情報記憶部255から消灯判断情報を読み出して、これら現在時刻、明るさデータ、および消灯判断情報をもとに、照明機器301Aが消灯したか否かを判断する。
より具体的には、消灯判断部236は、明るさデータおよび現在時刻を取得すると、消灯判断情報記憶部255から消灯判断情報を読み出す。
そして、消灯判断部236は、消灯判断情報に基づいて、明るさデータおよび現在時刻が条件に合致するか否かを判定することにより、照明機器301Aが消灯しているか否かを判断する。
すなわち、消灯検知部236は、(1)明るさデータが示す明るさが、消灯判断情報に含まれる明るさ閾値以下である、(2)明るさデータが示す明るさが明るさ閾値以下となっている期間が、消灯判断情報に含まれる期間閾値以上、および(3)現在時刻が、消灯判断情報に含まれる時間帯情報に指定されている時間帯である、の3つの条件すべてを満たしている場合、照明機器301Aが消灯状態であると判断する。一方、消灯判断部236は、これら3つの条件のうち、1つでも、満たしていなければ、照明機器301Aが消灯状態であるとは判断しない。
なお、消灯判断部236が、上記(1)の条件に加えて、上記(2)、(3)の条件を判定するのは、より精度良く照明機器301Aの消灯状態の判断を行うためである。すなわち、上記(2)の条件は、偶然、補聴器200Bが影となることにより、明るさ検知部270が検知する明るさが低い値となっても、照明機器301Aが消灯したと判断しないようにするために設けている。また、上記(3)の条件は、昼間の間は、照明機器301Aが消灯したとしても、利用者は補聴器200Bを継続して利用すると考えられるため、このような場合照明機器301Aが消灯したと判断しないように設けている。
消灯判断部236は、照明機器301Aが消灯状態であると判断した場合、判定部232に対して照明機器301Aが消灯状態と判断できる旨を通知する。
なお、判定部232は、消灯判断部236が、消灯状態と判断した場合、補聴器200Aを電源OFFとすべきか否かを判定する。それ以外の動作・機能については、すでに説明したとおりであるのでその説明を省略する。制御指示部234も同様である。
(照明機器における処理の流れ)
次に、図19を用いて、照明機器301Aにおける電源制御処理の流れについて説明する。図19は、照明機器301Aにおける電源制御処理の流れについて示したフローチャートである。
図19に示すように、まず、照明機器301Aでは、主制御部330Aが電源OFFのイベントを検知する(S511)。主制御部330Aが検知する電源OFFのイベントには、“電源OFFタイマー設定イベント”、“電源キーイベント”および“スイッチ操作イベント”が含まれる。
続いて、主制御部330Aは、電源OFFのイベントが、“スイッチ操作イベント”であるかどうかを判定する(S512)。
ここで、電源OFFのイベントが、“スイッチ操作イベント”である場合(S512においてYES)、主制御部330Aは、そのまま電源制御部324に電源OFFの指示を行う(S516)。
一方、電源OFFのイベントが、“スイッチ操作イベント”でない場合(S512においてNO)、主制御部330Aは、さらに電源OFFのイベントが“電源キーイベント”であるか否かを判定する(S513)。
ここで、電源OFFのイベントが、“電源キーイベント”でない場合(S513においてNO)、タイマー部323において自動電源ON時刻が設定された後(S515)、主制御部330Aは、電源制御部324に電源OFFの指示を行う(S516)
一方、電源OFFのイベントが、“電源キーイベント”である場合(S513においてYES)、主制御部330Aは、さらに電源OFFのイベントが“電源OFFタイマー設定イベント”である否かを判定する(S514)。
電源OFFのイベントが“電源OFFタイマー設定イベント”である場合(S514においてYES)、主制御部330Aは、電源制御部324に電源OFFの指示を行う(SS516)。
一方、電源OFFのイベントが“電源OFFタイマー設定イベント”である場合(S514においてNO)、タイマー部323において自動電源ON時刻が設定された後(S515)、主制御部330Aは、電源制御部324に電源OFFの指示を行う(S516)
(補聴器における処理の流れ)
次に、図20を用いて、補聴器200Bにおける電源連動処理の流れについて説明する。図20は、補聴器200Bにおける電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図20に示すように、補聴器200Bでは、消灯判断部236が、明るさ検知部270から明るさデータ、タイマー部240から現在時刻をそれぞれ取得する(S411)。
そして、消灯判断部236が消灯判断情報記憶部255から消灯判断情報を読み出し、明るさデータおよび現在時刻が、消灯判断情報に指定されている条件に合致するか否かを判定する(S412)。
すなわち、消灯判断部236は、(1)明るさデータが示す明るさが、消灯判断情報に含まれる明るさ閾値以下である、(2)明るさデータが示す明るさが明るさ閾値以下となっている期間が、消灯判断情報に含まれる期間閾値以上、および(3)現在時刻が、消灯判断情報に含まれる時間帯情報に指定されている時間帯である、の3つの条件すべてを満たしているか否かを判定する。
ここで、消灯判断部236が上記3つの条件をすべて満たしていないと判定した場合(S412においてNO)、処理はS411に戻る。
一方、消灯判断部236が上記3つの条件をすべて満たしていると判定した場合(S412においてYES)、消灯判断部236は、判定部232に照明機器301Aが消灯状態と判断できる旨を通知し、これに応じて、判定部232が、連動設定情報記憶部251Aから連動設定情報を読み出して、連動設定情報が“全て”であるか否かを判定する(S413)。
連動設定情報に“全て”が設定されていた場合(S413においてYES)、判定部232は、制御指示部234に電源OFFの指示を出すよう要求し、これに応じて制御指示部234が電源OFFの指示を電源制御部211に送信することにより、電源供給ラインBに対する電源供給が停止される(S415)。
一方、連動設定情報に“全て”が設定されていない場合(S413においてNO)、すなわち、連動設定情報に“電源OFFタイマー設定イベント以外のイベント”が設定されている場合、判定部232は、タイマー部240から現時時刻を取得し、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とを比較する(S414)。
比較の結果、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とがほぼ同じでなければ(S414においてNO)、判定部232は、制御指示部234に電源OFFの指示を出すよう要求し、これに応じて制御指示部234が電源OFFの指示を電源制御部211に送信することにより、電源供給ラインBに対する電源供給が停止される(S415)。
一方、比較の結果、現在時刻と、タイマー設定情報が示す予定時刻とがほぼ同じでなければ(S414においてNO)、そのまま補聴器200Aは、電源ONの状態を維持する(S416)。
(変形例)
上記では、補聴器200Bが明るさ検知部270、すなわち明るさセンサーを備える構成であった。しかしながら、これに限られず補聴器200Bにおいて、他のセンサーを備える構成としてもよい。例えば、補聴器200Bにおいて、赤外線を検知するセンサーを設ける構成としてもかまわない。
また、上記では、照明機器301Aの消灯、すなわち照明機器301の電源OFFに、補聴器200Bの電源ON/OFFを連動させる例について説明したが、これに限られず、照明機器301Aの点灯に、補聴器200Bの電源ON/OFFを連動させるように構成することも可能である。
(作用・効果)
補聴器200Bでは、周囲の明るさ等の状況から照明機器301Aが消灯した、すなわち電源OFF状態となったと判断する。そして、補聴器200Bは、照明機器301Aが電源OFF状態となったと判断できる場合、電源OFF状態がタイマー設定により予定されていたものであるか否かを判定することにより、電源供給ラインBへの電源供給を停止するか否かを制御する。
上記構成によれば、一方の機器において、より利用者による活動終了の意思を示していると判断できる操作に応じて電源OFFとなったときに、他方の機器を電源OFFとすることで、電源の切り忘れを防止できるとともに、利用者の意に反して他の機器が電源OFF状態となることを防ぐことができる。
つまり、図14〜図16を用いて説明した電源連動システム3と同様の作用・効果を得ることができる。
また、補聴器200Bが、周囲の状況から照明機器301Aの消灯状態を判断して、これに応じて補聴器200Bを電源OFF状態とするか否かを決定するため、照明機器301Aは、補聴器200Bに電源OFFの指示などをしなくても済む。
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について図21〜図25に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(システムの構成)
まず、図21を用いて、本実施形態に係る電源連動システム4の概要について説明する。図21に示すように電源連動システム4は、テレビセット400および補聴器200を備える構成である。また、テレビセット400は、テレビ(電気機器)401と、テレビ401を操作するためのリモコン410とを含む構成である。
ここで、再び図5を用いて、テレビセット400のテレビ401および補聴器200の連動設定について説明すると次のとおりである。
電源連動システム4では、テレビセット400のテレビ401が連動元機器であり、補聴器200が連動先機器である。
電源連動システム4では、図5の『ON設定1』に示す内容でテレビ401の電源OFFと、補聴器200の電源OFFとが連動している。すなわち、電源連動システム4は、テレビ401がタイマーにより電源OFFから電源ONになった場合、補聴器200において電源OFFから電源ONとなる構成である。さらにいえば、テレビ401が手動により電源OFFから電源ONになった場合には、補聴器200において電源OFFから電源ONとならない構成である。
以下では、『ON設定1』を実現するためのテレビセット400および補聴器200の構成について説明する。
まず、図21を用いて、テレビセット400に含まれるテレビ401およびリモコン410の構成について説明する。
図21に示すように、テレビ401は、近距離無線部402、受信部421、信号入力部422、タイマー部423、電源制御部424、電池425、信号処理部426、表示部427、スピーカ428、主制御部430、および記憶部450を備える構成である。
近距離無線部402、タイマー部423、電源制御部424、電池425は、それぞれ、図2において示した近距離無線部102、タイマー部123、電源制御部124、電池125に対応しているので、ここでは、その説明を省略する。
受信部421は、リモコン410から送信される光操作信号を受信するためのものである。テレビ401の電源ONおよび電源OFFの操作および番組選択等の各種操作は、利用者がリモコン410を操作することにより行うことができる。
信号入力部422は、映像信号、音声信号、および各種情報を伝達するための信号を外部から入力するためのものである。入力元としては、例えば、地上デジタルアンテナチューナーや、接続ケーブルによって接続されたビデオデッキ等の接続機器が挙げられる。
信号処理部426は、信号入力部422からの入力信号に対して分離、復号、復号処理等の信号処理を施すものである。信号処理部426は、信号処理によって得られた映像信号および音声信号を、それぞれ、表示部427およびスピーカ428に出力する。
表示部427は、信号処理部426から出力される映像信号を表示するためのものである。表示部427は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示装置により実現することができる。
スピーカ428は、信号処理部426から出力される音声信号を音波に変換し出力するものである。
主制御部430は、テレビ401の各種構成を統括的に制御するものであり、記憶部450は、テレビ401で用いられる各種データおよびプログラムを記憶するものである。主制御部430および記憶部450の詳細については後述する。
また、図21に示すように、リモコン410は、キー411および送信部413を備える構成である。
キー411は、テレビ401におけるチャンネル選択をはじめとする各種操作を行うためのものである。キー411は、テレビ401における電源ON/OFFを操作するための電源キー412を含む。
すなわち、電源キー412を押下することによりテレビ401を電源ON状態にするための光操作信号を、送信部413を介して、テレビ401の受信部421に送信することができる。
送信部413は、キー411における操作に応じて赤外線などによる光操作信号を、受信部421に送信するものである。
なお、補聴器200の構成については、図2を用いて説明したものと、ほぼ同様であるが、次の点で異なる。すなわち、近距離無線部210は、テレビ401の近距離無線部402から電源ONコマンドを受信すると、電源制御部211に対して電源ONの指示を行う。また、電源制御部211は、電源ONの指示を受信して、補聴器200を電源OFFの状態から電源ONの状態にする。すなわち、電源制御部211は、電源供給ラインBに対する電源供給を開始する。
それ以外の補聴器200の構成については、既に説明したとおりであるのでその説明を省略する。
(テレビの詳細構成)
次に、図22を用いて、テレビ401が備える主制御部430および記憶部450についてさらに詳しく説明する。図22は、テレビ401の主制御部430および記憶部450の機能的構成を示す機能ブロック図である。
図22に示すように、記憶部450は、電源ON設定記憶部451およびタイマー設定情報記憶部452を備える構成である。
電源ON設定記憶部451は、補聴器200と電源ONを連動させるべきイベントの種類を示すイベント種別を記憶するものである。
ここで、イベントとは電源ONが生じる契機となった事象のことである。以下、このような事象のことを電源ONイベントと称する。
テレビ401における電源ONイベントの種類としては、例えば、リモコン410の電源キー412が押されたことによる“電源キーイベント”およびタイマー部423に設定されている電源ON予定時刻になったことによる“電源ONタイマー設定イベント”などが挙げられる。これ以外の電源ONイベントを“その他のイベント”と称する。
なお、これらのイベントすべてに補聴器200との電源ONを連動させるべきである場合は、電源ON設定記憶部451には、イベント種別として、“全て”が記憶される。
また、電源ON設定記憶部451に設定されるイベント種別の初期設定は、例示的に“電源ONタイマー設定イベント”としている。
また、電源ON設定記憶部451では、例示的に、イベント種別の設定が“全て”および“電源ONタイマー設定イベント”が択一的に選択されるようになっている。
タイマー設定情報記憶部452は、上記タイマー設定情報記憶部152と同様であるのでその説明を省略する。
また、図22に示すように、主制御部430は、より詳細には、イベント検知部(指示検知手段)431、判定部432、コマンド送信部(指示送信手段)433、制御指示部334、および設定部335を備える構成である。
イベント検知部431は、電源ONイベントを検知するものである。例えば、イベント検知部431は、電源キー412が押されたことによる“電源キーイベント”を検知する。また、イベント検知部431は、タイマー部423に設定されている電源ON予定時刻になったことによる“電源ONタイマー設定イベント”を検知する。
イベント検知部431は、電源ONイベントを検知すると、電源ONイベントを検知した旨およびその電源ONイベントのイベント種別を判定部432に通知する。
判定部432は、イベント検知部431からの通知に応じて、その電源ONイベントのイベント種別が、補聴器200と電源ONを連動させるべきものか否かを判定するものである。
具体的には、判定部432は、イベント検知部431から電源ONイベントを検知した旨およびその電源ONイベントのイベント種別の通知を受けると、電源ON設定記憶部451に記憶されているイベント種別を読み出す。そして、判定部432は、イベント検知部431から通知されるイベント種別が、読み出したイベント種別と合致するか否かを判定する。
電源ONイベントのイベント種別が、読み出したイベント種別と合致していれば、判定部432は、電源ONを連動させるべきイベントと判定する。この場合、判定部432は、コマンド送信部433にその旨の通知を行うとともに、制御指示部434に電源ONの指示を要求する。
なお、判定部432は、読み出したイベント種別が“全て”である場合、どのような電源ONイベントであっても、電源ONを連動させるべきイベントと判定する。
一方、電源ONイベントのイベント種別が、読み出したイベント種別と合致していなければ、判定部432は、制御指示部434に電源ONの指示を要求する。
コマンド送信部433は、判定部432からの通知を受けた場合、近距離無線部402を介して補聴器200に対して電源ONコマンドを送信するものである。
制御指示部434は、判定部432からの要求に応じて、電源制御部424に電源ONの指示を行うものである。
設定部435は、キー411における操作などにより、タイマー設定情報記憶部452に、自動電源ON時刻情報および自動電源OFF時刻情報を記憶したり、タイマー設定情報記憶部452に記憶されている自動電源ON時刻情報または自動電源OFF時刻情報を読み出して、タイマー部423に電源ONタイマー設定または電源OFF設定を行ったりするものである。
(テレビにおける処理の流れ)
次に、図23を用いて、テレビ401における電源連動処理の流れについて説明する。図23は、テレビ401における電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図23に示すように、まず、テレビ401では、イベント検知部431が、電源ONイベントを検知する(S601)。
続いて、判定部432が、電源ON設定記憶部451に記憶されているイベント種別が“全て”であるか否かを判定する(S602)。
判定の結果、イベント種別が“全て”でない場合(S602においてNO)、判定部432は、さらに電源ONイベントのイベント種別が“電源キーイベント”であるか否かを判定する(S603)。
この判定の結果、電源ONイベントのイベント種別が“電源キーイベント”である場合(S603においてYES)、判定部432は、検知されたイベントが電源ONを連動させるべきイベントでないと判定する。そして、判定部432は、制御指示部434に電源ONの指示を要求し、その後、制御指示部434が、電源制御部424に電源ONの指示を行うとともに、タイマー部423では自動電源ON時刻が設定される(S607)。
一方、この判定の結果、電源ONイベントのイベント種別が“電源キーイベント”でない場合(S603においてNO)、さらに判定部432は、電源ONイベントのイベント種別が“電源ONタイマー設定イベント”であるか否かを判定する(S604)。
ここで、電源ONイベントのイベント種別が“電源ONタイマー設定イベント”である場合(S604においてYES)、判定部432は、検知された電源ONイベントが電源ONを連動させるべきイベントであると判定する。そして、判定部432は、コマンド送信部433にその旨の通知を行う一方、制御指示部334に電源ONの指示を要求する。
その後、コマンド送信部433は、上記通知に応じて、近距離無線部402を介して補聴器200に電源ONコマンドを送信する(S605)。
そして、制御指示部434が、補聴器200からの電源ONの応答を確認すると(S606)、タイマー部423において自動電源OFF時刻が設定される(S607)。また、制御指示部334が、判定部432の要求に応じて、電源制御部424に電源ONの指示を行う。
一方、ここで、電源ONイベントのイベント種別が“電源ONタイマー設定イベント”でない場合(S604においてNO)、判定部432は、検知された電源ONイベントが電源ONを連動させるべきイベントでないと判定する。そして、判定部432は、制御指示部434に電源ONの指示を要求し、これに応じて制御指示部334が、電源制御部324に電源ONの指示を行うとともに、タイマー部423では自動電源ON時刻が設定される(S607)。
なお、S602において、電源OFF設定記憶部351に記憶されているイベント種別が“全て”である場合、テレビ401では、上述のS605〜S607の処理が実行される。
(補聴器における処理の流れ)
次に、図24を用いて、補聴器200における電源連動処理の流れについて説明する。図24は、補聴器200における電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図24に示すように、補聴器200では、近距離無線部210が、テレビ401が上述のS605(図23)において送信する電源ONコマンドを受信する(S701)。
続いて、補聴器200の近距離無線部210が、電源ONコマンドを受信した旨の応答をテレビ401に送信する(S702)。
そして、補聴器200の近距離無線部210は、受信した電源ONコマンドを電源制御部211に転送すると(S703)、これに応じて、電源制御部211は、電源供給ラインBへの電源供給を開始する(S704)。
(テレビおよび補聴器の間の通信シーケンス)
次に図25を用いて、テレビ401の近距離無線部402と、補聴器200の近距離無線部210との間の通信シーケンスについて説明すると次のとおりである。図25は、テレビ401および補聴器200の間の通信シーケンスについて示したシーケンス図である。なお、図25に示す例は、通信方式にBluetooth(登録商標)を採用した場合について示している。
図25に示すSEQ301〜SEQ305は、図8に示したSEQ101〜105と同様であるので、その説明を省略する。
続いて、テレビ401において所定の電源ONイベントが発生することにより、テレビ401の近距離無線部402から、補聴器200の近距離無線部210に対して電源ONコマンドが送信される(SEQ306)。
補聴器200の近距離無線部210は、テレビ401の近距離無線部402から電源ONコマンドを受信すると、これに応じて電源ONコマンドを受信した旨の応答をテレビ401の近距離無線部402に返信する(SEQ307)。
その後、任意のタイミングで、切断コマンドが送信されることにより、テレビ401および補聴器200の間の通信リンクは切断される(SEQ308)。
(作用・効果)
テレビ401と補聴器200とは共に利用者が起きているときは電源ON状態にし、寝るときには電源OFF状態にするという使い方をする機器である。
よって、テレビ401の電源ONに補聴器200の電源ONを連動させれば、補聴器200の電源ONの手間を省くことができる。
しかしながら、常に連動させることとなると、例えば、利用者がスケジュールしていないタイミングでテレビ401が電源ONとなった場合に不都合を生じるおそれがある。
例えば、タイマー設定ではなく、テレビ401が手動により電源ONになった場合、何らかの周囲の状況の変化により、予定されていない動作を他人が行ったと考えられる。この場合、他方の機器がどの様に動作すべきかは、その周囲の状況によって変わる。
そこで、このような場合、一方の機器の電源ONに他方の機器の電源ONを連動させないで、現状のままに保つことにより、利用者の意に反して他方の機器が電源ONになることを防ぐ。
上記構成によれば、テレビ401が手動により電源ONになっても、テレビ401は補聴器200に電源ONコマンドを送信しないので、補聴器200は電源ONとならない。
よって、利用者がもともと起きようとしていてタイマー設定していた時間より早い時間に、家族の誰かが、テレビ401を、電源ON状態にしても、補聴器200は電源ON状態にならず、利用者は周囲に邪魔をされず予定時刻まで寝ることが出来る。
また、上記構成よれば、テレビ401がタイマーにより電源ONになると、テレビ401は補聴器200に電源ONコマンドを送信するので、補聴器200は電源ON状態になる。よって、利用者の活動開始にともない、補聴器200を電源ON状態とすることができ、補聴器200に対して電源ON操作する手間を省くことができる。
なお、図31を用いて、参考までに従来の電源ONに係る連動設定と対比すると次のとおりである。すなわち、従来、図31に示す『ON設定』のように、タイマー設定により電源ONとする場合でも、手動により電源ONする場合でも、区別なく連動先機器が電源ONとなっていた。電源ON設定記憶部451においてイベント種別を“全て”とすればこのような構成もサポート可能である。
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について図26〜図29に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
(システムの構成)
まず、図26を用いて、本実施形態に係る電源連動システム5の概要について説明する。図26に示すように電源連動システム5は、エアーコンディショナセット(以下、エアコンと略称する)500および補聴器200を備える構成である。また、エアコンセット500は、エアコン(電気機器)501と、エアコン501を操作するためのリモコン510とを含む構成である。
ここで、再び図5を用いて、エアコンセット500のエアコン501および補聴器200の連動設定について説明すると次のとおりである。
電源連動システム5では、エアコンセット500のエアコン501が連動元機器であり、補聴器200が連動先機器である。
電源連動システム5では、図5の『ON設定2』に示す内容でエアコン501の電源ONと、補聴器200の電源ONとが連動している。すなわち、電源連動システム5は、エアコン501が手動により電源OFFから電源ONになった場合、補聴器200において電源OFFから電源ONとなる構成である。さらにいえば、エアコン501がタイマーにより電源OFFから電源ONとなった場合には、補聴器200において電源OFFから電源ONとならない構成である。
以下では、『ON設定2』を実現するためのエアコンセット500および補聴器200の構成について説明する。
まず、図26を用いて、エアコンセット500に含まれるエアコン501およびリモコン510の構成について説明する。
図26に示すように、エアコン501は、近距離無線部502、受信部521、タイマー部523、電源制御部524、電源回路525、モーター駆動部526、主制御部530および記憶部550を含む構成である。
受信部521は、リモコン510から送信される光操作信号を受信するためのものである。エアコン501の電源ONおよび電源OFFの操作および温度設定、運転設定などの各種操作は、利用者がリモコン510を操作することにより行うことができる。
電源回路525は、家庭用電源からの電源供給を受けるためのものである。
モーター駆動部526は、エアコン501の空調機能を実現するための構成であり、送風器、コンプレッサなどを動作させるためのものである。
主制御部530は、エアコン501の各種構成を統括的に制御するものであり、記憶部550は、エアコン501で用いられる各種データおよびプログラムを記憶するものである。主制御部530および記憶部550の詳細については後述する。
また、図26に示すように、リモコン510は、キー511および送信部513を備える構成である。
キー511は、エアコン501における温度設定、運転設定をはじめとする各種操作を行うためのものである。また、キー511は、エアコン501における電源ON/OFFを切り替えるための電源キー512を含む。利用者は、電源キー512を押下することによってエアコン501における電源ONおよび電源OFFを切り替えるための光操作信号を送信部513から、エアコン501の受信部521に対して送信することができる。
送信部513は、キー511における操作に応じて赤外線になどによる光操作信号を、受信部521に送信するものである。
なお、補聴器200の構成については、図2を用いて説明したものと、ほぼ同様であるが、次の点で異なる。すなわち、近距離無線部210は、エアコン501の近距離無線部502から電源ONコマンドを受信すると、電源制御部211に対して電源ONの指示を行う。また、電源制御部211は、電源ONの指示を受信して、補聴器200を電源OFFの状態から電源ONの状態にする。すなわち、電源制御部211は、電源供給ラインBに対する電源供給を開始する。
それ以外の補聴器200の構成については、既に説明したとおりであるのでその説明を省略する。
(エアコンの詳細構成)
次に、図27を用いて、エアコン501が備える主制御部530および記憶部550についてさらに詳しく説明する。図27は、エアコン501の主制御部530および記憶部550の機能的構成について示す機能ブロック図である。
図27に示すように、記憶部550は、電源ON設定記憶部551およびタイマー設定情報記憶部552を備える構成である。
電源ON設定記憶部551は、図22を用いて既に説明した電源ON設定記憶部451とほぼ同様であるが、電源ON設定記憶部551に設定されるイベント種別の初期設定が、“電源キーイベント”である点で異なる。
また、電源ON設定記憶部551では、例示的に、イベント種別の設定が“全て”および“電源キーイベント”が択一的に選択されるようになっている。
タイマー設定情報記憶部552は、上記タイマー設定情報記憶部152と同様であるのでその説明を省略する。
また、図27に示すように、主制御部530は、より詳細には、イベント検知部(指示検知手段)531、判定部532、コマンド送信部(指示送信手段)533、制御指示部534、および設定部535を備える構成である。
イベント検知部531、判定部532、コマンド送信部533、制御指示部534、および設定部535は、それぞれ、図22で示したイベント検知部431、判定部432、コマンド送信部433、制御指示部334、および設定部335と対応しているので、その動作については既に説明した通りであるのであるので、その説明を省略する。
(エアコンにおける処理の流れ)
次に、図28を用いて、エアコン501における電源連動処理の流れについて説明する。図28は、エアコン501における電源連動処理の流れについて示したフローチャートである。
図28に示すように、まず、エアコン501では、イベント検知部531が、電源ONイベントを検知する(S801)。
続いて、判定部532が、電源ON設定記憶部551に記憶されているイベント種別が“全て”であるか否かを判定する(S802)。
判定の結果、イベント種別が“全て”でない場合(S802においてNO)、判定部532は、さらに電源ONイベントのイベント種別が“電源ONタイマー設定イベント”であるか否かを判定する(S803)。
この判定の結果、電源ONイベントのイベント種別が“電源ONタイマー設定イベント”である場合(S803においてYES)、判定部532は、検知されたイベントが電源ONを連動させるべきイベントでないと判定する。そして、判定部532は、制御指示部534に電源ONの指示を要求し、これに応じて制御指示部534が、電源制御部524に電源ONの指示を行うとともに、タイマー部523では自動電源ON時刻が設定される(S607)。
一方、この判定の結果、電源ONイベントのイベント種別が“電源ONタイマー設定イベント”で無い場合(S803においてNO)、さらに判定部532は、電源ONのイベントのイベント種別が“電源キーイベント”であるか否かを判定する(S804)。
ここで、電源ONイベントのイベント種別が“電源キーイベント”である場合(S804においてYES)、判定部532は、検知された電源ONイベントが電源ONを連動させるべきイベントであると判定する。そして、判定部532は、コマンド送信部533にその旨の通知を行う一方、制御指示部534に電源ONの指示を要求する。
その後、コマンド送信部533は、上記通知に応じて、近距離無線部502を介して補聴器200に電源ONコマンドを送信する(S805)。
そして、制御指示部534が、補聴器200からの電源ONの応答を確認すると(S806)、タイマー部523において自動電源OFF時刻が設定される(S807)。また、制御指示部534が、判定部532の要求に応じて、電源制御部524に電源ONの指示を行う。
一方、ここで、電源ONイベントのイベント種別が“電源キーイベント”でない場合(S804においてNO)、判定部532は、検知された電源ONイベントが電源ONを連動させるべきイベントでないと判定する。そして、判定部532は、制御指示部534に電源ONの指示を要求し、これに応じて制御指示部534が、電源制御部524に電源ONの指示を行うとともに、タイマー部523では自動電源ON時刻が設定される(S807)。
なお、S802において、電源ON設定記憶部551に記憶されているイベント種別が“全て”である場合、エアコン501では、上述のS805〜S807の処理が実行される。
また、補聴器200における電源連動処理の流れについては、図24を用いて説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
また、エアコン501および補聴器200の間における通信シーケンスは、図25を用いて説明したとおりであるので、その説明を省略する。
(作用・効果)
冬の寒い朝にはエアコン501のタイマー設定を起床時間に合わせておき、部屋を暖めることが考えられる。しかしながら、エアコン501の電源ONとともに、直ちに部屋が暖まるわけではないので、起床しようとする時間の少し前にタイマー設定をすることも考えられる。
つまり、このような場合、予めスケジュールしたタイマー設定の時間によりエアコン501が電源ONとなったことを、利用者の活動開始の意思表示と考えるには早すぎるのである。
このため、エアコン501の電源ONに、補聴器200の電源ONを連動させると、利用者の眠りを妨げる結果となるおそれがある。また、補聴器200を電源OFFにする手間が発生する。さらには、利用者が使用しないにもかかわらず、補聴器200の電池が浪費されてしまうおそれもある。
一方で、エアコン501を利用者が手動により電源ONにした場合、何らかの都合で利用者が活動開始したと考えられる。すなわち、エアコン501を利用者が手動により電源ONにした場合には、利用者の活動開始の意思を示したと判断することができる。
このため、エアコン501の電源ONに、補聴器200の電源ONを連動させれば、補聴器200の電源ON操作の手間が省ける。
上記構成によれば、エアコン501がタイマー設定により電源ONになっても、エアコン501が補聴器200に電源ONコマンドを送信しないので、補聴器200は、電源OFFのままである。これにより、利用者が活動開始の意思を示していないにもかかわらず、利用者の意図に反して補聴器200の電源がONとなり、利用者の行動が妨げられたり、補聴器200の電源をOFFにする手間が増えたり、することを防ぐことができる。また、補聴器200が使用されないにもかかわらず、補聴器200の電池が浪費されてしまうことを防ぐことができる。
また、エアコン501が手動により電源ONになった場合、エアコン501が補聴器200に電源ONコマンドを送信するので、補聴器200は電源ONになる。
このため、利用者が、活動開始の意思を示したときに、補聴器200の電源をONにする手間を省くことができる。
〔実施形態7〕
本発明のさらに他の形態について図29に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図2等を用いて示した電源連動システム1〜5では、補聴器200に替えて、図29に示す歩数計600を採用することができる。歩数計600は、利用者の歩数をカウントして表示するものである。また、歩数計600は、歩数に基づいて熱量や消費エネルギーなどの身体活動量を算出して表示してもよい。
図29に示すように、歩数計600は、近距離無線部610、電源制御部611、電池612、3Dセンサー621、AD変換部622、データ処理部623、表示用ドライバ624、および表示部625を備える構成である。
また、電源制御部611と、3Dセンサー621、AD変換部622、データ処理部623、表示用ドライバ624、および表示部625のそれぞれとは、電源供給ラインBにより接続されている。近距離無線部610と電源制御部611とは電源供給ラインAにより接続されている。
近距離無線部610、電源制御部611および電池612は、それぞれ、図2で示した近距離無線部210、電源制御部211および電池212と対応している。
3Dセンサー621は、加速度を検知するためのものであり、例えば、3軸方向の加速度を検出可能なセンサーにより実現することができる。
AD変換部622は、3Dセンサー621から出力される信号を増幅するためのものである。
また、データ処理部623は、AD変換部622によって増幅された信号に基づいて、利用者の歩数を計上するものである。3Dセンサー621が検知した加速度から歩数を計上する手法については、公知のものを使用することができる。
表示用ドライバ624は、表示部625を駆動させてデータ処理部623が計上した歩数データを表示させるものである。
表示部625は、表示用ドライバ624の制御によってデータを表示させるためのものであり、例えば、液晶表示装置などが採用できる。
(作用・効果)
歩数計600を、電源連動システム1において採用すれば、携帯電話機100が、手動により電源OFFとなっても、歩数計600に電源OFFコマンドを送信しない。このため、病院など携帯電話機100を電源OFF状態にすることが要求される施設内で携帯電話機100を手動により電源OFFにしても歩数計600は電源ONのまま、利用者の歩数・活動量測定を続行することができる。
一方、携帯電話機100が、タイマー設定により電源OFFとなった場合、歩数計600に電源OFFコマンドを送信する。
この場合、利用者の活動終了の時刻と考えて、歩数計600を電源OFFとすることができ、歩数計600の電源OFF操作の手間を省くことができるとともに、利用者が使用しない間に歩数計600において電池が浪費されることを防ぐことができる。
歩数計600を、電源連動システム3において採用すれば、照明機器301がタイマー設定により電源OFFになっても、歩数計600に電源OFFコマンドを送信しない。
一方、照明機器301が手動により電源OFFになった場合、歩数計600に電源OFFコマンドを送信する。
照明機器301がタイマー設定により電源OFFになっても、直ちに利用者が活動終了しない場合も考えられる。一方、照明機器301が手動により電源OFFになった場合、利用者の活動終了の意思表示と判断することができる。
このため、照明機器301がタイマー設定により電源OFFになっても、直ちに利用者が活動終了しない場合において、利用者の意に反して歩数計600が電源OFFになってしまうことを防ぐことができる。
一方で、照明機器301が手動により電源OFFになった場合、わざわざ歩数計600を電源OFFにする操作を行う手間を省くことができるとともに、歩数計600が使用されない間、電池を浪費してしまうことを防ぐことができる。
歩数計600を、電源連動システム4において採用すれば、テレビ401が手動により電源ONになっても、歩数計600に電源ONコマンドを送信しない。
利用者は、スケジュールされていた時間までは、眠ったままであることが想定されるので、歩数計600は、スケジュールされていた時間までは使用されないと考えられる。
ここで、スケジュールされていた時間よりも早く、他人が手動でテレビ401を電源ONにした場合でも、利用者は、スケジュールされていた時間までは、眠ったままであり、歩数計600は、スケジュールされていた時間までは使われない。
つまり、スケジュールされていた時間までに、歩数計600を電源ON状態にしてしまうと、使用されないにもかかわらず電池を浪費してしまう。
この構成によれば、スケジュールされていた時間よりも早く、他人が手動でテレビ401を電源ONにした場合でも、歩数計600は電源ON状態とならない。
これにより、利用者が活動状態でないにもかかわらず歩数計600を電源ONにしてしまうことを防ぐことができ、電池が長持ちするという効果を奏する。
歩数計600を、電源連動システム5において採用すれば、エアコン501がタイマー設定により電源ONになっても、歩数計600に電源ONコマンドを送信しない。
その一方で、エアコン501が手動により電源ONになった場合、エアコン501から歩数計600に電源ONコマンドが送信される。
冬の寒い朝、起床前に部屋を暖める目的でエアコン501をタイマー設定により電源ONにしても、利用者は、部屋が十分に暖まるまでは、眠ったままであることが想定される。従って、歩数計600は、タイマー設定の時間になっても直ちに使用されるわけではない。つまり、タイマー設定の時間を、利用者の活動開始のときと判断するのは早すぎるのである。
よって、この状態で、歩数計600を電源ON状態にしてしまうと、使用されないにも関わらず電池を浪費してしまう。
この構成によれば、タイマー設定の時間になりエアコン501が電源ON状態になっても、歩数計600は電源ON状態とならない。
よって、利用者が活動していないときに、歩数計600を電源ON状態にしてしまい、電池を浪費することを防ぐことができる。
その一方で、利用者が手動によりエアコン501が電源ON状態にする場合、この行為が、利用者の活動開始の意思表示と判断することができる。
上記構成により、わざわざ利用者が歩数計600を電源ON状態にする操作を行わなくても済む。
〔実施形態8〕
本発明のさらに他の形態について図30に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、既に説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図9を用いて説明した電源連動システム2において、補聴器200Aに替えて、図30に示す歩数計600Aを採用することも可能である。
図30に示す歩数計600Aは、近距離無線部610、電源制御部611、電池612、3Dセンサー621、AD変換部622、データ処理部623、表示用ドライバ624、表示部625、主制御部630、記憶部650およびタイマー部640を備える構成である。
歩数計600Aと図29に示した歩数計600とを対比すれば次のとおりである。すなわち、歩数計600Aは、歩数計600において、データ処理部623および近距離無線部610に替えて、それぞれ主制御部630および近距離無線部610Aを設けて、さらに記憶部650およびタイマー部640を追加した構成となっている。
また、主制御部630、近距離無線部610A、記憶部650、およびタイマー部640は、それぞれ、図9に示した、主制御部230、近距離無線部210A、記憶部250、およびタイマー部240に対応している。
また、電源制御部611と、3Dセンサー621、AD変換部622、主制御部630、表示用ドライバ624、表示部625、タイマー部640および記憶部650のそれぞれとは、電源供給ラインBにより接続されている。近距離無線部610およびタイマー部640のそれぞれと電源制御部611とは電源供給ラインAにより接続されている。
(作用・効果)
歩数計600Aを、電源連動システム2において採用すれば、携帯電話機100Aとの通信が切断された場合において、当該通信の切断が予定されていたものであれば、歩数計600Aは電源OFF状態になる。
一方、当該通信の切断が予定されたものでなければ歩数計600Aは、電源ON状態のままである。
通信の切断が予定されていたものであれば、通信の切断は、携帯電話機100Aが、タイマー設定により電源OFFとなったと判断することができる。
この場合、タイマー設定の時刻を、利用者の活動終了の時刻と考えて、歩数計600Aを電源OFFとすることができ、歩数計600Aの電源OFF操作の手間を省くことができるとともに、利用者が使用しない間に歩数計600Aにおいて電池が浪費されることを防ぐことができる。
一方、通信の切断が予定されたものでなければ、通信の切断は、携帯電話機100Aが、タイマー設定以外の理由により電源OFFとなったと判断することができる。
つまり、病院など携帯電話機100Aを電源OFF状態にすることが要求される施設内で携帯電話機100Aが手動により電源OFFとなったと判断することができる。このような場合でも、歩数計600Aは電源ONのままであるので、利用者の歩数・活動量測定を続行することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、携帯電話機100、100A、補聴器200、200A、照明機器301、テレビ401、エアコン401、歩数計600、600Aの主制御部の各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、携帯電話機100、100A、補聴器200、200A、照明機器301、テレビ401、エアコン401、歩数計600、600Aは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである携帯電話機100、100A、補聴器200、200A、照明機器301、テレビ401、エアコン401、歩数計600、600Aの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記携帯電話機100、100A、補聴器200、200A、照明機器301、テレビ401、エアコン401、歩数計600、600Aに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、携帯電話機100、100A、補聴器200、200A、照明機器301、テレビ401、エアコン401、歩数計600、600Aを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。