JP2011256725A - 点火時期制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノック制御量の学習を適正に実行することのできる点火時期制御装置を提供する。
【解決手段】この装置は、ノッキングの発生状況に応じて更新されるノック制御量とその基準値との定常的な偏差を補償するための値として、デポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpを学習する。デポジット学習値adepを学習する比率学習領域と第2KCS学習値agknkdpを学習する多点学習領域との一部が重複する。比率学習領域では、同領域内全体における機関運転状態とデポジット学習値adepとの関係をノック制御量に基づき一括更新する(図中矢印D)。多点学習領域は、機関運転状態に応じて複数の学習領域が区画されて第2KCS学習値agknkdpが各別に設定される。多点学習領域では、そのときの機関運転状態が含まれる学習領域の第2KCS学習値agknkdpをノック制御量に基づき更新する(図中矢印E1〜E3)。
【選択図】図7

Description

本発明は、ノッキングの発生状況に応じて内燃機関の点火時期を調節する点火時期制御装置に関するものである。
一般に内燃機関では、ノックセンサによってノッキングの発生状況を検出するとともに、その検出結果に応じて点火時期を調節するノック制御が実行される。このノック制御では、ノッキングの発生頻度が高いときには点火時期を遅角させる一方でその発生頻度が低いときには点火時期を進角させるといった制御値(ノック制御量)が設定される。そして、このノック制御量に基づいて点火時期の制御目標値(要求点火時期)を設定することによりノッキングの発生が抑制される。
ここで、ノッキングの発生を適正に抑えることの可能な点火時期は、内燃機関の個体差や経時変化、運転環境などによって変化する。しかも、そうした点火時期の変化の度合いは内燃機関の運転領域によって異なる。そのため、ノック制御が実行される装置では機関運転状態の変化に伴ってノック制御量が実態に見合わない値になることがある。これは一時的な現象であるとはいえ、ノック制御による点火時期の制御精度の低下を招くこととなるために好ましくない。
そのため従来、そうした点火時期の制御精度の低下を抑えるべく、機関運転状態と同機関運転状態に適したノック制御量(詳しくは、その学習値)との関係を学習する装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。この装置では、機関運転状態と学習値との関係が定められるとともに、学習領域内における上記関係の変化傾向が予め求められて把握されている。そして、その変化傾向をもとに、学習領域内全体における上記関係がそのときどきのノック制御量に基づいて一括更新される。
上記装置によれば、予め見込まれる変化傾向に合わせて上記関係が更新されるようになる。そのため、そのときどきの機関運転状態に基づき上記関係から学習値を算出するとともに同学習値に基づき要求点火時期を設定することにより、機関運転状態の変化に伴うノック制御量の変化分が学習値によって予め補償されるようになり、同要求点火時期として実態に見合う時期が設定されるようになる。
特開2005−147112号公報
ここで、上記特許文献1に記載の装置では、機関運転状態と学習値との関係の変化傾向が予め求められて記憶されている以上、記憶されている変化傾向と実際の変化傾向とを全ての運転領域にわたって一致させることは困難である。こうしたことから、その変化傾向の設定誤差や内燃機関の個体差などに起因して、記憶されている変化傾向と実際の変化傾向とにずれが生じることが避けられない。そのため、上述のように学習した関係に基づいて学習値を算出したところで、その算出値と実態に即した値との間に誤差が生じることとなり、これが点火時期の調節精度の低下を招く一因となってしまう。
しかも、ノックセンサの検出信号へのノイズ重畳などの外乱によってノック制御量が大きく変化するようなことがあると、このときの機関運転領域に対応する学習値のみならず、学習領域の全域にわたって学習値が不要に更新されてしまい、これも点火時期の調節精度の低下を招く一因となる。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノック制御量の学習を適正に実行することのできる点火時期制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、ノッキングの発生状況に応じてノック制御量を更新するとともに、同ノック制御量とその基準値との定常的な偏差を補償するための値をノック学習値として学習し、それらノック制御量及びノック学習値に基づいて機関点火時期についての制御目標値を設定する点火時期制御装置であって、前記ノック学習値は第1ノック学習値及び第2ノック学習値を含んでなるとともに、前記第1ノック学習値を学習する第1実行領域と前記第2ノック学習値を学習する第2実行領域との少なくとも一部が重複してなり、前記第1実行領域は、予め定めた前記ノック制御量の変化に対する機関運転状態と前記第1ノック学習値との関係の変化傾向をもとに同第1実行領域内全体における前記関係を前記ノック制御量に基づき一括更新する領域であり、前記第2実行領域は、機関運転状態に応じて区画されて前記第2ノック学習値が各別に設定された複数の領域が予め設定されてなるとともに、そのときの機関運転状態が含まれる領域の前記第2ノック学習値を前記ノック制御量に基づき更新する領域であることをその要旨とする。
上記構成によれば、第1実行領域における学習により、そのときどきのノック制御量に基づいて機関運転状態と第1ノック学習値との関係を同第1実行領域の全域にわたり一括して更新することができる。そのため上記関係、言い換えれば第1ノック学習値を少ない実行機会で広い機関運転領域にわたって速やかに学習することができる。そして、そうした第1ノック学習値により、第1実行領域の全域にわたり満遍なくノック制御量とその基準値との定常的な偏差を縮小することができるようになる。
しかも、第2学習領域における学習により、そのときどきのノック制御量に基づいてそのときの機関運転状態が含まれる領域の第2ノック学習値を更新するといったように、複数の領域の第2ノック学習値を実態に即したかたちで各別に学習することができる。そのため、それら第2ノック学習値によって複数の領域それぞれについて各別に、ノック制御量とその基準値との定常的な偏差を精度よく補償することができるようになる。
このように上記構成によれば、上記偏差が的確に縮小されるように、第1ノック学習値及び第2ノック学習値の学習をそれぞれ適正に実行することができる。
なお、第1ノック学習値及び第2ノック学習値の学習と制御目標値の設定とは、請求項2によるように、第1実行領域と第2実行領域とが重複する機関運転領域では第1ノック学習値及び第2ノック学習値を共に学習するとともに前記制御目標値の設定に用い、第1実行領域と第2実行領域とが重複しない機関運転領域では、第1ノック学習値及び第2ノック学習値の中でもそのときの機関運転状態が含まれる領域に対応する値のみを学習するとともに前記制御目標値の設定に用いる、といったように実行することができる。
こうした構成によれば、第1ノック学習値及び第2ノック学習値の学習を適切なタイミングで実行することができ、それらノック学習値に基づいて点火時期の制御目標値を適正に設定することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の点火時期制御装置において、前記第1実行領域と前記第2実行領域とが重複する機関運転領域では、前記偏差を補償するための更新分についての前記第1ノック学習値及び前記第2ノック学習値への分配比率を機関運転状態に基づき設定することをその要旨とする。
内燃機関の特性の相違による前記偏差の変化量は機関運転領域によって異なる。上記構成によれば、そうした偏差の変化量が小さい機関運転領域において前記関係の学習を実行する場合には、上記偏差に対する上記関係の更新量を小さく抑えて、第1ノック学習値の不要な変動を抑えつつ安定した状態で同関係を更新することができる。しかも、上記偏差の変化量が大きい機関運転領域において前記関係の学習を実行する場合には、上記偏差に対する上記関係の更新量を比較的大きくして、同関係を実態に即した関係に速やかに追従させることができる。このように上記構成によれば、機関運転領域によって異なる上記偏差の変化量に応じたかたちで上記偏差を補償するための更新分の第1ノック学習値への分配を適切に行うことができ、同第1ノック学習値及び第2ノック学習値を高い自由度をもって適正に学習することができるようになる。
内燃機関の吸気バルブやピストンなどには未燃燃料や潤滑油等に由来するデポジットが時間経過とともに次第に付着していく。こうしたデポジットの付着量が増加すると、燃焼室の実質的な容積が減少して燃焼時の筒内圧力が上昇すること等に起因してノッキングが発生し易くなる。通常、そうしたデポジットの付着に起因して機関点火時期、ひいては前記偏差が変化する場合、その変化量は機関負荷が中程度の機関運転領域(中負荷運転領域)において最も大きくなる一方で同中負荷運転領域から離れるほど小さくなる。
この点、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の点火時期制御装置において、前記分配比率は、前記第1ノック学習値に分配される比率が機関負荷が中程度の機関運転領域において最も大きくなる値であり且つ同領域から離れるほど小さくなる値であることをその要旨とする。
同構成によれば、そうした機関負荷と前記偏差の変化量との関係に応じて前記分配比率を設定することができ、第1ノック学習値及び第2ノック学習値を適正に学習することができる。
また、上記デポジットの付着に起因して前記偏差が変化する場合、その変化量は機関回転速度が中程度の機関運転領域(中回転運転領域)において最も大きくなる一方、同中回転運転領域から離れるほど小さくなる。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の点火時期制御装置において、前記分配比率は、前記第1ノック学習値に分配される比率が機関回転速度が中程度の機関運転領域において最も大きくなる値であり且つ同領域から離れるほど小さくなる値であることをその要旨とする。
こうした構成によれば、機関回転速度と前記偏差の変化量との関係に応じて前記分配比率を設定することができ、第1ノック学習値及び第2ノック学習値を適正に学習することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の点火時期制御装置において、前記ノック学習値は第3ノック学習値をさらに含んでなり、前記第3ノック学習値は、前記第1実行領域及び前記第2実行領域のいずれとも重複しない機関運転領域において学習されてなるとともに、全ての機関運転領域において前記制御目標値の設定に用いられてなることをその要旨とする。
上記構成によれば、ノック制御量とその基準値との定常的な偏差に与える影響の度合いが全ての機関運転領域において等しい因子(例えば、燃料性状など)が存在する場合に、該因子の相異による上記偏差の変化分を第3ノック学習値の学習及び制御目標値への反映を通じて補償することができる。しかも、第1ノック学習値、第2ノック学習値、及び第3ノック学習値の学習をそれぞれ適切なタイミングで実行することができ、それらノック学習値に基づいて点火時期の制御目標値を適正に設定することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の点火時期制御装置において、当該装置は、前記第1実行領域及び第2実行領域のうちの同第1実行領域のみが重複する機関運転領域において前記第1ノック学習値と前記第3ノック学習値とを学習するものであり、その学習に際して前記偏差を補償するための更新分を前記第1ノック学習値に分配する比率として、機関負荷が中程度の機関運転領域において最も大きくなり且つ同領域から離れるほど小さくなる値を設定するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、上述した機関負荷と前記偏差の変化量との関係に応じたかたちで上記偏差を補償するための更新分を第1ノック学習値と第3ノック学習値とに分配することができ、それら第1ノック学習値及び第3ノック学習値を適正に学習することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載の点火時期制御装置において、当該装置は、前記第1実行領域及び第2実行領域のうちの同第1実行領域のみが重複する機関運転領域において前記第1ノック学習値と前記第3ノック学習値とを学習するものであり、その学習に際して前記偏差を補償するための更新分を前記第1ノック学習値に分配する比率として、機関回転速度が中程度の機関運転領域において最も大きくなり且つ同領域から離れるほど小さくなる値を設定するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、上述した機関回転速度と前記偏差の変化量との関係に応じたかたちで上記偏差を補償するための更新分を第1ノック学習値と第3ノック学習値とに分配することができ、それら第1ノック学習値及び第3ノック学習値を適正に学習することができる。
本発明を具体化した一実施の形態にかかる点火時期制御装置の概略構成を示す略図。 点火時期の設定態様を示す模式図。 各ノック学習値の学習を実行する実行領域を示す説明図。 各ノック学習値の更新及び反映の実行態様を示すフローチャート。 各実行パターンでの各ノック学習値の学習及び反映の実行態様を示す表。 機関運転状態と分配比率との関係を示す略図。 各ノック学習値及び合成補正量の一例を示す略図。
以下、本発明にかかる点火時期制御装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる点火時期制御装置の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の燃焼室13には、同燃焼室13に吸入された空気と燃料との混合気を点火及び燃焼させる点火プラグ14が設けられている。また内燃機関10のシリンダブロック11には、混合気の燃焼に伴うノッキングの発生状況を検出するためのノックセンサ15が設けられている。
この内燃機関10の運転に係る各種制御は、電子制御ユニット16により行われる。この電子制御ユニット16は、各種制御を実行するCPU、同制御に必要な情報が記憶されるメモリ、外部から信号を入力するための入力ポート、外部に指令信号を出力するための出力ポート等を備えて構成されている。
電子制御ユニット16の入力ポートには、機関運転状態を検出するための各種センサが接続されている。各種センサとしては、上記ノックセンサ15の他、クランクシャフト(図示略)の回転位相であるクランク角を検出するためのクランク角センサ17や、スロットルバルブの開度(スロットル開度TA)を検出するためのスロットルセンサ19等がこの入力ポートに接続されている。そして、それらセンサの検出信号が、その入力ポートを通じて電子制御ユニット16に入力される。なお、クランク角センサ17の検出信号からは、機関回転速度NEが求められるようにもなっている。
一方、電子制御ユニット16の出力ポートには、上記点火プラグ14による混合気の点火に必要な高圧電流を発生させるイグナイタ14a等、機関制御に必要なアクチュエータ類の駆動回路が接続されている。電子制御ユニット16は、上記各センサの検出信号に基づき各種の演算を行うとともに、その演算結果をもとにアクチュエータ類の駆動制御を実行して機関制御を行う。
以上のように構成される内燃機関10において、電子制御ユニット16は、上記ノックセンサ15によって検出されるノッキングの発生状況に応じて点火時期を調整する「ノック制御」を実行する。以下、この「ノック制御」の実行態様について図2を参照しつつ説明する。
本実施の形態にかかるノック制御では、点火時期の制御目標値である要求点火時期afinが設定される。なお、ここでは点火時期を点火対象となる気筒の圧縮上死点に対するクランク角の進角量[°CA]として表すようにしている。
図2に示すように、要求点火時期afinの設定に際しては先ず、ノック制御における要求点火時期afinの設定範囲の進角側の限界値である最進角点火時期absef、及びその遅角側の限界値である最遅角点火時期akmfが算出される。そして、それらに基づいてノック制御中の最進角点火時期absefに対する要求点火時期afinの最大遅角量akmaxが算出される。
上記最進角点火時期absefは、MBT点ambt及び第1ノック限界点aknok1に基づき算出される。具体的には、次式[1]に示すように、それらMBT点ambt及び第1ノック限界点aknok1のうちで、より遅角側の値が最進角点火時期absefとして設定される。

absef=min(ambt、aknok1) …[1]

MBT点ambtは、現状の機関運転条件において最大トルクの得られる点火時期(最大トルク点火時期)を示している。また第1ノック限界点aknok1は、ノック限界の高い高オクタン価燃料の使用時に、想定される最良の条件下で、ノッキング発生を許容できるレベル以内に収めることのできる点火時期の進角限界値(ノック限界点火時期)を示している。それらMBT点ambt及び第1ノック限界点aknok1は、現状の機関回転速度NEや機関負荷KL等に基づいて電子制御ユニット16のメモリに記憶された設定マップを参照して設定される。なお、本実施の形態では機関負荷KLが内燃機関10の吸入空気量に基づき算出される。機関負荷KLは、吸入空気量以外のパラメータ、例えば燃料噴射量やスロットル開度TA、アクセルペダルの操作量などに基づいて算出することもできる。
一方、最遅角点火時期akmfは、想定される最悪の条件下であっても、ノッキング発生を十分に許容できるレベル以内に収めることの可能な点火時期の指標値としてその値が設定される。この最遅角点火時期akmfとしては、具体的には、次式[2]に示すように、第2ノック限界点aknok2からデポジット学習値adepの分だけ遅角させた値が設定される。

akmf=aknok2−adep …[2]

ここで内燃機関10の吸気バルブやピストン(図示略)などには未燃燃料や潤滑油等に由来するデポジットが時間経過とともに次第に付着していく。こうしたデポジットの付着量が増加すると、内燃機関10の燃焼室13の実質的な容積が減少して燃焼時の筒内圧力が上昇すること等に起因してノッキングが発生し易くなる。
第2ノック限界点aknok2は、ノック限界の低い低オクタン価燃料の使用時に、想定される最良の条件下で、例えばデポジットの付着が全く無いときにおいて、ノッキング発生を許容できるレベル以内に収めることのできる点火時期の進角限界(ノック限界点火時期)を示している。なお、この第2ノック限界点aknok2についても、現状の機関回転速度NEや機関負荷KL等に基づいて電子制御ユニット16のメモリに記憶された設定マップを参照して設定される。
デポジット学習値adepは、そうしたデポジットの付着による点火時期の変化分を補償するためのノック学習値として設定されている。デポジット学習値adepは、現状の内燃機関10のデポジットの付着度合に応じた点火時期の遅角量を示す指標値となっている。具体的には、次式[3]に示すように、遅角幅DLAKNOKに比率学習値rgknkを乗算した値が、デポジット学習値adepとして設定される。

adep=DLAKNOK×rgknk …[3]

遅角幅DLAKNOKは、デポジット付着の影響が最も顕著に現れる所定の機関運転条件において、想定される最大量のデポジットが付着した状態でのデポジット付着の影響による要求点火時期afinの遅角量を示す値であり、詳しくは、デポジット付着の影響による最遅角点火時期akmfの遅角量を示す値である。そして、この遅角幅DLAKNOKは、次式[4]に示すように、上記第2ノック限界点aknok2から第3ノック限界点aknok3を減算することにより算出される。

DLAKNOK=aknok2−aknok3 …[4]

第3ノック限界点aknok3は、ノック限界の低い低オクタン価燃料の使用時に、想定される最悪の条件下で、例えば上述したデポジット付着が想定される最大量に達しているときにあって、ノッキング発生を許容できるレベル以内に収めることのできる点火時期の進角限界(ノック限界点火時期)を示している。なお、この第3ノック限界点aknok3についても、現状の機関回転速度NEや機関負荷KL等を考慮してその値が設定される。
また、上記比率学習値rgknkは、内燃機関10へのデポジットの付着度合いを示す指標値としてその値が設定されている。ここでは、デポジットの付着が完全に無い状態を値「0」とし、デポジットの付着量が想定される最大値となった状態を値「1」として、デポジットの付着度合いを比率学習値rgknkの値で表すようにしている。
この比率学習値rgknkは、デポジットの付着が無い工場出荷時に、初期値としてその値が「0」に設定されている。その後、比率学習値rgknkの値は、「0」以上、「1」以下の範囲内で、ノックセンサ15により検出されるノッキングの発生頻度に応じて徐々に増減される。具体的には、ノッキングの発生頻度が増大すれば比率学習値rgknkの値は徐々に増大され、ノッキングの発生頻度が低下すればその値は徐々に減少される。この比率学習値rgknkの更新態様の詳細については後述する。
このように、ノッキングの発生頻度に応じて比率学習値rgknkを更新することにより、同比率学習値rgknkと上記遅角幅DLAKNOKとを乗算した値(デポジット学習値adep)がデポジットの付着度合に応じて更新されるようになる。
そして、上記最進角点火時期absef及び最遅角点火時期akmfに基づいて次式[5]から上記最大遅角量akmaxが算出される。

akmax=absef−akmf …[5]

要求点火時期afinの算出は、上記最進角点火時期absefに対する要求点火時期afinの遅角量である点火時期遅角量aknkを求めることにより行われる。点火時期遅角量aknkは、次式[6]に示すように、上記最大遅角量akmax、第1KCS学習値agknk、第2KCS学習値agknkdp、及びKCSフィードバック補正値akcsに基づき設定される。

aknk=akmax−agknk−agknkdp+akcs …[6]

そして、次式[7]に示すように、最進角点火時期absefから上記点火時期遅角量aknkを減算することによって要求点火時期afinが設定される。すなわち、要求点火時期afinは、次式[8]に示すように、第2ノック限界点aknok2がデポジット学習値adepの分だけ遅角されることにより設定される最遅角点火時期akmfに対して、第1KCS学習値agknk及び第2KCS学習値agknkdpの分だけ進角された値になる一方で、KCSフィードバック補正値akcsの分だけ遅角された値となる。

afin=absef−aknk …[7]
afin=akmf+(agknk+agknkdp)−akcs …[8]

なお、要求点火時期afinが最進角点火時期absefよりも進角側の時期にならないように、点火時期遅角量aknkの値には制限がかけられる。例えば、式[7]に基づいて要求点火時期afinを算出する場合、点火時期遅角量aknkは「0」以上の値となるように制限される。したがって、式[6]に基づいて算出された点火時期遅角量aknkが負の値となったときには、その値が「0」に設定される。
上記KCSフィードバック補正値akcsは、上記ノックセンサ15により検出されるノッキングの発生状況に応じてその値が設定される。具体的には、検出されたノッキングのレベルが所定の判定値未満で、ノッキング発生が十分許容できるレベル以下に収まっていると判断されたときには、KCSフィードバック補正値akcsの値は徐々に減少される。また検出されたノッキングのレベルが上記判定値以上であるときには、KCSフィードバック補正値akcsは徐々に増加される。なお本実施の形態では、このKCSフィードバック補正値akcsがノック制御量として機能する。
本実施の形態では、KCSフィードバック補正値akcsとその基準値(=0)との定常的な偏差を補償するためのノック学習値として、第1KCS学習値agknk、第2KCS学習値agknkdp、並びにデポジット学習値adepの三つの値が設定されている。
それらノック学習値には、それぞれ異なる因子による点火時期の変化分が反映されるようになっている。詳しくは、デポジット学習値adepにはデポジット付着の影響による点火時期の変化分が反映される。また、第1KCS学習値agknkには主に燃料性状(例えばオクタン価)の影響による点火時期の変化分が反映される。さらに、第2KCS学習値agknkdpには主に内燃機関10の個体差や経時変化、運転環境の変化による点火時期の変化分が反映される。なお本実施の形態では、デポジット学習値adepが第1ノック学習値として機能し、第2KCS学習値agknkdpが第2ノック学習値として機能し、第1KCS学習値agknkが第3ノック学習値として機能する。またデポジット学習値adepの学習を実行する比率学習領域が第1実行領域として機能し、第2KCS学習値agknkdpの学習を実行する多点学習領域が第2実行領域として機能する。
各ノック学習値は、KCSフィードバック補正値akcsの絶対値が所定値よりも大きい状態(|akcs|>A)が所定時間以上継続したときに、該KCSフィードバック補正値akcsの絶対値を徐々に縮小するように更新される。その更新量(学習更新量tdl)は、上記KCSフィードバック補正値akcsに基づき算出される。具体的には、KCSフィードバック補正値akcsの絶対値が大きいときほど学習更新量tdlとして大きい値が算出される。
そして、KCSフィードバック補正値akcsが正の値[A]よりも大きい状態(akcs>A)が継続したときには、ノック学習値の何れかから上記学習更新量tdlが減算される。また、これとともにKCSフィードバック補正値akcsからも同じく学習更新量tdlが減算される。一方、KCSフィードバック補正値akcsが負の値[−A]よりも小さい状態(akcs<−A)が継続したときには、ノック学習値の何れかとKCSフィードバック補正値akcsとにそれぞれ学習更新量tdlが加算される。
そして、このようにして更新された各ノック学習値は、電子制御ユニット16のバックアップメモリに記憶されて機関停止中においてもその値が保持される。
こうしたノック制御を通じて、要求点火時期afinが、許容されるレベル以上のノッキングが発生しない範囲内において大きいトルクが得られるようになる進角側の値に設定される。
以下、各ノック学習値の更新及び要求点火時期afinへの反映の実行態様について図3〜図5を参照しつつ詳細に説明する。
なお図3は各ノック学習値の学習を実行する実行領域の関係を示している。また図4は各ノック学習値の更新及び反映の実行手順を示している。さらに図5は各実行パターンにおける各ノック学習値の学習及び反映の実行態様を示している。
本実施の形態では、各ノック学習値の更新及び反映を実行する実行パターンとして、機関運転状態に基づき選択される[パターン1]〜[パターン4]の四つのパターンが設定されている。以下、それら[パターン1]〜[パターン4]について各別に説明する。
[パターン1]は、全ての機関運転領域(基本運転領域)の中でも、多点学習領域(図3中に「B」で示す領域)及び比率学習領域(図3中に「C」で示す領域)のいずれとも重複しない機関運転領域において選択される(図4のステップS101〜103の全てで「NO」)。
この[パターン1]では、図5に示すように、各ノック学習値のうちの第1KCS学習値agknkのみが学習される(図4のステップS104)。具体的には、前記学習更新量tdlが第1KCS学習値agknkに加算される。また、要求点火時期afinの算出に際して、第1KCS学習値agknkのみが反映される(ステップS105)。なお、このとき第2KCS学習値agknkdp及び比率学習値rgknkとしては共に「0」が設定される。すなわち、各ノック学習値のうちの第1KCS学習値agknkのみが要求点火時期afinの設定に用いられる。
燃料のオクタン価の相異がKCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差に与える影響の度合いは全ての機関運転領域においてほぼ等しい。[パターン1]が選択される機関運転領域は、そうした燃料のオクタン価の相異による点火時期の変化分が上記偏差に現われる領域である。そのため、この機関運転領域では上記偏差の変化分が第1KCS学習値agknkに反映されるようになる。したがって、第1KCS学習値agknkに基づいて要求点火時期afinを設定することにより、燃料のオクタン価の相異による点火時期の変化分が補償されるようになる。
[パターン2]は、基本運転領域において比率学習領域(図3中に「C」で示す領域)が重複していない機関運転領域であって、且つ基本運転領域と多点学習領域(図3中に「B」で示す領域)とが重複している機関運転領域において選択される(図4のステップS101:NO、且つステップS102:YES)。
この[パターン2]では、図5に示すように、各ノック学習値のうちの第2KCS学習値agknkdpのみが学習される(図4のステップS106)。具体的には、上記学習更新量tdlが第2KCS学習値agknkdpに加算される。また、要求点火時期afinの算出に際して、第1KCS学習値agknk及び第2KCS学習値agknkdpが反映される(ステップS107)。なお、このときデポジット学習値adepとしては「0」が設定される。すなわち、各ノック学習値のうちの第1KCS学習値agknk及び第2KCS学習値agknkdpのみが要求点火時期afinの設定に用いられる。
多点学習領域には、図3中に破線で示すように、機関回転速度NE及び機関負荷KLに応じて区画されて第2KCS学習値agknkdpが各別に設定された複数(本実施の形態では九つ)の学習領域が予め設定されている。そして[パターン2]では、そのときの機関負荷KLと機関回転速度NEとにより定まる機関運転状態が含まれる学習領域の第2KCS学習値agknkdpに上記学習更新量tdlを加算するといったように、同第2KCS学習値agknkdpの学習が実行される。
機関運転領域によっては、内燃機関10の個体差や経時変化、運転環境の変化がKCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差に与える影響の度合いにばらつきが生じる。多点学習領域としては、そうした定常的な偏差の変化分のばらつきが現われる機関運転領域が設定されている。そのため、この多点学習領域では、そのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づいてそのときどきの機関運転状態が含まれる学習領域の第2KCS学習値agknkdpを更新するといったように、複数の学習領域の第2KCS学習値agknkdpが実際の定常的な偏差に即したかたちで各別に学習されるようになる。したがって、第2KCS学習値agknkdpに基づいて要求点火時期afinを設定することにより、第2KCS学習値agknkdpによって複数の学習領域それぞれについて各別に上記偏差が精度よく補償されるようになる。
[パターン3]は、基本運転領域において上記多点学習領域(図3中に「B」で示す領域)が重複していない機関運転領域であって、且つ基本運転領域と比率学習領域(図3中に「C」で示す領域)とが重複している機関運転領域において選択される(図4のステップS101及びS102において共に「NO」、且つステップS103:YES)。
この[パターン3]では、図5に示すように、各ノック学習値のうちの第1KCS学習値agknk及びデポジット学習値adep(詳しくは、比率学習値rgknk)が学習される。具体的には、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて分配比率tkが算出されるともに(図4のステップS108)、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlが第1KCS学習値agknkと比率学習値rgknkとに分配されて加算される(ステップS109)。この[パターン3]における分配比率tkの算出態様及び学習更新量tdlの分配方法については後述する。また、要求点火時期afinの算出に際して、第1KCS学習値agknk及びデポジット学習値adepが反映される。なお、このとき第2KCS学習値agknkdpとしては「0」が設定される。すなわち、各ノック学習値のうちの第1KCS学習値agknk及びデポジット学習値adepのみが要求点火時期afinの設定に用いられる。
比率学習領域においては、機関回転速度NE及び機関負荷KLにより定まる機関運転状態とデポジット学習値adepとの関係が学習されるとともに記憶されている。本実施の形態では、実験結果やシミュレーションの結果などに基づいてKCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な変化に対する上記関係の変化傾向であってデポジットの付着に起因する点火時期の変化分を抑えることの可能な上記関係の変化傾向が予め求められるとともに、その変化傾向をもとに上記関係が設定されている。この関係として、具体的には、第2ノック限界点aknok2の設定マップ、第3ノック限界点aknok3の設定マップ、並びに前記式[3]が設定されている。
そのため、この比率学習領域においては、上述のようにKCSフィードバック補正値akcsに基づき上記関係(詳しくは、比率学習値rgknk)を更新することにより、同比率学習領域の全域におけるデポジット学習値adepがそのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づき一括して更新されるようになる。したがって、デポジット学習値adepが少ない実行機会で広い機関運転領域にわたって速やかに学習されるようになる。そして、そうしたデポジット学習値adepにより、比率学習領域の全域にわたり満遍なくKCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差が縮小されるようになる。
[パターン4]は、基本運転領域と多点学習領域(図3中に「B」で示す領域)と比率学習領域(図3中に「C」で示す領域)との全てが重複する機関運転領域において選択される(図4のステップS101:YES)。
この[パターン4]では、図5に示すように、各ノック学習値のうちの第2KCS学習値agknkdp及びデポジット学習値adepが学習される。具体的には、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて分配比率tkが算出されるともに(図4のステップS111)、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlが第2KCS学習値agknkdpと比率学習値rgknkとに分配されて加算される(ステップS112)。この[パターン4]における分配比率tkの算出態様及び学習更新量tdlの分配方法については後述する。また、要求点火時期afinの算出に際して、全てのノック学習値(第1KCS学習値agknk、第2KCS学習値agknkp、及びデポジット学習値adepが反映される(ステップS113)。すなわち、すべてのノック学習値が要求点火時期afinの設定に用いられる。
上述したように[パターン3]や[パターン4]におけるノック学習値の更新に際しては、機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて、デポジット学習値adepと他のノック学習値とに分配するための分配比率tkが設定される。この分配比率tkは、学習更新量tdlのうちの比率学習値rgknkに反映される分が占める割合を示している。この分配比率tkとしては具体的には、学習更新量tdlの全てを比率学習値rgknkに反映させる場合には「1」を設定する一方で上記学習更新量tdlの全てを比率学習値rgknk以外のノック学習値に反映させる場合には「0」を設定するといった「0」以上「1」以下の範囲内の値が設定される。
内燃機関10にデポジットが付着すると、ノッキングが発生し易くなるために、KCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差が変化する。そして、そうした定常的な偏差の変化量は内燃機関10の運転領域によって異なる。
この点をふまえて本実施の形態では、[パターン3]における分配比率tkや[パターン4]における分配比率tkを機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づき設定するようにしている。これにより、デポジットの付着による上記偏差の変化量に応じて分配比率tkを設定することが可能になる。
そのため、上記偏差の変化量が小さい機関運転領域においてデポジット学習値adepと機関運転状態との関係が学習される場合には、分配比率tkとして小さい値を設定することにより、上記学習更新量tdlに対する上記関係(詳しくは、比率学習値rgknk)の更新量が小さく抑えられる。したがって、この場合にはデポジット学習値adepの不要な変動が抑えられつつ安定した更新態様で上記関係が更新されるようになる。
しかも、上記偏差の変化量が大きい機関運転領域において上記関係が学習される場合には、分配比率tkとして比較的大きい値を設定することにより、上記学習更新量tdlに対する比率学習値rgknkの更新量が比較的大きくなる。したがって、この場合には上記関係が実態に即した関係に速やかに追従するようになる。
このように本実施の形態によれば、内燃機関10の運転領域によって異なる上記偏差の変化量に応じたかたちで学習更新量tdlをデポジット学習値adepとそれ以外のノック学習値とに分配することができる。したがって、[パターン3]の選択時においては第1KCS学習値agknkと第2KCS学習値agknkdpとをそれぞれ高い自由度をもって適正に学習することができるようになる。また[パターン4]の選択時においては第2KCS学習値agknkdpとデポジット学習値adepとを高い自由度をもって適正に学習することができるようになる。
ここで通常、内燃機関10へのデポジットの付着に起因して点火時期、ひいては上記定常的な偏差が変化する場合、その変化量は、機関負荷KLが中程度であり且つ機関回転速度NEが中程度の運転領域(中負荷中回転運転領域)において最も大きくなる一方で中負荷中回転運転領域から離れるほど小さくなる。以下、その理由を説明する。
内燃機関10は、点火時期を所定量だけ変更した場合に、燃焼室13内における燃料の燃焼状態が良い運転領域では同燃焼状態が比較的大きく変化するのに対して、燃焼状態の悪い運転領域では同燃焼状態の変化量が小さくなるといった特性がある。
そして、機関負荷KLが大きい機関運転領域(高負荷運転領域)や機関回転速度NEが高い機関運転領域(高回転運転領域)では、出力トルクの確保が重視されるために、燃料の燃焼状態が良好になるように機関制御が実行される。これに対して、中負荷運転領域や中回転運転領域では、燃料消費量の抑制が重視されるために、これを実現するべく燃焼状態を敢えて若干悪くするように機関制御が実行される。そのため、デポジットの付着に起因して発生したノッキングを抑えるべくノック制御を通じて点火時期が遅角される場合、燃焼状態の良い高負荷運転領域や高回転運転領域では少ない遅角量をもって燃焼状態が変更されてノッキングの発生が抑えられるのに対して、燃焼状態が比較的悪い中負荷運転領域や中回転運転領域では、遅角量を大きくしないと、ノッキングの発生を適正レベルに抑えられなくなる。こうしたことから、機関負荷KLが大きい運転領域や機関回転速度NEが高い運転領域では、機関負荷KLが小さくなるほど、また機関回転速度NEが低くなるほど、内燃機関10へのデポジットの付着による上記定常的な偏差の変化の度合いが大きくなると云える。
一方、機関負荷KLが小さい運転領域では、機関負荷KLが小さいときほど燃焼室13内で発生する熱量が少なくなるためにノッキングが発生しにくくなる。また、機関回転速度NEが低い運転領域では、同機関回転速度NEが低いときほど燃焼室13内における燃料燃焼の間隔が長くなるためにノッキングが発生しにくくなる。したがって、機関負荷KLが小さい運転領域では機関負荷KLが小さいときほど、また機関回転速度NEが低い運転領域では同機関回転速度NEが低いときほど、内燃機関10へのデポジットの付着による点火時期の変化量が小さくなって、上記定常的な偏差の変化の度合いも小さくなると云える。
こうしたことから、本実施の形態の装置では、中負荷中負荷運転領域において上記定常的な偏差の変化度合いが最も大きくなる。
こうした実情をふまえて本実施の形態では、図6に示すように、分配比率tkとして、中回転中負荷運転領域((図中に「TK1」で示す領域)において最も大きい値が設定されるとともに、同領域TK1から離間するほど小さい値が設定される。すなわち、分配比率tkは、中回転中負荷領域TK1→領域TK2→領域TK3→領域TK4といった順に徐々に小さい値になる。なお、この分配比率tkは、現状の機関回転速度NEや機関負荷KL等に基づいて電子制御ユニット16のメモリに記憶された設定マップを参照して設定される。
そして、この分配比率tkに基づいて次式[9]から第1KCS学習値agknk(あるいは第2KCS学習値agknkdp)の更新量Δagkが算出されるとともに、次式[10]から比率学習値rgknkの更新量Δrgkが算出される。

Δagk=tk×tdl …[9]
Δrgk=(1−tk)×(−tdl)÷DLAKNOK …[10]

そして、[パターン3]におけるノック学習値の更新では、第1KCS学習値agknkに更新量Δagkが加算されるとともに、比率学習値rgknkに更新量Δrgkが加算される。一方、[パターン4]におけるノック学習値の更新では、第2KCS学習値agknkdpに更新量Δagkが加算されるとともに、比率学習値rgknkに更新量Δrgkが加算される。
このように本実施の形態では、機関負荷KLと前記定常的な偏差の変化量との関係や機関回転速度NEと上記偏差の変化量との関係に応じたかたちで分配比率tkを設定することができ、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlをデポジット学習値adepと他のノック学習値とに分配することができる。したがって、デポジット学習値adepとそれ以外のノック学習値とをそれぞれ適正に学習することができる。
以下、このように各ノック学習値を学習することによる作用について説明する。
図7に、各ノック学習値とそれらノック学習値による合成補正量とを示す。
本実施の形態にかかる装置では、比率学習領域におけるデポジット学習値adepの学習を通じて、そのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づいて機関運転状態とデポジット学習値adepとの関係を同比率学習領域の全域にわたり一括して更新することができる(図7中の矢印D参照)。そのためデポジット学習値adepを少ない実行機会で広い機関運転領域にわたって速やかに学習することができる。そして、そうしたデポジット学習値adepにより、比率学習領域の全域にわたり満遍なくKCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差を縮小することができる。
ここで、比率学習領域では、機関運転状態とデポジット学習値adepとの関係の変化傾向が予め求められて記憶されている以上、記憶されている変化傾向と実際の変化傾向とを全ての機関運転領域にわたって一致させることは困難である。そのため、そうした変化傾向の設定誤差や内燃機関10の個体差などに起因して、学習されているデポジット学習値adepと機関運転状態との関係が、実際の変化傾向に適した関係からずれることが避けられない。したがって、上述のようにデポジット学習値adepを学習したところで、同デポジット学習値adepと実態に即した値との間に誤差が生じることとなり、これが点火時期の調節精度の低下を招く一因となってしまう。しかも、ノックセンサ15の検出信号へのノイズ重畳などの外乱によってKCSフィードバック補正値akcsが大きく変化するようなことがあると、このときの機関運転領域に対応するデポジット学習値adepのみならず、比率学習領域の全域にわたってデポジット学習値adepが不要に更新されてしまう。これも点火時期の調節精度の低下を招く一因となる。
この点、本実施の形態では、多点学習領域における学習を通じて、そのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づいてそのときの機関運転状態が含まれる学習領域の第2KCS学習値agknkdpを更新するといったように、複数の学習領域の第2KCS学習値agknkdpを実態に即したかたちで各別に学習することができる。そのため、それら第2KCS学習値agknkdpによって複数の学習領域それぞれについて各別に(図7中に矢印E1、E2、E3参照)、KCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差を精度よく補償することができるようになる。このように本実施の形態によれば、上記偏差が的確に縮小されるように、デポジット学習値adepの学習と第2KCS学習値agknkdpの学習とをそれぞれ適正に実行することができる。
ちなみに、仮に比率学習領域におけるデポジット学習値adepの学習を実行する構成を省略した場合、全ての機関運転領域において上記偏差を適正に抑えるためには、同多点学習領域における複数の学習領域の全てについて学習の実行頻度を確保しないといけないために、その学習のために必要になる時間が長くなってしまう。
この点、本実施の形態にかかる装置では、比率学習領域におけるデポジット学習値adepの学習を通じて同比率学習領域の全域にわたり上記偏差を速やかに縮小させることができる。しかも、多点学習領域における第2KCS学習値agknkdpの学習を通じて、上記偏差を各学習領域において各別に縮小させることもできる。したがって、比率学習領域におけるデポジット学習値adepの学習を実行する構成を省略した装置と比較して、上記偏差を機関運転領域の全域にわたり速やかに且つ精度よく抑えることができるようになる。
さらには、[パターン1]や[パターン3]が選択される機関運転領域において第1KCS学習値agknkが学習されるとともに(図7中の矢印F参照)、全ての機関運転領域において同第1KCS学習値agknkに基づいて要求点火時期afinが設定される。そのため、この第1KCS学習値agknkにより、全ての機関運転領域にわたって燃料のオクタン価の相異による点火時期の変化分が的確に補償されるようになる。
このように本実施の形態によれば、各ノック学習値をそれぞれ適正に学習及び更新することができる。そして、前記[パターン1]の選択時には第1KCS学習値agknkの分だけ要求点火時期afinが進角側に補正されるようになる。また、前記[パターン2]の選択時には第1KCS学習値agknkと第2KCS学習値agknkdpとを加算した分だけ要求点火時期afinが進角側に補正されるようになる。さらに前記[パターン3]の選択時には第1KCS学習値agknkに相当する量だけ進角するとともにデポジット学習値adepに相当する量だけ遅角した分(図中に線L1で示す合成補正量の分)だけ要求点火時期afinが補正されるようになる。また、前記[パターン4]の選択時には、第1KCS学習値agknkと第2KCS学習値agknkdpとを加算した値に相当する量だけ進角するとともにデポジット学習値adepに相当する量だけ遅角した分(図中に線L2で示す合成補正量の分)だけ、要求点火時期afinが補正されるようになる。
これにより、機関運転状態に応じたかたちで各ノック学習値をもとに要求点火時期afinとして適切な値が設定されるようになる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)比率学習領域におけるデポジット学習値adepの学習を通じて、そのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づいて機関運転状態とデポジット学習値adepとの関係を同比率学習領域の全域にわたり一括して更新することができる。そのためデポジット学習値adepを少ない実行機会で広い機関運転領域にわたって速やかに学習することができる。そして、そうしたデポジット学習値adepにより、比率学習領域の全域にわたり満遍なくKCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差を縮小することができる。しかも、多点学習領域における学習を通じて、複数の学習領域の第2KCS学習値agknkdpを実態に即したかたちで各別に学習することができる。そのため、それら第2KCS学習値agknkdpによって複数の学習領域それぞれについて各別に、KCSフィードバック補正値akcsとその基準値との定常的な偏差を精度よく補償することができる。したがって本実施の形態によれば、上記偏差が的確に縮小されるように、デポジット学習値adepの学習と第2KCS学習値agknkdpの学習とをそれぞれ適正に実行することができる。
(2)[パターン4]の選択時には、デポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpを共に学習するとともに要求点火時期afinの設定に用いるようにした。また[パターン2]の選択時には、デポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpのうちの同第2KCS学習値agknkdpのみを学習するとともに要求点火時期afinの設定に用いるようにした。さらに[パターン3]の選択時には、デポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpのうちの同デポジット学習値adepのみを学習するとともに要求点火時期afinの設定に用いるようにした。そのため、デポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpの学習を適切なタイミングで実行することができ、それらデポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpに基づいて要求点火時期afinを適正に設定することができる。
(3)[パターン4]の選択時における分配比率tkを機関回転速度NE及び機関負荷KLに基づいて設定するようにした。そのため、内燃機関10の運転領域によって異なる上記定常的な偏差の変化量に応じたかたちで学習更新量tdlをデポジット学習値adepと第2KCS学習値agknkdpとに分配することができ、それらデポジット学習値adep及び第2KCS学習値agknkdpをそれぞれ高い自由度をもって適正に学習することができる。
(4)[パターン4]の選択時における分配比率tkとして、中負荷運転領域において最も大きい値を設定するとともに、同中負荷運転領域から離間するほど小さい値を設定するようにした。そのため、機関負荷KLと前記定常的な偏差の変化量との関係に応じたかたちで分配比率tkを設定することができ、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlをデポジット学習値adepと第2KCS学習値agknkdpとに適切に分配することができる。
(5)[パターン4]の選択時における分配比率tkとして、中回転運転領域において最も大きい値を設定するとともに、同中回転運転領域から離間するほど小さい値を設定するようにした。そのため、機関回転速度NEと前記定常的な偏差の変化量との関係に応じたかたちで分配比率tkを設定することができ、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlをデポジット学習値adepと第2KCS学習値agknkdpとに適切に分配することができる。
(6)[パターン1]の選択時において各ノック学習値のうちの第1KCS学習値agknkのみを学習するとともに要求点火時期afinの設定に用いるようにしたために、燃料のオクタン価の相異による点火時期の変化分を上記第1KCS学習値agknkによって補償することができるようになる。しかも[パターン1]〜[パターン4]を設定したために、全てのノック学習値の学習をそれぞれ適切なタイミングで実行することができ、それらノック学習値に基づいて要求点火時期afinを適正に設定することができる。
(7)[パターン3]の選択時における分配比率tkとして、中負荷運転領域において最も大きい値を設定するとともに、同中負荷運転領域から離間するほど小さい値を設定するようにした。そのため、機関負荷KLと前記定常的な偏差の変化量との関係に応じたかたちで分配比率tkを設定することができ、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlをデポジット学習値adepと第1KCS学習値agknkとに適切に分配することができる。
(8)[パターン3]の選択時における分配比率tkとして、中回転運転領域において最も大きい値を設定するとともに、同中回転運転領域から離間するほど小さい値を設定するようにした。そのため、機関回転速度NEと前記定常的な偏差の変化量との関係に応じたかたちで分配比率tkを設定することができ、同分配比率tkをもとに上記学習更新量tdlをデポジット学習値adepと第1KCS学習値agknkとに適切に分配することができる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・学習更新量tdlの算出態様は任意に変更することができる。例えば、KCSフィードバック補正値akcsに徐変処理を施した値を学習更新量tdlとして用いることなどが可能である。
・[パターン3]の選択時における分配比率tkと[パターン4]の選択時における分配比率tkとを異なる態様で設定するようにしてもよい。また、それら分配比率tkを機関負荷KL及び機関回転速度NEの一方のみに基づいて設定するようにしてもよい。さらには、それら分配比率tkとして、機関運転状態によることなく一定の値を設定することなども可能である。
・デポジット学習値adepの学習の実行態様は任意に変更可能である。例えば機関運転状態に基づいてデポジット学習値adepを算出するための演算マップを設定するとともに同マップのマップ値の全てをそのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づいて一括更新するようにしてもよい。また機関運転状態に基づいてデポジット学習値adepを算出するための演算式を設定するとともに、同演算式の係数をそのときどきのKCSフィードバック補正値akcsに基づいて更新することなども可能である。
・上記実施の形態では、多点学習領域の複数の学習領域のうちの現状の機関運転状態が含まれる学習領域に対応する第2KCS学習値agknkdpをそのまま用いて要求点火時期afinを設定するようにした。これに代えて、次のような値を要求点火時期afinの設定に用いるようにしてもよい。すなわち先ず、多点学習領域における各学習領域に対応する第2KCS学習値agknkdpをそれぞれ各学習領域の代表動作点に対応する値として記憶しておく。そして、現状の機関運転状態の近傍の代表動作点における第2KCS学習値agknkdpをそれぞれ算出するとともに、各代表動作点を用いた補間処理を通じて、現状の機関運転状態に見合う第2KCS学習値agknkdpを算出する。そして、このようにして算出した第2KCS学習値agknkdpを要求点火時期afinの設定に用いる。
・上記実施の形態にかかる装置は、多点学習領域に比率学習領域の全体が含まれる装置にも、その構成を適宜変更した上で適用することができる。
・上記実施の形態にかかる装置は、第1KCS学習値agknkの学習が実行されない装置にも、その構成を適宜変更した上で適用することができる。
10…内燃機関、11…シリンダブロック、13…燃焼室、14…点火プラグ、14a…イグナイタ、15…ノックセンサ、16…電子制御ユニット、17…クランク角センサ、19…スロットルセンサ。

Claims (8)

  1. ノッキングの発生状況に応じてノック制御量を更新するとともに、同ノック制御量とその基準値との定常的な偏差を補償するための値をノック学習値として学習し、それらノック制御量及びノック学習値に基づいて機関点火時期についての制御目標値を設定する点火時期制御装置であって、
    前記ノック学習値は第1ノック学習値及び第2ノック学習値を含んでなるとともに、前記第1ノック学習値を学習する第1実行領域と前記第2ノック学習値を学習する第2実行領域との少なくとも一部が重複してなり、
    前記第1実行領域は、予め定めた前記ノック制御量の変化に対する機関運転状態と前記第1ノック学習値との関係の変化傾向をもとに同第1実行領域内全体における前記関係を前記ノック制御量に基づき一括更新する領域であり、
    前記第2実行領域は、機関運転状態に応じて区画されて前記第2ノック学習値が各別に設定された複数の領域が予め設定されてなるとともに、そのときの機関運転状態が含まれる領域の前記第2ノック学習値を前記ノック制御量に基づき更新する領域である
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  2. 請求項1に記載の点火時期制御装置において、
    前記第1実行領域と前記第2実行領域とが重複する機関運転領域では前記第1ノック学習値及び前記第2ノック学習値を共に学習するとともに前記制御目標値の設定に用い、
    前記第1実行領域と前記第2実行領域とが重複しない機関運転領域では、前記第1ノック学習値及び前記第2ノック学習値の中でもそのときの機関運転状態が含まれる領域に対応する値のみを学習するとともに前記制御目標値の設定に用いる
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の点火時期制御装置において、
    前記第1実行領域と前記第2実行領域とが重複する機関運転領域では、前記偏差を補償するための更新分についての前記第1ノック学習値及び前記第2ノック学習値への分配比率を機関運転状態に基づき設定する
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  4. 請求項3に記載の点火時期制御装置において、
    前記分配比率は、前記第1ノック学習値に分配される比率が機関負荷が中程度の機関運転領域において最も大きくなる値であり且つ同領域から離れるほど小さくなる値である
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  5. 請求項3または4に記載の点火時期制御装置において、
    前記分配比率は、前記第1ノック学習値に分配される比率が機関回転速度が中程度の機関運転領域において最も大きくなる値であり且つ同領域から離れるほど小さくなる値である
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の点火時期制御装置において、
    前記ノック学習値は第3ノック学習値をさらに含んでなり、
    前記第3ノック学習値は、前記第1実行領域及び前記第2実行領域のいずれとも重複しない機関運転領域において学習されてなるとともに、全ての機関運転領域において前記制御目標値の設定に用いられてなる
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  7. 請求項6に記載の点火時期制御装置において、
    当該装置は、前記第1実行領域及び第2実行領域のうちの同第1実行領域のみが重複する機関運転領域において前記第1ノック学習値と前記第3ノック学習値とを学習するものであり、その学習に際して前記偏差を補償するための更新分を前記第1ノック学習値に分配する比率として、機関負荷が中程度の機関運転領域において最も大きくなり且つ同領域から離れるほど小さくなる値を設定するものである
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
  8. 請求項6または7に記載の点火時期制御装置において、
    当該装置は、前記第1実行領域及び第2実行領域のうちの同第1実行領域のみが重複する機関運転領域において前記第1ノック学習値と前記第3ノック学習値とを学習するものであり、その学習に際して前記偏差を補償するための更新分を前記第1ノック学習値に分配する比率として、機関回転速度が中程度の機関運転領域において最も大きくなり且つ同領域から離れるほど小さくなる値を設定するものである
    ことを特徴とする点火時期制御装置。
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