JP2011256703A - キッチンカウンタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シンク20は、床面に対し略垂直に延びる折返し片25を周設したフランジ部22を有した形状とし、接合部30は、開口部13の内周縁15の全体に対して折返し片25の開口部13内周縁側の面25aを対向させ、カウンタ10とシンク20との表面側14、24aを、隙間を介して整合させた状態に保持し、折返し片25とシンク側壁26との間のフランジ部裏面24bに、フランジ部22を裏側から表側に圧締部材50を、折返し片25及びシンク側壁26から硬質接着剤が注入される空隙を隔てて、かつ、カウンタと離間させて介在させて、カウンタ10及びシンク20の裏面側から硬質接着剤を注入することにより形成され、接合部30の一部が目地Jを形成するように隙間の表面側に露出する構成とする。
【選択図】図1
Description
このような取付け構造では、カウンタの開口部の内周縁下端と、シンクのフランジ部内周縁上端との間の接合部に隙間や段差が形成される、あるいは、シール剤が露出することとなり、その隙間や段差、シール剤に汚れが付着しやすく、また、それらが側周面に形成されることから清掃が容易ではなかった。
このものでは、シンクのフランジ上面に化粧板の係合片部が載置されて面一となるため、シンクの色彩を化粧板表面の色彩と合わせることにより、天板とシンクの一体感が図れるとされている。
前記構成とされた前記カウンタの前記シンクへの取付けは、前記フランジ部の下面を前記フランジ載置部に当接させ、前記突起部を前記逃がし部に配置し、前記桟木の前記傾斜面部を、前記シンクの前記テーパ部に沿って圧接するように前記桟木を前記カウンタの下面に固定し、該突起部にコーキング材を充填して、前記フランジ部の上面とそれに隣接するカウンタの上面とが面一となるようにして行われる。
このものでは、前記逃がし部への微量なコーキング材と、前記突起部の該逃がし部への引っ掛けによりカウンタとシンクとを接合しているので、カウンタからのシンクの取り外しが容易になるとともに、前記テーパ部を前記桟木の前記傾斜面部に圧接するようにしたことで、前記シンクの重量を分散して受けて、前記シンクを前記カウンタに安定性よく取り付けることができるとされている。
この点において、前記特許文献1に記載の天板とシンクの取付け構造では、天板とシンクの一体感が図れるとされているが、シンクのフランジ部の段部と、化粧板の係合片部とを全周に亘って略同径かつ略同厚に形成する必要があり、特にステンレスなどで製され、波打ちや変形等が生じやすいシンクのフランジ部の表面側を平滑として意匠性を高めるためには、接合工程に非常に手間が掛かるものである。
また、カウンタとシンクとは微小な突起部と逃がし部、及びそれらを接合するコーキング材により接合されているため、コーキング材の接着面積が少なく、コーキング材やシンクの経年劣化等によりシンクのフランジ部近傍に浮きなどが生じ、フランジ部の平滑性が失われる恐れがあった。
さらに、前記逃がし部、すなわち、カウンタとシンクのフランジ部との接合部が、表面側に形成されるため、容易に清掃が行えるものではあるが、カウンタとシンクとの接合部に、従来多用されているコーキング材は、シリコンシーラントやブチルゴムなどの軟質剤とされており、接合部にカビなどが発生すると、その分子構造の粗さからカビは、表面層に留まらず内層にまで滲入することもあり、カビの除去が困難となる恐れがあった。
また、前記カウンタと前記シンクとを硬質接着剤を注入して接合固着しているので、表面側に露出する前記目地に汚れが付着し難く、清掃性が良いとともに、カビなどが発生しても、硬質であるため、内層にまで滲入しにくく、除去しやすいものとなる。
さらに、前記シンクのフランジ部に床面に対し略垂直に延びる折返し片を周設しているので、該シンクを形成する際に、前記フランジ部の強度が向上し、波打ちや変形が生じにくいものとなり、該シンクの成型後の変形が低減できることから前記フランジ部の表面をフラットな形状とすることができるとともに、前記目地の幅を安定して略均一とすることができる。また、前記カウンタと前記シンクとの接合強度が高められる。
さらにまた、前記接合部は、前記開口部の内周縁と前記折返し片とを対向させ、その状態で、前記折返し片と前記シンク側壁との間の前記フランジ部裏面に、該フランジ部を裏側から表側に圧締するための圧締部材を介在させて、前記カウンタ及び前記シンクの裏面側から硬質接着剤を注入することにより形成されるので、表面側に露出する該フランジ部の表面をフラットにして、前記カウンタと接合できる。
図1乃至図4は、第1実施形態に係るキッチンカウンタを示し、図1は、同実施形態に係るキッチンカウンタの一例を示し、図3(b)におけるY部の拡大概略断面図、図2は、同実施形態に係るキッチンカウンタの一部を示す概略斜視図、図3は、同実施形態に係るキッチンカウンタの一部を示し、(a)は、一部破断概略平面図、(b)は、(a)におけるX−X線矢視概略断面図、図4は、同実施形態における接合部の形成過程を説明するための図であり、硬質接着剤が注入される前の状態を示す概略断面図である。
尚、図2及び図3においては、キッチンカウンタが通常備える水栓蛇口やコンロ、カウンタ下方に配設される収容部、該収容部に内設される配管等は、図示省略している。
また、以下の実施形態において指す前後方向は、キッチンカウンタに対し使用者が対面した状態における手前側を前側、奥側を後側とし、その前後方向に直交する方向を左右方向として説明する。
カウンタ10は、前記収容部(不図示)の天板を構成し、その前側縁は垂下し、前垂れ部11が形成され、後側縁は立ち上り、バックガード12が形成され、略中央には平面視略長方形で角が丸く形成され、シンク20が配設される開口部13が開設されている。開口部13は、シンク20のフランジ部22の外周縁よりも、やや大径に形成され、成型誤差や成型後のカウンタ10及びシンク20の膨張・収縮や変形から最低限必要となる隙間が開口部13の内周縁15と折返し片25との間に形成されている。
圧締部材50は、合成樹脂、金属または木材等で略角柱状あるいは略円柱状に形成され、一端51がフランジ部22の裏面に当接した状態で、その他端52が、硬質接着剤が注入されることにより形成される接合部30から露出するような高さに形成されている。
本実施形態では、圧締部材50を、フランジ部22の水平部裏面24bの周方向に沿って、間隔を隔てて複数個、介在させており、水平部裏面24bの前側には3つの前側圧締部材50a、同後側には3つの後側圧締部材50b、同左側には2つの左側圧締部材50c、同右側には2つの右側圧締部材50dが配設されている。
フランジ部22は、テーパ部23、水平部24、折返し片25を有しており、テーパ部23は、内方に向けてやや傾斜した形状とされ、水平部24は、テーパ部23よりも外周側に水平に形成され、水平部24の外周縁からは、床面に対し略垂直に延びた折返し片25が周設されている。折返し片25には、全周に亘って間隔を空けて複数箇所に保持孔25bが開設されている。
また、カウンタ10の開口部13近傍の裏面16には、桟木40が周設されている。桟木40は、合板やパーチクルボード、角材等の木製あるいは合成樹脂で断面視矩形に形成され、開口部13の内周縁15から一定の間隔を空けて、その全周に亘って裏面16に固着されている。
また、接合部30は、開口部13の内周縁15と折返し片25とを対向させ、カウンタ10とシンク20との表面側14、24aを、隙間を介して整合させた状態に保持し、その状態で、折返し片25とシンク20の側壁26との間のフランジ部22の裏面に、フランジ部22を裏側から表側に圧締する圧締部材50を介在させて、カウンタ10及びシンク20の裏面側から第1接合層31を形成する第1硬質接着剤と第2接合層32を形成する第2硬質接着剤とを注入することにより形成されて、第1接合層31の一部が目地Jを形成するように前記隙間の表面側に露出する構成としている。
更に、本実施形態では、カウンタ10とシンク20との表面側14、24aが目地Jを挟んで、略面一となるように形成されている。
この際、カウンタ10の開口部13の内周縁15とシンク20のフランジ部22の折返し片25の外周面25aとの隙間が全周に亘って略均一となるようにするとともに、カウンタ10の表面側14と、シンク20の水平部24の表面側24aとが、略面一となるように整合させるようにして、位置決めを行い、台座60及びシリコンゴム冶具61に対して、上方(図4の状態における上方を指す)からカウンタ10及びシンク20を押圧して圧接させる。
尚、前記隙間は、意匠性の観点及び成型誤差等吸収の観点から0.5mm〜5.0mm程度となるようにすることが好ましく、より好ましくは、2.0mm前後とすることで、カウンタ10とシンク20との接合強度を阻害することなく、意匠性に優れたものとなる。
これにより、シンク20を台座60に載置する際等に、フランジ部22の水平部24の表面側24aに高低差や歪み等が生じたり、台座60とフランジ部22の水平部24の表面側24aとの間に隙間等が生じた場合にも、表面側24aをフラットな形状に保持できる。特に、本実施形態のように、複数の圧締部材50を水平部裏面24bに、周方向に沿って、間隔を隔てて配設し、他端52を均一に押圧して、フランジ部22の水平部24を、台座60に対して圧締するようにしているので、例えば、水平部裏面24bの全周あるいは略全周に亘って設ける場合と比し、前記カウンタと前記シンクとの接合強度を阻害することなく、容易にフラットな形状とできる。
硬質接着剤としては、例えば、主剤と硬化剤を混合して構成された、2液常温硬化型の樹脂組成物からなる接着剤が好適であり、主剤としては、エポキシ樹脂系やウレタン樹脂系、硬化剤としては、主剤に応じてポリアミド系やイソシアネート系などが挙げられる。
このような2液常温硬化型の接着剤は、硬化反応が進んで完全に硬化すると、硬質となる。これにより、前記のように各圧締部材50でフラットな形状に保持されたフランジ部22の表面側24aがフラットな形状とすることができる。
すなわち、硬質接着剤は、第1接合層31を形成する第1硬質接着剤と第2接合層32を形成する第2硬質接着剤を使用し、該第1硬質接着剤は、該第2硬質接着剤よりも低粘性のものとしている。
本実施形態では、前記第1硬質接着剤として、低粘性のエポキシ樹脂系の2液常温硬化型の接着剤を使用し、前記第2硬質接着剤として、該第1硬質接着剤よりも粘度の高い高粘性のウレタン樹脂系の2液常温硬化型の接着剤を適用しているが、これに限られず、第1硬質接着剤をウレタン樹脂系、第2硬質接着剤をエポキシ樹脂系、または、いずれもエポキシ樹脂系にする、あるいは、いずれもウレタン樹脂系にしてもよい。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂や、ウレタン変性エポキシ樹脂などのように変性させたエポキシ樹脂を使用してもよい。
また、ウレタン樹脂としては、無黄変や難黄変タイプなどのウレタン樹脂を使用してもよい。これによれば、耐候性、耐光性に優れたものとなる。
尚、前記第1硬質接着剤は、図例のように桟木40のシンク側の側面41に、その一部が接触するような量まで注入することが好ましい。これにより、後記するようにカウンタ10とシンク20との接合強度を高めることが出来る。
これによれば、前記第1硬質接着剤が前記したような隙間や空隙に注入され、また低粘性であることから硬化時間が長くなる場合でも、前記第2硬質接着剤の硬化発熱が該第1硬質接着剤の硬化反応を助け、より早く硬化させることができる。
また、前記第2硬質接着剤を前記第1硬質接着剤よりも安価なものとして、図例のように、該第1硬質接着剤よりも該第2硬質接着剤を多く注入することで、カウンタ10とシンク20との接合強度を阻害することなく、安価に製造できる。
尚、図1及び後記する図5並びに図6では、第1接合層31、31A、31Bと第2接合層32との境界面が形成されているが、いずれも各接合層を模式的に現したものであり、実際には、硬化反応が進むにつれて、その境界面近傍では、前記第1硬質接着剤と前記第2硬質接着剤とが混和された状態で硬化することは言うまでもない。
また、本実施形態では、接合部30を形成する硬質接着剤として、2種類の第1硬質接着剤と第2硬質接着剤とを使用しているが、1種類の硬質接着剤を使用して、接合部30を形成する態様としてもよい。
さらにまた、カウンタ10を台座60の上面60aに載置した後に、前記のように、カウンタ10を上方から押圧するのではなく、台座60に、カウンタ10側に開口する空気吸引口(不図示)を有した空気吸引路(不図示)を設け、空気吸引手段(不図示)により吸引することで、カウンタ10を台座60に密接させるようにしてもよい。この場合は、台座60の上面60aに、前記空気吸引口を囲むように環状の凹溝を設けて、該凹溝に、環状に形成されたゴムなどの気密にするためのシール部材(不図示)を配設することが好ましい。
また、カウンタ10とシンク20とを前記硬質接着剤を注入して接合固着しているので、表面側に露出する目地Jに汚れが付着し難く、清掃性が良いとともに、カビなどが発生しても、前記したように硬化すると硬質となるため、内層にまで滲入しにくく、除去しやすいものとなる。
さらに、シンク20のフランジ部22に床面に対し略垂直に延びる折返し片25を周設しているので、シンク20を絞り成型により形成する際に、フランジ部22の強度が向上し、波打ちや変形が生じにくいものとなり、シンク20の成型後の変形が低減できることからフランジ部22の表面(特に水平部24)をフラットな形状とすることができるとともに、目地Jの幅を安定して略均一とすることができる。また、カウンタ10とシンク20との接合強度が高められる。
特に、本実施形態のように、水平部裏面24bの前後左右にそれぞれ、2〜3つづつ圧締部材50を配設する構成とすれば、水平部24の表面側24aを周方向に沿って、容易にフラットな形状に保持できる。
また、本実施形態では、圧締部材50を、折返し片25、シンク20の側壁26から前記硬質接着剤が注入される空隙G1、G2を隔てて配設する構成としているので、該硬質接着剤が注入される流路を阻害することなく、十分に全周に行き亘らせることができる。
さらにまた、桟木40をカウンタ10の裏面16に固着させていることにより、本実施形態のように人造大理石で構成されたカウンタ10でも、人造大理石を肉厚とせずとも、硬質接着剤で接合される接着面積が増え、カウンタ10とシンク20との接合強度を阻害することなく、十分な接合強度が得られる。この場合において、桟木40を前記したような木製のものとすれば、各硬質接着剤が桟木40に含浸するように接着し、カウンタ10とシンク20との接合強度をより一層、高めることが出来る。
さらに、本実施形態では、折返し片25には、全周に亘って間隔を空けて複数箇所に保持孔25bが開設されているので、保持孔25bにも前記硬質接着剤が充填され、保持孔25bに充填された硬質接着剤によりアンカー効果が奏され、よりカウンタ10とシンク20との接合強度が高められる。
さらにまた、フランジ部22は、テーパ部23を有しており、テーパ部23が内方にやや傾斜した形状とされているので、シンク20の周囲に飛散した水等も目地J近傍に溜まることなく、シンク20の内方へ容易に誘導でき、使い勝手が良い。並びに、テーパ部23の形成により、前記した折返し片25と同様に、フランジ部22の強度が向上し、波打ちや変形が生じにくいものとなり、シンク20の成型後の変形が低減できることからフランジ部22の表面をフラットな形状とすることができる。
これにより、従来のように、接合部が表面側に露出しないものと比し、清掃性が向上するとともに、意匠性にも優れたものとなる。
また、前記第2硬質接着剤は、表面側には露出しないため、第1硬質接着剤や桟木40、シンク20との接着強度や収縮率などを考慮して、安価なものとしてもよい。
これにより、カウンタ10とシンク20との固着力を妨げることなく、総合的に安価なものとできる。
さらにまた、前記第1硬質接着剤に、カウンタ10またはシンク20のいずれかの色、柄に合わせて、着色剤(顔料、染料等)、柄材などを混合してもよい。これにより、表面側に露出する目地Jが目立たず、より意匠性に優れたものとなる。この場合にも、本実施形態のように、2種類の硬質接着剤により接合部を形成する構成においては、前記したような着色剤(顔料、染料等)、柄材などを、表面側に露出する第1硬質接着剤にのみ混合すれば良いため、低コストとなる。
図5(a)、(b)は、それぞれ第2実施形態、第3実施形態に係るキッチンカウンタを示す、図1と同様図である。
第1実施形態との相違点は、接合部及び圧締部材の構成であり、他の構成は、いずれも第1実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
すなわち、カウンタ10の表面側14と、シンク20のフランジ部22の水平部24の表面側24aとに僅かな高低差が出来るように配置し、目地JAをシンク20に向けてやや傾斜するように形成している。
これによれば、カウンタ10の開口部13近傍の表面側14に付着した水分などを、シンク20の内方へより容易に誘導することができ、使い勝手が良いものとなる。
すなわち、前記第1実施形態で示した、折返し片25及びシンク20の側壁26と圧締部材50との間に形成された空隙G1、G2よりも空隙G1A、G2Aがそれぞれ幅狭となるように構成されている。
これによれば、フランジ部22の水平に形成された水平部24の幅方向の略全域に亘って、圧締部材50Aにより圧締することができるので、水平部24の表面側24aの平滑性をより高められるとともに、穿孔53が開設されていることから、前記したように幅を大きく形成した場合にも、前記硬質接着剤が注入される流路を阻害することなく、十分に全周に行き亘らせることができる。
尚、圧締部材50Aの配設箇所、カウンタ10とシンク20との前記硬質接着剤注入前の位置決め、各圧締部材50Aの圧締等は、前記した第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
また、空所の開設箇所、大きさ、形状等は、圧締部材50Aの幅や、圧締部材50Aと折返し片25及びシンク20の側壁26との空隙G1A、G2Aの幅、フランジ部22の水平部24の幅、前記各硬質接着剤の粘度等により、該各硬質接着剤の注入を阻害しない範囲で適宜、選択可能である。
すなわち、カウンタ10の表面側14と、シンク20のフランジ部22の水平部24の表面側24aとに僅かな高低差が出来るように配置し、目地JBがカウンタ10の開口部13の内周縁15上端からシンク20の折返し片25の角RのRエンドに向けて水平となるように形成している。
これによれば、目地JBの幅が、前記第1実施形態で説明した目地Jに比べて僅かに幅狭に形成でき、目地JBが目立たず、より意匠性に優れたものとなる。
切欠54は、周方向側面が凹形状となるように、一端51側を切り欠いて形成されており、凹部側、すなわち一端51側を、水平部裏面24bに当接させて配設するようにしている。
これによれば、前記第2実施形態同様の効果が得られるとともに、凹部を水平部裏面24bに当接する一端51側に形成しているので、前記硬質接着剤の流路を阻害することなく、よりスムーズに該硬質接着剤を全周に行き亘らせることが可能となる。
また、前記第2実施形態及び前記第3実施形態において、第1接合層31A、31Bを形成する前記第1硬質接着剤を注入する際には、図4を参照して説明した台座60及びシリコンゴム冶具61を目地JA、JB及びカウンタ10及びシンク20のフランジ部22の高低差に合わせて形成、配置することは当然である。
さらに、カウンタ10とフランジ部22との前記した高低差は、両実施形態ともに1mm前後とすることが好ましい。これによれば、外観上は、略面一で、フラットな形状となり、意匠性に優れたものとなる。
図6(a)、(b)は、それぞれ第4実施形態、第5実施形態に係るキッチンカウンタを示す、図1と同様図である。
第1実施形態との相違点は、圧締部材の構成であり、他の構成は、いずれも第1実施形態と同様であるため、同一符号を付し、説明を省略する。
また、圧締部材50Cは、桟木40に固着させた状態で、圧締部55の一端51がフランジ部22の水平部裏面24bに当接する高さに形成されており、圧締部取付片56の桟木40に対応する箇所には、ネジ挿通孔56aが穿設されている。
このように構成された圧締部材50Cを適用して、カウンタ10とシンク20とを接合する際には、前記した台座60の上面60aにカウンタ10及びシンク20を上下反転させて、前記のように位置決めを行った後、圧締部材50Cの圧締部取付片56を、桟木40の上面(上下反転時における上面を指す)に載置し、ネジ挿通孔56aを介して、木ネジSを桟木40に螺入して、圧締部材50Cを桟木40に固着させる。
次いで、前記第1実施形態同様、前記硬質接着剤を注入することによりなされる。
すなわち、圧締部材50Cを桟木40に固着させることで、フランジ部22の水平部24を、台座60及びシリコンゴム冶具61に対して圧締、つまり、水平部24に波打ちや変形等が生じている場合にも、圧締部材50Cを木ネジSの螺入により桟木40へ固着させることにより、水平部裏面24bに一端51が圧接して、水平部24の表面側24aを平滑に保持することができる。
尚、本実施形態では、圧締部材50Cを側面視略倒L字状に形成しているが、他の形状としてもよく、例えば、側面視略T字状、すなわち、圧締部55の途中から圧締部取付片56を延出させて、他端52が圧締部取付片56よりも突出するような形状としてもよい。
また、桟木40への固着による水平部裏面24bへの圧接のみならず、前記第1実施形態同様、他端52を上方から押圧する構成としてもよい。
さらに、圧締部材50Cの少なくとも圧締部取付片56は、剛性の金属等で形成することが好ましい。
位置決め部58は、開口部13の内周縁15と折返し片25の外周面25aとの間に形成された前記隙間の幅に応じて、周方向と直交する方向の幅が形成され、圧締部55の一端51を水平部裏面24bに当接させた状態で、上端(連結部57に連結されていない側の端を指す)がカウンタ10及びシンク20の表面側に露出しないような長さに形成されている。
このように構成された圧締部材50Dを適用して、カウンタ10とシンク20とを接合する際は、前記した台座60の上面60aにカウンタ10及びシンク20を上下反転させて、前記のように位置決めを行う際に、位置決め部58の折返し片側面58aと折返し片25の外周面25aとを、また、カウンタ側面58bと開口部13の内周縁15とを、それぞれ当接させるようにして位置決め、すなわち、開口部13の内周縁15と折返し片25の外周面25aとの間に形成される前記隙間の幅調整を行う。
これによれば、使用時において、特に目立ちやすい前側に形成される目地Jの幅を、容易に略同幅とすることができ、より意匠性に優れたものとなる。
次いで、前記第1実施形態同様、圧締部55の他端52を上方から押圧し、前記のように硬質接着剤を注入して接合部30を形成して、カウンタ10とシンク20とを接合固着する。
尚、本実施形態において、前側のみに圧締部材50Dを介在させて、他の後側及び左右側には、位置決め部58を有しない圧締部材50、50A、50B、50C等を介在させる構成としてもよい。
さらに、それぞれの圧締部材50、50A、50B、50C、50Dを、水平部裏面24bの周方向に沿って、適宜組み合わせて配設するようにしてもよい。
13 開口部
14 表面側(カウンタ)
15 開口部の内周縁
16 開口部近傍裏面
20 シンク
22 フランジ部
24a 表面側(フランジ部)
24b 水平部裏面(フランジ部)
25 折返し片
26 シンク側壁
30、30A、30B 接合部
40 桟木
50、50A、50B、50C、50D 圧締部材
53 穿孔(空所)
54 切欠(凹所)
56 圧締部取付片
58 位置決め部
A キッチンカウンタ
J、JA、JB 目地
Claims (7)
- カウンタに形成した開口部に、接合部を介してシンクを接合固着させてなるキッチンカウンタであって、
前記シンクは、その周縁に、床面に対し略垂直に延びる折返し片を周設したフランジ部を有した形状とされ、
前記接合部は、前記開口部の内周縁の全体に対して前記折返し片の開口部内周縁側の面を対向させ、前記カウンタと前記シンクとの表面側を、隙間を介して整合させた状態に保持し、その状態で、前記折返し片と前記シンク側壁との間の前記フランジ部裏面に、該フランジ部を裏側から表側に圧締するための圧締部材を、前記折返し片及び前記シンク側壁から硬質接着剤が注入される空隙を隔てて、かつ、前記カウンタと離間させて介在させて、前記カウンタ及び前記シンクの裏面側から前記硬質接着剤を注入することにより形成され、前記接合部の一部が目地を形成するように前記隙間の表面側に露出する構成とされていることを特徴とするキッチンカウンタ。 - 請求項1において、
前記圧締部材は、一端が前記フランジ部の水平部の裏面に当接する略角柱状あるいは略円柱状とされ、かつ、前記フランジ部裏面に、周方向に沿って、間隔を隔てて複数個、介在されていることを特徴とするキッチンカウンタ。 - 請求項2において、
前記圧締部材には、前記硬質接着剤が流通し得る空所または凹所が形成されていることを特徴とするキッチンカウンタ。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記カウンタの開口部近傍裏面には、桟木が周設されており、
前記圧締部材には、前記桟木に向けて延出する圧締部取付片が形成され、該圧締部取付片を該桟木に固着させて、前記フランジ部を裏側から表側に圧締する構成としていることを特徴とするキッチンカウンタ。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記圧締部材は、前記接合部を形成する際に、前記開口部の内周縁と前記折返し片との間に介在させて位置決めを行う位置決め部と連結されていることを特徴とするキッチンカウンタ。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記カウンタと前記シンクとの表面側は、前記目地を挟んで、略面一に形成されていることを特徴とするキッチンカウンタ。 - 請求項1乃至6のいずれか1項において、
前記カウンタは、人造大理石で構成されていることを特徴とするキッチンカウンタ。
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