JP2011255724A - バックミラー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】方向指示器のような電装品が一体形成されたバックミラー装置において、バックミラー装置と乗物本体との取付部が大型化するのを抑制できるバックミラー装置を提供する。
【解決手段】バックミラー20と、方向指示器18と、これらを収納し、ステー8を介して自動二輪車Aに取り付けられるハウジング12と、自動二輪車Aに取り付けられステー8を回転自在に支持する取付ベース7とを備え、ステー8の長手方向一端部8aに取付ベース7に回動自在に支持される被支持部分8cが設けられ、ステー8の長手方向他端部8bにハウジング12を接続するハウジング支持部34が設けられ、ステー8内に、ケーブル17が挿通され、ステー8の長手方向両端部8a,8bにケーブル導出口24、導入口30が形成されるケーブル挿通経路19が形成され、ケーブル挿通経路19は被支持部分8c以外の部分を通っている。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば、方向指示器のような電装品が一体形成されたバックミラー装置に関するものである。
自動二輪車のような乗物のバックミラー装置において、ミラーを収納するケース内に、方向指示器のような電装品を収納しているものがある(例えば、特許文献1)。バックミラー装置は車体に回動自在に取り付けられるが、特許文献1では、電装品へのケーブルが、バックミラー装置の乗物本体への取り付け部の回転軸を通って、乗物本体からバックミラーへ配線されている。
特開2006−69299号公報
しかしながら、特許文献1では、ケーブルを挿通させるために回転軸が大型化し、これにより、バックミラーと乗物本体との取付部が大型化する。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、方向指示器のような電装品が一体形成されたバックミラー装置において、バックミラー装置と乗物本体との取付部が大型化するのを抑制できるバックミラー装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るバックミラー装置は、バックミラーと、乗物本体内の機器とケーブルを介して接続される電装品と、これらを収納し、ステーを介して乗物に取り付けられるハウジングと、前記乗物本体に取り付けられ、前記ステーを回転自在に支持する取付ベースとを備え、前記ステーの長手方向一端部に前記取付ベースに回動自在に支持される被支持部分が設けられ、前記ステーの長手方向他端部に前記ハウジングを接続するハウジング接続部分が設けられ、前記ステー内に、前記ケーブルが挿通され、ステーの長手方向両端部に開口を有するケーブル挿通経路が形成され、前記ケーブル挿通経路は前記ステーにおける前記被支持部分以外の部分を通る。
この構成によれば、ケーブル挿通経路が、ステーの長手方向一端部に設けられた被支持部分を除いた部分を通るので、被支持部分、例えば支軸とその近傍の内部にケーブルを挿通させる必要がない。その結果、ステーの被支持部分が大型化するのが防がれる。さらに、ケーブルがステー内を挿通するから、ケーブルを露出させることなく、乗物本体からハウジングまで配線することができる。
本発明において、前記ステーは、前記取付ベースと前記ハウジングとを連結するステー本体と、前記ステー本体を着脱自在に覆うカバー部とを有し、前記ステー本体と前記カバー部との間に前記ケーブル挿通経路が設けられていることが好ましい。この構成によれば、ステー本体の長手方向にケーブルを這わせた状態で、カバー部でステー本体を覆うだけで、容易にステーにケーブルを挿通させることができる。
前記カバー部を備える場合、前記カバー部は前記取付ベースにおける前記被支持部分を支持する支持部分の近傍を覆い、カバー部に、前記ステーの長手方向一端部に形成された開口である導出口が形成されていることが好ましい。この構成によれば、カバー部に導出口が形成されるから、被支持部付近のステー本体の構造を簡略化できる。また、カバー部により取付ベースの支持部分が覆われることで、支持部分が露出するのが防がれ、外観が向上する。
カバー部に導出口を設ける場合、前記導出口の中心が前記取付ベースの回動軸心に近接していることが好ましい。ここで、「近接」とは、例えば、両者の距離が導出口の内径以下であることをいう。この構成によれば、回動軸心周りにステーが回動してもケーブルのねじれが少なく済む。
カバー部に導出口を設ける場合、前記取付ベースは前記ステー本体にシャフトを介して回転自在に取り付けられ、前記シャフトの端部と前記カバー部の内面との間に、前記ケーブルがシャフトの軸心方向に移動するのを許容する隙間が設けられ、かつ、前記ケーブル挿通経路における前記導出口近傍に、前記ケーブルがシャフトの軸心に直交する方向に移動するのを許容する隙間が設けられていることが好ましい。この構成によれば、ケーブルとシャフトが接触して、ケーブルが損傷するのを防ぐことができる。
本発明において、前記カバー部は前記ステー本体よりも低密度の材料からなることが好ましい。この構成によれば、バックミラー装置を軽量化することができる。
カバー部を前記ステー本体に比べて低密度の材料で形成する場合、前記カバー部が前記ステー本体の下側に連結されていることが好ましい。ここで、「下側に連結」とは、ステーの横断面において、ステー本体とカバー部の重合線と、水平線とのなす角度が、45°以内であることをいう。この構成によれば、ステー本体とカバー部との合わせ面から水が浸入するのを防ぐことができる。
本発明に係るバックミラー装置によれば、ケーブル挿通経路が、ステーの長手方向一端部に設けられた被支持部分以外の部分を通るので、被支持部分の内部にケーブルを挿通させる必要がない。その結果、ステーの被支持部分が大型化するのが防がれる。さらに、ケーブルがステー内を挿通するから、ケーブルを露出させることなく、乗物本体からハウジングまで配線することができる。
本発明の第1実施形態に係るバックミラー装置を備えた自動二輪車の前部の斜視図である。 同バックミラー装置のステーおよび取付ベースの分解斜視図である。 (A)は同バックミラー装置を後方から視た背面図で、(B)は(A)のIIIB−IIIB線に沿った断面図である。 同バックミラー装置の縦断面図である。 同バックミラー装置のステーおよび取付ベースの分解縦断面図である。 同バックミラー装置を下方から視た底面図である。 同バックミラー装置のハウジングの斜視図である。 同バックミラー装置の方向指示器の分解斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るバックミラー装置の取付ベースとステーの支持部を示す縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係るバックミラー装置の取付ベースとステーの支持部を示す縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係るバックミラー装置の取付ベースとステーの支持部を示す縦断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るバックミラー装置2を自動二輪車Aに取り付けた状態を示す斜視図である。同図において、自動二輪車Aの図示しない車体フレームの前部にカウリングブラケット4を介して、ヘッドランプ3とエンジンの吸気の取入口5とを備えたカウリング6が取り付けられている。このカウリング6を挟む形で、左右一対の前記バックミラー装置2がボルトのような締結部材10によりカウリングブラケット4に支持されている。
バックミラー装置2は、カウリングブラケット4に支持される取付ベース7と、長尺状のステー8と、ハウジング12とを有している。取付ベース7にステー8の長手方向一端部8aが回動自在に支持され、ステー8のステーの他端部8bにハウジング12が取り付けられている。ハウジング12内には、バックミラー20と電装品である方向指示器18とが収納されている。
ステー8は、取付ベース7の回りに回動することにより、他端部8bが自動二輪車本体に対して車幅方向に突出する突出状態と、他端部8bが突出状態に比べて自動二輪車本体に近接した近接状態とに選択的に設定可能に構成される。ステー8は、突出状態では自動二輪車の車体表面からほぼ車幅方向に延び、近接状態では自動二輪車の車体表面に沿って車体の前後方向に延びる。ステー8を突出状態とすることで、走行時に後方を視認できる位置にバックミラー20を配置することができ、近接状態とすることで、自動二輪車本体から車幅方向に突出する部分が抑えられ、自動二輪車の車幅方向の駐車スペースが小さくなる。
方向指示器18は、自動二輪車本体からケーブル17(図4)を介して供給される電力によって点灯する。自動二輪車本体には、方向指示器18を制御するための方向指示器制御装置(図示せず)が設けられている。方向指示器制御装置は、ライダーの操作などから方向指示器18を点灯させる状態であると判断すると方向指示器18へ電力を供給し、ライダーの操作、車体状態などから方向指示器18を消灯させる状態であると判断すると方向指示器18への電力供給を停止する。
取付ベース7は堅牢な材料である、鋼材のような金属からなり、図2に示すように、カウリングブラケット4(図1)に取り付けられるカウル取付部7aと、ステー8を支持するステー支持部7bを有している。カウル取付部7aには、2つのボルト挿通孔7aaが設けられ、該ボルト挿通孔7aaに前記締結部材10を挿通し、カウリングブラケット4(図1)に形成されたねじ孔(図示せず)にねじ込むことで、取付ベース7がカウリングブラケット4に固定されている。ボルト挿通孔7aaの数は2つに限定されない。図2のステー支持部7bは円筒形の有底筒からなり、円形の底壁の中心部に挿通孔7baが、底壁と同芯に設けられている。この底壁および挿通孔7baの中心線が取付ベース7の回動軸心Xを形成する。
図3(A)に示すように、ステー8は、取付ベース7とハウジング12とを連結するステー本体14と、ステー本体14を着脱自在に覆うカバー部16とを有している。ステー本体14は金属のような光沢のある材料で構成され、カバー部16はステー本体14に比べて密度および剛性の低い材料からなる。この実施形態では、ステー本体14はアルミニウム合金からなり、カバー部16は合成樹脂からなる。ステー本体14とカバー部16は、同一の材料で形成することもできる。その場合、ハウジング12を支持する機能を有するステー本体14は、カバー部16よりも剛性が高くなるように、板厚が大きく設定されたり、補強用のリブが形成されたりすることが好ましい。ステー本体14とカバー部16とは表面が同系色に設定されており、本実施形態では黒色系である。
カバー部16は、バックミラー装置2が車体に取り付けられた状態でステー本体14の下側に連結されている。つまり、ステー本体14とカバー部16は、ステー8を長手方向に沿った平面によって2分割された各分割部品を構成し、これらの合わせ面(重合面)Bは自動二輪車に取り付けられた状態で、ほぼ水平に延びている。ただし、この合わせ面Bは前方から見て、水平方向から45°以下で傾斜していてもよい。具体的には、本実施形態では、図3(B)に示すように、ステーの横断面において、ステー本体14とカバー部16の重合線Lと水平線Hとのなす角度θが、45°以内に形成される。ステー本体14を下方に延ばして深いC字状とし、カバー部16を平板状に形成してもよい。これにより、ステー本体14の強度を高めることもできる。
図4に示すように、ステー本体14とカバー部16との間には、方向指示器18のケーブル17が挿通するケーブル挿通経路19が設けられている。ケーブル挿通経路19におけるステー8の長手方向一端部8a側の開口であるケーブル導出口24はカバー部16に形成され、ステー8の長手方向他端部8b側の開口のケーブル導入口30は、ステー本体14に形成されている。ケーブル導出口24は、ケーブル17の直径よりも大きい直径を有する円形で、ステー8の長手方向Yにほぼ直交する方向に貫通している。ケーブル導出口24の中心Cと、前述の取付ベース7の回動軸心Xとは近接しており、ケーブル導出口24の中心Cが、取付ベース7の回動軸心Xよりも若干車体寄り(図4の右側)に位置している。
図2に示すように、ステー本体14の一端部14aにはインサート成形によって、支軸(シャフト)28が埋め込まれている。これにより、シャフト28の構造が簡単になり、シャフト28を小型化できるうえに、組立性が向上する。シャフト28の先端には雄ねじ部28aが形成されている。図5に示すように、このシャフト28を、取付ベース7の挿通孔7baに底面側から挿通し、複数枚のばねワッシャ31とワッシャ32を介して、雄ねじ部28aにナット33で締め上げることで、ステー本体14が取付ベース7に押圧された状態で回動自在に支持されている。すなわち、ステー本体14におけるシャフト28とその近傍である、取付ベース7に押圧される部分は、ステー8の被支持部分8cを構成する。図4に示すように、シャフト28の大部分、ばねワッシャ31およびワッシャ32は、取付ベース7の円筒形のステー支持部7bの内側凹部29内に収納されている。カバー部16はステー支持部7bの内側凹部29も覆っている。
図5に示すステー本体14の他端部14bに、下方に延出したハウジング支持部34が形成されている。ハウジング支持部34の端面は、ハウジング12に全面に渡って当接している。ハウジング支持部34の下部に、前記ケーブル導入口30を構成する貫通孔が設けられている。図2に示すハウジング支持部34の上部に、ステー8の長手方向に延びる2つのねじ孔34aが形成されている。
ステー本体14は、横断面形状が一方に開口した凹状となっており、その凹所内に補強リブ38が形成されている。この補強リブ38により、ステー8の強度向上および軽量化を達成している。凹所にはまた、凹所から突出するボス部40が設けられている。このボス部40はインサートナット40aを有している。
図4に示すように、カバー部16の一端部16a寄りに、ボルト挿通孔42が設けられている。このボルト挿通孔42に、締結部材の一例であるボルト44を下方から挿通して、図2に示すステー本体14のボス部40のインサートナット40aにねじ込むことで、図4のカバー部16の一端部16a寄りの部分がステー本体14に固定されている。このように、ケーブル導出口24およびボルト挿通孔42が下側に配置されるカバー部16に設けられるから、ステー8の上面、すなわちステー本体14の外表面は滑らかに形成され、外観が向上する。さらに、図3(A)に示すように、締結部材44の頭部も下方に露出するので、締結部材44が目立ち難く、美感を向上できる。
図4に示すカバー部16の他端部16bに、ハウジング12側に突出し、上記ケーブル導入口30に係止される係止爪46が形成されている。係止爪46をステー本体14のケーブル導入口30に係止させることで、カバー部16の他端部16bがステー本体14に固定されている。このように、カバー部16は、係止爪46と1本の締結部材44とでステー本体14に支持されている。つまり、カバー部16の他端部16b側のボルトを省略することができる。また、係止爪46がケーブル導入口30に係止されているので、別途係止孔を設ける必要がない。さらに、係止爪46が係止される分だけ、ケーブル導入口30が大きくなるから、カバー部16装着前のケーブル導入口30にケーブル17を挿通しやすくなるうえに、挿通後のケーブル17の移動が係止爪46によって規制される。ここで、ケーブル導入口30はハウジング12に設けてもよい。この場合、カバー部16の他端部16bはハウジング12に支持される。
ハウジング12は、例えば合成樹脂からなり、図6に示すように、前後方向に偏平な形状を持つ。ハウジング12の前面と後面には、図7に示すように、開口37,39が設けられている。ハウジング12の前面の開口37には方向指示器18(図6)が取り外し自在に装着され、後面の開口39にはバックミラー20(図6)が回動自在に取り付けられて、各開口37,39を塞いでいる。ハウジング12におけるステー8との接続壁41には、ケーブル挿通孔12aおよび、ボルト挿通孔12bが形成されている。図4に示すように、ケーブル挿通孔12aは、前記ケーブル導入口30に連なり、ケーブル挿通経路19とハウジング12内部とを連通させている。図7のボルト挿通孔12bには、ハウジング12内部からボルト36が挿通され、図2のステー本体14のハウジング支持部34に形成されたねじ孔34aにねじ込むことで、ハウジング12がステー8に支持される。
図8に示すように、方向指示器18は、ハウジング12(図7)に支持されたケース47と、ケース47に固定された発光体48と、発光体48の後面に配置されたリフレクタ49と、発光体48の前面に配置されるレンズ50とを有している。本実施形態では、発光体48は1つのバルブであるが、これに限定されない。発光体48を支持するソケット51にケーブル17の一端部が接続され、ケーブル17の他端は、図4のケーブル挿通孔12aからケーブル挿通経路19を通って、自動二輪車本体に取り付けられた前記方向指示器制御装置、たとえばエンジン・コントロール・ユニット(図示しない)に接続されている。
図4のケーブル挿通経路19の詳細について説明する。ハウジング12のケーブル挿通孔12aからケーブル導入口30を通ってケーブル挿通経路19に入ったケーブル17は、ケーブル挿通経路19内をステー8の長手方向Yに延びてケーブル導出口24から車体へ向かう。ケーブル導出口24は前述のとおりカバー部材16に設けられている。より具体的には、ステー8の被支持部分8cの一部であるシャフト28に対向する位置に設けられている。カバー部16の一端部16aは下方に膨出しており、これによって、シャフト28の端部28bとカバー部16の内面との間に、ケーブル17がシャフト28の軸心X方向に移動するのを許容する隙間S1が設けられている。換言すれば、ケーブル挿通経路19は被支持部分8c以外の部分であるカバー部の一端部16aを通っており、被支持部分8cを通らない。
ケーブル挿通経路19は、ケーブル導入口30からケーブル導出口24に向かって並ぶ第1経路部分〜第3経路部分19a〜19cを有する。第1経路部分19aはステー本体14の長手方向に延びる部分で、本実施形態では、ケーブル導入口30からステー支持部7bの手前までの部分である。第2経路部分19bは前記ステー支持部7bの手前からステー支持部7bの下端部に向かって下方へ曲がりながら、ステー8の長手方向に沿ってシャフト28の軸心Xまで延びる部分である。換言すれば、第2経路部分19bは、被支持部分8cに径方向に隣接する領域で軸心Xに沿う方向に曲がりながら、被支持部分8cの直下まで延びる部分である。第3経路部分19cは、シャフト28の下方からケーブル導出口24までの部分である。このように、ケーブル挿通経路19は、第2経路部分19bおよび第3経路部分19cがシャフト28を含む被支持部分8cに隣接する空間を通ることで、被支持部分8cの内部、この実施形態では、シャフト28の内部を通過せずに車体からハウジング12まで延びている。
また、ケーブル挿通経路19におけるケーブル導出口24近傍に、ケーブル17がシャフト28の軸心Xに直交する方向に移動するのを許容する隙間S2が設けられている。これら隙間S1,S2により、ステー8の被支持部分8c近傍に比較的大きな空間が形成されている。これにより、ステー8の回動に伴ってケーブル17が移動するのを許容している。カバー部16の一端部16aが下方に膨出していることで、ケーブル導出口24は、バックミラー装置2を車体に取り付けた状態で、ステー8の最も低い部分に位置している。このように、ケーブル導出口24が低い位置に設けられているから、ケーブル挿通経路19内に進入した水が、ケーブル導出口24から排出される。
次にバックミラー装置2の組立手順について説明する。まず、図5に示すステー本体14にハウジング12と取付ベース7を固定する。つぎに、図6のハウジング12に方向指示器18およびバックミラー20を取り付ける。つづいて、図8のケーブル17の一端を方向指示器18に接続し、他端を図4のハウジング12のケーブル挿通孔12a、ステー本体14のケーブル導入口30、カバー部16のケーブル導出口24の順に通す。ケーブル17と方向指示器18との接続は、方向指示器18のハウジング12への取り付けの前に行ってもよい。
つぎに、図5のカバー部16の係止爪46をステー本体14のケーブル導入口30に係止させた状態で、締結部材44によりカバー部16をステー本体14に固定する。最後に、取付ベース7を図1のカウリングブラケット4に固定し、ケーブル17の他端をエンジン・コントロール・ユニット(図示しない)に接続する。
このように、図4のステー本体14の長手方向一端部14aは、車体に固定される取付ベース7に支持され、長手方向他端部14bは、ハウジング12を支持している。つまり、ハウジング12に収納された方向指示器18(図6)およびバックミラー20(図6)はステー本体14により支持されている。そこで、ステー本体14は剛性の高い材料を用いたり、断面二次モーメントなどを大きくしたりして、ハウジング12を安定して支持するように構成する。これに対し、カバー部16は目隠しに特化しており、剛性の低い材料を用いたり、肉厚を薄くしたり、軽量な材料を用いたりすることができ、材料選択の幅が広い。
上記第1実施形態において、ケーブル挿通経路19が、ステー本体14の長手方向一端部14aに設けられた被支持部分8cを通らないので、シャフト28を含む被支持部分8cの内部にケーブル17を挿通させる必要がない。その結果、ステー8の被支持部分8cが大型化するのが防がれる。また、シャフト28の内部にケーブル17を挿通させる必要がないので、シャフト28を覆う蓋などが不要となり、ステー8の長手方向一端部8aの構造を簡素化できる。さらに、ケーブル17がステー8内を挿通するから、ケーブル17を露出させることなく、自動二輪車本体からハウジングまで配線することができる。
また、シャフト28にケーブル挿通用の孔を設ける必要がないので、シャフト28の内部にケーブル17を挿通させる場合に比べて、シャフト28を小型化することができる。さらに、ケーブル挿通経路19は、シャフト28近傍の第2経路部分19bにおいて、ステー8の長手方向に沿って延び、かつシャフト28の軸心X方向に曲がっていることで、ケーブル17がステー8の軸心Xを通るステー長手軸から幅方向外側に大きく偏位することが防がれ、ステー8の幅方向の寸法が抑えられてステー8が小型化されるとともに、ステー8の美感が向上する。
また、ステー8がステー本体14とカバー部16とを有し、ステー本体14とカバー部16との間にケーブル挿通経路19が設けられているので、ステー本体14の長手方向にケーブル17を這わせた状態で、カバー部16でステー本体14を覆うだけで、容易にステー8にケーブル17を挿通させることができる。
カバー部16がステー8の一端部8aから他端部8bまで延びているので、カバー部16がステー8の一部分のみに設けられている場合に比べて、ステー本体14に沿ってケーブル17を配置した際に、カバー部16をステー本体14に取り付けるだけで、ステー8にケーブル17を挿通させることができる。カバー部16は、ステー本体14の下方に配置されているので、目立ち難い。また、図3(A)に示すカバー部16とステー本体14との境界線Bが、ステー8の側面に形成されているので、境界線Bが目立ち難い。
さらに、カバー部16にケーブル導出口24が形成されているので、被支持部8c付近のステー本体14の構造を簡略化できる。また、カバー部16により取付ベース7の支持部分である、ステー8の一端部8aが覆われることで、ステー8の一端部8aが露出するのが防がれ、外観が向上する。
さらに、ケーブル導出口24の中心Cと、取付ベース7の回動軸心Xとが近接しているので、回動軸心X周りにステー8が回動してもケーブル17のねじれが少なく済む。ケーブル導出口24がシャフト28の軸心Xよりも車体のカウリング6寄りに設けられているので、カバー部16とカウリング6との間のケーブル露出部分が少なくなり、カバー部16によりケーブル17を保護する部分を多くできるうえに、外観も向上する。
また、シャフト28の端部28bとカバー部16の内面との間に、ケーブル17がシャフト28の軸心X方向に移動するのを許容する隙間S1が設けられているので、ケーブル17とシャフト28が接触して、ケーブル17が損傷するのを防ぐことができる。さらに、ケーブル挿通経路19におけるケーブル導出口24近傍に、ケーブル17がシャフト28の軸心Xに直交する方向に移動するのを許容する隙間S2が設けられているので、ケーブル17の曲がり部が擦れるのを防止できる。
また、カバー部16はステー本体14に比べて密度の低い材料からなるので、バックミラー装置2を軽量化できる。
さらに、カバー部16がステー本体の下側に連結されているので、ステー本体14とカバー部16との合わせ面から水が浸入するのを防ぐことができる。また、上側のステー本体14が露出し、下側のカバー部16が隠れるから、光沢のある金属製のステー本体14により外観が向上する。
図9は第2実施形態に係るバックミラー装置2Aを示す縦断面図である。第2実施形態では、ステー本体14Aに代えて取付ベース7Aに、シャフト28Aがインサート成形され、ステー本体14Aに、挿通孔52aを有する円筒形の被支持部52が設けられている。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。第2実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
図10は第3実施形態に係るバックミラー装置2Bを示す縦断面図である。第3実施形態では、支軸として、第1実施形態のシャフト28に代えて、ボルト28Bが用いられている。具体的には、ステー本体14Bの一端部14Baに形成された被支持部8Bcにボルト挿通孔56が設けられ、ボルト挿通孔56は、取付ベース7Bにおける円筒形の有底筒からなるステー支持部7Bbの底壁に設けられた挿通孔7Bbaに連通する。ボルト28Bは、ステー本体14Bの外方からボルト挿通孔56および開口7Bbaに挿通され、複数のばねワッシャ60およびワッシャ59を介在してナット58で締め上げることで取付ベース7Bとステー本体14Bを回転自在に連結する。それ以外の構成は第1実施形態と同様である。第3実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
図11は第4実施形態に係るバックミラー装置2Cを示す縦断面図である。第4実施形態においても、第3実施形態と同様に、支軸としてボルト28Cが用いられている。第3実施形態との相違点は、取付ベース7Cに、縦断面U字形のステー支持部7Cbが設けられており、このステー支持部7Cbの一対の支持片70,71がステー本体14Cの一端部14Baに形成された被支持部8Ccを挟む形で支持している点である。つまり、ボルト28Cは複数のばねワッシャ62およびワッシャ63を介在して、一方(上方)の支持片70に設けられた挿通孔7Cba、ステー本体14Cの一端部14Caに設けられた挿通孔66、および他方(下方)の支持片71に設けられた挿通孔7Cbaの順に挿通され、複数のばねワッシャ62およびワッシャ63を介在してナット72で締め上げることで、取付ベース7Cとステー本体14Cとが連結される。それ以外の構成は第3実施形態と同様である。第4実施形態も、第1実施形態と同様の効果を奏する。
なお、カバー部16に、図3(B)に2点鎖線で示すように、ケーブル17を案内するガイド15を設けてもよい。ガイド15は、例えば、カバー部16の一部をケーブル挿通経路19側に凹ませることで形成される。図4の第1実施形態では、カバー部16におけるボルト挿通孔42が形成されている部分がケーブル挿通経路19側に凹んで、ケーブル17の移動を規制している。さらに、上述の実施形態では、カバー部16がステー本体14の下方に配置されているが、上方に配置されてもよく、カバー部16とステー本体14が車体の前後方向に並んで配置されてもよい。さらに、ケーブル導出口24は回動軸心Xから離れた位置に形成されてもよい。この場合、カウリング6でケーブル17を隠すようにすれば、外観は損なわれない。
以上のとおり、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の追加、変更または削除が可能である。上記各実施形態では、自動二輪車用のバックミラー装置ついて説明したが、自動二輪車以外の乗物、たとえば四輪車、小型滑走艇でもよく、特にステーを介してミラーが設けられる鞍乗型の乗物に好適に適用可能である。また、電装品は方向指示器に限定されず、たとえば、ポジションランプ、撮像手段、各種センサ、スピーカ等であってもよく、さらに、バックミラー駆動用の電動機であってもよい。すなわち、乗物本体とバックミラー装置のハウジングとの間をケーブルが通過するものであれば、本発明は適用可能である。したがって、そのようなものも本発明の範囲内に含まれる。
2,2A,2B,2C バックミラー装置
7,7A,7B,7C 取付ベース
8 ステー
8a ステーの長手方向一端部
8b 長手方向他端部
8c 被支持部分
12 ハウジング
14,14A,14B,14C ステー本体
16 カバー部
17 ケーブル
18 方向指示器(電装品)、
19 ケーブル挿通経路
20 バックミラー
24 ケーブル導出口
34 ハウジング支持部
A 自動二輪車(乗物)

Claims (7)

  1. バックミラーと、
    乗物本体内の機器とケーブルを介して接続される電装品と、
    これらを収納し、ステーを介して乗物に取り付けられるハウジングと、
    前記乗物本体に取り付けられ、前記ステーを回転自在に支持する取付ベースとを備え、
    前記ステーの長手方向一端部に前記取付ベースに回動自在に支持される被支持部分が設けられ、前記ステーの長手方向他端部に前記ハウジングを接続するハウジング接続部分が設けられ、
    前記ステー内に、前記ケーブルが挿通され、ステーの長手方向両端部に開口を有するケーブル挿通経路が形成され、
    前記ケーブル挿通経路は前記ステーにおける前記被支持部分以外の部分を通るバックミラー装置。
  2. 請求項1において、前記ステーは、前記取付ベースと前記ハウジングとを連結するステー本体と、前記ステー本体を着脱自在に覆うカバー部とを有し、
    前記ステー本体と前記カバー部との間に前記ケーブル挿通経路が設けられているバックミラー装置。
  3. 請求項2において、前記カバー部は前記取付ベースにおける前記被支持部分を支持する支持部分の近傍を覆い、カバー部に前記ステーの長手方向一端部に形成された開口である導出口が形成されているバックミラー装置。
  4. 請求項3において、前記導出口の中心が、前記取付ベースの回動軸心に近接しているバックミラー装置。
  5. 請求項3または4において、前記取付ベースは前記ステー本体にシャフトを介して回転自在に取り付けられ、前記シャフトの端部と前記カバー部の内面との間に、前記ケーブルがシャフトの軸心方向に移動するのを許容する隙間が設けられ、かつ、前記ケーブル挿通経路における前記導出口近傍に、前記ケーブルがシャフトの軸心に直交する方向に移動するのを許容する隙間が設けられているバックミラー装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項において、前記カバー部は前記ステー本体よりも低密度の材料からなるバックミラー装置。
  7. 請求項6において、前記カバー部が前記ステー本体の下側に連結されているバックミラー装置。
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